説明

金属板の腐食深さ測定装置及び腐食深さ測定方法

【課題】金属板の複数の測定点に対する腐食深さの測定作業を効率的に行い、かつ金属板に変形が生じている場合でも、変形の影響により金属板に対する厚さ検出の精度が低下することを防止する。
【解決手段】腐食深さ測定装置10では、金属板120の表側面における複数の測定点がレーザ光B1の反射点を順次通過し、かつ裏側面における測定点と一致する複数の対向点がレーザ光B2の反射点を順次通過するように、金属板120を保持したホルダ62をX方向又はY方向に沿って移動させる。これにより、レーザ変位センサ76により複数の測定点136までの距離を順次検出でき、かつレーザ変位センサ78により対向点までの距離を順次検出できるので、複数の測定点における金属板120の厚さを求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食後に、腐食生成物が除去された金属板の厚さを測定して、この金属板に生じた腐食部の深さを求める金属板の腐食深さ測定装置及び金属板の腐食深さ測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板等の金属材料には、機械的強度に加え、使用用途や使用環境等によって高い耐腐食性が要求されるものが存在する。このような高い耐腐食性が要求される金属材料を研究し、開発する場合には、例えば、その金属材料を素材としてプレート状の金属板を作製し、必要に応じて表面処理を施した後、この金属板に対して腐食試験を行うことにより、金属材料の耐腐食性が評価される。腐食試験では、例えば、金属板に対し、塩水の吹付け、放置、乾燥等の複数の工程からなる単位サイクルを繰返す促進試験を行い、実環境よりも腐食の進行を早める。
【0003】
そして、腐食試験の完了後、金属板における腐食深さを測定することにより、金属板(金属材料)の耐腐食性を評価する。金属板の腐食深さを測定する際には、金属板から錆等の腐食生成物及び、金属板に予め形成されていためっき、塗膜等の表面処理膜を除去した後、例えば、金属板の厚さをポイントマイクロメータにより測定し、その測定値と腐食試験が行われる前の金属板の厚さとの差を算出することにより、金属板の腐食深さを求める。
【0004】
また特許文献1には、定盤上に固定された試料台及びX−Yテーブルと、このX−Yテーブルに連結されたレーザ変位計を備えた金属材料の孔食深さ測定装置が記載されている。この孔食深さ測定装置では、レーザ変位計をZ軸ステージに上下動可能に取り付け、試料台上に金属材料を設置した後、レーザ変位計を試料台から一定距離だけ離しつつ、X−Yテーブルにより測定範囲内で、金属材料をX方向又はY方向へ移動させると共に、レーザ変位計により金属材料表面までの距離を検出し、この検出結果に基づいて金属材料における所定の各ブロックの測定深さの最大値と平均値を出力する。
【特許文献1】特開平3−199399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポイントマイクロメータにより金属板の厚さを測定する方法では、金属板の測定領域を複数の小領域に分割した後、各小領域毎に試験者が目視にて最も深い腐食部を判断し、金属板の厚さを測定する作業を繰り返すことにより、複数の腐食深さのデータを収集する。このため、最も深い腐食部を的確に判断するには、測定者に高い熟練度が要求され、また金属板に対する測定点の数が限定されることから、それぞれ腐食深さが異なる腐食部位の発生確率の分布や、一次元的又は二次元的な腐食深さのプロフィールを求めることは実際上、困難である。すなわち、ポイントマイクロメータを用いて手作業で腐食深さを測定した場合には、腐食深さのデータを十分な量収集し、そのデータに基づいて金属板の腐食形態を推定することは困難である。
【0006】
また特許文献1記載の孔食深さ測定装置では、試料台上に固定された金属材料の上面側(測定領域)にレーザ変位計を対向させつつ、このレーザ変位計により金属材料の上面側のみを走査し、金属材料の測定点における厚さを測定している。このため、金属材料に反り、歪み等の変形が生じている場合には、この反りや歪みが生じている部分では、レーザ変位計から金属材料までの距離が局部的に変化し、レーザ変位計の検出精度が大幅に低下してしまう。
【0007】
