説明

はんだ溶解方法、実装基板の生産方法、およびはんだ溶解装置

【課題】電子部品と基板とを接続するためのはんだを適切に溶解させることができるはんだ溶解方法を提供する。
【解決手段】BGA(Ball Grid Array)のはんだボールが、縦横方向にn×n個配列されている場合に、はんだボールの配列方向に対して角度θだけ傾けた角度(図中“A”)でレーザビームを照射する。レーザビームの照射点を、方向“A”に交わる方向(図中“B”)に移動させることで、全てのはんだボールにレーザビームが照射されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明ははんだ溶解方法、実装基板の生産方法、およびはんだ溶解装置に関し、特に、電子部品と基板とを接続するためのはんだを溶解させるはんだ溶解方法、実装基板の生産方法、およびはんだ溶解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に実装される電子部品には、部品下部にはんだ付け接合部があるもの(裏面接合電子部品)がある。これらは、部品形態でBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等と呼ばれている。
【0003】
プリント基板への電子部品のはんだ付けは、リフロー炉で一括して行なうことが多い。また、環境への懸念から、今日では含鉛はんだの代替品として、鉛を含まない鉛フリーはんだを採用する必要が高まっている。鉛フリーはんだの溶融温度は、含鉛はんだの溶融温度よりも高いため、リフロー炉の温度は240℃程度に上げなければならない。多くの電子部品の耐熱温度は250℃であり、リフロー炉の温度設定のマージンは10℃程度と狭くなっている。
【0004】
一方、炉内には温度分布があるため、炉内を理想通りの温度設定にすることは難しい。このため、温度に耐えられずに不良品となる部品が増えている。
【0005】
そのような理由から、昨今、電子部品へ熱負荷を掛けずに、接合部だけを加熱してはんだ付けを行なう、レーザによる局部加熱はんだ付けへの期待が高まっている。
【0006】
実装部品を光エネルギー照射によって接合する方法について、以下の特許文献1〜3に示される技術がある。
【0007】
特許文献1は、光エネルギーを光学系の調整で部品の斜め上方から照射することで、部品に熱的ストレスを与えることなく、部品下部にあるクリームはんだを加熱する加工方法を開示している。
【0008】
特許文献2は、ミラーを用いて、シリンドリカルレンズで線状に成形したパルスビームを半導体装置と基板の接合部に照射する、デバイスの再生方法を開示している。
【0009】
特許文献3は、レーザ光透過性を有する基板の裏面から光照射することではんだを溶融し、マザー基板と電子部品とを接合する方法を開示している。
【特許文献1】特許第3622714号公報
【特許文献2】特開2002−280726号公報
【特許文献3】特開2005−347610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の技術には、以下の問題点がある。部品とプリント基板の隙間は狭く、接合部は碁盤の目のように配列している。このため、斜め上方からの照射では接合部の全体に光が届かない。よって、全ての接合点ではんだを溶かして接合することができないという問題がある。また、接合面が裏面にある、BGAやCSPに対して、部品表面から光エネルギーを照射すると、IC回路に熱負荷が掛かってしまうという問題がある。
【0011】
特許文献2の方法では、半導体装置と基板との間から接合部に向けてレーザを照射しているが、2列目以降の接合部が最前列の接合部の影に入ってしまうという問題がある。このため、接合部を均一に溶解させることは、不可能である。
【0012】
特許文献3の技術に関しては、以下の問題がある。昨今、高密度化の要請により多層基板が用いられ、実装方法としては両面実装が多く用いられている。従って、部品や配線が邪魔になるため、基板の裏面からレーザ照射を行なうことは難しいという問題がある。また、特許文献3の技術は、リジッドなガラスエポキシ基板には使うことができない。ガラスエポキシ基板における可視光、近赤外光の透過率は1mm厚基板で2%ほどしかない。このためレーザ光の殆どは基板に吸収され、はんだが溶解する前に基板が熱損傷してしまうからである。
【0013】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、電子部品と基板とを接続するためのはんだを適切に溶解させることができるはんだ溶解方法、実装基板の生産方法、およびはんだ溶解装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0014】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、電子部品と基板とを接続するためのはんだを溶解させるはんだ溶解方法において、電子部品と基板との間には、縦方向および横方向に複数のはんだバンプが配列される。はんだ溶解方法は、レーザ光を電子部品と基板との間の隙間から照射することにより、複数のはんだバンプを溶解させる工程を含む。その溶解させる工程においては、はんだバンプの配列方向に対して傾けた角度からレーザ光を照射する。
