説明

金属製部材接合体の製造方法および金属製部材接合体

【課題】金属製部材が金属粒子の加熱焼結物により強固に接合しており、該焼結物が液体を吸収することのない金属製部材接合体の製造方法および前記金属製部材接合体を提供する。
【解決手段】 (A)平均粒径が0.1μm〜50μmの加熱焼結性金属粒子と(B)揮発性分散媒とからなるペースト状金属粒子組成物を、複数の金属製部材間に介在させ、70℃以上400℃以下での加熱により、該揮発性分散媒を揮散させ該金属粒子同士の焼結物により金属製部材同士を接合させ、次いで硬化性液状樹脂組成物を該多孔質焼結物中に含浸して硬化させる。複数の金属製部材が金属粒子の多孔質焼結物であり、その細孔に硬化樹脂が充填されたものにより接合されてなる金属製部材接合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の金属製部材が加熱焼結性金属粒子の焼結物により接合された金属製部材接合体の製造方法、および、複数の金属製部材が加熱焼結性金属粒子の焼結物により接合された金属製部材接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
銀、銅、ニッケルなどの金属粉末を液状熱硬化性樹脂組成物中に分散させてなる導電性・熱伝導性ペーストは、加熱により硬化して導電性・熱伝導性被膜が形成される。したがって、プリント回路基板上の導電性回路の形成、抵抗器やコンデンサ等の各種電子部品及び各種表示素子の電極の形成、電磁波シールド用導電性被膜の形成、コンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等のチップ部品の基板への接着、太陽電池の電極の形成、特に、アモルファスシリコン半導体を用いているために、高温処理のできない太陽電池の電極の形成、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックアクチュエータ等のチップ型セラミック電子部品の外部電極の形成等に使用されている。
【0003】
近年、チップ部品の高性能化により、チップ部品からの発熱量が増え、電気伝導性はもとより、熱伝導性の向上が要求される。したがって、金属粒子の含有率を可能な限り増加することにより電気伝導性、熱伝導性を向上しようとする。ところが、そうすると、ペーストの粘度が上昇し、作業性が著しく低下するという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明者らは、銀粉末と揮発性分散媒とからなるペースト状銀組成物は、加熱すると当該揮発性分散媒が揮発し銀粉末が焼結して、極めて高い導電性と熱伝導性を有する固形状銀となること、および、金属製部材の接合や、導電回路の形成に有用なことを見出して国際出願した(WO2006/126614、WO2007/034833)。
【0005】
しかしながら、加熱焼結性金属粒子の焼結物は、多数の金属粒子同士が複数の接点で焼結して連結した不規則な網目構造を有する多孔質体であり、多数の空孔や空隙、しかも、連続した空孔や空隙を有しているので、付着した液体(例えば、水)を毛細管現象により内部に吸入しやすく、焼結金属が腐食等されるという問題があることに、本発明者らは気付いた。
【0006】
【特許文献1】WO2006/126614
【特許文献2】WO2007/034833
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意研究した結果、ペースト状金属粒子組成物を金属製部材間の接合に用いた場合、金属粒子が十分に加熱焼結して金属製部材を強固に接合し、かつ、該焼結物が液体(例えば、水)を吸入することのない、金属製部材接合体の製造方法を見出して本発明に到達した。
【0008】
本発明の目的は、複数の金属製部材が加熱焼結性金属粒子の焼結物により接合されてなる金属製部材接合体の製造方法において、金属製部材が強固に接合しており、しかも焼結物が液体(例えば、水)を吸入することのない金属製部材接合体の製造方法を提供することにあり、さらには、複数の金属製部材が加熱焼結性金属粒子の焼結物により接合されてなる金属製部材接合体において、金属製部材が強固に接合しており、しかも該焼結物が液体(例えば、水)を吸収することのない金属製部材接合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、
「[1] (A)平均粒径が0.1μm以上50μm以下である加熱焼結性金属粒子と(B)揮発性分散媒とからなるペースト状金属粒子組成物を、複数の金属製部材間に介在させ、70℃以上400℃以下での加熱により、該揮発性分散媒を揮散させ、該金属粒子同士を焼結せしめて生成した多孔質焼結物により複数の金属製部材同士を接合させ、しかる後に硬化性液状樹脂組成物を該焼結物中に含浸せしめ硬化させることを特徴とする、金属製部材接合体の製造方法。
[2] 加熱焼結性金属粒子の金属が銀、銀合金、銅または銅合金であり、かつ、金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、[1]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[3] 多孔質焼結物の空隙率が5〜50%であることを特徴とする、[1]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[3-1] 加熱焼結性金属粒子の金属が銀、銀合金、銅または銅合金であり、かつ、金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であり、多孔質焼結物の空隙率が5〜50%であることを特徴とする、[1]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[4] 硬化性液状樹脂組成物が熱硬化性または室温硬化性であることを特徴とする、[1]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[4-1] 硬化性液状樹脂組成物が熱硬化性または室温硬化性であることを特徴とする、[2]、[3]または[3-1]に記載の金属製部材接合体の製造方法。」により達成される。
【0010】
また、この目的は、
「[5] 複数の金属製部材が、加熱焼結性金属粒子が焼結して生成した多孔質焼結物により接合されており、多孔質焼結物の細孔に硬化樹脂が充填されていることを特徴とする、金属製部材接合体。
[6] 加熱焼結性金属粒子の金属が銀、銀合金、銅または銅合金であり、かつ、金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、[5]に記載の金属製部材接合体。
[7] 多孔質焼結物の空隙率が5〜50%であることを特徴とする、[5]に記載の金属製部材接合体。
[7-1] 加熱焼結性金属粒子の金属が銀、銀合金、銅または銅合金であり、かつ、金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であり、多孔質焼結物の空隙率が5〜50%であることを特徴とする、[5]に記載の金属製部材接合体