本発明の目的は、上記事実を考慮し、金属板の複数の測定点に対する腐食深さの測定作業を効率的に行え、かつ金属板に変形が生じている場合でも、変形の影響により金属板に対する厚さ検出の精度が低下することを防止できる金属板の腐食深さ測定装置及び腐食深さ測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る金属板の腐食深さ測定装置は、腐食生成物が除去された金属板の板厚を測定して腐食深さを求める金属板の腐食深さ測定装置であって、金属板の腐食生成物が除去された側の面に設けられた測定領域及び、該測定領域とは反対側の面に設けられた対向領域をそれぞれ露出させた状態で、金属板を保持するホルダと、前記ホルダから所定距離だけ離間するように支持され、前記測定領域に対して第1のレーザ光を出射する第1のレーザ出射部、前記測定領域の金属板表面により反射された第1のレーザ光を受光する第1のレーザ受光部及び、該第1のレーザ受光部に対応する第1の基準部位が設けられ、該第1の基準部位から前記測定領域における第1のレーザ光の反射点までの距離を検出する第1のレーザ変位センサと、前記ホルダから所定距離だけ離間するように支持され、前記対向領域に対して第2のレーザ光を出射する第2のレーザ出射部、前記対向領域の金属板表面により反射された第2のレーザ光を受光する第2のレーザ受光部及び、該第2のレーザ受光部に対応する第2の基準部位が設けられ、該第2の基準部位から前記対向領域における第2のレーザ光の反射点までの距離を検出する第2のレーザ変位センサと、前記ホルダを金属板の板厚方向と直交するX方向並びに、前記板厚方向及び前記X方向と直交するY方向に沿って移動させるX−Y移動手段と、前記測定領域に予め設定された複数の測定点が前記第1のレーザ光の反射点となり通過し、かつ前記対向領域における前記X及びY方向に沿って前記測定点と一致する複数の対向点が前記第2のレーザ光の反射点となり通過するように、前記X−Y移動手段により前記ホルダを移動させ、かつ前記第1のレーザ変位センサにより検出された第1の基準部位から第1のレーザ光の反射点までの距離及び、前記第2のレーザ変移センサにより検出された第2の基準部位から第2のレーザ光の反射点までの距離に基づいて、前記測定点における金属板の板厚を算出する測定制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記請求項1に係る金属板の腐食深さ測定装置では、測定制御手段が、測定領域に予め設定された複数の測定点が前記第1のレーザ光の反射点となり通過し、かつ対向領域におけるX及びY方向に沿って測定点と一致する複数の対向点が前記第2のレーザ光の反射点となり通過するように、X−Y移動手段により前記ホルダを移動させ、かつ第1のレーザ変位センサにより検出された第1の基準部位から第1のレーザ光の反射点までの距離及び、第2のレーザ変移センサにより検出された第2の基準部位から第2のレーザ光の反射点までの距離に基づいて、測定点における金属板の板厚を算出することにより、第1のレーザ変位センサにより検出された第1の基準部位から複数の測定点までの距離及び、第2のレーザ変位センサにより検出された第2の基準部位から複数の対向点までの距離に基づいて、複数の測定点における金属板の厚さをそれぞれ求めることができる。
【0010】
この結果、請求項1に係る金属板の腐食深さ測定装置によれば、測定点における金属板の厚さを十分に高い精度で測定ができるので、この厚さ測定値を、腐食試験前の金属板の厚さ測定値と比較すれば、測定点における金属板の腐食深さを高い精度で求めることができる。
また本発明の請求項2に係る金属板の腐食深さ測定方法は、請求項1記載の金属板の腐食深さ測定装置を用いて、腐食後に、金属板における腐食深さを測定するための金属板の腐食深さ測定方法であって、複数の前記測定点が前記第1のレーザ光の反射点となり通過し、かつ複数の前記対向点が前記第2のレーザ光の反射点となり通過するように、前記X−Y移動手段により前記ホルダを移動させる移動工程と、任意の前記測定点が前記第1のレーザ光の反射点と一致したタイミングで、前記第1のレーザ変位センサからの検出信号に基づいて、前記第1の基準部位から前記第1のレーザ光の反射点までの距離を検出する第1の検出工程と、任意の前記対向点が前記第2のレーザ光の反射点と一致したタイミングで、前記第2のレーザ変位センサからの検出信号に基づいて、前記第2の基準部位から前記第2のレーザ光の反射点までの距離を検出する第2の検出工程と、前記第1のレーザ変位センサから前記第1のレーザ光の反射点までの距離及び、前記第2のレーザ変位センサからの前記第2のレーザ光の反射点までの距離に基づいて、前記測定点における金属板の板厚を測定する演算工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る金属板の腐食深さ測定装置及び腐食深さ測定方法によれば、金属板の複数の測定点に対する腐食深さの測定作業を効率的に行え、かつ金属板に変形が生じている場合でも、変形の影響により金属板に対する厚さ検出の精度が低下することを防止できる。
さらに本発明に係る金属板の腐食深さ測定方法により得られた複数の測定点に対する腐食深さの測定結果から金属の腐食形態を推定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る金属板の腐食深さ測定装置について図面を参照して説明する。
図1〜図3には、本発明の実施形態に係る金属板の腐食深さ測定装置が示されている。この腐食深さ測定装置10は、腐食した金属板120に対して、腐食生成物が除去された金属板120の厚さを測定することにより、金属板120の腐食深さを求めるためのものである。
【0013】
