電圧変換回路及び不揮発性半導体記憶装置
【課題】チャージポンプ回路を駆動するクロックバッファ回路に流れる瞬時電流を抑制すること。
【解決手段】
第1のトランジスタ(T11)のドレインを第1のキャパシタ(C11)によって第1の制御信号(DCLK10)に応じて昇圧駆動する第1のバッファと、第1のトランジスタ(T11)のゲートを第2のキャパシタ(C12)によって第2の制御信号(GCLK10)に応じて昇圧駆動する第2のバッファとから構成される電圧変換回路おいて、
第1のバッファは,第1の制御信号(DCLK10)の遷移時の駆動能力が,第2の制御信号(GCLK10)の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路。
【解決手段】
第1のトランジスタ(T11)のドレインを第1のキャパシタ(C11)によって第1の制御信号(DCLK10)に応じて昇圧駆動する第1のバッファと、第1のトランジスタ(T11)のゲートを第2のキャパシタ(C12)によって第2の制御信号(GCLK10)に応じて昇圧駆動する第2のバッファとから構成される電圧変換回路おいて、
第1のバッファは,第1の制御信号(DCLK10)の遷移時の駆動能力が,第2の制御信号(GCLK10)の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換回路及び不揮発性半導体記憶装置に関する。特に、転送ゲートトランジスタのドレインをまず第1のキャパシタを介して昇圧し、ついでそのゲートを第2のキャパシタを介して駆動することによって昇圧された電圧を転送ゲートトランジスタのソース側に伝達するよう構成した電圧変換回路において、その第1及び第2のキャパシタの他端を駆動するクロックバッファ回路の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ等の半導体装置において、電源電圧VCCを昇圧してこれよりも高い電圧VPを生成するチャージポンプ回路が用いられることがある。
【0003】
図9(a)は従来のチャージポンプ回路の回路図である。電源電圧VCCと昇圧電圧VPが提供されるノードとの間に、NMOSから構成されるトランジスタT01、T11、T21、T31及びT41(例として5つのトランジスタが直列接続されている例を示したが、昇圧電圧の値に応じてさらに多くの段数のトランジスタが直列接続されても良い。)が直列に接続されている。
【0004】
トランジスタT01とT11の間、T11とT21の間、T21とT31の間、T31とT41の間の各ノードをそれぞれ、CPD1、CPD2、CPD3、CPD4とする。トランジスタT01、T11、T21、T31及びT41の各ゲートの各ノードをCPG0、CPG1、CPG2、CPG3、CPG4とする。
【0005】
VCCとCPG0との間にはNMOSから構成されるトランジスタT02が接続され、そのゲートはCPD1に接続されている。CPD1とCPG1との間にはNMOSから構成されるトランジスタT12が接続され、そのゲートはCPD2に接続されている。CPD2とCPG2との間にはNMOSから構成されるトランジスタT22が接続され、そのゲートはCPD3に接続されている。CPD3とCPG3との間にはNMOSから構成されるトランジスタT32が接続され、そのゲートはCPD4に接続されている。CPD4とCPG4との間にはNMOSから構成されるトランジスタT42が接続され、そのゲートはVPに接続されている。
【0006】
CPG0にはキャパシタC00が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG1にはキャパシタC12が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG2にはキャパシタC22が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG3にはキャパシタC32が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG4にはキャパシタC42が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。
【0007】
CPD1にはキャパシタC11が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD2にはキャパシタC21が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。CPD3にはキャパシタC31が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD4にはキャパシタC41が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。
【0008】
図9(b)はこのような従来のチャージポンプ回路を駆動する駆動信号DCLK1、DCLK2、GCLK1、GCLK2の各波形を示した図である。DCLK1の正パルスの中にGCLK1の正パルスが含まれ、DCLK2の正パルスの中にGCLK2の正パルスが含まれるように波形整形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−198887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図10(a)は図9(b)の駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路、図10(b)は駆動信号GCLK1を発生するクロックバッファ回路、図10(c)は駆動信号DCLK2を発生するクロックバッファ回路、図10(d)は駆動信号GCLK2を発生するクロックバッファ回路である。
【0011】
図10(a)のクロックバッファ回路を例にとると、この回路は、インバータIN11、IN12、IN13、IN14を継続接続させた構成をとっている。図中の数値(インバータIN11における3.2nm、1.6um)は、インバータを構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲート幅である(インバータIN11においては、PMOSトランジスタのゲート幅は3.2μm、NMOSトランジスタのゲート幅は1.6μmである。)。
【0012】
図10(b)のクロックバッファ回路を例にとると、この回路も、インバータIN15、IN16、IN17、IN18を継続接続させた構成をとっている。しかしながら、インバータを構成するトランジスタのゲート幅は図10(a)それよりも小さく、その結果、図10(a)のクロックバッファ回路の方が、図10(b)のクロックバッファ回路よりも駆動能力が高い。
【0013】
図10(c)及び図10(d)の各クロックバッファ回路は、それぞれ、図10(a)及び図10(b)に相当する回路(インバータIN21、IN22、IN23及びIN24の継続接続回路並びにインバータIN25、IN26、IN27及びIN28の継続接続回路)である。
【0014】
図10の各クロックバッファ回路を用いて駆動信号を生成し、この生成された駆動信号によって図9(a)のチャージポンプ回路を駆動した場合の駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2、GCLK2の各波形は、実際には、図11に示したような形状となる。ここで、DCLK1の垂れ下がりが発生している。これは、駆動信号GCLK1がL(ロウレベルであるVSS)からH(ハイレベルであるVCC)に遷移するとトランジスタT11が導通し、電流がCPD1からCPD2へと流れるために、キャパシタC11にも電流が流れる。その影響で、DCLK1が低くなる。同時に、電流が流れ込むことによってDCLK2が浮き上がる。同様に、駆動信号GCLK2がL(ロウレベルであるVSS)からH(ハイレベルであるVCC)に遷移するとトランジスタT21が導通し、電流がCPD2からCPD3へと流れるために、キャパシタC21にも電流が流れる。その影響で、DCLK2の垂れ下がりが発生する。
【0015】
このような駆動信号の垂れ下がりや浮き上がりは、チャージポンプ回路の効率の低下につながる。
【0016】
そこで、このようなDCLK1及びDCLK2の垂れ下がりや浮き上がりをできるかぎり抑えるため、図10(a)及び図10(c)の各クロックバッファ回路には大きな駆動能力が必要とされる。図10の例では、図10(a)及び図10(c)の各クロックバッファ回路は図10(b)及び図10(d)の8倍の駆動能力となるようにトランジスタのゲート幅を設定している。
【0017】
しかしながら、一方で、駆動信号DCLK1及びDCLK2を生成する各クロックバッファ回路に大きな駆動能力を与えると、他方で、瞬時的なピーク電流が発生するという問題が生じる。図11に、これらクロックバッファ回路において、VCCからVSSに向かって流れる電流の総和ICCを併せて示す。駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルアップ駆動能力が、駆動信号GCLK1を発生するクロックバッファ回路よりも極めて大きいため、駆動信号DCLK1がLからHへと遷移する時(t3)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。また、駆動信号DCLK2がLからHへと遷移する時(t7)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。
【0018】
また、駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルダウン駆動能力が、駆動信号GCLK1を発生するクロックバッファ回路よりも極めて大きいため、駆動信号DCLK1がHからLへと遷移する時(t6)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。また、駆動信号DCLK2がHからLへと遷移する時(t10)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。
【0019】
このようなピーク電流によって、局所的な電源電圧の低下や、大きな電流変化di/dtに起因するインダクタの作用で、ノイズ源となるという問題が生じる。
【0020】
そこで、本発明は、駆動信号の垂れ下がりや浮き上がりを抑えつつ、ピーク電流を低減した電圧変換回路を提供することを目的とする。また、そのような電圧変換回路を有する半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一実施形態として、第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,第1のノードと第3のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,第1のトランジスタのゲートと第4のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,第1の制御信号(DCLK10)に応答して第3のノードを駆動する第1のバッファと,第2の制御信号(GCLK10)に応答して第3のノードを駆動する第2のバッファと,を具備し,第1のバッファは,第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路が提供される。
【0022】
