説明

(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸と、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質を含んでなる薬物の組み合わせ

【課題】HMG−CoAレダクターゼ阻害剤とシトクロムP450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質のいずれかである薬物とを含んでなる、安全な非相互作用性の薬物組み合わせを提供する。
【解決手段】本発明は、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩(作用薬)である、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤と、シトクロムP450、特にシトクロムP450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質のいずれかである薬物を含んでなる、安全な非相互作用性の薬物組み合わせに関する。特定の組み合わせは、免疫抑制化学療法を受けている人の高脂血症を治療するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩(「作用薬(Agent)」)である、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤と、シトクロムP450、特にシトクロムP450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質のいずれかである薬物を含んでなる、安全な非相互作用性の薬物組み合わせに関する。特定の組み合わせは、免疫抑制化学療法を受けているヒトの高脂血症を治療するのに有用である。好ましいのは、「作用薬」とフィブラート薬の組み合わせ、哺乳動物の高脂血症の治療におけるそのような組み合わせの使用、及びそのような治療に使用するそのような組み合わせを含有する医薬品である。
【0002】
高コレステロール血症は、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞及び心臓死を含む)、卒中(脳血管発作及び一過性虚血発作を含む)及び末梢動脈閉塞性疾患に関連するアテローム性動脈硬化症の最も強いリスク因子の1つである。いくつかのタイプの高コレステロール血症が存在する。高コレステロール血症の程度は治療に対して様々な意義を有する場合があるが、一般には、高まった血漿コレステロールレベルをともかく下げることがリスクプロフィールの改善をもたらすと認められている。食事の改善と運動の増加は重要な第一ステップであり、薬物療法が開始されても継続すべきであるが、薬物療法の治療可能性のほうが有意により高いものである。高コレステロール血症にはいくつかのタイプの薬物療法が現在利用可能である。高コレステロール血症の治療には、例えば、アメリカ心臓学会(AHA)(Anon 1988)、シェフィールド治療表更新版(Heart (1998) 80 Supp. 2 S1-S29)及び欧州心臓病学会ガイドラインタスクフォース推奨案(Pyorala 1994)のガイドラインが存在する。
【0003】
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、高コレステロール血症の治療に最も広く使用されている処方薬である。コレステロール生合成の律速工程を阻害することによって、この薬剤は、低密度リポタンパク質(LDL−C)及び超低密度リポタンパク質(VLDL−C)のようなコレステロールを含有するアテローム形成性粒子の血漿濃度を効果的に下げる。肝臓のコレステロール合成が部分的に阻害されると、LDL−Cの循環からのクリアランスの原因である肝臓の膜LDL−C受容体のアップレギュレーションが起こる。さらに、肝臓のコレステロール合成が減少すると、VLDL−C粒子の肝臓による分泌が適度に減少すると考えられている。スカンジナビア・シンバスタチン生存率試験のようなある種のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を用いた臨床試験では、そのような薬剤で心臓血管系の罹患率及び死亡率が減少すること、さらにアテローム性動脈硬化性の血管病巣の退縮が促進され得ることが確かめられている。様々なHMG−CoAレダクターゼ阻害剤が販売され、「スタチン」と総称されている。
【0004】
スタチン療法の印象深い便益にもかかわらず、ある患者、特により重篤な高コレステロール血症の群では、最適な治療結果が達成されない場合がある。これは、様々なスタチン間での効力の違いだけでなく、より高いスタチンの用量レベルで肝臓トランスアミナーゼレベルの可逆的な増加がおこることによる場合がある。アトロバスタチンでは、低用量のアトロバスタチンを投与した患者の0.8%とより高用量群でのより多い患者において、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT]の臨床的に重要な(正常上限値[ULN]の3倍を越える)上昇が報告されている(欧州のアトロバスタチン[LipitorTM]製品特性概要[SmPC])。いずれの症例でも、その効果は用量に関連し、可逆的である。一般に、スタチンの用量増加を制限するのは、さらに効果を高めることへの制限よりも、ALTの増加が発生するためである。
【0005】
第一世代のスタチン(ロバスタチン、プラバスタチン及びシンバスタチンのような真菌代謝物のプロドラッグ誘導体とフルバスタチン)は、限定したコレステロール低下効果しか達成せず、投与量が血清ALTの上昇により制限されるという点でカテゴリー化される。第二世代の「スーパースタチン」(アトロバスタチンのような、第一世代の化合物とは構造的に異なる合成化合物)阻害剤は、血清ALTレベルにより用量が制限されるが、より早期の第一世代スタチンよりずっと多くコレステロールを低下させるという点でカテゴリー化される。アトロバスタチンは第一世代のスタチン以上に成功している。米国で上市されて以来、アトロバスタチンは、1998年度に1997年度の倍である22億ドルの売上高に達し、米国のコレステロール低下薬の新処方箋のうち38%を獲得し、今や米国で最も広く処方されている脂質低下剤となっている(ワーナーランバート:1998年度の結果報告書)。
【0006】
スタチン全般に報告されている追加の有害事象は、筋肉痛、圧痛及び虚弱の症状として定義されるミオパシーであり、クレアチニンキナーゼ(CK)値が正常上限値(ULN)の10倍を越えている。この有害事象は用量に関連しないと考えられ、潜在的により深刻であり、従ってより問題である。重症例では横紋筋変性につながる場合があるが、これは腎不全に関連する、稀に生命を脅かす病態になり得る。スタチンに関するCKレベル上昇の発症率(FDAによれば、筋炎の症状とは別に、1週間に少なくとも2回ULNの10倍を越すこと)は3.1%と報告されている(アトロバスタチンのSmPC)。ミオパシーと横紋筋変性は、いずれもP450アイソザイム3A4の基質であるジェムフィブロジル、ナイアシン、シクロスポリン又はエリスロマイシンと組み合わせてスタチンを服用することと特に関連づけられている(Hunninghake H. et al. Current Opinion in Lipidology (1992), 3, 22-28)。スタチン薬を上記他剤の1つと組み合わせて服用することに関連した有害事象の増加は、同じシトクロムP450アイソザイム3A4によるほとんどのスタチンの代謝に関連している可能性がある薬物:薬物相互作用によるものであろう。つまり、P450・3A4によって代謝されるスタチンとともにやはりP450・3A4により代謝される薬物を投与すると、先に論じた副作用がより起こりやすくなるのである。筋障害のような副作用が増加するのは、筋肉細胞のスタチンレベルが上昇し、筋肉タンパク質のファルネシル化及びゲラニルゲラニル化を阻害するためであると考えられている。スタチンの上昇レベルはP450・3A4に影響を及ぼすどんな薬物によっても引き起こされる可能性がある。従って、現在市販されているスタチン類のラベルには、P450・3A4により代謝される薬物とスタチンの併用が推奨されず、ある症例では禁忌となっている。
【0007】
ほとんどすべての薬物は、ヒトにおいてある程度までは、腎臓によるか又は肝臓の胆汁の中でより容易に排出される概してより脂溶性が低い化合物へ代謝される。肝臓は薬物代謝の主要部位であり、多くの薬物代謝酵素が実質性肝細胞(肝細胞)の小胞体(ホモジェナイゼーションと同時にミクロソームを形成する)に高濃度で存在する。シトクロムP450は薬物代謝酵素の主要クラスを代表し、肝ミクロソームに見出されるアイソザイムのファミリーとして存在する。一般に使用されるほとんどの薬物の代謝の原因となるのは、6種の特定のP450アイソザイム、即ち、P450の1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4である。
【0008】
現在入手可能な「スーパースタチン」であるアトロバスタチンの主要な欠点は、アトロバスタチンがシトクロムP450酵素群、特に3A4により代謝され、アトロバスタチンを代謝する同じP450酵素の誘導剤、阻害剤又は基質である他の薬剤と薬物相互作用を起こし得ることである。第一世代スタチンのすべてもP450により代謝される。しかしながら、プラバスタチンの代謝速度は十分低いので、臨床的に意義がある薬物相互作用にはさして影響されないと考えられている。従って、現在利用し得る用量では高コレステロール血症を低減させるプラバスタチンの効果はより低いのにもかかわらず、薬物相互作用の可能性が受け入れがたいほどに高い場合は、本剤が他剤と組み合わされる第一選択のスタチンなのである。
【0009】
以下に「作用薬」と呼ばれる、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩(このカルシウム塩を以下の図1に開示する)もスタチンであり、今日「スーパースタチン」と呼ばれはじめているクラスに属する。
【0010】
