説明

露光用マスク、不純物層を有する半導体装置の製造方法および固体撮像装置

【課題】ポテンシャルディップの発生を抑制することが可能な不純物層を有する半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】複数のドットパターン3により構成された第1の領域2−1と、この領域2−1のパターンよりも大きい面積の複数のドットパターン4により構成され、第1の領域2−1に隣接する第2の領域2−2と、を具備し、これらの領域2−1、2−2の境界部分で光の透過率が不連続的に変化するグレーティングマスク1であって、第1の領域2−1のドットパターン3と第2の領域2−2のドットパターン4との間に、これらのドットパターンの中間の面積を有するドットパターン6を設けたグレーティングマスク1を用いて、半導体基板8上に塗布されたレジスト材料9を露光する工程と、露光されたレジスト材料9を現像することによりレジスト膜10を形成する工程と、このレジスト膜をマスクとして用いて半導体基板8にイオンを注入することにより、不純物層11を形成する工程と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光用マスク、この露光用マスクを用いた不純物層を有する半導体装置の製造方法および固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の固体撮像装置における電荷転送部、例えばCCD部は、半導体基板表面に形成された不純物層上に、酸化膜を介して、電荷を転送するための転送電極が設けられている。このような転送レジスタにおいて、不純物層は、例えばn型のイオンを注入して各転送電極下の半導体基板表面に、電荷の転送方向に向かって深くなるようなプロファイルで形成される。このようなプロファイルの不純物層により、各転送電極下において、電荷の転送方向に向かって深くなるポテンシャルが形成されるため、効率よく電荷を転送することができる。
【0003】
これらの不純物層は、光の透過率が一により徐々に変化する複数個の透過領域が形成された、いわゆるグレーティングマスクを用いて形成されることが知られている。このグレーティングマスクは、光を透過させるガラス板の表面に、光を透過させない正方形状の遮光膜からなるドットパターンを、その面積を位置により適宜変化させて形成することによって、光の透過率を制御しているものである(特許文献1参照)。
【0004】
このようなグレーティングマスクを用いた不純物層の形成方法は、まず、半導体基板上に一様にレジスト材料を塗布する。続いて、グレーティングマスクを用いてレジスト材料を露光する。このように露光されたレジスト材料を現像すると、光の透過率が高い領域ほどレジスト残膜は薄くなるため、電荷の転送方向に向かって膜厚が薄くなるレジスト膜が複数個繰り返し配列するように形成される。このレジスト膜をマスクとして用いて半導体基板にイオンを注入すれば、一度のイオン注入工程により、電荷の転送方向に向かって深くなる不純物層を容易に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−170653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述のグレーティングマスクを用いてレジスト材料を露光し、これを現像すると、グレーティングマスクの透過率に大きな差を有する箇所の直下に凹部が形成されたレジスト層が形成されることが、本願発明者等によって見出された。従って、このレジスト層をマスクとして用いて半導体基板に不純物層を形成すると、この層によって形成されるポテンシャルプロファイルにディップが発生する。
【0007】
本発明は、この問題に鑑みてなされたものであり、不純物層によって形成されるポテンシャルプロファイルにディップが発生することを抑制することが可能な、不純物層を有する半導体装置の製造方法、この製造方法を実現するための露光用マスクを提供するとともに、電荷の転送効率を向上させることが可能な固体撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による露光用マスクは、光を遮断または透過させる複数の第1のドットパターンによって構成された第1の透過領域と、前記第1のドットパターンよりも大きい面積を有し、光を遮断または透過させる複数の第2のドットパターンによって構成され、前記第1の透過領域に隣接する第2の透過領域と、を具備し、前記第1の透過領域と前記第2の透過領域との光の透過率が、これらの領域の境界部分で不連続的に変化する露光用マスクであって、前記第1のドットパターンと前記第2のドットパターンとの間に、これらのドットパターンの中間の面積を有し、光を遮断または透過させる複数の第3のパターンを設けたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明による不純物層を有する半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面にレジスト材料を塗布する工程と、上述の露光用マスクを用いて、前記レジスト材料を露光する工程と、露光された前記レジスト材料を現像する工程と、前記レジスト材料を現像することにより形成されたレジスト膜上から、前記半導体基板にイオンを注入することにより、不純物層を形成する工程と、を具備することを特徴とする方法である。
【0010】
また、本発明による固体撮像装置は、半導体基板の表面に形成された第1導電型のウェルと、このウェルの表面に、前記電荷の転送方向に向かって深く形成され、かつ、前記電荷の転送方向に対して垂直方向においては、両側部の深さが、中央部の深さよりも浅く形成された第2導電型の不純物層と、この不純物層上に絶縁膜を介して形成された第1の電極と、を具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不純物層によって形成されるポテンシャルプロファイルにディップが発生することを抑制することが可能な、不純物層を有する半導体装置の製造方法、この製造方法を実現するための露光用マスクを提供することができる。また、この製造方法によって製造された固体撮像装置によれば、電荷の転送効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のグレーティングマスクの一部を拡大して模式的に示す上面図である。
【図2】従来の電荷転送部の製造工程を説明するための図であって、電荷の転送方向に沿った電荷転送部の断面図である。
【図3】同じく、従来の電荷転送部の製造工程を説明するための図であって、電荷の転送方向に沿った電荷転送部の断面図である。
【図4】本発明に係るグレーティングマスクの一部を拡大して模式的に示す上面図である。
【図5】図4のグレーティングマスクを用いた電荷転送部の製造工程を説明するための図であって、電荷の転送方向に沿った電荷転送部の断面図である。
【図6】同じく、図4のグレーティングマスクを用いた電荷転送部の製造工程を説明するための図であって、電荷の転送方向に沿った電荷転送部の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置によって製造された固体撮像装置の要部を示す模式的な上面図である。
【図8】図7の一点鎖線A−A´に沿って示す画素部および電荷蓄積部の断面図である。
【図9】図7の一点鎖線B−B´に沿って示す電荷蓄積部の断面図である。
【図10】図7の一点鎖線C−C´に沿って示すCCD部の断面図である。
【図11】図7の一点鎖線D−D´に沿って示すCCD部の断面図である。
【図12】図7の固体撮像装置を製造するために用いられるグレーティングマスクの上面図である。
【図13】図12の一点鎖線X−X´に沿ったグレーティングマスクの透過率特性を示す図である。
【図14】図12のグレーティングマスクの一部を拡大して模式的に示す上面図である。
【図15】図12の一点鎖線Y−Y´に沿ったグレーティングマスクの透過率特性を示す図である。
【図16】図12のグレーティングマスクの一部を拡大して模式的に示す上面図である。