図1に示されるように、腐食深さ測定装置10には、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿った下端部にベースフレーム14が設けられると共に、このベースフレーム14から上方へ延出する支持フレーム16が設けられている。支持フレーム16は、図1に示されるように、下端部が装置の奥行方向(矢印D方向)に沿ってベースフレーム14の後端側に固定されている。
【0014】
図1に示されるように、ベースフレーム14上には、支持フレーム16の手前側にテーブル基台18が固定されている。このテーブル基台18上には、後述するホルダ62を所定のX方向及びY方向に沿って移動させるためのX−Y移動機構20が取り付けられている。X−Y移動機構20には、その下端側にY移動ステージ24が配置されると共に、Y移動ステージ24の上側にX移動ステージ22が配置されている。
【0015】
図1及び図2に示されるように、Y移動ステージ24はブラケット26を介してテーブル基台18上に固定されている。このY移動ステージ24には、ステッピングモータ28及び、このステッピングモータ28に連結されたスクリュー軸30が設けられている。ブラケット26上には一対の軸受板32、34が固定されており、これら一対の軸受板32、34は、スクリュー軸30の先端部及び後端部をそれぞれ軸支している。また一対の軸受板32、34間には一対のガイドロッド36が掛け渡されている。
【0016】
Y移動ステージ24は、リニアキャリア38及び、一対のガイドロッド36の外周側にそれぞれ嵌挿される筒状のリニアベアリング40を備えている。リニアキャリア38には、Y方向へ貫通するねじ穴(図示省略)が穿設されており、このねじ穴には、スクリュー軸30が相対的に回動可能に捩じ込まれている。これにより、スクリュー軸30が回転すると、リニアキャリア38がY方向に沿ってスクリュー軸30の回転方向に対応する方向へ、その回転量に対応する距離だけ移動する。
【0017】
図2に示されるように、Y移動ステージ22には、リニアキャリア38及びステージプレート42(図1参照)が配置されており、リニアキャリア38及び一対のリニアベアリング40は、それぞれステージプレート42(図1参照)の下面側に固定されている。ステージプレート42は、一対のガイドロッド36及び、一対のリニアベアリング40によりY方向に沿って直線移動するように案内される。
【0018】
図1に示されるように、Y移動ステージ24のステージプレート42上には、プレート状のブラケット44を介してX移動ステージ22が配置されている。X移動ステージ22は、ブラケット44を介してステージプレート42上に固定されたステッピングモータ46及び、このステッピングモータ46に連結されたスクリュー軸48を備えている。ここで、スクリュー軸48の軸心はX方向と一致している。またブラケット44上には一対の軸受板50、52が固定されており、これら一対の軸受板50、52は、スクリュー軸48の先端部及び後端部をそれぞれ軸支している。また、これら一対の軸受板50、52の間には、図2に示されるように、一対のガイドロッド54が掛け渡されている。
【0019】
図1に示されるように、X移動ステージ22は、スクリュー軸48の外周側に配置されるリニアキャリア56及び、一対のガイドロッド54の外周側にそれぞれスライド可能に嵌挿される筒状のリニアベアリング58を備えている。リニアキャリア56には、X方向へ貫通するねじ穴(図示省略)が穿設されており、このねじ穴には、スクリュー軸48が相対的に回動可能に捩じ込まれている。これにより、スクリュー軸48が回転すると、リニアキャリア56がX方向に沿ってスクリュー軸48の回転方向に対応する方向へ、その回転量に対応する距離だけ移動する。
【0020】
X移動ステージ22には、リニアキャリア56及び一対のリニアベアリング58の上側にステージプレート60が配置されており、リニアキャリア56及び一対のリニアベアリング58は、それぞれステージプレート60の下面側に固定されている。ステージプレート60は、一対のガイドロッド54及びリニアベアリング58によりX方向に沿って直線移動するように案内される。
【0021】
図2に示されるように、腐食深さ測定装置10は、X移動ステージ22のステージプレート60上にねじ64により締結固定されるプレート状のホルダ62を備えている。ホルダ62には、その基端側に矩形状の連結プレート72が形成されると共に、装置の奥行方向に沿って連結プレート72から後端側へ延出するホルダプレート74が一体的に形成されている。
【0022】
ホルダプレート74には、その基端部に装置の幅方向へ延在する支持部66が形成されると共に、この支持部66の両端部からそれぞれ延出する一対の支持アーム部68が一体的に形成されている。ホルダプレート74には、一対の支持アーム部68間に矩形状の窓部70が形成されている。
