説明

3次元形状測定方法および基板検査方法

【課題】3次元形状測定装置および測定方法を提供すること。
【解決手段】3次元形状測定方法は、測定対象物の第1測定領域で第1画像を撮影する段階と、第1中央処理ユニットを通じて前記第1画像を演算処理し、前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階と、前記第1中央処理ユニットが前記第1画像を演算処理する間に、前記測定対象物の第2測定領域で第2画像を撮影する段階と、第2中央処理ユニットを通じて前記第2画像を演算処理し、前記第2測定領域での3次元形状を算出する段階と、を含む。これにより、3次元形状の測定時間を短縮させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元形状測定装置および測定方法に関し、より詳細には、測定時間を短縮させることのできる3次元形状測定装置および測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、3次元形状測定装置は、撮影された画像を用いて測定対象物の3次元形状を測定する装置を示す。このような3次元形状測定装置は、前記測定対象物に向かって光を照射する投影部、前記測定対象物で反射された光を通じて前記画像を撮影するカメラ部、および前記投影部と前記カメラ部とを制御して前記画像を演算処理して前記3次元形状を測定する制御部を含んでもよい。
【0003】
このような3次元形状測定装置は、測定対象物の撮影された画像を演算処理して3次元形状を測定するため、測定対象物の3次元形状に対する測定時間の短縮により作業の迅速性および効率性を向上させ、これによる測定費用を節減しうる重要な要素となる。
【0004】
従来の3次元形状測定装置において、以下のような例は前述した測定時間を増加させる要因になり得る。
【0005】
第1に、撮影および格子移送方式によって測定時間が増加する。
【0006】
図1は、従来の3次元形状測定装置を用いた3次元形状測定方法を示した図である。
【0007】
図1を参照すると、投影部を2個使う場合、従来は第1投影部を通じて格子を移送しながら複数の画像を撮影した後、第2投影部を通じて格子を移送しながら複数の画像を撮影する方式で測定を行った。
【0008】
しかし、カメラ撮像後、格子移送が行われる構造によって撮像時間と格子移送時間とが別に必要であるため、全体の測定時間が増加し、投影部の個数が増加するほど測定時間がさらに増加するという問題が発生する。
【0009】
第2に、相対的に広い面積を有する測定対象物を複数の測定領域に分割して測定する場合、長い測定時間が必要となる。
【0010】
相対的に広い面積を有する測定対象物を測定領域ごとに画像を撮影し、このような画像を用いて前記測定対象物の3次元形状を測定する場合、前記カメラ部がいずれか一つの測定領域で撮影をして画像を撮影した後、前記画像が演算処理されて前記測定領域での3次元形状を測定する過程が必要である。
【0011】
しかし、すでに撮影された画像の演算処理過程が多少長くなる場合には、3次元形状測定装置が測定対象物の各測定領域に移動してすべての前記測定領域の3次元形状を測定することにより多くの時間が必要となることがある。
【0012】
第3に、測定時間の短縮のためにカメラの撮像時間および格子素子の移送時間を減少させることには限界がある。
【0013】
速い速度で基板を検査するためには、カメラの撮像時間または、格子素子の移送時間を減少させなければならないが、カメラの撮像時間を減少させると、十分な反射格子画像が受信できなくなり正確な検査をすることが難しくなる。また、格子素子の移送時間を減少させることも非常に制限的なものであるため、実質的に検査時間を短縮しにくいという問題がある。
【0014】
第4に、比較的大きさが小さい測定対象物の場合、不必要に測定時間が増加する。
【0015】
例えば、LEDバーのような比較的大きさの小さい測定対象物を検査するためには、複数の測定対象物をジグなどの検査ボードに実装した状態で検査を実行することになる。これによって、カメラの視野範囲(field of view:FOV)内には実質的に測定対象物が存在する部分と測定対象物が存在しない部分とがともに入ってくることとなる。
【0016】
したがって、カメラの視野範囲内に示されるすべての領域に対して画像データを獲得し、これをデータ処理する場合、実質的に測定対象物が存在しない領域までも不必要にデータ処理を実行することとなりデータ処理時間が長くなり、これによって、測定時間が長くなる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、3次元形状の測定時間を短縮させることが可能な3次元形状測定装置を提供することにある。
【0018】
また、本発明の目的とするところは、3次元形状の測定時間を短縮させることができる3次元形状測定方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の目的とするところは、測定時間の短縮および測定品質を向上させることができる基板検査装置およびこれを用いた基板検査方法を提供することにある。
【0020】
また、本発明の目的とするところは、カメラの視野範囲内で測定対象物が存在する領域のみを選択的に測定して測定時間を減少させることができる基板検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の一実施形態に係る3次元形状測定装置は、光源および格子素子を含み、前記格子素子をn回移送させながら移送ごとに測定対象物に格子パターン照明を投影するm個の投影部と、前記測定対象物で反射される格子パターン画像を撮影する結像部と、前記m個の投影部のうち、いずれか一つの投影部を用いて前記格子パターン画像を撮影する間に、少なくとも一つの他の投影部の格子素子が移送されるように制御する制御部と、を含む(ここで、nおよびmは2以上の自然数である。)。
【0022】
前記mが2である場合、前記制御部は、一番目の投影部を用いて前記格子パターン画像を1回撮影する間に2番目の投影部の前記格子素子を2π/nだけ移送させ、続いて前記2番目の投影部を用いて前記格子パターン画像を1回撮影する間に前記一番目の投影部の前記格子素子を2π/nだけ移送させてもよい。
【0023】
前記mが3以上である場合、前記制御部は、一番目の投影部からm番目の投影部までをそれぞれ一回ずつ用いて前記格子パターン画像をm回撮影すると同時に、前記m回の撮影期間中、撮影に用いられていない投影部の前記格子素子を非撮影期間に2π/nだけ移送させてもよい。前記制御部は、前記投影部のそれぞれが前記格子パターン照明を投影する前の少なくとも2回の撮影期間の前に、前記格子素子を移送させるように制御してもよい。
【0024】
前記制御部は、前記m個の投影部のうち、いずれか一つの投影部を用いて前記格子パターン画像を撮影した後、直ぐに続いて行われる他の投影部を用いた撮影期間に、前記いずれか一つの投影部の格子素子を移送させるように制御してもよい。
【0025】
本発明の一実施形態に係る3次元形状測定方法は、測定対象物の第1測定領域で第1画像を撮影する段階と、第1中央処理ユニットを通じて前記第1画像を演算処理し、前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階と、前記第1中央処理ユニットが前記第1画像を演算処理する間に、前記測定対象物の第2測定領域で第2画像を撮影する段階と、第2中央処理ユニットを通じて前記第2画像を演算処理し、前記第2測定領域での3次元形状を算出する段階と、を含む。
【0026】
前記3次元形状測定方法は、前記第2中央処理ユニットを通じて前記第2画像を演算処理する間に、前記測定対象物の第3測定領域で第3画像を撮影する段階と、前記第1中央処理ユニットを通じて前記第3画像を演算処理し、前記第3測定領域での3次元形状を算出する段階と、をさらに含んでもよい。
【0027】
前記第1および第2画像のそれぞれは、前記測定対象物を互いに異なる方向に撮影した複数の方向画像(way image)を含み、前記第1および第2画像のそれぞれの演算処理は、前記画像をそれぞれ個別に演算処理した後、演算処理された前記画像に対するデータをマージ(merging)してもよい。
【0028】
本発明の一実施形態に係る3次元形状測定方法は、測定対象物の第1測定領域で第1方向および第2方向に第1画像を撮影する段階と、前記第1画像の撮影の後、前記測定対象物の第2測定領域で少なくとも前記第1方向および前記第2方向に第2画像を撮影する段階と、複数の中央処理ユニットを通じて前記第1画像を前記第1方向に対応する画像および前記第2方向に対応する画像に分割演算処理して、前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階と、を含む。
【0029】
前記中央処理ユニットは、前記第1方向に対応する画像を演算処理する第1中央処理ユニットと、前記第2方向に対応する画像を演算処理する第2中央処理ユニットを含み、少なくとも一つの前記第1および第2中央処理ユニットは、演算処理された前記第1および第2方向に対応する画像のデータをマージしてもよい。
【0030】
