説明

防振装置

【課題】製品コストの低減を図りつつ、イナータンスの低減を図ることができる防振装置を提供すること。
【解決手段】ブラケット部材20の先端側が下方へ変位する場合には、開口部45からブラケット部材20の下面側を下方へ逃がすことができる。この場合、ブラケット部材20の両側面とストッパゴム部材40の内面との間に間隙が形成されているので、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が追従することを抑制して、ストッパゴム部材40が質量対として作用することを低減できる。一方、ブラケット部材20の先端側が上方へ向けて変位する場合には、ブラケット部材20の上面がストッパゴム部材40の内面に衝突して、変位と逆方向の入力を相対的に作用させることで、振動を減衰させることができる。その結果、イナータンスの低減を図ることができる。また、イナータンスの低減により、ダイナミックダンパを不要として、製品コストを低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振装置に関し、特に、製品コストの低減を図りつつ、イナータンスの低減を図ることができる防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンなどの振動発生体を車体に支持する防振装置として、車体側に取り付けられる下側部材をゴム状弾性体からなる防振基体により上側部材に連結して構成されるマウント装置と、そのマウント装置の上側部材に先端側が取り付けられると共に根元側が振動発生体側に取り付けられるブラケット部材とを備えた防振装置が知られている。
【0003】
このような構造の防振装置において、例えば、特許文献1には、マウント装置の下側部材(第2取付具)に対するブラケット部材(連結部材)の相対変位量を規制するために、ブラケット部材の先端側を取り囲む変位規制部材をマウント装置の下側部材に固着すると共に、変位規制部材にブラケット部材が当接される際の衝撃を緩和するために、ブラケット部材の外面にゴム状弾性体からなるストッパゴム部材を被覆する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−128410号公報(図4など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の防振装置では、ブラケット部材が特定の周波数で共振振動すると、そのブラケット部材に追従してストッパゴム部材も一体となって振動するため、ストッパゴム部材が質量体として作用して、その分、イナータンスの悪化を招くという問題点があった。そのため、ダイナミックダンパを装着して、ブラケット部材の振動エネルギーを代替吸収する必要が生じ、その分、製品コストが嵩むという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、製品コストの低減を図りつつ、イナータンスの低減を図ることができる防振装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
請求項1記載の防振装置によれば、マウント装置は、ゴム状弾性体からなる防振基体により上側部材と下側部材とが連結され、そのマウント装置の上側部材には、ブラケット部材の先端側が取り付けられているので、マウント装置の下側部材が車体側に、ブラケット部材の根元側が振動発生体側に、それぞれ取り付けられることで、振動発生体が車体に弾性支持される。
【0008】
また、ブラケット部材の先端側を取り囲む変位規制部材がマウント装置の下側部材に固着されると共に、ブラケット部材の少なくとも先端側の外面がゴム状弾性体から構成されるストッパゴム部材により被覆されているので、ブラケット部材が変位規制部材の内面に当接することで、車体に対する振動発生体の相対変位量が規制されると共に、ブラケット部材が変位規制部材の内面に当接される際の衝撃がストッパゴム部材により緩和される。
【0009】
ここで、ブラケット部材のブラケット先端部は、マウント装置の上側部材に取り付けられ防振基体に支持される分、振動発生体側に取り付けられるブラケット根元部よりも支持剛性が弱い。そのため、ブラケット部材が特定の周波数で共振する際には、ブラケット根元部の根元側が基点となり、ブラケット先端側の先端側が最大の振幅となる態様で、ブラケット部材は上下に振動される。
【0010】
この場合、請求項1記載の防振装置によれば、ブラケット部材のブラケット先端部が断面矩形の直方体形状に形成され、その直方体形状のブラケット先端部に装着されたストッパゴム部材の先端ゴム部は、ブラケット先端部における下面全体を露出させる大きさに開口形成される開口部を備えると共に、先端ゴム部の内面とブラケット先端部における両側面との間にそれぞれ間隙が形成されているので、ブラケット部材が特定の周波数で共振する際のイナータンスの低減を図ることができるという効果がある。
【0011】
即ち、ブラケット部材が特定の周波数で共振して、ブラケット先端部の先端側が下方へ向けて変位する場合には、ストッパゴム部材の先端ゴム部に形成された開口部からブラケット部材のブラケット先端部を下方へ向けて逃がすことができる。この場合、ブラケット先端部の両側面とストッパゴム部材のストッパ先端部との間に形成された間隙により、下方へ向けて変位するブラケット先端部の両側面からストッパ先端部の内面へ力が伝達されることを抑制できる。これにより、ブラケット部材にストッパゴム部材が追従することを抑制しつつ、ブラケット部材を下方へ向けて変位させることができ、ストッパゴム部材が質量対として作用することを低減できる。一方、ブラケット先端部の先端側が上方へ向けて変位する場合には、その上方へ向けて変位するブラケット先端部がストッパゴム部材の先端ゴム部の内面に衝突されることで、ストッパゴム部材の先端ゴム部からブラケット部材のブラケット先端部へ変位と逆方向の入力を相対的に作用させることができるので、ブラケット部材の振動を減衰させることができる。その結果、イナータンスの低減を図ることができる。
【0012】
また、このように、イナータンスの低減を図ることができれば、ブラケット部材の振動エネルギーを代替吸収するためのダイナミックダンパを設ける必要がないので、その分、製品コストの低減を図ることができるという効果がある。
【0013】
請求項2記載の防振装置によれば、請求項1記載の防振装置の奏する効果に加え、ストッパゴム部材は、根元ゴム部の内面の一部がブラケット部材のブラケット根元部における両側面に当接されるので、ストッパゴム部材の不要ながたつきを抑制できるという効果がある。なお、ブラケット部材が特定の周波数で共振する際には、ブラケット根元部の根元側を基点としてブラケット先端側の先端側が最大の振幅となる態様でブラケット部材は上下に振動されるので、請求項2のように、ストッパゴム部材とブラケット部材とが、根元ゴム部とブラケット根元部の両側面という振幅が小さくなる部分に当接されることで、ブラケット部材の上下の変位にストッパゴム部材が追従して質量体として作用することを抑制しつつ、ストッパゴム部材のがたつきを効率的に抑制できる。
【0014】
請求項3記載の防振装置によれば、請求項1又は2に記載の防振装置の奏する効果に加え、ブラケット部材の外面に凹設部が凹設されると共に、そのブラケット部材の凹設部に嵌合する嵌合突部がストッパゴム部材の内面から突設されるので、これらブラケット部材の凹設部とストッパゴム部材の嵌合突部との嵌合によって、ストッパゴム部材をブラケット部材から外れ難くすることができるという効果がある。なお、ブラケット部材は、ブラケット根元部の根元側を基点としてブラケット先端側の先端側が最大の振幅となる態様で、上下に振動されるところ、請求項3では、嵌合突部と凹設部とが、ストッパゴム部材の根元ゴム部とブラケット部材のブラケット根元部という振幅が小さくなる部分にそれぞれ形成されているので、ブラケット部材の上下の変位にストッパゴム部材が追従して質量体として作用することを抑制しつつ、嵌合突部と凹設部との嵌合状態を維持し易くして、ストッパゴム部材がブラケット部材から外れることを確実に抑制できる。
