説明

顔照合システム及び顔照合方法

【課題】予め登録された複数の顔画像データと撮影により得られた顔画像データとの照合により人物を特定する人物特定処理の短時間化を図ることが可能な顔照合システムを提供すること。
【解決手段】顔照合システムは、顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、顔画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の設置エリアデータに基づき所定の条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め顔画像データを登録し、車両内の人物の顔画像を撮影し、撮影により得られた顔画像データと登録された顔画像データとを照合し、車両内の人物を特定する顔照合システム及び顔照合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
走行車両のナンバープレートと運転者を撮影するシャッタ機能付きTVカメラと、撮影された複数枚の画像を記憶する画像メモリと、当該車両の走行速度が所定値以上である場合には画像メモリから時間的に連続した適当枚数の画像を出力する出力部とを備える走行車両撮影装置に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この走行車両撮影装置は、撮影された時間的に連続な一連の画像を順次に記憶してゆき、必要に応じてこれを出力する。記憶される画像は、本来必要な部分を含んだ複数枚存在するので、各画像には特別に高い解像度まで必要はなく、従って、通常の安価なTVカメラなどを使用して安価に装置を構成することができる。出力される画像は、現場から離れた中央装置に画像転送することも出来るので、中央装置側では、実時間で映像を検証することができる。また、同じ車両についての時間的に連続な一連の画像が得られるので、この画像を用いて車両速度の検証をすることもできる。また、外部センサなどを用いる必要はなく、自動速度取締装置を構成することもできる。さらに、ナンバープレートの読み取りも可能であり、従って手配車両などを実時間で検証することもできる。
【特許文献1】公開平6−180794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した走行車両撮影装置では、交通違反を起した場合、証拠として、運転手を含んだ写真も撮影するが、運転手がその車の持ち主でなかった場合や盗難車であった場合など、運転手が誰であるかを調べるのに手間がかかっていた。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、予め登録された複数の顔画像データと撮影により得られた顔画像データとの照合により人物を特定する人物特定処理の短時間化を図ることが可能な顔照合システム及び顔照合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の顔照合システム及び顔照合方法は、以下のように構成されている。
【0007】
(1)この発明は、顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、顔画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の設置エリアデータに基づき所定の条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段とを備えた顔照合システムである。
【0008】
(2)この発明は、顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録し、撮影機により顔画像を撮影し、前記撮影機の設置エリアデータに基づき所定の条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影機の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合することを特徴とする顔照合方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予め登録された複数の顔画像データと撮影により得られた顔画像データとの照合により人物を特定する人物特定処理の短時間化を図ることが可能な顔照合システム及び顔照合方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、この発明の一例の顔照合システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、顔照合システムは、撮影手段としてのカメラ1、照合手段、送信手段、及び認識手段としての制御端末2、データベース3を備えている。
【0012】
カメラ1は、各種道路を走行する車両及び車両内の人物の顔画像を撮影する。例えば、カメラ1は、160Km/h程度で走っていても鮮明な顔画像を取得でき、赤外線を使用している。カメラ1の撮影により得られた画像データ、つまり車両データ及び顔画像データは制御端末2へ送信される。
【0013】
制御端末2は、照合判定部21、認識部22、及び通信部23を備えている。制御端末2は、カメラ1の設置場所を示す住所(設置エリアデータ)を保持し、また、カメラ1が撮影する車両の進行方向情報も保持する。さらには、制御端末2は、カメラ1に付随して設置される車両速度計測機器からの車両速度計測情報を受信する。なお、照合判定部21、認識部22、及び通信部23の詳細は後述する。
【0014】