前記第1画像を分割演算処理して前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階は、前記第1画像を複数個のセグメントに分割して前記中央処理ユニットによって分割演算処理される段階を含んでもよい。
【0031】
本発明の一実施形態に係る基板検査装置は、基板を支持するステージと、光源および格子素子を含み、前記格子素子を移送して格子パターン照明を前記基板に照射する投影部と、一番目のラインから最後のラインまで順次オープンして前記基板によって反射される反射格子画像を受信するカメラとを含む。前記格子素子は少なくとも前記一番目のラインから最後のラインまでオープンされる時間インターバル(time interval)の間に移送される。
【0032】
前記カメラのすべてのラインが前記反射格子画像を同時に受信する時間インターバルにおいては、前記格子素子を移送しなくてもよい。前記最後のラインがオープンされる時点と前記一番目のラインがクローズとなる時点との間に、前記投影部により前記格子パターン照明が照射されてもよい。前記格子素子は2π/nだけn−1回移送され、前記カメラは前記格子素子の移送に対応して前記反射格子画像をn回受信してもよい。ここで、前記nは2以上の自然数である。
【0033】
本発明の一実施形態に係る基板検査方法は、光源および格子素子を含む2個以上の投影部とカメラを用いて基板を検査する。前記基板検査方法は、前記カメラを一番目のラインから最後のラインまで順次オープンする段階と、前記投影部のうち、いずれか一つの投影部により前記基板に格子パターン照明が照射される段階と、前記最後のラインがオープンされる時点と前記最後のラインがクローズとなる時点との間に、前記格子パターン照明を照射する投影部以外の少なくとも一つの他の投影部に含まれる格子素子を移送する段階と、を含む。
【0034】
前記投影部は、前記最後のラインがオープンされる時点と前記一番目のラインがクローズされる時点との間に前記格子パターン照明を照射してもよい。
【0035】
本発明の一実施形態に係る基板検査方法は、複数の測定対象物が配置された検査ボードを検査装置に取り付ける段階と、カメラの視野範囲(FOV)内で前記測定対象物が配置された検査領域を区分して検査領域ごとに画像データを獲得する段階と、前記検査領域ごとに獲得された画像データを用いて前記測定対象物の形状を検査する段階と、を含む。
【0036】
前記画像データを獲得する段階は、パターン光を前記測定対象物に対して照射し、前記測定対象物によって反射する反射パターン光を前記カメラで受信してもよい。
【0037】
前記測定対象物は基板であってもよく、一定の方向に複数の列に配置されてもよい。前記検査ボードは、前記測定対象物を固定するための固定支持台であってもよい。
【0038】
前記測定対象物の形状を検査する段階は、前記測定対象物のそれぞれに対応する全体画像を生成するために前記検査領域ごとに獲得された前記画像データを用いて画像マッピング(image‐mapping)を実行する段階を含んでもよい。
【発明の効果】
【0039】
このような3次元形状測定装置および測定方法によると、カメラ撮像と格子移送とを同時に実行することによって、3次元形状の測定時間を大幅に短縮させることができる。また、測定時間の短縮によってカメラの撮像時間を必要なだけ増加させることができるため、撮像に必要な光量の確保が可能となる。
【0040】
また、複数の中央処理ユニットを用いて複数の画像を演算処理することによって、画像に対する演算処理速度をより向上させることができる。
【0041】
また、一つの投影部とカメラを用いて格子素子を移送させて位相遷移された(phase−transited)複数の画像を撮影することにおいて、格子素子の移送を実質的に画像撮影が実行されない時間帯に合わせて行うことによって、測定品質に影響を与えることなく測定時間を短縮させることができる。
【0042】
また、少なくとも2個以上の投影部を用いて測定対象物の画像を撮影することにおいて、格子素子を当該投影部が照明を照射しないフレームインターバルの間に移送させることによって、測定時間をさらに短縮させることができる。
【0043】
また、複数の測定対象物が実装された検査ボードを測定することにおいて、測定対象物が配置される検査領域のみを選択的に測定することによって、カメラの撮影時間を短縮させることができる。
【0044】
また、検査領域のみの画像データを利用することによって、処理しなければならないデータ量を減少させることができ、特に、画像マッピングをするときに、比較するデータ量を減少させることにより測定時間を大幅に短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の3次元形状測定装置を用いた3次元形状測定方法を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態による3次元形状測定装置を概略的に示した図である。
【図3】2個の投影部を含む3次元形状測定装置の駆動方法を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態による3次元形状測定装置の駆動方法を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態による3次元形状測定装置を示した概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による複数の画像演算方法を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態による複数の画像演算方法を説明するための図である。
【図8】単一中央処理装置を用いて複数の画像を演算処理する過程を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態による複数の画像演算方法を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態による複数の画像演算方法を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態による基板検査装置を概略的に示した図面である。
【図12】本発明の一実施形態による基板の検査方法を説明するためのタイムチャートである。
【図13】本発明の一実施形態による基板検査方法を説明するためのタイムチャートである。
【図14】本発明の一実施形態による基板検査装置を概略的に示した図である。
【図15】本発明の一実施形態による基板検査方法を示したフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態による検査ボードを示した平面図である。
【図17】カメラを通じて撮影した画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は多様に変更することができ、多様な形態を有することができることを、特定の実施形態を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定するのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を含むことを理解すべきである。
【0047】
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなしに、第1構成要素は第2構成要素と称されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素に称されてもよい。
【0048】
本出願において用いた用語は、単に特定の実施例を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上、明白に相違が示されない限り、複数の表現を含む。
【0049】
本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを意図するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性を予め排除しないことを理解しなければならない。
【0050】
なお、異なるものとして定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。
【0051】
一般的に用いられる辞典に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有することと解釈すべきであり、本出願で明白に定義されない限り、理想的にまたは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0052】
以下に添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0053】
図2は、本発明の一実施形態に係る3次元形状測定装置を概略的に示した図面である。
【0054】
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る3次元形状測定装置100は、m個の投影部110、結像部120、および制御部130を含む。ここで、mは2以上の自然数である。
【0055】