【0015】
請求項4記載の防振装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の防振装置の奏する効果に加え、ブラケット部材のブラケット先端部の先端面から先端突部が突設され、そのブラケット先端部の先端突部と嵌合する先端凹部がストッパゴム部材の先端ゴム部の内面に凹設されるので、先端ゴム部の内面とブラケット部材のブラケット先端部における両側面との間に間隙が形成される場合であっても、ブラケット先端部の先端突部と先端ゴム部の先端凹部との嵌合によって、ブラケット部材のブラケット先端部に対するストッパゴム部材の先端ゴム部の相対位置を維持して、先端ゴム部の内面とブラケット先端部の両側面との間の間隙が一方に偏ることを抑制することができる。即ち、ブラケット部材のブラケット先端部に対してストッパゴム部材の先端ゴム部が位置ずれして、ブラケット先端部の一方の側面に間隙が偏ると共に、その間隙が偏った側(間隙が大きくなった側)のブラケット先端部の側面が変位規制部材の内面に当接すると、異音の発生を招くが、請求項4では、先端突部と先端凹部との嵌合により、間隙の偏りを抑制できるので、異音の発生を未然に防止できるという効果がある。
【0016】
また、ブラケット先端部の先端突部は、そのブラケット先端部の先端面に上下方向に沿って延設されると共に、先端ゴム部の先端凹部は、その先端ゴム部の下面側が開口して形成されているので、ブラケット部材が特定の周波数で共振して、ブラケット先端部の先端側が下方へ向けて変位する場合には、ブラケット先端部の先端突部を先端ゴム部の下面側の開口から下方へ向けて逃がすことができる。これにより、ブラケット先端部の先端突部とストッパゴム部材の先端凹部とを嵌合させ、異音の発生(即ち、間隙の偏り)を防止する場合であっても、ブラケット部材の上下の変位にストッパゴム部材が追従して質量体として作用することを抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施の形態における防振装置の上面図である。
【図2】図1のII−II線における防振装置の断面図である。
【図3】(a)は、ブラケット部材の上面図であり、(b)は、図3(a)の矢印IIIb方向視におけるブラケット部材の側面図である。
【図4】図3(a)の矢印IV方向視におけるブラケット部材の側面図である。
【図5】(a)は、ストッパゴム部材の上面図であり、(b)は、ストッパゴム部材の下面図である。
【図6】(a)は、図5(a)の矢印VIa視におけるストッパゴム部材の側面図であり、(b)は、図5(a)のVIb−VIb線におけるストッパゴム部材の断面図である。
【図7】図5(a)のVII−VII線におけるストッパゴム部材の断面図である。
【図8】ストッパゴム部材が装着されたブラケット部材の上面図である。
【図9】ストッパゴム部材が装着されたブラケット部材の下面図である。
【図10】ストッパゴム部材が装着されたブラケット部材の側面図である。
【図11】図9のXI部におけるブラケット部材の部分拡大下面図である。
【図12】防振装置の部分断面側面図である。
【図13】打撃試験の結果を示すグラフである。
【図14】(a)は、第2実施の形態におけるブラケット部材の上面図であり、(b)は、図14(a)の矢印XIVb視におけるブラケット部材の側面図である。
【図15】(a)は、第2実施の形態におけるストッパゴム部材の上面図であり、(b)は、ストッパゴム部材の下面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線におけるストッパゴム部材の断面図である。
【図17】ストッパゴム部材が装着されたブラケット部材の部分断面側面図である。
【図18】(a)は、第3実施の形態におけるブラケット部材の上面図であり、(b)は、第3実施の形態におけるストッパゴム部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して防振装置100の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における防振装置100の上面図であり、図2は、図1のII−II線における防振装置100の断面図である。なお、図2では、マウント装置10に所定の分担荷重が作用した状態が図示されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、防振装置100は、自動車の例えばエンジンなどの振動発生体(図示せず)を支持固定しつつ、その振動発生体から発生する振動を車体(図示せず)へ伝達させないようにするためのものであり、マウント装置10と、そのマウント装置10を振動発生体側に連結するブラケット部材20と、そのブラケット部材20を取り囲む変位規制部材30と、ブラケット部材20の外面を被覆するストッパゴム部材40とを主に備えて構成されている。
【0020】
マウント装置10は、アルミニウム合金から下方(図2下側)へ向けて先細の円錐状に形成される上側部材11と、その上側部材11に対して間隔を隔てつつ下方に位置する下側部材12と、それら上側部材11及び下側部材12を連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体13とを備える。
【0021】
上側部材11は、ブラケット部材20の取り付け面となる上面(図2上側面)が平坦面として形成され、外周面および下面に防振基体が加硫接着されている。上側部材11の上面中央には、軸心に沿って延びるめねじ部が形成されており、このめねじ部に螺着されるボルトBにより、ブラケット部材20が上側部材10に締結固定される。
【0022】
下側部材12は、鉄鋼材料から筒状に形成され内周面に防振基体13が加硫接着される筒金具12aと、その筒金具12aが内周側に内嵌される筒状に鉄鋼材料から形成される外側金具12bとを備える。なお、下側部材12は、車体側に取り付けられる取付板部材51,52が固着されている。
【0023】
下側部材12の筒金具12aの下端開口部には、ダイヤフラム14が取着されることで、ダイヤフラム14と防振基体13との間にエチレングリコールなどの液体が封入される液封入室が形成されている。この液封入室は、仕切り体15によって防振基体側の第1液室16aとダイヤフラム14側の第2液室16bとに仕切られると共に、これら第1液室16a及び第2液室16bは、仕切り体15の外周に沿って形成されたオリフィス17によって、互いに連通されている。
【0024】
ブラケット部材20は、マウント装置10の上側部材11を振動発生体側に連結するための連結部材であり、アルミニウム合金から平板棒状に形成されている。ブラケット部材20は、マウント装置10の上側部材11の上面(図2上側面)に先端側(図1上側、図2左側)がボルトBにより締結固定されると共に、その根元側(図1下側、図2右側)が振動発生体側に図示しないボルトにより締結固定される。なお、ブラケット部材20の詳細構成については、図3及び図4を参照して後述する。
【0025】
変位規制部材30は、ブラケット部材20の変位を規制するためのストッパ部材であり、鉄鋼材料から形成され、下側部材12の外側金具12bに固着されている。変位規制部材30は、側方(図1下側、図2右側)に開口部30aが開口形成されており、その開口部30aから挿通されたブラケット部材20の外面を覆うように形成されている。
【0026】
即ち、変位規制部材30の内面は、ブラケット部材20の上面(図1紙面手前側面、図2上側面)と両側面(図1左右面、図2紙面手前側面および奥側面)と先端面(図1上側面、図2左側面)との間に所定の間隔を隔てつつこれら各面を取り囲んでいる。よって、振動発生体から防振装置100に大振幅の振動が入力された場合には、ブラケット部材20の変位規制部材30に取り囲まれた部分が、変位規制部材30の内面に当接されることで、マウント装置10に対するブラケット部材20の相対変位が規制される。
