説明

MEMSデバイスにおける応力緩和機構およびその製造方法

MEMSデバイス100およびMEMSデバイスを形成するための方法を提供する。代表的な一実施形態では、MEMSデバイス100は、表面を有する基板106と、基板の表面へ結合された第1の部分および基板の表面の上に可動に懸架された第2の部分を有する電極128と、電極の第2の部分に配置され、電極に一体に形成された第1の溝部208を備える応力緩和機構204とを備える。別の代表的な実施形態では、基板106はアンカー134,136を備え、アンカー134,136に隣接して応力緩和機構が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微小電気機械システム(「MEMS」)に関する。より詳細には、本発明はMEMSデバイスの電極またはアンカーに用いられる応力緩和機構に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのデバイスおよびシステムは、様々な監視、制御、またはその両方の機能を実行する多くの様々な種類のセンサを備える。微小機械加工その他の微細加工プロセスにおける進歩によって、多種多様な微小電気機械システム(MEMS)の製造が可能となっている。最近では、監視、制御、またはその両方の機能を実行するために用いられるセンサの多くが、MEMSデバイスへ実装されている。
【0003】
1つの特定の種類のMEMSデバイスは加速度計である。MEMS加速度計は、ハンドル層と、ハンドル層の上の酸化物を含む絶縁犠牲層と、絶縁層の上の活性層とを備える、シリコン・オン・インシュレータ(「SOI」)ウエハに形成される場合がある。SOIのMEMS加速度計は、通常、活性層に形成されたプルーフ・マスを備える。プルーフ・マスの一部分は絶縁層の一部を介してウエハの部分へ係留されるが、プルーフ・マスの別の部分は、通常、1組の対応する梁ばねを介し、ウエハの上方に懸架されている場合がある。MEMS加速度計が加速を経験するときプルーフ・マスは動き、この動きは、電子機器によって、加速に依存した大きさのパラメータ(例えば、電圧、電流、周波数など)を有する信号へ変換される。
【0004】
通常、MEMSセンサは、需要者へ発送される前に厳密に試験される。試験には、所定の高さからセンサを落下させることが含まれる場合がある。この試験は、需要者がデバイスを取扱うときに経験され得る機械的な衝撃をシミュレートしている。ほとんどの場合、現在構成されたMEMSセンサは、そのような落下試験に耐えるのに充分に頑丈である。しかしながら、他の場合には、試験によってMEMSセンサが損傷を受ける場合がある。詳細には、ウエハへ係留されたプルーフ・マスの部分が、ハンドルウエハから分離する場合がある。その結果、MEMSセンサは動作不能となる場合がある。
【0005】
したがって、加えられ得る応力に耐えるのに充分に頑丈なMEMSセンサを提供することが望ましい。加えて、追加の装置またはプロセスを必要とせず所望のMEMSセンサを製造する、単純かつ比較的安価なプロセスを有することが望ましい。さらに、本発明の他の望ましい特徴および特性は、添付の図面および上述の技術分野や背景と共に、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の詳細な説明は本質的に単なる例であり、本発明または本出願および本発明の使用を制限するものではない。これに加えて、本明細書では本発明がシリコン・オン・インシュレータのウエハへ実装されるように記載するが、これに代えて本発明が他の適切な種類のウエハへ実装されてよいことが認められる。さらに、上述の技術分野、背景、簡単な説明または以下の詳細な説明において提示される任意の表現または非明示的な理論に拘束されることはない。これに関して、本発明は加速度計について図示および説明されているが、少なくとも本発明が基板の表面の上に可動に懸架されたプルーフ・マスを備える多数のデバイスのうちの任意のデバイスに用いられることが認められる。
【0007】
