説明

電子写真用トナー及び画像形成装置

【課題】同一被記録媒体上で異なる光沢を形成するための画像形成方法であって、特に同一被記録媒体上で部分的に写真光沢に近い高光沢となる部分を形成することであり、低温定着性に優れた透明トナーと有彩色トナー及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】記録媒体上に1種以上の有彩色トナーと透明トナーとで画像を形成する電子写真用透明トナーであって、前記透明トナーは、熱可塑性樹脂A及び滑剤を有し、粘弾性を測定した際、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有し、かつ正接損失の最大ピーク値が3以上であることを特徴とする電子写真用透明トナー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体表面に形成された静電荷潜像を可視像化する有彩色トナー像、透明トナー像に係り、特に電子写真法により高光沢画像を得るための有彩色トナー、透明トナー及びこれを用いた現像剤、光沢付与装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンター、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法は、光導電性層などの像担持体表面を一様に帯電させ、次いでその像担持体表面を露光し、露光された部分の電荷を消散させることにより電気的な潜像を形成し、更に該潜像にトナーと呼ばれる電荷を持った微粉末等を付着させることによって可視化し、得られた可視像を転写紙等の記録媒体に転写した後、加熱、加圧などにより永久定着させるとともに、転写できずに像担持体表面に残った微粉末等を清掃する工程からなる。
近年の画像形成装置では、トナー定着時の省エネルギー化の要求や高速で処理できる画像形成装置の要求が高まっており、トナー自体に低温で溶融する特性が求められている。
また高画質化の要求も大きく、写真画像等の高品位な画像形成の要求に対しては記録用紙等の被記録媒体表面に光沢性を付与することによって、鮮明な高光沢画像を提供できることが知られている。
【0003】
これらは例えば有彩色トナーのない非画像部に透明トナーを配置することにより、被記録媒体上の有彩色トナーのある部分と有彩色トナーのない部分との光沢差をなくしたり、被記録媒体上の全面に透明トナーを配置する方法などが用いられている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3)
また有彩色トナーと透明トナー像が形成された被記録媒体を、定着装置を用いて加熱溶融し、冷却剥離することで被記録媒体全面に高光沢な画像を形成する装置が開示されている。(特許文献4)
これらの方法によれば被記録媒体全面で光沢差をなくし均一な光沢を提供可能である。
【0004】
一方、印刷分野においては、記録媒体の光沢を制御するためには、UVニス印刷、ニス引き、PP貼り加工などが一般に行われ、ある特定の部分的を高光沢とするいわゆるスポットニスが行われる。スポット印刷は、通常のカラー印刷の後に部分的に高光沢とするための版を作成し、UVニス等を用いてスポット印刷することが行われている。この方法によるとスポットニスを施した部分は写真のように高光沢を得ることができ、スポットニスを施さない部分は低い光沢になり、画像上の光沢差が大きく通常の印刷と比べ差別化が図れるものである。
しかしながら、オフセット印刷でこれを行うためには専用の版を用意する必要があり、また可変データには対応できないため、一定以上の印刷ロット枚数が必要になる。
それに対して、レーザープリンター、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法で本性能を実現できれば、印刷用の版が不要となり可変データにも対応することができる。
【0005】
電子写真方式で同一被記録媒体上に異なる光沢を形成する方法としては、トナーに用いる樹脂の数平均分子量により光沢性を制御する方法(特許文献5)や、有色トナーを定着した後、透明トナー像を形成し、定着温度を下げて光沢を下げる方法(特許文献6)が提案され、更には1回目には光沢範囲を印字、定着し、2回目に非光沢範囲を印字、定着する方法が開示(特許文献7)されている。これらの方法によれば同一被記録媒体上で異なる光沢を得ることは可能であるが、しかしながら、スポットニスで行われているような写真光沢に近いスポット高光沢は未だ実現できていない。
【0006】
上述のように透明トナーを用いて被記録媒体上の光沢性を制御する方法は種々あるが、例えば、特許文献5には、透明トナーに数平均分子量が約3500のポリエステル樹脂を用い、有彩色トナーに数平均分子量が約10000のポリエステル樹脂を用い、透明トナーの融点が、有彩色トナーよりも低いことにより平滑性が上がり、透明トナーの部分の光沢度が、部分的に高くなったものであることが開示されている。
しかしながら、透明トナーは画像の最上層に形成され定着機に直接接触することから、有彩色トナーよりも高い耐ホットオフセット性が求められると共に、有彩色トナー画像の上に透明トナーが形成されるため、トナー層が厚くなり、有彩色トナーは高いコールドオフセット性を持つ特性でないと、低融点透明トナーと高融点有彩色トナーとの組合せでは、安定性に欠けるものとなる。
一方、高い耐ホットオフセット性をトナーに持たせる場合、使用される樹脂は架橋モノマーを導入し分子量分布を広くすることで、ホットオフセットを防止することが一般的に行われる。
しかしながら、架橋モノマーを導入した場合、ホットオフセットは防止可能であるが、弾性成分の影響で流動性が発現せず、トナー表面の平滑性が損なわれ、光沢が低くなってしまうという課題があった。
【0007】
さらに特許文献6に記載される方法は第二の画像形成時の定着ニップ内でのトナーの到達溶融粘度を第一の画像形成時の定着ニップ内よりも大きく設定しているので、第二の画像形成時に作成される透明トナー像は充分に溶融しないため、光沢を下げることになる。
【0008】
また特許文献7に記載される画像形成方法では、透明トナーの樹脂はスチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が使用できる旨開示されているが、具体的に光沢を出すためのトナーの構成は開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、同一被記録媒体上で異なる光沢を形成するための画像形成方法であって、特に同一被記録媒体上で部分的に写真光沢に近い高光沢となる部分を形成することであり、低温定着性に優れた透明トナーと有彩色トナー及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題に対して本発明者らは鋭意検討した結果、記録媒体上に1種以上の有彩色トナーと共に形成される透明トナーを画像に用いられる透明トナー及び画像形成装置であって、前記透明トナーの粘弾性を測定した際、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有し、かつ正接損失の最大ピーク値が3以上であり、前記透明トナーが滑剤を有していることを特徴とする電子写真トナー及び画像形成装置によって上記課題を解決する方法を見出した。
すなわち、上記課題は本発明の(1)〜(13)によって解決される。
(1)記録媒体上に1種以上の有彩色トナーと透明トナーとで画像を形成する電子写真用透明トナーであって、前記透明トナーは、熱可塑性樹脂A及び滑剤を有し、粘弾性を測定した際、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有し、かつ正接損失の最大ピーク値が3以上であることを特徴とする電子写真用透明トナー。
(2)前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂Aは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下のポリエステル樹脂からなることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真用透明トナー。
(3)前記透明トナーを構成する成分として、さらに結晶性のポリエステル樹脂Bを含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の電子写真用透明トナー。
(4)前記透明トナーは、トナー粒子内部に脂肪酸アマイド系滑剤を含有することを特徴とする前記(1)乃至(3)いずれか1に記載の電子写真用透明トナー。
(5)前記透明トナーは、溶解懸濁法によって作られたものであることを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれか1に記載の電子写真用透明トナー。
(6)前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真用透明トナーと組合せる電子写真用有彩色トナーであって、該有彩色トナーは溶解懸濁法によって作られたトナーであることを特徴とする電子写真用有彩色トナー。
(7)前記(1)乃至(5)いずれか1に記載の電子写真用透明トナーと組合せる電子写真用有彩色トナーであって、該有彩色トナーは、結晶性のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真用有彩色トナー。
(8)前記(1)乃至(5)のいずれか1に記載の電子写真用透明トナーと組合せる電子写真用有彩色トナーであって、有彩色トナーは熱可塑性樹脂及び滑剤を含むものであり、粘弾性を測定した際、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有し、かつ正接損失の最大ピーク値が3以上であることを特徴とする電子写真用有彩色トナー。
