説明

電動工具

【課題】 小型化された冷却効率が高い電動工具の提供。
【解決手段】 本発明の電動工具のハウジング内には、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを備えたモータが収容されている。さらにハウジング内には、モータによって駆動される出力部の一部が収容されている。ステータは、凸部が設けられたステータコアと、凸部と当接可能な突起部が設けられてステータコアに接続されるインシュレータと、インシュレータに固定されるコイルを備えている。インシュレータはコイルとステータコアとを絶縁している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AC電源から整流子モータに供給された電力により駆動される電動工具、例えばインパクトドライバが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−126344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のインパクトドライバは、モータと、モータを収容するハウジングと、ハウジングに収容されモータから駆動力を受取る出力部とから主に構成されている。モータは、冷却ファンと、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを主に有し、ステータは、ステータコアと、ステータコアに接続されるインシュレータと、インシュレータに固定されるコイルとから構成されている。
【0005】
ステータコアとインシュレータとは、ステータコアに形成された孔にインシュレータに設けられた突起が挿入されることによって互いに接続されている。モータの出力を決定する要素の一つは、コイルによって発生する磁束である。この磁束は、ステータコアの体積によって決まるため、ステータコアに孔を形成することによってモータに発生する磁束が減少することが懸念されていた。さらに、インパクトドライバに用いるモータのステータコアはそれ自体がもともと小型であることから、孔によって減少する体積がモータの出力に与える影響は顕著であった。従って、所望の出力を得るためにはステータコアのサイズを大きくせざるを得ず、インパクトドライバの小型化は困難であった。
【0006】
さらに、従来のインパクトドライバでは、ハウジングには冷却ファンによって外気を取込む2つの吸気口と冷却風を排出する排気口とが形成されている。より詳細には、1の吸気口はモータに対して出力部の反対側(後方)に形成されており、他の吸気口はモータの回転軸に直交する方向(側方)に形成されている。排気口は、冷却ファンの回転軸の半径方向外方に形成されている。
【0007】
従来のインパクトドライバだと吸気口が2つ形成されているため、1の吸気口から取込まれた冷却風と他の吸気口から取込まれた冷却風とが衝突することによって、円滑な冷却風の流れが阻害されていた。これによってモータの冷却効率が低下していた。
【0008】
そこで本発明は、小型化された冷却効率が高い電動工具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータと、を有し、前記ハウジングに収容されるモータと、前記モータによって駆動される出力部と、を有する電動工具であって、前記ステータは、凸部が設けられたステータコアと、前記凸部と当接可能な突起部が設けられて前記ステータコアに接続されるインシュレータと、前記インシュレータに固定されるコイルと、を有することを特徴とする電動工具を提供している。
【0010】
このような構成によると、ステータコアとインシュテータとは凸部と突起部とが当接することによって嵌合しているため、ステータコアに穴等をあけることなくインシュレータをステータコアに固定することができる。これにより、ステータコアの穴による磁束の減少を防止することが可能となるため、従来と同サイズのモータであってもモータパワーを向上させることができる。さらに、これによってモータのサイズを小さくすることが可能になるため、製品の小型化を図ることができる。
【0011】
さらに、前記突起部は複数設けられていることが好ましい。
【0012】
このような構成によると、突起部は複数設けられていることから、ステータコアとインシュレータとをより強固に固定することができる。
【0013】
さらに、前記ステータコアは略円筒形状をなし、前記凸部は前記ステータコアの外周面に設けられており、前記突起部は前記インシュレータの外周面に設けられていることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、凸部はステータコアの外周面に設けられており突起部はインシュレータの半径方向外側の面にもうけられていることから、ステータコアの内部に設けられている場合と比較するとステータコアの内部空間を有効に利用することが可能となる。これにより、コイルの巻き数を増やすことが可能になり、モータパワーを向上させることができる。そうすると、モータのサイズを小さくすることが可能になるため、製品の小型化を図ることができる。
【0015】
さらに、前記ハウジングは第1ハウジングと第2ハウジングとから構成され、前記ステータコアは、前記凸部と、前記第1ハウジング及び第2ハウジングと、が当接することにより前記ハウジング内に保持されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、ステータコアは凸部によって第1ハウジングと第2ハウジングに支持されているため、凸部はインシュレータをステータコアに固定する部材として使用されるとともにステータコアをハウジングに固定する部材として使用されている。これにより、新たに固定する部材を設けることなくステータコアをハウジングに固定することが可能となる。