この「作用薬」はヨーロッパ特許出願、公開No.0521471号と Bioorganic and Medicinal Chemistry, (1997), 5 (2), 437-444 に、コレステロール生合成の主要な律速酵素であるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤として開示されている。「作用薬」は高コレステロール血症、高リポタンパク質血症及びアテローム性動脈硬化症の治療に有用と記載されている。
【0011】
「作用薬」はシトクロムP450・3A4により代謝されないので、市販の「スーパースタチン」、即ちアトロバスタチン、又は他の市販スタチンのいずれとも共通する薬物相互作用の同じ潜在可能性を有さない。
【0012】
従って、我々は、本発明の特徴として、「作用薬」であるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤とP450、特にアイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質である薬物を含んでなる非相互作用性の薬物組み合わせを提示する。
【0013】
本発明のさらなる特徴として、我々は、P450、特にアイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質である薬物との組み合わせ療法に使用する医薬品の製造における、「作用薬」であるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の使用を提示する。
【0014】
本発明のさらなる特徴として、我々は、「作用薬」であるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤との組み合わせ療法に使用する医薬品の製造における、P450、特にアイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質である薬物の使用を提示する。
【0015】
本発明のさらなる特徴として、我々は、「作用薬」、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質である薬物、及び製剤的に許容される希釈剤、担体又はアジュバントを含んでなる医薬製剤を提示する。
【0016】
本発明のさらなる特徴として、我々は、「作用薬」である第一の薬物とP450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物を含んでなる調剤パックを提示する。
【0017】
「P450の誘導剤」という用語は、例えば、P450酵素の活性を増加させることによって、P450酵素の生物学的不活性化速度を減少させることによって、又はP450遺伝子の転写速度を増加させることによって、P450酵素、特にアイソザイム3A4が基質を代謝する速度を増加させる薬物を意味する。
【0018】
「P450の阻害剤」という用語は、例えば、P450酵素の活性を低下させることによってか又はP450遺伝子の転写速度を低下させることによって、P450酵素、特にアイソザイム3A4が基質を代謝する速度を低下させる薬物を意味する。
【0019】
「P450の基質」という用語は、P450、特にアイソザイム3A4により代謝される薬物を意味する。
「非相互作用性の薬物組み合わせ」という用語は、シトクロムP450による薬物代謝の機序を介した患者への有害な影響がその投与により起こらない薬物の組み合わせを意味する。それでも、組み合わせたときに、薬物吸収に影響するような、薬物代謝には関係しない、完全に異なる機序を介するような2つの薬物間での薬物相互作用がある事例で起こり得ることは認められている。
【0020】
ある薬物がP450酵素の阻害剤であるか、誘導剤であるか、又は基質であるかは、当業者に既知の方法により容易に決定され得る。そのような方法には、放射標識した薬物を肝細胞又は肝細胞ミクロソーム又は単離されたP450酵素へ曝露すること、及び代謝物の形成を定量するHPLCのような分析技術を使用することを含み得る。本明細書では、特定の方法を説明する。
【0021】
「組み合わせ」という用語は、組み合わせの「作用薬」及び薬物が同一の医薬製剤において一緒に投与されるか、又は「作用薬」と薬物が別々に投与されることのいずれかを意味する。別々に投与されるとき、この組み合わせの成分は、患者へ同時にか又は連続的に投与され得る。
【0022】
我々は、「作用薬」が主要なシトクロムP450アイソザイムの1A2、2C9、2C19、2D6及び3A4によって有意には代謝されないことを見出した。このことは本発明のさらなる特徴である。
【0023】
本発明の好ましい非相互作用性の組み合わせには、コレステロールを低下させることにも関わり、P450・3A4の誘導剤、阻害剤又は基質でもある薬物と「作用薬」が組み合わされているものが含まれる。薬物の例には、ベザフィブラート、クロフィブラート、シプロフィブラート、フェノフィブラート及びジェムフィブロジル(好ましくはフェノフィブラート)のようなフィブラート類、及びナイアシンが含まれる。この好ましい特徴の特定の態様を以下のセクションBで説明する。
【0024】
本発明の好ましい非相互作用性の組み合わせには、心臓血管系の病態を治療することに関わり、P450・3A4の誘導剤、阻害剤又は基質でもある薬物と「作用薬」が組み合わされているものが含まれる。薬物の例には、ジギトキシン、ジルチアゼム、ロサルタン、ニフェジピン、キニジン、ベラパミル及びワルファリンが含まれる。
【0025】
本発明の好ましい非相互作用性の組み合わせには、「作用薬」がシクロスポリン及び/又はタクロリムス(FK506)と組み合わされていて、従って移植手術を受ける予定であるか又は最近それを体験した患者の上昇したコレステロールレベルを処置するものが含まれる。この好ましい特徴の特定の態様を以下で説明する。
【0026】
本発明の組み合わせが投与されるべきである好ましい患者は、ミオパシーか横紋筋変性を罹患しているか、又はP450・3A4により代謝されるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えばアトロバスタチン、シンバスタチン及びロバスタチンで治療されたときにミオパシー又は横紋筋変性に罹患したことが判明した患者である。
【0027】
本発明の他の特徴には、「作用薬」が5〜80mg/日の用量で使用される、上記の特徴が含まれる。本明細書で「作用薬」について5〜80mg/日の用量範囲が言及される場合、本発明のさらに独立した側面である、他の特定の用量範囲としては、(適切なものとして)10〜80mg/日、10〜60mg/日、10〜40mg/日、5〜40mg/日、5〜20mg/日、10〜20mg/日、20〜60mg/日、20〜40mg/日及び40〜60mg/日が含まれる。特定の用量は、5、10、20、40及び80mg/日である。本明細書で言及される方法における「作用薬」の特に好適な開始用量は5〜10mg/日、特に10mg/日である。
【0028】
P450・3A4の基質には、アセトアミノフェン、アルドリン、アフレンタニル、アミオドラン、アステミゾール、ベンズフェタミン、ブデノシド、カルバマゼピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダプソーン、ジギトキシン、ジルチアゼム、ジアゼパム、エリスロマイシン、エトポシド、フルタミド、ヒドロキシアルギニン、イホスファミド、イミプラミン、ランソプラゾール、リドカイン、ロバチジン、ロサルタン、ロバスタチン、ミドラゾラム、ニフェジピン、オメプラゾール、キニジン、ラパマイシン、レチノイン酸、ステロイド類、タクロリムス、テニポシド、テオフィリン、トレミフェン、トリアゾラム、トロレアンドマイシン、ベラパミル、ワルファリン、ザトセトロン及びゾニサミドが含まれる。
【0029】
P450・3A4の阻害剤には、クロトリマゾール、エチニルエストラジオール、ゲストデン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ジルチアゼム、ナリンゲニン、エリスロマイシン、シクロスポリン及びトリアセチルオレアンドマイシンが含まれる。
【0030】
P450・3A4の誘導剤には、カルバマゼピン、デキサメサゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピン、スルファジミジン、スルフィニピラゾン及びトリアセチルオレアンドマイシンが含まれる。
【0031】
他のP450の誘導剤、阻害剤又は基質の例には、Drug Metabolism Reviews (1997) Vol 29, Issue 1+2, pages 413-580, Rendic, S. and Di Carlo, F. J. "Human cytochrome P450 enzymes,: A status report summarizing their reactions, substrates, inducers and inhibitors" が含まれる。
【0032】
「作用薬」の投与量は、所望されるコレステロール低下効果により、5〜80mg/日の範囲から任意の単位用量数で投与され得る。P450・3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である薬物の投与量は各薬物について推奨されているか、又は市販されているものである。有利にも、P450・3A4のレベルでの相互作用がないために、当業者は、調整する必要がないままに、P450・3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である薬物とともに「作用薬」を投薬し得る。
【0033】
上記の用量範囲及び投与量は本発明のさらに独立した特徴である。
好ましくは、「作用薬」は、ビス[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸]カルシウム塩である(図1に示す)。
【0034】
実験の部
以下の実験は、[14C]−標識「作用薬」のヒト肝細胞における in vitro 代謝運命を決定すること、さらに、あるとすれば[14C]−標識「作用薬」の代謝に特定のP450アイソザイムが関わるかどうかを決定することのために使用される。後者の実験は、[14C]−標識「作用薬」の代謝に対するP450選択的な化学阻害剤(表1参照)の効果の研究に関わる。