(9)1種以上の有彩色トナーと透明トナーを用い画像を形成する画像形成装置であって、第一の画像形成時に有彩色トナー像及び前記(1)乃至(5)のいずれか1に記載の電子写真用透明トナー像を記録媒体上に定着した後、第二の画像形成時に有彩色トナー像を記録媒体上に定着して、同一記録媒体上で光沢度が異なる画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
(10)前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の電子写真用トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
(11)有彩色トナー上に形成された透明トナーの定着後のトナー層が1〜15μmであることを特徴とする前記(9)項または(10)項に記載の画像形成装置。
(12)第二の画像形成時に記録媒体のレジスト位置ずれを検知し、データ書き込み位置を調整する機能を有することを特徴とする前記(9)又は(11)に記載の画像形成装置。
(13)第一の画像形成時に、有彩色トナーを記録媒体上に転写後に透明トナーを記録媒体上に転写することを特徴とする前記(9)乃至(12)いずれか1に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置において同一被記録媒体上で異なる光沢を形成することが可能で、特に同一被記録媒体上で部分的に写真光沢に近い高光沢となる部分を形成することができ、低温定着性に優れた透明トナーと有彩色トナー及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置Aの形態を示す正面図である。
【図2】画像形成装置Bの形態を示す正面図である。
【図3】画像形成装置Cの形態を示す正面図である。
【図4】80〜160℃に損失正接のピークがあるトナーの粘弾性例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明者らは鋭意検討した結果、低温定着性に優れ、高い耐ホットオフセット特性と高い光沢特性を持つ透明トナーを見出し、更に低温定着性に優れ、高い耐コールドオフセット特性を持つ有彩色トナーと組み合わせて使うことで、低温で定着することができ、透明トナーを形成した部分のみ高い光沢性を有する画像形成装置を提供することが可能である。
【0014】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の透明トナーは粘弾性測定において損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有しており、正接損失の最大ピーク値が3以上である樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0015】
低温で定着でき、かつ高い光沢性を確保するためには、比較的低温から急激に貯蔵弾性が低い値を示す必要がある。このような貯蔵弾性率(G’)が急激に低下する特性は、表面平滑度の低い記録紙や有彩色トナーの微小凹凸に入り込みやすく、いわゆる延展性にも優れる。
その一方で、耐ホットオフセットの観点から貯蔵弾性率(G’)はある粘度になってからは低下の傾きは緩やかになりその粘度を維持しようとすることが重要であり、さらに損失弾性率(G”)は貯蔵弾性率(G’)のような急激な低下を起こさない必要がある。
【0016】
このように貯蔵弾性率(G’)がある温度から急激に低下しつつ、ある温度域で低下の傾きは緩やかにならないと、図4に示すような、正接損失のピークは発現しない。
正接損失のピークを持つのは、前記のような特性を持つトナーのみであるが、その最大ピークの温度は80〜160℃に発現することが好ましく、正接損失の最大ピーク値が3以上であることが好ましい。
【0017】
正接損失の最大ピーク温度が80℃以下であると保管環境で貯蔵弾性率(G’)が低下しトナーとしての保存性が悪くなってしまい、保管環境でトナーが凝集してしまう。さらに高温での粘弾性が低くなりすぎ、耐ホットオフセット性が損なわれてしまう。160℃以上であると低温で定着する目的が損なわれてしまう。
また正接損失の最大値が3以下であるということは、損失弾性率(G”)のカーブと比較して貯蔵弾性率(G’)があまり低下していないということであり、低温定着と耐ホットオフセットの効果があまり得られない。正接損失(tanδ)のピーク温度や最大ピーク値は樹脂の粘弾性によって決まってくるが、トナー製造工程中の樹脂への負荷、例えば溶融混練条件などによりピーク温度や最大ピーク値を変更することが可能となる。
また結晶性のポリエステルなどを併用する場合は、併用する物質の軟化点、トナーへの配合量によりトナーの粘弾性が変化するため、正接損失(tanδ)のピーク温度や最大ピーク値を変更することが可能となる。
【0018】
本発明におけるトナーの正接損失(tanδ)は粘弾性測定によって測定される。トナーを0.8g、φ20mmのダイスを用い30Mpaの圧力で成型し、TA社製ADVANCED RHEOMETRIC EXPANSION SYSTEMでφ20mmのパラレルコーンを使用して周波数1.0Hz、昇温速度2.0℃/分、歪み0.1%(自動歪み制御:許容最小応力1.0g/cm、許容最大応力500g/cm、最大付加歪み200%、歪み調整200%)、GAPはサンプルセット後FORCEが0〜100gmになる範囲で、損失弾性率(G”)、貯蔵弾性率(G’)、正接損失(tanδ)の測定を行った。なお、このとき貯蔵弾性率(G’)が10以下になった場合の正接損失(tanδ)の値は除外した。
【0019】
さらに本発明に使用する透明トナーの熱可塑性樹脂Aは重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下であることが好ましい。特に樹脂中に架橋モノマーを多く含有し、多量に分岐させた分子量分布の広い樹脂は定着した際に光沢が出ず本発明には適さない。
【0020】
高い光沢を出すためには線状のポリエステル樹脂あるいは微量に架橋したポリエステル樹脂を用いることが好ましい。このときの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は6以下が好ましく、更に好ましくは5以下である。重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6よりも大きいポリエステル樹脂は光沢が低くなり好ましくない。また線状のポリエステル樹脂あるいは微量に架橋したポリエステル樹脂は分子量の異なった複数の線状ポリエステル樹脂あるいは微量に架橋したポリエステル樹脂を用いることも可能である。
【0021】
本発明における結着樹脂の数平均分子量、重量平均分子量は、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定することで得られる。
測定は、カラム(KF801〜807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行う。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流した。試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルター(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料のTHF溶解分の重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.、あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0022】
更に本発明に用いられる画像形成装置においては、1回の定着でも十分光沢を得ることが可能であるが、更に高い光沢を得たい場合は、高光沢とする部分を第一の画像形成時に有彩色トナーと透明トナーとで潜像形成、露光、現像し記録媒体に転写した後、定着機で定着した後、さらに、第二の画像形成で有彩色トナーを潜像形成、露光、現像し記録媒体に転写した後、定着機で定着することができる。これにより通常光沢部分は1回の定着で、高光沢の部分は2回定着機を通過することになる。
【0023】
定着機を2回通過することによって、透明トナーを形成した部分は透明トナーを形成していない部分よりもトナー量が多いが、定着機を2回通過することによって充分に熱量を供給することができ、更に表面の平滑性が上がり高い光沢を出すことができる。
【0024】
通常の低光沢部分は低い定着温度で定着するわけではなく、1回の定着で充分な定着強度を維持できるだけの熱量を与えて定着する。本画像形成装置では、高光沢を実現する透明トナーは、有彩色トナーの上部に形成され、定着機に直接接触するため有彩色トナーよりも高い離型性、耐ホットオフセット性が求められ、かつ高い光沢性を発現することが必要である。
【0025】
他方、有彩色トナーの光沢性は使用目的によって選択することができるが、有彩色トナーの光沢が高い場合は、透明トナーの光沢も高くなりやすい一方、記録媒体上での光沢差は低くなる。
また、光沢が低い有彩色トナーを用いる場合は、記録媒体上での光沢差を大きくしやすいが、透明トナーを載せても高い光沢が出にくくなる。
これは光沢の低い有彩色トナーの場合、有彩色トナー樹脂自体が粘弾性によりもとに戻ろうとする力が働くため定着後の表面が微小に凹凸になるためである。
【0026】
全体に高い光沢性が要求される場合は、有彩色トナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が小さいものを使用すればよく、反対に低い光沢性が要求される場合は、有彩色トナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が大きいものを選択すればよい。
