説明

Rhoキナーゼ阻害剤としてのピラジン及びピラリジン誘導体

本発明は、Rhoキナーゼ(ROK、ROCK)阻害剤である式(I)及び式(II)で表される化合物及び化合物の一群であって、これら式中のR1〜R6が請求項1の記載によって定義されるような化合物及び化合物の一群に関する。また本発明は、心臓血管疾患(冠攣縮、高血圧症、動脈硬化症)、卒中、癌、勃起障害、喘息、骨粗鬆症、緑内障及びAIDSを含めた多くの治療適応に適用するための治療法、並びにそれらに適用するための薬剤の製造においてそれら化合物を使用することに関する。これら化合物は、スクリーニングプログラムにおいてプロテインキナーゼに対して使用することができる。本発明はまた、化合物及びそれら化合物を含むライブラリーの作製方法も提供する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼ酵素の活性部位への結合能を有する化合物及び化合物の一群に関する。詳細にはセリン・トレオニンキナーゼ阻害剤、より詳細にはRhoキナーゼ(ROK、ROCK)阻害剤である化合物及び化合物の一群に関する。さらに本発明は、心臓血管疾患(冠攣縮、高血圧症、動脈硬化症)、卒中、癌、勃起障害、喘息、骨粗鬆症、緑内障及びAIDSを含めた多くの治療適応に適用するための治療法、並びにそれらに適用するための薬剤の製造においてそれら化合物を使用することに関する。これら化合物は、スクリーニングプログラムにおいてプロテインキナーゼに対して使用することができる。本発明はまた、化合物及びそれら化合物を含むライブラリーの作製方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
キナーゼ遺伝子ファミリー
プロテインキナーゼは、蛋白質のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーである。ヒトゲノムによってコードされている遺伝子のおよそ2%がプロテインキナーゼをコードしていると予測されている。標的蛋白質の特定のチロシン、セリン又はトレオニン残基を可逆的にリン酸化することにより、その蛋白質の機能を、酵素活性の活性化又は阻害、他の蛋白質の結合部位の創生又は阻害、細胞内局在性の変更又は蛋白質安定性の制御などを含めた幾つかの方法によって劇的に変えることができる。したがって、プロテインキナーゼは、代謝、細胞増殖、分化及び生存を含めた多様な細胞プロセスの調節においてきわめて重要である。プロテインキナーゼの作用を必要とすることが分かっている多くの異なる細胞機能の中、一部はある種の病状の治療介入の標的である。
【0003】
細胞の調節をもたらす主要な機構の1つは、細胞膜を貫通する細胞外シグナルの伝達によるものであり、そのような細胞外シグナルによって、細胞内の生化学経路が順次調整(モジュレート)される。蛋白質リン酸化は、細胞内シグナルが分子から分子へと伝播されて最終的に細胞応答となる1つの過程である。これらのシグナル伝達カスケードは、多くのプロテインキナーゼ及びホスファターゼの存在によって明らかであるように、高度に調節されておりまたしばしば共通部分がある。一般に、数多くの病状及び/又は異常は、キナーゼカスケードの分子成分における異常活性化(aberrant activation)又は機能変異(functional mutation)の結果であると考えられている。ヒトにおいては、チロシンプロテインキナーゼが糖尿病、癌を含めた多くの病状の発現に重要な役割を果たしていることが分かっており、種々の先天性症候群と関連づけられてきた。セリン・トレオニンキナーゼも同類の酵素であるが、その阻害剤は癌、糖尿病、種々の炎症性心臓血管疾患及びAIDSの治療と関連がありそうである。
【0004】
今までのところ、プロテインキナーゼ阻害機構として、3つの潜在的機構が確認されている。これらの機構には、偽基質機構、アデニン擬似機構、及び活性部位以外の表面の利用によって酵素を不活性なコンホメーションに固定すること(locking)が含まれる。これまでに同定/設計されている阻害剤の大部分は、ATP結合部位において作用する。このようなATP拮抗阻害剤は、ATP結合部位の比較的保護されていない領域を標的とする能力のせいで選択性を示してきた。
【0005】
したがって、プロテインキナーゼ活性の調整は、新規治療薬の設計にとって魅力的な領域である。また、プロテインキナーゼは、広範囲の疾患の治療において標的介入点である。
【0006】
Rhoキナーゼ(ROK)
低分子量GTP結合蛋白質であるRhoファミリーは、RhoA〜E及びG、Rac1及び2、Cdc42、並びにTC10を含む少なくとも10のメンバーを有する。RhoA、RhoB及びRhoCのエフェクタードメインは同じアミノ酸配列を有しており、類似の細胞内標的を有しているらしい。Rhoキナーゼは、Rhoの主要な下流メディエーターとして働き、2つのアイソフォームα(ROCK2)及びβ(ROCK1)として存在する。
【0007】
ROKは、そのN末端ドメインに触媒(キナーゼ)ドメインを、中間部にコイルドコイルドメインを、そしてそのC末端ドメインに推定のプレクストリン相同(PH)ドメインを有している。ROKのRho結合ドメインは、コイルドコイルドメインのC末端部分に局在しており、RhoのGTP結合形の結合によってキナーゼ活性が向上する。このキナーゼについては、多数の基質が同定されており、例えば、ミオシン軽鎖ホスファターゼのミオシン結合サブユニット、ERM(エズリン、ラディキシン、モエシン)、アダシン(adducin)、中間径繊維(ビメンチン)、Na−Hエクスチェンジャー、及びLIMキナーゼなどが挙げられる。
【0008】
Rho/Rhoキナーゼ経路は、アンジオテンシンII、セロトニン、トロンビン、エンドセリン−1、ノレピネフリン、血小板由来増殖因子、ATP/ADP及び細胞外ヌクレオチド、並びにウロテンシンIIを含めた多くのアゴニストによって開始されるシグナル伝達において、重要な役割を果たしている。ROKは、その標的エフェクター/基質の調整(modulation)によって、平滑筋収縮、アクチン細胞骨格編成、細胞接着及び細胞運動、並びに遺伝子発現を含めた種々の細胞機能において重要な役割を果たしている。
【0009】
ROK阻害剤の治療効果の可能性
ある種の疾患の病理発生にROKが寄与していることが明らかになると、多くの疾患領域における治療標的としてこのキナーゼが注目されるようになった。第一世代のROK阻害剤ファスジル(fasudil)及び比較的最近のY−27632化合物によって、種々のモデルシステムにおける概念が立証されている。
【0010】
脳血管攣縮、冠攣縮及び高血圧症を含めた血管平滑筋高度狭窄に由来する各種疾患の治療に、Rhoキナーゼ阻害剤が有効に機能する可能性がある。脳血管攣縮及び冠攣縮の阻害にファスジルが有益な効果を示すことは立証されており、またROKがこのような病気の病理発生に関わっているという証拠もしだいに増えている。ROKの発現及び活性のレベルは自然発症性高血圧ラットの症状発生前に著しく亢進するが、このことは、このキナーゼが高血圧症の病理発生にも関係していることを暗示している。さらに、Y−27632の短期投与によって、種々の全身性高血圧モデルにおいて体血圧は優先的に低下している。
【0011】
動脈硬化症の病理発生に関連しているとされる多くの細胞機能の仲介においてROKが果たす役割のおかげで、このキナーゼの阻害剤は、不安定性狭心症、心筋梗塞、高血圧性血管疾患、卒中、心不全及び閉塞性動脈硬化症を含めた種々の動脈硬化性心臓血管疾患の治療及び予防にも有用であろう。ROKは、血管内皮収縮、及び動脈硬化を進行させると考えられている血管内皮透過性の増大に関係していることも分かっている。
【0012】
ROKを阻害する戦略は、気管支喘息及び緑内障などの平滑筋の過剰反応に関連するその他の疾患の治療にも有用であろう。実際、最近ではROKが気管支平滑筋収縮及び房水流出の調節に関係していることが証明されている。
【0013】
ROKは骨髄形成の負の調節に役割を果たすとも考えられており、その阻害が骨粗鬆症治療の新たな妥当な戦略であることが判明するであろうとも考えられている。ラットモデルのデータに基づけば、ROK阻害剤は、陰茎平滑筋弛緩に起因する勃起障害の治療にも有用であろう。ROK阻害剤は、HIV複製の阻害も企てることによって、AIDS治療への関与も示してきた。
【0014】
このキナーゼの阻害剤は、将来の癌治療への関与も強く示してきた。Rho/ROK経路の構成的活性化がRas遺伝子形質転換表現型に寄与していることが分かっており、ヒトの腫瘍のうち25%もの多くの腫瘍においてRasの突然変異が起こっていると考えられている。実際、ROKの薬物学的阻害によって、Ras突然変異体によるフォーカス形成と、一部の結腸直腸細胞系における足場非依存性増殖の両方が低減することが証明されている。腫瘍細胞の浸潤におけるROKの決定的役割を支持する証拠も存在する。この目的のために、ROK治療法は広範囲の癌種に広く適用し得る。
【0015】
要約すると、初期世代のROK阻害剤は種々の疾患領域において期待できる効力を発揮してきた。この標的の臨床的可能性を十分利用するために、活性、選択性及び薬物動態プロファイルが改善されたROK阻害剤のさらなる開発が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、従来技術の欠点の少なくとも1つを解決しようとする若しくは改善するものであり、又は有用な代替物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、第1の態様において、本発明は、式(I)若しくは式(II)で表される化合物を含むか、又はそれら化合物から成る特定の化合物群から選択される1つの化合物を提供する。
【化1】