【0035】
化合物:[14C]−標識「作用薬」
化学名:ビス[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸]カルシウム塩
異性体:3R,5S,6E−立体異性体
分子量:1001.16(Ca塩)
製剤成分:標識「作用薬」を水に溶かし、インキュベート物への追加に適した溶液を産生する。
【0036】
組織源:国際先進医療研究所(エクストン、アメリカ)から入手した、ミクロソーム及び肝細胞の調製に適したヒト肝臓。さらに、ヒト肝細胞は、Biowhittaker 社又は英国ヒト組織銀行(レスター、イングランド)から入手可能である。
【0037】
実験法
(1)ヒト肝細胞による[14C]−標識「作用薬」の代謝
14C]−標識「作用薬」(1μM又は分析感度に必要ならばより高い濃度)を、2人のヒト臓器ドナーから得た培養肝細胞とともにインキュベートした。0、6、24及び48時間インキュベーションした後にエタノールを用いて培養を終了し、分析するまで約−20℃で保存した。[14C]−エトキシクマリン(25μM)を代謝する能力を試験することによってこの肝細胞の代謝能力をインキュベーションの時間で確認した。試験化合物に関しても、同じ時点でアリコートをメタノールへ除去した。
【0038】
14C]−ZD4522を肝細胞とともにインキュベーションした後に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により代謝物のプロフィールを作成した。[14C]−エトキシクマリンを代謝する肝細胞の能力もHPLCにより確かめた。
【0039】
データの評価
産生されたデータを以下に関して評価した:
(1)ヒト肝細胞が[14C]−標識「作用薬」を代謝するかを評価する。
【0040】
(2)形成された各代謝物の量を定量する。
(2)「作用薬」の代謝に関わる酵素
(適切な濃度の)[14C]−標識「作用薬」を、選択的P450阻害剤(表1参照)の不在及び存在下でヒトの肝臓ミクロソームとインキュベートした。個別に異種発現されるP450アイソザイムと[14C]−標識「作用薬」の同様なインキュベーションも実施した。インキュベーションは適切な有機溶媒を加えて停止した。インキュベートの代謝物プロフィールをHPLCにより作成した。
【0041】
表1 P450アイソザイムの選択的化学阻害剤
―――――――――――――――――――――――――――
P450アイソザイム 選択的阻害剤
―――――――――――――――――――――――――――
1A2 フラフィリン
2C9 スルファフェナゾール
2C19 オメプラゾール
2D6 キニジン
3A4 ケトコナゾール
―――――――――――――――――――――――――――
データの評価
この試験の間に産生されたデータを以下に関して評価した:
(a)[14C]−標識「作用薬」の代謝の速度及び程度
(b)[14C]−標識「作用薬」の代謝を減少させる選択的P450阻害剤の能力を比較し、[14C]−標識「作用薬」の代謝に関わるアイソザイムを決定すること。
【0042】
14C]−標識「作用薬」を代謝する個別に発現されるP450アイソザイムの能力を評価して、[14C]−標識「作用薬」の代謝に関わるP450アイソザイムの判定に援用する。
(c)上記 in vitro データを使用して、既知のP450酵素阻害剤/誘導剤と同時投与するときに、集団における「作用薬」の薬物動態の変動性と「作用薬」の薬物動態に及ぼす可能な効果を予測し得る。
【0043】
「作用薬」が肝細胞全体によっては有意に代謝されないこと、及びこのことがスルファフェナゾール及びオメプラゾールにより阻害されることが見出された。
免疫抑制療法を受けている移植手術後の患者における高脂血症及び関連病態の治療について
ヒト免疫系を抑制するのに使用される2種の一般的な薬物である、シクロスポリン及びタクロリムス(かつてはFK506と呼ばれていた)は、シトクロムP450・3A4により代謝されることが知られている。特に、シクロスポリンはP450・3A4の既知阻害剤でもあり、従って、P450・3A4により代謝される他の薬物の代謝を抑制する可能性がある。それ故に、シクロスポリンやタクロリムス(特に、シクロスポリン)といった薬物を用いるような免疫抑制療法が処方される場合、担当医は、組み合わせて一緒に患者へ提供され得る他の治療薬について留意しなければならない。免疫抑制療法は、最も一般的には、ヒト移植手術の前、間及び後に使用される。特に、心臓移植では、冠動脈性心疾患、卒中、末梢動脈閉塞性疾患又は末梢血管疾患の将来的な発症を抑えるために、患者(特に、コレステロールが高い患者又は心疾患に関連した他の危険因子がある正常脂質の患者)にスタチンの薬物療法を適用することを担当医が望む場合がある。特にこの特定の患者群(ヒト移植患者)では、移植臓器において侵襲的な形式で、しかも短い時間のうちにアテローム性動脈硬化症を患者が加速的に発症するリスクが高いが、これは血管に対する移植時の外科損傷、以前からある未処置の病態、及び免疫抑制療法といった理由に一部よる。移植前に高脂血症を罹患したことのない患者にあってさえ移植後の高脂血症は一般的であり、発症率はレシピエントの60〜80%である。
【0044】
ステロイド類、シクロスポリン及びタクロリムスのようなある種の免疫抑制薬が患者のコレステロールレベルを上昇させることが知られている(Wierzbicki AS (1999) IJCP 53 (1) 54-59)。さらに、シクロスポリン及びタクロリムスは、患者のフィブリノゲン及びリポタンパク質(a)のレベルを上昇させ、移植患者におけるアテローム性動脈硬化症の進行をさらに速める可能性がある(Hohaye H, Clin. Transplant (1997) 11, 225-230; Hilbrands LB, J. Am. Soc. Nephrol (1995) 5, 2073-2081)。この異常な亢進性アテローム性動脈硬化症は、心臓移植患者の1年目には約20%、5年目には40〜65%に存在する(Chang G. et al. American Heart Journal (1998), 136 (2), 329-334)。亢進性アテローム性動脈硬化症の発現率は、心臓移植患者の1年目でCHDを1〜18%発症させ、3年目でCHDを20〜50%発現させると報告されている(Erdoes LS, J. Vasc. Surg. (1995) 22, 434-440)。ロバスタチン、プラバスタチン及びシンバスタチンは、いずれも心臓移植患者のコレステロールレベルを低下させることが示されている。あるプラセーボ・コントロール試験では、プラバスタチンは移植患者の生存を1年延長させ、血行動態性の臓器拒絶の発現率を有意に減少させた。免疫抑制治療薬のプラバスタチンとの重篤な薬物相互作用の発現率がより低いために、現在プラバスタチンは移植後の治療方式において第一選択のスタチン薬となっている。しかしながら、上記に論じたように、プラバスタチンは、例えばアトロバスタチンほどは脂質/コレステロールレベルを低下させない。
【0045】
我々は、「作用薬」が移植後の患者における高コレステロール血症の治療にきわめて有効であること、及び「作用薬」がシトクロムP450・3A4によって代謝されないことを発見した。従って、臨床試験における「作用薬」の使用を介して、「作用薬」が、免疫抑制療法を受けている患者に対し、「作用薬」と免疫抑制薬との併用投与に関連した臨床的に重要な副作用を起こさずに、好便にも投薬され得て、プラバスタチンの使用によるようなかつて達成されたコレステロール低下レベルよりずっと高いレベルを達成することを見出した。
【0046】
我々は、本発明の第一の特徴として、免疫抑制化学療法を受けているヒト患者へ安全な非相互作用性コレステロール低下療法を提供する方法を提示するが、この方法は患者へ「作用薬」を投与することを含む。本発明の方法から利益を得る可能性がある、免疫抑制化学療法を受けている特定の患者は以下の通りである:
1)一次性(IIa型)高コレステロール血症(LDL−L≧135及びTG<200)に罹患している患者;
2)複合(IIb型)高コレステロール血症(LDL−C≧135及びTG≧200)に罹患している患者;
3)確定したCHOか、又はPVD、卒中又は末梢動脈閉塞性疾患のような他のアテローム性動脈硬化症を有する患者;
4)危険因子の組み合わせのために、CHD又は上記のような他のアテローム性動脈硬化症を発症することのハイリスクにある患者。「ハイリスク」という用語は、「冠疾患予防に関する欧州及び他の学会の第2回合同タスクフォース推奨案」(Wood, D. et al. European Heart Journal, Atherosclerosis and Journal of Hypertension 1998)において、「CHD発症リスクが10年間で20%以上であるか、又は60歳へ延長すれば20%を越すこと」と定義されている。患者がハイリスクにあるかどうかは上記推奨案に付帯するチャートにより決定され得るが、このチャートは参照により本明細書に組込まれている。例えば、喫煙して、180mmHg又はそれ以上の収縮期血圧と7ミリモル/L又はそれ以上の全血漿コレステロール濃度を有する40代の男性患者はハイリスクとして分類される。同様に、以下に記載されるような、危険因子を低減させるための他の類似ガイドラインもそのまま適用し得る;
a)JAMA, June 16, 1993-Vol 629, No. 23, Pages 3015-3023−"Summary of the NCEP Adult Treatment Panel II Report"−特に図1、3018−3019頁。これは参照により本明細書に組込まれている。
【0047】
b)Post Graduate Medical Journal 1993; 69 (811): 359-369−"Management of hyperlipidemia: guidelines of the British Hyperlipidaemic Association"−特に表V及び表VI。これらは参照により本明細書に組込まれている。
【0048】
