説明

電子回路装置

【課題】半導体集積回路の容量素子と並列に接続された内部回路を高速に起動する。
【解決手段】前記の課題を解決するため、電子回路装置は、第一電圧が印加される第一電圧供給部に接続された第一容量素子と、該第一電圧供給部と該第一容量素子との間に配置された第一スイッチと、第二電圧が印加される第二電圧供給部に接続された第一負荷回路と、該第二電圧供給部と該第一負荷回路との間に配置された第二スイッチと、該第一容量素子と該第一負荷回路とを並列接続するように配置された第三スイッチと、該第一スイッチをオフ状態にするとともに該第三スイッチをオン状態にし、さらに該第二スイッチをオン状態にするスイッチ制御回路とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体回路内の内部回路に電力を供給する電子回路装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器に用いられている半導体集積回路の消費電力を減らす機能のひとつとして、電源遮断機能がある。電源遮断機能とは、待機状態にある内部回路の特定ブロックへの電源供給を止めるというものである。これにより、当該特定ブロックの待機状態での不要な電力消費を減らし、電子機器の連続動作時間を長くすることができる。
【0003】
内部回路の動作を安定させるため、通常、内部回路に並列に電源電圧安定化のための容量素子を接続する。内部回路と電源との接続を遮断した場合、当該容量素子と電源との接続も同時に遮断される。一方、内部回路と容量素子とは常に接続されているため、電源との接続が遮断されると、容量素子の電荷は内部回路によって放電する。このため、再度内部回路と電源とを接続した場合に、容量素子への充電が必要となり、電源電圧が急激に低下し、内部回路の動作が不安定になる。
内部回路の起動時に内部回路と電源とを接続するMOSスイッチのゲート電圧を徐々に大きくすることにより、内部回路起動時の急激な電源電圧の変動を防止する技術が知られている。
【非特許文献1】K.Fukuoka et al., ”A 1.92us-wake-up time thick-gate-oxide power switch technique forultra low-power single-chip mobile processors”, Symposium on VLSICircuits Digest of Technical Papers, pp.128-129, 2007
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、半導体集積回路の容量素子と並列に接続された内部回路へ間欠的に電源供給を行うときに、電源接続時の電源電圧低下を起こすことなく高速に復帰させることができる電子回路装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するため、電子回路装置は、第一電圧が印加される第一電圧供給部に接続された第一容量素子と、該第一電圧供給部と該第一容量素子との間に配置された第一スイッチと、第二電圧が印加される第二電圧供給部に接続された第一負荷回路と、該第二電圧供給部と該第一負荷回路との間に配置された第二スイッチと、該第一容量素子と該第一負荷回路とを並列接続するように配置された第三スイッチと、該第一スイッチをオフ状態にするとともに該第三スイッチをオン状態にし、さらに該第二スイッチをオン状態にするスイッチ制御回路とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、内部回路の寄生容量および第二容量素子を第一容量素子で充電した後に、内部回路と第二電圧とを接続する。第二容量素子は予め充電されているため、内部回路を第二電圧に接続する際の電源電圧の低下を防ぎつつ、高速に内部回路への電源供給を復帰させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、出願人による先行技術文献として特願2007−230712がある。
【0008】
図1は、本実施の形態における電子回路装置を実装した半導体装置図およびその動作波形図である。図1Aは半導体装置図であり、図1Bは動作波形図である。半導体装置は、パッケージ110と半導体回路112とを有する。パッケージ110は、半導体装置のパッケージ部分のリードフレーム等、パッケージに起因するインダクタンス成分を等価回路として表現したものである。半導体装置は電源供給のための電圧供給部120、電圧供給部121および電圧供給部122を有する。なお、電圧供給部は配線であってもよい。電圧供給部120には電圧供給部122を基準とした電圧10が供給されている。電圧供給部121には電圧供給部122を基準とした電圧20が供給されている。電圧10は電圧20と同じかそれ以上の電圧値を有する。