ここで説明を参照する。図1は、代表的な微小電気機械システム(MEMS)デバイス100の断面図である。MEMSデバイス100は加速度計などの慣性センサであり、ウエハ106上に形成されたアンカー領域102およびセンサ領域104を備える。ウエハ106は、多数の種類の従来使用されているウエハのうちの任意のウエハであってよい。例えば、図1に示すように、ウエハ106はSOI(「シリコン・オン・インシュレータ」)ウエハであってよい。そのような場合、一般に、ウエハ106は、ハンドル層108と、活性層112と、ハンドル層108および活性層112の間に配置された絶縁層114とを備える。アンカー領域102およびセンサ領域104は、いずれも活性層112に形成されている。アンカー領域102は、絶縁層114を介しハンドル層108に固定されたままである、活性層112の一領域である。これに対し、センサ領域104は、アンカー領域102へ結合されてはいるが、ハンドル層108からは部分的に解放されている。詳細には、センサ領域104は、センサ領域104の下の絶縁層114の複数の部分を除去することによって、部分的に下部を切り取られる。この下部の切り取りによって、センサ領域104の部分をハンドル層108から解放する解放トレンチ116が形成される。このようにして、センサ領域104の解放部分はハンドル層108の上に懸架される。
【0008】
センサ領域104は複数のセンサ要素を備える。この複数のセンサ要素は、例えば、実装されている特定のMEMSデバイス100に応じて異なる場合がある。しかしながら、記載の実施形態ではMEMSデバイス100は加速度計であり、センサ要素は、懸架ばね122と、1つ以上の可動電極126と、1つ以上の固定電極128とを備える。懸架ばね122は、ハンドル層108の上に可動電極126を弾性的に懸架しており、好適には、比較的可撓性であるように構成されている。懸架ばね122および可動電極126は各々解放トレンチ116の上に位置しているため、ハンドル層108から解放され、ハンドル層108の上に懸架されている。しかしながら、固定電極128は、例えば、絶縁層114に、すなわち、絶縁層114から形成されたアンカー130を介し、ウエハ106へ固定されたままである。
【0009】
図示を明瞭かつ簡単にするため、図1には、センサ領域104が2つの懸架ばね122と、2つの可動電極126と、4つの固定電極128とを備えるように示していることが認められる。しかしながら、より明らかに図2に示し、より詳細にここで説明する特定の物理的な実装では、センサ領域104は、4つの懸架ばね122と、複数の可動電極126と、複数の固定電極128とを備える。保護部132は懸架ばね122へ隣接しており、端部アンカー134および中間部ばねアンカー136を介して基板106へ固定されたままである。端部アンカー134および中間部ばねアンカー136は、各々、活性層112に、すなわち、活性層112から形成され、絶縁層114を介してウエハ106へ固定されている。
【0010】
複数の懸架ばね122は、各々、保護部132と可動電極126との間に結合されており、上述のように、解放されると、ハンドル層108の上に可動電極126を弾性的に懸架する。また図2に示すように、複数の可動電極126は、各々、固定電極128の間に配置されている。上述のように、固定電極128は解放されない。むしろ、固定電極128は、複数の電極アンカー130を介してウエハ106へ係留されたままである(図1に示す)。
【0011】
図1,2に示すMEMSデバイス100は、容量式の加速度計として実装されている。したがって、MEMSデバイス100が加速を経験するとき、可動電極126は固定電極128に対し、経験されている加速の大きさに比例する距離を移動する。可動電極126および固定電極128は、共同して可変の差動コンデンサを形成する。したがって、MEMSデバイス100が加速を経験するとき、可動電極126は所与の固定電極128に近づくか、あるいは遠ざかる場合がある。可動電極126の移動する距離によって、固定電極128と可動電極126との間の静電容量に変化が生じる。この静電容量の変化を測定し、加速の大きさを決定するために用いることができる。
【0012】
端部アンカー134、中間部ばねアンカー136および固定電極128によって経験され得る応力を軽減するために、応力緩和機構204,222を備えることができる。応力緩和機構204,222は、各々、溝部を備える。この溝部は、好適には、MEMSデバイス100の部品に形成され、MEMSデバイス100部品の受ける荷重成分に対しほぼ垂直に配置される。代表的な一実施形態では、電極応力緩和機構204は、複数の固定電極128のうちの1つ以上に一体に形成されており、2つの溝部208,210を備える。2つの溝部208,210は、固定電極128を通じてほぼ垂直に伸びS字形を形成している。例えば、図2に示すように、第1の溝部208は、固定電極128の第1の側面212から少なくとも部分的に固定電極128の第2の側面214へ伸びており、第2の溝部210は、電極の第2の側面214から少なくとも部分的に電極の第1の側面212へ伸びている。図2には、複数の固定電極128の全部が、電極応力緩和機構204を備えるように示している。しかしながら、これに代えて1つの固定電極128に複数のそのような応力緩和機構が含まれてもよく、あるいは他の実施形態では、複数の固定電極128の一部にのみ応力緩和機構204が含まれてもよい。
