説明

2枚のシートからプラスチック中空体を製造するための方法及び装置

溶融プラスチックの2枚のシートを2つのキャビティを備える金型で成形することによってプラスチック中空体を製造する方法であって、当該方法は、a)溶融プラスチックの少なくとも1つの流れを押出し、かつ横に切断することによって、2枚の溶融プラスチックシートが製造されるステップと、b)金型キャビティの間にこれらのシートが導入されるステップと、c)金型が閉じられ、かつ2枚のシートを金型キャビティに合わせることによって中空体が製造されるステップと、d)このように得られた中空体を金型から取り除くステップと、e)2枚の新しいシートから別の中空体を製造するためにa)〜d)の全ての操作を繰り返すステップと、を備え、横の切断操作の前、最中、または後で、シートの下部を局部冷却することが可能な特定の装置を用いて2枚の新しいシートの下部が冷却されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚のシートからプラスチックの中空体、特にプラスチック燃料タンクを製造する方法に関連する。また、当該方法に適切な装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの車両に搭載される燃料システムは、通常タンクに含まれる炭化水素を換気するための装置を備える。それらはまた、エンジンに燃料を供給する装置を含むことができる。このような装置は、タンクに含まれる部材(弁、燃料ポンプ等)とタンクの外部に配置された部材(キャニスタ、充填パイプ等)との間の連結を形成する。タンクの壁を貫通させることは、現在の環境基準(例えばLEV IIおよびPZEV)によって定められたシール要件を考慮しなければならない。この目的のために、タンクの壁の開口部の数および大きさを減らすことは、蒸発損失を低減するのに好都合な要因となる。しかし、これにより、構成要素をタンクに挿入し、かつその中に配置することがより困難になる。
【0003】
本出願人による特許文献1は、成形と同時に付属品をタンクに挿入することができるように、いくつかの部分に分かれたパリソンを使用して燃料タンクを成形する方法を開示している。この目的のために、管状のパリソンが押し出され、そしてダイの出口で2つの対向する母線に沿って2つの縦の切れ目が作られる。この文献では、成形と同時に付属品をタンクに導入することができるように、得られた2つのパリソン部品を案内および分離するための装置の使用を推奨している。
【0004】
理想的には、この装置は、また2つのパリソン部品を実質的に平らに、かつしわがない状態で維持することができ、金型キャビティの間に正確に適用させることができる。これは、まっすぐな円筒ローラーまたは必要に応じて離間したローラーを用いて実行されることができる。しかし、この単純(および理論的に適当な)技術は、ローラー出口で得られるシートが、やはり湾曲した状態になり、かつそれらの相対的な位置が、うまく制御できないという欠点を有する。これは、ダイを出るとすぐにプラスチックがセット(固まる)し始め、ダイが寄与する形になる傾向にあるからである。さらに、FTを成形するためにこれらのシートは閉じる前に金型キャビティの間に自由に吊り下げられるため、この段階で再びしわが形成される場合がある。この現象は、シートの厚さが一様でなく、かつシートが長い場合により顕著になる。これは、シートが制御された方法によって意図的に変化した厚さを有する場合に特に著しい。この現象は、廃棄物(スクラップ)のかなりの割合を占め、工業プロセスの利益に悪影響を及ぼす。
【0005】
出願人による特許文献2は、この課題を解決するために、あごまたはクランプ(例えば好ましくは、冷却されたまたはPTFE被覆された金属で作られている)を介して(金型キャビティの間に重力によって吊り下げられる)シートの自由端を案内し、平らに伸ばし、しわの形成を防止することを提案している。しかし、このような装置は、金型キャビティの間にシートが挿入される場合に、各サイクルごとに起動しなければならない。
【0006】
この目的のために自動 (ロボット) 装置を使用することができるが、これらは、通常比較的複雑、かつ高価である。
【0007】