【図17】図10に示す第3の不純物層を形成するために用いるレジスト膜の製造工程を示す図で、図10に相当する図である。
【図18】図11に示す第3の不純物層を形成するために用いるレジスト膜の製造工程を示す図で、図11に相当する図である。
【図19】図10に示す第3の不純物層の製造工程を示す図で、図10に相当する図である。
【図20】図11に示す第3の不純物層の製造工程を示す図で、図11に相当する図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置の画素部および電荷蓄積部の図8に相当する図である。
【図22】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置の荷蓄積部の図9に相当する図である。
【図23】本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法に用いられるグレーティングマスクの上面図である。
【図24】図23の一点鎖線X−X´に沿ったグレーティングマスクの透過率を示す図である。
【図25】図23の一点鎖線Y−Y´に沿ったグレーティングマスクの透過率を示す図である。
【図26】図23のグレーティングマスクの一部を示す模式的な拡大図である。
【図27】図21に示す第2の不純物層を形成するために用いるレジスト膜の製造工程を示す図で、図21に相当する図である。
【図28】図22に示す第2の不純物層を形成するために用いるレジスト膜の製造工程を示す図で、図21に相当する図である。
【図29】図21に示す第2の不純物層の製造工程を示す図で、図21に相当する図である。
【図30】図22に示す第2の不純物層の製造工程を示す図で、図22に相当する図である。
【図31】本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置の要部を示す上面図である。
【図32】図31の一点鎖線E−E´に沿って示す装置の断面図である。
【図33】図32の一点鎖線F−F´に沿って示す装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、本発明の原理を、従来例と比較しながら説明する。まず、従来のグレーティングマスクを用いた不純物層の形成方法の一例として、階段状に深くなる不純物層を形成する場合を図1乃至図3を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、従来の電荷転送部の製造方法に用いられる従来のグレーティングマスクの一部を拡大して模式的に説明する上面図である。同図における大小の正方形は、それぞれ光を透過させないドットパターンを示している。また、図1のドットパターン中に示される数は、各ドットパターンの相対的な面積を示しており、図中の数が大きいほど、大きな面積のドットパターンであることを示す。
【0015】
図1に示すように、従来のグレーティングマスク101の透過領域102は、この領域102中、最も透過率が高い第1の領域102−1、第1の領域102−1よりも透過率が低い第2の領域102−2、および第2の領域102−2よりも透過率がさらい低い第3の領域102−3からなり、これらの各領域102−1A乃至102−3が電荷の転送方向に向かって階段状に透過率が高くなるように配列されて形成されている。
【0016】
最も透過率が高い第1の領域102−1には、透過領域102中最も面積の小さいドットパターン103が配列形成されている。また、第2の領域102−2には、ドットパターン103よりも面積が大きいドットパターン104が配列形成されている。そして、第3の領域102−3には、ドットパターン104よりもさらに面積が大きいドットパターン105が配列形成されている。
【0017】
図2、図3は、このようなグレーティングマスクを用いた電荷転送部の製造方法を説明するための図である。
【0018】
まず、図2に示すように、半導体基板106上にレジスト材料108を塗布し、これを図1に示すグレーティングマスク101を用いて露光し、これを現像することによりレジスト膜109を形成する。これにより、電荷の転送方向に向かって階段状に膜厚が薄くなる薄膜部109Aが形成される。
【0019】
しかし、この工程において、以下の問題が生ずることが、本願発明者等によって見出された。すなわち、同図から明らかなように、図1に示すグレーティングマスク101の第1の領域102−1と第2の領域102−2との境界部分、および第2の領域102−2と第3の領域102−3との境界部分の直下のレジスト材料108には凹部110が形成される。
【0020】
このような薄膜部109Aを有するレジスト膜109をマスクとして用いて半導体基板106にイオンを注入すると、図3に示すように、薄膜部109Aの膜厚に対応した深さプロファイルの不純物層107が形成される。この際、不純物層107の一部には、レジスト膜109の凹部110に対応して、必要以上に不純物が深く形成された凹部111が形成される。
【0021】
このような深さプロファイルの不純物層107が形成された場合、不純物層107によって形成されるポテンシャルプロファイルは、同図に点線112で示すように、階段状に変化するポテンシャルの段差部にポテンシャルディップ113が形成される。従って、不純物層107を転送される電荷は、ポテンシャルが深い方向に向かって転送されるが、この際、ポテンシャルディップ113に溜まる。これが、電荷の転送効率のより一層の向上を妨げていた。
【0022】
このように、図1に示されるグレーティングマスク101を用いることにより、少ない工程により階段状の不純物層107を容易に製造することが可能である。しかし、このようにして製造される不純物層107を有する電荷転送部の構造について、本願発明者等が検討した結果、不純物層107によって形成されるポテンシャルプロファイル112にポテンシャルディップ113が生じ、この部分に電荷が溜まるため、転送効率の向上を妨げているという問題点を見出した。
【0023】
次に、本発明に係る露光用マスクおよびこれを用いた半導体装置の製造方法の原理を以下に説明する。この説明においては、電荷の転送方向に向かって階段状に深くなる不純物層を形成するための露光用マスクおよびこのマスクを用いた電荷転送部の製造方法について説明する。
【0024】
本発明は、図4に示されるグレーティングマスクを用いて不純物層を形成する。図4は、本発明にかかる半導体装置の製造方法に用いられるグレーティングマスクの一部を拡大して模式的に説明する上面図である。
【0025】
図4に示すように、本発明に係るグレーティングマスク1の透過領域2においては、第1の領域2−1と第2の領域2−2との境界部分のうち、透過率が大きい領域(第1の領域2−1の後端部)には、ドットパターン3の面積とドットパターン4の面積との中間程度の面積のドットパターン6が形成されている。同様に、第2の領域2−2と第3の領域2−3との境界部分のうち、透過率が大きい領域(第2の領域2−2の後端部)には、ドットパターン4の面積とドットパターン5の面積との中間程度の面積のドットパターン7が形成されている。
【0026】
具体的には、例えば第1の領域2−1のドットパターン3の面積が2、第2の領域2−2のドットパターン4の面積が6、第3の領域2−3のドットパターン5の面積が10である場合、第1の領域2−1の後端部のドットパターン6の面積はこれらの中間の4、第2の領域2−2の後端部のドットパターン7の面積はこれらの中間の8となるように形成されている。
【0027】
なお、ここでいう中間の面積とは、一方において隣接する面積が大きいドットパターンの面積よりは小さく、かつ、他方において隣接する面積が小さいドットパターンの面積よりは大きい面積のいずれかを意味する。従って、例えば、第1の領域2−1の後端部のドットパターン6の面積は、2よりは大きく、かつ6よりは小さい面積のいずれかであって、第1の領域2−1全体の光の透過率が一定となる面積になるように形成されればよい。第2の領域2−2の後端部のドットパターン7の面積も同様である。
【0028】
図5、図6は、このような構造のグレーティングマスクを用いた電荷転送部の製造方法を説明するための図である。
【0029】
