高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置
【課題】 フリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置を提供する。
【解決手段】シリコン基板11上に誘電体薄膜層13を積層してなる実装基板10を設ける。前記実装基板10のシリコン基板11にエッチング孔部18を設ける。前記シリコン基板11に接する誘電体薄膜層13に接地用導体層12を形成する。前記誘電体薄膜層13の上面にマイクロストリップ線路部(伝送線路部)14を形成する。前記マイクロストリップ線路部14上にバンプ16を介してフリップチップ実装し、エッチング孔部18に対応する位置に高周波回路チップ15を配置した。
【解決手段】シリコン基板11上に誘電体薄膜層13を積層してなる実装基板10を設ける。前記実装基板10のシリコン基板11にエッチング孔部18を設ける。前記シリコン基板11に接する誘電体薄膜層13に接地用導体層12を形成する。前記誘電体薄膜層13の上面にマイクロストリップ線路部(伝送線路部)14を形成する。前記マイクロストリップ線路部14上にバンプ16を介してフリップチップ実装し、エッチング孔部18に対応する位置に高周波回路チップ15を配置した。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置に関し、特に高周波半導体装置である高周波半導体集積回路と無線装置としての無線端末装置、無線基地局装置及び無線計測装置に施用して好適なるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波集積回路における実装技術には、バンプによる電極間の接合をするフリップチップ実装技術が注目されている。
【0003】図12は従来のフリップチップ実装技術を用いた高周波集積回路を成す高周波半導体装置の構成を示す。高周波半導体装置は、半導体基板としてのシリコンあるいはガラス基板80の上に、接地導体層81を形成し、次いで接地導体層81の上に誘電体膜82からなる層間絶縁膜を積層して形成する。さらに配線導体83を用いて高周波配線を島状に形成し、島状の配線導体83上にバンプ84を用いて回路チップ85をフリップチップ実装することにより高周波半導体装置を製造している。以上に説明した装置では、絶縁膜として誘電薄膜82を用い、配線導体83をマイクロストリップ線路として用いることにより、高周波領域における利用が可能になる。
【0004】このような実装技術を採用した高周波半導体装置には、例えば特開平9−283693号公報に記載されているものがある。この高周波半導体装置は、半導体基板上に誘電体膜と電気回路層とを多層に形成して成る実装基板上の、半導体基板上に誘電体膜と配線層とを多層に形成してなり、その一方の面に接地導体を有する高周波回路チップを、接地導体面が実装基板の面と向き合うように、バンプを用いてフリップチップ実装することにより構成してある。このような高周波半導体装置では、高周波回路チップを実装する直下の位置に制御回路を形成できるので、小形・高集積化を実現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の高周波半導体装置では、誘電体薄膜層及び伝送線路上にフリップチップ実装した高周波回路チップや、誘電体薄膜層上に形成したスパイラルインダクタなどの受動回路においては、高周波回路チップと受動回路との接地面における距離が数10μm程度しかなく、高周波回路チップと受動回路との接地面における寄生容量が原因となる特性劣化を避けることができなくなる。また、例えば高周波回路チップと受動回路との接地面を何らかの手段により取り除いたとしても、その下にある誘電体により高周波特性が劣化することがある。
【0006】本発明の目的は、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の高周波半導体装置は、第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層がない誘電体薄膜層だけとなる。このため、接地用導体層及び第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0008】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置が得られる。
【0009】本発明の高周波半導体装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができる。
【0010】本発明の高周波半導体装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができる。
【0011】本発明の高周波半導体装置は、誘電体薄膜層が多層に形成され、多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の誘電体薄膜層に接する領域において多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を誘電体薄膜層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0012】本発明の高周波半導体装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくできると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップの特性を得ることができる。
【0013】本発明の高周波半導体装置は、第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する樹脂シート層に形成された接地用導体層と、樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層のない誘電体薄膜層だけとなる。このため、接地用導体層や第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0014】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置が得られる。
【0015】本発明の高周波半導体装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができる。
【0016】本発明の高周波半導体装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができる。
【0017】本発明の高周波半導体装置は、樹脂シート層が多層に形成され、多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の樹脂シート層に接する領域において多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を樹脂シート層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0018】本発明の高周波半導体装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくすることができると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高周波領域まで安定した高周波回路チップの特性を得ることができる。
【0019】本発明の高周波半導体装置は、伝送線路部が、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択してなる。このような構成からなる本発明は、第2のシリコン基板上の伝送線路部として最適な線路を選択することにより、伝送線路部によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0020】本発明の高周波半導体装置は、第1の半導体基板及び第2の半導体基板が、シリコン基板、セラミック基板あるいはガラス基板より一つを選択してなる。このような構成からなる本発明は、第1及び第2の半導体基板として最適な基板を選択することにより、第1及び第2の半導体基板によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0021】本発明の高周波半導体装置は、誘電体薄膜層が、ベンゾシクロブテンまたはポリイミドから形成してある。このような構成からなる本発明は、誘電体薄膜層として好適にすることにより、誘電体薄膜層によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0022】本発明の高周波半導体装置は、樹脂シート層が、ポリイミドシートで形成してある。このような構成からなる本発明は、樹脂シート層として好適にすることにより、誘電体薄膜層によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0023】本発明の高周波半導体装置は、高周波回路チップの回路が第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成してある。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップをフリップチップ実装する必要がなく、モノリシック化ができるので、製造が容易で、コストの低廉化を図ることができる。