【0027】
有彩色トナーの光沢が低い場合は、透明トナー層を厚くすることによって有彩色トナーによる凹凸をカバーし高光沢を実現することができ、光沢が低い有彩色トナーと光沢が高い透明トナーとを組合せ、透明トナー層の厚さを調節することにより、低光沢から高光沢まで、光沢の異なる画像を自由に形成することが可能になる。
【0028】
本発明の場合、有彩色トナー上に形成された透明トナーの定着後のトナー層の厚みは1〜15μmである。1μm以下であると高光沢化が難しく、15μm以上であると定着強度が弱くなるとともに、透過性が悪くなり有彩色トナーの色再現性が悪くなるからである。
なお、トナー層厚みは、被記録媒体をミクロトームで切断しトナー層厚みを確認することにより測定できる。
【0029】
さらに本発明の透明トナーには滑剤を含有する必要がある。透明トナーは画像の最上部に位置するため高い耐ホットオフセット性が求められ、滑剤を含有することで定着部材との離型性を大きくすることができる。
使用できる滑剤としては流動パラフィン、マイクロリスタンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックス、及びこれらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物などの脂肪族炭化水素系滑剤、牛脂、魚油などの動物油、やし油、大豆油、菜種油、米ぬかワックス、カルナウバワックスなどの植物油、モンタンワックスなど高級脂肪族アルコール・高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマイド、脂肪酸ビスアマイド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛などの金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、ポリフッ化ビニリデンなどが使用できるがこれらに限定されるものではない。
【0030】
滑剤は、単独或は複数組合せて用いることができるが、トナー粒子内部に含有する場合は定着用樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲で含有する。トナー粒子内部に滑剤を含有することにより定着時の耐ホットオフセット性能と定着強度を得ることができ、高い擦り試験強度を得ることができる。これにより高速の画像形成装置で用いた場合、低温定着性が確保することができる。添加量が0.1重量部よりも少ないとオフセットが発生し易くなり、10重量部よりも多くなるとキャリアスペントは発生しやすくなり、さらに画質が劣化し易くなる。
トナー粒子の表面層に滑剤を含有する場合は、定着用樹脂100重量部に対して0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.3重量部の範囲で含有することが好ましい。
トナー粒子の表面層に滑剤を含有する場合、滑剤が直接的に像担持体と接触するため、像担持体表面に薄い膜を形成し、トナーを容易に剥がすことや再付着の防止に効果がある。
【0031】
また本発明の透明トナーは、粘弾性測定において損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有するものであり、前記構成を具備する熱可塑性樹脂(A)単独でも使用可能であるが、結晶性のポリエステル樹脂を併用することも可能である。
【0032】
結晶性のポリエステル樹脂を併用すると、さらに低温での定着が可能になると共に、低温でも画像の光沢性をさらに上げることが可能になる。結晶性を有するポリエステル樹脂はガラス転移温度で結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙などの記録媒体への定着機能を発現する。ここでいう結晶性ポリエステルは軟化点と示差走査熱量計(DSC)における吸熱の最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で定義される結晶性指数によって表わされ、結晶性指数が0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.2のものである。ポリエステル結晶性ポリエステル樹脂の含有量はポリエステル樹脂100部に対して1〜35部、好ましくは1〜25部である。結晶性ポリエステル樹脂の比率が高くなると、感光体等像担持体表面にフィルミングを起こしやすくなると共に、保存安定性が悪化する。さらに結晶性ポリエステル樹脂の比率が高くなると樹脂の透明性が損なわれ、透明トナーとして要求される透明性を確保できなくなってしまう。
【0033】
またトナー内部に脂肪酸アマイド系の滑剤を含有すると結晶性ポリエステルの結晶化が促進され、保存安定性を改良することが可能であり、例えばステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、エチレン−ビスステアリン酸アマイドなどがあげられる。
【0034】
また透明トナー、有彩色トナーは、帯電制御剤を含有することができる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、ホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、有機金属錯体、キレート化合物、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体、第四級アンモニウム塩がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。これらの単独或いは2種類以上を組み合せて用いることができる。
【0035】
これらの帯電制御剤をトナーに内部添加する場合、定着用樹脂に対して0.1〜10重量部添加することが好ましく、帯電制御剤により着色されている場合もあるため、透明トナーの場合はできるだけ白色又は透明色のものを選定する。
【0036】
さらには透明トナー、有彩色トナーには外部添加剤を含有することができる。
外部添加剤には例えば、シリカ、テフロン(登録商標)樹脂粉末、ポリ沸化ビニリデン粉末、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、或いは例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤、凝集防止剤、樹脂粉末、或いは例えば、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として用いることもできる。これらは単独或いは複数組合せて使用することができ、空転等の現像ストレスに対して耐性を持たせるように選択される。
【0037】
二成分現像剤方式を用いる場合、磁性キャリアに用いる磁性体微粒子としてはマグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を使用できる。その形状は粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合は鉄等の強磁性微粒子を用いる事が好ましい。また、化学的な安定性を考慮するとマグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトを用いる事が好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を選択する事により所望の磁化を有する樹脂キャリアを使用する事もできる。この時のキャリアの磁気特性は1,000エルステッドにおける磁化の強さは30〜150emu/gが好ましい。
【0038】
このような樹脂キャリアは磁性体微粒子と絶縁性バインダー樹脂との溶融混練物をスプレードライヤーで噴霧して製造したり、磁性体微粒子の存在下に水性媒体中でモノマーないしプレポリマーを反応、硬化させ縮合型バインダー中に磁性体微粒子が分散された樹脂キャリアを製造できる。
磁性キャリアの表面には正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を固着させたり、樹脂をコーティングして帯電性を制御できる。
【0039】
表面のコート材としてはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられ、さらに正または負帯電性の微粒子または導電性微粒子を含んでコーティングすることができるが、シリコーン樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
【0040】
本発明の電子写真用トナーと磁性キャリアとの混合比はトナー濃度として2〜10wt%が好ましい。
【0041】
またトナーの重量平均粒径は2〜25μmが好ましい。
トナーの粒度は種々の方法により測定され、例えば、コールターカウンターマルチサイザーIIIを用い、測定試料は界面活性剤を加えた電解液中に測定トナーを加え超音波分散機で1分間分散させたものを50,000個測定する。
【0042】
本発明における透明トナー、有彩色トナーを作製するには、定着用樹脂、滑剤、必要に応じて着色剤、更に必要に応じて帯電制御剤、滑剤、添加剤を均一に分散した定着用樹脂を組合せてヘンシェルミキサー、スーパーミキサーの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダ、エクストルーダーの如き熱溶融混練機を用いて溶融混練して素材類を十分に混合せしめた後、冷却固化後微粉砕及び分級を行ってトナーを得る。この時の粉砕方法としては高速気流中にトナーを包含させ、衝突板にトナーを衝突させそのエネルギーで粉砕するジェットミル方式やトナー粒子同士を気流中で衝突させる粒子間衝突方式、更には高速に回転したローターと狭いギャップ間にトナーを供給し粉砕する機械式粉砕法等が使用できる。