【0027】
なお、変位規制部材30の開口部30aの周囲には、外側へ向けてフランジ部30bが張り出し形成されている。また、変位規制部材30の上面には、ボルトBの頭部が挿通可能な内径を有する円形の開口部30cが開口形成されている。また、変位規制部材30の開口部30aには、下側部材12の外側金具12bの上端とブラケット部材20との対向間にバウンド規制部材31が固着されており、ブラケット部材20の下方への変位を規制し得るように構成されている。
【0028】
ストッパゴム部材40は、ブラケット部材20とは別体にゴム状弾性体から加硫成形される有底の筒状体であり、その筒状体内へブラケット部材20が先端側から挿入されることで、ブラケット部材20の外面を被覆する。これにより、変位規制部材30の内面にブラケット部材20が当接される際の衝撃が緩和される。なお、ストッパゴム部材40の詳細構成については、図5から図7を参照して後述する。
【0029】
次いで、図3及び図4を参照して、ブラケット部材20の詳細構成について説明する。図3(a)は、ブラケット部材20の上面図であり、図3(b)は、図3(a)の矢印IIIb方向視におけるブラケット部材20の側面図である。また、図4は、図3(a)の矢印IV方向視におけるブラケット部材20の側面図である。
【0030】
図3及び図4に示すように、ブラケット部材20は、変位規制部材30の内面に取り囲まれると共にマウント装置10の上側部材11にボルトBにより締結固定される部位であるブラケット先端部21と、そのブラケット先端部21に連設されると共に変位規制部材30の開口部30aからマウント装置10の軸心と直交する方向へ突出され振動発生体側に取り付けられるブラケット根元部22とを備えて構成される(図2参照)。
【0031】
ブラケット先端部21は、長手方向(図3(a)上下方向、図4左右方向)に直交する断面形状が矩形となる直方体形状に形成され、その直方体形状の下面(図3(a)紙面奥側面、図4下側面)がマウント装置10の上側部材11の上面に当接される当接面として平坦面状に形成されている。
【0032】
ブラケット先端部21の上面(図3(a)紙面手前側面、図4上側面)には、上面視円形のボルト固定部21aが下面へ向けて凹設され、このボルト固定部21aの底面中央には、ボルトBの軸部が挿通される上面視円形のボルト挿通孔21bが同心に穿設されている。ボルト固定部21aの底面は、ブラケット先端部21の下面と平行に形成されており、ボルトBの頭部の座面となる。
【0033】
ブラケット先端部21の両側面(図3(a)左右面、図4紙面奥側面および手前側面)は、互いに平行な平坦面とされており、これら両側面には、断面U字状に形成されブラケット先端部21の上面から下面にわたって上下方向(図3(a)紙面垂直方向、図4上下方向)に延設される凹設溝21cがそれぞれ凹設されている。なお、ブラケット先端部21の両側面間の幅寸法は、寸法Wに設定されている。また、ブラケット先端部21の上下面間の高さ寸法は、寸法Hに設定されている。
【0034】
ブラケット先端部21の先端面(図3(a)上側面、図4右側面)は、ブラケット先端部21の上下面および両側面と直交する平坦面として形成されると共に、その幅方向(図3(a)左右方向)中央には、先端突部21dが部分的に突設されている。なお、ブラケット先端部21の先端面(平坦面として形成される面)と凹設溝21cのブラケット先端部21側の側面(図3(a)上側面)との間の間隔は、寸法Mに設定されている。
【0035】
先端突部21dは、図3(a)に示すように、その上面視形状がボルト固定部21aと同心の円弧状に形成されると共に、ブラケット先端部21の上面から下面にわたって上下方向(図3(a)紙面垂直方向、図4上下方向)に延設されている。
【0036】
なお、ブラケット先端部21は、ボルト固定部21aの底面と先端突部21dとの連結部に開口形成される開口部21eを備える(図2参照)。これにより、ブラケット部材20の先端側を軽量化して、共振周波数の低周波化を図ることができる。また、ボルト固定部21a内に侵入した水などを外部に排出することができる。
【0037】
ブラケット根元部22は、ブラケット先端部21に対して幅寸法(図3(a)左右方向寸法)が大きくされており、その後端面(図3(a)下側面、図4左側面)側に並設される一対の取り付け穴22aが穿設されると共に、幅方向端部(図3(a)及び図3(b)左側)において取り付けボルト22bが下面側(図3(b)下側)から下方へ向けて突設されている。
【0038】
なお、ブラケット根元部22は、取り付けボルト22bが配設される側の板厚が、取り付けボルト22bが穿設される側の板厚よりも薄くされている。この板厚が薄くされた部分を除き、ブラケット根元部22の上下面間の高さ寸法(板厚)は、ブラケット先端部21の上下面間の高さ寸法と同等とされ、寸法Hに設定されている。
【0039】
ブラケット部材20は、一対の取り付け穴22aに振動発生体側から突出されるボルトを挿通すると共に、取り付けボルト22bを振動発生体側の取り付け穴に相通して、これら各ボルトをナットで締結固定することで、ブラケット根元部22が振動発生体側に取り付けられる。
【0040】
次いで、図5から図7を参照して、ストッパゴム部材40について説明する。図5(a)は、ストッパゴム部材40の上面図であり、図5(b)は、ストッパゴム部材40の下面図である。図6(a)は、図5(a)の矢印VIa視におけるストッパゴム部材40の側面図であり、図6(b)は、図5(a)のVIb−VIb線におけるストッパゴム部材40の断面図である。また、図7は、図5(a)のVII−VII線におけるストッパゴム部材40の断面図である。
【0041】
図5から図7に示すように、ストッパゴム部材40は、上面部41と、その上面部41に所定間隔を隔てつつ平行に対向配置される下面部42と、それら上面部41及び下面部42を連結する一対の側面部43と、一対の側面部43及び上面部41を連結する先端面部44とを備え、これら各面部41〜44によって、一側(図5下側、図6左側)が開口した略筒状に形成されている。この筒状体の開口からは、ブラケット部材20が先端側から挿入され、これにより、ブラケット部材20の外面がストッパゴム部材40によって被覆される(図8から図10参照)。
【0042】
上面部41は、ブラケット部材20の上面に配設され(図8から図10参照)、振動発生体がリバウンド方向(図2上方)へ大変位した際にストッパゴムとして機能する部位であり、上面視略矩形であって板厚が略一定の平板形状に形成されている。上面部41の上面からは、半球状の複数の突起部41bが突出されると共に、上面部41の中央部には、ボルトB(図2参照)の頭部が挿通可能な上面視円形の上面挿通孔41aが穿設されている。なお、上面挿通孔41aは、ストッパゴム部材40がブラケット部材20に装着された状態において、ブラケット部材20のボルト固定部21a及びボルト挿通孔21bと同心に配置される。
【0043】
下面部42は、ブラケット部材20の下面に配設され(図8から図10参照)、振動発生体がバウンド方向(図2下方向)へ大変位した際にストッパゴムとして機能する部位であり、下面視略台形であって板厚が略一定の平板形状に形成されている。なお、下面部42は、上面部41と平行に配設される。また、下面部42は、図5(b)に示す下面視において、後述する開口部45の一部を形成する上底(図5(b)上側の辺)が円弧状に湾曲して凹設されている。
【0044】
また、下面部42と上面部41との間の内面同士の対向間隔は、寸法Lに設定されている。この寸法Lは、ブラケット部材20の高さ寸法である寸法H(図4参照)と同等か若干小さく(例えば、0.5mm)されている。そのため、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態では、ブラケット先端部21の上面およびブラケット根元部432の下面に、ストッパゴム部材40の上面部41の内面および下面部42の内面がそれぞれ当接される。
【0045】