c)Heart 1998; 80 Supplement 2: S1-S29−"Joint British recommendations on prevention of coronary heart disease in clinical practice"−特にS4−S5頁の図1。これは参照により本明細書に組込まれている。
【0049】
d)The Lancet 1995; December 2, Vol. 346, 1467-1471−"Sheffield risk and treatment table for cholesterol lowering for primary prevention of coronary heart disease"−特に1468頁に掲載の表。これは参照により本明細書に組込まれている。
5)I型又はII型糖尿病に罹患している患者;
6)心臓移植を受ける予定であるか又はすでに体験した患者。
【0050】
スタチン治療薬は、免疫抑制化学療法を受けている患者において以下のことを達成するために投与され得る:
1)IVUSにより測定される冠動脈アテローム内膜厚を30%以上減少させること;
2)LDL−Cを少なくとも30、40、50%減少させること;
3)HDL−Cを維持するか又は少なくとも5、10、15%増加させること;
4)プラバスタチンと同等の用量と同一の期間において、上記数値のいずれかをそれよりもよく変化させること。
【0051】
本発明のさらなる特徴として、及びまた「作用薬」がP450アイソザイムによりさしたる程度に代謝されないという事実により、免疫抑制療法を受けている患者へ、以前よりも安全に、フィブラートと「作用薬」を投与することが可能である。前に論じたように、フィブラート及びスタチンの投与はこれまで横紋筋変性及びミオパシーのより高い発症率と関連づけられてきた。さらに、両剤が同じP450アイソザイムにより代謝されるために、フィブラート薬はシクロスポリンと実際に相互作用する。従って、スタチン及びフィブラート薬を免疫抑制治療薬と組み合わせて使用することは、重篤な相互作用が起こり得る可能性により配合禁忌であった(Hunninghake 1992, Wanner C. Kidney Int. (1995) 52 (suppl.), S60-S62; Katznelson S. Contributions Nephrol. (1997) 120, 97-104)。しかしながら、可能ならば、スタチンとともにフィブラートも投与することは有利であろう。フィブラートはスタチンとは異なるリポタンパク質を低下させることが知られていて、それ故その組み合わせた相補的な薬理作用により、CHOとアテローム動脈硬化の形成に関連した上記他の疾患の可能性をさらに低減し得るからである。従って、P450・3A4により代謝されない「作用薬」をフィブラート及び免疫抑制治療薬とともに組み合わせることの可能性は、そのような患者において、スタチン、フィブラート及び免疫抑制薬の投与によりかつて達成されたより大きい程度で、しかもより安全にコレステロールをさらに低下させる可能性を提供する。
【0052】
フィブラート薬は、ペルオキシ増殖剤応答性受容体−α(PPAR−α)を介して作用し、アテロームに関わる多くの遺伝子で遺伝子活性化に影響を及ぼすと考えられている。フィブラート薬の服用患者は、LDLサブ分画分布の改善(VLDLの減少とHDLの上昇)、LDLの減少、及びトリグリセリドレベルの減少、さらにインスリン感受性の改善を介した可能な利点を示す。フィブラート薬の例には、ベザフィブラート、シプロフィブラート、フェノフィブラート及びジェムフィブロジルが含まれる。
【0053】
「安全な非相互作用性のスタチン療法」という用語の使用は、「作用薬」がP450・3A4により代謝されず、従って免疫抑制治療薬の代謝に影響しないこと、又はその逆も正しいことを意味する。
【0054】
免疫抑制治療薬が処方され得ない疾患及び病態には、上記に述べた臓器移植だけでなく、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、紅斑性狼瘡のようなリウマチ性の疾患を含む自己免疫疾患;及び突発性血小板減少性柴斑病、自己免疫性溶血性貧血及び急性糸球体腎炎のような他の自己免疫疾患が含まれる。
【0055】
「作用薬」は免疫抑制化学療法と同時に投与され得るか、又は同時でないとしても、免疫抑制治療薬の投与から短時間のうちに、例えば同日の6、3、2又は1時間以内に投与され得る。
【0056】
「作用薬」は、所望されるコレステロール低下効果に応じて、5〜80mg/日の範囲から単位投与量の任意回数、好ましくは1日1回で、投与され得る。理想的な用量は1日1回、10、20及び40mgである。好ましい用量は1日1回、20及び40mgである。
【0057】
「作用薬」と組み合わせ得る特定の免疫抑制薬は、P450・3A4のような肝臓酵素により代謝され、従って、「作用薬」と薬物相互作用する可能性が低いものである。この例には、上記に述べたシクロスポリン及びタクロリムスだけでなく、やはり肝臓で代謝されるコルチコステロイド剤が含まれる。コルチコステロイドの例にはプレドニゾン(特に臓器移植に使用される)が含まれる。好ましくは、1つ以上の薬剤が使用される場合、少なくとも1つの免疫抑制剤はシクロスポリンかタクロリムスのいずれかであり、好ましくはシクロスポリンである。
【実施例】
【0058】
以下の非限定的な実施例は、本発明のこの側面の性能を説明するための臨床治験である。
プロトコール:
表題:「作用薬」又はプラバスタチンの12ヶ月投与後に、心臓移植後の冠動脈アテローム負荷の変化をIVUS測定で評価する二重盲検、平行群間試験
目的:本試験の主要目的は、「作用薬」又はプラバスタチンで12ヶ月治療した後に、血管内超音波検査(IVUS)(中心で読む)により評価される、前下行冠動脈の最大平均内膜厚の変化を測定することである。内膜厚が基線量から30%以上変化することは臨床的に重要であると考えられる。
【0059】
本発明試験の副次目的は、冠動脈アテローム負荷に対する効果を測定し、「作用薬」の効果を以下の評価項目について比較することである:
・有害事象報告により評価されるような臓器拒絶の証拠
・LDL−C、HDL−C、アポB、アポ−A−I、Lp(a)の濃度、ex vivo 血小板凝集、フィブリノーゲン、PAI−I及び血管炎症の循環マーカーの濃度の測定
・治療52週後の脂質値の比較
・治療52週後の炎症マーカーの測定(HLA抗原VCAM/ICAMの発現、生検により評価)
・薬物の安全性及び忍容性を判定すること
被検者の型及び数:無作為化のときに高コレステロール血症でトリグリセリド<400mg/dlの心臓移植後の男性及び女性(18歳以上)約40名。
【0060】
治験治療:「作用薬」(10mg)又はプラバスタチン(10mg)の1日1回投薬、2週間、次いで「作用薬」20mg又はプラバスタチン20mgへ増量。4週後、「作用薬」40mg又はプラバスタチン40mgへ用量を増量させる。用量を40mgへ増量させた患者は、研究者の判断により、用量を20mgへ減量してよい。
【0061】
治療期間:適格な患者を2つの治療群、「作用薬」又はプラバスタチン、52週のいずれか1つへ無作為化する。
一次測定:最大平均内膜厚の基線量からの平均変化、IVUS(中心で読む)により評価。
【0062】
二次測定:6及び12ヶ月におけるLDL−Cの基線量からの変化率。
総コレステロール(TC)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、LDL−C/HDL−C、TC/HDL−C、非HDL−C/HDL−C及びトリグリセリド(TG)の基線量からの変化率。
【0063】
6及び12ヶ月におけるアポB、アポB/アポA−1、アポA−1、Lp(a)及び微量分画の基線量からの変化率。
12ヶ月における可能な増量のそれぞれに対する被検者の比率。
【0064】
心臓内の拒絶は有害事象として考慮する。
炎症マーカー(HLA抗原レベルとICAM/VCAM発現)の基線量からの変化率。
【0065】
有害事象、身体所見、及び検査データにより判定される安全性の評価
治験デザイン
これは、多施設、無作為化、二重盲検、平行群間臨床治験である。手術後1〜4週以内に、「作用薬」又はプラバスタチンのいずれかを52週間投与するように被検者を無作為化する。被検者は、「通院2」において「作用薬」又はプラバスタチンのいずれかの10mg用量で治療を開始し、強制増量期(forced titration period)の「通院3」において20mgへ用量を増量する。「通院4」と後続の通院時において、研究者には、選択増量期に各薬物を40mgまで増加させる選択肢がある。用量を40mgまで増量させた患者は、研究者の判断により、20mgへ減量してよい。
【0066】
【表1】

【0067】
包含基準:
(1)無作為化に先立つ4週間以内に心臓移植を受けたこと
(2)絶食時のTG濃度が4.52ミリモル/L(400mg/dl)未満であること
除外基準:
以下はいずれもこの治験から除外するための判断基準とみなされる。
(1)移植後から試験に参画する前に他のコレステロール低下薬又は脂質低下性の栄養補助食品又は食品添加物を使用したこと。
(2)他のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤に対する重篤又は過敏な反応の既往歴があること。
(3)妊娠女性、授乳している女性、及び避妊薬や物理的な避妊手段を使用していないか又は血清妊娠検査(血清β−ヒト絨毛性ゴナドトロピン[β−HCG]分析)が陽性である、受胎の可能性がある女性。
(4)過去5年間に糖尿病ケトアシドーシスの既往歴がある被検者は除外される。
(5)「通院2」の時点で甲状腺刺激ホルモン(THS)がULNの1.5倍を超えている、コントロールできない甲状腺機能低下症の被検者、又は甲状腺置換療法を直近3ヶ月以内に開始した被検者。
(6)以下に記載される併用薬の使用(但し、免疫抑制薬とジアゼパムは除く)。
(7)アルコール及び/又は薬物を乱用していること。
(8)「通院2」の時点で、肝機能検査項目(ALT、AST又はビリルビン)のいずれかがULNの1.5倍以上に上昇していることとして定義される急性肝疾患又は肝機能不全。
(9)「通院2」の時点で、血清CKがULNの3倍より高いこと。
(10)血清クレアチニン>220μモル/L(2.5mg/dl).