第1のバッファは,出力が共通に第3のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)を具備し,第1のインバータは第1の制御信号に応答して第3のノードを駆動し,第2のインバータは第1の制御信号及び第2の制御信号の双方に応答して第3のノードを駆動してもよい。
【0023】
第2のインバータは,第2のトランジスタ(T38)を具備し,第3のトランジスタのゲートは,第1の制御信号及び第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されてもよい。
【0024】
さらに,第1のノードと第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第3のトランジスタ(T12)を具備してもよい。
【0025】
本発明の他の実施形態として、第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,第2のノードと第3のノード(CPD3)とに接続された第2のトランジスタ(T21)と,第1のノードと第4のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,第1のトランジスタのゲートと第5のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,第2のノードと第6のノード(DCLK2)との間に接続された第3のキャパシタ(C21)と,第2のトランジスタのゲートと第7のノード(GCLK2)との間に接続された第4のキャパシタ(C22)と,第1の制御信号(DCLK10)に応答して第4のノードを駆動する第1のバッファと,第2の制御信号(GCLK10)に応答して第5のノードを駆動する第2のバッファと,第3の制御信号(DCLK10)に応答して第6のノードを駆動する第3のバッファと,第4の制御信号(GCLK10)に応答して第7のノードを駆動する第4のバッファと,を具備し,第1のバッファは,第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低く,第3のバッファは,第3の制御信号の遷移時の駆動能力が,第4の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路が提供される。
【0026】
第1のバッファは,出力が共通に第4のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)を具備し,第1のインバータは第1の制御信号に応答して第4のノードを駆動し,第2のインバータは第1の制御信号,第2の制御信号及び第4の制御信号に応答して第4のノードを駆動し,第3のバッファは,出力が共通に第6のノードに接続された第3のインバータ(IN54)と第4のインバータ(T58,T59)を具備し,第3のインバータは第3の制御信号に応答して第6のノードを駆動し,第4のインバータは第3の制御信号及び第4の制御信号及び第2の制御信号に応答して第6のノードを駆動してもよい。
【0027】
第2のインバータは,第3のトランジスタ(T38)及び第4のトランジスタ(T39)を具備し,第3のトランジスタのゲートは,第1の制御信号及び第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,第4のトランジスタは,第1の制御信号及び第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,第4のインバータは,第5のトランジスタ(T58)及び第6のトランジスタ(T59)を具備し,第5のトランジスタのゲートは,第3の制御信号及び第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,第6のトランジスタは,第3の制御信号及び第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されてもよい。
【0028】
さらに,第1のノードと第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第7のトランジスタ(T12)と,第2のノードと第2のトランジスタのゲートとの間に接続された第8のトランジスタ(T22)と,を具備してもよい。
【0029】
本発明の一実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置は、上記した電圧変換回路によって発生された高電圧がワード線に供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有する。
【0030】
本発明の他の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置は、上記した電圧変換回路によって発生された高電圧がウェルに供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、駆動信号の垂れ下がりや浮き上がりを抑えつつ、ピーク電流を低減したチャージポンプ回路を提供できる。また、そのような電圧変換回路を有する半導体記憶装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る高電圧レギュレータ回路の機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る高電圧発生回路の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るチャージポンプ回路の回路図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路の回路図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路の回路図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路及び電圧変換回路の各ノードにおける電圧の波形図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路の各ノードにおける電圧の波形図及び電流の総和ICCである。
【図9】従来のチャージポンプ回路及びその駆動信号の波形図である。
【図10】従来のチャージポンプ回路を駆動するためのクロックバッファ回路の一例である。
【図11】従来のチャージポンプ回路を駆動するためのクロックバッファ回路の各ノードにおける電圧の波形図及び電流の総和ICCである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を実施形態として説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に何ら限定されることはない。以下に説明する実施形態を種々に変形して本発明を実施することが可能である。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の機能ブロック図である。この不揮発性半導体記憶装置は、いわゆる記憶機能のみを有してもよいし、CPUコア等とともに混載されるいわゆるメモリコアであってもよい。この不揮発性半導体記憶装置は、電源電圧VCC(例えば、1.8V)と接地電圧VSSからなる単一電源で動作する。この不揮発性半導体記憶装置には、アドレス信号(ADDR)、制御信号(CTRL)等が供給され、DQ端子によって、データの入出力が行われる。アドレス信号(ADDR)はアドレスバッファ回路(ADDR buffers)に供給され、アドレス信号(ADDR)のうち、行アドレス(X−ADDR)は行デコーダ(X−decoders)に、列アドレス(Y−ADDR)は列デコーダ(Y−decoders)にそれぞれ供給される。メモリセルアレイ(Memory Cell Array)は、電荷蓄積層(浮遊ゲート、窒化膜等)を有するP型のMOSトランジスタを行列状に配置して構成され、その制御ゲートはワード線に接続され、ワード線は行デコーダ(X−decoders)によって駆動される。また、P型のMOSトランジスタのソースは共通ソース線に、ドレインはビット線にそれぞれ接続され、ビット線は列選択ゲート(Y−select gates)によって選択される。列選択ゲート(Y−select gates)は、列デコーダ(Y−decoders)によって駆動される。列選択ゲート(Y−select gates)はマルチプレクサ回路であり、この回路によって選択されたビット線の電圧(またはそのビット線に流れる電流)は、センスアンプ回路(Sense Amps)によってセンスされて読み出しデータとなり、これはページバッファ回路(Page buffers)にラッチされ、書き込みデータローディング回路(Program Data loading)によって、ページバッファ内アドレス(Page−ADDR)に従って、入出力バッファ回路(I/O buffers)を経てDQ端子に供給される。
【0035】
また、DQ端子から供給された書き込みデータは、入出力バッファ回路(I/O buffers)を経てページバッファ回路(Page buffers)にラッチされ、これが書き込みバッファ回路(Program buffers)に保持される。ここに保持されたデータは列選択ゲート(Y−select gates)によって選択されたビット線に供給され、選択されたメモリセルに書き込まれる。書き込みは、ビット線に0V、共通ソース線にVCC又はそれ以上の電圧、ワード線に高電圧VP1、ウェルに高電圧VP2をそれぞれ供給することによって、バンド間トンネル電流を発生させて電子を電荷蓄積層にトラップさせることによって行う。ここで、高電圧VP1、高電圧VP2は、例えば、それぞれ7V、5Vである。
【0036】
これら読み出し動作及び書き込み動作は、制御信号(CTRL)によって動作するところの、状態遷移装置(State Machine)及び制御回路(CTRL ckt)によって制御される。
【0037】
高電圧レギュレータ回路(High−Voltage Regulator)は、状態遷移装置(State Machine)及び制御回路(CTRL ckt)によって制御され、高電圧VP1、高電圧VP2及び負電圧VNを出力する。高電圧VP1及び負電圧VNは、行デコーダ(X−decoders)に供給され、高電圧VP2はウェルバイアス制御回路(Well bias CTRL)に供給される。上述したとおり、書き込み時には、ビット線に0V、共通ソース線にVCC又はそれ以上の電圧、ワード線に高電圧VP1、ウェルに高電圧VP2がそれぞれ供給される。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態に係る高電圧レギュレータ回路(High−Voltage Regulator)の機能ブロック図の一部である。VP1、VP2及びVNの三電圧を出力する場合には、同様の回路(負電圧発生回路の場合は、回路のPNを反転させ信号の正負を反転させた負電圧発生回路となる。)が三系統配置される。
【0039】
高電圧レギュレータ回路(High−Voltage Regulator)は、高電圧発生回路(PUMP)、電圧分割回路(Voltage divider)、比較回路(Comparator)及び発振器(Oscilator)から構成される。
【0040】
