説明

金属ナノ粒子の焼結方法およびその焼結方法を用いた基板上に配線を形成する方法

【課題】温度に関わらず実施可能な、安定性に優れた被覆金属ナノ粒子の焼結方法を提供する。
【解決手段】金属ナノ粒子の焼結方法であって、前記方法は、基板上の、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程および前記基板を乾燥させる工程とを含む。また、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストを用いて、配線前駆体となるパターンを基板上に形成する工程と、前記基板上のパターンに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程と、前記基板を乾燥させて前記金属ナノ粒子を焼結させ、配線を形成する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子の焼結方法およびその焼結方法を用いた基板上に配線を形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属ナノ粒子は、その粒子径がナノメートル、すなわち10-9mレベルのサイズを有する、限定された個数の金属原子が集まって構成される粒子である。このような金属ナノ粒子は、単位質量あたりの表面積が非常に大きく、そのため、表面が非常に活性である。一方、金属ナノ粒子は、自然と凝集しやすく、粗大化しやすい傾向がある。そのように粗大化してしまうと、金属ナノ粒子の本来の特性が失われてしまうため、金属ナノ粒子の表面を保護する被覆を形成することが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。前記被覆は、金属ナノ粒子の表面と多数の点で相互作用し、例えば、金属ナノ粒子の表面に強く配位する部位を有するものが用いられる。
【0003】
このような金属ナノ粒子は、配線を形成する材料として、従来から用いられている。配線を形成する場合、一般には、金属ナノ粒子が分散溶媒中に分散したペーストを用い、配線基板上にパターン形成し、前記ペースト中の金属ナノ粒子を焼結させ、配線を形成する。
【0004】
しかしながら、前記のように、金属ナノ粒子は凝集を防止するため、その粒子の外側に被覆を有している。前記ペースト中の金属ナノ粒子を焼結させるためには、前記被覆を金属ナノ粒子から剥がす必要がある。そのためには、高温、例えば、200℃以上の加熱が必要である(例えば、非特許文献1参照)。このように高温加熱が必要であると、配線基板としては、加熱に強い材料から形成された基板しか使用できないという欠点があった。
【0005】
一方、被覆と金属ナノ粒子の結合を弱め、低温で金属ナノ粒子の焼結を可能にする金属ナノ粒子についても報告されている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、このような被覆と金属ナノ粒子の結合が弱い被覆された金属ナノ粒子を含むペーストは、長期安定性に欠け、保存により変質しやすい。変質したペーストを用いて配線基板を形成すると、トレードオフが発生しやすいという問題点があった。
【特許文献1】特開2004−119686号公報
【特許文献2】特開2005−307335号公報
【特許文献3】特開2004−273205号公報
【特許文献4】特開2003−187640号公報
【非特許文献1】菅沼克昭等、「Curing characteristics of nano paste for fine printed circuits」、Proc. 3rd International IEEE Conference on Polymers and Adhesives in Microelectronics and Photonics、Polytronic 2003、スイス、2003年、p.369−374。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、温度に関わらず実施可能な、保存安定性に優れた被覆金属ナノ粒子の焼結方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、金属ナノ粒子の焼結方法であって、前記方法は、基板上の、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程および前記基板を乾燥させる工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、温度に関わらず実施可能であるという利点がある。従って、配線基板の材質は限定されないという利点がある。また、本発明には、保存安定性に優れた被覆金属ナノ粒子を焼結させることが可能であるという利点もある。従って、保存安定性に優れた市販の被覆金属ナノ粒子のペーストを用いることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、前記のように、金属ナノ粒子の焼結方法であって、前記方法は、基板上の、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程および前記基板を乾燥させる工程とを含む。
【0010】
また、本発明は、本発明の金属ナノ粒子の焼結方法を用いた、基板上に配線を形成する方法である。前記方法は、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストを用いて、配線前駆体となるパターンを基板上に形成する工程と、前記基板上のパターンに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程と、前記基板を乾燥させて前記金属ナノ粒子を焼結させ、配線を形成する工程とを含む。前記配線前駆体となるパターンを基板上に形成する工程と、前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程とは、いずれを先に行ってもよい。
【0011】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記金属ナノ粒子は、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される1以上の金属から形成される粒子、または銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される2以上の金属から形成されるコアシェル構造を持つ粒子であるのが好ましい。
【0012】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記金属ナノ粒子の被覆は、複素環およびアルキル置換された複素環ならびに、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上から形成されるのが好ましい。
【0013】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記分散溶媒は、アルカン、アルケン、アルキン、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、および−OHを1以上含むテルペン炭化水素からなる群から選択される1以上を含むのが好ましい。
【0014】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記極性溶媒または前記溶解補助剤を含む極性溶媒溶液の前記極性溶媒は、複素環、アルキル置換された複素環、水、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環および、アルキル置換された複素環、ならびに下記式(X)で表される化合物からなる群から選択される1以上の極性溶媒であるのが好ましい。
21−Y−R22 (X)
前記式(X)中、R21およびR22は、互いに独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル置換されたアリール基、ヘテロアリール基もしくはアルキル置換されたヘテロアリール基であり、
Yは、−CONH−、−C(=O)−または−SO−で表される基である。
【0015】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記溶解補助剤は、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される1以上であるのが好ましい。
【0016】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、−20℃〜150℃の範囲の温度で行われるのが好ましい。
【0017】
前記金属ナノ粒子の焼結方法および前記基板上に配線を形成する方法において、前記基板は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコンおよびセラミックスからなる群から選択される1以上の材料から形成されるのが好ましい。
【0018】
本明細書の上記および後記の説明において用いる種々の定義の例および好ましい例、具体例を以下に説明する。
【0019】
