説明

電気装置、接続方法及び接着フィルム

【課題】導通信頼性の高い電気装置を得る。
【解決手段】配線基板20と、少なくとも片面に接続端子27が配置された電気部品25とが硬化接着剤層12aにより固定されている電気装置1において、硬化接着剤層12aが、第一の硬化領域15aと、第一の硬化領域15aよりもガラス転移温度が低い第二の硬化領域18aを有する。第一の硬化領域1aと第二の硬化領域18aは配線基板20上の異なる位置に配置する。特に、細長い電機部品25を接続する場合には、その両端部を第一の硬化領域12aで接続し、その両端部の間を第二の硬化領域で接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気部品と半導体素子の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体素子のような電気部品を配線基板に接続するのには、バインダー樹脂に導電性粒子が分散された異方導電性接着剤が用いられている。
【0003】
電気部品と配線基板を接続する工程の一例について説明すると、配線基板と電気部品とで異方導電性接着剤を挟み込み、押圧する。これにより、電気部品の接続端子の先端部分と、配線基板のランド部分とで導電性粒子が挟み込まれると共にバインダー樹脂(接着剤)が押しのけられ、電気部品が配線基板に電気的に接続される。
【0004】
接着剤が熱硬化性を有する場合には、上述の押圧時に加熱押圧し、接着剤を熱硬化させて電気部品を配線基板に固定する。このように、異方導電性接着剤を用いれば、電気部品を配線基板に電気的にも機械的にも接続することができる。
【0005】
近年、半導体素子のコストダウンや、ファインピッチ化、電気部品本体の狭額縁化等に伴い、半導体素子の細長化が進んでいるが、半導体素子が細長い場合には、接着剤を熱硬化させるときに発生する応力で半導体素子に反りが生じ、半導体素子の長手方向の両端部が配線基板から離れ、その両端部に位置する接続端子が導通不良になることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、導通信頼性の高い接続を備えた電気装置を提供すること、またそのための接続方法及びその接続方法に使用する接着フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は配線基板と、少なくとも片面に接続端子が配置された電気部品とが硬化接着剤により固定されている電気装置であって、
硬化接着剤は、第一の硬化領域と、第一の硬化領域よりもガラス転移温度が低い第二の硬化領域を有し、第一の硬化領域と第二の硬化領域が配線基板上の異なる位置に配置されている電気装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、上述の電気装置の製造に使用する接着フィルムとして、第一の未硬化接着剤層と、第一の未硬化接着剤層よりも硬化後のガラス転移温度が低い第二の未硬化接着剤層が、帯状の剥離フィルム上の異なる位置に設けられている接着フィルムを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、上述の電気装置の製造に使用する接続方法として、配線基板と、少なくとも片面に接続端子が配置された電気部品とを、硬化接着剤層で固定する接続方法であって、配線基板と電気部品の間の異なる位置に、第一の未硬化接着剤層と、第一の未硬化接着剤層よりも硬化後のガラス転移温度が低い第二の未硬化接着剤層を配置し、第一及び第二の未硬化接着剤層を硬化させ、配線基板と電気部品とを固定する接続方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電気装置では、電気部品と配線基板とを固定する硬化接着剤の領域に、ガラス転移温度が互いに異なる第一、第二の領域が形成されている。ここで、接着剤の硬化物は、ガラス転移温度が高い程接着強度が高く、ガラス転移温度が低い程柔軟性が高い。したがって、本発明によれば、ガラス転移温度が相対的に低い第二の硬化領域で、未硬化接着剤層が硬化する時の応力を緩和することができる。特に、電気部品が細長い場合には、第一の硬化領域を電気部品の長手方向両端部に配置し、第一の硬化領域よりもガラス転移温度が低い第二の硬化領域を電気部品の長手方向の中央部分に配置することにより、硬化時の応力を第二の硬化領域で緩和させると共に、電気部品の両端部を第一の硬化領域で強固に固定することができる。よって、本発明の電気装置によれば電気部品の両端部が剥離せず、その両端部での電気的接続が良好に維持されるものとなる。
【0011】
さらに、本発明の電気装置において、電機部品が、第一の接続端子と、第一の接続端子よりも先端部分の面積が広い第二の接続端子を有する場合に、第一の接続端子を導電性粒子の含有率の高い硬化接着剤層で接続し、第二の接続端子を導電性粒子の含有率の低い硬化接着剤層で接続すると、第一、第二の接続端子のいずれの導通信頼性も高くすることができ、かつ第二の接続端子の接続コストを低減させることができる。
【0012】
また、本発明の接続方法によれば、本発明の電気装置の製造が可能となり、本発明の接着フィルムによれば、剥離フィルム上に、硬化後のガラス転移温度が異なる第一及び第二の未硬化接着剤層を有するので、本発明の接続方法が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0014】