回路の活性化信号(EN)に従って、高電圧発生回路(PUMP)、電圧分割回路(Voltage divider)、比較回路(Comparator)及び発振器(Oscilator)が活性化さる。比較回路(Comparator)は、バンドギャップ基準電位発生回路(Band Gap reference)から供給される基準電位(VREF)と、電圧分割回路(Voltage divider)の出力であるフィードバック電圧DVIVとを比較して、発振器(Oscilator)の動作を制御する。発振器(Oscilator)はクロック信号(CLK)を高電圧発生回路(PUMP)に供給する。高電圧発生回路(PUMP)の出力が所定値より上がり過ぎると、負帰還が働いて、発振器(Oscilator)のクロック信号(CLK)供給が停止され、高電圧発生回路(PUMP)の出力が所定値より下がると、クロック信号(CLK)供給が再開する。
【0041】
図3は高電圧発生回路(PUMP)の機能ブロック図である。高電圧発生回路(PUMP)は、位相シフト回路(Phase shifter)、クロックバッファ回路(CLK buffers)及びチャージポンプ回路(CP)から構成される。
【0042】
クロック信号(CLK)は、位相シフト回路(Phase shifter)に供給され、図7を用いて後に詳述する4相の制御信号DCLK10、GCLK10、DCLK20及びGCLK20が生成される。位相シフト回路(Phase shifter)は、複数の遅延回路を用いて構成する。クロックバッファ回路(CLK buffers)は、制御信号DCLK10、GCLK10、DCLK20及びGCLK20を受けて、駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2及びGCLK2を生成する。チャージポンプ回路(CP)は駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2及びGCLK2を受けて、高電圧VP(VP1、VP2など。負電圧の場合はVNである。)が生成する。
【0043】
図4はチャージポンプ回路(CP)の回路図である。電源電圧VCCと昇圧電圧VPが提供されるノードとの間に、NMOSから構成されるトランジスタT01、T11、T21、T31及びT41が直列に接続されている。
【0044】
トランジスタT01とT11の間、T11とT21の間、T21とT31の間、T31とT41の間の各ノードをそれぞれ、CPD1、CPD2、CPD3、CPD4とする。トランジスタT01、T11、T21、T31及びT41の各ゲートの各ノードをCPG0、CPG1、CPG2、CPG3、CPG4とする。
【0045】
VCCとCPG0との間にはNMOSから構成されるトランジスタT02が接続され、そのゲートはCPD1に接続されている。CPD1とCPG1との間にはNMOSから構成されるトランジスタT12が接続され、そのゲートはCPD2に接続されている。CPD2とCPG2との間にはNMOSから構成されるトランジスタT22が接続され、そのゲートはCPD3に接続されている。CPD3とCPG3との間にはNMOSから構成されるトランジスタT32が接続され、そのゲートはCPD4に接続されている。CPD4とCPG4との間にはNMOSから構成されるトランジスタT42が接続され、そのゲートはVPに接続されている。
【0046】
CPG0にはキャパシタC00が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG1にはキャパシタC12が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG2にはキャパシタC22が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG3にはキャパシタC32が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG4にはキャパシタC42が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。
【0047】
CPD1にはキャパシタC11が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD2にはキャパシタC21が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。CPD3にはキャパシタC31が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD4にはキャパシタC41が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。
【0048】
なお、図4は正の高電圧を発生する回路の例であるが、負電圧を発生する回路を構成する場合には、電源電圧VCCを負電圧出力VNに変更し,高電圧出力VPを接地電圧VSSに変更し,二重ウェル内にトランジスタを収容するなどしてバックゲートを適宜分離すればよい。ここで、キャパシタは例えばソース・ドレイン・バックゲートのいずれもが駆動信号DCLKnに接続され、ゲートがCPDmに接続されたPMOSトランジスタで形成する。
【0049】
図5(a)及び(b)はクロックバッファ回路(CLK buffers)の一部であり、それぞれ、駆動信号DCLK1、駆動信号GCLK1を生成する回路である。駆動信号DCLK1を生成する回路は、継続接続されたインバータIN31、IN32、IN33及びIN34からなる直列回路、インバータIN32の出力と駆動信号GCLK1とが供給されるNANDゲート(NAND36)、駆動信号GCLK2が供給されるインバータIN35、インバータIN32の出力とインバータIN35の出力とが供給されるNORゲート(NOR37)、NAND36の出力で駆動されるPMOSトランジスタT38、NOR37の出力で駆動されるNMOSトランジスタT39から構成される。駆動信号GCLK1を生成する回路は、インバータIN41、IN42、IN43、IN44を継続接続させた構成をとっている。図中の数値(インバータIN31における3.2um、1.6um)は、インバータを構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲート幅である(インバータIN31においては、PMOSトランジスタのゲート幅は3.2μm、NMOSトランジスタのゲート幅は1.6μmである。)。駆動信号DCLK1の駆動は二つのインバータで行う。一つはIN34であり、いま一つはトランジスタT38及びT39から構成されるインバータ回路である。トランジスタT38及びT39のゲート幅は、例えば、それぞれ120μm、60μmであり、比較的大きく(IN34を構成するトランジスタのゲート幅よりも大きい。ただし、駆動力の総和としては増加する限りで、IN34を構成するトランジスタのゲート幅より大きいものに限定されない。)設定されている。これによって、駆動信号DCLK1の垂れ下がりや浮き上がりは効果的に抑圧される。
【0050】
図6(a)及び(b)もクロックバッファ回路(CLK buffers)の一部であり、それぞれ、駆動信号DCLK2、駆動信号GCLK2を生成する回路である。駆動信号DCLK2を生成する回路は、継続接続されたインバータIN51、IN52、IN53及びIN54からなる直列回路、インバータIN52の出力と駆動信号GCLK2とが供給されるNANDゲート(NAND56)、駆動信号GCLK1が供給されるインバータIN55、インバータIN52の出力とインバータIN55の出力とが供給されるNORゲート(NOR57)、NAND56の出力で駆動されるPMOSトランジスタT58、NOR57の出力で駆動されるNMOSトランジスタT59から構成される。駆動信号GCLK2を生成する回路は、インバータIN61、IN62、IN63、IN64を継続接続させた構成をとっている。駆動信号DCLK2の駆動も二つのインバータで行う。一つはIN54であり、いま一つはトランジスタT58及びT59から構成されるインバータ回路である。トランジスタT58及びT59のゲート幅は比較的大きく設定されている。これによって、駆動信号DCLK2の垂れ下がりや浮き上がりは効果的に抑圧される。
【0051】
図7はクロックバッファ回路(CLK buffers)及びチャージポンプ回路(CP)の各ノードにおける電圧の波形図である。図7には、制御信号DCLK10、GCLK10、DCLK20及びGCLK20、駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2及びGCLK2、CPD1、CPD2(点線で示す)、CPG1及びCPG2(点線で示す)の各ノードにおける電圧波形が示されている。
【0052】
時刻t1に制御信号GCLK20がLになると、これに応じて駆動信号GCLK2がLになる。時刻t2に制御信号DCLK20がLになると、これに応じて駆動信号DCLK2がLになる。
【0053】
時刻t3に、制御信号DCLK10がHになると、これに応じてインバータIN31〜IN34が応答して、駆動信号DCLK1がHになる。これとともに、キャパシタC11を介して、CPD1が昇圧される。ここでは、GCLK1は未だLであるため、NAND36の出力はHであり、トランジスタT38は非導通である。つまり、駆動信号DCLK1は、インバータIN34のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、CPD1の昇圧にかかる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0054】
時刻t4に、制御信号GCLK10がHになると、これに応じてインバータIN41〜IN44が応答して、駆動信号GDLK1がHになる。その結果、キャパシタC12を介してCPG1が昇圧され、トランジスタT11が導通し、CPD1の昇圧電圧がCPD2に順次転送される。このような電荷移動(CM1)によって、CPD1の電圧は徐々に低くなり、一方で、CPD2の電圧は徐々に高くなる。ここでは、GCLK1がHであるため、NAND36の出力はLとなり、トランジスタT38は導通する。つまり、駆動信号DCLK1は、インバータIN34のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)とトランジスタT38(ゲート幅120μm)の双方によってH駆動される。したがって、駆動信号DCLK1の垂れ下がりは図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。なお、この時点において、駆動信号DCLK2はインバータINV54(ゲート幅20μm)及びトランジスタT59(ゲート幅60μm)の双方によってL駆動される。駆動信号DCLK2の浮き上がりも図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。
【0055】
時刻t5に、制御信号GCLK10がLになると、これに応じてインバータIN41〜IN44が応答して、駆動信号GDLK1がLになる。その結果、トランジスタT11が非導通となり、CPD1の昇圧電圧のCPD2への転送が終了する。
【0056】
時刻t6に、制御信号DCLK10がLになると、これに応じてインバータIN31〜IN34が応答して、駆動信号DCLK1がLになる。なお、この時点では、駆動信号GCLK2がLであるため、NOR37の出力はLとなり、トランジスタT39は非導通である。その結果、駆動信号DCLK1は、インバータIN34のNMOSトランジスタ(ゲート幅20μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、クロックバッファ回路を流れる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0057】