上式において、
R1及びR2は共に1つの環を形成し、ここで好ましくは、前記環は窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環である。より好ましくは、前記環は2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル又は4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−4−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジエチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;モルホリン−4−イル;4−(2−シアノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル;N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−N−メチル−;4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(フラン−3−カルボニル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペラジン−1−イル;2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピロリジン−1−イル;
から選択されるか、又は、
R1はHであり、且つ
R2は2−ピリジン−4−イル−エチル;3−クロロ−ベンジル;ベンゾ[l,3]ジオキソール−4−イルメチル;4−スルホンアミド−ベンジル;ベンジル;チオフェン−2−イルメチル;1−フェニル−エチル;4−(4−アミノ−ベンゾイルアミノ)−フェニル;4−メトキシ−ベンジル;1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピル;2−ピリジン−3−イル−エチル;4−フェノキシ−フェニル;4−フルオロ−フェニル;4−[エチル−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−フェニル;C1〜C6置換されていてもよいアルキル、好ましくはエチル、プロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、3−ヒドロキシ−プロピル、2−メトキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシメチル−3−メチルブチル、1−ヒドロキシメチル−プロピル、2−モルホリン−4−イル−エチル、フラン−2−イル−メチル;場合によって置換されているC3〜C6のシクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン;又は窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環、好ましくはピペラジン環、[1,4]ジアゼパン若しくはピロリジン環であって、ここでR2は場合によって、炭素原子1〜3個を含むリンカーによって骨格に結合しており、
R3はベンゾフラン−2−イル;ナフタレン−2−イル;3−4−メトキシ−フェニル;4−チオメチル−フェニル;ベンゾチオフェン−2−イル;4−ピリジル;4−メトキシ−フェニル;キノリン−3−イル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;4−ヒドロキシ−フェニル;4−トリフルオロメトキシ−フェニル;3−クロロ−4−ピリジル;3−4−5−メトキシ−フェニル;5−アセチル−チオフェン−2−イル;3−トリフルオロメトキシ−フェニル;4−ヒドロキシメチル−フェニル;N−(4−メトキシ−フェニル)−ベンズアミド−4−イル;3−フルオロ−4−クロロ−フェニル;N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−ベンズアミド−4−イル;3−ヒドロキシ−フェニル;3−アセチルアミノ−フェニル;キノリン−7−イル;2−メトキシ−5−イソプロピル−フェニル;3−ヒドロキシメチルフェニル;3−ピリジル;ヘキサ−1−エニル;4−シアノ−フェニル;チオフェン−3−イル;3−ニトロ−フェニル;3−クロロ−フェニル;2−メトキシ−フェニル;4−イソプロピル−フェニル、
R4及びR5は共に1つの環を形成し、ここで好ましくは、前記環は窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環である。より好ましくは、前記環は2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル又は4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−4−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジエチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;モルホリン−4−イル;4−(2−シアノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル;N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−N−メチル−;4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(フラン−3−カルボニル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペラジン−1−イル;2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピロリジン−1−イル;
から選択されるか、又は、
R4はH若しくはメチルであり、且つ
R5は3−ヒドロキシ−フェニル;3−ヒドロキシベンゾイル;4−ブロモ−ベンジル;4−メトキシベンジル;2,5−ヒドロキシベンジル;3−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンジル;3−クロロ−ベンジル;3−フルオロ−4−クロロ−ベンジル;3−アミノ−ベンジル;3−トリフルオロメトキシ−ベンジル;4−ヒドロキシ−ベンジル;4−アミノ−ベンジル;1H−インドール−6−イル;3−ヒドロキシ−ベンジル;ナフタレン−2−イル−メチル;ベンゾ{1,3}ジオキソール−4−イルメチル;3,4−フルオロ−ベンジル;3,4−クロロ−ベンジル;フラン−3−イル−メチル;4−メトキシ−フェニル;4−クロロ−ベンジル;3−ニトロ−フェニル;3,4−メトキシ−フェニル;3−ブロモ−フェニル;4−クロロ−フェニル;フェニル;3−クロロ−フェニル;2−ナフチル;ピリジン−3−イル−メチル;ピリジン−4−イル−メチル;キノリン−3−イル−メチル;4−イソプロピル−フェニル;4−クロロ−ベンジル;3,4−メトキシ−ベンジル;3−フルオロ−4−クロロ−フェニル;4−トリフルオロメトキシ−フェニル;4−シアノ−フェニル;4−メトキシベンジル、4−メトキシ−3−ヒドロキシベンジル;ピリジン−4−イル−エチル;ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル3−イル−メチル;シクロヘキサン−メチル;4−クロロベンゾイル;ピロリジン−2−イル−メチル;場合によって置換されているC1〜C6のアルキル、好ましくはエチル、プロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、3−ヒドロキシ−プロピル、2−メトキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル、1−ヒドロキシメチル−プロピル、2−モルホリン−4−イル−エチル、フラン−2−イル−メチル;場合によって置換されているC3〜C8のシクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン;又は窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環、好ましくはピペラジン環、[1,4]ジアゼパン若しくはピロリジン環であって、ここでR5は場合によって、炭素原子1〜3個を含むリンカーによって骨格に結合しており、
R6は3−カルバモイル−フェニル;4−ヒドロキシ−フェニル;4−アミノ−フェニル;3−アミノ−フェニル;フェニル;1H−インドール−5−イル;4−ピリジル;3−ヒドロキシ−フェニル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニル;3−ヒドロキシメチル−フェニル;3−アセチルアミノ−フェニル;4−ヒドロキシメチル−フェニル;3−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)−フェニル;チオフェン−3−イル;3−ピリジル;3,4−メトキシ−フェニル;6−ブロモ−1−カルボン酸tert−ブチルエステル−インドール−2−イル;3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニル;3−メタンスルホニルアミノ−フェニル;3−トリフルオロメトキシ−フェニル;4−ヒドロキシメチル−フェニル;4−メタンスルホニル−フェニル;キノリン−3−イル;5−メトキシ−ピリジン−3−イル;4−カルバモイル−フェニル;4−アセチルアミノ−フェニル;4−メチルカルバモイル−フェニル;4−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニル;キノリン−4−イル;キノリン−5−イル;イソキノリン−4−イル;1H−ピラゾール−4−イル;3−クロロ−ピリジン−4−イル;3−メトキシ−ピリジン−5−イル;4−メトキシ−ピリジン−5−イル;2−メチル−ピリジン−4−イル;ベンゾチオフェン−2−イル;3−クロロ−ピリジン−4−イル;1H−ピラゾール−3−イル;イソキノリン−3−イル;4−カルバモイル−フェニル;4−カルバモイル−フェニル;3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニルである。
