電気回路
【課題】本発明は、端子数を低減した電気回路を提供することを目的とする。
【解決手段】第一回路と、該第一回路に接続された第一端子と、該第一回路と同時使用されない第二回路と、該第二回路に接続された第二端子と、該第一回路および該第二回路に接続された第三端子と、該第一回路および該第二回路に印加される電源電圧と所定の基準電圧とを比較し、該電源電圧と該基準電圧の大小に応じて該第一回路または該第二回路のいずれか一方を停止させる切り替え手段とを備える。そして、該切り替え手段により該第一回路を停止させた場合には該第二回路が該第二端子と該第三端子により信号の入出力を行い、該切り替え手段により該第二回路を停止させた場合には該第一回路が該第一端子と該第三端子により信号の入出力を行うことを特徴とする。
【解決手段】第一回路と、該第一回路に接続された第一端子と、該第一回路と同時使用されない第二回路と、該第二回路に接続された第二端子と、該第一回路および該第二回路に接続された第三端子と、該第一回路および該第二回路に印加される電源電圧と所定の基準電圧とを比較し、該電源電圧と該基準電圧の大小に応じて該第一回路または該第二回路のいずれか一方を停止させる切り替え手段とを備える。そして、該切り替え手段により該第一回路を停止させた場合には該第二回路が該第二端子と該第三端子により信号の入出力を行い、該切り替え手段により該第二回路を停止させた場合には該第一回路が該第一端子と該第三端子により信号の入出力を行うことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能の異なる複数の回路を備えた電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばASICなどの電気回路は、外部と接続するための端子を有する。電気回路が備える端子の数は可能な限り低減することが要求されている。端子数削減は、電気回路の小型化や、モールドパッケージへのアセンブリ容易化のために要求されるものである。ここで、アセンブリ容易化とは電気回路を規定のパッケージに収容することをいう。なお、以下の特許文献1−5には端子数の削減などについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−26269号公報
【特許文献2】特開2003−152550号公報
【特許文献3】特開昭60−35823号公報
【特許文献4】特開平7−78876号公報
【特許文献5】特開平10−254825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11を参照して周知の電気回路について説明する。図11に示す電気回路100はバッファ回路102とオペアンプ104を備える。バッファ回路102は入力端子106と出力端子108を備える。オペアンプ104は入力端子110と出力端子112を備える。電気回路100は上述の4端子を備える。ここで、バッファ回路102はASICの特性調整時に使用するのみで、調整後には使用しない。つまり、電気回路100は4端子を常設する必要はない。このように、周知の電気回路では、各回路に必要な端子がそのまま電気回路の端子として配置されていた。そして、端子数が多くなり電気回路の小型化やアセンブリ容易化ができない問題があった。
【0005】
図11に記載される4端子の場合に限らず、電気回路を構成する各回路が必要とする端子をそのまま使用した場合にも同様の問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電気回路の端子数を抑制し、小型化、アセンブリ容易化ができる電気回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明にかかる電気回路は、第一回路と、該第一回路に接続された第一端子と、該第一回路と同時使用されない第二回路と、該第二回路に接続された第二端子と、該第一回路および該第二回路に接続された第三端子と、該第一回路および該第二回路に印加される電源電圧と所定の基準電圧とを比較し、該電源電圧と該基準電圧の大小に応じて該第一回路または該第二回路のいずれか一方を停止させる切り替え手段とを備える。そして、該切り替え手段により該第一回路を停止させた場合には該第二回路が該第二端子と該第三端子により信号の入出力を行い、該切り替え手段により該第二回路を停止させた場合には該第一回路が該第一端子と該第三端子により信号の入出力を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気回路の端子数を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1の電気回路のブロック図である。
【図2】第一回路と第二回路の切り替えの際の各端子の機能を説明する表である。
【図3】実施形態1の電気回路の回路図である。
【図4】各端子の波形などを説明する図である。
【図5】実施形態2の電気回路のブロック図である。