[8] 硬化樹脂が、熱硬化性液状樹脂組成物または室温硬化性液状樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする、[5]に記載の金属製部材接合体。
[8-1] 硬化樹脂が、熱硬化性液状樹脂組成物または室温硬化性液状樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする、[6]、[7]または[7-1]に記載の金属製部材接合体。
[9] 金属製部材が金属系基板または金属部分を有する電子部品であることを特徴とする、[5]に記載の金属製部材接合体。
[9-1] 金属製部材が金属系基板または金属部分を有する電子部品であることを特徴とする、[7-1]または[8-1]に記載の金属製部材接合体。」により達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の金属製部材接合体の製造方法によると、金属製部材同士が加熱焼結性金属粒子の焼結物により強固に接合しており、かつ、該焼結物が液体を吸入することのない金属製部材接合体を製造することができる。
【0012】
本発明の金属製部材接合体は、金属製部材同士が加熱焼結性金属粒子(A)の加熱焼結物により強固に接合しており、かつ、該焼結物が接触した液体を吸入することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の金属製部材接合体の製造方法は、(A)平均粒径が0.1μm以上50μm以下である加熱焼結性金属粒子と(B)揮発性分散媒とからなるペースト状金属粒子組成物を、複数の金属製部材間に介在させ、70℃以上400℃以下での加熱により、該揮発性分散媒を揮散させ、該金属粒子同士を焼結せしめて生成した多孔質焼結物により複数の金属製部材同士を接合させ、しかる後に硬化性液状樹脂組成物を該焼結物中に含浸して硬化させることを特徴とする。
【0014】
加熱焼結性金属粒子(A)の平均粒径は0.1μm以上50μm以下である。この平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により得られる一次粒子の平均粒径である。平均粒径が50μmを越えると、加熱焼結性金属粒子の焼結性が低下するため平均粒子径は小さい方が好ましい。このため20μm以下であることが好ましく、特には10μm以下であることが好ましい。しかし、平均粒径が0.1μm未満であるいわゆるナノ粒子は表面活性が強すぎて、ペースト状金属粒子組成物の保存安定性が低下し、加熱焼結時の接合強度が不均一になるため、平均粒径は0.1μm以上である。すなわち、加熱焼結性金属粒子(A)の平均粒径範囲は0.1〜10μmが好ましい。
【0015】
加熱焼結性金属粒子の材質は、常温で固体であり、加熱により焼結しやすければよく、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル、スズ、アルミニウム、および、これら各金属の合金が例示され、さらには金属化合物が例示される。
これらの材質のうちでは、加熱焼結性、焼結物の熱伝導性および導電性の点で、銀、銅、ニッケルが好ましく、銀、銀合金、銅、銅合金がより好ましく、銀または銅が特に好ましい。銀粒子は、表面または内部の一部が酸化銀または過酸化銀であってもよく、表面の全部が酸化銀または過酸化銀であってもよい。銅粒子は、表面または内部の一部が酸化銅であってもよく、表面の全部が酸化銅であってもよい。
【0016】
また加熱焼結性金属粒子は、通常、単独の材質からなるが、複数の材質の粒子の混合物であってもよい。加熱焼結性金属粒子は、それら加熱焼結性金属(例えば銀)により表面がメッキされた金属(例えば、銅、ニッケルまたはアルミニウム)粒子、それら加熱焼結性金属(例えば、銀)により表面がメッキされた樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂)粒子であってもよい。
【0017】
加熱焼結性金属粒子の形状は、特に限定されず、球状、楕円球状、紡錘状、粒状、略立方体状、フレーク状、不定形状が例示される。その形状は、保存安定性の点で球状、粒状またはフレーク状が好ましい。好ましい加熱焼結性金属粒子は、還元法で作られた銀粒子、ならびに、還元法で作られた銅粒子である。
なお、還元法による銀粒子の製造方法は多く提案されており、通常、硝酸銀水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて酸化銀を調製し、これにホルマリンのような還元剤の水溶液を加えることにより酸化銀を還元して銀粒子分散液とし、分散液をろ過し、ろ過残渣を水洗し、乾燥をおこなうことにより製造される。また、還元法による銅粒子の製造方法は、通常、硫酸銅水溶液とヒドラジン水溶液を接触反応させて銅粉を還元析出させ、純水で洗浄した後、乾燥して調製される(例えば、特開昭59−11630)。
【0018】
加熱焼結性金属粒子(A)は、加熱焼結性金属粒子の凝集防止のため表面が有機物で被覆ないし処理されていることが好ましく、特に撥水性有機物で被覆ないし処理されていることが好ましい。そのような撥水性有機物としては、高・中級脂肪酸、高・中級脂肪酸金属塩、高・中級脂肪酸アミド、高・中級脂肪酸エステルおよび高・中級アルキルアミンが例示される。被覆効果、処理効果の点で特には高・中級脂肪酸が好ましい。
【0019】
高級脂肪酸は、炭素原子数15以上の脂肪酸であり、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、12−ヒドロキシオクタデカン酸(12−ヒドロキシステアリン酸)、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、オクタコサン酸(モンタン酸)等の直鎖飽和脂肪酸;2−ペンチルノナン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−ヘプチルドデカン酸、イソステアリン酸等の分枝飽和脂肪酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、イソオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコレイン酸等の不飽和脂肪酸が例示される。
【0020】
中級脂肪酸は、炭素原子数が6〜14の脂肪酸であり、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)等の直鎖飽和脂肪酸;イソヘキサン酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、2−プロピルヘプタン酸、イソデカン酸、イソウンデカン酸、2−ブチルオクタン酸、イソドデカン酸、イソトリデカン酸等の分枝飽和脂肪酸;10−ウンデセン酸等の不飽和脂肪酸が例示される。
【0021】
有機物の被覆量は、金属粒子の粒径、比表面積、形状などにより変わるが、加熱焼結性金属粒子(A)の0.01〜3重量%が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましい。少なすぎると加熱焼結性金属粒子(A)が凝集しやすくなって保存安定性が低下し、ひいては加熱焼結時の接合強度が不均一になり、多すぎると加熱焼結性金属粒子(A)の加熱焼結性が低下するからである。
