説明

配線基板及びその製造方法並びに半導体パッケージ

【課題】配線基板の最外配線層の配線が高密度となる配線基板等を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の配線層11,13,15及び絶縁層12,l4が交互に積層され、配線層が絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板であって、最外配線層15より内側の配線層上に設けた接続用パッド3と、接続用パッド3上に設けられ配線基板表面から突出した外部接続端子5とを有し、外部接続端子5が最外配線層15を貫通して設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、配線層が絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板及びその製造方法並びに半導体パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報通信機器の高性能化、高機能化の要求に伴う、その機能を実現する機器の中枢の電子部品としての半導体パッケージの高密度実装化に応じて、半導体チップや半導体装置を搭載するための配線基板における高密度化が進んでいる。これらの用途に使用される基板には、通常複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、配線層同士が、絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている多層の配線基板が用いられている。当該基板へ搭載すべき半導体チップの高集積化や、半導体装置の基板への接続端子の狹ピッチ化に対応して、配線基板の接続端子も、微細化された構成が必要となり、特に、基板の最外層の配線において、その配線密度を最大限にすることが求められている。具体的には、最外層の配線のデザインルールについて、外部接続端子の接続用パッドと表面ソルダーレジスト開口部との位置精度を上げる等の手段がとられ、例えば、特許文献1には、フォトリソグラフィ及びレーザを使用して開口を精度よく形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、ソルダーレジスト層の材料に感光性の樹脂を使わずレーザを用いて開口を形成する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−152311号公報
【特許文献2】特開2000−244125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の配線基板の最外層の配線設計において、円形等の形状をなす接続用パッドは、その縁辺をソルダーレジスト層にて覆うため、接続用パッドに対応するソルダーレジスト層の開口部の形成について、精度合わせが必要であり、基板表面の配線密度のデザインルールに影響を与えていた。該開口部の形成精度を向上させるため、特許文献1及び特許文献2に示されているように、レーザの技術を用いる手段の提案はあるが、更に配線の高密度化ができないという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、配線基板の最外配線層の配線が高密度となる配線基板及び製造方法並びに半導体パッケージを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本件発明の配線基板は、複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板であって、最外配線層より内側の配線層上に設けた接続用パッドと、該接続用パッド上に設けられ当該配線基板表面から突出した外部接続端子とを有し、該外部接続端子が前記最外配線層を貫通して設けられているように構成することができる。
【0006】
また、上記目的を達成するため、本発明の配線基板は、複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板であって、当該配線基板に搭載される半導体チップもしくは半導体装置を接続するための外部接続端子が挿入されるべき空間が、最外配線層より内側にある配線層上に設けた接続用パッドから、当該配線基板の表面に向かって最外配線層を貫いて形成されているように構成することができる。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明の製造方法は、複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板の製造方法であって、前記配線基板に搭載される半導体チップもしくは半導体装置を接続するための外部接続端子が、最外配線層より内側にある配線層上の接続用パッドに接続され、最外配線層を貫くように形成されるはんだ外部接続端子形成工程を有するように構成することができる。