出願人による特許文献3はまた、金型が閉じる場合に自動的に起動する平滑装置を用いて、この課題を解決することができる方法を開示している。この方法において、金型が閉じる場合に、この金型に取り付けられた装置が自動的にシートを横に伸ばし、および/またはシートを滑らかにする(すなわちピンと張る、平らにする)。この方法の欠点は、一方で比較的長い補足のパリソンの長さが必要であり、他方で(所与のタンク/所与の車両シリーズに特有の)各金型を装置に装備しなければならず、結果としてシリーズが変わる間に失われるということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1110697号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/040766号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2009/007384号パンフレット
【特許文献4】米国特許第5,057,267号明細書
【特許文献5】仏国特許発明第04 13407号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、シートの下部におけるしわの除去に一層効果的でありながら、これらの欠点を軽減または排除することを目的とする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、溶融プラスチックの2枚のシートを2つのキャビティを有する金型で成形することによりプラスチック中空体を製造する方法に関連し、該方法は、以下のステップを備える:
a)2つの溶融プラスチックシートが、少なくとも1つの溶融プラスチック流の押出し成形によって製造され、かつ横に切断される
b)金型キャビティの間にこれらのシートが導入される
c)金型が閉じられ、2枚のシートを金型キャビティに一致させることによって中空体が製造される
d)このようにして得られた中空体を金型から取り外す
e)2枚の新しいシートから別の中空体を製造するためにa)〜d)の全ての操作が繰り返される
横の切断操作の前、間、または後で、シート下部の局所的な冷却が可能である特定の装置を用いて2枚の新しいシートの下部が冷却されることを特徴とする。
【0011】
本発明による方法は、任意の中空体、特に少なくとも1つの付属品を内部に導入することが要求される任意の中空体に適している。これは、燃料タンク(FT)の製造に好都合に適用される。「燃料タンク」の語句は、様々に変化する環境および使用条件の下で燃料を貯蔵する不透過性のタンクという意味で理解されるべきである。このタンクの例は、自動車に装備されるものである。以下の説明において、「中空体」および「タンク」という語句は、ほとんど同じ意味で使用される。
【0012】
本発明による方法によって得られる中空体は、通常凹状部分の内面および凸状部分の外面を備えるプラスチックの壁で作られている。
【0013】
「プラスチック」という語句は、少なくとも1つの合成樹脂ポリマーを備える任意の材料という意味に理解されるべきである。
【0014】
全てのタイプのプラスチックが適している。特に適しているのは、熱可塑性の種類に属するプラスチックである。
【0015】
「熱可塑性」という語句は、熱可塑性エラストマーを含む任意の熱可塑性ポリマー、およびその混合物という意味で理解されるべきである。「ポリマー」は、単独重合体および共重合体(特に二元または三元共重合体)の両方の意味で理解されるべきである。このような共重合体の例は、非限定的に、ランダム共重合体、線形ロック共重合体、非線形ブロック共重合体、およびグラフト共重合体である。
【0016】
任意のタイプの熱可塑性ポリマーまたは共重合体では、分解温度より低い融解点が適切である。少なくとも10℃にわたって広がる融解範囲を有する合成熱可塑性が特に適切である。このような材料の例は、分子量の多分散性を示すものを含む。
【0017】
特に、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、ポリケトン、ポリアミドおよびそれらの共重合体を使用することができる。ポリマーまたは共重合体の混合もまた使用することができ、同様に、非限定的な例として、炭素、塩および他の無機誘導体、天然繊維またはポリマー繊維などの無機、有機および/または天然の充填剤とポリマー材料との混合を使用することも可能である。少なくとも1つのポリマーまたは上述した共重合体を備える、共に接合された積層からなる多層構造を使用することも可能である。
【0018】
燃料タンクによく使用されるポリマーの1つは、ポリエチレンである。高密度ポリエチレン(HDPE)によって優れた結果が得られている。
【0019】
