説明

アルツハイマー病治療用のベンジルエーテルおよびベンジルアミノ系β−セクレターゼ阻害薬

本発明は、アルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用なβ−セクレターゼ酵素阻害剤であるベンジルエステルおよびベンジルアミノ誘導体化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含有する医薬組成物と、β−セクレターゼ酵素が関与する前記疾患の治療におけるこれらの化合物および組成物の使用に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の活性の阻害薬である化合物の分野、ならびにアルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療におけるその化合物の使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病はアミロイドが細胞外プラークおよび細胞内神経原線維のもつれの形で脳に異常沈着することを特徴とする。アミロイド蓄積速度は形成速度、凝集速度および脳からの排出速度の組み合わせである。アミロイドプラークの主成分は4kDアミロイドタンパク質(βA4、別称Aβ、β−タンパク質およびβAP)であり、かなり大きい前駆体タンパク質のタンパク分解物であることが一般に認められている。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は大きな細胞外ドメインと、膜貫通領域と、短い細胞質尾部からなる受容体様構造をもつ。AβドメインはAPPの細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両者の一部を占めることから、Aβドメインの放出はそのNH末端とCOOH末端を形成するために2つの別個のタンパク質分解事象が存在することを示唆するものである。APPを膜から放出し、APP(あるいはAPP)の可溶性COOH切断型を生成する分泌機構は少なくとも2種類ある。APPとその断片を膜から放出するプロテアーゼは「セクレターゼ」と呼ばれる。ほとんどのAPPは、Aβタンパク質の内部で切断してα−APPを放出し、無傷のAβの放出を防ぐ推定αセクレターゼにより放出される。APPの小部分が、APPのNH末端付近で開裂して完全Aβドメインを含むCOOH末端断片(CTF)を産生するβ−セクレターゼ(「β−セクレターゼ」)により放出される。
【0003】
こうして、β−セクレターゼまたはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)の活性はアルツハイマー病の特徴であるAPPの異常切断、Aβ産生およびβアミロイドプラークの脳内蓄積を引き起こす(R. N. Rosenberg, Arch. Neurol., vol. 59, Sep 2002, pp. 1367-1368; H. Fukumoto et al, Arch. Neurol., vol. 59, Sep 2002, pp. 1381-1389; J. T. Huse et al, J. Biol. Chem., vol 277, No. 18, issue of May 3, 2002, pp. 16278-16284; K. C. Chen and W. J. Howe, Biochem. Biophys. Res. Comm, vol. 292, pp 702-708, 2002参照)。従って、β−セクレターゼまたはBACEを阻害することができる治療剤はアルツハイマー病の治療に有用である可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の化合物はβ−セクレターゼまたはBACEの活性を阻害し、従って不溶性Aβの形成を防止し、Aβの産生を停止させることによりアルツハイマー病を治療する上で有用である。
【0005】
本発明は、β−セクレターゼ酵素阻害剤であり、アルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用なベンジルエーテルおよびベンジルアミノ誘導体化合物に関する。本発明はこれらの化合物を含有する医薬組成物と、β−セクレターゼ酵素が関与する前記疾患の治療におけるこれらの化合物および組成物の使用に関するものでもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記式(I)の化合物ならびにそれの製薬上許容される塩に関するものである。
【0007】
【化11】

式中、
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CHまたはNであり;
Aは、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニルおよび
(4)−C2−10アルキニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C3−8シクロアルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)フェニルまたは
(g)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−C2−10アルケニル、
(vii)−C2−10アルキニルまたは
(viii)−C3−8シクロアルキル
で置換されており;
は、
(1)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリール、または
(2)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
であり、
前記アリールまたはヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、
(d)−C2−10アルキニル、
(e)−OH、
(f)−CN、
(g)−O−C1−10アルキルまたは
(h)−C3−8シクロアルキル
で置換されており;
は、
(1)(R−SO)N(R)−[Rは、
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)−C2−10アルキニルまたは
(d)−C3−8シクロアルキル
であり、
前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−C2−10アルケニル、
(vii)−C2−10アルキニル、
(viii)−C3−8シクロアルキル、
(ix)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールまたは
(x)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記アリールおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)−C1−10アルキル、
(vii)−C2−10アルケニルまたは
(viii)−C2−10アルキニル
で置換されており;
は、
(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニルまたは
(d)−C2−10アルキニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールまたは
(vii)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキルまたは
(vi)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリール
で置換されている。];
(2)
【0008】
【化12】