【図6】第一回路と第二回路の切り替えの際の各端子の機能を説明する表である。
【図7】実施形態2の電気回路の回路図である。
【図8】各端子の波形などを説明する図である。
【図9】第一回路を停止するスイッチの配置を変更した変形例を説明する回路図である。
【図10】第一回路の出力端子が複数である場合の変形例を説明する回路図である。
【図11】周知の電気回路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
本実施形態は図1乃至図4を参照して説明する。なお、同一又は対応する構成要素には同一の符号を付して複数回の説明を省略する場合がある。他の実施形態でも同様である。
【0011】
図1は本実施形態の電気回路10のブロック図である。電気回路10は第一回路12と第二回路14を備える。第一回路12はバッファ回路であり、第二回路14はオペアンプである。第一回路12と第二回路14は同時使用されない。第一回路12は第一端子16を備える。第二回路14は第二端子18を備える。さらに、第一回路12および第二回路14にはスイッチ22を介して第三端子20が接続される。第一端子16、第二端子18、第三端子20は図1においてそれぞれOUT、OPIN、IN/OPOUTと記載されている。
【0012】
スイッチ22の切り替えはコンパレータ30の出力により制御される。コンパレータ30は電源電圧(VCC)を抵抗24(R1)抵抗26(R2)で分圧したVR電位(VR)と基準電位28(VRef)を比較する。ここで、VR電位とは抵抗24と抵抗26の間の点の電位である。VR電位はR1/R2とVCCの積で求めることができる。なお、図1から自明なとおり基準電位28は電源電位に依存しない。そのため、スイッチ22の切り替えは電源電位の変動によりもたらされる。
【0013】
図2はスイッチ22による切り替えを説明する図である。VR電位が基準電位28より低いとき、すなわちVR<VRefであるときは、スイッチ22により第一回路12が停止され第二回路14を使用する。このとき、第二端子18と第三端子20が使用される。一方、VR電位が基準電位28より高いとき、すなわちVR>VRefであるときは、スイッチ22により第二回路14が停止され第一回路12を使用する。このとき、第一端子16と第三端子20が使用される。
【0014】
図3は電気回路10の回路図である。図3の電気回路10では定電流回路40をさらに備える。また、図1のスイッチ22は図3においてはスイッチ42、スイッチ44、スイッチ46に相当する。スイッチ42、44、46はいずれもコンパレータ30の出力によりオンオフが制御される。また、スイッチ42、44、46はいずれもNPNトランジスタを用いる。以後、図3の電気回路の回路動作について説明する。この説明は端子波形などを説明する図4を参照すると理解しやすい。
【0015】
VR<VRefである場合は、スイッチ42はオン状態(Hi)とされる。そしてスイッチ44、46はオフ状態(Low)とされる。スイッチ42がオン状態であるからスイッチ42のコレクタ電位がLo固定となり第一端子16への出力を遮断する。よってVR<VRefである場合は、スイッチ42により第一回路12が停止される。そして、第二端子18の入力が第三端子20から出力される。つまり、VR<VRefである場合は第二回路14が使用される。
【0016】
VR>VRefである場合は、スイッチ42はオフ状態とされる。そしてスイッチ44、46はオン状態とされる。よってスイッチ42がHiインピーダンス状態となり第一回路12が使用できる。スイッチ44がオン状態であるからスイッチ44のコレクタ電位がLo固定となる。よって第二回路14の後段の定電流回路が停止する。また、スイッチ46がオフ状態であるからスイッチ46のコレクタ電位がLo固定となる。よって定電流回路40が停止する。ゆえに、VR>VRefである場合は、スイッチ44、46により第二回路14が停止される。そして、第三端子20の入力が第一端子16から出力される。つまり、VR>VRefである場合は第一回路12が使用される。
【0017】
本実施形態の電気回路10は第三端子20を第一回路12の入力及び第二回路14の出力に用いるため端子数を低減できる。よって電気回路10の小型化、アセンブリ容易化ができる。
【0018】
本実施形態は、第一回路12利用時と第二回路14利用時の電源電圧VCCが異なることを第一回路12と第二回路14の切り替えに活用することが特徴である。これにより、同時使用することのない端子については共用化し電気回路の小型化、アセンブリ容易化を行うことができる。
【0019】
実施の形態2
本実施形態は第一回路の出力端子が2以上である場合にも端子数を低減できる電気回路に関する。本実施形態は図5乃至図8を参照して説明する。
【0020】
