説明

電子回路装置、その製造方法及び表示装置

【課題】小型化が可能である電子回路装置、その製造方法及び表示装置を提供する。
【解決手段】第1電子部品8及び第2電子部品10がそれぞれ第3電子部品1aに電気的に接続された電子回路装置であって、上記第1電子部品は、第1接着剤層13aによって上記第3電子部品に固着され、上記第2電子部品は、上記第1接着剤層及び第2接着剤層13bによって上記第3電子部品に固着され、上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層は、一方が異方性導電材料を含み、他方が異方性導電材料を含まない電子回路装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路装置、その製造方法及び表示装置に関する。より詳しくは、異方性導電材料等の接着剤材料により電子部品同士が接続及び固着された電子回路装置、その製造方法及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
相対する多数の電極を有する電子部品同士を接続及び固着するための接着剤材料として、異方性導電材料が使用されている。異方性導電材料は、相対する電極同士の導通状態を保つ一方、隣接する電極同士の絶縁を保つように電子部品同士を電気的に接続するとともに、電子部品同士を機械的に固着することができる接続材料である。これによれば、例えば、プリント基板、液晶表示パネルを構成する基板等の配線基板に、半導体集積回路(以下、「IC」ともいう。)、大規模集積回路(以下、「LSI」ともいう。)等の半導体素子を搭載(実装)することができる。
【0003】
ここで、液晶表示パネルを構成するガラス基板にIC及びフレキシブルプリント基板(以下、「FPC(Flexible Printed Circuit)基板」ともいう。)を実装する従来の技術について説明する。図5は、従来の液晶表示パネルにおける実装構造を示す模式図であり、(a)は、斜視模式図であり、(b)は、図5(a)中のP−Q線における断面図である。従来の液晶表示パネル36は、図5に示すように、液晶表示パネル36を構成する一方のガラス基板(TFTアレイ基板)39aの張出部22上に、駆動用IC28及びFPC基板30が実装されている。より具体的には、ガラス基板39aは、張出部22の駆動用IC28及びFPC基板30側に、回路配線23、24を有する。駆動用IC28は、ガラス基板39a側に、バンプ電極29を有する。FPC基板30は、基材32上にリード電極31が形成されている。そして、ガラス基板39a上の回路配線23、24を含む領域には、異方性導電材料の硬化物である異方性導電層33aが配置され、一方、ガラス基板39a上の回路配線24を含む領域には、異方性導電材料の硬化物である異方性導電層33bが配置されている。異方性導電層33a、33bはそれぞれ、例えば、エポキシ系樹脂に導電性を有する粒子34a、34bが分散されたものである。そして、異方性導電層33a、33bは、厚み方向に導電性を示す一方、面方向に絶縁性を示すことができる。これにより、駆動用IC28のバンプ電極29は、導電粒子34aによって回路配線23、24に電気的に接続されるとともに、駆動用IC28は、異方性導電層33aに含まれる樹脂によりガラス基板39aに固着されることになる。一方、FPC基板30のリード電極31は、異方性導電層33bに含まれる導電粒子34bによって回路配線24に電気的に接続されるとともに、FPC基板30は、駆動用IC28の場合と同様に、ガラス基板39aに固着されることになる。
【0004】
以下に、上述の従来の液晶表示パネル36の製造方法を説明する。まず、ガラス基板39a上に回路配線23、24が形成された液晶表示パネル36(ガラス基板39a、39bの間にシール材37によって液晶38を封止したもの)を準備する。次に、ガラス基板39aの面内で回路配線23、24を含む領域に、異方性導電膜(以下、「ACF」ともいう。)等の異方性導電材料(異方性導電層33aが硬化する前の材料)を供給する。次に、回路配線23、24と駆動用IC28のバンプ電極29とを位置合わせした後、所定の条件で駆動用IC28を回路配線23、24に熱圧着する。続いて、同様に、回路配線24を含む領域に、ACF等の異方性導電材料(異方性導電層33bが硬化する前の材料)を供給し、FPC基板30を回路配線24に熱圧着する。このようにして、液晶表示パネル36への駆動用IC28、FPC基板30等の外部回路の実装が可能となる。
【0005】
ところで近年、テレビ、パソコン用ディスプレイ、携帯端末用ディスプレイ等の電子機器の省スペース化に対する強い要望があり、表示領域外の領域のより一層の小型化が必要になっている。そのためには、駆動用IC、フレキシブルプリント基板等の外部回路の実装領域(額縁領域)を如何に小さくするかが重要である。
【0006】
しかしながら、従来の液晶表示パネル36においては、異方性導電層33a、33bは、駆動用IC28及びFPC基板30の実装時における位置ずれを考慮して、駆動用IC28及びFPC基板30が実際に搭載される領域よりも広い領域に配置されていた。また、それぞれの部品の配置領域下に他の部品を接続するためのACFが潜り込むと圧着バランスが崩れることによる圧着不良が発生することがあり、また、部品の配置領域下まで至らずともACF同士が部分的に重なりあうと均圧がかからないことによる貼り付け不良が発生することがあるため、異方性導電層33aと異方性導電層33bとは、離れて配置される必要があった。したがって、個々の異方性導電層33a、33bの配置精度を考慮すると、駆動用IC28とFPC基板30との距離(間隔)A3は、必要最低限(例えば、少なくとも0.4mm以上)確保する必要があった。このように、異方性導電層33a、33b等の異なる接着剤層を同一部材上に配置する場合、それぞれの接着剤層を配置する領域を充分に確保する必要があった。したがって、従来の液晶表示パネル36においては狭額縁化に限界があった。
【0007】
このような状況の中、生産性向上、製造工程の簡略化及び歩留まり向上を目的として、駆動用IC、FPC基板等の各外部回路の実装に用いられるACFを共用化する技術が開示されている。
【0008】
より具体的には、集積回路チップが配線パターンに対して異方性導電膜によって導電接続され、異方性導電膜が接続配線部を覆うように形成されている電気光学装置が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0009】
また、第1部材及び第2部材が共通の異方性導電膜によって表示パネルを構成する少なくとも一枚の基板上に実装されている表示装置が開示されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0010】
更に、回路配線が形成された1枚のパネルのうち、複数の部品を載せるべき複数の箇所を含む閉領域に、異方導電材を供給する工程と、異方導電材によって回路配線と上記部品とを熱圧着する工程と有するパネルの実装方法が開示されている。(例えば、特許文献3参照。)
【0011】
しかしながら、実装される各外部回路(被着体)間には、特性の違いがあり、特に駆動用ICとFPC基板とでは、硬さの相違(硬い又は柔らかい)、材質の相違(シリコン系材料又はポリイミド膜)等の特性の違いがある。したがって、異なる電子部品を含む複数の外部回路に共用することができる異方性導電膜の開発は困難であった。すなわち、従来のACFを共用化した場合、ある部品については導通及び固着が充分になされたとしても、他の部材については導通及び固着を充分に行うことは困難であった。したがって、従来においては実装構造の信頼性を向上するという点で改善の余地があった。
【0012】
それに対して、基板上に複数種類の回路基板を搭載するために用いられる接着シートとして、複数のシートが接続されて一体化され構成された接着シートが開示されている。(例えば、特許文献4参照。)これによれば、駆動用IC用ACFとFPC基板用ACFとを一体的に形成することができる。しかしながら、この接着シートを実現するためには、技術的及びコスト的な課題があり、また、この接着シートを貼り付けるには貼り付け精度を向上する必要があった。
【0013】