図2及び図3に示されるように、ホルダ62のホルダプレート74上には、略長方形の金属板120が載置可能とされている。金属板120は、その厚さ方向(図6の矢印T方向)に沿って一方の面が被測定面121とされ、この被測定面面121の反対側の面が裏側面124とされている。金属板120には、被測定面121における例えば中央部に略長方形の測定領域130が設定されている。金属板120は、その裏側面124におけるX方向及びY方向に沿って測定領域130と一致する領域が対向領域(図示省略)とされている。金属板120は、被測定面121が上方へ向くようにホルダプレート74上に載置される。
【0023】
図1に示されるように、腐食深さ測定装置10は、支持フレーム16にそれぞれ配置される一対のレーザ変位センサ76、78を備えている。これら一対のレーザ変位センサ76、78は、図5に示されるように、レーザ光を出射する半導体レーザ80、この半導体レーザ80の駆動回路82を内蔵しており、半導体レーザ80から出射されたレーザ光Bを、投光レンズ83を通して測定対象物128(本実施形態では、金属板120)へ照射する。また半導体レーザ80は、光位置検出素子(PSD)84及び、光検出信号の信号増幅回路86を内蔵しており、PSD84には、測定対象物から反射されたレーザ光Bが受光レンズ88を通して入射する。
【0024】
ここで、PSD84は、受光レンズ88を通して測定対象物128から反射されたレーザ光Bを受光し、受光レンズ88により結ばれた光スポットの位置に応じて位置検出信号の出力を変化させる。
レーザ変位センサ76、78では、そのレーザ光Bの出射側の端面が基準面90とされており、この基準面90と測定対象物128との間隔をスペーサ等により所定の基準長SLとした状態でキャリブレーションが行われる。具体的には、基準面90と測定対象物との間隔を基準長SLとした状態で、PSD84から出力される位置検出信号の出力値が基準値として設定される。これにより、図5に示されるように、基準面90から測定対象物128までの間隔が基準長SLに対してSL1又はSL2に変化すると、PSD84に対する光スポットの入射位置も変位すると共に、PSD84から出力される位置信号の出力値も変化するので、位置検出信号の基準値に対する変化量に基づいて、基準面90から測定対象物128までの距離を求めることができる。
【0025】
なお、半導体レーザ80から出射されるレーザ光Bのビーム径は十分に小さいものになっており、測定対象物128上におけるレーザ光Bの照射領域も微小なスポット状の反射点BSになる。このことから、レーザ変位センサ76、78は、その基準面90から測定対象物128におけるレーザ光Bの反射点BSまでの距離を測定する。
また本実施形態では、光位置検出素子84としてPSD(Position Sensitive Detector)を用いていたが、PSDの代わりにCCD(Charge Coupled Device)を光位置検出素子84として用いても良い。CCDを光位置検出素子84として用いると、スポット内に光量のばらつきが発生した場合でも、PSDを用いた場合と比較し、光量のピーク位置に対する検出精度を向上できるので、測定対象物128(金属板120)表面の影響による誤差発生を効果的に抑制できる。
【0026】
図3に示されるように、一対のレーザ変位センサ76、78のうち、一方のレーザ変位センサ76は、支持フレーム16によりホルダ62の上側に支持され、他方のレーザ変位センサ78は、支持フレーム16によりホルダ62の上側に支持されており、レーザ変位センサ76から出射されるレーザ光B1の光軸とレーザ変位センサ78から出射されるレーザ光B2の光軸とは一致している。
【0027】
ここで、レーザ変位センサ76は、ホルダ62上に載置された金属板120の被試験面121の位置(高さ)を基準として予めキャリブレーションが行われ、レーザ変位センサ78は、ホルダ62上に載置された金属板120の裏側面124の位置(高さ)を基準として予めキャリブレーションが行われる。但し、このキャリブレーションは、腐食する前の金属板120と同一の厚さを有するダミーの金属板(標準試験片)を用いて行われる。なお、この標準試験片に加え、これとは厚さが異なる標準試験片を用いて多点でキャリブレーションを行うようにしても良い。
【0028】
次に、図13を参照しつつ、上記キャリブレーションの実行方法及び一対のレーザ変位センサ76、78を用いて腐食後の金属板120の厚さを測定する方法について詳細に説明する。
図13に示されるように、レーザ変位センサ76から金属板120までの距離LZ1、レーザ変位センサ78から金属板120までの距離LZ2、金属板120の板厚をT、レーザ変位センサ76の基準面90からレーザ変位センサ78の基準面90までの距離をセンサ間隔SDとすると、下記(1)式が成り立つ。
【0029】
SD=LZ1+LZ2+T ・・・ (1)
従って、板厚Tは下記(2)式で与えられる。
T=SD−(LZ1+LZ2) ・・・ (2)
【0030】
ここで、センサ間隔SDは未知であるので、既知の板厚(=T0)を有する標準試験片120Tを用意し、この標準試験片120Tの板厚Tをレーザ変位センサ76、78により測定する(板厚の「較正」)。このとき、レーザ変位センサ76の出力から得られた標準試験片120Tまでの測定距離LZ10、レーザ変位センサ78の出力から得られた標準試験片120Tまでの測定距離LZ20とすると、下記(3)式が成り立つ。