【0022】
有機物の被覆量は通常の方法で測定できる。例えば、窒素ガス中で撥水性有機物の沸点以上に加熱して重量減少を測定する方法、加熱焼結性金属粒子(A)を酸素気流中で加熱して加熱焼結性金属粒子(A)に付着していた有機物中の炭素を炭酸ガスに変え、赤外線吸収スペクトル法により定量分析する方法が例示される。
【0023】
有機物で被覆したフレーク状加熱焼結性金属粒子は、例えば、ボールミル中に球状のような形状の金属粒子と有機物を投入して、ボールにより金属粒子を殴打することにより製造することができる(特公昭40−6971、特開2000−234107の[0004]参照)。
具体的には、粒状の加熱焼結性金属粒子と、高・中級脂肪酸、高・中級脂肪酸金属塩、高・中級脂肪酸エステル、高・中級脂肪酸アミド等の撥水性有機物とを、セラミック製のボールとともに、回転式ドラム装置(例えばボールミル)に投入し、ボールで金属粒子を殴打することにより、撥水性有機物が付着したフレーク状加熱焼結性金属粒子を製造することができる。この際、潤滑性向上のための高・中級脂肪酸、高・中級脂肪酸金属塩(ただし、アルカリ金属塩を除く)、高・中級脂肪酸エステル、高・中級脂肪酸アミド、高・中級アルキルアミン等の撥水性有機物が、フレーク状加熱焼結性金属粒子表面に付着する。表面を有機物で被覆した加熱焼結性金属粒子(A)は、該有機物の溶液中に加熱焼結性金属粒子を浸漬した後、該金属粒子を取り出して乾燥することにより製造することもできる。
【0024】
加熱焼結性金属粒子(A)表面は、このような高・中級脂肪酸等により半分以上が被覆されていればよいが、全部が被覆されていることが好ましい。このように金属表面が撥水性有機物により被覆された加熱焼結性金属粒子(A)は、撥水性を示す。
表面を有機物で被覆した加熱焼結性金属粒子(A)は、有機物の溶液中に加熱焼結性金属粒子を浸漬した後、該金属粒子を取り出して乾燥することにより製造することもできる。
【0025】
揮発性分散媒(B)は、粉状である加熱焼結性金属粒子をペースト状にするために配合される。なお、ペースト状はクリーム状やスラリー状を含むものである。加熱時に加熱焼結性金属粒子が焼結可能とするため、あるいは、ペースト状金属粒子組成物を加熱による接合剤として使用可能にするためには、非揮発性ではなく、揮発性であることが必要である。特に、加熱焼結性金属粒子(A)が銀粒子や銅粒子の場合、焼結する際に分散媒が揮散すると、銀粒子や銅粒子が焼結しやすくなり、接合剤として利用しやすくなるからである。揮発性分散媒の沸点は、60℃〜300℃であることが好ましい。沸点が60℃未満であると、ペースト状金属粒子組成物を調製する作業中に溶媒が揮散しやすく、沸点が300℃より大であると、加熱後も揮発性分散媒(B)が残留しかねないからである。
【0026】
そのような揮発性分散媒(B)は、炭素原子および水素原子からなる揮発性炭化水素化合物、炭素原子、水素原子および酸素原子からなる揮発性有機化合物、炭素原子、水素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物、炭素原子、水素原子、酸素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物、前記揮発性有機化合物のうちの親水性揮発性有機化合物と水との混合物などから選択される。これらはいずれも常温において液状である。
水は純水が好ましく、その電気伝導度は100μS/cm以下が好ましく、10μS/cm以下がより好ましい。純水の製造方法は、通常の方法で良く、イオン交換法、逆浸透法、蒸留法が例示される。
【0027】
具体的には、炭素原子、水素原子および酸素原子からなる揮発性有機化合物として、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等の揮発性一価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ、メチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エメチルセロソルブ、エチルカルビトール)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ、プロピルカルビトール)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルメトキシブタノール等のエーテル結合を有する揮発性一価アルコール;ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコールなどの揮発性アラルキルアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの揮発性多価脂肪族アルコールが例示される。
【0028】
さらにはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイゾブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3、5、5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、ジイブチルケトン(2、6−ジメチル−4−ヘプタノン)等の揮発性脂肪族ケトン;酢酸エチル(エチルアセテート)、酢酸ブチル、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジアセトキシエタンのような揮発性脂肪族カルボン酸エステル;テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2−ビス(2−ジエトキシ)エタン、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン等の揮発性脂肪族エーテルが例示される。その他に、酢酸2−(2ブトキシエトキシ)エタンのようなエステルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコールが例示される。
【0029】
炭素原子および水素原子からなる揮発性炭化水素化合物として、n−パラフィン、イソパラフィン等の揮発性脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の揮発性芳香族炭化水素が例示される。
【0030】
炭素原子、水素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物として、アセトニトリル、プロピオニトリルのような揮発性アルキルニトリルが例示される。
炭素原子、水素原子、酸素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物として、アセトアミド、N、N-ジメチルホルムアミドのような揮発性カルボン酸アミドが例示される。その他に、低分子量の揮発性シリコーンオイルおよび揮発性有機変成シリコーンオイルが例示される。
【0031】
