説明

アマランサス酵素分解物、及び皮膚外用剤

【課題】皮膚外用剤の細胞賦活剤等として有用な新規な薬効剤、及び優れた効能を示す皮膚外用剤の提供。
【解決手段】アマランサスの果実に酵素を作用させて得られるアマランサス酵素分解物、及び該アマランサス酵素分解物を含有する皮膚外用剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アマランサスの果実に酵素を作用させて得られる酵素分解物、及びそれを含有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アマランサスの抽出物には種々の薬効があることが見出され、化粧品食品等に配合することが提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
【特許文献1】特開平10−330242号公報
【特許文献2】特開平11−255612号公報
【特許文献3】特開2000−143524号公報
【特許文献4】特開2006−111580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、化粧品等の皮膚外用剤に配合される成分には、さらに高い薬効が求められている。
本発明は、皮膚外用剤の細胞賦活剤等として有用な新規な薬効剤を提供することを課題とする。
また、本発明は、優れた効能を示す皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、本発明は、アマランサスの果実に酵素を作用させて得られる酵素分解物を提供する。
本発明の態様として、糸状菌由来の酵素を作用させて得られる前記アマランサス酵素分解物;麹又は麹から抽出した粗酵素液を作用させて得られる前記アマランサス酵素分解物;アスペルギルス属に属する菌由来の酵素を作用させて得られる前記アマランサス酵素分解物;前記酵素がα−アミラーゼ活性及びプロテアーゼ活性を有することを特徴とする前記アマランサス酵素分解物;及び細胞賦活剤であることを特徴とする前記アマランサス酵素分解物;が提供される。
【0005】
また、別の観点から、本発明によって、前記アマランサス酵素分解物を含有する皮膚外用剤;老化防止用皮膚外用剤である前記皮膚外用剤;前記アマランサス酵素分解物を添加することを含む皮膚外用剤の製造方法;及びアマランサスの果実に酵素を作用させることを含む細胞賦活剤の製造方法;が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、皮膚外用剤の細胞賦活剤等として有用な新規な薬効剤を提供することができる。
また、本発明によれば、優れた効能を示す皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明は、アマランサスの果実に酵素を作用させて得られる酵素分解物に関する。
アマランサス(英名:Amaranth)は、ヒユ科に属する植物である。本発明において、原料として用いるアマランサスの果実については特に制限はない。食用に市販されているもの、並びに飼料用及び食品加工原料用に市販されているもの等、種々利用することができる。
【0008】
また、アマランサスの果実は、そのまま原料として用いてもよいが、酵素処理の効率の観点からは、アマランサスの果実を粉砕した後、加熱してから酵素処理を施すのが好ましい。加熱は、乾式及び湿式のいずれであってもよい。なお、デンプン及びタンパク質などの酵素処理を容易とするため、及び酵素処理中の雑菌汚染防止のため、加熱を十分に行なってから酵素処理を実施するのが好ましい。
【0009】
アマランサスの果実の酵素処理に用いる酵素の種類は安全性が保証されている限り特に制限されない。微生物由来、動植物由来、キノコ類由来などいずれの酵素を用いることができる。本発明では、前記酵素として、市販されている酵素を使用してもよいし、微生物又は動植物組織より既知の方法、例えばリン酸緩衝液などを用いた抽出を行なって得られた粗酵素液などを使用してもよい。また、簡便性、安全性、品質の面から、食品製造用として酵素メーカーより市販されている酵素剤を使用することが好ましい。
【0010】
前記酵素の例には、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどが含まれる。これら酵素から一種又は二種以上を選択し、アマランサスの果実に作用させるのが好ましい。更に好ましくは、市販酵素剤の中から、α−アミラーゼとしてスミチームL(Aspergillus oryzae由来 新日本化学)、ビオザイム(Aspergillus oryzae由来 天野エンザイム)などを選択し、グルコアミラーゼとして、スミチームSG(Rhizopus sp.由来 新日本化学)、グルクザイムNL4.2(Aspergillus niger由来 天野エンザイム)、ユニアーゼK(Rhizopus sp.由来 ヤクルト薬品工業)などを選択し、プロテアーゼとして「プロテアーゼM」(天野エンザイム)使用するのが望ましい。また、これら酵素の混合品である、スミチームS(新日本化学)、ユニアーゼS(ヤクルト薬品工業)、マグナックスJW−101(洛東化成工業)、グルグSGB(天野エンザイム)などを使用してもよい。
