電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品
【課題】電子回路モジュールの小型化を図りつつ、電子回路モジュールの組立を容易にする。
【解決手段】
少なくとも一方の主面に端子を有する親基板4000に接続される電子回路モジュールである。両方の主面に端子を有し、一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板2000と、両方の主面に端子を有し、内部に導体パターンを有する低温焼成セラミック部品1000とを備える。低温焼成セラミック部品1000の一方の主面の端子がモジュール基板2000の他方の主面の端子と接続されることにより、低温焼成セラミック部品1000がモジュール基板2000に実装される。低温焼成セラミック部品1000の他方の主面の端子が親基板4000の端子と接続されることにより、モジュール基板2000が低温焼成セラミック部品1000を間に挟んで親基板4000に実装される。
【解決手段】
少なくとも一方の主面に端子を有する親基板4000に接続される電子回路モジュールである。両方の主面に端子を有し、一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板2000と、両方の主面に端子を有し、内部に導体パターンを有する低温焼成セラミック部品1000とを備える。低温焼成セラミック部品1000の一方の主面の端子がモジュール基板2000の他方の主面の端子と接続されることにより、低温焼成セラミック部品1000がモジュール基板2000に実装される。低温焼成セラミック部品1000の他方の主面の端子が親基板4000の端子と接続されることにより、モジュール基板2000が低温焼成セラミック部品1000を間に挟んで親基板4000に実装される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、無線LAN(Local Area Network)およびモバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線通信装置の利用の拡大に伴って、機器の小型化および低コスト化が強く求められている。
【0003】
一般的に、無線通信機装置のアンテナ端には、送信受信切替えスイッチ、バンド選択のためのデュプレクサー、不要波除去のためのフィルター、受信信号を増幅するためのロウノイズアンプ、送信信号を増幅するためのパワーアンプ、さらに平衡信号を不平衡信号に変換するバランなどからなるフロントエンド部と呼ばれる回路が構成されている。
【0004】
図18は、フロントエンド部の構成の一例を示す回路図である。図18に示すように、アンテナ端子(ANT)は、送受切替えスイッチ(SW)により送信側または受信側に切り替えられる。アンテナ端子が送信側と接続されているときは、バラン(BALUN)のTx端子から入力された信号がパワーアンプ(PA)により増幅されてアンテナ端子に送信される。
【0005】
帯域外の不要な信号を除去するために、バンドパスフィルター(BPF)がパワーアンプ(PA)の入力部と出力部とに設けられている。2つのバンドの周波数を扱えるように送信側にはパワーアンプ(PA1,PA2)をそれぞれ備えた2つの系がアンテナ端子(ANT)へと繋がっており、これらはデュプレクサー(DUPLEXER)を介してバンド分離されている。
【0006】
アンテナ端子(ANT)が受信側にあるときには、アンテナ端子(ANT)からの受信信号は,ロウノイズアンプ(LNA)で増幅されてバラン(BALUN)のRx端子に出力される。受信側においても2つのバンドの周波数を扱えるようにロウノイズアンプ(LNA1,LNA2)をそれぞれ備えた2つの系が接続され、デュプレクサー(DUPLEXER)でそれぞれのバンドの系に振り分けられるように構成されている。
【0007】
フロントエンド部は通信信号の周波数を直接処理する部分であり、特にGHzオーダーの帯域では分布定数回路としての特殊な設計が要求される。フロントエンド部の性能を安定させ、取り扱いを容易にするため、フロントエンド部またはその一部をモジュール化した部品が提案され実用化されている。
【0008】
スイッチおよびフィルターを一体化したスイッチ・フィルターモジュールを開示した先行文献として特許文献1,2がある。これらのスイッチ・フィルターモジュールにおいては、フィルターは積層基板内の導電パターンで構成され、スイッチは積層基板の表面に実装されている。
【0009】
パワーアンプおよびフィルターを一体化したパワーアンプ・フィルターモジュールを開示した先行文献として特許文献3がある。特許文献3に記載されたパワーアンプ・フィルターモジュールにおいては、フィルターは積層基板内の導電パターンで構成され、パワーアンプは積層基板の表面に実装されている。
【0010】
高周波モジュールを開示した先行文献として特許文献4がある。特許文献4に記載された高周波モジュールにおいては、デュプレクサー、フィルターおよびバランは積層基板内の導電パターンで構成されている。スイッチ、ロウノイズアンプおよびパワーアンプは積層基板の表面に実装されている。
【0011】
上記のように、積層基板内の導電パターンにより構成された共振回路および伝送線路を用いてフィルター回路を構成し、さらに基板表面に機能部品を実装することにより、一体化した電子回路モジュールを形成することができる。
【0012】
フィルターなどの回路を導電パターンで構成する場合、高精度で誘電体と導電パターンとを積層可能であり温度特性にも優れた低温焼成セラミック基板が適しており、広く実用されている。
【0013】
その他の方法で形成されたフロントエンドモジュールを開示した先行文献として特許文献5がある。特許文献5に記載されたフロントエンドモジュールにおいては、積層セラミックで形成したフィルターなどの共振回路部品を、スイッチなどその他の部品とともに樹脂基板上に実装してモジュールを構成している。
【0014】
低温焼成セラミック基板を用いて電子回路モジュールを製造する場合、樹脂基板と同様に基板上に実装部品をハンダにより接合する。このとき、自動機を使用して樹脂基板と同じ工程で効率的に部品実装を行なうために、複数の低温焼成セラミック基板が縦横にマトリックス状に設けられた綴り基板を使用することがある。
【0015】
図19は、綴り基板の外観を示す斜視図である。図19に示すように、綴り基板3000には、複数の低温焼成セラミック基板3001がマトリックス状に設けられている。フロントエンドモジュールを作製する際には、複数の低温焼成セラミック基板3001に実装部品を搭載した後、綴り基板3000の状態でリフロー処理することにより、複数の低温焼成セラミック基板3001の各々に実装部品を実装させる。その後、複数の低温焼成セラミック基板3001をそれぞれ個片に分離して製品を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2002−344347号公報
【特許文献2】特開2004−235877号公報
【特許文献3】特開2009−182903号公報
【特許文献4】特開2008−193739号公報
【特許文献5】特開2003−249868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
綴り基板3000は焼成して作製されるため、焼成によるひずみを有している。そのため、綴り基板3000の状態で複数の低温焼成セラミック基板3001に実装部品を実装する場合、ひずみによる寸法誤差の積み重ねによって、実装部品の実装位置を補正する必要が生じる場合がある。
【0018】
また、低温焼成セラミック基板3001の電気検査においては、綴り基板3000の状態で一括プロービング検査を行なうため、全ての低温焼成セラミック基板3001に対して高周波検査を行なうことが困難である。このため、高周波検査は抜き取り検査で行なわれる。この場合、低温焼成セラミック基板3001の品質のバラツキが存在する限り、製造された低温焼成セラミック基板3001の中に性能規格を満たさない規格外品が含まれる可能性が残る。
【0019】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、電子回路モジュールの小型化を図りつつ、電子回路モジュールの組立を容易にすることができる、電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に基づく電子回路モジュールは、少なくとも一方の主面に端子を有する親基板に接続される電子回路モジュールである。電子回路モジュールは、両方の主面に端子を有し、一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板と、両方の主面に端子を有し、内部に導体パターンを有する低温焼成セラミック部品とを備える。低温焼成セラミック部品の一方の主面の端子がモジュール基板の他方の主面の端子と接続されることにより、低温焼成セラミック部品がモジュール基板に実装される。低温焼成セラミック部品の他方の主面の端子が親基板の端子と接続されることにより、モジュール基板が低温焼成セラミック部品を間に挟んで親基板に実装される。