アルカンとしては、式Cn2n+2で表される非環系飽和炭化水素を意味し、例えば炭素数1〜100のものが挙げられる。前記アルカンには鎖状と分岐状が含まれる。前記アルカンとしては、好ましくは炭素数1〜20のアルカン、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2,2,2、4−トリメチルペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン等であり、より好ましくは炭素数5〜15のアルカン、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2,2,2、4−トリメチルペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン等であり、さらに好ましくは炭素数8〜15のアルカン、例えば2,2,2、4−トリメチルペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン等であり、さらにより好ましくは2,2,2、4−トリメチルペンタン、テトラデカンである。
【0020】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルカンとしては、前記アルカンに前記置換基を1以上含むものを意味し、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコサニルアミン、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、ジメチルエーテル等が挙げられる。前記−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルカンとしては、好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドデシルアミン、ドデカンチオール等である。
【0021】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルカンとしては、前記アルカンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メタンスルホン酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコサニルアミン、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール等が挙げられる。前記置換されたアルカンとしては、好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドデシルアミン、ドデカンチオール等である。
【0022】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルカンは、前記アルカンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メタンスルホン酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコサニルアミン、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール等が挙げられる。前記置換されたアルカンとしては、好ましくは好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ドデシルアミン、ドデカンチオール等である。
【0023】
−COOHで置換されたアルカンとしては、前記アルカンの1以上の水素原子が−COOHで1以上置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルカンの1〜10の水素原子が−COOHで1〜10置換されたものが挙げられる。前記−COOHで置換されたアルカンとしては、好ましくは−COOHで置換された炭素数1〜20のアルカン、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等であり、より好ましくは−COOHで置換された炭素数10〜20のアルカン、例えばデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等等であり、さらに好ましくは−COOHで置換された炭素数12〜18のアルカン、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等等である。
【0024】
−OHで置換されたアルカンとしては、前記アルカンの1以上の水素原子が−OHで1以上置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルカンの1〜10の水素原子が−OHで1〜10置換されたものが挙げられる。前記−OHで置換されたアルカンとしては、好ましくは−OHで置換された炭素数1〜20のアルカン、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール等であり、より好ましくは−OHで置換された炭素数1〜10のアルカン、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール等である。
【0025】
−NH2で置換されたアルカンとしては、前記アルカンの1以上の水素原子が−NH2で1以上置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルカンの1〜10の水素原子が−NH2で1〜10置換されたものが挙げられる。前記−NH2で置換されたアルカンとしては、好ましくは−NH2で置換された炭素数1〜20のアルカン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコサニルアミン等であり、より好ましくは−NH2で置換された炭素数3〜17のアルカン、例えばプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン等であり、さらに好ましくは−NH2で置換された炭素数5〜15のアルカン、例えばペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン等であり、さらにより好ましくはドデシルアミンである。
【0026】
−SHで置換されたアルカンとしては、前記アルカンの1以上の水素原子が−SHで1以上置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルカンの1〜10の水素原子が−SHで1〜10置換されたものが挙げられる。前記−SHで置換されたアルカンとしては、好ましくは−SHで置換された炭素数1〜20のアルカン、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール等であり、より好ましくは−SHで置換された炭素数3〜17のアルカン、例えばプロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール等であり、さらに好ましくは−SHで置換された炭素数5〜15のアルカン、例えばペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール等であり、さらにより好ましくはドデカンチオールである。
【0027】
アルキル基としては、アルカンの鎖端から水素1原子を除いた基を意味し、例えば炭素数1〜100のものが挙げられる。前記アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコサニル等であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等であり、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等であり、さらにより好ましくはメチルである。
【0028】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル基としては、前記アルキル基の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばヒドロキシメチル、アミノエチル、2−スルファニルエチル等が挙げられる。前記置換されたアルキル基としては、好ましくは2−スルファニルエチルである。
【0029】
―SHで置換されたアルキル基としては、前記アルキル基の1以上の水素原子が−SHで置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜100のアルキル基の1〜10の水素原子が1〜10の−SHで置換されたものが挙げられる。前記−SH置換されたアルキル基としては、好ましくは−SHで置換された炭素数1〜20のアルキル基、例えばスルファニルメチル、2−スルファニルエチル、スルファニルプロピル、スルファニルブチル、スルファニルペンチル、スルファニルヘキシル、スルファニルヘプチル、スルファニルオクチル、スルファニルノニル、スルファニルデシル、スルファニルウンデシル、スルファニルドデシル、スルファニルテトラデシル、スルファニルペンタデシル、スルファニルヘキサデシル、スルファニルヘプタデシル、スルファニルオクタデシル、スルファニルノナデシル、スルファニルイコサニル等であり、より好ましくは−SHで置換された炭素数2〜10のアルキル基、例えば2−スルファニルエチル、スルファニルプロピル、スルファニルブチル、スルファニルペンチル、スルファニルヘキシル、スルファニルヘプチル、スルファニルオクチル、スルファニルノニル、スルファニルデシル等であり、さらに好ましくは2−スルファニルエチルである。
【0030】
アルケンとしては、式Cn2nで表される非環系不飽和炭化水素を意味し、例えば炭素数2〜100のものが挙げられる。前記アルケンには鎖状と分岐状が含まれる。前記アルケンとしては、好ましくは炭素数2〜20のアルケン、例えばエテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン等であり、より好ましくは炭素数3〜10のアルケン、例えばプロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン等であり、さらに好ましくは炭素数3〜5のアルケン、例えばプロペン、ブテン、ペンテン等である。
