説明

MEMSデバイスのための支持構造、およびその方法

MEMSデバイスのための支持構造、およびその方法
保護材料によって取り囲まれた犠牲材料で形成された支持構造を有する微小電気機械システムデバイス。微小電気機械システムデバイスは、上に電極を形成された基板を含む。キャビティによって第一の電極から分離された別の電極は、犠牲材料で形成された支持構造によって支持される移動可能層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2005年7月22出願の米国仮出願第60/702,080号の恩典を受けることを主張する。
【0002】
<背景>
本発明の分野は、微小電気機械システム(MEMS)に関する。より具体的には、本発明の分野は、インターフェロメトリックモジュレータと、移動層に対する支持を有するこのようなインターフェロメトリックモジュレータを製造する方法と、に関する。
【0003】
<関連技術の説明>
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、および電子機器を含む。微小機械要素は、デポジションプロセス、エッチングプロセス、および/またはその他のマイクロマシニングプロセスであって、基板および/またはデポジションされた材料層を部分的にエッチング除去するかまたは層を追加するかによって電気デバイスおよび電気機械デバイスを形成するマイクロマシニングプロセスを使用して作成することができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、インターフェロメトリックモジュレータ(干渉型変調器)と称される。本明細書において使用されるインターフェロメトリックモジュレータまたはインターフェロメトリック光モジュレータという用語は、光干渉の原理を使用して光を選択的に吸収するおよび/または反射させるデバイスを意味する。特定の実施形態において、インターフェロメトリックモジュレータは、一対の伝導板を備えてよく、それらの板の一方または両方は、全体もしくは一部が透明および/もしくは反射性であってよく且つ適切な電気信号の印加によって相対運動することができる。具体的な一実施形態において、一方の板は、基板上にデポジションされた静止層を備えてよく、他方の板は、エアギャップによって静止層から分離された金属膜を備えてよい。本明細書において更に詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置は、インターフェロメトリックモジュレータに入射する光の光干渉を変化させることができる。このようなデバイスは、非常に広範な用途を有しており、当該分野においては、これらのタイプのデバイスの特徴を既存製品の改良およびまだ開発されていない新製品の製造に生かせるように、これらのタイプのデバイスの特性を利用および/または変更することが有益だと考えられる。
【0004】
<特定の実施形態の概要>
本発明のシステム、方法、およびデバイスは、その各々がいくつかの態様を有しており、そのいずれの一態様も、その望ましい属性に対する役割を単独で任っているわけではない。以下では、それらのより顕著な特徴について、本発明の範囲を限定することなく概説する。この記述を考慮に入れ、とりわけ、「特定の実施形態の詳細な説明」と題されたセクションを読了すれば、本発明の特徴が他のディスプレイデバイスに対してどのような利点を有するかを理解できるであろう。
【0005】
一実施形態は、第一の電極層が上に形成された基板と、第二の電極と、少なくとも1つの支持構造と、を含む微小電気機械システムデバイスを提供する。第二の電極は、キャビティによって第一の電極層から隔てられる。少なくとも1つの支持構造は、キャビティに曝されないように保護材料によって取り囲まれた側面を有する。少なくとも1つの支持構造は、第二の電極層を支持するように構成される。
【0006】
別の一実施形態にしたがって、インターフェロメトリックモジュレータデバイスを作成するための方法が提供される。基板が、提供される。基板は、第一の電極層を上に形成さ
ている。少なくとも1つの支持構造が、保護材料によって取り囲まれる。少なくとも1つの支持構造が取り囲まれた後、第一の電極層と移動可能層との間にキャビティが形成される。
【0007】
更に別の一実施形態にしたがって、リリースされていないインターフェロメトリックモジュレータデバイスが提供される。リリースされていないインターフェロメトリックモジュレータデバイスは、第一の電極層を上に形成された基板と、第一の電極層の上にある犠牲層と、移動可能な層と、を含む。犠牲層は、側壁表面全体を保護材料によって取り囲まれた少なくとも1つの支持構造を含む。犠牲層の上に、移動可能な層が配置される。
【0008】
別の一実施形態にしたがって、微小電気機械システムデバイスを作成するための方法が提供される。基板が、提供される。基板の上に、第一の電極層が形成される。第一の電極層の上に、犠牲層がデポジションされる。犠牲層内に、少なくとも1つの環状ホールが形成され、次いで、満たされる。環状ホールが満たされた後、犠牲層の上に、第二の電極層がデポジションされる。第二の電極層がデポジションされた後、環状ホールの外側の犠牲層は、除去される。
【0009】
本発明のこれらのおよびその他の態様は、以下の説明、および本発明の限定ではなく例示を意図した添付の図面(縮尺通りではない)から、容易に明らかになる。
【0010】
<特定の実施形態の詳細な説明>
以下の詳細な説明は、本発明の特定の具体的実施形態に関する。しかしながら、本発明は、多くの異なるかたちで実現することができる。この説明では、図面が参照され、図中、類似の構成要素は一貫して類似の符号を使用して示される。以下の説明から明らかなように、これらの実施形態は、動いているもの(例:ビデオ)であれ静止しているもの(例:静止画像)であれ、テキスト形式であれ映像形式であれ、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実現可能である。より具体的には、これらの実施形態は、携帯電話、ワイヤレス機器、携帯情報端末(PDA)、手持ちサイズの、すなわち携帯用のコンピュータ、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビ用モニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータ用モニタ、自動車用ディスプレイ(例:走行距離計等など)、コックピットのコントロールパネルおよび/もしくはディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例:車の後方確認用カメラのディスプレイ)、電子写真、電光の掲示板もしくはサイン、プロジェクタ、建造物、パッケージング、ならびに美的構造物(例:宝石の画像のディスプレイ)を非限定的に含む、様々な電子デバイスにおいて実現可能である、またはそのような電子デバイスに関連付けることが可能であると考えられる。また、本明細書において説明されるものと類似の構造のMEMSデバイスを、電子的切り替えデバイスなどの非ディスプレイ用途に使用することも可能である。
【0011】
好ましい実施形態にしたがって、犠牲材料で形成された支持構造(例えば柱)を有するインターフェロメトリックモジュレータディスプレイが提供される。支持構造は、インターフェロメトリックモジュレータの光学キャビティを形成するために選択的にエッチングされる犠牲層として機能する同じ材料層内に形成される。平面状の犠牲層内に、環状開口が開かれ、保護材料で満たされる。保護材料と、その上にある随意の機械層とは、犠牲材料の「リリース」エッチングの最中に、取り囲まれた犠牲材料が除去されるのを阻止する。保護された犠牲材料は、こうして、機械的な、すなわち移動可能な層に対する支持として機能し、該支持を取り囲む保護材料は、その場所に留まってもよいし、あるいは続いて除去されてもよい。
【0012】
インターフェロメトリックMEMSディスプレイ素子を含むインターフェロメトリック
モジュレータディスプレイの1つの実施形態が、図1に示されている。これらのデバイスにおいて、ピクセルは、明るい状態または暗い状態のいずれかにある。明るい(「オン」または「開」)状態では、ディスプレイ素子は、入射する可視光の大半をユーザへと反射させる。暗い(「オフ」または「閉」)状態では、ディスプレイ素子は、入射する可視光をほとんどユーザへと反射させない。「オン」状態および「オフ」状態における光反射特性は、実施形態に応じて逆転可能である。MEMSピクセルは、主に選択された色で反射するように構成することができる。これは、白黒に加えてカラーの表示を可能にする。
【0013】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連のピクセルのなかの2つの隣接するピクセルを示した等角図である。図中、各ピクセルは、MEMSインターフェロメトリックモジュレータを含む。実施形態によっては、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイは、これらのインターフェロメトリックモジュレータの行列からなる配列を含む。各インターフェロメトリックモジュレータは、少なくとも1つの可変次元を伴う共振光ギャップを形成するために、互いから可変で且つ制御可能な距離に配置された一対の反射層を含む。1つの実施形態において、反射層の一方は、2つの位置の間で移動可能である。本明細書において解放位置と称される第一の位置では、この移動可能層は、固定の部分反射層から比較的大きな距離を隔てて配置されている。本明細書において作動位置と称される第二の位置では、この移動可能層は、部分反射層に対してより近くに隣接して配置されている。これらの2層から反射される入射光は、移動可能な反射層の位置に応じて建設的または破壊的に干渉することによって、ピクセル毎に全反射または非反射のいずれかの状態を生じる。
【0014】
図1に示された部分のピクセル配列は、2つの隣接するインターフェロメトリックモジュレータ12a,12bを含む。左側のインターフェロメトリックモジュレータ12aでは、移動可能な反射層14aは、部分反射層を含む光学スタック16aから所定の距離にある解放位置で示されている。右側のインターフェロメトリックモジュレータ12bでは、移動可能な反射層14bは、光学スタック16bに隣接する作動位置で示されている。
【0015】
本明細書において言及される光学スタック16a,16b(光学スタック16として総称される)は、通常、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層と、クロムなどの部分反射層と、透明な誘電体と、を含むことができる何枚かの溶融層を含む。光学スタック16は、したがって、導電性であり、部分的に透明であり、且つ部分的に反射性であり、例えば、上記の層の1枚または2枚以上を透明基板20上にデポジションすることによって作成することができる。部分反射層は、各種の金属、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料で形成することができる。部分反射層は、1枚または2枚以上の材料層で形成することができ、これらの各層は、単一の材料または複数の材料の組み合わせで形成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、光学スタック16のこれらの層は、平行な帯状片となるようにパターン形成され、後ほど詳述されるように、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成することができる。移動可能な反射層14a,14bは、支柱18の上、および支柱18間にデポジションされた介在犠牲材料の上にデポジションされた、1枚または2枚以上の金属層からなる一連の平行な帯状片(行電極16a,16bに直交する)となるように、形成することができる。犠牲材料がエッチング除去されると、移動可能な反射層14a,14bは、定められたエアギャップ19によって光学スタック16a,16bから分離される。反射層14としては、アルミニウムなどの高伝導性で且つ反射性の材料が使用されてよく、これらの帯状片は、ディスプレイデバイスにおける列電極を形成することができる。