好ましくは、本発明による方法が意図した中空体は、多層構造を有し、該多層構造は、熱可塑性の少なくとも1つの層および好都合に液体および/または気体のバリア材料から成る少なくとも1つの追加的な層を備える。
【0020】
好ましくは、バリア層の性質および厚さは、中空体の壁に接触する液体および気体の浸透率を最小にするように選択される。好ましくは、燃料タンクの場合、この層は、バリア材料、すなわち例えばEVOH(部分的に加水分解されたエチレン/酢酸ビニル共重合体)などの燃料不透過性樹脂に基づいている。あるいは、燃料を透過させないために、タンクは、表面処理(フッ素化、またはスルホン化)されることができる。
【0021】
本発明は、EVOHバリア層を有するHDPE燃料タンクの場合によく適用される。
【0022】
本発明によると、タンクは、溶融プラスチックの2枚のシートから成形される。これらのシートは、好ましくは、中空体を成形する直前に(再加熱/溶融を避けるために)2枚の平らなダイを通り押し出すことによって得られることが可能である。しかし、より好ましくは、これらのシートは、好ましくは厚さが可変のパリソンを縦に切断することによって得られる。
【0023】
「パリソン」という語句は、成形後にタンクの壁を形成することを目的とした、通常 実質的に円筒のまたは管状の任意の形の押し出されるプリフォームという意味で理解されるべきである。
【0024】
本発明のこの変形例によると、管状パリソンは、2枚のシートに変換されるべきである、すなわち少なくとも1回の横の切断操作および通常2つの対向する母線に沿った(互いに180°)2回の縦の切断操作を受けるべきである。
【0025】
縦の切断操作は、通常、押出しダイに取り付けられる(固定される)、または取り付けらなくてもよい2枚の刃を用いて実行されるか、またはダイ自体の内部で実行される。後者の変形例は、可能な限り多くの方法を自動化することができ、かつ製造の停止/開始を容易に行うことができるという点で好ましい。この変形例において、好ましくは、ダイに一体化した分流器を用いてパリソンが第1に切断され、そしてパリソンのプラスチック流が流れるダイの内側通路が徐々に変化しているため、パリソンの2つの切断部が徐々に平らになる。この変形例は、前述の特許文献2の主題であり、その全ては参照することにより本願に組み込まれている。
【0026】
好ましくは、パリソンは、調整可能な厚さを有する、つまり、少なくとも1つの既知の装置を用いて、制御された方法によって縦に(母線に沿って)および/または横に(同じ断面にわたって)変化することができ、既知の装置とは、WDS(垂直に移動可能なコア)、PWDS(変形可能なリング)、SFDR(可変形状の機械加工コアまたは可変の形状のピン)またはダイに組み込まれた「ダイスライド」(ダイに局所的に挿入される部品:本出願人による特許文献4を参照)などである。一定の厚さのパリソンの成形に対して、この製造方法は、成形における材料の一定でない変形レベルの結果として成形中(および特にブロー成形)に起こるパリソンの特定の位置の厚さの減少を考慮することができる。
【0027】
ダイ出口にてシート(既に縦に切断されて部分的に平らになったパリソン)が得られる場合、これらの取り扱いおよびこれらの金型への移送は著しく容易になる。したがって、ダイ出口および金型キャビティの間で要求される高さを減らすことができる。これは、周囲空気における押し出し材の滞留時間を減らし、これにしたがいシートの温度は上昇し、これは特に、中空体の最終成形前に部品(1つまたは複数の付属品)をパリソンの内側の内面に固定するステップを備える場合に、次の成形プロセスを容易にする。
【0028】
本発明によると、シートは、適切な切断装置(刃)を用いて横に(押出し方向に垂直に)切断される。この切断操作は、好ましくは可能な限り迅速に(通常1秒未満)、移動可能な、とがっていない物(刃)を用いて行われ、その駆動部(通常筒体の駆動部)は、好ましくは、シートから離れて配置されている(シートは熱く、かつ熱を放出するため、近すぎると断熱および/または駆動部の冷却が必要となる)。特に好ましくは、横の切断操作は、実質的に水平な先端の仕上がりになる切断面を有する(すなわち水平な線形状を有する)刃を用いて実行される、通常シートに対して2枚の刃があり、好ましくはシートの幅と実質的に等しい幅を有し、これらの切断面の先端が実質的に溶融プラスチックの流れの中心に合うような大きさ、位置、および動きになっている。
【0029】