一対の側面部43は、ブラケット部材20の両側面にそれぞれ配設され(図8から図10参照)、振動発生体が水平方向(図2紙面垂直方向)へ大変位した際にストッパゴムとして機能する部位(側面先端部431)と、ブラケット部材20に密着してストッパゴム部材40のがたつきを抑える密着部として機能する部位(側面根元部432)とを有し、側面視略台形であって板厚が略一定の平板形状にそれぞれ形成されている。
【0046】
一対の側面部43はそれぞれ、図6(a)及び図6(b)に示す側面視において、上底(図6上側の辺)の全体が上面部41に連設される一方、下底(図6下側の辺)の一部(先端面部44と反対側の部分)が下面部42に連設される。即ち、側面部43は、上面部41に連設され側面視略矩形状に形成される部位である側面先端部431と、その側面先端部431に連設されると共に下面部42に連設され側面視略三角形状に形成される部位である側面根元部432とを備えて形成されている。
【0047】
一対の側面先端部431は、所定間隔を隔てつつ平行に対向配置されると共に、一対の側面根元部432は、ブラケット部材20のブラケット根元部22(図3参照)における両側面の形状に対応して、先端面部44から離間するに従って対向間隔が大きくなるように対向配置されている。これにより、一対の側面部43は、一方(図6(a)右側)の側面部43が上面視において直線状に形成されると共に、他方(図6(a)左側)の側面部が上面視において略くの字状に折れ曲がって形成されている。
【0048】
なお、一対の側面先端部431の内面の対向間隔は、寸法Fに設定されている。この寸法Fは、ブラケット部材20のブラケット先端部21の幅寸法である寸法W(図3参照)よりも大きくされている。そのため、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態では、ブラケット先端部21の両側面と一対の側面先端部431の内面との間に所定の間隙が形成される。
【0049】
また、一対の側面根元部432の内面の対向間隔は、ブラケット部材20のブラケット根元部22の幅寸法と同等の寸法か若干小さな寸法(例えば、0.5mm)に設定されている。そのため、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態では、ブラケット根元部22の両側面に一対の側面根元部432の内面が密着される。
【0050】
一対の側面先端部431の外面には、上下方向(図6(a)上下方向)に沿って延びる複数本の突条が形成され、これら複数の突条によって両側面先端部431の外面が凹凸状に形成されている。この突条は、側面先端部431の上下方向の全体にわたって形成されている。
【0051】
一対の側面根元部431の内面には、上下方向に沿って延びる嵌合突部431aが突設されている。この嵌合突部431aは、側面根元部431の上下方向の全体にわたって形成されている。嵌合突部431aは、ブラケット部材20からストッパゴム部材40が抜け落ちることを防止するための抜け止め部として機能する部位であり、ブラケット部材20に凹設された凹設溝21cに嵌合される(図9参照)。
【0052】
なお、嵌合突部431aは、ブラケット部材20をストッパゴム部材40へ挿入し易くし、かつ、挿入後には抜け難くするために、図5(b)に示すように、先端面部44側(図5(b)上側)の側面が側面先端部431の内面に略直角に形成されると共に、先端面部44と反対側(図5(b)下側)の側面が先端側ほど先端面部44側に近接するように傾斜して形成されている。
【0053】
先端面部44は、ブラケット部材20の先端面に配設され(図8から図10参照)、振動発生体が水平方向(図2左方)へ大変位した際にストッパゴムとして機能すると共にストッパゴム部材40の水平方向(図5(a)左右方向)への位置ずれを規制する部位であり、正面視略矩形であって板厚が略一定の平板形状に形成されている。
【0054】
先端面部44は、上辺が上面部41に連設されると共に両側辺が側面部43の側面先端部431に連設されており、内面が上下面部41,42及び側面部43の内面に直交する平坦面に形成されている。
【0055】
なお、先端面部44の内面と嵌合突部431aの先端面部44側の側面(図5(b)上側面)との間の間隔は、寸法Nに設定されている。この寸法Nは、上述したブラケット先端部21の先端面と凹設溝21cとの間の間隔である寸法M(図3(a)参照)と同等の寸法か若干大きな寸法(例えば、0.5mm)に設定されている。そのため、後述するように、ブラケット部材20のブラケット先端部21が下方へ変位する場合には、ブラケット先端部21の先端面と先端面部44の内面との間に間隙が形成される(図12参照)。
【0056】
ここで、先端面部44の幅方向(図5(b)左右方向)中央は、図5(b)の下面視に示すように、先端側(図5(b)上側)へ向けて凸の円弧状に湾曲して形成されている。これにより、先端面部44の内面には、円弧状に湾曲する先端凹部44aが凹設されている。
【0057】
先端凹部44aは、下面視形状が上面挿通孔41aと同心の円弧状に形成されると共に、先端面部44の上下方向(図5(b)紙面垂直方向)の全体にわたって延設され、上面部41と反対側となる下面側(図5(b)紙面手前側)が開口して形成されている。なお、この先端凹部44aには、ブラケット部材20の先端突部21d(図3参照)が嵌合される。また、先端凹部44aの内径は、先端突部21dの外径と同等または若干大きな寸法(例えば、0.5mm)に形成されている。
【0058】
先端凹部44aには、開口側(上面部41と反対側となる下面側)を含む所定範囲(図7に示す略矩形の領域)に第2凹部44bが凹設されており、この第2凹部44bが凹設された領域で、先端面部44の厚み寸法が残部に対して薄肉とされている。これにより、ブラケット先端部21のボルト固定部21a内に侵入した水などを開口部21eを介して外部に排出することができる(図2参照)。
【0059】
ここで、ストッパゴム部材40は、下面部42が側面部43の側面根元部432のみに連設されている、即ち、先端面部44と側面部43の側面先端部431とは、上辺側(図6及び図7上側の辺)が上面部41に連設される一方、下辺側(図6及び図7下側の辺)が下面部42に連設されていないので、ストッパゴム部材40の下面側には、図5(b)に示すように、下面部42の上底と、一対の側面部43の側面先端部431と、先端面部44とに取り囲まれ、ブラケット部材20の少なくともブラケット先端部21の下面全体を露出させる大きさの開口部45が開口形成されている。
【0060】
次いで、図8から図11を参照して、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態について説明する。図8は、ストッパゴム部材40が装着されたブラケット部材20の上面図であり、図9は、ストッパゴム部材40が装着されたブラケット部材20の下面図である。また、図10は、ストッパゴム部材40が装着されたブラケット部材20の側面図であり、図11は、図9のXI部におけるブラケット部材の部分拡大下面図である。
【0061】
図8から図11に示すように、ブラケット部材20へのストッパゴム部材40の装着は、ストッパゴム部材40の先端面部44と反対側の開口から、ブラケット部材20のブラケット先端部21における先端部を挿入し、この挿入したブラケット先端部21の先端面を、ストッパゴム部材40の先端面部44の内面に当接させる。
【0062】
これにより、ストッパゴム部材40の上面部41がブラケット部材20のブラケット先端部21における上面に配設され、かかるブラケット先端部21の上面がストッパゴム部材40の上面部41により被覆される。同様に、ストッパゴム部材40の先端面部44がブラケット部材20のブラケット先端部21における先端面に配設され、かかるブラケット先端部21の先端面がストッパゴム部材40の先端面部44により被覆される。
【0063】