【0013】
別の代表的な実施形態では、中間ばねアンカー136に二方向接続アンカー応力緩和機構222が形成される。そのような場合、アンカー136は第1の側面230と、第1の側面230に対向する第2の側面232とを備える。第1の溝部234は、中間部アンカーの第1の側面230に隣接して形成され、第2の溝部236は、中間部アンカーの第2の側面232に隣接して形成される。
【0014】
応力緩和機構204,222の一部として1つまたは2つの溝部が組込まれているが、これに代えて、より多いまたは少ない溝部が含まれてもよいことが認められる。さらに、応力緩和機構204,222は、応力緩和を必要とし得るセンサ100の他の部分に組み込まれてもよいことが認められる。
【0015】
構造的な観点からMEMSデバイス100の実施形態について記載した。ここで、記載のMEMSデバイス100を形成する特定の好適なプロセスについて記載する。この際、図3〜6に対し適切に参照を行う。図1に示したのと同様に、説明を明瞭かつ簡単にするため、単純化した断面図を用いてプロセスについて図示および説明することが認められる。しかしながら、図2に示し上述において説明した実際の物理的なMEMSデバイス100や実装され得る他の多数のMEMSセンサのうちの任意のMEMSセンサに対し、このプロセスを適用可能であることがさらに認められる。これに加えて、簡便のため、特定の工程の順序を用いて方法について説明するが、異なる工程の順序によって方法を実行してもよいこと、あるいは以下の記載と異なる種類の工程を用いて方法を実行してもよいことが認められる。
【0016】
上述の背景に留意し、最初に図3を参照すると、このプロセス用の好適な出発材料302がSOIウエハ106であることが分かる。これに代えて、出発材料302は、ハンドル層108と、活性層112と、間に配置された絶縁層114とを備える物品を含む、他の多数の物品のうちの任意の物品であってよい。出発材料の特定の種類が何であれ、ハンドル層108および活性層112は、各々、好適にはシリコンから製造されるが、これらの層が他の材料から製造されてもよいことが認められる。活性層112は、例えば、単結晶もしくは多結晶のシリコン、またはMEMSセンサ要素の形成され得る他の材料であってよいことが認められる。絶縁層114は、好適には、例えば、シリコン酸化物、ドープした酸化物、ドープしたケイ酸ガラスなど、容易にエッチングしてハンドル層108から少なくとも一部のセンサ要素を解放することの可能な材料から製造される。入手時に、出発材料302が、ハンドル層108、活性層112および絶縁層114を備えてよいこと、あるいは、これらの層のうちの1つ以上はプロセス全体の一部として形成されてよいことが認められる。
【0017】
出発材料302を入手(または調製)すると、アンカー領域102およびセンサ領域104を形成するように、活性層112がパターン形成およびエッチングされる。パターン形成およびエッチングに適切な多数の技術のうちの任意の技術が用いられてよいことが認められる。代表的な一実施形態では、活性層112の上方に保護層が形成される。例えば、活性層112の全体の上方に保護材料が堆積されてもよく、保護材料へ所望のパターンが現像またはエッチングされる。別の代表的な実施形態では、活性層112の上方に、所望のパターンの輪郭を有するシャドウマスクが配置され、マスクおよび活性層112の上方に保護材料が堆積される。シャドウマスクが除去されると、残る保護材料は、活性層112の上方に所望のパターンで配置されている。
【0018】
この所望のパターンは、応力緩和機構204,222を含むMEMSデバイス100を形成するための任意の適切なパターンであってよい。代表的なパターン400の一部を図4に示す。パターン400は、コーナー404を有する第1の電極部分402と、コーナー408を含む第2の電極部分406と、ストリップ410とを備える。第1の電極部分402のコーナー404は、好適には、第2の電極部分406のコーナー408から対角線上に位置し、ストリップ410は、コーナー404,408を介し、第1、第2の電極部分402,406を相互に結合している。したがって、第1の電極部分402、ストリップ410および第2の電極部分406は、S字形を形成している。ストリップ410は、好適には、電極部分402,406の間の相対運動を可能とするのに充分に狭い。2対の電極部分402,406のみを示すが、パターン400はデバイス100上に複数の固定電極128を形成するために複数の電極部分を備えてよいことが認められる。好適には、電極応力緩和機構204の形成される活性層112の部分の上方に所望のパターンが形成されることが認められる。
