説明

配信システム及び車載器

【課題】車載器においてセンター装置によるコンテンツ情報の送信を中止させることを可能とし、コンテンツ情報を受信する際のユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】コンテンツ情報を送信するセンター装置30と、当該コンテンツ情報を受信する車載器10とを備える配信システムにおいて、車載器10は、コンテンツ情報の受信中止を指示するキャンセルボタンB1と、キャンセルボタンB1により受信中止の指示がなされた場合、コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報をセンター装置30に送信させる制御部と、を有し、センター装置30は、車載器10から送信される制御情報(車載器10の特性情報、受信中止通知情報)に基づいてコンテンツ情報の送信を中止する制御部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム及び車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置のような車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を利用して路上に設置された路側無線装置と狭域無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から情報提供を受けることが可能となっている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このような車載器を用いたシステムは、車両が路側無線装置の通信範囲内にある間のみ、車両に搭載された車載器と路側無線装置との双方向通信が可能となり、この間にセンター装置が路側無線装置を介して、コンテンツ情報(例えば、周辺の店舗や医療機関の情報、広告等)を配信するのである。
【特許文献1】特開2001−101578号公報
【特許文献2】特開2004−279509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような配信システムでは、路側無線装置の通信エリアに進入した車載器に対し、センター装置側から一方的にコンテンツ情報を送信するため、車載器側では送信されたコンテンツ情報を受信するのみであって、車載器側からコンテンツ情報の送信を中止させることができない。特に、送信されるコンテンツ情報の容量が大きい場合には、受信に長時間要することとなり、ユーザがコンテンツ情報の受信を切り上げたい場合等も考えられるが、受信が完了するまで待たなくてはならない。
【0005】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、車載器においてセンター装置によるコンテンツ情報の送信を中止させることを可能とし、コンテンツ情報を受信する際のユーザの利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、コンテンツ情報を送信するセンター装置と、当該コンテンツ情報を受信する車載器とを備える配信システムにおいて、前記車載器は、前記コンテンツ情報の受信中止を指示する操作手段と、前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報を前記センター装置に送信させる第1制御手段と、を有し、前記センター装置は、前記車載器から送信される前記制御情報に基づいて前記コンテンツ情報の送信を中止する第2制御手段を有する、ことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配信システムにおいて、前記車載器の第1制御手段は、前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記センター装置との通信状態を初期化し、また、当該車載器の機器特性を示す特性情報を変更して当該変更した特性情報を前記制御情報として前記センター装置に送信させ、前記センター装置の第2制御手段は、前記車載器から受信した前記特性情報に応じて、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、ことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の配信システムにおいて、前記車載器の第1制御手段は、前記特性情報として、前記コンテンツ情報を記憶する記憶手段の容量不足を示す情報を前記センター装置に送信させ、前記センター装置の第2制御手段は、前記車載器から前記記憶手段の容量不足を示す特性情報を受信した場合、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、ことを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の配信システムにおいて、前記車載器の第1制御手段は、前記特性情報として前記記憶手段のコンテンツ情報の記憶可能容量を示すメモリ情報を0に書き換え、当該特性情報を前記センター装置に送信させ、前記センター装置の第2制御手段は、前記車載器からメモリ情報が0の特性情報を受信した場合、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、ことを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の配信システムにおいて、前記車載器の第1制御手段は、前記制御情報として、前記コンテンツ情報の受信の中止を示す受信中止通知情報を前記センター装置に送信させ、前記センター装置の第2制御手段は、前記車載器から前記受信中止通知情報を受信した場合、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、ことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、センター装置から送信されるコンテンツ情報を受信する車載器において、前記車載器は、前記コンテンツ情