説明

III族窒化物半導体装置とその製造方法

【課題】 p型層を貫通するn型のIII族窒化物半導体層を備えているnチャネル型の縦型のIII族窒化物半導体装置であって、オフ時にはp型層を貫通するn型層を空乏層が横断する構造と、その構造を製造する方法を提供する。
【解決手段】 窒化ガリウム基板2の表面に形成されている第1の窒化ガリウム層4の一部を窒化ガリウム基板2に達しない深さまでエッチングする。次に第1の窒化ガリウム層4の表面に第2の窒化ガリウム層6を形成する。次に第2の窒化ガリウム層6の一部を第1の窒化ガリウム層4の凸部4aが露出する深さまでエッチングして凹部を形成する。次に凹部に第3の窒化ガリウム層8を形成する。第3の窒化ガリウム層8が成長するときにシリコンや酸素が取り込まれて、n型不純物の濃度が高くなる。貫通層9ではn型不純物の濃度が低い層4aと高い層8aが混在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物半導体装置とその製造方法に関する。特に、縦型のIII族窒化物半導体装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、縦型のIII族窒化物半導体装置とその製造方法が開示されている。その半導体装置は、n型のIII族窒化物半導体層と、その表面に積層されているp型のIII族窒化物半導体層を備えている。p型層には、そのp型層を貫通する溝が形成されており、その溝の中をn型層が伸びている。p型層の溝の中を伸びているn型層によって、縦方向に伸びるnチャネル型の電流経路が確保され、縦型の半導体装置(一対の電極が半導体基板の表裏両面に分かれて形成されている半導体装置)を実現している。
【0003】
特許文献1の技術では、n型のIII族窒化物半導体層の表面の全域にp型のIII族窒化物半導体層を形成した後に、p型層の表面の一部をエッチングしてn型層の表面に達する溝を形成する。その後に、溝の底面に露出しているn型層の表面から、n型のIII族窒化物半導体層を結晶成長させることによって、p型層の溝の中を伸びるn型層を形成する。
【0004】
【特許文献1】特開2008−10781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
III族窒化物は、結晶成長するときに結晶中にシリコン(Si)や酸素(O)を取り込みやすい。その際に、結晶成長層の端部が拘束されない条件で結晶成長する場合よりも、結晶成長層の端部が拘束された条件で結晶成長する場合の方が、結晶中にシリコンや酸素を取り込みやすい。すなわち、p型層の下側に存在しているn型のIII族窒化物半導体層を結晶成長する場合には、結晶中にシリコンや酸素が取り込まれにくいのに対して、p型層の溝の中にn型のIII族窒化物半導体層を結晶成長する場合には、結晶中にシリコンや酸素が取り込まれやすい。結晶中に取り込まれたシリコンや酸素はIII族窒化物にとってn型の不純物となる。
【0006】
特許文献1の製造方法では、p型層の下側に存在しているn型のIII族窒化物半導体層の不純物濃度に比して、p型の溝の中を伸びるn型のIII族窒化物半導体層の不純物濃度が高くなってしまう。
p型層の溝の中を伸びるn型のIII族窒化物半導体層は、オン時に電流経路となる領域であるとともに、オフ時には空乏化して耐圧を確保する領域である。p型層の溝の中を伸びるn型のIII族窒化物半導体層の不純物濃度が高いと、オフ時にp型層からn型層内に伸びる空乏層が十分に伸びず、溝の中心部に空乏化されないn型層が残存してしまう。空乏化されない領域が残存していると、空乏層で電位差を確保することができず、逆バイアス電圧がゲート絶縁膜に印加されてしまう。ゲート絶縁膜が破壊されてしまう現象が生じやすい。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために提案された。