半導体回路112は内部回路101、106、140、制御部141、スイッチ制御回路102、スイッチ142、201、202、電流制限部144、および容量素子100、104、105を有する。内部回路101の電源端子およびグランド端子はそれぞれ電圧供給部121、122に接続されている。容量素子100は内部回路101に並列接続されている。
内部回路101は電源遮断処理の対象となる論理回路である。電源供給の対象は内部回路に限定されるものではなく、プリント回路基板上に実装された回路を含む負荷回路であってもよい。容量素子100はデカップリング容量に限られず、電圧供給部121と電圧供給部122との間の配線容量成分や、内部回路101全体が有する容量成分を含むものととらえてもよい。内部回路140は電圧供給部121と電圧供給部122との間に接続されている。内部回路106および容量素子105は電圧供給部120と電圧供給部122との間に接続されている。容量素子105は、電圧供給部120と電圧供給部122との間の配線容量成分や、内部回路106が有する容量成分と考えても良い。一般的な半導体回路112において、例えば内部回路101および内部回路140はコア部であり、内部回路106はI/O部である。高速動作する半導体装置の場合、I/O部はコア部よりも電源電圧値が高い場合が多い。
スイッチ制御回路102は電圧供給部121と電圧供給部122との間に接続されており、制御部141から送信された信号145に基づいて信号131、143を出力する。制御部141は内部回路101に電源を供給するタイミングを制御している。容量素子104は電圧供給部120と電圧供給部122との間に接続されている。スイッチ142は電圧供給部121と端子130との間に接続されている。スイッチ201は端子230と端子130との間に接続されている。スイッチ202は端子132と端子230との間に接続されている。
スイッチ142、201、および202はスイッチ制御回路102の出力信号131、143に応じてオン・オフ動作を行う。各スイッチは例えばMOSトランジスタを用いて実現することができる。スイッチ202と容量素子104の間には電流制限部144が実装されている。
電流制限部144は端子132から端子230に流れ込む電流量を制限するものであり、スイッチ202がオンした際に端子132の電圧値が急激に下がるのを防ぐことができる。電流制限部144は抵抗素子で実現してもよいし、スイッチ202をMOSトランジスタで実装した場合の、当該MOSトランジスタのオン抵抗として実現してもよい。
図1Bにおいて、波形150は信号145の電圧波形を、波形151は信号143の電圧波形を、波形152は端子131の電圧波形を、波形153は端子130の電圧波形をそれぞれ示している。以下、回路の動作について説明する。
【0009】
初期状態として、スイッチ202はオンしており、スイッチ142および201はオフしているとする。ことのとき容量素子104は電圧供給部120に供給される電圧10で充電された状態となっている。図1Bの時刻T1において、信号145の波形150が“1”になると、スイッチ制御回路102はスイッチ201をオンに、スイッチ202をオフにする信号131を波形152の通り出力する。スイッチ201をオンすると同時にスイッチ202をオフするのは、スイッチ142がオンした際に、電圧供給部120と電圧供給部121とがショートするのを防ぐためである。
【0010】
スイッチ201がオンすることにより、容量素子104に充電された電荷が容量素子100に移動する。これにより、端子130の電圧が波形153の通り徐々に高くなる。容量素子100の充電時間tは、容量素子100の容量値をC1、容量素子104の容量値をC2、スイッチ201のオン抵抗値をR1とすると、容量素子100、容量素子104およびスイッチ201の直列回路の時定数として、
t=R1×C1×C2÷(C1+C2)
により求めることができる。従って、C1、C2、またはR1が小さいほど内部回路101の起動にかかる時間を短縮することが出来る。
【0011】
スイッチ制御回路102は信号143として、波形151のとおり時刻T2で“1”を出力する。T2とT1との時刻の差分(T2−T1)は、上記充電時間tの3倍程度とするのが望ましい。これは、tの3倍程度の時間が経過すれば、C1の充電が十分に行われるためである。電圧20の電圧値と端子130での電圧値との差が小さいほどスイッチ142をオンした場合の電圧20の変動を小さく抑えることができる。具体的には、スイッチ制御回路102において、信号145の入力と同時に信号131を出力し、タイマによって3×t時間経過したことを確認した後に信号143を出力するよう設計すればよい。
【0012】
端子130の電圧値が十分に高くなった後、スイッチ制御回路102は信号143を出力する。スイッチ142は信号143を受けてオンするので、内部回路101に電圧20が供給される。これによりスイッチ142がオンした際の電圧20が安定するまでの時間、すなわち容量素子100を充電するための待ち時間が不要となり、内部回路を電圧20に接続する際の電源電圧の低下を防ぎつつ、高速に内部回路への電源供給を復帰させることができる。
