説明

HDAC阻害剤およびそれを用いる治療法

ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC阻害剤)、および、それを含む組成物が開示されている。 癌、神経変性疾患、神経疾患、外傷性脳損傷、脳卒中、マラリア、自己免疫疾患、自閉症、および、炎症など、HDACの阻害が有効である疾患や病態を治療する方法も開示されている。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式、
【化1】

式中、
【化2】

の環は、脂肪族または芳香族の5員環または6員環であり、
D、E、および、Fは、独立して、C(R)、O、S、および、NRからなるグループから選択され、
Gが、無し、C(R)、O、S、NR、C(R)-C(R)、NR-C(R)、NR-NR、C(R)-O、および、C(R)-S からなるグループから選択され、
が、独立して、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C2-6アルケニル、C1-6ペルフルオロアルキル、C1-6ペルフルオロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、C3-8ヘテロシクロアルキル、C1-6アルキレンアリール、C1-6アルキレンヘテロアリール、C1-6アルキレンヘテロシクロアルキル、C1-6アルキレンシクロアルキル、
【化3】

OR、ハロ、N(R)、SR、SOR、SO、CN、C(=O)R、OC(=O)R、C(=O)OR、C1-6アルキレンN(R)、C1-6アルキレンOR、C1-6アルキレンSR、C1-6アルキレンC(=O)OR、C(=O)N(R)、C(=O)NR1-6アルキレンOR、OC1-6アルキレンC(=O)OR、OC1-6アルキレンN(R)、OC1-6アルキレンOR、OC1-6アルキレンNRC(=O)OR、NR1-6アルキレンN(R)、NRC(=O)R、NRC(=O)N(R)、N(SO1-6アルキル)、NR(SO1-6アルキル)、ニトロ、および、SON(R)からなるグループから選択され、
mは、0、1、2、3、または、4の整数であり、
が、独立して、無し、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル、C3-10ヘテロシクロアルキル、C1-6アルキレンアリール、C1-6アルキレンヘテロアリール、C1-6アルキレンC(=O)OR、C1-6アルキレンC(=O)OR、C1-6アルキレンC(=O)N(R)、C(=O)R、C(=O)N(R)、C(=O)OR、CN、OR、ハロ、N(R)、SR、SOR、SO、CF、OCF、NO、OC(=O)R、OC1-6アルキレンC(=O)OR、C1-6アルキレンOC1-6アルキレンC(=O)OR、C(=O)N(R) SO、C(=O)C1-6アルキレンアリール、C1-6アルキレンN(R)、C1-6アルキレンSR、C1-6アルキレンSR、C(=O)OR1-6アルキレンOR、OC1-6アルキレンN(R)、OC2-6アルキレンOR、OC2-6アルキレンNRC(=O)OR、NR1-6アルキレンN(R)、NRC(=O)R、NRC(=O)N(R)、N(SO1-6アルキル)、NR(SO1-6アルキル)、SON(R)、および、OSOCFからなるグループから選択され、
が、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C1-6アルキレンNH、C1-6アルキレンNH(C1-6アルキル)、C1-6アルキレンN(C1-6アルキル)、C1-6アルキレンNH(C1-6アルキル)、C1-6アルキレンOH、C1-6アルキレンOC1-6アルキル、C1-6アルキレンSH、C1-6アルキレンSC1-6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル、および、C3-10ヘテロシクロアルキルからなるグループから選択され、
Yが、無し、C1-8アルキレン、R置換C1-8アルキレン、NR、C(=O)、アリール、C(=O)アリール、C(=O)C1-6アルキレン、C1-8アルキレンNR、C1-6アルキレンアリーレンC1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C4-8アルケニレン、C1-6アルキレンアリーレン、C1-6アルキレンヘテロアリーレン、R置換C1-6アルキレンヘテロアリーレン、および、C2-6アルケニレンアリーレンC1-6アルキレンからなるグループから選択され、
Zが、-C(=O)N(R)OH、
-O(CH) 1-6C(=O)N(R)OR
-N(R) (CH) 1-6C(=O)N(R)OR
アリールC(=O)NHOH、
-N(OH)C(=O) R
ヘテロアリールC(=O)NHOH,
【化4】