【0011】
また、日本酒・味噌など日本の伝統的な発酵食品の製造に用いられる麹は、米や麦などの穀物に麹菌(アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・ソーヤなどのアスペルギルス属に属する糸状菌)を生育させたものであり、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどの活性を持つ複合酵素剤として使用することができることが知られている。本発明においても麹および麹酵素抽出液(例えば、粗酵素液)を、前述の酵素及び酵素剤とともに、又はその代わりとして使用することができる。
【0012】
前記酵素処理は、常法により行なうことができる。具体的には、スリーワンモーター、スターラーなどの攪拌装置が取り付けられた、温度管理が可能な恒温槽に、又はジャケット付き攪拌タンク等に、原料となるアマランサスの果実を入れ、所望により適量の水を加え、酵素又は酵素剤等を添加して実施することができる。酵素又は酵素剤等を添加後、温度を適温に保ちながら攪拌して、酵素反応を進行させる。
【0013】
酵素処理条件は、使用する酵素または酵素剤等に応じて、好ましい条件を決定するのが好ましい。具体的には、使用する酵素または酵素剤等に応じて、最適な温度、最適なpH、最適な処理時間等を決定し、その条件で処理することが好ましい。pHの調整はリン酸、塩酸、乳酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどを用いて調整することができる。また、酵素反応中にpH変化がある場合、反応中もpHの調整をしてもよい。但し、下記の通り、酵素反応の進行の程度を反応系のpHで判断する場合等、反応系中のpHを調整することが不適切な場合もある。酵素処理時間も、使用する酵素または酵素剤等に応じて、好ましい処理時間が決定されるが、結果物、即ち、アマランサス酵素分解物の薬効、例えば細胞賦活作用、が最も高くなるように、処理時間を調整してもよい。
【0014】
なお、酵素反応の進行の程度は、アマランサスに含まれるデンプン由来の糖の生成量や、同じくアマランサスのタンパク質由来のペプチドまたはアミノ酸の生成量にて判断することができる。また、簡便な指標として吸光度、pH、Brix、粘度などの変化によって判断することもできる。
【0015】
酵素反応終了後は、加熱により酵素を失活させてもよい。これにより、酵素反応は停止し、アマランサスの酵素分解物が得られる。
【0016】
得られたアマランサス酵素分解物は、ろ過、遠心分離等の手段によって固液分離を行い、固形分を取り除いてから、種々の用途に用いるのが好ましい。又は抽出処理によって抽出されたものを、アマランサス酵素分解物として使用してもよい。抽出処理に用いる溶媒については特に制限はない。水を用いるのが好ましい。水以外にも、低級1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級エステル(酢酸エチル等)等を用いることができ、これらを一種又は二種以上混合して、又はさらに水と混合して用いることができる。抽出を促進するために、pHを調整した緩衝液を用いてもよいし、また、抽出処理時に、加熱(例えば熱水抽出)や、攪拌を行ってもよい。
【0017】
さらに、所望により、精製、脱色、脱臭などの工程を施すこともできる。精製は、吸着樹脂などのカラムを利用して行なうことができる。また、脱臭、脱色は、活性炭を利用して行なうことができる。また、酵素分解液もしくはその抽出液は、使用用途に合わせ、種々の方法により濃縮、乾燥して、粉末等の固体として調製しもよい。例えば、減圧濃縮、加熱濃縮、真空濃縮等により濃縮することができる。また、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥等により乾燥することができる。
なお、精製、濃縮、乾燥などの処理は、本発明のアマランサス酵素分解物の効能を損なうことがない範囲で、方法等を適宜選択して実施することができる。
【0018】
上記した通り、本発明のアマランサス酵素分解物は、液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態であってもよい。溶媒を含む液状の分解物を、減圧乾燥、又は凍結乾燥などにより乾固させて固体状とした後に用いることもできる。また、スプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0019】
アマランサスの果実に酵素を作用させて得られた酵素分解物及びその抽出物は、酵素未処理のアマランサスの果実等の抽出物とは異なる成分を種々含有し、従来とは異なる効能及び/又はより優れた効能を示す。
【0020】
本発明のアマランサス酵素分解物は、種々の用途に利用することができる。本発明のアマランサス酵素分解物は、高い細胞賦活作用を示すので、皮膚外用剤に用いるのが好ましい。本発明のアマランサス酵素分解物を含有する皮膚外用剤は、該酵素分解物の細胞賦活作用により、皮膚に適用することにより、皮膚に対して老化防止効果を与えることができる。
以下、本発明のアマランサス酵素分解物を含有する皮膚外用剤について説明する。