【0017】
さらに、前記ステータコアの内面には、軸方向に延びる複数のスロットが円周方向に並んで複数形成されており、それぞれの前記スロットの内周面全体には絶縁紙が配置されていることが好ましい。
【0018】
さらに、前記インシュレータは、前記ステータコアの軸方向端面にそれぞれ当接するように設けられていることが好ましい。
【0019】
このような構成によると、スロットの内周面全周に亘って絶縁紙が配置されていることから、ステータコアとコイルとを絶縁紙によって確実に絶縁することができる。また、インンシュレータによってステータコアとコイルとを絶縁する場合と比較すると、絶縁紙で絶縁する場合のほうがスロット内の空間を広く確保することができ、コイルの巻き数を増やすことができる。これにより、モータパワーを向上させることができ、モータのサイズを小さくすることが可能になるため、製品の小型化を図ることができる。
【0020】
本発明の別の観点では、吸気口及び排気口が形成されたハウジングと、前記ハウジングに収容され、出力軸と前記出力軸に固定された冷却ファンとを備えるモータと、前記出力軸によって駆動され、前記ハウジングに前記モータと並んで配置され、一部が外部に露出している出力部と、を有する電動工具であって、前記吸気口は前記モータに対して前記出力部の反対側にのみ形成され、前記排気口は前記冷却ファンの半径方向外方に形成されていることを特徴とする電動工具を提供している。
【0021】
このような構成によると、吸気口はモータに対して出力部の反対側にのみ形成されているため、吸気口が複数の場所に形成されている場合と比較すると、気流の衝突が無い。これにより、円滑に外気を取り込むことが可能となり、モータの冷却効率を上げることができる。
【0022】
さらに、前記モータはブラシレスモータであって、前記モータと前記吸気口との間には前記モータに通電するための複数のスイッチング素子が配置されていることが好ましい。
【0023】
このような構成によると、吸気口とモータとの間にスイッチング素子が配置されているため、冷却ファンの回転によってスイッチング素子も同時に冷却することができる。
【0024】
さらに、前記スイッチング素子は略直方体であって、前記略直方体の長手方向が前記出力軸の軸方向と平行になるように配置されていることが好ましい。
【0025】
このような構成によると、スイッチング素子の長手方向が軸方向と平行なため、スイッチング素子を効率的に冷却することができる。
【0026】
さらに、前記スイッチング素子は、前記出力軸の軸方向視において前記吸気口と重複するような位置に配置されていることが好ましい。
【0027】
さらに、前記冷却ファンは、遠心ファンであることが好ましい。
【0028】
このような構成によると、軸方向視において吸気口とスイッチング素子とが重複するように配置されているため、スイッチング素子を効率的に冷却することができる。
【0029】
本発明の別の観点によると、ハウジングと、ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータと、を有し、前記ハウジングに収容されるモータと、前記モータによって駆動される出力部と、を有する電動工具であって、前記ステータは、係合部を有するステータコアと、前記係合部と係合可能な被係合部が設けられて前記ステータコアに接続されるインシュレータと、前記インシュレータに固定されるコイルと、を有することを特徴とする電動工具を提供している。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、小型化された冷却効率が高い電動工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のインパクトドライバの断面図。
【図2】本発明のインパクトドライバの外観図。
【図3A】本発明のインパクトドライバの背面図。
【図3B】本発明のインパクトドライバの吸気口とスイッチング素子との位置関係を説明するための図。
【図4】本発明のインパクトドライバのモータの側面図。
【図5A】本発明のインパクトドライバのモータの正面図。
【図5B】本発明のインパクトドライバのモータの図4におけるV−V線の断面図。
【図5C】本発明のインパクトドライバのモータのステータコアの断面図。
【図6】本発明のインパクトドライバのモータのステータコアの分解斜視図。
【図7A】本発明のインパクトドライバのインバータ回路基板の正面図。
【図7B】本発明のインパクトドライバのインバータ回路基板の背面図。
【図7C】本発明のインパクトドライバのインバータ回路基板の側面図。
【図8A】本発明のインパクトドライバのハンマケースの側面図。
【図8B】本発明のインパクトドライバのハンマケースの正面図。
【図8C】本発明のインパクトドライバのハンマケースの斜視図。
【図9】本発明のインパクトドライバのライト周辺の分解斜視図。
【図10】本発明のインパクトドライバの基板収容部の平面図。
【図11A】本発明のインパクトドライバの制御回路基板の平面図。
【図11B】本発明のインパクトドライバの制御回路基板の底面図。
【図12A】本発明のインパクトドライバの電源回路基板の平面図。
【図12B】本発明のインパクトドライバの電源回路基板の側面図。
【図13】本発明のインパクトドライバの制御ブロック図。
【図14】本発明の変形例のインパクトドライバのライト周辺の部分拡大図。
【図15】本発明の変形例のインパクトドライバのライト周辺の部分拡大図。
【図16A】従来のインパクトドライバのハンマケースの側面図。
【図16B】従来のインパクトドライバのハンマケースの正面図。