(11)癌のある被検者、又は再発の可能性なしとは言えないと研究者が判断する、癌の既往歴がある被検者。
(12)この治験の無作為化より4週間未満に他の薬物の治験に参加していること。
(13)二重盲検治療に無作為化された後に脱落した被検者は、この治験に再び参画し得ない。
(14)被検者の安全性、又は好結果の治験参画を妨げると研究者が判断する、重篤又は不安定な医学的又は心理学上の病態
(15)周期性ホルモン置換療法(HRT)、周期性経口避妊薬療法(OCT)、デポープロゲステロン注射を受けている被検者、又は非周期性HRT又はOCTを直近3ヶ月以内に開始した被検者。
【0068】
【表2】

【0069】
フリーデワルト(Friedewald)の式
LDL−Cレベルはフリーデルワルトの式から以下のように算出される:
SI単位(ミリモル/l)では:LDL−C=総コレステロール−[HDL−C+トリグリセリド/2.2]
非SI単位(mg/dl)では:LDL−C=総コレステロール−[HDL−C+トリグリセリド/5]
脂質管理に関するNCEP目標の要約a
NCEPリスクカテゴリー ターゲットLDL−C(NCEP)
CHD/PVDなし、危険因子が1又は0 <160mg/dL
CHD/PVDなし、危険因子が2以上 <130mg/dL
臨床的に明らかなCHD/PVD ≦100mg/dL
a成人高コレステロール血症の検出、評価及び治療に関する専門家パネルの第二レポート。ベテスダ(MD):National Institutes of Health, National Heart and Lung Institute 1993 Sep. Report No.: 93-3095
NCEP:国家コレステロール教育プログラム
「作用薬」及びフィブラート薬又はナイアシンの組み合わせを使用する、高脂血症及び関連病態の治療について
ミオパシーと横紋筋変性は,いずれもP450・3A4の基質であるジェムフィブロジル、ナイアシン、シクロスポリン又はエリスロマイシンと組み合わせてスタチンを服用することに関連づけられている(HMG CoA reductase inhibitors, Hunninghake, Current Opinion in Lipidology (1992) 3, 22-28)。さらに、フィブラート薬を服用することに関連した有害事象もスタチン療法の併用とともに増加すると報告されている。ジェムフィブロジルを服用している患者に時々起こる流行性筋炎様の症候群は、スタチンも投与されている患者では5%へ増加する。
【0070】
アメリカとヨーロッパのいずれでも、市販されているスタチンすべてのラベルにフィブラート薬との併用が禁忌であると表示されている。重大な薬物相互作用が発生する可能性があるにもかかわらず、家族性混合性高脂血症の患者のような、より重症レベルの高脂血症患者に対して、医師はスタチンとフィブラート薬の組み合わせ療法を実際に処方するものだが、ここでは、重大な薬物相互作用のリスクより組み合わせ療法の利益が重視されるからである。フィブラート薬及びスタチンの組み合わせ療法が処方される場合、患者はそのCK値を、安定したパターンが確立されるまで、規則的に、典型的には6週ごとに定量されるべきである。CK活性の上昇に関連した筋肉症状が発生すれば、治療を中断する。しかしながら、LipitorTMの米国ラベルから引用すれば、「[CKレベルの]そのようなモニタリングが重症ミオパシーの発生を防ぐ保証はない」。
【0071】
我々は、「作用薬」が、フィブラート薬と組み合わせたときに、高脂血症及び高トリグリセリド血症の混合した患者を治療するのにきわめて有効であること、及び「作用薬」がシトクロムP450アイソザイム3A4により代謝されないことを発見した。従って、臨床試験における「作用薬」の使用を介して、フィブラート薬も服用している患者に対し、「作用薬」及びフィブラート薬の併用投与に関連した臨床的に重大な副作用を起こさずに、「作用薬」が好便に投与し得ることを見出した。さらに、「作用薬」及びフィブラート薬の使用により、これまで達成されたよりもずっと高いレベルの脂質低下効果が達成され得る。この組み合わせは、LDL、VLDL及びTGがいずれも上昇している混合性高脂血症において最も有用である。
【0072】
我々は、本発明の第一の特徴として、ヒト患者、好ましくは混合性高脂血症及び高トリグリセリド血症に罹患している患者を含む哺乳動物へ、安全な非相互作用性の脂質を低下させる組み合わせ療法を提供する方法を提示する。この方法は、その患者へ「作用薬」及びフィブラート薬又はナイアシンを投与することを含む。
【0073】
本明細書で使用される「組み合わせ」という用語は、(1)組み合わせられる「作用薬」及びフィブラート薬が、同一の医薬製剤においてともに投与されること、又は(2)「作用薬」及びフィブラート薬が別々に投与されることのいずれかを意味する。別々に投与される場合、この組み合わせの成分は、患者へ同時にか又は連続的に投与され得る。
【0074】
「フィブラート薬」という用語は、フィブル酸の構造/活性と類似している薬剤のクラスを意味し、そのような薬物には以下の市販薬物が含まれる;ベザフィブラート、クロフィブラート、シプロフィブラート、フェノフィブラート及びジェムフィブロジル、好ましくはフェノフィブラート。
【0075】
本発明の組み合わせを投与されるのに好ましい患者は、P450・3A4により代謝されるスタチン及び/又はフィブラート薬で治療されたときにミオパシー又は横紋筋変性に罹患することが判明した患者である。
【0076】
本発明の方法から利益を得る可能性がある特定の患者は以下の患者である:
1)混合性(IIb型)高コレステロール血症(典型的には、LDL−C≧135mg/dL及びTG≧200mg/dL)に罹患している患者;
2)家族性(IV型及びV型)高コレステロール血症を罹患している患者;
3)以下のような病態から続発性の高コレステロール血症に罹患している患者:
a)糖尿病(I型又はII型)
b)ネフローゼ症候群
c)尿毒症
d)甲状腺機能亢進症
e)閉塞性肝疾患
4)確定したCHOか、又はPVD、卒中又は末梢動脈閉塞性疾患のような他のアテローム性動脈硬化症を有する患者;
5)危険因子の組み合わせのために、CHD又は上記のような他のアテローム性動脈硬化症を発症することのハイリスクにある患者。「ハイリスク」という用語は、「冠疾患予防に関する欧州及び他の学会の第2回合同タスクフォース推奨案」(Wood, D. et al. European Heart Journal, Atherosclerosis and Journal of Hypertension 1998)において、「CHD発症リスクが10年間で20%以上であるか、又は60歳へ延長すれば20%を越すこと」と定義されている。患者がハイリスクにあるかどうかは上記推奨案に付帯するチャートにより決定され得るが、このチャートは参照により本明細書に組込まれている。例えば、喫煙して、180mmHg又はそれ以上の収縮期血圧と7ミリモル/L又はそれ以上の全血漿コレステロール濃度を有する40代の男性患者はハイリスクとして分類される。以下に記載されるような、危険因子を低減させるための他の類似ガイドラインもそのまま適用し得る;
a)JAMA, June 16, 1993-Vol 629, No. 23, Pages 3015-3023−"Summary of the NCEP Adult Treatment Panel II Report"−特に図1、3018−3019頁。これは参照により本明細書に組込まれている。
【0077】
b)Post Graduate Medical Journal 1993; 69 (811): 359-369−"Management of hyperlipidemia: guidelines of the British Hyperlipidaemic Association"−特に表V及び表VI。これらは参照により本明細書に組込まれている。
【0078】
c)Heart 1998; 80 Supplement 2: S1-S29−"Joint British recommendations on prevention of coronary heart disease in clinical practice"−特にS4−S5頁の図1。これは参照により本明細書に組込まれている。
【0079】
d)The Lancet 1995; December 2, Vol. 346, 1467-1471−"Sheffield risk and treatment table for cholesterol lowering for primary prevention of coronary heart disease"−特に1468頁に載っている表。これは参照により本明細書に組込まれている。
【0080】
スタチン療法は、フィブラート薬又はナイアシンを服用している患者において以下を達成するために投与され得る:
1)LDL−Cを少なくとも30、40、50、60、70又は80%減少させること、
2)HDL−Cを維持するか又は少なくとも5、10、15%増加させること、
3)トリグリセリドを少なくとも10、20、30又は40%低下させること
フィブラート又はナイアシン、及び「作用薬」の組み合わせは、同時又は連続的に服用され得る個別の剤形としてか、又は組み合わせた剤形において、適用され得る。フィブラート及び「作用薬」の組み合わせはまた、患者血液中のLDL−Cの低下、HDL−Cの維持又は増加、又はトリグリセリドの低下に対し、相加又は相乗的な効果を及ぼすだろう。
【0081】
さらに、ナイアシン及び「作用薬」の組み合わせは、同時又は連続的に服用され得る個別の剤形としてか、又は組み合わせた剤形において、適用され得る。フィブラート及び「作用薬」の組み合わせはまた、患者血液中のLDL−Cの低下、HDL−Cの維持又は増加、又はトリグリセリドの低下に対し、相加又は相乗的な効果を及ぼすだろう。
【0082】
投与される「作用薬」の用量は、疾患の重症度、患者の年齢、体重及び性を概ね考慮に入れている担当医の判断による。しかしながら、一般的な用量は5〜80mg/日、経口であり、好ましくは、1日1回の経口錠剤の形態であろう。
【0083】
本発明の組み合わせにおいて投与されるフィブラート薬又はナイアシンの用量も、上記の要因のすべてと、どの薬物を使用するかを特に考慮に入れている担当医の判断による。
【0084】
クロフィブラート(例、Atromid−S(登録商標))では、「1日20〜30mg/体重kg、食後2又は3回、経口投与」が一般的である。
べゾフィブラート(例、Bezalip(登録商標))では、「1日1回400mg、夕食後又は朝食後、経口」が一般的である。
【0085】
フェノフィブラート(例、Lipantil(登録商標))では、「1日1回200mg又は62mg、3回、食事中」が一般的である。
ジェムフィブロジル(例、Lopid(登録商標))では、「1日2回600mg、経口」が一般的である。