【0017】
電圧を印加されていないとき、キャビティ19は、移動可能な反射層14aと光学スタ
ック16aとの間に維持され、移動可能な反射層14aは、図1のピクセル12aによって示されるように、機械的に解放された状態にある。しかしながら、選択された行および列に電位差が印加されると、対応するピクセルにおいて行電極と列電極との交差位置に形成されたコンデンサは、帯電状態となり、静電力が、これらの電極を引き合わせる。もし電圧が十分に高いと、移動可能な反射層14は、変形され、光学スタック16に押し付けられる。図1の右側のピクセル12bによって示されるように、光学スタック16内の誘電層(不図示)が、短絡を阻止し、層14と層16との間の分離距離を制御することができる。この挙動は、印加された電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射と非反射との間でピクセルの状態を制御する行/列作動は、従来のLCD技術およびその他のディスプレイ技術で使用されるものと、多くの意味で類似している。
【0018】
図2〜5Bは、ディスプレイの用途においてインターフェロメトリックモジュレータの配列を使用するための、代表的なプロセスおよびシステムの1つを示している。
【0019】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子デバイスの1つの実施形態を示したシステムブロック図である。この代表的な実施形態において、電子デバイスは、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)などの任意の汎用のシングルチップマイクロプロセッサもしくはマルチチップマイクロプロセッサ、またはデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、もしくはプログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサでありうるプロセッサ21を含む。当該分野において常であるように、プロセッサ21は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。オペレーティングシステムの実行に加えて、プロセッサは、Webブラウザ、テレフォンアプリケーション、電子メールプログラム、もしくはその他の任意のアプリケーションソフトを含む、1つまたは複数のアプリケーションソフトを実行するように構成することができる。
【0020】
1つの実施形態において、プロセッサ21は、また、配列ドライバ22と通信するようにも構成される。1つの実施形態において、配列ドライバ22は、ディスプレイ配列すなわちパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24および列ドライバ回路26を含む。図1に示された配列の断面は、図2において線1−1で示されている。MEMSインターフェロメトリックモジュレータについて、行/列作動プロトコルは、図3に示された、これらのデバイスのヒステリシス特性を上手く活用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態へと変形させるために、10ボルトの電位差が必要とされる。しかしながら、この値から電圧が減少する際に、移動可能層は、自身の状態を、電圧が10ボルト未満に降下するあいだ維持する。図3の代表的な実施形態において、移動可能層は、電圧が2ボルト未満に降下するまで完全には解放されない。したがって、デバイスが解放状態または作動状態のいずれかで安定する印加電圧のウィンドウが存在し、これは、図3に示された例では、例えば約3〜7ボルトの範囲である。これは、本明細書において、「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と称される。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ配列に対しては、行/列作動プロトコルは、行ストローブ中、ストローブされた行にある作動対象のピクセルは約10ボルトの電圧差をかけられ、解放対象のピクセルは0ボルトに近い電圧差をかけられるように設計することができる。ストローブ後、ピクセルは、その行ストローブによって置かれた状態に留まるように、約5ボルトの定常状態電圧差をかけられる。書き込み後の各ピクセルは、この例では3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差をかけられている。この特徴は、図1に示されたピクセル設計を、既存の作動状態または解放状態のいずれでも、同じ印加電圧条件下で安定させる。インターフェロメトリックモジュレータの各ピクセルは、作動状態であれ解放状態であれ、本質的に、固定の反射層と移動可能な反射層とによって形成されるコンデン
サであるので、この安定状態は、ほとんど電力損失を生じることなく、ヒステリシスウィンドウ内の電圧で維持することができる。印加電圧が固定されている間は、基本的に、ピクセルに電流は流れない。
【0021】
代表的な用途では、第一の行における所望の作動ピクセルセットに応じて列電極セットをアサートすることによって、表示フレームを作成することができる。次いで、行1の電極に行パルスが印加され、アサートされた列ラインに対応するピクセルが作動される。アサートされた列電極セットは、次いで、第二の行における所望の作動ピクセルセットに対応するように変化される。次いで、行2電極にパルスが印加され、アサートされた列電極に応じて行2における適切なピクセルが作動される。行1のピクセルは、行2パルスによって影響されず、行1パルス中に設定された状態に留まる。これは、フレームを生成するために、一連の全ての行に対して順次繰り返すことができる。概して、フレームは、このプロセスをいくらかの所望の毎秒フレーム数で絶えず繰り返すことによって、リフレッシュされる、且つ/または新しい表示データに更新される。この他にも、ピクセル配列の行電極および列電極を駆動して表示フレームを生成するための様々なプロトコルがよく知られており、これらもまた、本発明に関連して使用することができる。
【0022】
図4、図5A、および図5Bは、図2の3×3配列上に表示フレームを作成するための、考えられる1つの作動プロトコルを示している。図4は、図3のヒステリシス曲線を呈しているピクセルに対して使用可能な列電圧レベルおよび行電圧レベルとして考えられるセットを示している。図4の実施形態において、ピクセルの作動は、適切な列を−Vbiasに設定するとともに適切な行を+ΔVに設定することを伴い、これらは、−5ボルトおよび+5ボルトにそれぞれ対応することができる。ピクセルの解放は、適切な列を+Vbiasに設定するとともに適切な行を+ΔVに設定することによって達成され、これは、そのピクセルの両端に0ボルトの電位差を生成する。行電圧を0ボルトに保持されている行では、ピクセルは、その列が+Vbiasまた−Vbiasはのいずれであるかにかかわらず、もとからの状態に安定して維持される。図4にも示されるように、上述された場合と逆の極性の電圧も使用可能であることが理解される。例えば、ピクセルの作動は、適切な列を+Vbiasに設定するとともに適切な行を−ΔVに設定することを伴うことができる。この実施形態では、ピクセルの解放は、適切な列を−Vbiasに設定するとともに適切な行を−ΔVに設定することによって達成され、これは、そのピクセルの両端に0ボルトの電位差を生成する。
【0023】
図5Bは、図2の3×3配列に印加される一連の行信号および列信号を示したタイミング図であり、その結果、作動ピクセルが非反射となる図5Aに示されたディスプレイ構成が得られる。図5Aに示されたフレームの書き込みに先立って、ピクセルは、任意の状態にあることが可能である。この例では、全ての行は0ボルトに、そして全ての列は+5ボルトにある。これらの信号を印加された状態で、全てのピクセルは、自身の既存の作動状態または解放状態で安定している。
【0024】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、および(3,3)が作動されている。これを達成するため、行1用の「ライン時間」中、列1および列2が−5ボルトに設定され、列3が+5ボルトに設定される。これは、いずれのピクセルの状態も変化させない。なぜならば、全てのピクセルは、3〜7ボルトの安定性ウィンドウ内に留まるからである。次いで、0から5ボルトに上昇して再び0に戻るパルスによって、行1がストローブされる。これは、(1,1)ピクセルおよび(1,2)ピクセルを作動させ、(1,3)ピクセルを解放させる。配列内の他のピクセルは、いずれも影響されない。行2を望むとおりに設定するため、列2は−5ボルトに設定され、列1および列3は+5ボルトに設定される。次いで、行2に対しても同じストローブを印加すると、ピクセル(2,2)が作動され、ピクセル(2,1)およびピクセル(2,3
)が解放される。やはり、配列内の他のピクセルは影響されない。行3も、列2および列3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することによって、同様に設定される。行3ストローブは、行3のピクセルを、図5Aに示されるように設定する。フレームの書き込み後、行の電位はゼロであり、列の電位は+5ボルトまたは−5ボルトのいずれかに留まることができる。そして、ディスプレイは、図5Aの構成で安定する。数十または数百の行および列を有する配列にも、同様の手続きが利用可能であることが理解される。また、行および列の作動を実施するために使用されるタイミング、順序、および電圧レベルは、上記に概略を記された一般的原理の範囲内で様々に可変であること、上記の実施例は、例示を目的としたものに過ぎないこと、そして、任意の作動電圧方法が、本明細書において説明されるシステムおよび方法とともに使用可能であることが理解される。
【0025】
図6Aおよび図6Bは、ディスプレイデバイス40の1つの実施形態を示したシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、例えば、セルラー式電話、すなわち携帯電話であることが可能である。しかしながら、ディスプレイデバイス40と同じ構成要素、またはそれらを僅かに変更した形態は、テレビおよびポータブルメディアプレーヤなどの様々なタイプのディスプレイデバイスを示することもできる。