さらに好ましくは、R1は水素であり;
R2は2−ピリジン−4−イル−エチル;チオフェン−2−イルメチル;4−スルホンアミド−ベンジル;又は3−クロロ−ベンジルであり;
R3はベンゾチオフェン−2−イル;ナフタレン−2−イル;3−4−メトキシ−フェニル;又は4−ピリジルであり;
R4は水素であり;
R5は3−ヒドロキシ−ベンジル;4−クロロ−ベンジル;ナフタレン−2−イル−メチル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル;3,4−フルオロ−ベンジル;3,4−クロロ−ベンジル;又はフラン−3−イル−メチルであり;且つ
R6は3−カルバモイル−フェニル;4−ヒドロキシ−フェニル;又は4−ピリジルである。
【0018】
最も好ましくは、本発明の1つの実施形態による化合物は、後の表A又は表Bに示すいずれかの化合物の構造を有する。
【0019】
知られている化合物であって、その構造式が本明細書に記載の骨格及び許容される置換基を表している式とまったく同じである化合物は、いずれも本明細書においてその権利を明示的に請求しない。
【0020】
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様による化合物の作製方法を提供する。ここで、その方法は、本明細書で後に定義するスキームの少なくとも1つの工程又は一連の連続した工程を含む。
【0021】
第3の態様において、本発明は、式I及び式IIから成る群から選択される一般式で表されるコア化学構造(骨格)を有する、構造的に関連した一連の化合物を含む又はそれら化合物から成る、少なくとも2つの化合物の一群を提供する。
【0022】
好ましくは、本発明による化合物群の1つの実施形態は、本発明の第1の態様による化合物を含み、前記化合物の一群は、第1の態様における化合物によって表される許容される置換基のすべて又は実質的にすべてを有する。
【0023】
第4の態様において、本発明は、本発明の一態様による化合物の一群を作製する方法を提供する。ここで、その方法は本明細書で後に定義するスキームの少なくとも1つの工程又は一連の連続した工程を含む。
【0024】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の化合物の一群又は1つ若しくはそれ以上の化合物を含む検定法を提供する。
【0025】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の1つの実施形態による検定法を、治療効果のある化合物を同定するために使用することを提供する。
【0026】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の1つの実施形態による化合物又は本発明の1つの実施形態による検定法で同定した化合物を含む、医薬組成物を提供する。
【0027】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の1つの実施形態による治療用の化合物を提供する。
【0028】
さらに別の態様において、本発明は、異常なキナーゼ活性を特徴とする状態の治療又は予防用薬剤の製造において、本発明の1つの実施形態による化合物を使用することを提供する。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は、心臓血管疾患(冠攣縮、高血圧症、動脈硬化症)、卒中、癌、勃起障害、喘息、骨粗鬆症、緑内障及びAIDSから選択される状態の治療又は予防用である薬剤の製造において、本発明の1つの実施形態による化合物を使用することを提供する。
【0030】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の1つの実施形態による化合物を医薬的に有効量投与することを含む、異常なキナーゼ活性を特徴とする状態の治療方法を提供する。
【0031】
さらに別の態様において、本発明は、本発明の1つの実施形態による化合物を医薬的に有効量投与することを含む、心臓血管疾患(冠攣縮、高血圧症、動脈硬化症)、卒中、癌、勃起障害、喘息、骨粗鬆症、緑内障及びAIDSから選択される状態の治療方法を提供する。
【0032】
本発明の化合物は、投与するのに好適な医薬組成物に含ませることができる。通常、このような組成物は、本発明の化合物を少なくとも1つと医薬的に許容し得る担体を少なくとも1つ含んでいる。本明細書で使用する「医薬的に許容し得る担体」とは、薬剤投与と適合する全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを意味する。医薬的に活性な物質用にこのような媒体及び薬剤を使用することは、当該技術分野では良く知られている。通常の媒体又は薬剤がいずれも活性な化合物と配合禁忌であるような場合を除き、組成物中に媒体又は薬剤を使用することがもくろまれる。補足の活性化合物もまた前記医薬組成物に含ませることができる。
【0033】
本発明の医薬組成物は、その意図した投与経路に適合するように配合される。投与経路の例としては、静脈内、皮内、皮下などの非経口的投与、経口的投与(例えば、吸入)、経皮(局所)投与、経粘膜投与及び肛門内投与などが挙げられる。非経口、皮内又は皮下投与に使用される液剤又は懸濁剤は下記の成分を含むことができる。すなわち、注射用蒸留水、食塩水、不揮発性油類、ポリエチレングリコール類、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒類などの滅菌希釈剤、ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝液、及び塩化ナトリウム又は水酸化ナトリウムなどの張度調整剤である。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非経口的製剤は、アンプル、使い捨て注射器、又はガラス若しくはプラスチック製のバイアル瓶などに収納される。
【0034】
注射用に好適な医薬組成物には、滅菌水性液剤(水溶性である)又は分散剤と、注射用滅菌水性液剤又は分散剤を即席調合するための滅菌粉末剤が含まれる。静脈内投与に好適な担体には、生理食塩水、制菌水、Cremophor ELTM(BASF社、Parsippany、ニュージャージー)又はリン酸緩衝溶液(PBS)が含まれる。いずれの場合も、組成物は滅菌されていなければならず、また、容易に注射可能である程度に流動性である必要がある。また、そのような組成物は製造及び保存条件下で安定でなければならず、バクテリア及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されていなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール液など)及びそれらの好適な混合物を含む溶媒又は分散媒であってよい。適当な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを使用することによって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、さらに界面活性剤の使用によって保持することができる。微生物の作用の防止は、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどの種々の抗菌剤及び抗真菌剤によって達成することができる。多くの場合、例えば糖類、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール類や塩化ナトリウムなどの等張剤を、組成物中に含んでいることが好ましかろう。注射可能組成物の長期吸着は、組成物中に、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含むことによって成し遂げることができる。
【0035】
注射用滅菌液剤は、必要に応じて先に列挙した成分の1つ又はそれらの組合わせを含んでいる適当な溶媒に、有効組成物(例えば、本発明の1つの実施例による化合物)を必要量だけ含ませ、濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散剤は、基本的な分散媒と先に列挙した成分の中のその他の必要な成分とを含む滅菌賦形剤に、有効組成物を含ませることによって調製される。注射用滅菌液剤を調製するための滅菌粉剤の場合、好ましい調製方法は、予め濾過滅菌しておいた有効成分とその他の所望の成分の溶液からその粉末を生じる、真空乾燥及び凍結乾燥である。
【0036】
