説明

電子写真装置用ローラー

【課題】 温度上昇に伴う硬度の低下が抑制されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーを提供することにある。
【解決手段】 ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーであって、前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用ローラーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置用ローラーに関し、より詳しくは、ポリウレタン弾性体が備えられた電子写真装置用ローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラムにレーザーなどで描かれた静電潜像をカーボントナーにて顕像化し、紙などの表面に転写して印刷を行う電子写真装置が広く用いられている。このような、電子写真装置には、上記の感光ドラムの他に、感光ドラムを帯電させる帯電ローラー、感光ドラムにトナーを供給して感光ドラムの潜像を顕像化させる現像ローラー、この現像ローラーにトナーを供給する供給ローラー、この現像ローラーを帯電させる現像ブレード、被印刷物を感光ドラムに押付ける転写ローラー、転写後の感光ドラムに残るトナーを除去する、クリーニングローラーやクリーニングブレードといった種々の現像部材が用いられており、このような各種ローラーやブレードには、通常、弾性体が用いられている。例えば、ローラーにおいては、芯金にゴムや低硬度の樹脂などの弾性体が周設されたものが用いられている。
【0003】
このような電子写真装置用ローラーは、通常、各用途に求められている特性(例えば、弾性、ひずみ、耐磨耗性など)と異なる特性を有していたりすると、印刷物にかすれや欠けが生じたり、あるいは逆に異常に濃い部分が生じたり、不要な部分にトナーが付着したりして印刷精度が低下するおそれがある。このことに対し、ポリイソシアネートとポリオールとの組み合わせを変えたり、異なる種類のポリオールを混合させた混合ポリオールを用いたりすることにより種々の弾性やひずみ特性など所望の特性に調整することが容易である点から、近年、電子写真装置用ローラーの弾性体には、ポリウレタンが用いられたりしている。そして、特許文献1には、この電子写真装置用ローラーに用いるポリウレタン弾性体として、平均官能基数や分子量が所定の値のポリオールを用いることにより、電子写真装置用ローラーの研削加工性を高めることが記載されている。
【0004】
ところで、一般に樹脂は温度が上昇するにしたがいその硬度や弾性率などの特性値を低下させることが知られている。また例えば、樹脂部材が、他の部材と当接し且つこの樹脂部材と他部材との間に相対的な移動を伴う場合には、樹脂部材に擦過が生じることとなる。このとき、同じ当接力で他部材が当接した場合であっても、樹脂部材の硬度や弾性率が低いと他の部材が樹脂部材により深く食い込んで当接することとなる。したがって、このような場合には、擦過により樹脂部材が受ける力が大きくなる。すなわち、樹脂部材の硬度や弾性率が低下すると磨耗しやすいものとなるおそれがある。
通常、ポリウレタンにおいても温度上昇に従い硬度などが低下する。また電子写真装置は、通常、屋内に設置されているものの、例えば、季節により使用環境温度が異なっている。加えて、電子写真装置は、通常、内部発熱が大きく、例えば、使用開始直後の室温状態から時間経過とともに内部温度が上昇し、例えば、40〜50℃に達したりする。
このようなことから、ポリウレタン弾性体が用いられた電子写真装置用ローラーも、温度変化により硬度などの特性値が変化し印刷精度を低下させてしまうおそれを有している。さらに、硬度の低下により耐磨耗性が低下するおそれも有している。
すなわち、ポリウレタン弾性体の温度上昇に伴う硬度の低下を抑制させることにより電子写真装置にこれらの問題が発生することを抑制し得る。しかし、先述の特許文献1においても、平均官能基数や分子量が所定の値のポリオールを用いることにより標準状態での硬度や研削性を調整することが記載されてはいるが、温度変化に対して、硬度の変化を抑制させることについては記載されていない。このように、従来、硬度の温度変化を抑制させることについては、何等検討が行われておらず、従って、その対応策についても確立されてはいない。
すなわち、従来の、ポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーにおいては、ポリウレタン弾性体の温度上昇に伴う硬度の低下を抑制させることが困難であるという問題を有している。
【0005】
【特許文献1】特開平9−176269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、温度上昇に伴う硬度の低下が抑制されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、所定の平均官能基数、数平均分子量のポリオールを用いてポリウレタン弾性体を形成することで、ポリウレタン弾性体の硬度の温度変化が抑制できることを見出し本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーであって、前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用ローラーを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所定の平均官能基数、数平均分子量のポリオールを用いてポリウレタン弾性体が形成されているため、ポリウレタン弾性体の硬度が温度上昇に伴って低下することを抑制することができる。