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の製造方法は、複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板の製造方法であって、前記配線基板に搭載される半導体チップもしくは半導体装置を接続するための外部接続端子が装入されるべき空間を、最外配線層より内側にある配線層上に設けた接続用パッドから、当該配線基板の表面に向かって、表面のソルダーレジスト層と該ソルダーレジスト層の下層の絶縁層とで構成される最外配線層を貫いて形成する工程を有するように構成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、配線基板の最外配線層の配線が高密度となる配線基板及び製造方法並びに半導体パッケージを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、最外配線層を貫通する外部接続端子の1形態である。
【0012】
図1Aは、本発明の配線基板の量産工程における形態を示している。当配線基板10は、積層工程の終了後に破線に沿って切断分離されて、最終製品として使用される各々の配線基板1となり、電子機器に組み込まれる。
【0013】
図1B(a)は、配線基板1の表面を示している。配線基板1の表面は、接続用パッド2と、内側の配線層上に設けられた接続用パッド3と、配線6と、ソルダーレジスト層7から形成されている。
【0014】
図1B(b)は、接続用パッド2及び3の上に設けられ表面から突出した外部接続端子4及び5を示している。他の接続用パッド上にも同様に外部接続端子が接続される。外部接続端子には、はんだバンプが使用される。
【0015】
図1Cは、図1B(a)における隣接する接続用パッド2及び3計4個についての、各中心を含む切断線A−Aによる配線基板1の断面図である。本第1の実施の形態は、コア層の片側に各々3層ずつ積層された6層で構成される配線基板である。基板1は、コア層100、コア層上の配線層11、第1の絶縁層12、コア層上の第2の配線層13、第2の絶縁層14、コア層上の第3の配線層(最外配線層)15、ソルダーレジスト層7、及び外部接続端子4と5からなる。搭載されるべき半導体チップ又は半導体装置150の外形を2点鎖線により示す。積層の構造の、第1の絶縁層12及び第2の配線層13を一組の層として、「コア層上の第2の層101」とし、また、第2の絶縁層14、第3の配線層15及びソルダーレジスト層7を一組の層として、「コア層上の第3の層102」とする。本第1の実施の形態においては、コア層上の第3の層102は、配線基板1の最も外側の層となるので、以下これを「最外層102」とする。同じく、コア層上の第3の配線層15も最も外側の配線層となるので、以下これを「最外配線層15」とする。
【0016】
図1Dは、図1CにおけるB部の詳細図である。半導体チップ又は半導体装置150を搭載すべき配線基板1の表面側の最外層付近の接続用パッド、配線、絶縁層及び外部接続端子の構造を示す。最外層102に、配線6を挟み隣接する外部接続端子4、5が設けられる。一方の外部接続端子4は、接続用パッド2上に設けられ、表層にソルダーレジスト層7を有する最外層102の表面8から突出している。他方の外部接続端子5は、最外配線層15より内側にある配線層(本第1の実施の形態ではコア層上第2の配線層)13上の接続用パッド3上に設けられ、最外層102を貫通して基板表面8に突出している。搭載されるべき半導体チップ又は半導体装置150の配線基板1との接続状態が基板表面8と略平行になるよう、外部接続端子4の頭頂部9の基板表面8からの高さ10aは、外部接続端子5の頭頂部9の基板表面8からの高さ10aと同一のレベルである。
【0017】
なお、当構造の説明においては、接続用パッド3は、最外配線層15より内側のコア層上第2の配線層13に設けられているが、更に内側のコア層上の配線層11に設けられてもよい。あるいは、更にその内側に配線層を有する構造の配線基板の場合には、その配線層上に設けられてもよい。また、設計の条件に合わせて、積層数を増加あるいは減少させた構造が可能である。コア層100についての、裏面の側の積層構造は、上述の3層の積層と同じ構造にすることができるので、詳細な説明は省略する。また、コア層を有しない複数の配線が積層された構成も可能である。
【0018】
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態による、最外配線層における配線の高密度化と信頼性の向上の効果について説明する。比較のため、従来の配線基板における配線の構造を図2A〜図2Cに示す。
【0019】
図2A(a)は、図1B(a)と同様に、配線基板1bの表面を示している。接続用パッド2と、配線6と、ソルダーレジスト層7から形成されている。図2A(b)は、接続用パッド2の上に設けられ表面から突出した外部接続端子4を示している。他の接続用パッド2上にも同様に外部接続端子4が接続される。