データベース3は、例えば免許情報データベース31、指名手配者及び行方不明者データベース32、盗難届けデータベース33、交通違反情報データベース34、車両情報データベース35を備えている。
【0015】
例えば、免許情報データベース31には、免許保持者全員の個人情報が登録されている。この個人情報には、少なくとも免許保持者の顔画像データと住所などの所属エリアデータとが含まれる。また、顔画像データとしては、免許証発行時に取得された顔画像データ、又は免許証更新時に取得された顔画像データが利用される。
【0016】
指名手配者及び行方不明者データベース32には、指名手配者及び行方不明者などの捜査対象者の個人情報が登録されている。この個人情報には、少なくとも捜査対象者の顔画像データと捜査対象者の住所と捜査届者の住所とが含まれる。
【0017】
盗難届けデータベース33には、盗難車両の車両情報(ナンバーなど)と盗難車両の所有者の住所と盗難車両の使用者の住所と盗難届者の住所とが含まれる。交通違反情報データベース34には、過去に交通違反を犯した回数が多い交通違反者の個人情報が登録されている。この個人情報には、少なくとも交通違反者の顔画像データと交通違反者の住所と交通違反履歴とが含まれる。
【0018】
車両情報データベース35には、車両情報(ナンバーなど)と車両の所有者と車両の使用者と所有者の住所と使用者の住所とが含まれる。
【0019】
次に、図2〜図4に示すフローチャートを参照して、上記した顔照合システムの動作について説明する。
【0020】
カメラ1は、車両と車両内の人物(運転手)が撮影可能な場所に設置される。このカメラ1の撮影により、走行車両が監視される。カメラ1による撮影の間隔は、非常に短く、次々に走行してくる車両全体像、車両のナンバー、車両内の人物(運転手)の顔写真を撮影する(以下の処理を実行している間も撮影は継続される)。
【0021】
制御端末2の照合判定部21は、カメラ1の設置場所を示す住所(設置エリアデータ)に基づき、データベース3(例えば免許情報データベース31)の中から、所定の条件に該当する住所(所属エリアデータ)を含む個人情報を優先的に選択し、カメラ1の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する(ST11、12)。
【0022】
例えば、制御端末2の照合判定部21は、カメラ1の設置場所を示す住所に基づき、カメラ1の設置場所と同じ市町村(例えば第1のエリア条件)に該当する住所を含む個人情報を優先的に選択し、カメラ1の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する。
【0023】
上記の照合処理(第1のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されれば(ST13、YES)、カメラ1により撮影された人物に関する個人情報が特定され(カメラ1により撮影された人物の身元が判明し)、照合処理は終了する。上記の照合処理(第1のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合には(ST13、NO)、照合判定部21は、カメラ1の設置場所を示す住所に基づき、カメラ1の設置場所の市町村に隣接する市町村(例えば第2のエリア条件)に該当する住所を含む個人情報を優先的に選択し、カメラ1の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する(ST14)(ST15、NO)(ST12)。
【0024】
上記の照合処理(第2のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されれば(ST13、YES)、カメラ1により撮影された人物に関する個人情報が特定され(カメラ1により撮影された人物の身元が判明し)、照合処理は終了する。上記の照合処理(第2のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合には(ST13、NO)、照合判定部21は、カメラ1の設置場所を示す住所に基づき、カメラ1の設置場所と同じ都道府県(例えば第3のエリア条件)に該当する住所(但し第1及び第2のエリア条件に該当する住所を除く)を含む個人情報を優先的に選択し、カメラ1の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する(ST14)(ST15、NO)(ST12)。
【0025】
上記の照合処理(第3のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されれば(ST13、YES)、カメラ1により撮影された人物に関する個人情報が特定され(カメラ1により撮影された人物の身元が判明し)、照合処理は終了する。上記の照合処理(第3のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合には(ST13、NO)、照合判定部21は、カメラ1の設置場所を示す住所に基づき、カメラ1の設置場所の都道府県に隣接する都道府県(例えば第4のエリア条件)に該当する住所を含む個人情報を優先的に選択し、カメラ1の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する(ST14)(ST15、NO)(ST12)。
【0026】