【化5】

-B(OR)
-SONHR
-NHSONHR
-NHSO1-6アルキル、
-SO1-6アルキル、
-P(=O)(OR)、式中、Rは、独立して、水素、メチル、または、エチルである、
-NH-P(=O) (OR)
【化6】

-C(=O)R、式中、Rが、OH、N(R)、NH(OCH)N(CH)OH、C1-6アルキル、CF、アリール、ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル、NHSOCH、NHSOCF、および、C1-6ハロアルキルからなるグループから選択される、
-C(=O)(C(R)) 1-6SH、
-C(=O)C(=O)NHR、 -C(=O)NHN(R)
-C(=O)NH(CH) 1-3N(R)
-SR、式中、Rは、 水素または(C=O)CHであり、
【化7】

-S-(C=O)C1-6アルキル、
オキソ(=O)、 チオキソ(=S)、または、その双方で任意に置換したC3-10ヘテロシクロアルキル、
1-6アルキル、-C(=O)R、-NH、および、-SHの一つまたはそれ以上で任意に置換したアリール、
-NH、-SH、または、その双方で任意に置換したヘテロアリール、
-N(H)C(O)SH、
-NHC(=O)NHR
-NHC(=O)CH
-NHC(=O)(CH) 1-6SH、
-NHC(=O)CHHal、
-NHC(=S)NHR
-NHC(=S)CH
-C(=S)NHR
-C(=S)CH
-NHC(=S)CH
-NHC(=S)CHHal、および、
-(C=O)C1-6アルキルからなるグループから選択され、
が、独立して、水素、(C=O)CH、C1-6アルキル、CF、CHF、および、アリールからなるグループから選択され、あるいは、C3-8シクロアルキル基を形成するために、二つのR基が、共に炭素に結合して一体化しており、および、
が、HN、または、OHである、構造式を有する化合物、または、その医薬的に許容可能な塩、水和物、または、プロドラッグ。
【請求項2】
【化8】

が、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、フェニル、フラニル、2H-ピロリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,3,-トリアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピロリジニル、1,3-ジオキソラニル、オキサゾリル、2-イミダゾリニル、イミダゾリジニル、2-ピラゾリニル、ピラゾリジニル、3H-ピロリル、5H-1,2,5-オキサチアゾリル、1,3-オキサチオリル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、モルフォリニル、1,4-ジチアニル、チオモルフォリニル、ピリミジニル、ピペラジニル、2-ピロニル、4-ピロニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、4H-1,3-オキサジニル、6H-1,3-オキサジニル、6H-1,2-オキサジニル、 4H-1,4-オキサジニル、1,4-オキサジニル、p-イソキサジニル,o-イソキサジニル、 ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、アザシクロヘプチル、アザシクロヘプテニル、オキサシクロヘプチル、および、チアシクロヘプチルからなるグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
【化9】

が、
【化10】

からなるグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
【化11】

が、
【化12】

からなるグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
mが、0、1、または、2である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、OR、ハロ、C1-6アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、-(CH)1-4N(R)
【化13】

からなるグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、独立して、C1-6アルキル、ハロ、C1-3アルキレンアリール、C1-3アルキレンヘテロアリール、C1-3アルキレンヘテロシクロアルキル、C(=O)C1-3アルキル、C2-6アルケニル、BOC、C1-3アルキレンC(=O)NH
【化14】

および、C1-3アルキレンC(=O)OHからなるグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Yが、無し、-(CH) 1-6-、
【化15】

である請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Zが、
【化16】

【化17】

である請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
本明細書の段落番号[0200]に開示された化合物からなるグループから選択された化合物。
【請求項11】
以下の式、
【化18】