SD=LZ10+LZ20+T0 ・・・ (3)
上記(3)式を(2)式に代入することにより、測定対象となる金属板120の厚さ測定値MTは、下記(4)式で与えられる。
MT=T0+(LZ10+LZ20)−(LZ1+LZ2) ・・・ (4)
【0031】
図4には、本発明の実施形態に係る腐食深さ測定装置における制御機構の構成がブロック図により示されている。制御機構92は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等により構成された制御装置本体94、表示制御部96を介して制御装置本体94に接続されたディスプレイ装置98及び、データ入出力部100を介して制御装置本体94に接続された外部記憶装置102を備えている。制御装置本体94では、測定制御手段104が汎用的な電子機器、予めインストールされた専用プログラム等により実現されている。
【0032】
制御装置本体94には、測定制御手段104にそれぞれ接続されるA/D入力ボード106及びRS232Cボード108が設けられている。ここで、A/D入力ボード106には、センサコントローラ110及びセンサコントローラ112がそれぞれ接続されている。またRS232Cボード108には、ステージコントローラ114が接続されている。センサコントローラ110はレーザ変位センサ76に接続されており、レーザ変位センサ76から出力された位置検出信号S1をキャリブレーション時の出力値を基準として線形性を有するアナログ電流信号SA1に変換し、このアナログ電流信号SA1をA/D入力ボード106に出力する。
【0033】
また、センサコントローラ112はレーザ変位センサ78に接続されており、レーザ変位センサ78から出力された位置検出信号S2をキャリブレーション時の出力値を基準として線形性を有するアナログ電流信号SA2に変換し、このアナログ電流信号SA2をA/D入力ボード106に出力する。A/D入力ボード106は、アナログ電流信号SA1及びアナログ電流信号SA2をそれぞれデジタル信号に変換し、測定制御手段104へ出力する。
【0034】
ステージコントローラ114は、X−Y移動機構20におけるステッピングモータ28及びステッピングモータ46にそれぞれ接続されており、RS232Cボード108を介して測定制御手段104から入力する制御情報に従って、ステッピングモータ28又はステッピングモータ46に対して所定数の駆動パルスを所定の周期で出力する。これにより、ステッピングモータ28、46は、ステージコントローラ114から入力する駆動パルスの極性に対応する方向へ、駆動パルス数に比例する回転量だけ回転する。このとき、ステッピングモータ28、46の回転速度は入力する駆動パルスの周期により制御される。
【0035】
次に、腐食深さ測定装置10による金属板120に対する腐食深さの測定作業について説明する。
金属板120としては、例えば図6に示されるように、長方形の鋼板などの腐食した試験片が用いられる。図6には端面及び裏面を粘着テープ122などでシールして、露出した部分を腐食領域123とする金属板120を示す。腐食領域123の全体又はその一部が測定領域130となる。
【0036】
ただし、金属板120としては、図6に示す形状に限定されない。例えば、自動車や家電製品の実部品、自動車や家電製品の部品を模擬し加工した試験片などでもよく、塗装が施されていてもよい。
また、本発明の腐食深さ測定装置10は表裏を有する1枚の金属板120の腐食深さを測定するものである。したがって、複数の金属片を接合してなる部品や試験片の場合、その接合部を解体し、1枚の金属板として測定する。また金属板120の測定領域130は平坦面とすることが好ましい。
【0037】
上記した金属板120は自動車や家電製品の実際の使用環境に暴露してもよいし、腐食試験に供してもよい。
腐食試験では、外部環境から隔離され、所定の試験温度に調整された調整室内で、金属板120に対し、塩水の吹付け、放置、乾燥等の複数の工程からなる単位サイクルを所定回数(例えば、30、60又は90サイクル)繰返す促進試験を行い、実環境よりも腐食の進行を早める。これにより、金属板120の腐食領域123には、図7(A)に示されるように、測定領域130を含む領域に腐食生成物134が生成される。このとき、腐食生成物134が生成した部分では元の金属素材の一部が腐食生成物134に変化することから、腐食生成物134の生成量に対応する深さの腐食部126が形成される。
【0038】
腐食試験の完了後又は実際の使用環境に暴露された後に、金属板120に対する腐食深さ測定を行う際には、先ず、図7(B)に示されるように、金属板120の腐食領域123に発生した腐食生成物134を除去し、腐食領域123に形成された腐食部126を露出させる。これにより、腐食深さ測定装置10により金属板120に対して腐食深さの測定を行う準備が完了し、この測定準備が完了した金属板120をホルダ62上に載置し、所定の測定位置(図2参照)に位置調整する。