時刻t7に、制御信号DCLK20がHになると、これに応じてインバータIN51〜IN54が応答して、駆動信号DCLK2がHになる。これとともに、キャパシタC21を介して、CPD2が昇圧される。ここでは、GCLK2は未だLであるため、NAND56の出力はHであり、トランジスタT58は非導通である。つまり、駆動信号DCLK2は、インバータIN54のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、CPD2の昇圧にかかる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0058】
時刻t8に、制御信号GCLK20がHになると、これに応じてインバータIN61〜IN64が応答して、駆動信号GDLK2がHになる。その結果、キャパシタC22を介してCPG2が昇圧され、トランジスタT21が導通し、CPD2の昇圧電圧がCPD3に順次転送される。このような電荷移動(CM2)によって、CPD2の電圧は徐々に低くなり、一方で、図示しないがCPD3の電圧は徐々に高くなる。ここでは、GCLK2がHであるため、NAND56の出力はLとなり、トランジスタT58は導通する。つまり、駆動信号DCLK2は、インバータIN54のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)とトランジスタT58(ゲート幅120μm)の双方によってH駆動される。したがって、駆動信号DCLK2の垂れ下がりは図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。なお、この時点において、駆動信号DCLK1はインバータINV34(ゲート幅20μm)及びトランジスタT39(ゲート幅60μm)の双方によってL駆動される。駆動信号DCLK1の浮き上がりも図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。
【0059】
時刻t8においては、さらに、駆動信号GDLK2がHになることによって、キャパシタC00を介してCPG0が昇圧され、トランジスタT01が導通し、VCCから電荷がCPD1に順次転送される。このような電荷移動(CM3)によって、CPD1の電圧は徐々に高くなる。
【0060】
時刻t9に、制御信号GCLK20がLになると、これに応じてインバータIN61〜IN64が応答して、駆動信号GDLK2がLになる。その結果、トランジスタT21が非導通となり、CPD2の昇圧電圧のCPD3への転送が終了する。
【0061】
時刻t10に、制御信号DCLK20がLになると、これに応じてインバータIN51〜IN54が応答して、駆動信号DCLK2がLになる。なお、この時点では、駆動信号GCLK1がLであるため、NOR57の出力はLとなり、トランジスタT59は非導通である。その結果、駆動信号DCLK2は、インバータIN54のNMOSトランジスタ(ゲート幅20μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、クロックバッファ回路を流れる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0062】
時刻t11に、制御信号DCLK20がLになると、これに応じてインバータIN51〜IN54が応答して、駆動信号DCLK2がLになる。
【0063】
時刻t11に、制御信号DCLK10がHになると、時刻t3と同様の動作が行われる。さらに、時刻t12に制御信号GCLK10がHになると、時刻t4と同様の動作が行われる。ここでも、電荷移動(CM4)が生じる。
【0064】
図8は、クロックバッファ回路の各ノードにおける電圧の波形図及び電流の総和ICCである。電流の総和ICCは、VCCからVSSに向かって流れる電流の総和である。駆動信号DCLK1がLからHへ遷移する時刻t3においては、駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルアップ駆動能力はそれほど大きくない。その結果、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。また、駆動信号DCLK2がLからHへと遷移する時(t7)も、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。
【0065】
また、駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルダウン駆動能力は、駆動信号DCLK1がHからLへと遷移する時(t6)にはそれほど大きくないため、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。また、駆動信号DCLK2がHからLへと遷移する時(t10)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。
【0066】
このように、ピーク電流を分散させることによって、局所的な電源電圧の低下を回避することが可能となり、大きな電流変化di/dtに起因するインダクタの作用で、ノイズ源となるという問題の発生が回避される。
【符号の説明】
【0067】
t3、t6、t7、t10 時刻
DCLK1、GCLK1、DCLK2、GCLK2 駆動信号
ICC クロックバッファ回路に流れる電流の総和
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換回路及び不揮発性半導体記憶装置に関する。特に、転送ゲートトランジスタのドレインをまず第1のキャパシタを介して昇圧し、ついでそのゲートを第2のキャパシタを介して駆動することによって昇圧された電圧を転送ゲートトランジスタのソース側に伝達するよう構成した電圧変換回路において、その第1及び第2のキャパシタの他端を駆動するクロックバッファ回路の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ等の半導体装置において、電源電圧VCCを昇圧してこれよりも高い電圧VPを生成するチャージポンプ回路が用いられることがある。
【0003】
図9(a)は従来のチャージポンプ回路の回路図である。電源電圧VCCと昇圧電圧VPが提供されるノードとの間に、NMOSから構成されるトランジスタT01、T11、T21、T31及びT41(例として5つのトランジスタが直列接続されている例を示したが、昇圧電圧の値に応じてさらに多くの段数のトランジスタが直列接続されても良い。)が直列に接続されている。
【0004】
トランジスタT01とT11の間、T11とT21の間、T21とT31の間、T31とT41の間の各ノードをそれぞれ、CPD1、CPD2、CPD3、CPD4とする。トランジスタT01、T11、T21、T31及びT41の各ゲートの各ノードをCPG0、CPG1、CPG2、CPG3、CPG4とする。
【0005】
VCCとCPG0との間にはNMOSから構成されるトランジスタT02が接続され、そのゲートはCPD1に接続されている。CPD1とCPG1との間にはNMOSから構成されるトランジスタT12が接続され、そのゲートはCPD2に接続されている。CPD2とCPG2との間にはNMOSから構成されるトランジスタT22が接続され、そのゲートはCPD3に接続されている。CPD3とCPG3との間にはNMOSから構成されるトランジスタT32が接続され、そのゲートはCPD4に接続されている。CPD4とCPG4との間にはNMOSから構成されるトランジスタT42が接続され、そのゲートはVPに接続されている。
【0006】
CPG0にはキャパシタC00が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG1にはキャパシタC12が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG2にはキャパシタC22が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG3にはキャパシタC32が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG4にはキャパシタC42が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。
【0007】
CPD1にはキャパシタC11が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD2にはキャパシタC21が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。CPD3にはキャパシタC31が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD4にはキャパシタC41が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。
【0008】
図9(b)はこのような従来のチャージポンプ回路を駆動する駆動信号DCLK1、DCLK2、GCLK1、GCLK2の各波形を示した図である。DCLK1の正パルスの中にGCLK1の正パルスが含まれ、DCLK2の正パルスの中にGCLK2の正パルスが含まれるように波形整形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−198887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図10(a)は図9(b)の駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路、図10(b)は駆動信号GCLK1を発生するクロックバッファ回路、図10(c)は駆動信号DCLK2を発生するクロックバッファ回路、図10(d)は駆動信号GCLK2を発生するクロックバッファ回路である。
【0011】
図10(a)のクロックバッファ回路を例にとると、この回路は、インバータIN11、IN12、IN13、IN14を継続接続させた構成をとっている。図中の数値(インバータIN11における3.2nm、1.6um)は、インバータを構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲート幅である(インバータIN11においては、PMOSトランジスタのゲート幅は3.2μm、NMOSトランジスタのゲート幅は1.6μmである。)。
【0012】
図10(b)のクロックバッファ回路を例にとると、この回路も、インバータIN15、IN16、IN17、IN18を継続接続させた構成をとっている。しかしながら、インバータを構成するトランジスタのゲート幅は図10(a)それよりも小さく、その結果、図10(a)のクロックバッファ回路の方が、図10(b)のクロックバッファ回路よりも駆動能力が高い。
【0013】
図10(c)及び図10(d)の各クロックバッファ回路は、それぞれ、図10(a)及び図10(b)に相当する回路(インバータIN21、IN22、IN23及びIN24の継続接続回路並びにインバータIN25、IN26、IN27及びIN28の継続接続回路)である。
【0014】