一般に経口組成物は、不活性な希釈剤又は食用の担体を含む。それら組成物はゼラチンカプセルに収納するか又は圧縮して錠剤にすることができる。治療経口投与の目的では、有効化合物を各種添加剤と共に含ませ、錠剤、トローチ剤又はカプセル剤の形で使用する。経口組成物を、口内洗剤として使用するために流動性担体を使用して調製することもできる。この場合、流動性担体中の組成物は経口的に適用し、含嗽し、せきをして吐きだすか又は飲み込む。医薬的に適合する結合剤及び/又は佐剤も組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは下記成分、又は類似の性質を有する化合物のいずれも含有することができる。すなわち、微結晶セルロース、トラガントガム若しくはゼラチンなどの結合剤、デンプン若しくはラクトースなどの添加剤、アルギン酸、Primogel若しくはコーンスターチなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム若しくはSterotesなどの滑沢剤、コロイダル二酸化ケイ素などのグライダント、スクロース若しくはサッカリンなどの甘味剤、又はペパーミント、サリチル酸メチル若しくはオレンジ香料などの矯味矯臭剤を含有することができる。
【0037】
吸入による投与用として、化合物は、例えば二酸化炭素などの気体である好適な噴射剤を収容している加圧容器若しくはディスペンサー、又はネブライザーからエアゾルスプレーの形で送達される。
【0038】
全身投与も経粘膜又は経皮手段によって行うことができる。経粘膜又は経皮投与の場合、製剤に透過すべきバリアに適した滲透剤が使用される。このような滲透剤については当該技術分野では一般に知られており、例えば、経粘膜投与の場合、洗浄剤、胆汁塩及びフシジン酸誘導体がその例として挙げられる。経粘膜投与は鼻腔スプレー又は坐剤を使用することによって達成することができる。経皮投与の場合、有効化合物は、当該技術分野で一般に知られているような軟膏剤、ロウ膏、ゲル剤又はクリーム剤に製剤化される。
【0039】
組成物を、(例えば、ココアバター及びその他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤と共に)坐剤、又は直腸送達用の停留浣腸の形態に調整することもできる。
【0040】
1つの実施形態においては、有効化合物を、身体からの急速な排出から保護するような担体と共に調製する。例えば、インプラントやマイクロエンカプセル送達システムを含めた放出制御製剤とする。エチル酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの、生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。このような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。材料は、Alza Corporation及びNova Pharmaceticals,Inc.から購入することができる。リポゾーム懸濁液(ウィルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞に対して向けられるリポソームを含む)を医薬的に許容できる担体として使用することもできる。このような懸濁液は、当業者に知られている方法によって調製することができる。
【0041】
投与の簡便性及び服用量の均一性のために、経口又は非経口組成物を単位剤形にすることは特に有利である。本明細書で言う単位剤形とは、治療対象に対して単位服用量としてふさわしい物理的に分離している単位のことである。ここで、各単位は、必要とされる医薬担体に関連して所望の治療効果を生み出すべく算出された所定量の有効化合物を含む。本発明の単位剤形の規格は、有効化合物独自の特性及び達成すべき具体的な治療効果、さらにはこのような有効化合物を個々人の治療用として配合する技術にともなう限界によって影響され、またそれらに直接左右される。
【0042】
このような化合物の毒性及び治療効果は、例えば、LD50(母集団の50%が死に至るような薬物量)及びED50(母集団の50%に治療効果が現れるような薬物量)を決定するための細胞培養組織又は実験動物において、標準的な製剤学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との薬物量比が治療指数であり、比LD50/ED50として表すことができる。治療指数が大きい化合物が好ましい。毒性効果を示す化合物も使用することができるが、非感染細胞の損傷可能性を最小に抑えるために、このような化合物が患部組織の部位に向けられるような送達システムを設計すべく注意を払うべきであり、それによって副作用を減らすべきである。
【0043】
細胞培養アッセイ及び動物実験から得られるデータを、ヒト用の服用量の範囲の定式化に使用することができる。このような化合物の服用量は、毒性がほとんど無い又は全く無いED50を含む血中濃度範囲にあることが好ましい。服用量は、採用した剤形及び利用した投与経路により上記範囲内で変化することができる。本発明の方法において使用されるいずれの化合物に関しても、治療上有効な用量は、細胞培養アッセイから最初に見積もることができる。一回分の用量を動物モデルで定式化して、細胞培養において決定されたようなIC50(すなわち50%に対して症状の抑制を達成する試験化合物の濃度)を含む血漿中濃度を達成することができる。このような情報を使用して、ヒトにおいて有用な服用量をさらに正確に決定することができる。血漿中レベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0044】
このような医薬組成物は、投与説明書と共に容器、パック又はディスペンサーに収納することができる。
【0045】
ここで本発明を、化合物及びその製造法の具体例に関して詳細に説明する。
【0046】
本明細書において、実施形態は、明解且つ簡潔な明細書の記述を可能にするような方法で記載されるが、これら実施形態が本発明の精神を逸脱しない範囲内で様々に組合され得ること又は分離し得ることを理解されたい。
【0047】
本発明の1つの実施形態による化合物は、塩として、好ましくは式I又は式IIで表される化合物の医薬的に許容し得る塩として提供することができる。これら化合物の医薬的に許容し得る塩の例としては、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸などの有機酸から誘導される塩、塩酸及び硫酸などの鉱酸から誘導される塩、ここではメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、塩酸塩及び硫酸塩などが得られる、又は有機塩基若しくは無機塩基などの塩基から誘導される塩が挙げられる。本発明の化合物の塩の形成に好適な無機塩基の例としては、アンモニア、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルミニウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、などの水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩が挙げられる。塩は、好適な有機塩基で形成することもできる。本発明の化合物と共に医薬的に許容し得る塩基付加塩を形成するのに好適な有機塩基は、非毒性で且つ塩を形成するのに十分な強さを有する有機塩基である。このような有機塩基については、当該技術分野ではすでに知られているが、その例としては、アルギニン及びリシンなどのアミノ酸、モノ−、ジ−及びトリエタノールアミンなどのモノ−、ジ−及びトリヒドロキシアルキルアミン、コリン、メチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミンなどのモノ−、ジ−及びトリアルキルアミン、グアニジン、N−メチルグルコサミン、N−メチルピペラジン、モルホリン、エチレンジアミン、N−ベンジルフェンエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどが挙げられる。
【0048】
本発明の実施形態による塩は、当該技術分野で良く知られている方法を用いて一般的な仕方で調製できる。前記塩基性化合物の酸付加塩は、本発明の第1又は第2の態様による遊離塩基化合物を、必要な酸を含む水溶液若しくは水性アルコール溶液又はその他の好適な溶媒に溶解することによって調製することができる。本発明の化合物が酸性の官能基を有する場合、その化合物の塩基付加塩は、当該化合物を好適な塩基と反応させることによって調製することができる。酸付加塩又は塩基付加塩はそのままで分離する、或いはその溶液を例えば蒸発によって濃縮することによって得ることができる。本発明の化合物は溶媒和した形態又は水和した形態でも存在し得る。
【0049】
本発明はまた、そのエステル又はアミドなど、本発明の1つの実施形態による化合物のプロドラッグにも及ぶ。プロドラッグとは、生理的条件下若しくは加溶媒分解によって、本発明の1つの実施形態による化合物又は本発明の1つの実施形態による化合物の医薬として許容し得る塩に変換されるような化合物である。プロドラッグは対象に投与される時には不活であるが、in vivoで本発明の活性化合物に変換される。
【0050】
本発明による使用のための化合物は、1つ又は複数の不斉炭素原子を含んでいてよく、ラセミ体及び光学活性体として存在していてもよい。本発明の1つの実施形態による化合物は、トランス形であってもシス形であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明を、具体的な実施形態及び実施例に関して詳細に説明する。
【0052】
下記表内においては、1〜100μMで実施した検定に基づき、活性を+、++、又は+++で表す。+、++、及び+++はそれぞれ活性、より活性、非常に活性を表す。
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】