【0015】
この発明によると、はんだバンプの配列方向に対して傾けた角度からレーザ光を照射することができる。これにより、縦方向および横方向に配列された複数のはんだバンプのそれぞれにレーザ光を照射することができ、縦方向および横方向に配列された複数のはんだバンプを適切に溶解させることができるという効果がある。
【0016】
好ましくははんだ溶解方法は、レーザ光の照射点を移動させることで、複数のはんだバンプに順次レーザ光を照射する。
【0017】
この場合、縦方向および横方向に配列された複数のはんだバンプを順次溶解させることができるという効果がある。
【0018】
好ましくははんだ溶解方法は、レーザ光の照射点の移動時に、各はんだバンプへのレーザ光の当たり方に応じてレーザ光の出力を制御する。
【0019】
この場合、各はんだバンプに対して、好ましいレーザ光を出力できるという効果がある。
【0020】
好ましくはレーザ光の高さは、電子部品と基板との間の隙間以下のサイズとされる。
【0021】
この場合、電子部品と基板との間の隙間をレーザ光に通過させることができ、電子部品や基板に対するレーザの影響を可能な限り少なくすることができるという効果がある。
【0022】
好ましくはレーザ光は、前記基板の接合部を有する主面と平行となるように照射される。
【0023】
この場合、はんだバンプのみにレーザを照射させやすくなり、電子部品や基板に対するレーザの影響を可能な限り少なくすることができるという効果がある。
【0024】
この発明の他の局面に従うと、実装基板の生産方法は、上述のいずれかに記載のはんだ溶解方法を用いて、電子部品が実装された基板を生産する。
【0025】
この発明によると、縦方向および横方向に配列された複数のはんだバンプを適切に溶解させることで、電子部品が実装された基板を良好に生産することができるという効果がある。
【0026】
この発明のさらに他の局面に従うと、電子部品と基板とを接続するためのはんだを溶解させるはんだ溶解装置において、電子部品と基板との間には、縦方向および横方向に複数のはんだバンプが配列される。はんだ溶解装置は、レーザ光を電子部品と基板との間の隙間から照射することにより、複数のはんだバンプを溶解させるレーザ光照射装置と、はんだバンプの配列方向に対して傾けた角度からレーザ光が照射されるように、レーザ光の照射方向を制御する制御装置とを備える。
【0027】
この発明によると、縦方向および横方向に配列された複数のはんだバンプを適切に溶解させることができるはんだ溶解装置を提供することができるという効果がある。
【0028】
好ましくははんだ溶解装置は、電子部品が載置された基板を運搬する基板運搬装置をさらに備え、レーザ光照射装置は、レーザ発生部と、レーザ発生部で射出されたレーザをはんだバンプに向けて反射させる反射部とを備える。
【0029】
この場合、基板の搬送により作業を効率よく行なうことができ、かつレーザ光を照射させやすくすることができるという効果がある。
【0030】
好ましくは反射部は、プリズムを含み、プリズムの鋭角が基板側に向いている。
【0031】
この場合、プリズムが基板上の他の部品に接触することを防ぐことができる。
【0032】
好ましくははんだ溶解装置は、電子部品が載置された基板を撮影する第1の撮像装置と、第1の撮像装置が撮影した画像に基づいて、電子部品の位置を識別する識別手段とをさらに備える。
【0033】
この場合、電子部品の位置を識別することができるため、はんだの溶解制御をより適切に行なうことができるという効果がある。
【0034】
好ましくははんだ溶解装置は、レーザ光の被照射位置を撮影する第2の撮像装置をさらに備え、レーザ光照射装置は、第2の撮像装置が撮影した画像に基づいて、レーザの照射を制御する。
【0035】
この場合、レーザ光の照射位置に基づいてレーザの照射を制御することができるため、はんだの溶解を適切に制御することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明の実施の形態における、裏面接合電子部品の一例としてのBGA、LGA(Land Grid Array)の側面からのレーザ照射によるはんだ付け方法について説明する。なお、ここでははんだ付けを例に挙げるが、電子部品のはんだ付け後に、そのはんだ付け部分を再度溶解させた後に凝固させることで、接合部の寿命を延ばす場合にも本発明を用いることができる。
【0037】
[はんだ付け方法について]
【0038】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるはんだ付け方法の概略を説明するための断面図である。
【0039】
ここではガラスエポキシ基板107に形成された銅ランド105に対して、はんだボール101とはんだペースト103とを用いて、BGA(またはCSPなど)100を電気的に接合させる状態を示している。BGAに付随するはんだボール101の直径がΦdで示されており、はんだボール同士の間隔が、ピッチPで示されている。また、BGA100のパッケージ樹脂の底部と、基板107表面との間隔をh1で示している。
【0040】
