説明

駆動装置

駆動装置は、電動機1と、電動機を収容する駆動装置ケース2と、電動機を制御するインバータ3と、インバータを冷却する冷媒の流路とを備える。インバータは、ヒートシンク53に取付けられ、空間Rを画成して駆動装置ケースに取付けられ、空間は、冷媒の流路に連通されている。ヒートシンクは、フィン56を有し、駆動装置ケースは、フィン22を有し、それらは互いに離れている。これにより、駆動装置ケース側とヒートシンク側に共に広い面積での冷却媒体との熱交換により有効に冷却される。また、フィン間が離れていることで、直接の熱伝達が回避され、耐熱温度に応じた温度勾配を保った効率のよい冷却が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、動力源として電動機を用いる駆動装置に関し、特に、電気自動車用駆動装置やハイブリッド駆動装置における冷却技術に関する。
【背景技術】
電動機を車両の駆動源とする場合、電動機はその制御のための制御装置(交流電動機の場合はインバータ)を必要とする。こうしたインバータ等の制御装置は、電動機に対してパワーケーブルで接続されるものであるため、電動機とは分離させて適宜の位置に配設可能であるが、車載上の便宜性から、電動機と一体化させる配置が採られる場合がある。
ところで、現状の技術では、制御装置の耐熱温度は電動機の耐熱温度に対して低い。そこで、上記のように制御装置を電動機と一体化させる場合、制御装置を保護すべく、電動機から制御装置への直接的な熱伝達を遮断する何らかの手段が必要である。また、制御装置は、自身の素子による発熱で温度上昇するため、耐熱温度以下に保つために冷却を必要とする。
こうした事情から、従来、電動機のステータボディの外周に溝を形成し、この溝の開放面側を制御装置のモジュールを取付けた底板で塞いで冷却路を設けた制御装置一体化電動機が国際公開第98/28833号パンフレットにおいて提案されている。この技術では、底板側の溝内に延び出す冷却フランジが形成されている。
また、同様の技術として、米国特許第5491370号明細書に記載の技術もある。この技術では、電動機のハウジングの外周に冷却流体を流す螺旋通路を形成し、この通路の開放面側を覆うようにハウジングに外装したスリーブにIGBTモジュール(インバータコンポーネント)を取付けた構成が採られている。
ところで、上記前者の従来技術の構成では、冷却フランジの形成によりモジュールを取付けた底板側の熱交換面積が拡大されているため、モジュール側の冷却が促進されるものの、ステータボディ側の冷却は溝底面の面積を熱交換面積とするため、必ずしも十分ではない。したがって、こうした構成による場合、ステータボディ側の熱が冷却フランジを介してモジュール側に伝わるのを防ぐ意味で、冷却フランジの先端は、ステータボディの溝底面からある程度離して、その間の隙間で冷却流体による断熱効果を確保する必要がある。そして、このように隙間を広く取った場合、冷却フランジの流路ガイドとしての効果は低下する。
一方、前記後者の技術では、スリーブが冷却流体と接する面積を十分に確保することが困難なため、インバータコンポーネントを十分に冷却するには、螺旋通路に流す冷却流体の流量を多くする必要があるが、この場合、冷却流体の循環のためのポンプ等が大型化し、その駆動のためのエネルギを大きくなる。また、この技術では、螺旋通路を画成する壁の先端がスリーブと直接接触するため、この接触部分での熱伝達が生じることから、インバータコンポーネントを耐熱温度以下に保つには、電動機のハウジングの温度を実質上その温度まで下げる冷却を必要とし、冷却能率の面からも非能率である。
本発明は、こうした従来技術を踏まえて案出されたものであり、電動機にインバータを一体化させた駆動装置において、電動機からインバータへの熱伝達を抑えながら、限られた冷却空間内で冷媒に対する最大限の放熱面積を確保することを主たる目的とする。次に、本発明は、冷却空間内の放熱手段により冷媒の流れを促進して、冷却性能を向上することを更なる目的とする。
【発明の開示】
上記目的を達成するため、本発明は、電動機と、該電動機を収容する駆動装置ケースと、電動機を制御するインバータと、該インバータを冷却する冷媒の流路とを備える駆動装置において、前記インバータは、その基板と一体化されたヒートシンクが駆動装置ケースと対向する部分に空間を画成して駆動装置ケースに取付けられ、前記空間は、冷媒の流路に連通され,前記ヒートシンクは、駆動装置ケースに向けて空間内に延び出すヒートシンク側フィンを有し、前記駆動装置ケースは、ヒートシンクに向けて空間内に延び出す駆動装置ケース側フィンを有し、前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、互いに離れていることを主たる特徴とする。