【0021】
本発明の一形態においては、モジュール基板と低温焼成セラミック部品とが、平面視において略同形状を有する。
【0022】
本発明の一形態においては、電子部品が、パワーアンプ部品、ロウノイズアンプ部品および高周波スイッチ部品の少なくともいずれかを含む。
【0023】
本発明に基づく低温焼成セラミック部品は、両方の主面に端子を有して一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板に実装され、少なくとも一方の主面に端子を有する親基板にモジュール基板が実装された状態において親基板とモジュール基板との間に介在する低温焼成セラミック部品である。一方の主面に形成され、モジュール基板の他方の主面の端子と接続される第1端子と、他方の主面に形成され、親基板の端子と接続される第2端子と、内部に形成され、第1端子および第2端子と電気的に接続された導電パターンとを備える。
【0024】
本発明の一形態においては、導電パターンが高周波フィルターとして機能する回路を構成している。
【0025】
本発明の一形態においては、導電パターンがさらに、バランおよびデュプレクサーの少なくともいずれかの機能を有する回路を構成している。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、電子回路モジュールの小型化を図りつつ、電子回路モジュールの組立を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子回路モジュールの構成を示す回路図である。
【図2】低温焼成セラミック部品をモジュール基板に実装して本実施形態に係る電子回路モジュールを構成する状態を示す斜視図である。
【図3】低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板を親基板に実装する状態を示す斜視図である。
【図4】電子回路モジュールが親基板に実装された状態を示す斜視図である。
【図5】低温焼成セラミック部品の一方の主面に形成された第1端子の構成を示す上面図である。
【図6】低温焼成セラミック部品の他方の主面に形成された第2端子の構成を示す背面図である。
【図7】モジュール基板の一方の主面に形成された端子に実装された構成部品を示す上面図である。
【図8】モジュール基板の他方の主面に形成された端子の構成を示す背面図である。
【図9】同実施形態の第1変形例として綴り基板として構成されたモジュール基板2000の外観を示す斜視図である。
【図10】モジュール基板の一方の主面に電子部品が実装された状態を示す側面図である。
【図11】同変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。
【図12】同変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。
【図13】実装された電子部品にシールドケースを装着した状態を示す側面図である。
【図14】同実施形態の第2変形例においてモジュール基板の一方の主面上に実装した電子部品の全てを樹脂で封止した状態を示す側面図である。
【図15】同変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。
【図16】同変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。
【図17】同変形例によって一体化された低温焼成セラミック部品およびモジュール基板の構造を示す側面図である。
【図18】フロントエンド部の構成の一例を示す回路図である。
【図19】綴り基板の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態に係る電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0029】
以下の実施形態においては、無線LAN用のシングルバンドフロントエンドモジュールについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、たとえば、携帯電話、WiMAXおよびLTE(Long Term Evolution)などの無線通信システムなどに適用可能である。
【0030】
また、本発明は、シングルバンドに限らずマルチバンドモジュールへ拡張して適用することも容易である。後述するが、本発明は、アンテナスイッチモジュールおよびパワーアンプモジュールなどの異なる回路ブロックからなる電子回路モジュールへの適用も容易である。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子回路モジュールの構成を示す回路図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電子回路モジュール10においては、アンテナ接続端子(ANT)を送信側または受信側の回路に切り替える送受切替えスイッチ1を有している。
【0032】
電子回路モジュール10の受信側の回路には、ロウノイズアンプ3とバンドパスフィルター2が設けられている。また、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)への信号出力を平衡信号(Rxp、Rxn)とするためバラン4が設けられている。バンドパスフィルター2により不要波が減衰された受信信号がロウノイズアンプ3に入力され、これを増幅することにより高い受信感度を得ることができる。
【0033】
送信側にはバンドパスフィルター5、7とパワーアンプ6が設けられている。また、RFICからの平衡信号(Txp、Txn)を不平衡信号に変換するためのバラン8が設けられている。バンドパスフィルター5、7は送信信号から不要波を減衰させるために、パワーアンプの入力信号側と出力信号側との両方に設けられている。この構成により他の通信チャンネルに影響することなく、充分な電力の送信信号を得ることができる。
【0034】
図1に示す電子回路モジュール10の部品のうち、バラン4、8とバンドパスフィルター2、5、7は、低温焼成セラミック部品内の導電パターンを用いて回路を構成することが可能である。本実施形態においては、受信側のバンドパスフィルター2、バラン4および送信側のバラン8の3つの部品は、低温焼成セラミック部品内の回路として組み込まれている。
【0035】
言い換えると、導電パターンが高周波フィルターとして機能する回路を構成している。本実施形態においては、導電パターンがさらにバランの機能を有する回路を構成しているが、導電パターンがデュプレクサーの機能を有する回路を構成していてもよい。
【0036】
以下、本実施形態の電子回路モジュールの構造について説明する。
図2は、低温焼成セラミック部品をモジュール基板に実装して本実施形態に係る電子回路モジュールを構成する状態を示す斜視図である。図3は、低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板を親基板に実装する状態を示す斜視図である。図4は、電子回路モジュールが親基板に実装された状態を示す斜視図である。
【0037】
低温焼成セラミック部品1000は、両方の主面101,201に図示しない端子を有し、内部に図示しない導体パターンを有する。低温焼成セラミック部品1000は、複数のセラミック層が積層された構造を有し、その層間に導電パターンが形成されている。図1に示す受信側のバンドパスフィルター2、バラン4および送信側のバラン8の各々の機能を有するように、導電パターンにより回路が構成されている。
【0038】
低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101には、外部接続用の第1端子が形成されている。低温焼成セラミック部品1000の他方の主面201には、外部接続用の第2端子が形成されている。低温焼成セラミック部品1000の導電パターンは、第1端子および第2端子と電気的に接続されている。具体的には、第1端子と第2端子とは、低温焼成セラミック部品1000の内部に形成された層間ビアと導電パターンとによって接続されている。
【0039】