また、パネル接続用電極と外部回路接続用パターン電極に駆動用集積回路を接続するための異方性導電フィルムを有し、駆動用集積回路の裏面に熱硬化性異方性導電フィルムによってフレキシブルプリント基板が設けられ、フレキシブルプリント基板が外部回路接続用パターン電極と駆動用集積回路の側壁部の導電性パターンによって接続される液晶表示装置が開示されている。(例えば、特許文献5参照。)これによれば、外部回路接続用パターン電極長さを短くできると記載されているが、このような液晶表示装置を実現することは技術的に非常に困難であった。また、この液晶表示装置において、外部回路接続用パターンと駆動用集積回路との接続に用いられるACFは、裏面パターンとフレキシブルプリント基板との間には配置されていない。
【0014】
更に、表示パネル及びFPCと、FPC及び配線基板との接続に異方性導電材等の導電性部材を用いることによって、パネル外形を小型化する技術が開示されている。(例えば、特許文献6参照。)しかしながら、この技術は、TCP(Tape Carrier Package)技術に関するものであり、また、パネル(基板)サイズを小さくすることができず、したがって、実装領域(額縁領域)を小さくするという点で更に改善の余地があった。
【0015】
なお、異方性導電膜を液晶パネルに利用した技術として、液晶層を三層に積層してなる液晶パネルにおいて、異方性導電膜によって全走査電極及び信号電極を外側電極基板に電気的に接続する技術が開示されている。(例えば、特許文献7参照。)
【0016】
また、異方性導電膜による半導体素子相互の接続方法として、2個の半導体素子の接続部のそれぞれに、厚みに偏りを有するように異方性導電膜を転写する工程と、2個の半導体素子を貼り合わせ、異方性導電膜の厚みの偏りを無くし固着させることによって接続する方法が開示されている。(例えば、特許文献8参照。)
【0017】
更に、剥離フィルムはシリコーンを含まず、その引張強度が10kN/cm以上、その表面張力が350μN/cm以下であり、剥離フィルム表面に接する第1の異方性導電膜の剥離力が2N/5cm以下であって、剥離フィルムの裏面に接する第2の異方性導電膜の剥離力よりも0.05N/5cm以上大きい多層異方性導電膜積層体が開示されている。(例えば、特許文献9参照。)これによれば、剥離フィルムとの剥離性がそれぞれ異なるACFが重ね合わされており、その積層体は一括で供給されることとなる。なお、この多層異方性導電膜積層体は、ACFのリールからの巻き戻し中におけるブロッキングを抑制するとともに、ACFの剥離性を確保するものである。
【特許文献1】特開2001−242799号公報
【特許文献2】特開2002−305220号公報
【特許文献3】特開平5−313178号公報
【特許文献4】特開2006−56995号公報
【特許文献5】特開平9−101533号公報
【特許文献6】特開2000−347593号公報
【特許文献7】特開平10−228028号公報
【特許文献8】特開平10−145026号公報
【特許文献9】特開2001−171033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、小型化が可能である電子回路装置、その製造方法及び表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、小型化が可能である電子回路装置、その製造方法及び表示装置について種々検討したところ、異方性導電層等の接着剤層の配置形態に着目した。そして、第1電子部品が、第1接着剤層によって第3電子部品に固着され、第2電子部品が、第3電子部品側から順に積層された第1接着剤層及び第2接着剤層によって第3電子部品に固着されるとともに、第1接着剤層及び第2接着剤層の一方が異方性導電材料を含み、他方が異方性導電材料を含まないことにより、電子回路装置の小型化が可能であることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0020】
すなわち、本発明は、第1電子部品及び第2電子部品がそれぞれ第3電子部品に電気的に接続された電子回路装置であって、上記第1電子部品は、第1接着剤層によって上記第3電子部品に固着され、上記第2電子部品は、上記第1接着剤層及び第2接着剤層によって上記第3電子部品に固着され、上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層は、一方が異方性導電材料を含み、他方が異方性導電材料を含まない電子回路装置である。これにより、製造工程において、第1及び第2接着剤層の材料である接着剤材料の配置精度を考慮することなく、第1及び第2電子部品をそれぞれ第3電子部品に固着及び電気的に接続することができる。したがって、第1及び第2電子部品の配置距離をより小さくすることができるので、電子回路装置の小型化が可能となる。更に、第1及び第2接着剤層の一方が異方性導電材料を含むことで、第1及び第2電子部品の少なくとも一方と第3電子部品との電気的な接続を容易に行うことができ、第1及び第2接着剤層の他方が異方性導電材料を含まない非導電層であるため、コストダウン及び薄膜化を実現することができる。
【0021】
上記第1接着剤層は、通常、第1電子部品及び第3電子部品が対向する領域と、第2電子部品及び第3電子部品が対向する領域とを覆うように配置される。一方、第2接着剤層は、通常、第2電子部品及び第3電子部品が対向する領域を覆うように配置される。このように、第1接着剤層は、第1電子部品及び第3電子部品が対向する領域と、第2電子部品及び第3電子部品が対向する領域とを少なくとも覆うように配置されることが好ましく、第2接着剤層は、第1電子部品及び第3電子部品が対向する領域を除いて、第2電子部品及び第3電子部品が対向する領域を少なくとも覆うように配置されることが好ましい。
【0022】
またこのように、本発明は、3つ以上の電子部品によって構成され、第1電子部品及び第2電子部品がそれぞれ第3電子部品に電気的に接続された構造を有する電子回路装置であって、上記接着剤層は、厚み方向において第3電子部品側に配置された第1接着剤層と、厚み方向において第2電子部品側に配置された第2接着剤層とが積層された構造を有し、上記第1接着剤層は、第1電子部品及び第2電子部品が配置(搭載)される領域を覆うよう配設され、上記第2接着剤層は、第2電子部品が配置(搭載)される領域を覆うよう配設される電子回路装置であってもよいし、3つ以上の電子部品によって構成され、第1電子部品及び第2電子部品がそれぞれ第3電子部品に電気的に接続された構造を有する電子回路装置であって、上記接着剤層は、厚み方向において第3電子部品側に配置された第1接着剤層と、厚み方向において第2電子部品側に配置された第2接着剤層とが積層された構造を有し、上記第1接着剤層は、第1電子部品及び第2電子部品が配置(搭載)される領域を少なくとも覆うよう配設され、上記第2接着剤層は、第1電子部品が配置(搭載)される領域を除いて、第2電子部品が配置(搭載)される領域を少なくとも覆うよう配設される電子回路装置であってもよい。
【0023】
上記第1〜第3電子部品の種類としては、能動素子、受動素子(チップ部品)、受動素子が集積実装された組品、配線基板(回路基板)等が挙げられる。能動素子としては、半導体集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)等の半導体素子が挙げられる。受動素子としては、LED(Light Emitting Diode)、コンデンサ、センサ等が挙げられる。配線基板としては、より具体的には、PWB(Printed Wiring Board)、FPC基板等のプリント基板、液晶表示パネル等の表示パネルを構成する基板(パネル構成基板)等が挙げられる。このように、配線基板は、通常、絶縁基板(基材)上及び/又は内に配線が設けられた電子部品である。なお、PWBは、PCB(Printed Circuit Board)とも呼ばれるものであってもよい。
【0024】
本発明の電子回路装置の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