この構成では、駆動装置ケース側とヒートシンク側に共に十分な伝熱面積が確保されるため、それらの広い面積での冷却媒体との熱交換による冷却の促進により、両者をそれぞれ有効に冷却することができる。また、ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンが離れていることで、駆動装置ケースからヒートシンクへの直接の熱伝達が回避されるため、駆動装置ケース側の温度をヒートシンク側に必要とされる制御装置の耐熱温度まで下げる必要がなく、両者間の温度勾配を保った効率のよい冷却が可能となる。これにより電動機とインバータとの一体化によるインバータの温度上昇を少ない冷媒流量で効率よく防ぐことができる。
上記の構成において、前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、協働して共通の冷媒流れパターンを前記空間内に生じさせるものであることが望ましい。この構成では、フィンを利用した共通の冷媒の流れが空間内のヒートシンク側、駆動装置ケース側共に生じるため、空間内に冷媒流れの干渉による澱みが生じるのを防ぐことができる。
この場合の前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、同種のフィンとしても、異種のフィンとしてもよい。特に、同種のフィンとした構成では、ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンを同様の配列のものとするだけで、空間内での流れの干渉による澱みのない所期の流れパターンを生じさせることができる。
そして、同種のフィンとする場合、前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、共にピン状フィンとすることができる。この構成では、リブ状フィンで空間内の流体流れを誘導する構成に比べて、流路抵抗を大幅に低減することができる。したがって、この構成によれば、流路の圧力損失を小さくすることができ、それにより、駆動装置に一体化されたインバータを少ないエネルギ消費で冷却することができる。
また、異種のフィンとする場合、それらの一方がリブ状フィンからなり、他方がピン状フィンからなるものとすることができる。この構成では、ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンを共にリブ状フィンとした構成に比べて、ピン状フィン側で流路抵抗が低減される分だけ、空間全体でみた流路抵抗を小さくすることができる。
また、上記の構成において、前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、それらの間に微小な隙間を挟んで、協働して前記空間を実質上横断するものであることが望ましい。この構成では、ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンの直接接触による熱伝達を回避しながら、空間内に流れの干渉による澱みのない実質上1つの冷却流体の流れを生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の駆動装置の冷却系のシステム構成図、図2は駆動装置の軸方向縦断面、図3は駆動装置の軸横断方向縦断面図、図4は第1実施形態のフィン配列をヒートシンクと駆動装置ケースと対向面を同一平面上に並べて示す模式平面図、図5は第2実施形態のフィン配列を図4と同様の表記方法で示す模式平面図、図6は第3実施形態のフィン配列を図4と同様の表記方法で示す模式平面図、図7は第4実施形態のフィン配列を図4と同様の表記方法で示す模式平面図、図8は第5実施形態のフィン配列を図4と同様の表記方法で示す模式平面図であり、図9はヒートシンク構成が異なる場合の駆動装置の軸方向縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。まず図1は、本発明を適用した駆動装置の冷却系を模式化して概念的に示す。この装置は、図示を省略する電動機と、該電動機を収容する駆動装置ケース2と、電動機を制御するインバータ3と、インバータ3を冷却する冷媒の流路4とを備える。本明細書いうインバータとは、バッテリ電源の直流をスイッチング作用で交流(電動機が3相交流電動機の場合は3相交流)に変換するスイッチングトランジスタや付随の回路素子と、それらを配した回路基板からなるパワーモジュールを意味する。この形態における駆動装置は、電気自動車又はハイブリッド車用の駆動装置を構成するもので、駆動装置ケース2は、図示しない電動機としてのモータ又はジェネレータ若しくはそれら両方と、ディファレンシャル装置、カウンタギヤ機構等の付属機構を収容している。インバータ3は、その基板自体又は別部材を基板に取付けることで基板と一体化されたヒートシンク53が駆動装置ケース2と対向する部分に空間を画成して駆動装置ケース2に取付けられ、前記空間は、冷媒の流路4に連通されている。この形態における、冷媒の流路4は、ヒートシンク53の流路を通して単一の冷媒を循環させる冷媒循環路とされている。