まず、図5に示すように、半導体基板8上にレジスト材料9を塗布し、これを図4に示すグレーティングマスク1を用いて露光し、これを現像することによりレジスト膜10を形成する。これにより、電荷の転送方向に向かって階段状に膜厚が薄くなる薄膜部10Aが形成される。
【0030】
この際、本発明に係るグレーティングマスク1によれば、第1の領域2−1の後端部、および第2の領域2−2の後端部に形成されるドットパターン6、7の面積を従来よりも大きく形成しているため、これらの部分の光の透過率を、従来よりも低くすることができる。従って、これらの直下の薄膜部10Aに、図2に示されるような凹部110が形成されることが抑制される。
【0031】
このような薄膜部10Aを有するレジスト膜10をマスクとして用いて半導体基板8にイオンを注入すると、図6に示すように、薄膜部10Aの膜厚に対応した深さプロファイルの不純物層11が形成される。すなわち、不純物層11には、図5に示されるような凹部111が形成されることが抑制される。
【0032】
このようなプロファイルの不純物層11が形成された場合、不純物層11によって形成されるポテンシャルプロファイルは、同図に点線12で示すように、階段状に低くなるように形成されるとともに、ポテンシャルの段差部には、図5に示されるようなポテンシャルディップ113が形成されることが抑制される。従って、この製造方法により形成された不純物層11を有する固体撮像装置によれば、転送される電荷が転送される際に、ポテンシャルディップに溜まることが抑制され、電荷の転送効率を向上させることができる。
【0033】
以下に、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、半導体装置の製造方法の一例として、固体撮像装置の製造方法を説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置を説明する。図7は、固体撮像装置の要部を示す模式的な上面図である。図7に示すように、固体撮像装置は、画素部13、電荷蓄積部14、電荷転送部15(以下、CCD部15と称す)を含む構成であり、これらが例えばP型の半導体基板上に形成されている。
【0035】
画素部13は、受光した光に応じて電荷を発生させる例えばフォトダイオードである。これらは、例えば互いに離間して列状に複数形成されている。また、電荷蓄積部14は、画素部13で発生した電荷を読み込んで蓄積するとともに、蓄積された電荷をCCD部15に転送させる電荷転送部である。これらは、各画素部13とCCD部15との間にそれぞれ形成されている。また、CCD部15は、電荷蓄積部14から転送された電荷を、CCD部15の最後段に形成されたフローティングディフュージョン部16(FD部16)に転送する。これは、画素部13の列に対して略平行に形成されている。なお、FD部16は、転送された電荷に基づいて電圧を出力する電荷電圧変換部である。
【0036】
次に、画素部13および電荷蓄積部14について図8、図9を参照して詳述する。図8は、図7の一点鎖線A−A´に沿った画素部13および電荷蓄積部14の部分断面図である。また、図9は、図7の一点鎖線B−B´に沿った電荷蓄積部14部分断面図である。
【0037】
図8に示すように、画素部13および電荷蓄積部14は、P型の半導体基板17の表面に設けられたP型のウェル18に形成されている。そして、各画素部13は、それぞれ、ウェル18の表面に形成された第1のN+型の不純物層19と、この第1のN+型の不純物層19の表面に形成された第1のP+型の不純物層20と、によって形成されている。
【0038】
第1のN+型の不純物層19は、画素部13から、画素部13と電荷蓄積部14との間の位置に至る領域にまで延長形成されている。また、第1のP+型の不純物層20は、各画素部13に形成されている。これらの不純物層19、20は、フォトダイオード21として機能する。なお、各画素部13には、フォトダイオード21の他に、例えばフォトダイオード21に光を集光するためのマイクロレンズやカラーフィルタ等を備えているが、図示は省略する。
【0039】
各電荷蓄積部14は、図8に示すように、第1のN+型の不純物層19とは離間してウェル18の表面に形成された第2のN+型の不純物層22と、この第2のN+型の不純物層22を含むウェル18上に絶縁膜23を介して形成された第1の転送電極24と、によって形成されている。
【0040】
第2のN+型の不純物層22は、電荷蓄積部14とCCD部15との間に至る領域まで延長形成されており、後述するCCD部15の第3のN+型の不純物層25に接触するように形成されている。
【0041】
さらに、図9に示すように、第2のN+型の不純物層22は、第1の転送電極24と実質的に同一の幅で形成されている。なお、これらの第2のN+型の不純物層22は、それぞれ互いに離間して平行に形成されている。
【0042】
このような第2のN+型の不純物層22の間には、第2のP+不純物層26が形成されている。この第2のP+不純物層26は、第2のN+型の不純物層22を転送される電荷が、隣接する第2のN+型の不純物層22に移動することを抑制するために設けられている。
【0043】
また、図8に示すように、第1の転送電極24は、第2のN+型の不純物層22上、およびこの第2のN+型の不純物層22と画素部13の第1のN+型の不純物層19との間のウェル18上に、絶縁膜23を介して形成されている。なお、第1の転送電極24は、例えばポリシリコンにより形成されたものである。
【0044】
次に、CCD部15について図10、図11を用いて詳述する。図10は、図7の一点鎖線C−C´に沿ったCCD部15の断面図である。さらに図11は、図7の一点鎖線D−D´に沿ったCCD部15の断面図である。
【0045】
図10に示すように、CCD部15は、ウェル18の表面に列状に形成された複数の第3のN+型の不純物層25と、各第3のN+型の不純物層25上に絶縁膜23を介して形成された複数の長方形の第2の転送電極27と、によって形成されている。
【0046】
図10に示すように、各第3のN+型の不純物層25は、電荷の転送方向に向かって一定の割合で深くなるように形成されている。また、各第3のN+型の不純物層25は、不純物が最も深く形成される箇所が、これに隣接する第3のN+型の不純物層25のうち、不純物が最も浅く形成される箇所に接触するように形成されている。
【0047】
さらに、図11に示すように、第3のN+型の不純物層25は、その両側部25−2の不純物の深さが、中央部25−1の不純物の深さよりも浅くなるように形成されている。
【0048】
また、図10に示すように、各第2の転送電極27は、それぞれ互いに離間して形成されている。さらに、各第2の転送電極27は、この電極27の形状を構成する一辺が、第3のN+型の不純物層25上のうち、不純物が最も深い箇所に一致する位置に形成されている。なお、第2の転送電極27は、例えばポリシリコンにより形成されたものである。
【0049】
このようなCCD部15を転送される電荷は、最終的に図7に示されるFD部16に転送される。そして、このFD部16で電荷を電圧に変換し、ここで得られた電圧に基づいて画像を出力することにより、所望の画像を得ることができる。
【0050】
次に、上述の固体撮像装置の製造方法として、CCD部15の製造方法について、図12乃至図20を参照して説明する。
【0051】
図12は、グレーティングマスク28の構造を示す上面図である。図12に示すように、グレーティングマスク28は、光の透過率が位置に応じて徐々に変化する複数個の透過領域28Aが、光の透過率が低い低透過領域28Bで囲われた構造を有している。このグレーティングマスク28は、例えばガラス基板等の透明樹脂基板上に、例えばクロム膜等の遮光膜からなるドットパターンが、その面積を適宜調節されて形成されたものである。すなわち、各透過領域28Aには、小さい面積のドットパターンが形成され、低透過領域28Bには、大きい面積のドットパターンがそれぞれ形成されたものである。なお、図中のX−X´方向は電荷の転送方向であり、図中のY−Y´方向は電荷の転送方向に対して垂直な方向である。
【0052】
