説明

電力用半導体の駆動回路および駆動方法

【課題】 電力用半導体をターンオフするために負電圧の電源を用いない単純な構成で、ゲート閾値電圧が低い電力用半導体素子でも、高速かつ確実に遮断させることを目的とする。
【解決手段】 主端子と制御基準端子と制御端子とを有しこの制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して主端子と制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動する電力用半導体の駆動回路において、電源端子とグランド端子とを有する電源を備え、電源端子と制御端子の間に充電用制御回路を、制御基準端子とグランド端子の間に充電用スイッチを、電源端子と制御基準端子の間に放電用制御回路を、制御端子とグランド端子の間に放電用スイッチを、設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力用半導体素子の駆動を行うための電力用半導体の駆動回路および駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直流を交流、あるいは交流を直流に変換する、いわゆるインバータなど、電力変換器にIGBTやMOSFETといった電力用半導体素子が用いられている。このような電力用半導体素子では、IGBTではコレクタからエミッタ、MOSFETではドレインからソースへ流れる電流を、ゲート−エミッタ間あるいはゲート−ソース間に電荷を充電・放電させてこの間の電圧を変化させることにより制御する。この制御を行うための駆動回路として、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された駆動回路は、電力用半導体を導通(ターンオンとも呼ぶ)させるための電流源としてゲートに電流を流し込む電流源と、遮断(ターンオフとも呼ぶ)させるための電流源としてゲートから電流を引き抜く電流源とを備えている。そして、導通させるための電流源はパワートランジスタを遮断から導通に切替える際、第1電流値を出力し、導通に切替った後はその状態を保持する第2電流値を出力する。また、遮断させるための電流源はパワートランジスタを導通から遮断に切替える際、第1電流値とは逆極性の第3電流値を出力し、遮断に切替った後はその状態を保持する第4電流値を出力する。このように、導通させるための電流源も遮断させるための電流源もゲートに接続されており、両電流源は電流値が逆極性のものが必要であり、駆動回路の電源として、正電圧の電源と負電圧の電源とを必要とするものである。
【0003】
また、特許文献2では、特許文献1に示されているものと同様、確実かつ高速な遮断特性を得るため、遮断用に、導通用とは逆極性の遮断専用の負電源を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐116760号公報
【特許文献2】特開2006−25516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の駆動回路では、導通用と遮断用に別々の電源を用いており、ゲート閾値電圧が低い電力用半導体素子を高速かつ確実にオフさせるには、専用の負電圧の駆動回路用電源を必要としていた。専用の負電圧の駆動回路用電源を備える場合、駆動回路内の電子部品には負電圧分の余分な耐圧が必要となり、この点でも電子部品のコストアップに繋がっていた。
【0006】
この発明に係る電力用半導体の駆動回路は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ゲート閾値電圧が低い電力用半導体素子を用いた場合でも、負電圧の電源を必要としない単純な構成で高速かつ確実に遮断させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電力用半導体の駆動回路は、主端子と制御基準端子と制御端子とを有しこの制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して主端子と制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動する電力用半導体の駆動回路であって、電源端子とグランド端子とを有する電源を備え、電源端子と制御端子との
間に充電用制御回路を、制御基準端子とグランド端子との間に充電用スイッチを、電源端子と制御基準端子との間に放電用制御回路を、制御端子とグランド端子との間に放電用スイッチを設けたものである。
【0008】
また、この発明に係る電力用半導体の駆動方法は、電源端子とグランド端子とを有する電源を備えた駆動回路により、主端子と制御基準端子と制御端子とを有しこの制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して主端子と制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動する駆動方法において、電源端子から制御端子を経て、制御基準端子からグランド端子へ電流を流すことにより制御端子と制御基準端子との間に電荷を充電して電力用半導体をオンするターンオンステップと、電源端子から制御基準端子を経て、制御端子からグランド端子へ電流を流すことにより制御端子と制御基準端子との間に充電された電荷を放電して電力用半導体をオフするターンオフステップとを有するものである。