ヒートシンク53を通して単一の冷媒としての冷却水を循環させる冷媒循環路は、圧送源としてのウォーターポンプ41と、熱交換器としてのラジエータ42と、それらをつなぐ流路43,44,45とから構成されている。なお、ウォーターポンプ41の駆動モータ等の付属設備については、図示を省略されている。冷媒循環路の起点としてのウォーターポンプ41の吐出側流路43は、ヒートシンク53の入口側のポート51に接続され、ヒートシンク53の出口側のポート52は、戻り流路44を経てラジエータ42の入口421側に接続され、ラジエータ42の出口422側がウォーターポンプ41の吸込側流路45に接続されている。したがって、この冷媒循環路において、冷媒としての冷却水は、ウォーターポンプ41から送り出された後、ヒートシンク53内の空間を流れる際にインバータ3のモジュールからの熱を吸収して加熱され、戻り流路44を経由でラジエータ42に送り込まれて空気への放熱により冷却され、ウォーターポンプ41に戻されて一巡のサイクルを終わる循環を繰り返すことになる。なお、この冷媒循環路は、途中、例えば戻り流路44の部分で、更なる冷却のために駆動装置ケース2内を通る流路とすることもできる。
次に示す図2及び図3は、駆動装置の軸方向縦断面及び軸横断方向縦断面を簡略化して示すもので、図2において、符号1は電動機を示し、11はそのロータ軸、12はロータコア、13はステータコアを示し、図3において、破線で示す円は電動機1の外径、最大径の一点鎖線で示す円はディファレンシャル装置のリングギヤの噛合ピッチ径、中間径の一点鎖線で示す各円は、ロータ軸11とディファレンシャル装置のリングギヤとの間で動力を伝達するカウンタギヤ機構の各ギヤの噛合ピッチ径を示す。
駆動装置ケース2には、その上部にヒートシンク53を底壁として一体形成されたインバータケース5の取付部が一体形成されている。インバータケース5の取付部は、電動機収容部の外周に接するように配置され、インバータケース5の平面外形と実質上符合する平面外形の台状とされ、外形を枠状に囲う周壁21により画成される空間R1を備えている。この空間R1が、ヒートシンク53が駆動装置ケース2と対向する部分に画成される空間Rの駆動装置ケース2側空間を構成する。
ヒートシンク53は、本形態ではインバータ3の基板とは別部材とされ、インバータケース5の底壁53で構成されており、インバータケース5は、底壁53から外形を枠状に囲うように上方に延びる周壁54を備えるケース状とされ、その内部がインバータ3の収容空間とされている。そして、インバータ3を構成するモジュールは、それを密接させて一体化すべく平坦に仕上げ加工されたインバータケース5の底壁53に適宜の手段で緊密に固定されている。そして、インバータケース5の上側開放部は、カバー7で蓋されている。インバータケース5の底壁53より下方には、その外形を枠状に囲うように下方に延びる周壁55により画成される空間R2が設けられている。この空間R2が、ヒートシンク53が駆動装置ケース2と対向する部分に画成される空間Rのヒートシンク53側空間を構成する。
このように構成されたインバータケース5は、駆動装置ケース2の取付け面に当接させ、ボルト締め等の適宜の固定手段で固定一体化されている。この当接部は、直接接触する配置でもよいが、図示の例では、取付部での熱伝達を防ぐように、インバータケース5と駆動装置ケース2の合せ面間にシール機能又は断熱機能若しくはそれら両方の機能を持つ適宜の中間部材6が介挿されている。この中間部材6は、断熱材又は断熱シール材とする場合は、合せ面間に介挿することが望ましいが、別個の断熱材とシール材とする場合は、シール材については、合せ面に溝を形成し、その中に配置する構成とすることもできる。
本発明の特徴に従い、ヒートシンク53は、駆動装置ケース2に向けて空間内に延び出す多数のヒートシンク側フィン56を有し、駆動装置ケース2は、ヒートシンク53に向けて空間内に延び出す多数の駆動装置ケース側フィン22を有し、これらヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は、それらの先端が接触しないように、互いに離れている。なお、全ての図において、これらフィン56,22の数は、図面の錯綜を避ける意味で、実際の配置個数より減じて示されている。こうした両フィンが互いに離れている構成は、同位置に配置されたフィンの先端に隙間を設けても、また異なる位置にフィンを配置することによっても実現することができる。このようないずれの構成を採る場合も、これらヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は、協働して共通の冷媒流れパターンを空間内に生じさせるものとされている。