モジュール基板2000は、両方の主面301,401に図示しない端子を有し、一方の主面401に図示しない電子部品が実装される。モジュール基板2000は、エポキシ、フェノールおよびシアネートなどの熱硬化性樹脂中にAl2O3、SiO2およびTiO2などの無機フィラーを混合して作製されている。モジュール基板2000は、1つの低温焼成セラミック部品1000に対応する少なくとも1つの単位モジュール基板2001を含む。
【0040】
図2に示すように、低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101の端子がモジュール基板2000の他方の主面301の端子と接続されることにより、低温焼成セラミック部品1000がモジュール基板2000に実装されて電子回路モジュール10が構成される。
【0041】
図3に示すように、低温焼成セラミック部品の他方の主面201の端子が親基板4000の一方の主面501の端子と接続されることにより、モジュール基板2000が低温焼成セラミック部品1000を間に挟んで親基板4000に実装される。言い換えると、電子回路モジュール10が親基板4000に実装される。なお、親基板4000は、両方の主面に端子を有していてもよい。
【0042】
図4に示すように、低温焼成セラミック部品1000がモジュール基板2000に実装され、かつ、モジュール基板2000が親基板4000に実装された状態において、親基板4000とモジュール基板2000との間に低温焼成セラミック部品1000が介在している。
【0043】
図5は、低温焼成セラミック部品の一方の主面に形成された第1端子の構成を示す上面図である。図6は、低温焼成セラミック部品の他方の主面に形成された第2端子の構成を示す背面図である。
【0044】
図5に示すように、本実施形態の低温焼成セラミック部品1000は一方の主面101に、モジュール基板2000と接続される第1端子である、バンドパスフィルターの入力端子11および出力端子12、受信側バランへの不平衡入力端子14、および、送信側バランからの不平衡出力端子15が形成されている。
【0045】
また、低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101には、モジュール基板2000と接続される第1端子である、電源端子18、GND端子、コントロール端子17およびアンテナ端子19が形成されている。さらに、低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101には、端子配置のバランスをとるためにダミー端子21が形成されている。
【0046】
低温焼成セラミック部品1000においては、モジュール基板2000に接続するための第1端子が全て一方の主面101に形成されている。
【0047】
図6に示すように、低温焼成セラミック部品1000の他方の主面201には第2端子である、低温焼成セラミック部品1000が内蔵する受信側バランの平衡信号出力端子31および送信側バランの平衡信号入力端子33の他、電源端子35、GND端子、コントロール端子37、アンテナ端子39などの端子が形成されている。
【0048】
低温焼成セラミック部品1000においては、モジュール基板2000を親基板4000に接続するための第2端子が全て他方の主面201に形成されている。
【0049】
図7は、モジュール基板の一方の主面に形成された端子に実装された構成部品を示す上面図である。図8は、モジュール基板の他方の主面に形成された端子の構成を示す背面図である。
【0050】
図7に示すように、本実施形態のモジュール基板2000の一方の主面401には、ロウノイズアンプ61とパワーアンプ62とスイッチIC64とバンドパスフィルター65とが実装されている。また、モジュール基板2000の一方の主面401には、インピーダンス整合用コンデンサー、コイル、チョークコイルおよび電源ノイズ除去用コンデンサーなどのチップ部品67が実装されている。
【0051】
ロウノイズアンプ61、パワーアンプ62およびスイッチIC64は、Si、SiGeまたはGaAsなどからなる半導体基板上に形成された半導体素子から構成される高周波集積回路である。電子回路モジュールの小型化および低コスト化のためには、これらの半導体部品は、モジュール基板2000にベアチップ実装されることが望ましい。
【0052】
具体的には、半導体部品はモジュール基板2000の一方の主面401に設けられたダイボンドエリアにダイボンドされて、ワイヤボンディングで実装される。または、半導体部品はフリップチップ実装によりモジュール基板2000の一方の主面401に実装されてもよい。
【0053】
バンドパスフィルター65は、積層構造を有するセラミックからなる単体の部品である。バンドパスフィルター65は複数のチップ部品67とともに、モジュール基板2000の一方の主面401に設けられた半田パターン上に配置されて、リフロー処理によって実装される。
【0054】
モジュール基板2000の一方の主面401に実装される電子部品は、低温焼成セラミック部品1000の内部に組み込まれる部品に対応して適宜変更される。言い換えると、低温焼成セラミック部品1000の内部に組み込まれる部品以外の電子回路モジュール10の構成部品が、モジュール基板2000の一方の主面401に実装される。モジュール基板2000の一方の主面401に実装される電子部品は、パワーアンプ部品、ロウノイズアンプ部品および高周波スイッチ部品の少なくともいずれかを含む。
【0055】
図8に示すようにモジュール基板2000の他方の主面301には、図5に示す低温焼成セラミック部品1000の第1端子に対応するように、端子群41〜51およびGND端子が形成されている。
【0056】
低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101は、モジュール基板2000の他方の主面301と対面して接続されるため、低温焼成セラミック部品1000の第1端子とそれに対応するモジュール基板2000の端子とは、互いに対向した状態において、鏡面対称となるように配置されている。
【0057】
モジュール基板2000のGND端子は、低温焼成セラミック部品1000のGND端子との半田接合の品質確保のため、モジュール基板2000の他方の主面301の他の端子とほぼ同じ面積を有するように複数の端子に分割して配置されている。
【0058】
本実施形態においては、モジュール基板2000と低温焼成セラミック部品1000とが、平面視において略同形状を有している。低温焼成セラミック部品1000の面積とモジュール基板2000の面積とが略等しくなるように、低温焼成セラミック部品1000の内部に組み込まれる構成部品とモジュール基板2000の一方の主面401に実装される電子部品との部品点数を割り振ることにより、低温焼成セラミック部品1000およびモジュール基板2000を均一に小型化することができる。
【0059】
なお、モジュール基板2000の一方の主面401に実装されたパワーアンプ62のダイボンドエリアは、接地インダクタンスの低減と放熱経路とを確保するため、ダイボンドエリアの直下に形成されたビアホールによってモジュール基板2000の他方の主面301のGND端子と直結されている。
【0060】
さらに、モジュール基板2000のGND端子と接続される低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101に形成されたGND端子は、低温焼成セラミック部品1000に形成されたビアホールを介して低温焼成セラミック部品の他方の主面201に形成されたGND端子に直結されている。この構成により、パワーアンプ62のダイボンドエリアからモジュール基板2000の他方の主面201のGND端子までの経路を最短とすることができる。
【0061】
上記の構成により、モジュール基板2000の全ての外部回路との電気接続は、低温焼成セラミック部品1000を介して行なわれる。よって、モジュール基板2000に実装された電子部品は、低温焼成セラミック部品1000に内蔵された部品と連動して、親基板4000との間で入出力を行なう。
【0062】
本実施形態においては、低温焼成セラミック部品1000は個片部品として実装されるため、低温焼成セラミック部品1000を作製する際に生ずるひずみによる影響を受けずに電子回路モジュール10を作製することができる。各低温焼成セラミック部品1000は容易に高周波電気試験することができるとともに、高周波電気試験において良品であった低温焼成セラミック部品1000のみを使用して電子回路モジュール10を組立てることができるため、モジュール基板2000の歩留まりを向上できる。
【0063】
その結果、電子回路モジュール10の小型化を図りつつ、電子回路モジュール10の組立を容易にすることができる。
【0064】