上記の照合処理(第4のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されれば(ST13、YES)、カメラ1により撮影された人物に関する個人情報が特定され(カメラ1により撮影された人物の身元が判明し)、照合処理は終了する。上記の照合処理(第4のエリア条件に基づく照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合には(ST13、NO)、照合判定部21は、残り全ての個人情報(第1、第2、第3、第4のエリア条件に該当する住所以外の住所を含む個人情報)を選択し、カメラ1の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する(ST14)(ST15、NO)(ST12)。
【0027】
上記の照合処理(残りの全ての個人情報に含まれる顔画像データを利用した照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されれば(ST13、YES)、カメラ1により撮影された人物に関する個人情報が特定され(カメラ1により撮影された人物の身元が判明し)、照合処理は終了する。上記の照合処理(残りの全ての個人情報に含まれる顔画像データを利用した照合処理)において、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合には(ST13、NO)(ST15、YES)、照合判定部21は、照合エラーと判断する。
【0028】
例えば、データベース3の免許情報データベース31だけを対象にした照合処理であれば、カメラ1により撮影された人物を無免許と判断することができる(ST17)。或いは、データベース3の指名手配者及び行方不明者データベース32だけを対象にした照合処理であれば、カメラ1により撮影された人物は指名手配者及び行方不明者に該当しないと判断することができる。
【0029】
仮に、撮影により得られた顔画像データと、登録されている全個人情報に含まれる顔画像データとを総当りで照合しようとすると、高速なスペックのマシンを使用しても照合に相当の時間が必要となる。この時間を大幅に短縮するために、本発明の顔照合システム及び顔照合方法は、第1段階として、カメラ1の設置エリアデータ(例えば住所)に基づき、カメラ1の設置エリアの近隣に住む人物の顔画像データと撮影により得られた顔画像データとを照合する。本発明の顔照合システム及び顔照合方法は、この第1段階での照合に失敗した場合に、第2段階として、カメラ1の設置エリアデータ(例えば住所)に基づき、カメラ1の設置エリアの近隣よりやや広範囲に住む人物の顔画像データと撮影により得られた顔画像データとを照合する。以下同様に、エリアを次第に拡大して照合処理を続ける。
【0030】
続いて、制御端末2の認識部22は、カメラ1の撮影により得られた車両画像データに含まれるナンバープレート等の画像データを抽出し、ナンバープレート上の情報を認識する(ST18)。ナンバープレート上の情報の認識に失敗した場合は(ST19、NO)、ナンバープレートが付いていない、若しくは赤外線遮断装置などを使用している可能性が高いと判断する(ST20)。
【0031】
照合判定部21は、上記の判断において無免許運転であると判断されていない場合(ST21、NO)、上記の照合処理において特定された個人情報、及び指名手配者及び行方不明者データベース32を利用し、特定された個人情報が示す人物が指名手配者又は行方不明者に該当するか否かを検索し(ST22)、特定された個人情報が示す人物が指名手配者又は行方不明者に該当するか否かを判定する(ST23)(ST24)(ST25)。なお、この実施形態では、免許情報データベース31により無免許に該当するか否かをチェックした後、指名手配者及び行方不明者データベース32により指名手配者又は行方不明者に該当するか否かをチェックするケースについて説明するが、この発明はこれだけに限定されるものではない。例えば、最初から、免許情報データベース31及び指名手配者及び行方不明者データベース32の両方を利用して、該当人物検索するようにしてもよい。
【0032】
さらに、照合判定部21は、上記の照合処理において特定された個人情報、及び交通違反情報データベース34を利用し、特定された個人情報が示す人物が過去に交通違反を犯した回数が多い人物に該当するか否かを検索し(ST26)、特定された個人情報が示す人物が過去に交通違反を犯した回数が多い人物に該当するか否かを判定する(ST27)(ST28)。なお、この実施形態では、免許情報データベース31により無免許に該当するか否かをチェックし、指名手配者及び行方不明者データベース32により指名手配者又は行方不明者に該当するか否かをチェックした後、交通違反情報データベース34により過去に交通違反を犯した回数が多い人物に該当するか否かをチェックするケースについて説明するが、この発明はこれだけに限定されるものではない。例えば、最初から、免許情報データベース31、指名手配者及び行方不明者データベース32、交通違反情報データベース34を利用して、該当人物検索するようにしてもよい。
【0033】
さらに、照合判定部21は、上記の処理においてナンバープレート上の情報が認識されていれば(ST29、YES)、認識されたナンバープレート上の情報、及び盗難届けデータベース33を利用し、認識されたナンバープレート上の情報が示す車両が盗難車両に該当するか否かを検索し(ST30)、認識されたンバープレート上の情報が示す車両が盗難車両に該当するか否かを判定する(ST31)(ST32)。なお、この実施形態では、免許情報データベース31により無免許に該当するか否かをチェックし、指名手配者及び行方不明者データベース32により指名手配者又は行方不明者に該当するか否かをチェックし、交通違反情報データベース34により過去に交通違反を犯した回数が多い人物に該当するか否かをチェックした後、盗難届けデータベース33により盗難車両に該当するか否かをチェックするケースについて説明するが、この発明はこれだけに限定されるものではない。例えば、免許情報データベース31、指名手配者及び行方不明者データベース32、交通違反情報データベース34を利用した該当人物検索と、盗難届けデータベース33を利用した盗難車両検索とを並行処理するようにしてもよい。