【0013】
容量素子104は電圧20以上の電圧値を有する電圧10により充電される。したがって、容量素子104の容量値C2が大きすぎると、スイッチ201をオンした際の端子130での電圧値が電圧20の電圧値よりも高くなる。この場合も、スイッチ142を閉じた瞬間に電圧20にノイズが発生し、内部回路101の高速起動を妨げる原因となる。従って、容量値C2を最適化することが重要となる。
【0014】
スイッチ201をオンする前の電荷とオンした後の電荷は保存されるので、電圧10の電圧値をV1、電圧20の電圧値をV2とすると、
C2×V1=(C1+C2)×V2
が成り立つ。従って、スイッチ201をオンした後に端子130の電圧値をV2にするための容量素子104の容量値C2は、容量素子100の容量値C1とV2との積をV2とV1との差分で割った値である、
C2=C1×V2÷(V2−V1)
により求めることができる。また、電圧値V1がV2よりも大きいほどC2を小さくでき、C2の実装面積を小さくすることができる。
容量値C2が上記最適値でない場合であっても、スイッチ制御回路102に端子130の電圧値を監視する機能を有する電圧検出部を実装することにより、スイッチ142がオンするタイミングを最適化することができる。
【0015】
図2は、スイッチ制御回路102に実装された電圧検出部の回路図である。電圧検出部は、オペアンプ250、抵抗251、および抵抗252を有する。本実施の形態においてオペアンプの負帰還入力には電圧20を抵抗251、252で分圧した電圧が入力されるが、負帰還入力に電圧供給部121を直接接続してもよい。オペアンプの正帰還入力は端子130に接続する。端子130の電圧値がオペアンプの負帰還入力の電圧値以上になると、スイッチ142をオンする信号143がオペアンプから出力される。
【0016】
容量値C2が最適値よりも小さい場合、端子130の電圧値はV2まで高くならない。このような場合であっても、抵抗251、252の抵抗値の比率を調整することによりスイッチ142をオンすることができる。例えば抵抗251、252の抵抗値の比率を1:9に調整することにより、端子130の電圧値が0.9×V2になった時点で信号143を出力することができる。この場合であっても、電圧20の電圧値と端子130の電圧値との差は小さいので、内部回路を電圧20に接続する際の電源電圧の低下を防ぎつつ、高速に内部回路への電源供給を復帰させることができる。
【0017】
また、スイッチ142はスイッチ201と同時にオンしてもよい。このときスイッチ202がオフし、電源10により充電された容量素子104が内部回路101および容量素子100に接続される。これにより、電源20による容量素子100の充電を容量素子104で補うことができる。この結果、容量素子100の充電に要する時間が短縮され、電源供給部121の電圧低下を抑制することができる。
【0018】
図3は図1のスイッチ142、201、および202をMOSトランジスタで実現した半導体装置図である。図3において、図1の構成と同一部材は同一番号を付し、その説明は省略する。300、301はP型MOSトランジスタ、302はN型MOSトランジスタであり、303はNOT回路である。
図3において、N型MOSトランジスタ302は図1のスイッチ201に、P型MOSトランジスタ301はスイッチ202に対応する。また、P型MOSトランジスタ300はスイッチ142に対応する。トランジスタ302のソースは端子130側に接続され、ドレインは端子230側に接続されている。また、トランジスタ301のソースは端子230側に接続され、ドレインは端子132側に接続されている。トランジスタ301のゲートとトランジスタ302のゲートとは電気的に接続されており、さらにスイッチ制御回路102に接続されている。トランジスタ300のソースは電圧供給部121に接続され、ドレインは端子130に接続されている。ゲートはNOT回路303を介してスイッチ制御回路102に接続されている。
【0019】
トランジスタ300、301、302はそれぞれオン抵抗を有している。トランジスタのオン抵抗値は、当該トランジスタのチャネル幅やチャネル長により決定する。トランジスタ300のオン抵抗は内部回路101へ供給する電流量を決めている。トランジスタ302のオン抵抗は、容量素子100の充電時間を決めている。トランジスタ301のオン抵抗は、容量素子104への充電時間を決めており、図1の電流制御部144に該当する。
【0020】
トランジスタ301のオン抵抗値R2が小さすぎると、トランジスタ301をオンした時に容量素子104へ流れ込む電流値が大きくなり、端子132の電圧変化が大きくなる。またR2が大きすぎると、容量素子104へ流れ込む電流値が小さくなり、スイッチ制御回路がトランジスタ300をオフしてから次にオンするまでに容量素子104を充電できなくなる。従って、容量素子104の容量値C2と抵抗値R2との積が、トランジスタ300がオフしてから次にオンするまでの時間以下になるように設計すべきである。これにより、容量素子104の充電時間を確保できるので、スイッチ142がオンする前に端子130の電圧値を十分に高くし、内部回路101を高速に起動することが出来る。また、容量素子104に流れ込む電流値を制限することにより、端子132の電圧低下を最小限に抑えることができる。
