説明

限定的空間内の案内システム及び携帯機器

【目的】限定的な空間内において、その空間を利用する利用者個人の現在地と目的地を表示して案内する案内システム及びその案内システムで使用する携帯機器を提供する。
【解決手段】限定的空間内のサーバーと、携帯機器の通信手段により限定的空間内の情報をダウンロードして表示手段に表示し、限定的空間内に複数配置した位置情報送出手段の情報を受信する位置情報受信手段により限定的空間内の位置情報を受信し、携帯機器又は限定的空間内に設置されたサーバーの演算手段により現在地を演算して携帯機器の表示手段に現在地を表示し、携帯機器の入力手段により限定的空間内における目的の場所情報を入力することにより携帯機器又は施設内サーバーの演算手段により目的の場所を表示手段に表示することにより、限定的な空間内を利用する利用者の現在地と目的地を表示して案内する案内システム及びその案内システムで使用する携帯機器を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定的な空間内において、その空間を利用する利用者個人の現在地と目的地を表示して案内する案内システム及びその案内システムで使用する携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の案内システムとしては、GPSを利用したカーナビゲーションシステムが良く知られていた。又、地下や建物内及び市街地内の各要所に、位置情報の書き込まれた無線ICタグを設置し、それらの情報を移動体側で無線ICタグリーダーを使用して取得することで、どこでも位置情報を取得可能とする無線ICタグによる位置情報取得システム(特許文献1)が知られていた。
【特許文献1】特許公開2006−217556
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のGPSを利用したカーナビゲーションシステムでは、目的地や目的施設までのナビゲートはできても、施設内で指定された指定席等の特定の場所やトイレといった施設内の特定の場所まではナビゲートできないといった課題を有する。
【0004】
又、特許文献1のICタグを利用して位置情報を取得するシステムでは、現在地がどこであるかといったことは判明しても、目的地がどこであるかといった情報を得ることができないといった課題を有し、更には現在地と目的地の相対位置関係も把握することができないといった課題を有する。
【0005】
更には、既存のナビゲートシステムにおいてはQRカラーコード等のコード情報を取得してサーバーと通信し、必要な情報を得るといったシステムは見当たらないのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の限定的空間内の案内システムは、限定的空間内に設置されたサーバー2と、携帯機器1のサーバーとの通信手段4により限定的空間内の情報をダウンロードして携帯機器1の表示手段5に表示し、限定的空間内に複数配置した位置情報送出手段12の情報を受信する位置情報受信手段7により限定的空間内の位置情報を受信し、携帯機器1又は限定的空間内に設置されたサーバー2の演算手段10により現在地を演算して携帯機器1の表示手段5に現在地を表示し、携帯機器1の入力手段9により限定的空間内における目的の場所情報を入力することにより携帯機器1又は施設内サーバー2の演算手段10により目的の場所を携帯機器1の表示手段5に表示することを特徴とする。
【0007】
又、限定的空間内に設置されたサーバー2と、携帯機器1のサーバーとの通信手段4により限定的空間内の情報をダウンロードして携帯機器1の表示手段5に表示し、利用手段3に組み込まれた位置情報送出手段12より送出される位置情報を限定的空間内に複数配置された位置情報送受信手段8により受信し、位置情報送受信手段8が受信した位置情報をサーバー2又は携帯機器1に送信し、携帯機器1又は限定的空間内に設置されたサーバー2の演算手段10により現在地を演算して携帯機器1の表示手段5に現在地を表示し、携帯機器1の入力手段9により限定的空間内における目的の場所情報を入力することにより携帯機器1又は施設内サーバー2の演算手段10により目的の場所を携帯機器1の表示手段5に表示することを特徴とする。
【0008】