【0031】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルケンとしては、前記アルケンに前記置換基を1以上含むものを意味し、例えばアリルアルコール、ビニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン、エテンチオール、プロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオール、アクリル酸(プロペン酸)、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸)、クロトン酸(trans−ブタ−2−エン酸)、イソクロトン酸(cis−ブタ−2−エン酸)、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸(cis−オクタデカ−9−エン酸)、エライジン酸(trans−オクタデカ−9−エン酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、フマル酸(trans−ブテン二酸)等が挙げられる。前記−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルケンとしては、好ましくはオレイルアミン、アリルメルカプタン、オレイン酸等である。
【0032】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルケンとしては、前記アルケンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばアリルアルコール、ビニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン、エテンチオール、プロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオール、アクリル酸(プロペン酸)、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸)、クロトン酸(trans−ブタ−2−エン酸)、イソクロトン酸(cis−ブタ−2−エン酸)、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸(cis−オクタデカ−9−エン酸)、エライジン酸(trans−オクタデカ−9−エン酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、フマル酸(trans−ブテン二酸)等が挙げられる。前記置換されたアルケンとしては、好ましくはオレイルアミン、アリルメルカプタン、オレイン酸等である。
【0033】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルケンとは前記アルケンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばアリルアルコール、ビニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン、エテンチオール、プロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオール、アクリル酸(プロペン酸)、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸)、クロトン酸(trans−ブタ−2−エン酸)、イソクロトン酸(cis−ブタ−2−エン酸)、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸(cis−オクタデカ−9−エン酸)、エライジン酸(trans−オクタデカ−9−エン酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、フマル酸(trans−ブテン二酸)等が挙げられる。前記置換されたアルケンとしては、好ましくはオレイルアミン、アリルメルカプタン、オレイン酸等である。
【0034】
−NH2で置換されたアルケンとしては、前記アルケンの1以上の水素原子が−NH2で置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルケンの1〜10の水素原子が−NH2で置換されたものが挙げられる。前記−NH2で置換されたアルケンとしては、好ましくは−NH2で置換された炭素数2〜30のアルケン、例えばビニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン等であり、より好ましくは−NH2で置換された炭素数5〜25のアルケン、例えばペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン等であり、さらに好ましくは−NH2で置換された炭素数10〜20のアルケン、例えばデセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン等であり、さらにより好ましくはオレイルアミンである。
【0035】
−COOHで置換されたアルケンとしては、前記アルケンの1以上の水素原子が−COOHで置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルケンの1〜10の水素原子が−COOHで置換されたものが挙げられる。前記−COOHで置換されたアルケンとしては、好ましくは−COOHで置換された炭素数2〜30のアルケン、例えばアクリル酸(プロペン酸)、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸)、クロトン酸(trans−ブタ−2−エン酸)、イソクロトン酸(cis−ブタ−2−エン酸)、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸(cis−オクタデカ−9−エン酸)、エライジン酸(trans−オクタデカ−9−エン酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、フマル酸(trans−ブテン二酸)等であり、より好ましくは−COOHで置換された炭素数10〜20のアルケン、例えばデセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、エライジン酸等であり、さらに好ましくは−COOHで置換された炭素数15〜20のアルケン、例えばペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、エライジン酸等であり、さらにより好ましくはオレイン酸である。
【0036】
−SHで置換されたアルケンとしては、前記アルケンの1以上の水素原子が−SHで置換されたものを意味し、例えば炭素数1〜50のアルケンの1〜10の水素原子が−SHで置換されたものが挙げられる。前記−SHで置換されたアルケンとしては、好ましくは−SHで置換された炭素数2〜30のアルケン、例えばエテンチオール、プロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオール等であり、より好ましくは−SHで置換された炭素数2〜20のアルケン、例えばエテンチオール、プロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール等であり、さらに好ましくは−SHで置換された炭素数3〜15のアルケン、例えばプロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール等であり、さらにより好ましくはアリルメルカプタンである。
【0037】
アルケニル基としては、アルキンの鎖端から水素1原子を除いた基を意味し、例えば炭素数2〜100のものが挙げられる。前記アルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等であり、より好ましくは炭素数3〜7のアルケニル基、例えばプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル等であり、さらに好ましくは炭素数4〜6のアルケニル基、例えばブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等である。
【0038】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルケニル基としては、前記アルケニル基の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばエテニルアルコール、オクテンチオール等が挙げられる。
【0039】
アルキンとしては、式Cn2n-2で表される非環系不飽和炭化水素を意味し、例えば炭素数2〜100のものが挙げられる。前記アルキンには鎖状と分岐状が含まれる。前記アルキンとしては、好ましくは炭素数2〜20のアルキン、例えばエチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキサイン、ヘプタイン、オクタイン、ノナイン、デカイン、ウンデカイン、ドデカイン、トリデカイン、テトラデカイン、ペンタデカイン、ヘキサデカイン、ヘプタデカイン、オクタデカイン、ノナデカイン、イコサイン等であり、より好ましくは炭素数3〜10のアルキン、例えばプロピン、ブチン、ペンチン、ヘキサイン、ヘプタイン、オクタイン、ノナイン、デカイン等であり、さらに好ましくは炭素数3〜5のアルケン、例えばプロピン、ブチン、ペンチン等である。