【0009】
また、この発明に係る別の電力用半導体の駆動回路は、主端子と制御基準端子と制御端子とを有しこの制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して主端子と制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動する電力用半導体の駆動回路であって、電源端子とグランド端子とを有する電源を備え、制御基準端子をグランド端子に接続し、定電流源を充放電制御スイッチを経て制御端子に接続し、充放電制御スイッチと定電流源の接続点とグランド端子の間にリアクトルと放電用スイッチの直列体を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
これらの発明によれば、電力用半導体をターンオフするために専用の負電圧の電源を用いない単純な構成で、ゲート閾値電圧が低い電力用半導体素子でも、高速かつ確実に遮断させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1による電力用半導体の駆動回路を示す等価回路図である。
【図2】この発明を適用した電力変換器の一例を示す回路図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。
【図4】この発明の実施の形態1による電力用半導体の駆動回路を示す詳細回路図である。
【図5】この発明の実施の形態2による電力用半導体の駆動回路を示す等価回路図である。
【図6】この発明の実施の形態2による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。
【図7】この発明の実施の形態2による電力用半導体の駆動回路を示す詳細回路図である。
【図8】この発明の実施の形態3による電力用半導体の駆動回路を示す詳細回路図である。
【図9】この発明の実施の形態3による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。
【図10】この発明の実施の形態4による電力用半導体の駆動回路を示す等価回路図である。
【図11】この発明の実施の形態4による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。
【図12】この発明の実施の形態4による他の電力用半導体の駆動回路を示す等価回路図である。
【図13】この発明の実施の形態5による電力用半導体の駆動回路を示す等価回路図である。
【図14】この発明の実施の形態5による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。
【図15】IGBTの伝達特性を示す特性図である。
【図16】この発明の実施の形態6による電力用半導体の駆動回路を示す等価回路図である。
【図17】この発明の実施の形態7による電力用半導体の駆動回路を示す詳細回路図である。
【図18】この発明の実施の形態7による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す電力用半導体の駆動回路の等価回路である。ここでは電力用半導体素子の一例としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)1を用いているが、本発明を適用する電力用半導体はIGBTに限るわけではなく、MOSFETなど他の電力用半導体素子でも良い。また、SiC(Silicon Carbide)、GaN(Gallium Nitride)、ダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体を用いても良く、本発明は、ワイドバンドギャップ半導体などゲート閾値電圧が低い電力用半導体に適用する場合に特に効果が大きい。これら電力用半導体素子は主端子1x(IGBTの場合コレクタ、MOSFETの場合ドレインに相当)と制御基準端子1y(IGBTの場合エミッタ、MOSFETの場合ソースに相当)の間を流れる電流を、制御端子(IGBTの場合もMOSFETの場合もゲート)1gと制御基準端子1yの間の電圧により制御するものである。エミッタなどの制御基準端子1yはコレクタなどの主端子1xと対になってメインの電流を流すための端子であるから第二の主端子と呼んでもよいが、制御の基準ともなる端子であるから本発明では制御基準端子と呼ぶ。以下、IGBTを例にとって説明するため、主端子1xはコレクタ、制御基準端子1yはエミッタ、制御端子1gはゲートとして説明する。なお、図においてコレクタ、エミッタ、ゲートはIGBTの記号で判別できるので、図の煩雑さを避けるため図1以外では1x、1y、1gに相当する符号は記載しない。