【図16C】従来のインパクトドライバのハンマケースの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の電動工具の一例として、本発明の実施の形態によるインパクトドライバ1の構成について、図1から図13に基づき説明する。
【0033】
図1に示すように、インパクトドライバ1は、ハウジング2と、モータ3と、ギヤ機構4と、ハンマ5と、アンビル6と、ライト7と、制御部8と、電源コード9と、から主に構成されている。アンビル6には、先端工具10が着脱可能に装着されている。
【0034】
インパクトドライバ1の外郭は、ハウジング2と、樹脂製のカバー21とによって構成されている。カバー21には、金属製のハンマケース22が収容されていて、ハンマケース22の一部は外部に露出している(図2)。カバー21は、ストッパ22Aによってハンマケース22に固定されている。ハウジング2は、胴体部23と、ハンドル部24と、基板収容部25と、から構成されている。胴体部23は略筒状を有しており、カバー21及びハンマケース22と共同して、モータ3と、ギヤ機構4と、ハンマ5と、アンビル6とを、当該順序で収容している。以下の説明においては、アンビル6を前側、モータ3側を後側と定義する。また、胴体部23に対してハンドル部24が延出している方向を下方と定義し、逆を上方と定義する。また、図1における紙面方向手前側を右方向と定義し、逆を左方向と定義する。
【0035】
ハウジング2は、図3A及び3Bに示すように左右方向に分割可能な2つ割ハウジングであり、右半分を構成する第1ハウジング2Aと、左半分を構成する第2ハウジング2Bとから構成されている。第1ハウジング2Aと第2ハウジング2Bとは、図2に示すように、複数のビス2Cで互いに固定されている。胴体部23の後端面には外気を取込む複数の吸気口23aが形成されていて、胴体部23の側面には第1ハウジング2A及び第2ハウジング2Bのそれぞれに取込んだ外気を排出する複数の排気口23bが形成されている。ハウジング2における吸気口は、ハウジング2の後端面に形成された吸気口23aのみである。
【0036】
ハンドル部24には、トリガ26が設けられており、トリガ26はハンドル部24内に収容されたスイッチ機構27と接続している。トリガ26によって、モータ3への電力の供給と遮断とを切替えている。ハンドル部24と胴体部23と接続部分であってトリガ26の直上には、モータ3の回転方向を切替える切替スイッチ28が設けられている。
【0037】
基板収容部25には、制御部8が収容されており、電源コード9が下方に延出している。基板収容部25は、アンビル6から先端工具10が突出する方向(前方)に突出する突出部25Aを有している。突出部25Aのハンドル部24側の面(上面)には、後述の打撃力表示パネル81が設けられている。
【0038】
モータ3は、ブラシレスモータであって、前後方向に延びる出力軸31と、出力軸31に固定され複数の永久磁石を有するロータ32と、ロータ32を囲むように配置され複数のコイル33を備えるステータ34と、出力軸31に固定された冷却ファン35と、を有する。詳細なモータ3の構成は後述する。
【0039】
ギヤ機構4は、複数の歯車を備える遊星歯車機構で構成された減速機構であり、出力軸31の回転を減速してハンマ5に伝達している。
【0040】
ハンマ5は、前端に衝突部51を、アンビル6は、後端に被衝突部61を備えている。また、ハンマ5は、回転した際に衝突部51が被衝突部61と回転方向において衝突するように、バネ52により前方に付勢されている。このような構成により、ハンマ5が回転した際に、アンビル6に打撃が与えられることとなる。
【0041】
また、ハンマ5は、バネの付勢力に反して後方に移動することも可能に構成されており、衝突部51と被衝突部61との衝突後、ハンマ5はバネの付勢力に抗して回転しながら後退する。そして、衝突部51が被衝突部61を乗り越えると、バネに蓄えられた弾性エネルギーが解放されてハンマ5は前方に移動し、再び、衝突部51と被衝突部61とが衝突することとなる。
【0042】
ライト7は、カバー21によって保持されている。詳細なライト7の構成については後述する。制御部8は、基板収容部25内に収容されており、ハンドル部24内にも制御部8の素子の一部が収容されている。制御部8は、トリガ26の操作量に応じてモータ3に供給する電力量を調整することにより、モータ3の回転速度を制御している。制御部8の詳細な構成については後述する。電源コード9は、図示せぬ電源と接続することによりモータ3及び制御部8に電源を供給する。
【0043】
図6に示すように、ステータ34は、略円筒状のステータコア36と、ステータコア36の軸方向両端に設けられているインシュレータ37と、をさらに有する。ステータコア36の内部には、半径方向内方に突出するように円周方向に並んで6つのティース36Aが設けられており、各ティース36Aの間にスロット36aが規定されている(図5C)。つまり、スロット36aもティース36Aと同様に、円周方向に並んで6つ形成されている。スロット36aの内周面全体には、コイル33とステータコア36とを絶縁するための絶縁紙38が設けられている(図5A及び5B)。ステータコア36の外周面には、半径方向外方に突出するように4つの凸部36Bが設けられていて、各凸部36Bには円周方向の側面である当接面36Cが規定されている。ステータコア36は、第1ハウジング2A及び第2ハウジング2Bのそれぞれに設けられた図示せぬ凹部と凸部36Bとが嵌合することによってハウジング2に支持されている。つまり、ステータコア36は左右方向からハウジング2に支持されている。凸部36Bは、ハウジング2によって支持されると同時に、後述のようにインシュレータ37を固定する役割も果たしている。