【0040】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルキンとしては、前記アルキンに前記置換基を1以上含むものを意味し、例えばエチンチオール、プロピンイルアミン等が挙げられる。
【0041】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキンとしては、前記アルキンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばエチンチオール、プロピンイルアミン等が挙げられる。
【0042】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルキンとしては、前記アルキンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばエチンチオール、プロピンイルアミン等が挙げられる。
【0043】
アルキニル基としては、アルキンの鎖端から水素1原子を除いた基を意味し、例えば炭素数2〜100のものが挙げられる。前記アルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基、例えば例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキサイニル、ヘプタイニル、オクタイニル、ノナイニル、デカイニル、ウンデカイニル、ドデカイニル、トリデカイニル、テトラデカイニル、ペンタデカイニル、ヘキサデカイニル、ヘプタデカイニル、オクタデカイニル、ノナデカイニル、イコサイニル等であり、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキサイニル、ヘプタイニル、オクタイニル、ノナイニル、デカイニル等であり、さらに好ましくは炭素数2〜5のアルキニル基、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル等である。
【0044】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキニル基としては、前記アルキニル基の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばヒドロキシエチニル等が挙げられる。
【0045】
脂環式炭化水素としては、炭素原子が環状に結合している構造であって、最多数の共役二重結合を含まないものを意味し、例えば、炭素数3〜50のものが挙げられる。前記脂環式炭化水素としては、好ましくは炭素数が3〜20のもの、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロヘプタデカン、シクロオクタデカン、シクロノナデカン、シクロイコサン、デカヒドロナフタレン等であり、より好ましくは炭素数が5〜15のもの、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、デカヒドロナフタレン等であり、さらに好ましくは炭素数が10〜15のもの、例えばシクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、デカヒドロナフタレン等であり、さらにより好ましくはデカヒドロナフタレンである。
【0046】
芳香族炭化水素およびアルキル置換された芳香族炭化水素における「芳香族炭化水素」部分としては、芳香族性を示す不飽和環系炭化水素を意味し、例えば炭素数6〜30のものが挙げられる。前記芳香族炭化水素および芳香族炭化水素部分としては、好ましくはベンゼン、ペンタレン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン等である。
【0047】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含む芳香族炭化水素としては、前記芳香族炭化水素が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えば安息香酸、ベンゼンチオール、アニリン等が挙げられる。
【0048】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換された芳香族炭化水素としては、前記芳香族炭化水素の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えば安息香酸、ベンゼンチオール、アニリン等が挙げられる。
【0049】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換された芳香族炭化水素としては、前記芳香族炭化水素の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えば安息香酸、ベンゼンチオール、アニリン等が挙げられる。
【0050】
前記アルキル置換された芳香族炭化水素としては、前記芳香族炭化水素の1以上の水素原子が、前記アルキル基で置換された化合物を意味し、例えば炭素数が1〜10のアルキル基で置換された炭素数6〜30の芳香族炭化水素が挙げられる。前記アルキル置換された芳香族炭化水素としては、例えばメチルベンゼン(トルエン)、プロピルペンタレン、ヘキシルナフタレン、メチルフェナレン、エチルフェナントレンが挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された芳香族炭化水素、例えばベンゼン(トルエン)、プロピルペンタレン、ヘキシルナフタレン、メチルフェナレン、エチルフェナントレン、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で置換された芳香族炭化水素、例えばベンゼン(トルエン)、プロピルペンタレン、エチルナフタレン、メチルフェナレン、エチルフェナントレン、さらに好ましくはトルエンである。
【0051】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルキル置換された芳香族炭化水素としては、前記アルキル置換された芳香族炭化水素が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えばベンジルアルコール、フェニル酢酸等が挙げられる。
【0052】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル置換された芳香族炭化水素としては、前記アルキル置換された芳香族炭化水素の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばベンジルアルコール、フェニル酢酸等が挙げられる。
【0053】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル置換された芳香族炭化水素は、前記アルキル置換された芳香族炭化水素の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばベンジルアルコール、フェニル酢酸、ジベンジルケトン等が挙げられる。
【0054】
アリール基としては、前記芳香族炭化水素から水素1原子を除いた基を意味し、例えば炭素数6〜30のものが挙げられる。前記アリール基としては、好ましくはフェニル、ペンタレニル、ナフタレニル、フェナレニル、フェナントレニル等である。
【0055】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアリールとしては、前記アリール基の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばヒドロキシフェニル等が挙げられる。
【0056】
アルキル置換されたアリール基としては、前記アリール基の1以上の水素原子が、前記アルキル基で置換されたものを意味し、例えば炭素数が1〜10のアルキル基で置換された炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。前記アルキル置換されたアリール基としては、好ましくはメチルフェニル、プロピルペンタニル、ヘキシルナフタレニル、メチルフェナレニル、エチルフェナントレニル等である。
【0057】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル置換されたアリール基としては、前記アルキル置換されたアリール基の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばカルボキシフェニルメチル、ヒドロキシナフタレニルエチル、スルファニルメチルフェニル等が挙げられる。
【0058】
複素環およびアルキル置換された複素環における「複素環」部分としては、炭素原子以外の原子を1以上含む環を意味し、例えば酸素、硫黄、窒素等を含む複素環が挙げられる。前記複素環および複素環部分としては、好ましくはチオフェン、フラン、ピラン、キサンテン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン等である。
【0059】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含む複素環としては、前記複素環が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
