説明

高耐圧MOSトランジスタの回路シミュレーション方法

【課題】双方向MOSとしてのモデルを実現可能とし、高耐圧MOSのシミュレーション精度を向上する。
【解決手段】高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、NMOSFETのドレイン側とソース側に第1、第2のJFET(JN1、JN2)をそれぞれ付加し、第1のJFET(J1)のゲートに第1のダイオード(D1)の一端を接続し、第1のダイオード(D1)の他端を、前記NMOSFETのソースに接続し、第2のJFET(J2)のゲートに第2ダイオード(D2)の一端を接続し、第2のダイオード(D2)の他端を前記NMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MOSトランジスタのシミュレーション技術に関し、特に高耐圧MOSトランジスタの回路シミュレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置開発において、実際の半導体装置の作成の前に、各種シミュレーションを行い、半導体装置が所望の電気的特性を満たすか否かの検証が行われる。その際に、回路シミュレーションとしてSPICE等が用いられる。シミュレーションの精度を確保するには、半導体装置で用いられる個々の素子に関して、実製品の特性値とSPICEでの計算値とを合わせる必要がある。
【0003】
なお、SPICEにおいて、通常のMOSに関して使われているモデルとしてBSIM3V3モデルが一般的であるが、これは、現在の市販のシミュレータには必ず装備されているモデル式である。
【0004】
近時のLSIのSoC(Silicon On Chip)化によって、高い耐圧を必要とする周辺用トランジスタに、MOSトランジスタが多用されるに到っている。高耐圧MOSトランジスタは、チャネル領域とドレイン(ソース)電極との間に低濃度不純物領域が配設されている。
【0005】
しかしながら、この部分の特性がBSIM3V3モデルには表現されていない。このため、特性は合わないことが判っている。
【0006】
また、このドレイン電流がゲート電圧に比例して増加するという特性は、BSIM3V3モデルの根源を成す特性なので、改良も難しい。
【0007】
これをモデル式の上より論じると、ゲート電圧の増加に対してドレイン電流の変化小になる式が存在しないことに起因している。
【0008】
また、ドレイン電圧大に従って、ドレイン電流小となる自己発熱を表すパラメータも無いことにも起因する。
【0009】
図5は、特許文献1に開示されている、高耐圧MOSのシミュレーションを行うためのマクロモデルを示す図である。高耐圧MOSトランジスタの素子モデルを、複数の素子モデルを組み合わせて定義している。基本特性は、標準MOSモデルMMAINで表現し、低濃度ドレイン拡散層の伝導率変調効果は、ドレイン電圧及びゲート電圧で値が変化する可変素子モデルJFETで表現している。
【0010】
さらにゲート・ドレインのオーバーラップ容量をゲート・バルク間のMOS容量MCAPで表現している。この容量モデルに直列配置される定抵抗モデルRDIを付加し、さらに具体的な形態として、前記素子モデルには、ドレイン電極とサブストレートとの間のダイオードモデルDDSUB、ドレイン電極とソース電極との間のダイオードモデルDDS、ゲート電極とドレイン電極との間のオーバーラップ容量モデルCGD、及びゲート電極とソース電極との間のオーバーラップ容量モデルCGSを含むことが、実際のデバイス特性に則することになるとしている。
【0011】
【特許文献1】特開2005−190328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上の特許文献1の開示事項は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。以下に本発明による関連技術の分析を与える。
【0013】
高耐圧MOSを使った回路は、信頼性、高耐圧の点から、双方向動作を主眼にした回路が多い。このため、双方向MOS(両側MOS、両方向MOS)を使った設計が多用される。
【0014】
図6は、MOSのVSD−ISD特性を示す図である。VSD−ISD特性は、NMOSのドレイン側を高電位にしたVDS−IDS特性(通常のNMOSのドレイン・ソース間電流IDSとドレイン・ソース間電圧VDSの特性)に対して、ソース側を高電位にした場合のソース・ドレイン間電流ISDとソース・ドレイン間電圧VSDの特性を表している。
【0015】
図6のVSD−ISD特性図は、図5の高耐圧MOSのシミュレーションを行うためのマクロモデルを用いて、VGD=0〜40Vの条件でVSD−ISD特性をシミュレーション値と実製品の測定値との比較を行ったグラフである。シミュレーション値と実製品の測定値において、ソースを高電位にした場合の特性が、大きく異なっている。
【0016】
これは、関連技術として説明したマクロモデルにおいて、ドレイン側にのみ、追加素子である可変素子モデルJFETを用いてモデルが作成されていることによる。これでは、双方向動作を主眼とした、双方向MOSとして使用することが出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願で開示される発明は、前記課題を解決するため、概略以下の構成とされる。
【0018】