揮発性分散媒(B)の配合量は、加熱焼結性金属粒子(A)を常温においてペースト状にするのに十分な量である。加熱焼結性金属粒子(A)の粒径、表面積、形状など、および、揮発性分散媒(B)の種類、粘度などにより、ペースト状にするのに十分な量は変動するが、具体的には、例えば、加熱焼結性金属粒子(A)100重量部当たり3〜30重量部である。
本発明で使用するペースト状金属粒子組成物には、本発明の目的に反しない限り、加熱焼結性金属粒子(A)以外の非金属系の粉体、金属化合物、金属錯体、チクソ剤、安定剤、着色剤等の添加物を少量ないし微量含有しても良い。
【0032】
本発明で使用するペースト状金属粒子組成物は、(A)平均粒径が0.1μmより大きく50μm以下である加熱焼結性金属粒子と、(B)揮発性分散媒を、ミキサーに投入し、均一なペースト状になるまで撹拌混合することにより、容易に製造することができる。
【0033】
本発明で使用するペースト状金属粒子組成物は、加熱焼結性金属粒子(A)と揮発性分散媒(B)との混合物であり、常温でペースト状である。なお、ペースト状はクリーム状やスラリー状を含む。ペースト化することによりシリンダーやノズルから細い線状に吐出でき、また、メタルマスクによる印刷塗布が容易である。複数の金属製部材間に介在させるペースト状金属粒子組成物の厚さは、加熱焼結性金属粒子(A)の加熱焼結により必要な接合強度が発現する厚さであれば、特に限定されない。通常、5μm以上、1200μm以下である。
【0034】
本発明で使用する金属製部材は、塗布されたペースト状金属粒子組成物が加熱により該組成物中の揮発性分散媒が揮発し、加熱焼結性金属粒子同士(A)が焼結して接合する被接合体である。金属製部材の材質としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、アルミニウム、および、これら各金属の合金が例示される。これらのうちでは導電性、接合性の点で、銅、銀、金、白金、パラジウムまたはこれら各金属の合金が好ましい。金属製部材は前記金属でメッキされたものであってもよい。金属製部材としては、全体または一部が金属で形成されたリードフレーム、プリント基板、半導体チップ、放熱板が例示される。
【0035】
本発明の金属製部材接合体の製造方法では、(A)平均粒径が0.1μm以上50μm以下である加熱焼結性金属粒子と(B)揮発性分散媒とからなるペースト状金属粒子組成物を、複数の金属製部材間に介在させ、70℃以上400℃以下での加熱により、該揮発性分散媒を揮散させ、該金属粒子同士を焼結せしめて生成した多孔質焼結物により複数の金属製部材同士を接合させ、しかる後に硬化性液状樹脂組成物を該焼結物中に含浸して硬化させる。このときの雰囲気ガスは、加熱焼結性金属粒子を焼結を阻害しなければ特に限定されないが、加熱焼結性金属粒子および金属製部材が銅または銅合金のように酸化されやすい材質の場合には、酸素ガスを含まない、窒素ガス等の不活性ガス、水素ガスを含む還元性ガスが好ましい。このうち水素ガス5〜25体積%と窒素ガス95〜75体積%からなるフォーミングガスと称される還元性ガスが特に好ましい。
加熱焼結性金属粒子および金属製部材が銀または銀合金からなる場合は、酸素ガスを含む酸化性ガスが好ましい。
なお、接合に使用するペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)と金属製部材の表面金属は、同一の金属もしくは金属合金でも良く、合金を形成しやすい金属であっても良い。
【0036】
本発明で使用するペースト状金属粒子組成物は、加熱することにより揮発性分散媒が揮散する。本発明で使用するペースト状金属粒子組成物は、加熱焼結性金属粒子(A)の焼結温度以上の温度に加熱することにより、揮発性分散媒(B)が揮散して、該金属粒子同士(A)が焼結し、導電性と熱伝導性が優れた固形状の金属となり金属製部材同士を接合する。ペースト状金属粒子組成物の加熱時に圧力や超音波振動を加えても良い。
【0037】
この際、揮発性分散媒(B)が揮散し、ついで加熱焼結性金属粒子(A)同士が焼結してもよく、揮発性分散媒(B)の揮散と共に加熱焼結性金属粒子(A)同士が焼結してもよい。特に加熱焼結性金属粒子(A)が銀粒子の場合は、銀が本来大きな強度と極めて高い電気伝導性と熱伝導性を有するため、銀粒子同士の焼結物も、大きな強度ときわめて高い電気伝導性と熱伝導性を有する。また加熱焼結性金属粒子(A)が銅粒子の場合は、銅が本来極めて高い電気伝導性と熱伝導性を有するため、銅粒子同士の焼結物も、きわめて高い電気伝導性と熱伝導性を有する。
【0038】
この際の加熱温度は、揮発性分散媒(B)が揮散し、加熱焼結性金属粒子(A)が焼結できる温度であればよく、通常70℃以上であり、150℃以上がより好ましい。しかし、400℃を越えると揮発性分散媒が突沸的に蒸発して、固形状金属の形状に悪影響が出る可能性があるため、400℃以下であることが必要であり、より好ましくは300℃以下である。
【0039】
このようにして金属製部材間での加熱焼結性金属粒子同士の焼結物は、図1に示されるように、数多くの微細な空孔や空隙、しかも、連続した空隙すなわち、細孔を有しており、多孔質である。その空隙率は5〜50%である。なお、空隙率の測定方法は、通常の測定方法が利用できる。焼結体の断面を電子顕微鏡で写真撮影し、画像解析ソフトにより、写真における金属部分と空間部分の面積比率を求める方法、電子顕微鏡により撮影した写真を均質な紙等に印刷し、金属部分と空間部分をはさみ等で切り分けて各々の重量を測定し、その重量比率を面積比率とする方法が例示される。
【0040】
なお、図1に示されるように、細孔の形状や大きさは、種々様々である。焼結前の焼結性金属粒子間の隙間が主に細孔になるので、通常0.1〜50μmであるが、連続的な細孔は50μmよりはるかに長い可能性がある。
【0041】
焼結物が多孔質であると機械的な強度が出にくいという問題があり、また、水等の液体と接触すると毛細管現象により液体を焼結物の内部に取り込む性質がある。液体が水の場合、該焼結物を腐食してマイグレーションの原因となりかねない。そこで、本発明ではこのような細孔に硬化性液状樹脂組成物を含浸させ硬化せしめているので、焼結物の硬さや機械的な強度が向上している。また、該樹脂組成物の硬化物は、通常、硬化途上で接触していた金属製部材に接着性を有するので、該焼結物による複数の金属製部材同士の接合強度は更に向上している。
念のため、硬化性液状樹脂組成物が多孔質焼結物に浸透していく状況を図2〜図5により明らかにした。
【0042】
硬化性液状樹脂組成物は、前記細孔に浸透しやすく、硬化容易であれば特に限定されない。硬化性液状エポキシ樹脂組成物、硬化性液状フェノール樹脂組成物、硬化性液状ポリウレタン樹脂組成物、硬化性液状アルキド樹脂組成物、硬化性液状ポリエステル樹脂組成物、硬化性液状シリコン樹脂組成物、硬化性液状ポリアミドイミド樹脂組成物、硬化性液状ポリアミック酸型ポリイミド樹脂組成物等が例示される。これらのうちでは、接着強度向上の点で、硬化性液状エポキシ樹脂組成物または硬化性液状ポリイミド樹脂組成物が好ましく、特には硬化性液状エポキシ樹脂が好ましい。硬化機構は、熱硬化性または常温硬化性が好ましく、特に熱硬化性が好ましい。なお、硬化性液状樹脂組成物は加熱焼結性金属粒子の焼結物への含浸性の改良のため溶剤で希釈して用いても良い。硬化性液状樹脂組成物は、細孔への浸透性や硬化性が阻害されなければ、無機質系または金属系の充填剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、着色剤等を含有してもよい。