【0043】
また、トナー材料を有機溶媒相に溶解または分散させた油相を、水系媒体相中に分散させ、樹脂の反応を行った後、脱溶剤し、濾過と洗浄、乾燥することにより、トナーの母体粒子を製造する溶解懸濁法でも可能である。
【0044】
本発明の画像形成装置の現像装置の構成は、画像形成像担持体の移動速度によって選択されるが、像担持体の移動速度の速い高速プリンタ等の場合は、複数の現像磁気ロールを使用し、現像領域を増して現像時間を伸ばし現像することも行われる。
複数の現像磁気ロールを使用した場合、1本の現像ロール方式と比較して高い現像能力が得られることにより、高面積画像印刷への対応や印刷品質が向上するばかりでなく、現像剤中のトナー含有量を低減ずることができ、かつ、現像ロールの回転スピードを低減することが可能になり、トナーの飛散、現像剤への負荷低減によるトナーによるキャリアスペントを防止し二成分現像剤の長寿命化が更に可能となる。
【0045】
このような現像方式とトナーを組合せて使用することにより、画像に優れ、文字部分とベタ部分の両者に対して安定したトナー付着量を確保することができ、印字密度の変化に対して転写不良のない安定した画像形成装置を提供できる。
【0046】
像担持体をクリーニングする手段としては、ファーブラシ、磁気ブラシ、ブレード等を使用するものが知られておりこれらの方式が使用できる。
【0047】
以下に、本発明の透明トナー、有彩色トナーおよび前記透明トナー、有彩色トナーとキャリアからなる二成分系現像剤の評価に使用した画像形成装置Aについて説明する。
【0048】
〈画像形成方法1〉
図1は、前記画像形成装置Aの全体を示した図である。まず画像形成方法1について説明する。
画像処理部(以下、「IPU」という)(14)に送られた画像データは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)、透明の5色の各画像信号を作成する。
次に画像処理部でY、M、C、Bk、透明の各画像信号は、書き込み部(15)へ伝達される。上記書き込み部(15)はY、M、C、Bk、透明用の5つのレーザビームをそれぞれ変調・走査して、帯電部(51、52、53、54、55)によって感光体ドラム上を帯電した後に順次各感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に、静電潜像を作る。ここでは、例えば第1の感光体ドラム(21)がBkに、第2の感光体ドラム(22)がYに、第3の感光体ドラム(23)がMに、第4の感光体ドラム(24)がCに、第5の感光体ドラム(25)が透明に対応している。
次に、現像付着手段としての現像ユニット(31、32、33、34、35)によって各色のトナー像が上記感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に作られる。また、給紙部(16)によって給紙された転写紙は、転写ベルト(70)上を搬送され、転写チャージ(61、62、63、64、65)によって順次に上記感光体ドラム(21、22、23、24、25)上のトナー像が転写紙上に転写される。
この転写工程終了後、上記転写紙は定着ユニット(80)に搬送されて、この定着ユニット(80)で、上記転写されたトナー像は転写紙上に定着される。
転写工程終了後、上記感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に残留したトナーは、クリーニング部(41、42、43、44、45)によって除去される。
【0049】
〈画像形成方法2〉
次に部分的に高光沢を出す場合の画像形成方法2について説明する。
まず画像形成方法1と同様に、画像処理部(以下、「IPU」という)(14)に送られた画像データは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)、透明の5色の各画像信号を作成する。
次に画像処理部で部分的に高光沢とする第一の画像形成を行う。部分的に高光沢とする部分のY、M、C、Bk、透明の各画像信号は、書き込み部(15)へ伝達される。上記書き込み部(15)はY、M、C、Bk、透明用の5つのレーザビームをそれぞれ変調・走査して、帯電部(51、52、53、54、55)によって感光体ドラム上を帯電した後に順次各感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に、静電潜像を作る。ここでは、例えば第1の感光体ドラム(21)がBkに、第2の感光体ドラム(22)がYに、第3の感光体ドラム(23)がMに、第4の感光体ドラム(24)がCに、第5の感光体ドラム(25)が透明に対応している。
次に、現像付着手段としての現像ユニット(31、32、33、34、35)によって各色のトナー像が上記感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に作られる。また、給紙部(16)によって給紙された転写紙は、転写ベルト(70)上を搬送され、転写チャージ(61、62、63、64、65)によって順次に上記感光体ドラム(21、22、23、24、25)上のトナー像が転写紙上に転写される。
この転写工程終了後、上記転写紙は定着ユニット(80)に搬送されて、この定着ユニット(80)で、上記転写されたトナー像は転写紙上に定着される。
転写工程終了後、上記感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に残留したトナーは、クリーニング部(41、42、43、44、45)によって除去される。
定着された転写紙は第二の画像形成を行うために(17)に搬送される。 第二の画像形成では、画像演算処理によって第一の画像形成をしていない通常光沢となる部分の各画像信号は、書き込み部(15)へ伝達される。ここでは透明以外のY、M、C、Bkの画像が各感光ドラム(21、22、23、24)に書き込まれ、第一の画像形成と同様に現像、転写され再度定着部で定着される。
なお、透明トナー用の画像形成は、画像演算処理によっては印画紙上の濃度が少ない部分に対して透明トナーを付着させることもできるし、領域指定することによって、印刷用紙全体や、画像部と判断された部分についてのみに透明トナーを付着させることが可能である。
【0050】
図2の装置及びこれを用いた画像形成方法においては、図1同様に感光体ドラム(21、22、23、24、25)上に形成されたトナー像を一旦転写ドラム上に転写し、二次転写手段(66)によって転写紙上にトナー像は転写され、定着機(80)で定着される。画像形成方法1、及び画像形成方法2共に使用可能である。透明トナーを厚く載せる場合、転写ドラム上の透明トナー層が厚くなり二次転写がし難くなるため、図3のように別転写ドラムにすることも出来る。
【0051】
以下、本発明の実施例について説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0052】
(マスターバッチ1の製造例)
カーボンブラック(キャボットコーポレーション製、リーガル400R)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成工業株式会社製、RS801)50部を、更には水30部を加え、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて160℃で50分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、ブラックマスターバッチ1を得た。また、C.I.Pigment Red 269、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Yellow 155をそれぞれカーボンブラックの代わりに使用すること以外は同様にして、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1を作成した。
【0053】
(透明トナー1の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg67.5℃、Mw18700、Mn4900、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度156.5℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA製 カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100〜130℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて200〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が5.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、重量平均粒径が6.0±0.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.20以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子を得た。次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、透明トナー1を製造した。
【0054】
(透明トナー2の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂(軟化点111℃) 10重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー2を製造した。