(3)
【0009】
【化13】

からなる群から選択され;
は、
【0010】
【化14】

からなる群から選択され、
は、
(1)−C1−10アルキル、
(2)−C2−10アルケニルまたは
(3)−C2−10アルキニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上のハロで置換されており;
6a、R6bおよびR6cは独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−10アルキル、
(4)−C2−10アルケニル、
(5)−C2−10アルキニル、
(6)−OH、
(7)−CN、
(8)−C3−8シクロアルキルおよび
(9)−O−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
およびR10は独立に、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニルまたは
(5)−C3−8シクロアルキル
からなる群から選択され;
前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−O−C1−10アルキル
で置換されており、
あるいはRおよびR10がこれらが結合している窒素原子と一体となってピロリジン環を形成しており、その環は未置換であるか1以上の
(a)C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)−C2−10アルキニル、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−(CH−フェニル、
(f)−CN
で置換されており、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上の
i)ハロ、
ii)−OH、
iii)−CN、
iv)−O−C1−10アルキルまたは
v)−C3−8シクロアルキル
で置換されており、
前記シクロアルキルおよびフェニルは未置換であるか1以上の
i)ハロ、
ii)−C1−10アルキル、
iii)−C2−10アルケニル、
iv)−C2−10アルキニル、
v)−OH、
vi)−CN、
vii)−C3−8シクロアルキルまたは
viii)−O−C1−10アルキル
で置換されており;
11は、
(1)−CH−、
(2)−O−および
(3)−NR
からなる群から選択され、
ただし、R11が−CH−である場合は点線は結合を形成しており、R11が−O−または−NR−である場合は点線は非存在であり;
は、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニルまたは
(5)−CH−フェニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはフェニルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−O−C1−10アルキル
で置換されており;
12は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)ハロ、
(6)−C3−8シクロアルキル、
(7)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールおよび
(8)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
からなる群から選択され、
前記アリールおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C3−8シクロアルキル、
(f)−C1−10アルキル、
(g)−C2−10アルケニルまたは
(h)−C2−10アルキニル
で置換されており;
mは、0、1、2または3であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2、3または4である。
【0011】
本発明の化合物の好ましい実施形態では、AはCHOH以外である。
【0012】
本発明の化合物の別の好ましい実施形態では、XはOである。
【0013】
本発明の化合物の別の好ましい実施形態では、Aは
(1)水素、
(2)−C1−10アルキルおよび
(3)−C2−10アルケニル
からなる群から選択され、
前記アルキルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C3−8シクロアルキル、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)フェニルまたは
(f)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記アルケニルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C3−8シクロアルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)フェニルまたは
(g)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキルまたは
(vi)−C3−8シクロアルキル
で置換されている。
【0014】
本発明の化合物のより好ましい実施形態では、Aは
(1)−C1−10アルキルおよび
(2)−C2−10アルケニル
からなる群から選択され、
前記アルキルまたはアルケニルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C3−8シクロアルキル、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)フェニルまたは
(f)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されている。
【0015】
本発明の化合物のより好ましい実施形態では、Aは未置換−C1−10アルキルまたは未置換−C2−10アルケニルである。さらに別の好ましい実施形態では、Aは未置換−C16アルキルまたは未置換−C2−6アルケニルである。さらに好ましい実施形態では、Aは未置換−C1−4アルキルまたは未置換−C2−4アルケニルである。
【0016】
本発明の化合物の好ましい実施形態では、Rは、
(1)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールまたは
(2)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
からなる群から選択され、
前記アリールまたはヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−OH、
(d)−CNまたは
(e)−O−C1−6アルキル
で置換されており、
mは1または2である。
【0017】
より好ましい実施形態において、Rは未置換であるか1個または2個の位置でハロによって、好ましくはフッ素または塩素によって置換されているフェニルであり、mは1である。
【0018】
本発明の化合物の好ましい実施形態において、Rは、
(1)(R−SO)N(R)−[Rは−C1−6アルキルであり、前記アルキルは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−6アルキルまたは
(v)−C1−6アルキル
で置換されており、
は、
(a)水素、
(b)−C1−6アルキル
からなる群から選択され、
前記アルキルは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−6アルキル、
(v)−C1−6アルキル
で置換されている。]、
(2)
【0019】
【化15】

(3)
【0020】
【化16】

からなる群から選択される。
【0021】
本発明の化合物のより好ましい実施形態において、Rは、(RSO)N(R)−であり、RおよびRはそれぞれC1−6アルキル、例えばそれぞれメチルである。
【0022】
本発明の化合物の好ましい実施形態において、Rは、
【0023】
【化17】