ここで、図12に示されるグレーティングマスク28をより詳細に説明するために、まずは、図12の一点鎖線X−X´に沿った方向のグレーティングマスク28の透過率特性、および構造について図13および図14を参照して説明する。
【0053】
図13は、図12の一点鎖線X−X´に沿ったグレーティングマスク28の透過率特性を示す図である。図13において、横軸はグレーティングマスク28におけるX−X´方向に沿った位置を示し、縦軸は透過率を示す。図13に示すように、グレーティングマスク28の一点鎖線X−X´方向に沿った光の透過率は、電荷の転送方向に向かって連続的に高くなるように形成されており、かつ、これが各透過領域28A毎に繰り返されている。
【0054】
図14は、図12に示されるグレーティングマスク28の一部を拡大して模式的に示す上面図である。同図における大小の正方形は、それぞれ光を透過させないドットパターンを示している。また、図14のドットパターン中に示される数は、各ドットパターンの相対的な面積を示しており、図中の数が大きいほど、大きな面積のドットパターンであることを示す。なお、図14中のX−X´方向は、図12のX−X´に対応している。
【0055】
図14に示すように、グレーティングマスク28の一つの透過領域28Aには、電荷の転送方向に向かって、徐々に面積が小さくなるドットパターン29が形成されている。しかし、透過率に大きな差がある透過領域28Aの境界部分のうち、透過率が低い部分、すなわち、各透過領域28Aの先端部分に形成されるドットパターン30は、このドットパターン30に隣接する2つのドットパターン29の面積の中間の面積を有するように形成されている。透過領域28Aには、このようなドットパターン29、30が、透過領域28A毎に繰り返されて形成されている。
【0056】
具体的には例えば以下の通りである。透過領域28Aに形成されるドットパターン29は、電荷の転送方向に向かって、面積が8、6、4と一定の割合で小さくなるように形成されている。しかし、透過領域28Aの先端部分に形成されるドットパターン30は、従来のように面積が2とはならず、面積が4と8の中間である6となるように形成されている。すなわち、透過領域28Aの先端部分に形成されるドットパターン30の面積は、従来よりも大きく形成されている。透過領域28Aには、このような面積比のドットパターン29、30が形成されており、これが透過領域28A毎に繰り返し形成されている。
【0057】
透過領域28Aのドットパターン29、30を図14に示すように形成することにより、電荷の転送方向に向かって、透過領域28Aの光の透過面積を増加させることができる。しかし、透過領域28Aの先端部分においては、光の透過面積が増加せず、最大の透過面積と最小の透過面積との中間の光の透過面積となっている。すなわち、透過領域28Aの先端部分においては光の透過面積を従来よりも小さくしている。従って、図13に点線31で示すように、透過領域28Aの先端部分の光の透過率が必要以上に大きくなることが抑制されると同時に、図13に示すように、電荷の転送方向に向かって、一定の割合で連続的に透過率が高くなる透過率特性を実現することができる。
【0058】
なお、ここでいうドットパターン30の中間の面積とは、一方において隣接する面積が大きいドットパターン29の面積よりは小さく、かつ、他方において隣接する面積が小さいドットパターン29の面積よりは大きい面積のいずれかであって、透過領域28AのX−X´方向における全体の光の透過率が電荷の転送方向に向かって一定の割合で増加する程度の面積を意味する。
【0059】
次に、図12の一点鎖線Y−Y´に沿った方向のグレーティングマスク28の透過率特性、および構造について図15および図16を参照して説明する。
【0060】
図15は、図12の一点鎖線Y−Y´に沿ったグレーティングマスク28の透過率特性を示す図である。図15において、横軸はグレーティングマスク28におけるY−Y´方向に沿った位置を示し、縦軸は透過率を示す。図15に示すように、電荷の転送方向に対して垂直方向の光の透過率は、透過領域28Aの中央部28A−1においては一定である。しかし、透過領域28Aの両側部28A−2においては、中央部28A−1の透過率より低くなっている。
【0061】
図16は、図12に示されるグレーティングマスク28の一部を拡大して模式的に示す上面図である。同図は、図14に示されるグレーティングマスク28の一部領域を含み、この周囲の領域に至る部分までを拡大して模式的に示している。なお、図16おける大小の正方形、およびその中の数は、それぞれ図14と同じ意味であり、また、図16中のX−X´方向、Y−Y´方向は、それぞれ図12のX−X´、Y−Y´に対応している。
【0062】
図16に示すように、グレーティングマスク28の低透過領域28Bには、面積の大きなドットパターン32が格子状に配列形成されている。なお、図16においては、この面積を例えば25としている。
【0063】
これに対して、グレーティングマスク28の透過領域28Aのうち、図14に示される中央部28A−1のドットパターン29、30は、それぞれ図16に示すように、図中のY−Y´方向に沿って、等しい面積になるように形成されている。
【0064】
しかし、グレーティングマスク28の透過領域28Aのうち、低透過領域28Bとの境界部分、すなわち、透過領域28Aの両側部28A−2には、中央部28A−1に形成されるドットパターン29、30の面積と、低透過領域28Bに形成されるドットパターン32の面積との中間の面積のドットパターン33が形成されている。
【0065】
具体的には例えば以下の通りである。透過領域28Aの中央部28A−1に形成されるドットパターン29、30は、図中のY−Y´方向に沿って、それぞれ等しい面積(例えば6)になるように形成されている。しかし、透過領域28Aの両側部28A−2に形成されるドットパターン33は、従来のように面積が6とはならず、面積が6と25の中間である例えば10となるように形成されている。
【0066】
透過領域28Aの中央部28A−1のドットパターン29、30および両側部のドットパターン33を図16に示すように形成することにより、透過領域28Aの中央部28A−1においては光の透過面積を一定にすることができる。そして、透過領域28Aの両側部28A−2においては、中央部28A−1の光の透過面積と等しくせず、中央部28A−1の透過面積と低透過領域28Bの透過面積との中間の光の透過面積にすることができる。すなわち、透過領域28Aの両側部28A−2の光の透過面積を、中央部28A−1の光の透過面積よりも小さくすることができる。
【0067】
以上のように、両側部28A−2のドットパターン33を従来よりも大きくすることにより、図15に点線34で示すように、透過領域28Aの両側部28A−2の光の透過率が必要以上に大きくなることを抑制することができると同時に、図15に示すように、両側部28A−2の光の透過率を、中央部28A−1よりも低くすることができる。
【0068】
なお、両側部28A−2のドットパターン33の中間の面積とは、一方において隣接する面積が大きいドットパターン32の面積よりは小さく、かつ、他方において隣接する面積が小さいドットパターン29(30)の面積よりは大きい面積のいずれかであって、中央部28A−1に比べて両側部28A−2の透過率が低くなる程度の面積を意味する。
【0069】
すなわち、上述のグレーティングマスク28は、低透過領域28Bと透過領域28Aとの境界部分、若しくは透過領域28Aの境界部分といった、透過率が不連続的に変化する部分のうち、透過率の高い方の透過領域28Aの光の透過面積を従来よりも減少させたものであり、これにより、光の透過率が少なくとも必要以上に大きくなることが抑制される。
【0070】
なお、図16に示すグレーティングマスク28のドットパターン29、30、32、33は、対応するマスクの設計データに基づいて透明樹脂基板上に形成される。
【0071】
次に、以上に説明したグレーティングマスク28を用いたCCD部15の製造方法について、図17乃至図20を参照して説明する。なお、図17、図19は、CCD部15の製造方法を説明するための図であって、図1の一点鎖線C−C´に沿って示すCCD部15の断面図であり、図18、図20は、CCD部15の製造方法を説明するための図であって、図1の一点鎖線D−D´に沿って示すCCD部15の断面図である。