すなわち、電子写真装置用ローラーにこのようなポリウレタン弾性体を用いることで、温度上昇に伴う硬度の低下が抑制されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーを提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について電子写真装置用現像ローラーを例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態の現像ローラーを示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の現像ローラー1は、トナー8を担持して感光ドラム5に供給し得るように構成され、数mm〜十数mmの直径を有する芯金2と仕上がり外径十数mm〜数十mmの太さとなるように、該芯金2の外周に周設された基材層3と、トナー8等との摩擦によりトナー8を負帯電させ且つ負帯電したトナー8を担持すべく、この基材層3の表面に数μm〜数十μmの厚さに形成された表面層4を備えている。
【0010】
前記基材層3は、ポリウレタンにカーボンブラックが配合されたポリウレタン弾性体から形成されてなり、表面層4の摩擦帯電量を所定範囲に調整すべく、所定の導電性に調整されている。
前記カーボンブラックは、ポリウレタンの伸びを適度に低下させ、ポリウレタン弾性体を適度な硬度ならびに伸び特性とし得る点においてポリウレタン弾性体中に1〜10質量%配合されることが好ましい。カーボンブラックのポリウレタン弾性体への配合量が、1〜10質量%であることが好ましいのは、カーボンブラックが1質量%未満の時には、ポリウレタンの伸びの低減効果を得ることが困難で、10質量%を超えて配合された場合には、ポリウレタンが硬化する前のポリオールとポリイソシアネートとの混和物の状態での混和物粘度が高くなりすぎて、電子写真装置用ローラーの製造効率を低下させてしまうおそれがあるためである。
このような点において、ポリウレタン弾性体へのカーボンブラックの配合量は、3〜6質量%であることがさらに好ましい。
また、このカーボンブラックとしては、ポリオールとポリイソシアネートとの混和物の粘度上昇を抑制しつつポリウレタン弾性体の硬度ならびに伸びを調整することができ、少量で高い導電性を付与し得る点から、DBP吸油量60cm3/100g以下のものが好ましく、例えば、三菱化学社から商品名「#45」、「#45L」、「#85」、「MA8」、「MCF88」として市販のものや、旭カーボン社から商品名「旭#15」、「旭#35」、「アサヒサーマル」として市販のものや、新日化カーボン社から商品名「HTC#SL」、「HTC#20」として市販のものを挙げることができる。
なお、DBP吸油量60cm3/100g未満であることは、JIS K 6217に基づき測定することができる。
また、要すれば、旭ライオン株式会社より市販されている「ケッチェンブラック」、CABOT社の「VULCAN」などの他、一般にアセチレンブラックと称される高導電性カーボンブラックを用いることもできる。
【0011】
前記ポリウレタン弾性体には、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されている。
【0012】
この低分子量ポリオールの数平均分子量が200〜1000とされるのは、数平均分子量が200未満の場合には、ポリウレタン弾性体の架橋点密度が高くなりすぎて、電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためであり、1000を超える場合には、温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなるためである。
また、この低分子量ポリオールの平均官能基数が2.0〜2.5とされるのは、平均官能基数が2未満の場合には、温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなり、しかも、ポリウレタン弾性体に未反応部分ができてタック性が生じてしまうためである。一方、平均官能基数が2.5を超えた場合には架橋点密度が高くなり電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためである。
【0013】
前記高分子量ポリオールの数平均分子量が2000〜6000とされるのは、数平均分子量が2000未満の場合には、ポリウレタン弾性体の架橋点密度が高くなりすぎて、電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためであり、6000を超える場合には、温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなり、しかも、ポリウレタン弾性体に未反応部分ができてタック性が生じてしまうためである。
また、この高分子量ポリオールの平均官能基数が2.2〜3.0とされるのは、平均官能基数が2.2未満の場合には、温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなり、しかも、ポリウレタン弾性体に未反応部分ができてタック性が生じてしまうためである。一方、平均官能基数が3.0を超えた場合には架橋点密度が高くなり電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためである。