m個の投影部110は、それぞれワークステージ140に固定された測定対象物150に格子パターン照明を投影させる。複数の投影部110は、測定対象物150の法線に対して一定の角度に傾いた格子パターン照明を照射するように配置してもよい。例えば、3次元形状測定装置100は、2個、3個、4個または、6個の投影部110を含んでもよく、複数の投影部110は、測定対象物150の法線に対して対称的に配置されてもよい。
【0056】
それぞれの投影部110は、光源111および格子素子112を含む。また、それぞれの投影部110は、投影レンズ部113をさらに含んでもよい。光源111は、測定対象物150に向かって光を照射する。格子素子112は、光源111で照射された光を格子パターンによる格子パターン照明に変換させる。格子素子112は、位相遷移された格子パターン照明を発生させるためにアクチュエータなどの格子移送器具(図示せず)を用いて2π/nだけn回移送される。ここで、nは2以上の自然数である。投影レンズ部113は、格子素子112によって生成された格子パターン照明を測定対象物150に投影させる。投影レンズ部113は、例えば、複数のレンズの組み合せであってもよく、格子素子112を通じて形成された格子パターン照明をフォーカシングして測定対象物150に投影させる。したがって、それぞれの投影部110は、格子素子112をn回移送させながら移送ごとに測定対象物150に格子パターン照明を投影する。
【0057】
結像部120は、測定対象物150に投影された格子パターン照明によって測定対象物150で反射される格子パターン画像を撮影する。3次元形状測定装置100がm個の投影部110を含み、各投影部110でn回の撮影を実行しなければならないことから、結像部120は、n×m回の撮影を実行することとなる。結像部120は、格子パターン画像の撮影のために、カメラ121および結像レンズ部122を含んでもよい。カメラ121は、CCDまたはCMOSカメラを用いてもよい。よって、測定対象物150で反射された格子パターン画像は、結像レンズ部122を経てカメラ121によって撮影される。
【0058】
制御部130は、3次元形状測定装置100に含まれる構成要素の動作を全体的に制御する。制御部130は、格子素子112をn回移送させて移送ごとに測定対象物150に格子パターン照明を投影するように投影部110を制御する。また、制御部130は、測定対象物150で反射される格子パターン画像を撮影するように結像部120を制御する。
【0059】
特に、3次元形状測定装置100の全体的な測定時間を減少させるために、制御部130は、m個の投影部110のうち、いずれか一つの投影部110を用いて格子パターン画像を撮影する間に、少なくとも一つの他の投影部110の格子素子112が移送されるように制御する。望ましくは、制御部130は、m個の投影部110のうち、いずれか一つの投影部110を用いて格子パターン画像を撮影した後、直ぐに続いて行われる他の投影部110を用いた撮影期間に、前記いずれか一つの投影部110の格子素子112を2π/nだけ移送させてもよい。
【0060】
図3は、2個の投影部を含む3次元形状測定装置の駆動方法を示した図である。
【0061】
図2および図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る3次元形状測定装置100は、2個の投影部110、すなわち、第1投影部110aおよび第2投影部110bを含む。
【0062】
制御部130は、一番目の投影部すなわち、第1投影部110aを用いて格子パターン画像1を1回撮影する期間に、2番目の投影部すなわち、第2投影部110bの格子素子112を2π/nの位相に対応する距離だけに移送させる。その後、制御部130は、第2投影部110bを用いて格子パターン画像2を1回撮影する期間に、第1投影部110aの格子素子112を2π/nの位相に対応する距離だけ移送させる。すなわち、制御部130は、第1投影部110aを用いて格子パターン画像1を撮影した後、直ぐに続いて行われる第2投影部110bを用いた撮影期間に第1投影部110aの格子素子112を移送させる。続いて、制御部130は、第1投影部110aおよび第2投影部110bを通じて前記のような過程を数回繰り返し、格子パターン画像3から格子パターン画像8までの撮影を実行するように制御する。
【0063】
以後、制御部130は、第1投影部110aを用いて撮影された格子パターン画像1、3、5、および7を合成して第1位相情報を獲得し、第2投影部110bを用いて撮影された格子パターン画像2、4、6、および8を合成して第2位相情報を獲得した後、前記第1位相情報および第2位相情報を用いて測定対象物150の3次元形状を測定する。
【0064】
このように、カメラ撮像と格子移送とを同時に実行するようになると、図1に示された方式に比べて測定時間を大幅短縮させることができる。また、測定時間の短縮によってカメラの撮像時間を必要なだけ増加させることができるため、撮像に必要な光量の確保が可能になる。
【0065】
図3では、各投影部110を通じて4回の撮影を実行する4−バケット(bucket)方式を例にあげて説明したが、他にも3−バケットなどの多様なバケット方式についても前述した駆動方式を適用してもよい。
【0066】
一方、3次元形状測定装置100が3個以上の投影部110を含む場合、制御部130は、一番目の投影部から最後の投影部、すなわちm番目の投影部までをそれぞれ一回ずつ用いて格子パターン画像をm回撮影すると同時に、前記m回の撮影期間中、撮影に用いられていない投影部の格子素子を非撮影期間に2π/nだけ移送させる。例えば、3次元形状測定装置が3個の投影部を含む場合の駆動方法を、図4を参照して説明する。
【0067】
図4は、本発明の他の実施形態に係る3次元形状測定装置の駆動方法を示した図である。
【0068】
図4を参照すると、3次元形状測定装置は、3個の投影部すなわち、第1投影部、第2投影部、および第3投影部を含んでもよい。例えば、測定対象物を中心にして120度ずつ離されて配置されてもよい。
【0069】
3個の投影部のうち、一番目の投影部すなわち、第1投影部を用いて格子パターン画像1を撮影する期間に、残りの投影部のいずれか一つ、例えば、第3投影部の格子素子を2π/nの位相に対応する距離だけ移送させる。その後、2番目の投影部すなわち、第2投影部を用いて格子パターン画像2を撮影する期間に、残りの投影部のいずれか一つ、例えば、第1投影部の格子素子を2π/nの位相に対応する距離だけ移送させる。その後、第3投影部を用いて格子パターン画像3を撮影する期間に、残りの投影部のいずれか一つ、例えば、第2投影部の格子素子を2π/nの位相に対応する距離だけ移送させる。その後、第1投影部、第2投影部、および第3投影部を用いて前記のような過程を数度繰り返して、格子パターン画像4から格子パターン画像12までの撮影を実行する。
【0070】
一方、画像撮影時間の短縮によって格子素子の移送時間が相対的に長くなることがある。例えば、画像撮像時間が約5msであり、格子素子の移送時間が約7msである場合、格子素子の移送時間が画像撮像時間に比べて約2ms程度長くなる。このような場合、格子素子の移送が1回の画像撮影期間内に行われることが不可能であるため、格子素子の移送は2回の画像撮影期間に行われるようになる。よって、それぞれの投影部は、格子パターン照明を投影する前の少なくとも2回の画像撮像期間の前に、格子素子を移送させることが望ましい。例えば、第1投影部は、格子パターン画像4を撮影する前の格子パターン画像2と格子パターン画像3とを撮影する2回の画像撮影期間に格子素子を移送することが望ましい。従って、それぞれの投影部は、格子パターン画像を撮影した後、直ぐに格子素子を移送することが望ましい。
【0071】
格子パターン画像1から格子パターン画像12までの撮影が完了した後、第1投影部を用いて撮影された格子パターン画像1、4、7、10を合成して第1位相情報を獲得し、第2投影部を用いて撮影した格子パターン画像2、5、8、11を合成して第2位相情報を獲得し、第3投影部を用いて撮影された格子パターン画像3、6、9、12を合成して第3位相情報を獲得した後、前記第1位相情報、第2位相情報、および第3位相情報を用いて測定対象物の3次元形状を測定する。
【0072】
図4では、各投影部を通じて4度の撮影を実行する4−バケット方式を例にあげて説明したが、この他にも3−バケットなどの多様なバケット方式についても前述した駆動方式を適用してもよい。また、図4に示された駆動方式は、4個以上の投影部を含む3次元形状測定装置にも適用してもよい。
【0073】
図5は、本発明の例示的な一実施形態に係る3次元形状測定装置を図示した断面図である。
【0074】
図5を参照すると、本実施形態に係る3次元形状測定装置300は、投影部310、カメラ部320、および制御部330を含んでもよい。前記3次元形状測定装置300は例えば、ベース基板10上に形成された任意の測定対象物20の3次元形状を測定する装置を示す。
【0075】
前記投影部310は、前記ベース基板10の上部に配置され、前記ベース基板10上に形成された前記測定対象物20に光を照射する。前記投影部310は、少なくとも一つの照明ユニットを含み、例えば第1照明ユニット312および第2照明ユニット314を含んでもよい。
【0076】