【0024】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層がない誘電体薄膜層だけとなる。このため、接地用導体層及び第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0025】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置を用いた無線装置が得られる。
【0026】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0027】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0028】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、誘電体薄膜層が多層に形成され、多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の誘電体薄膜層に接する領域において多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を誘電体薄膜層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0029】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくできると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップの性能を得ることができ、無線装置として好適にすることができる。
【0030】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する樹脂シート層に形成された接地用導体層と、樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層がない樹脂シート層だけとなる。このため、接地用導体層及び第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0031】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置を用いた無線装置が得られる。
【0032】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び吸放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0033】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0034】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、樹脂シート層が多層に形成され、多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の樹脂シート層に接する領域において多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を樹脂シート層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0035】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくできると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップの性能を得ることができ、無線装置として好適にすることができる。
【0036】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、伝送線路部が、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択してなる。このような構成になる本発明は、第2のシリコン基板上の伝送線路部として最適な線路を選択することにより、伝送線路部によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができ、無線装置として好適にすることができる。
【0037】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、高周波回路チップの回路が第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成してある。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップをフリップチップ実装する必要がなく、モノリシック化ができるので、製造が容易で、コストの低廉化を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0039】(実施の形態1)図1は本発明の高周波半導体装置における実施の形態1を示す断面図、図2は図1R>1に示す高周波半導体装置の組立て例を示す分解斜視図である。
【0040】図1及び図2において、高周波半導体装置1の実装基板10は、第1の半導体基板としてのシリコン基板11上にベンゾシクロブテンBCBからなる誘電体薄膜層13を積層して形成してある。この誘電体薄膜層13としてはポリイミドシート等の樹脂シート層を積層して形成することも可能である。シリコン基板11には、エッチングにより形成されたエッチング孔部18が設けてある。シリコン基板11に形成したエッチング孔部18はこの実施の形態においては貫通して形成してあるけれども、凹状の窪みとすることも可能である。この場合に、エッチング孔部18の凹状の窪みの深さは、高周波回路チップ15の基板の厚さが100μm程度であるため、バンプ16の高さを考慮すると、200μ程度が望ましい。このようなエッチング孔部18の貫通孔形状及び凹形状は、シリコン基板11においてドライエッチング加工技術を用いることにより、容易に実現することができる。
【0041】接地用導体層12は、シリコン基板11に接する誘電体薄膜層13に形成してある。即ち、シリコン基板11に形成したエッチング孔部18を除いて形成してある。マイクロストリップ線路(伝送線路部)14は誘電体薄膜層13の上面に形成される。高周波回路チップ15は、マイクロストリップ線路14上にバンプ16を介してフリップチップ実装し、エッチング孔部18に対応する位置に配置される。
【0042】誘電体薄膜層13は、高周波誘電率の低いベンゾシクロブデンやポリイミド等の材料から形成される。
【0043】高周波回路チップ15は、エッチング孔部18に対応する位置に配置されるので、高周波回路チップ15の下側部分に接地用導体層12がない構造となっている。なお、高周波回路チップ15をフリップチップ実装する際には、封止樹脂17を用いる。
【0044】このような構成からなる高周波半導体装置1は、実装基板10のシリコン基板11にエッチング孔部18を形成し、シリコン基板11に接する誘電体薄膜層13に接地用導体層12を設けると共に、誘電体薄膜層13の上面にマイクロストリップ線路14やエッチング孔部18に対応する位置に高周波回路チップ15が配置されることにより、高周波回路チップ15の下側は接地用導体層12がない誘電体薄膜層13だけとなる。このため、接地用導体層12及びシリコン基板11による高周波回路チップ15の特性劣化を防止することができる。
【0045】これによって、伝送線路部14上にフリップチップ実装した高周波回路チップ15の特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置1及びその装置を用いた無線装置が得られる。
【0046】また、誘電体薄膜13の材料として、高周波誘電率の低い(例えば、誘電率εγ=2.6)のベンゾシクロブテンBCBを用いることにより高周波回路チップ15の特性劣化をさらに抑えることができる。また、高周波回路チップ15の回路面は、封止樹脂17及び誘電体薄膜層13で保護されるので、電極の酸化を防止することができる。
【0047】(実施の形態2)図3及び図4は本発明における実施の形態2を示す断面図で、図3は高周波半導体装置の断面図、図4は図3のA部拡大図である。以下、本実施の形態について説明する。なお、説明に際して実施の形態1と同一の構成部分については、同一の符号を付け、その重複する説明を省略する。
【0048】図3に示す高周波半導体装置1は、第2の半導体基板としての第2のシリコン基板20を備えており、この第2のシリコン基板20は、バンプ16を介在してマイクロストリップ線路(伝送線路部)14にフリップチップ実装された高周波回路チップ15を覆い、誘電体薄膜層13に接している。即ち、第2のシリコン基板20にはエッチング技術を用いて凹状の窪み20Bが形成してあり、この窪み20B内に高周波回路チップ15が複数個収容してある。また、窪み20Bに高周波回路チップ15を収容するに際して、第2のシリコン基板20と高周波回路チップ15との間に熱伝導性の樹脂を封入して、熱伝導樹脂層21を形成してある。尚、第2の半導体基板20は、シリコンに限らず、放熱性の良いセラミックスや金属材料から形成することが可能である。