本発明は、MOSトランジスタの回路シミュレーションモデルとして、前記MOSトランジスタのドレイン側とソース側のそれぞれの電源パスに第1、第2のトランジスタ素子を挿入し、ドレイン側とソース側の電位の高低に応じて、前記第1及び第2のトランジスタ素子の一方をオンさせ、他方をオフさせる回路素子を含むマクロモデルを用いてシミュレーションを行う。本発明において、ドレイン側が高電位の場合、前記第2のトランジスタ素子がオンし、前記第1のトランジスタ素子がオフし、ソース側が高電位の場合、前記第1のトランジスタ素子がオンし、前記第2のトランジスタ素子がオフする。
【0019】
本発明の1つの側面においては、高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、MOSFETのドレイン側とソース側に第1、第2のJFETをそれぞれ付加し、前記MOSFETのドレイン側に配置した前記第1のJFETのゲートに第1のダイオードの一端を接続し、前記第1のダイオードの他端を、前記MOSFETのソースに接続し、前記MOSFETのソース側に配置した前記第2のJFETのゲートに第2ダイオードの一端を接続し、前記第2のダイオードの他端を前記MOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う。
【0020】
本発明において、前記MOSFETがNチャネルMOSFETよりなり、前記第1、第2のJFETが第1、第2のNチャネルJFETよりなり、前記NチャネルMOSFETのドレイン側とソース側に前記第1、第2のNチャネルJFETをそれぞれ付加し、前記NチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第1のNチャネルJFETのゲートに、前記第1のダイオードのアノードを接続し、前記第1のダイオードのカソードを、前記NチャネルMOSFETのソースに接続し、前記NチャネルMOSFETのソース側に配置した前記第2のNチャネルJFETのゲートに前記第2のダイオードのアノードを接続し、前記第2ダイオードのカソードを前記NチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルが提供される。
【0021】
本発明においては、前記MOSFETがPチャネルMOSFETよりなり、前記第1、第2のJFETが第1、第2のPチャネルJFETよりなり、前記PチャネルMOSFETのドレイン側とソース側に前記第1、第2のPチャネルJFETとをそれぞれ付加し、前記PチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第1のPチャネルJFETのゲートに前記第1のダイオードのカソードを接続し、前記第1のダイオードのアノードを前記PチャネルMOSFETのソースに接続し、前記PチャネルMOSFETのソース側に配置した第2のPチャネルJFETのゲートに前記第2のダイオードのカソードを接続し、前記第2のダイオードのアノードを前記PチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルが提供される。
【0022】
本発明においては、高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、第1のMOSFETのドレイン側とソース側に第2、第3のMOSFETをそれぞれ付加し、前記第1のMOSFETのドレイン側に配置した前記第2のMOSFETのゲートに第1のダイオードの一端を接続し、前記第1のダイオードの他端を、前記第1のMOSFETのソースに接続し、
前記第1のMOSFETのソース側に配置した前記第3のMOSFETのゲートに前記第2のダイオードの一端を接続し、前記第2のダイオードの他端を前記第1のMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う。
【0023】
本発明においては、前記第1のMOSFETがNチャネルMOSFETよりなり、前記第2、第3のMOSFETが第2、第3のNチャネルMOSFETよりなり、
前記第1のNチャネルMOSFETのドレイン側とソース側に前記第2、第3のNチャネルMOSFETをそれぞれ付加し、前記第1のNチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第2のNチャネルMOSFETのゲートに、前記第1のダイオードのアノードを接続し、前記第1のダイオードのカソードを、前記第1のNチャネルMOSFETのソースに接続し、前記第1のNチャネルMOSFETのソース側に配置した前記第3のNチャネルMOSFETのゲートに前記第1のダイオードのアノードを接続し、前記第2のダイオードのカソードを前記第1のNチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルが提供される。
【0024】
本発明においては、前記第1のMOSFETがPチャネルMOSFETよりなり、前記第2、第3のMOSFETが第2、第3のPチャネルMOSFETよりなり、
前記PチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第2のPチャネルMOSFETのゲートに前記第1のダイオードのカソードを接続し、前記第1のダイオードのアノードを前記第1のPチャネルMOSFETのソースに接続し、