以下、本実施形態の変形例として、複数の単位モジュール基板2001を含む綴り基板として構成されたモジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装する方法について説明する。
【0065】
(第1変形例)
図9は、本実施形態の第1変形例として綴り基板として構成されたモジュール基板2000の外観を示す斜視図である。図9に示すように、本実施形態の第1変形例においては、モジュール基板2000は、複数の単位モジュール基板2001がマトリックス状に設けられた綴り基板として構成されている。
【0066】
図10は、モジュール基板の一方の主面に電子部品が実装された状態を示す側面図である。図10に示すように、モジュール基板2000は、綴り基板の状態で、各単位モジュール基板2001毎にチップコンデンサーなどのリフロー部品71と、半導体ベアチップ部品72とが実装される。
【0067】
具体的には、まず、モジュール基板2000の一方の主面401上に半田パターンが形成される。次に、マウンターでリフロー部品71を配置する。その後、リフロー処理することにより、リフロー部品71をモジュール基板2000の一方の主面401上に接合する。
【0068】
次に、半導体ベアチップ部品72が導電性ペーストによりダイボンドされてモジュール基板2000の一方の主面401上に載置される。半導体ベアチップ部品72の電極は、ワイヤボンドでモジュール基板2000と接続される。その後、半導体ベアチップ部品72とワイヤとを保護するため、半導体ベアチップ部品72およびワイヤはポッティング樹脂で覆われる。
【0069】
このようにモジュール基板2000上に電子部品を実装することにより、一度に複数の単位モジュール基板2001に電子部品を実装することができるため、生産効率を向上することができる。なお、リフロー部品71および半導体ベアチップ部品72は電子部品の一例であって、モジュール基板2000上に実装される電子部品はこれに限られない。
【0070】
モジュール基板2000は、低温焼成セラミック基板の綴り基板3000のように焼成によるひずみの影響がないため、綴り基板の状態において電子部品を実装した場合においても、高い位置精度で電子部品をモジュール基板2000上に配置することができる。
【0071】
図11は、本変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。図11に示すように、モジュール基板2000の他方の主面301上の各単位モジュール基板2001毎に低温焼成セラミック部品1000が実装される。
【0072】
具体的には、まず、モジュール基板2000の他方の主面301上に半田パターンが形成される。次に、マウンターで低温焼成セラミック部品1000を配置する。その後、リフロー処理することにより、低温焼成セラミック部品1000をモジュール基板2000の他方の主面301上に接合する。
【0073】
図12は、本変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。図12に示すように、モジュール基板2000を単位モジュール基板2001毎に分割して個片化する。
【0074】
図13は、実装された電子部品にシールドケースを装着した状態を示す側面図である。
図13に示すように、単位モジュール基板2001毎に個片化されたモジュール基板2000に実装されているリフロー部品71および半導体ベアチップ部品72を保護するためにシールドケース500を装着する。
【0075】
上記の方法により、モジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装できる。このようにした場合にも、低温焼成セラミック部品1000を作製する際に生ずるひずみによる影響を受けずに電子回路モジュール10を作製することができため、電子回路モジュール10の小型化を図りつつ、電子回路モジュール10の組立を容易にすることができる。
【0076】
また、以下の方法によってもモジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装できる。
【0077】
(第2変形例)
本実施形態の第2変形例においてもモジュール基板2000は、綴り基板状に形成され、また、図10に示すようにモジュール基板2000の一方の主面401上に電子部品が実装されている。第1変形例と同一の部分については説明を繰り返さない。
【0078】
図14は、本実施形態の第2変形例においてモジュール基板の一方の主面上に実装した電子部品の全てを樹脂で封止した状態を示す側面図である。
【0079】
図14に示すように、本実施形態の第2変形例においては、モジュール基板2000を個片化する前に、モジュール基板2000の一方の主面401上に封止樹脂を塗布することにより、リフロー部品71および半導体ベアチップ部品72を樹脂モールド600で封止する。封止樹脂の塗布方法は、射出成型または真空印刷などにより行なうことができる。本変形例においては、ベアチップ部品72の樹脂ポッティングを必ずしも行なわなくてもよい。
【0080】
図15は、本変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。図15に示すように、モジュール基板2000の他方の主面301上の各単位モジュール基板2001毎に低温焼成セラミック部品1000が実装される。
【0081】
図16は、本変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。図16に示すように、モジュール基板2000を樹脂モールド600と共に、単位モジュール基板2001毎に分割して個片化する。単位モジュール基板2001に実装されたリフロー部品71および半導体ベアチップ部品72は、分割された単位樹脂モールド601により封止されている。
【0082】
図17は、本変形例によって一体化された低温焼成セラミック部品およびモジュール基板の構造を示す側面図である。図17に示すように、本変形例の方法によっても、モジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装できる。
【0083】
このようにした場合にも、低温焼成セラミック部品1000を作製する際に生ずるひずみによる影響を受けずに電子回路モジュール10を作製することができため、電子回路モジュール10の小型化を図りつつ、電子回路モジュール10の組立を容易にすることができる。
【0084】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 スイッチ、2,5,65 バンドパスフィルター、3,61 ロウノイズアンプ、4,8 バラン、6,62 パワーアンプ、10 電子回路モジュール、11 入力端子、12 出力端子、14 不平衡入力端子、15 不平衡出力端子、17,37 コントロール端子、18,35 電源端子、19,39 アンテナ端子、21 ダミー端子、31 平衡信号出力端子、33 平衡信号入力端子、41〜51 端子群、67 チップ部品、71 リフロー部品、72 半導体ベアチップ部品、72 ベアチップ部品、500 シールドケース、600 樹脂モールド、601 単位樹脂モールド、1000 低温焼成セラミック部品、2000 モジュール基板、2001 単位モジュール基板、3000 綴り基板、3001 低温焼成セラミック基板、4000 親基板。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、無線LAN(Local Area Network)およびモバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線通信装置の利用の拡大に伴って、機器の小型化および低コスト化が強く求められている。
【0003】
一般的に、無線通信機装置のアンテナ端には、送信受信切替えスイッチ、バンド選択のためのデュプレクサー、不要波除去のためのフィルター、受信信号を増幅するためのロウノイズアンプ、送信信号を増幅するためのパワーアンプ、さらに平衡信号を不平衡信号に変換するバランなどからなるフロントエンド部と呼ばれる回路が構成されている。
【0004】
図18は、フロントエンド部の構成の一例を示す回路図である。図18に示すように、アンテナ端子(ANT)は、送受切替えスイッチ(SW)により送信側または受信側に切り替えられる。アンテナ端子が送信側と接続されているときは、バラン(BALUN)のTx端子から入力された信号がパワーアンプ(PA)により増幅されてアンテナ端子に送信される。
【0005】
帯域外の不要な信号を除去するために、バンドパスフィルター(BPF)がパワーアンプ(PA)の入力部と出力部とに設けられている。2つのバンドの周波数を扱えるように送信側にはパワーアンプ(PA1,PA2)をそれぞれ備えた2つの系がアンテナ端子(ANT)へと繋がっており、これらはデュプレクサー(DUPLEXER)を介してバンド分離されている。