【0020】
図2Bは、図2A(a)における切断線D−Dによる配線基板1bの断面の詳細図であり、前記の図1Dに対応する。特に、最外配線層15における配線6について、接続パッド2、バンプピッチx[μm]及びソルダーレジストとパッド合わせ部の長さz[μm]との相互関係を示している。従来の最外配線層の配線設計の際に、配線幅が設計の許容最小値の近傍となるような狭隘部において隣接する配線用パッドの中間の位置に配線を設ける場合には、バンプピッチをx[μm]、ソルダーレジスト開口径をy[μm]、ソルダーレジストとパッド合わせ部の長さをz[μm]とおけば、配線の幅P0[μm]と配線間の絶縁部の幅Q0[μm]は、通常同じ値とするので、2本の配線を中間の位置に配置する場合を例にとると、図2Bにより、配線幅P0は、2本の配線と3本の絶縁部の間隔の構成より、P0={x−(y+2×z)}/5で与えられる。ここで、x=185μm、y=90μm、z=10μmの場合には、P0=15μmとなる。
【0021】
本発明の第1の実施の形態においては、上記の従来の配線設計と同様な図1Dの狭隘部において、2本の配線を配置する場合を例にとると、配線幅P1は、2本の配線と3本の絶縁部の間隔の構成より、P1={x−(y+z)}/5で与えられる。製造の実例において、バンプピッチx=185μm、ソルダーレジスト開口径y=90μm、ソルダーレジストとパッド合わせ部の長さz=10μmの場合、P1=17μmとなる。従来の配線の配置における結果であるP0=15μmと比較すると、2μmの余裕代を有する配線を行うことができるので、配線幅が不足することによる導通不良や、絶縁部の幅が狭いことによる絶縁不良を抑制することができる。また半導体装置の高密度実装の要請により、配線の導通抵抗、絶縁層の絶縁抵抗の設計の許容値の近傍となるような狭い幅を有する配線の設定の場合であっても、信頼性を低下させることなく、最外層における配線の高密度な配置を実現することができる。
【0022】
(第1の実施の形態の変形例)
図4は、上記図1Dに対応する基板の最外配線層付近の断面図であって、外部接続端子が設けられる前の状態を表している。搭載されるべき半導体チップ又は半導体装置の接続端子側に、はんだバンプ等の外部接続端子が接続された状態により搭載される場合には、配線基板における表面から突出した外部接続端子の形成は不要であるので、図4に示す、外部接続端子が挿入されるべき空間30が形成された形態の配線基板50を使用することができる。
【0023】
(第1の実施の形態の適用例1)
図5は、本発明の配線基板に、半導体チップがはんだバンプにより搭載された、半導体パッケージ構造の実施の形態を示している。半導体チップ200、半導体チップ上の接続端子201、はんだバンプ等の外部接続端子202、充填樹脂203及び配線基板51の構成である。なお、基板への搭載前に、半導体チップの配線基板への接続面側にはんだバンプ等の外部接続端子を接続することができる場合には、上記第1の実施の形態の変形例に記した図4の形態の配線基板を使用することができる。
【0024】
(第1の実施の形態の適用例2)
図6は、本発明の配線基板に、半導体装置310がはんだバンプにより搭載された、半導体パッケージ構造の実施の形態を示している。半導体装置310は、半導体チップ300、中間基板301、半導体チップ300と中間基板301との接続バンプ302及び接続端子303により構成される。この半導体装置310がはんだバンプ等の外部接続端子304により配線基板320に搭載される。なお、配線基板320への搭載前に、半導体装置310の配線基板への接続面側に、はんだバンプ等の外部接続端子を接続することができる場合には、前記第1の実施の形態の変形例に記したように、図4の形態の配線基板50を使用することができる。
【0025】
(第2の実施の形態)
前記第1の実施の形態においては、隣接する外部接続端子の片側のみが、最外配線層より内側にある配線層上の接続用パッド上に設けられていたが、第2の実施の形態においては、隣接する外部接続端子が、ともに最外配線層より内側にある配線層上の接続用パッド上に設けられている構造である。
【0026】
図3は、第2の実施の形態における断面の詳細を示す図であって、前記第1の実施の形態における図1Dの断面の詳細図に対応している。外部接続端子の形態は、第1の実施の形態における図1Dの外部接続端子5と同様に、最外配線層15より内側にある第2の配線層13上の接続用パッド3上に設けられ、最外層102を貫通して基板表面8に突出している。外部接続端子5の頭頂部9の基板表面8からの高さ10bの調整も、第1の実施の形態と同様である。接続用パッド3は、第2の配線層13に設けられているが、更に内側にあるコア層上の配線層11に設けられてもよい。あるいは、更にその内側に配線層を有する基板構造の場合には、その配線層上に設けられてもよい。また、設計の条件に合わせて、積層数を増加あるいは減少させた構造が可能である。コア層100及び他の積層については、第1の実施の形態の場合と同様に多様な構成が可能であり、詳細な説明は省略する。