【0049】また、実装基板10は、第2のシリコン基板20が接する位置の誘電体薄膜層13に穿設された第1のヴィアホール23と、実装基板10を挟んで第2のシリコン基板20と対峙する位置に設けられた吸放熱手段としてのヒートシンク22と、このヒートシンク22と接する位置のシリコン基板11に穿設された第2のヴィアホール24とを備えている。
【0050】また、誘電体薄膜層13は図4に拡大して示すように、多層構造に形成してある。即ち、図4に示す実施の形態においては、誘電体薄膜層13を2層13a,13bに形成し、誘電体薄膜層13の上下面に接地用導体層25,12が形成してある。また、マイクロストリップ線路14が3つに分割されたマイクロストリップ線路14a,14b,14cから構成されており、このマイクロストリップ線路14(14a,14b,14c)は、誘電体薄膜層の上面に形成されると共に、第2のシリコン基板20が誘電体薄膜層13に接する領域において多層の誘電体薄膜層13の層13aと層13bとの間に形成してある。誘電体薄膜13の上面及び層13a,13b間に設けたマイクロストリップ線路14a,14b,14cのそれぞれは、相互にヴィアホール23a,23bで接続してある。また、接地用導体層12と接地用導体層25との間はヴィアホール23cで接続してある。ここに、ヴィアホール23a,23b,23cは第1ヴィアホール23を構成している。
【0051】斯かる構成において、高周波回路チップ15で発生した熱は、第1ヴィアホール23(23a,23b,23c)及び第2ヴィアホール24を介して、第2のシリコン基板20及びヒートシンク22に伝導されて放熱される。このとき、高周波回路チップ15と第2のシリコン基板20間に熱伝導性樹脂層21が設けられていることにより、熱伝導性が良好となり放熱が促進される。
【0052】これによって、高周波回路チップ15の作動時の発熱が第2のシリコン基板20及びヒートシンク22を介して放熱され、高周波回路チップ15の作動時における特性劣化を防止することができる。
【0053】また、マイクロストリップ線路14a,14cはヴィアホール23a,23bを介して、一旦内層を通るストリップ線路14bと連絡されるため、第2のシリコン基板20を誘電体薄膜層13に密着させることができ、高周波回路チップ15を密閉状態にすることが可能になる。このため、高周波回路チップ15が第2のシリコン基板20内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップ15の特性劣化を防止することができる。
【0054】(実施の形態3)図5は本発明における実施の形態3を示す図面で、高周波半導体装置の断面図である。この実施の形態3が実施の形態2と異なる点は、第2の実施の形態で述べた第2のシリコン基板20の外表面に放熱用フィン30を形成した点である。
【0055】斯かる構成においては、作動時、高周波回路チップ15で発生した熱を熱伝導樹脂層21で効率良く伝導させて放熱用フィン22において放熱することにより、この放熱用フィン30によって放熱作用がさらに高められて、高周波回路チップ15の動作時における熱による特性劣化を防止することができる。
【0056】(実施の形態4)図6及び図7は本発明における実施の形態4を示す図であり、図6の(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は断面図(A)のマイクロストリップ線路の一部を示す平面図、図7は図6における高周波回路チップ及び受動素子部の回路図である。
【0057】図6に示す高周波半導体装置1は、2層13a,13bの誘電体薄膜層13の上に形成したマイクロストリップ線路14の一部をスパイラルインダクタ31とMIM容量(静電容量)32とからなる受動素子部33で構成してある。
【0058】また、受動素子部33に対応する位置のシリコン基板11にエッチング孔部18が形成してある。
【0059】高周波回路チップ15内に集積した回路としては、コレクタ接地型のコルピッツ発振回路39が用いられている(図7参照)。即ち、コルピッツ発振回路39は、能動素子であるトランジスタ40a、トランジスタ40aのベース側に接続される帰還容量であるコンデンサ40b,40c、バイアス抵抗である抵抗40e,40f、トランジスタ40aのコレクタ側に接続される電源端子41、トランジスタ40aのエミッタ側と接地側との間のバイアス抵抗40dからなる。トランジスタ40aのベース側に接続されるコンデンサ40b,40cの略中点からはトランジスタ40aのエミッタ側を経て出力端子42と接続されている。また、トランジス40aのべース側には受動素子部33のスパイラルインダクタ31及びMIM容量32が直列に接続してある。
【0060】斯かる構成においては、マイクロストリップ線路14上に形成した受動素子部33(スパイラルインダクタ31及びMIM容量32)に対応する位置のシリコン基板11にエッチング孔部18を形成して接地用導体層12が取り除かれているから、寄生容量を小さくすることができると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップ15の性能を得ることができる。
【0061】(実施の形態5)図8は本発明における実施の形態5を示す図で、(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は断面図(A)の要部の平面図である。この実施の形態5が先に説明した実施の形態4と異なる点は、高周波回路チップ15の回路43をシリコン基板11上に半導体プロセスによって形成した点である。
【0062】斯かる構成によれば、高周波回路チップ15をフリップチップ実装する必要がなく、モノリシック化が実現できるので、製造が容易となり、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0063】(実施の形態6)図9は本発明における実施の形態6を示す図で、高周波半導体装置の断面図である。この実施の形態6がこれまでに説明してきた実施の形態と異なるところは、誘電体薄膜層13として樹脂シートを用い、この樹脂シート層にポリイミドシート50を用いている点と、シリコン基板11にエッチング孔部18を凹状に形成した点である。
【0064】即ち、シリコン基板11上にポリイミドシート(樹脂シート層)50を積層してなる実装基板1のシリコン基板11に、貫通しない凹状のエッチング孔部18が形成してある。
【0065】斯く構成することによっても、先に説明した実施の形態と略同様の作用及び効果が得られる。加えて、シリコン基板11に形成したエッチング孔部18が貫通しない凹状に形成してあるから、シリコン基板11の機械的強度が強いものとなる。
【0066】(実施の形態7)図10は本発明における実施の形態7を示す図で、(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は断面図(A)の底面図である。
【0067】この実施の形態7が実施の形態6と異なるのは、ポリイミドシート50の代わりにセラミックス基板51を用いている点、接地導体12の略中央部に接地導体窓52を形成した点が異なる。斯く構成しても、先に述べた実施の形態と略同様の作用及び効果が得られる。
【0068】(実施の形態8)図11は本発明における実施の形態8を示す図で、(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は同じく平面図である。
【0069】この実施の形態8が実施の形態7と異なるのは、セラミックス基板51の上面に伝送線路部14としてコプレナ型伝送線路60を用いている点である。斯く構成しても先に述べた実施の形態と略同様の作用及び効果が得られる。また、伝送線路部14によって高周波回路チップ15の性能が低下しないようにすることができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明は、伝送線路部にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波半導体装置における実施の形態1を示す断面図
【図2】図1に示す高周波半導体装置の組立て例を示す分解斜視図
【図3】本発明における実施の形態2を示す高周波半導体装置の断面図
【図4】図3のA部拡大図
【図5】本発明における実施の形態3を示す高周波半導体装置の断面図
【図6】本発明における実施の形態4を、高周波半導体装置の断面図(A)、断面図(A)のマイクロストリップ線路の一部を示す平面図(B)で示す図面
【図7】図6における高周波回路チップ及び受動素子部の回路図
【図8】本発明における実施の形態5を、高周波半導体装置の断面図(A)、断面図(A)の要部の平面図(B)で示す図面
【図9】本発明における実施の形態6を示す高周波半導体装置の断面図
【図10】本発明における実施の形態7を、高周波半導体装置の断面図(A)、底面図(B)で示す図面