次に示す図4は、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22の第1実施形態の配列パターンを、実際には向い合う関係にあるインバータケース5の底面と駆動装置ケース2側の取付面を同一平面に並べて表記した模式平面で示す。この形態では、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は共に等間隔配列で同一パターンのピン状フィンとされている。この形態の場合、両フィンとも空間R内での配置位置が一致するため、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は、それらの間に微小な隙間を挟んで互いに離れてはいるが、協働して空間Rを実質上横断するように、配置本数を同一としたものである。
この第1実施形態のフィン配列パターンの場合、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22の直接接触による熱伝達を回避しながら、換言すれば両フィン間の隙間を流れる流体を断熱層として、空間内に流れの干渉による澱みのない実質上1つの冷却流体の流れパターンを生じさせることができる。また、リブ状フィンで空間内の流体流れを誘導する構成に比べて、流路抵抗を大幅に低減することができる。したがって、この構成によれば、流路の圧力損失を小さくすることができ、それにより、駆動装置に一体化されたインバータ3を駆動装置ケース2と共に少ないエネルギ消費で冷却することができる。
次の図5に示す第2実施形態は、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22を共にピン状フィンとしたものであり、両フィンとも空間の平面に対して等間隔配列のフィンとされているが、この形態では、駆動装置ケース側フィン22については、ヒートシンク側フィン56より本数を減じられて、配設密度の粗いものとされている。こうした配列では、ヒートシンク側のフィン56による熱交換面積が大きくなるため、ヒートシンク53側の冷却がより強力に行なわれ、冷却能力の違いによりインバータ3及び電動機1それぞれの耐熱温度に合わせた温度勾配を空間内に生じさせることができる。しかも、前記第1実施形態に対して、駆動装置ケース側フィン22の配置密度が粗い分だけ空間R全体としての圧力損失を小さくすることができ、一層のエネルギ消費の低減が可能となる。
次の図6に示す第3実施形態は、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22を共に流体の入口から出口方向に延びる等間隔で並行配列のリブ状フィンとし、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は、それらの間に微小な隙間を挟んで、協働して空間Rを実質上横断するするように、配置本数を同一としたものである。こうした配列では、流路全体の圧力損失は先の2つの実施形態より大きくなるが、熱交換面積が大きくなるため、冷却効率は大幅に向上する。
更に、図7に示す第4実施形態は、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は、同種のリブ状フィンフィンとされ、両フィンとも流体の入口から出口方向に延びる等間隔で並行配列のフィンとされているが、この形態では、駆動装置ケース側フィン22については、ヒートシンク側フィン56より本数を減じられている。こうした配列では、先の第1実施形態と第2実施形態の関係と同様に、ヒートシンク側のフィン56による熱交換面積が大きくなるため、ヒートシンク5側の冷却がより強力に行なわれ、インバータ3及び電動機1それぞれの耐熱温度に合わせた温度勾配を空間内に生じさせることができる。そして、この形態の場合も、駆動装置ケース側フィン22の配列密度が粗い分だけ空間R全体としての圧力損失を小さくすることができる。