前記第1のPチャネルMOSFETのソース側に配置した前記第3のPチャネルMOSFETのゲートに前記第2のダイオードのカソードを接続し、前記第2のダイオードのアノードを前記第1のPチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルが提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、高耐圧MOSトランジスタの回路シミュレーションモデルにおいて、標準素子モデルのドレインおよびソース側に素子モデルを配置し、双方向MOSとしてのモデルを実現可能とし、高耐圧MOSトランジスタのシミュレーション精度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の1つの態様においては、高耐圧MOSの回路シミュレーションモデルにおいて、ドレイン側とソース側の両方に、高耐圧マクロ用の寄生素子を配置して一方の寄生素子を使っている場合、他方の寄生素子はショート状態になるように、高耐圧マクロ用の寄生素子にダイオードを追加することにより、双方向MOSとしてのモデルを実現した。
【0027】
本発明においては、高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、MOSFETのドレイン側とソース側に第1、第2のJFET(Junction Field−Effect Transitor)をそれぞれ付加し、前記MOSFETのドレイン側に配置した前記第1のJFETのゲートに第1のダイオードの一端を接続し、前記第1のダイオードの他端を、前記MOSFETのソースに接続し、前記MOSFETのソース側に配置した前記第2のJFETのゲートに第2のダイオードの一端を接続し、前記第2のダイオードの他端を前記MOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う方法(あるいは、シミュレーション装置、該シミュレーションをコンピュータで実行するプログラム、あるいは、該プログラムを記録した記憶媒体)が提供される。
【0028】
本発明においては、高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、MOSFETのドレイン側とソース側に前記MOSFETと同一導電型の第1、第2のJFETをそれぞれ付加し、前記MOSFETのドレイン側に配置した前記第1のJFETのゲートに第1のダイオードの一端を接続し、前記第1のダイオードの他端を、前記MOSFETのソースに接続し、前記MOSFETのソース側に配置した前記第2のJFETのゲートに第2ダイオードの一端を接続し、前記第2のダイオードの他端を前記MOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う方法(あるいは、シミュレーション装置、該シミュレーションをコンピュータで実行するプログラム、あるいは、該プログラムを記録した記憶媒体)が提供される。以下実施例に即して説明する。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明の一実施例の高耐圧MOSのシミュレーションを行うためのマクロモデルの構成を示す図である。なお、図1に示したマクロモデルは、回路シミュレーションのライブラリとして記憶媒体等に記憶保持される。図1に示すように、基本特性を表すNチャネルMOSFET(以下「NMOS」という)のドレイン側に、NチャネルJFET(JN1)とを付加し、ソース側にNチャネルJFET(JN2)を付加する。NチャネルJFET(JN1)のゲートにダイオード(D1)のアノードを接続し、ダイオード(D1)のカソード側をNMOSのソースに接続する。NチャネルJFET(JN2)のゲートに、ダイオード(D2)のアノードを接続し、ダイオード(D2)のカソード側をNMOSのドレインに接続する。
【0030】
NMOSのドレイン側とソース側にそれぞれNチャネルJFET(JN1、JN2)を接続し、NチャネルJFET(JN1、JN2)のそれぞれのゲートにダイオード(D1、D2)を接続することにより、NチャネルJFET(JN1、JN2)のうちのいずれか一方のみが動作するようにしている。すなわち、ドレイン側の電位が高く、ソース側の電位が0近辺の時には、ダイオード(D1)がON(オン)状態、ダイオード(D2)がOFF(オフ)状態となり、NチャネルJFET(JN1)は電流が流れにくいOFF状態、NチャネルJFET(JN2)はON状態となる。すなわち、NチャネルJFET(JN2)のみが動作する状態となる。
【0031】
逆に、ドレイン側の電圧が0近辺で、ソース側の電位が高い場合には、ダイオード(D2)がON状態、ダイオード(D1)がOFF状態となり、NチャネルJFET(JN2)は電流が流れにくいOFF状態、NチャネルJFET(JN1)はON状態となる。すなわち、NチャネルJFET(JN1)のみが動作する状態となる。
【0032】
図2は、本発明の一実施例のVSD−ISD特性図である。この特性図は、図1の本発明のマクロモデルを用いて、VGD=0〜40Vの条件でVSD−ISD特性をシミュレーションした結果と実製品の測定値との比較を行ったグラフである。すなわち、本発明に係るシミュレーション方法によるシミュレーション結果の一具体例を示す図である。図2において、横軸はソース・ドレイン間電圧VSD[V]、縦軸はソース・ドレイン間電流ISD[A]であり、実製品の測定値をドットで示し、シミュレーション値を実線で示す。
【0033】