[実施の形態2]
図4は複数の内部回路の電源制御を実現するための電子回路装置を実装した半導体装置図である。図4において、図3の構成と同一部材は同一番号を付し、その説明は省略する。
【0021】
図4の半導体装置は内部回路403の電源遮断制御を行うため、P型MOSトランジスタ404、N型MOSトランジスタ406を有する。トランジスタ404のゲートはスイッチ制御回路401に接続され、信号421により制御される。トランジスタ404とスイッチ制御回路401との間にはNOT回路405が接続されている。トランジスタ406のゲートはスイッチ制御回路401に接続され、信号422により制御される。内部回路403には容量素子402が並列接続されている。容量素子402はデカップリング容量に限られず、電圧供給部121と電圧供給部122との間の配線容量成分や、回路403が有する容量成分を含むものととらえてもよい。
トランジスタ301、302は、それぞれ別個にスイッチ制御回路401から出力される信号423、424により制御される。信号430、431は、内部回路101、403を制御するために制御部400からスイッチ制御回路401に入力される信号である。制御部400は内部回路101、403が起動するタイミングを制御するものであり、PMUを用いて実現しても良い。
【0022】
容量素子104は、内部回路101、403の電源制御動作において共通に使用される。そのため、トランジスタ300がオンしてからトランジスタ404がオンするまでの時間が短すぎると、容量素子104は十分な充電時間を確保できない。そのため、制御部400から出力される信号430と431との間には、後述の通り所定の遅延時間が必要となる。容量素子104を共通に使用することにより、容量素子を半導体回路に実装する際の面積増加を防ぐことができる。
【0023】
図5は、図4の半導体装置における電子回路装置の動作を説明するためのタイムチャート図である。波形500は信号430を、波形501は信号431を表している。波形502は信号423を、波形503は信号424を表している。波形504は信号420を、波形505は信号422を表している。波形506は信号421を、波形507は端子130での電圧値を、波形508は端子407での電圧値をそれぞれ表している。
【0024】
図5の時刻T3において、信号430を波形500の通り“1”とすると同時に、信号423、424を波形502、503の通り“1”とする。これによりトランジスタ301がオフとなり、トランジスタ302がオンとなる。容量素子104に充電された電荷が容量素子100に流れ込み、端子130の電圧が波形507の通り上昇する。前述の通り、容量素子100を充電する時間は容量素子100の容量値C1、容量素子104の容量値C2、およびトランジスタ302の抵抗値R1から求められる時定数であるC1×C2×R1÷(C1+C2)により決定する。時刻T3から時刻T4までの時間は3×C1×C2×R1÷(C1+C2)とする。
【0025】
図5の時刻T4において端子130の電圧値は十分高くなっているので、信号423、424を波形502、503の通り“0”に、信号420を波形504の通り“1”にする。トランジスタ302がオフし、トランジスタ300、301がオンするので、内部回路101に対し電圧20の供給が開始され、容量素子104に対し電圧10による充電が開始される。
【0026】
時刻T4から時刻T5までの時間は容量素子104の充電時間以上に設定する。容量素子104の充電時間は、前述の通りトランジスタ301のオン抵抗値R2および容量素子104の容量値C2の積であるC2×R2により決定する。時間C2×R2以上経過することにより、他の内部回路に並列接続された容量素子を充電する準備が整う。
【0027】
図5の時刻T5において、信号431を波形501の通り“1”とすると同時に、信号423、422を波形502、505の通り“1”とする。これによりトランジスタ301がオフとなり、トランジスタ406がオンとなる。容量素子104に充電された電荷が容量素子402に流れ込み、端子407の電圧が波形508の通り上昇する。容量素子402を容量素子104で充電する時間は、容量素子104の容量値C2、容量素子402の容量値C3、およびトランジスタ406の抵抗値R3とするとC2×C3×R3÷(C2+C3)により決定する。時刻T5から時刻T6までの時間は3×C2×C3×R3÷(C2+C3)とする。
【0028】