【0013】
IGBT1の駆動回路100は、正の電圧+Vccを発生する電源、すなわち電源端子6およびグランド端子8を有する電源を備えている。そして、IGBT1のターンオン時にゲート1gに電流を流し込んで充電する充電用制御回路としての充電用定電流源3、IGBT1のエミッタ1yとグランド端子8との間に接続された充電用スイッチ7、IGBT1のターンオフ時にゲート1gから電流を流し出して放電する放電用制御回路としての放電用定電流源5、IGBT1のゲート1gとグランド端子8との間に接続された放電用スイッチ4、外部からのIGBTのオン・オフ指令S1を受け、放電用スイッチ4、充電用スイッチ7へのオン・オフ指令S3,S4を出力する制御回路10からなる。ここで、充電用定電流源3および放電用定電流源5は共に電源端子6に接続されており、定電流源の元となる電源として負電圧の電源を必要としない。
【0014】
IGBT1には並列にダイオード2が接続されている。ここで述べるIGBT1とダイオード2と駆動回路100の組み合わせは、例えば図2に示す3相インバータ回路など、各種電力変換器に用いることが可能である。すなわち、図2における100a〜100f、電力用半導体1a〜1f、ダイオード2a〜2f、および接続点9a〜9fが、それぞれ図1の駆動回路100、IGBT1、ダイオード2、および黒逆三角(▼)で示す点9に相当する。
【0015】
図3は図1の回路、すなわち実施の形態1による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。図3は、上からS1の信号状態、S3の信号状態、S4の信号状態、ゲート電流Ig、ゲート1g−エミッタ1y間電圧Vgeを示している。S1、S3、S4の信号状態は、上がオン状態、下がオフ状態を示す。時刻t0に、S1によってIGBT1のオン指令が入ると、S4がオン指令を、S3がオフ指令を出力し、充電用スイッチ7がオン、放電用スイッチ4がオフする。電源端子6(+Vcc)−充電用定電流源3−IGBT1のゲート1g‐IGBT1のエミッタ1y‐充電用スイッチ7−グランド端子8のループでゲート電流Igが流れ、IGBT1のゲート1g−エミッタ1y間は充電される。このとき、ゲート‐エミッタ間電圧Vgeは−Vccから+Vccまで変化する。IGBT1のゲート−エミッタ間電圧Vgeが+Vccまで充電される時刻t1でIGBT1のゲート電流Igはほぼ流れなくなる。また、時刻t2にS1によってIGBT1のオフ指令が入ると、S4がオフ指令を、S3がオン指令を出力し、充電用スイッチ7がオフ、放電用スイッチ4がオンする。電源端子6−放電用定電流源5−IGBT1のエミッタ1y−IGBT1のゲート1g−放電用スイッチ4−グランド端子8のループでゲート電流Igが流れ、IGBT1のゲート1g−エミッタ1yは放電し、逆の電位まで充電される。すなわち、ゲート−エミッタ間電圧Vgeは+Vccから−Vccまで変化する。
【0016】
このように、本実施の形態1によれば、充電用制御回路としての定電流源を電源端子6とゲート間に、放電用制御回路としての定電流源を電源端子6とエミッタ間にそれぞれ備え、ゲート電位とエミッタ電位を電源端子6の電位+Vccと駆動回路100のグランドに切り替えることで、Vgeを+Vcc〜−Vccの電圧とすることができ、ターンオン・ターンオフ時のどちらでも一定ゲート電流でのスイッチングを可能にしている。
【0017】
これに対し、特許文献2のような、ゲート端子とグランドの間にターンオフ用の定電流源を接続した構成では、ゲート端子とグランド間の電位差が小さくなると、定電流源の駆動能力が低下する。この構成は、IGBTのゲート閾値電圧(Vth)が高い場合は問題ないが、Vthが低く0Vに近い場合は、駆動能力が低下した状態でVth付近をVgeが通過するため、ターンオフのスイッチング速度が低下する。本実施の形態の構成では、Vgeが−Vcc程度まで放電用定電流源5の駆動能力が低下しないため、ターンオフ時のスイッチング速度低下を防ぐことができる。
【0018】
図3のVge波形に示すように、ゲート−エミッタ間電圧が一定となる期間がある。これはゲート電流がゲート−エミッタ間を充電する以外に、ゲート‐コレクタ間容量を充電する期間があるためで、この期間ではゲート−エミッタ間電圧が一定となりこの期間分スイッチングが遅くなる。この効果はミラー効果として知られており、ゲート−エミッタ間電圧が一定となる期間をミラー期間、この期間の一定電圧をミラー電圧と呼ぶ。IGBT1のゲートに定電圧をかけて駆動する定電圧駆動の場合、このミラー期間には、(Vcc−Vth)÷Rg(ここでRgはゲート抵抗)で決まるゲート電流が流れる。ゲート電流がゲート‐コレクタ間容量を充電し終えるまでミラー期間は続く。コレクタ電圧が変化するのはミラー期間であるため、ミラー期間を一定にできれば、コレクタ電圧が変化している間のターンオン損失(コレクタ電圧×コレクタ電流)のばらつきを無くすることができる。ミラー期間を一定にするには、ゲート1g‐コレクタ1x間容量が一定でかつ、ゲート電流を一定にすればよい。一般にゲート1g‐コレクタ1x間容量のばらつきに比べてVthのばらつきが大きいため、定電圧駆動ではゲート電流を一定にすることが出来ない。よって、スイッチング損失のばらつきを小さくするためには、ゲート電流を一定にする定電流駆動が必要となる。ただし、スイッチング損失のばらつきが問題にならない場合には必ずしも定電流源駆動が必要ではない。