図10の各クロックバッファ回路を用いて駆動信号を生成し、この生成された駆動信号によって図9(a)のチャージポンプ回路を駆動した場合の駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2、GCLK2の各波形は、実際には、図11に示したような形状となる。ここで、DCLK1の垂れ下がりが発生している。これは、駆動信号GCLK1がL(ロウレベルであるVSS)からH(ハイレベルであるVCC)に遷移するとトランジスタT11が導通し、電流がCPD1からCPD2へと流れるために、キャパシタC11にも電流が流れる。その影響で、DCLK1が低くなる。同時に、電流が流れ込むことによってDCLK2が浮き上がる。同様に、駆動信号GCLK2がL(ロウレベルであるVSS)からH(ハイレベルであるVCC)に遷移するとトランジスタT21が導通し、電流がCPD2からCPD3へと流れるために、キャパシタC21にも電流が流れる。その影響で、DCLK2の垂れ下がりが発生する。
【0015】
このような駆動信号の垂れ下がりや浮き上がりは、チャージポンプ回路の効率の低下につながる。
【0016】
そこで、このようなDCLK1及びDCLK2の垂れ下がりや浮き上がりをできるかぎり抑えるため、図10(a)及び図10(c)の各クロックバッファ回路には大きな駆動能力が必要とされる。図10の例では、図10(a)及び図10(c)の各クロックバッファ回路は図10(b)及び図10(d)の8倍の駆動能力となるようにトランジスタのゲート幅を設定している。
【0017】
しかしながら、一方で、駆動信号DCLK1及びDCLK2を生成する各クロックバッファ回路に大きな駆動能力を与えると、他方で、瞬時的なピーク電流が発生するという問題が生じる。図11に、これらクロックバッファ回路において、VCCからVSSに向かって流れる電流の総和ICCを併せて示す。駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルアップ駆動能力が、駆動信号GCLK1を発生するクロックバッファ回路よりも極めて大きいため、駆動信号DCLK1がLからHへと遷移する時(t3)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。また、駆動信号DCLK2がLからHへと遷移する時(t7)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。
【0018】
また、駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルダウン駆動能力が、駆動信号GCLK1を発生するクロックバッファ回路よりも極めて大きいため、駆動信号DCLK1がHからLへと遷移する時(t6)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。また、駆動信号DCLK2がHからLへと遷移する時(t10)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れる。
【0019】
このようなピーク電流によって、局所的な電源電圧の低下や、大きな電流変化di/dtに起因するインダクタの作用で、ノイズ源となるという問題が生じる。
【0020】
そこで、本発明は、駆動信号の垂れ下がりや浮き上がりを抑えつつ、ピーク電流を低減した電圧変換回路を提供することを目的とする。また、そのような電圧変換回路を有する半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一実施形態として、第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,第1のノードと第3のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,第1のトランジスタのゲートと第4のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,第1の制御信号(DCLK10)に応答して第3のノードを駆動する第1のバッファと,第2の制御信号(GCLK10)に応答して第3のノードを駆動する第2のバッファと,を具備し,第1のバッファは,第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路が提供される。
【0022】
第1のバッファは,出力が共通に第3のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)を具備し,第1のインバータは第1の制御信号に応答して第3のノードを駆動し,第2のインバータは第1の制御信号及び第2の制御信号の双方に応答して第3のノードを駆動してもよい。
【0023】
第2のインバータは,第2のトランジスタ(T38)を具備し,第3のトランジスタのゲートは,第1の制御信号及び第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されてもよい。
【0024】
さらに,第1のノードと第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第3のトランジスタ(T12)を具備してもよい。
【0025】
本発明の他の実施形態として、第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,第2のノードと第3のノード(CPD3)とに接続された第2のトランジスタ(T21)と,第1のノードと第4のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,第1のトランジスタのゲートと第5のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,第2のノードと第6のノード(DCLK2)との間に接続された第3のキャパシタ(C21)と,第2のトランジスタのゲートと第7のノード(GCLK2)との間に接続された第4のキャパシタ(C22)と,第1の制御信号(DCLK10)に応答して第4のノードを駆動する第1のバッファと,第2の制御信号(GCLK10)に応答して第5のノードを駆動する第2のバッファと,第3の制御信号(DCLK10)に応答して第6のノードを駆動する第3のバッファと,第4の制御信号(GCLK10)に応答して第7のノードを駆動する第4のバッファと,を具備し,第1のバッファは,第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低く,第3のバッファは,第3の制御信号の遷移時の駆動能力が,第4の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路が提供される。
【0026】
第1のバッファは,出力が共通に第4のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)を具備し,第1のインバータは第1の制御信号に応答して第4のノードを駆動し,第2のインバータは第1の制御信号,第2の制御信号及び第4の制御信号に応答して第4のノードを駆動し,第3のバッファは,出力が共通に第6のノードに接続された第3のインバータ(IN54)と第4のインバータ(T58,T59)を具備し,第3のインバータは第3の制御信号に応答して第6のノードを駆動し,第4のインバータは第3の制御信号及び第4の制御信号及び第2の制御信号に応答して第6のノードを駆動してもよい。
【0027】
第2のインバータは,第3のトランジスタ(T38)及び第4のトランジスタ(T39)を具備し,第3のトランジスタのゲートは,第1の制御信号及び第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,第4のトランジスタは,第1の制御信号及び第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,第4のインバータは,第5のトランジスタ(T58)及び第6のトランジスタ(T59)を具備し,第5のトランジスタのゲートは,第3の制御信号及び第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,第6のトランジスタは,第3の制御信号及び第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されてもよい。
【0028】
さらに,第1のノードと第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第7のトランジスタ(T12)と,第2のノードと第2のトランジスタのゲートとの間に接続された第8のトランジスタ(T22)と,を具備してもよい。
【0029】
本発明の一実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置は、上記した電圧変換回路によって発生された高電圧がワード線に供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有する。
【0030】
本発明の他の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置は、上記した電圧変換回路によって発生された高電圧がウェルに供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、駆動信号の垂れ下がりや浮き上がりを抑えつつ、ピーク電流を低減したチャージポンプ回路を提供できる。また、そのような電圧変換回路を有する半導体記憶装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る高電圧レギュレータ回路の機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る高電圧発生回路の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るチャージポンプ回路の回路図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路の回路図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路の回路図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路及び電圧変換回路の各ノードにおける電圧の波形図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るクロックバッファ回路の各ノードにおける電圧の波形図及び電流の総和ICCである。
【図9】従来のチャージポンプ回路及びその駆動信号の波形図である。
【図10】従来のチャージポンプ回路を駆動するためのクロックバッファ回路の一例である。