【0086】
シプロフィブラート(例、Modalim(登録商標))では、「1日1回100mg、経口」が一般的である。
ナイアシン(NIASPAN(登録商標)、持続放出性ナイアシン製剤、及び好ましい特性)では、「1日1〜4回、好ましくは1日2〜4回、500mg」。
【0087】
好ましいフィブラート薬はフェノフィブラートである。
好ましくは、「作用薬」は、ナイアシンを服用している患者へ1日10mg又は40mg用量で投与される。
【0088】
本発明の特定の側面は、以下の非限定的な実施例により明示される。
臨床治験
健常男性ボランティアを用いて「作用薬」及びフェノフィブラートの同時投与が各化合物の薬物動態に及ぼす効果を評価する、無作為化、非コントロール、単一施設、オープンラベルの3回交差試験
目的:本治験の主要目的は「作用薬」及びフェノフィブラートの同時投与が「作用薬」とフェノフィブラート双方の薬物動態に及ぼす効果を評価することである。全ボランティアの安全性は臨床モニタリングにより確保される。
【0089】
ボランティアのタイプ及び数:14名の健常男性ボランティア。
治験デザイン:本治験は、単一のセンターで実施される、無作為化、非コントロールの3回交差試験である。
【0090】
治験処置:本治験は3回の7日処置期間(期間A、B、C)からなる。ボランティアは、「作用薬」10mgカプセル1日1回7日間、フェノフィブラート67mgカプセル1日3回7日間、及びその組み合わせ7日間を、無作為な順序で服用する。各試験期間の間には少なくとも3週間のウォッシュアウト期間がある。
【0091】
処置期間:本試験は7日投与の3期間(計21投薬日)からなり、投与期間A、B及びCの間には3週のウォッシュアウトがある。
一次エンドポイント:一次エンドポイントは以下の通りである:
・フェノフィブラートの存在及び不在下における「作用薬」のAUC(0−24)及びCmax
・「作用薬」の存在及び不在下におけるフェノフィブラートのAUC(0−8)及びCmax
二次エンドポイント:二次エンドポイントは以下の通りである:
・フェノフィブラートの存在及び不在下における「作用薬」のtmax、t1/2、Cmin
・「作用薬」の存在及び不在下におけるフェノフィブラートのtmax、t1/2、Cmin
・安全性評価:諸症状、血圧及び脈拍、ECG、臨床化学、血液学及び尿分析
【0092】
【表3】

【0093】
【表4】

【0094】
1 目的
主要目的
本治験の主要目的は「作用薬」及びフェノフィブラートの同時投与が「作用薬」とフェノフィブラート双方の薬物動態に及ぼす効果を評価することである。
【0095】
副次目的
この治験に副次目的はない。
全ボランティアの安全性は臨床モニタリングにより確保される。
【0096】
治験デザイン
本治験は、単一のセンターで実施される、無作為化、非コントロール、オープンラベルの3回交差試験である。
【0097】
ボランティアは、以下の3種の処置処方を無作為な順序で服用する:
・「作用薬」10mg、1日1回、7日間
・フェノフィブラート(LipantilTM)67mg、1日3回、7日間
・「作用薬」(10mg、1日1回)及びフェノフィブラート(LipantilTM、67mgx3/日)を組み合わせて投与、7日間
各処置期間の間には少なくとも3週間(21日間)のウォッシュアウト期間がある。
【0098】
包含基準
本治験に包含されるには、ボランティアは以下の判定基準をすべて満たさなければならない:
・男性、18〜65歳を含む年齢。
・既往歴、安静心電図(ECG)及び24時間連続運動ECG(過去12ヶ月実施していない場合)を含め、臨床検査値が正常であること。
・過去12ヶ月の間、血清B型肝炎の表面抗原とC型肝炎の抗体スクリーニングで陰性であること、及びフェリチンのスクリーニングで正常であること。
・体重が理想体重(都会人の身長及び体重表)から20%以上は異なっていないこと。
【0099】
除外基準
以下の判定基準のいずれかを満たすボランティアはこの治験から除外される。
・乱用薬を含む、医薬品又は治療薬の使用。
・本治験での投薬前4ヶ月のうちに他の新規化合物を服用したこと(新規化合物とは販売承認の申請をしていない化合物のことである)。
・本治験の開始前3ヶ月のうちに他の治験に参画したこと(薬物を投与しない非侵襲性の方法は除く)。
・本治験の開始前2週間のうちに何らかの急性疾患に罹ったこと。
・臨床化学、血液学又は尿分析の結果において臨床的に重大な異常値があること。さらに、以下の臨床化学値は正常値の上限以下でなければならない:全ビリルビン、ALT、AST及びCK
・獲得性免疫不全症候群(AIDS)、B型肝炎又はC型肝炎の原因となる病原体を血液又は他の体液を介して伝染させるリスク(があると研究者に判断されること)。
・「作用薬」又は関連スタチン、又はフェノフィブラート及び関連フィブラート薬に類似の化学構造を有する薬物に対して有害な薬物反応又は過敏反応をした個人歴又は家族歴が明確であるか又は疑われること。
・薬物の吸収、分布、代謝又は排泄に干渉することが知られている胃腸、肝臓、胆嚢又は腎臓の疾患、又は他の病態の既往歴又は存在。
・ギルバート症候群の病歴。
・本治験に参画すれば、本治験の終了前12ヵ月のうちに1350mlを上回る量の血液をボランティア提供することになること。
・過剰なアルコール摂取(1週あたり最大量として28ユニットを上回る量を摂取すること:1ユニットは半パイントのビール又は一定量の蒸留酒に等しい)。
・肝毒性を起こす可能性が知られている薬物(例、ハロタン)でこの3ヶ月のうちに治療されたこと。
・研究者又はボランティアの開業主治医により、ボランティアが本治験に参画すべきでないと臨床的に判断されること。
【0100】
ボランティアの制限事項
ボランティアには以下のことが要求される:
・研究者が事前に承認していなければ、各試験期間における「第1試験日」の96時間前から「作用薬」の最終投与又はフェノフィブラートの午前投与を受けてから72時間はいかなる医薬品(店頭薬も含む)も服用しないこと。
・各試験日の前日は真夜中から絶食し、各試験期間の「第1〜7試験日」では到着後すぐに軽い食事をとること。
・各試験期間の「第7試験日」に最初の投与を受けてから24時間は運転、サイクリング、機械(ドリル、サンダー、鋭利な機器など)の使用を慎むこと。
・各試験期間の「第7試験日」に最初の投与を受けてから24時間は外出しないこと。
・各試験期間の「第1試験日」の前夜から「作用薬」の最終投与又はフェノフィブラートの午前投与を受けてから72時間は、喫煙、グレープフルーツ、グレープフルーツジュース、カンゾウ、又はカフェイン含有飲料又は食品(例、コーヒー、茶、ココア、チョコレート及びコーラ)の消費を慎むこと。
・各試験期間における「第1試験日」の96時間前から「作用薬」の最終投与又はフェノフィブラートの午前投与を受けてから72時間は、アルコールを飲まないこと。
・各試験期間における「第1試験日」の96時間前から「作用薬」の最終投与又はフェノフィブラートの午前投与を受けてから72時間は、身体運動を慎むこと。
・「作用薬」又はフェノフィブラートの初回投与を受けてから試験後の検診までは潜在的に危険な作業又は活動を慎むこと。
・試験期間中、及び治験処置の最終投与後3ヶ月間は献血しないこと。
【0101】
製剤、表示及び保存
剤形と投与
ボランティアは、まっすぐ坐った状態で、「作用薬」又はフェノフィブラートのカプセルを200mlの精製水とともに口から服用する。
【0102】
各処置期間の「第1〜7試験日」に、ボランティアは以下の処置の1つを受ける:
・8:30から9:30の間に「作用薬」カプセル10mgを1回服用すること
・フェノフィブラートカプセル67mgを3回服用すること
−初回のカプセルを8:30〜9:30の間
−2回目のカプセルを16:30〜17:30の間、食事とともに
−3回目のカプセルを22:30〜23:30の間、食事とともに
・「作用薬」カプセル10mgを1回、フェノフィブラートカプセル67mgを3回服用すること
−「作用薬」のカプセルとフェノフィブラートの初回カプセルを8:30〜9:30の間に同時服用
−2回目のフェノフィブラートカプセルを16:30〜17:30の間、食事とともに
−3回目のフェノフィブラートカプセルを22:30〜23:30の間、食事とともに
各試験期間の「第1〜6試験日」に、ボランティアは試験室を毎日訪れ、「作用薬」、フェノフィブラート又は「作用薬」/フェノフィブラートの組み合わせの用量を投与したらすぐに試験室を立ち去ることが許されている。但し、第7試験日では、ボランティアは24時間とどまることになる。
【0103】
ボランティアがフェノフィブラートへ無作為化された治験期間では、残り2用量のフェノフィブラートを自宅で服用してよい。ボランティアには、上記のように服用される1瓶のフェノフィブラートが与えられる。ボランティアには、その用量が正しい時間に服用されることを確実にするためのプレセットタイマーと、その用量が服用されたことを書き留める日誌カードも与えられる。「作用薬」とフェノフィブラートがボランティアへ与えられる場合、適切な症例記録フォーム(CRF)へ切り取りラベルが付けられる。研究者は、各ボランティアが正しい処置を受けていることを保証しなければならない。
【0104】
臨床及びラボ評価
一次エンドポイント:
以下の変数を一次エンドポイントとして測定する:
・フェノフィブラートの存在及び不在下における「作用薬」のAUC(0−24)及びCmax
・「作用薬」の存在及び不在下におけるフェノフィブラートのAUC(0−8)及びCmax
二次エンドポイント:
以下の変数を二次エンドポイントとして測定する:
・フェノフィブラートの存在及び不在下における「作用薬」のtmax、t1/2、Cmin
・「作用薬」の存在及び不在下におけるフェノフィブラートのtmax、t1/2、Cmin
・安全性評価:諸症状、血圧及び脈拍、ECG、臨床化学、血液学及び尿分析
医薬組成物
以下の実施例は、限定しないが、本明細書で規定した本発明における使用に適した医薬品の剤形である:
カプセル mg
「作用薬」 5.0
ラクトース 42.5
コーンスターチ 20.0
微結晶性セルロース 32.0
ゼラチン化デンプン 3.3
ヒドロタルシット 1.1
ステアリン酸マグネシウム 1.1
「作用薬」の1、2.5又は10mgを含有するカプセルは、全重量を105mgに維持するためにラクトースを適宜増減して使用することで、同じように得られる。
【0105】
略号及び慣例使用
略語 用語
ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ
ALP アルカリホスファターゼ
アポB アポリポタンパク質B100
AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
AUC 時間ゼロから無限までの濃度曲線下面積
AUC(0−t) 時間ゼロから最終定量可能濃度の時間までの血漿濃度曲線 下面積