【0019】
図1で示した回路の詳細な回路構成の一例を図4に示す。放電用スイッチ4はダイオード18、抵抗19、MOSFET20で構成している。充電用スイッチ7はダイオード28、抵抗29、MOSFET30で構成している。ダイオード18は、充電用スイッチ7がオンしたときに、充電用定電流源3を通らずにMOSFET20に内蔵されているダイオードを通ってIGBT1のゲートへ逆流する電流を防ぐために用いている。また、ダイオード28も同様に、放電用スイッチ4がオンしたときにMOSFET30に内蔵されているダイオードを通って逆流する電流を防ぐために用いている。
【0020】
充電用定電流源3はPNPバイポーラトランジスタ11、12からなるカレントミラー回路とMOSFET13、抵抗14、オペアンプ15、正電圧源16、抵抗17からなる定電流源で構成される。抵抗17はPNPトランジスタ12から流れ出る電流がIGBT1のターンオンに必要な所望のゲート電流となるように設定する。また、放電用定電流源5は充電用定電流源3と同様の構成となっている。すなわち、放電用定電流源5はPNPバイポーラトランジスタ21、22からなるカレントミラー回路とMOSFET23、抵抗24、オペアンプ25、正電圧源26、抵抗27からなる定電流源で構成される。抵抗27はPNPトランジスタ22から流れ出る電流がIGBT1のターンオフに必要な所望のゲート電流となるように設定する。
図4の回路構成により図1、図3で説明した動作が実現できる。
【0021】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2を示す電力用半導体の駆動回路の等価回路である。図5において図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。図5に示す実施の形態2では図1に示す実施の形態1に加え、電源端子6と充電用定電流源3の間にスイッチ31を、電源端子6と放電用定電流源5の間にスイッチ32を接続している。
【0022】
図6は図5の回路、すなわち実施の形態2による電力用半導体の駆動回路の動作を示すシーケンス図である。S1〜S5はそれぞれオン・オフの状態、すなわち上がオン、下がオフの状態を示している。以下図6に示すシーケンス図を用いて回路動作を説明する。時刻t0に、S1によってIGBTのオン指令が入ると、S4がオン指令を、S3がオフ指令を出力し、充電用スイッチ7がオン、放電用スイッチ4がオフする。また、S2がΔTonの期間だけオン指令を出力し、スイッチ31がオンする。電源端子6−スイッチ31−充電用定電流源3−IGBT1のゲート‐IGBT1のエミッタ‐充電用スイッチ7−グランド端子8のループでゲート電流Igが流れ、IGBT1のゲートは充電される。このとき、ゲート‐エミッタ間電圧Vgeは−Vccから+Vccまで充電される。また、時刻t2にS1によってIGBT1のオフ指令が入ると、S4がオフ指令を、S3がオン指令を出力し、充電用スイッチ7がオフ、放電用スイッチ4がオンする。また、S5がΔToffの期間だけオン指令を出力し、スイッチ32がオンする。電源端子6−スイッチ32−放電用定電流源5−IGBT1のエミッタ−IGBT1のゲート−放電用スイッチ4−グランド端子8のループでゲート電流Igが流れ、IGBT1のゲートは放電される。このとき、ゲート−エミッタ間電圧Vgeは+Vccから−Vccまで放電される。実施の形態1と比較して、スイッチ31とスイッチ32を付加して、ゲートに電流が流れる間だけ充電用定電流源3および放電用定電流源5から電流を流すようにしており、充電用定電流源3と5の通電時間を制限できることが特徴である。実施の形態1では、例えば充電用スイッチ7がオンしているとき、放電用定電流源5からエミッタ−ゲートへは電流が流れないが、放電用定電流源5からグランド端子8に電流が流れる。これに対して本実施の形態2ではこの期間はスイッチ32がオフしているため放電用定電流源5は電流を流さない。充電用定電流源3についても同様である。よって、本実施の形態2は実施の形態1と比較して、定電流源の通電時間を短くできるため、駆動回路の損失を低減できる。
【0023】
詳細な回路構成の一例を図7に示す。図7において図4と同一符号は同一または相当す
る部分を示す。図7の回路では、実施の形態1の詳細回路図である図4に示す回路に、スイッチ31の機能を持つ部品としてMOSFET34と抵抗33を加え、スイッチ32の機能を持つ部品として、抵抗35とMOSFET36を加えている。
【0024】