側面から見て二等辺三角形形状のプリズム201の鋭角部分201aが基板107上のBGA100の付近に位置するように、プリズムの位置が制御される。基板107の上方向から照射されるレーザビームLがプリズム201で反射されて、はんだボール101およびはんだペースト103に照射される。プリズム201により反射したレーザビームLの高さ方向の寸法(太さ)は、h1以下(またははんだボール径Φd(バンプ高さ)以下)となるように調節される。レーザビームLの断面形状は、断面L1に示されるように円でもよいし、断面L2に示されるように楕円でもよい。
【0041】
図に示されるように、プリズム201で90°の角度に反射したレーザビームLは、基板107の主面に対して平行に進み、基板107とBGA100のパッケージ樹脂部分の底部との隙間に入り込み、はんだボール101およびはんだペースト103に照射される。これにより、はんだボール101およびはんだペースト103が溶解し、はんだ付けが行なわれる。
【0042】
なお、プリズムに代えて、レーザビームを反射させることのできるミラーを用いてもよい。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態の1つにおけるはんだ付け方法の概略を説明するための断面図である。
【0044】
ここではガラスエポキシ基板107に形成された銅ランド105に対して、はんだペースト103を用いて、LGA(またはFLGA(Fine-pitch Land Grid Array)など)151を電気的に接合させる状態を示している。銅ランド105の径がΦdで示されており、銅ランド105同士の間隔が、ピッチPで示されている。また、LGA151のパッケージ樹脂部分の底部と、基板107表面との間隔をh2で示している。
【0045】
この方法においても、図1の場合と同様に、基板107の上方向から照射されるレーザビームをプリズムを用いて反射させることで、はんだペースト103にレーザビームを照射する。プリズムにより反射したレーザビームの高さ方向の寸法(太さ)は、h2以下となるように調節される。レーザビームLの断面形状は、断面L3に示されるように円でもよいし、断面L4に示されるように楕円でもよい。
【0046】
プリズムで反射したレーザビームは、基板107とLGA151のパッケージ樹脂部分の底部との隙間に入り込み、はんだペースト103に照射される。これにより、はんだペースト103が溶解し、はんだ付けが行なわれる。
【0047】
なお、図1および図2において、レーザビームが平行光である場合は、レーザビームは、基板107に対して平行、またはほぼ平行に進むように、その照射方向が制御される。レーザビームが平行光ではない場合(収束光、拡散光である場合)、レーザビームの下端は、基板107の接合部を有する主面に対して平行、またはわずかに上向きとなるように、また、レーザビームの上端は、BGA100の下面と平行、またはわずかに下向きとなるように、レーザビームの照射方向が制御される。
【0048】
図3は、本発明の実施の形態の1つにおけるはんだ付け方法の概略を説明するための平面図である。
【0049】
ここでは、はんだバンプの一例として、BGAのはんだボール(ハッチングが付された円で示す。)が縦横方向にn×n個配列されている状態を示している。図3においては、n=10である。便宜上、左下のはんだボールの位置を(X,Y)=(1,1)とし、右方向にX軸を、上方向にY軸をとる。右上のはんだボールの位置は、(X,Y)=(10,10)である。Y=1の位置のはんだボールがレーザ照射方向から見て最前列のはんだボールとなり、Y=10の位置のはんだボールが最後列のはんだボールとなる。また、はんだボール同士の間隔(ピッチ)はPであり、はんだボールの径はΦdである。
【0050】
レーザビームをはんだボールの配列方向(一点鎖線で示されるY軸方向)と同じ方向に照射すると、Y=1の位置にあるはんだボールにレーザは照射されるが、Y=2〜10の位置にある、レーザビーム照射元から2列目以降のはんだボール(照射元から奥側にあるはんだボール)は、Y=1の位置にあるはんだボールに隠れてしまう。従って、Y=2〜10の位置にあるはんだボールは、レーザビームが照射されずに溶解しない。
【0051】
そこで、本実施の形態においては、図中“A”で示されるような、はんだボールの配列方向に対して角度θだけ傾けた角度からレーザビームを照射する。レーザビームの照射点を、方向“A”と直行する方向“B”(または、X軸方向など、“A”方向に交わる方向)に移動させることで、全てのはんだボールにレーザビームが照射されるようにする。すなわち、レーザビームの幅W1(図1)がBGAの幅よりもはるかに小さくても、レーザビームの照射点の移動により、BGAの幅をカバーすることができる。
【0052】
図4は、図3における“A”方向の視図である。
【0053】
図3のはんだボールB1とB2との間(この間隔は、Pcosθで表わされる。)に、はんだボールB2の後ろ側にある9個のはんだボールの一部が観察される。すなわち、図3の“A”方向にレーザビームを照射することで、すべてのはんだボールにエネルギーを与え、溶解させることが可能である。
【0054】