【0072】
まず、図17および図18に示すように、ウェル18が形成された半導体基板17上に、絶縁膜23を形成する。そして、この絶縁膜23上に、レジスト材料35を一様に塗布する。このレジスト材料35上に、上述のグレーティングマスク28を、X−X´方向が図1に示されるC−C´方向に沿うように位置あわせした後、このグレーティングマスク28を用いてレジスト材料35を露光し、さらに、このレジスト材料35を、例えばアルカリ性のエッチング液に浸すことにより、レジスト材料35を現像する。
【0073】
これにより、グレーティングマスク28の透過領域28Aの透過率特性に対応した膜厚の薄膜部36Aを有するレジスト膜36が形成される。この際、グレーティングマスク28は、透過領域28Aの先端部および両側部28A−2の光の透過率が従来よりも低くなるように形成されているため、薄膜部36Aの先端部および両側部26A−2に凹部が形成されることが抑制される。
【0074】
さらに、図18に示すように、薄膜部36Aは、この中央部36A−1が、両側部36A−2よりも薄くなるように形成される。
【0075】
次に、図19および図20に示すように、薄膜部36Aを有するレジスト膜36をマスクとして用いて、n型のイオンをウェル18に注入する。このとき、薄膜部36Aの膜厚が薄い箇所ほどイオンが深く注入される。従って、1度のイオン注入により、レジスト膜36の薄膜部36Aの膜厚に対応した深さの第3のN+型の不純物層25が形成される。
【0076】
すなわち、電荷の転送方向においては、図19に示すように、電荷の転送方向に向かった先端部に凹部が形成されることなく、電荷の転送方向に向かって連続的に一定の割合で深くなる第3のN+型の不純物層25を形成することができる。
【0077】
従って、第3のN+型の不純物層25によって形成されるポテンシャルは、この領域25の深さプロファイルに対応したプロファイルで形成される。すなわち、図19に点線37に示すように、ポテンシャルディップが形成されることが抑制され、電荷の転送方向に向かって深くなるポテンシャルプロファイルが形成される。
【0078】
一方、電荷の転送方向に垂直な方向においては、図20に示すように、両側部25−2に凹部が形成されることなく、かつ、両側部25−2が中央部25−1よりも深い第3のN+型の不純物層25を形成することができる。
【0079】
従って、第3のN+型の不純物層25によって形成されるポテンシャルは、この領域25の深さプロファイルに対応したプロファイルで形成される。すなわち、図20に点線38に示すように、ポテンシャルディップが形成されるが抑制され、さらに、両側部が中央部に比べて深くなるポテンシャルプロファイルが形成される。
【0080】
最後に、レジスト膜36を例えばアッシングにより除去した後、各第3のN+型の不純物層25上の所定の位置に、絶縁膜23を介して第2の転送電極27を、例えばパターニングにより形成する。これにより、図10および図11に示されるCCD部15を製造することができる。
【0081】
以上に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によれば、第3のN+型の不純物層25によって形成されるポテンシャルプロファイルに、ポテンシャルディップが発生することが抑制される。
【0082】
また、このように製造された固体撮像装置によれば、電荷の転送方向においては、先端部に凹部が形成されず、かつ、電荷の転送方向に向かって一定の割合で深くなる第3のN+型の不純物層25を有する。従って、電荷を効率的に転送することができると同時に、残像特性を向上させることができる。
【0083】
さらに、本実施形態に係る固体撮像装置によれば、電荷の転送方向に対して垂直方向においては、両側部25−2に凹部が形成されず、かつ、両側部25−2が中央部25−1より浅い第3のN+型の不純物層25を有する。従って、電荷の転送特性を向上させることができる。
【0084】
このように、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によれば、従来よりも電荷の転送効率が向上した固体撮像装置を製造することができる。
【0085】
具体的には、例えば第3のN+型の不純物層25が700段形成されたCCD部15の転送効率は、従来の転送効率がおよそ80%程度であったのに対し、上述の実施形態においては、およそ95%まで向上することが、本願発明者等によって確認された。さらに、残像特性は、およそ30%程度向上することが、本願発明者等によって確認された。
【0086】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する。なお、以下の説明においては、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法と異なる箇所のみを説明する。
【0087】
第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法と比較して、使用されるグレーティングマスクが異なる。第2の実施形態においては、この異なるグレーティングマスクを用いて電荷蓄積部の第2のN型の不純物層を形成する方法について説明する。
【0088】
第2の実施形態に係る固体撮像装置によって製造される固体撮像装置の上面図は図1と同様であり、また、図1の一点鎖線C−C´に沿った断面、および図1の一点鎖線D−D´に沿った断面は、それぞれ図10、図11と同様である。
【0089】
図21は、図1に示す第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置を、一点鎖線A−A´に沿って示す画素部および電荷蓄積部の部分断面図である。また、図22は、図1に示す第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置を、一点鎖線B−B´に沿って示す電荷蓄積部の部分断面図である。
【0090】
図21に示すように、第2のN+型の不純物層40は、前段部40−1および後段部40−2からなる。これらは共に、電荷の転送方向に向かって不純物の深さが深くなるように形成されている。しかし、後段部40−2の深さの傾きS2は、前段部40−1の深さの傾きS1よりも大きくなるように形成されている。
【0091】
また、図22に示すように、第2のN+型の不純物層40は、その両側部40−4の不純物の深さが、中央部40−3の不純物の深さよりも浅くなるように形成されている。
【0092】
次に、この第2のN+型の不純物層40を形成するためのグレーティングマスク41について、図23乃至図26を参照して説明する。
【0093】
図23は、グレーティングマスク41の構造を示す上面図である。図23に示すように、グレーティングマスク41も、図12に示すグレーティングマスク28と同様に、光の透過率が位置に応じて徐々に変化する透過領域41Aが、光をほとんど透過させない低透過領域41Bで囲われた構造である。
【0094】
さらに透過領域41Aは、第2のN+型の不純物層40の前段部40−1を形成するための前段部41A−1、および後段部40−2を形成するための後段部41A−2からなる。また、これらの前段部41A−1、後段部41A−2はそれぞれ、第2のN+型の不純物層40の両側部40−4を形成するための両側部41A−4、および中央部40−3を形成するための中央部41A−3からなる。なお、実際には第2のN+型の不純物層40は並列に複数形成されるため、グレーティングマスク41は、透過領域41Aが互いに離間して並列に複数形成されるが、ここでは1つの第2のN+型の不純物層40を形成するためのグレーティングマスク41として説明する。
【0095】
図24は、図23の一点鎖線X−X´に沿ったグレーティングマスク41の透過率特性を示す図であり、図25は、図23の一点鎖線Y−Y´に沿ったグレーティングマスク41の透過率特性を示す図である。これらの両図において、横軸はグレーティングマスク41におけるX−X´方向およびY−Y´方向に沿った位置を示し、縦軸は透過率を示す。