S1によってIGBTのオン指令が入ると、S2がオン指令を出力し、MOSFET34がオンする。後述するように抵抗17の抵抗値は抵抗33の抵抗値よりも小さく設定されているため、ほぼ抵抗17で決まる電流がPNPトランジスタ11に流れ、カレントミラー動作により、PNPトランジスタ12からゲート電流が流れ出る。S2はΔTon後にオフ指令を出力し、PNPトランジスタから流れ出る電流は抵抗33で決まる電流値まで低下する。ΔTonはゲート電圧が上昇する時間(t1−t0)よりも長い時間に設定する。
【0025】
S1によってIGBTのオフ指令が入ると、S5がオン指令を出力し、MOSFET36がオンする。抵抗27の抵抗値は抵抗35の抵抗値よりも小さく設定されているため、ほぼ抵抗27で決まる電流がPNPトランジスタ21に流れ、カレントミラー動作により、PNPトランジスタ22からゲート電流が流れ出る。S5はΔToff後にオフ指令を出力し、PNPトランジスタから流れ出る電流は抵抗35で決まる電流値まで低下する。ΔToffはゲート電圧が下降する時間(t3−t2)よりも長い時間に設定する。
【0026】
通常IGBTのゲート−エミッタ間には、ゲート−エミッタ間が帯電して誤動作しないように帯電防止用の抵抗が接続される。そこで、IGBTのオン期間にIGBT1のゲート−エミッタ間に充電された電荷が放電して電圧が低下しないようわずかな電流をゲート−エミッタ間に流すようにする。抵抗33はこのために挿入されており、抵抗33を抵抗17よりも大きな適当な値に設定することで、IGBT1のオン期間であってMOSFET34がオフしている間も、ゲート−エミッタ間にわずかな電流を流すことができる。同様に、抵抗35は抵抗27よりも大きな適当な値に設定することにより、IGBT1のオフ期間であってMOSFET36がオフしている期間にIGBT1のゲート−エミッタ間に逆充電された電荷が放電して電圧が上昇しないようわずかな電流をエミッタ−ゲート間に流すようにする。
【0027】
このようにして本実施の形態2による電力用半導体の駆動回路によれば、充電用定電流源3および放電用定電流源5から不要な電流を流出させることなく、すなわち定電流源の損失を抑えながらIGBTを確実にオン、オフできる
【0028】
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3による電力用半導体の駆動回路、図9はその動作を示すシーケンス図である。図8において、図7と同一符号は同一または相当する部分を示す。本実施の形態3の駆動回路は、充電用定電流源3であるカレントミラーを構成するPNPトランジスタ12と放電用定電流源5であるPNPトランジスタ22の2個のPNPトランジスタを1個のPNPトランジスタ11で駆動する構成である。PNPトランジスタ12のコレクタをIGBT1のゲートに接続し、PNPトランジスタ22のコレクタをIGBT1のエミッタに接続している。PNPトランジスタ11のコレクタは定電流回路を構成するMOSFET13のドレインに接続する。IGBT1をオンさせる場合は、制御回路10から信号S2を出力し、MOSFET34をオンさせる。抵抗17はゲート電流Ig(=Ie)がIGBT1のオンのための所望の電流になるように設定する。IGBT1をオフさせる場合は、制御回路10から信号S5を出力し、MOSFET36をオンさせる。抵抗27はゲート電流Ig(=Ie)がIGBT1のオフのための所望の電流になるように設定する。
【0029】
図9により動作を説明する。S1によってIGBT1のオン指令が入ると、S1の立ち
上がりの時刻t0からΔTonだけS2はオン指令を出力する。MOSFET34がオンすると、PNPトランジスタ12、および22には抵抗17で設定される同じ電流(Ib1=Ib2)が流れる。このときS3はオフ指令を出し、S4はオン指令を出すため、MOSFET20がオフ、MOSFET30がオンし、Ib2はMOSFET30へ流れ、IGBT1のエミッタへは流れない。MOSFET20はオフしているため、Ib1はIGBT1のゲートへ流れ、IGBT1のゲート−エミッタ間を充電し、IGBT1をオンさせる。IGBT1がオフするときは、スイッチング指令S1の立下り始めの時刻t2からΔToffだけS5信号はオン指令を出力する。MOSFET36がオンすると、PNPトランジスタ12、および22には抵抗27で設定される同じ電流(Ib1=Ib2)が流れる。このときS3はオン指令を出し、S4はオフ指令を出すため、MOSFET20がオン、MOSFET30がオフし、Ib2がIGBT1のエミッタへ流れIGBT1のゲート−エミッタ間を放電する。
【0030】
本実施の形態3では、実施の形態1と同様に定電流源をゲート側とエミッタ側に備えることで定電流によるターンオン、ターンオフを行うことができる。また、Vgeに+Vcc〜−Vccの電圧をかけることができるので、Vthが低くても確実かつ高速にターンオフすることができる。また、実施の形態1では定電流回路を2つ設けていたが、本実施の形態3では一つの定電流回路を用いてオン用とオフ用の2つのカレントミラー回路を駆動するため、実施の形態1に比較して部品数を削減することができる。
【0031】