図1は本発明の接着フィルム10の一例を示している。この接着フィルム10は帯状の剥離フィルム11と、剥離フィルム11上に配置された未硬化接着剤層12とを有している。
【0015】
ここで、未硬化接着剤層12は第一、第二の未硬化接着剤層15、18からなり、第一、第二の未硬化接着剤層15、18は、硬化物のガラス転移温度が互いに異なる熱硬化性バインダー樹脂(第一、第二のバインダー樹脂)16、17に導電性粒子19を分散させた異方導電性接着剤層となっている。第一のバインダー樹脂16の硬化物は、第二のバインダー樹脂17の硬化物に対し、ガラス転移温度を好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃高くする。
【0016】
このように硬化物のガラス転移温度が異なる熱硬化性バインダー樹脂は、例えば官能基の数が互いに異なるエポキシ樹脂で構成することができ、より具体的には、第一のバインダー樹脂16は第二のバインダー樹脂17よりも官能基の数が多いエポキシ樹脂で構成する。エポキシ樹脂は官能基の数が多い程、重合したときのガラス転移温度が高くなるので、第一の未硬化接着剤層15が硬化した第一の硬化領域15aのガラス転移温度は、第二の未硬化接着剤層18が硬化した第二の硬化領域18aのガラス転移温度よりも高くなる(図4(d))。
【0017】
第一、第二のバインダー樹脂16、17に用いる熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂に限定されず、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂など種々の熱硬化性樹脂を用いることができ、これらの樹脂を単独、又は2種類以上を混合して第一、第二のバインダー樹脂16、17を構成することもできる。
【0018】
また、第一、第二のバインダー樹脂16、17に用いる樹脂は熱硬化性樹脂を主成分とするものに限定されず、熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂等他の樹脂を添加したものでもよく、また、紫外線や可視光などの光照射によって硬化する光硬化性樹脂を主成分とするものを用いることもできる。
【0019】
また、ガラス転移温度が互いに異なる第一、第二の硬化領域を形成するために、硬化後のガラス転移温度が異なる第一、第二のバインダー樹脂16、17を使用することに代えて、導電性粒子の含有量及び種類、並びに老化防止剤、着色剤、軟化剤等の添加剤の添加量及び種類を変えることによって、第一、第二の未硬化接着剤層15、18の硬化後のガラス転移温度を互いに異なるように設定することもできる。
【0020】
一方、導電性粒子19としては、金属粒子や、樹脂粒子の表面に金属被膜層が形成されたもの等を単独又は2種類以上で含有させることができる。第一、第二の未硬化接着剤層15、18に含有させる導電性粒子の種類は互いに同じでも異なっていてもよく、また、第一、第二の未硬化接着剤層15、18に含有させる導電性粒子の含有率も互いに同じでも異なっていてもよい。
【0021】
また、剥離フィルム11上に形成する第一、第二の未硬化接着剤層15、18の膜厚はそれぞれ特に限定されるものではないが、接着フィルム10で配線基板20に接続しようとする電気部品25を確実に配線基板20に固定するためには、10μm以上40μm以下であることが好ましい。
【0022】
第一、第二の未硬化接着剤層15、18はそれぞれ剥離フィルム11の長手方向に沿って細い帯状に形成されている。第二の未硬化接着剤層18の幅L2は剥離フィルム11の幅よりも狭く、第二の未硬化接着剤層18は剥離フィルム11の幅方向の両端部の間、好ましくは中央位置に配置されており、第一の未硬化接着剤層15は、剥離フィルム11上の両端部に配置されている。第一、第二の未硬化接着剤層15、18は互いに重ならず、間隙もあけることなく配置されている(図3)。
【0023】
この接着フィルム10はロール状に巻き取られており、図2に示すように、接着フィルム10のロール2は巻き出し軸7に装着され、一端がロール2から巻き出され、未硬化接着剤層12の形成面が圧着台4に向けられた状態で、押圧ローラ3と圧着台4との間を通って巻き取り軸8に巻き取られる。
【0024】
一方、図4(a)の符号20は配線基板を示している。配線基板20は、基板本体21の表面に配線が引き回され、その配線の一部がランド部分22に形成されている。また、図3において破線で囲った領域28は配線基板20のランド部分22を含む領域であって、後述する電気部品の各接続端子を対応するランド部分22に接続した時に、電気部品の接続面が接する固定領域を示している。このため、固定領域28の形状は電機部品の接続面と同じ大きさで同じ形状になる。したがって、電気部品25の接続面が細長い長方形の場合、固定領域28も細長い長方形となる。
【0025】
また、図4(c)の符号25は、配線基板20に接続する電気部品を示している。この電気部品25は半導体素子であって、細長い部品本体26と、部品本体26の細長い面に配置された複数の接続端子27とを有している。
【0026】
なお、本発明において、電気部品は半導体素子に限定されず、種々のものを用いることができる。また、一つの電気部品に、複数の接続端子が配設された接続領域の数は1個でも複数個でもよく、したがって、一つの電気装置における、電気部品と配線基板との接続領域の個数についても、1個でも複数個でもよい。
【0027】