【0043】
硬化性液状エポキシ樹脂組成物は、通常、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の主剤と、アミン、イミダゾール、酸無水物等の硬化剤からなり、必要に応じて、さらに硬化促進剤、1官能性あるいは多官能性の反応性稀釈剤等の付加的成分からなる。
【0044】
上記の硬化性液状樹脂組成物は、本発明の加熱焼結性金属粒子の焼結物の外周部の全部または一部に塗布すると、毛細管現象により該焼結物中の細孔に吸入される。この際、吸入を促進するため、焼結物を硬化性液状樹脂組成物中に浸漬した後、あるいは、硬化性液状樹脂組成物を焼結物の外周部に塗布した後、減圧にしても良く、また、粘度を下げて含浸性を良くするため該硬化性液状樹脂組成物が増粘しない程度に加熱しても良い。
【0045】
かくして該焼結物に含浸させた硬化性液状樹脂組成物は、室温放置するか、200℃以下の温度に加温すると、細孔内で硬化する。この際、該樹脂組成物は接着性を有するので硬化途上で接触していた加熱焼結性金属粒子の焼結物、金属製部材と良く接着する。さらには該焼結物の細孔内が樹脂組成物の硬化物で充填され、また該焼結物と金属製部材の界面が樹脂組成物の硬化物で充填されるので、金属製部材の硬さ等の機械的強度やせん断接着強さ等の接合強度が向上する。このため、複数の金属製部材同士の接合に用いた場合には、硬さや接合強度が向上するので、冷熱サイクルにおける熱応力による該焼結物の破壊および金属製部材との剥離が低減し、強固な接合強度を維持できるという特徴を有する。
【0046】
本発明で使用するペースト状金属粒子組成物は、加熱により揮発性分散媒(B)が揮散し、加熱焼結性金属粒子(A)同士が焼結する。複数の金属製部材間の接合に用いた場合、加熱焼結物は、焼結時に接触していた金属製部材、例えば金メッキ基板、銀基板、銀メッキ金属基板、銅基板、アルミニウム基板、ニッケルメッキ基板、スズメッキ金属基板等の金属系基板へ強固に接着し、電気絶縁性基板上の電極等金属部分へ強固に接着する。さらに硬化性液状樹脂組成物を多孔質焼結物に含浸して硬化しているので、更に強固に接着する。このため本発明の金属製部材接合体の製造方法は、金属系基板や金属部分を有する電子部品、電子装置、電気部品、電気装置等の金属製部材接合体の製造に有用である。
【0047】
そのような接合として、コンデンサ、抵抗等のチップ部品と回路基板との接合、ダイオード、メモリ、IC、CPU等の半導体チップとリードフレームもしくは回路基板との接合、高発熱のCPUチップと冷却板との接合等が例示される。
【0048】
本発明の金属製部材接合体は、複数の金属製部材が、加熱焼結性金属粒子が焼結して生成した多孔質焼結物により接合されており、多孔質焼結物の細孔に硬化樹脂が充填されていることを特徴とする。
複数の金属製部材間で、平均粒径が0.1μmより大きく50μm以下である加熱焼結性金属粒子が加熱焼結し、しかる後に硬化性液状樹脂組成物により、多孔質である該金属粒子の焼結物に含浸して硬化させ細孔を塞ぐとともに該焼結物の硬さ等の機械的強度、接着強度が向上することを特徴とする。
【0049】
金属製部材、加熱焼結性金属粒子、加熱焼結条件、多孔質焼結物、細孔の形状や大きさ、空隙率、硬化性液状樹脂組成物、含浸とその硬化については、金属製部材接合体の製造方法に関して説明したとおりである。複数の金属製部材間に介在している加熱焼結した金属層の厚さは、必要な接合強度が発現する厚さであれば、特に限定されない。通常、3μm以上、1000μm以下である。
【0050】
本発明の金属製部材接合体は、複数の金属製部材間で、平均粒径が0.1μmより大きく50μm以下である加熱焼結性金属粒子が加熱焼結し、さらに、該多孔質焼結物の細孔に硬化樹脂が充填されているので、金属製部材がより強固に接合している。
そのような接合体として、コンデンサ、抵抗等のチップ部品と回路基板との接合体、ダイオード、メモリ、IC、CPU等の半導体チップとリードフレームもしくは回路基板との接合体、高発熱のCPUチップと冷却板との接合体が例示される。
【実施例】
【0051】
本発明の実施例と比較例を掲げる。実施例と比較例中、部と記載されているのは、重量部を意味する。ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ、その空隙率、ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸率、多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた後の空隙率、その硬さ、金属製部材間の多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた後の金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さは、下記のとおりに測定した。なお、特に記載のない場合の温度は23℃である。
【0052】
[ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ]
ポリテトラフルオロエチレン樹脂板上に15mm角の開口部を有する厚さ1mmのステンレス製のマスクを置き、ペースト状金属粒子組成物を印刷塗布した。
【0053】
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、これを熱風循環式オーブンで、200℃で1時間加熱して取り出し、ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)を焼結した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、これを室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持後、室温まで冷却して加熱焼結性銀粒子(A)を焼結した。
【0054】
得られた多孔質焼結物をポリテトラフルオロエチレン樹脂板からはずして硬さ測定用試験体とした。2個の試験体についてJIS Z2244(ビッカース硬さ試験)に準拠して硬さを測定し、その平均値を硬さと測定した。
【0055】
[ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)の多孔質焼結物の空隙率]
ポリテトラフルオロエチレン樹脂板上に15mm角の開口部を有する厚さ1mmのステンレス製のマスクを置き、ペースト状金属粒子組成物を印刷塗布した。
【0056】
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、これを熱風循環式オーブンで、200℃で1時間加熱して取り出し、ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)を焼結した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、これを室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持後、室温まで冷却して加熱焼結性銀粒子(A)を焼結した。