【図11】従来のチャージポンプ回路を駆動するためのクロックバッファ回路の各ノードにおける電圧の波形図及び電流の総和ICCである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を実施形態として説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に何ら限定されることはない。以下に説明する実施形態を種々に変形して本発明を実施することが可能である。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の機能ブロック図である。この不揮発性半導体記憶装置は、いわゆる記憶機能のみを有してもよいし、CPUコア等とともに混載されるいわゆるメモリコアであってもよい。この不揮発性半導体記憶装置は、電源電圧VCC(例えば、1.8V)と接地電圧VSSからなる単一電源で動作する。この不揮発性半導体記憶装置には、アドレス信号(ADDR)、制御信号(CTRL)等が供給され、DQ端子によって、データの入出力が行われる。アドレス信号(ADDR)はアドレスバッファ回路(ADDR buffers)に供給され、アドレス信号(ADDR)のうち、行アドレス(X−ADDR)は行デコーダ(X−decoders)に、列アドレス(Y−ADDR)は列デコーダ(Y−decoders)にそれぞれ供給される。メモリセルアレイ(Memory Cell Array)は、電荷蓄積層(浮遊ゲート、窒化膜等)を有するP型のMOSトランジスタを行列状に配置して構成され、その制御ゲートはワード線に接続され、ワード線は行デコーダ(X−decoders)によって駆動される。また、P型のMOSトランジスタのソースは共通ソース線に、ドレインはビット線にそれぞれ接続され、ビット線は列選択ゲート(Y−select gates)によって選択される。列選択ゲート(Y−select gates)は、列デコーダ(Y−decoders)によって駆動される。列選択ゲート(Y−select gates)はマルチプレクサ回路であり、この回路によって選択されたビット線の電圧(またはそのビット線に流れる電流)は、センスアンプ回路(Sense Amps)によってセンスされて読み出しデータとなり、これはページバッファ回路(Page buffers)にラッチされ、書き込みデータローディング回路(Program Data loading)によって、ページバッファ内アドレス(Page−ADDR)に従って、入出力バッファ回路(I/O buffers)を経てDQ端子に供給される。
【0035】
また、DQ端子から供給された書き込みデータは、入出力バッファ回路(I/O buffers)を経てページバッファ回路(Page buffers)にラッチされ、これが書き込みバッファ回路(Program buffers)に保持される。ここに保持されたデータは列選択ゲート(Y−select gates)によって選択されたビット線に供給され、選択されたメモリセルに書き込まれる。書き込みは、ビット線に0V、共通ソース線にVCC又はそれ以上の電圧、ワード線に高電圧VP1、ウェルに高電圧VP2をそれぞれ供給することによって、バンド間トンネル電流を発生させて電子を電荷蓄積層にトラップさせることによって行う。ここで、高電圧VP1、高電圧VP2は、例えば、それぞれ7V、5Vである。
【0036】
これら読み出し動作及び書き込み動作は、制御信号(CTRL)によって動作するところの、状態遷移装置(State Machine)及び制御回路(CTRL ckt)によって制御される。
【0037】
高電圧レギュレータ回路(High−Voltage Regulator)は、状態遷移装置(State Machine)及び制御回路(CTRL ckt)によって制御され、高電圧VP1、高電圧VP2及び負電圧VNを出力する。高電圧VP1及び負電圧VNは、行デコーダ(X−decoders)に供給され、高電圧VP2はウェルバイアス制御回路(Well bias CTRL)に供給される。上述したとおり、書き込み時には、ビット線に0V、共通ソース線にVCC又はそれ以上の電圧、ワード線に高電圧VP1、ウェルに高電圧VP2がそれぞれ供給される。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態に係る高電圧レギュレータ回路(High−Voltage Regulator)の機能ブロック図の一部である。VP1、VP2及びVNの三電圧を出力する場合には、同様の回路(負電圧発生回路の場合は、回路のPNを反転させ信号の正負を反転させた負電圧発生回路となる。)が三系統配置される。
【0039】
高電圧レギュレータ回路(High−Voltage Regulator)は、高電圧発生回路(PUMP)、電圧分割回路(Voltage divider)、比較回路(Comparator)及び発振器(Oscilator)から構成される。
【0040】
回路の活性化信号(EN)に従って、高電圧発生回路(PUMP)、電圧分割回路(Voltage divider)、比較回路(Comparator)及び発振器(Oscilator)が活性化さる。比較回路(Comparator)は、バンドギャップ基準電位発生回路(Band Gap reference)から供給される基準電位(VREF)と、電圧分割回路(Voltage divider)の出力であるフィードバック電圧DVIVとを比較して、発振器(Oscilator)の動作を制御する。発振器(Oscilator)はクロック信号(CLK)を高電圧発生回路(PUMP)に供給する。高電圧発生回路(PUMP)の出力が所定値より上がり過ぎると、負帰還が働いて、発振器(Oscilator)のクロック信号(CLK)供給が停止され、高電圧発生回路(PUMP)の出力が所定値より下がると、クロック信号(CLK)供給が再開する。
【0041】
図3は高電圧発生回路(PUMP)の機能ブロック図である。高電圧発生回路(PUMP)は、位相シフト回路(Phase shifter)、クロックバッファ回路(CLK buffers)及びチャージポンプ回路(CP)から構成される。
【0042】
クロック信号(CLK)は、位相シフト回路(Phase shifter)に供給され、図7を用いて後に詳述する4相の制御信号DCLK10、GCLK10、DCLK20及びGCLK20が生成される。位相シフト回路(Phase shifter)は、複数の遅延回路を用いて構成する。クロックバッファ回路(CLK buffers)は、制御信号DCLK10、GCLK10、DCLK20及びGCLK20を受けて、駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2及びGCLK2を生成する。チャージポンプ回路(CP)は駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2及びGCLK2を受けて、高電圧VP(VP1、VP2など。負電圧の場合はVNである。)が生成する。
【0043】
図4はチャージポンプ回路(CP)の回路図である。電源電圧VCCと昇圧電圧VPが提供されるノードとの間に、NMOSから構成されるトランジスタT01、T11、T21、T31及びT41が直列に接続されている。
【0044】
トランジスタT01とT11の間、T11とT21の間、T21とT31の間、T31とT41の間の各ノードをそれぞれ、CPD1、CPD2、CPD3、CPD4とする。トランジスタT01、T11、T21、T31及びT41の各ゲートの各ノードをCPG0、CPG1、CPG2、CPG3、CPG4とする。
【0045】
VCCとCPG0との間にはNMOSから構成されるトランジスタT02が接続され、そのゲートはCPD1に接続されている。CPD1とCPG1との間にはNMOSから構成されるトランジスタT12が接続され、そのゲートはCPD2に接続されている。CPD2とCPG2との間にはNMOSから構成されるトランジスタT22が接続され、そのゲートはCPD3に接続されている。CPD3とCPG3との間にはNMOSから構成されるトランジスタT32が接続され、そのゲートはCPD4に接続されている。CPD4とCPG4との間にはNMOSから構成されるトランジスタT42が接続され、そのゲートはVPに接続されている。
【0046】
CPG0にはキャパシタC00が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG1にはキャパシタC12が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG2にはキャパシタC22が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。CPG3にはキャパシタC32が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK1によって駆動される。CPG4にはキャパシタC42が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号GCLK2によって駆動される。
【0047】
CPD1にはキャパシタC11が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD2にはキャパシタC21が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。CPD3にはキャパシタC31が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK1によって駆動される。CPD4にはキャパシタC41が接続され、このキャパシタの対向電極は駆動信号DCLK2によって駆動される。
【0048】
なお、図4は正の高電圧を発生する回路の例であるが、負電圧を発生する回路を構成する場合には、電源電圧VCCを負電圧出力VNに変更し,高電圧出力VPを接地電圧VSSに変更し,二重ウェル内にトランジスタを収容するなどしてバックゲートを適宜分離すればよい。ここで、キャパシタは例えばソース・ドレイン・バックゲートのいずれもが駆動信号DCLKnに接続され、ゲートがCPDmに接続されたPMOSトランジスタで形成する。
【0049】
図5(a)及び(b)はクロックバッファ回路(CLK buffers)の一部であり、それぞれ、駆動信号DCLK1、駆動信号GCLK1を生成する回路である。駆動信号DCLK1を生成する回路は、継続接続されたインバータIN31、IN32、IN33及びIN34からなる直列回路、インバータIN32の出力と駆動信号GCLK1とが供給されるNANDゲート(NAND36)、駆動信号GCLK2が供給されるインバータIN35、インバータIN32の出力とインバータIN35の出力とが供給されるNORゲート(NOR37)、NAND36の出力で駆動されるPMOSトランジスタT38、NOR37の出力で駆動されるNMOSトランジスタT39から構成される。駆動信号GCLK1を生成する回路は、インバータIN41、IN42、IN43、IN44を継続接続させた構成をとっている。図中の数値(インバータIN31における3.2um、1.6um)は、インバータを構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲート幅である(インバータIN31においては、PMOSトランジスタのゲート幅は3.2μm、NMOSトランジスタのゲート幅は1.6μmである。)。駆動信号DCLK1の駆動は二つのインバータで行う。一つはIN34であり、いま一つはトランジスタT38及びT39から構成されるインバータ回路である。トランジスタT38及びT39のゲート幅は、例えば、それぞれ120μm、60μmであり、比較的大きく(IN34を構成するトランジスタのゲート幅よりも大きい。ただし、駆動力の総和としては増加する限りで、IN34を構成するトランジスタのゲート幅より大きいものに限定されない。)設定されている。これによって、駆動信号DCLK1の垂れ下がりや浮き上がりは効果的に抑圧される。
【0050】