前記第1照明ユニット312は、前記ベース基板10の上部に配置されて前記測定対象物20に対して傾いた第1方向に第1光を照射する。前記第2照明ユニット314は、前記ベース基板10の法線方向を基準として前記第1方向に対して対称である第2方向に第2光を照射する。
【0077】
具体的に、前記第1照明ユニット312は、前記測定対象物20に向かって第1格子パターン照明を照射し、前記第2照明ユニット314は、前記測定対象物20に向かって第2格子パターン照明を照射してもよい。
【0078】
本実施形態において、前記第1および第2照明ユニット(312、314)のそれぞれは、光を発生させる光源(図示せず)、前記光源で照射された光を透過させて前記第1または第2格子パターン照明を生成する格子ユニット、および前記第1または第2格子パターン照明を前記測定対象物20に結像させる投影レンズ(図示せず)を含んでもよい。
【0079】
前記格子ユニットは、多様な形態に形成してもよいものの、例えばガラス基板の上に遮断部および透過部を有する格子パターンをパターニングして形成されるか、或いは液晶表示パネルなどを用いて形成されることも可能である。このとき、前記第1および第2照明ユニット(312、314)のそれぞれは、前記格子ユニットを微細に移動させるためのアクチュエータ(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0080】
前記投影レンズは、例えば複数のレンズの組み合せで形成されてもよく、前記格子ユニットを通じて生成された前記第1または第2格子パターン照明をフォーカシングして前記測定対象物20に結像させる。
【0081】
前記カメラ部320は、前記ベース基板10の上部に配置されて前記測定対象物20で反射された反射光を撮影する。すなわち、前記カメラ部320は、前記測定対象物20で反射される前記第1または第2格子パターン照明を撮影してもよい。このとき、前記カメラ部320は、前記第1および第2照明ユニット(312、314)の間の中央に配置されることが望ましい。
【0082】
前記カメラ部320は例えば、前記第1または第2格子パターン照明をキャプチャーできるカメラユニット(図示せず)および前記第1または第2格子パターン照明をフォーカシングして前記カメラユニットに提供できる受光レンズ(図示せず)を含んでもよい。
【0083】
前記制御部330は、前記投影部310および前記カメラ部320の動作を制御し、前記カメラ部320でキャプチャーされた前記第1および第2格子パターン照明を処理して、2次元形状および/または、3次元形状を測定する。
【0084】
具体的に、前記制御部330は、第1および第2照明制御信号(S1、S2)を前記第1および第2投影部(312、314)にそれぞれ供給することによって、前記第1および第2格子パターン照明の生成、大きさ、および強度などを制御することができる。また、前記制御部330は、前記カメラ部320に撮影制御信号(Con)を供給することによって、前記カメラ部320が前記第1および第2格子パターン照明を適当なタイミングでキャプチャーできるように制御することができ、前記キャプチャーされた格子パターン照明を含むデータ(Dat)を前記カメラ部320から受ける。
【0085】
一方、前記3次元形状測定装置300は、図5とは違って相対的に広い面積を有する大面積の測定対象物(図示せず)も測定することができる。ここで、前記大面積の測定対象物における3次元形状を測定するためには、前記大面積の測定対象物を複数の測定領域に分割する必要がある。すなわち、前記3次元形状測定装置300は、前記測定領域ごとに3次元形状を測定して合成(combine)することによって、前記大面積の測定対象物の3次元形状を測定することができる。したがって、前記3次元形状測定装置300は、いずれか一つの測定領域における画像を撮影した後、他の測定領域に移動させる必要がある。
【0086】
ここで、前のタイミング(previous timing)に撮影された前記一測定領域での画像を前画像(previous image)と定義し、次のタイミング(next timing)に撮影された前記他の測定領域での画像を現在の画像(present image)と定義するとき、前記3次元形状測定装置300は、前記現在の画像を撮影する間に、すでに撮影された前記前画像を複数の中央処理ユニットを通じて演算処理する。一例として、前記制御部330は、前記現在の画像を撮影する間に、前記前画像を演算処理するための第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)を含んでもよい。
【0087】
図6および図7は、本発明の第1実施形態に係る複数の画像演算方法を説明するための図面である。具体的に、図6は、二つの中央処理ユニット(CPU1、CPU2)を用いて複数の画像を演算処理する過程を説明するための図であり、図7は3個の中央処理ユニット(CPU1、CPU2、CPU3)を用いて複数の画像を演算処理する過程を説明するための図である。
【0088】
本実施形態で用いられる3次元形状測定装置は、図5で説明した3次元形状測定装置300と実質的に同一であるため、これに関する詳しい説明は省略する。
【0089】
図6を参照すると、本実施形態に係る測定対象物は、複数の測定領域(FOV1、FOV2、FOV3、FOV4、…)に区分されて検査されてもよい。例えば、前記3次元形状測定装置は、第1測定領域(FOV1)で3次元形状を測定した後に第2測定領域(FOV2)に移動し、その後前記第2測定領域(FOV2)で3次元形状を測定した後に第3測定領域(FOV3)に移動する。このように、前記3次元形状測定装置は、前記各測定領域で3次元形状を測定する動作と、前記測定領域間を移動する動作とを反復的に実行してもよい。
【0090】
本実施形態に係る複数の画像演算方法として、まず前記3次元形状測定装置を用いて前記測定対象物の第1測定領域(FOV1)で第1画像を撮影する。前記第1画像は、前記測定対象物を互いに異なる方向に撮影した複数の方向画像(way image)を含んでもよい。例えば、前記第1画像は、第1および第2方向画像を含んでもよい。ここで、前記第1方向画像は、図5の第1照明ユニット312で照射された光によって形成される画像であり、前記第2方向画像は、図5の第2照明ユニット314で照射された光によって形成される画像である。
【0091】
前記第1測定領域(FOV1)で前記第1画像を撮影した後、第1中央処理ユニット(CPU1)により前記第1画像を演算処理する。前記第1画像を演算処理する方法は、前記第1方向画像を演算処理する段階、前記第2方向画像を演算処理する段階、および演算処理された前記第1および第2方向画像に関するデータをマージ(merging)する段階を含んでも良い。前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、図5の制御部330内に含まれてもよい。
【0092】
前記第1中央処理ユニット(CPU1)が前記第1画像を演算処理する間、前記3次元形状測定装置を前記第1測定領域(FOV1)から前記測定対象物の第2測定領域(FOV2)に移動させ、前記第2測定領域(FOV2)で第2画像を撮影する。ここで、前記第2画像も前記第1画像と同様に、二つの方向画像で構成されてもよい。
【0093】
前記第2測定領域(FOV2)で前記第2画像を撮影した後、前記第1中央処理ユニット(CPU1)と異なる第2中央処理ユニット(CPU2)により前記第2画像を演算処理する。前記第2画像を演算処理する方法は、前記第1画像を演算処理する方法と同一である。
【0094】
前記第2中央処理ユニット(CPU2)が前記第2画像を演算処理する間、前記3次元形状測定装置を前記第2測定領域(FOV2)から前記測定対象物の第3測定領域(FOV3)に移動させ、前記第3測定領域(FOV3)で第3画像を撮影する。ここで、前記第3画像も前記第1および第2画像と同様に、二つの方向画像で構成されてもよい。
【0095】
一方、本実施形態において、前記第1中央処理ユニット(CPU1)が前記第1画像を演算処理する過程は、前記第3画像の撮影が終了する前までに完了される。
【0096】
前記第3測定領域(FOV3)で前記第3画像を撮影した後に、前記第1中央処理ユニット(CPU1)により前記第3画像を演算処理する。前記第3画像を演算処理する方法は、前記第1および第2画像を演算処理する方法と同一である。
【0097】
このように、前記3次元形状測定装置が前記各測定領域に移動しながら複数の画像を測定し、前記第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)により前記画像を分割して演算処理してもよい。すなわち、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は奇数番目の測定領域で撮影された画像を演算処理し、前記第2中央処理ユニット(CPU2)は、偶数番目の測定領域で撮影された画像を演算処理してもよい。
【0098】