CABG 冠状動脈バイパスグラフト
max 最大濃度
CK クレアチニンキナーゼ
CVA 脳血管発作
ECG 心電図
EAS 欧州アテローム性動脈硬化症学会
EDTA エチレンジアミン四酢酸
XGT γ−グルタリルトランスフェラーゼ
HMG−CoA 3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A
HDL 高密度リポタンパク質
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HRT ホルモン置換療法
IU 国際単位
IVUS 血管内超音波検査
LDL 低密度リポタンパク質
LDL−C 低密度リポタンパク質−コレステロール
MVA メバロン酸
NC 計算不能
NCEP 国家コレステロール教育プログラム
NDSR 国立研究データシステム
THC テトラヒドロカンナビトール
TG トリグリセリド
1/2 半減期
max 最大濃度時間
TC 総コレステロール
TG トリグリセリド
TIA 一過性虚血発作
TSH 甲状腺刺激ホルモン
ULN 正常上限値
VLDL 超低密度リポタンパク質
【0106】
【化1】

【0107】
以下に、原出願の出願時の特許請求の範囲を示す。
[請求項1](E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩であるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤と、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質である薬物とを含んでなる、非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項2]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤又は誘導剤である、請求項1に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項3]各薬物が一緒に投与されるか、又は各薬物が連続的に投与される、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項4]第二の薬物がコレステロールを低下させるために使用され、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項5]第二の薬物がベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル及びナイアシンから選択される、請求項4に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項6]第二の薬物がフェノフィブラートである、請求項5に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項7]第二の薬物が心臓血管系の病態を治療するのに使用され、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質でもある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項8]第二の薬物がジギトキシン、ジルチアゼム、ロサルタン、ニフェジピン、キニジン、ベラパミル及びワルファリンから選択される、請求項7に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項9]第二の薬物が免疫抑制治療に使用され、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項10]第二の薬物がシクロスポリン、タクロリムス及びコルチコステロイドから選択される、請求項9に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項11](E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩が1日1回5、10、20、40又は80mgで投薬される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の非相互作用性の薬物組み合わせ。
[請求項12](E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である薬物、及び製剤的に許容される希釈剤、担体又はアジュバントを含んでなる、医薬製剤。
[請求項13]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の基質であり、アセトアミノフェン、アルドリン、アフレンタニル、アミオドラン、アステミゾール、ベンズフェタミン、ブデノシド、カルバマゼピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダプソーン、ジギトキシン、ジルチアゼム、ジアゼパム、エリスロマイシン、エトポシド、フルタミド、ヒドロキシアルギニン、イホスファミド、イミプラミン、ランソプラゾール、リドカイン、ロバチジン、ロサルタン、ロバスタチン、ミドラゾラム、ニフェジピン、オメプラゾール、キニジン、ラパマイシン、レチノイン酸、ステロイド類、タクロリムス、テニポシド、テオフィリン、トレミフェン、トリアゾラム、トロレアンドマイシン、ベラパミル、ワルファリン、ザトセトロン及びゾニサミドから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
[請求項14]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤であり、クロトリマゾール、エチニルエストラジオール、ゲストデン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ジルチアゼム、ナリンゲニン、エリスロマイシン、シクロスポリン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
[請求項15]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の誘導剤であり、カルバマゼピン、デキサメサゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピン、スルファジミジン、スルフィニピラゾン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
[請求項16](E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩である第一の薬物と、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物を含んでなる、調剤パック。
[請求項17]第二の薬物がコレステロールを低下させるために使用され、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である、請求項16に記載の調剤パック。
[請求項18]第二の薬物がベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル及びナイアシンから選択される、請求項17に記載の調剤パック。
[請求項19]第二の薬物が心臓血管系の病態を治療するのに使用され、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質でもある、請求項16に記載の調剤パック。
[請求項20]第二の薬物がジギトキシン、ジルチアゼム、ロサルタン、ニフェジピン、キニジン、ベラパミル及びワルファリンから選択される、請求項19に記載の調剤パック。
[請求項21]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の基質であり、アセトアミノフェン、アルドリン、アフレンタニル、アミオドラン、アステミゾール、ベンズフェタミン、ブデノシド、カルバマゼピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダプソーン、ジギトキシン、ジルチアゼム、ジアゼパム、エリスロマイシン、エトポシド、フルタミド、ヒドロキシアルギニン、イホスファミド、イミプラミン、ランソプラゾール、リドカイン、ロバチジン、ロサルタン、ロバスタチン、ミドラゾラム、ニフェジピン、オメプラゾール、キニジン、ラパマイシン、レチノイン酸、ステロイド類、タクロリムス、テニポシド、テオフィリン、トレミフェン、トリアゾラム、トロレアンドマイシン、ベラパミル、ワルファリン、ザトセトロン及びゾニサミドから選択される、請求項16に記載の調剤パック。
[請求項22]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤であり、クロトリマゾール、エチニルエストラジオール、ゲストデン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ジルチアゼム、ナリンゲニン、エリスロマイシン、シクロスポリン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項16に記載の調剤パック。
[請求項23]第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤であり、カルバマゼピン、デキサメサゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピン、スルファジミジン、スルフィニピラゾン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項16に記載の調剤パック。
[請求項24]P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物との組み合わせ療法に使用する医薬品の製造における、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩の使用。
[請求項25]P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物との組み合わせ療法においてコレステロール低下療法に使用する医薬品の製造における、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩の使用。
[請求項26]第二の薬物がベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル及びナイアシンから選択される、請求項25に記載の使用。