本発明の電子回路装置における好ましい形態について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種の形態は、組み合わせて用いられてもよい。
【0025】
異方性導電材料を含む接着剤層は特に限定されず、第1接着剤層であってもよいし、第2接着剤層であってもよい。より具体的には、上記第1接着剤層は、異方性導電材料を含み、上記第2接着剤層は、異方性導電材料を含まない形態であってもよい。これにより、第1接着剤層に含まれる異方性導電材料によって第1及び第2電子部品のそれぞれと第3電子部品との電気的な接続を確実に行うことができる。このように、上記第1接着剤層は、異方性導電材料を含み、上記第2接着剤層は、異方性導電材料を含まず、上記第1電子部品及び上記第2電子部品は、それぞれ上記第1接着剤層の異方性導電材料によって上記第3電子部品に電気的に接続されることが好ましい。また、上記第1接着剤層は、異方性導電材料を含まず、上記第2接着剤層は、異方性導電材料を含む形態であってもよい。これにより、第2接着剤層に含まれる異方性導電材料によって第2電子部品と第3電子部品との電気的な接続を確実に行うことができる。このように、上記第1接着剤層は、異方性導電材料を含まず、上記第2接着剤層は、異方性導電材料を含み、上記前記第2電子部品は、上記第2接着剤層の異方性導電材料によって上記第3電子部品に電気的に接続されることが好ましい。なお、この場合、第1電子部品と第3電子部品とは、例えば、Au−Sn共晶物によって電気的に接続することができる。
【0026】
上記第1及び上記第2電子部品の種類は特に限定されないが、異なる種類の電子部品であることが好ましい。従来においては、異なる部品間の実装距離を狭くすることは、特に困難であった。しかしながら、本発明によれば、第3電子部品に異なる部材である第1及び第2電子部品が搭載されたとしても、電子回路装置の小型化が可能である。したがって、この形態の場合、より顕著に本発明の効果を奏することができる。
【0027】
上記第3電子部品の種類は特に限定されないが、配線基板であることが好ましい。このように、本発明の電子回路装置は、第3電子部品である配線基板に、少なくとも2つの電子部品が異方性導電層によって搭載(実装)された構造を有することが好ましい。
【0028】
本発明の電子回路装置を液晶表示装置等の表示装置用の制御装置として利用する場合には、上記第1及び第2電子部品は、能動素子及びプリント基板の組み合わせであり、第3電子部品は、配線基板であることが好ましい。これにより、表示装置における狭額縁化が可能となる。より具体的には、上記第1電子部品及び上記第2電子部品は、半導体素子及びフレキシブルプリント基板の組み合わせであり、上記第3電子部品は、パネル構成基板であることがより好ましい。なお、このとき、本発明の電子回路装置は、第1電子部品が半導体素子であり、第2電子部品がフレキシブルプリント基板である形態であってもよいし、第1電子部品がフレキシブルプリント基板であり、第2電子部品が半導体素子である形態であってもよい。
【0029】
上記第1電子部品は、上記第2電子部品と異なる表面形態を有することが好ましい。このように、異なる表面形態を有する2つの電子部品を実装する場合、従来においては、異方性導電材料等の接着剤材料を共用化することは困難であった。しかしながら、本発明においては、第1及び第2接着剤層の性質及び/又は材質を変更することが可能であることから、第1及び第2電子部品に適した特性を有する第1及び第2接着剤材料を用いて第1及び第2電子部品の実装ができるようになる。したがって、異なる表面形態を有する第1及び第2電子部品を第3電子部品に実装する場合、より顕著に電子回路装置の信頼性を向上することができる。なお、表面形態が異なるとは、より具体的には、第1及び第2接着剤層との密着性、表面形状、及び、表面の材質の少なくとも一つが異なることが好ましい。
【0030】
上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層は、それぞれ異なる種類の接着成分を含むことが好ましい。これにより、第1及び第2電子部品の種類、表面形態等に合わせて、第1及び第2接着剤層の特性を調整することができる。すなわち、第1接着剤層が第1電子部品との接着性に優れた接着成分を含み、一方、第2接着剤層が第2電子部品との接着性に優れた接着成分を含むことができる。その結果、第1及び第2電子部品と第3電子部品とをより強固に固着することができるので、電子回路装置の信頼性を向上することができる。接着成分は、主に接着機能を発現する成分であれば特に限定されないが、なかでも樹脂が好適であり、熱硬化性樹脂が特に好適である。
【0031】
上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層の性質及び材質としては特に限定されないが、上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が異なることが好ましい。これにより、第1及び第2電子部品と第3電子部品との密着性により優れた第1及び第2接着剤層を配置することができる。したがって、電子回路装置の信頼性をより向上することができる。より具体的には、上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1.5〜2.0×10Paである接着剤層と、貯蔵弾性率が1.2〜1.3×10Paである接着剤層との組み合わせであることが好ましい。貯蔵弾性率が1.5〜2.0×10Paである接着剤層は、能動素子、なかでも半導体素子用の接着剤層として好適である。一方、貯蔵弾性率が1.2〜1.3×10Paである接着剤層は、プリント基板、なかでもFPC基板用の接着剤層として好適である。したがって、このような接着剤層を有する電子回路装置は、表示装置用の制御装置として好適である。なお、貯蔵弾性率が1.5×10Pa未満、又は、2.0×10Paを超える接着剤層を用いた場合、能動素子、なかでも半導体素子を確実には第3電子部品に実装できないことがある。また、貯蔵弾性率が1.2×10Pa未満、又は、1.3×10Paを超える接着剤層を用いた場合、プリント基板、なかでもFPC基板を確実には第3電子部品に実装できないことがある。更に、このとき、本発明の電子回路装置は、第1接着剤層の貯蔵弾性率が1.5〜2.0×10Paであり、第2接着剤層の貯蔵弾性率が1.2〜1.3×10Paであってもよい。
【0032】
このように、本発明を表示装置用の制御装置として利用する場合には、上記第1電子部品は、半導体素子であり、上記第2電子部品は、フレキシブルプリント基板であり、上記第3電子部品は、表示パネル構成基板であり、上記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が1.5〜2.0×10Paであり、上記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1.2〜1.3×10Paである形態であることが好ましい。
【0033】
上記第1及び第2接着剤層の材質(第1及び第2接着剤材料)としては特に限定されず、例えば、ペースト状(液状)の接着剤材料(非導電ペースト;NCP)、フィルム状の接着剤材料(非導電フィルム;NCF)等が挙げられる。また、上記第1及び第2接着剤層が異方性導電層の場合には、例えば、ペースト状(液状)の異方性導電材料(異方性導電ペースト;ACP)、フィルム状の異方性導電材料(異方性導電フィルム;ACF)等が挙げられる。しかしながら、製造工程の簡略化と、回路の高精細化(ファインピッチ化)との観点からは、接着剤層は、フィルム状の接着剤材料から形成されたものであることが好ましい。すなわち、上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層の少なくとも一方は、膜から形成されたものであることが好ましく、上記第1接着剤層及び第2接着剤層は、膜から形成されたものであることがより好ましい。なお、上記第1及び第2接着剤層の平面形状は特に限定されないが、製造工程の簡略化の観点からは、各辺が略直交する多角形であることが好ましく、略方形であることがより好ましい。
【0034】