【図11】本発明における実施の形態8を、高周波半導体装置の断面図(A)、平面図(B)で示す図面
【図12】従来の高周波半導体装置の断面図
【符号の説明】
1 高周波半導体装置
10 実装基板
11 シリコン基板(第1の半導体基板)
12 接地用導体層
13 誘電体薄膜層
14 マイクロストリップ線路(伝送線路部)
15 高周波回路チップ
16 バンプ
18 エッチング孔部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置に関し、特に高周波半導体装置である高周波半導体集積回路と無線装置としての無線端末装置、無線基地局装置及び無線計測装置に施用して好適なるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波集積回路における実装技術には、バンプによる電極間の接合をするフリップチップ実装技術が注目されている。
【0003】図12は従来のフリップチップ実装技術を用いた高周波集積回路を成す高周波半導体装置の構成を示す。高周波半導体装置は、半導体基板としてのシリコンあるいはガラス基板80の上に、接地導体層81を形成し、次いで接地導体層81の上に誘電体膜82からなる層間絶縁膜を積層して形成する。さらに配線導体83を用いて高周波配線を島状に形成し、島状の配線導体83上にバンプ84を用いて回路チップ85をフリップチップ実装することにより高周波半導体装置を製造している。以上に説明した装置では、絶縁膜として誘電薄膜82を用い、配線導体83をマイクロストリップ線路として用いることにより、高周波領域における利用が可能になる。
【0004】このような実装技術を採用した高周波半導体装置には、例えば特開平9−283693号公報に記載されているものがある。この高周波半導体装置は、半導体基板上に誘電体膜と電気回路層とを多層に形成して成る実装基板上の、半導体基板上に誘電体膜と配線層とを多層に形成してなり、その一方の面に接地導体を有する高周波回路チップを、接地導体面が実装基板の面と向き合うように、バンプを用いてフリップチップ実装することにより構成してある。このような高周波半導体装置では、高周波回路チップを実装する直下の位置に制御回路を形成できるので、小形・高集積化を実現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の高周波半導体装置では、誘電体薄膜層及び伝送線路上にフリップチップ実装した高周波回路チップや、誘電体薄膜層上に形成したスパイラルインダクタなどの受動回路においては、高周波回路チップと受動回路との接地面における距離が数10μm程度しかなく、高周波回路チップと受動回路との接地面における寄生容量が原因となる特性劣化を避けることができなくなる。また、例えば高周波回路チップと受動回路との接地面を何らかの手段により取り除いたとしても、その下にある誘電体により高周波特性が劣化することがある。
【0006】本発明の目的は、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の高周波半導体装置は、第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層がない誘電体薄膜層だけとなる。このため、接地用導体層及び第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0008】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置が得られる。
【0009】本発明の高周波半導体装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができる。
【0010】本発明の高周波半導体装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができる。
【0011】本発明の高周波半導体装置は、誘電体薄膜層が多層に形成され、多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の誘電体薄膜層に接する領域において多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を誘電体薄膜層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0012】本発明の高周波半導体装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくできると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップの特性を得ることができる。
【0013】本発明の高周波半導体装置は、第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する樹脂シート層に形成された接地用導体層と、樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層のない誘電体薄膜層だけとなる。このため、接地用導体層や第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0014】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置が得られる。
【0015】本発明の高周波半導体装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができる。
【0016】本発明の高周波半導体装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができる。
【0017】本発明の高周波半導体装置は、樹脂シート層が多層に形成され、多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の樹脂シート層に接する領域において多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を樹脂シート層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができる。
【0018】本発明の高周波半導体装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくすることができると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高周波領域まで安定した高周波回路チップの特性を得ることができる。
【0019】本発明の高周波半導体装置は、伝送線路部が、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択してなる。このような構成からなる本発明は、第2のシリコン基板上の伝送線路部として最適な線路を選択することにより、伝送線路部によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0020】本発明の高周波半導体装置は、第1の半導体基板及び第2の半導体基板が、シリコン基板、セラミック基板あるいはガラス基板より一つを選択してなる。このような構成からなる本発明は、第1及び第2の半導体基板として最適な基板を選択することにより、第1及び第2の半導体基板によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0021】本発明の高周波半導体装置は、誘電体薄膜層が、ベンゾシクロブテンまたはポリイミドから形成してある。このような構成からなる本発明は、誘電体薄膜層として好適にすることにより、誘電体薄膜層によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0022】本発明の高周波半導体装置は、樹脂シート層が、ポリイミドシートで形成してある。このような構成からなる本発明は、樹脂シート層として好適にすることにより、誘電体薄膜層によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができる。
【0023】本発明の高周波半導体装置は、高周波回路チップの回路が第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成してある。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップをフリップチップ実装する必要がなく、モノリシック化ができるので、製造が容易で、コストの低廉化を図ることができる。
【0024】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層がない誘電体薄膜層だけとなる。このため、接地用導体層及び第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0025】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置を用いた無線装置が得られる。