報の受信中止を指示する操作手段と、前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報を前記センター装置に送信させる制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車載器において、前記制御手段は、前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記センター装置との通信状態を初期化し、また、当該車載器の機器特性を示す特性情報を変更して当該変更した特性情報を前記制御情報として前記センター装置に送信させる、ことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車載器において、前記制御手段は、前記特性情報として、前記コンテンツ情報を記憶する記憶手段の容量不足を示す情報を前記センター装置に送信させる、ことを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の車載器において、前記制御手段は、前記特性情報として前記記憶手段のコンテンツ情報の記憶可能容量を示すメモリ情報を0に書き換え、当該特性情報を前記センター装置に送信させる、ことを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載の車載器において、前記制御手段は、前記制御情報として、前記コンテンツ情報の受信の中止を示す受信中止通知情報を前記センター装置に送信させる、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、車載器においてセンター装置によるコンテンツ情報の送信を中止させることが可能となり、コンテンツ情報を受信する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
まず、構成を説明する。
図1に、第1実施形態における配信システム100の構成図を示す。
配信システム100は、図1に示すように、車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を含んで構成され、センター装置30が路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を送信する。
路側無線装置20は路上や駐車場等に設置され、各路側無線装置20はネットワークNを介してセンター装置30と接続されている。また、路側無線装置20と、車両Cの車載器10とは無線通信が可能である。
【0018】
なお、コンテンツ情報とは、データ形式等の詳細は後述するが、店舗の広告や駐車場、医療施設の案内等のコンテンツ(テキスト情報、画像情報、音情報など)の他、コンテンツ情報を提供する事業者に関する情報、コンテンツ情報の有効期限の情報(例えば、有効期限の開始と終了の日時)、サービスを提供可能な対象地点の情報(例えば、広告している店舗の地点を示す緯度経度や店舗名等)が含まれる。例えば、目的地等の情報を含むコンテンツ情報であれば緯度経度情報も格納されているが、コンテンツ情報に目的地等の情報が含まれなければ緯度経度情報は必要がなく、当該情報を示すデータ領域には情報は格納されない。他にも、コンテンツ情報として、当該コンテンツ情報の通知を行うためのポップアップ再生を行うべき再生地点(例えば、ポップアップの再生地点を示す緯度経度、ポップアップを再生する道路種別や車両の進入方向を指定する情報等)、コンテンツの表示画面の遷移情報(次に表示する画面を指定する情報等)、嗜好情報等を含む情報が格納されていてもよい。
【0019】
図1では1台のセンター装置30のみ示したが、コンテンツ情報を送信する配信事業者は複数あり、センター装置30は配信事業者毎に備えられるものであってもよい。
【0020】
以下、各構成装置について詳細に説明する。
路側無線装置20は、図2に示すように本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は、道路脇、道路上方又は駐車場脇等に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、路側無線装置20近傍に路側エリアZを形成する。この路側エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。以下、路側無線装置20と車載器10間の狭域無線通信を路車間通信という場合がある。
【0021】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。
【0022】
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10へ転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータ端末を適用することができる。尚、ここでは本体装置20aはセンター装置30と別体として説明したが、本体装置20aがセンター装置30の一部又は全ての機能を兼ね備えるようにしても良い。
【0023】
車載器10は、車両Cに搭載され、搭載された車両Cを目的地へ誘導するための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electronic Toll Collection System)利用のための処理を行う機能等を有している。
【0024】
図3に、路側無線装置20を介してセンター装置30から車載器10に配信(送信)されるコンテンツ情報のデータ構成例を示す。
図3に示すように、センター装置30から1又は複数の情報グループが配信され、車載器10ではこれらの情報グループを受信して蓄積することとなる。ここで、図3に示す情報グループ1、2、・・・nのそれぞれがコンテンツ情報であり、車載器10においてはコンテンツ情報を単位として再生処理が行われる。
【0025】
図3に示すように、1つの情報グループは、情報の内容により分類された複数の要素により特徴付けられた情報を持ち、カーナビにおいて表示されるコンテンツの1または数ページ分に相当するものである。