上記第1接着剤層は、その厚みが上記第2接着剤層よりも大きいことが好ましい。上記第1電子部品は、第3電子部品との電気的な接続(以下、単に接続ともいう。)が確実にされる必要があり、一方、上記第2電子部品も、第3電子部品との接続が確実にされる必要がある。仮に、上記第1接着剤層の膜厚を、従来のように第1接着剤層が第1電子部品と第3電子部品との固着のみに用いられるときに好適な膜厚となるように設定し、上記第2接着剤層の膜厚を、従来のように第2接着剤層が第2電子部品と第3電子部品との固着のみに用いられるときに好適な膜厚となるように設定した場合、本発明においては、第2及び第3電子部品の間に供給される接着剤材料(第1及び第2接着剤材料)の量が多くなりすぎ、接着剤材料の流れ出し不足(押し出し不足)に起因する接続不良が第2及び第3電子部品の間で発生することが懸念される。このことから、第1及び第2接着剤材料、すなわち第1及び第2接着剤層の厚みのバランスを調節することが本発明においては好ましい。より具体的には、上述のように、第2接着剤層の膜厚を、第1接着剤層の膜厚よりも小さくすることによって、第2及び第3電子部品の間で接続不良が発生するのを効果的に抑制することができる。したがって、第2及び第3電子部品の間により良好な接続状態を生むことができる。
【0035】
本発明はまた、上記電子回路装置の製造方法であって、上記製造方法は、上記第3電子部品の上記第1電子部品及び上記第2電子部品が配置(搭載)される領域を覆うように第1接着剤材料を供給する工程(第1供給工程)と、上記第3電子部品の上記第2電子部品が配置(搭載)される領域を覆うように、又は、上記第2電子部品の上記第3電子部品に固着される面を覆うように、第2接着剤材料を供給する工程(第2供給工程)と、上記第1接着剤材料を介して上記第1電子部品を上記第3電子部品に圧着する第1圧着工程と、上記第1接着剤材料及び上記第2接着剤材料を介して上記第2電子部品を上記第3電子部品に圧着する第2圧着工程とを含む電子回路装置の製造方法でもある。これにより、第1及び第2接着剤材料の配置精度を考慮する必要がなくなる。したがって、第1及び第2電子部品の配置距離をより小さくすることができるので、小型化された電子回路装置の製造が可能となる。
【0036】
このように、本発明は、上記電子回路装置の製造方法であって、上記製造方法は、上記第3電子部品の上記第1電子部品及び上記第2電子部品が配置される領域を少なくとも覆うように第1接着剤材料を供給する工程(第1供給工程)と、上記第1電子部品が配置される領域を除く上記第3電子部品の上記第2電子部品が配置される領域を少なくとも覆うように、又は、上記第2電子部品の上記第3電子部品に固着される領域を少なくとも覆うように、第2接着剤材料を供給する工程(第2供給工程)と、上記第1接着剤材料を介して上記第1電子部品を上記第3電子部品に圧着する工程と、上記第1接着剤材料及び第2接着剤材料を介して第2電子部品を第3電子部品に圧着する工程とを含む電子回路装置の製造方法であってもよい。
【0037】
本発明の電子回路装置の製造方法は、これらの工程を有するものである限り、その他の工程により特に限定されるものではない。なお、第2供給工程は、通常、第1供給工程の後に行われる。
本発明の電子回路装置の製造方法における好ましい態様について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種の態様は、組み合わして用いられてもよい。
【0038】
上記第1圧着工程は、上記第1接着剤材料を介して上記第1電子部品を上記第3電子部品に熱圧着する第1熱圧着工程であり、上記第2圧着工程は、上記第1接着剤材料及び上記第2接着剤材料を介して上記第2電子部品を上記第3電子部品に熱圧着する第2熱圧着工程とを含むことが好ましい。これにより、第1電子部品及び第3電子部品の接続と、第2電子部品及び第3電子部品の接続とを適正な条件で行うことができ、それぞれの接続を確実かつ短時間に行うことができる。
【0039】
上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程は、連続的に行われることが好ましい。仮に、第1熱圧着工程と第2熱圧着工程との間に別の工程を行う場合、第1接着剤材料の後の熱圧着時に第1又は第2電子部品が実装されるべき領域が、先の熱圧着時に硬化してしまうことが懸念される。しかしながら、第1熱圧着工程及び第2熱圧着工程を連続的に処理することによって、後の熱圧着時においても、第1接着剤材料の後の熱圧着時に第1又は第2電子部品が実装されるべき領域を未硬化の状態に保つことができる。このように、上記電子回路装置の製造方法は、上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程のうちの後に処理される方の工程は、上記第1接着剤材料及び上記第2接着剤材料の少なくとも一方の、上記第1電子部品又は上記第2電子部品が熱圧着される領域が未硬化の状態である間に行われることが好ましいとも言える。なお、上記未硬化の状態は、電子部品同士の接続及び固着が可能な程度の状態であればよく、完全に未硬化の状態である必要はないが、ほとんど硬化が進行していない状態であることが好ましい。また、同様の観点から、上記電子回路装置の製造方法は、上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程を滞留することなく行う態様であってもよいし、上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程を同一圧着装置内で連続的に行う態様であってもよい。
【0040】
上記第1熱圧着工程及び第2熱圧着工程のうちの先に処理される方の工程は、上記第3電子部品の、上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程のうちの後に処理される方の工程で上記第1電子部品又は上記第2電子部品が配置される領域を冷却しながら行われることが好ましい。仮に、第1熱圧着工程及び第2熱圧着工程をそれぞれ独立して行う場合、第1接着剤材料の後の熱圧着時に第1又は第2電子部品が実装されるべき領域が、先の熱圧着時に硬化してしまうことが懸念される。しかしながら、第3電子部品の、第1熱圧着工程及び第2熱圧着工程のうちの後に処理される方の工程で第1又は第2電子部品が配置される領域を冷却しながら第1熱圧着工程及び第2熱圧着工程のうちの先に処理される工程を行うことによって、第1接着剤材料の後に処理される熱圧着時に第1又は第2電子部品が実装されるべき領域をより確実に未硬化の状態に保つことができる。また、第1接着剤材料の先の熱圧着時に硬化される領域をより小さくすることができる。したがって、後の熱圧着時に実装される電子部品と、先の熱圧着時に実装された電子部品とをより近くに配置することができ、その結果、電子回路装置をより小型にすることができる。なお、第3電子部品の後に処理される熱圧着時に第1電子部品又は第2電子部品が圧着される領域の冷却温度としては特に限定されないが、90℃以下であることが好ましい。他方、冷却温度が90℃を超えると、先の熱圧着時に第1接着剤材料の硬化が著しく進んでしまい、後の熱圧着時に第1又は第2電子部品を確実には熱圧着できないことがある。
【0041】
上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程は、同時に行われてもよい。これにより、未硬化の状態の第1接着剤材料及び第2接着剤材料を介して第1電子部品及び第2電子部品の熱圧着を行うことができるので、第1電子部品の熱圧着と第2電子部品の熱圧着とを別々に行う場合に比べて、第1電子部品及び第2電子部品をより確実に第3電子部品に接続することができる。また、上述のように、第1又は第2電子部品が配置される領域を冷却する必要もなく、熱圧着装置に冷却機関等を設ける必要もなくなるので、設備コストを抑制することができる。更に、第1電子部品と第2電子部品とを更に近くに配置することができ、その結果、電子回路装置を更に小型にすることができる。また、上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程は、同一圧着装置内で同時に行われる態様であってもよい。なお、本明細書において、上記第1熱圧着工程及び上記第2熱圧着工程を同時に行うとは、厳密に同時に行う必要はなく、実質的に、すなわち同一熱圧着装置により実現できる程度に同時に熱圧着を行えればよい。