【0019】
代表的なパターン400の別の部分を図5に示す。パターン400のこの部分は、アンカー部分412、第1の接続部分414、第2の接続部分416、および2つのストリップ418,420を備える。アンカー部分412は、各々ストリップ418,420の端部が固定されている2つの隣接したコーナー422,424を備える。ストリップ418,420の他端から伸びているのは、第1、第2の接続部分414,416である。好適には、パターンのこの部分は二方向接続アンカー応力緩和機構222の形成される活性層112の部分の上方に形成されることが認められる。
【0020】
活性層112の上方に所望のパターン400が形成された後、保護材料によって保護されない材料は除去される。この工程は、多数の技術のうちの任意の技術を用いて実行されてよい。しかしながら、好適な一実施形態では、反応性イオンエッチング(RIE)プロセスが用いられる。用いられる特定のプロセスに関わらず、センサ領域104に形成される複数のトレンチ702が生じ、これによって、さらに図7に示すように、個々のセンサ要素の構造フィーチャが形成される。特定の位置に関わらず、トレンチ702は各々、絶縁層114へのアクセスを提供し、これによって、センサ領域104の一部が解放される。センサ要素におけるまたセンサ要素間におけるトレンチ702の寸法および数は、少なくとも部分的には、センサ要素の解放が所望の順序、タイミングまたはその両方により実施されるように選択される。さらに、エッチング開口部の数および間隔は、特に、所望の応答特性が得られるように選択される。
【0021】
次に、形成されるセンサ領域104のそれらの部分は、犠牲エッチングプロセスを用いて、下部が切り取られ解放され得る。そのような場合、化学エッチング(例えば、等方性のドライまたはウェットエッチング)が用いられてよい。好適には、このプロセスによって、絶縁層114のうちの少なくとも一部が側方にエッチングされることによって、ウエハ106から懸架ばね122および可動電極126が解放され、図1に示すMEMSデバイス100が形成される。
【0022】
上述のように、上述のMEMSデバイス100は加速度計であるが、本明細書に記載の製造プロセスは加速度計または他の種類のセンサに限定されない。1つ以上のばねによって弾性的に懸架されている何らかの種類の構造を備える多数のMEMSデバイスのうちの任意のMEMSデバイスへ適用可能である。そのようなデバイスの非限定的な例には、様々な種類のジャイロスコープおよびスイッチが含まれる。
【0023】
MEMSデバイスおよびMEMSデバイスを形成するための方法を提供した。代表的な一実施形態では、MEMSデバイスは、表面を有する基板と、基板の表面へ結合された第1の部分を有する電極と、基板の表面の上に可動に懸架された第2の部分と、電極の第2の部分に配置された応力緩和機構とを備え、応力緩和機構は電極に一体に形成された第1の溝部を備える。デバイスの別の実施形態では、電極は第1の側面および第2の側面を備え、第1の溝部は電極の第1の側面から少なくとも部分的に電極の第2の側面へ伸びている。デバイスのさらに別の実施形態では、応力緩和機構は電極に一体に形成された第2の溝部を備える。デバイスのさらに別の実施形態では、第2の溝部は電極の第2の側面から少なくとも部分的に電極の第1の側面へ伸びている。
【0024】
デバイスの別の実施形態では、基板は絶縁層と、絶縁層の上方に配置された活性層とを備え、電極は活性層に形成されている。これに代えて、電極は基板の表面へ結合された第3の部分を備え、電極の第2の部分は第1の部分と第3の部分との間に配置される。さらに別の実施形態では、応力緩和機構は電極の第1の部分に隣接して形成されている。
【0025】
別の代表的な実施形態では、MEMSデバイスは、表面を有する基板と、少なくとも部分的に基板の表面へ結合されたアンカーと、アンカーに結合された応力緩和機構とを備え、応力緩和機構はアンカーに隣接して形成された第1の溝部を備える。別の実施形態では、アンカーは第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを備え、第1の溝部はアンカーの第1の側面に隣接して形成されている。さらに別の実施形態では、応力緩和機構はアンカーの第2の側面に隣接して形成された第2の溝部を備える。