各構成要素はID番号(00、01、・・等)と当該ID番号に対応して格納される実データからなる。図3において、情報グループ1を構成するコンテンツ情報には、ID00(ID番号が“00”であることを示す、以下同じ)、ID01、ID02、ID03、ID04、ID05、ID10、ID30・・・で規定される情報が含まれていることを示している。
【0026】
図4に、各IDの情報の概要を示す。
図4に示すように、ID毎に情報の内容が分類されている。
なお、情報グループに含まれる各IDに対応する情報にはヘッダ情報(図示せず)が含まれており、各IDに含まれている情報量を示す情報バイト等、各IDに対応する内容を示す情報やフラグ等がヘッダ情報として格納されている。
【0027】
「ID00」の情報は、情報グループが持つIDの一覧を示す。このID00中の各IDの有無を確認することにより、当該各IDが存在するか否かを即時に判断することができる。ここで、それぞれの情報グループは必ずしも全てのIDを持つわけではなく必要なIDのみを持つ。例えば、ある情報グループはID00〜05により特徴付けられた情報を持ち、また別のある情報グループはID00〜ID05、ID10、ID30により特徴付けられた情報を持つ。尚、ID00、ID01、ID02は基本的な情報であり、全ての情報グループは、これらのIDの情報を持つ。
【0028】
「ID01」の情報は、サービス事業者の情報を示す。例えば、サービス事業者に一意に付与されたサービス事業者コード等である。他にもサービス事業者に関するテキスト情報としてサービス事業者表示テキストや、サービス事業者やサービス名称等を車載器10の利用者に音声で通知する際に用いられるサービス事業者表音文字列が格納されてもよい。
【0029】
「ID02」の情報は、コンテンツの詳細情報を示す。例えば、サービス事業者によって割り当てられるコンテンツの情報提供元を示す企業コード、サービス事業者が情報グループ(コンテンツ情報)毎にユニークに割り付けられ、後述するID30の遷移情報等に使用される情報コード、コンテンツ情報が属する嗜好情報のカテゴリを示すコードを示す嗜好データカテゴリ等である。他にも、サービス事業者が配信するコンテンツ情報の提供元である企業に関するテキスト情報をユーザに通知する際に用いられる企業表示テキストや音声で通知する際に用いられる企業表音文字列等をID02のコンテンツの詳細情報として格納してもよい。
【0030】
「ID03」の情報は、ID10で配信されたコンテンツの再生条件の情報を示す。例えば、受信したコンテンツを通信エリア外でも利用可能なコンテンツとして蓄積するか、受信完了後に即時再生するコンテンツかを表す識別子としての即時再生/蓄積コード、情報提供地点で定義されたエリア内で指定されたコンテンツを再生できない場合の挙動を規定する識別子としての再生条件コード等である。
【0031】
「ID04」の情報は、コンテンツ情報の有効期限の情報を示す。例えば、受信したコンテンツ情報の開始年月日時分や終了年月日時分を秒単位で示している。
【0032】
「ID05」の情報は、ID10で示された店舗等の営業時間やサービスを提供できる時間等を示す。
【0033】
「ID10」の情報は、対象地点の情報を示す。対象地点とは、サービスの提供を行う店舗や施設等をいう。対象地点の情報としては、例えば、対象地点の位置を示す対象地点座標(緯度経度)、対象地点名称等を示す対象地点表示用テキスト、テキスト・画像・音声等のコンテンツ、対象地点の情報をIP通信により提供する際のURL、対象地点を地図上に表示する際に使用されるアイコン画像、提携駐車場情報等の地点に関する情報とコンテンツの実データからなる。なお、対象地点が存在しないコンテンツ情報の場合は、画面遷移のための説明の情報が格納されていてもよい。
【0034】
「ID20」の情報は、コンテンツのポップアップを再生させたい情報提供エリア(情報提供地点)に関する情報を示す。例えば、ポップアップ情報を再生する緯度経度情報を示す情報提供中心座標、中心座標からの半径情報を示す情報提供エリア、ポップアップ情報を再生する情報提供方向を示す情報提供方向コードや道路種別を示す情報提供道路種別、ポップアップ再生する静止画のデータとしての表示画像データや表音文字列データ、圧縮音声データ、ポップアップ再生する音声データの再生順番を表す音声再生順等からなる。つまり、実際にポップアップされてユーザに通知される内容はID20の表示画像や音声等のデータである。
【0035】
「ID30」の情報は、遷移情報(次に表示する画面(遷移先)を指定する情報等)を示す。例えば、次の遷移先の情報コードを示す次再生情報コード等からなる。
【0036】
「ID40」の情報は詳細情報と呼ばれるID10のコンテンツに関する詳細な情報であり、串刺し検索等を実現するために用いられる。例えば、コンテンツの内容の説明をするためのテキスト情報等が格納される詳細情報、サービス対象地点や画面遷移の案内を行う表示用文字データ、音声によってユーザに伝達するための表音文字列等からなる。
【0037】
「ID50」の情報は予め登録されている駐車場に関する駐車場情報を示す。例えば、情報配信装置において予め登録されている駐車場の駐車場ID、満空情報等である。満空情報とは満車、空車の状況や、満車率等の混み具合を示す情報である。
【0038】
「ID60」の情報は駐車場の出入口付近/駐車場内合流/分岐・速度案内等、敷地内の運転に関して、運転の補助となる運転支援情報を示す。例えば、運転支援のための画像、当該コンテンツを受信した際に情報の内容を発話することによりユーザに対して知らせるための音声案内を行うのに用いられる表音文字列、圧縮音声、音声の再生順の情報等である。
【0039】
「ID80」の情報は、サービス事業者が配信するコンテンツを最大96項目に分類して、利用者の嗜好に合わせて配信するコンテンツを選択するために利用される嗜好データを示す。例えば、嗜好データのテーブルのバージョン情報、そのバージョン情報で定められているテーブルの表示用テキスト情報、表音文字列、詳細情報等からなる。
なお、この他、異なる番号のIDを付与して新たな情報内容を定義してもよい。