なお角度θは、図3に示されるように、レーザビームの軌道が、(X,1)の位置のはんだボールの右端部と、(X+1,10)の位置のはんだボールの左端部とを結ぶように設定することで、すべてのはんだボールにレーザビームを照射することができ、かつ、はんだボールへのレーザビームの照射面積を可能な限り大きくすることができる。
【0055】
なお、角度θは、0°<θ<45°程度とすることが望ましい。θが0°であると、レーザビーム照射元から2列目以降にあるはんだボールが、一番手前のはんだボールに隠れてしまうからである。また、θが45°であると、(X+1,Y+1)の位置のはんだボールが、(X,Y)の位置のはんだボールに隠れてしまうからである。
【0056】
また、図3ではレーザビームの角度を一点鎖線で示される方向から右にθ傾けたが、左にθ傾けてもよい。この場合、レーザビームの軌道が、(X,1)の位置のはんだボールの左端部と、(X−1,10)の位置のはんだボールの右端部とを結ぶようにθを設定すると、すべてのはんだボールにレーザビームを照射することができ、かつ、はんだボールへのレーザビームの照射面積を可能な限り大きくすることができる。
【0057】
なお、接合点の溶解に用いる光は、平行光であってもよいし、収束光または拡散光であってもよい。
【0058】
以上のように本実施の形態においては、レーザ光を部品と基板の隙間以下に絞り、基板に対してほぼ平行に照射する。また、最奥部の接合点まで光が届くように、碁盤の目のように配列した接合点の配列に対して角度を持たせてレーザを照射する。これにより、全ての列の接合点を加熱溶解することができる。
【0059】
[はんだ付け装置の第1の構成]
【0060】
図5は、上述のはんだ付け方法を実行してはんだ付けを行なうはんだ付け装置の第1の構成を示す平面図である。
【0061】
図を参照してはんだ付け装置は、BGAなどが載置された基板107を基台上に載せた状態で、位置107’で示される位置に運搬する基板運搬装置251と、基台上方のXY平面に沿って移動可能なレーザ照射装置(ヘッド装置)200とを備える。
【0062】
はんだ付け装置は、レーザ照射装置200をX方向、Y方向、およびR(回転)方向に移動させる駆動装置271を備える。
【0063】
レーザ照射装置200は、出射したレーザビームを反射するプリズムを支持する支持体と、支持体に対してプリズムを回転するR軸駆動機能と、支持体に対してプリズムを上下動させるZ軸駆動機能とを備える。
【0064】
また、レーザ照射装置200は、プリズムに対するレーザビームの入射位置をXY方向、または水平方向に移動する機能を有する。
【0065】
図6は、図5のレーザ照射装置200の一部の平面図であり、図7は一部の側面図である。
【0066】
図に示されるように、レーザ照射装置200は、上方に設けられるレーザ照射装置253と、レーザ照射装置253のレーザ照射位置をプリズムの位置に対して移動させる駆動装置255と、レーザ照射装置253が発したレーザビームLを90°の角度で反射させるプリズム(光透過体)201と、プリズム201を軸心209’を中心として回転させることで、レーザの高さ方向の角度を調節するピエゾモータ209と、図6の左右方向にプリズムを駆動する駆動装置211と、プリズムの基板からの高さを検出する高さセンサ215と、はんだのフラックスなどからプリズムが汚れることを防ぐための保護ガラス203と、レーザビームがプリズムから漏れるのを防止する保護カバー205と、排気ノズル207とを備えている。
【0067】
レーザ照射装置200は、プリズムの反射面の角度を微調整できる構造を有することで、レーザ光をBGAの奥深くまで届けることができる。また、プリント基板のたわみ等で、基準面に対してBGA等の部品の平行度が変動しても、レーザの光路を調整できる。
【0068】
フラックスの飛散によりプリズム201の表面や保護ガラス203の表面が汚れると、汚れにレーザが吸収されてしまう。このためはんだ付け装置においては、排気ノズル207を設置し、気流を作り飛散物の付着を防いでいる。すなわち図6においては、“E”方向にエアの吸引を行なう。排気ノズル207により、レーザ照射条件が一定に保たれ、はんだ付け品質が安定するという効果がある。
【0069】
なおレーザ照射装置253は、レーザ照射部と、レーザ照射部へ可撓性の光ケーブルを介してレーザを供給するレーザ発生装置とを含んで構成されてもよい。
【0070】
図に示されるように、プリズムの下端は、上方からのレーザ光を基板と平行する面を通過するように屈曲させる反射面を有する。
【0071】
図8は、はんだ付け装置によりはんだ付けが行なわれる状態を示す平面図である。
【0072】
BGA100には、点線の円で示される複数のはんだボール101が、縦横方向に複数配列されている。プリズム201を基板近傍まで下降させた状態で、BGAと基板との間の隙間を狙って、レーザビームを“A”方向(白抜き矢印方向)に照射する。この方向は、図3で示したように、はんだボールの配列方向(Y方向)に対して傾けた角度である。
【0073】
また、全てのはんだボールにレーザビームが当たるように、駆動装置255により、プリズムの位置に対するレーザ入射位置を“B”方向(黒矢印方向であり、“A”に直交する方向)に変化させ、かつ駆動装置211により、プリズム自体も“B”方向に移動させる。