【0042】
なお、本発明の電子回路装置の製造方法における電子回路装置の構成要素の形態については、本発明の電子回路装置で述べた各種形態を適宜適用することができる。なかでも、本発明の電子回路装置と同様の観点から、上記第1接着剤材料は、その厚みが第2接着剤材料よりも大きいことが好ましい。
【0043】
本発明は更に、本発明の電子回路装置を含んで構成される表示装置、又は、本発明の電子回路装置の製造方法により製造された電子回路装置を含んで構成される表示装置でもある。本発明によれば、電子回路装置の小型化が可能であるので、表示装置の額縁領域をより小さくすること(狭額縁化)が可能となる。
【発明の効果】
【0044】
本発明の電子回路装置、その製造方法及び表示装置によれば、製造工程において、第1及び第2接着剤層の材料である接着剤材料の貼り付け精度を考慮する必要がなくなる。したがって、第1及び第2電子部品の配置距離をより小さくすることができるので、電子回路装置の小型化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に実施形態を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0046】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の電子回路装置における実装構造を示す模式図であり、(a)は、斜視模式図であり、(b)は、図1(a)中のX−Y線における断面図である。
電子回路装置100は、図1に示すように、第3電子部品である基板1aを有する液晶表示パネル16と、接着剤層13によって基板1a上に実装(搭載)された第1及び第2電子部品である駆動用IC8及びフレキシブル配線基板(FPC基板)10とを有する。
【0047】
液晶表示パネル16は、基板(パネル構成基板)1a、1bの間にシール材17によって液晶18が封止された構造を有する。基板1a、1bは、通常、カラーフィルタ基板及びTFTアレイ基板として機能する。駆動用IC8及びFPC基板10側には、回路配線3、4が形成されている。回路配線3は、駆動用IC8との接続部に駆動用IC用出力パッド5を有する。一方、回路配線4は、駆動用IC8及びFPC基板10との接続部に駆動用IC用入力パッド6及びFPC基板接続パッド7を有する。
【0048】
駆動用IC8は、基板1a側に、高さおよそ15μmのバンプ電極9を有し、このバンプ電極9が駆動用IC8の接続端子として機能している。このように、駆動用IC8は、COG(Chip On Glass)方式によって基板1a上にベアチップ実装されている。また、駆動用IC8は、ゲートドライバ、ソースドライバ等のドライバとして機能する。したがって、駆動用IC8は、COGチップ、液晶ドライバ、ドライバIC等とも呼ばれるものであってもよい。なお、駆動用IC8は、もちろん、LSIであってもよい。
【0049】
FPC基板10は、基板1a側の基材12上に高さおよそ33μmのリード電極11が形成され、このリード電極11がFPC基板10の接続端子として機能している。基材12は、ポリイミド等の樹脂から形成される。また、基材12は、可撓性のフィルムであり、これにより、FPC基板10は、折り曲げが可能となり、電子回路装置100の更なる省スペース化が可能となる。なお、FPC基板10は、コントローラIC、電源IC等のIC(LSI)チップ、抵抗、セラミックコンデンサ等の電子部品(図示せず)が搭載されていてもよい。
【0050】
そして、駆動用IC用出力パッド5、駆動用IC用入力パッド6及びFPC基板接続パッド7が配置された領域を含む駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域には、異方性導電層13aが配置されている。一方、FPC基板接続パッド7が配置された領域を含むFPC基板10の実装領域には、非導電層13bが配置されている。このように、電子部品が実装される部材(本実施形態では、基板1a)側を下方、電子部品が実装される部材から離れる側を上方とすると、接着剤層13は、下層の異方性導電層13aと、上層の非導電層13bとが積層された構造を有する。
【0051】
異方性導電層13aは、1.5〜2.0×10Paの貯蔵弾性率を有した接着成分である樹脂(より具体的には、例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂)に導電性を有する粒子(以下、「導電粒子」ともいう。)14aが分散されたものである。一方、非導電層13bは、導電粒子を含まない1.2〜1.3×10Paの貯蔵弾性率を有した接着成分である樹脂(より具体的には、例えば、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂)である。導電粒子14aの直径は、3〜5μm程度である。異方性導電層13aの導電粒子含有量は、30〜50×10個/mm程度である。このような異方性導電層13aは、厚み方向(基板1aに対して法線方向)に導電性を示す一方、面方向に絶縁性を示すことができる。これにより、駆動用IC8のバンプ電極9は、導電粒子14aによって駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6に電気的に接続されるとともに、駆動用IC8は、異方性導電層13aに含まれる樹脂により基板1aに熱圧着(固定)されることになる。一方、FPC基板10のリード電極11は、異方性導電層13aに含まれる導電粒子14aによってFPC基板接続パッド7に電気的に接続されるとともに、FPC基板10は、異方性導電層13a及び非導電層13bに含まれる樹脂により基板1aに熱圧着(固定)されることになる。このように、FPC基板10のリード電極11と基板1aのFPC基板接続パッド7との間には、異なる接着剤層である異方性導電層13aと非導電層13bとが介在されている。
【0052】
非導電層13bは、導電粒子を含まず、導電性を有しない。したがって、リード電極11は、導電粒子14aによってFPC基板接続パッド7に電気的に接続されている。このように、非導電層13bが導電粒子を含まないことで、コストダウンを実現するとともに、非導電層13bの膜厚を低減することができる。
【0053】
また、異方性導電層13a、非導電層13bの貯蔵弾性率はそれぞれ、1.5〜2.0×10Pa及び1.2〜1.3×10Paである。これにより、異方性導電層13a、非導電層13bはそれぞれ、駆動用IC8及びFPC基板10との優れた密着性を発揮することができる。
【0054】
貯蔵弾性率は、測定装置として、Rheometorics社製Solid analyzer RSA-2を用いた動的粘弾性試験により測定することができる。なお、周波数条件は、機器の制約から、通常0.1〜100rad/sec程度の範囲とする。
【0055】
以下に、図2を用いて、電子回路装置100の製造方法を説明する。図2(a)〜(d)は、製造工程における実施形態1の電子回路装置を示す斜視模式図である。
【0056】
まず、図2(a)に示すように、一般的な方法により、基板1aの張出部2に回路配線3、4が形成された液晶表示パネル16を準備する。すなわち、基板1aとして、ガラス等の絶縁基板のシール材17の内側に、スイッチング素子、バス配線(ゲート配線及びソース配線)、画素電極等の部材をマトリクス状に形成するとともに、絶縁基板の張出部2に回路配線3、4を形成する。このように、基板1aは、通常、TFTアレイ基板であり、基板1bは、通常、カラーフィルタ基板である。なお、回路配線3、4は、バス配線と同一の配線層により形成される。また、回路配線3は、バス配線と接続されており、バス配線と一体的に形成されてもよい。一方、基板1bとして、ガラス等の絶縁基板のシール材17の内側に、共通電極、カラーフィルタ層等の部材を形成する。そして、両基板1a、1b間にシール材17によって液晶(例えば、ネマチック液晶)18を封止する。なお、絶縁基板の材質は、通常、ガラスであるが、透光性の樹脂等であってもよい。
【0057】