【0040】
図5に、第1実施形態における車載器10の構成図を示す。
図5に示すように、車載器10は、カーナビ部1、通信モジュール2、DSRC部3、制御部4等を備えて構成されている。なお、インターネットに接続可能な通信部を備えてもよい。
【0041】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g等を備え、車両Cの現在地から目的地までの経路を算出し、当該経路に従って車両Cを目的地へ誘導するための処理を行う。
【0042】
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから検出された現在地の位置情報及び地図記憶部1cに記憶された地図情報等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図情報を用いて算出した経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
【0043】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車の加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行い、車両の絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両の現在地を示す位置情報(経度、緯度等の情報)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0044】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図情報、通信モジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。
【0045】
入力部1dは、操作キーや表示部1eと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、制御部4に出力し、操作手段として機能する。
【0046】
表示部1eは、モニタを備え、制御部4の制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報のコンテンツの画面等の各種画面や、キャンセルボタンB1が表示された画面(図8参照)を表示し、表示手段として機能する。
【0047】
記憶部1fは、メモリから構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶すると共に、記憶部1fは、センター装置30から路側無線装置20を介して無線で受信された複数のコンテンツ情報(情報グループ)を記憶する記憶手段として機能する。
【0048】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4から指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4から指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0049】
通信モジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、通信センターと光通信、FM通信、電波通信等の各種通信を行う。例えば、通信モジュール2は通信センターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。なお、通信センターとしてはVICSセンター等を挙げることができるが、これに限らず、また、通信センターから受信する情報としては、渋滞情報や道路交通情報に限らない。
【0050】
DSRC部3は、DSRC制御部3a、通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3d、ICカードI/F3eを備えて構成されており、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
【0051】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。例えば、ETCによる決済を行う際には、通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3dにより決済情報の書込処理を行わせる。
また、通信部3bにより路側無線装置20を介してセンター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに記憶されている情報を、通信部3bにより路側無線装置20に送信させる一方、通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
【0052】
通信部3bは、例えば車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍等の位置に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0053】
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域Mが設けられている。アップリンク情報記憶領域Mは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報が記憶される。
【0054】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10に個々に割り振られた識別情報を示す車載器ID、車載器10が対応できる言語を示す対応言語、地図の測地系、対応可能な著作権管理情報、表示部1eのモニタ解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)対応、記憶部1fに記憶されるコンテンツ情報の記憶可能容量を示すメモリ容量等の項目の情報が含まれる。
【0055】