【表1−5】


【表1−6】


【表1−7】


【表1−8】


【表1−9】

【0053】
本発明の化合物の実施形態は、以下のスキームによって作製することができる。
【0054】
式(I)で表される化合物合成の一般的スキーム
【化2】

【0055】
2,5−ジブロモピラジン(A)はアミンでアミノ化することができる。次いで、得られた化合物(B)をボロン酸と反応させて式(I)で表される最終化合物を得ることができる。
【0056】
一般的手順
一般的反応スキームに記載したような式(B)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミン
【化3】

【0057】
n−ブタノール3mlに(A)を溶解した溶液に、2−ピリジン−4−イル−エチルアミン0.61gとHunigs塩基0.65gを添加した。この混合物を、マイクロ波にて150℃で0.5時間加熱した。次いで、混合物をジクロロメタンに注入した。有機相を水及び塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合物を真空内で濾過及び濃縮した。得られた粗生成物を、溶離剤として石油エーテルと酢酸エチルを用い、シリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーして精製した。

【0058】
式(I)で表される化合物の一般的合成手順
必要とされる中間体(B)のDMF(0.3mmol、0.5ml)溶液に、窒素下で、ボロン酸のDMF(0.36mmol、0.6ml)溶液と1.5MNaCO(水)溶液(0.75mmol、0.5ml)を添加した。酢酸パラジウム(95mg)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液とトリフェニルホスフィン(335mg)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液をそれぞれ新たに調製し、音波処理槽に2分間置いた。次いで、パラジウム触媒(0.3ml)を添加した。反応物を、窒素下、攪拌しながら80℃で16時間加熱した。反応混合物を濾過し、分取逆相HPLC又はシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーして精製した。
【0059】
式(I)で表される化合物の代表例、(5−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピラジン−2−イル)−(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミン
【化4】

【0060】
ベンゾチオフェン−2−ボロン酸138mg、(5−ブロモ−ピラジン)−2−イル)−(2−ピリジン−4−イル−エチル)−アミン130mg、酢酸パラジウム22mgとトリフェニルホスフィン37mgの3mlDMF溶液、及び2M炭酸ナトリウム水溶液1.5mlの混合物を室温で調製した。攪拌した混合物を、Discoveryマイクロ波CEMにおいて100℃で0.5時間加熱した。反応混合物をセライトで濾過し、次いで水で希釈し、エーテルで抽出した。エーテル抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮乾燥した。得られた粗生成物を、溶離剤として石油エーテルと酢酸エチルを用い、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。

【0061】
式(II)−(IIa及びIIb)−で表される化合物合成のスキーム
【化5】

【0062】
3−アミノ−5−ブロモピリジン(C)は、ボロン酸を使って銅を仲介したN−アリール化することができ、次いで、得られた化合物(D)をさらにボロン酸を使ってSuzuki交差カップリング反応させ、式(IIa)で表される最終化合物を得ることができる。或いはまた、一般構造(E)を有する化合物を還元的アミノ化によって合成することもできる。ボロン酸を使い、C5において機能化すると一般式(IIb)で表される最終化合物が得られる。
【0063】
一般的手順
一般的反応スキームに記載したような式(D)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(3−ニトロ−フェニル)−アミン
【化6】

【0064】
3−アミノ−5−ブロモピリジン(3.11g、18mmol)、3−ニトロフェニルボロン酸(6.28g、36mmol)、酢酸銅(II)(1.63g、9mmol)、4Å分子篩(3g)及びピリジン(2.9ml、36mmol)のDCM(50ml)溶液を、オープントップ容器内で18時間激しく攪拌した。反応物を濾過し、残留物をメタノールで洗浄した。前記溶液にSiO(10g)を添加し、真空内で濃縮乾燥した。得られた固形物をクロマトグラフィー(SiO、20%〜50%EtOAcヘキサン溶液)して、明るい黄色の固体である所望の生成物を得た。

【0065】
一般的反応スキームに記載したような式(D)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−フェニル−アミン
【化7】



【0066】
一般的反応スキームに記載したような式(D)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−アミン
【化8】



【0067】
一般的反応スキームに記載したような式(D)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(4−クロロ−フェニル)−アミン
【化9】



【0068】
式(IIa)で表される化合物の一般的合成手順
必要とされる中間体(D)のDMF(0.3mmol、0.5ml)溶液に、窒素下で、ボロン酸のDMF(0.36mmol、0.6ml)溶液と1.5MNaCO(水)溶液(0.75mmol、0.5ml)を添加した。酢酸パラジウム(95mg)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液とトリフェニルホスフィン(335mg)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液をそれぞれ新たに調製し、音波処理槽に2分間置いた。次いで、窒素下、反応混合物にパラジウム触媒(0.3ml)を添加した。前記反応混合物を、攪拌しながら80℃で16時間加熱した。反応混合物を濾過し、分取逆相HPLC又はシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーして精製した。
【0069】
一般的反応スキームに記載したような式(IIa)で表される化合物の代表例、[5−(4−メタンスルホイルフェニル)ピリジン−3−イル]−フェニルアミン
【化10】



【0070】
一般的反応スキームに記載したような式(IIa)で表される化合物の代表例、フェニル−(5−キノリン−3−イル−ピリジン−3−イル)アミン
【化11】



【0071】
一般的反応スキームに記載したような式(E)で表される化合物の代表例、(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(4−クロロ−ベンジル)−アミン
【化12】


3−アミノ−5−ブロモピリジン(2.04g、13mmol)、4−クロロベンズアルデヒド(1.83g、13mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.86g、18.2mmol)のDCM(40ml)溶液を、室温で16時間攪拌した。反応物をDCMに取った。この溶液を水及び塩水で洗浄した。有機層を、真空内においてMgSO4で乾燥し濃縮した。得られた固形物をヘキサン/DCMから再結晶させて、オフホワイト色の固体である所望の生成物を得た。

【0072】
一般的反応スキームに記載したような式(E)で表される化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−フラン−3−イルメチル−アミン
【化13】



【0073】
一般的反応スキームに記載したような式(E)で表される化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−アミン
【化14】



【0074】
一般的反応スキームに記載したような式(E)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン
【化15】



【0075】
一般的反応スキームに記載したような式(E)の化合物の代表例;(5−ブロモ−ピリジン−3−イル)−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−アミン
【化16】