シート(縦および横の両方に切断された材料の流れ)の金型への移送は、既知の方法によって行われる。しかし、1つの好ましい変形例によると、金型キャビティは、ダイの下に配置され、パリソン(シート)は、金型のキャビティの間に連続的に押し出され、横に切断、および成形される直前にシートの上で閉じられる。
【0030】
本発明による方法においては、冷却装置は、そこから生じる溶融プラスチックの流れを横に切断する前、最中、または後でシートの下部を特に冷却する(シートの残りの部分の温度は、装置によって大きく影響を受けない)。「下部」との表現は、実質的にシートの下縁部内に位置するcmの範囲の長さストリップ(多くの材料を浪費しすぎず、硬化の効果が十分な程度に長い、実際可能な最小の長さ、通常約3cm〜5cmのストリップが良好な結果をもたらす)との意味で理解されるべきである。好ましくは、このストリップは、完全に下縁部内にあるが、この変形例は、実際には下記に詳述するように切断操作後に冷却が起こる場合のみに可能である。
【0031】
本発明に使用される局部冷却装置は、既知のタイプとすることができ、それは通常冷却剤を使用し、かつパリソンに直接接触することができる、または接直しなくても良い。第2のタイプの装置は、例えば、棒(通常少なくとも2つの、シートの2枚の外面上を冷却するよう意図された)から成ることができ、棒は、そこを通って冷却気体(例えば空気)がパリソン上に吹き付けられる開口部を備える。第1のタイプの装置(これが好ましい)は、中空の棒、または任意の他のタイプの中空の装置から成ることができ、その中に冷却剤(通常水)が好ましく流れ、かつ接着しなくてもシートに直接接触することができるような表面調整を好ましく有する。フッ素重合体(PTFE−タイプ)コーティングが良好な結果をもたらす。
【0032】
冷却時間および温度は、通常押出機の出口で約160℃〜190℃の温度のシートがストリップ硬化において60℃〜90℃の温度に達するようになっている。5℃〜20℃の間、通常10℃〜15℃の間の温度の水は、刃の動きと棒の動きとが連結されている場合(下記参照)でもこれを容易に達成することができる。
【0033】
押出機から材料の流れが排出される速度が与えられるため、棒が不動の場合は棒およびシートの直接接触が制限される。したがって、本発明の1つの好ましい変形例によると、棒は、回転(すなわち空間内で絶対移動せずに、それらの自体が回転する)または溶融プラスチックの流れの移動に従う直線的な移動によって、冷却中に移動することができる。「動作」位置(切断および冷却のため)、またはスタンバイ位置(後続のシートの押出し加工を許容する)に配置するために、刃および棒はまた押出しに対して垂直の方向に移動可能であることが分かるだろう。
【0034】
本発明に使用される冷却装置は、好ましく刃の上に配置され、かつその動きは、刃の動きに関連する(すなわち2つの装置の動きは、同一の駆動部によって制御される)、または特定の駆動部によって制御される(独立した駆動部、すなわち冷却装置の動きは、刃の駆動部と異なる駆動部によって制御される)。後者の変形例が好ましい。特に、切断後の冷却を実行することができ、この材料は、材料の弾性の結果として通常切断後にダイに向かって戻って上昇することが知られているため、これが好都合であり、冷却しながら、かつシートの動きに従いながら、新しいシートの下縁部を締め付けるために冷却装置を使用することが好都合であり、これは多くの材料が失われることを防ぐ。
【0035】
本発明による方法において、通常金型を閉じる場合にシートの周囲が溶着されることによって、タンクは単一の部品として好ましく成形される(この一つのステップの後で個別の外殻を組み立てる追加的なステップに頼ることなく一体のタンクが得られる)。特に、タンクは、以下のように好都合に成形される。
−ブロー成形、すなわち切断されたパリソンを拡大し、加圧流体を用いて金型キャビティに対して押し付ける(参照することにより本願に内容が組み込まれている特許文献1に記載されているように)。
−パリソンの熱成形、すなわち例えばキャビティの後ろから吸引する(真空を作る)ことにより金型キャビティに対して押し付ける。
【0036】
好ましくは、タンクは、ブロー成形によって成形される。これは、大きい変形(例えばパリソンが強く伸ばされるタンクの角)を達成するために、熱成形が通常金型を高温で加熱するステップを含むためである。これは、ブロー成形よりもサイクル時間が長くなるという結果になり、このような制約は存在しない。
【0037】