接着フィルム10を用いて配線基板20のランド部分22と電気部品25の接続端子27とを接続する方法としては、図2に示すように、押圧ローラ3を圧着台4から離した状態で、配線基板20を、ランド部分22側の面を押圧ローラ3側に向けて圧着台4上に配置する。この場合、固定領域28の長手方向pを配線基板20上の接着フィルム10の走行方向と略直交させ、未硬化接着剤層12の幅方向の中心が、固定領域28の長手方向pの中心を通るようにすることが好ましい。
【0028】
次に、接着フィルム10を走行させ、未硬化接着剤層12を固定領域28上に配置し、押圧ローラ3で接着フィルム10を配線基板20に押し当てる。配線基板20の固定領域28の長手方向pの長さLpに対し、接着フィルム10の未硬化接着剤層12の幅L0は広いから、未硬化接着剤層12が固定領域28と、その長手方向pの両端部から所定量外側の領域に密着する。
【0029】
更に、押圧ローラ3を固定領域28の幅Lqよりも広い領域を押圧するように移動させる。これにより、未硬化接着剤層12が固定領域28の幅方向qの両端部から所定量外側の領域にも密着し、結局、未硬化接着剤層12が固定領域28と、固定領域28の周囲から所定量だけ広い領域に接着する。
【0030】
図3は、配線基板20上に未硬化接着剤層12が接着された状態を示す斜視図であり、図4(b)は図3のA−A線断面図を示している。上述したように、第二の未硬化接着剤層18は剥離フィルム11の幅方向の両端部の間に位置し、第二の未硬化接着剤層18の幅L2は固定領域28の長さLpより短いので、第二の未硬化接着剤層18は固定領域28の長手方向pの両端部よりも内側の領域に接着される。
【0031】
また、第一の未硬化接着剤層15は未硬化接着剤層12の幅方向の両端部に位置しており、未硬化接着剤層12の幅L0は固定領域28の長さLpよりも大きいので、第一の未硬化接着剤層15は固定領域28の両端部と、その両端部から所定距離だけ外側の領域に接着される。
【0032】
このように未硬化接着剤層12を配線基板20の固定領域28上に接着した後は、第一、第二の未硬化接着剤層15、18の配線基板20に密着した部分を切断手段9によって他の部分から分離し、押圧ローラ3を圧着台4から遠ざけて剥離フィルム11にかかる荷重を無くす。第一、第二の未硬化接着剤層15、18と剥離フィルム11との間の接着力は、第一、第二の未硬化接着剤層15、18と配線基板20との間の接着力よりも小さくされているから、第一、第二の未硬化接着剤層15、18の配線基板20に接着した部分は剥離フィルム11から剥離し、配線基板20に転着される。
【0033】
そこで、図4(c)の電気部品25の接続端子27が配置された面を、第一、第二の未硬化接着剤層15、18に向け、各接続端子27が対応するランド部分22に対向するように、電気部品25を固定領域28上に配置する。
【0034】
固定領域28の長手方向の長さLpは電気部品25の長手方向の長さとなるから、上述の配置により、電気部品25は、その長手方向の中央部分が、第二の未硬化接着剤層18の幅方向の中央部分に位置し、電気部品25の長手方向の両端部が第一の未硬化接着剤層15にそれぞれ接触し、その両端部の間が第二の未硬化接着剤層18に接触する。
【0035】
次に、この状態で電気部品25を加熱押圧する。第一、第二の未硬化接着剤層15、18が昇温すると、第一、第二のバインダー樹脂16、17が軟化して第一、第二の未硬化接着剤層15、18が流動性を呈する。更に加熱押圧を続けると、第一、第二の未硬化接着剤層15、18が接続端子27で押し退けられ、接続端子27とランド部分22とが導電性粒子19を挟み込んで電気的に接続される。
【0036】
このとき、第一、第二の未硬化接着剤層15、18は、接続端子27と、ランド部分22とが接続される接続部分の周囲に流れ出し、第一の未硬化接着剤層15は電気部品25の長手方向両端部で部品本体26と基板本体21の間隙を埋め、第二の未硬化接着剤層18はその両端部の間の位置で部品本体26と基板本体21の間隙を埋める。
【0037】
第一、第二のバインダー樹脂16、17は熱硬化性を有しており、加熱押圧を続けると、第一、第二のバインダー樹脂16、17の重合反応が進行する。そのため、第一、第二の未硬化接着剤層15、18が電気部品25の長手方向両端部とその間の位置で、基板本体21と部品本体26の間隙をうめた状態で硬化し、基板本体21と部品本体26を固定する。こうして、電気装置1が得られる(図4(d))。
【0038】
図4(d)の符号12aは、未硬化接着剤層12が硬化した硬化接着剤を示している。第一の未硬化接着剤層15は電気部品25の長手方向両端部で、第二の未硬化接着剤層18はそれらの間の位置で、配線基板20と電気部品25に密着した状態で硬化するので、第一の未硬化接着剤層15が硬化した第一の硬化領域15aは、電気部品25の長手方向両端部で電気部品25と配線基板20に密着してこれらを固定し、第二の未硬化接着剤層18が硬化した第二の硬化領域18aは、その両端部の間で電気部品25と配線基板20に密着してこれらを固定する。
【0039】
ここで、第一の硬化領域15aは、第二の硬化領域18aに対してガラス転移温度が高い。
【0040】
一方、一般に、接着剤の硬化物はガラス転移温度が高い程硬く、ガラス転移温度が低い程柔軟性が高い傾向がある。そのため、配線基板20と電気部品25は、電気部品25の長手方向の両端部では硬化接着剤層12aの硬い領域(第一の硬化領域15a)で固定され、その両端部の間では硬化接着剤層12aの柔らかい領域(第二の硬化領域18a)で固定されたことになる。