【0057】
得られた多孔質焼結物をポリイミド樹脂板からはずして空隙率測定用試験体とした。
得られた板状の試験体の断面を電子顕微鏡で撮影し、画像解析ソフト(アメリカ合衆国のNational Institute of Health社製のNIH Image)を用いて、断面における空間の占める割合を算出し、その比率を%で示した。
【0058】
[ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)の加熱焼結による金属製部材のせん断接着強さ]
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銀基板(銀純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する100μm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状金属粒子組成物を印刷塗布し、その上にサイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの銀チップ(銀純度99.99%)を搭載した。
【0059】
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、銀チップを搭載した銀基板を熱風循環式オーブンで、200℃で1時間加熱して接合した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、該銀チップを搭載した銀基板を室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持後、室温まで冷却して加熱焼結性銀粒子を焼結することにより銀基板と銀チップを接合した。
【0060】
得られた接合強度測定用試験体を接着強さ試験機の試験体取付け具にセットし、該銀チップの側面を接着強さ試験機の押圧棒により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。4個の試験体についての平均値をせん断接着強さとした。
【0061】
[多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸率]
ポリテトラフルオロエチレン樹脂板上に15mm角の開口部を有する厚さ1mmのステンレス製のマスクを置き、ペースト状金属粒子組成物を印刷塗布した。ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、これを熱風循環式オーブンで、200℃で1時間加熱して取り出し、ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)を焼結した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、これを室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持後、室温まで冷却して加熱焼結性銀粒子(A)を焼結した。
【0062】
得られた多孔質焼結物をポリテトラフルオロエチレン樹脂板からはずして含浸量測定用試験体とした。この焼結物の重さW1を測定した後、参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物中に浸漬し、1kPaに減圧して10分間静置後常圧に戻し、該焼結物に含浸されなかった該エポキシ樹脂組成物を拭き取って除去した。
【0063】
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、該焼結物を熱風循環式オーブンで、150℃で1時間加熱して硬化した後、該焼結物の重さW2を測定した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、該焼結物を室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で150℃まで昇温し、150℃で1時間保持後、室温まで冷却した後、該焼結物の重さW2を測定した。
【0064】
該エポキシ樹脂組成物の含浸率は以下の計算により求めた。
該樹脂組成物の含浸率(%)={(W2−W1)/W1}×100
【0065】
[多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた後の硬さ]
前記の多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸量の測定に使用した試験体について、JIS Z2244(ビッカース硬さ試験)に準拠して硬さを測定した。
【0066】
[多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた後の空隙率]
多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた後の空隙率=[ペースト状金属粒子組成物中の加熱焼結性金属粒子(A)の多孔質焼結物の空隙率]で測定した空隙率−[多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸率]で測定した含浸率、による計算で求めた。
【0067】
[金属製部材間の多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させた後の金属製部材のせん断接着強さ]
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銀基板(銀純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する100μm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状金属粒子組成物を印刷塗布し、その上にサイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの銀チップ(銀純度99.99%)を搭載した。
【0068】
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、該銀チップを搭載した銀基板を熱風循環式オーブンで、200℃で1時間加熱して接合した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、該銀チップを搭載した銀基板を室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持後、室温まで冷却して加熱焼結性銀粒子を焼結することにより銀基板と銀チップを接合した。
【0069】
この接合体の加熱焼結性金属粒子の焼結物の周囲に、硬化性液状エポキシ樹脂組成物を塗布し、30分間放置して該焼結物中の細孔に含浸した後、該焼結物からはみ出ている液状の該樹脂組成物をふき取り、ペースト状金属粒子組成物中の金属が銀の場合は、該焼結物を熱風循環式オーブンで、150℃で1時間加熱して硬化した。