【0021】
本発明の皮膚外用剤は、本発明のアマランサス酵素分解物を含有する皮膚外用剤である。前記アマランサス酵素分解物の配合量については特に制限はないが、最終形態である皮膚外用剤の全質量に対して、前記アマランサス酵素分解物が固形分として0.0001〜5質量%(以下、単に「%」という)であるのが好ましく、0.001〜3%であるのがより好ましい。この範囲内であれば、該抽出物を安定的に配合することができ、かつ高い細胞賦活作用をもたらし、それに基づく高い老化防止効果を発揮することができる。
【0022】
前記皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で他の有効成分、例えば、美白効果、老化防止効果、又は紫外線暴露によるシワ形成抑制効果等を奏する他の有効成分、を配合してもよい。より具体的には、紫外線防御剤、抗菌剤、美白剤、抗炎症剤、他の細胞賦活剤、活性酸素除去剤、保湿剤などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0023】
また、前記皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料や医薬部外品、皮膚外用剤等の製造に通常使用される成分、例えば、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物・動物・微生物由来の抽出物、活性酸素除去剤、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、他のビタミン類等を必要に応じて添加することができる。
【0024】
前記皮膚外用剤は、パウダー、パウダーファンデーション等の粉体;石けん、リップスティック等の固体;クリーム、乳液、クリームファンデーション等の乳化物;化粧水、美容液等の液体;など、種々の形態の化粧料組成物であるのが好ましい。また、シャンプー、トリートメント、頭皮用皮膚外用剤であってもよく、これらに限定されることはない。
【0025】
また、本発明のアマランサス酵素分解物を、食品(飲料を含む)に配合するのも好ましい。前記食品としては、特に制限されないが、具体的には、例えば、飴、チューインガム、飲料等が挙げられる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[実施例1:アマランサス酵素分解物試料1の調製]
(アマランサスの前処理)
アマランサスの果実を、フードミルにて粉砕して得たアマランサス粉の20gに、水600mLを添加して、スリーワンモーターにて130rpmにて攪拌しながら、100℃で30分間、加熱した。この加熱後の、pHは6.8であった。この後、塩酸にてpHを6.0に調節した。
【0027】
(酵素処理)
次に、アマランサス粉が入った容器を恒温槽中に置き、品温を40℃まで下げた後、酵素剤(スミチームS:新日本化学工業)0.2gを少量の水に溶かした酵素液を添加し、酵素処理を行なった。酵素処理は、品温40℃に保持し、150rpmにて攪拌しつつ、5時間行なった。この後、100℃で30分間加熱し、酵素を失活させて、酵素分解物を得た。酵素処理後のpHは5.6であった。
【0028】
(固液分離及び乾燥処理)
この酵素分解物を、遠心分離(7,000rpm、30分)し、ろ紙(5C)にてろ過を行い、固液分離し、アマランサス酵素分解液を560mL得た。また、このアマランサス酵素分解液の560mLをエバポレーターにて濃縮し、凍結乾燥にて乾燥させることで、アマランサス酵素分解物試料1の粉末約8.5gを得た。
【0029】
[アマランサス酵素分解物試料2の調製]
(アマランサスの前処理)
アマランサスの果実を、フードミルにて粉砕して得たアマランサス粉の8gに、水120mLを添加して、スリーワンモーターにて130rpmにて攪拌しながら、100℃で30分間、加熱した。この加熱後の、pHは6.6であった。
【0030】
(酵素処理)
次に、アマランサス粉が入った容器を恒温槽中に置き、品温を40℃まで下げた後、酵素剤(プロテアーゼM:天野エンザイム)0.05gを少量の水に溶かした酵素液を添加し、酵素処理を行なった。酵素処理は、品温40℃に保持し、150rpmにて攪拌しつつ、4時間行なった。この後、100℃で30分間加熱し、酵素を失活させて、酵素分解物を得た。酵素処理後のpHは6.3であった。
【0031】
(固液分離及び乾燥処理)
この酵素分解物を、遠心分離(7,000rpm、30分)し、ろ紙(No2)にてろ過を行い、固液分離し、アマランサス酵素分解液を得た。また、このアマランサス酵素分解液をエバポレーターにて濃縮し、凍結乾燥にて乾燥させることで、アマランサス酵素分解物試料2の粉末約4.2gを得た。
【0032】
[比較例用アマランサス抽出物 試料3の調製]
比較例用試料として、アマランサスの果実を上記と同様に粉砕等した後、酵素を作用させずに未処理のまま、熱水抽出してアマランサス抽出物試料2を調製した。
【0033】
[実施例2:細胞賦活試験]
上記製造したアマランサス酵素分解物試料1及び2、及びアマランサス抽出物試料3について、ヒト新生児由来線維芽細胞を用いて細胞賦活試験を行なった。