【0006】
アンテナ端子(ANT)が受信側にあるときには、アンテナ端子(ANT)からの受信信号は,ロウノイズアンプ(LNA)で増幅されてバラン(BALUN)のRx端子に出力される。受信側においても2つのバンドの周波数を扱えるようにロウノイズアンプ(LNA1,LNA2)をそれぞれ備えた2つの系が接続され、デュプレクサー(DUPLEXER)でそれぞれのバンドの系に振り分けられるように構成されている。
【0007】
フロントエンド部は通信信号の周波数を直接処理する部分であり、特にGHzオーダーの帯域では分布定数回路としての特殊な設計が要求される。フロントエンド部の性能を安定させ、取り扱いを容易にするため、フロントエンド部またはその一部をモジュール化した部品が提案され実用化されている。
【0008】
スイッチおよびフィルターを一体化したスイッチ・フィルターモジュールを開示した先行文献として特許文献1,2がある。これらのスイッチ・フィルターモジュールにおいては、フィルターは積層基板内の導電パターンで構成され、スイッチは積層基板の表面に実装されている。
【0009】
パワーアンプおよびフィルターを一体化したパワーアンプ・フィルターモジュールを開示した先行文献として特許文献3がある。特許文献3に記載されたパワーアンプ・フィルターモジュールにおいては、フィルターは積層基板内の導電パターンで構成され、パワーアンプは積層基板の表面に実装されている。
【0010】
高周波モジュールを開示した先行文献として特許文献4がある。特許文献4に記載された高周波モジュールにおいては、デュプレクサー、フィルターおよびバランは積層基板内の導電パターンで構成されている。スイッチ、ロウノイズアンプおよびパワーアンプは積層基板の表面に実装されている。
【0011】
上記のように、積層基板内の導電パターンにより構成された共振回路および伝送線路を用いてフィルター回路を構成し、さらに基板表面に機能部品を実装することにより、一体化した電子回路モジュールを形成することができる。
【0012】
フィルターなどの回路を導電パターンで構成する場合、高精度で誘電体と導電パターンとを積層可能であり温度特性にも優れた低温焼成セラミック基板が適しており、広く実用されている。
【0013】
その他の方法で形成されたフロントエンドモジュールを開示した先行文献として特許文献5がある。特許文献5に記載されたフロントエンドモジュールにおいては、積層セラミックで形成したフィルターなどの共振回路部品を、スイッチなどその他の部品とともに樹脂基板上に実装してモジュールを構成している。
【0014】
低温焼成セラミック基板を用いて電子回路モジュールを製造する場合、樹脂基板と同様に基板上に実装部品をハンダにより接合する。このとき、自動機を使用して樹脂基板と同じ工程で効率的に部品実装を行なうために、複数の低温焼成セラミック基板が縦横にマトリックス状に設けられた綴り基板を使用することがある。
【0015】
図19は、綴り基板の外観を示す斜視図である。図19に示すように、綴り基板3000には、複数の低温焼成セラミック基板3001がマトリックス状に設けられている。フロントエンドモジュールを作製する際には、複数の低温焼成セラミック基板3001に実装部品を搭載した後、綴り基板3000の状態でリフロー処理することにより、複数の低温焼成セラミック基板3001の各々に実装部品を実装させる。その後、複数の低温焼成セラミック基板3001をそれぞれ個片に分離して製品を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2002−344347号公報
【特許文献2】特開2004−235877号公報
【特許文献3】特開2009−182903号公報
【特許文献4】特開2008−193739号公報
【特許文献5】特開2003−249868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
綴り基板3000は焼成して作製されるため、焼成によるひずみを有している。そのため、綴り基板3000の状態で複数の低温焼成セラミック基板3001に実装部品を実装する場合、ひずみによる寸法誤差の積み重ねによって、実装部品の実装位置を補正する必要が生じる場合がある。
【0018】
また、低温焼成セラミック基板3001の電気検査においては、綴り基板3000の状態で一括プロービング検査を行なうため、全ての低温焼成セラミック基板3001に対して高周波検査を行なうことが困難である。このため、高周波検査は抜き取り検査で行なわれる。この場合、低温焼成セラミック基板3001の品質のバラツキが存在する限り、製造された低温焼成セラミック基板3001の中に性能規格を満たさない規格外品が含まれる可能性が残る。
【0019】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、電子回路モジュールの小型化を図りつつ、電子回路モジュールの組立を容易にすることができる、電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に基づく電子回路モジュールは、少なくとも一方の主面に端子を有する親基板に接続される電子回路モジュールである。電子回路モジュールは、両方の主面に端子を有し、一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板と、両方の主面に端子を有し、内部に導体パターンを有する低温焼成セラミック部品とを備える。低温焼成セラミック部品の一方の主面の端子がモジュール基板の他方の主面の端子と接続されることにより、低温焼成セラミック部品がモジュール基板に実装される。低温焼成セラミック部品の他方の主面の端子が親基板の端子と接続されることにより、モジュール基板が低温焼成セラミック部品を間に挟んで親基板に実装される。
【0021】
本発明の一形態においては、モジュール基板と低温焼成セラミック部品とが、平面視において略同形状を有する。
【0022】
本発明の一形態においては、電子部品が、パワーアンプ部品、ロウノイズアンプ部品および高周波スイッチ部品の少なくともいずれかを含む。
【0023】
本発明に基づく低温焼成セラミック部品は、両方の主面に端子を有して一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板に実装され、少なくとも一方の主面に端子を有する親基板にモジュール基板が実装された状態において親基板とモジュール基板との間に介在する低温焼成セラミック部品である。一方の主面に形成され、モジュール基板の他方の主面の端子と接続される第1端子と、他方の主面に形成され、親基板の端子と接続される第2端子と、内部に形成され、第1端子および第2端子と電気的に接続された導電パターンとを備える。
【0024】
本発明の一形態においては、導電パターンが高周波フィルターとして機能する回路を構成している。
【0025】
本発明の一形態においては、導電パターンがさらに、バランおよびデュプレクサーの少なくともいずれかの機能を有する回路を構成している。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、電子回路モジュールの小型化を図りつつ、電子回路モジュールの組立を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子回路モジュールの構成を示す回路図である。
【図2】低温焼成セラミック部品をモジュール基板に実装して本実施形態に係る電子回路モジュールを構成する状態を示す斜視図である。
【図3】低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板を親基板に実装する状態を示す斜視図である。
【図4】電子回路モジュールが親基板に実装された状態を示す斜視図である。
【図5】低温焼成セラミック部品の一方の主面に形成された第1端子の構成を示す上面図である。
【図6】低温焼成セラミック部品の他方の主面に形成された第2端子の構成を示す背面図である。
【図7】モジュール基板の一方の主面に形成された端子に実装された構成部品を示す上面図である。
【図8】モジュール基板の他方の主面に形成された端子の構成を示す背面図である。
【図9】同実施形態の第1変形例として綴り基板として構成されたモジュール基板2000の外観を示す斜視図である。
【図10】モジュール基板の一方の主面に電子部品が実装された状態を示す側面図である。
【図11】同変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。