次に、図2(b)に示すように、駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域(回路配線3、4を含む領域)を覆うように、基板1aに異方性導電膜(ACF)15a(異方性導電層13aの材料であり、硬化前のもの)を供給する(ACF15aの供給工程)。また、同様に、FPC基板10の実装面(リード電極11が形成された面)を覆うように、FPC基板10に非導電膜(NCF)15b(非導電層13bの材料であり、硬化前のもの)を供給する(NCF15bの供給工程)。ACF15aは、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂に、導電粒子14aが分散されたフィルムであり、その厚みは、15〜25μm程度であることが好ましい。ACF15aの厚みが25μmを超えると、ACF15aの流れ出しが不充分となり圧着不良が発生することがあり、15μm未満であると、ACF15aの充填不足が起こり接続信頼性を損なうことがある。NCF15bは、導電粒子を含まない、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂で構成されたフィルムであり、その厚みは、10〜20μm程度であることが好ましい。NCF15bの厚みが20μmを超えると、NCF15bの流れ出しが不充分となり圧着不良が発生することがあり、10μm未満であると、NCF15bの充填不足が起こり接続信頼性を損なうことがある。
【0058】
なお、従来であれば、NCF15bの厚みは、通常、20〜30μm程度に設定される。一方、本実施形態においては、後述するように、NCF15bが圧着される領域には、既にACF15aが配置されている。したがって、NCF15bは、従来の厚みからACF15aの厚みを差し引いた厚みに設定される。これにより、ACF15a、NCF15bの供給過多による流れ出し不足(押し出し不足)に起因する接続不良の発生を抑制することができる。このように、1つの電子部品(本実施形態では、FPC基板10)に対応して供給される接着剤材料(本実施形態では、NCF15b)の厚みは、少なくとも2つの電子部品(本実施形態では、駆動用IC8及びFPC基板10)に対応して供給される接着剤材料(本実施形態では、ACF15a)の厚みより小さいことが好ましい。
【0059】
なお、NCF15bは、FPC基板10の実装領域を覆うように、基板1aのACF15a上に供給されてもよい。
【0060】
次に、駆動用IC8及びFPC基板10の実装工程(熱圧着工程)を行う。まず、駆動用IC8を液晶表示パネル16に実装(熱圧着)する。より具体的には、図2(c)に示すように、駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6と駆動用IC8のバンプ電極9とを位置合わせした後、所定の条件で駆動用IC8を回路配線3、4に熱圧着する。この熱圧着の条件としては、例えば、接続温度180〜190℃、接続時間5〜15秒間、圧力60〜80MPaとする。これにより、ACF15aの駆動用IC8が実装された領域と、その周辺領域とを完全に硬化することができる。一方、ACF15aのFPC基板10が実装される領域は、未硬化の状態に保つことができる。
【0061】
なお、駆動用IC8の熱圧着は、冷却機構等により基板1aのFPC基板10が実装される領域を冷却しながら(より具体的には、例えば、80℃程度に冷却しながら)、駆動用IC8の熱圧着を行うことが好ましい。これにより、駆動用IC8が実装された領域以外の領域においてACF15aが硬化する面積をより小さくすることができる。したがって、FPC基板10が実装される領域を駆動用IC8が実装される領域により近づけることができるので、電子回路装置100をより小型化することができる。また、駆動用IC8の熱圧着の後も、FPC基板10が実装される領域をより確実に未硬化の状態に保つことができる。
【0062】
続いて、FPC基板10を液晶表示パネル16に実装(熱圧着)する。より具体的には、図2(d)に示すように、FPC基板10のリード電極11とFPC基板接続パッド7とを位置合わせした後、ACF15a、NCF15bを重ねた状態で、所定の条件でFPC基板10を回路配線4に熱圧着する。この熱圧着の条件としては、例えば、接続温度180〜190℃、接続時間10〜20秒間、圧力1.5〜2.5MPaとする。これにより、未硬化の状態を保っていたACF15aの一部は、ACF15bとともに完全に硬化される。このとき、ACF15a、NCF15bは、未硬化の状態に保たれる必要はないので、冷却機構等により基板1aを冷却する必要もない。
【0063】
なお、駆動用IC8の熱圧着とFPC基板10の熱圧着とは、複数の圧着装置、圧着ユニットを複数備えた圧着装置等を用いて、次々に連続して行われることが好ましい。これにより、FPC基板10が熱圧着されるまでの間、ACF15aのFPC基板10が実装される領域を効果的に未硬化の状態に保つことができる。なお、駆動用IC8の熱圧着とFPC基板10の熱圧着とをより素早く、すなわちより連続して行う観点からは、駆動用IC8の熱圧着とFPC基板10の熱圧着とは、圧着ユニットを複数備えた圧着装置を用いて連続的に行われることが好ましい。
【0064】
また、駆動用IC8の熱圧着とFPC基板10の熱圧着とは、圧着ユニットを複数備えた圧着装置等を用いて、実質的に同時に行われることが好ましい。これにより、駆動用IC8及びFPC基板10をより確実に液晶表示パネル16に接続することができ、電子回路装置100の信頼性を向上することができる。また、上述のように、圧着装置に冷却機構を設ける必要がなくなるので、設備コストを抑制することができる。更に、未硬化の状態のACF15a、NCF15bを介して、駆動用IC8及びFPC基板10を液晶表示パネル16に熱圧着することができるので、FPC基板10が実装される領域を駆動用IC8が実装される領域に更に近づけることができ、その結果、電子回路装置100を更に小型化することができる。
このようにして、電子回路装置100を容易に作製することができる。
【0065】
以上、電子回路装置100によれば、FPC基板10の実装領域においては液晶表示パネル16側から異方性導電層13a及び非導電層13bが重なって配置される。したがって、ACF15a及びNCF15bの貼り付け精度を考慮する必要がなく、駆動用IC8、FPC基板10等の電子部品の搭載精度のみを考慮して駆動用IC8とFPC基板10との距離(間隔、図1(b)中のA1)を決定することが可能となる。その結果、距離A1を図5(b)で示した距離A3よりも短くすることができるので、ACFの貼り付け精度と電子部品の搭載精度との両方を考慮する必要があった従来の電子回路装置と比べて、電子回路装置100では装置の小型化が可能となる。したがって、電子回路装置100を液晶表示装置等の表示装置に適用した場合には、パネル構成基板の額縁領域を小さくすることができるので、表示装置の狭額縁化が可能となる。また、非導電層13bは、導電粒子を含まないため、コストダウンを実現するとともに、非導電層13bの膜厚を小さくすることができる。
【0066】
本実施形態では、ACF15aを用いて異方性導電層13aを形成し、NCF15bを用いて非導電層13bを形成したが、異方性導電層13a、非導電層13bは、他の接着剤材料を用いて形成してもよい。例えば、異方性導電層13aは、異方性導電ペースト(ACP)等を用いて形成してもよいし、非導電層13bは、非導電ペースト(NCP)等を用いて形成してもよい。
【0067】
また、電子回路装置100は、第1及び第2電子部品である駆動用IC8及びFPC基板10以外に、他の電子部品、例えば、LED、コンデンサ、センサ等の受動素子が、異方性導電層13a、又は、異方性導電層13a及び非導電層13bによって、第3電子部品である基板1a上に、更に搭載された構造を有してもよい。
【0068】
また、電子回路装置100では、基板1aの一辺に張出部2が設けられた液晶表示パネル16を用いたが、張出部2、駆動用IC8及びFPC基板10の配置場所は特に限定されない。すなわち、電子回路装置100は、基板1aの二辺に設けられたL字状の張出部に駆動用IC8及びFPC基板10が実装された形態であってもよいし、基板1a、1bの一辺にそれぞれ設けられた張出部に駆動用IC8及びFPC基板10が実装された形態であってもよい。