【0026】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48、およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、概して、射出成形および真空成形を含む、当該分野の当業者にとって周知の様々な製造プロセスのうちの任意のプロセスによって形成される。また、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む、様々な材料のうちの任意の材料で作成することができる。1つの実施形態において、ハウジング41は、取り外し可能部分(不図示)を含み、これらの部分は、異なる色の、または異なるロゴ、絵、もしくはマークを含む、他の取り外し可能部分と交換することができる。
【0027】
代表的ディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、本明細書において説明されるように、双安定ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちの任意のディスプレイであることが可能である。その他の実施形態では、ディスプレイ30は、上述のような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、もしくはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、または当業者に良く知られているような、CRTもしくは他の管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含む。ただし、本実施形態の説明のため、ディスプレイ30は、本明細書において説明されるように、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含むものとする。
【0028】
代表的ディスプレイデバイス40の1つの実施形態の構成要素が、図6Bに概略を示されている。図示されている代表的ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、更に、ハウジング41に少なくとも部分的に囲まれた追加の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態において、代表的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は、調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例:信号をフィルタリングする)ように構成することができる。調整ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、また、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28および配列ドライバ22に結合され、配列ドライバ22は、更に、ディスプレイ配列30に結合される。電源50は、特定の代表的ディスプレイデバイス40の設計要件に応じて全ての構成要素に電力を供給する。
【0029】
ネットワークインターフェース27は、代表的ディスプレイデバイス40がネットワークを通じて1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43およびトランシーバ47を含む。1つの実施形態において、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21の要件を軽減するために、いくらかの処理能力を有することもできる。アンテナ43は、当業者に知られている任意の信号送受信用アンテナである。1つの実施形態において、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE 802.11標準にしたがってRF信号の送受信を行う。別の一実施形態では、アンテナは、Bluetooth標準にしたがってRF信号の送受信を行う。セルラー式電話の場合、アンテナは、CDMA信号、GSM信号、AMPS信号、またはワイヤレスセルフォンネットワーク内における通信に使用されるその他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信される信号に前処理を施すことによって、それらをプロセッサ21によって受信して更なる操作を行うことを可能にする。トランシーバ47は、また、プロセッサ21から受信される信号を処理することによって、それらをアンテナ43を介して代表的ディスプレイデバイス40から送出することを可能にする。
【0030】
代替の一実施形態において、トランシーバ47は、レシーバで置き換えることができる。更に別の代替の一実施形態において、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを格納または生成することができる画像ソースで置き換えることができる。例えば、画像ソースは、画像データを含むデジタルビデオディスク(DVD)もしくはハードディスクドライブ、または画像データを生成するソフトウェアモジュールであることが可能である。
【0031】
プロセッサ21は、概して、代表的ディスプレイデバイス40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースからの圧縮画像データなどのデータを受信し、そのデータを処理することによって、生(raw)画像データ、または処理によって容易に生画像データにすることができるフォーマットにする。プロセッサ21は、次いで、処理されたデータを、ドライバコントローラ29に送信する、または格納のためにフレームバッファ28に送信する。生データは、通常、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を表している。例えば、このような画像特性は、色、彩度、およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0032】
1つの実施形態において、プロセッサ21は、代表的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は、概して、スピーカ45に信号を伝送するための、およびマイクロフォン46からの信号を受信するための、増幅器とフィルタとを含む。調整ハードウェア52は、代表的ディスプレイデバイス40内における個別の構成要素であってもよいし、またはプロセッサ21もしくはその他の構成要素の中に組み込まれてもよい。
【0033】
ドラバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データを、プロセッサ21から直接取得し、またはフレームバッファ28から取得し、その生画像データを、配列ドライバ22への高速伝送に適するように再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ状のフォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることによって、データに、ディスプレイ配列30の走査に適した時間順序を付与する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報を配列ドライバ22に送信する。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型の集積回路(IC)の形でシステムプロセッサ21と関連付けられることが多いが、このようなコントローラは、様々な形で実現することができる。例えば、ハードウェアの形でプロセッサ21に埋め込まれてもよいし、ソフトウェアの形でプロセッサ21に埋め込まれてもよいし、または配列ドライバ22を伴う形でハードウェアにまるごと組み
込まれてもよい。
【0034】
通常、配列ドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信し、そのビデオデータを平行波長のセットに再フォーマットする。これらの平行波長のセットは、ディスプレイのx−yピクセル行列から引かれる数百本の、ときには数千本のリードに1秒当たり多数回印加される。
【0035】
1つの実施形態において、ドライバコントローラ29、配列ドライバ22、およびディスプレイ配列30は、本明細書において説明される任意のタイプのディスプレイに適している。例えば、1つの実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(例:インターフェロメトリックモジュレータコントローラ)である。別の一実施形態において、配列ドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(例:インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ)である。1つの実施形態において、ドライバコントローラ29は、配列ドライバ22に統合されている。このような一実施形態は、セルラー式電話、腕時計、およびその他の小面積型ディスプレイなどの高度に集積されたシステムでよく見られる。更に別の一実施形態では、ディスプレイ配列30は、通常のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例:インターフェロメトリックモジュレータの配列を含むディスプレイ)である。
【0036】
入力デバイス48は、ユーザが、代表的ディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態において、入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンサ式画面、感圧式または感熱式の膜などを含む。1つの実施形態において、マイクロフォン46は、代表的ディスプレイデバイス40のための入力デバイスである。デバイスに対するデータの入力にマイクロフォン46が使用される場合は、代表的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためにユーザによって音声命令を提供することができる。
【0037】
電源50は、当該分野において周知であるように、様々なエネルギ蓄積デバイスを含むことができる。例えば、1つの実施形態において、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の一実施形態において、電源50は、再生可能なエネルギ源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池および太陽電池塗装を含む太陽電池である。別の一実施形態において、電源50は、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、上述のとおり、電子ディスプレイシステム内の複数個所に配置可能なドライバコントローラ内に、制御のプログラム可能性が備わっている。いくつかの実施形態では、配列ドライバ22内に、制御のプログラム可能性が備わっている。当業者ならば、上述された最適化が、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、ならびに様々な構成において実装可能であることを認識できる。
【0039】
上記の原理にしたがって動作するインターフェロメトリックモジュレータの構造の詳細は、様々に可変である。例えば、図7A〜7Eは、移動可能な反射層14およびその支持構造の、5つの異なる実施形態を示している。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、帯状の金属材料14が、直交する支持構造18上にデポジションされている。支持18は、相隔たれた柱または連続した壁を備えることができる。例えば、支持18は、交差する帯状の機械的なすなわち移動可能な材料を支持する直線状のレール、および/または相隔たれた柱を含むことができる。一例では、レールが主な支持を提供し、各キャビティ内の柱が機械層を補強する役割を担う。