一方、図7を参照すると、前記測定対象の測定領域で撮影された画像を3個の中央処理装置(CPU1、CPU2、CPU3)に用いて画像処理してもよい。すなわち、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、1、4、7、…番目の測定領域で撮影された画像を演算処理し、前記第2中央処理ユニット(CPU2)は、2、5、8、…番目の測定領域で撮影された画像を演算処理し、前記第3中央処理ユニット(CPU3)は、3、6、9、…番目の測定領域で撮影された画像を演算処理してもよい。その結果、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、前記第1測定領域(FOV1)における撮影が終了した時点から前記第4測定領域(FOV4)における撮影が完了する時点まで前記第1測定領域(FOV1)で撮影された前記第1画像を演算処理してもよい。また、前記第2および第3中央処理ユニット(CPU1,CPU2)は、前記第1中央処理ユニット(CPU1)の演算処理可能時間と同一の時間内に前記各測定領域での画像を演算処理してもよい。
【0099】
一方、図6および図7においては、2個または3個の中央処理ユニットを用いて前記各測定領域での画像を演算処理することを説明したが、これとは異なり4個以上の中央処理ユニットを用いて前記各測定領域での画像を演算処理してもよい。
【0100】
図8は、単一中央処理装置を用いて複数の画像を演算処理する過程を説明するための図面である。
【0101】
図8を参照すると、単一中央処理装置(CPU)を用いて前記各測定領域で撮影された複数の画像を演算処理する場合、前記測定対象の3次元形状を測定するのに必要とされる時間が長くなることがある。すなわち、前記単一中央処理装置(CPU)が前記各測定領域で撮影されたすべての画像を演算処理することによって、前記3次元形状測定装置は、前記測定領域での撮影過程の間に待機(waiting)時間を有することとなる。それによって、前記測定対象物の3次元形状を測定するのに必要とする時間が長くなる。
【0102】
しかし、本実施形態のように複数個の中央処理ユニットを用いて前記各測定領域での画像を演算処理することによって、前記測定領域での撮影過程の間に発生する待機時間を除去して前記測定対象物から3次元形状を測定するのに必要とする時間を短縮させることができる。
【0103】
図9は、本発明の第2実施形態に係る複数の画像演算方法を説明するための図面である。
【0104】
本実施形態に係る複数の画像演算方法は、第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)の演算処理過程を除くと、図6を通じて説明した第1実施形態に係る複数の画像演算方法と実質的に同一であるため、前記第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)の演算処理過程を除いた他の説明は省略する。
【0105】
図9を参照すると、第1中央処理ユニット(CPU1)は、前記各測定領域で撮影された画像の一部を演算処理して、第2中央処理ユニット(CPU2)は、前記画像の残りの一部を演算処理する。一例として、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、前記第1測定領域で撮影された第1画像の一部を演算処理し、前記第2中央処理ユニット(CPU2)は、前記第1画像の残りの一部を演算処理する。
【0106】
本実施形態において、前記各測定領域で撮影された画像が互いに異なる方向に撮影された第1および第2方向画像で構成されるため、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、前記第1方向画像を演算処理し、前記第2中央処理ユニット(CPU2)は、前記第2方向画像を演算処理することが望ましい。ここで、前記第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)のうち、いずれか一つは前記第1および第2方向画像の演算処理されたデータをマージする演算処理を実行してもよい。
【0107】
本実施形態によると、前記各測定領域で撮影された画像が複数の方向画像を含むとするとき、前記方向画像と同一個数の中央処理装置が、前記方向画像をそれぞれ演算処理することによって、前記測定対象物から3次元形状を測定するために必要とする時間を短縮させることができる。
【0108】
図10は、本発明の第3実施形態に係る複数の画像演算方法を説明するための図面である。
【0109】
本実施形態に係る複数の画像演算方法は、第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)の演算処理過程を除くと、図6を通じて説明した第1実施形態に係る複数の画像演算方法と実質的に同一であるため、前記第1および第2中央処理ユニット(CPU1、CPU2)の演算処理過程を除いた他の説明は省略する。
【0110】
図10を参照すると、前記各測定領域で撮影された画像は複数個のセグメント(segments)に分割されて複数の中央処理ユニットによって演算処理される。
【0111】
一例として、前記各測定領域で撮影された画像が、互いに異なる方向に撮影された第1および第2方向画像で構成されるとするとき、前記第1および第2方向画像のそれぞれの演算処理過程を8個のセグメント(F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7、F8)に分割してもよい。このとき、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、奇数番目のセグメント(F1、F3、F5、F7)を実行し、前記第2中央処理ユニット(CPU2)は、偶数番目のセグメント(F2、F4、F6、F8)を実行してもよい。
【0112】
一方、前記第1および第2方向画像の演算処理されたデータをマージするマージ処理過程も、複数のセグメントに分割されてもよい。一例として、前記マージ処理過程は、4個のセグメント(M1、M2、M3、M4)に分割され、前記第1中央処理ユニット(CPU1)は、第1および第3セグメント(M1、M3)を実行し、前記第2中央処理ユニット(CPU2)は、第2および第4セグメント(M2、M4)を実行してもよい。
【0113】
本実施形態によると、前記各測定領域で撮影された画像を複数個のセグメントに分割して複数の中央処理ユニットによって演算処理することによって、前記測定対象物から3次元形状を測定するために必要とする時間を短縮させることができる。
【0114】
図11は、本発明の一実施形態に係る基板検査装置を概略的に示した図である。
【0115】
図11を参照すると、本発明の一実施形態に係る基板検査装置500は、測定対象物が形成された基板550を支持および移送させるためのステージ540、基板550に格子パターン照明を照射するための一つ以上の投影部510、および基板550によって反射される反射格子画像を撮影するカメラ530を含む。また、基板検査装置500は、ステージ540に隣接するように設置されて投影部510と別途に基板550に照明を照射する投影部520をさらに含んでもよい。
【0116】
投影部510は、基板550に形成された測定対象物の3次元形状を測定するために、高さ情報、可視性(visibility)情報などの3次元情報を獲得するための格子パターン照明を基板550に照射する。例えば、投影部510は、光を発生させる光源512、光源512からの光を格子パターン照明に変換させるための格子素子514、格子素子514をピッチ移送させるための格子移送器具516、および格子素子514によって変換された格子パターン照明を測定対象物に投影するための投影レンズ518を含む。格子素子514は、格子パターン照明の位相遷移のために圧電アクチュエータ (piezo actuator:PZT)等の格子移送器具516により、2π/nだけn−1回移送されてもよい。ここで、nは2以上の自然数である。このような構成を有する投影部510は、検査精密度を高めるためにカメラ530を中心に円周方向に対して一定の角度で離隔するように複数配置されてもよい。
【0117】
投影部520は、円環(circular ring)形状に形成されてステージ540に隣接するように配置される。投影部520は、基板550の初期アラインメントまたは検査領域設定などのために、照明を基板550に照射する。例えば、投影部520は、白色光を発生させる蛍光ランプを含むか、或いは、赤色、緑色、および青色光をそれぞれ発生させる赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および青色発光ダイオードを含んでもよい。
【0118】
カメラ530は、投影部510の格子パターン照明の照射によって基板550の反射格子画像を撮影し、投影部520の照明の照射によって基板550の反射格子画像を撮影する。例えば、カメラ530は、基板550に対して垂直な上部に設置される。
【0119】
本実施形態において、カメラ530は、CMOSセンサを用いたローリングシャッター(rolling shutter)方式のカメラが使われる。ローリングシャッター方式のカメラ530は、測定対象物の一フレームの全体画像をスナップショット(snap shot)で撮影するのではなく、測定対象物の一フレームの画像を上から下にライン(行)ごとに順次スキャンして画像データを読み込む。
【0120】