図5は本実施形態の電気回路60のブロック図である。本実施形態の電気回路60は第一回路54と第二回路14のいずれか一方を利用し、これらを同時使用することはない。本実施形態の第一回路54は、第一端子16に加えて第四端子56を備える点が実施形態1と相違する。図5において第一端子16はOUT1、第四端子56はOUT2と記載されている。さらに、第一端子16と第四端子56を切り替えるスイッチ52を備える。スイッチ52はコンパレータ50の出力により切り替えられる。コンパレータ50は、実施形態1で説明したコンパレータ30と同様に、抵抗により分圧された電源電圧VCCと基準電位28(VRef)を比較しスイッチ52を切り替える。なお、図5に示すように、抵抗により分圧された電圧は、VR1とVR2の2箇所から取り出される。
【0021】
図6はスイッチ52による切り替えを説明する図である。VR1電位が基準電位28より低いとき、すなわちVR1<VRefであるときは、スイッチ22が第一回路54を停止する。よって第二端子18および第三端子20を用いて第二回路14が使用される。次に、VR2<VRef<VR1の場合には第一回路54が使用される。具体的には、第一端子16と第三端子20が導通する。次に、VRef<VR2の場合には第一回路54が使用される。具体的には第四端子56と第三端子20が導通する。
【0022】
図7は電気回路60の回路図である。図5におけるスイッチ52は回路図7では、コンパレータ30およびコンパレータ50の出力を入力とするXNORゲート64を有する。また、2つのトランジスタからなるスイッチ62を有する。図8には本実施形態の電気回路60の端子波形などを示す。図8から、電源電圧VCCに応じて第三端子20(IN/OPOUT)の信号が変化することがわかる。図7の電気回路60では電源電圧VCCを3つの抵抗で分圧しVR1、VR2で表される電圧を生成している。そして、コンパレータ50、コンパレータ30はVR1、VR2をVRefと比較し出力することで回路の切り替えが行われる。
【0023】
本実施形態では、第一回路の出力端子数が増大したときにはコンパレータとスイッチを新たに設ける。これにより、第一回路用の入力端子数を増大させることなく第一回路の出力端子数を増加できる。よって電気回路60の端子数増大を抑制できる。なお、本実施形態で第一回路の出力端子数は2であるが、出力端子数が3以上であっても同様に対応できる。
【0024】
実施形態1、2で説明した本発明は様々な変形が可能である。
たとえば、ここまでの実施形態におけるスイッチはNPNトランジスタを備えることとしたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図7に記載されるスイッチ62、44、46を構成するトランジスタはMOSトランジスタとしても良い。NPNトランジスタに代えてMOSトランジスタを用いることにより電気回路60を小型化できる。よってチップサイズを縮小できる。
【0025】
たとえば、図3の構成のインバータ回路41を省略することとしても良い。具体的には、図9に示すようにスイッチ42を第三端子20と接続するように配置しても良い。図9の構成では、スイッチ42を第一回路12の前段に配置している。スイッチ42が第一回路のトランジスタQ1と接続され、第一回路の停止を可能としている。これにより図3におけるインバータ回路41を省略できるため、電気回路10を更に小型化できる。
【0026】
図9のように第一回路12を停止させるスイッチ42を第三端子20と接続する構成は、第一回路12の出力端子が複数の場合にも応用できる。そのような例は図10に示されている。図10では本実施形態と同様に、コンパレータ50が追加されて出力端子56(第四端子56)の増加に対応できる。また、スイッチ62は2つのトランジスタで構成されることになる。
【符号の説明】
【0027】
10 電気回路、 12 第一回路、 14 第二回路、 16 第一端子、 18 第二端子、 20 第三端子、 22 スイッチ、 30 コンパレータ、 42 スイッチ、 44 スイッチ、 46 スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能の異なる複数の回路を備えた電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばASICなどの電気回路は、外部と接続するための端子を有する。電気回路が備える端子の数は可能な限り低減することが要求されている。端子数削減は、電気回路の小型化や、モールドパッケージへのアセンブリ容易化のために要求されるものである。ここで、アセンブリ容易化とは電気回路を規定のパッケージに収容することをいう。なお、以下の特許文献1−5には端子数の削減などについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−26269号公報
【特許文献2】特開2003−152550号公報
【特許文献3】特開昭60−35823号公報
【特許文献4】特開平7−78876号公報