本発明による方法は、付属品をシートの内面に固定するために、金型の第1閉鎖の間に使用されるコアの使用を含むことができる。この変形例においては、好ましくは、この第1の金型閉鎖中にシートの端が共に溶着されることを防ぐ装置がある(付属品をパリソンに固定するためにパリソンがキャビティに対して押し付けられる場合)。この装置は、好都合にコアに一体化されている。したがって、このコアは、好ましくは溶着されるシートの間に部分的に(通常、その周囲の少なくとも一部分に)挿入されることができるような適切な形および大きさを有するインサートである。溶着を容易にするために、金型キャビティには、熱制御装置が適切な場所に好都合に装備され、第1の金型閉鎖に関するステップの間、(1つまたは複数の部品を取り付けるために)溶着ゾーンを加熱することができる。
【0038】
コアはまた、このような(熱制御)装置をパリソンに接触するゾーン、特に、前述の溶着ゾーンに組み込むことができる。この変形例は、タンクの溶着の質をさらに向上させる(内側のビードを減らし、これによりタンクの耐衝撃性を向上させることにより)。このような装置は例えば、本出願人による特許文献5に記載されており、参照することによりその内容は本願に組み込まれている。
【0039】
本発明による方法のこの変形例において、金型の第1の閉鎖中にシートは、第1に金型キャビティに対して押し付けられ(コアを通じて吹き付けられ、および/またはキャビティの後ろから吸引することにより)、そしてコアの装置(例えば、円柱駆動部、水撃ポンプ)が付属品を押し付けられたシートに固定する。次に、金型は再度開かれ、コアが取り除かれ、プレ成形されたシートを溶着し、最終ブロー成形操作によってタンクを作るために金型が再度シールされる。
【0040】
本発明はまた、上述した方法を実行する装置に関連する。この装置は、2つの移動可能な刃および移動可能な2つの冷却棒を備え、刃および棒はそれぞれ、溶融プラスチックの流れを横に切断するのに適切な形状、および切断の前、最中、または後にシートの下部を冷却するのに適切な形状を有する。
【0041】
通常、この装置はまた、押出機および金型を備える。好ましくは、上述の刃および棒が、押出機(および好ましくは押出しヘッド(またはダイ))または金型のどちらかに固定されるが、第1の代替形が好ましい。
【0042】
方法に関する説明の部分において記載された好ましい特徴の全ては、この機器にも適用される。
【0043】
図1〜図4の目的は、本発明の技術的範囲をなんら限定することなく、本発明のある具体的な態様を示すことである。
これら図において、同じ符号は、同じ部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術による(平滑を除く)方法および装置の正面図である。
【図2】本発明による方法および装置の正面図である。
【図3】図2に示すシートの1つに垂直な垂直平面を通る断面図であり、また本発明の1つの好ましい変形例による切断および冷却ステップである。
【図4】図2に示すシートの1つに垂直な垂直平面を通る断面図であり、また本発明の別の好ましい変形例による切断および冷却ステップである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1および図2は、シート(3)の下部において硬化された材料ストリップ(7)を得るステップが、このゾーンにおいてしわ(5)の存在をどのように防ぐことができるかを示している。
【0046】
図3は、変形例を示し、シートの中間において合致する(通常1秒未満)刃(2)および固定棒(6)をそれぞれ用いて、押出機から出るシートが切断され、かつ同時に水平ストリップ(7)が冷却され、上流において水平のしわが形成される(押出機から排出されるより多くの材料が蓄積する場合)のを防ぐために、続くシートの下部との接触時間は、制限される。2つの異なる棒の形状が図3に示されており、より広い交換面積を有し、より強固な設計であるため、右下の物が上の物より好ましい。
【0047】
図4は、押出し速度に対応するために棒(6)が回転移動可能である別の変形例を示す。
【0048】
図3および図4において、移動方向は、矢印によって示され、以下の三段階が示されている。左:それぞれ切断および冷却位置に対する刃(2)および棒の位置決め;中:切断のために刃(2)が共に合う瞬間、その間に上流で接触することにより棒(6)が材料の流れの一部を冷却する;右:硬化された材料ストリップ(7)が設けられた後続のシートを押出すことができるように刃(2)および棒を除去する。
【符号の説明】