すなわち本発明は、p型層を貫通するn型のIII族窒化物半導体層を備えているnチャネル型の縦型のIII族窒化物半導体装置であって、p型層を貫通するn型層の不純物濃度が低く、オフ時にはp型層からn型層内に向けて空乏層が十分に伸び、p型層を貫通するn型層を空乏層が横断する構造と、その構造を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表面に凸部が形成されているn型の第1のIII族窒化物半導体層と、第1のIII族窒化物半導体層の表面のうちの凸部を除く範囲に積層されているとともに、凸部の表面より高い位置まで積層されているp型の第2のIII族窒化物半導体層と、凸部の表面に積層されているn型の第3のIII族窒化物半導体層を備えている縦型のIII族窒化物半導体装置を製造する方法に関する。p型の第2のIII族窒化物半導体層には、p型の第2のIII族窒化物半導体層の表面から裏面に達する凹部が形成されており、その凹部に、n型の第1のIII族窒化物半導体層の凸部とn型の第3のIII族窒化物半導体層が充填されており、それらのn型層がnチャネル型の電流経路を形成して縦型の半導体装置を実現する。
【0009】
本発明の製造方法は、第1のIII族窒化物半導体層の表面のうちの凸部の形成範囲を除く範囲をエッチングして凸部を形成する工程と、凸部が形成された第1のIII族窒化物半導体層の表面に第2のIII族窒化物半導体層を形成する工程であって、第1のIII族窒化物半導体層の凸部を除く範囲の表面に形成した第2のIII族窒化物半導体層が凸部の表面より高くなるまで形成する工程と、第2のIII族窒化物半導体層の表面のうちの凸部が埋設されている位置を凸部が露出するまでエッチングして凹部を形成する工程と、凹部を含む範囲に第3のIII族窒化物半導体層を形成する工程を備えている。
第3のIII族窒化物半導体層は、第2のIII族窒化物半導体層の凹部内のみに形成されていてもよいし、第2のIII族窒化物半導体層の表面まで形成されていてもよい。
【0010】
本方法を用いると、nチャネル型の電流経路が、n型の第1のIII族窒化物半導体層の凸部と、凹部内に形成されているn型の第3のIII族窒化物半導体層で形成される。
n型の第1のIII族窒化物半導体層の凸部は、結晶成長層の端部が拘束されない条件で結晶成長させることができ、結晶中に不純物が取り込まれにくい条件で製造することができる。凹部内に形成されているn型の第3のIII族窒化物半導体層は、結晶成長層の端部が拘束された条件で結晶成長させることができ、結晶中に不純物が取り込まれやすい条件で製造される。そのために、n型不純物の濃度が異なる2つのIII族窒化物半導体層が積層されている構造によってnチャネル型の電流経路を形成することができる。
【0011】
p型層を貫通するn型層のうち、n型不純物濃度が低い領域、すなわち第1のIII族窒化物半導体層の凸部で形成されている領域では、III族窒化物半導体装置のオフ時に空乏層が長く伸び、空乏層が横断する。空乏層で電位差を受け持つことができ、ゲート絶縁膜に作用する電位差を低減する。n型不純物濃度が低い領域が、III族窒化物半導体装置の絶縁特性を向上する。
p型層を貫通するn型層のうち、n型不純物濃度が高い領域、すなわち凹部内に形成されている第3のIII族窒化物半導体層では、抵抗が低い。n型不純物濃度が低い領域で高抵抗となるのを補償する。
本方法によると、オフ時に空乏化するとともに、抵抗の低い領域が存在するnチャネル型の電流経路を備えた縦型のIII族窒化物半導体装置を製造することができる。
【0012】
本発明によって、n型の第1のIII族窒化物半導体層と、p型の第2のIII族窒化物半導体層と、n型の第3のIII族窒化物半導体層を備えている半導体装置が実現される。n型の第1のIII族窒化物半導体層の表面には、凸部が形成されている。p型の第2のIII族窒化物半導体層は、第1のIII族窒化物半導体層の表面のうちの凸部を除く範囲に積層されており、凸部の表面より高い位置まで積層されているとともに、凹部が形成されている。凹部の底面には、n型の第1のIII族窒化物半導体層の凸部の表面が露出している。n型の第3のIII族窒化物半導体層は、n型の第1のIII族窒化物半導体層の凸部の表面に積層されている。n型の第3のIII族窒化物半導体層は、第2のIII族窒化物半導体層の凹部内のみに形成されていてもよいし、第2のIII族窒化物半導体層の表面まで形成されていてもよい。