【0076】
式(IIb)で表される化合物の一般的合成手順
必要とされる中間体(E)のDMF(0.3mmol、0.5ml)溶液に、ボロン酸のDMF(0.36mmol、0.6ml)溶液と1.5MNaCO(水)溶液(0.75mmol、0.5ml)を添加した。反応は窒素下で行った。酢酸パラジウム(95mg)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液とトリフェニルホスフィン(335mg)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液をそれぞれ新たに調製し、音波処理槽に2分間置いた。次いで、窒素下、反応混合物にパラジウム触媒(0.3ml)を添加した。前記反応混合物を、攪拌しながら80℃で16時間加熱した。反応混合物を濾過し、分取逆相HPLC又はシリカゲルでフラッシュクロマトグラフィーして精製した。
【0077】
一般的反応スキームに記載したような式(IIb)で表される化合物の代表例、(5’−メトキシ−[3,3’]ビピリジニル−5−イル)−ナフタレン−2−イルメチル−アミン
【化17】



【0078】
一般的反応スキームに記載したような式(IIb)で表される化合物の代表例、ナフタレン−2−イルメチル−(5−ピリジミン−5−イル−ピリジン−3−イル)アミン
【化18】



【0079】
一般的反応スキームに記載したような式(IIb)で表される化合物の代表例、(5−(4’−ヒドロキシ−フェニル)−ピリジン−3−イル)−(3−ヒドロキシ−ベンジル)−アミン
【化19】



【0080】
一般的反応スキームに記載したような式(IIb)で表される化合物の代表例、3−[5−(3−ヒドロキシ−ベンジルアミノ)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド
【化20】



【0081】
一般的反応スキームに記載したような式(IIb)で表される化合物の代表例、[3,4’]ビピリジニル−5−イル−(4−クロロ−ベンジル)−アミン
【化21】



【0082】
前記手順により調製される、一般式(I)、(IIa)又は(IIb)で表され化合物の他の例を表Bに示す。各化合物は、エレクトロスプレー源を備えたシングル四重極計を使った質量分析により特性評価した。
【表2−1】


【表2−2】


【表2−3】


【表2−4】


【表2−5】


【表2−6】


【表2−7】


【表2−8】

【0083】
前述したことが代表例であり説明のためのものであること、また、本発明及びその好ましい実施形態の説明を目的としたものであることは、当業者ならば理解するであろう。また当業者ならば、日常的な実験作業を通して、本発明の精神を逸脱せずに加えることができる修正及び変更に気づくであろう。したがって本発明は、これまでの記載に限定するものではなく、以下に記載の特許請求の範囲及びその均等物によってその範囲を限定するものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)若しくは式(II)で表される化合物を含むか、又はそれら化合物から成る特定の化合物群から選択される化合物。
【化1】