【0040】
図7Bにおいて、移動可能な反射層14は、その角部のみを、接続線32を介して支持構造に取り付けられている。図7Cにおいて、移動可能な反射層14は、可撓性材料を含みうる変形可能層34から吊り下げられている。変形可能層34は、その外周付近において、直接的にまたは間接的に基板20に接続している。これらの接続は、本明細書において支持構造と称される。図7Dに示された実施形態は、変形可能な層34を上に載せた支持プラグ42を有する。このとき、移動可能な反射層14は、図7A〜7Cの場合と同様に、ギャップの上に吊り下げられた状態にあるが、変形可能層34は、自身と光学スタック16との間のホールを埋めることによる支柱の形成は行わなず、その代わりに、支柱18は、支柱プラグ42の形成に使用される平坦化材料で形成される。図7Eに示された実施形態は、図7Dに示された実施形態に基づくが、図7A〜7Cの任意の図に示された実施形態はもちろん描かれていないその他の実施形態でも機能するように適合させることができる。図7Eに示された実施形態では、バス構造44を形成するために、金属またはその他の導電性材料の追加層が使用されている。これは、インターフェロメトリックモジュレータの背後に沿った信号のルーティングを可能にし、基板20上に形成されなければならないはずの複数の電極を排除することができる。
【0041】
図7に示されたような実施形態において、インターフェロメトリックモジュレータは、モジュレータを配置する側と反対の側である透明基板20の前面から画像を見られる直視型デバイスとして機能する。これらの実施形態において、反射層14は、自身から見て基板20と反対の側にある変形可能層34を含む部分のインターフェロメトリックモジュレータを光学的に遮蔽する。これは、遮蔽された領域を、画質に悪影響を及ぼすことなく構成すること、および動作させることを可能にする。このような遮蔽は、図7Eのバス構造44を可能にする。これは、アドレッシングおよびアドレッシングの結果として生じる移動などのモジュレータの電気機械的特性から、モジュレータの光学特性を分離する能力を提供する。この可分離式のモジュレータアーキテクチャは、モジュレータの電気機械的側面および光学的側面に使用される構造設計と構造材料とを、互いに独立に選択すること、および機能させることを可能にする。更に、図7C〜7Eに示された実施形態は、変形可能層34によってなされる、反射層14の機械的特性からの反射層14の光学的特性の切り離しによる、更なるメリットを有する。これは、反射層14に使用される構造設計および構造材料を、光学的特性に関して最適化することを可能にするとともに、変形可能層34に使用される構造設計および構造材料を、所望の機械的特性に関して最適化することを可能にする。
【0042】
本明細書では、層、材料、および/またはその他の構造的要素を、その他の構造的要素との関係で、「上」、「上方」、「間」などと説明することができる。本明細書で説明される構造的要素の間には、様々な中間の層、材料、および/またはその他の構造的要素を配置することができるので、本明細書で使用されるこれらの用語は、直接的にまたは非直接的に上、上方、間であることを意味することができる。同様に、例えば基板または層など、本明細書で説明される構造的要素は、単一の構成要素(例えば単層)または多構成要素の構造(例えば、列挙された材料の層を複数枚含む積層体。追加の材料層を伴っても、伴わなくてもよい)を含むことができる。物体または要素に関連した「1つまたは複数の」という用語の使用は、この用語を使用されていない物体または要素について考えられる複数の配置の存在がないことを、いかなる意味でも示すものではない。本明細書で使用される「微小電気機械デバイス」という用語は、概して、あらゆる製造段階におけるこのようなあらゆるデバイスを意味する。
【0043】
図8A〜8Cおよび図8E〜8Hは、支持構造を後続の処理から保護されたインターフェロメトリックモジュレータを形成する代表的な一方法を示した断面図である。例えば、保護ライナは、MEMSキャビティを形成する「リリース」エッチングから支持構造を保護することができる。この場合の支持構造は、リリースエッチングに先立ってキャビティ
を満たすものと同じ犠牲材料で形成することができる。
【0044】
本実施形態にしたがって、透明な基板20の上に、図7A〜7Eに示されるような光学スタック16が形成される。上述されたように、光学スタック16は、通常、ITOなどの電極層110と、クロムなどの部分反射層120と、誘電体130と、を含む何枚かの統合された層、すなわち溶融層を含む。光学スタック16のこれらの層は、行電極を形成するために、平行な帯状片となるようにパターン形成されることが好ましい。通常は、図8Aに示されるように、光学スタック16の層は、透明な基板20の上にデポジションされる。このデポジションは、例えば、何らかの形態のスパッタリング、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、スピンオン誘電体(SOD)、スピンオンガラス(SOG)などの、従来のデポジション技術によることが好ましい。光学スタック16の誘電層130は、二酸化シリコン(SiO2)で形成されることが好ましい。その他の構成では、誘電層130は、その他の絶縁材料で形成されており、後続のエッチングステップから光学スタック16を保護するために、1枚または2枚以上のエッチング停止層を随意に含むことができる。当業者ならば理解できるように、エッチング停止層は、その下の材料を保護するため、特定のエッチング技術に対して極めて耐性である。エッチング停止層に適した材料は、例えば、Al23、チタン、タングステン、非晶質シリコン、ゲルマニウム、およびこれらの組み合わせを含む。
【0045】
本実施形態にしたがうと、光学スタック16の形成後は、図8Bに示されるように、誘電層130の上への犠牲材料140のデポジションが続く。犠牲層140は、犠牲材料140の上にデポジションされるであろう移動可能層170(図8H)と、光学スタック16との間に共振光学キャビティ180(図8H)を定めるために、光学スタック16の上にデポジションされ(且つ後に選択的に除去され)ることが好ましい。したがって、犠牲材料140の厚さは、解放状態のときに反射される色の具体的な選択にあわせて選択される。その他の構成では、RGBディスプレイシステム用に、赤、緑、青などの複数の異なる色を生成するために、複数の厚さがデポジションされる。代表的な一実施形態では、高さが最大のキャビティ(厚さが最大の犠牲層によって形成される)を有するモジュレータが、赤色光を反射し、高さが中間のキャビティ(厚さが中間の犠牲層によって形成される)を有するモジュレータが、緑色光を反射し、高さが最小のキャビティ(厚さが最小の犠牲層によって形成される)を有するモジュレータが、青色光を反射する。別途図示されてはいないものの、当業者ならば、本明細書で開示されるポスト形成技術が、複数の異なる厚さの犠牲材料を伴うモノクロデバイスおよびマルチカラーインターフェロメトリックモジュレータにも等しく適用可能であることが、容易にわかる。
【0046】
犠牲材料140は、無機材料を含むことが好ましい。有機質の支持構造は、犠牲層に対して極めて同一平面状に作成しやすいので、これまで、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイには、有機質の支持構造が使用されてきた。しかしながら、当業者ならば、インターフェロメトリックモジュレータにおいて、有機質の支持構造が、熱安定性や熱クリープに関連して色ズレおよび画像残留の問題を招く恐れがあることがわかる。したがって、犠牲層に対して同一平面状に作成することができる無機質の支持構造ならば、有機質の支持構造の、色ズレおよび画像残留の問題を最小に抑えるのに役立つと考えられる。しかしながら、当業者ならば、犠牲材料140が、有機材料を含みうることがわかる。もし、犠牲材料140が有機質である場合は、この有機質の犠牲材料140を除去するために、O2プラズマまたはダウンストリームO2を使用することができる。
【0047】
1つの実施形態にしたがうと、犠牲材料140は、シリコン(Si)を含むことができる。他の実施形態では、この犠牲材料140は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、およびタンタル(Ta)などの金属で形成することができる。更に別の一実施形態では、犠牲材料140は、シリコンに富んだシリコン窒化物で形成するこ
とができる。これらの犠牲材料は、いずれも、フッ素をベースにしたエッチャントによって、露出された誘電材料および電極材料に対して選択的にエッチングすることができるが、当業者ならば、その他の犠牲材料も、その他の選択性エッチング化学剤とともに使用可能であることが、容易にわかる。シリコンおよび上で列挙された金属は、フォトレジストよりも強固な支持を提供すること、そして、とりわけXeF2への暴露によって選択的エッチングを受けやすいという点で有利である。
【0048】
図8Cに示されるように、この実施形態において、インターフェロメトリックモジュレータ構造の製造は、犠牲材料140内に開口150をパターン形成およびエッチングすることによって継続される。開口150は、開口150の上面図である図8Dに示されるように、環状ホールの形態をとることが好ましい。図示された形状は円形であるが、当業者ならば、後ほど詳述されるように、デバイスの支持構造を形成されることになる部分の犠牲材料140を取り囲むために、柱および細長いレールを含むその他の囲い込み形状すなわち連続形状に形成されてよいことがわかる。図8Cに示されるように、開口150の溝の幅は、形成される支持構造の直径または幅より大幅に小さい。しかしながら、当業者ならば、より小さい直径または幅(例えば<4〜5ミクロン)を有する支持構造の場合は、開口150の溝の幅が支持構造の直径または幅と実質的に同程度になることがわかる。
【0049】
図8Eに示されるように、この構造の上には、開口150を保護材料160で満たすために、保護材料160がデポジションされる。保護材料に適した材料には、フォトレジストやスピンオン誘電体(SOD)などの自己平坦化材料が含まれるが、これらに限定されない。これらの材料は、スピンオンデポジションプロセスによってデポジションされるとともに、自身で平坦化する。更に、フォトレジスト材料、およびシリコン酸化物をベースにしたSODは、ともに、フッ素をベースにしたエッチャントに対して耐性を持つ。保護材料160に適したその他の材料には、感光性のポリイミド、カラーフィルタ用途のための着色顔料、BCB(ベンゾシクロブテン、米国ミシガン州ミッドランドのDow Chemical Co.より市販されている)、およびスピンオン低k材料が含まれる。図8Eに示されるように、このデポジションの結果、開口150を満たすのに加えて、構造の上にも保護材料160の層が形成される。当業者ならば、フォトレジストなどの光反応性高分子で形成された保護材料160が、光の照射によって、後ほど詳述されるようなエッチング、アッシングまたはその他の手法で犠牲材料150を除去するのに適した状態にできることがわかる。
【0050】