【0055】
(透明トナー3の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg59℃、Mw10800、Mn2800、酸価8mgKOH/g、正接損失ピーク温度129.6℃)
結晶性ポリエステル樹脂(軟化点77℃) 30重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社製/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー3を製造した。
【0056】
(透明トナー4の製造例)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業株式会社製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業株式会社製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業株式会社製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、ポリエステル樹脂(Tg59℃、Mw10800、Mn2800、酸価8mgKOH/g、正接損失ピーク温度129.6℃)230部、結晶性ポリエステル樹脂(軟化点92℃)40部、カルナウバワックス40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行い、ワックス分散液を得た。
次いで、撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記溶解物510部、前記ポリエステル樹脂を420部、前記結晶性ポリエステル樹脂(軟化点92℃)100部、酢酸エチル100部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、分散液を得た。これを顔料・ワックス分散液とする。
前記水相1250部、前記ワックス分散液1130部、イソブチルアルコール1部、イソホロンジアミン7部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業株式会社製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて9,000rpmで30分間混合し、水系媒体分散液を得た。
その後、前記水系媒体分散液を58℃まで昇温し、TKホモミキサーを用いて回転数1,500rpmで1時間更に分散混合し乳化スラリーを得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行い、有機溶媒が留去された分散液を得た。前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーTKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.14のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、透明トナー4を製造した。
【0057】
(透明トナー5の製造例)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業株式会社製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業株式会社製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業株式会社製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、ポリエステル樹脂(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)250部、カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1)40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行いワックス分散液を得た。
次いで、撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記溶解物490部、前記ポリエステル樹脂を520部、酢酸エチル100部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、分散液を得た。これを顔料・ワックス分散液とする。
前記水相1250部、前記ワックス分散液1110部、プレポリマーの50%酢酸エチル溶液(三洋化成工業株式会社製、数平均分子量6500、Tg55℃、遊離イソシアネート含有量1.5重量%)130部、イソブチルアルコール1部、イソホロンジアミン7部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業株式会社製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて9,000rpmで30分間混合し、水系媒体分散液を得た。
その後、前記水系媒体分散液を58℃まで昇温し、TKホモミキサーを用いて回転数1,500rpmで1時間更に分散混合し乳化スラリーを得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行い、有機溶媒が留去された分散液を得た。前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーTKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.14のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、透明トナー5を製造した。
【0058】
(透明トナー6の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg63℃、Mw113000、Mn3700、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度173.5℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー6を製造した。
【0059】
(透明トナー7の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg59℃、Mw10800、Mn2800、酸価8mgKOH/g、正接損失ピーク温度129.6℃)
結晶性ポリエステル樹脂(軟化点70℃) 30重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社製/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー7を製造した。
【0060】
(透明トナー8の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg53℃, Mw12000、Mn2900、酸価9.7mgKOH/g、正接損失ピーク温度123℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー8を製造した。
【0061】
(透明トナー9の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg67.5℃, Mw18700、Mn4900、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度156.5℃)
結晶性ポリエステル樹脂(軟化点111℃) 30重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社製/EB−P) 2重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー9を製造した。
【0062】
(透明トナー10の製造例)
ポリエステル樹脂(透明トナー2の場合と同じ) 100重量部
(Tg64℃, Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂(軟化点111℃)(透明トナー2の場合と同じ) 10重量部
カルナウバワックス(透明トナー2の場合と同じ) 5重量部
(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1)に更に、
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社製/EB−P) 2重量部
を加える以外は透明トナー2と同様にして、透明トナー10を製造した。
【0063】
(透明トナー11の製造例)
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社製/EB−P)をステアリン酸アマイド(花王株式会社製/脂肪酸アマイドS)2重量部に変更する以外は透明トナー10と同様にして、透明トナー11を製造した。
【0064】
(透明トナー12の製造例)
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社製/EB−P)をステアリン酸アマイド(花王株式会社製/脂肪酸アマイドO−S)に変更する以外は透明トナー10と同様にして、透明トナー12を製造した。
【0065】
(透明トナー13の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg69℃, Mw23000、Mn5500、酸価2.7mgKOH/g、正接損失ピーク温度164℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー13を製造した。