【0096】
図24に示すように、図23の一点鎖線X−X´方向は電荷の転送方向であり、この方向に沿った光の透過率は、透過領域41Aの前段部41A−1においては、電荷の転送方向に向かって連続的に一定の傾きS3で高くなる。そして、透過領域41Aの後段部41A−2においては、前段部41A−1の傾きS3よりも大きな傾きS4で、電荷の転送方向に向かって連続的に高くなる。
【0097】
また、図25に示すように、図23の一点鎖線Y−Y´に沿った光の透過率は、中央部41A−3に比べて両側部41A−4の光の透過率が低くなる。
【0098】
図26は、グレーティングマスク41の一部を拡大して模式的に示す上面図である。図26においても図16と同様に、大小の正方形は、それぞれ光を透過させないドットパターンを示している。また、図26のドットパターン中に示される数は、各ドットパターンの相対的な面積を示しており、図中の数が大きいほど、大きな面積のドットパターンであることを示す。なお、図26中のX−X´方向およびY−Y´方向は、それぞれ図23のX−X´方向およびY−Y´方向に対応している。
【0099】
図26に示されるように、グレーティングマスク41の低透過領域41Bには、面積の大きなドットパターン42が、透過領域41Aを囲うように格子状に配列形成されている。なお、図26においては、このドットパターン42の面積を例えば25としている。
【0100】
これに対して、透過領域41Aの前段部41A−1には、図中のX−X´方向においては、電荷の転送方向に向かって、徐々に面積が小さくなるドットパターン43が形成されている。そして、前段部41A−1の先端部に形成されるドットパターン44は、図中のX−X´方向においてこれに隣接するドットパターン42およびドットパターン43の面積の中間の面積を有するように形成されている。この点は、図16と同様である。
【0101】
また、透過領域41Aの後段部41A−2には、前段部41A−1のドットパターン43の電荷の転送方向に向かった面積減少率よりも大きな割合で面積が減少するドットパターン45が形成されている。そして、後段部41A−2の後端部分に形成されるドットパターン46は、図中のX−X´方向においてこれに隣接するドットパターン45およびドットパターン42の面積の中間の面積を有するように形成されている。
【0102】
具体的には、前段部41A−1のドットパターン43の電荷の転送方向に向かった面積減少率が2であれば、後段部41A−2のドットパターン45の電荷の転送方向に向かった面積減少率は例えば3になるように形成されている。さらに、後段部41A−2の後端部に形成されるドットパターン46は、これに隣接するドットパターン45およびドットパターン42の面積がそれぞれ11、25の中間の面積を有するように形成されている。
【0103】
なお、前段部41A−1の先端部のドットパターン44、および後段部41A−2の後端部のドットパターン46の中間の面積とは、図16に示されるドットパターン30の中間の面積と同様の意味である。
【0104】
また、透過領域41Aの両側部41A−4に形成されるドットパターン47は、低透過領域41Bに形成されるドットパターン42の面積と、中央部41A−3に形成されるドットパターン43乃至46の面積との中間の面積になるように形成されている。この点も、図16と同様である。
【0105】
なお、このドットパターン47の中間の面積とは、図16に示されるドットパターン33の中間の面積と同様の意味である。
【0106】
図26に示すように各ドットパターン42乃至47を適宜形成することにより、図24に点線48で示すように、前段部41A−1の先端部および後段部41A−2の後端部の光の透過率が必要以上に大きくなることが抑制されると同時に、図24に示すように、前段部41A−1および後段部41A−2ともに、電荷の転送方向に向かって、一定の割合で連続的に透過率が高くなる透過率特性を実現することができる。
【0107】
さらに、図25に点線49で示すように、両側部41A−4の光の透過率が必要以上に大きくなることが抑制されると同時に、図25に示すように、両側部41A−4の光の透過率が、中央部41A−3よりも低くなる透過率特性を実現することができる。
【0108】
次に、以上に説明したグレーティングマスク41を用いた電荷蓄積部14の製造方法について、図27乃至図30を参照して説明する。なお、図27、図29は、電荷蓄積部14の製造方法を説明するための図であって、図1の一点鎖線A−A´に沿って示す電荷蓄積部14の断面図であり、図28、図30は、電荷蓄積部14の製造方法を説明するための図であって、図1の一点鎖線B−B´に沿って示す電荷蓄積部14の断面図である。なお、この製造方法は、用いるグレーティングマスク41が異なるのみであり、他はCCD部15の製造方法と同様であるため、簡単に説明する。
【0109】
まず、図27および図28に示すように、絶縁膜23上に、レジスト材料35を一様に塗布する。続いて、グレーティングマスク41を、X−X´方向が図1に示されるA−A´方向に沿うように位置あわせした後、このグレーティングマスク41を用いてレジスト材料35を露光し、さらに現像する。
【0110】
これにより、グレーティングマスク41の透過領域41Aの透過率特性に対応した膜厚の薄膜部50Aを有するレジスト膜50が形成される。この際、グレーティングマスク41は、透過領域41Aの前段部41A−1の先端部、後段部41A−2の後端部、および両側部41A−4の光の透過率が従来よりも低くなるように形成されているため、薄膜部50Aの先端部、後端部、および両側部に凹部が形成されることが抑制される。
【0111】
さらに、図28に示すように、薄膜部50Aは、両側部が中央部よりも薄くなるように形成される。
【0112】
次に、図29および図30に示すように、レジスト膜50をマスクとして用いて、n型のイオンをウェル18に注入する。これにより、1度のイオン注入により、薄膜部50Aの膜厚に対応した深さの第2のN+型の不純物層40が形成される。
【0113】
すなわち、電荷の転送方向においては、図29に示すように、電荷の転送方向に向かった先端部および後端部に凹部が形成されることなく、電荷の転送方向に向かって深くなる第2のN+型の不純物層40を形成することができる。
【0114】
従って、第2のN+型の不純物層40によって形成されるポテンシャルは、この領域40の深さプロファイルに対応したプロファイルで形成される。すなわち、図29に点線51に示すように、ポテンシャルディップが形成されることなく、電荷の転送方向に向かって深くなるポテンシャルプロファイルが形成される。
【0115】
さらに、第2のN+型の不純物層40は、後段部40−2が前段部40−1よりも深さの傾斜が深いため、ポテンシャルプロファイルも、この深さプロファイルに対応して形成される。
【0116】
また、電荷の転送方向に垂直な方向においては、図30に示すように、両側部40−4に凹部が形成されることなく、かつ、両側部40−4が中央部40−3よりも深い第2のN+型の不純物層40を形成することができる。
【0117】
従って、第2のN+型の不純物層40によって形成されるポテンシャルは、この領域40の深さプロファイルに対応したプロファイルで形成される。すなわち、図30に点線52に示すように、ポテンシャルディップが形成されることなく、両側部が中央部に比べて深くなるポテンシャルプロファイルが形成される。
【0118】
最後に、レジスト膜50を例えばアッシングにより除去した後、各第2のN+型の不純物層40を含む所定の位置に、絶縁膜23を介して第1の転送電極24を、例えばパターニングにより形成する。これにより、図21および図22に示される電荷蓄積部14を製造することができる。
【0119】
以上に示すように、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によれば、第2のN+型の不純物層40によって形成されるポテンシャルプロファイルに、ポテンシャルディップが発生することが抑制される。
【0120】