図5の時刻T6において端子407の電圧値は十分高くなっているので、信号423、422を波形502、505の通り“0”に、信号421を波形506の通り“1”にする。トランジスタ406がオフし、トランジスタ404、301がオンするので、内部回路403に対し電圧20の供給が開始され、容量素子104に対し電圧10による充電が開始される。
【0029】
よって、信号430が“1”となる時刻と、信号431が“1”となる時刻との差分をそれぞれの内部回路に並列接続された容量素子の充電時間T7と容量素子104の充電時間T8との和である(T7+T8)時間以上にすることにより、容量素子104を共有化することが出来る。また、信号430、431が上記の条件を満たさない場合は、スイッチ制御回路102において各信号の差分を検出し、上記条件を満たすように一方の信号を遅延させるようにしてもよい。
【0030】
容量素子100よび容量素子402の充電は、それぞれ容量素子104を用いて行われる。従って、容量素子100、402の容量値を同じにすることにより、電圧20と接続する際の端子130および407の電圧値が同じになるように各容量素子を充電することができる。
【0031】
また、スイッチ制御回路401において、端子130および端子407の電圧値を検出するための電圧検出部を設けることもできる。具体的には、図2の電圧検出部を内部回路の数に応じてスイッチ制御回路401に実装し、端子130、407の電圧値を検出する。検出した電圧値と電圧検出部に設定した閾値とを比較結果に応じてスイッチ300、404をオンする。これにより、容量素子100、402の容量値を最適化することなく、スイッチ300、404がオンするタイミングを最適化することができる。なお、各実施形態における構成の組み合わせも本発明の実施形態に含まれる。
【0032】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第一電圧が印加される第一電圧供給部に接続された第一容量素子と、
前記第一電圧供給部と前記第一容量素子との間に配置された第一スイッチと、
第二電圧が印加される第二電圧供給部に接続された第一負荷回路と、
前記第二電圧供給部と前記第一負荷回路との間に配置された第二スイッチと、
前記第一容量素子と前記第一負荷回路とを並列接続するように配置された第三スイッチと、
前記第一スイッチをオフ状態にするとともに前記第三スイッチをオン状態にし、さらに前記第二スイッチをオン状態にするスイッチ制御回路と、
を有することを特徴とする電子回路装置。
(付記2)
第一電源が印加される第一電圧供給部に接続された第一容量素子と、
前記第一電圧供給部と前記第一容量素子との間に配置された第一スイッチと、
第二電圧が印加される第二電圧供給部に接続された第一負荷回路と、
前記第二電圧供給部と前記第一負荷回路との間に配置された第二スイッチと、
前記第一容量素子と前記第一負荷回路との間に配置された第三スイッチと、
前記第一スイッチと、前記第二スイッチと、前記第三スイッチとを制御するスイッチ制御回路と、
前記第二スイッチおよび前記第三スイッチをオン状態にする前に前記第一スイッチをオフ状態にするスイッチ制御回路と、
前記第一電圧供給部に接続された第二負荷回路と、
を有することを特徴とする電子回路装置。
(付記3)
さらに前記第二電源供給部に接続された第三負荷回路を有することを特徴とする、付記2に記載の電子回路装置。
(付記4)
前記第一電圧の電圧値は前記第二電圧の電圧値よりも大きいことを特徴とする、付記1乃至3いずれか1項に記載の電子回路装置。
(付記5)
前記第一容量素子の第一容量値は、前記第一負荷回路の第二容量値と前記第二電圧の電圧値とを積算し、さらに前記第一電圧の電圧値と前記第二電圧の電圧値との差分で除算した値であることを特徴とする、付記1乃至4いずれか1項に記載の電子回路装置。
(付記6)
前記第二スイッチは、前記第三スイッチをオン状態にした後、前記第一容量値、前記第二容量値、および前記第三スイッチのオン抵抗値を積算した値を該第一容量値と該第二容量値との和で除した値以上の時間経過後にオンすることを特徴とする、付記5に記載の電子回路装置。
(付記7)
前記スイッチ制御回路はさらに、前記第一負荷回路に印加される電圧値が既定値以上となった場合に前記第二スイッチをオンする信号を出力することを特徴とする、付記1乃至6いずれか1項に記載の電子回路装置。
(付記8)
前記第一スイッチは、該第一スイッチを流れる電流値を制限する電流制限部を有することを特徴とする、付記1乃至7いずれか1項に記載の電子回路装置。
(付記9)
前記第一スイッチはトランジスタであり、前記電流制限部は前記トランジスタのオン抵抗であることを特徴とする、付記8に記載の電子回路装置。
(付記10)
前記オン抵抗の抵抗値と前記第一容量素子の容量値との積は、前記第二スイッチがオフになってから再度オンになるまでの時間よりも小さい事を特徴とする、付記9に記載の電子回路装置。
(付記11)
前記第二電圧供給部に接続された第四負荷回路と、
前記第二負荷回路と前記第二電圧供給部との間に挿入された第四スイッチと、