[請求項27]P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物と組み合わせて心臓血管系病態の治療に使用する医薬品の製造における、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩の使用。
[請求項28]第二の薬物がジギトキシン、ジルチアゼム、ロサルタン、ニフェジピン、キニジン、ベラパミル及びワルファリンから選択される、請求項27に記載の使用。
[請求項29]免疫抑制療法を受けている患者のコレステロール低下療法に使用する医薬品の製造における、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩の使用。
[請求項30]免疫抑制療法がシクロスポリン、タクロリムス及びコルチコステロイドから選択される薬物の投与を含む、請求項29に記載の使用。
[請求項31]免疫抑制療法を受けている患者における、ベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル及びナイアシンから選択される第二の薬物と組み合わせたコレステロール低下療法に使用される医薬品の製造における、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩の使用。
[請求項32]免疫抑制療法がシクロスポリン、タクロリムス及びコルチコステロイドから選択される薬物の投与を含む、請求項31に記載の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩であるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤と、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質である薬物とを含んでなる、非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項2】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤又は誘導剤である、請求項1に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項3】
各薬物が一緒に投与されるか、又は各薬物が連続的に投与される、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項4】
第二の薬物がコレステロールを低下させるために使用され、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項5】
第二の薬物がベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル及びナイアシンから選択される、請求項4に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項6】
第二の薬物がフェノフィブラートである、請求項5に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項7】
第二の薬物が心臓血管系の病態を治療するのに使用され、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質でもある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項8】
第二の薬物がジギトキシン、ジルチアゼム、ロサルタン、ニフェジピン、キニジン、ベラパミル及びワルファリンから選択される、請求項7に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項9】
第二の薬物が免疫抑制治療に使用され、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項10】
第二の薬物がシクロスポリン、タクロリムス及びコルチコステロイドから選択される、請求項9に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項11】
(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩が1日1回5、10、20、40又は80mgで投薬される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の非相互作用性の医薬用薬物組み合わせ物。
【請求項12】
(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である薬物、及び製剤的に許容される希釈剤、担体又はアジュバントを含んでなる、医薬製剤。
【請求項13】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の基質であり、アセトアミノフェン、アルドリン、アフレンタニル、アミオドラン、アステミゾール、ベンズフェタミン、ブデノシド、カルバマゼピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダプソーン、ジギトキシン、ジルチアゼム、ジアゼパム、エリスロマイシン、エトポシド、フルタミド、ヒドロキシアルギニン、イホスファミド、イミプラミン、ランソプラゾール、リドカイン、ロバチジン、ロサルタン、ロバスタチン、ミドラゾラム、ニフェジピン、オメプラゾール、キニジン、ラパマイシン、レチノイン酸、ステロイド類、タクロリムス、テニポシド、テオフィリン、トレミフェン、トリアゾラム、トロレアンドマイシン、ベラパミル、ワルファリン、ザトセトロン及びゾニサミドから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項14】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤であり、クロトリマゾール、エチニルエストラジオール、ゲストデン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ジルチアゼム、ナリンゲニン、エリスロマイシン、シクロスポリン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項15】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の誘導剤であり、カルバマゼピン、デキサメサゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピン、スルファジミジン、スルフィニピラゾン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項16】
(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩である第一の薬物と、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物を含んでなる、調剤パック。
【請求項17】
第二の薬物がコレステロールを低下させるために使用され、P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である、請求項16に記載の調剤パック。
【請求項18】
第二の薬物がベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル及びナイアシンから選択される、請求項17に記載の調剤パック。
【請求項19】
第二の薬物が心臓血管系の病態を治療するのに使用され、P450アイソザイム3A4の阻害剤、誘導剤又は基質でもある、請求項16に記載の調剤パック。
【請求項20】
第二の薬物がジギトキシン、ジルチアゼム、ロサルタン、ニフェジピン、キニジン、ベラパミル及びワルファリンから選択される、請求項19に記載の調剤パック。
【請求項21】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の基質であり、アセトアミノフェン、アルドリン、アフレンタニル、アミオドラン、アステミゾール、ベンズフェタミン、ブデノシド、カルバマゼピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダプソーン、ジギトキシン、ジルチアゼム、ジアゼパム、エリスロマイシン、エトポシド、フルタミド、ヒドロキシアルギニン、イホスファミド、イミプラミン、ランソプラゾール、リドカイン、ロバチジン、ロサルタン、ロバスタチン、ミドラゾラム、ニフェジピン、オメプラゾール、キニジン、ラパマイシン、レチノイン酸、ステロイド類、タクロリムス、テニポシド、テオフィリン、トレミフェン、トリアゾラム、トロレアンドマイシン、ベラパミル、ワルファリン、ザトセトロン及びゾニサミドから選択される、請求項16に記載の調剤パック。
【請求項22】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤であり、クロトリマゾール、エチニルエストラジオール、ゲストデン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ジルチアゼム、ナリンゲニン、エリスロマイシン、シクロスポリン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項16に記載の調剤パック。
【請求項23】
第二の薬物がP450アイソザイム3A4の阻害剤であり、カルバマゼピン、デキサメサゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピン、スルファジミジン、スルフィニピラゾン及びトリアセチルオレアンドマイシンから選択される、請求項16に記載の調剤パック。
【請求項24】
P450アイソザイム3A4の誘導剤、阻害剤又は基質である第二の薬物との組み合わせ療法に使用する医薬品の製造における、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル](3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプツ−6−エン酸又はその製剤的に許容される塩の使用。

【公開番号】特開2007−277267(P2007−277267A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195798(P2007−195798)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【分割の表示】特願2000−596937(P2000−596937)の分割
【原出願日】平成12年2月1日(2000.2.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】