次に、図8に示す第5の形態では、ヒートシンク側フィン56と駆動装置ケース側フィン22は、それらの一方の駆動装置ケース側フィン22がリブ状フィンからなり、他方のヒートシンク側フィン56がピン状フィンからなる構成とされている。このようにフィン22,56の一方をリブ状とし、他方をピン状とした場合、リブ状フィンが配置された側の空間内の流れは、圧力損失の点で不利であるが、空間の各部において、流れを強制的に導いて均一化するのに有利であり、ピン状フィンが配置された側の空間内の流れは、圧力損失が小さくなる点で有利である。したがって、こうしたフィン配置によると、両空間のフィンを共にリブ状とした場合に比べて、空間内流路の流れ抵抗を全体として小さくすることができ、両空間のフィンを共にピン状フィンとした場合に比べて流れ特性を良好にすることができる。
以上、インバータを構成するモジュール基板とヒートシンクが別部材で構成される場合について、フィン形状と配列を変更した各実施形態を例示したが、同様のフィン形状と配列は、インバータ3自体がヒートシンクを備える場合についても実現することができる。最後の図9に示す駆動装置軸方向断面は、ヒートシンクがモジュール基板で構成される場合を想定した空間の画成構造を示す。この形態では、インバータケース5は、底壁のない枠状構造とされ、その周壁55から内側に張出す棚状部分56にヒートシンク33の周囲を載置し、それらの間に図示を省略する適宜のシール手段を介在させて載置部を密封し、適宜の手段で固定した構成が採られている。こうした構成を採っても、ヒートシンク33側のフィン36と駆動装置ケース側フィン22を同様に先端部が離れた配置とすることができる。この形態の場合、空間Rは、駆動装置ケース2とインバータケース5とインバータモジュールのヒートシンク33とで画成される。その余の構成は、全て先に例示した各実施形態の場合と同様であるので、相当する部材に同様の参照符号を付して説明に代える。
以上、本発明を6つの実施形態に基づき詳説したが、本発明はこれらの実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成を変更して実施することができる。例えば、前記各形態では、冷媒を専ら冷却水として例示したが、他の適宜の冷媒を用いることも当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
本発明は、電気自動車用駆動装置やハイブリッド駆動装置のほかに、電動機とインバータを一体化させた装置に広く適用可能なものである。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機(1)と、
該電動機を収容する駆動装置ケース(2)と、
電動機を制御するインバータ(3)と、
該インバータを冷却する冷媒の流路(4)とを備える駆動装置において、
前記インバータは、その基板と一体化されたヒートシンク(33,53)が駆動装置ケースと対向する部分に空間(R)を画成して駆動装置ケースに取付けられ、
前記空間は、冷媒の流路に連通され,
前記ヒートシンクは、駆動装置ケースに向けて空間内に延び出すヒートシンク側フィン(36,56)を有し、
前記駆動装置ケースは、ヒートシンクに向けて空間内に延び出す駆動装置ケース側フィン(22)を有し、
前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、互いに離れていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、協働して共通の冷媒流れパターンを前記空間内に生じさせるものである、請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、それらの一方がリブ状フィンからなり、他方がピン状フィンからなる、請求項2記載の駆動装置。
【請求項4】
前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、それらの間に微小な隙間を挟んで、協働して前記空間を実質上横断するものである、請求項1又は2記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、同種のフィンとされた、請求項2又は4記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ヒートシンク側フィンと駆動装置ケース側フィンは、共にピン状フィンとされた、請求項5記載の駆動装置。

【国際公開番号】WO2004/025808
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【発行日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−535860(P2004−535860)
【国際出願番号】PCT/JP2003/005748
【国際出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】