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4による電力用半導体の駆動回路の等価回路を示す図、図11は詳細回路を示す図である。図10、11において図1、図4、図5、図7と同一符号は同一または相当する部分を示す。実施の形態1から3ではターンオフ用、すなわち放電用制御回路として放電用定電流源5を用いていたが、本実施の形態4では、図10に示すように放電用定電流源5を省いて電源端子6を放電用制御回路としてのスイッチ32を介して直接エミッタに接続している。すなわち、放電用制御回路がスイッチのみで構成されている。スイッチ32は図11の詳細回路ではMOSFET39がその機能を有している。図10、図11で示す実施の形態4による駆動回路では、ターンオフ、すなわちゲートを放電する際のゲート電流が実施の形態2とは異なり定電流とはならないが、それ以外の回路動作は図5で示す実施の形態2の場合と同じである。放電用定電流源5を省くことで、部品数が減り、回路構成を簡単にできる。ターンオンに比べて、ターンオフの場合はゲート閾値電圧Vthのばらつきによるスイッチング損失のばらつきが小さいので、放電用定電流源5を省いても、悪影響を受けずに低コスト化を図ることができる。
【0032】
図12は、本発明の実施の形態4による別の電力用半導体の駆動回路の等価回路を示す図である。図12では、図10で用いていた充電用定電流源5も省き、充電用制御回路をスイッチ31のみで構成している。このような構成であっても、定電流源を用いる効果は得られないものの、簡単な構成でIGBT1のターンオフ時に負バイアスを掛けることができるので、IGBT1を高速かつ確実にオフすることができる。特に、ゲート閾値電圧Vthが低いワイドバンドギャップ半導体では、Vthのばらつきがスイッチング損失のばらつきに影響する程度が小さいため、充電用制御回路として定電流源を用いない図12の構成でも実用的な性能を得ることができる。
【0033】
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5による電力用半導体の駆動回路の等価回路を示す図、図14はその動作を示すシーケンス図である。実施の形態5は図13に示すように、3相インバータの下アームに本発明を適用した場合の実施例である。例えば、図2の例におけるIGBT1b、IGBT1d、IGBT1fに適用したような場合である。各相の下アームのIGBT1b、IGBT1d、IGBT1fに対して、それぞれのゲート端子に充電用定電流源3b、3d、3fを接続する。また、充電用定電流源3b、3d、3fと電源端子6との間に、制御指令S2b、S2d、S2fで制御されるスイッチ31b、31d、31fを接続する。IGBT1のゲート端子とグランド端子8との間には、制御指令S3b、S3d、S3fで制御される放電用スイッチ4b、4d、4fを接続する。また、各IGBT1のエミッタは共通に接続されているため、エミッタに電位を与える回路も共通にし、電源端子40、スイッチ32、充電用スイッチ7、グランド端子8からなる一組だけとする。電源端子40の電圧値は、電源端子6の電圧よりも低い値とし、IGBT1のゲート−エミッタ間電圧が(電源端子6の電圧値)−(電源端子40の電圧値)の場合も、IGBT1が十分オンするような電圧値に設定する。図15にIGBT1の伝達特性を示す。IGBT1を用いる装置における最大電流をImaxとすると、ゲート電圧がVge_m以上あれば、大幅な損失の増加なく、通電することが可能である。(電源端子6の電圧値)−(電源端子40の電圧値)は、Vge_m以上の値に設定する。
【0034】
IGBT1bがオンし、IGBT1fがオフする場合の動作を説明する。他のスイッチングの組み合わせでも同様の動作となるため、この動作のみを説明する。S1bがオンとなると、S2bによってスイッチ31bがオンし、S3bによって放電用スイッチ4bがオフする。また、S4によってスイッチ32はオフし、S5によって充電用スイッチ7はオンとなる。そのため、電源端子6‐スイッチ31b‐充電用定電流源3b‐IGBT1bのゲート‐IGBT1bのエミッタ‐充電用スイッチ7‐グランドのループでゲート電流が流れIGBT1bはオンする。IGBT1bのオンと同様の動作でIGBT1fがオンしたのち、S1fによってIGBT1fにオフ指令が入ると、スイッチ31fがオフし、放電用スイッチ4fがオンする。同時にスイッチ32がオンし、充電用スイッチ7がオフするため、IGBT1fのエミッタ電位は(電源端子40の電圧値)まで上昇し、IGBT1fのゲート‐エミッタ間には−(電源端子40の電圧値)が印加されるためIGBT1fは高速、かつ確実にオフできる。また、IGBT1bのゲート‐エミッタ間電圧は(電源端子6の電圧値)−(電源端子40の電圧値)まで低下するが、この電圧はVge_m以上に設定しているのでIGBT1bは十分にオンが維持でき、損失の増加にはつながらない。
【0035】
本実施の形態5によれば、電源端子40の電圧値は電源端子6の電圧値とは異なるが、電源端子40は電源端子6と同じ極性の電圧源のため電源端子6から簡単に作り出すことが可能で、簡単な構成でIGBT1のターンオフ時に負バイアスを掛けることができるので、IGBT1を高速かつ確実にオフすることができる。
【0036】
実施の形態6.