【0027】
(第2の実施の形態の効果)
次に、図3を参照して、上記第2の実施の形態による、最外配線層の配線の高密度化と信頼性の向上の実現を説明する。最外層102においては、ソルダーレジスト開口部縁辺とパッドとの合わせ部を生じないので、当該合わせ部による配線設計への寸法制約を回避することができる。隣接する外部接続端子の中間に配線を配置する際に、配線幅が設計の許容最小値の近傍となるような狭隘部において、第1の実施の形態におけると同様に、バンプピッチをx[μm]、ソルダーレジスト開口径をy[μm]とおき、2本の配線を配置する場合を例にとると、配線幅P2[μm]は、2本の配線と3本の絶縁部の間隔の構成より、P2=(x−y)/5で与えられる。製造の実例において、x=185μm、開口径y=90μmの場合、P2=19μmとなる。図2Bを用いて示したように、接続用パッドが最外配線層上に設定されている従来の場合には、15μmとなるので、4μmの余裕代のある配線を行うことができ、配線幅が不足することによる導通不良や、絶縁部の絶縁不良を抑制することができる。また半導体装置の高密度実装の要請により、配線の導通抵抗、絶縁層の絶縁抵抗の設計の許容値の近傍となるような幅を有する配線の配置の場合であっても、信頼性を低下させることなく、最外層における配線の高密度な配置を実現することができる。
【0028】
(第2の実施の形態の変形例)
図7は、上記図3に対応する基板の最外配線層付近の断面図であって、外部接続端子が設けられる前の状態を表している。搭載されるべき半導体チップ又は半導体装置の接続端子側に、はんだバンプ等の外部接続端子が接続された状態により搭載される場合には、配線基板における表面から突出した外部接続端子の形成は不要であるので、図7に示す、外部接続端子が挿入されるべき空間31が形成された形態の配線基板60を使用することができる。
【0029】
(第2の実施の形態の適用例1)
図8は、本発明の配線基板に、半導体チップがはんだバンプにより搭載された、半導体パッケージ構造の実施の形態を示している。半導体チップ200、半導体チップ上の接続端子201、はんだバンプ等の外部接続端子202、充填樹脂203及び配線基板61の構成である。なお、基板への搭載前に、半導体チップの配線基板への接続面側にはんだバンプ等の外部接続端子を接続することができる場合には、上記第2の実施の形態の変形例に記した図7の形態の配線基板を使用することができる。
【0030】
(第2の実施の形態の適用例2)
図9は、本発明の配線基板に、半導体装置410がはんだバンプにより搭載された、半導体パッケージ構造の実施の形態を示している。半導体装置410は、半導体チップ300、中間基板301、半導体チップ300と中間基板301との接続バンプ302及び接続端子303により構成される。この半導体装置410がはんだバンプ等の外部接続端子304により配線基板420に搭載される。なお、配線基板420への搭載前に、半導体装置410の配線基板への接続面側に、はんだバンプ等の外部接続端子を接続することができる場合には、前記第2の実施の形態の変形例に記したように、図7の形態の配線基板60を使用することができる。
【0031】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、第1及び第2の実施の形態である配線基板についての製造方法である。図1Cに示すコア層の片側に各々3層ずつ積層された6層の配線基板に、最外配線層15を貫通する外部接続端子を設ける製造方法である。
【0032】
図10A〜図10Gを参照して詳細を説明する。配線基板の積層の工程は、コアとなる銅張積層板の表面銅箔の配線形成(パターニング)により開始され、接続用パッドの表面処理により完成する。
【0033】
図10Aは、コアの配線形成の状態を示す図である。コアとしての銅張積層板の表面銅箔に配線形成(パターニング)を施し、必用に応じてコア両面の配線層の導通のため、スルーホールのめっきを行う。配線層11の形成の工程は、例えば、スルーホール穴明け、スルーホール内壁洗浄、スルーホール内めっき、無電解銅めっき、パターン用レジスト塗布、パターニング用レジストの露光・現像・キュア、電解銅めっき、パターニング用レジスト除去及びエッチングの一連の工程として良く知られた、配線基板の製造工程(サブトラクティブプロセス)等により実施することができる。
【0034】
図10B〜図10Fは、コア層100上の第2の配線層の形成工程の図である。
【0035】