【0074】
このようにして、全てのはんだボールを溶解させ、BGAの基板に対するはんだ付けを行なうことができる。
【0075】
なお、図8において、BGA100のはんだボールが存在するエリアが、プリズムの幅でカバーされるのであれば、プリズムを移動させなくてもよい。この場合、プリズムに対するレーザ入射位置を移動させるだけで、すべてのはんだボールを溶解させることができる。
【0076】
[はんだ付け装置の第2の構成]
【0077】
図9は、上述のはんだ付け方法を実行してはんだ付けを行なうはんだ付け装置の第2の構成を示す側面図であり、図10は、BGAを囲むレーザ照射装置(ヘッド装置)を示す平面図である。
【0078】
はんだ付け装置において、基板107は、図示しないステージに載置される。基板107上のBGA100のはんだボール101に対して側方からレーザ照射を行なうことで、はんだ付けが行なわれる。
【0079】
本実施の形態においては、BGAの四辺のそれぞれに対応するレーザ照射装置200A〜200Dが設けられている。これにより、BGAに対して4方向からレーザを照射することができる。従って、図8に示される構成ではレーザが届きにくかったはんだボールに対してもレーザを容易に照射することが可能となる。
【0080】
図9に示されるように、はんだ付け装置は、レーザ照射部307と、レーザ照射部307へ可撓性の光ケーブル305を介してレーザを供給するレーザ発生装置303と、レーザ照射部307からのレーザビームをハーフミラー309を透過させた後に反射させ、レーザビームを走査させるためのガルバノミラー311,313と、ガルバノミラーからのレーザビームが真下に向けて照射されるようにするテレセントリックレンズ315と、テレセントリックレンズのピント合わせを行なうためのレンズ駆動系317a,317bと、電子部品のはんだ付け前に電子部品の上方まで移動し、下方を撮像する撮像装置301と、ハーフミラー309とレンズ321とを介して、レーザ被照射位置をレーザビームと同軸方向から撮影する同軸カメラ323と、同軸カメラ323の撮影画像を処理する画像処理部325と、撮影画像に基づいて、ステージ位置および角度、プリズム位置および角度、ならびにレーザ出力のオン/オフを制御する制御部327とを備える。
【0081】
また、はんだ付け装置は、各レーザ照射装置をXYR方向に移動させる駆動部261A,261Bと、各レーザ照射装置を高さ方向に移動させる駆動部263A,263Bとを備える。
【0082】
ガルバノミラーの作用により、レーザビームを軌道LAに導き、レーザ照射装置200Aによりはんだ付けを行なった後、レーザビームの軌道を切替え、レーザビームを軌道LBに導き、レーザ照射装置200Bによりはんだ付けを行なう。
【0083】
撮像装置301は、基板の所定マークまたは電子部品を撮像し、電子部品の位置および方向を検出する。検知結果に基づき制御部327は、電子部品に対してプリズムをXYRの所定位置に移動させる。
【0084】
レーザの照射位置は、同軸カメラ323で観察される。これに基づき制御部327は、適切な位置にレーザが照射されるように、電子部品に対するレーザ照射位置を調整する。
【0085】
第2の構成におけるはんだ付け装置は、図10の4個のプリズムを、それぞれ自由に動かせるようにして四角に組むことで、様々な大きさのBGA等に対応することができる。また、レーザの動きに連動させてプリズムを移動させることで、プリズムの大きさを小さくできる。これにより、高密度実装基板であっても、他の隣接する部品にプリズムがぶつかることを可能な限り防ぐことができる。
【0086】
また、図9のように、プリズムの二等辺三角形の鋭角部が基板側に位置するため、部品間距離の狭い高密度実装においても、他の隣接する部品にプリズムがぶつかることを防ぐことができる。
【0087】
図10に示されるレーザ照射装置に関して、例えば200A→200D→200B→200Cの順に各レーザ照射装置のプリズムに対してレーザビームが照射される。これにより、BGAの周りを一周するようにレーザビームが照射され、はんだ付けが行なわれる。
【0088】
図11は、同軸カメラ323の撮影するはんだボールの画像と、レーザ照射の制御を説明するための図である。
【0089】
ここでは、図4と同様に照射位置に対して先頭(第1列)にあるはんだボールB1,B2が撮影されている状態を示す。なお、はんだ付け装置の第2の構成では、BGAの四方からレーザを照射するため、図3に示されるように最後列(Y=10の列)のはんだボールにまでレーザビームを照射する必要はない。従って図11では、角度θを図3より大きくし、はんだボールB2の後ろ3個以降のはんだボールは、はんだボールB1の影に隠れるようにしている。これらはんだボールB1の影に隠れるはんだボールは、逆方向からのレーザビームの照射で十分なエネルギーが付与される。
【0090】
図11において、符号“C”を中心として、レーザビームの幅がハッチングで示されている(幅L)。このレーザ照射幅を右に移動させることで、はんだボールに順次レーザを照射する。レーザ照射幅を移動させるだけでは、第1列目のはんだボールB1,B2の影となるはんだボールに比べて、第1列目のはんだボールB1,B2に与えられるエネルギーが過剰となる。