[上式において、
R1及びR2は共に1つの環系を形成するか、又は
R1はHであり、且つR2は2−ピリジン−4−イル−エチル;3−クロロ−ベンジル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル;4−スルホンアミド−ベンジル;ベンジル;チオフェン−2−イルメチル;1−フェニル−エチル;4−(4−アミノ−ベンゾイルアミノ)−フェニル;4−メトキシ−ベンジル;1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピル;2−ピリジン−3−イル−エチル;4−フェノキシ−フェニル;4−フルオロ−フェニル;4−[エチル−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−フェニル;例えばエチル、プロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、3−ヒドロキシ−プロピル、2−メトキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル、1−ヒドロキシメチル−プロピル、2−モルホリン−4−イル−エチル、フラン−2−イル−メチルなどを含む場合によって置換されているC1〜C6のアルキル;シクロヘキサンなどを含む場合によって置換されているC3〜C6のシクロアルキル;又は窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環、好ましくはピペラジン環、[1,4]ジアゼパン若しくはピロリジン環であって、ここでR2は場合によって、炭素原子1〜3個を含むリンカーによって骨格に結合しており、
R3はベンゾフラン−2−イル;ナフタレン−2−イル;3−4−メトキシ−フェニル;4−チオメチル−フェニル;ベンゾチオフェン−2−イル;4−ピリジル;4−メトキシ−フェニル;キノリン−3−イル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;4−ヒドロキシ−フェニル;4−トリフルオロメトキシ−フェニル;3−クロロ−4−ピリジル;3−4−5−メトキシ−フェニル;5−アセチル−チオフェン−2−イル;3−トリフルオロメトキシ−フェニル;4−ヒドロキシメチル−フェニル;N−(4−メトキシ−フェニル)−ベンズアミド−4−イル;3−フルオロ−4−クロロ−フェニル;N−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−ベンズアミド−4−イル;3−ヒドロキシ−フェニル;3−アセチルアミノ−フェニル;キノリン−7−イル;2−メトキシ−5−イソプロピル−フェニル;3−ヒドロキシメチルフェニル;3−ピリジル;ヘキサ−1−エニル;4−シアノ−フェニル;チオフェン−3−イル;3−ニトロ−フェニル;3−クロロ−フェニル;2−メトキシ−フェニル;4−イソプロピル−フェニルであり、
R4及びR5は共に1つの環を形成するか、又は
R4はH若しくはメチルであり、且つR5は3−ヒドロキシ−フェニル;3−ヒドロキシベンゾイル;4−ブロモ−ベンジル;4−メトキシベンジル;2,5−ヒドロキシベンジル;3−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンジル;3−クロロ−ベンジル;3−フルオロ−4−クロロ−ベンジル;3−アミノ−ベンジル;3−トリフルオロメトキシ−ベンジル;4−ヒドロキシ−ベンジル;4−アミノ−ベンジル;1H−インドール−6−イル;3−ヒドロキシ−ベンジル;ナフタレン−2−イル−メチル;ベンゾ{1,3}ジオキソール−4−イルメチル;3,4−フルオロ−ベンジル;3,4−クロロ−ベンジル;フラン−3−イル−メチル;4−メトキシ−フェニル;4−クロロ−ベンジル;3−ニトロ−フェニル;3,4−メトキシ−フェニル;3−ブロモ−フェニル;4−クロロ−フェニル;フェニル;3−クロロ−フェニル;2−ナフチル;ピリジン−3−イル−メチル;ピリジン−4−イル−メチル;キノリン−3−イル−メチル;4−イソプロピル−フェニル;4−クロロ−ベンジル;3,4−メトキシ−ベンジル;3−フルオロ−4−クロロ−フェニル;4−トリフルオロメトキシ−フェニル;4−シアノ−フェニル;4−メトキシベンジル、4−メトキシ−3−ヒドロキシベンジル;ピリジン−4−イル−エチル;ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル3−イル−メチル;シクロヘキサン−メチル;4−クロロベンゾイル;ピロリジン−2−イル−メチル;例えばエチル、プロピル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル、3−ヒドロキシ−プロピル、2−メトキシ−エチル、2−ヒドロキシ−エチル、2−ヒドロキシメチル−3−メチル−ブチル、1−ヒドロキシメチル−プロピル、2−モルホリン−4−イル−エチル、フラン−2−イル−メチルなどを含む場合によって置換されているC1〜C6のアルキル;例えばシクロヘキサンなどを含む場合によって置換されているC5〜C7のシクロアルキル;又は例えばピペラジン環、[1,4]ジアゼパン若しくはピロリジン環などを含む、窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環であって、ここでR5は場合によって、炭素原子1〜3個を含むリンカーによって骨格に結合しており、
R6は3−カルバモイル−フェニル;4−ヒドロキシ−フェニル;4−アミノ−フェニル;3−アミノ−フェニル;フェニル;1H−インドール−5−イル;4−ピリジル;3−ヒドロキシ−フェニル;ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル;3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニル;3−ヒドロキシメチル−フェニル;3−アセチルアミノ−フェニル;4−ヒドロキシメチル−フェニル;3−(2−ジメチルアミノ−エチルカルバモイル)−フェニル;チオフェン−3−イル;3−ピリジル;3,4−メトキシ−フェニル;6−ブロモ−1−カルボン酸tert−ブチルエステル−インドール−2−イル;3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニル;3−メタンスルホニルアミノ−フェニル;3−トリフルオロメトキシ−フェニル;4−ヒドロキシメチル−フェニル;4−メタンスルホニル−フェニル;キノリン−3−イル;5−メトキシ−ピリジン−3−イル;4−カルバモイル−フェニル;4−アセチルアミノ−フェニル;4−メチルカルバモイル−フェニル;4−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニル;キノリン−4−イル;キノリン−5−イル;イソキノリン−4−イル;1H−ピラゾール−4−イル;3−クロロ−ピリジン−4−イル;3−メトキシ−ピリジン−5−イル;4−メトキシ−ピリジン−5−イル;2−メチル−ピリジン−4−イル;ベンゾチオフェン−2−イル;3−クロロ−ピリジン−4−イル;1H−ピラゾール−3−イル;イソキノリン−3−イル;4−カルバモイル−フェニル;4−カルバモイル−フェニル;3−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−フェニルである]。
【請求項2】