【0039】
図8(A)に示されるように、金属板120には、測定領域130に予め複数個の測定点136が設定される。これらの測定点136を設定する際には、先ず、測定領域130内に測定開始点136S及び測定完了点136Eをそれぞれ設定した後、これらの測定開始点136Sと測定完了点136Eとを結んだ走査線SCにおける測定ピッチPTを設定することにより、複数の測定点136が設定される。
【0040】
具体的には、測定者が、ディスプレイ装置98やキーボード(図示省略)等を介して、測定領域130に予め設定された原点Oに対する測定開始点136Sの相対的な座標位置及び、測定完了点136Eの相対的な座標位置並びに、測定ピッチPTの長さをそれぞれ測定制御手段104に入力することにより、測定制御手段104により複数の測定点136が自動的に設定される。
【0041】
次に、図9に示されるフローチャートを参照しつつ、測定制御手段104による金属板120に対する腐食深さの測定制御について説明する。
ステップS01にて、測定制御手段104は、測定開始点136Sの座標位置、測定完了点136Eの座標位置並びに、測定ピッチPTに基づいて、測定領域130に複数の測定点136を設定すると共に、対向領域にX方向及びY方向に沿って測定点136と一致する複数の対向点を設定する。
【0042】
なお、ここでは、説明を簡単にするために、測定開始点136Sと測定完了点136Eとを直線の走査線SCで結んだ場合について説明するが、この走査線SCは、必ずしも直線である必要はなく、図11(B)に示されるように、X方向及びY方向に沿ってジグザグ状に延在するものでも、直線及び曲線からなるものでも良い。
測定制御手段104は、ディスプレイ装置98やキーボード(図示省略)等を介して測定開始命令が入力すると(ステップS02)、ステップS03にて、レーザ変位センサ76から出射されるレーザ光B1(反射点BS1)が測定開始点136Sと一致するように、X−Y移動機構20によりホルダをX方向又はY方向に沿って移動させる。このとき、レーザ変位センサ78から出射されるレーザ光B2(反射点BS2)は、測定開始点136Sと一致する対向点に位置する。
【0043】
ステップS04〜S05にて、測定制御手段104は、レーザ光B1が走査線SC上をトレースするように、X−Y移動機構20によりホルダをX方向又はY方向(図8(A)の場合、Y方向)に沿って移動させつつ、測定ピッチPTに対応する周期で、位置検出信号S1及び位置検出信号S2に基づいて距離LZ1及び距離LZ2をそれぞれ判断する。
ステップS06〜S07にて、測定制御手段104は、レーザ光B1が測定完了点136Eに達すると、X−Y移動機構20によりホルダ62を停止させ、金属板120に対する腐食深さの測定作業を完了させる。
【0044】
ステップS08にて、測定制御手段104は、前述した(3)式に従ってセンサ間距離SDを算出し、ステップS09にて、測定制御手段104は、前述した(4)式に従って金属板120の厚さ測定値MTを算出する。
ステップS10にて、測定制御手段104は、厚さ測定値MTと腐食試験前における金属板120の厚さTとの差を腐食深さ測定値MCとして算出し、その腐食深さ測定値MCを測定点136の座標位置と関連付けて一時記憶用の内部メモリ(図示省略)により記憶する。
【0045】
ステップS11にて。測定制御手段104は、全ての測定点136についての腐食深さ測定値MCを算出し、これらを記憶したことを判断すると、ステップS12にて、全ての測定点136についての腐食深さ測定値MC及び、それらに対応する座標位置を、金属板120に付された固有の識別コードに関連付けて外部記憶装置102に格納する。
なお、図8(B)には、本実施形態に係る腐食深さ測定装置10により2種の金属板120を同一の試験条件の腐食試験に供し、腐食させた後、腐食深さを測定した結果が示されている。ここで、2種の金属板120は、それぞれ異なる材質(材質A及び材質B)により形成されており、実線は材質Aの金属板120の腐食深さを測定した結果を示し、破線は材質Bの金属板120の腐食深さを測定した結果を示している。
【0046】
以上説明した本実施形態に係る腐食深さ測定装置10では、測定制御手段104が、測定領域130における複数の測定点136がレーザ光B1の反射点BS1を順次通過し、かつ対向領域における対向点がレーザ光B2の反射点BS2を順次通過するように、X−Y移動機構20により金属板120を保持したホルダ62をX方向又はY方向に沿って移動させることにより、レーザ変位センサ76により複数の測定点136までの距離LZ1を順次検出でき、かつレーザ変位センサ78により対向点までの距離LZ2を順次検出できるので、レーザ変位センサ76により検出された複数の測定点までの距離及び、レーザ変位センサ78により検出された複数の対向点までの距離LZ2に基づいて、複数の測定点136における金属板120の厚さ測定値MTをそれぞれ求めることができる。
【0047】