【0069】
また、本実施形態においては、駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域に異方性導電層13aを配置し、FPC基板10の実装領域に非導電層13bを配置した形態について説明したが、異方性導電層13a及び非導電層13bは、互いに入れ換えて配置してもよい。すなわち、駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域に非導電層13bを配置し、FPC基板10の実装領域に異方性導電層13aを配置してもよい。この場合、駆動用IC8の実装領域には導電粒子14aが存在しないため、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とを電気的に接続する方法としては、例えば、Auメッキ処理したバンプ電極9と、Snメッキ処理した駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とを使用する方法が挙げられる。図3は実施形態1の電子回路装置における別の実装構造を示す模式図であり、(a)は、斜視模式図であり、(b)は、図3(a)中のX−Y線における断面図である。この場合、駆動用IC8及びFPC基板10を表示パネル16に実装する方法としては、まず、駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域にNCPを配置してから、加圧によって駆動用IC8を表示パネル16に押しつける。このとき、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6との間のNCPが押し出され、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とが接触するまで加圧する。その後、加圧した状態で駆動用IC8の実装領域を約400℃で加熱することで、Au(金)メッキ処理したバンプ電極9とSn(スズ)メッキ処理した駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とが接触する部分にAu−Sn共晶物20が形成される。このAu−Sn共晶物20によって、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とを電気的に接続することができる。その後、FPC基板10の実装面(リード電極11が形成された面)を覆うようにACFを配置した後、NCP及びACFを介してFPC基板10を液晶表示パネル16に熱圧着すればよい。なお、この形態において、駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域にはNCFを配置してもよいが、加圧によるバンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6との接触を容易に行うという観点からは、NCPを配置することが好ましい。
【0070】
駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域に非導電層13bを配置し、FPC基板10の実装領域に異方性導電層13aを配置する形態において、バンプ電極9は、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の粒子状の樹脂を含有してもよい。このようなバンプ電極9は、例えば、粒子状の樹脂を混合した電解液を攪拌しながら電解メッキを行う分散メッキによって形成することができる。バンプ電極9が粒子状の樹脂を含有することで、バンプ電極9の弾性変形量が大きくなる。したがって、バンプ電極9の弾性回復力によってバンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6との接触を安定に保つことができ、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とを電気的に接続することができる。この場合、駆動用IC8及びFPC基板10を表示パネル16に実装する方法としては、まず、駆動用IC8及びFPC基板10の実装領域にNCPを配置してから、加圧によって駆動用IC8を表示パネル16に押しつける。このとき、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6との間のNCPが押し出され、バンプ電極9と駆動用IC用出力パッド5及び駆動用IC用入力パッド6とが接触するまで加圧する。その後、加圧した状態で駆動用IC8の実装領域を加熱することで、駆動用IC8を表示パネル16に実装することができる。その後、FPC基板10の実装面(リード電極11が形成された面)を覆うようにACFを配置した後、NCP及びACFを介してFPC基板10を液晶表示パネル16に熱圧着すればよい。
【0071】
また、本実施形態においては、2種の接着剤層によって搭載される電子部品は、駆動用IC又はFPC基板の1つであったが、本発明において、複数の異方性導電層によって搭載される電子部品の数は特に限定されず、2以上であってもよい。図4は、実施形態1の電子回路装置における別の実装構造を示す斜視模式図である。本実施形態の電子回路装置100は、図4に示すように、例えば、被搭載部品(電子部品19X)に、電子部品19cが異方性導電層13cによって固着され、電子部品19dが電子部品19X側からこの順に積層された異方性導電層13c及び非導電層13dによって固着され、電子部品19eが電子部品19X側からこの順に積層された異方性導電層13c及び非導電層13eによって固着され、電子部品19fが電子部品19X側からこの順に積層された異方性導電層13c及び非導電層13fによって固着されるとともに、電子部品19c、電子部品19d、電子部品19e及び電子部品19fが異方性導電層13cによって電気的に接続された構造を有してもよい。
【0072】
なお、図4で示した電子回路装置100は、例えば、被搭載部品(電子部品19X)の電子部品19c、電子部品19d、電子部品19e及び電子部品19fが搭載される領域を覆うように異方性導電層13cの材料(例えば、異方性導電膜)を供給した後、非導電層13dの材料(例えば、非導電膜)と、非導電層13eの材料(例えば、非導電膜)と、非導電層13fの材料(例えば、非導電膜)とを順次供給する工程を行った後、電子部品19c、電子部品19d、電子部品19e及び電子部品19fを連続的に電子部品19Xに熱圧着する態様により作製することができる。
【0073】
以上、実施形態1では、本発明を液晶表示装置に利用した例を用いて本発明を説明した。しかしながら、本発明の電子回路装置は、液晶表示装置のみならず種々の表示装置、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、真空蛍光表示(VFD)装置、電子ペーパー等の各種表示装置に適用することができる。また、本発明の電子回路装置は、表示装置のみならず種々の電子機器、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、OA機器、パソコン等にも適用することができる。すなわち、本発明は、非導電層が積層された接着剤層、非導電層及び異方性導電層が積層された接着剤層又は異方性導電層が積層された接着剤層を用いて、FPC基板に2つのICが搭載された形態、PWBにIC及びFPC基板が搭載された形態等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施形態1の電子回路装置における実装構造を示す模式図であり、(a)は、斜視模式図であり、(b)は、図1(a)中のX−Y線における断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、製造工程における実施形態1の電子回路装置を示す斜視模式図である。
【図3】実施形態1の電子回路装置における別の実装構造を示す模式図であり、(a)は、斜視模式図であり、(b)は、図3(a)中のX−Y線における断面図である。
【図4】実施形態1の電子回路装置における別の実装構造を示す斜視模式図である。