【特許文献5】特開平10−254825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11を参照して周知の電気回路について説明する。図11に示す電気回路100はバッファ回路102とオペアンプ104を備える。バッファ回路102は入力端子106と出力端子108を備える。オペアンプ104は入力端子110と出力端子112を備える。電気回路100は上述の4端子を備える。ここで、バッファ回路102はASICの特性調整時に使用するのみで、調整後には使用しない。つまり、電気回路100は4端子を常設する必要はない。このように、周知の電気回路では、各回路に必要な端子がそのまま電気回路の端子として配置されていた。そして、端子数が多くなり電気回路の小型化やアセンブリ容易化ができない問題があった。
【0005】
図11に記載される4端子の場合に限らず、電気回路を構成する各回路が必要とする端子をそのまま使用した場合にも同様の問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電気回路の端子数を抑制し、小型化、アセンブリ容易化ができる電気回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明にかかる電気回路は、第一回路と、該第一回路に接続された第一端子と、該第一回路と同時使用されない第二回路と、該第二回路に接続された第二端子と、該第一回路および該第二回路に接続された第三端子と、該第一回路および該第二回路に印加される電源電圧と所定の基準電圧とを比較し、該電源電圧と該基準電圧の大小に応じて該第一回路または該第二回路のいずれか一方を停止させる切り替え手段とを備える。そして、該切り替え手段により該第一回路を停止させた場合には該第二回路が該第二端子と該第三端子により信号の入出力を行い、該切り替え手段により該第二回路を停止させた場合には該第一回路が該第一端子と該第三端子により信号の入出力を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気回路の端子数を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1の電気回路のブロック図である。
【図2】第一回路と第二回路の切り替えの際の各端子の機能を説明する表である。
【図3】実施形態1の電気回路の回路図である。
【図4】各端子の波形などを説明する図である。
【図5】実施形態2の電気回路のブロック図である。
【図6】第一回路と第二回路の切り替えの際の各端子の機能を説明する表である。
【図7】実施形態2の電気回路の回路図である。
【図8】各端子の波形などを説明する図である。
【図9】第一回路を停止するスイッチの配置を変更した変形例を説明する回路図である。
【図10】第一回路の出力端子が複数である場合の変形例を説明する回路図である。
【図11】周知の電気回路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
本実施形態は図1乃至図4を参照して説明する。なお、同一又は対応する構成要素には同一の符号を付して複数回の説明を省略する場合がある。他の実施形態でも同様である。
【0011】
図1は本実施形態の電気回路10のブロック図である。電気回路10は第一回路12と第二回路14を備える。第一回路12はバッファ回路であり、第二回路14はオペアンプである。第一回路12と第二回路14は同時使用されない。第一回路12は第一端子16を備える。第二回路14は第二端子18を備える。さらに、第一回路12および第二回路14にはスイッチ22を介して第三端子20が接続される。第一端子16、第二端子18、第三端子20は図1においてそれぞれOUT、OPIN、IN/OPOUTと記載されている。
【0012】
スイッチ22の切り替えはコンパレータ30の出力により制御される。コンパレータ30は電源電圧(VCC)を抵抗24(R1)抵抗26(R2)で分圧したVR電位(VR)と基準電位28(VRef)を比較する。ここで、VR電位とは抵抗24と抵抗26の間の点の電位である。VR電位はR1/R2とVCCの積で求めることができる。なお、図1から自明なとおり基準電位28は電源電位に依存しない。そのため、スイッチ22の切り替えは電源電位の変動によりもたらされる。
【0013】
図2はスイッチ22による切り替えを説明する図である。VR電位が基準電位28より低いとき、すなわちVR<VRefであるときは、スイッチ22により第一回路12が停止され第二回路14を使用する。このとき、第二端子18と第三端子20が使用される。一方、VR電位が基準電位28より高いとき、すなわちVR>VRefであるときは、スイッチ22により第二回路14が停止され第一回路12を使用する。このとき、第一端子16と第三端子20が使用される。
【0014】
図3は電気回路10の回路図である。図3の電気回路10では定電流回路40をさらに備える。また、図1のスイッチ22は図3においてはスイッチ42、スイッチ44、スイッチ46に相当する。スイッチ42、44、46はいずれもコンパレータ30の出力によりオンオフが制御される。また、スイッチ42、44、46はいずれもNPNトランジスタを用いる。以後、図3の電気回路の回路動作について説明する。この説明は端子波形などを説明する図4を参照すると理解しやすい。