からなる群から選択され、
は、1以上のハロゲン(好ましくはフッ素)で置換されていても良いC1−6アルキルであり;
6a、R6bおよびR6cは独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−OH、
(5)−CNおよび
(6)−O−C1−6アルキル
からなる群から選択され;
およびR10は独立に、
(1)水素および
(2)−C1−6アルキル
からなる群から選択され、
あるいはRおよびR10がそれらが結合している窒素原子と一体となってピロリジン環を形成しており、その環は未置換であるか1以上の
(a)C1−6アルキル、
(b)−(CH−フェニル
で置換されており;
前記アルキルおよびフェニルは未置換であるか1以上の
i)ハロ、
ii)−C1−6アルキル、
iii)−OH、
iv)−CNまたは
v)−O−C1−6アルキル
で置換されており;
11は、
(1)−CH−、
(2)−O−および
(3)−NR−[Rは水素である。]
からなる群から選択され、
ただし、R11が−CH−である場合には点線は結合を形成しており、R11が−O−または−NR−である場合には点線は非存在であり;
12
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル
からなる群から選択される。
【0024】
本発明の化合物のより好ましい実施形態において、R
【0025】
【化18】

であり、
、R6a、R6b、R6cは上記で定義の通りである。好ましい実施形態において、Rは1以上のハロゲン(好ましくはフッ素)で置換されていても良いC1−6アルキルであり;R6a、R6bおよびR6cは独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−OH、
(5)−CNおよび
(6)−O−C1−6アルキル
からなる群から選択される。
【0026】
より好ましい実施形態において、Rは上記の(a)であり、Rはメチルである。別の好ましい実施形態において、Rは上記の(a)であり、R6aおよびR6bは水素であり、R6cはフッ素である。
【0027】
本発明の化合物の別の実施形態では、YはCHである。
【0028】
本発明の化合物の別の実施形態では、YはNである。
【0029】
本発明の別の実施形態は、下記式(II)の化合物およびこれらの製薬上許容される塩に関するものである。
【0030】
【化19】

式中、A、Y、R、R、R、R6a、R6b、R6cおよびmは上記で定義の通りである。式(II)の化合物の1実施形態では、Rはメチルである。式(II)の化合物の別の実施形態では、R6aおよびR6bは水素であり、R6cはフッ素である。
【0031】
式(II)の化合物の好ましい実施形態では、AはCHOH以外である。
【0032】
本発明の別の実施形態は、下記式(III)の化合物およびこれらの製薬上許容される塩に関するものである。
【0033】
【化20】

式中、A、Y、R、R、R11、R12およびmは上記で定義の通りである。式(III)の化合物の好ましい実施形態では、YはNであり、R11はNRである。
【0034】
式(III)の化合物の好ましい実施形態では、AはCHOH以外である。
【0035】
本発明の別の実施形態は、下記式(IV)の化合物およびこれらの製薬上許容される塩に関するものである。
【0036】
【化21】

式中、A、Y、R、R、R、Rおよびmは上記で定義の通りである。好ましい実施形態では、RおよびRはそれぞれC1−6アルキルであり、例えばそれぞれメチルである。
【0037】
式(IV)の化合物の好ましい実施形態では、AはCHOH以外である。
【0038】
本発明の別の実施形態は、下記式(V)の化合物およびこれらの製薬上許容される塩に関するものである。
【0039】
【化22】

式中、R13aおよびR13bは独立に、
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)水素および
(g)−C3−8シクロアルキル
からなる群から選択され;
mは1であり、A、Y、RおよびRは上記で定義の通りである。
【0040】
好ましい実施形態において、R12およびR13はそれぞれハロであり、好ましくはフッ素または塩素のいずれかである。
【0041】
式(V)の化合物の好ましい実施形態では、AはCHOH以外である。
【0042】
本発明の別の実施形態は、下記式(VI)の化合物およびこれらの製薬上許容される塩に関するものである。
【0043】
【化23】