ソース側を高電位にした場合において、シミュレーション値と実製品の測定値がほぼ一致している。これは、ドレイン側の電位が高い場合には、NチャネルJFET(JN2)が動作し、ソース側の電位が高い場合は、NチャネルJFET(JN1)が動作することにより、ドレイン側、ソース側のいずれが高い場合でも、高耐圧MOSトランジスタのチャネル領域とドレイン(ソース)電極との間に存在する低濃度不純物領域部の特性を実現可能としたことによる。
【0034】
図3は、本発明の第2の実施例のマクロモデルの構成を示す図である。前記第1の実施例が高耐圧のNMOSであるのに対して、本実施例において、マクロモデルは、高耐圧のPチャネルMOSFET(以下「PMOS」という)である。
【0035】
マクロモデルの構成は、図1のNMOSに対してPMOSを配置し、図1のNチャネルJFET(JN1、JN2)に対して、PチャネルJFET(JP1、JP2)を配置し、図1のダイオード(D1、D2)に対して配置方向を逆にすることにより、極性を逆にしたダイオード(D1、D2)を配置する。すなわち、PMOSのドレイン側とソース側にPチャネルJFET(JP1、JP2)をそれぞれ付加し、PチャネルJFET(JP1)のゲートにダイオード(D1)のカソードを接続し、ダイオード(D1)のアノードをPMOSのソースに接続し、PチャネルJFET(JP2)のゲートにダイオード(D2)のカソードを接続し、ダイオード(D2)のアノードをPMOSのドレインに接続している。
【0036】
ソース側の電位が高く、ドレイン側の電位が0近辺の時には、ダイオード(D1)がON状態、ダイオード(D2)がOFF状態となり、PチャネルJFET(JP1)は電流が流れにくいOFF状態、PチャネルJFET(JP2)はON状態となる。すなわち、PチャネルJFET(JP2)のみが動作する状態となる。
【0037】
逆に、ソース側の電圧が0近辺で、ドレイン側の電位が高い場合には、ダイオード(D2)がON状態、ダイオード(D1)がOFF状態となり、PチャネルJFET(JP2)は電流が流れにくいOFF状態、PチャネルJFET(JP1)はON状態となる。すなわち、PチャネルJFET(JP1)のみが動作する状態となる。
【0038】
図3の構成により、高耐圧のPMOSのシミュレーションモデルが実現できるため、高耐圧PMOSの高精度なシミュレーションが可能になる。
【0039】
図4は、本発明の第3の実施例のマクロモデルを示す図である。図1の前記第1の実施例では、マクロモデルの構成にNチャネルJFETを利用しているが、本実施例においては、MOSFETのみで構成している。
【0040】
図1のJN1およびJN2のNチャネルJFETに対して、NMOSであるFETNch1、FETNch2を配置している。
【0041】
図4の構成により、一般的に、JFETの回路モデルと比較してMOSの回路モデルは、シミュレーションの設定を多様に行うための多くの設定パラメータを有している。本実施例においては、このMOSの回路モデルを用いて構成し、より多様な設定を行うことにより、複雑なマクロモデルによるシミュレーションが可能となる。
【0042】
本実施例によれば、標準素子モデルのドレインおよびソース側に素子モデルを配置することによって、高耐圧MOSのシミュレーションを精度良く行うことができる。
【0043】
なお、上記の特許文献1の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施例のマクロモデルを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例のVSD−ISD特性図である。
【図3】本発明の第2の実施例のマクロモデルを示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例のマクロモデルを示す図である。
【図5】関連技術のマクロモデルを示す図である。
【図6】関連技術のVSD−ISD特性図である。
【符号の説明】
【0045】
D1、D2 ダイオード
JN1、JN2 NチャネルJFET
JP1、JP2 PチャネルJFET
NMOS NチャネルMOSFET
PMOS PチャネルMOSFET

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MOSトランジスタの回路シミュレーションモデルとして、
前記MOSトランジスタのドレイン側とソース側のそれぞれの電源パスに第1、第2のトランジスタ素子を挿入し、ドレイン側とソース側の電位の高低に応じて、前記第1及び第2のトランジスタ素子の一方をオンさせ、他方をオフさせる回路素子を含むマクロモデルを用いてシミュレーションを行う、ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項2】
ドレイン側が高電位の場合、前記第2のトランジスタ素子がオンし、前記第1のトランジスタ素子がオフし、
ソース側が高電位の場合、前記第1のトランジスタ素子がオンし、前記第2のトランジスタ素子がオフする、ことを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。
【請求項3】
高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、
MOSFETのドレイン側とソース側に第1、第2のJFETをそれぞれ付加し、
前記MOSFETのドレイン側に配置した前記第1のJFETのゲートに第1のダイオードの一端を接続し、前記第1のダイオードの他端を、前記MOSFETのソースに接続し、