このとき、前述した(4)式により金属板120の厚さ測定値MTを算出できるので、金属板120に反り、歪み等の変形が生じていても、測定点136における金属板120に対する厚さの測定精度が変形の影響により低下しない。従って、測定点136における金属板120の厚さを十分に高い精度で測定ができ、この厚さ測定値MTを、腐食前の金属板120の厚さ測定値と比較すれば、測定点における金属板120の腐食深さを高い精度で求めることができる。
【0048】
また、腐食深さ測定装置10では、腐食後の金属板120に対して要求される腐食深さ測定値についての情報量に応じて、測定領域130に対して測定開始点136S、測定完了点136E及び測定ピッチPTを適宜設定するだけで、要求される腐食深さ測定値についての情報量を満足させるように、金属板120に対する厚さ測定作業を自動的に行えるので、金属板120に予め設定された複数の測定点136に対する腐食深さの測定作業を効率的に行える。
【実施例】
【0049】
図10には、2枚の金属板120をスポット溶接して作製した合わせ腐食試験材138が示されている。この合わせ腐食試験材138は端面を除く外表面は粘着テープ122によりシールされており、合わせ内部の耐食性を評価するものである。
本発明の実施例では、異なる材質(材質A及び材質B)について、各2枚(長さ100mm、幅50mm)を溶接して図10に示す合わせ腐食試験材138を準備した。腐食領域123は合わせ内部の表面、長さ100mm、幅50mmとなる。
【0050】
この合わせ腐食試験材138を米国自動車技術者協会で定められている複合サイクル腐食試験SAE J2334に供し、30サイクル、60サイクル、90サイクルで合わせ腐食試験材を取り出した。取り出した合わせ腐食試験材のスポット溶接部に貫通穴132を穿設して、解体し、金属板120を採取した。
図11(A)には金属板120における腐食領域123と測定領域130が示されている。測定領域130は、長さ70mm、幅20mmに設定した。図11(B)には、測定領域130及び測定領域130に設定された走査線SCが示されている。
【0051】
なお、測定制御手段104は、レーザ変位センサ76、78が貫通穴132を検出し、距離LZ1、LZ2が無限遠となった場合には、その結果を測定データから除外するように、予めプログラムされている。
図12には、図11(B)に示される走査パターンで金属板120の腐食深さを測定した結果が示されている。図12にて、実線は30サイクルの腐食試験を行った結果、破線は60サイクルの腐食試験を行った結果、一点鎖線は90サイクルの腐食試験を行った結果をそれぞれ示しており、図12(A)は材質Aの結果、図12(B)は材質Bの結果である。また図12で、横軸は、測定領域130における腐食深さを示し、縦軸はそれぞれ異なる腐食深さを有する腐食部の発生確率を示している。
【0052】
図12から材質Aの金属は局部腐食形態をとる傾向にあり、材質Bの金属は全面腐食形態をとる傾向にあることが推定された。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る腐食深さ測定装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示される腐食深さ測定装置の平面図である。
【図3】図1に示される腐食深さ測定装置の正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る腐食深さ測定装置における制御機構の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る腐食深さ測定装置に用いられるレーザ変位センサの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る金属板の構成を示す斜視図(A)および断面図(B)である。
【図7】本発明の実施形態に係る金属板の構成を示す断面図である。
【図8】(A)は測定領域及び、測定領域に設定された測定開始点及び測定完了点を示す平面図、(B)測定開始点と測定完了点とを結ぶ走査線に沿って腐食深さを測定した結果を示すグラフである。
【図9】測定制御手段による金属板120に対する腐食深さの測定制御を説明するためのフローチャートである。
【図10】合わせ腐食試験材を示す図である。
【図11】(A)は金属板における測定領域が設定された被測定面を示す平面図、(B)は測定領域及び測定領域に設定された走査線を示す平面図である。
【図12】図11(B)に示される走査パターンで金属板の腐食深さを測定した結果を示すグラフである。
【図13】本発明の実施形態に係る一対のレーザ変位センサと金属板との位置関係を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 腐食深さ定装置
14 ベースフレーム
16 支持フレーム
18 テーブル基台
20 X−Y移動機構
22 X移動ステージ
24 Y移動ステージ
26 ブラケット
28 ステッピングモータ
30 スクリュー軸
32、34 軸受板
36 ガイドロッド