【0091】
そこで、本実施の形態では、レーザ照射量が均一になるように、外周のハンダボールにレーザが当たるときには、レーザの被照射位置の移動中、レーザ発光を一旦停止する。これにより、各はんだボールのレーザエネルギー累積受光量を均一に近づけている。レーザ発光の停止タイミングは、ティーチング時にセットしてもよいし、同軸カメラで取り込んだ画像を制御部327が認識して、停止タイミングを求めてもよい。
【0092】
図11では、最前列のはんだボールの画像B1,B2の中心から左右方向のそれぞれに、はんだボールの半径の1/2の幅を有するレーザ休止エリア(ハッチング部分)を想定し、このエリア内にレーザビームの中心“C”があるときには、レーザ発光を停止させる。これにより、レーザ照射は図11の下のタイミングチャートで示されるようにオン/オフを繰り返すこととなる。すなわち、レーザビームの中心“C”がハッチングのAの部分に差し掛かったときにレーザをオフとし、ハッチングのBの部分を通り過ぎるときに、レーザを再度オンとするものである。
【0093】
このような制御により、レーザ光の当たりやすい外周のはんだボールと、内部にあるレーザ光の当たりにくいはんだボールとのレーザ照射量の差を減少させることができる。
【0094】
はんだ付け装置は、基板のデータ(搭載部品種別、搭載位置、搭載方向)およびはんだバンプのデータを取り込み、対応するレーザビーム照射を行なう。実際のビーム照射の前に、プリズム装置の位置決め(X、Y位置決め、角度選択によるR位置決め、バンプの大きさに基づくZ位置決め)を行なう。
【0095】
また、実装時の位置ずれに対応するため、基板のマークを基準にした部品の位置ずれを撮像装置301(または上流の検査機)で確認し、このデータに基づいて基板マークを基準に位置補正を行なう。
【0096】
または、基台に対する電子部品の位置を検知し、この位置に基づき部品の位置決めを行なう(補正ではなく直接位置を求める)こととしてもよい。
【0097】
はんだ付け装置は、基板を搬入し、基板のマークを撮像し、プリズムのXYR位置決めを行なう。その後、プリズムを下降させると同時にZ位置決めを行なう。レーザ照射が開始されると、レーザ照射位置をプリズムに対して移動させる。所定時間経過後、レーザ照射を停止させる。
【0098】
BGAの複数の辺で同様のルーチンを実施した後、プリズムを上昇させ、レーザ照射装置のプリズム位置を戻す。別のはんだ付け対象となる部品があれば、同様に対応する。はんだ付けが終了すると、基板を搬出し、新規基板を搬入する。
【0099】
図12〜14は、第2の構成におけるはんだ付け装置の実行する動作を示すフローチャートである。
【0100】
ステップS101において、部品が実装された基板をはんだ付け場所に供給する。ステップS103において、撮像装置301(実装部品撮像カメラ)により、BGAの位置を確認する。ステップS105において、BGAの位置データを補正する。
【0101】
ステップS107において、レーザ照射装置(ヘッド装置)を補正された位置データに基づきBGAの位置へ移動させる。ステップS109において、別途入力された部品情報に基づき、プリズムの設置位置、BGAに対するレーザ照射角度、およびレーザを照射する範囲(BGAのサイズ)を決定する。
【0102】
ステップS111において、駆動装置(XYRステージ)により、プリズムを所定の位置へ移動させる。ステップS113において、プリズムを基板の近傍の位置まで下げる。このとき高さセンサ215を用いることで、所定の位置でプリズムを停止させる。
【0103】
ステップS115において、レーザを照射せずにガルバノミラーを駆動させ、プリズムを通してBGA側面が見える位置になるようプリズムを移動させる。また、同軸カメラの映像を解析することで、はんだボールの高さ方向中心にレーザビームが当たるように、ピエゾモータでプリズム角度を微調整する。
【0104】
ステップS117において、BGAへのレーザ照射開始点へレーザ光軸を移動させる。4つのレーザ照射装置の4つのプリズムをBGA各辺のレーザ照射開始方向へ、高さを変えずに水平移動させる。
【0105】
ステップS119において、レーザを所定の出力で出射する。所定の速度でBGAに沿ってレーザを走査する。レーザビームの動きに合わせて、プリズムを水平移動させる。
【0106】
ステップS121において、同軸カメラでレーザ照射進行方向前方のはんだボールの映像を取り込む。取り込まれた画像を解析して、最外周はんだボールの中心位置から左右にそれぞれ、はんだボール半径の1/2のレーザ休止エリアを決定する。なお、休止エリアのサイズは、BGAの仕様によって決定する。
【0107】
ステップS123において、レーザビームの中心がレーザ休止エリアに差し掛かった時点でレーザを一旦停止する。ステップS125において、レーザビームの中心がレーザ休止エリアを抜けた時点で、レーザを駆動し、出射を再開する。
【0108】
ステップS127において、同軸カメラでレーザ照射進行方向前方のはんだボールの映像を取り込む。取り込まれた画像を解析して、前方にはんだボールが無くなったら、レーザを停止する。その後、レーザ照射開始点を、隣接する隣の辺のその個所へ移動する。
【0109】