【0041】
従って、第一、第二の未硬化接着剤層15、18が硬化するときの応力は、柔らかい第二の硬化領域18aで吸収され、また残留応力で電気部品25に反りが生じたとしても、電気部品25の長手方向の両端部は硬い第一の硬化領域15aで強固に固定されているので、その両端部は配線基板20から剥離しにくいものとなる。
【0042】
更に、電気部品25の長手方向の両端部では、接続端子27とランド部分22が接続された接続部分14は硬い第一の硬化領域15aで固定されているので、接続端子27がランド部分22から離れず、導通不良が生じない。従って、本発明の電気装置1の導通信頼性は高いものになる。
【0043】
以上は、第一の未硬化接着剤層15が剥離フィルム11の幅方向の両端部に配置され、その両端部の間に第二の未硬化接着剤層18が配置された接着フィルム10を用いて配線基板20と電気部品25を接続する方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図5に示す接着フィルム10bのように、第一、第二の未硬化接着剤層15b、18bを剥離フィルム11の長手方向に交互に並べたものを使用してもよい。
【0044】
図5において、第一、第二の未硬化接着剤層15b、18bは、それぞれ、図1の第一、第二の未硬化接着剤層15、18と同様に、硬化物のガラス転移温度の異なる接着剤から形成したものである。
【0045】
未硬化接着剤層12bの幅L0bは、上述した長方形の固定領域28の短辺の長さLqよりも長くなっている。また、未硬化接着剤層12bは、固定領域28の長辺の長さLpよりも所定距離だけ長い距離を、第一、第二の未硬化接着剤層15b、18bからなる接続単位29bとし、その接続単位を剥離フィルムの長手方向に配列したものとなっている。具体的には、剥離フィルムの長手方向に、第一、第二の未硬化接着剤層を交互に配置し、一つの第一の未硬化接着剤層15bの中央部からその隣の第一の未硬化接着剤層15bの中央部までが接続単位29bとなるようにしている。したがって、この接続単位29bでは、その長手方向の両端部に第一の未硬化接着剤層15bが位置し、その間に第二の未硬化接着剤層18bが位置するものとなる。
【0046】
そして、この1つの接続単位29bを固定領域28上に配置すると、図5に示すように、固定領域28とその周囲の所定量の領域が1つの接続単位29bで覆われることになる。
【0047】
次に、この接着フィルム10bを用いて上述した配線基板20と電気部品25とを接続する工程を説明する。
配線基板20を、固定領域28の長辺が接着フィルム10bの長手方向と平行になるように圧着台4上に配置し、接着フィルム10bを配線基板20上で接着フィルム10bの長手方向に沿って走行させ、1つの接続単位29bが固定領域28上を覆う位置になったところで、押圧ローラ3で接着フィルム10bを配線基板20に押し当てる。これにより、固定領域28と、その周囲の所定領域の範囲が接続単位29bを覆うように接着する。
【0048】
接続単位29b内において、固定領域28の長辺の長さは、接着フィルム10bの長手方向の第二の未硬化接着剤層18bの長さよりは長く、かつ、接続単位29bの接着フィルム10bの長手方向の長さよりは短い。また、接続単位29bにおいて、第二の未硬化接着剤層18bの長手方向の両端部には第一の未硬化接着剤層15bが配置されている。このため、固定領域28が接続単位29bで覆われると、固定領域28の長手方向pの両端部に第一の未硬化接着剤層15bが接着し、その両端部の間の位置に第二の未硬化接着剤層18bが接着する。
【0049】
次いで、切断手段9によって配線基板20に接着された接続単位29bを未硬化接着剤層12bの他の部分から分離し、剥離フィルム11を剥離する。これにより、接続単位29bが剥離フィルム11から剥離され、配線基板20に転着される。
【0050】
そして、配線基板20に転着した接続単位29b上に、電気部品25を、その接続面が固定領域28の真上に位置し、接続端子27が対応するランド部分22と対向するように配置する。
【0051】
電気部品25の平面形状は固定領域28と同じ大きさで同じ形状であるから、電気部品25の接続端子27を対応するランド部分22上に位置させ、電気部品25を固定領域28の真上の位置で接続単位29b上に載置すると、電気部品25の長手方向両端部が第一の未硬化接着剤層15bに密着し、その両端部の間が第二の未硬化接着剤層18bに密着する。
【0052】
そこで、この状態で加熱押圧を行う。これにより、電気部品25の長手方向の両端部と配線基板20が、第一の未硬化接着剤層15bが硬化した第一の硬化領域で固定され、その両端部の間が第二の未硬化接着剤層18bが硬化した第二の硬化領域で固定される。
【0053】
この接着フィルム10bにおいても、第一の硬化領域のガラス転移温度は第二の硬化領域のガラス転移温度よりも高くされているので、電気部品25の長手方向の両端部は硬い樹脂で強固に固定され、その両端部の間の部分は柔らかい樹脂で、硬化の時の応力が緩和するように固定される。したがって、反り量が小さく、かつ導通信頼性の高い電気装置が得られる。
【0054】
本発明の接着フィルムにおいて、第一、第二の未硬化接着剤層の配列態様としては、図6に示す接着フィルム10eのように、1つの接続単位29eに、第一、第二の未硬化接着剤層15e、18eの他に第三の未硬化接着剤層19eを設けてもよい。この未硬化接着剤層19eとしては、例えば、そのバインダー樹脂を第一、第二の未硬化接着剤層のバインダー樹脂と異ならせることにより、硬化物のガラス転移温度を第二の未硬化接着剤層18eより低くしたものなどあげることができる。