具体的には、1%ウシ胎児血清(FBS)添加培地に、種々の濃度の試料1〜3の溶液を添加し、細胞生育率を常法により求めた。
試料未添加の1%FBS培地における細胞生育率を基準として、それより細胞生育率が上回った場合は、細胞賦活作用があり、下回った場合は、細胞賦活作用がないと評価することができる。
なお、10%FBS添加培地を陽性コントロールとして利用した。
以下の表に結果を示す。下記表に示す結果は、試料未添加の1%FBS培地の細胞生育率を100%として算出した各試料の細胞生育率である。なお、陽性コントロールとして利用した10%FBS培地の生育率は省略するが、陽性コントロールの細胞生育率は125%を超えていたので、適切な培養条件であったことが理解できる。
【0034】
【表1】

【0035】
上記表に示す結果から、アマランサス酵素分解物試料1及び2は、酵素未処理のアマランサスの熱水抽出により得られた試料3と比較して、格段に高い細胞賦活作用を示したことが理解できる。
【0036】
[実施例3:クレンジングクリームの調製例]
以下の組成のクレンジングクリームを、以下の方法で調製した。
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 3.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリル 2.0
(4)ミツロウ 1.5
(5)ワセリン 6.0
(6)流動パラフィン 40.0
(7)ジメチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(9)防腐剤 適量
(10)トリエタノールアミン 1.0
(11)プロピレングリコール 10.0
(12)ポリエチレングリコール20000 0.5
(13)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 5.0
(14)精製水 残量
(15)アマランサス酵素分解物*1 0.1
(16)香料 適量
*1 実施例1で調製した試料1
【0037】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、成分(15)及び(16)を加え混合し、クレンジングクリームを得た。
【0038】
調製したクレンジングクリームは、メイク汚れとのなじみがよく、すっきりとメイク汚れが落ち、肌には適度なうるおいとエモリエント感があり、べたつきのないクレンジングクリームであった。
【0039】
[実施例4:洗顔料の調製]
以下の組成の洗顔料を以下の方法で製造した。
(成分) %
(1)ラウリン酸 5.0
(2)ミリスチン酸 18.5
(3)ステアリン酸 6.0
(4)グリセリン 12.0
(5)ポリエチレングリコール1500 5.0
(6)水酸化カリウム 6.5
(7)精製水 残量
(8)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
(9)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1.8
(10)ポリオキシエチレン(7.5E.O.)ラウリル
エーテル 2.0
(11)ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
(12)ヒドロキシプロピルメチルセルロース1%水溶液 5.0
(13)アマランサス酵素分解物 0.1
(14)香料 適量
*1 実施例1で調製した試料2
【0040】
(製法)
A.成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.成分(6)及び(7)を加熱溶解する。
C.成分(8)〜(11)を加熱溶解する。
D.AにBを加え混合後、更にCを加え混合する。
E.Dを冷却後、成分(12)、(13)及び(14)を加え混合し、洗顔料を得た。
【0041】
調製した洗顔料は、豊かでコクのある泡立ちで、汚れ落ちもよく、すっきりと洗いあがり、肌にうるおいが残る洗顔料であった。
【0042】
[実施例5:化粧水1(溶解型)の調製]
以下の組成の化粧水を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)クエン酸 0.05
(2)クエン酸ナトリウム 0.2
(3)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)水溶液 0.5
(4)アマランサス酵素分解物*1 0.05
(5)グリセリン 3.0
(6)1,3−ブチレングリコール 8.0
(7)精製水 残量
(8)エチルアルコール 10.0
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
(11)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
*1 実施例1で調製した試料1
【0043】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(11)を混合溶解する。
C.AにBを加え混合し、化粧水を得た。
【0044】