このような構成を有する基板検査装置500は、投影部510または、投影部520を用いて基板550に光を照射し、カメラ530を通じて基板550の画像を撮影することによって、基板550の3次元的画像および2次元的画像を測定する。一方、図11に示された基板検査装置500は、一例に過ぎず、一つ以上の投影部とカメラを含む多様な構成への変更が可能である。
【0121】
以下、前述した構成を有する基板検査装置500を用いて基板を検査する方法について具体的に説明する。
【0122】
図12は、本発明の一実施形態に係る基板の検査方法を説明するためのタイムチャートである。本実施形態では一つの投影部とローリングシャッター方式のカメラを用いて基板を検査する方法を表す。
【0123】
図11および図12を参照すると、基板550に形成された測定対象物の画像を撮影するために、カメラ530は一フレームの期間、マトリックス形態に配列されたピクセルの一番目のライン610から最後のライン620までラインごとに順次にシャッターをオープンして、基板150によって反射される反射格子画像を受信する。すなわち、CMOS型イメージセンサは、電子シャッター機能を具備しているものの、このようなシャッター機能は2次元的に配列された複数の画素を画素ラインごとに順次に走査して信号を獲得するローリングシャッター方式であるため、ラインごとに露光期間が異なるものとなる。これによって、カメラ530のシャッターは、一番目のライン610から最後のライン610に移動するほど少しずつ遅れてオープンされるようになる。例えば、一番目のライン610がオープンされる時点(P0)から最後のライン620がオープンされる時点(P1)までは、ローリング時間(Rolling time(RT))だけの遅延が発生する。
【0124】
投影部510は、最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)と一番目のライン610のシャッターがクローズされる第2時点(P2)との間に存在する所定の第1時間インターバル(the first time interval(t1))の間に、格子パターン照明を測定対象物に照射する。すなわち、投影部510に含まれる光源512は、前記第1時間インターバル(t1)の間に、光を発生させて、光源512で発生された光は格子素子514によって格子パターン照明に変換されて基板550上に形成された測定対象物に照射される。
【0125】
一番目のライン610のシャッターがオープンされる時点(P0)と最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)との間の時間インターバルに対応するローリング時間(RT)に光が照射されると、カメラ530は一フレームに対する全体画像を完全に撮影できないため、ローリング時間(RT)を除いた時間帯に格子パターン照明を照射することによって、測定品質を維持することができる。また、投影部510は、測定品質を維持しながら、できるだけ測定時間を短縮するために、例えば、最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)から第1時間インターバル(t1)の間、格子パターン照明を測定対象物に照射する。このとき、前記第1時間インターバル(t1)は、カメラ530が一フレームの画像を十分に撮影できる最小限の時間を意味する。一方、投影部510は、前記第1時間インターバル(t1)より長い時間をかけて格子パターン照明を照射してもよい。
【0126】
一方、一度の格子パターン照明の照射を通じて一フレームの反射格子画像の撮影が完了すると、格子素子514を格子移送器具516により2π/nだけ移送させた後、次のフレームの反射格子画像を撮影する。ここで、nは2以上の自然数である。
【0127】
検査時間の短縮のために、格子素子514は、少なくともカメラ530の一番目のライン610から最後のライン620までシャッターがオープンされる時間インターバルの間に移送される。例えば、格子素子514は、投影部510の照射が完了する第3時点(P3)と最後のライン620のシャッターがクローズされる第4時点(P4)との間の第2時間インターバル(the second time interval(t2))の間に移送される。すなわち、格子素子514は、光源512が光を発生させない時間とシャッターのローリング時間を利用して移送される。言い換えれば、前記格子素子514は、カメラ530のすべてのラインが反射格子画像を同時に受信する時間インターバルには移送されない。一般的に、圧電アクチュエータ(PZT)からなる格子移送器具516により格子素子514を一回移送するのに必要とされる前記第2時間インターバル(t2)は、画像獲得のための照明照射時間の前記第1時間インターバル(t1)より大きく、カメラ530のローリング時間(RT)より大きいかまたは同一である。
【0128】
したがって、一フレームの画像を撮影するのに必要な時間は、投影部510が格子パターン照明を照射する第1時間インターバル(t1)と格子素子514を移送する第2時間インターバル(t2)とを合わせた時間となる。一方、基板検査装置500は、n−バケットアルゴリズムによって駆動されるため、格子素子514は2π/nだけn−1回移送され、カメラ530は、格子素子514の移送に対応して反射格子画像をn回受信する。
【0129】
このように、一つの投影部510とカメラ530を用いて格子素子514を移送させながら位相遷移された複数の画像を撮影することにおいて、格子素子514の移送を実質的に画像の撮影が実行されないカメラ530のローリング時間帯に合わせて行うことによって、測定品質を維持すると同時に測定時間を短縮させることができる。
【0130】
図13は、本発明の他の実施形態に係る基板検査方法を説明するためのタイムチャートである。本実施形態は、2個以上の投影部とローリングシャッター方式のカメラによって基板を検査する方法を示す。
【0131】
図11および図13を参照すると、基板550に形成された測定対象物の画像を撮影するために、カメラ530は、一フレームの期間、マトリックス形態に配列されたピクセルの一番目のライン610から最後のライン620までラインごとに順次にシャッターをオープンする。一番目のライン610がオープンされる時点(P0)から最後のライン620がオープンされる時点(P1)までは、ローリング時間(RT)だけ時間遅延が発生する。
【0132】
2個以上の投影部510のうち、いずれか一つの投影部510、例えば、第1投影部510aは、第1フレームで最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)と一番目のライン610のシャッターがクローズされる第2時点(P2)との間の第1時間インターバル(t1)の間、格子パターン照明を測定対象物に照射する。すなわち、第1投影部510aに含まれる第1光源512は、前記第1時間インターバル(t1)に光を発生させ、第1光源512で発生した光は、第1格子素子514によって格子パターン照明に変換されて基板550上に形成された測定対象物に照射される。一方、投影部510は、製品仕様によって、前記第1時間インターバル(t1)より長い時間をかけて格子パターン照明を照射することができる。
【0133】
第1投影部510aは、測定品質を維持し、且つできる限り測定時間を短縮するために、例えば、最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)から第1時間インターバル(t1)の間、格子パターン照明を測定対象物に照射する。このとき、前記第1時間インターバル(t1)は、カメラ530が一フレームの画像を十分に撮影しうる最低限の時間を意味する。
【0134】
一方、第1投影部510aを用いた第1フレームの画像の撮影が完了すると、第1格子素子514を移送させた後、再び画像を撮影する必要があるものの、図12に示されたように、光源512による照明の照射と格子素子514の移送を引き続いて実行することになると、一フレームの画像の撮影に必要とされる最低限の時間は、照明の照射のための時間と格子移送のための時間とを合わせた時間になる。しかし、本実施形態では、2個以上の投影部510を利用するとき、投影部510を交互に使って画像を撮影することで、測定時間をより短縮させることができる。
【0135】
具体的に、第1フレームでは、第1投影部510aを用いて画像を撮影し、続く第2フレームでは、第1投影部510a以外の他の投影部510、例えば、第2投影部510bを用いて画像を撮影する。すなわち、第2投影部510bは、第2フレームで最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)と一番目のライン610のシャッターがクローズされる第2時点(P2)との間で第1時間インターバル(t1)の間、格子パターン照明を測定対象物に照射する。すなわち、第2投影部510bに含まれた第2光源512は、前記第1時間インターバル(t1)に光を発生させ、第2光源512で発生した光は、第2格子素子514によって格子パターン照明に変換されて第1投影部510aとは異なる方向で基板550上に形成された測定対象物に照射される。
【0136】