又、携帯機器1の情報読み取り手段6により限定的空間内に配置された情報手段15又は利用者が有する限定的空間内にのみ有効な情報手段15より情報を読み取ることにより限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を開始することを特徴とする。
【0009】
携帯機器1の情報読み取り手段6により限定的空間内に配置された情報手段15又は利用者が有する限定的空間内にのみ有効な情報手段15より情報を読み取ることにより限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を開始し、利用者が限定的空間内において有効であるかを認証することを特徴とする。
【0010】
利用者の現在地と目的の場所とを携帯機器1の表示手段5に線分で表示することを特徴とする。
【0011】
本発明の携帯機器1は、限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を行うサーバーとの通信手段4を有し、利用者が必要とする個人情報を入力する入力手段9を有し、利用者が必要とする情報を表示する表示手段5を有することを特徴とする。
【0012】
又、限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を行うサーバーとの通信手段4を有し、限定的空間内に複数配置した位置情報送出手段12の情報を受信する位置情報受信手段7を有し、利用者が必要とする個人情報を入力する入力手段9を有し、利用者が必要とする情報を表示する表示手段5を有することを特徴とする。
【0013】
限定的空間内に設置されたサーバー2からの情報と、位置情報送出手段12からの位置情報と、利用者により入力された個人情報を演算して結果を表示手段5に送出する演算手段10を有していることを特徴とする。
【0014】
限定的空間内に配置された情報手段15又は利用者が有する限定的空間内にのみ有効な情報手段15を読み取ることができる情報読み取り手段6を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の案内システムでは、施設内に設置されたサーバー2から得られる施設内の情報と、施設内に複数設置されたICタグ等による位置情報送出手段12から得られる位置情報と、利用者が入力手段9により入力する目的地情報を、携帯機器1又は施設内に設置されたサーバー2の演算手段10により計算することで、利用者の現在地と目的地がどこであるかを表示手段5により相対的にわかりやすく表示して案内するので、施設内で指定された指定席等の特定の場所やトイレといった施設内の特定の場所までを容易にナビゲートすることができるのである。
【0016】
又、携帯機器1の情報読み取り手段6によりQRカラーコード16等の情報手段15よりコード情報等を読み取り、その情報を元に施設内に設置されたサーバー2と通信して必要な情報を得ることができるのである。
【0017】
さらには、目的地がどこか不明な場合には従来のように案内人に聞いて教えてもらうといった人を介して解決を図る必要がなく、携帯機器1とICタグ等による位置情報送出手段12、サーバー2により電子的に解決できるのである。
【0018】
このように本発明の案内システムを用いれば、限定的空間を利用する利用者を混乱なくスムーズに目的場所までナビゲートでき、サーバー2との双方向通信でいろいろなイベント情報等も入手可能で、トイレや非常口等の確認、さらには同伴者の居場所検索といったはぐれた場合にも応用が可能で利便性が向上するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
イベント会場、劇場、野球場や駅の構内、列車の車内等といった限定的な空間内において、その空間を利用する利用者個人が現在地と目的地を表示手段5に表示して案内する案内システム及びその案内システムで使用する携帯機器1について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は携帯機器に演算機能を有する案内システム及び携帯機器の概念図であり、演算手段10を有する携帯機器1による案内システムの概念を示したものである。以下、限定的な空間内を案内するシステムについて構成を説明する。
【0021】