本発明のIII族窒化物半導体装置は、凹部内に形成されている第3のIII族窒化物半導体層を平面視したときの幅が凸部を平面視したときの幅と相違していることを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体装置では、p型の第2層の凹部内に形成されているn型の第1層の凸部と、p型の第2層の凹部内に形成されているn型の第3層でnチャネル型の電流経路が形成される。オフ時に空乏化する領域と、オン時に低抵抗となる領域を合わせもった電流経路を備えている縦型のIII族窒化物半導体装置が実現される。
また、p型の第2層の凹部内に形成されているn型の第1層の凸部の幅と、p型の第2層の凹部内に形成されているn型の第3層を幅が相違しているので、第1層の凸部と凹部内に形成されている第3層の相対位置がずれても、第1層と第3層の接触面積が変化しない。特性の安定した半導体装置を製造し続けることができる。
【0014】
第1層の凸部と凹部内に形成されている第3層の幅が同じであると、第1層と第3層の相対位置がずれると、第1層と第3層の接触面積が変化する。例えば両者の幅が2μmであるとする。両者が正確に重ねあわされると2μmの全長で両者が接触する。これに対して第1層と第3層の相対位置が1μmずれると、両者の接触長さが1μmに減少する。これに対して、第1層と第3層の一方の幅が4μmで他方の幅が2μmであるとする。この場合は、両者が正確に重ねあわされても、1μmずれても、両者の接触長さは常に2μmであり、変化がない。
本発明の半導体装置によると、特性が安定した半導体装置を量産することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、p型層を貫通するn型の貫通層を備えているnチャネル型の縦型のIII族窒化物半導体装置において、オフ時に空乏化する不純物低濃度層と、オン抵抗を下げる不純物高濃度層を積層した貫通層を実現することができる。高耐圧で低抵抗な縦型のIII族窒化物半導体装置を実現することができる。
また、第2層の凹部内に形成されている第1層の凸部の幅と第3層の幅を異ならせることができ、異ならせることによって特性が安定した縦型のIII族窒化物半導体装置の量産が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
下記に説明する実施例の好ましい特徴を列記する。
(第1特徴) III族窒化物半導体に、一般式がAlXGaYIn1-X-YN(ただし、0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦1−X−Y≦1)である、窒化アルミニウムガリウムインジウムを用いる。
(第2特徴) 電極群を形成した後に熱処理を行う。
(第3特徴) n型の第3のIII族窒化物半導体層は、p型の第2のIII族窒化物半導体層の凹部内と表面上に形成されている。その上面に、第3のIII族窒化物半導体層のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する第4のIII族窒化物半導体層が積層されており、第3のIII族窒化物半導体層と第4のIII族窒化物半導体層の界面に二次元電子ガス層が形成される。
【実施例】
【0017】
(第1実施例)
図1〜図6に、本実施例の縦型のHEMT(High Electron Mobility Transistor)(III族窒化物半導体装置)100の製造方法を示す。
まず図1に示すように、n型の窒化ガリウム基板2の表面に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を利用して、n型の第1の窒化ガリウム層(第1のIII族窒化物半導体層)4を結晶成長させる。第1の窒化ガリウム層4は、窒化ガリウム基板2をアンモニア(NH)中で1050℃に加熱し、トリメチルガリウム((CHGa)を供給することによって成長させる。窒化ガリウム基板2のキャリア濃度は1×1018cm−3である。第1の窒化ガリウム層4のキャリア濃度は2×1016cm−3であり、厚みは5μmである。
【0018】
次に図2に示すように、凸部4aを形成する範囲に第1シリコン酸化膜5を形成する。次に第1の窒化ガリウム層4の一部(第1シリコン酸化膜5で覆われていない範囲であって、製造後に第2の窒化ガリウム層6が存在する範囲)をドライエッチングし、凸部4aを形成する。凸部の高さは約0.4μmである。