調製した化粧水は、みずみずしい使用感があり、肌のうるおいに優れ、連日、肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌とすることができる化粧水であった。
【0045】
[実施例6:化粧水2(油可溶化型)の調製]
以下の組成物の化粧水を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)メドウホーム油 0.05
(2)ホホバ油 0.05
(3)香料 適量
(4)防腐剤 適量
(5)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(6)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.0
(7)エチルアルコール 8.0
(8)グリセリン 5.0
(9)1,3−ブチレングリコール 5.0
(10)ポリエチレングリコール1500 0.1
(11)アマランサス酵素分解物*1 0.2
(12)精製水 残量
*1 実施例1で調製した試料1
【0046】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、化粧水を得る。
【0047】
調製した化粧水は、なめらかな使用感があり、肌のうるおいに優れ、連日、肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌とすることができる化粧水であった。
【0048】
[実施例7:化粧水3(乳化型)の調製]
以下の組成の化粧水を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.08
(2)スクワラン 0.02
(3)セスキオレイン酸ソルビタン 0.05
(4)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.05
(5)ポリオキシエチレン(8E.O.)アルキル(12〜15)
エーテルリン酸 0.1
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)エチルアルコール 8.0
(9)ジプロプレングリコール 8.0
(10)グリセリン 4.0
(11)アマランサス酵素分解物*1 0.1
(12)精製水 残量
*1 実施例1で調製した試料2
【0049】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.成分(9)〜(12)を混合溶解する。
C.BにAを加え乳化し、化粧水を得る。
【0050】
調製した化粧水は、みずみずしくすっきりとした使用感があり、肌のうるおいに優れ、連日、肌に適用することのより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる化粧水であった。
【0051】
[実施例8:乳液の調製]
以下の組成の乳液を以下の方法により調製した。
(成分) %
(1)ステアリン酸 1.0
(2)セタノール 0.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 0.5
(4)流動パラフィン 2.0
(5)スクワラン 3.0
(6)ホホバ油 3.0
(7)パルミチン酸セチル 0.2
(8)防腐剤 適量
(9)モノステアリン酸ソルビタン 0.3
(10)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(11)トリエタノールアミン 0.5
(12)1,3−ブチレングリコール 15.0
(13)グリセリン 3.0
(14)ポリエチレングリコール6000 0.5
(15)精製水 残量
(16)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 8.0
(17)アマランサス酵素分解物*1 0.2
(18)香料 適量
*1 実施例1で調製した試料1
【0052】
(製法)
A.成分(1)〜(10)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(11)〜(15)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(16)を加え混合する。
D.Cを冷却し、成分(17)及び(18)を加え混合し、乳液を得る。
【0053】
調製した乳液は、みずみずしくなめらかな使用感があり、肌のうるおいとエモリエンと感に優れ、連日、肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる乳液であった。
【0054】
[実施例9:クリームの調製]
以下の組成のクレームを以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セタノール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)ワセリン 2.0
(5)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 2.0
(6)ミリスチン酸イソトリデシル 5.O