【0055】
さらに、本発明の接続方法では、第一、第二の未硬化接着剤層15、18を別々の剥離フィルム11上に配置し、第一、第二の未硬化接着剤層15、18が形成された剥離フィルム11をそれぞれ配線基板20上に走行させ、第一、第二の未硬化接着剤層15、18を別々の剥離フィルム11上から同じ配線基板20に転着させることもできる。
【0056】
また、第一、第二の未硬化接着剤層15、18の配線基板20への配置方法としては、例えば、ペースト状の第一、第二の未硬化接着剤を用意し、第一の未硬化接着剤を、配線基板20において電気部品25の長手方向両端部が接続される位置に塗布し、第二の未硬化接着剤をその両端部の間に塗布して、第一、第二の未硬化接着剤層15、18をそれぞれ形成してもよい。
【0057】
また、第一の未硬化接着剤層15を電気部品25の長手方向両端部上に配置し、第二の未硬化接着剤層18を電気部品25のその両端部の間に配置した後、第一、第二の未硬化接着剤層15、18に配線基板20を密着させてもよい。
【0058】
本発明においては、必要に応じて、接着フィルムの未硬化接着剤層(異方導電性接着剤層)に、導電性粒子の含有率が異なる領域の領域を設けてもよい。
【0059】
図7(a)、(b)の符号50はこのような接着フィルムを示しており、図7(b)は図7(a)のB−B切断線断面図である。この接着フィルム50は帯状の剥離フィルム51と、剥離フィルム51上に配置され、導電性粒子59が分散された未硬化接着剤層52とを有している。
【0060】
未硬化接着剤層52は、そのバインダーの硬化物のガラス転移温度によって、第一の未硬化接着剤層56と、第一の未硬化接着剤層よりもガラス転移温度が低い第二の未硬化接着剤層57に区分され、さらに、導電性粒子59の含有率によって、第一の接着部55と、第一の接着部55よりも導電性粒子59の含有率の低い第二の接着部58に区分される。
【0061】
この接着フィルム50は、例えば、図8に示す電機部品65と図9(a)に示す配線基板60とを接続する場合に好適に用いることができる。
【0062】
即ち、図8の電気部品65は、細長い部品本体66と、部品本体66の一面に設けられた第一、第二の接続端子67、68とを有している。第一の接続端子67の先端部分53の面積は、第二の接続端子68の先端部分54の面積よりも狭い。第一の接続端子67と第二の接続端子68はそれぞれ直線状に配列しているが、第一の接続端子の配列ピッチは第二の接続端子68の配列ピッチよりも狭くなっている。
【0063】
一方、図9(a)の配線基板60は基板本体61と、基板本体61の一面に配置された第一、第二のランド部分63、64とを有している。この第一、第二のランド部分63、64は、上述の電機部品65の第一、第二の接続端子67、68と対応する位置に設けられている。したがって、第一のランド部分63の表面積は、第二のランド部分64の表面積よりも小さい。また、第一、第二のランド部分63、64はそれぞれ直線状に配列しているが、第一のランド部分63の配列ピッチは第二のランド部分63の配列ピッチよりも小さくなっている。
【0064】
そこで、配線基板60に電気部品65を接続するには、まず、第一、第二のランド部分63、64の配列方向と、接着フィルム50の走行方向とが平行になるように配線基板60を圧着台4に配置し、接着フィルム50を配線基板60の長手方向に沿って走行させる。これにより、配線基板60の長手方向の両端部に接着フィルム50の第一の未硬化接着剤層56を配置し、この両端部の間に第二の未硬化接着剤層57を配置し、また、配線基板60の第一、第二のランド部分63、64の配列上に、接着フィルム50の第一、第二の接着部55,58を配置する。そして、接着フィルム50を配線基板60に押し当て、未硬化接着剤層52を配線基板60に接着し、その未硬化接着剤層52の接着部分を切断手段9で他の部分から分離し、剥離フィルム51を剥離し、図9(b)に示すように未硬化接着剤層52を配線基板60に転着させる。
【0065】
次に、電気部品65の第一、第二の接続端子67、68が配置された面を配線基板60側に向けた状態で、電気部品65を配線基板60上に配置し、第一、第二の接続端子67、68を第一、第二のランド部分63、64に対向させる。
【0066】
そして、電気部品65を未硬化接着剤層52上に載せ、第一の接続端子67の先端部分53を第一の未硬化接着剤層56の第一の接着部55に密着し、第二の接続端子68の先端部分54を第二の未硬化接着剤層57の第二の接着部58に密着させ、その状態で、電気部品65を加熱押圧する。
【0067】
これにより、図9(c)に示すように、接続端子の先端面積が小さい第一の接続端子67は第一の接着部55の導電性粒子59と接触し、接続端子の先端面積が広い第二の接続端子68は、第二の接着部58の導電性粒子59と接触する。
【0068】
ここで、導電性粒子59の含有率が均一な場合には、第一の接続端子67に導電性粒子59が接触する確率は接続面積が狭い分低くなってしまうが、第一の接着部55の導電性粒子59の含有率は第二の接着部58の導電性粒子59の含有率よりも高くされているので、第二の接続端子68だけではなく、第一の接続端子67も確実に導電性粒子59と接触する。
【0069】