【0019】
次に図3に示すように、第1シリコン酸化膜5を除去した後、第1の窒化ガリウム層4の表面の全域に、p型の第2の窒化ガリウム層(第2のIII族窒化物半導体層)6を結晶成長させる。第2の窒化ガリウム層6のキャリア濃度は2×1017cm−3であり、厚みは0.5μmである。第2の窒化ガリウム層6の表面は凸部4aよりも高く、凸部4aは第2の窒化ガリウム層6の中に埋設される。
【0020】
次に図4に示すように、第2の窒化ガリウム層6の表面の一部であって、凸部4aが埋設されている範囲以外の部分に第2シリコン酸化膜7を形成する。このとき、第2シリコン酸化膜7に形成する開口7aの幅W2を、凸部4aの幅W1よりも広くする。
次に第2シリコン酸化膜7が形成されていない範囲の第2の窒化ガリウム層6の表面をドライエッチングし、底面に第1の窒化ガリウム層4の凸部4aの表面が露出する凹部6aを形成する。エッチングする深さは0.2μmである。第2シリコン酸化膜7に形成する開口7aの幅W2が凸部4aの幅W1よりも広くされているので、開口7aと凸部4aの左右方向の相対的位置関係がずれても、凹部6aの底面に凸部4aの表面の全域が露出する。
【0021】
次に図5に示すように、第2シリコン酸化膜7を除去した後、凹部6aと第2の窒化ガリウム層6の表面に、MOCVD法を利用して、n型の第3の窒化ガリウム層(第3のIII族窒化物半導体層)8を結晶成長させる。第3の窒化ガリウム層8のキャリア濃度は2×1016cm−3である。このとき凹部6a内に成長する第3の窒化ガリウム層8aは、端部が拘束された条件で結晶成長するため、シリコンや酸素を取り込みやすく、他領域よりもn型のキャリア濃度が高くなる。凸部4aと、第2の窒化ガリウム層6に形成された凹部6a内に形成された第3の窒化ガリウム層8aによって、p型の第2の窒化ガリウム層6を貫通するn型の貫通層9が形成される。
【0022】
次に図6に示すように、第3の窒化ガリウム層8の表面に窒化アルミニウムガリウムインジウム層10を形成する。窒化アルミニウムガリウムインジウム層10の一般式はAlXGaYIn1-X-YN(ただし、0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦1−X−Y≦1)である。ここでは第3の窒化ガリウム層8のバンドギャップよりも窒化アルミニウムガリウムインジウム層10のバンドギャップが広い関係を満たす材料を選択する。次に、窒化アルミニウムガリウムインジウム層10の表面に第3シリコン酸化膜11を形成する。第3シリコン酸化膜11の厚みは50nmである。
【0023】
次に図7に示すように、第3シリコン酸化膜11の一部と窒化アルミニウムガリウムインジウム層10の一部と第3の窒化ガリウム層8の一部をエッチングした後、エッチングした部分にソース電極12を形成する。また、窒化ガリウム基板2の裏面にドレイン電極16を形成する。さらに、残存している第3シリコン酸化膜11の表面の一部に、凹部6a内に形成された第3の窒化ガリウム層8aの幅よりも大きな幅でゲート電極14を形成する。残存している第3シリコン酸化膜11はゲート絶縁膜として利用される。さらに、熱処理を行うことによって、良好なオーミックコンタクトを得ることができる。その結果、HEMT100を製造することができる。
【0024】
次に、HEMT100の動作について説明する。
HEMT100では、ゲート電極14に所定の電圧を印加したときに、第3の窒化ガリウム層8と窒化アルミニウムガリウムインジウム層10との界面8bに、二次元電子ガス層(2DEG)が形成される。HEMT100では、この二次元電子ガス層を利用して電子を走行させることによって、電子の移動度を高めることができ、高速動作を実現することができる。
【0025】
HEMT100では、電流経路となる貫通層9に、n型不純物の濃度が異なる2つの窒化ガリウム層4a、8aが混在している。すなわち、貫通層9が、第1の窒化ガリウム層4の凸部4aと、第2の窒化ガリウム層6の凹部6a内に形成されている第3の窒化ガリウム層8aによって形成されている。貫通層9のうちn型不純物濃度が低い領域、すなわち第1の窒化ガリウム層4の凸部4aは、HEMT100のオフ時に空乏化される。貫通層9のうちn型不純物濃度が高い領域、すなわち第2の窒化ガリウム層6の凹部6a内に形成されている第3の窒化ガリウム層8aはオン抵抗が低い。HEMT100では、オフ時に電流経路となる貫通層9の一部が空乏化されるとともに、貫通層9にオン抵抗を下げる低抵抗領域が存在している。