R1及びR2が、窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環を形成している、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記環が2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル又は4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−4−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジエチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;モルホリン−4−イル;4−(2−シアノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル;N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−N−メチル−;4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(フラン−3−カルボニル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペラジン−1−イル;又は2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピロリジン−1−イルから選択される請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R4及びR5が、窒素及び酸素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有する場合によって置換されている5〜7員環を形成している、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記環が2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル又は4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−4−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ジエチルアミノ−エチル)−ピペラジン−1−イル;モルホリン−4−イル;4−(2−シアノ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル;N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−N−メチル−;4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル;4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル;4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル;4−(フラン−3−カルボニル)−ピペラジン−1−イル;4−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ピペラジン−1−イル;又は2−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピロリジン−1−イル;から選択される請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R1が水素であり、
R2が2−ピリジン−4−イル−エチル、チオフェン−2−イルメチル、4−スルホンアミド−ベンジル、又は3−クロロ−ベンジルであり、
R3がベンゾチオフェン−2−イル、ナフタレン−2−イル、3,4−メトキシ−フェニル、又は4−ピリジルであり、
R4が水素であり、
R5が3−ヒドロキシ−ベンジル、4−クロロ−ベンジル、ナフタレン−2−イル−メチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル、3,4−フルオロ−ベンジル、3,4−クロロ−ベンジル、又はフラン−3−イル−メチルであり、且つ
R6が3−カルバモイル−フェニル、4−ヒドロキシ−フェニル、又は4−ピリジルである
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
表A又は表Bに挙げた化合物の群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
本特許請求の範囲又は本明細書において定義されるスキームの少なくとも1つの工程又は一連の連続した工程を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物の作製方法。
【請求項9】
式I又は式IIから成る群から選択される一般式で表されるコア化学構造(骨格)を有する、構造的に関連した一連の化合物を含む又はそれらの化合物から成る2つ以上の化合物の一群。
【請求項10】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物を含む請求項9に記載の2つ以上の化合物の一群であって、前記群が前記請求項における化合物によって表される許容される置換基のすべて又は実質的にすべてを有している化合物の一群。
【請求項11】
本特許請求の範囲又は本明細書において定義されるスキームの少なくとも1つの工程又は一連の連続した工程を含む、請求項10に記載の化合物の一群を作製する方法。
【請求項12】
請求項9に記載の化合物の一群、又は請求項1から7までのいずれか一項に記載の1つ又は複数の化合物を含む検定法。
【請求項13】
請求項12に記載の検定法の、治療効果のある化合物を同定するための使用。
【請求項14】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項12に記載の検定法で同定した化合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
治療用の、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
異常なキナーゼ活性を特徴とする状態の治療又は予防用薬剤の製造における、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
前記薬剤が、心臓血管疾患(冠攣縮、高血圧症、動脈硬化症)、卒中、癌、勃起障害、喘息、骨粗鬆症、緑内障及びAIDSから選択される状態の治療又は予防用である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物を医薬的に有効量投与することを含む、異常なキナーゼ活性を特徴とする状態の治療方法。
【請求項19】
前記状態が心臓血管疾患(冠攣縮、高血圧症、動脈硬化症)、卒中、癌、勃起障害、喘息、骨粗鬆症、緑内障及びAIDSから選択される、請求項18に記載の治療方法。
【請求項20】
実質的に本請求の範囲又は本明細書に記載されているような化合物、製造法、化合物の選択、検定法、医薬組成物、使用又は治療方法。


【公表番号】特表2007−516196(P2007−516196A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518333(P2006−518333)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002849
【国際公開番号】WO2005/003101
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(506406799)ガラパゴス エヌブイ (1)
【Fターム(参考)】