保護材料160および犠牲材料140は、犠牲材料140が、保護材料160に対して選択的に且つ/または優先的にエッチング可能であるように選択されることが好ましい。選択的とは、保護材料160が、リリースエッチング(幾何形状、エッチャント、材料等などに依存する)の間にすり減って、保護した部分(支持構造を形成する部分)の犠牲材料140を露出させることのないようにすることである。犠牲層140は、エッチャントが、保護材料160に対するより大幅に大きい速度で(例えば、保護材料160をエッチングする速度の5倍を超える速度、好ましくは10倍を超える速度、更に好ましくは40倍を超える速度で)犠牲材料140をエッチングできる場合に、保護材料160に対して選択的にまたは優先的にエッチング可能である。したがって、保護材料160は、犠牲材料140が大いにエッチングを受けやすい条件下において、エッチングに対して実質的に耐性である。当業者ならば、犠牲材料140および保護材料160の選択が、材料のデポジションに使用される方法および条件(材料の物理的特性および/もしくは化学的特性に影響を及ぼすことができる)、ならびに犠牲材料の除去の最中のエッチング条件(エッチングプロセスの特質および使用される具体的なエッチャントを含む)を含む、様々な要素に依存することを理解できる。当業者ならば、また、適切な条件下であれば全ての材料がエッチング可能であること、そして、本明細書における、材料を選択的にもしくは優先的にエッチング可能であるまたは耐エッチング性であるとする記述が、それらの材料が曝さ
れる特定の条件下での、デバイス内に存在する他の材料との比較であることが理解できる。したがって、多くの場合、保護材料に対して選択的にまたは優先的にエッチング可能である犠牲材料の選択は、制御された条件下において、経験的に決定される。あるいは、対象となる材料の選択的エッチングを可能にする様々なエッチング方法、システム、および材料が、当該分野において知られており、且つ/または市販されている。当業者ならば、保護材料160が、例えばCVD、PVD、およびスパッタリングを含む、当該分野でよく知られた様々な方法によってデポジション可能であることを理解できる。
【0051】
当業者ならば、保護材料160の層の厚さ(環状開口150の寸法によって選択される)が、犠牲材料140の厚さに依存することがわかる。例えば、もし犠牲材料140が厚めであるならば、保護材料160の層も、やはり厚めであることが好ましい。上記のように、犠牲材料140の厚さは、生成される色に影響を及ぼし、生成される色は、また、犠牲材料140のその他の材料特性にも依存する。好ましい一実施形態にしたがうと、保護材料160の層は、犠牲材料140の厚さの約2分の1から2倍の厚さを有する。保護材料160の層は、500Åから1ミクロンまでの範囲、より好ましくは1000〜3000Åの範囲、更に好ましくは約2000Åの、(犠牲材料140の上面から保護材料160の上面までの)厚さを有することが好ましい。
【0052】
この方法にしたがった追加のステップが、図8F〜8Hに示されている。この実施形態にしたがうと、保護材料160は、図8Fに示されるように、開口150内にのみ残留するように、犠牲材料140の上面に達するまで完全にエッチバックされる。
【0053】
保護材料160によって取り囲まれた部分の犠牲材料140は、デバイスの支持構造またはレールとして機能することが理解される。犠牲材料150の厚さは、支持構造、すなわち支柱の高さだけでなく、形成されるであろう共振光学キャビティ180(図8H)の高さをも決定するので、当業者ならば、犠牲材料140の、とりわけ保護材料160によって取り囲まれた部分が、保護材料160のエッチング時に危害を受けないことが好ましいことがわかる。キャビティ180の高さの変化は、デバイスによって反射される色に影響を及ぼす。
【0054】
当業者ならば、例えば、もし保護材料160がフォトレジストを含む場合は、代表的な犠牲材料140(例えばシリコン、モリブデン)に危害を及ぼすことなく犠牲材料140の上面から保護材料160を選択的に除去するために、選択的エッチングを使用できることがわかる。あるいは、保護材料150を保護するために、エッチング停止層をデポジションすることができる。また、開口150内の保護材料160がエッチングされるのを回避するために、エッチングの時間を計ることもできる。開口150内の平坦化材料160がエッチング除去されることのないように、開口150を覆うフォトレジストマスクが任意に使用されることが好ましい。例えば、開口150内のレジスト(または開口150の外側のレジスト)を選択的に現像するために、レチクルを使用することができる。次いで、犠牲材料140の上面から、保護材料160が選択的に除去される。あるいは、同じレチクルで、開口150を定めるために使用されたポジ型フォトレジストの代わりにネガ型フォトレジストを用いることによって、開口150を定めるために使用されたものと逆のマスクパターンを形成することができる。逆もまた、同様である。露光過多または露光不足は、小さいミスアライメントに因らず、完全な適用範囲を保証する。
【0055】
当業者ならば、代わりに、ネガ型フォトレジストマスクとともに背面露光プロセスを使用することによって、図8Fに示された構造を得られることがわかる。この実施形態にしたがうと、好ましくはネガ型フォトレジストで形成された、開口150内の保護材料160は、基板20を通して構造の背面から露光される。光は、開口150内の保護材料160を硬化させる。犠牲材料の上面にある部分の保護材料160は、露光されない。なぜな
らば、犠牲材料140は、好ましくは透明でなく、その部分の保護材料160を露光から遮るからである。犠牲材料140の上面にある、露光されなかった保護材料160は、次いで、除去のために現像され、その結果、図8Fに示された構造が得られる。当業者ならば、この実施形態において、モリブデンが、透明でないゆえに犠牲材料140として好ましい材料であるのに対して、シリコンは、半透明であるゆえにネガ型フォトレジスト材料としてあまり好ましくないことがわかる。犠牲材料140として好ましいその他の材料には、Ti、W、およびTaが含まれる。
【0056】
1つの実施形態にしたがうと、開口150は、均一の高さを有する支持構造を形成するために、均一な高さを有する。別の一実施形態にしたがうと、開口150は、マルチカラーディスプレイ用に様々な高さの支持構造を形成するために、様々な高さを有する。当業者ならば、添付の図面が、本明細書で説明される一連のステップを例示するために描かれたものであり、縮尺どおりではないことが理解できる。
【0057】
保護材料160のエッチング後は、図8Gに示された、プレリリースの、すなわちリリース前の構造を形成するために、構造の上に移動可能層170をデポジションする(そして、続いてパターン形成およびエッチングを行う)ことが好ましい。図8の、例示された実施形態は、図8Fに示された構造の上に移動可能層170がデポジションされた状態を示していることが理解される。例示された実施形態において、移動可能層170は、機械層としてはもちろん、移動可能な反射層、すなわち第二の電極としても機能するので、機械層、移動可能層、変形可能層、および/または電極と称することができる。移動可能層170は、図7A、図7B、および図8Hに示されるように、完全反射性の可撓性の金属を含んでもよいし、あるいは、図7C〜7Eに示されたように、別個のミラーを支持していてもよい。移動可能層170に適したその他の材料には、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、およびニッケルが含まれるが、これらに限定されない。その他の実施形態では、移動可能層170は、Al/SiO2、Ni/Al/AlOx、およびNi/Al/SiO2などの複数の層を含むことができる。複数の層の実施形態では、移動可能層170は、エッチャントに対して耐性を持つ材料で背面を形成された反射層を有することが理解される。移動可能層170は、その外周付近において、直接的にまたは間接的に基板20に接続することが好ましい。
【0058】
移動可能層170のデポジション、およびデバイスを完成させるためのその他のステップ(例えば行と交差するように列をパターン形成するなど)の後、犠牲材料140は、選択的に除去される。当業者ならば、犠牲層の除去に使用されるエッチングガスを、犠牲材料140に到達可能にするために、移動可能層170に、開口、すなわちホール172をエッチング可能であることがわかる。当業者ならば、これらの開口172が、例えばフォトレジストで形成されたマスク(不図示)で移動可能層170を覆い、該マスクを通してエッチングを行うことによってエッチング可能であることを理解できる。マスクは、開口172がエッチングされた後に除去される。パッケージングプロセス全体の一環として、インターフェロメトリックモジュレータは、続いて密封され、インターフェロメトリックモジュレータを内包するパッケージを取り巻く環境から保護されることが理解される。このようなホール、すなわち開口は、フォトリソグラフィシステムによって許される限りの小さい直径を有することが好ましい。一実施形態では、ホール、すなわち開口は、約2〜6ミクロンの範囲の直径を有する。1ミクロン未満、およびより好ましくは0.5ミクロン未満などの、より小さい開口を形成するために、ステッパツールが使用されてよいことが理解される。当業者ならば、開口の大きさ、間隔、および数が、犠牲材料140の除去速度に影響を及ぼすことを理解できる。
【0059】
図8Hに示されるように、保護材料160で形成された「カバー」によって取り囲まれた支持18間の犠牲材料140は、移動可能層170と、光学スタック16の誘電層13
0と、の間に光学キャビティ180を形成するために、好ましくは(例えばミラーすなわち移動可能層170、誘電130、および保護材料160に対して選択的な)選択的ガスエッチングプロセスを使用して除去される。犠牲材料140の選択エッチングの後、移動可能層170は、犠牲材料140によって形成された支持18によって支持され、且つ該支持18の上に載っている。
【0060】
犠牲材料140を除去するために、様々なエッチングプロセス(ウェット法およびドライ法を含む)ならびにエッチャントを使用することができる。犠牲材料140を除去するには、当該分野でよく知られた標準的なエッチング技術を使用することができる。適切なエッチング技術には、例えば、ウェットエッチング法およびドライエッチング法が含まれる。具体的なエッチングプロセスは、除去されるべき材料に依存する。
【0061】
化学的ドライエッチング法は、通常、ガス状の化学反応性のエッチャントを犠牲材料140に当てて、該材料を、例えば真空源によって除去される揮発性生成物に変換することを伴う。ドライエッチング法に有用なエッチャントの例は、例えば、不活性ガス(例えばXeもしくはAr)と、例えばN2、F2、H2、CO、Cl2、Nxy(例えばNF3)、Cxy(例えばC26)、および/もしくはSixy(例えばSiF4)との混合など、1種または2種以上のガスの混合を含む。例えば、二フッ化キセノン(XeF2)は、シリコン、モリブデン、チタン、またはタングステンの犠牲層を、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミナ、フォトレジスト、およびアルミニウムを含むがこれらに限定されない保護材料160に対して選択的に除去するための、ドライエッチャントリリースガスを生成する。なぜならば、XeF2は、これらの材料を、感知できるほどエッチングしないからである。このエッチングプロセスは、例示された移動可能層170、保護材料160、および下部の誘電層130、またはこれらの構造の上のあらゆるエッチング停止材料などの、誘電材料、半反射性材料、および電極材料のいずれもエッチングしないことが理解される。