【0026】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0027】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0028】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、誘電体薄膜層が多層に形成され、多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の誘電体薄膜層に接する領域において多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を誘電体薄膜層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0029】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくできると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップの性能を得ることができ、無線装置として好適にすることができる。
【0030】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、実装基板の第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、第1の半導体基板に接する樹脂シート層に形成された接地用導体層と、樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップとを備えてなる。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップの下側は接地用導体層がない樹脂シート層だけとなる。このため、接地用導体層及び第1の半導体基板の影響を受けることがなく、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0031】これによって、伝送線路部上にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置を用いた無線装置が得られる。
【0032】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、高周波回路チップを覆うように配置され、樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、第2の半導体基板が接する位置の樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、実装基板を挟んで第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、吸放熱手段と接する位置の第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、第2の半導体基板と高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層とを備えてなる。このような構成からなる本発明は、作動時の発熱が第2の半導体基板及び吸放熱手段を通じて放熱され、高周波回路チップの動作時における特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0033】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成してある。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板の外表面に形成した放熱用フィンによって放熱作用がさらに高められ、高周波回路チップの動作時における熱による特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0034】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、樹脂シート層が多層に形成され、多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、伝送線路部が、第2の半導体基板が多層の樹脂シート層に接する領域において多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる。このような構成からなる本発明は、第2の半導体基板を樹脂シート層に密着させることができ、高周波回路チップが第2の半導体基板内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップの特性劣化を防止することができ、無線装置として好適にすることができる。
【0035】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、受動素子部に対応する位置の第1の半導体基板にエッチング孔部を形成した構成にしてある。このような構成からなる本発明は、寄生容量を小さくできると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップの性能を得ることができ、無線装置として好適にすることができる。
【0036】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、伝送線路部が、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択してなる。このような構成になる本発明は、第2のシリコン基板上の伝送線路部として最適な線路を選択することにより、伝送線路部によって高周波回路チップの性能が低下しないようにすることができ、無線装置として好適にすることができる。
【0037】本発明の高周波半導体装置を用いた無線装置は、高周波回路チップの回路が第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成してある。このような構成からなる本発明は、高周波回路チップをフリップチップ実装する必要がなく、モノリシック化ができるので、製造が容易で、コストの低廉化を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0039】(実施の形態1)図1は本発明の高周波半導体装置における実施の形態1を示す断面図、図2は図1R>1に示す高周波半導体装置の組立て例を示す分解斜視図である。
【0040】図1及び図2において、高周波半導体装置1の実装基板10は、第1の半導体基板としてのシリコン基板11上にベンゾシクロブテンBCBからなる誘電体薄膜層13を積層して形成してある。この誘電体薄膜層13としてはポリイミドシート等の樹脂シート層を積層して形成することも可能である。シリコン基板11には、エッチングにより形成されたエッチング孔部18が設けてある。シリコン基板11に形成したエッチング孔部18はこの実施の形態においては貫通して形成してあるけれども、凹状の窪みとすることも可能である。この場合に、エッチング孔部18の凹状の窪みの深さは、高周波回路チップ15の基板の厚さが100μm程度であるため、バンプ16の高さを考慮すると、200μ程度が望ましい。このようなエッチング孔部18の貫通孔形状及び凹形状は、シリコン基板11においてドライエッチング加工技術を用いることにより、容易に実現することができる。
【0041】接地用導体層12は、シリコン基板11に接する誘電体薄膜層13に形成してある。即ち、シリコン基板11に形成したエッチング孔部18を除いて形成してある。マイクロストリップ線路(伝送線路部)14は誘電体薄膜層13の上面に形成される。高周波回路チップ15は、マイクロストリップ線路14上にバンプ16を介してフリップチップ実装し、エッチング孔部18に対応する位置に配置される。
【0042】誘電体薄膜層13は、高周波誘電率の低いベンゾシクロブデンやポリイミド等の材料から形成される。
【0043】高周波回路チップ15は、エッチング孔部18に対応する位置に配置されるので、高周波回路チップ15の下側部分に接地用導体層12がない構造となっている。なお、高周波回路チップ15をフリップチップ実装する際には、封止樹脂17を用いる。
【0044】このような構成からなる高周波半導体装置1は、実装基板10のシリコン基板11にエッチング孔部18を形成し、シリコン基板11に接する誘電体薄膜層13に接地用導体層12を設けると共に、誘電体薄膜層13の上面にマイクロストリップ線路14やエッチング孔部18に対応する位置に高周波回路チップ15が配置されることにより、高周波回路チップ15の下側は接地用導体層12がない誘電体薄膜層13だけとなる。このため、接地用導体層12及びシリコン基板11による高周波回路チップ15の特性劣化を防止することができる。
【0045】これによって、伝送線路部14上にフリップチップ実装した高周波回路チップ15の特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置1及びその装置を用いた無線装置が得られる。