【0060】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換された複素環としては、前記複素環の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
【0061】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換された複素環は前記複素環の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
【0062】
前記アルキル置換された複素環としては、前記複素環の1以上の水素原子が、前記アルキル基で置換されたものを意味し、例えば炭素数が1〜10のアルキル基で置換された複素環が挙げられる。前記アルキル基で置換された複素環としては、好ましくはメチルチオフェン、ヘキシルフラン、メチルピラン、ブチルキサンテン、メチルピロール、ペンチルイミダゾール、オクチルピラゾール、ヘキシルチアゾール、ペンチルイソオキサゾール、ブチルピリジン、メチルピラジン、メチルピリミジン等である。
【0063】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルキル置換された複素環としては、前記アルキル置換された複素環が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
【0064】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル置換された複素環としては、前記複素環の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
【0065】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル置換された複素環は前記複素環の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
【0066】
ヘテロアリール基としては、複素環から水素1原子を除いた基を意味し、例えば酸素、硫黄、窒素等を含むヘテロアリール基が挙げられる。前記ヘテロアリール基としては、好ましくはチオフェニル、フラニル、ピラニル、キサンテニル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、イソオキサゾリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル等である。
【0067】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたヘテロアリール基としては、前記ヘテロアリール基の1以上の水素原子が前記置換基で置換されたものを意味し、例えばカルボキシルピリジニル、ヒロドキシピラゾリニル等が挙げられる。
【0068】
アルキル置換されたヘテロアリール基としては、アルキル置換された複素環から水素1原子を除いた基を意味、例えば炭素数1〜10のアルキル基で置換された酸素、硫黄、窒素を含むヘテロアリール基が挙げられる。前記アルキル置換されたヘテロアリール基としては、好ましくはメチルチオフニル、ヘキシルフラニル、メチルピラニル、ブチルキサンテニル、メチルピロリニル、ペンチルイミダゾリニル、オクチルピラゾリニル、ヘキシルチアゾリニル、ペンチルイソオキサゾリニル、ブチルピリジニル、メチルピラジニル、メチルピリミジニル等である。
【0069】
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル置換されたヘテロアリール基としては、前記アルキル置換されたヘテロアリール基の1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばメチルカルボキシルチオフェニル等が挙げられる。
【0070】
−OHを1以上含むテルペン炭化水素のテルペン炭化水素部分としては、イソプレンの骨格分子式で表される炭化水素を意味し、例えばテルペン、セスキテルペン、ジテルペン等が挙げられる。
【0071】
前記−OHを1以上含むテルペン炭化水素としては、前記テルペン炭化水素の1以上の水素原子が、水酸基で置換された化合物を意味し、例えばテルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ソブレロール、ペリルアルコール、ミルテノール、ジヒドロカルベオール等が挙げられ、好ましくはテルピネオールである。
【0072】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等であり、好ましくは臭素である。
【0073】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、前記金属ナノ粒子の被覆は、金属ナノ粒子の表面に強く配位する部位を有するもの、具体的には、金属原子と配位的な結合を形成するための孤立電子対を有する官能基を有する化合物である。そのような金属ナノ粒子の表面に強く配位する部位を有するものとしては、例えば複素環およびアルキル置換された複素環ならびに、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上が挙げられる。
【0074】
前記被覆としては、複素環もしくはアルキル置換された複素環;
−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環もしくはアルキル置換された複素環;下記式(I)で表される化合物;下記式(II)で表される化合物;下記式(III)で表される化合物;および下記式(IV)で表される化合物
からなる群から選択される1以上から形成されるのが好ましい。
1−A1−R2 (I)
3−A2(R4)−R5 (II)
6−A3(R7)(R8)−R9 (III)
10−A4(R11)(R12)(R13)X (IV)
前記式(I)〜(IV)中、R1〜R13は、互いに独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル置換されたアリール基、ヘテロアリール基もしくはアルキル置換されたヘテロアリール基または、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32および―PO4Hからなる群から選択される1以上で置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル置換されたアリール基、ヘテロアリール基もしくはアルキル置換されたヘテロアリール基であり、
1は、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−または−PO4−を意味し、
2は、−N(−)−、−Si(O−)2を意味し、
3は、−Si(O−)3を意味し、
4は、−N(−)2−を意味し、
Xは、ハロゲン原子を意味する。
【0075】
また、前記被覆は、−NH2で置換されたアルカン、−NH2で置換されたアルケン、−SHで置換されたアルケン、−SHで置換されたアルカン、−COOHで置換されたアルケンおよびR10−A4(R11)(R12)(R13)X(IV)[前記式中、R10は−SHで置換されたアルキル基であり、R11、R12およびR13はアルキル基であり、A4は−N(−)−であり、Xはハロゲン原子である]で表される化合物からなる群から選択される1以上から形成されるのがより好ましく、−NH2で置換された炭素数1〜20のアルカン、−NH2で置換された炭素数2〜30のアルケン、−SHで置換された炭素数2〜30のアルケン、−SHで置換された炭素数1〜20のアルカン、−COOHで置換された炭素数1〜20のアルケンおよびR10−A4(R11)(R12)(R13)X(IV)[前記式中、R10が−SHで置換された炭素数1〜6のアルキル基であり、R11、R12、R13が炭素数1〜6のアルキル基であり、A4が−N(−)−であり、XがBrである]で表される化合物からなる群から選択される1以上から形成されるのが更に好ましく、ドデシルアミン、チオコリンブロミド、アリルメルカプタン、ドデカンチオール、オレイン酸およびオレイルアミンからなる群から選択される1以上から形成されるのが最も好ましい。
【0076】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、前記金属ナノ粒子が形成される金属と、前記金属ナノ粒子の被覆の組合せとしては、前記金属ナノ粒子の被覆と、金属ナノ粒子の表面とが強く配位結合するような前記金属と前記被覆の組合せが好ましい。前記金属ナノ粒子は、前記のように、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される1以上の金属から形成される粒子、または銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される2以上の金属から形成されるコアシェル構造を持つ粒子であるのが好ましい。
【0077】
前記金属ナノ粒子が形成される金属と、前記金属ナノ粒子の被覆の組合せとしては、例えば銀とドデシルアミン、銀とオレイルアミン、銀とトリエチルアミン、銀とラウリルアミン、銀とブチルアミン、金とドデカンチオール等が挙げられ、好ましくは銀とドデシルアミンである。
【0078】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、金属ナノ粒子の製造方法は限定されないが、例えば、物理的製造方法と化学的製造方法とがある。前記物理的方法としては、バルク金属を小さく粉砕して、ナノ粒子を得る方法である。前記化学的製造方法としては、金属塩や金属錯体などの前駆体から金属原子(0価)を取り出し、それらを凝集させてナノ粒子を得る方法である。