図6(a)及び(b)もクロックバッファ回路(CLK buffers)の一部であり、それぞれ、駆動信号DCLK2、駆動信号GCLK2を生成する回路である。駆動信号DCLK2を生成する回路は、継続接続されたインバータIN51、IN52、IN53及びIN54からなる直列回路、インバータIN52の出力と駆動信号GCLK2とが供給されるNANDゲート(NAND56)、駆動信号GCLK1が供給されるインバータIN55、インバータIN52の出力とインバータIN55の出力とが供給されるNORゲート(NOR57)、NAND56の出力で駆動されるPMOSトランジスタT58、NOR57の出力で駆動されるNMOSトランジスタT59から構成される。駆動信号GCLK2を生成する回路は、インバータIN61、IN62、IN63、IN64を継続接続させた構成をとっている。駆動信号DCLK2の駆動も二つのインバータで行う。一つはIN54であり、いま一つはトランジスタT58及びT59から構成されるインバータ回路である。トランジスタT58及びT59のゲート幅は比較的大きく設定されている。これによって、駆動信号DCLK2の垂れ下がりや浮き上がりは効果的に抑圧される。
【0051】
図7はクロックバッファ回路(CLK buffers)及びチャージポンプ回路(CP)の各ノードにおける電圧の波形図である。図7には、制御信号DCLK10、GCLK10、DCLK20及びGCLK20、駆動信号DCLK1、GCLK1、DCLK2及びGCLK2、CPD1、CPD2(点線で示す)、CPG1及びCPG2(点線で示す)の各ノードにおける電圧波形が示されている。
【0052】
時刻t1に制御信号GCLK20がLになると、これに応じて駆動信号GCLK2がLになる。時刻t2に制御信号DCLK20がLになると、これに応じて駆動信号DCLK2がLになる。
【0053】
時刻t3に、制御信号DCLK10がHになると、これに応じてインバータIN31〜IN34が応答して、駆動信号DCLK1がHになる。これとともに、キャパシタC11を介して、CPD1が昇圧される。ここでは、GCLK1は未だLであるため、NAND36の出力はHであり、トランジスタT38は非導通である。つまり、駆動信号DCLK1は、インバータIN34のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、CPD1の昇圧にかかる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0054】
時刻t4に、制御信号GCLK10がHになると、これに応じてインバータIN41〜IN44が応答して、駆動信号GDLK1がHになる。その結果、キャパシタC12を介してCPG1が昇圧され、トランジスタT11が導通し、CPD1の昇圧電圧がCPD2に順次転送される。このような電荷移動(CM1)によって、CPD1の電圧は徐々に低くなり、一方で、CPD2の電圧は徐々に高くなる。ここでは、GCLK1がHであるため、NAND36の出力はLとなり、トランジスタT38は導通する。つまり、駆動信号DCLK1は、インバータIN34のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)とトランジスタT38(ゲート幅120μm)の双方によってH駆動される。したがって、駆動信号DCLK1の垂れ下がりは図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。なお、この時点において、駆動信号DCLK2はインバータINV54(ゲート幅20μm)及びトランジスタT59(ゲート幅60μm)の双方によってL駆動される。駆動信号DCLK2の浮き上がりも図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。
【0055】
時刻t5に、制御信号GCLK10がLになると、これに応じてインバータIN41〜IN44が応答して、駆動信号GDLK1がLになる。その結果、トランジスタT11が非導通となり、CPD1の昇圧電圧のCPD2への転送が終了する。
【0056】
時刻t6に、制御信号DCLK10がLになると、これに応じてインバータIN31〜IN34が応答して、駆動信号DCLK1がLになる。なお、この時点では、駆動信号GCLK2がLであるため、NOR37の出力はLとなり、トランジスタT39は非導通である。その結果、駆動信号DCLK1は、インバータIN34のNMOSトランジスタ(ゲート幅20μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、クロックバッファ回路を流れる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0057】
時刻t7に、制御信号DCLK20がHになると、これに応じてインバータIN51〜IN54が応答して、駆動信号DCLK2がHになる。これとともに、キャパシタC21を介して、CPD2が昇圧される。ここでは、GCLK2は未だLであるため、NAND56の出力はHであり、トランジスタT58は非導通である。つまり、駆動信号DCLK2は、インバータIN54のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、CPD2の昇圧にかかる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0058】
時刻t8に、制御信号GCLK20がHになると、これに応じてインバータIN61〜IN64が応答して、駆動信号GDLK2がHになる。その結果、キャパシタC22を介してCPG2が昇圧され、トランジスタT21が導通し、CPD2の昇圧電圧がCPD3に順次転送される。このような電荷移動(CM2)によって、CPD2の電圧は徐々に低くなり、一方で、図示しないがCPD3の電圧は徐々に高くなる。ここでは、GCLK2がHであるため、NAND56の出力はLとなり、トランジスタT58は導通する。つまり、駆動信号DCLK2は、インバータIN54のPMOSトランジスタ(ゲート幅40μm)とトランジスタT58(ゲート幅120μm)の双方によってH駆動される。したがって、駆動信号DCLK2の垂れ下がりは図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。なお、この時点において、駆動信号DCLK1はインバータINV34(ゲート幅20μm)及びトランジスタT39(ゲート幅60μm)の双方によってL駆動される。駆動信号DCLK1の浮き上がりも図7に示すとおりわずかであり、効果的に抑圧される。
【0059】
時刻t8においては、さらに、駆動信号GDLK2がHになることによって、キャパシタC00を介してCPG0が昇圧され、トランジスタT01が導通し、VCCから電荷がCPD1に順次転送される。このような電荷移動(CM3)によって、CPD1の電圧は徐々に高くなる。
【0060】
時刻t9に、制御信号GCLK20がLになると、これに応じてインバータIN61〜IN64が応答して、駆動信号GDLK2がLになる。その結果、トランジスタT21が非導通となり、CPD2の昇圧電圧のCPD3への転送が終了する。
【0061】
時刻t10に、制御信号DCLK20がLになると、これに応じてインバータIN51〜IN54が応答して、駆動信号DCLK2がLになる。なお、この時点では、駆動信号GCLK1がLであるため、NOR57の出力はLとなり、トランジスタT59は非導通である。その結果、駆動信号DCLK2は、インバータIN54のNMOSトランジスタ(ゲート幅20μm)のみによって駆動される。したがって、後述するように、クロックバッファ回路を流れる瞬時電流はそれほど大きくならない。
【0062】
時刻t11に、制御信号DCLK20がLになると、これに応じてインバータIN51〜IN54が応答して、駆動信号DCLK2がLになる。
【0063】
時刻t11に、制御信号DCLK10がHになると、時刻t3と同様の動作が行われる。さらに、時刻t12に制御信号GCLK10がHになると、時刻t4と同様の動作が行われる。ここでも、電荷移動(CM4)が生じる。
【0064】
図8は、クロックバッファ回路の各ノードにおける電圧の波形図及び電流の総和ICCである。電流の総和ICCは、VCCからVSSに向かって流れる電流の総和である。駆動信号DCLK1がLからHへ遷移する時刻t3においては、駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルアップ駆動能力はそれほど大きくない。その結果、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。また、駆動信号DCLK2がLからHへと遷移する時(t7)も、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。
【0065】
また、駆動信号DCLK1を発生するクロックバッファ回路のプルダウン駆動能力は、駆動信号DCLK1がHからLへと遷移する時(t6)にはそれほど大きくないため、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。また、駆動信号DCLK2がHからLへと遷移する時(t10)に、瞬時的に大きな電流がクロックバッファ回路に流れることが効果的に抑制される。
【0066】
このように、ピーク電流を分散させることによって、局所的な電源電圧の低下を回避することが可能となり、大きな電流変化di/dtに起因するインダクタの作用で、ノイズ源となるという問題の発生が回避される。
【符号の説明】
【0067】
t3、t6、t7、t10 時刻
DCLK1、GCLK1、DCLK2、GCLK2 駆動信号
ICC クロックバッファ回路に流れる電流の総和
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,
前記第1のノードと第3のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,
前記第1のトランジスタのゲートと第4のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,
第1の制御信号(DCLK10)に応答して前記第3のノードを駆動する第1のバッファと,
第2の制御信号(GCLK10)に応答して前記第3のノードを駆動する第2のバッファと,を具備し,
前記第1のバッファは,前記第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,前記第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項2】
前記第1のバッファは,出力が共通に前記第3のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)とを具備し,
前記第1のインバータは前記第1の制御信号に応答して前記第3のノードを駆動し,
前記第2のインバータは前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の双方に応答して前記第3のノードを駆動することを特徴とする請求項1記載の電圧変換回路。
【請求項3】
前記第2のインバータは,第2のトランジスタ(T38)を具備し,
前記第2のトランジスタのゲートは,前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されることを特徴とする請求項2記載の電圧変換回路。
【請求項4】
さらに,前記第1のノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第3のトランジスタ(T12)を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電圧変換回路。