図10Bに、第1の絶縁層12にビアホール23が形成された状態を示す。図10Aにおける配線形成がなされたコア層100の上に第1の絶縁層12を設けた後、コア層100の配線層11をその1層上側の層における配線層と電気的に接続をさせるため、ビアホール23を、炭酸ガス等を利用するレーザ加工により形成する。なお、第1の絶縁層12の材料には、エポキシ系又はポリイミド系等の樹脂を使用することができる。レーザ加工においては、加工されたレジスト樹脂の残渣(図示せず)が、加工された空間の側壁部や底部の表面に付着して、接続不良等の支障が生ずるおそれがあるので、強アルカリ溶液等を使用して除去する(デスミア)。次にコア層100の1層上側の配線層を形成する。
【0036】
図10Cに、第1の絶縁層12にビアホール23が開口された状態の表面全体に、シード層としての無電解銅めっき24が施された状態を示す。
【0037】
図10Dに、第2の配線層形成のためのパターン用レジスト層22が形成されパターニングされた状態を示す。次に電解銅めっきを施す。
【0038】
図10Eに、コア層上の第2の配線層13が形成された状態を示す。電解銅めっきにより、図10Dに示したパターン用レジスト層22のパターニング対応部分に配線層が形成され、その後、シード層としての無電解銅の部分及びパターンレジスト層を除去して、第2の配線層13が形成される。
【0039】
図10Fに、最外配線層15が形成された状態を示す。コア層上の第2の配線層13の上側に更に配線層を形成するため、前記コア層上の第2の配線層13の形成の場合と同様にして、第2の絶縁層14を積層し、無電解銅めっきを施し、パターン用レジスト層(図示せず)を形成し、電解銅めっきを行うことにより、コア層上の第3の配線層15を形成する。この配線層の形成工程において、「接続用パッドから配線基板の表面に向かって最外配線層を貫いて形成される、外部接続端子が装入されるべき空間」30aが設けられる。なお、本第3の実施の形態においては、コア層上の第3の配線層15が最外配線層に相当する。
【0040】
図10Gに、基板表面におけるソルダーレジスト層が形成された状態を示す。最外配線層15の表面に、ソルダーレジスト層7の塗布・露光・現像・キュアの処理を行い、ソルダーレジスト層の外形が形成される。同時に、最外層102を貫通する開口部30bを形成する。このとき、最外配線層より内側の配線層(本実施の形態でコア層上の第2の配線層に相当する。)13の上に設定されている接続用パッド3の開口部30aと、ソルダーレジスト層7における開口部30bの位置合わせが必要である。
【0041】
図10Hに、接続用パッドに表面処理が施された状態を示す。最外配線層15の上又は最外配線層15より内側の配線層の上に設けられた接続用パッド2又は3の表面に、無電解めっきによりニッケルめっき28及び金めっき29を施す。
【0042】
図10Iに、配線基板に外部接続端子が形成された状態を示す。はんだ等の材料を用いて、最外層102を貫通する外部接続端子5及び最外配線層15上の外部接続端子4を接続用パッド3及び2の上に形成して、本発明の実施の形態である配線基板の製造方法が完成する。
【0043】
なお、当第3の実施の形態では、最外配線層に一番近い内側の、コア層上の第2の配線層上に設けられた接続用パッドに接続する外部接続端子の形成の例を示したが、必要に応じて、更に内側の配線層上に接続用パッドを形成して、その上に外部接続端子を形成してもよい。
【0044】
また、当第3の実施の形態の後工程として、半導体チップ又は半導体装置を当該配線基板に搭載することができる。
【0045】
(第3の実施の形態の効果)
以上、第3の実施の形態において示した配線基板の形成工程は、高密度配線による表面実装設計により得られた最小の外形寸法を有する電子部品を製造する方法として、また製造工程における歩留向上の点において、その機能及び信頼性の向上に効果を生ずる。
【0046】
(第3の実施の形態の変形例1)
前記の図4に対応する製造方法についての実施の形態である。搭載されるべき半導体チップ又は半導体装置の接続端子側に、はんだバンプ等の外部接続端子が接続された状態である場合には、配線基板について、外部接続端子の接続工程を経ることなく、外部接続端子によって装入されるべき当該空間30を有したまま製造すればよいので、工程の簡素化、信頼性の向上を実現することができる。また、後工程として、更に半導体チップまたは半導体装置を当該配線基板に搭載することができる。リフロー工程により、はんだバンプ等の外部接続端子を介して、半導体チップまたは半導体装置と配線基板が電気的及び機械的に接続された後、半導体チップまたは半導体装置と配線基板の間の空間が樹脂により充填されて、搭載が終了する。
(第3の実施の形態の変形例2)
前記の図7に対応する製造方法についての実施の形態である。搭載されるべき半導体チップ又は半導体装置の接続端子側に、はんだバンプ等の外部接続端子が接続された状態である場合には、配線基板について、外部接続端子の接続工程を経ることなく、外部接続端子によって装入されるべき当該空間31を有したまま製造すればよいので、工程の簡素化、信頼性の向上を実現することができる。また、後工程として、更に半導体チップまたは半導体装置を当該配線基板に搭載することができる。リフロー工程により、はんだバンプ等の外部接続端子を介して、半導体チップまたは半導体装置と配線基板が電気的及び機械的に接続された後、半導体チップまたは半導体装置と配線基板の間の空間が樹脂により充填されて、搭載が終了する。