図16は本発明の実施の形態6による電力用半導体の駆動回路を示す等価回路である。図16において図13と同一符号は同一または相当する部分を示す。本実施の形態6では、実施の形態5で用いていた充電用定電流源3b、3d、3fを用いず、各IGBTのゲートから充電用制御回路としての充電用制御スイッチ31b、31d、31fを介して直接電源端子6に接続している。すなわち、放電用制御回路のみならず充電用制御回路もスイッチのみで構成されている。本実施の形態6によれば、定電流源を用いる効果は得られないものの、簡単な構成でIGBT1のターンオフ時に負バイアスを掛けることができるので、IGBT1を高速かつ確実にオフすることができる。特に、ゲート閾値電圧Vthが低いワイドバンドギャップ半導体では、Vthのばらつきがスイッチング損失のばらつきに影響する程度が小さいため、本実施の形態6のような定電流源を用いない構成でも実用的な性能を得ることができる。
【0037】
実施の形態7.
図17は本発明の実施の形態7による電力用半導体の駆動回路、図18は図17の回路の動作を示すシーケンス図である。図17において図8と同一符号は同一または相当する
部分を示す。本実施の形態7は図8に示す実施の形態3における抵抗19をインダクタ37に変更し、IGBT1のエミッタに接続していた回路を省いてエミッタを直接グランド端子8に接続している。さらに、カレントミラー回路を構成するPNPトランジスタ12のコレクタとIGBT1のゲートとの間に、IGBT1のゲート側をドレインとしてMOSFET38を充放電制御スイッチとして接続している。インダクタ37と直列に接続されているMOSFET20は放電用スイッチとして動作する。
【0038】
図18のシーケンス図を用いて動作を説明する。IGBT1のターンオンは次のようになる。S1によってIGBT1のオン指令が入ると、S2はΔTonの期間だけオン指令を出力する。S3にはS1と反転された信号が出力され、放電用スイッチであるMOSFET20はオフになる。そのため、抵抗17によって定まるIbがそのままIGBT1のゲートに流れ、ゲート−エミッタ間を充電する。IGBT1のターンオフは次のようになる。S1によってIGBT1のオフ指令が入ると、S5はΔTの期間だけMOSFET36にオン信号を出力する。S3信号により、MOSFET20がオンしているため、IbはIGBT1のゲートには流れず、MOSFET20へと流れ、インダクタ37にはエネルギーが蓄えられる。その後、S5によってMOSFET36をオフし、S4によって充放電制御スイッチであるMOSFET38をオンさせると、PNPバイポーラトランジスタ12から供給されていた電流Ibは小さくなり、インダクタ37の電流は流れ続けようとするため、IGBT1のゲートから電流が流れ出す。IGBT1のゲートから電流が流れ出してインダクタ37に蓄えられていたエネルギーがIGBT1のゲート−エミッタ間容量に転移したところ(時刻t4)で、ダイオード19があるため電流の流れが止まる。
【0039】
本実施の形態7によれば、ターンオフ時にインダクタのエネルギーをゲート−エミッタ間に転移させる構成としたことにより、実施の形態1〜6と同様に、ターンオフ時、すなわちゲート−エミッタ間を放電させるのに負電圧の電源を用いずに、正電圧の電源のみを用いる簡単な構成でIGBT1のゲート−エミッタ間に負バイアスをかけることができ、IGBT1を高速かつ確実に遮断することができる。
【符号の説明】
【0040】
1:IGBT(電力用半導体) 1g:制御端子(ゲート)
1x:主端子(コレクタ) 1y:制御基準端子(エミッタ)
3:充電用定電流源(充電用制御回路) 4、4b、4d、4f:放電用スイッチ
5:放電用定電流源(放電用制御回路) 6:電源端子
7:充電用スイッチ 8:グランド端子
31、31b、31d、31f:スイッチ(充電用制御回路)
32:スイッチ(放電用制御回路)
37:インダクタ 38:充放電制御スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主端子と制御基準端子と制御端子とを有しこの制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して上記主端子と上記制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動するための駆動回路であって、
電源端子とグランド端子とを有する電源を備え、
上記電源端子と上記制御端子との間に充電用制御回路を、
上記制御基準端子と上記グランド端子との間に充電用スイッチを、
上記電源端子と上記制御基準端子との間に放電用制御回路を、
上記制御端子と上記グランド端子との間に放電用スイッチを、
設けたことを特徴とする電力用半導体の駆動回路。
【請求項2】
充電用制御回路が定電流源回路であることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項3】
充電用制御回路がスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項4】
放電用制御回路が定電流源回路であることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項5】
放電用制御回路がスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項6】