【図12】同変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。
【図13】実装された電子部品にシールドケースを装着した状態を示す側面図である。
【図14】同実施形態の第2変形例においてモジュール基板の一方の主面上に実装した電子部品の全てを樹脂で封止した状態を示す側面図である。
【図15】同変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。
【図16】同変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。
【図17】同変形例によって一体化された低温焼成セラミック部品およびモジュール基板の構造を示す側面図である。
【図18】フロントエンド部の構成の一例を示す回路図である。
【図19】綴り基板の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態に係る電子回路モジュールおよび低温焼成セラミック部品について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0029】
以下の実施形態においては、無線LAN用のシングルバンドフロントエンドモジュールについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、たとえば、携帯電話、WiMAXおよびLTE(Long Term Evolution)などの無線通信システムなどに適用可能である。
【0030】
また、本発明は、シングルバンドに限らずマルチバンドモジュールへ拡張して適用することも容易である。後述するが、本発明は、アンテナスイッチモジュールおよびパワーアンプモジュールなどの異なる回路ブロックからなる電子回路モジュールへの適用も容易である。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子回路モジュールの構成を示す回路図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電子回路モジュール10においては、アンテナ接続端子(ANT)を送信側または受信側の回路に切り替える送受切替えスイッチ1を有している。
【0032】
電子回路モジュール10の受信側の回路には、ロウノイズアンプ3とバンドパスフィルター2が設けられている。また、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)への信号出力を平衡信号(Rxp、Rxn)とするためバラン4が設けられている。バンドパスフィルター2により不要波が減衰された受信信号がロウノイズアンプ3に入力され、これを増幅することにより高い受信感度を得ることができる。
【0033】
送信側にはバンドパスフィルター5、7とパワーアンプ6が設けられている。また、RFICからの平衡信号(Txp、Txn)を不平衡信号に変換するためのバラン8が設けられている。バンドパスフィルター5、7は送信信号から不要波を減衰させるために、パワーアンプの入力信号側と出力信号側との両方に設けられている。この構成により他の通信チャンネルに影響することなく、充分な電力の送信信号を得ることができる。
【0034】
図1に示す電子回路モジュール10の部品のうち、バラン4、8とバンドパスフィルター2、5、7は、低温焼成セラミック部品内の導電パターンを用いて回路を構成することが可能である。本実施形態においては、受信側のバンドパスフィルター2、バラン4および送信側のバラン8の3つの部品は、低温焼成セラミック部品内の回路として組み込まれている。
【0035】
言い換えると、導電パターンが高周波フィルターとして機能する回路を構成している。本実施形態においては、導電パターンがさらにバランの機能を有する回路を構成しているが、導電パターンがデュプレクサーの機能を有する回路を構成していてもよい。
【0036】
以下、本実施形態の電子回路モジュールの構造について説明する。
図2は、低温焼成セラミック部品をモジュール基板に実装して本実施形態に係る電子回路モジュールを構成する状態を示す斜視図である。図3は、低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板を親基板に実装する状態を示す斜視図である。図4は、電子回路モジュールが親基板に実装された状態を示す斜視図である。
【0037】
低温焼成セラミック部品1000は、両方の主面101,201に図示しない端子を有し、内部に図示しない導体パターンを有する。低温焼成セラミック部品1000は、複数のセラミック層が積層された構造を有し、その層間に導電パターンが形成されている。図1に示す受信側のバンドパスフィルター2、バラン4および送信側のバラン8の各々の機能を有するように、導電パターンにより回路が構成されている。
【0038】
低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101には、外部接続用の第1端子が形成されている。低温焼成セラミック部品1000の他方の主面201には、外部接続用の第2端子が形成されている。低温焼成セラミック部品1000の導電パターンは、第1端子および第2端子と電気的に接続されている。具体的には、第1端子と第2端子とは、低温焼成セラミック部品1000の内部に形成された層間ビアと導電パターンとによって接続されている。
【0039】
モジュール基板2000は、両方の主面301,401に図示しない端子を有し、一方の主面401に図示しない電子部品が実装される。モジュール基板2000は、エポキシ、フェノールおよびシアネートなどの熱硬化性樹脂中にAl2O3、SiO2およびTiO2などの無機フィラーを混合して作製されている。モジュール基板2000は、1つの低温焼成セラミック部品1000に対応する少なくとも1つの単位モジュール基板2001を含む。
【0040】
図2に示すように、低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101の端子がモジュール基板2000の他方の主面301の端子と接続されることにより、低温焼成セラミック部品1000がモジュール基板2000に実装されて電子回路モジュール10が構成される。
【0041】
図3に示すように、低温焼成セラミック部品の他方の主面201の端子が親基板4000の一方の主面501の端子と接続されることにより、モジュール基板2000が低温焼成セラミック部品1000を間に挟んで親基板4000に実装される。言い換えると、電子回路モジュール10が親基板4000に実装される。なお、親基板4000は、両方の主面に端子を有していてもよい。
【0042】
図4に示すように、低温焼成セラミック部品1000がモジュール基板2000に実装され、かつ、モジュール基板2000が親基板4000に実装された状態において、親基板4000とモジュール基板2000との間に低温焼成セラミック部品1000が介在している。
【0043】
図5は、低温焼成セラミック部品の一方の主面に形成された第1端子の構成を示す上面図である。図6は、低温焼成セラミック部品の他方の主面に形成された第2端子の構成を示す背面図である。
【0044】
図5に示すように、本実施形態の低温焼成セラミック部品1000は一方の主面101に、モジュール基板2000と接続される第1端子である、バンドパスフィルターの入力端子11および出力端子12、受信側バランへの不平衡入力端子14、および、送信側バランからの不平衡出力端子15が形成されている。
【0045】
また、低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101には、モジュール基板2000と接続される第1端子である、電源端子18、GND端子、コントロール端子17およびアンテナ端子19が形成されている。さらに、低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101には、端子配置のバランスをとるためにダミー端子21が形成されている。
【0046】
低温焼成セラミック部品1000においては、モジュール基板2000に接続するための第1端子が全て一方の主面101に形成されている。
【0047】
図6に示すように、低温焼成セラミック部品1000の他方の主面201には第2端子である、低温焼成セラミック部品1000が内蔵する受信側バランの平衡信号出力端子31および送信側バランの平衡信号入力端子33の他、電源端子35、GND端子、コントロール端子37、アンテナ端子39などの端子が形成されている。
【0048】
低温焼成セラミック部品1000においては、モジュール基板2000を親基板4000に接続するための第2端子が全て他方の主面201に形成されている。
【0049】