【0044】
インシュレータ37は、コイル33とステータコア36とを絶縁するためにステータコア36の軸方向両端にそれぞれ設けられており、半径方向内方に突出するように円周方向に並んで6つのインシュレータ側ティース37Cが設けられている。インシュレータ37の外周面には、4つの突起部37Aが半径方向外方に突出するように設けられている。各突起部37Aには、円周方向側面であって当接部36Cと当接可能な被当接部37Bが規定されている。各インシュレータ37の前後方向の端面がステータコア36の前後方向の端面と当接するようにステータコア36に装着された状態では、各当接部36Cはそれぞれ被当接部37Bと当接し、インシュレータ37はステータコア36に対して円周方向に回転不能となっている(図5A〜C)。さらに、4つの突起部37Aとステータコア36との嵌合はきつめに設定されているため、インシュレータ37はステータコア36に対して軸方向にも移動不能となっている。このとき、各ティース36Aと各インシュレータ側ティース37Cとは円周方向において全て一致している。
【0045】
インシュレータ37には、コイル33が固定されている。より詳細には、図5Aに示すように、ステータコア36の両端に設けられたインシュレータ37のうちの一のインシュレータ37のインシュレータ側ティース37Cから巻き始められたコイル33は、スロット36aを通過して他のインシュレータ37のインシュレータ側ティース37Cに掛けられた後、スロット36aを通過して再び一のインシュレータ37に至る。この動作を複数回繰り返すことにより、コイル33はインシュレータ37に巻回される。このときコイル33は、インシュレータ37と絶縁紙38とによって確実にステータコア36と絶縁されている。コイル33をインシュレータ37に巻回する作業の際、インシュレータ37とステータコア36との位置がずれてしまうとコイル33を巻回することができないため、インシュレータ37とステータコア36とは確実に固定されている必要がある。本実施の形態では、4つの凸部36Bと4つの突起部37Aによってステータコア36とインシュレータ37とは確実に固定されている。
【0046】
冷却ファン35は、遠心ファンであり、出力軸31の軸方向のから取込んだ空気を半径方向外方に排出している。排気口23bは、胴体部23において冷却ファン35の半径方向外方に相当する位置に形成されている(図2)。
【0047】
モータ3とハウジング2に形成された吸気口23aとの間(モータ3の後側)には、インバータ回路基板39が上下方向に延びるように配置されている。図7A〜7Cに示すように、インバータ回路基板39上には、コイル33に供給する電力を制御する略直方体の6つのスイッチング素子39Aが、長手方向が出力軸31の軸方向と平行になるように配置されている。インバータ回路基板39の略中央部分には、出力軸31が貫通する貫通穴39aが形成されている。インバータ回路基板39のスイッチング素子39Aが設けられている側とは反対側の面(モータ側の面)には、ロータ32の位置を検出するための3つのホール素子39Bが60°の間隔を隔てて配置されている。図7B及び7Cにおける配線に示された矢印は、電気の流れを示している。つまり、図7Bであれば、インバータ回路基板39にはスイッチ機構27から電力が供給されていることを示している。図3Bに示すように、スイッチング素子39Aは、出力軸31の軸方向視において吸気口23aと重複するような位置に設けられている。
【0048】
ライト7はLED(発光ダイオード)であって、前方がカバー21に設けられた複数のリブ21Aによって支持され(図9)後方がハウジング2(胴体部23)に支持されている(図1)。このとき、ライト7とハンマケース22とは離間している。ハンマケース22は、金属製であって先端部分が外部に露出していることから(図2)、当該露出部分に静電気ノイズが発生する虞がある。しかし、本実施の形態においては、ライト7とハンマケース22とは離間しているため、ライト7が静電気ノイズの影響を受けにくくなっている。ライト7は後述のライトボタン81Aを押下することにより点灯し、その光はカバー21に形成された孔21a(図9)を通って先端工具10の周囲を照らす。これにより、作業者は暗所でもライト7の明かりによって作業をすることができる。
【0049】
制御部8は、打撃力表示パネル81と、制御回路基板82と、電源回路基板83と、から構成されている。打撃力表示パネル81は、突出部25Aのハンドル部24側の面(上面)に設けられている。図10に示すように、打撃力表示パネル81には、ライトボタン81Aと、打撃力切替ボタン81Bと、打撃力レベル表示部81Cと、モード切替ボタン81Dと、モード表示部81Eと、を備えている。
【0050】
作業者は、打撃力切替ボタン81Bによってモータ3の回転数を変更することで、先端工具10の打撃力を変更することができる。打撃力は4段階(モータ3の定格回転数の25%、50%、75%、100%)に調整可能であり、設定された打撃力は打撃力レベル表示部81Cに表示される。一度設定された打撃力は電源コード9からの電源が遮断されるとリセットされて、再び電源が供給されるともっとも強い打撃力(100%、打撃力レベル表示部81Cは4つすべて点灯)に再設定される。
【0051】