【0079】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、前記分散溶媒は、被覆された金属ナノ粒子が安定に存在できるような溶媒、具体的には、金属ナノ粒子と被覆との結合を剥がさないような極性の低い溶媒である。前記分散溶媒としては、例えばアルカン、アルケン、アルキン、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、および−OHを1以上含むテルペン炭化水素等が挙げられる。
【0080】
前記分散溶媒としては、アルカン、脂環式炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素および−OHを1含むテルペン炭化水素からなる群から選択される1以上を含むのが好ましく、炭素数1〜20のアルカン、炭素数3〜20の脂環式炭化水素、炭素数1〜6のアルキル置換された芳香族炭化水素および−OHを1含むテルペン炭化水素からなる群から選択される1以上を含むのがより好ましく、テトラデカン、トルエン、テルピネオール、デカヒドロナフタレン(デカリン)および2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)からなる群から選択される1以上を含むのがさらに好ましい。
【0081】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、前記金属ナノ粒子を形成する金属と、前記金属ナノ粒子の被覆と、前記分散溶媒の組合せとしては、例えば銀とドデシルアミンとテトラデカン、銀とドデシルアミンとトルエン、銀とオレイルアミンとイソブタノール、銀とトリエチルアミンとトルエン、銀とラウリルアミンとトルエン、銀とブチルアミンとトルエン、金とドデカンチオールとトルエン等の組合せが挙げられ、好ましくは銀とドデシルアミンとテトラデカン、銀とドデシルアミンとトルエン等の組合せである。
【0082】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において用いられる前記金属ナノ粒子ペーストの製造方法は限定されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。
【0083】
まず、金属ナノ粒子分散液から、溶媒を減圧除去により除去する。この際、アルキルアミンを前記分散液に添加した後に溶媒を減圧除去すると、金属ナノ粒子の被覆をアルキルアミンへ置き換えることもできる。得られた残渣は、適当な極性を有する極性溶媒を用いて洗浄する。前記適当な極性を有する極性溶媒は、金属ナノ粒子の被覆を除去しない程度の極性を有するものが好ましい。洗浄後、固−液相分離により前記適当な極性を有する極性溶媒を除去して、残渣を得る。この残渣に、所望量の分散溶媒を添加して、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストを得ることができる。
【0084】
得られた金属ナノ粒子ペーストについては、金属含有量は、例えば10〜90質量%、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは12〜80質量%であり、粘度は、例えば1〜500000mPa.sであり、好ましくは5〜200000mPa.sであり、より好ましくは10〜150000mPa.sである。
【0085】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、金属ナノ粒子ペーストに作用させる前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液は、前記被覆を金属ナノ粒子から剥離させ、かつ、剥離させた分散溶媒を溶解することができるものである。具体的には、前記金属ナノ粒子の被覆と前記金属ナノ粒子との結合よりも、前記被覆と前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液との親和性が高いような極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液である。前記極性溶媒は、例えば、複素環、アルキル置換された複素環、水、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環および、アルキル置換された複素環、ならびに下記式(X)で表される化合物からなる群から選択される1以上の極性溶媒等が挙げられる。
21−Y−R22 (X)
前記式(X)中、R21およびR22は、互いに独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル置換されたアリール基、ヘテロアリール基もしくはアルキル置換されたヘテロアリール基であり、
Yは、−CONH−、−C(=O)−または−SO−で表される基である。
【0086】
前記極性溶媒としては、−OHで置換されたアルカン、下記式(XI)で表されるケトン、―COOHで1以上置換されたアルカンおよび水からなる群から選択される1以上が好ましい。
21−C(=O)−R22 (XI)
前記式(XI)中、R21およびR22は、互いに独立して、アルキル基である。
【0087】
前記極性溶媒としては、−OHで置換された炭素数1〜6のアルカン、式(XI)で表されるケトン[前記式(XI)中、R21およびR22は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基である]、―COOHで1以上置換された炭素数1〜6のアルカンおよび水からなる群から選択される1以上であるのがより好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、アセトン、酢酸、酢酸および水の混合物であるのがさらに好ましい。
【0088】
前記添加物としては、前記極性溶媒の極性を強める働きや、前記被覆の溶解を補助する働きのあるもの等であればよく、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アンモニア等が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アンモニアが好ましい。
【0089】
前記添加物の極性溶媒溶液としては、例えば、ポリビニルピロリドンの水溶液、ポリビニルアルコールの水溶液、ポリビニルピロリドンのメタノール溶液、ポリビニルピロリドンのエタノール溶液、ポリビニルピロリドンのイソプロパノール溶液、ポリビニルピロリドンの2−メチル−2−プロパノール溶液、ポリビニルピロリドンのアセトン溶液、アンモニア水等が挙げられ、ポリビニルピロリドンの水溶液、ポリビニルアルコールの水溶液、ポリビニルピロリドンのメタノール溶液、ポリビニルピロリドンのエタノール溶液、アンモニア水等が好ましい。
【0090】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法および基板上に配線を形成する方法において、前記金属ナノ粒子が形成される金属と、前記金属ナノ粒子の被覆と、前記分散溶媒と、前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液との組合せとしては、例えば銀とドデシルアミンとテトラデカンとメタノール、銀とドデシルアミンとトルエンとメタノール、銀とオレイルアミンとイソブタノールとメタノール、銀とトリエチルアミンとトルエンとメタノール、銀とラウリルアミンとトルエンとメタノール、銀とブチルアミンとトルエンとメタノール、金とドデカンチオールとトルエンとメタノール等の組合せが挙げられ、好ましくは銀とドデシルアミンとテトラデカンとメタノール、銀とドデシルアミンとトルエンとメタノール等の組合せである。
【0091】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法において、各工程は以下のようにして行われる。
【0092】
まず、基板上の、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、前記基板を前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液が入った浴に漬けたり、前記基板に前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を吹き付ける等により行うことができる。
【0093】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法は、前記のように、加熱を要件としないため、温度に関わらず実施可能である。従って、前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、低温、室温、高温であってもよい。前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、例えば−20℃〜150℃の範囲の温度、好ましくは0℃〜100℃の範囲の温度、より好ましくは10℃〜50℃の範囲の温度で行われる。前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、超音波を作用させながら行ってもよい。
【0094】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法において、前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液が前記金属ナノ粒子の被覆を除去するのに必要な時間行えばよい。前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、例えば0.1秒〜1日、好ましくは10秒〜2時間、より好ましくは10秒〜10分行うことができる。