一方、ストッパゴム部材40の側面部41は、側面先端部431及び側面根元部432が、ブラケット部材20のブラケット先端部21及びブラケット根元部22における両側面にそれぞれ配設され、ブラケット先端部21及びブラケット根元部22の両側面が、ストッパゴム部材40の側面先端部431及び側面根元部432によりそれぞれ被覆される。また、ストッパゴム部材40の下面部42がブラケット部材20のブラケット根元部22における下面に配設され、かかるブラケット根元部22の下面がストッパゴム部材40の下面部42により被覆される。
【0064】
ここで、ストッパゴム部材40の下面部42及び上面部41の間の寸法L(図6(b)参照)は、ブラケット部材20の高さ寸法である寸法H(図4参照)と同等か若干小さくされているので、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態では、ブラケット先端部21の上面およびブラケット根元部432の下面に、ストッパゴム部材40の上面部41の内面および下面部42の内面がそれぞれ密着される。
【0065】
また、ストッパゴム部材40の一対の側面先端部431における内面同士の対向間隔である寸法F(図5(b)参照)は、ブラケット部材20のブラケット先端部21の幅寸法である寸法W(図3参照)よりも大きくされているので、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態では、ブラケット先端部21の両側面と一対の側面先端部431の内面との間に間隙が形成される。
【0066】
一方、ストッパゴム部材40の一対の側面根元部432における内面同士の対向間隔は、ブラケット部材20のブラケット根元部22の幅寸法と同等の寸法か若干小さな寸法に設定されているので、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が装着された状態では、ブラケット根元部22の両側面に一対の側面根元部432の内面が密着される。
【0067】
この場合、ストッパゴム部材40の先端面部44の内面に凹設される先端凹部44aには、ブラケット部材20のブラケット先端部21における先端面から突出される先端突部21dが嵌合されているので、ブラケット部材20に対するストッパゴム部材40の幅方向(図8及び図9左右方向)位置が位置決めされ、その結果、ブラケット部材20のブラケット先端部21の両側面とストッパゴム部材40の一対の側面先端部431の内面との間に形成される両間隙がそれぞれ同じ寸法tに規定される。
【0068】
なお、かかる間隙の寸法tは、0.25mm以上、かつ、1.5mm以下の範囲内に設定することが好ましい。寸法tを0.25mmよりも小さい値に設定すると、ストッパゴム部材40を加硫成形するゴム金型に高い寸法精度が要求され、その製造コストが嵩むと共に、ストッパゴム部材40の製造上の寸法ばらつきにより、上述した間隙が確保できない場合が生じるからである。また、寸法tを1.5mmよりも大きな値に設定すると、間隙が過大となり、ブラケット部材20のブラケット先端部21の両側面がストッパゴム部材40の側面先端部431を介して変位規制部材30に衝突する際に異音が発生するからである。
【0069】
また、ストッパゴム部材40の先端面部44の内面に凹設される先端凹部44aに、ブラケット部材20のブラケット先端部21から突出される先端突部21dが嵌合されることで、ブラケット部材20のブラケット先端部21の両側面とストッパゴム部材40の一対の側面先端部431の内面との間にそれぞれ寸法tの間隙が形成される場合に、ブラケット部材20のブラケット先端部21に対するストッパゴム部材40の側面先端部431の相対位置を維持して、側面先端部431の内面とブラケット先端部21の両側面との間の間隙が一方に偏ることを抑制することができる。
【0070】
即ち、ブラケット部材20のブラケット先端部21に対してストッパゴム部材40の側面先端部431が位置ずれして、ブラケット先端部21の一方の側面に間隙が偏ると共に、その間隙が偏った側(間隙が大きくなった側)のブラケット先端部21の側面が変位規制部材30の内面に当接すると、異音の発生を招く。これに対し、本実施の形態では、先端突部21dと先端凹部44aとの嵌合により、間隙の偏りを抑制できるので、異音の発生を未然に防止できる。
【0071】
この場合、ブラケット先端部21の先端突部21dは、そのブラケット先端部21の先端面に上下方向(図10上下方向)に沿って延設されると共に、先端面部44の先端凹部44aは、その下面側(図9紙面手前側、図10下側)が開口して形成されているので、ブラケット部材20が特定の周波数で共振して、ブラケット先端部21の先端側(図9上側、図10右側)が下方へ向けて変位する場合には、ブラケット先端部21の先端突部21dを先端凹部44aの下面側の開口から下方へ向けて逃がすことができる。これにより、ブラケット先端部21の先端突部21dと先端面部44の先端凹部44aとを嵌合させ、異音の発生(即ち、間隙の偏り)を防止する場合であっても、ブラケット部材20の上下の変位にストッパゴム部材40が追従して質量体として作用することを抑制できる。
【0072】
次いで、図12を参照して、ブラケット部材20が特定の周波数で共振した場合の態様について説明する。図12は、防振装置100の部分断面側面図であり、振動発生体を車体に支持固定する状態が図示されている。但し、図12では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、ブラケット部材20のブラケット先端部21に締結固定されるマウント装置10と、そのマウント装置10に固着される変位規制部材30と、ブラケット部材20のブラケット根元部22に締結固定される振動発生体側の部材との図示がそれぞれ省略されている。また、ブラケット部材20の振幅が実際の振幅よりも拡大して模式的に図示されている。
【0073】
防振装置100は、上述したように、上側部材11と下側部材12とがゴム状弾性体からなる防振基体13によって連結されたマウント装置10の上側部材11に、ブラケット部材20の先端側(ブラケット先端部21)が取り付けられ、マウント装置10の下側部材12が取付板部材51,52を介して車体側に取り付けられると共に、ブラケット部材20の根元側(ブラケット根元部22)が振動発生体側に取り付けられた状態で(図2参照)、振動発生体を車体に弾性支持する。
【0074】
ここで、ブラケット部材20のブラケット先端部21は、マウント装置10の上側部材11に取り付けられ防振基体13に支持される分、振動発生体側の部材(例えば、アルミ合金製)に締結固定されるブラケット根元部22よりも支持剛性が弱い。そのため、ブラケット部材20が特定の周波数で共振する際には、ブラケット根元部22の根元側(図12左側)が基点となり、ブラケット先端側21の先端側(図12右側)が最大の振幅となる態様で、ブラケット部材20は上下に振動される。
【0075】
この場合、防振装置100は、ブラケット部材20のブラケット先端部21が断面矩形の直方体形状に形成され、その直方体形状のブラケット先端部21に装着されたストッパゴム部材40は、少なくともブラケット先端部21の下面全体を露出させる大きさに開口形成される開口部45を下面側に備えると共に、ストッパゴム部材40の側面先端部431における内面とブラケット部材20のブラケット先端部21における両側面との間にそれぞれ寸法t(図11参照)の間隙が形成されている。
【0076】
よって、ブラケット部材20が特定の周波数で共振して、ブラケット先端部21の先端側が下方(図12下側)へ向けて変位する場合には、ストッパゴム部材40の下面側に形成された開口部45からブラケット部材20のブラケット先端部21の下面側(図12下側)を下方へ向けて逃がすことができる。この場合、ブラケット部材20のブラケット先端部21における両側面とストッパゴム部材40の側面先端部431における内面との間に形成された寸法tの間隙により、下方へ向けて変位するブラケット先端部431の両側面から側面先端部431の内面へ力が伝達されることを抑制できる。
【0077】