【0046】また、誘電体薄膜13の材料として、高周波誘電率の低い(例えば、誘電率εγ=2.6)のベンゾシクロブテンBCBを用いることにより高周波回路チップ15の特性劣化をさらに抑えることができる。また、高周波回路チップ15の回路面は、封止樹脂17及び誘電体薄膜層13で保護されるので、電極の酸化を防止することができる。
【0047】(実施の形態2)図3及び図4は本発明における実施の形態2を示す断面図で、図3は高周波半導体装置の断面図、図4は図3のA部拡大図である。以下、本実施の形態について説明する。なお、説明に際して実施の形態1と同一の構成部分については、同一の符号を付け、その重複する説明を省略する。
【0048】図3に示す高周波半導体装置1は、第2の半導体基板としての第2のシリコン基板20を備えており、この第2のシリコン基板20は、バンプ16を介在してマイクロストリップ線路(伝送線路部)14にフリップチップ実装された高周波回路チップ15を覆い、誘電体薄膜層13に接している。即ち、第2のシリコン基板20にはエッチング技術を用いて凹状の窪み20Bが形成してあり、この窪み20B内に高周波回路チップ15が複数個収容してある。また、窪み20Bに高周波回路チップ15を収容するに際して、第2のシリコン基板20と高周波回路チップ15との間に熱伝導性の樹脂を封入して、熱伝導樹脂層21を形成してある。尚、第2の半導体基板20は、シリコンに限らず、放熱性の良いセラミックスや金属材料から形成することが可能である。
【0049】また、実装基板10は、第2のシリコン基板20が接する位置の誘電体薄膜層13に穿設された第1のヴィアホール23と、実装基板10を挟んで第2のシリコン基板20と対峙する位置に設けられた吸放熱手段としてのヒートシンク22と、このヒートシンク22と接する位置のシリコン基板11に穿設された第2のヴィアホール24とを備えている。
【0050】また、誘電体薄膜層13は図4に拡大して示すように、多層構造に形成してある。即ち、図4に示す実施の形態においては、誘電体薄膜層13を2層13a,13bに形成し、誘電体薄膜層13の上下面に接地用導体層25,12が形成してある。また、マイクロストリップ線路14が3つに分割されたマイクロストリップ線路14a,14b,14cから構成されており、このマイクロストリップ線路14(14a,14b,14c)は、誘電体薄膜層の上面に形成されると共に、第2のシリコン基板20が誘電体薄膜層13に接する領域において多層の誘電体薄膜層13の層13aと層13bとの間に形成してある。誘電体薄膜13の上面及び層13a,13b間に設けたマイクロストリップ線路14a,14b,14cのそれぞれは、相互にヴィアホール23a,23bで接続してある。また、接地用導体層12と接地用導体層25との間はヴィアホール23cで接続してある。ここに、ヴィアホール23a,23b,23cは第1ヴィアホール23を構成している。
【0051】斯かる構成において、高周波回路チップ15で発生した熱は、第1ヴィアホール23(23a,23b,23c)及び第2ヴィアホール24を介して、第2のシリコン基板20及びヒートシンク22に伝導されて放熱される。このとき、高周波回路チップ15と第2のシリコン基板20間に熱伝導性樹脂層21が設けられていることにより、熱伝導性が良好となり放熱が促進される。
【0052】これによって、高周波回路チップ15の作動時の発熱が第2のシリコン基板20及びヒートシンク22を介して放熱され、高周波回路チップ15の作動時における特性劣化を防止することができる。
【0053】また、マイクロストリップ線路14a,14cはヴィアホール23a,23bを介して、一旦内層を通るストリップ線路14bと連絡されるため、第2のシリコン基板20を誘電体薄膜層13に密着させることができ、高周波回路チップ15を密閉状態にすることが可能になる。このため、高周波回路チップ15が第2のシリコン基板20内に密閉されて外部の環境変化から保護されるから、高周波回路チップ15の特性劣化を防止することができる。
【0054】(実施の形態3)図5は本発明における実施の形態3を示す図面で、高周波半導体装置の断面図である。この実施の形態3が実施の形態2と異なる点は、第2の実施の形態で述べた第2のシリコン基板20の外表面に放熱用フィン30を形成した点である。
【0055】斯かる構成においては、作動時、高周波回路チップ15で発生した熱を熱伝導樹脂層21で効率良く伝導させて放熱用フィン22において放熱することにより、この放熱用フィン30によって放熱作用がさらに高められて、高周波回路チップ15の動作時における熱による特性劣化を防止することができる。
【0056】(実施の形態4)図6及び図7は本発明における実施の形態4を示す図であり、図6の(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は断面図(A)のマイクロストリップ線路の一部を示す平面図、図7は図6における高周波回路チップ及び受動素子部の回路図である。
【0057】図6に示す高周波半導体装置1は、2層13a,13bの誘電体薄膜層13の上に形成したマイクロストリップ線路14の一部をスパイラルインダクタ31とMIM容量(静電容量)32とからなる受動素子部33で構成してある。
【0058】また、受動素子部33に対応する位置のシリコン基板11にエッチング孔部18が形成してある。
【0059】高周波回路チップ15内に集積した回路としては、コレクタ接地型のコルピッツ発振回路39が用いられている(図7参照)。即ち、コルピッツ発振回路39は、能動素子であるトランジスタ40a、トランジスタ40aのベース側に接続される帰還容量であるコンデンサ40b,40c、バイアス抵抗である抵抗40e,40f、トランジスタ40aのコレクタ側に接続される電源端子41、トランジスタ40aのエミッタ側と接地側との間のバイアス抵抗40dからなる。トランジスタ40aのベース側に接続されるコンデンサ40b,40cの略中点からはトランジスタ40aのエミッタ側を経て出力端子42と接続されている。また、トランジス40aのべース側には受動素子部33のスパイラルインダクタ31及びMIM容量32が直列に接続してある。
【0060】斯かる構成においては、マイクロストリップ線路14上に形成した受動素子部33(スパイラルインダクタ31及びMIM容量32)に対応する位置のシリコン基板11にエッチング孔部18を形成して接地用導体層12が取り除かれているから、寄生容量を小さくすることができると共に、自己共振周波数を高くすることができる。このため、高い周波数領域まで安定した高周波回路チップ15の性能を得ることができる。
【0061】(実施の形態5)図8は本発明における実施の形態5を示す図で、(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は断面図(A)の要部の平面図である。この実施の形態5が先に説明した実施の形態4と異なる点は、高周波回路チップ15の回路43をシリコン基板11上に半導体プロセスによって形成した点である。
【0062】斯かる構成によれば、高周波回路チップ15をフリップチップ実装する必要がなく、モノリシック化が実現できるので、製造が容易となり、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0063】(実施の形態6)図9は本発明における実施の形態6を示す図で、高周波半導体装置の断面図である。この実施の形態6がこれまでに説明してきた実施の形態と異なるところは、誘電体薄膜層13として樹脂シートを用い、この樹脂シート層にポリイミドシート50を用いている点と、シリコン基板11にエッチング孔部18を凹状に形成した点である。
【0064】即ち、シリコン基板11上にポリイミドシート(樹脂シート層)50を積層してなる実装基板1のシリコン基板11に、貫通しない凹状のエッチング孔部18が形成してある。
【0065】斯く構成することによっても、先に説明した実施の形態と略同様の作用及び効果が得られる。加えて、シリコン基板11に形成したエッチング孔部18が貫通しない凹状に形成してあるから、シリコン基板11の機械的強度が強いものとなる。
【0066】(実施の形態7)図10は本発明における実施の形態7を示す図で、(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は断面図(A)の底面図である。
【0067】この実施の形態7が実施の形態6と異なるのは、ポリイミドシート50の代わりにセラミックス基板51を用いている点、接地導体12の略中央部に接地導体窓52を形成した点が異なる。斯く構成しても、先に述べた実施の形態と略同様の作用及び効果が得られる。
【0068】(実施の形態8)図11は本発明における実施の形態8を示す図で、(A)は高周波半導体装置の断面図、(B)は同じく平面図である。
【0069】この実施の形態8が実施の形態7と異なるのは、セラミックス基板51の上面に伝送線路部14としてコプレナ型伝送線路60を用いている点である。斯く構成しても先に述べた実施の形態と略同様の作用及び効果が得られる。また、伝送線路部14によって高周波回路チップ15の性能が低下しないようにすることができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明は、伝送線路部にフリップチップ実装した高周波回路チップの特性劣化を防止すると共に、低損失を実現できる高周波半導体装置及びその装置を用いた無線装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波半導体装置における実施の形態1を示す断面図