また、このように製造された固体撮像装置によれば、電荷の転送方向においては、先端部および後端部に凹部が形成されず、かつ、電荷の転送方向に向かって深くなる第2のN+型の不純物層40を有する。従って、電荷を効率的に転送することができると同時に、残像特性を向上させることができる。
【0121】
さらに、第2のN+型の不純物層40は、後段部40−2の深さの傾きが前段部40−1よりも大きいため、より電荷の転送特性を向上させることができる。
【0122】
また、このように製造された固体撮像装置によれば、電荷の転送方向に対して垂直方向においては、両側部40−4に凹部が形成されず、かつ、両側部40−2が中央部40−1より浅い第2のN+型の不純物層40を有する。従って、電荷の転送特性を向上させることができる。
【0123】
このように、本実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によれば、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置と比較して、より電荷の転送効率を向上させることができる。
【0124】
以上に、第1、第2の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法およびこれらの製造方法によって製造された固体撮像装置を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0125】
例えば、第1の実施形態において適用されたグレーティングマスク28と、第2の実施形態において適用されたグレーティングマスク41とは、それぞれ別の形態として説明したが、これらのグレーティングマスク28、41を一枚のマスクとして形成し、第3のN+型の不純物層25と、第2のN+型の不純物層40とを、一度の工程で形成してもよい。
【0126】
また、第1、第2の実施形態に適用されたグレーティングマスク28に形成されるドットパターン29、30、32、33、およびグレーティングマスク41に形成されるドットパターン42乃至47の面積比、形状、および数は、説明を簡略化するために単純化して説明した。従って、それぞれのドットパターン29、30、32、33、42乃至47の面積比、形状、および数は、それぞれ限定されるものではない。すなわち、本発明に係るグレーティングマスクは、透過率に大きな差を有する透過率の境界部分のうち、透過率の高い方の領域の光の透過面積が小さくなるように形成されたマスクを全て含むものである。
【0127】
従って、本発明に係るグレーティングマスクは、例えば透明樹脂基板上に遮光性のクロム膜を一様に形成し、このクロム膜に、位置によってそれぞれ光の透過面積が異なるように開口されたドットパターンを形成することにより製造されたものであってもよい。また、光を遮断するドットパターンまたは光を透過させるドットパターンの密度を調節することにより形成されたグレーティングマスクにおいても、適用可能である。
【0128】
なお、本願において、マスク、若しくは露光用マスクと称する場合は、上述した本発明に係るグレーティングマスクのようにマスク自身を示す他、これらのマスクを形成するための設計データも含むものとする。
【0129】
また、第1、第2の実施形態に係る固体撮像装置に形成される半導体基板、および各不純物層の導電型は、本発明においては限定されない。
【0130】
次に、上述の各実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置を用いたラインセンサモジュールについて、第3の実施形態として説明する。
【0131】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法によって製造された固体撮像装置を用いたラインセンサモジュールである。以下に、この第3の実施形態に係る固体撮像装置、すなわちラインセンサモジュールについて説明する。なお、ラインセンサモジュールは、第2の実施形態に係る固体撮像装置を用いたものであってもよい。
【0132】
図31は、本実施形態によるラインセンサモジュールを示す上面図である。図31に示すように、ラインセンサモジュールは、プリント基板60の表面に、第1の実施形態に係る固体撮像装置(以下、これを固体撮像素子70と称す)を内部に含む固体撮像装置61、および複数の半導体部品62がそれぞれ実装されたものである。
【0133】
このうち、固体撮像装置61はセンサ基板63を有しており、このセンサ基板63の表面上に固体撮像素子70(図31においては図示せず)が配置されている。また、センサ基板63の表面には、固体撮像素子70を囲うように接着剤64が塗布若しくは形成されており、この接着剤64を介してセンサ基板63上には、ガラス基板65が配置されている。また、センサ基板63の裏面には、複数の半田ボール66が形成されている。なお、固体撮像素子のCCD部13は、最終的にこれらの半田ボール66に導通している。
【0134】
このような固体撮像装置61は、複数の半田ボール66が、センサ基板63の表面に設けられた複数の電極67に接触するように、プリント基板60の表面上に実装されている。
【0135】
図32は、図31の一点鎖線E−E´に沿ったラインセンサモジュールの断面図である。図32に示すように、固体撮像装置61は、受光面、すなわち、ガラス基板65の表面が、プリント基板61に対して垂直になるように、プリント基板61の表面に実装されている。
【0136】
また、固体撮像装置61に設けられた複数の半田ボール66は、それぞれこの装置61とプリント基板12とが接触する面に片寄って形成されている。
【0137】
図33は、図32の一点鎖線F−F´に沿った固体撮像装置61の断面図である。以下に、図33を参照して、固体撮像装置61をさらに詳しく説明する。図33に示すように、上述の固体撮像装置61を構成するセンサ基板63は、例えばシリコンからなる半導体基板68を有している。半導体基板68の表面には、第1の絶縁膜69が形成されており、この第1の絶縁膜69上に、固体撮像素子70が配置されている。
【0138】
また、半導体基板68上の第1の絶縁膜69の一部は除去されており、この除去された領域には、パッド71が形成されている。そして、このパッド71の下には、半導体基板68を貫通する貫通孔が形成されている。なお、パッド71は、上述の固体撮像素子70と、半導体基板68の表面に形成された配線(図示せず)により導通している。
【0139】
貫通孔の側面には、第2の絶縁膜72が形成されている。この第2の絶縁膜72の表面には、パッド71に接続されるように金属膜73が形成されている。この貫通孔の内部に形成された第2の絶縁膜72および金属膜73により、貫通電極74が形成されている。
【0140】
第2の絶縁膜72は、半導体基板68の裏面にも形成されている。また、金属膜73は、半導体基板68の裏面にも、第2の絶縁膜72を介して形成されている。半導体基板68の裏面に形成された金属膜73は、配線状に形成されている。
【0141】
この第2の絶縁膜72および配線状の金属膜73を含む半導体基板68の裏面には、ソルダーレジスト膜75が形成されている。このソルダーレジスト膜75は、配線状の金属膜73の一部を露出するように形成されている。そして、ソルダーレジスト膜75から露出された配線状の金属膜73の表面には、上述の半田ボール66が形成されている。
【0142】
すなわち、固体撮像素子70は、半導体基板68の表面に形成された配線(図示せず)、貫通電極73、半導体基板68の裏面に形成された配線状の金属膜73を介して、半田ボール66に導通している。
【0143】
このような半田ボール66を含むセンサ基板63の表面上、すなわち、半導体基板68上には、第1の絶縁膜69を介して接着剤64が設けられており、この接着剤64を介して、センサ基板63上には、ガラス基板65が配置、固定されている。
【0144】
以上に説明した固体撮像装置61が、上述のように、プリント基板60に対して垂直になるように、プリント基板60の表面に実装されている。
【0145】