前記MOSFETのソース側に配置した前記第2のJFETのゲートに第2ダイオードの一端を接続し、前記第2のダイオードの他端を前記MOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う、ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項4】
前記MOSFETがNチャネルMOSFETよりなり、前記第1、第2のJFETが第1、第2のNチャネルJFETよりなり、
前記NチャネルMOSFETのドレイン側とソース側に前記第1、第2のNチャネルJFETをそれぞれ付加し、
前記NチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第1のNチャネルJFETのゲートに、前記第1のダイオードのアノードを接続し、前記第1のダイオードのカソード側を、前記NチャネルMOSFETのソースに接続し、
前記NチャネルMOSFETのソース側に配置した前記第2のNチャネルJFETのゲートに前記第2のダイオードのアノードを接続し、前記第2ダイオードのカソードを前記NチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う、ことを特徴とする請求項3記載のシミュレーション方法。
【請求項5】
前記MOSFETがPチャネルMOSFETよりなり、前記第1、第2のJFETが第1、第2のPチャネルJFETよりなり、
前記PチャネルMOSFETのドレイン側とソース側に前記第1、第2のPチャネルJFETをそれぞれ付加し、
前記PチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第1のPチャネルJFETのゲートに前記第1のダイオードのカソードを接続し、前記第1のダイオードのアノードを前記PチャネルMOSFETのソースに接続し、
前記PチャネルMOSFETのソース側に配置した第2のPチャネルJFETのゲートに前記第2のダイオードのカソードを接続し、前記第2のダイオードのアノードを前記PチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う、ことを特徴とする請求項3記載のシミュレーション方法。
【請求項6】
高耐圧MOSFETのシミュレーションを行うためのマクロモデルとして、
第1のMOSFETのドレイン側とソース側に第2、第3のMOSFETをそれぞれ付加し、
前記第1のMOSFETのドレイン側に配置した前記第2のMOSFETのゲートに第1のダイオードの一端を接続し、前記第1のダイオードの他端を、前記第1のMOSFETのソースに接続し、
前記第1のMOSFETのソース側に配置した前記第3のMOSFETのゲートに前記第2のダイオードの一端を接続し、前記第2のダイオードの他端を前記第1のMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行う、ことを特徴とするシミュレーション方法。
【請求項7】
前記第1のMOSFETがNチャネルMOSFETよりなり、前記第2、第3のMOSFETが第2、第3のNチャネルMOSFETよりなり、
前記第1のNチャネルMOSFETのドレイン側とソース側に前記第2、第3のNチャネルMOSFETをそれぞれ付加し、
前記第1のNチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第2のNチャネルMOSFETのゲートに、前記第1のダイオードのアノードを接続し、前記第1のダイオードのカソードを、前記第1のNチャネルMOSFETのソースに接続し、
前記第1のNチャネルMOSFETのソース側に配置した前記第3のNチャネルMOSFETのゲートに前記第1のダイオードのアノードを接続し、前記第2のダイオードのカソード側を前記第1のNチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行うことを特徴とする請求項6記載のシミュレーション方法。
【請求項8】
前記第1のMOSFETがPチャネルMOSFETよりなり、前記第2、第3のMOSFETが第2、第3のPチャネルMOSFETよりなり、
前記PチャネルMOSFETのドレイン側に配置した前記第2のPチャネルMOSFETのゲートに前記第1のダイオードのカソードを接続し、前記第1のダイオードのアノードを前記第1のPチャネルMOSFETのソースに接続し、
前記第1のPチャネルMOSFETのソース側に配置した前記第3のPチャネルMOSFETのゲートに前記第2のダイオードのカソードを接続し、前記第2のダイオードのアノード側を前記第1のPチャネルMOSFETのドレインに接続してなるマクロモデルを用いてシミュレーションを行うことを特徴とする請求項6記載のシミュレーション方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一に記載のシミュレーション方法で用いる前記マクロモデルを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−151546(P2009−151546A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328915(P2007−328915)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】