携帯機器1の構成は、限定的な空間内に設置されたサーバー2との通信を行うサーバーとの通信手段4と、限定的な空間内に複数設置されたICタグ等を有する位置情報送出手段12の情報を受信する位置情報受信手段7と、目的の場所情報を入力する入力手段9と、限定的な空間内に任意に配置された、又は入場券等に印刷されたQRカラコード16やバーコードといった情報手段15を読み取る情報読み取り手段6と、それらの入力された情報を処理する演算手段10と、結果を表示する表示手段5とを有して構成されている。
【0022】
又、限定的な空間内にはサーバー2が設置され、サーバー2と携帯機器1のサーバーとの通信手段4の間を直接又はアクセスポイント13を介して双方向で無線通信することができる。
【0023】
限定的空間内には位置情報を送出するICタグ等による位置情報送出手段12が複数設置されて、携帯機器1の位置情報受信手段7により位置情報を無線通信により取得することができる。
【0024】
この案内システム及び携帯機器1の動作を説明すると、限定的空間内を利用する利用者は、携帯機器1に有しているカメラ等の情報読み取り手段6により、限定的空間内に任意に設置された、又は入場券等に印刷されたQRカラーコード16等の情報手段15からのサーバー2のアドレス情報や個人情報を読み取り、演算手段10を介してサーバーとの通信手段4により限定的な空間内に設置されたサーバー2と直接又はアクセスポイント13を介して通信を開始する。
【0025】
サーバー2との通信では、QRカラーコード16等の情報手段15から得た個人情報等をサーバー2に送信することにより、サーバー2では利用者が正規の利用者であるか否かといった認証動作を行い、正規の利用者である場合には施設内の地図等の情報及び限定的な空間内を案内するのに必要なソフトウェア等を利用者の携帯機器1に送信することにより、利用者の携帯機器1では演算手段10を介して地図等の情報及び必要なソフトウェアをデータ格納領域11に格納し、情報を携帯機器1のディスプレイ22等の表示手段5により表示する。
【0026】
限定的な空間内を案内する地図等の情報を表示手段5により表示した後、利用者の携帯機器1の周囲に複数配置された位置情報を送出するICタグ等による位置情報送出手段12より無線により送出される位置情報を携帯機器1の位置情報受信手段7により受信し、演算手段10で現在地が計算されて表示手段5に現在地が表示される。
【0027】
続いて、入場券等に記載された指定席番号等の目的地情報をキー入力等による入力手段9より利用者が入力することで、入力された目的地情報は演算手段10により計算されて目的地を表示手段5に表示する。
【0028】
現在地と目的地の相対関係は、現在地と目的地の位置情報及び限定的な空間内を案内する地図等の情報を演算手段10により計算して、現在地から目的地までのルートを線分で表示手段5に表示することにより、利用者は進むべき方向と目的地を容易に把握することができるのである。
【0029】
利用者は表示手段5により現在地を目的地の相対位置が把握できるので、限定的空間内の指定席等の目的地に向かえば良いのである。
【0030】
利用者が目的地に向かって移動することにより、位置情報を送出するICタグ等による位置情報送出手段12からの位置情報が変化するので、位置情報受信手段7により受信した、変化した位置情報を演算手段10により計算して現在地の情報を更新し、更新した情報を表示手段5に送って現在地を変化させるのである。
【0031】
以上の動作を繰り返すことにより、利用者が移動しても利用者は常に現在地と目的地の相対関係を把握することができるので、施設内を迷うことなく指定席等の目的地に到着することができるのである。
【0032】
例えば指定席を案内するシステムであれば、座席の配列も含めて限定的な空間内を案内する地図等の情報と、利用者の現在地と目的地とを演算手段10により計算して最短ルートを線分で表示することにより、利用者は目的地までを最短で行くことができるのである。
【0033】
図2は携帯機器に演算機能を有する別の案内システム及び携帯機器の概念図であり、携帯機器1は演算機能10を有するが位置情報受信手段7を有さず、入場券等の利用手段3に組み込まれた位置情報送出手段12からの情報を限定的空間内に複数配置された位置情報送受信手段8を介して利用者の位置を特定する携帯機器に演算機能を有する別の案内システム及び携帯機器の概念図である。
【0034】