これにより、ブラケット部材20にストッパゴム部材40が追従することを抑制しつつ、ブラケット部材20を下方へ向けて変位させることができ、ストッパゴム部材40が質量対として作用することを低減できる。即ち、ストッパゴム部材40の位置を維持させつつ、ブラケット部材20のブラケット先端部21のみを下方へ変位させ易くして、ストッパゴム部材40の上面部41の内面(図12下側面)とブラケット部材20のブラケット先端部21の上面(図12上側面)との間に隙間を設けることができる。
【0078】
一方、ブラケット先端部21の先端側が上方(図12上側)へ向けて変位する場合には、その上方へ向けて変位するブラケット先端部21の上面がストッパゴム部材40の上面部41の内面に衝突されることで、ストッパゴム部材40の上面部41からブラケット部材20のブラケット先端部21へ変位と逆方向の入力を相対的に作用させることができるので、ブラケット部材20の振動を減衰させることができる。
【0079】
このように、防振装置100は、ブラケット部材20のブラケット先端部21のみを下方へ変位させ易くして、ストッパゴム部材40が質量体として作用することを抑制することができると共に、ストッパゴム部材40からの入力によりブラケット部材20の振動を減衰させることができるので、イナータンスの低減を図ることができる。
【0080】
また、このように、イナータンスの低減を図ることができれば、ブラケット部材20の振動エネルギーを代替吸収するためのダイナミックダンパをブラケット部材20などに設ける必要がないので、その分、製品コストの低減を図ることができる。
【0081】
ここで、ストッパゴム部材40は、上述したように、側面根元部432の内面をブラケット部材20のブラケット根元部22に密着させることで、ストッパゴム部材40の不要ながたつきを抑制する。この場合、ストッパゴム部材40とブラケット部材20とが密着する部分は、ブラケット部材20の根元側(ブラケット根元部22)、即ち、振幅が小さくなる側であるので、ブラケット部材20の上下の変位にストッパゴム部材40が追従して質量体として作用することを抑制しつつ、ストッパゴム部材40のがたつきを効率的に抑制できる。
【0082】
次いで、図13を参照して、防振装置100の打撃試験の結果について説明する。図13は、打撃試験の結果を示すグラフであり、周波数[Hz]に対するイナータンス[dB]の変化を示している。
【0083】
打撃試験は、ブラケット部材20にストッパゴム部材40を装着し、ブラケット部材20のブラケット根元部22を車体側に締結固定すると共に、ブラケット部材20のブラケット先端部21をマウント装置10の上側部材11にボルトBにより締結固定し(図2参照)、マウント装置10を宙づりとすることで自由振動状態とし、ボルトBの頭部上面(図2上側面)をインパルスハンマにより打撃し、自由減衰振動をさせる。この自由振動減衰振動を、ボルトBの頭部に固着された加速度ピックアップで検出することで、周波数に対するイナータンスの変化を測定する。なお、イナータンスは、インパルスハンマにより測定される打撃力Fと加速度ピックアップにより測定される加速度aとから、加速度a/打撃力Fとして算出される。
【0084】
図13では、「発明品」の実験結果が実線で、「従来品」の実験結果が破線で、それぞれ図示されている。ここで、「発明品」とは、本実施の形態における防振装置100が対応し、「従来品」は、「発明品」である防振装置100に対して、ストッパゴム部材40の一対の側面先端部431における内面の対向間隔である寸法F(図5(b)参照)を小さくして、ブラケット先端部21の両側面と側面先端部431との間の間隙を無くしたもの(寸法t=0、図11参照)が対応する。即ち、「従来品」は、側面先端部431における内面の対向間隔を小さくした以外は「発明品」と同様の構成である。
【0085】
図13に示すように、インパルスハンマの加振によりブラケット部材20の加速度を計測した結果、約700Hzから約800Hzの周波数領域において、「発明品」のイナータンスが「従来品」のイナータンスよりも低減され、最大低減量は、約750Hzの周波数において、約10dBであった。かかる周波数領域において、ブラケット部材20の共振振動を低減することで、その共振振動に起因する車室内での高速こもり音の低減を図ることができる。
【0086】
次いで、図14から図17を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、凹設溝21c及び嵌合突部431aがブラケット部材20及びストッパゴム部材40の先端側(ブラケット先端部21及び側面先端部431)に形成される場合を説明したが、第2実施の形態における凹設溝2021c及び嵌合突部2431aは、ブラケット部材2020及びストッパゴム部材2040の根元側(ブラケット根元部2022並びに上面根元部2041及び下面部42)に形成される。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0087】
図14(a)は、第2実施の形態におけるブラケット部材2020の上面図であり、図14(b)は、図14(a)の矢印XIVb視におけるブラケット部材2020の側面図である。
【0088】
第2実施の形態におけるブラケット部材2020は、第1実施の形態におけるブラケット部材20と同様に、ブラケット先端部2021とブラケット根元部2022とを備えて構成される。ブラケット先端部2021は、凹設溝21cが形成されず、両側面の全領域が平坦面とされる以外は、第1実施の形態におけるブラケット先端部21と同様の構成であり、ブラケット根元部2022は、凹設溝2021cが上面および下面にそれぞれ凹設される以外は、第1実施の形態におけるブラケット根元部22と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0089】
凹設溝2021cは、断面U字状に形成される凹溝であり、ブラケット根元部2022の上面及び下面(図14(b)上側面および下側面)にそれぞれ1本ずつ凹設されると共にブラケット根元部2022の一方の側面から他方の側面にわたって左右方向(図14(a)左右方向)に延設されている。なお、ブラケット先端部2021の先端面(平坦面として形成される面)と凹設溝2021cのブラケット先端部2021側の側面(図14(a)上側面)との間の間隔は、寸法Pに設定されている。
【0090】
図15(a)は、第2実施の形態におけるストッパゴム部材2040の上面図であり、図15(b)は、ストッパゴム部材2040の下面図である。また、図16は、図15のXVI−XVI線におけるストッパゴム部材2040の断面図である。
【0091】
第2実施の形態におけるストッパゴム部材2040は、第1実施の形態におけるストッパゴム部材40に対して、上面根元部2041を更に備える点と、側面先端部2431の内面に嵌合突部431aが形成されず、両内面の全領域が平坦面とされる点と、側面根元部2432が側面視矩形状に形成される点と、上面根元部2041及び下面42の内面にそれぞれ嵌合突部2431aが形成される点とを除き、他の部分は、第1実施の形態におけるストッパゴム部材40と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0092】
上面根元部2041は、ブラケット部材2020のブラケット根元部2022の上面に配設される部位であり、上面部41と一対の側面根元部2432とに連設されると共に、上面41と同じ厚み寸法(図16上下方向寸法)に設定され、下面42に対して平行に対向配置されている。
【0093】
よって、上面根元部2041と下面部42との間の内面同士の対向間隔が寸法Lに設定されるので、ブラケット根元部432の上面および下面に、上面根元部2041の内面および下面部42の内面がそれぞれ当接された状態で、ストッパゴム部材2040はストッパ部材20に装着され、これにより、ブラケット部材20にストッパゴム部材40を密着させ、そのがたつきを抑えることができる。
【0094】