電力用半導体がワイドバンドギャップ半導体であることを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項7】
電源端子とグランド端子とを有する電源を備えた駆動回路により、主端子と制御基準端子と制御端子とを有し、この制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して上記主端子と上記制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動するための駆動方法において、
上記電源端子から上記制御端子を経て、上記制御基準端子から上記グランド端子へ電流を流すことにより上記制御端子と上記制御基準端子との間に電荷を充電して上記電力用半導体をオンするターンオンステップと、
上記電源端子から上記制御基準端子を経て、上記制御端子から上記グランド端子へ電流を流すことにより上記制御端子と上記制御基準端子との間に充電された電荷を放電して上記電力用半導体をオフするターンオフステップと、
を有することを特徴とする電力用半導体の駆動方法。
【請求項8】
電力用半導体がワイドバンドギャップ半導体であることを特徴とする請求項7に記載の電力用半導体の駆動方法。
【請求項9】
主端子と制御基準端子と制御端子とを有し、この制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して上記主端子と上記制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を複数用いた電力変換器における、上記複数の電力用半導体のうち一部の複数の電力用半導体のそれぞれの制御基準端子が共通に接続された電力用半導体を駆動するための駆動回路であって、
第一の電源端子と、この第一の電源端子の電圧と極性が同じ電圧でかつ電圧値が上記第一の電源端子の電圧値よりも低い電圧値を有する第二の電源端子と、グランド端子とを有する電源を備え、
上記それぞれの制御基準端子が共通に接続された複数の電力用半導体のそれぞれの制御端子と上記第一の電源端子との間にそれぞれ充電用制御回路を、
上記それぞれの制御基準端子が共通に接続された複数の電力用半導体の上記それぞれの制御基準端子の共通の接続点と上記グランド端子との間に充電用スイッチを、
上記それぞれの制御基準端子が共通に接続された複数の電力用半導体の上記それぞれの制御基準端子の共通の接続点と上記第二の電源端子との間にスイッチを、
上記それぞれの制御基準端子が共通に接続された複数の電力用半導体の上記それぞれの制御端子と上記グランド端子との間にそれぞれ放電用スイッチを、
設けたことを特徴とする電力用半導体の駆動回路。
【請求項10】
それぞれの充電用制御回路が定電流源とスイッチとの直列体であることを特徴とする請求項9に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項11】
それぞれの充電用制御回路がスイッチであることを特徴とする請求項9に記載の電力用半導体の駆動回路。
【請求項12】
主端子と制御基準端子と制御端子とを有し、この制御端子と制御基準端子との間に充電される電荷を制御して上記主端子と上記制御基準端子との間を流れる電流を制御するよう構成された電力用半導体を駆動するための駆動回路であって、
電源端子とグランド端子とを有する電源を備え、
上記制御基準端子を上記グランド端子に接続し、
定電流源を充放電制御スイッチを経て上記制御端子に接続し、
上記定電流源と上記充放電制御スイッチの接続点と上記グランド端子の間にリアクトルと放電用スイッチの直列体を設けたことを特徴とする電力用半導体の駆動回路。
【請求項13】
請求項12に記載の電力用半導体の駆動回路を用いる電力用半導体の駆動方法であって、
定電流源から充放電制御スイッチを経て制御端子から制御基準端子を通じてグランド端子に電流を流すことにより上記制御端子と上記制御基準端子の間に電荷を充電して上記電力用半導体をオンするターンオンステップと、
上記充放電制御スイッチをオフするとともに、放電用スイッチをオンして上記定電流源からリアクトルと上記放電用スイッチの直列体を経て上記グランド端子に電流を流すことにより上記リアクトルにエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積ステップと、
上記エネルギー蓄積ステップに引き続くステップであって、上記リアクトルに流す電流値を上記エネルギー蓄積ステップにおいて上記リアクトルに流していた電流値よりも減ずるとともに上記充放電制御スイッチをオンすることにより、上記エネルギー蓄積ステップにおいて上記リアクトルに蓄積されたエネルギーを上記制御端子と上記制御基準端子の間に転移させて上記制御端子と上記制御基準端子の間の電荷を放電することにより上記電力用半導体をオフするターンオフステップと、
を有することを特徴とする電力用半導体の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−24368(P2011−24368A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168833(P2009−168833)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】