携帯機器1の構成は、限定的な空間内に設置されたサーバー2との通信を行うサーバーとの通信手段4と、限定的な空間内に複数設置されたICタグ等が組み込まれた入場券等の利用手段3からの情報を受信して携帯機器1又はサーバー2に送信する位置情報送受信手段8と、目的の場所情報を入力する入力手段9と、限定的な空間内に任意に配置された、又は入場券等に印刷されたQRカラコード16やバーコードといった情報手段15を読み取る情報読み取り手段6と、それらの入力された情報を処理する演算手段10と、結果を表示する表示手段5とを有して構成されている。
【0035】
又、限定的な空間内にはサーバー2が設置され、サーバー2と携帯機器1のサーバーとの通信手段4の間を直接又はアクセスポイント13を介して双方向で無線通信することができる。
【0036】
限定的空間内にはICタグ等が組み込まれた入場券等の利用手段3からの情報を受信して携帯機器1又はサーバー2に送信する位置情報送受信手段8が複数設置されて、入場券等の利用手段3からの位置情報を無線通信により取得することができる。
【0037】
この案内システム及び携帯機器1の動作を説明すると、限定的空間内を利用する利用者は、携帯機器1に有しているカメラ等の情報読み取り手段6により、限定的空間内に任意に設置された、又は入場券等に印刷されたQRカラーコード16等の情報手段15からのサーバー2のアドレス情報や個人情報を読み取り、演算手段10を介してサーバーとの通信手段4により限定的な空間内に設置されたサーバー2と直接又はアクセスポイント13を介して通信を開始する。
【0038】
サーバー2との通信では、QRカラーコード16等の情報手段15から得た個人情報等をサーバー2に送信することにより、サーバー2では利用者が正規の利用者であるか否かといった認証動作を行い、正規の利用者である場合には施設内の地図等の情報及び限定的な空間内を案内するのに必要なソフトウェア等を利用者の携帯機器1に送信することにより、利用者の携帯機器1では演算手段10を介して地図等の情報及び必要なソフトウェアをデータ格納領域11に格納し、情報を携帯機器1のディスプレイ22等の表示手段5により表示する。
【0039】
限定的な空間内を案内する地図等の情報を表示手段5により表示した後、限定的空間内に複数配置された位置情報を送受信する位置情報送受信手段8により利用者が有する入場券等の利用手段3に組み込まれたICタグ等による位置情報送出手段12からの情報を無線により受信し、受信した情報を携帯機器1に直接又はアクセスポイント13を介して送出することにより、携帯機器1では利用者の位置情報をサーバーとの通信手段4により受信し、演算手段10により現在地が計算されて表示手段5に現在地が表示される。
【0040】
続いて、入場券等に記載された指定席番号等の目的地情報をキー入力等による入力手段9より利用者が入力することで、入力された目的地情報は演算手段10により計算されて目的地を表示手段5に表示する。
【0041】
現在地と目的地の相対関係は、現在地と目的地の位置情報及び限定的な空間内を案内する地図等の情報を演算手段10により計算して、現在地から目的地までのルートを線分で表示手段5に表示することにより、利用者は進むべき方向と目的地を容易に把握することができるのである。
【0042】
利用者は表示手段5により現在地を目的地の相対位置が把握できるので、限定的空間内の指定席等の目的地に向かえば良いのである。
【0043】
利用者が目的地に向かって移動することにより、位置情報を送出するICタグ等を組み込んだ入場券等の利用手段3からの情報を受信した位置情報送受信手段8からの情報が変化するので、位置情報送受信手段8により受信した、変化した位置情報を演算手段10により計算して現在地の情報を更新し、更新した情報を表示手段5に送って現在地を変化させるのである。
【0044】
以上の動作を繰り返すことにより、利用者が移動しても利用者は常に現在地と目的地の相対関係を把握することができるので、施設内を迷うことなく指定席等の目的地に到着することができるのである。
【0045】
図3はサーバーに演算機能を有する案内システム及び携帯機器の概念図であり、限定的な空間内に設置されたサーバー2に演算手段10を有し、演算手段10を有しない携帯機器1による案内システムの概念を示したものである。
【0046】
携帯機器1のサーバーとの通信手段4、表示手段5、情報読み取り手段6、位置情報受信手段7、入力手段9、データ格納領域11はバス14で接続され、各種の情報を計算して処理する演算手段10は施設内に設置されたサーバー2にて行うものである。
【0047】
この例では、案内システムの構成としては演算手段10による情報の処理が、携帯機器1のバス14及びサーバーとの通信手段4を介してサーバー2にて行う点が図1による例と異なるのみで、他の基本的な構成は図1の例と同様である。