(7)流動パラフィン 8.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ミツロウ 1.0
(10)パルミチン酸セチル 2.0
(11)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(12)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.5
(13)防腐剤 適量
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8.0
(16)グリセリン 2.0
(17)ポリエチレングリコール20000 0.5
(18)精製水 残量
(19)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 5.0
(20)アマランサス酵素分解物*2 1.0
(21)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2 実施例1で調製した試料2
【0055】
(製法)
A.成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(14)〜(18)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(19)を加え混合する。
D.Cを冷却し、成分(20)及び(21)を加え混合し、乳液を得る。
【0056】
調製したクリームは、コクのあるなめらかな使用感があり、肌のエモリエント感に優れ、連日肌に適用すると、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができるクリームであった。
【0057】
[実施例10:美容液(可溶化型)の調製]
以下の組成の美容液を以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(2)メドウホーム油 0.05
(3)ホホバ油 0.05
(4)防腐剤 適量
(5)香料 適量
(6)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 0.5
(7)イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(50E.O.) 1.5
(8)エチルアルコール 5.0
(9)グリセリン 4.0
(10)ジプロピレングリコール 8.0
(11)1,3−ブチレングリコール 8.0
(12)乳酸ナトリウム 0.5
(13)ピロリドンカルボン酸ナトリウム(50%)水溶液 0.5
(14)ヒドロキシエチルセルロース 0.08
(15)アルギン酸ナトリウム 0.05
(16)アマランサス酵素分解物*1 0.1
(17)精製水 残量
*1 実施例1で調製した試料1
【0058】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.成分(9)〜(17)を混合溶解する。
C.BにAを加え混合し、美容液を得た。
【0059】
調製した美容液は、みずみずしくもなめらかでマイルドな使用感があり、肌のうるおいやエモリエント感に優れ、連日肌に適用することにより、キメを整え、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができる美容液であった。
【0060】
[実施例11:パック(ピールオフ型)の調製]
以下の組成のパックを、以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)ポリビニルアルコール 12.0
(2)メチルセルロース 0.1
(3)グリセリン 3.0
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0
(5)精製水 残量
(6)香料 適量
(7)防腐剤 適量
(8)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタン 1.0
(10)エチルアルコール 13.0
(11)アマランサス酵素分解物*1 0.1
*1 実施例1で調製した試料2
【0061】
(製法)
A.成分(1)〜(5)を加熱溶解する。
B.成分(6)〜(10)を混合溶解する。
C.Aを冷却後、B及び(11)を加え混合し、パックを得た。
【0062】
調製したパックは、伸びひろがりがよく、肌に適度な緊張感を付与し、パックを剥がした後の肌にはべたつきはなく、高いうるおいとはりがでるパックであった。
【0063】
[実施例12:マッサージクリームの調製]
以下の組成のマッサージクリームを、以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 2.5
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
(5)パルミチン酸セチル 1.0
(6)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル*1 4.0
(7)ワセリン 20.0