【0034】
さらに照合判定部21は、上記の判断において無免許運転であると判断されていない場合(ST33、NO)、特定された個人情報及び車両情報データベース35を利用し、特定された個人情報が示す人物が、認識されたナンバープレート上の情報が示す車両の所有者又は使用者に該当するか否かを検索し(ST34)、認識されたンバープレート上の情報が示す車両の所有者又は使用者に該当するか否かを判定する(ST35)(ST36)。なお、この実施形態では、免許情報データベース31により無免許に該当するか否かをチェックし、指名手配者及び行方不明者データベース32により指名手配者又は行方不明者に該当するか否かをチェックし、交通違反情報データベース34により過去に交通違反を犯した回数が多い人物に該当するか否かをチェックした後、盗難届けデータベース33により盗難車両に該当するか否かをチェックし、さらに車両情報データベース35により正規の所有者又は使用者に該当するか否かをチェックするケースについて説明するが、この発明はこれだけに限定されるものではない。例えば、免許情報データベース31、指名手配者及び行方不明者データベース32、交通違反情報データベース34を利用した該当人物検索と、盗難届けデータベース33を利用した盗難車両検索及び車両情報データベース35を利用した正規使用検索とを並行処理するようにしてもよい。
【0035】
以上の処理を経て、照合判定部21は、緊急性の高い情報(指名手配者、盗難車両、行方不明者、無免許運転、ナンバー認識不可)をピックアップする(ST37)。さらに、照合判定部21は、道路地図データ、カメラ1の設置場所を示す住所、カメラ1が撮影する車両の進行方向情報、及びカメラ1に付随して設置された車両速度計測機器からの車両速度計測情報に基づき、カメラ1により撮影された車両の所定時間後の走行位置を予測する(ST38)。通信部23は、特定された個人情報、認識された車両情報、撮影画像データ、及び撮影日時情報に加えて、ピックアップされた緊急性の高い情報と所定時間後の予測走行位置の情報とを、カメラ1の設置場所から最も近い警察署の端末などへ送信する(ST39)。
【0036】
緊急性の高い情報として、例えば以下のような情報が挙げられる。
【0037】
・無免許運転に該当するか否かを示す情報
・ナンバープレート未装着若しくは赤外線遮断装置の使用に該当するか否かを示す情報
・指名手配者に該当するか否かを示す情報
・行方不明者に該当するか否かを示す情報
・盗難車に該当するか否かを示す情報
・所定時間後の走行位置を予測した情報
警察署の端末は、顔照合システムから送信される情報を受信し、画面上に受信した情報を表示し、また記憶部に受信した情報を保存する。さらに、必要に応じて警告音を発し、署員に緊急事態を通知する。
【0038】
また、照合判定部21は、緊急性の低い情報(交通違反頻発者、不正人物の運転)もピックアップする(ST40)。通信部23は、特定された個人情報、認識された車両情報、撮影画像データ、及び撮影日時情報に加えて、ピックアップされた緊急性の低い情報を、カメラ1の設置場所から最も近い警察署の端末などへ送信する(ST41)。
【0039】
緊急性の低い情報として、例えば以下のような情報が挙げられる。
【0040】
・交通違反を犯した回数が多い人物に該当するか否かを示す情報
・不正な人物の運転に該当するか否かを示す情報
警察署の端末は、顔照合システムから送信される情報を受信し、画面上に受信した情報を表示し、また記憶部に受信した情報を保存する。
【0041】
上記説明した顔照合装置及び顔照合方法によれば、所定の道路を走行する車両及び車両内人物を撮影するためのカメラにより車両及び車両内人物を撮影し続けることにより、所定の道路を走行する車両内の人物を短時間で特定することができる。よって、指名手配者、行方不明者、過去に頻繁に交通違反を犯している人物などを短時間で検出することができ、これら人物の検出結果を警察等へ通報することができる。さらに、撮影画像、特定された人物の個人情報、及び所定時間後の予測走行位置もあわせて送信できる。
【0042】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の一例の顔照合システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す顔照合システムによる顔照合処理を説明するためのフローチャートの第1の分図である。
【図3】図1に示す顔照合システムによる顔照合処理を説明するためのフローチャートの第2の分図である。
【図4】図1に示す顔照合システムによる顔照合処理を説明するためのフローチャートの第3の分図である。
【符号の説明】
【0044】
1…カメラ、2…制御端末、3…データベース、21…照合判定部、22…認識部、23…通信部、31…免許情報データベース、32…指名手配者及び行方不明者データベース、33…盗難届けデータベース、34…交通違反情報データベース、35…車両情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、
顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の設置エリアデータに基づき所定の条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段と、