【0066】
(透明トナー14の製造例)
ポリエステル樹脂 100重量部
(Tg58℃, Mw16200、Mn3300、酸価8.3mgKOH/g、正接損失ピーク温度148℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 5重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、透明トナー14を製造した。
【0067】
(カラートナー1の製造例)
ポリエステル樹脂 92重量部
(Tg63℃、Mw113000、Mn3700、酸価6.6mgKOH/g、正接損失ピーク温度173.5℃)
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 4重量部
ブラックマスターバッチ1 16重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、ブラックトナー1を製造した。
また、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1をそれぞれブラックマスターバッチ1の代わりに使用すること以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー1、シアントナー1、イエロートナー1を製造し、ブラックトナー1、マゼンタトナー1、シアントナー1、イエロートナー1から構成されるカラートナー1を製造した。
【0068】
(カラートナー2の製造例)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業株式会社製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業株式会社製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業株式会社製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、プレポリマー(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、アジピン酸、テレフタル酸の縮合物と、イソホロンジイソシアネートの反応物)の50%酢酸エチル溶液(三洋化成工業株式会社製、数平均分子量6500、重量平均分子量18000、Tg55℃、遊離イソシアネート含有量1.5重量%)400g、ビスフェノールAポリプロピレンオキサイド付加物とアジピン酸の縮合物(数平均分子量800)、100g、イソホロンジアミン20g、酢酸エチル50gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、5時間反応させ後に、減圧下で酢酸エチルを留去してウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂1を得た。この樹脂の軟化点は104℃、Tgは60℃、酸化は18KOHmg/g、水酸基化は45KOHmg/gであった。
次に撹拌棒および温度計をセットした容器に、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂1を500部、カルナウバワックス40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行いワックス分散液を得た。次いで、撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記溶解物740部、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂1を420部、前記ブラックマスターバッチ1を160部、酢酸エチル100部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、分散液を得た。これを顔料・ワックス分散液とする。
前記水相1420部、前記顔料・ワックス分散液1420部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業株式会社製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて9,000rpmで30分間分散混合し乳化スラリーを得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行い、有機溶媒が留去された分散液を得た。前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーTKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.0μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.13のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、ブラックトナー2を製造した。
また、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1をそれぞれブラックマスターバッチ1の代わりに使用すること以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー2、シアントナー2、イエロートナー2を製造し、ブラックトナー2、マゼンタトナー2、シアントナー2、イエロートナー2から構成される溶解懸濁法トナーであるカラートナー2を製造した。
【0069】
(カラートナー3の製造例)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業株式会社製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業株式会社製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業株式会社製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、ポリエステル樹脂(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)250部、カルナウバワックス40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行いワックス分散液を得た。次いで、撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記溶解物490部、前記ポリエステル樹脂を520部、前記ブラックマスターバッチ1を160部、酢酸エチル100部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、分散液を得た。これを顔料・ワックス分散液とする。
前記水相1420部、前記顔料・ワックス分散液1270部、プレポリマーの50%酢酸エチル溶液(三洋化成工業株式会社製、数平均分子量6500、Tg55℃、遊離イソシアネート含有量1.5重量%)150部、イソブチルアルコール1部、イソホロンジアミン7部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業株式会社製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて9,000rpmで30分間混合し、水系媒体分散液を得た。
その後、前記水系媒体分散液を58℃まで昇温し、TKホモミキサーを用いて回転数1,500rpmで1時間更に分散混合し乳化スラリーを得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行い、有機溶媒が留去された分散液を得た。前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーTKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.14のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、ブラックトナー3を製造した。
また、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1をそれぞれブラックマスターバッチ1の代わりに使用すること以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー3、シアントナー3、イエロートナー3を製造し、ブラックトナー3、マゼンタトナー3、シアントナー3、イエロートナー3から構成されるポリエステル伸長法トナーであるカラートナー3を製造した。
【0070】
(カラートナー4の製造例)
水100部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液(三洋化成工業製、固形分20%)10部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業製)20部、高分子保護コロイドであるカルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業製)の1%水溶液を40部、および酢酸エチル15部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、ポリエステル樹脂(Tg59℃、Mw10800、Mn2800、酸価8mgKOH/g、正接損失ピーク温度129.6℃)230部、結晶性ポリエステル樹脂(軟化点95℃)20部、カルナウバワックス40部、および酢酸エチル200部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、ワックスの分散を行いワックス分散液を得た。次いで、撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記溶解物490部、前記ポリエステル樹脂を470部、前記結晶性ポリエステル樹脂(軟化点95℃)50部、前記ブラックマスターバッチ1を160部、酢酸エチル100部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1.2Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件で、分散液を得た。これを顔料・ワックス分散液とする。