【0095】
前記のように、本発明の金属ナノ粒子の焼結方法において、前記基板の形成材料は限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコンおよびセラミックスからなる群から選択される1以上の材料が挙げられる。
【0096】
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル−エーテルケトン、ポリアリレート、アロマティックポリエステル、アロマティックポリアミド、フッ素樹脂、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、酢酸セルロース等が挙げられる。
【0097】
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、アニリン樹脂、アセトン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
【0098】
前記金属としては、例えば銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金等が挙げられる。
【0099】
前記セラミックスとしては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物などの無機化合物を意味し、例えばアルミナ(Al23)、シリコンナイトライド(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)、アルミナイトライド(AlN)、ホウ化ジルコニウム(ZrB2)等が挙げられる。
【0100】
次に、前記基板を乾燥させる工程は、前記基板上に残留する前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を、除去するために行う。前記乾燥は、例えば、−20℃〜150℃の範囲の温度、好ましくは0℃〜100℃の範囲の温度、より好ましくは10℃〜50℃の範囲の温度で行われる。
【0101】
本発明の金属ナノ粒子の焼成方法において、基板上の焼結後金属の厚みとしては、例えば0.05μm〜100μmであり、好ましくは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.3μm〜5μmである。
【0102】
本発明の金属ナノ粒子の焼成方法において、基板上の焼結後金属の最小線幅/配線間隔としては、例えば0.05μm〜5000μmであり、好ましくは1μm〜3000μmであり、より好ましくは50μm〜1000μmである。
【0103】
本発明の金属ナノ粒子の焼成方法において、基板上の焼結後金属の断面積としては、例えば0.0025μm2〜500000μm2であり、好ましくは0.1μm2〜30000μm2であり、より好ましくは15μm〜5000μm2である。
【0104】
本発明の金属ナノ粒子の焼成方法において、基板上の焼結後金属の電気抵抗率としては、例えば2×10-6Ωcm〜1×10-1Ωcmであり、好ましくは2×10-6Ωcm〜1×10-3Ωcmであり、より好ましくは2×10-6Ωcm〜1×10-4Ωcmである。
【0105】
本発明の金属ナノ粒子の焼結方法を用いた基板上に配線を形成する方法における工程を以下に詳細に説明する。
【0106】
被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストを用いて、配線前駆体となるパターンを基板上に形成する工程は、様々な塗布方法、例えば、スクリーン印刷方法、インクジェット印刷方法、凹版印刷、凸版印刷、平板印刷等を用いることができる。
【0107】
前記基板上のパターンに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程は、前記本発明の金属ナノ粒子の焼成方法における、基板上の、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程と同様である。
【0108】
また、前記基板を乾燥させて前記金属ナノ粒子を焼結させ、配線を形成する工程は、前記本発明の金属ナノ粒子の焼成方法における、前記基板を乾燥させる工程と同様である。
【0109】
(調製例1)
(ドデシルアミンで被覆された銀ナノ粒子とテトラデカンとを含むナノペースト)金属ナノ粒子ペーストの製造
硝酸銀(22.1g)およびドデシルアミン(48.2g)をアセトニトリル(700ml)に溶解させ、得られた混合液を室温で3時間攪拌した。前記混合液中に生成し沈殿した固形物をろ取し、得られた固形物を20℃で乾燥して白色粉末の[Ag(NH212252]NO3を7.38g得た。次に、前記[Ag(NH212252]NO3(2.0g)、ドデシルアミン(3.0g)およびエタノール(0.5ml)の混合物を、攪拌しながら室温から160℃まで加熱し、加熱温度が160℃になった時点で300秒間維持した。その後、前記混合物を自然に冷却し、前記混合物の温度が60℃になった時点で300秒間攪拌した。前記混合物にアセトン(30ml)を添加して、その後混合物を60秒間攪拌した。攪拌を止め、静置した後、前記混合物から上澄液を除去した。得られた沈殿物に、アセトン(20ml)を添加し、得られた混合物を30秒間攪拌した。攪拌を止め、静置した後、前記混合物から上澄液を除去した。得られた沈殿物に、アセトン(20ml)を添加し、得られた混合物から上澄液を除去した。得られた沈殿物にトルエン(20ml)を添加すると、前記沈殿物はトルエンに分散し、メタリックブルー色の溶液が得られた。前記溶液を室温で300秒間攪拌し、その後、前記溶液をガラス繊維製ろ紙(保留粒子径0.3μm)で濾過した。得られたろ液を減圧濃縮すると、微細な青色粉末を得た。前記操作を5回繰り返して、青色粉末(0.08g、収率:4.0%)を得た。前記青色粉末に、テトラデカン(0.07ml)を添加した後、攪拌することにより、表題にあるドデシルアミンで被覆された銀ナノ粒子とテトラデカンとを含むナノペースト(金属含有量:60質量%、粘度30mPa・s)を得た。
【0110】
(調製例2)
テトラデカンの代わりにトルエン(0.55g)を用いる以外は、前記調製例1と同様にして、ドデシルアミンで被覆された銀ナノ粒子とトルエンを含むナノペースト(金属含有量:12.6質量%)を得た。
【実施例1】
【0111】
基板(ポリエチレンテレフタレート)上の調製例1で製造した金属ナノ粒子ペーストに極性溶媒を23℃で30秒間作用させ、前記基板を23℃で2時間乾燥させた。得られた基板上の金属について、電気抵抗率は、低抵抗率計(商品名:ロレスタ−CP、三菱化学製)および四探針プローブ(NSCPプローブ)を用いた四端子法で測定した。最小線幅/配線間隔は、レーザー顕微鏡(超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9510m、KEYENCE社製)を用いて測定した。極性溶媒を種々変更し、電気抵抗値を測定した結果を下記表1に示す。表1中、「良好」は電気導通が確認されたことを意味し、「可」は電気導通が確認できたが不安定、または非常に弱いことを意味し、「不可」は電気導通が確認できなかったことを意味する。
【0112】
なお、金属ナノ粒子ペーストとして調製例1で製造したものを用い、極性溶媒はエタノールを用いた場合には、電気抵抗率は8.15×10-5Ω・cm(10回測定した平均値)、最小線幅/配線間隔は200.03μm/3.0mmであった。得られた金属の幅は、208μm(10回測定した平均値)、厚みは0.3μm、断面積は62.4μm2(10回測定した平均値)であった。
【0113】
実施例2
調製例1で製造したナノペーストの代わりに調製例2で製造したナノペーストを用いた以外は、実施例1と同様にして極性溶媒を種々変更して電気抵抗値を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0114】
【表1】

【0115】
前記表1に示すように、実施例1〜2の結果から、本発明の焼結方法により、金属ナノ粒子を焼結させることが可能であることが確認できた。また、本発明の基板形成方法により、配線を基板上に形成することが可能であることを確認できた。また、前記実施例1に示すように、本発明の基板形成方法によれば、抵抗率10-5レベルの高い配線を得ることが確認できた。
【0116】
実施例3
金属ナノ粒子ペーストを配置した基板(ガラス)を、極性溶媒中に23℃で浸漬させた。金属ナノ粒子ペーストとしては、調製例2で製造したものを用いた。極性溶媒はメタノールを用いた。
【0117】
前記基板を極性溶媒にそれぞれ0秒、30秒、180秒、600秒、1800秒および3600秒浸漬した後、各々23℃で2時間乾燥させた。浸漬時間に伴う基板上の金属ナノ粒子ペーストの変化をSEMおよびTEM写真で、図2および図3に示す。
【0118】
前記図2に示すように、処理0秒、つまり未処理の金属ナノ粒子ペーストは、直径10nmのナノ粒子が規則的に並んでいるのが確認できた。さらに極性溶媒中での浸漬時間が長くなるにつれて、ナノ粒子が合体成長し、1時間後に100nm以上の大きさの粒子に成長するものも確認できた。
【0119】
また、前記図3に示すように、極性溶媒中で30秒間浸漬した場合、ナノ粒子同士が合体し、被覆が除去され始めていることが確認できた。
【0120】
また、実施例1と同様にして基板の電気抵抗率を測定した。浸漬時間とその時間における電気抵抗率を図4に示した。前記図4から、浸漬時間の増加と共に電気抵抗率の減少が確認できた。また、浸漬時間がわずか300秒であっても10-4オーダーの電気抵抗率が得られ、さらに浸漬時間2時間で7.3×10-5の電気抵抗率が得られることが確認できた。