(第3の実施の形態の変形例3)
本発明の第3の実施の形態の変形例3は、配線基板の表面のソルダーレジスト層とその下層の絶縁層を同時に穿孔する製造方法についての実施形態である。
【0047】
図4又は図7において、ソルダーレジスト層7と、その下層の絶縁層14とを穿孔して、外部接続端子が装入されるべき空間30又は31を形成する。当空間の形成のための穿孔には、機械的方法または電磁気的方法を使用することが可能である。例えば、炭酸ガス、YAGまたはエキシマを利用したレーザを用いて、2層を同時に穿孔することが可能である。かかる穿孔方法によれば、ソルダーレジスト層7の形成の際のその下層の絶縁層14との位置合わせ精度対応に起因するデザインルールの緩和による製品歩留の向上や、ソルダーレジスト層7の形成工程における歩留向上等の効果を上げることができる。
【0048】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1A】本発明の配線基板の量産工程における形態を例示する図である。
【図1B(a)】本発明の第1の実施の形態に係る配線基板1の表面を例示する図である。
【図1B(b)】本発明の第1の実施の形態に係る、接続用パッドの上に設けられた外部接続端子を例示する図である。
【図1C】本発明の第1の実施の形態に係る、隣接している接続用パッド中心を含む切断線A−A(図1B(a))による配線基板1の断面を例示する図である。
【図1D】図1CにおけるB部の詳細を例示する図である。
【図2A(a)】従来の配線基板1bの表面を例示する図である。
【図2A(b)】従来の配線基板1bの外部接続端子を例示する図である。
【図2B】従来の配線基板1bの、隣接している接続用パッド中心を含む切断線D−D(図2A(a))による断面を例示する図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る配線基板の断面を例示する詳細図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る、配線基板50の断面を例示する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の適用例1に係る、配線基板51に半導体チップ200が搭載された半導体パッケージを例示する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の適用例2に係る、配線基板320に半導体装置310が搭載された半導体パッケージを例示する図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る、配線基板60の断面を例示する図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の適用例1に係る、配線基板61に半導体チップ200が搭載された半導体パッケージを例示する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の適用例2に係る、配線基板420に半導体装置410が搭載された半導体パッケージを例示する図である。
【図10A】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、コアの配線形成の状態を例示する図である。
【図10B】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、第1の絶縁層12にビアホールが形成された状態を例示する図である。
【図10C】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、無電解銅めっき24が施された状態を例示する図である。
【図10D】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、パターン用レジスト層22がパターニングされた状態を例示する図である。
【図10E】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、第2の配線層13が形成された状態を例示する図である。
【図10F】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、最外配線層15が形成された状態を例示する図である。
【図10G】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、基板表面におけるソルダーレジスト層7が形成された状態を例示する図である。