前記水相1420部、前記顔料・ワックス分散液1270部、プレポリマーの50%酢酸エチル溶液(三洋化成工業株式会社製、数平均分子量6500、Tg55℃、遊離イソシアネート含有量1.5重量%)150部、イソブチルアルコール1部、イソホロンジアミン7部、乳化安定剤UCAT660M(三洋化成工業株式会社製)5部を容器に入れ、28℃環境下において、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて9,000rpmで30分間混合し、水系媒体分散液を得た。
その後、前記水系媒体分散液を58℃まで昇温し、TKホモミキサーを用いて回転数1,500rpmで1時間更に分散混合し乳化スラリーを得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、前記乳化スラリーを投入し、35℃で10時間脱溶剤した後、45℃で12時間熟成を行い、有機溶媒が留去された分散液を得た。前記分散液100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーTKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15分間撹拌した後、減圧濾過した。その後、濾過ケーキにイオン交換水500部を加え、TKホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30分間撹拌した後、減圧濾過し、濾過ケーキを得た。
上記の濾過ケーキを循風乾燥機にて40℃で24時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径5.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.14のトナー母体粒子を得た。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0重量部及び(H05TD、クラリアント株式会社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、ブラックトナー4を製造した。
また、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1をそれぞれブラックマスターバッチ1の代わりに使用すること以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー4、シアントナー4、イエロートナー4を製造し、ブラックトナー4、マゼンタトナー4、シアントナー4、イエロートナー4から構成されるポリエステル伸長法トナーであるカラートナー4を製造した。
【0071】
(カラートナー5の製造例)
ポリエステル樹脂 92重量部
(Tg64℃、Mw15300、Mn3800、酸価7mgKOH/g、正接損失ピーク温度143.7℃)
結晶性ポリエステル樹脂(軟化点70℃) 15重量部
カルナウバワックス(セラリカNODA製カルナウバワックスNo.1) 4重量部
エチレン・ビスステアリン酸アマイド(花王株式会社/EB−P) 2重量部
ブラックマスターバッチ1 16重量部
上記のトナー原材料を、使う以外は透明トナー1と同様にして、ブラックトナー5を製造した。
また、マゼンタマスターバッチ1、シアンマスターバッチ1、イエローマスターバッチ1をそれぞれブラックマスターバッチ1の代わりに使用すること以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー5、シアントナー5、イエロートナー5を製造し、ブラックトナー5、マゼンタトナー5、シアントナー5、イエロートナー5から構成されるカラートナー5を製造した。
【0072】
(二成分現像剤の製造例)
作製した透明トナーおよびカラートナーを各5質量%と、コーティングフェライトキャリア95質量%を、ターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し帯電させ、それぞれ二成分現像剤を作製した。
【0073】
〈実施例及び比較例〉
次に画像形成方法1及び画像形成方法2を用いて透明トナー及び有彩色トナーの印字を行った。
<光沢度>
付着量0.4mg/cmのカラートナーのベタ画像上に付着量0.4mg/cmの透明トナーのベタ画像を重なるように、露光、現像、転写し、定着の線速を160mm/秒、定着温度190℃、NIP幅11mmで定着した後、画像の光沢度を測定した。
このとき評価に用いた用紙は王子製紙製PODグロスコート紙128g/mを使用した。光沢は日本電色工業株式会社製グロスメーターVGS−1Dを用い60度光沢で10箇所の画像を評価し、平均光沢が85以上を◎、80〜85未満を○、50〜80未満を△、50以下を×とした。
【0074】
<非オフセット幅>
トナーの付着量を0.8mg/cmとし、定着の線速を160mm/秒で株式会社リコーPPC用紙TYPE6000(70W)用紙を用いて、定着温度を5℃ごと変化させオフセットが発生しない温度幅を確認した。
【0075】
<保存性>
保存性評価はそれぞれのトナー10gを30mlのスクリューバイアル瓶に入れタッピングマシンで100回タッピングした後、45℃24時間恒温槽で保管し、室温に戻した後針入度試験機で針入度を測定した。針入度が10mm以下のものは×、10mm以上は○、15mm以上は◎とした。
【0076】
上記透明トナーの正接損失ピーク温度(℃)及び正接損失値と透明トナーの非オフセット温度幅を表1に示す。
【0077】
【表1】

【実施例1】
【0078】
透明トナー1とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は81を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は50以下の光沢になった。
【実施例2】
【0079】
透明トナー3とカラートナー2を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は83を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は50以下の光沢になった。
【実施例3】
【0080】
透明トナー4とカラートナー3を使用して画像形成方法2の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は80を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は50〜80未満の光沢になった。またこのとき画像形成方法2によるオフセットの発生はなかった。
【実施例4】
【0081】
透明トナー5とカラートナー1を使用して画像形成方法2の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は81を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は50〜80未満の光沢になった。またこのとき画像形成方法2によるオフセットの発生はなかった。
【実施例5】
【0082】
透明トナー2とカラートナー5を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は80を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は82の光沢になり、全面に高い光沢の画像となった。
【実施例6】
【0083】
透明トナー4とカラートナー4を使用して画像形成方法2の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は80を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は50〜80未満の光沢になった。またこのとき画像形成方法2によるオフセットの発生はなかった。
【実施例7】
【0084】
透明トナー8とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は85以上を示し高い光沢が得られた。
カラートナー部分は50以下の光沢になった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生はなかった。
【実施例8】
【0085】
透明トナー9とカラートナー5を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は84を示し高い光沢が得られた。
カラートナー部分は80の光沢を示し、全面に高い光沢の画像となった。
またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生はなかった。
【実施例9】
【0086】
透明トナー10とカラートナー5を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は85以上を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は81の光沢を示し、全面に高い光沢の画像となった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生はなかった。