【0048】
又、動作においては、演算手段10はサーバー2内に有しているので、携帯機器1を動作させるプログラムをサーバー2から送出する必要がなく、携帯機器1の動作を全てサーバー2より行う点が異なる。
【0049】
なお、必要によりサーバー2側より携帯機器1を動作させるための最小限のプログラムを送出することもあり得る。
【0050】
なお、図3のサーバーに演算機能を有する案内システム及び携帯機器の概念図の例においては、図1の携帯機器に演算機能を有する案内システム及び携帯機器の概念図の例を基準に説明してあるが、図2の携帯機器に演算機能を有する別の案内システム及び携帯機器の概念図の例においてもサーバー2に演算手段10を有することにより、演算手段10を有さない携帯機器1を使用することができるのである。
【実施例1】
【0051】
図4は劇場内を案内する表示画面の例図であり、限定的空間として劇場を想定した場合の案内画面である。
【0052】
携帯機器1としては劇場に入場する利用者の携帯電話21を想定し、表示手段5として携帯電話21のディスプレイ22とし、入力手段9は携帯電話21のテンキーとし、情報読み取り手段6は携帯電話21のカメラとし、サーバーとの通信手段4、位置情報受信手段7は携帯電話21のアンテナを介して行い、演算手段10、データ格納領域11は携帯電話21の中に有しているものとする。
【0053】
又、劇場内の天井等にはアクセスポイント13を有し、劇場内の事務室等に設置されたサーバー2との通信を行うように設定されており、劇場内の座席一つ一つ及びトイレや非常口等の施設及び要所要所にはICタグが埋め込まれて位置情報送出手段12を構成し、劇場の入場券には情報手段15としてのQRカラーコード16が印刷されているものとする。
【0054】
劇場入口にてQRカラーコード16付の入場券を入手した劇場の利用者は、劇場内に入った後にQRカラーコード16を読み込むことができる自分の携帯電話21にて入場券に印刷されたQRカラーコード16の情報を読み込むことにより、携帯電話21はQRカラーコード16にて指定されたアドレスのサーバー2と通信を開始するのである。
【0055】
携帯電話21とサーバー2との通信が確立すれば、携帯電話21からはQRカラーコード16より得たサーバー2のアドレス以外の情報をサーバー2に送信することにより、サーバー2では利用者が正規の利用者であるか否かの認証を行い、利用者が正規の利用者である場合は、サーバー2より劇場内の案内図データ及び携帯電話21が劇場内で正常に案内ができるようなプログラムデータを携帯電話21に送出する。
【0056】
劇場内の案内図データ及びプログラムデータを受信した携帯電話21は、それらのデータを携帯電話21内のデータ格納領域11に格納し、サーバー2より送出されたプログラムデータに基づいて動作を開始し、劇場内の案内図データに基づき演算手段10を介して携帯電話21のディスプレイ22に案内図を表示する。
【0057】
次に、携帯電話21ではプログラムに基づいて携帯電話21の位置情報受信手段7により周囲のICタグによる位置情報送出手段12から送出される無線通信による複数の位置情報を受信し、携帯電話21の演算手段10により携帯電話21を有する利用者の現在地を計算して現在地をディスプレイ22に表示する。
【0058】
続いてプログラムは利用者の目的地情報の入力を促す画面をディスプレイ22に表示し、指示に基づいて利用者は入場券等に印刷されている指定席やトイレといった目的地情報の数字等を携帯電話21のテンキーによる入力手段9により入力すれば、携帯電話21の演算手段10により利用者の目的地を計算してディスプレイ22に目的地を表示し、現在地と目的地の最短ルートを演算手段10により計算して結果をディスプレイ22に線分で表示する。
【0059】
ディスプレイ22の表示に従って利用者が目的地に向かって移動すれば、携帯電話21の情報読み取り手段6により周囲にある複数のICタグ等による位置情報送出手段12の情報を読み取って演算手段10により計算して利用者の現在地を更新するのである。
【0060】
以上の結果、利用者は自分の携帯電話21のみで劇場内の指定席まで容易にたどり着くことができるのである。
【0061】