【0062】
代表的なウェットエッチャントは、リン酸/酢酸/硝酸の混合溶液すなわち「PAN」であり、例えばMo、Al、またはGeを、シリコン酸化物、シリコン窒化物、チタン、ニッケル、クロム、ITO、シリコン炭化物、および非晶質シリコンを含むがこれらに限定されない様々な材料に対して選択的に除去することができる。当業者ならば、タンタルおよびチタンを含む犠牲材料140が、例えば、XeF2、フッ素プラズマ(CF4、NF3、SF6)、およびCl2などのエッチャントによるエッチングを含むがこれらに限定されないウェットエッチング化学剤またはドライエッチング化学剤のいずれかによって除去可能であることがわかる。マグネシウムを含む犠牲材料140は、HClおよびHNO3などのエッチャントによるエッチングを含むがこれらに限定されないウェットエッチング化学剤を使用して除去することが好ましい。
【0063】
アルミニウムを含む犠牲材料140は、ドライエッチング化学剤よりもウェットエッチング化学剤を使用して除去されることが好ましい。アルミニウム犠牲材料140に適したウェットエッチャントは、水酸化アルミニウム(NH4OH)およびTMAH有機塩基などの塩基、リン酸、HCl、PANエッチャント、NaOH、ならびにKOHなどを含むがこれらに限定されない。アルミニウムの除去には、ウェットエッチャントが好ましいが、Cl2プラズマなどのドライエッチャントも、アルミニウムの除去に使用することができる。当業者ならば、アルミニウム犠牲材料をエッチングするのに使用されるウェットエッチャントが、移動可能層170の背面上のあらゆるアルミニウムも、もし存在するならば、除去すること、そして、移動可能層170の背面上のこのようなあらゆるアルミニウムが、薄い(例えば<100Å)誘電層によってエッチングから保護されると望ましいことがわかる。ニッケルは、アルミニウム用のエッチャントに対して耐性を持つので、当業者ならば、移動可能層170の背面上にアルミニウムを有する実施形態において、移動可
能層170の背面上の反射性材料として、ニッケル(または上記エッチャントに対して耐性を持つ任意の金属)を使用できることがわかる。
【0064】
いくつかの実施形態において、エッチングは、例えば、デバイスの反射性またはリリースされるエッチング生成物を監視することによって監視される。その他の実施形態では、エッチングは、所定の時間にわたって行われる。当業者ならば、層のエッチング速度が、その層の厚さに依存することを理解できる。概して、厚い層ほどエッチングが遅くなる。上述されたように、移動可能層170は、犠牲層の除去に使用されるエッチングガスを犠牲材料140に到達可能にするために、開口、すなわちホール172を提供するようにパターン形成することもできる。当業者ならば、エッチング速度が、開口172の数および開口172の大きさにも依存することを理解できる。
【0065】
この実施形態にしたがって得られるインターフェロメトリックモジュレータの最終構造が、図8Hに示されている。図8Hに示されるように、上面にある移動可能層170と、側壁にある保護材料160とが、相まって、犠牲材料140を封じ込め、光学キャビティ180を形成するリリースエッチングから、犠牲材料140を保護している。具体的な好ましい一実施形態では、犠牲材料140は、モリブデンを含み、得られるインターフェロメトリックモジュレータの最終構造は、真っ直ぐな側壁を有した支持18を有する。この実施形態では、保護材料160は、フォトレジストまたはSODを含むことができる。
【0066】
図9は、代替の一実施形態にしたがって製造して得られるインターフェロメトリックモジュレータの最終構造を示している。この実施形態にしたがうと、図8Gに示された構造から犠牲材料140が選択的に除去された後、支持18を取り囲む開口150内の保護材料160もまた、除去される。この選択的除去は、エッチャントにSiO2が曝されない限り、あらゆるタイプの選択的エッチングプロセス(ウェットまたはドライ)によって実施することができる。例えば、当業者ならば、光学スタック16の上にAl23のエッチング停止層を使用したり、あるいは光学スタック16として代替の誘電体を使用したりできることがわかる。あるいは、開口150内に残留する保護材料160を除去するために、アッシングプロセスを使用することができる。当業者ならば、フォトレジストを含む保護材料160の除去に、アッシングプロセスが使用されることが容易にわかる。
【0067】
別の一実施形態にしたがうと、図8Eに示されるように、保護材料160がデポジションされ、その後、保護材料160は、図10Aに示されるように、犠牲材料140の特定の部分の上に「カバー」を形成するために、犠牲材料140の上面までエッチバックされる。保護材料160は、フォトリソグラフィプロセスによるマスク形成の後にエッチングされることが好ましい。「カバー」の下にあるこれらの部分の犠牲材料160は、この実施形態では、支持18(図10D)として機能する。マスクのミスアライメントの際にも支持領域を確実に覆えるようにするため、保護材料160は、図10Aに示された実施形態に見られるように、支持領域より僅かに幅広の「カバー」を残してエッチバックされることが好ましい。あるいは、図10Bに示されるように、「カバー」は、開口150内の保護材料160の上にだけ存在する環状の帯として形成される。図10Cに示されたリリース前の構造に見られるように、移動可能層170は、「カバー」を形成するために保護材料160がエッチングされた後に、構造の上にデポジションされる。図10Cは、図10Aに示された構造の上に移動可能層170がデポジションされた状態を描いているが、当業者ならば、代替の一実施形態では、移動可能層170が図10Bに示された構造の上にデポジションされてよいことを理解できる。当業者ならば、デバイスを完成するために、上述されたパターン形成や選択的除去などの後続のステップが移動可能層170のデポジションの後に続き、その結果として、図10Dに概略を示されたこの実施形態の最終構造が得られることを理解できる。
【0068】
あるいは、保護材料160がフォトレジストである一実施形態では、図10Aに示された犠牲材料140の選択的除去の後に、アッシングプロセスを使用し、開口150内に残留する保護材料160を除去することによって、支持構造を形成するための領域内の犠牲材料140の上面上にのみ、保護材料160を残留させることができる。当業者ならば、犠牲材料140の選択的エッチングの後に、アッシングプロセスを使用することによって、図10Bに示された構造内に残留する保護材料160を除去可能であることがわかる。
【0069】
1つの実施形態にしたがうと、図11Aに示されるように、移動可能層170のデポジションに先立って、図10Aおよび図10Bに示された構造の上に、フォトレジスト200の層を回転塗布することができる。保護材料160を、このフォトレジスト200の追加層とともに犠牲層140の上面から除去すると、結果として、より平坦化された移動可能層170を有するデバイスが得られる。このフォトレジスト200の層は、好ましくは、保護材料160の厚さと同程度の厚さを有する。このため、当業者ならば、例えば、もし保護材料が約1000Åの厚さを有するならば、フォトレジスト層200の厚さは好ましくは約500〜2000Åの範囲であることを理解できる。この実施形態にしたがうと、フォトレジスト層200は、図11Bに示されるように、次いで、保護材料160のみを覆うようにパターン形成およびエッチングを施される。フォトレジスト層200および保護材料160は、ともに、図11Cに示された構造を得るために、好ましくはプラズマエッチングによって除去される。フォトレジスト層200は、保護材料160が除去されるときに、開口150内の保護材料160の上面のディッシングを最小に抑えるのに役立つ。図11Cに示されるように、移動可能層170は、保護材料160で満たされた開口150の上にくる部分で僅かにくぼんだだけの上面を有する。この実施形態にしたがうと、移動可能層170は、図8Hおよび図10Dに示された実施形態の移動可能層170よりも、更に平坦化される。
【0070】
別の一実施形態では、支持構造を形成するために、フォトレジストなどの自己平坦化材料を使用することによって、犠牲材料の選択的除去が実施されるまでのあいだ、犠牲材料の一部を隔離することができる。図12A〜12Iは、このような支持構造を含むデバイスを形成するためのプロセスを描いている。前述のとおり、当業者ならば、添付の図面が本明細書で説明される一連のステップを例示するために描かれたものであり、縮尺どおりではないことを理解できる。
【0071】
図12Aでは、光学スタック16の上に犠牲材料140がデポジションされたこと、そして、その上に、この実施形態では移動可能な反射層170である機械層がデポジションされたことがわかる。犠牲材料140は、好ましくは約1000〜4000Åの範囲の厚さにデポジションされる。図12Aに示されたように、移動可能な反射層170内には、移動可能な反射層170の一部324を取り囲むように開口322がエッチングされる。移動可能層170のこの部分324は、支持構造を形成することになる領域の犠牲材料140の上に位置する。図12Bは、図12Aの段階における半製品デバイスの上面図である。(図12Aは、線12A−12Aに沿って見たデバイスの断面である。)図12Bに見られるように、開口322は、移動可能な反射層170の部分324を層170の残りの部分から完全には隔離していない。
【0072】
図12Cでは、犠牲材料140の残留柱状部328を取り囲むキャビティ326を形成するために、開口322の真下の犠牲材料140がエッチングされたことがわかる。犠牲材料140のエッチングには、計時式のエッチングプロセスを使用することが好ましい。キャビティ326を形成するこのエッチングプロセスは、移動可能な反射層170を部分的にアンダーカットすることもできる。キャビティ326の形状は、図12Cの段階における半製品のデバイスの上面図である図12Dにおいて、より明確に見ることができる。残留する犠牲材料の縁は、点線によって示される。図からわかるように、キャビティ32
6は、犠牲材料の柱状部328を取り囲む環状キャビティである。
【0073】
図12Eでは、自己平坦化材料330の層がデポジションされ、キャビティ326を満たすとともに移動可能な反射層170の上に広がることがわかる。一実施形態において、平坦化材料330は、フォトレジストを含むことができる。移動可能層170の上面から平坦化材料330の上面に到るまでの、平坦化材料330の厚さは、好ましくは約3000Åから5ミクロンの範囲にあり、より好ましくは約1ミクロンである。図12Fでは、平坦化材料330がパターン形成およびエッチングを施されるとともに、その下にある移動可能な反射層170もパターン形成およびエッチングを施され、平坦化層330および移動可能層170を通って伸びて犠牲材料140に達するエッチングホール334が形成される。エッチングホール334は、犠牲材料140の選択的除去のために提供されることが理解される。平坦化層330がフォトレジストを含む一実施形態では、平坦化材料330のエッチングは不要である。例示された実施形態では、キャビティ326内の平坦化材料330もエッチングされているが、図12Fに示されるように、柱状部328は、平坦化材料330によって絶縁されたままである。有利なことに、このパターン形成は、レジストアッシングなどによる、後の平坦化材料330の除去を促進する。
【0074】