このラインセンサモジュールは、以下のように製造される。すなわち、まず、固体撮像装置61を、プリント基板60に対して垂直に配置するとともに、固体撮像装置61の半田ボール66を、プリント基板60の電極67に接触させる。この後、プリント基板60全体を加熱することにより、プリント基板60の表面に固体撮像装置61を固定する。これにより、ラインセンサモジュールが製造される。
【0146】
このようなラインセンサモジュールは、チップサイズであるにも関わらず、センサとしての機能を有する。具体的には、例えば原稿から反射された光を、プリント基板60に対して平行な方向に入射させ、固体撮像装置61の内部の固体撮像素子70で受光することにより、原稿を読み取ることが可能である。
【0147】
以上に説明したラインセンサモジュールは、このモジュールの一部を構成する固体撮像素子70による電荷の転送効率が従来の固体撮像素子よりも優れているため、ラインセンサモジュールの性能を向上させることができる。
【0148】
また、このラインセンサモジュールは、固体撮像装置61が、半田ボール66によって支持された状態でプリント基板60の表面上に強固に実装されている。従って、信頼性に優れたラインセンサモジュールが提供される。
【0149】
以上に第3の実施形態に係るラインセンサモジュールについて説明した。しかし、ラインセンサモジュールの形態は、第3の実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズを内部に保持するレンズ保持体の内部に、上述のラインセンサモジュールが実装された、いわゆるレンズ縮小型のラインセンサであってもよい。また、プリント基板60の表面に、複数の固体撮像装置61が列状に実装されるとともに、この装置61の列に対して平行な方向に、セルフフォーカスレンズアレーが実装されており、プリント基板60の裏面には、光源から発せられた光を導光し、原稿に向かって出射する導光体が形成された、いわゆる密着型のラインセンサであってもよい。なお、この密着型のラインセンサにおいては、プリント基板60の形状は限定されず、例えば円弧状のプリント基板であってもよいし、また、複数のプリント基板が連結されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1・・・グレーティングマスク
2・・・透過領域
2−1・・・第1の領域
2−2・・・第2の領域
2−3・・・第3の領域
3〜7・・・ドットパターン
8・・・半導体基板
9・・・レジスト材料
10・・・レジスト膜
10A・・・薄膜部
11・・・不純物層
12・・・ポテンシャルプロファイル
13・・・画素部
14・・・電荷蓄積部
15・・・電荷転送部(CCD部)
16・・・FD部
17・・・半導体基板
18・・・ウェル
19・・・第1のN+型不純物層
20・・・第1のP+型不純物層
21・・・フォトダイオード
22・・・第2のN+型不純物層
23・・・絶縁膜
24・・・第1の転送電極
25・・・第3のN+型不純物層
25−1・・・中央部
25−2・・・両側部
26・・・第2のP+型不純物層
27・・・第2の転送電極
28・・・グレーティングマスク
28A・・・透過領域
28A−1・・・中央部
28A−2・・・両側部
28B・・・低透過領域
29、30、32、33・・・ドットパターン
31、34・・・従来のグレーティングマスクの透過率
35・・・レジスト材料
36・・・レジスト膜
36A・・・薄膜部
36A−1・・・中央部
36A−2・・・両側部
37、38・・・ポテンシャルプロファイル
40・・・第2のN+型不純物層
40−1・・・前段部
40−2・・・後段部
40−3・・・中央部
40−4・・・両側部
41・・・グレーティングマスク
41A・・・透過領域
41A−1・・・前段部
41A−2・・・後段部
41A−3・・・中央部
41A−4・・・両側部
41B・・・低透過領域
42〜47・・・ドットパターン
48、49・・・従来のグレーティングマスクの透過率
50・・・レジスト膜
50A・・・薄膜部
51、52・・・ポテンシャルプロファイル
60・・・プリント基板
61・・・固体撮像装置
62・・・半導体部品
63・・・センサ基板
64・・・接着剤
65・・・ガラス基板
66・・・半田ボール
67・・・電極
68・・・半導体基板
69・・・第1の絶縁膜
70・・・固体撮像素子(第1、第2の実施形態に係る固体撮像装置)
71・・・パッド
72・・・第2の絶縁膜
73・・・金属膜
74・・・貫通電極
75・・・ソルダーレジスト膜
101・・・従来のグレーティングマスク
102・・・透過領域
102−1・・・第1の領域
102−2・・・第2の領域
102−3・・・第3の領域
103〜105・・・ドットパターン
106・・・半導体基板
107・・・不純物層
108・・・レジスト材料
109・・・レジスト膜
109A・・・薄膜部
110・・・レジスト層の凹部
111・・・不純物層の凹部
112・・・ポテンシャルプロファイル
113・・・ポテンシャルディップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を遮断または透過させる複数の第1のドットパターンによって構成された第1の透過領域と、
前記第1のドットパターンよりも大きい面積を有し、光を遮断または透過させる複数の第2のドットパターンによって構成され、前記第1の透過領域に隣接する第2の透過領域と、
を具備し、前記第1の透過領域と前記第2の透過領域との光の透過率が、これらの領域の境界部分で不連続的に変化する露光用マスクであって、
前記第1のドットパターンと前記第2のドットパターンとの間に、これらのドットパターンの中間の面積を有し、光を遮断または透過させる複数の第3のパターンを設けたことを特徴とする露光用マスク。
【請求項2】
半導体基板の表面にレジスト材料を塗布する工程と、
前記請求項1に記載された露光用マスクを用いて、前記レジスト材料を露光する工程と、
露光された前記レジスト材料を現像する工程と、
前記レジスト材料を現像することにより形成されたレジスト膜上から、前記半導体基板にイオンを注入することにより、不純物層を形成する工程と、
を具備することを特徴とする不純物層を有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記レジスト材料を露光する工程は、電荷の転送方向に向かって光の透過率が高くなるように複数の前記第1のドットパターンが設けられた前記第1の透過領域を有する前記請求項1に記載の露光用マスクを用いて行われ、
さらに、前記不純物層を形成する工程の後に、この工程により形成された不純物層上に電極を形成する工程を具備することを特徴とする請求項2に記載の不純物層を有する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
半導体基板の表面に形成された第1導電型のウェルと、
このウェルの表面に、前記電荷の転送方向に向かって深く形成され、かつ、前記電荷の転送方向に対して垂直方向においては、両側部の深さが、中央部の深さよりも浅く形成された第2導電型の不純物層と、
この不純物層上に絶縁膜を介して形成された第1の電極と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載の固体撮像装置を表面に備えるとともに、裏面には、前記請求項4に記載の半導体装置に電気的に接続された半田ボールを備えるセンサ基板と、
このセンサ基板上に、接着剤を介して配置された透明樹脂基板と、
表面に第2の電極を備え、前記センサ基板および前記透明樹脂基板が、前記第2の電極に前記半田ボールが接触するように固定されたプリント基板と、
を具備することを特徴とする固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図12】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−197553(P2011−197553A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66585(P2010−66585)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】