38 リニアキャリア
40 リニアベアリング
42 ステージプレート
44 ブラケット
46 ステッピングモータ
48 スクリュー軸
50、52 軸受板
54 ガイドロッド
56 リニアキャリア
58 リニアベアリング
60 ステージプレート
62 ホルダ
64 ねじ
66 支持部
68 支持アーム部
70 窓部
72 連結プレート
74 ホルダプレート
76、78 レーザ変位センサ
80 半導体レーザ
82 駆動回路
83 投光レンズ
84 光位置検出素子(PSDなど)
86 信号増幅回路
88 受光レンズ
90 基準面
92 制御機構
94 制御装置本体
96 表示制御部
98 ディスプレイ装置
100 データ入出力部
102 外部記憶装置
104 測定制御手段
106 A/D入力ボード
108 RS232Cボード
110、112 センサコントローラ
114 ステージコントローラ
120 金属板
121 被測定面
122 粘着テープ(シール)
123 腐食領域
124 裏側面
126 腐食部
128 測定対象物
130 測定領域
132 貫通穴
134 腐食生成物
136 測定点
138 合わせ腐食試験材
B、B1、B2 レーザ光
BS 反射点
LZ1、LZ2 距離
MC 腐食深さ測定値
MT 厚さ測定値
SD センサ間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食生成物が除去された金属板の板厚を測定して腐食深さを求める金属板の腐食深さ測定装置であって、
金属板の腐食生成物が除去された側の面に設けられた測定領域及び、該測定領域とは反対側の面に設けられた対向領域をそれぞれ露出させた状態で、金属板を保持するホルダと、
前記ホルダから所定距離だけ離間するように支持され、前記測定領域に対して第1のレーザ光を出射する第1のレーザ出射部、前記測定領域の金属板表面により反射された第1のレーザ光を受光する第1のレーザ受光部及び、該第1のレーザ受光部に対応する第1の基準部位が設けられ、該第1の基準部位から前記測定領域における第1のレーザ光の反射点までの距離を検出する第1のレーザ変位センサと、
前記ホルダから所定距離だけ離間するように支持され、前記対向領域に対して第2のレーザ光を出射する第2のレーザ出射部、前記対向領域の金属板表面により反射された第2のレーザ光を受光する第2のレーザ受光部及び、該第2のレーザ受光部に対応する第2の基準部位が設けられ、該第2の基準部位から前記対向領域における第2のレーザ光の反射点までの距離を検出する第2のレーザ変位センサと、
前記ホルダを金属板の板厚方向と直交するX方向並びに、前記板厚方向及び前
記X方向と直交するY方向に沿って移動させるX−Y移動手段と、
前記測定領域に予め設定された複数の測定点が前記第1のレーザ光の反射点となり通過し、かつ前記対向領域における前記X及びY方向に沿って前記測定点と一致する複数の対向点が前記第2のレーザ光の反射点となり通過するように、前記X−Y移動手段により前記ホルダを移動させ、かつ前記第1のレーザ変位センサにより検出された第1の基準部位から第1のレーザ光の反射点までの距離及び、前記第2のレーザ変移センサにより検出された第2の基準部位から第2のレーザ光の反射点までの距離に基づいて、前記測定点における金属板の板厚を算出する測定制御手段と、
を有することを特徴とする金属板の腐食深さ測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の金属板の腐食深さ測定装置を用いて、腐食後に、金属板における腐食深さを測定するための金属板の腐食深さ測定方法であって、
複数の前記測定点が前記第1のレーザ光の反射点となり通過し、かつ複数の前記対向点が前記第2のレーザ光の反射点となり通過するように、前記X−Y移動手段により前記ホルダを移動させる移動工程と、
任意の前記測定点が前記第1のレーザ光の反射点と一致したタイミングで、前記第1のレーザ変位センサからの検出信号に基づいて、前記第1の基準部位から前記第1のレーザ光の反射点までの距離を検出する第1の検出工程と、
任意の前記対向点が前記第2のレーザ光の反射点と一致したタイミングで、前記第2のレーザ変位センサからの検出信号に基づいて、前記第2の基準部位から前記第2のレーザ光の反射点までの距離を検出する第2の検出工程と、
前記第1のレーザ変位センサから前記第1のレーザ光の反射点までの距離及び、前記第2のレーザ変位センサからの前記第2のレーザ光の反射点までの距離に基づいて、前記測定点における金属板の板厚を測定する演算工程と、
を有することを特徴とする金属板の腐食深さ測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−107213(P2010−107213A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276570(P2008−276570)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】