打撃力レベル表示部81Cは、通電ランプとしても機能しており、電源コード9から電源が供給されると打撃力レベル表示部81Cは、全点灯する。また、打撃力切替ボタン81Bによって打撃力が変更された場合であっても打撃力レベル表示部81Cの少なくとも一つが常時点灯しているため、作業者はインパクトドライバ1が通電されているか否かを打撃力レベル表示部81Cの点灯によって確認することができる。より詳細には、後述するマイクロコンピュータ82Bによって制御回路基板82に電源が供給されているかを判断している。これにより、電源ケーブル9には電源が供給されているにもかかわらず、電源回路基板83に異常があって制御回路基板82に電源が供給されない場合であっても打撃力表示パネル81が点灯しないため、電源回路基板83の異常も打撃力表示パネル81の点灯によって認識することができる。
【0052】
モード切替ボタン81Dは、モータ3を連続的に動作させるか(連発)、モータ3を単発的に動作させるか(単発)を切替えるためのボタンである。連発に設定されている場合は、トリガ26を引いている間は、モータ3は連続的に動作する。このとき、モード表示部81Eは、「連発」が点灯している。単発に設定されている場合は、ハンマ5とアンビル6とが所定回数衝突したら、モータ3が停止する。制御回路基板82上には、後述のショックセンサー82Aが設けられており、ショックセンサー82Aによって振動を検出し、この振動によってハンマ5とアンビル6との衝突回数を検知している。このとき、モード表示部81Eは、「単発」が点灯している。
【0053】
制御回路基板82は、基板収容部25内であって、ハンドル部24に最も近い位置に配置されている(図1)。また、打撃力表示パネル81は制御回路基板82の直上に位置している。図11A、Bに示すように、制御回路基板82は、ハンマ5とアンビル6との衝突回数検出のためのショックセンサー82Aと、インパクトドライバ1全体を制御するマイクロコンピュータ82Bと、打撃力表示パネル81に対応したパネル制御部82Cとを備えている。パネル制御部82Cは、複数のボタンとLEDとを備えており、各素子の配置が打撃力表示パネル81における各ボタン及び表示部の配置(図10)と対応している。制御回路基板82は、絶縁のために表面がシリコンで覆われている。図13に示すように、マイクロコンピュータ82Bは、スイッチ機構27と接続されており、スイッチ機構27から入力されたトリガ26の引き代に応じてモータ3の回転数を制御している。具体的には、ホール素子39Bからの信号を受信して、インバータ回路基板39のスイッチング素子39Aを駆動するためのPWM(Pulse Width Modulation)制御信号をインバータ回路基板39のスイッチング素子39Aに出力している。
【0054】
電源回路基板83は、基板収容部25内であって電源コード9と制御回路基板82との間に配置されている(図1)。電源回路基板83は、図12A及び12Bに示すように、電源コード9から供給される交流電源を全波整流するためのダイオードブリッジ83Aと、電源コード9から供給されるAC100V電源から発生するノイズを除去するためのチョークコイル83Bと、スイッチング素子39Bによって発生するノイズを除去するための第1コンデンサ83Cと(図13)、全波整流された電流を平滑化するための第2コンデンサ83Dと、制御回路基板82に供給する電源を作るためのIPD素子83Eと、を備えている。図12A及び12Bにおける配線に示された矢印は、電気の流れを示している。電源回路基板83は、断面形状が略C字状の上方が開放した容器84に外表面を覆われており、容器84はウレタンで満たされている。つまり、電源回路基板83及び電源回路基板83上の各素子は、ウレタンによって固定されていると同時に絶縁、防振、防水されている。容器84はウレタンで満たされていることにより、他の基板と比較すると重くなっている。
【0055】
ダイオードブリッジ83Aは、直方体であってその長手方向が電源回路基板83と平行になるように電源回路基板83上に配置されている。これにより、基板収容部25内に占める電源回路基板83のスペースを最小限に抑えることができる。チョークコイル83B及び第1コンデンサ83Cは、他の素子と比較するとその体積及び重量が大きくなっており、ハンドル部24に収容されている(図1)。本実施の形態では、ハンドル部24の温度上昇を防止するために、第1コンデンサ83Cは発熱しにくいフィルムコンデンサを採用している。インパクトドライバ1では、作業者が把持するハンドル部24の一端側(上側)にモータ3やギヤ機構4などの金属製の部材を配置し、他端(下側)に基板の中でも重量のある電源回路基板83及び制御回路基板82を配置し、ハンドル部24内の基板収容部25側寄りの位置に重い素子であるチョークコイル83B及び第1コンデンサ83Cを配置してインパクトドライバ1全体の重量バランスを良好に保っている。具体的には、作業者が把持するハンドル部24の直上に重心が位置するように各部材が配置されている。
【0056】
電源コード9から供給された交流100V電源は、ダイオードブリッジ83Aによって整流された後に一部はIPD素子83Eによって18Vまで降圧されて制御回路基板82に駆動用電源として供給される。残りは、モータ3駆動用電源として140Vまで昇圧されて、スイッチ機構27を介してインバータ回路基板39に供給される。ハウジング2内では、下から上に向かって電源コード9、電源回路基板83、制御回路基板82、スイッチ機構27、インバータ回路基板39の順番で収容されている。このように、電源コード9からモータ3までの電気の流れとハウジング2内の各部材の配置とが一致していることから、各基板間の配線を効率的に行うことができる。
【0057】