ペースト状金属粒子組成物中の金属が銅の場合は、該焼結物を室温のガス流通炉に入れ、雰囲気ガスを水素ガス10体積%と窒素ガス90体積%の混合ガスに置換後、該混合ガスを流量1リットル/分で流しながら室温から昇温速度1℃/秒で150℃まで昇温し、150℃で1時間保持後、室温まで冷却して硬化した。
【0070】
かくして得られた接合強度測定用試験体を接着強さ試験機の試験体取付け具にセットし、該銀チップの側面を接着強さ試験機の押圧棒により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。4個の平均値をせん断接着強さとした。
【0071】
[金属製部材間の多孔質焼結物へ硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さ]
金属製部材の接合強度測定用試験体を、−40℃で30分間放置と+125℃で30分間放置を1サイクルとする冷熱衝撃試験機で1000サイクルをおこない、金属製部材として銀の接合強度試験と同様にして接着強さを測定してせん断接着強さとした。
【0072】
[参考例1]
[熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物の調製]
ミキサー中で、東都化成株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:ZX1059、粘度3Pa・s、エポキシ当量160g)50部、炭素原子数が平均10個であるアルカン酸のグリシジルエステル(粘度0.1Pa・s、エポキシ当量250g)6部、炭素原子数が平均13個であるアルキルアルコールのモノグリシジルエーテル(粘度0.2Pa・s、エポキシ当量280g)6部、硬化剤としてのポリオキシプロピレンジアミン(粘度0.2Pa・s、活性水素当量100g)33部、硬化促進剤としての2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール(粘度0.3Pa・s)5部を均一に混合することにより、粘度3Pa・sの熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0073】
[実施例1]
市販の、還元法で製造され表面がステアリン酸で被覆された銀粒子(形状:粒状、1次粒子の平均粒径:1.1μm、ステアリン酸量:0.3重量%)100部に、揮発性分散媒として酢酸2−(2ブトキシエトキシ)エタン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)8部を添加し、ヘラを用いて均一に混合することによりペースト状銀粒子組成物を調製した。
【0074】
ペースト状金属粒子組成物として上記ペースト状銀粒子組成物を用い、硬化性液状樹脂組成物として参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を用いて、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸量、多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた後の硬さ、その空隙率、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた後の金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さの測定をし、結果を表1にまとめて示した。以上の結果により、この接合方法が金属製部材同士を強固に接合するのに有用なことがわかった。
前記多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を完全に含浸して硬化させたものの断面拡大写真を図4、図5に示した。
【0075】
[参考例2]
実施例1において前記多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を途中まで含浸して硬化させたものの断面拡大写真を図2、図3に示した。
【0076】
[実施例2]
ボールミルに、市販の還元法で製造された銀粒子(形状:粒状、1次粒子の平均粒径:1.0μm、有機物による被覆なし)を投入し、オレイン酸を添加して稼働することにより、表面がオレイン酸で被覆されたフレーク状銀粒子(1次粒子の平均粒径:3.0μm、オレイン酸量:0.3重量%)を調製した。
実施例1において用いた銀粒子の代わりに、上記フレーク状銀粒子を用いたほかは、実施例1と同様の条件でペースト状銀粒子組成物を調製した。
【0077】
ペースト状金属粒子組成物として上記ペースト状銀粒子組成物を用い、硬化性液状樹脂組成物として参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を用いて、
ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸量、多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた後の硬さ、その空隙率、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた後の金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さの測定をし、結果を表1にまとめて示した。以上の結果により、この接合方法が金属製部材同士を強固に接合するのに有用なことがわかった。
【0078】
[実施例3]
市販の、還元法で製造され表面がオレイン酸で被覆された銅粒子(形状:粒状、1次粒子の平均粒径:1.0μm、オレイン酸量:0.7重量%)100部に、揮発性分散媒として1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン(和光純薬工業株式会社製、試薬1級)8部を添加し、ヘラを用いて均一に混合することによりペースト状銅粒子組成物を調製した。
【0079】
ペースト状金属粒子組成物として上記ペースト状銅粒子組成物を用い、硬化性液状樹脂組成物として参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を用いて、
ペースト状銅粒子組成物中の加熱焼結性銅粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ、ペースト状銅粒子組成物中の加熱焼結性銅粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた場合の該樹脂組成物の含浸量、多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた後の硬さ、その空隙率、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させた後の金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さの測定をし、結果を表1にまとめて示した。以上の結果により、この接合方法が金属製部材同士を強固に接合するのに有用なことがわかった。