図12Gでは、エッチングホール334を通して犠牲材料140を選択的に除去するために、エッチングプロセスが実施される。図からわかるように、犠牲材料の柱状部328は、平坦化材料330によってエッチングから保護されるので、そのままである。図12Hでは、アッシングプロセスなどによって、平坦化材料が除去され、支持構造として機能する犠牲材料の柱状部328が残される。図12Iは、図12Hのデバイスの上面図であり、移動可能な反射層170の部分324の下に柱状部328があって、層全体に対して支持を提供していることがわかる。
【0075】
移動可能な機械層170は、平面状の犠牲層の上にデポジションされたので、移動可能層170は、有利なことに、実質的に平坦なままであることがわかる。この実質的な平坦性は、層170内の残留応力が、該層を平坦な位置から上向きまたは下向きに引っ張る可能性を最小に押さえ、また、任意の残留応力が、支持構造として機能する柱状部328から離れる層間剥離を促進する可能性を最小に抑える。このため、デポジションされた移動可能層170の平坦特性は、残留応力の効果と、残留応力そのものの大きさとを、ともに、最小に抑える。更に、柱状部は、実質的に円筒状に作成することができるので、移動可能層が、光学スタック16に接触する潰れ位置に作動された際に、支持されていない羽を有する支持構造において時間の経過とともに生じうる機械的損傷が、支持構造の縁の近くで生じにくくなる。
【0076】
当業者ならば、上述されたデバイスおよび製造技術に変更を加えられることを理解できるであろう。例えば、構成要素および/もしくはステップを追加且つ/または除去したり、一連のステップを変更したりすることができる。更に、本明細書で説明された方法、構造、およびシステムは、その他のタイプのMEMSデバイスおよびその他のタイプの光学モジュレータを含む、その他の電子デバイスの製造にも有用である。
【0077】
上記の詳細な説明は、本発明の新規の特徴を、様々な実施形態に照らして図示、説明、および指摘してきたが、当業者ならば、例示されたデバイスまたはプロセスの形態および詳細について、本発明の趣旨から逸脱することなく様々な省略、置換、および変更をなせることが、理解されるであろう。特徴のいくつかは、他の特徴と別個に使用または実施することができるので、本発明は、本明細書に明記された特徴および利点の全てを提供するのではない形態の範囲内で実現可能であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態の一部分を描いた等角図であり、第一のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が解放位置にあり、第二のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が作動位置にある。
【図2】3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を示したシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリックモジュレータの1つの代表的実施形態について、移動可能なミラーの位置と印加される電圧との関係を示した図である。
【図4】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを駆動するために使用することができる行電圧および列電圧のセットを示した説明図である。
【図5A】図2の3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイにおけるディスプレイデータの1つの代表的なフレームを示した図である。
【図5B】図5Aのフレームの書き込みに使用することができる行信号および列信号に関する1つの代表的なタイミング図である。
【図6A】複数のインターフェロメトリックモジュレータを含むビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示したシステムブロック図である。
【図6B】複数のインターフェロメトリックモジュレータを含むビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示したシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】インターフェロメトリックモジュレータの代替の一実施形態の断面図である。
【図7C】インターフェロメトリックモジュレータの別の代替の一実施形態の断面図である。
【図7D】インターフェロメトリックモジュレータの更に別の代替の一実施形態の断面図である。
【図7E】インターフェロメトリックモジュレータの更なる代替の一実施形態の断面図である。
【図8A】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図8B】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図8C】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図8D】図8A〜8Cおよび図8E〜8Hに示された実施形態の犠牲材料内に、図8Cに示された段階において形成された開口の上面図である。
【図8E】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図8F】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図8G】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図8H】本発明の一実施形態にしたがった、支持材料を犠牲材料で形成されたインターフェロメトリックモジュレータの順序を示した断面図である。
【図9】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータの断面図である。
【図10A】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータを形成する順序を示した断面図である。
【図10B】更に別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータの断面図である。
【図10C】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータを形成する順序を示した断面図である。
【図10D】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータを形成する順序を示した断面図である。
【図11A】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータの断面図である。
【図11B】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータの断面図である。
【図11C】別の一実施形態にしたがって形成されたインターフェロメトリックモジュレータの断面図である。
【図12A】更に別の一実施形態にしたがったインターフェロメトリックモジュレータの製造の特定のステップを示した断面図である。
【図12B】図12A、図12C、および図12E〜12Hの製造プロセスの特定の段階におけるインターフェロメトリックモジュレータを示した上面図である。
【図12C】更に別の一実施形態にしたがったインターフェロメトリックモジュレータの製造の特定のステップを示した断面図である。
【図12D】図12A、図12C、および図12E〜12Hの製造プロセスの特定の段階におけるインターフェロメトリックモジュレータを示した上面図である。
【図12E】更に別の一実施形態にしたがったインターフェロメトリックモジュレータの製造の特定のステップを示した断面図である。
【図12F】更に別の一実施形態にしたがったインターフェロメトリックモジュレータの製造の特定のステップを示した断面図である。
【図12G】更に別の一実施形態にしたがったインターフェロメトリックモジュレータの製造の特定のステップを示した断面図である。
【図12H】更に別の一実施形態にしたがったインターフェロメトリックモジュレータの製造の特定のステップを示した断面図である。
【図12I】図12A、図12C、および図12E〜12Hの製造プロセスの特定の段階におけるインターフェロメトリックモジュレータを示した上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の電極層が上に形成された基板と、
キャビティによって前記第一の電極層から隔てられた第二の電極層と、
前記キャビティへ曝されることを防ぐ保護材料によって取り囲まれた側面を有する少なくとも1つの支持構造と、
を備える微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、前記第二の電極層を支持するように構成される、微小電気機械システムデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、前記第一の電極層の上に形成され、前記保護材料は、自己平坦化材料である。微小電気機械システムデバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記保護材料は、フォトレジストを含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項4】
請求項2に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記保護材料は、スピンオン誘電体を含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記保護材料は、更に、前記支持構造の上面の少なくとも一部を覆い、前記保護材料の一部は、移動可能層と、前記支持構造の前記上面との間に位置する、微小電気機械システムデバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記第二の電極層は、移動可能であるように構成される、微小電気機械システムデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、上面の前記第二の電極層と、前記側面の前記保護材料と、の組み合わせによって封じ込まれる、微小電気機械システムデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記保護材料は、約500Åから1ミクロンの範囲の厚さを有する、微小電気機械システムデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、無機材料を含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、シリコン、モリブデン、タングステン、およびチタンよりなる群から選択される材料を含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、真っ直ぐな側面を有するモリブデンを含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記第一の電極層は、前記キャビティに曝された誘電性の上面を有する、微小電気機械
システムデバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記誘電性の上面は、二酸化シリコンを含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項14】