次に、インパクトドライバ1の動作について説明する。電源コード9を図示せぬ電源と接続することにより、制御回路基板82のマイクロコンピュータ82Bに駆動用電源が供給されて、打撃力レベル表示部81Cが全点灯する。この状態で作業者がトリガ26を引くと、その引き代に応じた回転数でモータ3が回転する。これと同時に冷却ファン35も回転して、吸気口23aから外気を取込む。この外気は、スイッチング素子39A、インバータ回路基板39、モータ3を冷却して排気口23bから外部に排出される。モータ3が回転することによって、ハンマ5がアンビル6を打撃し、先端工具10が回転する。作業者がトリガ26を離すことによりモータ3は停止する。電源コード9を図示せぬ電源から引抜くことにより、打撃力レベル表示部81Cは消灯する。
【0058】
このような構成によると、打撃力レベル表示部81Cが突出部25Aのハンドル部24側に設けられているため、作業者が打撃力表示部81Cの表示を確認し易い。
【0059】
このような構成によると、打撃力表示部81Cに打撃力切替ボタン81Bが設けられているため、一方の手でハンドル部24を把持した状態で他方の手で打撃力切替ボタン81Bを操作することができる。
【0060】
このような構成によると、電源コード9に電量が供給された場合には常にマイクロコンピュータ82Bが打撃力表示部81Cを点灯させるため、新たに通電ランプを設ける必要が無くなり部品点数を削減することができる。
【0061】
このような構成によると、電源コード9からの電力は電源回路基板83によって直流電源に変換されて制御回路基板82に供給されており、電源コード9、電源回路基板83、制御回路基板82の順番で基板収容部25内に収容されているため、電力が供給される順番通りに配置されている。これにより、基板収容部内25の配線を最小限に抑えることができ、基板収容部25内のスペースを有効に活用することができる。さらに、基板収容部25を小型化することが可能となる。さらに、作業者が把持するハンドル部24の一端側に重量のあるモータ3やギヤ機構4などが配置され、他端側にも比較的質量の大きい素子を備える電源回路基板83や制御回路基板82を配置したことにより、作業者がハンドル部24を把持した際の重量バランスが良好となって、長時間作業時の作業でも疲れにくいインパクトドライバ1を実現することができる。
【0062】
このような構成によると、制御回路基板82にはマイクロコンピュータ82Bが搭載されているため、マイクロコンピュータ82Bによってモータ3の回転数を制御することが可能となり、状況に応じて打撃力の強さを変更することができる。
【0063】
このような構成によると、モータ3は胴体部23内に収容されていて電源回路基板83は基板収容部25に収容されていることから、モータ3に供給する電源配線は基板収容部25からハンドル部24を介して胴体部23のモータ3と接続している。基板収容部25と胴体部23との中間に位置するハンドル部24内にトリガ26を設けたことにより、各部材が、電力が供給される順番通りにハウジング2内に配置されることとなるため、ハウジング2内のスペースを有効活用することができる。これにより、インパクトドライバ1を小型化することができる。
【0064】
このような構成によると、比較的質量のあるチョークコイル83Bや第1コンデンサ83Cがハンドル部24内のハンドル部24側に収容されていることにより、作業者がハンドル部24を把持した際の重量バランスが良好となって、長時間作業時の作業でも疲れにくいインパクトドライバ1を実現することができる。さらに、ハンドル部24内の空間を有効に活用することによって基板収容部25を小型化することができる。
【0065】
このような構成によると、ライト7はカバー21に保持されていて金属製のハンマケース22には保持されていないのでため、ハンマケース22に静電気ノイズなどが発生した場合であっても静電気ノイズがライト7に影響を与えることがない。これにより、静電気ノイズによるライト7の破損を防止することができる。さらに、図16A〜Cに示す従来のハンマケース122には、ライト7を支持するためのライト支持部材122Aが設けられていたため、当該箇所に静電気ノイズが集中していた。しかし、本実施の形態においては、図8A〜Cに示すように、ハンマケース22にライト7を保持する部材が不要となったためこの部材に静電気ノイズが集中することを防止することができる。これにより、ハンマケース22を静電気ノイズが帯電しにくい形状とすることができる。
【0066】
このような構成によると、ライト7はハウジング2とカバー21とによって挟持されているため、より強固に保持されることとなる。
【0067】
このような構成によると、カバー21が樹脂製であるため、ライト7への静電気ノイズの遮断の信頼性をより高めることができる。
【0068】
このような構成によると、ステータコア36とインシュレータ37とは凸部36Bと突起部37Aとが当接することによって嵌合しているため、ステータコア36に穴等をあけることなくインシュレータ37をステータコア36に固定することができる。これにより、ステータコア36の穴による磁束の減少を防止することが可能となるため、従来と同サイズのモータであってもモータパワーを向上させることができる。さらに、これによってモータ3のサイズを小さくすることが可能になるため、製品の小型化を図ることができる。
【0069】
このような構成によると、突起部37Aは複数設けられていることから、ステータコア36とインシュレータ37とをより強固に固定することができる。
【0070】
このような構成によると、凸部36Bはステータコア36の外周面に設けられており突起部37Aはインシュレータ37の半径方向外側の面にもうけられていることから、ステータコア36の内部に設けられている場合と比較するとステータコア36の内部空間を有効に利用することが可能となる。これによってコイル33の巻き数を増やすことができ、モータパワーを向上させることができる。そうすると、モータ3のサイズを小さくすることが可能になるため、インパクトドライバ1の小型化を図ることができる。