を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
(a)請求項1に記載の化合物、(b) HDACの阻害が有効である疾患または病態の治療において有用な第二の治療薬、および、(c)任意の添加剤、および/または、医薬的に許容可能な担体を含む組成物。
【請求項13】
前記第二治療薬が、癌の治療において有用な化学療法剤を含む請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物、および、医薬的に許容可能な担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
HDACの阻害が有効である疾患または病態を治療する方法であって、治療を必要とする個体に対して、治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与する、ことを含む方法。
【請求項16】
前記HDACが、HDAC6である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記疾患または病態の治療において有用な治療有効量の第二治療薬を投与することをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記請求項1に記載の化合物および前記第二治療薬が、同時に投与される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記請求項1に記載の化合物および前記第二治療薬が、別個に投与される請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患または病態が、癌である請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記疾患が、癌であり、および、前記第二治療薬が、化学療法剤、放射線、および、 免疫療法剤の一つまたはそれ以上である請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記疾患が、癌であり、および、前記第二治療薬が、段落番号[0300]、[0310]、および、 [0321]〜[0325]に開示された薬剤から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第二治療薬が、放射線を含み、かつ当該放射線が、放射線増感剤、および/または、 本明細書の段落番号[0306]〜[0308]に開示された治療薬と併用して、任意に、投与される請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記癌が、本明細書の段落番号[0290]、[0292]、および、[0295]〜[0299]に開示された癌から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記化学療法剤が、段落番号[0321]〜[0325]、および、段落番号[0329]〜[0332]に開示された抗癌剤から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記疾患または病態が、神経疾患、神経変性疾患、または、外傷性脳損傷である請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記疾患または病態が、本明細書の段落番号[0341]〜[0344]および[0346]に開示された疾患または病態から選択される請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記疾患または病態が、脳卒中である請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記疾患または病態が、炎症または自己免疫疾患である請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記炎症または自己免疫疾患が、段落番号[0364]〜[0365]に開示された病態から選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記自己免疫疾患または炎症の治療において有用な治療有効量の第二治療薬を投与する、ことをさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第二治療薬が、段落番号[0363]〜[0366]に開示された薬剤から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記疾患または病態が、段落番号[0097]に開示されている請求項15に記載の方法。
【請求項34】
前記疾患または病態が、寄生虫感染症である請求項15に記載の方法。
【請求項35】
前記寄生虫感染症が、マラリア、トキソプラズマ症、トリパノソーマ症、蠕虫病、または、原虫感染である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
アリールアミノアルコール、キナアルカロイド、4-アミノキノリン、1型または2型葉酸合成阻害剤、8-アミノキノリン、抗菌剤、過酸化物、ナフトキノン、および、鉄キレート剤からなるグループから選択される抗マラリア化合物を、個体に対して併用することをさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
キニン、キニジン、メフロキン、ハロファントリン、クロロキン、アモジアキン、プログアニル、クロロプログアニル、ピリメタミン、プリマキン、コハク酸8-[(4-アミノ-1-メチルブチル)アミノ]-2,6-ジメトキシ-4-メチル-5-[(3-トリフルオロメチル)フェノキシ]キノリン(WR238,605)、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、アジスロマイシン、フルオロキノロン、アルテムエーテル、アルテエーテル、アーテスネート、アルテリン酸、アトバクオン、および、デスフェリオキサミンからなるグループから選択される抗マラリア化合物を、個体に対して併用することをさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項38】
個体に対してクロロキンを併用することをさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記疾患または病態が、自閉症である請求項15に記載の方法。
【請求項40】
放射線、および/または、化学療法剤の細胞傷害効果に対する癌細胞の感受性を増大させる方法であって、放射線、および/または、化学療法剤に対して当該細胞の感受性を増大させるに十分な量の請求項1に記載の化合物と、当該細胞とを接触させる、ことを含む方法。
【請求項41】
前記細胞が、in vivoの細胞である請求項40に記載の方法。
【請求項42】
免疫抑制を付与する方法であって、それを必要とする個体に対して、有効量の請求項1に記載の化合物を投与する、ことを含む方法。
【請求項43】
蛍光染料、あるいは、H、11C、18F、123I、125I、131I、または、これらの混合物から選択された放射性同位元素が標識付けされている請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
前記標識が、11C-メチル基を含む請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
画像検査法であって、
(a) 放射性同位体で標識付けした請求項1に記載の化合物を準備し、
(b) 放射性同位体で標識付けした当該化合物と、細胞または組織を接触し、および
(c) 接触した細胞または組織のX線画像を作成する、ことを含む方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−533623(P2012−533623A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521660(P2012−521660)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/040879
【国際公開番号】WO2011/011186
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(500033634)ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・イリノイ (21)
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF TRUSTEES OF THE UNIVERSITY OF ILLINOIS
【Fターム(参考)】