【図2】図1に示す高周波半導体装置の組立て例を示す分解斜視図
【図3】本発明における実施の形態2を示す高周波半導体装置の断面図
【図4】図3のA部拡大図
【図5】本発明における実施の形態3を示す高周波半導体装置の断面図
【図6】本発明における実施の形態4を、高周波半導体装置の断面図(A)、断面図(A)のマイクロストリップ線路の一部を示す平面図(B)で示す図面
【図7】図6における高周波回路チップ及び受動素子部の回路図
【図8】本発明における実施の形態5を、高周波半導体装置の断面図(A)、断面図(A)の要部の平面図(B)で示す図面
【図9】本発明における実施の形態6を示す高周波半導体装置の断面図
【図10】本発明における実施の形態7を、高周波半導体装置の断面図(A)、底面図(B)で示す図面
【図11】本発明における実施の形態8を、高周波半導体装置の断面図(A)、平面図(B)で示す図面
【図12】従来の高周波半導体装置の断面図
【符号の説明】
1 高周波半導体装置
10 実装基板
11 シリコン基板(第1の半導体基板)
12 接地用導体層
13 誘電体薄膜層
14 マイクロストリップ線路(伝送線路部)
15 高周波回路チップ
16 バンプ
18 エッチング孔部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、前記誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置。
【請求項2】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項1記載の高周波半導体装置。
【請求項3】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンを形成してなる請求項2記載の高周波半導体装置。
【請求項4】 前記誘電体薄膜層が多層に形成され、前記多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の誘電体薄膜層に接する領域において前記多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる請求項2記載の高周波半導体装置。
【請求項5】 前記伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板にエッチング孔部が形成されてなる請求項1記載の高周波半導体装置。
【請求項6】 第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記樹脂シート層に形成された接地用導体層と、前記樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置。
【請求項7】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項8】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成されてなる請求項7記載の高周波半導体装置。
【請求項9】 前記樹脂シート層が多層に形成され、前記多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の樹脂シート層に接する領域において前記多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項10】 前記伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板に前記エッチング孔部が形成されてなる請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項11】 前記伝送線路部は、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択する請求項1または請求項6に記載の高周波半導体装置。
【請求項12】 前記第1及び第2の半導体基板は、シリコン基板、セラミック基板あるいはガラス基板より一つを選択する請求項1または請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項13】 前記誘電体薄膜層の材料は、ベンゾシクロブテンまたはポリイミドからなる請求項1に記載の高周波半導体装置。
【請求項14】 前記樹脂シート層の材料は、ポリイミドシートである請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項15】 前記高周波回路チップの回路が、前記第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成されてなる請求項5または請求項10記載の高周波半導体装置。
【請求項16】 第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、前記誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項17】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項16記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項18】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成されてなる請求項17記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項19】 前記誘電体薄膜層が多層に形成され、前記多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の誘電体薄膜層に接する領域において前記多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる請求項17記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項20】 前記伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板に前記エッチング部が形成されてなる請求項16記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項21】 第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記樹脂シート層に形成された接地用導体層と、前記樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項22】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項21記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項23】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成されてなる請求項22記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項24】 前記樹脂シート層が多層に形成され、前記多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成される共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の樹脂シート層に接する領域において前記多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる請求項21記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項25】 前記伝送線路部の入力側の一部をスパイラルインダクタと静電容量からなる受動素子部で構成し、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板に前記エッチング孔部が形成されてなる請求項21記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項26】 前記伝送線路部は、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択する請求項16または請求項21に記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項27】 前記高周波回路チップの回路が、前記第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成されてなる請求項20または請求項25記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項1】 第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、前記誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置。