(8)流動パラフィン 28.0
(9)メチルポリシロキサン(100CS) 0.5
(10)水酸化ナトリウム 0.1
(11)ジプロピレングリコール 7.0
(12)カルボキシビニルポリマー1%水溶液 5.0
(13)精製水 残量
(14)アマランサス酵素分解物*2 0.2
(15)香料 適量
*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2:実施例1で調製した試料1
【0064】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保つ。
B.成分(10)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保つ。
C.BにAを加え乳化する。
D.Cを冷却後、成分(14)及び(15)を加え混合し、マッサージクリームを得た。
【0065】
調製したマッサージクリームは、なめらかでコクのある使用感があり、マッサージ効果に優れ、肌のたるみやはり、弾力性の低下を防ぐ効果の高いマッサージクリームであった。
【0066】
[実施例13:クリームファンデーション(W/O型)の調製]
以下の組成のクリームファンデーションを、以下の方法で調製した。
(成分) %
(1)セリサイト 8.0
(2)酸化チタン 10.0
(3)ベンガラ 1.0
(4)黄色酸化鉄 2.2
(5)雲母チタン 2.0
(6)黒酸化鉄 0.1
(7)有機変成Bントナイト*1 0.5
(8)長鎖アルキル含有ポリオキシアリキレン変成
オルガノポリシロキサン*2 2.0
(9)ポリオキシアルキレン含有オルガノポリシロキサン*3 2.0
(10)デカメチルシクロペンタシロキサン 12.0
(11)オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸のシリコーン溶液*4 3.0
(13)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
(14)1,3−ブチレングリコール 5.0
(15)ジグリセリン 2.0
(16)グリセリン 2.0
(17)キサンタンガム 0.2
(18)塩化ナトリウム 0.2
(19)精製水 残量
(20)アマランサス酵素分解物*5 0.1
(21)香料 適量
*1:ベントン38(NLエンダストリー社製)
*2:アビルEM−90(ゴールドシュミット社製)
*3:シリコーンKF6017(信越化学工業社製)
*4:トリメチルシロキシシリケートKF7312J(信越化学工業社製)
*5:実施例1で調製した試料2
【0067】
(製法)
A:成分(8)〜(13)を混合する。
B:成分(14)〜(19)を混合する。
C:Aに成分(1)〜(7)を添加し混合分散する。
D:Cに成分(20)、(21)を加えクリームファンデーション(W/O型)を得た。
【0068】
調製したクリームファンデーションは、べたつき感のないなめらかな使用感があり、肌への付着性に優れ、美しい仕上がりとなり、また、連日肌に適用すると、肌にエモリエント感を付与し、つややはり、弾力のある美しい肌にすることができるクリームファンデーションであった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、皮膚外用剤の細胞賦活剤等として有用な新規な薬効剤を提供することができる。
また、本発明によれば、優れた効能を示す皮膚外用剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アマランサスの果実に酵素を作用させて得られるアマランサス酵素分解物。
【請求項2】
糸状菌由来の酵素を作用させて得られる請求項1に記載のアマランサス酵素分解物。
【請求項3】
麹又は麹から抽出した粗酵素液を作用させて得られる請求項1に記載のアマランサス酵素分解物。
【請求項4】
アスペルギルス属に属する菌由来の酵素を作用させて得られる請求項1に記載のアマランサス酵素分解物。
【請求項5】
前記酵素がα−アミラーゼ活性及びプロテアーゼ活性を有する酵素である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアマランサス酵素分解物。
【請求項6】
細胞賦活剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載のアマランサス酵素分解物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のアマランサス酵素分解物を含有する皮膚外用剤。
【請求項8】
老化防止用皮膚外用剤である請求項7に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2009−102241(P2009−102241A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273858(P2007−273858)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【出願人】(591155884)株式会社東洋発酵 (21)
【Fターム(参考)】