なお、このような点において高分子量ポリオールの平均官能基数は、2.2〜2.5であることが好ましい。
【0014】
なお、本明細書中における数平均分子量とは、下記のごとく測定した分子量を意図している。
(数平均分子量の求め方)
数平均分子量(Mn)は、JIS K 1557により求められる水酸基価(OHv)により、次の式により求められる。
Mn=(56100/OHv)・fn
なお、式中のfnは、ポリオールの名目上の官能基数を表す。
【0015】
また、本明細書中におけるポリオールの平均官能基数とは、下記のごとく測定した平均官能基数を意図している。
(ポリオールの平均官能基数の求め方)
平均官能基数(F)は、JIS K 1557により求められる水酸基価(OHv)とポリオールの総不飽和度(USV)(meq/g)により、次の式により求められる。
F=(OHv/56.1)/〔{(OHv/56.1)−USV}/fn+USV〕
なお、式中のfnは、ポリオールの名目上の官能基数を表す。
【0016】
また、ポリウレタン弾性体に含有されている高分子量ポリオールと低分子量ポリオールとが質量で、高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率とされるのは、90/10よりも高分子量ポリオールが多く含有されると、ポリウレタン弾性体の温度上昇に伴う硬度の低下が大きなものとなるためである。
一方、40/60よりも低分子量ポリオールが多く含有されると、ポリウレタン弾性体の架橋点密度が高くなり電子写真装置用ローラーに相応しい硬度とならないためである。
さらに、40/60よりも低分子量ポリオールが多く含有されると全体の官能基数が低下してポリウレタン弾性体の成形時に脱型性などに劣るものとなり、製造効率を低下させてしまうおそれがあるためである。
【0017】
前記ポリイソシアネートとしては、一般のポリウレタンに用いられているものを使用することができ、なかでも、トリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4’メチレンイソシアネート及び/又は4,4’メチレンイソシアネートとの異性体含有芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートを用いることが好ましい。
また、前記ポリウレタン弾性体中におけるポリオールとポリイソシアネートの配合割合は、通常、NCO/OH=0.7〜1.2とされる。
【0018】
前記芯金は、導電性の棒状体、具体的には、断面円形で且つ中空又は中実の金属製棒状体である。
この芯金には、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属及びその合金や、これらに、溶融めっき、電解めっき、無電解めっきなどの手段によるめっきを施して用いることができ、より詳しくは、強度、耐久性に優れるステンレス鋼に、さらに導電性と基材層との密着性を高めるために無電解ニッケルめっきを施したものを用いることができる。
【0019】
前記表面層は、トナーとの摩擦によってトナーに負帯電させ得るようにアクリル樹脂とエポキシ樹脂とを含む樹脂混和物により形成されている。
【0020】
このような、材料ならびに構成の現像ローラーを製造する方法としては、一般的に用いられているポリウレタン製ローラーの製造方法を用いることができ、例えば、芯金に基材層(ポリウレタン弾性体)を周設した後、芯金に基材層が周設された成形体の表面を研磨して所定の表面平滑度に調整し、次いで、該成形体のポリウレタン弾性体表面に前記表面層用樹脂組成物溶液を塗布し、加熱して形成する方法などを採用することができる。
【0021】
また、本実施形態の電子写真装置用現像ローラーは、図2に示すように、感光ドラム5とトナー供給ローラー7との間に介装され且つこれらに当接するように配置されて使用される。このように使用されることで、該現像ローラーは、トナー供給ローラー7から供給されたトナー8を摩擦によって負帯電させるとともに、負帯電したトナー8を表面層4で担持し、感光ドラム5に供給し得るものとなる。
なお、現像ローラーに担持されるトナー8の層は、現像ローラー近傍に配された現像ブレード6によって均一な薄層とされる。
【0022】
以上のごとく、本実施形態においては、上記のごとく構成され、上記のごとく使用される電子写真用現像ローラーを例に説明したが、本発明の電子写真装置用ローラーとしては、上記構成に限定されるものではない。
【0023】
また、本実施形態においては、硬度の温度変化を抑制させることにより電子写真装置の印刷精度を向上させ得る点において、他の電子写真装置用ローラーに比べて、より顕著な効果が得られることから電子写真装置用ローラーとして現像ローラーを例に説明したが、本発明においては、電子写真装置用ローラーが現像ローラーに限定されるものではなく、帯電ローラー、供給ローラー、転写ローラー、クリーニングローラーといった種々の電子写真装置用ローラーに用いる場合も本発明の意図する範囲内である。
また、電子写真装置としても、これらの電子写真装置用ローラーを備えることにより、印刷精度に優れたものとなる。
【実施例】
【0024】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜7)