【0026】
さらに別の実施形態では、絶縁層と絶縁層の上の活性層とを備える基板から微小電気機械(「MEMS」)デバイスを形成するための方法を提供する。代表的な一実施形態では、この方法は、コーナーを有する第1の電極部分と、第1の電極部分に隣接し、第1の電極部分のコーナーから対角線上に配置されたコーナーを有する第2の電極部分と、第1の電極部分のコーナーおよび第2の電極部分のコーナーを接続しているストリップとを少なくとも有するパターンで、活性層の上方に保護層を形成する保護層形成工程と、活性層およびその上に保護層の形成されていない絶縁層の部分から材料を除去することによって、溝部の形成された電極を形成する材料除去工程とからなる。これに代えて、第1の電極部分は側面を有し、第2の電極部分は第1の電極部分の側面にほぼ平行な側面を有し、ストリップの少なくとも一部は第1の電極部分の側面および第2の電極部分の側面にほぼ平行である。これに代えて、保護層形成工程は、活性層の上方にパターンの輪郭を有するシャドウマスクを配置する工程を含む。別の代替の実施形態では、保護層形成工程は、活性層の表面の上方に保護材料を堆積させる工程と、堆積した保護材料にパターンをエッチングする工程とを含む。さらに別の実施形態では、この方法は、第1の電極部分の下の絶縁層の一部をエッチングすることによって、第1の電極の少なくとも一部を基板から解放する工程を含む。
【0027】
別の実施形態では、絶縁層と絶縁層の上の活性層とを備える基板からMEMSデバイスを形成するための方法を提供する。この方法は、第1のコーナーを有するアンカー部分とアンカー部分の第1のコーナーから伸びているストリップとを少なくとも有するパターンで、活性層の上方に保護層を形成する保護層形成工程と、活性層およびその上に保護層の形成されていない絶縁層の部分から材料を除去することによって、溝部の形成されたアンカーを形成する材料除去工程とからなる。別の実施形態では、アンカー部分は第1のコーナーに隣接している第2のコーナーを備え、パターンはアンカー部分の第2のコーナーから伸びている第2のストリップを備える。さらに別の実施形態では、保護層形成工程は、活性層の上方にパターンの輪郭を有するシャドウマスクを配置する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】代表的なSOI MEMSセンサの断面図。
【図2】図1に示す代表的なSOI MEMSセンサの平面図。
【図3】図1,2に示すSOI MEMSセンサを製造するために用いられ得る代表的な基板の断面図。
【図4】図3の基板の上方に形成され得る代表的なパターンの一部分の平面図。
【図5】図3の基板の上方に形成され得る代表的なパターンの別の部分の平面図。
【図6】図1,2に示すSOI MEMSセンサを製造するための方法の一工程中の図3の代表的な基板の断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基板と、
基板の表面へ結合された第1の部分および基板の表面の上に可動に懸架された第2の部分を有する電極と、
電極の第2の部分に配置された応力緩和機構と、応力緩和機構は電極に一体に形成された第1の溝部を備えることと、からなるMEMSデバイス。
【請求項2】
電極は第1の側面および第2の側面を備え、第1の溝部は電極の第1の側面から少なくとも部分的に電極の第2の側面へ伸びている請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
応力緩和機構は電極に一体に形成された第2の溝部を備える請求項2に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
第2の溝部は電極の第2の側面から少なくとも部分的に電極の第1の側面へ伸びている請求項3に記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
基板は絶縁層と、絶縁層の上方に配置された活性層とを備え、
電極は活性層に形成されている請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
電極は基板の表面へ結合された第3の部分を備え、
電極の第2の部分は第1の部分と第3の部分との間に配置されている請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項7】