更に、加熱押圧を続けると、第一、第二の接続端子67、68が第一、第二のランド部分63、64に押し付けられて、各先端部分53、54に接触した導電性粒子59が第一、第二の接続端子67、68と第一、第二のランド部分63、64とで挟み込まれた状態になる。
【0070】
この状態で未硬化接着剤層56、57の重合反応が進行し、第一、第二の接着部55、58が第一、第二の接続端子67、68と第一、第二のランド部分63、64の周囲を取り囲んだ状態で硬化する。
【0071】
これにより、図10及びそのC−C切断面である図9(c)に示すように、電気部品65の両端部の第一、第二の接続端子67、68が、第一の硬化領域56aで強固に固定され、それらの間が第二の硬化領域57aで硬化時の応力を緩和した状態に固定された電気装置40が得られる。
こうして得られる電気装置40は、極めて導通信頼性の高いものとなる。
【0072】
また、未硬化接着剤層52全体の導電性粒子59の含有率を高くするとコストが高くなるが、第二の接着部58の導電性粒子59の含有率が低くされている分、未硬化接着剤層52全体では導電性粒子59の含有率が低くされているので、製造コストも安価になる。
【0073】
なお、図10において、符号43は、第一の接続端子67と第一のランド部分63が接続された第一の接続部分41が位置する第一の接続領域を示しており、符号44は第二の接続端子68と第二のランド部分64が接続された第二の接続部分42が位置する第二の接続領域を示している。
【0074】
この電気装置40では、例えば、配線基板60の電気信号は、接続面積が広い第二の接続部分42から電気部品25に入力され、その電気信号は電気部品25で処理された後、接続面積が狭い第一の接続部分41から配線基板60に出力される。
【0075】
本発明の接着フィルム50において、導電性粒子の含有率が互いに異なる第一、第二の接着部55、58の配置は、上述の例に限られず、例えば、図11に示す接着フィルム70のように配置してもよい。
【0076】
図11(a)は接着フィルム70の平面図を示しており、図11(b)は図11(a)のD−D切断線断面図を示している。この接着フィルム70は帯状の剥離フィルム71と、剥離フィルム71表面に延設された未硬化接着剤層72とを有している。
【0077】
未硬化接着剤層72は、硬化後のガラス転移温度の点から、帯状の接着フィルム70の幅方向の両端部が第一の未硬化接着剤層76となり、この両端部の間が、硬化後のガラス転移温度が第一の未硬化接着剤層76よりも低い第二の未硬化接着剤層77となっている。
【0078】
また、未硬化接着剤層72は、異方導電性粒子の含有率の点から、帯状の接着フィルム70の長手方向に、第一の接着部75と第二の接着部78が交互に繰り返され、第一の接着部75は第二の接着部78よりも異方導電性粒子の含有率が高くなっている。
【0079】
図11(a)の破線はこの接着フィルム70を用いて好適に接合することのできる電気部品65の接続面の大きさを示している。この電気部品65は、図8に示したように、先端部分の面積が狭い第一の接続端子67と先端部分の面積が広い第二の接続端子68がそれぞれ直線状に配列したものである。図11(a)に示すように、接着フィルム70の幅は、電気部品65の接続面の長辺の長さよりもやや長く、第一、第二の接着部75、78の繰り返しピッチは、電気部品65の接続面の短辺の長さよりもやや長く、第一、第二の接着部75、78で接続単位79を構成している。
【0080】
したがって、接着フィルム70を用いて電気部品65と配線基板を接続すると、電気部品65の長手方向の両端部はガラス転移温度の高い第一の硬化領域で強固に接続し、その両端部の間はガラス転移温度の低い第二の硬化領域で硬化時の応力を緩和した状態に接続することができると共に、先端部分の面積が狭い第一の接続端子67は導電性粒子の含有率の高い第一の接着部75で確実に接続することができ、先端部分の面積が広い第二の接続端子68は、導電性粒子の含有率の低い第二の接着部78で、製造コストを抑えつつ確実に接続することができる。
【0081】
本発明の接着フィルムにおいて、第一、第二の接着部55、58の配置も特に限定されるものではなく、例えば、接着する電気部品65の形状、端子配列等に応じて、図12に示す接着フィルム70bのように、接着フィルム70bの長手方向に、ガラス転移温度が相対的に高い第一の未硬化接着剤層15dと、ガラス転移温度がそれよりも低い第二の未硬化接着剤層18dを交互に設け、かつ各第一、第二の未硬化接着剤層15d、18dが、異方導電性粒子の含有率によって、第一の接着部75と、それよりも導電性粒子の含有率の低い第二の接着部78に区分されるようにしてもよい。
【0082】
また、図13に示した電気装置80のように、四角形の電気部品65bの対角線で2分される領域に、接着フィルムの未硬化接着剤層82bとして、導電性粒子含有率の高い第一の接着部85と、導電性粒子の含有率の低い第二の接着部88をそれぞれ別々に配置し、先端面積の狭い接続端子とランド部分とが接続されている第一の接続領域43bと、先端面積の広い接続端子とランド部分とが接続されている第二の接続領域44bを形成することにより、電気部品65bを配線基板60bに接続してもよい。この場合も、電気部品65bの長手方向の両端部は、ガラス転移温度の高い第一の硬化領域で固定し、その両端部の間はガラス転移温度の低い第二の硬化領域で固定する。
【0083】
本発明においては、導電性粒子の含有率が異なる3つ以上の接着部分で未硬化接着剤層を構成してもよく、また、接続端子が半田バンプである場合のように、加熱押圧により接続端子とランド部分とが金属結合することを期待できる場合には、未硬化接着剤層の一部又は全部を導電性粒子の含有率がゼロの接着部分で構成してもよい。