嵌合突部2431aは、ブラケット部材2020に凹設された凹設溝2021cに嵌合することで、ブラケット部材2020からストッパゴム部材2040が抜け落ちることを防止するための抜け止め部として機能する部位であり、上面根元部2041の内面および下面42の内面から突設されると共に左右方向(図15左右方向、図16紙面垂直方向)に沿って延設されている。
【0095】
なお、嵌合突部2431aは、ブラケット部材2020をストッパゴム部材2040へ挿入し易くし、かつ、挿入後には抜け難くするために、図16に示すように、先端面部44側(図16右側)の側面が上面根元部2041及び下面42の内面に略直角に形成されると共に、先端面部44と反対側(図16左側)の側面が先端側ほど先端面部44側に近接するように傾斜して形成されている。
【0096】
また、先端面部44の内面と嵌合突部2431aの先端面部44側の側面(図16右側面)との間の間隔は、寸法Qに設定されている。この寸法Qは、上述したブラケット先端部2021の先端面と凹設溝2021cとの間の間隔である寸法P(図14(a)参照)と同等の寸法か若干大きな寸法(例えば、0.5mm)に設定されている。そのため、ブラケット部材2020のブラケット先端部2021が下方へ変位する場合には、ブラケット先端部2021の先端面と先端面部44の内面との間に間隙が形成される(図12参照)。
【0097】
図17は、ストッパゴム部材2040が装着されたブラケット部材2020の部分断面側面図である。図17に示すように、ブラケット部材2020にストッパゴム部材2040が装着されると、嵌合突部2431aが凹設溝部2021cに嵌合され、かかる嵌合によって、ストッパゴム部材2040のブラケット部材2020からの抜け落ちが防止される。
【0098】
ここで、ブラケット部材2020は、第1実施の形態におけるブラケット部材20と略同一に形成されるので、ブラケット根元部2022の根元側を基点としてブラケット先端側2021の先端側が最大の振幅となる態様で、上下に振動される(図12参照)。
【0099】
この場合に、第2実施の形態では、嵌合突部2431aと凹設溝2021cとが、ストッパゴム部材2040の上面根元部2041及び下面42とブラケット部材2020のブラケット根元部2022という振幅が小さくなる部分にそれぞれ形成されている。
【0100】
よって、ストッパゴム部材2040の開口部45からブラケット部材2020のブラケット先端部2021を下方へ逃がし、ブラケット部材2020の上下の変位にストッパゴム部材2040が追従して質量体として作用することを抑制する際には、その抑制効果が嵌合突部2431aと凹設溝2021cとの嵌合により阻害されることを低減できる。また、嵌合突部2431aと凹設溝2021cとの嵌合状態を維持し易くして、ストッパゴム部材2040がブラケット部材2020から外れることを確実に抑制できる。
【0101】
次いで、図18を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、凹設溝21c及び嵌合突部431aがブラケット部材20及びストッパゴム部材40の先端側(ブラケット先端部21及び側面先端部431)に形成される場合を説明したが、第3実施の形態における凹設溝3021c及び嵌合突部3431aは、ブラケット部材3020及びストッパゴム部材3040の根元側(ブラケット根元部3022及び側面根元部3432)に形成される。なお、上述した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0102】
図18(a)は、第3実施の形態におけるブラケット部材3020の上面図であり、図18(b)は、第3実施の形態におけるストッパゴム部材3040の断面図である。なお、図18(b)は、図6(b)に対応する。
【0103】
第3実施の形態におけるブラケット部材3020は、第1実施の形態におけるブラケット部材20と同様に、ブラケット先端部3021とブラケット根元部3022とを備えて構成される。ブラケット先端部3021は、凹設溝21cが形成されず、両側面の全領域が平坦面とされる以外は、第1実施の形態におけるブラケット先端部21と同様の構成であり、ブラケット根元部3022は、凹設部3021cが両側面にそれぞれ凹設される以外は、第1実施の形態におけるブラケット根元部22と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0104】
凹設部3021cは、断面U字状に形成されると共に正面視略長円状に形成される凹部であり、ブラケット根元部3022の両側面(図18(a)紙面手前側面および奥側面)にそれぞれ1箇所ずつ凹設されている。なお、ブラケット先端部3021の先端面(平坦面として形成される面)と凹設部3021cのブラケット先端部3021側の側面(図18(a)右側面)との間の間隔は、寸法Rに設定されている。
【0105】
第3実施の形態におけるストッパゴム部材3040は、第1実施の形態におけるストッパゴム部材40に対して、側面先端部3431の内面に嵌合突部431aが形成されず、両内面の全領域が平坦面とされる点と、一対の側面根元部3432の内面にそれぞれ嵌合突部3431aが形成される点とを除き、他の部分は、第1実施の形態におけるストッパゴム部材40と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0106】
嵌合突部3431aは、ブラケット部材3020に凹設された凹設部3021cに嵌合することで、ブラケット部材3020からストッパゴム部材3040が抜け落ちることを防止するための抜け止め部として機能する部位であり、側面根元部3432の内面から突設される正面視略長円状の突部とし形成されている。
【0107】
なお、嵌合突部3431aは、ブラケット部材3020をストッパゴム部材3040へ挿入し易くし、かつ、挿入後には抜け難くするために、第1及び第2実施の形態の場合と同様に、先端面部44側(図18右側)の側面が側面根元部3432の内面に略直角に形成されると共に、先端面部44と反対側(図18左側)の側面が先端側ほど先端面部44側に近接するように傾斜して形成されている。
【0108】
また、先端面部44の内面と嵌合突部3431aの先端面部44側の側面(図18右側面)との間の間隔は、寸法Sに設定されている。この寸法Sは、上述したブラケット先端部3021の先端面と凹設部3021cとの間の間隔である寸法Rと同等の寸法か若干大きな寸法(例えば、0.5mm)に設定されている。そのため、ブラケット部材3020のブラケット先端部3021が下方へ変位する場合には、ブラケット先端部3021の先端面と先端面部44の内面との間に間隙が形成される(図12参照)。
【0109】
このように、第3実施の形態では、嵌合突部3431aと凹設部3021cとが、ストッパゴム部材3040の側面根元部3432とブラケット部材3020のブラケット根元部3022という振幅が小さくなる部分にそれぞれ形成されている。
【0110】
よって、第2実施の形態の場合と同様に、ストッパゴム部材3040の開口部45からブラケット部材3020のブラケット先端部3021を下方へ逃がし、ブラケット部材3020の上下の変位にストッパゴム部材3040が追従して質量体として作用することを抑制する際には、その抑制効果が嵌合突部3431aと凹設部3021cとの嵌合により阻害されることを低減できる。また、嵌合突部3431aと凹設部3021cとの嵌合状態を維持し易くして、ストッパゴム部材3040がブラケット部材3020から外れることを確実に抑制できる。
【0111】
また、このように、嵌合突部3431a及び凹設凹部3021cを、ブラケット部材3020の根元側(振幅が小さくなる部分)で嵌合させることで、その延設長さ(図18(a)及び図18(b)上下方向長さ)を短くした場合であっても、その嵌合状態を維持し易くして、ストッパゴム部材3040がブラケット部材3020から外れることを抑制できる。その結果、嵌合突部3431a及び凹設凹部3021cの延設長さを短くすることで、ストッパゴム部材3040を加硫成形するために必要なゴム状弾性体の使用量を低減して、材料コストの削減を図ることができると共に、ブラケット部材3020の凹設量を低減して、その剛性を高めることができる。