【請求項2】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項1記載の高周波半導体装置。
【請求項3】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンを形成してなる請求項2記載の高周波半導体装置。
【請求項4】 前記誘電体薄膜層が多層に形成され、前記多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の誘電体薄膜層に接する領域において前記多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる請求項2記載の高周波半導体装置。
【請求項5】 前記伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板にエッチング孔部が形成されてなる請求項1記載の高周波半導体装置。
【請求項6】 第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記樹脂シート層に形成された接地用導体層と、前記樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置。
【請求項7】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項8】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成されてなる請求項7記載の高周波半導体装置。
【請求項9】 前記樹脂シート層が多層に形成され、前記多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の樹脂シート層に接する領域において前記多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項10】 前記伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板に前記エッチング孔部が形成されてなる請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項11】 前記伝送線路部は、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択する請求項1または請求項6に記載の高周波半導体装置。
【請求項12】 前記第1及び第2の半導体基板は、シリコン基板、セラミック基板あるいはガラス基板より一つを選択する請求項1または請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項13】 前記誘電体薄膜層の材料は、ベンゾシクロブテンまたはポリイミドからなる請求項1に記載の高周波半導体装置。
【請求項14】 前記樹脂シート層の材料は、ポリイミドシートである請求項6記載の高周波半導体装置。
【請求項15】 前記高周波回路チップの回路が、前記第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成されてなる請求項5または請求項10記載の高周波半導体装置。
【請求項16】 第1の半導体基板上に誘電体薄膜層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記誘電体薄膜層に形成された接地用導体層と、前記誘電体薄膜層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項17】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記誘電体薄膜層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記誘電体薄膜層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項16記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項18】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成されてなる請求項17記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項19】 前記誘電体薄膜層が多層に形成され、前記多層の誘電体薄膜層における上下面に接地用導体層が形成されると共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の誘電体薄膜層に接する領域において前記多層の誘電体薄膜層の層間に形成されてなる請求項17記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項20】 前記伝送線路部の入力側の一部がスパイラルインダクタと静電容量とからなる受動素子部で構成され、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板に前記エッチング部が形成されてなる請求項16記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項21】 第1の半導体基板上に樹脂シート層を積層してなる実装基板と、前記実装基板の前記第1の半導体基板に形成されたエッチング孔部と、前記第1の半導体基板に接する前記樹脂シート層に形成された接地用導体層と、前記樹脂シート層の上面に形成された伝送線路部と、前記伝送線路部上にバンプを介してフリップチップ実装し、前記エッチング孔部に対応する位置に配置された高周波回路チップと、を備えてなる高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項22】 前記高周波回路チップを覆うように配置され、前記樹脂シート層に接する第2の半導体基板と、前記第2の半導体基板が接する位置の前記樹脂シート層に穿設された第1のヴィアホールと、前記実装基板を挟んで前記第2の半導体基板と対峙する位置に設けられた吸放熱手段と、前記吸放熱手段と接する位置の前記第1の半導体基板に穿設された第2のヴィアホールと、前記第2の半導体基板と前記高周波回路チップとの間に設けられた熱伝導樹脂層と、を備えてなる請求項21記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項23】 前記第2の半導体基板の外表面に放熱用フィンが形成されてなる請求項22記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項24】 前記樹脂シート層が多層に形成され、前記多層の樹脂シート層における上下面に接地用導体層が形成される共に、前記伝送線路部が、前記第2の半導体基板が前記多層の樹脂シート層に接する領域において前記多層の樹脂シート層の層間に形成されてなる請求項21記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項25】 前記伝送線路部の入力側の一部をスパイラルインダクタと静電容量からなる受動素子部で構成し、前記受動素子部に対応する位置の前記第1の半導体基板に前記エッチング孔部が形成されてなる請求項21記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項26】 前記伝送線路部は、マイクロストリップ線路またはコプレナ型伝送線路のいずれかを選択する請求項16または請求項21に記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【請求項27】 前記高周波回路チップの回路が、前記第1の半導体基板に半導体プロセスによって形成されてなる請求項20または請求項25記載の高周波半導体装置を用いた無線装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図11】
【図12】
【公開番号】特開2001−177013(P2001−177013A)
【公開日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−354437
【出願日】平成11年12月14日(1999.12.14)
【出願人】(000187725)松下通信工業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年12月14日(1999.12.14)
【出願人】(000187725)松下通信工業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
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