図7は、モジュール基板の一方の主面に形成された端子に実装された構成部品を示す上面図である。図8は、モジュール基板の他方の主面に形成された端子の構成を示す背面図である。
【0050】
図7に示すように、本実施形態のモジュール基板2000の一方の主面401には、ロウノイズアンプ61とパワーアンプ62とスイッチIC64とバンドパスフィルター65とが実装されている。また、モジュール基板2000の一方の主面401には、インピーダンス整合用コンデンサー、コイル、チョークコイルおよび電源ノイズ除去用コンデンサーなどのチップ部品67が実装されている。
【0051】
ロウノイズアンプ61、パワーアンプ62およびスイッチIC64は、Si、SiGeまたはGaAsなどからなる半導体基板上に形成された半導体素子から構成される高周波集積回路である。電子回路モジュールの小型化および低コスト化のためには、これらの半導体部品は、モジュール基板2000にベアチップ実装されることが望ましい。
【0052】
具体的には、半導体部品はモジュール基板2000の一方の主面401に設けられたダイボンドエリアにダイボンドされて、ワイヤボンディングで実装される。または、半導体部品はフリップチップ実装によりモジュール基板2000の一方の主面401に実装されてもよい。
【0053】
バンドパスフィルター65は、積層構造を有するセラミックからなる単体の部品である。バンドパスフィルター65は複数のチップ部品67とともに、モジュール基板2000の一方の主面401に設けられた半田パターン上に配置されて、リフロー処理によって実装される。
【0054】
モジュール基板2000の一方の主面401に実装される電子部品は、低温焼成セラミック部品1000の内部に組み込まれる部品に対応して適宜変更される。言い換えると、低温焼成セラミック部品1000の内部に組み込まれる部品以外の電子回路モジュール10の構成部品が、モジュール基板2000の一方の主面401に実装される。モジュール基板2000の一方の主面401に実装される電子部品は、パワーアンプ部品、ロウノイズアンプ部品および高周波スイッチ部品の少なくともいずれかを含む。
【0055】
図8に示すようにモジュール基板2000の他方の主面301には、図5に示す低温焼成セラミック部品1000の第1端子に対応するように、端子群41〜51およびGND端子が形成されている。
【0056】
低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101は、モジュール基板2000の他方の主面301と対面して接続されるため、低温焼成セラミック部品1000の第1端子とそれに対応するモジュール基板2000の端子とは、互いに対向した状態において、鏡面対称となるように配置されている。
【0057】
モジュール基板2000のGND端子は、低温焼成セラミック部品1000のGND端子との半田接合の品質確保のため、モジュール基板2000の他方の主面301の他の端子とほぼ同じ面積を有するように複数の端子に分割して配置されている。
【0058】
本実施形態においては、モジュール基板2000と低温焼成セラミック部品1000とが、平面視において略同形状を有している。低温焼成セラミック部品1000の面積とモジュール基板2000の面積とが略等しくなるように、低温焼成セラミック部品1000の内部に組み込まれる構成部品とモジュール基板2000の一方の主面401に実装される電子部品との部品点数を割り振ることにより、低温焼成セラミック部品1000およびモジュール基板2000を均一に小型化することができる。
【0059】
なお、モジュール基板2000の一方の主面401に実装されたパワーアンプ62のダイボンドエリアは、接地インダクタンスの低減と放熱経路とを確保するため、ダイボンドエリアの直下に形成されたビアホールによってモジュール基板2000の他方の主面301のGND端子と直結されている。
【0060】
さらに、モジュール基板2000のGND端子と接続される低温焼成セラミック部品1000の一方の主面101に形成されたGND端子は、低温焼成セラミック部品1000に形成されたビアホールを介して低温焼成セラミック部品の他方の主面201に形成されたGND端子に直結されている。この構成により、パワーアンプ62のダイボンドエリアからモジュール基板2000の他方の主面201のGND端子までの経路を最短とすることができる。
【0061】
上記の構成により、モジュール基板2000の全ての外部回路との電気接続は、低温焼成セラミック部品1000を介して行なわれる。よって、モジュール基板2000に実装された電子部品は、低温焼成セラミック部品1000に内蔵された部品と連動して、親基板4000との間で入出力を行なう。
【0062】
本実施形態においては、低温焼成セラミック部品1000は個片部品として実装されるため、低温焼成セラミック部品1000を作製する際に生ずるひずみによる影響を受けずに電子回路モジュール10を作製することができる。各低温焼成セラミック部品1000は容易に高周波電気試験することができるとともに、高周波電気試験において良品であった低温焼成セラミック部品1000のみを使用して電子回路モジュール10を組立てることができるため、モジュール基板2000の歩留まりを向上できる。
【0063】
その結果、電子回路モジュール10の小型化を図りつつ、電子回路モジュール10の組立を容易にすることができる。
【0064】
以下、本実施形態の変形例として、複数の単位モジュール基板2001を含む綴り基板として構成されたモジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装する方法について説明する。
【0065】
(第1変形例)
図9は、本実施形態の第1変形例として綴り基板として構成されたモジュール基板2000の外観を示す斜視図である。図9に示すように、本実施形態の第1変形例においては、モジュール基板2000は、複数の単位モジュール基板2001がマトリックス状に設けられた綴り基板として構成されている。
【0066】
図10は、モジュール基板の一方の主面に電子部品が実装された状態を示す側面図である。図10に示すように、モジュール基板2000は、綴り基板の状態で、各単位モジュール基板2001毎にチップコンデンサーなどのリフロー部品71と、半導体ベアチップ部品72とが実装される。
【0067】
具体的には、まず、モジュール基板2000の一方の主面401上に半田パターンが形成される。次に、マウンターでリフロー部品71を配置する。その後、リフロー処理することにより、リフロー部品71をモジュール基板2000の一方の主面401上に接合する。
【0068】
次に、半導体ベアチップ部品72が導電性ペーストによりダイボンドされてモジュール基板2000の一方の主面401上に載置される。半導体ベアチップ部品72の電極は、ワイヤボンドでモジュール基板2000と接続される。その後、半導体ベアチップ部品72とワイヤとを保護するため、半導体ベアチップ部品72およびワイヤはポッティング樹脂で覆われる。
【0069】
このようにモジュール基板2000上に電子部品を実装することにより、一度に複数の単位モジュール基板2001に電子部品を実装することができるため、生産効率を向上することができる。なお、リフロー部品71および半導体ベアチップ部品72は電子部品の一例であって、モジュール基板2000上に実装される電子部品はこれに限られない。
【0070】
モジュール基板2000は、低温焼成セラミック基板の綴り基板3000のように焼成によるひずみの影響がないため、綴り基板の状態において電子部品を実装した場合においても、高い位置精度で電子部品をモジュール基板2000上に配置することができる。
【0071】
図11は、本変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。図11に示すように、モジュール基板2000の他方の主面301上の各単位モジュール基板2001毎に低温焼成セラミック部品1000が実装される。
【0072】
具体的には、まず、モジュール基板2000の他方の主面301上に半田パターンが形成される。次に、マウンターで低温焼成セラミック部品1000を配置する。その後、リフロー処理することにより、低温焼成セラミック部品1000をモジュール基板2000の他方の主面301上に接合する。
【0073】
図12は、本変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。図12に示すように、モジュール基板2000を単位モジュール基板2001毎に分割して個片化する。
【0074】
図13は、実装された電子部品にシールドケースを装着した状態を示す側面図である。