一方、測定時間の短縮のために、格子素子514の移送は、投影部510が照明を照射しないフレームの期間に行われる。例えば、第1投影部510aを用いて反射格子画像を撮影する第1フレーム時間インターバルでは、第2投影部510bに含まれる第2格子素子514を移送させ、第2投影部510bを用いて反射格子画像を撮影する第2フレーム時間インターバルでは、第1投影部510aに含まれる第1格子素子514を移送させる。すなわち、第2投影部510bに含まれる第2格子素子514は、第1フレームで、最後のライン620のシャッターがオープンされる第1時点(P1)と最後のライン620のシャッターがクローズされる第3時点(P3)との間で第2時間インターバル(t2)の間に移送される。例えば、第2格子素子514は、前記第1時点(P1)から第2時間インターバル(t2)の間に移送される。一般的に、ピエゾアクチュエータ(PZT)からなる格子移送器具516によって格子素子514を一度移送するのに必要とされる第2時間インターバル(t2)は、画像獲得のための照明照射時間である前記第1時間インターバル(t1)より大きく、ローリング時間(RT)より大きいか同一である。
【0137】
よって、一フレームの画像を撮影するのに必要とされる時間は、光源512が照明を照射する第1時間インターバル(t1)と、一番目のライン610がオープンされる時点(P0)から最後のライン620がオープンされる時点(P1)までのローリング時間(RT)とを合わせた時間になる。
【0138】
一方、本実施形態では、2個の投影部510を用いた例を説明したが、3個以上の投影部510を利用する場合にも同一形態の検査方法を適用してもよい。
【0139】
このように、2個以上の投影部510を用いて測定対象物の画像を撮影することにおいて、格子素子514を投影部510が照明を照射しないフレーム時間インターバルに移送させることによって、測定品質を維持しかつ測定時間をより短縮させることができる。
【0140】
図14は、本発明の一実施形態に係る基板検査装置を概略的に示した図である。図14において、図面符号750は、基板または検査ボードとしてもよい。
【0141】
図14を参照すると、本発明の一実施形態に係る基板検査装置700は、測定対象物が形成された基板750を支持および移送させるためのステージ740、基板750にパターン光を照射するための一つ以上の投影部710、および基板750によって反射される反射格子画像を撮影するカメラ730を含む。また、基板検査装置700は、ステージ740に隣接するように設置されて投影部710と別に基板750に照明を照射する照明部720をさらに含んでもよい。
【0142】
投影部710は、基板750に形成された測定対象物の3次元形状を測定するために、高さ情報、可視性(visibility)情報などの3次元情報を獲得するためのパターン光を基板750に照射する。例えば、投影部710は、光を発生させる光源712、光源712からの光をパターン光に変換させるための格子素子714、格子素子714をピッチ移送(pitch−moving)させるための格子移送器具716、および格子素子714によって変換されたパターン光を測定対象物に投影するための投影レンズ718を含む。格子素子714は、パターン光の位相遷移のためにピエゾアクチュエータ(piezo actuator:PZT)等の格子移送器具716によって2π/nだけn回移送されてもよい。ここで、nは2以上の自然数である。このような構成を有する投影部710は、検査精密度を高めるためにカメラ730を中心に円周方向に対して一定の角度に離隔されるように複数を配置してもよい。
【0143】
照明部720は、円環形状に形成されてステージ740に隣接するように配置される。照明部720は、基板750の初期アラインメント、または検査領域設定などのために照明を基板750に照射する。例えば、照明部720は、白色光を発生させる蛍光ランプを含むか、または、赤色、緑色、および青色光をそれぞれ発生させる赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および青色発光ダイオードを含んでもよい。
【0144】
カメラ730は、投影部710のパターン光の照射をすることにより基板750の画像を撮影し、照明部720の照明の照射を通じて基板750の画像を撮影する。例えば、カメラ730は、基板750の上部に配置される。カメラ730は、CMOSセンサを用いたローリングシャッター方式のカメラを用いてもよい。ローリングシャッター方式のカメラ730は、2次元配列された画素をライン単位にスキャンして画像データを獲得する。これとは違って、カメラ730は、CCDセンサを用いたグローバルシャッター(global shutter)方式のカメラを用いてもよい。グローバル シャッター方式のカメラ730は、視野範囲内の画像をスナップショットで撮影して一度に画像データを獲得する。
【0145】
このような構成を有する基板検査装置700は、投影部710または、照明部720を用いて基板750に光を照射し、カメラ730を通じて基板750の画像を撮影することによって、基板750の3次元画像および2次元画像を測定する。一方、図14に示された基板検査装置700は、一例に過ぎず、一つ以上の投影部710とカメラ730を含む多様な構成への変更が可能である。
【0146】
以下、前述した構成を有する基板検査装置700を用いて基板を検査する方法について具体的に説明する。
【0147】
本実施形態では、ジグ(jig)等の検査ボードに実装された複数の測定対象物、例えば、LEDバーを検査する方法を例にあげて説明する。
【0148】
図15は、本発明の一実施形態に係る基板検査方法を示したフローチャートであり、図16は、本発明の一実施形態に係る検査ボードを示した平面図である。
【0149】
図14、図15、および図16を参照すると、測定対象物を検査するために、複数の測定対象物810が配置された検査ボード750を基板検査装置700に取り付ける(S100)。例えば、測定対象物810は、LEDチップ(LED chips)812が一定インターバルに実装されたLEDバー(LED bar)を含んでもよい。検査ボード750は、例えば、測定対象物810を固定するための固定支持台(fixing supporter)であってもよく、前記固定支持台には測定対象物810を収容しうる凹部(grooves)が形成されてもよい。例えば、測定対象物810は、一定方向に複数の列に配列されるように検査ボード750に配置されてもよい。
【0150】
検査ボード750が基板検査装置700に取り付けられると、ステージ740の移送によって検査ボード750を測定位置に移送する。
【0151】
検査ボード750が測定位置に移送されると、投影部710または照明部720とカメラ730を用いて検査ボード750の画像を撮影する。すなわち、投影部710により検査ボード750にパターン光を照射した後、測定対象物810によって反射される反射パターン光をカメラ730で受信して検査ボード750の画像を撮影する。このとき、検査ボード750の大きさが大きい場合は、カメラ730の視野範囲(FOV)内に検査ボード750の全体領域が入らないことがある。したがって、図16に示されたように、検査ボード750をカメラ730の視野範囲(FOV)領域に対応する複数の領域に分割して順次に測定を実行してもよい。
【0152】
図17は、カメラを通じて撮影した画像を示した図である。
【0153】
図14、図15、および図17を参照すると、カメラ730により検査ボード750の特定領域を撮影すると、図17に示されたように、カメラ730の視野範囲(FOV)内には、測定対象物810が存在する部分と存在しない部分とが存在する。これによって、基板検査装置700は、測定対象物810が存在しない部分は除いて、測定対象物810が存在する部分だけを検査することによって、測定時間を短縮することができる。
【0154】
具体的に、基板検査装置700は、カメラ730の視野範囲(FOV)内で測定対象物810が配置される検査領域(WOI:Window of Interest)を区分して検査領域(WOI)ごとに画像データを獲得する(S110)。検査領域(WOI)は、測定対象物810の測定のために少なくとも測定対象物810と同一であるかあるいは測定対象物810より若干広い範囲に設定される。検査領域(WOI)が広くなるほどデータ処理しなければならない画像データが多くなるため、検査領域(WOI)を実質的な測定が必要な測定対象物810と類似の範囲に設定することによって、処理しなければならないデータ量を減少させてデータ処理時間を短縮させることができる。
【0155】
検査領域(WOI)は、画像データを獲得する前に設定される。例えば、検査領域(WOI)は、使用者が検査ボード750内に測定対象物810の実装された位置を直接基板検査装置700に入力する方式で設定されてもよい。これとは異なり、検査領域(WOI)は、基板検査装置700を用いた検査ボード750のティーチング(teaching)により設定してもよい。すなわち、基板検査装置700に取り付けられた検査ボード750を、カメラ730で撮影して測定対象物810が存在する領域を判別し、判別された領域を検査領域(WOI)として設定する。このようにして求められた検査領域(WOI)に対する情報は、後に実行される画像マッピングの基礎データとして用いられてもよい。
【0156】
前記画像データを獲得する方法は、カメラ730の種類に応じていろいろな方法で行われてもよい。
【0157】