【0112】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0113】
上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。また、上記各実施の形態で説明した各構成の一部または全部を他の実施の形態に適用することは当然可能である。
【0114】
上記各実施の形態では、側面根元部432,2432,3432の内面全体がフランジ根元部22,2022,3022の両側面に密着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、密着する範囲は適宜調整することができる。即ち、側面根元部432,2432,3432の先端面部44側の内面の一部とフランジ根元部22,2022,3022の両側面との間に間隙を設けても良い。
【0115】
特に、第2実施の形態では、フランジ根元部2022の両側面との間に間隙が設けられる範囲を側面根元部2432の内面の全面としても良い。このように隙間を設けても、上面根元部2041の内面と下面42の内面との間にブラケット部材2020を挟み込み、ストッパゴム部材2040のがたつきを抑制できるからである。この場合には、ブラケット部材2020の共振時に、ストッパゴム部材40が追従して、質量体として作用するという不具合を、上述した間隙が設けられる範囲の拡大により、効率的に抑制することができる。
【0116】
上記第2実施の形態では、嵌合突部2431aを上面根元部2041及び下面42の両内面に設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上面根元部2041又は下面42のいずれか一方の内面のみに設けても良い。第2実施の形態の場合には、上面根元部2041を設けた分、ブラケット部材2020のブラケット根元部2042を下面部42及び側面根元部2432と共に挟み込み、強固に密着できるからである。これにより、ストッパゴム部材2040が質量体として作用することを抑制できると共に、ゴム状弾性体の使用量を減らして材料コストの削減を図ることができる。また、ブラケット部材2020への凹設溝2021cの凹設量が減少することで、その剛性を高めることができる。
【0117】
上記第1及び第2実施の形態では、嵌合突部431a,2431a及び凹設溝21c,2021cが縁部まで連続して設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記第3実施の形態の場合のように、部分的に形成(突設および凹設)されていても良い。同様に、上記第3実施の形態では、嵌合突部3431a及び凹設溝3021cが部分的に設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記第1及び第2実施の形態の場合のように、縁部まで連続して形成(突設および凹設)されていても良い。
【0118】
上記各実施の形態では、嵌合突部431a,2431a,3431aがストッパゴム部材40に突設されると共に、凹設溝21c,2021c,3021cがブラケット部材20に凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、嵌合突部431a,2431a,3431aに対応する突部をブラケット部材20から突設すると共に、凹設溝21c,2021c,3021cに対応する凹部をストッパゴム部材40に凹設しても良い。
【0119】
上記各実施の形態では説明を省略したが、ストッパゴム部材40,2040,3040における寸法N、寸法Q及び寸法Sを、ブラケット部材20,2020,3020における寸法M、寸法P及び寸法Rよりも大きくする場合、その差(即ち、N−M、Q−P及びS−R)は寸法tと同様の範囲(0.25mm〜1.5mm)に設定することが好ましい。かかる範囲に設定することで、寸法tの場合と同様に、製造コストの低減、隙間の確保および異音の発生の抑制を図ることができるからである
【符号の説明】
【0120】
1 防振装置
10 マウント装置
11 上側部材
12 下側部材
13 防振基体
20,2020,3020 ブラケット部材
21,2021,3021 ブラケット先端部
21c,2021c 凹設溝(凹設部)
3021c 凹設部
21d 先端突部
22,2022,3022 ブラケット根元部
30 変位規制部材
40,2040,3040 ストッパゴム部材
41 上面部(先端ゴム部の一部)
2041 上面根元部(根元ゴム部の一部)
42 下面部(根元ゴム部の一部)
431,2431,3431 側面先端部(先端ゴム部の一部)
431a 嵌合突部
432,2432,3432 側面根元部(根元ゴム部の一部)
2431a,3431a 嵌合突部
44 先端面部(先端ゴム部の一部)
44a 先端凹部
45 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に取り付けられる下側部材、前記下側部材の上側に間隔を隔てて配置される上側部材および前記上側部材を前記下側部材に連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体を有するマウント装置と、
前記マウント装置の上側部材の上面に先端側が取り付けられると共に根元側が振動発生体側に取り付けられるブラケット部材と、
前記ブラケット部材の先端側を取り囲むと共に前記マウント装置の下側部材に固着される変位規制部材と、
前記ブラケット部材の先端側から装着され前記ブラケットの外面を被覆すると共にゴム状弾性体から構成されるストッパゴム部材と、を備えた防振装置において、
前記ブラケット部材は、断面矩形の直方体形状に形成され前記直方体形状の下面が前記マウント装置の上側部材の上面に取り付けられるブラケット先端部と、前記ブラケット先端部に連設され前記振動発生体側に取り付けられるブラケット根元部と、を備え、
前記ストッパゴム部材は、前記ブラケット部材のブラケット先端部の外面を被覆する先端ゴム部と、前記先端ゴム部に連設されると共に前記ブラケット部材のブラケット根元部の外面を被覆する根元ゴム部と、を備え、
前記先端ゴム部は、前記ブラケット部材のブラケット先端部における下面全体を露出させる大きさに開口形成される開口部を備えると共に、前記先端ゴム部の内面と前記ブラケット部材のブラケット先端部における両側面との間にそれぞれ間隙が形成されることを特徴とする防振装置。
【請求項2】
前記ストッパゴム部材は、前記根元ゴム部の内面の一部が前記ブラケット部材のブラケット根元部における両側面に当接されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
【請求項3】
前記ブラケット部材は、前記ブラケット根元部の外面に凹設される凹設部を備え、
前記ストッパゴム部材は、前記根元ゴム部の内面から突設され前記ブラケット根元部の凹設部に嵌合する嵌合突部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置。
【請求項4】
前記ブラケット部材は、前記ブラケット先端部の先端面に突設され上下方向に沿って延設される先端突部を備え、
前記ストッパゴム部材は、前記先端ゴム部の内面に凹設されると共に下面側が開口され前記ブラケット先端部の先端突部に嵌合する先端凹部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−220434(P2011−220434A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89759(P2010−89759)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】