【0121】
実施例4
浸漬を180秒後、極性溶媒中から基板を取り出し乾燥させる以外は、実施例3と同様にして行った。極性溶媒に浸漬している間、極性溶媒から取り出して乾燥している間の基板の時間に対する電気抵抗を、図5に実線で示す。また、電気抵抗の減少率を表2に示す。
【0122】
【表2】

【0123】
前記図5に示すように180秒間浸漬させた後基板を取り出し、乾燥させると急激に電気抵抗が減少することが確認できた。特に浸漬している間にも既に電気抵抗の低下が起こりはじめ、金属ナノ粒子の被覆が剥離されていること、乾燥工程で電気抵抗がさらに低下し、焼結が進行することが確認できた。
【0124】
比較例1
金属ナノ粒子ペーストを用いない以外は、実施例4と同様にして行った。極性溶媒に浸漬している間、極性溶媒から取り出して乾燥している間の基板の時間に対する電気抵抗のグラフを、図5に点線で示す。極性溶媒に浸漬している間の電気抵抗は、メタノールの電気抵抗を測定していることになる。乾燥工程に入るとすぐ、メタノールが蒸発するため、急激な電気抵抗の増加が確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0125】
高密度な回路形成にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】基板上の金属ナノ粒子ペーストの状態を示した模式図である。
【図2】実施例3における金属ナノ粒子ペーストと基板上の金属のSEM写真である。
【図3】実施例3における金属ナノ粒子ペーストと基板上の金属のTEM写真である。
【図4】実施例3における浸漬時間と電気抵抗率の関係を示すグラフである。
【図5】実施例4における浸漬時間および乾燥時間と電気抵抗の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0127】
1 金属
2 被覆
3 分散溶剤
4 金属ナノ粒子ペースト
5 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ナノ粒子の焼結方法であって、前記方法は、
基板上の、被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程および
前記基板を乾燥させる工程とを含む方法。
【請求項2】
前記金属ナノ粒子が、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される1以上の金属から形成される粒子、または銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される2以上の金属から形成されるコアシェル構造を持つ粒子である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属ナノ粒子の被覆が、複素環およびアルキル置換された複素環ならびに、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上から形成される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記分散溶媒が、アルカン、アルケン、アルキン、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、および−OHを1以上含むテルペン炭化水素からなる群から選択される1以上を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記極性溶媒または前記溶解補助剤を含む極性溶媒溶液の前記極性溶媒が、複素環、アルキル置換された複素環、水、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環および、アルキル置換された複素環、ならびに下記式(X)で表される化合物からなる群から選択される1以上の極性溶媒である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

21−Y−R22 (X)
前記式(X)中、R21およびR22は、互いに独立して、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル置換されたアリール基、ヘテロアリール基もしくはアルキル置換されたヘテロアリール基であり、
Yは、−CONH−、−C(=O)−または−SO−で表される基である。
【請求項6】
前記溶解補助剤が、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される1以上である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程が、−20℃〜150℃の範囲の温度で行われる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記基板が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコンおよびセラミックスからなる群から選択される1以上の材料から形成される請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
基板上に配線を形成する方法であって、前記方法は、
被覆された金属ナノ粒子と分散溶媒とを含む金属ナノ粒子ペーストを用いて、配線前駆体となるパターンを基板上に形成する工程と、
前記基板上のパターンに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程と、
前記基板を乾燥させて前記金属ナノ粒子を焼結させ、配線を形成する工程とを含む方法。
【請求項10】
前記金属ナノ粒子が、銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される1以上の金属から形成される粒子、または銀、銅、金、白金、ロジウム、ニッケル、白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金、鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金からなる群から選択される2以上の金属から形成されるコアシェル構造を持つ粒子である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記金属ナノ粒子の被覆が、複素環およびアルキル置換された複素環ならびに、−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2、―NOH、−NO2H、―OH、−SiOH、−Si(OH)2、―Si(OH)3、―PO22、―PO32、―PO4H、−COO−、−CON―、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH2−、−PO−、−POH−、−POH2−、−PO2−、−PO2H−、−PO3−、−PO3H−、−PO4−、−N(−)−、−Si(O−)2および−Si(O−)3からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上から形成される請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記分散溶媒が、アルカン、アルケン、アルキン、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、および−OHを1以上含むテルペン炭化水素からなる群から選択される1以上を含む請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記極性溶媒または前記溶解補助剤を含む極性溶媒溶液の前記極性溶媒が、複素環、アルキル置換された複素環および、水ならびに−COOH、−SH、−SOH、−SO2H、―SO3H、―NH2および―OHからなる群から選択される1以上で置換されたアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環および、アルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上の極性溶媒である請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記溶解補助剤が、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールからなる群から選択される1以上である請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程が、−20℃〜150℃の範囲の温度で行われる請求項9〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記基板が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコンおよびセラミックスからなる群から選択される1以上の材料から形成される請求項9〜15のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−72052(P2008−72052A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251329(P2006−251329)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(801000061)財団法人大阪産業振興機構 (168)
【Fターム(参考)】