自分の指定席にたどり着いた利用者がトイレや売店等に行く場合は、入場券に記載されている施設の番号を携帯電話21のテンキーによる入力手段9により入力することで、利用者の現在地と目的地が演算手段10により計算されてディスプレイ22に表示されると共に、目的地までの最短ルートが演算手段10により計算されてディスプレイ22に線分にて表示されるのである。
【0062】
これらの動作を繰り返すことにより、利用者が移動しても利用者は常に現在地と目的地の相対関係を利用者が有する携帯電話21のみで把握することができるので、利用者は劇場内の行きたい場所まで早く自由に行くことができるのである。
【実施例2】
【0063】
図5は列車内を案内する表示画面の例図であり、限定的空間として駅から駅へと移動する列車を想定した場合の案内画面の例である。
【0064】
携帯機器1としては列車を利用する利用者の携帯電話21を想定し、携帯電話21の構成は前記図1の場合と同様である。
【0065】
サーバー2は利用者が列車に乗る乗車駅及び降車駅及び乗車する列車にそれぞれ有しており、アクセスポイント13は駅構内の任意の位置及び列車の車両の天井等に有しており、ICタグ等による位置情報送出手段12は駅構内の任意の位置及び列車内の座席一つ一つ及び列車内のトイレ等の設備に有しているものとして説明する。
【0066】
乗車駅にて情報手段15としてのQRカラーコード16付の指定席乗車券を入手した列車の利用者は、指定席乗車券に印刷されたQRカラーコード16をQRカラーコード16を読み込むことができる自分の携帯電話21にQRカラーコード16の情報を読み込むことにより、携帯電話21はQRカラーコード16にて指定された、例えば乗車駅のサーバー2と通信を開始するのである。
【0067】
乗車駅のサーバー2との通信により、乗車駅構内の案内図及び乗車しようとする列車の案内図及び降車駅構内の案内図を携帯電話21に取り込み、携帯電話21のディスプレイ22に乗車駅の案内図を表示し、利用者が乗車しようとする列車のホーム及び乗車位置をディスプレイ22に表示して案内する。
【0068】
利用者が列車に乗車すると携帯電話21は列車内のサーバー2と列車内の天井等に設置されたアクセスポイント13を介して通信を開始し、携帯電話21のディスプレイ22には図4で示すような列車内の案内図を表示し、利用者の現在地と目的の指定席がある車両との相対位置及び目的車両の指定席の位置を表示して、利用者の移動に合わせて目的の指定席までを案内するのである。
【0069】
列車の利用者がトイレ等の列車内設備を使用しようとする時は、指定席乗車券に記載された施設の番号を携帯電話21のテンキーによる入力手段9により数値を入力することにより、設備までの相対位置関係を知ることができ、目的の設備までを案内してくれるのである。
【0070】
利用者が降車駅に降車すると携帯電話21は降車駅のサーバー2と通信を開始して降車駅の案内図を携帯電話21のディスプレイ22に表示し、出口である改札口までを案内するのである。
【0071】
以上の結果、利用者は自分の携帯電話21のみで列車の乗車券を購入した時点から目的の降車駅を出るまでの間を案内されるので、利用者は迷うことなく目的の駅に到達することができるのである。
【0072】
利用者が指定席乗車券ではなく自由席乗車券を購入したのであれば、自由席の座席に埋め込まれた乗客の有無を感知するセンサーにより乗客の有無を検知すれば、自由席の空席状況を利用者に知らせるといったことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】携帯機器に演算機能を有する案内システム及び携帯機器の概念図
【図2】携帯機器に演算機能を有する別の案内システム及び携帯機器の概念図
【図3】サーバーに演算機能を有する案内システム及び携帯機器の概念図
【図4】劇場内を案内する表示画面の例図
【図5】列車内を案内する表示画面の例図
【符号の説明】
【0074】
1:携帯機器
2:サーバー
3:利用手段
4:サーバーとの通信手段
5:表示手段
6:情報読み取り手段
7:位置情報受信手段
8:位置情報送受信手段
9:入力手段
10:演算手段
11:データ格納領域
12:位置情報送出手段
13:アクセスポイント
14:バス
15:情報手段
16:QRカラーコード
21:携帯電話
22:ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