【0015】
VR<VRefである場合は、スイッチ42はオン状態(Hi)とされる。そしてスイッチ44、46はオフ状態(Low)とされる。スイッチ42がオン状態であるからスイッチ42のコレクタ電位がLo固定となり第一端子16への出力を遮断する。よってVR<VRefである場合は、スイッチ42により第一回路12が停止される。そして、第二端子18の入力が第三端子20から出力される。つまり、VR<VRefである場合は第二回路14が使用される。
【0016】
VR>VRefである場合は、スイッチ42はオフ状態とされる。そしてスイッチ44、46はオン状態とされる。よってスイッチ42がHiインピーダンス状態となり第一回路12が使用できる。スイッチ44がオン状態であるからスイッチ44のコレクタ電位がLo固定となる。よって第二回路14の後段の定電流回路が停止する。また、スイッチ46がオフ状態であるからスイッチ46のコレクタ電位がLo固定となる。よって定電流回路40が停止する。ゆえに、VR>VRefである場合は、スイッチ44、46により第二回路14が停止される。そして、第三端子20の入力が第一端子16から出力される。つまり、VR>VRefである場合は第一回路12が使用される。
【0017】
本実施形態の電気回路10は第三端子20を第一回路12の入力及び第二回路14の出力に用いるため端子数を低減できる。よって電気回路10の小型化、アセンブリ容易化ができる。
【0018】
本実施形態は、第一回路12利用時と第二回路14利用時の電源電圧VCCが異なることを第一回路12と第二回路14の切り替えに活用することが特徴である。これにより、同時使用することのない端子については共用化し電気回路の小型化、アセンブリ容易化を行うことができる。
【0019】
実施の形態2
本実施形態は第一回路の出力端子が2以上である場合にも端子数を低減できる電気回路に関する。本実施形態は図5乃至図8を参照して説明する。
【0020】
図5は本実施形態の電気回路60のブロック図である。本実施形態の電気回路60は第一回路54と第二回路14のいずれか一方を利用し、これらを同時使用することはない。本実施形態の第一回路54は、第一端子16に加えて第四端子56を備える点が実施形態1と相違する。図5において第一端子16はOUT1、第四端子56はOUT2と記載されている。さらに、第一端子16と第四端子56を切り替えるスイッチ52を備える。スイッチ52はコンパレータ50の出力により切り替えられる。コンパレータ50は、実施形態1で説明したコンパレータ30と同様に、抵抗により分圧された電源電圧VCCと基準電位28(VRef)を比較しスイッチ52を切り替える。なお、図5に示すように、抵抗により分圧された電圧は、VR1とVR2の2箇所から取り出される。
【0021】
図6はスイッチ52による切り替えを説明する図である。VR1電位が基準電位28より低いとき、すなわちVR1<VRefであるときは、スイッチ22が第一回路54を停止する。よって第二端子18および第三端子20を用いて第二回路14が使用される。次に、VR2<VRef<VR1の場合には第一回路54が使用される。具体的には、第一端子16と第三端子20が導通する。次に、VRef<VR2の場合には第一回路54が使用される。具体的には第四端子56と第三端子20が導通する。
【0022】
図7は電気回路60の回路図である。図5におけるスイッチ52は回路図7では、コンパレータ30およびコンパレータ50の出力を入力とするXNORゲート64を有する。また、2つのトランジスタからなるスイッチ62を有する。図8には本実施形態の電気回路60の端子波形などを示す。図8から、電源電圧VCCに応じて第三端子20(IN/OPOUT)の信号が変化することがわかる。図7の電気回路60では電源電圧VCCを3つの抵抗で分圧しVR1、VR2で表される電圧を生成している。そして、コンパレータ50、コンパレータ30はVR1、VR2をVRefと比較し出力することで回路の切り替えが行われる。
【0023】
本実施形態では、第一回路の出力端子数が増大したときにはコンパレータとスイッチを新たに設ける。これにより、第一回路用の入力端子数を増大させることなく第一回路の出力端子数を増加できる。よって電気回路60の端子数増大を抑制できる。なお、本実施形態で第一回路の出力端子数は2であるが、出力端子数が3以上であっても同様に対応できる。
【0024】
実施形態1、2で説明した本発明は様々な変形が可能である。
たとえば、ここまでの実施形態におけるスイッチはNPNトランジスタを備えることとしたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図7に記載されるスイッチ62、44、46を構成するトランジスタはMOSトランジスタとしても良い。NPNトランジスタに代えてMOSトランジスタを用いることにより電気回路60を小型化できる。よってチップサイズを縮小できる。
【0025】