アップリンク情報とは、センター装置30において送信するコンテンツ情報を選択するために用いる情報である。アップリンク情報には、ユーザがコンテンツ情報の配信について契約をしたサービス事業者の特定情報、車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好情報、受信再生履歴情報等が含まれる。アップリンク情報は、制御部4によってサービス事業者に応じた内容でサービス事業者毎に生成され、最新の内容となるように制御部4が常に更新を行っている。
【0056】
サービス事業者の特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約したサービス事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報はDSRC部3のセットアップ(起動)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0057】
嗜好情報は、センター装置30においてユーザの嗜好に応じたコンテンツを選択するのに用いる情報である。嗜好情報は、コンテンツを分類する複数のカテゴリ毎にユーザが好むか好まないかを示す情報を含む。このカテゴリは、「暮らし」、「買い物」等のようにコンテンツの分類を示すものであり、サービス事業者が任意に設定できるものである。
【0058】
受信再生履歴情報は、センター装置30から配信されたコンテンツ情報に付与されている情報コード及びその再生の履歴の情報である。履歴の情報は、受信したコンテンツ情報のうち、実際に表示部1eに表示される等して再生されたコンテンツ情報の情報コードがあり、再生時の緯度経度情報や時刻情報等が含まれることもある。
【0059】
ETC処理部3dは、ICカードI/F3eに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
【0060】
ICカードI/F3eは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3dとの間で情報のやりとりを仲介する。
【0061】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。例えば、路側無線装置20との路車間通信を行う際にはDSRC部3の通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。また、DSRC部3を介してセンター装置30から受信したコンテンツ情報の保存、再生制御等を行う。
【0062】
また、第1実施形態における制御部4は、入力部1dによりコンテンツ情報の受信中止の指示がなされた場合、コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報をセンター装置30に送信させる第1制御手段として機能する。第1実施形態における制御部4は、コンテンツ情報の受信中止の指示がなされた場合、センター装置との通信状態を初期化し、制御情報として、機器特性が変更された特性情報をセンター装置30に送信させる。特に、第1実施形態における変更された特性情報とは、コンテンツ情報を記憶する記憶部1fの容量不足を示す情報、例えば、記憶部1fのコンテンツ情報の記憶可能容量を示すメモリ容量を0に書き換えた情報とする。
【0063】
次に、センター装置30について説明する。
図6に、センター装置30の機能的構成図を示す。
図6に示すように、センター装置30は、制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成され、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報を路側無線装置20を介して車載器10に配信する。
【0064】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、制御部31は、記憶部34に保存されているコンテンツを読み出して編成したり、編成したコンテンツ情報の送信制御を行う。なお、ここで「編成」とは、送信するコンテンツを選択し、選択したコンテンツを図3及び図4に示すような配信用のフォーマットに合わせてデータ構築することをいう。
【0065】
また、第1実施形態における制御部31は、車載器10から送信される制御情報(特性情報)に基づいてコンテンツ情報を配信する。この特性情報が記憶部1fの容量不足を示す特性情報、例えば、メモリ容量が0の特性情報を受信した場合、当該車載器10へのコンテンツ情報の送信を中止する第2制御手段として機能する。
【0066】
入力部32は、キーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0067】
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0068】
記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。また、記憶部34は配信すべきコンテンツを記憶している。
また、ユーザはコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際、会員登録を行うために、記憶部34はこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報を記憶する他、ユーザが所有する車載器10の車載器ID、ユーザの嗜好情報等の情報をユーザ毎にデータベース化して記憶する。
【0069】
通信部35は、路側無線装置20とDSRC通信を行うための通信用インターフェイスを備え、制御部31の通信制御に従って通信処理を実行する。
【0070】
次に、動作について説明する。
図7に、第1実施形態におけるコンテンツ情報を配信する際のセンター装置30、路側無線装置20、車載器10の処理の流れを示す図を示し、説明する。
【0071】
まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS2)。特性情報は、制御部4が表示部1eや記憶部1f等の各部に問い合わせるか、或いは予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に書き込む。なお、実際には書込を指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