【図10H】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、接続用パッドの表面処理が施された状態を例示する図である。
【図10I】本発明の第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法における、配線基板に外部接続端子が形成された状態を例示する図である。
【符号の説明】
【0050】
1,50,51,60,61,320,420 配線基板
1b 従来の配線基板
2,3 接続用パッド
4,5 外部接続端子
6 配線
7 ソルダーレジスト層
8 基板表面
11 コア層上の配線層
12 第1の絶縁層
13 コア層上の第2の配線層
14 第2の絶縁層
15 コア層上の第3の配線層
22 パターン用レジスト
23 ビアホール
24 無電解銅めっき
28 ニッケルめっき
29 金めっき
100 コア層
101 コア層上の第2の層
102 コア層上の第3の層
150 半導体チップ又は半導体装置
200,300 半導体チップ
201 半導体チップ上の接続端子
202,304 はんだバンプ等の外部接続端子
203 充填樹脂
303 半導体装置上の接続端子
310,410 半導体装置
301 中間基板
302 接続バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板であって、最外配線層より内側の配線層上に設けた接続用パッドと、
該接続用パッド上に設けられ当該配線基板表面から突出した外部接続端子とを有し、該外部接続端子が前記最外配線層を貫通して設けられていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板であって、
当該配線基板に搭載される半導体チップもしくは半導体装置を接続するための外部接続端子が挿入されるべき空間が、最外配線層より内側にある配線層上に設けた接続用パッドから、当該配線基板の表面に向かって最外配線層を貫いて形成されていることを特徴とする配線基板。
【請求項3】
半導体チップ又は半導体装置が、前記外部接続端子により請求項1記載の配線基板に搭載された半導体パッケージ。
【請求項4】
半導体チップ又は半導体装置が前記外部接続端子を有し、当該外部接続端子が前記接続用パッドに接続された、請求項2記載の配線基板に搭載された半導体パッケージ。
【請求項5】
複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板の製造方法であって、
前記配線基板に搭載される半導体チップもしくは半導体装置を接続するための外部接続端子が、最外配線層より内側にある配線層上の接続用パッドに接続され、最外配線層を貫くように形成される、はんだ外部接続端子形成工程を有することを特徴とする製造方法。
【請求項6】
複数の配線層及び絶縁層が交互に積層され、前記配線層が前記絶縁層に形成されたビアホールを介して電気的に接続されている配線基板の製造方法であって、
前記配線基板に搭載される半導体チップ又は半導体装置を接続するための外部接続端子が挿入されるべき空間を、最外配線層より内側にある配線層上に設けた接続用パッドから、当該配線基板の表面に向かって、表面のソルダーレジスト層と該ソルダーレジスト層の下層の絶縁層とで構成される最外配線層を貫いて形成する工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記ソルダーレジスト層と、前記ソルダーレジスト層の下層の絶縁層とを同時に穿孔して、前記空間を形成することを特徴とする、請求項6記載の配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記ソルダーレジスト層と、前記ソルダーレジスト層の下層の絶縁層とをレーザを用いて同時に穿孔して、前記空間を形成することを特徴とする、請求項6記載の配線基板の製造方法。

【図1A】
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【図1B(a)】
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【図1B(b)】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A(a)】
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【図2A(b)】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【公開番号】特開2009−277916(P2009−277916A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128196(P2008−128196)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】