図13に示すように、単位モジュール基板2001毎に個片化されたモジュール基板2000に実装されているリフロー部品71および半導体ベアチップ部品72を保護するためにシールドケース500を装着する。
【0075】
上記の方法により、モジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装できる。このようにした場合にも、低温焼成セラミック部品1000を作製する際に生ずるひずみによる影響を受けずに電子回路モジュール10を作製することができため、電子回路モジュール10の小型化を図りつつ、電子回路モジュール10の組立を容易にすることができる。
【0076】
また、以下の方法によってもモジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装できる。
【0077】
(第2変形例)
本実施形態の第2変形例においてもモジュール基板2000は、綴り基板状に形成され、また、図10に示すようにモジュール基板2000の一方の主面401上に電子部品が実装されている。第1変形例と同一の部分については説明を繰り返さない。
【0078】
図14は、本実施形態の第2変形例においてモジュール基板の一方の主面上に実装した電子部品の全てを樹脂で封止した状態を示す側面図である。
【0079】
図14に示すように、本実施形態の第2変形例においては、モジュール基板2000を個片化する前に、モジュール基板2000の一方の主面401上に封止樹脂を塗布することにより、リフロー部品71および半導体ベアチップ部品72を樹脂モールド600で封止する。封止樹脂の塗布方法は、射出成型または真空印刷などにより行なうことができる。本変形例においては、ベアチップ部品72の樹脂ポッティングを必ずしも行なわなくてもよい。
【0080】
図15は、本変形例においてモジュール基板に低温焼成セラミック部品を実装した状態を示す側面図である。図15に示すように、モジュール基板2000の他方の主面301上の各単位モジュール基板2001毎に低温焼成セラミック部品1000が実装される。
【0081】
図16は、本変形例において低温焼成セラミック部品を実装したモジュール基板をダイシングした状態を示す側面図である。図16に示すように、モジュール基板2000を樹脂モールド600と共に、単位モジュール基板2001毎に分割して個片化する。単位モジュール基板2001に実装されたリフロー部品71および半導体ベアチップ部品72は、分割された単位樹脂モールド601により封止されている。
【0082】
図17は、本変形例によって一体化された低温焼成セラミック部品およびモジュール基板の構造を示す側面図である。図17に示すように、本変形例の方法によっても、モジュール基板2000に低温焼成セラミック部品1000を実装できる。
【0083】
このようにした場合にも、低温焼成セラミック部品1000を作製する際に生ずるひずみによる影響を受けずに電子回路モジュール10を作製することができため、電子回路モジュール10の小型化を図りつつ、電子回路モジュール10の組立を容易にすることができる。
【0084】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 スイッチ、2,5,65 バンドパスフィルター、3,61 ロウノイズアンプ、4,8 バラン、6,62 パワーアンプ、10 電子回路モジュール、11 入力端子、12 出力端子、14 不平衡入力端子、15 不平衡出力端子、17,37 コントロール端子、18,35 電源端子、19,39 アンテナ端子、21 ダミー端子、31 平衡信号出力端子、33 平衡信号入力端子、41〜51 端子群、67 チップ部品、71 リフロー部品、72 半導体ベアチップ部品、72 ベアチップ部品、500 シールドケース、600 樹脂モールド、601 単位樹脂モールド、1000 低温焼成セラミック部品、2000 モジュール基板、2001 単位モジュール基板、3000 綴り基板、3001 低温焼成セラミック基板、4000 親基板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の主面に端子を有する親基板に接続される電子回路モジュールであって、
両方の主面に端子を有し、一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板と、
両方の主面に端子を有し、内部に導体パターンを有する低温焼成セラミック部品と
を備え、
前記低温焼成セラミック部品の一方の主面の端子が前記モジュール基板の他方の主面の端子と接続されることにより、前記低温焼成セラミック部品が前記モジュール基板に実装され、
前記低温焼成セラミック部品の他方の主面の端子が前記親基板の前記端子と接続されることにより、前記モジュール基板が前記低温焼成セラミック部品を間に挟んで前記親基板に実装される、電子回路モジュール。
【請求項2】
前記モジュール基板と前記低温焼成セラミック部品とが、平面視において略同形状を有する、請求項1に記載の電子回路モジュール。
【請求項3】
前記電子部品が、パワーアンプ部品、ロウノイズアンプ部品および高周波スイッチ部品の少なくともいずれかを含む、請求項1または2に記載の電子回路モジュール。
【請求項4】
両方の主面に端子を有して一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板に実装され、少なくとも一方の主面に端子を有する親基板に前記モジュール基板が実装された状態において前記親基板と前記モジュール基板との間に介在する低温焼成セラミック部品であって、
一方の主面に形成され、前記モジュール基板の他方の主面の端子と接続される第1端子と、
他方の主面に形成され、前記親基板の前記端子と接続される第2端子と、
内部に形成され、前記第1端子および前記第2端子と電気的に接続された導電パターンと
を備えた、低温焼成セラミック部品。
【請求項5】
前記導電パターンが高周波フィルターとして機能する回路を構成している、請求項4に記載の低温焼成セラミック部品。
【請求項6】
前記導電パターンがさらに、バランおよびデュプレクサーの少なくともいずれかの機能を有する回路を構成している、請求項5に記載の低温焼成セラミック部品。
【請求項1】
少なくとも一方の主面に端子を有する親基板に接続される電子回路モジュールであって、
両方の主面に端子を有し、一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板と、
両方の主面に端子を有し、内部に導体パターンを有する低温焼成セラミック部品と
を備え、
前記低温焼成セラミック部品の一方の主面の端子が前記モジュール基板の他方の主面の端子と接続されることにより、前記低温焼成セラミック部品が前記モジュール基板に実装され、
前記低温焼成セラミック部品の他方の主面の端子が前記親基板の前記端子と接続されることにより、前記モジュール基板が前記低温焼成セラミック部品を間に挟んで前記親基板に実装される、電子回路モジュール。
【請求項2】
前記モジュール基板と前記低温焼成セラミック部品とが、平面視において略同形状を有する、請求項1に記載の電子回路モジュール。
【請求項3】
前記電子部品が、パワーアンプ部品、ロウノイズアンプ部品および高周波スイッチ部品の少なくともいずれかを含む、請求項1または2に記載の電子回路モジュール。
【請求項4】
両方の主面に端子を有して一方の主面に電子部品が実装されるモジュール基板に実装され、少なくとも一方の主面に端子を有する親基板に前記モジュール基板が実装された状態において前記親基板と前記モジュール基板との間に介在する低温焼成セラミック部品であって、
一方の主面に形成され、前記モジュール基板の他方の主面の端子と接続される第1端子と、
他方の主面に形成され、前記親基板の前記端子と接続される第2端子と、
内部に形成され、前記第1端子および前記第2端子と電気的に接続された導電パターンと
を備えた、低温焼成セラミック部品。
【請求項5】
前記導電パターンが高周波フィルターとして機能する回路を構成している、請求項4に記載の低温焼成セラミック部品。
【請求項6】
前記導電パターンがさらに、バランおよびデュプレクサーの少なくともいずれかの機能を有する回路を構成している、請求項5に記載の低温焼成セラミック部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−191039(P2012−191039A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54179(P2011−54179)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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