【0072】
その後、車両Cが走行を開始し、路側無線装置20の路側エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、路側無線装置20からDSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。なお、DSRC接続時には、車載器10の記憶部3c等に記憶されている車載器10を識別するための車載器IDがセンター装置30に対して送信されている。
【0073】
次いで、路側無線装置20が車載器10のDSRC部3に対し、特性情報の送信要求を行うと、DSRC部3は記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。次いで、制御部4はアップリンク情報を生成し、アップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS6)。
【0074】
センター装置30は、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS7)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報を要求する。
車載器10のDSRC部3は、センター装置30からのポーリングに応じてアップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS8)。
【0075】
センター装置30は、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうち、受信した特性情報及びアップリンク情報に応じたコンテンツ情報を読み出し、特性情報に含まれるメモリ容量に基づいて、コンテンツ情報を記憶するための容量不足でないかを判別し、容量不足でない場合には、読み出したコンテンツ情報を車載器10に送信し(ステップS9)、メモリ容量が0である場合等のメモリ容量不足である場合には、コンテンツ情報の送信不可と判別し、コンテンツ情報を送信せずに本処理を終了する。
【0076】
特性情報及びアップリンク情報に応じて選択されて読み出されるコンテンツ情報としては、例えば、特性情報に含まれる対応できる言語の情報が「日本語」であり、アップリンク情報に含まれる嗜好情報のカテゴリが「洋画」や「アニメ」等であれば、日本語対応であって嗜好情報のカテゴリが「洋画」や「アニメ」であるコンテンツ情報となる。
【0077】
車載器10の制御部4は、センター装置30からコンテンツ情報の受信を開始すると、キャンセルボタンB1と受信状況とを示す画面を表示する(ステップS10)。尚、第1実施形態ではコンテンツ情報の受信を開始してからキャンセルボタンB1と受信状況とを示す画面を表示するとしたが、この限りではない。例えば、キャンセルボタンと受信状況を示す画面とを別体として構成し、個々に表示しても良い。また、表示のタイミングについても、キャンセルボタンについては、コンテンツの受信開始を待たずに、例えばエリアインしてDSRC接続が確認されてすぐに表示しても良い。その場合は、エリアインしたものの、コンテンツの受信を望まない場合に有効となる。
【0078】
図8に、ステップS10において表示される画面の例を示す。
図8に示す画面G1は、受信状況の情報を示す受信状況表示領域E1と、キャンセルボタンB1を備える。受信状況表示領域E1には、受信中である旨を示すメッセージや、受信中のコンテンツ情報の実情報量に対して受信済みの情報量を示す情報、その割合を示すインジケータ等が表示される。キャンセルボタンB1は、コンテンツ情報の受信中止の指示を受け付け、操作手段として機能する。
【0079】
なお、ステップS10におけるキャンセルボタンB1の表示処理は、配信されている対象コンテンツ情報が即時再生である場合(当該コンテンツにおけるID03の即時再生/蓄積コードで「即時再生」となっている場合)には、キャンセルボタンB1を表示させず、ステップS14に移行して、コンテンツ情報の送信を中止させない制御としてもよい。更に、コンテンツ情報の受信開始タイミングと、キャンセルボタンB1の生成及び当該キャンセルボタンB1の押下信号の有効タイミングとの間に時間差(例えば、2〜5秒程度)を設け、情報量が小さいコンテンツ情報、即ち、設定された時間差以内に受信が完了するコンテンツ情報を受信する際には、ステップS14に移行して、キャンセルボタンB1によるコンテンツ情報の送信中止制御を実行しない制御としてもよい。
【0080】
車載器10の制御部4は、ステップS10において表示した画面のキャンセルボタンB1が押下されたか否か、即ち、受信中止の指示が入力部1dにより受け付けられたか否かを判別し(ステップS11)、キャンセルボタンB1が押下された場合(ステップS11;Y)、DSRC部3に路側無線装置20との通信路を遮断させる指示と通信状態を初期状態に戻す初期化(リセット)の指示を出力し、擬似的に一旦エリアアウトした状態とする(ステップS12)。また、特性情報のメモリ容量を0に書き換え(ステップS13)、ステップS3a、S3bに戻る。
【0081】
センター装置30は、配信すべきコンテンツ情報を全て配信すると、配信終了を通知するメッセージ情報を制御部31が生成して車載器10に送信する(ステップS14)。この配信終了のメッセージ情報はユーザに対しエリアアウトを促すためのものであり、車載器10はこのメッセージ情報を表示する。
【0082】
一方、車載器10の制御部4は、キャンセルボタンB1が押下されていない場合(ステップS11;N)であって配信終了の通知を受信した場合、受信し終えたコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS15)。
【0083】
その後、一定時間路側無線装置20との通信が途絶えると、車載器10の制御部4は、配信が終了されたと判断してアップリンク情報を削除する制御を行う(ステップS16)。この制御に応じて、DSRC制御部3aはアップリンク情報記憶領域M内のアップリンク情報を削除する。