【0049】
1 押出しダイ
2 シートの横切断用の刃
3 シート
4 金型キャビティ
5 パリソンのしわ
6 冷却棒
7 金型キャビティの間で重力によって吊るされている成形されるシート下部の硬化材料ストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融プラスチックの2枚のシートを2つのキャビティを備える金型で成形することによってプラスチック中空体を製造する方法であって、
a)溶融プラスチックの少なくとも1つの流れを押出し、かつ横に切断することによって、2枚の溶融プラスチックシートが製造されるステップと、
b)前記金型キャビティの間にこれらのシートが導入されるステップと、
c)前記金型が閉じられ、かつ前記2枚のシートを前記金型キャビティに合わせることによって前記中空体が製造されるステップと、
d)このように得られた前記中空体を前記金型から取り除くステップと、
e)2枚の新しいシートから別の中空体を製造するためにa)〜d)の全ての操作を繰り返すステップと、
を備え、
前記横の切断操作の前、最中、または後で、前記シートの下部を局部冷却することが可能な特定の冷却装置を用いて前記2枚の新しいシートの下部が冷却されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
厚さが可変のパリソンを縦に切断することによって前記シートが得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記横の切断操作が刃を用いて実行され、該刃は、実質的に水平な先端に仕上がる切断面を有し、1枚のシートにつき2枚の刃で作られ、前記シートの幅と実質的に等しい幅を有し、かつ前記切断面の先端が実質的に前記溶融プラスチックの流れの中心で合致するような大きさ、位置および動きを有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
表面調整を有する前記冷却装置の直接接触によって前記冷却が実行されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却装置が、前記横の切断操作を実行する前記刃に堅固に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記冷却装置は、駆動部によって移動し、前記冷却装置の動きおよび前記刃の動きは、異なる駆動部によって制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記冷却装置が、1枚のシートにつき2つの棒を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記棒が、回転または溶融プラスチックの流れに従う直線移動のいずれかによって移動することができることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記冷却が前記切断後に実行され、かつ前記冷却装置が、新しいシートを冷却しながら、かつ該シートの動きに従いながら、前記新しいシートの下縁部を締め付けるために使用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
溶融プラスチックの2枚のシートを成形することによりプラスチック中空体を製造する装置であって、該装置は、2つのキャビティを有する金型を備え、かつ
2つの移動可能な刃および移動可能な2つの冷却棒をさらに備え、前記刃および前記棒はそれぞれ、溶融プラスチックの流れを横に切断することに適した形状、および前記横の切断操作の前、最中、または後に前記シートの下部を冷却することに適した形状を有している、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−521165(P2013−521165A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556454(P2012−556454)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053254
【国際公開番号】WO2011/110480
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(507383057)イナジー・オートモーティブ・システムズ・リサーチ・(ソシエテ・アノニム) (65)
【Fターム(参考)】