一例として、カメラ730は、CMOS型イメージセンサを用いたローリングシャッター方式のカメラであってもよい。ローリングシャッター方式のカメラ730は、2次元配列された複数の画素をライン単位に順次スキャンしながら画像データを獲得する。このとき、ローリングシャッター方式のカメラ730は、カメラ730の視野範囲(FOV)の全体領域をスキャンするのではなく、設定された検査領域(WOI)のみをライン単位にスキャンして検査領域(WOI)ごとに画像データを獲得する。
【0158】
このように、ローリングシャッター方式のカメラ730を通じてカメラ730の視野範囲(FOV)内の検査領域(WOI)のみを選択的にスキャンして測定対象物810に対する画像データを獲得することによって、カメラ730のスキャニングに必要とされる時間が短縮されて、カメラ730の全体撮影時間を短縮させることができる。
【0159】
他の例として、カメラ730はCCD型イメージセンサを用いたグローバルシャッター方式のカメラであってもよい。グローバルシャッター方式のカメラ730は、視野範囲(FOV)の全体領域をスナップショットで撮影し、視野範囲(FOV)の全体領域のうち、検査領域(WOI)に対する画像データを選択的に獲得する。
【0160】
検査領域(WOI)ごとに画像データを獲得した後、前記画像データを用いて測定対象物810の形状を検査する(S120)。
【0161】
測定対象物810の検査において、一つの測定対象物810は、カメラ730の視野範囲(FOV)によって複数の領域に分割されて撮影されるため、各領域で撮影された画像を組み合わせて測定対象物810の総合的な画像が生成される。
【0162】
具体的に、基板検査装置700は、検査ボード750を複数の視野範囲(FOV)に分割して撮影することにおいて、隣接した視野範囲(FOV)が少しずつオーバーラップするように撮影し、撮影された画像を用いて画像マッピング(mapping)をすることにより、測定対象物810の全体画像を生成する。
【0163】
画像マッピングとは、オーバーラップした領域での画像データを互いに比較して、視野範囲(FOV)の境界の部分の画像を生成することである。このとき、画像マッピングは、オーバーラップした領域の全体領域を比較するのではなく、検査領域(WOI)のみの比較により行われる。すなわち、画像マッピングは、検査領域(WOI)の測定を通じて獲得された検査領域(WOI)ごとの画像データを用いて行われる。
【0164】
このように、カメラ730の視野範囲(FOV)の間のオーバーラップした領域に対する画像マッピングを実行することにおいて、全体領域でなく検査領域(WOI)のみの画像データに基づいて比較することによって、処理するデータ量を減少させて、データ処理時間を短縮させることができる。
【0165】
測定対象物810の検査は、前述した画像マッピングにより獲得された測定対象物810の全体画像に対する画像データを用いて行われる。例えば、測定対象物810がLEDバーである場合、基板上にLEDチップ812が正確に実装されているかを検査する。
【0166】
一方、前述したような基板検査方法は、複数の測定対象物が検査ボードに分離されて実装された場合のみならず、一枚の基板上に検査しなければならない領域が分離されて実装されている場合にも適用されてもよい。
【0167】
前述した通り、複数の測定対象物の実装された検査ボードを測定することにおいて、測定対象物が配置される検査領域のみを選択的に測定することによって、カメラの撮影時間を短縮させることができる。また、検査領域のみの画像データを利用することによって、処理しなければならないデータ量を減少させることができ、特に、画像マッピングのとき、比較するデータ量が減少するため、測定時間を大幅に短縮させることができる。
【0168】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0169】
100 3次元形状測定装置
110 投影部
111 光源
112 格子素子
113 投影レンズ部
120 結像部
121 カメラ
122 結像レンズ部
130 制御部
140 ワークステージ
150 測定対象物
10 ベース基板
20 測定対象
300 3次元形状測定装置
310 投影部
312 第1照明ユニット
314 第2照明ユニット
320 カメラ部
330 制御部
CPU1 第1中央処理装置
CPU2 第2中央処理装置
500 検査装置
510 投影部
512 光源
514 格子素子
520 投影部
530 カメラ
540 ステージ
550 基板
700 基板検査装置
710 投影部
712 光源
714 格子素子
720 投影部
730 カメラ
740 ステージ
750 検査ボード
810 測定対象物
FOV 視野範囲
WOI 検査領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の第1測定領域で第1画像を撮影する段階と、
第1中央処理ユニットを通じて前記第1画像を演算処理し、前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階と、
前記第1中央処理ユニットが前記第1画像を演算処理する間に、前記測定対象物の第2測定領域で第2画像を撮影する段階と、
第2中央処理ユニットを通じて前記第2画像を演算処理し、前記第2測定領域での3次元形状を算出する段階と、を含むことを特徴とする3次元形状測定方法。
【請求項2】
前記第2中央処理ユニットを通じて前記第2画像を演算処理する間に、前記測定対象物の第3測定領域で第3画像を撮影する段階と、
前記第1中央処理ユニットを通じて前記第3画像を演算処理し、前記第3測定領域での3次元形状を算出する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定方法。
【請求項3】
前記第1および第2画像のそれぞれは、
前記測定対象物を互いに異なる方向に撮影した複数の方向画像を含み、前記第1および第2画像のそれぞれの演算処理は、前記画像をそれぞれ個別に演算処理した後、演算処理された前記画像に対するデータをマージすることを特徴とする請求項1に記載の3次元形状測定方法。
【請求項4】
測定対象物の第1測定領域で第1方向および第2方向に第1画像を撮影する段階と、
前記第1画像の撮影の後、前記測定対象物の第2測定領域で少なくとも前記第1方向および前記第2方向に第2画像を撮影する段階と、
複数の中央処理ユニットを通じて前記第1画像を前記第1方向に対応する画像および前記第2方向に対応する画像に分割演算処理して、前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階と、を含むことを特徴とする3次元形状測定方法。
【請求項5】
前記中央処理ユニットらは、
前記第1方向に対応する画像を演算処理する第1中央処理ユニットと、
前記第2方向に対応する画像を演算処理する第2中央処理ユニットを含み、少なくとも一つの前記第1および第2中央処理ユニットは演算処理された前記第1および第2方向に対応する画像のデータをマージすることを特徴とする請求項4に記載の3次元形状測定方法。
【請求項6】
前記第1画像を分割演算処理して前記第1測定領域での3次元形状を算出する段階は、
前記第1画像を複数個のセグメントに分割して前記中央処理ユニットによって分割演算処理される段階を含むことを特徴とする請求項4に記載の3次元形状測定方法。
【請求項7】
複数の測定対象物が配置された検査ボードを検査装置に取り付ける段階と、
カメラの視野範囲(FOV)内で前記測定対象物が配置された検査領域を区分して検査領域ごとに画像データを獲得する段階と、
前記検査領域ごとに獲得された画像データを用いて前記測定対象物の形状を検査する段階と、を含むことを特徴とする基板検査方法。
【請求項8】
前記画像データを獲得する段階は、パターン光を前記測定対象物に対して照射し、前記測定対象物によって反射する反射パターン光を前記カメラで受信することを特徴とする請求項7に記載の基板検査方法。
【請求項9】
前記測定対象物は基板であって、一定の方向に複数の列に配置されたことを特徴とする請求項7に記載の基板検査方法。
【請求項10】
前記検査ボードは、前記測定対象物を固定するための固定支持台であることを特徴とする請求項9に記載の基板検査方法。
【請求項11】
前記測定対象物の形状を検査する段階は、
前記測定対象物のそれぞれに対応する全体画像を生成するために前記検査領域ごとに獲得された前記画像データを用いて画像マッピングを実行する段階を含むことを特徴とする請求項7に記載の基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−225944(P2012−225944A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183473(P2012−183473)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2010−120663(P2010−120663)の分割
【原出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(506414749)コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】