【0084】
なお、本第1実施形態では、特性情報のメモリ容量を0に書き換えることにより、センター装置30がコンテンツ情報の送信不可と判別して、センター装置30からのコンテンツ情報の送信を中止することを実現しているが、特性情報に含まれる他の情報、例えば、言語や解像度等をセンター装置30が対応していない言語や解像度等に書き換えることにより、センター装置がコンテンツ情報の送信不可を判別するようにしてもよい。
【0085】
以上のように、第1実施形態によれば、車載器10がセンター装置30からコンテンツ情報を受信する際にキャンセルボタンB1が表示された画面を表示させることにより、ユーザはコンテンツ情報の受信中止を指示できる。また、車載器10は、このユーザの指示に従って、路側無線装置20を介してセンター装置30との通信状態を初期化(リセット)して擬似的に一旦エリアアウトした状態を作り出すと共に(ステップS12参照)、特性情報のメモリ容量を強制的に0に書き換えた特性情報をセンター装置30に送信すること(ステップS13参照)により、当該車載器10とセンター装置30との通信が再度確立された後、メモリ容量が0である特性情報がアップリンクされ、センター装置30側では車載器10のメモリ容量が0であることからコンテンツ情報の送信付加でありコンテンツ情報の配信は行なわないという判別が行われ(ステップS9参照)、コンテンツ情報の配信処理が終了することとなるため、センター装置30からのコンテンツ情報の受信を中止できる。
【0086】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る配信システムの構成は第1実施形態と同一であり、入力部1dによりコンテンツ情報の受信中止の指示がなされた場合、コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報がコンテンツ情報の受信の中止を示す受信中止通知情報であり、動作が異なるのみである。よって、同一の構成部には同一の符号を付し、異なる動作部分のみ説明する。
【0087】
図9に、第2実施形態におけるコンテンツ情報を配信する際のセンター装置30、路側無線装置20、車載器10の処理の流れを示す図を示し、説明する。
【0088】
図9に示すステップS1〜S8、S14〜S16の処理は、第1実施形態において図7を参照して説明したステップS1〜S8、S14〜S16と同一の処理である。よって、ステップS1〜S8、S14〜S16の処理については説明を省略し、第2実施形態に特徴的な図9のステップS21〜S27についてのみ説明する。
【0089】
センター装置30は、記憶部34に記憶されているコンテンツ情報のうち、受信した特性情報及びアップリンク情報に応じたコンテンツ情報を読み出し、読み出したコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップS21)。特性情報及びアップリンク情報に応じて選択されて読み出されるコンテンツ情報は、第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0090】
車載器10の制御部4は、センター装置30からコンテンツ情報の受信を開始すると、キャンセルボタンB1と受信状況とを示す画面を表示する(ステップS22)。なお、ステップS22において表示される画面の例は、第1実施形態の図8に示す画面と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0091】
車載器10の制御部4は、ステップS22において表示した画面のキャンセルボタンB1が押下されたか否か、即ち、受信中止の指示が入力部1dにより受け付けられたか否かを判別し(ステップS23)、キャンセルボタンB1が押下された場合(ステップS23;Y)、DSRC部3に対し、コンテンツ情報の受信の中止要求を行い(ステップS24)、DSRC部3は、当該受信の中止要求に応じた受信中止通知情報を路側無線装置20に送信する(ステップS25)。
【0092】
センター装置30は、路側無線装置20から受信中止通知情報を受信し、コンテンツ情報の送信の割り込みがされたか否かを判別し(ステップS26)、コンテンツ情報の送信の割り込みがされた場合(ステップS26;Y)、コンテンツ情報の送信を中止し、コンテンツ情報の送信を中止したメッセージ情報(送信中止情報)を制御部31が生成して車載器10に送信する(ステップS27)。車載器10はこのメッセージ情報を表示する。
【0093】
センター装置30は、コンテンツ情報の送信の割り込みがされていない場合(ステップS26;N)、配信すべきコンテンツ情報を全て配信すると、配信終了を通知するメッセージ情報を制御部31が生成して車載器10に送信する(ステップS14)。
【0094】
一方、車載器10の制御部4は、キャンセルボタンB1が押下されていない場合(ステップS23;N)であって配信終了の通知を受信した場合、受信し終えたコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS15)。
【0095】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、車載器10がセンター装置30からコンテンツ情報を受信する際にキャンセルボタンB1が表示された画面を表示させることにより、ユーザはコンテンツ情報の受信中止を指示できる。また、車載器10は、このユーザの指示を受信中止通知情報としてセンター装置30に送信することにより、センター装置30は、当該受信中止通知情報に応じてコンテンツ情報の送信を中止することができる。
【0096】
以上のように、第1、2実施形態によれば、車載器10においてセンター装置30によるコンテンツ情報の送信を中止させることが可能となり、コンテンツ情報を受信する際のユーザの利便性を向上させることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1実施形態における配信システムの構成図である。