【0026】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、実施例では縦型のHEMTを記載したが、縦型のFET(Field Effect Transistor)であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例であるHEMT100を製造する方法の工程(1)を示す。
【図2】HEMT100を製造する方法の工程(2)を示す。
【図3】HEMT100を製造する方法の工程(3)を示す。
【図4】HEMT100を製造する方法の工程(4)を示す。
【図5】HEMT100を製造する方法の工程(5)を示す。
【図6】HEMT100を製造する方法の工程(6)を示す。
【図7】HEMT100を製造する方法の工程(7)を示す。
【符号の説明】
【0028】
2:窒化ガリウム基板
4:第1の窒化ガリウム層(第1のIII族窒化物半導体層)
4a:凸部
5:第1シリコン酸化膜
6:第2の窒化ガリウム層(第2のIII族窒化物半導体層)
6a:凹部
7:第2シリコン酸化膜
7a:開口
8:第3の窒化ガリウム層(第3のIII族窒化物半導体層)
8a:凹部6a内に形成されている第3の窒化ガリウム層
8b:第3の窒化ガリウム層8と窒化アルミニウムガリウムインジウム層10との界面
9:貫通層
10:窒化アルミニウムガリウムインジウム層
11:第3シリコン酸化膜
12:ソース電極
14:ゲート電極
16:ドレイン電極
100:HEMT(III族窒化物半導体装置)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凸部が形成されているn型の第1のIII族窒化物半導体層と、
前記第1のIII族窒化物半導体層の表面のうちの前記凸部を除く範囲に積層されているとともに、前記凸部の表面より高い位置まで積層されているp型の第2のIII族窒化物半導体層と、
前記凸部の表面に積層されているn型の第3のIII族窒化物半導体層を備えている縦型のIII族窒化物半導体装置を製造する方法であり、
前記第1のIII族窒化物半導体層の表面のうちの前記凸部の形成範囲を除く範囲をエッチングして前記凸部を形成する工程と、
前記凸部が形成された前記第1のIII族窒化物半導体層の表面に前記第2のIII族窒化物半導体層を形成する工程であって、前記第1のIII族窒化物半導体層の前記凸部を除く範囲の表面に形成した前記第2のIII族窒化物半導体層が前記凸部の表面より高くなるまで形成する工程と、
前記第2のIII族窒化物半導体層の表面のうちの前記凸部が埋設されている位置を前記凸部が露出するまでエッチングして凹部を形成する工程と、
前記凹部を含む範囲に前記第3のIII族窒化物半導体層を形成する工程を備えていることを特徴とする縦型のIII族窒化物半導体装置の製造方法。
【請求項2】
表面に凸部が形成されているn型の第1のIII族窒化物半導体層と、
前記第1のIII族窒化物半導体層の表面のうちの前記凸部を除く範囲に積層されており、前記凸部の表面より高い位置まで積層されているとともに、前記凸部の表面が底面に露出している凹部が形成されているp型の第2のIII族窒化物半導体層と、
前記凸部の表面に積層されているn型の第3のIII族窒化物半導体層を備えており、
前記凹部内に形成されている前記第3のIII族窒化物半導体層を平面視したときの幅が前記凸部を平面視したときの幅と相違していることを特徴とする縦型のIII族窒化物半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−272586(P2009−272586A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124348(P2008−124348)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】