【図5】従来の液晶表示パネルにおける実装構造を示す模式図であり、(a)は、斜視模式図であり、(b)は、図6(a)中のP−Q線における断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1a、1b:基板
2、22:張出部
3、4、23、24:回路配線
5:駆動用IC用出力パッド
6:駆動用IC用入力パッド
7:FPC基板接続パッド
8、28:駆動用IC
9、29:バンプ電極
10、30:FPC基板
11、31:リード電極
12、32:基材
13:接着剤層
13a、13c、33a、33b:異方性導電層
13b、13d、13e、13f:非導電層
14a、34a、34b:導電粒子(導電性を有する粒子)
15a:異方性導電膜(ACF)
15b:非導電膜(NCF)
16、36:液晶表示パネル
17、37:シール材
18、38:液晶
19c、19d、19e、19f、19X:電子部品
20:Au−Sn共晶物
39a、39b:ガラス基板
100:電子回路装置
A1、A2、A3:駆動用ICとFPC基板との距離(間隔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子部品及び第2電子部品がそれぞれ第3電子部品に電気的に接続された電子回路装置であって、
該第1電子部品は、第1接着剤層によって該第3電子部品に固着され、
該第2電子部品は、該第1接着剤層及び第2接着剤層によって該第3電子部品に固着され、
該第1接着剤層及び該第2接着剤層は、一方が異方性導電材料を含み、他方が異方性導電材料を含まないことを特徴とする電子回路装置。
【請求項2】
前記第1接着剤層は、異方性導電材料を含み、
前記第2接着剤層は、異方性導電材料を含まないことを特徴とする請求項1記載の電子回路装置。
【請求項3】
前記第1接着剤層は、異方性導電材料を含まず、
前記第2接着剤層は、異方性導電材料を含むことを特徴とする請求項1記載の電子回路装置。
【請求項4】
前記第1電子部品及び前記第2電子部品は、異なる種類の電子部品であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項5】
前記第3電子部品は、配線基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項6】
前記第1電子部品は、前記第2電子部品と異なる表面形態を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項7】
前記第1電子部品及び前記第2電子部品は、半導体素子及びフレキシブルプリント基板の組み合わせであり、
前記第3電子部品は、パネル構成基板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項8】
前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層は、それぞれ異なる種類の接着成分を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項9】
前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が異なることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項10】
前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1.5〜2.0×10Paである接着剤層と、貯蔵弾性率が1.2〜1.3×10Paである接着剤層との組み合わせであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項11】
前記第1電子部品は、半導体素子であり、
前記第2電子部品は、フレキシブルプリント基板であり、
前記第3電子部品は、パネル構成基板であり、
前記第1接着剤層は、貯蔵弾性率が1.5〜2.0×10Paであり、
前記第2接着剤層は、貯蔵弾性率が1.2〜1.3×10Paであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項12】
前記第1接着剤層及び前記第2接着剤層の少なくとも一方は、膜から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項13】
前記第1接着剤層は、その厚みが前記第2接着剤層よりも大きいことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電子回路装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の電子回路装置の製造方法であって、
該製造方法は、前記第3電子部品の前記第1電子部品及び前記第2電子部品が配置される領域を覆うように第1接着剤材料を供給する工程と、
前記第3電子部品の前記第2電子部品が配置される領域を覆うように、又は、前記第2電子部品の前記第3電子部品に固着される面を覆うように、第2接着剤材料を供給する工程と、
該第1接着剤材料を介して前記第1電子部品を前記第3電子部品に圧着する第1圧着工程と、
該第1接着剤材料及び該第2接着剤材料を介して前記第2電子部品を前記第3電子部品に圧着する第2圧着工程とを含むことを特徴とする電子回路装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1圧着工程は、前記第1接着剤材料を介して前記第1電子部品を前記第3電子部品に熱圧着する第1熱圧着工程であり、
前記第2圧着工程は、前記第1接着剤材料及び前記第2接着剤材料を介して前記第2電子部品を前記第3電子部品に熱圧着する第2熱圧着工程であることを特徴とする請求項14記載の電子回路装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1熱圧着工程及び前記第2熱圧着工程は、連続的に行われることを特徴とする請求項15記載の電子回路装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1熱圧着工程及び前記第2熱圧着工程のうちの後に処理される方の工程は、前記第1接着剤材料及び前記第2接着剤材料の少なくとも一方の、前記第1電子部品又は前記第2電子部品が熱圧着される領域が未硬化の状態である間に行われることを特徴とする請求項15又は16記載の電子回路装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1熱圧着工程及び前記第2熱圧着工程のうちの先に処理される方の工程は、前記第3電子部品の、前記第1熱圧着工程及び前記第2熱圧着工程のうちの後に処理される方の工程で前記第1電子部品又は前記第2電子部品が配置される領域を冷却しながら行われることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の電子回路装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1熱圧着工程及び前記第2熱圧着工程は、同時に行われることを特徴とする請求項15記載の電子回路装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1接着剤材料は、その厚みが前記第2接着剤材料よりも大きいことを特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載の電子回路装置の製造方法。
【請求項21】
請求項1〜13のいずれかに記載の電子回路装置を含んで構成されることを特徴とする表示装置。
【請求項22】
請求項14〜20のいずれかに記載の電子回路装置の製造方法により製造された電子回路装置を含んで構成されることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−198779(P2011−198779A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188636(P2008−188636)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】