を備えた顔照合システム。
【請求項2】
顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、
顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合し、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合に、前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件より広域な第2のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段と、
を備えた顔照合システム。
【請求項3】
顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、
車両内の人物の顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合し、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合に、前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件より広域な第2のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づき撮影顔画像データに該当する顔画像データを含む個人情報を特定し、個人情報の特定結果を送信する送信手段と、
を備えた顔照合システム。
【請求項4】
免許取得者の顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、
車両内の人物の顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合し、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合に、前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件より広域な第2のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づき撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合に、前記撮影手段により撮影された人物を無免許と判断し判断結果を送信する送信手段と、
を備えた顔照合システム。
【請求項5】
捜査対象者の顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、
車両の人物の顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合し、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合に、前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件より広域な第2のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づき撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出された場合に、前記撮影手段により撮影された人物を捜査対象者と判断し判断結果を送信する送信手段と、
を備えた顔照合システム。
【請求項6】
車両識別データ、この車両識別データが示す車両の所有者又は使用者の顔画像データ、及びこれら所有者又は使用者の所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録する登録手段と、
車両画像及び車両内の人物の顔画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合し、撮影顔画像データに該当する顔画像データが検出されない場合に、前記撮影手段の設置エリアデータを構成する第1のエリア条件より広域な第2のエリア条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影手段の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する照合手段と、
前記撮影手段の撮影により得られた撮影車両画像データに含まれる車両識別画像データを抽出し認識する認識手段と、
前記照合手段の照合結果及び前記認識手段の認識結果に基づき、車両内の人物がこの車両の所有者又は使用者に該当するか否かを判断し判断結果を送信する送信手段と、
を備えた顔照合システム。
【請求項7】
顔画像データ及び所属エリアデータを含む複数の個人情報を登録し、
撮影機により顔画像を撮影し、
前記撮影機の設置エリアデータに基づき所定の条件に該当する所属エリアデータを含む個人情報を優先的に選択し、前記撮影機の撮影により得られた撮影顔画像データと選択された個人情報に含まれる顔画像データとを照合する、
ことを特徴とする顔照合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−260483(P2006−260483A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80634(P2005−80634)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】