請求項12に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記誘電性の上面は、Al23を含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項15】
請求項12に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記第二の電極層は、前記キャビティに曝されたアルミニウムの表面を含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項16】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、前記保護材料に対して選択的にエッチング可能である、微小電気機械システムデバイス。
【請求項17】
請求項16に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造は、二フッ化キセノンによってエッチング可能である、微小電気機械システムデバイス。
【請求項18】
請求項1に記載の微小電気機械システムデバイスであって、更に、
ディスプレイと、
前記ディスプレイと電気的に通信するプロセッサであって、画像データを処理するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に通信するメモリデバイスと、
を備える微小電気機械システムデバイス。
【請求項19】
請求項18に記載の微小電気機械システムデバイスであって、更に、
前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送信するように構成されるドライバ回路を備える微小電気機械システムデバイス。
【請求項20】
請求項19に記載の微小電気機械システムデバイスであって、更に、
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成されるコントローラを備える微小電気機械システムデバイス。
【請求項21】
請求項18に記載の微小電気機械システムデバイスであって、更に、
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成される画像ソースモジュールを備える微小電気機械システムデバイス。
【請求項22】
請求項21に記載の微小電気機械システムデバイスであって、
前記画像ソースモジュールは、レシーバ、トランシーバ、およびトランスミッタの少なくとも1つを含む、微小電気機械システムデバイス。
【請求項23】
請求項18に記載の微小電気機械システムデバイスであって、更に、
入力データを受信して、前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成される入力デバイスを備える微小電気機械システムデバイス。
【請求項24】
インターフェロメトリックモジュレータデバイスを作成する方法であって、
第一の電極層を上に形成された基板を提供することと、
少なくとも1つの支持構造を保護材料によって取り囲むことと、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲んだ後、前記第一の電極層と移動可能層との間にキャビティを形成することと、
を備える方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲む前に、前記第一の電極の上に犠牲材料をデポジションすることと、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲んだ後に、前記移動可能層を形成することと、
を備え、
前記キャビティを形成することは、前記移動可能層を形成した後に、前記保護材料の外側の前記犠牲材料を選択的に除去することを含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記移動可能層を形成することは、前記少なくとも1つの支持構造の封じ込めを完成する、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法であって、
前記犠牲材料は、シリコン、モリブデン、タングステン、チタン、およびフォトレジストよりなる群から選択される材料を含む、方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法であって、
前記取り囲むことは、
前記犠牲材料をデポジションした後に、前記犠牲材料内に少なくとも1つの環状開口をエッチングすることと、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲むために、前記少なくとも1つの環状開口を前記保護材料で満たすことと、
を含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、更に、
前記保護材料の外側の前記犠牲材料を選択的に除去した後に、前記保護材料を除去することを備える方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、
前記保護材料は、アッシングによって除去される、方法。
【請求項31】
請求項25に記載の方法であって、更に、
前記犠牲材料をデポジションする前に、前記第一の電極層の上に誘電材料をデポジションすることを備える方法。
【請求項32】
請求項25に記載の方法であって、更に、
前記犠牲材料を選択的に除去する前に、前記移動可能層内に開口を形成することを備える方法。
【請求項33】
請求項25に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの支持構造は、前記犠牲材料で形成される、方法。
【請求項34】
請求項25に記載の方法であって、
前記支持構造は、前記犠牲材料の選択的除去を受けやすい材料で形成される、方法。
【請求項35】
請求項25に記載の方法であって、
前記支持構造、および前記犠牲材料の選択的に除去された部分は、同じエッチャントによる除去を受けやすい、方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、
前記エッチャントは二フッ化キセノンである、方法。
【請求項37】
請求項25に記載の方法であって、
前記保護材料は、前記犠牲材料の厚さの2分の1から2倍の範囲の厚さを有する、方法。
【請求項38】
請求項25に記載の方法であって、
前記選択的に除去することは、二フッ化キセノンを使用してエッチングすることを含む、方法。
【請求項39】
請求項24に記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲む前に、前記第一の電極層の上に犠牲材料をデポジションすることと、前記犠牲材料の上に前記移動可能層を形成することと、を備え、
前記キャビティを形成することは、前記保護材料の外側の前記犠牲材料を選択的に除去することを含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、更に、
前記犠牲材料をデポジションした後に、前記移動可能層をエッチングすることを備える方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法であって、更に、
前記移動可能層をエッチングした後に前記少なくとも1つの支持構造を取り囲む前に、前記支持構造の周囲の前記犠牲材料をエッチングすることを備え、
前記犠牲材料のエッチングには、計時式のエッチングプロセスを使用する、方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法であって、
前記移動可能層をエッチングすることは、前記移動可能層内に複数の開口をエッチングすることを含み、前記犠牲材料をエッチングすることは、前記複数の開口の下の前記犠牲材料を除去することを含む、方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲むことは、
前記移動可能層および前記犠牲層をエッチングした後に、前記移動可能層の上および前記キャビティの中に平坦化材料をデポジションすることと、
前記少なくとも1つの支持構造を取り囲むために、前記平坦化材料をエッチングすることと、
を含む、方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、更に、
前記キャビティを形成した後に、前記平坦化材料を除去することを備える方法。
【請求項45】
微小電気機械システムデバイスを作成する方法であって、
第一の電極層が上に形成された基板を提供することと、
前記第一の電極層の上に、犠牲層をデポジションすることと、
前記犠牲層内に、少なくとも1つの環状ホールを形成することと、
前記環状ホールを満たすことと、
前記環状ホールを満たした後に、前記犠牲層の上に、第二の電極層をデポジションすることと、
前記第二の電極層をデポジションした後に、前記環状ホールの外側の前記犠牲層を除去することと、
を備える方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法であって、
前記環状ホールを満たすことは、前記環状ホール内に保護材料をデポジションすることを含む、方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法であって、
前記保護材料は、自己平坦化材料である、方法。
【請求項48】
請求項46に記載の方法であって、
前記犠牲層は、あるエッチャントによるエッチングを受けやすく、前記保護材料は、前記同じエッチャントによるエッチングに対して耐性である、方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法であって、
前記エッチャントは、二フッ化キセノンである、方法。
【請求項50】
請求項46に記載の方法であって、
前記犠牲層は、無機材料を含む、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、
前記環状ホールを満たすことは、前記環状ホール内に保護材料をデポジションすることを含み、前記無機材料は、シリコン、モリブデン、タングステン、およびチタンよりなる群から選択され、前記保護材料は、フォトレジストを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図12G】
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【図12H】
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【図12I】
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【公表番号】特表2009−503565(P2009−503565A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522979(P2008−522979)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/028276
【国際公開番号】WO2007/013992
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】