【0084】
さらに、本発明においては、未硬化接着剤層に導電性粒子の含有率の異なる部分を設ける場合にも設けない場合も、ガラス転移温度が異なる硬化領域が、配線基板上で重なり合うようにしてもよい。
【0085】
例えば、図14の電気装置1fの硬化接着剤層12fは、ガラス転移温度が互いに異なる第一、第二の硬化領域15f、18fの他に、第一、第二の硬化領域15f、18fとは異なる種類の接着剤が硬化した第三の硬化領域13fとを有しており、第三の硬化領域13fは第一、第二の硬化領域15f、18fの電気部品25側の面上に配置され、電気部品25の部品本体26に密着している。
【0086】
第三の硬化領域13fの膜厚は薄く形成されているので、接続端子27の先端部分が第三の硬化領域13fから突き出ているため、接続端子27の先端部分は、第一、第二の硬化領域15f、18fによって固定されている。このように第三の硬化領域13fを設けることにより、加熱押圧の際に第一、第二の硬化領域15f、18fが必要以上に混合され、ガラス転移温度の差異が小さくなることを防止できる。
【実施例】
【0087】
<実施例1>
エポキシ樹脂及び硬化剤に導電性粒子を分散させて第一の接着剤を作成した。また、第一の接着剤とは異なる種類のエポキシ樹脂に硬化剤を加え、第一の接着剤と同じ種類の導電性粒子を分散させ、導電性粒子の含有量(重量%)が第一の接着剤と同じ、第二の接着剤を作成した。
【0088】
第一、第二の接着剤を加熱して完全に硬化させ、その硬化物のガラス転移温度を測定したところ、第一の接着剤の硬化物のガラス転移温度は170℃であり、第二の接着剤のガラス転移温度は130℃であった。
【0089】
これら第一、第二の接着剤を用いて、図4(c)に示すように、電気部品25と配線基板20の間に第一、第二の未硬化接着剤層15、18を配置し、上述したように加熱押圧して実施例1の電気装置1を作成した。この実施例1の電気装置1を用いて下記の試験を行った。
【0090】
〔反り〕
電気装置1を電気部品25側の面を下側に向けた状態で水平盤に載せ、電気部品25の長手方向の両端部を水平盤表面に密着させ、電気部品25の水平盤から離間した部分のうち、水平盤までの距離が最も長い部分の距離を反り量とした。
【0091】
〔導通抵抗〕
電気装置1の電気部品25の長手方向端部位置にある接続部分14の抵抗値を測定した。抵抗値が低い程、導通信頼性が高いことになる。
【0092】
〔耐久性〕
電気装置1を85℃、相対湿度85%の条件で1000時間放置した後、電気部品25が硬化接着剤層12aから剥離しているかどうかを観察した。上記試験の結果を下記表1に記載する。
【0093】
【表1】

【0094】
<比較例1>
上述した、実施例1の第一の接着剤の未硬化接着剤層だけを電気部品25の長手方向の両端部と中央部分の両方に配置し、加熱押圧して比較例1の電気装置を作成した。
【0095】
<比較例2>
上述した、実施例1の第二の接着剤の未硬化接着剤層だけを電気部品25の長手方向の両端部と中央部分の両方に配置し、加熱押圧して比較例2の電気装置を作成した。
【0096】
比較例1、2の電気装置を用いて、上述した「反り」、「導通抵抗」、「耐久性」の各評価試験を行った。各評価試験の結果を上記表1に記載した。上記表1から明らかなように、硬化物のガラス転移温度の高い第一の接着剤だけを用いた比較例1は、反りが大きく、電気部品の剥離が観察された。硬化物のガラス転移温度の低い第二の接着剤だけを用いた比較例2と、第一、第二の接着剤を用いた実施例1では、第二の接着剤で応力が緩和されたため、反り量が小さく、電気部品の剥離が見られなかった。しかしながら、実施例1では導通抵抗の値も低かったのに対し、比較例2は電気部品の長手方向端部の接続部分を固定する硬化接着剤層の強度が低いため、導通抵抗値が高くなっていた。
【0097】
以上のことこから、電気部品の長手方向の両端部に硬化後のガラス転移温度が高い接着剤を配置し、その両端部の間に硬化後のガラス転移温度の低い接着剤を配置して電気部品を配線基板に接続すれば、反り量が小さく、かつ導通信頼性の高い電気装置1が得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の接続フィルム、接続方法及び電気装置は、電気的接続と機械的接続を同時に行うことが必要とされる種々の電気装置で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に用いる接着フィルムを説明する断面図
【図2】配線基板に未硬化接着剤層を転着する工程を説明する図
【図3】配線基板に押し当てられた接着フィルムを示す斜視図
【図4】(a)〜(d)本発明により、配線基板と電気部品を接続する工程を説明する断面図
【図5】本発明の接着フィルムを説明する平面図
【図6】本発明の接着フィルムを説明する平面図
【図7】(a)本発明の接着フィルムを説明する平面図、(b)その断面図
【図8】本発明に用いる電気部品を説明する平面図
【図9】(a)〜(c)本発明により配線基板と電気装置を接続する工程を説明する断面図
【図10】本発明の電気装置を説明する平面図
【図11】(a)本発明の接着フィルムを説明する平面図、及び(b)断面図
【図12】本発明の接着フィルムを説明する平面図
【図13】本発明の電気装置を説明する平面図
【図14】本発明の電気装置を説明する断面図