【0071】
このような構成によると、ステータコア36は凸部36Bによって第1ハウジング2Aと第2ハウジング2Bに支持されているため、凸部36Bはインシュレータ37をステータコア36に固定する部材として使用されるとともにステータコア36をハウジング2に固定する部材として使用されている。これにより、新たに固定する部材を設けることなくステータコア36をハウジング2に固定することが可能となる。
【0072】
このような構成によると、スロット36aの内周面全周に亘って絶縁紙38が配置されていることから、ステータコア36とコイル33とを絶縁紙38によって確実に絶縁することができる。また、インンシュレータ37によってステータコア36とコイル33とを絶縁する場合と比較すると、絶縁紙38で絶縁する場合のほうがスロット36a内の空間を広く確保することができ、コイル33の巻き数を増やすことができる。これにより、モータパワーを向上させることができ、モータ3のサイズを小さくすることが可能になるため、インパクトドライバ1の小型化を図ることができる。
【0073】
このような構成によると、吸気口23aはモータ3に対してハンマ5の反対側にのみ形成されているため、吸気口23aが複数の場所に形成されている場合と比較すると、気流の衝突が無い。これにより、円滑に外気を取り込むことが可能となり、モータ3の冷却効率を上げることができる。
【0074】
このような構成によると、吸気口23aとモータ3との間にスイッチング素子39Aが配置されているため、冷却ファン35の回転によってスイッチング素子39Aも同時に冷却することができる。
【0075】
このような構成によると、スイッチング素子39Aの長手方向が軸方向と平行なため、スイッチング素子39Aを効率的に冷却することができる。
【0076】
このような構成によると、軸方向視において吸気口23aとスイッチング素子39Aとが重複するように配置されているため、スイッチング素子39Aを効率的に冷却することができる。
【0077】
なお、本発明の電動工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、クラッチを有するドライバドリル、往復打撃機構を有するハンマドリル、油圧の打撃機構部を有するオイルパルスドライバなどであってもよい。
【0078】
本実施の形態では、本発明の電動工具として、インパクトドライバ1を用いて説明したが、本発明は、ブラシレスモータを搭載しAC電源によって駆動される電動工具であれば、インパクトドライバに限定されるものではない。
【0079】
本実施の形態では、ギヤ機構4として遊星歯車機構を用いたが、これに限定されるものではなく、また、減速機構を必ずしも備えている必要はない。
【0080】
本実施の形態では、ライト7は前側をカバー21によって支持されていたが、これに限定されるものではない。図14に示すように、カバー21はライトカバー部221を有し、ライト7とカバー21との間にライトカバー部221が介在するように構成しても良い。これにより、ライト7への静電気ノイズの遮断の信頼性をより高めることができる。
【0081】
本実施の形態では、ライト7は後側をハウジング2によって支持されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、上下方向からライトカバー部221とリブ21Aとによって挟持されていてもよい。そうすると、ライト7はハウジング2と離間していてカバー21はハウジング2と接触しているため、作業時における振動がハウジング2を介してライト7に伝わることを防止することができる。これにより、ライト7の破損を防止することができる。
【0082】
本実施の形態では、ステータコア36の凸部36Bは4つ設けられていたが、これに限定されるものではない。また、インシュレータ37の突起部37Aは4つ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、突起部が一つ設けられていて、凸部はその突起部を挟むように2つ設けられていてもよい。これにより、インシュレータがステータコアに対して回転することを防止できる。
【0083】
本実施の形態では、凸部36Bはステータコア36の外周面に設けられ、突起部37Aはインシュレータ37の外周面に設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、凸部をステータコアの内周面に設け、突起部をインシュレータの内周面に設けても良い。また、インシュレータとステータコアとの当接面にステータコアの突起部を設け、インシュレータ側には突起部に嵌合する凹みを設けても良い。このような構成によってもステータコアに孔を開ける必要がないため、磁束の減少を抑えることができる。
【0084】
本実施の形態では、打撃力レベル表示部81Cを通電ランプとして使用したが、これに限定されるものではない。例えば、モード表示部81Eを通電ランプとして、電源コード9に電源が供給された際に点灯させても良い。また、ライト7を通電ランプとして使用しても良い。
【0085】
本実施の形態では、カバー21は樹脂製であったが、絶縁材料であればこれに限定されるものではない。例えば、ゴム製であっても良い。
【0086】
本実施の形態では、電源コード9に電源が供給されたか否かはマイクロコンピュータ82Bによって判断しているが、これに限定されるものではない。例えば、電源回路基板上に設けられた素子によって通電を判断しても良い。
【0087】