応力緩和機構は電極の第1の部分に隣接して形成されている請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項8】
表面を有する基板と、
少なくとも部分的に基板の表面へ結合されたアンカーと、
アンカーに結合された応力緩和機構と、応力緩和機構はアンカーに隣接して形成された第1の溝部を備えることと、からなるMEMSデバイス。
【請求項9】
基板は絶縁層と、絶縁層の上方に配置された活性層とを備え、
アンカーの少なくとも一部は活性層に形成されている請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項10】
アンカーは第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを備え、
第1の溝部はアンカーの第1の側面に隣接して形成されている請求項8に記載のMEMSデバイス。
【請求項11】
応力緩和機構はアンカーの第2の側面に隣接して形成された第2の溝部を備える請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項12】
絶縁層と絶縁層の上の活性層とを備える基板から微小電気機械(「MEMS」)デバイスを形成する方法であって、
コーナーを有する第1の電極部分と、第1の電極部分に隣接し、第1の電極部分のコーナーから対角線上に配置されたコーナーを有する第2の電極部分と、第1の電極部分のコーナーおよび第2の電極部分のコーナーを接続しているストリップとを少なくとも有するパターンで、活性層の上方に保護層を形成する保護層形成工程と、
活性層およびその上に保護層の形成されていない絶縁層の部分から材料を除去することによって、溝部の形成された電極を形成する材料除去工程と、からなる方法。
【請求項13】
第1の電極部分は側面を有し、第2の電極部分は第1の電極部分の側面にほぼ平行な側面を有し、ストリップの少なくとも一部は第1の電極部分の側面および第2の電極部分の側面にほぼ平行である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
保護層形成工程は、活性層の上方に前記パターンの輪郭を有するシャドウマスクを配置する工程を含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
保護層形成工程は、
活性層の表面の上方に保護材料を堆積させる工程と、
堆積した保護材料にパターンをエッチングする工程と、を含む請求項12に記載の方法。
【請求項16】
第1の電極部分の下の絶縁層の一部をエッチングすることによって、第1の電極の少なくとも一部を基板から解放する工程を含む請求項12に記載の方法。
【請求項17】
絶縁層と絶縁層の上の活性層とを備える基板から微小電気機械(「MEMS」)デバイスを形成する方法であって、
第1のコーナーを有するアンカー部分とアンカー部分の第1のコーナーから伸びているストリップとを少なくとも有するパターンで、活性層の上方に保護層を形成する保護層形成工程と、
活性層およびその上に保護層の形成されていない絶縁層の部分から材料を除去することによって、隣接して溝部の形成されたアンカーを形成する材料除去工程と、からなる方法。
【請求項18】
保護層形成工程は、
活性層の表面の上方に保護材料を堆積させる工程と、
堆積した保護材料にパターンをエッチングする工程と、を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アンカー部分は第1のコーナーに隣接している第2のコーナーを備え、前記パターンはアンカー部分の第2のコーナーから伸びている第2のストリップを備える請求項17に記載の方法。
【請求項20】
保護層形成工程は、活性層の上方に前記パターンの輪郭を有するシャドウマスクを配置する工程を含む請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−502530(P2009−502530A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523897(P2008−523897)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025262
【国際公開番号】WO2007/018814
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】