【符号の説明】
【0100】
1、1f 電気装置
10、10b 接着フィルム
11 剥離フィルム
12 未硬化接着剤層
12a 硬化接着剤層
12f 硬化接着剤層
13f 第三の硬化領域
14 接続部分
15、15d、15e 第一の未硬化接着剤層
15a、15f 第一の硬化領域
16 第一のバインダー樹脂
17 第二のバインダー樹脂
18、18d、18e 第二の未硬化接着剤層
18a、18f 第二の硬化領域
19 導電性粒子
19e 第三の未硬化接着剤層
20 配線基板
25 電気部品
26 部品本体
27 接続端子
28 固定領域
29、29b、29e 接続単位
40 電気装置
41 第一の接続部分
42 第二の接続部分
43、43b 第一の接続領域
44、44b 第二の接続領域
50 接着フィルム
51 剥離フィルム
52 未硬化接着剤層
52a 硬化接着剤層
55 第一の接着部
56 第一の未硬化接着剤層
56a 第一の硬化領域
57 第二の未硬化接着剤層
57a 第二の硬化領域
58 第二の接着部
59 導電性粒子
60、60b 配線基板
61 基板本体
63 第一のランド部分
64 第二のランド部分
65、65b 電気部品
66 部品本体
67 第一の接続端子
68 第二の接続端子
70、70b 接着フィルム
71 剥離フィルム
72 未硬化接着剤層
75 第一の接着部
76 第一の未硬化接着剤層
77 第二の未硬化接着剤層
78 第二の接着部
79 接続単位
80 電気装置
85 第一の接着部
88 第二の接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、少なくとも片面に接続端子が配置された電気部品とが硬化接着剤により固定されている電気装置であって、
硬化接着剤は、第一の硬化領域と、第一の硬化領域よりもガラス転移温度が低い第二の硬化領域を有し、第一の硬化領域と第二の硬化領域が配線基板上の異なる位置に配置されている電気装置。
【請求項2】
電気部品の長手方向の両端部が、第一の硬化領域で固定され、該両端部の間が第二の硬化領域で固定されている請求項1記載の電気装置。
【請求項3】
第一及び/又は第二の硬化領域に導電性粒子が分散され、
配線基板のランド部分と電気部品の接続端子とが導電性粒子を介して電気的に接続されている請求項1又は請求項2に記載の電気装置。
【請求項4】
電気部品の長手方向の両端部に位置する接続端子と、配線基板のランド部分とが、第一の硬化領域で固定され、導電性粒子を介して電気的に接続されている請求項4記載の電気装置。
【請求項5】
電気部品の接続端子として、第一の接続端子と、第一の接続端子より先端部分の面積が広い第二の接続端子を有し、第一の接続端子を電気的に接続する導電性粒子の含有率が、第二の接続端子を電気的に接続する導電性粒子の含有率よりも高い請求項3又は4記載の電気装置。
【請求項6】
第一の未硬化接着剤層と、第一の未硬化接着剤層よりも硬化後のガラス転移温度が低い第二の未硬化接着剤層が、帯状の剥離フィルム上の異なる位置に設けられている接着フィルム。
【請求項7】
第一の未硬化接着剤層と第二の未硬化接着剤層が剥離フィルムの長手方向に沿って延設されている請求項6記載の接着フィルム。
【請求項8】
第一の未硬化接着剤層が、剥離フィルムの幅方向の両端部に位置し、該両端部の間に第二の未硬化接着剤層が位置する請求項7記載の接着フィルム。
【請求項9】
ガラス転移温度が互いに異なる第一及び第二の未硬化接着剤層が、電気部品の大きさに応じた長さの接続単位を構成し、該接続単位が剥離フィルムの長手方向に配列している請求項6記載の接着フィルム。
【請求項10】
第一及び/又は第二の未硬化接着剤層が導電性粒子を含有する異方導電性接着剤層である請求項6〜9のいずれかに記載の接着フィルム。
【請求項11】
第一の異方導電性接着剤層と、第一の異方導電性接着剤層よりも導電性粒子の含有率が低い第二の異方導電性接着剤層とが、剥離フィルム上の異なる位置に設けられている請求項10記載の接着フィルム。
【請求項12】
配線基板と、少なくとも片面に接続端子が配置された電気部品とを、硬化接着剤で固定する接続方法であって、配線基板と電気部品の間の異なる位置に、第一の未硬化接着剤層と、第一の未硬化接着剤層よりも硬化後のガラス転移温度が低い第二の未硬化接着剤層を配置し、第一及び第二の未硬化接着剤層を硬化させ、配線基板と電気部品とを固定する接続方法。
【請求項13】
第一の未硬化接着剤層を電気部品の長手方向の両端部に配置し、該両端部の間に第二の未硬化接着剤層を配置した状態で、第一及び第二の未硬化接着剤層を硬化させる請求項12記載の接続方法。
【請求項14】
請求項6〜11のいずれかに記載の接着フィルムを配線基板上に走行させ、接着フィルムの第一及び第二の未硬化接着剤層を配線基板に転着させることにより、第一及び第二の未硬化接着剤層を配線基板に配置する請求項12又は13に記載の接続方法。
【請求項15】
請求項9記載の接着フィルムを使用し、接続単位ごとに第一及び第二の未硬化接着剤層を配線基板に転着させる請求項14記載の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−4767(P2009−4767A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136368(P2008−136368)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】