本実施の形態では、スイッチング素子39Aをモータの後方に配置したが、スイッチング素子の配置はこれに限定されるものではない。例えば、電源回路基板83に設けてもよく、制御回路基板82に設けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1・・インパクトドライバ 2・・ハウジング 3・・モータ 4・・ギヤ機構 5・・ハンマ 6・・アンビル 7・・ライト 8・・制御部 9・・電源コード 21・・カバー 21A・・リブ 22・・ハンマケース 23・・胴体部 23a・・吸気口 23b・・排気口 24・・ハンドル部 25・・基板収容部 25A・・突出部 26・・トリガ 31・・出力軸 32・・ロータ 33・・コイル 34・・ステータ 35・・冷却ファン 36・・ステータコア 36A・・ティース 36B・・凸部 36a・・スロット 37・・インシュレータ 37A・・突起部 38・・絶縁紙 39・・インバータ回路基板 39A・・スイッチング素子 39B・・ホール素子 52・・バネ 81・・打撃力表示パネル 81A・・ライトスイッチ 81B・・打撃力切替スイッチ 81C・・打撃力レベル表示部 81D・・モード切替スイッチ 82・・制御回路基板 82A・・ショックセンサー 82B・・マイクロコンピュータ 83・・電源回路基板 83A・・ダイオードブリッジ 83B・・チョークコイル 83C・・第1コンデンサ 83D・・第2コンデンサ 221・・ライトカバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータと、を有し、前記ハウジングに収容されるモータと、
前記モータによって駆動される出力部と、を有する電動工具であって、
前記ステータは、凸部が設けられたステータコアと、前記凸部と当接可能な突起部が設けられて前記ステータコアに接続されるインシュレータと、前記インシュレータに固定されるコイルと、を有することを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記突起部は複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記ステータコアは略円筒形状をなし、前記凸部は前記ステータコアの外周面に設けられており、前記突起部は前記インシュレータの外周面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記ハウジングは第1ハウジングと第2ハウジングとから構成され、
前記ステータコアは、前記凸部と、前記第1ハウジング及び第2ハウジングと、が当接することにより前記ハウジング内に保持されていることを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
【請求項5】
前記ステータコアの内面には、軸方向に延びる複数のスロットが円周方向に並んで複数形成されており、それぞれの前記スロットの内周面全体には絶縁紙が配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の電動工具。
【請求項6】
前記インシュレータは、前記ステータコアの軸方向端面にそれぞれ当接するように設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載に記載の電動工具。
【請求項7】
吸気口及び排気口が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに収容され、出力軸と前記出力軸に固定された冷却ファンとを備えるモータと、
前記出力軸によって駆動され、前記ハウジングに前記モータと並んで配置され、一部が外部に露出している出力部と、を有する電動工具であって、
前記吸気口は前記モータに対して前記出力部の反対側にのみ形成され、前記排気口は前記冷却ファンの半径方向外方に形成されていることを特徴とする電動工具。
【請求項8】
前記モータはブラシレスモータであって、
前記モータと前記吸気口との間には前記モータに通電するための複数のスイッチング素子が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の電動工具。
【請求項9】
前記スイッチング素子は略直方体であって、前記略直方体の長手方向が前記出力軸の軸方向と平行になるように配置されていることを特徴とする請求項8に記載の電動工具。
【請求項10】
前記スイッチング素子は、前記出力軸の軸方向視において前記吸気口と重複するような位置に配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の電動工具。
【請求項11】
前記冷却ファンは、遠心ファンであることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の電動工具。
【請求項12】
ハウジングと、
ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータと、を有し、前記ハウジングに収容されるモータと、
前記モータによって駆動される出力部と、を有する電動工具であって、
前記ステータは、係合部を有するステータコアと、前記係合部と係合可能な被係合部が設けられて前記ステータコアに接続されるインシュレータと、前記インシュレータに固定されるコイルと、を有することを特徴とする電動工具。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【公開番号】特開2012−139749(P2012−139749A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292516(P2010−292516)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】