たとえば、図3の構成のインバータ回路41を省略することとしても良い。具体的には、図9に示すようにスイッチ42を第三端子20と接続するように配置しても良い。図9の構成では、スイッチ42を第一回路12の前段に配置している。スイッチ42が第一回路のトランジスタQ1と接続され、第一回路の停止を可能としている。これにより図3におけるインバータ回路41を省略できるため、電気回路10を更に小型化できる。
【0026】
図9のように第一回路12を停止させるスイッチ42を第三端子20と接続する構成は、第一回路12の出力端子が複数の場合にも応用できる。そのような例は図10に示されている。図10では本実施形態と同様に、コンパレータ50が追加されて出力端子56(第四端子56)の増加に対応できる。また、スイッチ62は2つのトランジスタで構成されることになる。
【符号の説明】
【0027】
10 電気回路、 12 第一回路、 14 第二回路、 16 第一端子、 18 第二端子、 20 第三端子、 22 スイッチ、 30 コンパレータ、 42 スイッチ、 44 スイッチ、 46 スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一回路と、
前記第一回路に接続された第一端子と、
前記第一回路と同時使用されない第二回路と、
前記第二回路に接続された第二端子と、
前記第一回路および前記第二回路に接続された第三端子と、
電源電圧と所定の基準電圧とを比較し、前記電源電圧と前記基準電圧の大小に応じて前記第一回路または前記第二回路のいずれか一方を停止させる切り替え手段とを備え、
前記切り替え手段により前記第一回路を停止させた場合には前記第二回路が前記第二端子と前記第三端子により信号の入出力を行い、
前記切り替え手段により前記第二回路を停止させた場合には前記第一回路が前記第一端子と前記第三端子により信号の入出力を行うことを特徴とする電気回路。
【請求項2】
前記第二回路に接続された複数の端子と、
前記第二端子と前記複数の端子に個別に接続されたトランジスタとを備え、
前記第二端子と前記複数の端子は前記第二回路の出力端子であり、
前記切り替え手段はさらに、前記電源電圧と前記基準電圧の大小に応じて、前記第二端子と前記複数の端子の中の一つの端子から出力を行うように前記トランジスタのオンオフを制御する出力端子選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電気回路。
【請求項3】
前記切り替え手段は、MOSトランジスタを用いて第一回路または第二回路のいずれか一方を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電気回路。
【請求項4】
前記トランジスタはMOSトランジスタであることを特徴とする請求項2に記載の電気回路。
【請求項1】
第一回路と、
前記第一回路に接続された第一端子と、
前記第一回路と同時使用されない第二回路と、
前記第二回路に接続された第二端子と、
前記第一回路および前記第二回路に接続された第三端子と、
電源電圧と所定の基準電圧とを比較し、前記電源電圧と前記基準電圧の大小に応じて前記第一回路または前記第二回路のいずれか一方を停止させる切り替え手段とを備え、
前記切り替え手段により前記第一回路を停止させた場合には前記第二回路が前記第二端子と前記第三端子により信号の入出力を行い、
前記切り替え手段により前記第二回路を停止させた場合には前記第一回路が前記第一端子と前記第三端子により信号の入出力を行うことを特徴とする電気回路。
【請求項2】
前記第二回路に接続された複数の端子と、
前記第二端子と前記複数の端子に個別に接続されたトランジスタとを備え、
前記第二端子と前記複数の端子は前記第二回路の出力端子であり、
前記切り替え手段はさらに、前記電源電圧と前記基準電圧の大小に応じて、前記第二端子と前記複数の端子の中の一つの端子から出力を行うように前記トランジスタのオンオフを制御する出力端子選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電気回路。
【請求項3】
前記切り替え手段は、MOSトランジスタを用いて第一回路または第二回路のいずれか一方を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電気回路。
【請求項4】
前記トランジスタはMOSトランジスタであることを特徴とする請求項2に記載の電気回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−135329(P2011−135329A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292969(P2009−292969)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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