【実施例10】
【0087】
透明トナー11とカラートナー5を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は85以上を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は80の光沢を示し、全面に高い光沢の画像となった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生はなかった。
【実施例11】
【0088】
透明トナー12とカラートナー5を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は85以上を示し高い光沢が得られた。カラートナー部分は81の光沢を示し、全面に高い光沢の画像となった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生はなかった。
【0089】
(比較例1)
透明トナー6とカラートナー5を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は50以下を示し、カラートナー部分は80の光沢になり、透明トナーを載せた部分の光沢が低い光沢差のある画像となった。
【0090】
(比較例2)
透明トナー6とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナー、カラートナーを載せた両方とも光沢は50以下の光沢になり、高い光沢は得られなかった。
【0091】
(比較例3)
透明トナー7とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は81を示し高い光沢が得られた。
カラートナー部分は50以下の光沢になった。また保存性が悪く針入度が×となった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生が認められた。
【0092】
(比較例4)
透明トナー6とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は50〜80未満を示し、カラートナー部分は50以下の光沢になり、全体的に低い光沢の画像となった。またこのとき画像形成方法2によるオフセットの発生はなかった。
【0093】
(比較例5)
透明トナー13とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は50〜80未満を示し、カラートナー部分は50以下の光沢になり、全体的に低い光沢の画像となった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生はなかった。
【0094】
(比較例6)
透明トナー14とカラートナー1を使用して画像形成方法1の方法を用いで画像形成し、定着画像を得た。透明トナーを載せた部分の光沢は50〜80未満を示し、カラートナー部分は50以下の光沢になり、全体的に低い光沢の画像となった。またこのとき画像形成方法1によるオフセットの発生が認められた。
以上の結果は次表に纏められる。
【0095】
【表2】

【符号の説明】
【0096】
14 画像処理部(IPU)
15 書き込み部
16 給紙部
21 ブラック(Bk)トナー、現像剤用感光体ドラム
22 イエロー(Y)トナー、現像剤用感光体ドラム
23 マゼンタ(M)トナー、現像剤用感光体ドラム
24 シアン(C)トナー、現像剤用感光体ドラム
25 透明トナー、現像剤用感光体ドラム
31 ブラック(Bk)トナー、現像剤用現像手段
32 イエロー(Y)トナー、現像剤用現像手段
33 マゼンタ(M)トナー、現像剤用現像手段
34 シアン(C)トナー、現像剤用現像手段
35 透明トナー、現像剤用像手段
41 ブラック(Bk)トナー、現像剤用クリーニング手段
42 イエロー(Y)トナー、現像剤用クリーニング手段部
43 マゼンタ(M)トナー、現像剤用クリーニング手段
44 シアン(C)トナー、現像剤用クリーニング手段
45 透明トナー、現像剤用クリーニング手段
51 ブラック(Bk)トナー、現像剤用帯電手段
52 イエロー(Y)トナー、現像剤用帯電手段
53 マゼンタ(M)トナー、現像剤用帯電手段
54 シアン(C)トナー、現像剤用帯電手段
55 透明トナー、現像剤用帯電手段
61 ブラック(Bk)トナー、現像剤用転写手段
62 イエロー(Y)トナー、現像剤用転写手段
63 マゼンタ(M)トナー、現像剤用転写手段
64 シアン(C)トナー、現像剤用転写手段
65 透明トナー、現像剤用転写手段
66 二次転写手段
70 転写ベルト
80 定着ユニット
90 記録媒体反転手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特開平4−278967号公報
【特許文献2】特開平4−362960号公報
【特許文献3】特開平9−200551号公報
【特許文献4】特開平5−158364号公報
【特許文献5】特開平8−220821号公報
【特許文献6】特開2009−109926号公報
【特許文献7】特開平4−338984号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に1種以上の有彩色トナーと透明トナーとで画像を形成する電子写真用透明トナーであって、前記透明トナーは、熱可塑性樹脂A及び滑剤を有し、粘弾性を測定した際、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有し、かつ正接損失の最大ピーク値が3以上であることを特徴とする電子写真用透明トナー。
【請求項2】
前記透明トナーを構成する熱可塑性樹脂Aは、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が6以下のポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用透明トナー。
【請求項3】
前記透明トナーを構成する成分として、さらに結晶性のポリエステル樹脂Bを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用透明トナー。
【請求項4】
前記透明トナーは、トナー粒子内部に脂肪酸アマイド系滑剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1に記載の電子写真用透明トナー。
【請求項5】
前記透明トナーは、溶解懸濁法によって作られたものであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1に記載の電子写真用透明トナー。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真用透明トナーと組合せる電子写真用有彩色トナーであって、該有彩色トナーは溶解懸濁法によって作られたトナーであることを特徴とする電子写真用有彩色トナー。
【請求項7】
請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真用透明トナーと組合せる電子写真用有彩色トナーであって、該有彩色トナーは、結晶性のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする電子写真用有彩色トナー。
【請求項8】
請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真用透明トナーと組合せる電子写真用有彩色トナーであって、有彩色トナーは熱可塑性樹脂及び滑剤を含むものであり、粘弾性を測定した際、損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G′)=正接損失(tanδ)で表される正接損失が80〜160℃に最大ピークを有し、かつ正接損失の最大ピーク値が3以上であることを特徴とする電子写真用有彩色トナー。
【請求項9】
1種以上の有彩色トナーと透明トナーを用い画像を形成する画像形成装置であって、第一の画像形成時に有彩色トナー像及び前記(1)項乃至(5)項のいずれか1に記載の電子写真用透明トナー像を記録媒体上に定着した後、第二の画像形成時に有彩色トナー像を記録媒体上に定着して、同一記録媒体上で光沢度が異なる画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至8いずれか1に記載の電子写真用トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
有彩色トナー上に形成された透明トナーの定着後のトナー層が1〜15μmであることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
第二の画像形成時に記録媒体のレジスト位置ずれを検知し、データ書き込み位置を調整する機能を有することを特徴とする請求項9又は11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
第一の画像形成時に、有彩色トナーを記録媒体上に転写後に透明トナーを記録媒体上に転写することを特徴とする請求項9乃至12いずれか1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−100106(P2011−100106A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193956(P2010−193956)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】