【0080】
[比較例1]
実施例1において、硬化性液状樹脂組成物として参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を用いないほかは同様にして、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ、その空隙率、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さの測定をし、結果を表2にまとめて示した。以上の結果により、硬化性液状樹脂組成物を用いない接合方法は、金属製部材同士の接合強度が低いことがわかった。なお、上記多孔質焼結物の断面部分拡大写真を図1として掲げた。
【0081】
[比較例2]
実施例2において、硬化性液状樹脂組成物として参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を用いないほかは同様にして、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の多孔質焼結物の硬さ、その空隙率、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性銀粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さの測定をし、結果を表2にまとめて示した。以上の結果により、硬化性液状樹脂組成物を用いない接合方法は、金属製部材同士の接合強度が低いことがわかった。
【0082】
[比較例3]
実施例3において、硬化性液状樹脂組成物として参考例で調製した熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を用いないほかは同様にして、ペースト状銅粒子組成物中の加熱焼結性銅粒子(A)のの多孔質焼結物の硬さ、その空隙率、ペースト状銅粒子組成物中の加熱焼結性銅粒子(A)の加熱焼結により接合された金属製部材のせん断接着強さ、および、金属製部材間の多孔質焼結物へ熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を含浸して硬化させ冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さの測定をし、結果を表2にまとめて示した。以上の結果により、硬化性液状樹脂組成物を用いない接合方法は、金属製部材同士の接合強度が低いことがわかった。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の金属製部材の接合方法によると、加熱焼結性金属粒子の焼結物により強固に接合され、さらに多孔質である該焼結物の細孔に硬化性液状樹脂組成物を含浸して硬化しているため、導電性を損なうことなく金属製部材同士を更に強固に接合させることができるので、本発明の金属製部材の接合方法はコンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等のチップ部品の基板への接合、放熱用部材の接合などに有用である。
本発明の金属製部材接合体は、電子部品、電子装置、電気部品、電気装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】比較例1の多孔質焼結物の断面部分拡大写真である。
【図2】熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を途中まで含浸して硬化させた多孔質焼結物(参考例2)の断面拡大写真である。周辺部の濃いところは浸透部分であり、中心部の薄いところは未浸透部分である。
【図3】図2の部分拡大写真である。
【図4】実施例の熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物を完全に含浸して硬化させた多孔質焼結物の断面拡大写真である。
【図5】図4の部分拡大写真である
【図6】実施例におけるせん断接着強さ測定用試験体Aの平面図である。銀基板1と銀チップ3とが、銀粒子または銅粒子の加熱焼結物である固体状銀または固体状銅2により接合されている。
【図7】図6におけるX−X線断面図である。
【符号の説明】
【0087】
A せん断接着強さ測定用試験体
1 銀基板
2 ペースト状銀粒子組成物またはペースト状銅粒子組成物(加熱焼結後は固体状銀または固体状銅)
3 銀チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)平均粒径が0.1μm以上50μm以下である加熱焼結性金属粒子と(B)揮発性分散媒とからなるペースト状金属粒子組成物を、複数の金属製部材間に介在させ、70℃以上400℃以下での加熱により、該揮発性分散媒を揮散させ、該金属粒子同士を焼結せしめて生成した多孔質焼結物により複数の金属製部材同士を接合させ、しかる後に硬化性液状樹脂組成物を該焼結物中に含浸せしめ硬化させることを特徴とする、金属製部材接合体の製造方法。
【請求項2】
加熱焼結性金属粒子の金属が銀、銀合金、銅または銅合金であり、かつ、金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、請求項1に記載の金属製部材接合体の製造方法。
【請求項3】
多孔質焼結物の空隙率が5〜50%であることを特徴とする、請求項1に記載の金属製部材接合体の製造方法。
【請求項4】
硬化性液状樹脂組成物が熱硬化性または室温硬化性であることを特徴とする、請求項1に記載の金属製部材接合体の製造方法。
【請求項5】
複数の金属製部材が、加熱焼結性金属粒子が焼結して生成した多孔質焼結物により接合されており、多孔質焼結物の細孔に硬化樹脂が充填されていることを特徴とする、金属製部材接合体。
【請求項6】
加熱焼結性金属粒子の金属が銀、銀合金、銅または銅合金であり、かつ、金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、請求項5に記載の金属製部材接合体。
【請求項7】
多孔質焼結物の空隙率が5〜50%であることを特徴とする、請求項5に記載の金属製部材接合体。
【請求項8】
硬化樹脂が、熱硬化性液状樹脂組成物または室温硬化性液状樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする、請求項5に記載の金属製部材接合体。
【請求項9】
金属製部材が金属系基板または金属部分を有する電子部品であることを特徴とする、請求項5に記載の金属製部材接合体。

【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−65277(P2010−65277A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232703(P2008−232703)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000111199)ニホンハンダ株式会社 (23)
【Fターム(参考)】