【請求項5】
第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,
前記第2のノードと第3のノード(CPD3)とに接続された第2のトランジスタ(T21)と,
前記第1のノードと第4のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,
前記第1のトランジスタのゲートと第5のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,
前記第2のノードと第6のノード(DCLK2)との間に接続された第3のキャパシタ(C21)と,
前記第2のトランジスタのゲートと第7のノード(GCLK2)との間に接続された第4のキャパシタ(C22)と,
第1の制御信号(DCLK10)に応答して前記第4のノードを駆動する第1のバッファと,
第2の制御信号(GCLK10)に応答して前記第5のノードを駆動する第2のバッファと,
第3の制御信号(DCLK10)に応答して前記第6のノードを駆動する第3のバッファと,
第4の制御信号(GCLK10)に応答して前記第7のノードを駆動する第4のバッファと,を具備し,
前記第1のバッファは,前記第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,前記第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低く,前記第3のバッファは,前記第3の制御信号の遷移時の駆動能力が,前記第4の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項6】
前記第1のバッファは,出力が共通に前記第4のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)を具備し,
前記第1のインバータは前記第1の制御信号に応答して前記第4のノードを駆動し,
前記第2のインバータは前記第1の制御信号,前記第2の制御信号及び前記第4の制御信号に応答して前記第4のノードを駆動し,
前記第3のバッファは,出力が共通に前記第6のノードに接続された第3のインバータ(IN54)と第4のインバータ(T58,T59)とを具備し,
前記第3のインバータは前記第3の制御信号に応答して前記第6のノードを駆動し,
前記第4のインバータは前記第3の制御信号及び前記第4の制御信号及び前記第2の制御信号に応答して前記第6のノードを駆動することを特徴とする請求項5記載の電圧変換回路。
【請求項7】
前記第2のインバータは,第3のトランジスタ(T38)及び第4のトランジスタ(T39)を具備し,
前記第3のトランジスタのゲートは,前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,前記第4のトランジスタは,前記第1の制御信号及び前記第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,
前記第4のインバータは,第5のトランジスタ(T58)及び第6のトランジスタ(T59)を具備し,
前記第5のトランジスタのゲートは,前記第3の制御信号及び前記第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,前記第6のトランジスタは,前記第3の制御信号及び前記第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されることを特徴とする請求項6記載の電圧変換回路。
【請求項8】
さらに,前記第1のノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第7のトランジスタ(T12)と,
前記第2のノードと前記第2のトランジスタのゲートとの間に接続された第8のトランジスタ(T22)と,を具備することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の電圧変換回路。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電圧変換回路によって発生された高電圧がワード線に供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電圧変換回路によって発生された高電圧がウェルに供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項1】
第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,
前記第1のノードと第3のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,
前記第1のトランジスタのゲートと第4のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,
第1の制御信号(DCLK10)に応答して前記第3のノードを駆動する第1のバッファと,
第2の制御信号(GCLK10)に応答して前記第3のノードを駆動する第2のバッファと,を具備し,
前記第1のバッファは,前記第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,前記第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項2】
前記第1のバッファは,出力が共通に前記第3のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)とを具備し,
前記第1のインバータは前記第1の制御信号に応答して前記第3のノードを駆動し,
前記第2のインバータは前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の双方に応答して前記第3のノードを駆動することを特徴とする請求項1記載の電圧変換回路。
【請求項3】
前記第2のインバータは,第2のトランジスタ(T38)を具備し,
前記第2のトランジスタのゲートは,前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されることを特徴とする請求項2記載の電圧変換回路。
【請求項4】
さらに,前記第1のノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第3のトランジスタ(T12)を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電圧変換回路。
【請求項5】
第1のノード(CPD1)と第2のノード(CPD2)とに接続された第1のトランジスタ(T11)と,
前記第2のノードと第3のノード(CPD3)とに接続された第2のトランジスタ(T21)と,
前記第1のノードと第4のノード(DCLK1)との間に接続された第1のキャパシタ(C11)と,
前記第1のトランジスタのゲートと第5のノード(GCLK1)との間に接続された第2のキャパシタ(C12)と,
前記第2のノードと第6のノード(DCLK2)との間に接続された第3のキャパシタ(C21)と,
前記第2のトランジスタのゲートと第7のノード(GCLK2)との間に接続された第4のキャパシタ(C22)と,
第1の制御信号(DCLK10)に応答して前記第4のノードを駆動する第1のバッファと,
第2の制御信号(GCLK10)に応答して前記第5のノードを駆動する第2のバッファと,
第3の制御信号(DCLK10)に応答して前記第6のノードを駆動する第3のバッファと,
第4の制御信号(GCLK10)に応答して前記第7のノードを駆動する第4のバッファと,を具備し,
前記第1のバッファは,前記第1の制御信号の遷移時の駆動能力が,前記第2の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低く,前記第3のバッファは,前記第3の制御信号の遷移時の駆動能力が,前記第4の制御信号の遷移時の駆動能力よりも低いことを特徴とする電圧変換回路。
【請求項6】
前記第1のバッファは,出力が共通に前記第4のノードに接続された第1のインバータ(IN34)と第2のインバータ(T38,T39)を具備し,
前記第1のインバータは前記第1の制御信号に応答して前記第4のノードを駆動し,
前記第2のインバータは前記第1の制御信号,前記第2の制御信号及び前記第4の制御信号に応答して前記第4のノードを駆動し,
前記第3のバッファは,出力が共通に前記第6のノードに接続された第3のインバータ(IN54)と第4のインバータ(T58,T59)とを具備し,
前記第3のインバータは前記第3の制御信号に応答して前記第6のノードを駆動し,
前記第4のインバータは前記第3の制御信号及び前記第4の制御信号及び前記第2の制御信号に応答して前記第6のノードを駆動することを特徴とする請求項5記載の電圧変換回路。
【請求項7】
前記第2のインバータは,第3のトランジスタ(T38)及び第4のトランジスタ(T39)を具備し,
前記第3のトランジスタのゲートは,前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,前記第4のトランジスタは,前記第1の制御信号及び前記第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,
前記第4のインバータは,第5のトランジスタ(T58)及び第6のトランジスタ(T59)を具備し,
前記第5のトランジスタのゲートは,前記第3の制御信号及び前記第4の制御信号の双方の論理をとることによって駆動され,前記第6のトランジスタは,前記第3の制御信号及び前記第2の制御信号の双方の論理をとることによって駆動されることを特徴とする請求項6記載の電圧変換回路。
【請求項8】
さらに,前記第1のノードと前記第1のトランジスタのゲートとの間に接続された第7のトランジスタ(T12)と,
前記第2のノードと前記第2のトランジスタのゲートとの間に接続された第8のトランジスタ(T22)と,を具備することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の電圧変換回路。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電圧変換回路によって発生された高電圧がワード線に供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電圧変換回路によって発生された高電圧がウェルに供給されることによって書き込みがなされるメモリセルを有することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−199685(P2012−199685A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61513(P2011−61513)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(503291439)株式会社GENUSION (33)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(503291439)株式会社GENUSION (33)
【Fターム(参考)】
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