限定的空間内に設置されたサーバー2と、携帯機器1のサーバーとの通信手段4により限定的空間内の情報をダウンロードして携帯機器1の表示手段5に表示し、限定的空間内に複数配置した位置情報送出手段12の情報を受信する位置情報受信手段7により限定的空間内の位置情報を受信し、携帯機器1又は限定的空間内に設置されたサーバー2の演算手段10により現在地を演算して携帯機器1の表示手段5に現在地を表示し、携帯機器1の入力手段9により限定的空間内における目的の場所情報を入力することにより携帯機器1又は施設内サーバー2の演算手段10により目的の場所を携帯機器1の表示手段5に表示することを特徴とする限定的空間内の案内システム。
【請求項2】
限定的空間内に設置されたサーバー2と、携帯機器1のサーバーとの通信手段4により限定的空間内の情報をダウンロードして携帯機器1の表示手段5に表示し、利用手段3に組み込まれた位置情報送出手段12より送出される位置情報を限定的空間内に複数配置された位置情報送受信手段8により受信し、位置情報送受信手段8が受信した位置情報をサーバー2又は携帯機器1に送信し、携帯機器1又は限定的空間内に設置されたサーバー2の演算手段10により現在地を演算して携帯機器1の表示手段5に現在地を表示し、携帯機器1の入力手段9により限定的空間内における目的の場所情報を入力することにより携帯機器1又は施設内サーバー2の演算手段10により目的の場所を携帯機器1の表示手段5に表示することを特徴とする限定的空間内の案内システム。
【請求項3】
携帯機器1の情報読み取り手段6により限定的空間内に配置された情報手段15又は利用者が有する限定的空間内にのみ有効な情報手段15より情報を読み取ることにより限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を開始することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の限定的空間内の案内システム。
【請求項4】
携帯機器1の情報読み取り手段6により限定的空間内に配置された情報手段15又は利用者が有する限定的空間内にのみ有効な情報手段15より情報を読み取ることにより限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を開始し、利用者が限定的空間内において有効であるかを認証することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の限定的空間内の案内システム。
【請求項5】
利用者の現在地と目的の場所とを携帯機器1の表示手段5に線分で表示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の限定的空間内の案内システム。
【請求項6】
限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を行うサーバーとの通信手段4を有し、利用者が必要とする個人情報を入力する入力手段9を有し、利用者が必要とする情報を表示する表示手段5を有することを特徴とする携帯機器。
【請求項7】
限定的空間内に設置されたサーバー2との通信を行うサーバーとの通信手段4を有し、限定的空間内に複数配置した位置情報送出手段12の情報を受信する位置情報受信手段7を有し、利用者が必要とする個人情報を入力する入力手段9を有し、利用者が必要とする情報を表示する表示手段5を有することを特徴とする携帯機器。
【請求項8】
限定的空間内に設置されたサーバー2からの情報と、位置情報送出手段12からの位置情報と、利用者により入力された個人情報を演算して結果を表示手段5に送出する演算手段10を有していることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の携帯機器。
【請求項9】
限定的空間内に配置された情報手段15又は利用者が有する限定的空間内にのみ有効な情報手段15を読み取ることができる情報読み取り手段6を有していることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−92634(P2009−92634A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284369(P2007−284369)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(507361158)有限会社ラドテック (1)
【Fターム(参考)】