各実施例、比較例のポリオールを、表1に示す市販の高分子量ポリオールと、表2に示す市販の低分子量ポリオールとを用いて表3に示す配合比率でブレンドした。
次いで、このブレンドされたポリオールを80℃で12時間脱水し、ポリイソシアネート(メーカー名:住化バイエルウレタン社製、商品名「デスモジュールT−80」)をNCO/OH比が1.05となるよう加え、さらに、ポリオールとポリイソシアネートとの総量に対して、質量で100ppmとなるようにジブチルスズラウレートを加え混合攪拌した。
このポリオールとポリイソシアネートとが混合されたものを、直径8mmの芯金に、ポリウレタン弾性体が5mm強の厚さとなるように金型に流し込み、130℃×1時間の架橋を実施した後に、金型より取り出し、さらに80℃×12時間のアフターキュアを実施しロ外径18.5mmのーラー形状とした。
このローラー形状の試料を200rpmで回転させつつ、2000rpmで回転させたローラー砥石(ノリタケカンパニー社製「#GC80」)を表面に当接させてウレタン弾性体厚さが5mmとなるまで研磨を行い外径18.0mmの評価用ローラーを作製した。なお、試料とローラー砥石の回転方向は、当接位置での移動方向が同一方向となるように回転させた。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

* 高分子量ポリオールと低分子量ポリオールとの質量比率を表す。
【0028】
(評価)
(硬度ならびに硬度温度変化率測定とその判定)
標準状態(23℃)と50℃における硬度とを、SRIS 0101 スプリング式アスカーC硬度計で測定した。
そして、標準状態の硬度の値を50℃における硬度の値で除して硬度温度変化率とした。
判定は、硬度温度変化率が1.2以上のものを「×」、1.2未満のものを「○」とした。また、通常、硬度70以上ものは、電子写真装置用ローラーに用いることが困難であることから、標準硬度が70以上のものを「×」、標準硬度が70未満のものを「○」として判定した。結果を表3に示す。
【0029】
表3からも、わかるように数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されているポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体を用いることで、温度上昇に伴う硬度の低下が抑制されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーを提供し得ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施形態の電子写真装置用ローラー(現像ローラー)を示す斜視図。
【図2】同現像ローラーの使用状況を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
【0031】
1:電子写真装置用ローラー(現像ローラー)、2:芯金、3:基材層(ポリウレタン弾性体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用ローラーであって、
前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用ローラー。
【請求項2】
前記高分子量ポリオールの平均官能基数が2.2〜2.5である請求項1に記載の電子写真装置用ローラー。
【請求項3】
前記ポリウレタン弾性体には、カーボンブラックが1〜10質量%含有されている請求項1又は2に記載の電子写真装置用ローラー。
【請求項4】
前記カーボンブラックのDBP吸油量が60cm3/100g以下である請求項3に記載の電子写真装置用ローラー。
【請求項5】
芯金にポリウレタン弾性体が周設された電子写真装置用現像ローラーであって、
前記ポリウレタン弾性体がポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されてなり、前記ポリオールには、数平均分子量が200〜1000、平均官能基数が2.0〜2.5である低分子量ポリオールと、数平均分子量が2000〜6000、平均官能基数が2.2〜3.0である高分子量ポリオールとが、質量で高分子量ポリオール/低分子量ポリオール=90/10〜40/60の比率で含有されていることを特徴とする電子写真装置用現像ローラー。
【請求項6】
前記高分子量ポリオールの平均官能基数が2.2〜2.5である請求項5に記載の電子写真装置用現像ローラー。
【請求項7】
前記ポリウレタン弾性体には、カーボンブラックが1〜10質量%含有されている請求項5又は6に記載の電子写真装置用現像ローラー。
【請求項8】
前記カーボンブラックのDBP吸油量が60cm3/100g以下である請求項7に記載の電子写真装置用現像ローラー。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかに記載の電子写真装置用現像ローラーが用いられている電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−301511(P2006−301511A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126557(P2005−126557)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】