ステップS129において、プリズムを元の位置に水平移動させる。
【0110】
ステップS131において、BGAの各辺それぞれに所定の回数のレーザ照射が完了したら、レーザを停止し、光軸を初期位置へ戻す。ステップS133において、プリズムを水平移動させて初期位置に戻す。ステップS135において、プリズムを上方に引き上げ、初期位置へ戻す。
【0111】
ステップS137において、次のBGAの位置へレーザ照射装置を移動させる。ステップS139において、BGA以外の部品のレーザはんだ付けを行なう。
【0112】
ステップS141において、プログラムされた全部品へのレーザ照射を終了した時点で、基板を排出する。ステップS143において、レーザ照射装置およびプリズムを初期位置へ戻す。
【0113】
[レーザの照射角度について]
【0114】
図15は、はんだバンプの配列方向に対するレーザビームの角度の設定方法について説明するための図である。
【0115】
前述の通り、はんだバンプの配列方向と同じ方向“F”(θ=0°)にレーザビームを射出すると、最前列のはんだバンプにより、Y≧2のはんだバンプにレーザビームが届かなくなるため、好ましくない。また、はんだバンプの配列方向に対して45°の方向“A”(θ=45°)にレーザビームを射出すると、座標(X,Y)=(1,1)のはんだバンプにより、座標(2,2)のはんだバンプにレーザビームが届かなくなるため、好ましくない。
【0116】
また、座標(1,1)のはんだバンプ中心と座標(2,3)のはんだバンプ中心とを結ぶ方向“B”にレーザビームを射出すると、座標(1,1)のはんだバンプにより、座標(2,3)のはんだバンプにレーザビームが届かなくなる。座標(1,1)のはんだバンプ中心と座標(2,4)のはんだバンプ中心とを結ぶ方向“C”に関しても同様に、座標(1,1)のはんだバンプにより、座標(2,4)のはんだバンプにレーザビームが届かなくなる。
【0117】
従って、図8に示されるようにBGAに対して1方向のみからレーザを照射するのであれば、前方のはんだバンプにより後方のはんだバンプがすべて隠れてしまう角度(位置(1,1)のはんだバンプ中心と、位置(m,n)のはんだバンプ中心(m,nはそれぞれ2以上の整数)とを結ぶ角度)は、レーザ照射方向に設定しないことが望ましい。
【0118】
また、図10のように4方向からレーザを照射する場合には、少なくともY≦5の位置にあるはんだバンプにはレーザが届くように、レーザ照射方向を決めることが望ましい。なお、Y方向のはんだバンプ数がNの場合、Nが偶数のときは、少なくともY≦(1/2)Nの位置にあるはんだバンプにはレーザが届くように、Nが奇数のときは、少なくともY≦(1/2)N+1の位置にあるはんだバンプにはレーザが届くように、レーザ照射方向を決めることが望ましい。
【0119】
[変形例]
【0120】
なお、ビーム中心軸をはんだバンプの配列方向に対して傾けるときには、プリズム装置自体を傾けてもよいし、基台上の基板を傾けることで、バンプの配列方向を傾けてもよい。
【0121】
また、照射するビームのうち、少なくとも一部がはんだバンプの配列方向に対して傾いていれば本発明を実施することができる。例えば、ビームを拡散光または収束光とした場合に、照射するレーザビーム中の一部のビームが傾いていれば、本発明を実施することができる。
【0122】
さらに、はんだバンプの融点や大きさなどに基づき、レーザビームの走査速度(移動速度)を制御するようにしてもよい。また、複数ビームを同時に照射する(たとえば対辺を同時に照射する)こととしてもよい。
【0123】
また、特にBGA、CSPの種別により、はんだバンプの大きさが変わるので、プリズム装置の位置制御、レーザビームの大きさ制御(対物レンズ位置制御)、ビーム強度制御、パルス波の周波数制御などを採用してもよい。
【0124】
さらに、部品種別によりマトリックス状の球状はんだバンプのマトリックスサイズや、バンプピッチが変化する。このため、種別に対応した照射角度制御、レーザビームの移動距離制御などを行なうことが望ましい。
【0125】
また、BGA側面からのはんだ付けと同時に、BGA表面を弱いレーザで照射し、加熱することで、はんだ付け処理時間を短縮することができる。また、外周のはんだボールと内部のはんだボールとが受け取る熱量の差が緩和される。
【0126】
[実施の形態における効果]
【0127】
以上の構成により、BGAやCSPのはんだ接合部以外の部分、または基板を加熱することなく、全ての接合点のはんだ付けが可能となる。これにより、IC回路が損傷してしまうような熱的負荷を掛けず、また基板を焼損することなく、はんだ付けを行なうことができる。
【0128】
また、部品ごとに最適な照射ができるため、不良率の低減が図られる。
【0129】
[その他]
【0130】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるはんだ付け方法の概略を説明するための断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の1つにおけるはんだ付け方法の概略を説明するための断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の1つにおけるはんだ付け方法の概略を説明するための平面図である。