前記第一容量素子と前記第四負荷回路との間に並列接続するように配置された第五スイッチと、
をさらに有し、
前記スイッチ制御回路は、前記第二スイッチと前記第四スイッチとのいずれか一方をオンするときには他方をオフすることを特徴とする付記1乃至10いずれか1項に記載の電子回路装置。
(付記12)
前記スイッチ制御回路はさらに、前記第一負荷回路に印加される電圧値が既定値以上となった場合に前記第二スイッチをオンする信号を出力し、前記第二負荷回路の両端の電圧値が既定値以上となった場合に前記第四スイッチをオンする信号を出力することを特徴とする付記11に記載の電子回路装置。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】半導体装置図
【図2】電圧検出部の回路図
【図3】半導体装置図
【図4】半導体装置図
【図5】タイムチャート図
【符号の説明】
【0034】
100、104、105 容量素子
101、106、140 内部回路
102 スイッチ制御回路
141 制御部
142、201、202 スイッチ
144 電流制限部
110 パッケージ
112 半導体回路
250 オペアンプ
300、301、302 MOSトランジスタ
303 NOT回路
400 制御部
401 スイッチ制御回路
403 内部回路
404、406 MOSトランジスタ
405 NOT回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一電圧が印加される第一電圧供給部に接続された第一容量素子と、
前記第一電圧供給部と前記第一容量素子との間に配置された第一スイッチと、
第二電圧が印加される第二電圧供給部に接続された第一負荷回路と、
前記第二電圧供給部と前記第一負荷回路との間に配置された第二スイッチと、
前記第一容量素子と前記第一負荷回路とを並列接続するように配置された第三スイッチと、
前記第一スイッチをオフ状態にするとともに前記第三スイッチをオン状態にし、さらに前記第二スイッチをオン状態にするスイッチ制御回路と、
を有することを特徴とする電子回路装置。
【請求項2】
前記第一電圧の電圧値は前記第二電圧の電圧値よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の電子回路装置。
【請求項3】
前記第一容量素子の第一容量値は、前記第一負荷回路の第二容量値と前記第二電圧の電圧値とを積算し、さらに前記第一電圧の電圧値と前記第二電圧の電圧値との差分で除算した値であることを特徴とする、請求項2に記載の電子回路装置。
【請求項4】
前記第二スイッチは、前記第三スイッチをオン状態にした後、前記第一容量値、前記第二容量値、および前記第三スイッチのオン抵抗値を積算した値を該第一容量値と該第二容量値との和で除した値以上の時間経過後にオンすることを特徴とする、請求項3に記載の電子回路装置。
【請求項5】
前記スイッチ制御回路はさらに、前記第一負荷回路に印加される電圧値が既定値以上となった場合に前記第二スイッチをオンする信号を出力することを特徴とする、請求項1乃至4いずれか1項に記載の電子回路装置。
【請求項6】
前記第一スイッチは、該第一スイッチを流れる電流値を制限する電流制限部を有することを特徴とする、請求項1乃至5いずれか1項に記載の電子回路装置。
【請求項7】
前記第一スイッチはトランジスタであり、前記電流制限部は前記トランジスタのオン抵抗であることを特徴とする、請求項6に記載の電子回路装置。
【請求項8】
前記オン抵抗の抵抗値と前記第一容量素子の容量値との積は、前記第二スイッチがオフになってから再度オンになるまでの時間よりも小さい事を特徴とする、請求項7に記載の電子回路装置。
【請求項9】
前記第二電圧供給部に接続された第四負荷回路と、
前記第二負荷回路と前記第二電圧供給部との間に挿入された第四スイッチと、
前記第一容量素子と前記第四負荷回路との間に並列接続するように配置された第五スイッチと、
をさらに有し、
前記スイッチ制御回路は、前記第二スイッチと前記第四スイッチとのいずれか一方をオンするときには他方をオフすることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の電子回路装置。
【請求項10】
前記スイッチ制御回路はさらに、前記第一負荷回路に印加される電圧値が既定値以上となった場合に前記第二スイッチをオンする信号を出力し、前記第二負荷回路の両端の電圧値が既定値以上となった場合に前記第四スイッチをオンする信号を出力することを特徴とする請求項9に記載の電子回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−200695(P2009−200695A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38677(P2008−38677)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】