【図2】路側無線装置及び路側エリアを説明するための図である。
【図3】コンテンツ情報のデータ構成例を示す図である。
【図4】各IDの情報の概要を示す図である。
【図5】車載器10の構成図である。
【図6】センター装置の機能的構成図である。
【図7】第1実施形態におけるコンテンツ情報を配信する際のセンター装置、路側無線装置、車載器の処理の流れを示す図である。
【図8】ステップS10において表示される画面の例を示す図である。
【図9】第2実施形態におけるコンテンツ情報を配信する際のセンター装置、路側無線装置、車載器の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1b 現在地検出部
1c 地図記憶部
1d 入力部
1e 表示部
1f 記憶部
1g 音声出力部
2 通信モジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
3b 通信部
3c 記憶部
3d ETC処理部
3e ICカードI/F
4 制御部
10 車載器
20 路側無線装置
20a 本体装置
20b アンテナ
30 センター装置
31 制御部
32 入力部
33 表示部
34 記憶部
35 通信部
100 配信システム
B1 キャンセルボタン
C 車両
E1 受信状況表示領域
G1 画面
M アップリンク情報記憶領域
N ネットワーク
Z 路側エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報を送信するセンター装置と、当該コンテンツ情報を受信する車載器とを備える配信システムにおいて、
前記車載器は、
前記コンテンツ情報の受信中止を指示する操作手段と、
前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報を前記センター装置に送信させる第1制御手段と、
を有し、
前記センター装置は、
前記車載器から送信される前記制御情報に基づいて前記コンテンツ情報の送信を中止する第2制御手段を有する。
【請求項2】
前記車載器の第1制御手段は、
前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記センター装置との通信状態を初期化し、また、当該車載器の機器特性を示す特性情報を変更して当該変更した特性情報を前記制御情報として前記センター装置に送信させ、
前記センター装置の第2制御手段は、
前記車載器から受信した前記特性情報に応じて、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記車載器の第1制御手段は、
前記特性情報として、前記コンテンツ情報を記憶する記憶手段の容量不足を示す情報を前記センター装置に送信させ、
前記センター装置の第2制御手段は、
前記車載器から前記記憶手段の容量不足を示す特性情報を受信した場合、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、
請求項2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記車載器の第1制御手段は、
前記特性情報として前記記憶手段のコンテンツ情報の記憶可能容量を示すメモリ容量を0に書き換え、当該特性情報を前記センター装置に送信させ、
前記センター装置の第2制御手段は、
前記車載器からメモリ容量が0の特性情報を受信した場合、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、
請求項2又は3に記載の配信システム。
【請求項5】
前記車載器の第1制御手段は、
前記制御情報として、前記コンテンツ情報の受信の中止を示す受信中止通知情報を前記センター装置に送信させ、
前記センター装置の第2制御手段は、
前記車載器から前記受信中止通知情報を受信した場合、当該車載器へのコンテンツ情報の送信を中止する、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項6】
センター装置から送信されるコンテンツ情報を受信する車載器において、
前記車載器は、
前記コンテンツ情報の受信中止を指示する操作手段と、
前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記コンテンツ情報の送信を中止させる制御情報を前記センター装置に送信させる制御手段と、
を備える。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記操作手段により受信中止の指示がなされた場合、前記センター装置との通信状態を初期化し、また、当該車載器の機器特性を示す特性情報を変更して当該変更した特性情報を前記制御情報として前記センター装置に送信させる、
請求項6に記載の車載器。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記特性情報として、前記コンテンツ情報を記憶する記憶手段の容量不足を示す情報を前記センター装置に送信させる、
請求項7に記載の車載器。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記特性情報として前記記憶手段のコンテンツ情報の記憶可能容量を示すメモリ容量を0に書き換え、当該特性情報を前記センター装置に送信させる、
請求項7又は8に記載の車載器。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記制御情報として、前記コンテンツ情報の受信の中止を示す受信中止通知情報を前記センター装置に送信させる、
請求項6に記載の車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−230261(P2009−230261A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72281(P2008−72281)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】