【図4】図3における“A”方向の視図である。
【図5】はんだ付け方法を実行してはんだ付けを行なうはんだ付け装置の第1の構成を示す平面図である。
【図6】図5のレーザ照射装置200の一部の平面図である。
【図7】図5のレーザ照射装置200の一部の側面図である。
【図8】はんだ付け装置によりはんだ付けが行なわれる状態を示す平面図である。
【図9】はんだ付け装置の第2の構成を示す側面図である。
【図10】BGAを囲むレーザ照射装置(ヘッド装置)を示す平面図である。
【図11】同軸カメラ323の撮影するはんだボールの画像と、レーザ照射の制御を説明するための図である。
【図12】第2の構成におけるはんだ付け装置の実行する動作を示すフローチャートである。
【図13】図12に続くフローチャートである。
【図14】図13に続くフローチャートである。
【図15】はんだバンプの配列方向に対するレーザビームの角度の設定方法について説明するための図である。
【符号の説明】
【0132】
100 BGAパッケージ
101 はんだボール
103 はんだペースト
105 銅ランド
107 ガラスエポキシ基板
151 LGAパッケージ
200,200A〜200D レーザ照射装置
201 プリズム
203 保護ガラス
205 保護カバー
207 排気ノズル
209 ピエゾモータ
211 駆動装置
215 高さセンサ
251 基板運搬装置
253 レーザ照射装置
255 駆動装置
301 撮像装置
303 レーザ発生装置
305 光ケーブル
307 レーザ照射部
309 ハーフミラー
311,313 ガルバノミラー
315 テレセントリックレンズ
317a,317b レンズ駆動系
323 同軸カメラ
325 画像処理部
327 制御部
B1,B2 はんだボール
L レーザビーム
P はんだバンプのピッチ
θ レーザ照射角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と基板とを接続するためのはんだを溶解させるはんだ溶解方法であって、
前記電子部品と前記基板との間には、縦方向および横方向に複数のはんだバンプが配列され、
レーザ光を前記電子部品と前記基板との間の隙間から照射することにより、前記複数のはんだバンプを溶解させる工程を含み、
前記溶解させる工程においては、前記はんだバンプの配列方向に対して傾けた角度からレーザ光を照射する、はんだ溶解方法。
【請求項2】
前記レーザ光の照射点を移動させることで、複数のはんだバンプに順次レーザ光を照射する、請求項1に記載のはんだ溶解方法。
【請求項3】
前記レーザ光の照射点の移動時に、各はんだバンプへのレーザ光の当たり方に応じてレーザ光の出力を制御する、請求項2に記載のはんだ溶解方法。
【請求項4】
前記レーザ光の高さは、前記電子部品と前記基板との間の隙間以下のサイズとされる、請求項1から3のいずれかに記載のはんだ溶解方法。
【請求項5】
前記レーザ光は、前記基板の接合部を有する主面と平行となるように照射される、請求項1から4のいずれかに記載のはんだ溶解方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のはんだ溶解方法により、電子部品が実装された基板を生産する、実装基板の生産方法。
【請求項7】
電子部品と基板とを接続するためのはんだを溶解させるはんだ溶解装置であって、
前記電子部品と前記基板との間には、縦方向および横方向に複数のはんだバンプが配列され、
レーザ光を前記電子部品と前記基板との間の隙間から照射することにより、前記複数のはんだバンプを溶解させるレーザ光照射装置と、
前記はんだバンプの配列方向に対して傾けた角度からレーザ光が照射されるように、前記レーザ光の照射方向を制御する制御装置とを備えた、はんだ溶解装置。
【請求項8】
前記電子部品が載置された基板を運搬する基板運搬装置をさらに備え、
前記レーザ光照射装置は、
レーザ発生部と、
前記レーザ発生部で射出されたレーザを前記はんだバンプに向けて反射させる反射部とを備える、請求項7に記載のはんだ溶解装置。
【請求項9】
前記反射部は、プリズムを含み、
前記プリズムの鋭角が前記基板側に向いている、請求項8に記載のはんだ溶解装置。
【請求項10】
前記電子部品が載置された基板を撮影する第1の撮像装置と、
前記第1の撮像装置が撮影した画像に基づいて、前記電子部品の位置を識別する識別手段とをさらに備えた、請求項7から9のいずれかに記載のはんだ溶解装置。
【請求項11】
前記レーザ光の被照射位置を撮影する第2の撮像装置をさらに備え、
前記レーザ光照射装置は、前記第2の撮像装置が撮影した画像に基づいて、レーザの照射を制御する、請求項7から10のいずれかに記載のはんだ溶解装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−9243(P2011−9243A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269637(P2007−269637)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】