式中、A、Y、R、R、Rおよびmは上記で定義の通りである。
【0044】
式(VI)の化合物の好ましい実施形態では、AはCHOH以外である。
【0045】
本発明の別の実施形態には、下記実施例の標題化合物から選択される化合物およびこの製薬上許容される塩が含まれる。
【0046】
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有する飽和の直鎖もしくは分岐炭化水素基を意味する(例:C1−10アルキルは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。)。本発明での使用において好ましいアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するC1−6アルキル基である。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがある。
【0047】
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「シクロアルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有する飽和環状炭化水素基を意味する(例:C3−8シクロアルキルは、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。)。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。
【0048】
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「アルケニル」という用語は、1個の炭素−炭素二重結合および指定数の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐炭化水素基を意味する(例:C2−10アルケニルは、1〜10個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。)。本発明での使用に好ましいアルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルケニル基である。アルケニル基の例には、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、ブテニルなどがある。
【0049】
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「アルキニル」という用語は、指定数の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐炭化水素基を意味する(例:C2−10アルキニルは、2〜10個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。)。本発明での使用に好ましいアルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルキニル基である。アルキニル基の例には、エチニルおよびプロピニルなどがある。
【0050】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0051】
本発明の化合物は少なくとも1個の不斉中心を有する。分子上の各種置換基の性質に応じてさらなる不斉中心が存在していてもよい。不斉中心を有する化合物はエナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体異性体)またはその両者を形成し、混合物および純粋な化合物または部分精製化合物としての可能な全てのエナンチオマーおよびジアステレオマーが本発明の範囲に含まれるものとする。本発明はこれらの化合物のこのような全ての異性体を含むものである。
【0052】
エナンチオマー豊富もしくはジアステレオマー豊富の化合物の個々の合成またはこれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示の方法に適切な変更を加えることで、当分野で公知の方法に従って実施することができる。これらの絶対立体化学は、絶対配置が既知である不斉中心を含む試薬で必要に応じて誘導体化した結晶生成物または結晶中間体のX線結晶解析により決定することができる。
【0053】
所望により、化合物のラセミ混合物を分離することで、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物とカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後に、分別結晶法やクロマトグラフィー等の標準法により個々のジアステレオマーを分離するなど、当分野で公知の方法により実施することができる。カップリング反応は多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩形成である。その後、付加したキラル残基の開裂によりジアステレオマー誘導体を純粋なエナンチオマーに変換することができる。キラル固定相を使用するクロマトグラフィー法により、化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、このような方法は当分野では公知である。
【0054】
別法として、当分野で公知の方法により、立体配置既知の光学的に純粋な出発材料または試薬を使用する立体選択的合成によって、化合物のいずれかのエナンチオマーを得ることもできる。
【0055】
本発明の化合物は、下記の図式1〜10に示した方法によって製造される。
【0056】
図式1において、1型のアミノ酸誘導体を相当するアルコール2に変換し、それをBoc誘導体2aとして保護することができる。グリシンシフ塩基3の2段階アルキル化によって、4などの保護4級アミノ酸誘導体を得る。シフ塩基脱保護とそれに続くエステル還元は、化合物2への別経路を提供するものである。4の合成に向けた3のアルキル化は、文献記載のエナンチオマー選択的方法で行うことができる(K. Maruoka et al, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 5228-5229およびM. North et al, Tetrahedron Lett. 2003, 44, 2045-2048参照)。
【0057】
【化24】

【0058】
下記の図式2において、スルホニル化、アルキル化、加水分解、アミンカップリング、還元および臭素化が関与する6段階手順によって、5−アミノイソフタル酸ジメチル5をブロマイド6に変換する。アルコール2の脱プロトンとそれに続くブロマイド6を用いたアルキル化によって、誘導体7が得られる。
【0059】
【化25】

【0060】
図式3には、Pdカップリング、加水分解、アミドカップリング、還元および臭素化を介してての5−ヨードイソフタル酸ジメチル8からの9型のブロマイドの製造を示してある。アルコール2をブロマイド9でアルキル化することで、エーテル10が得られる。
【0061】
【化26】

【0062】
図式4には、13型のブロマイドの製造を示してあり、これを次に図式2に記載の方法に従ってジオール2にカップリングさせる。Pdカップリング法を用いた両側鎖の導入とそれに続くエステル部分の還元、その後の臭素化によって13を得る。
【0063】
【化27】

【0064】
図式4の別法である図式4Aには、図式2および4に記載のものと同様の方法に基づく、エーテル連結の導入とそれに続く左側アミンの組み込みを示してある。
【0065】
【化28】

【0066】
図式5には、17型および20型のブロマイドの製造を示してあり、それらは次に図式2に記載の方法に従ってアルコール2にカップリングさせる。フェノール14をアルキル化し、得られたメチルエステルをブロモメチル官能基に変換することで、中間体15が得られる。TMS−CNおよび必要なジブロモアルカンを介してシアノ−シクロアルキル基を導入する。次にシクロプロパン化を行って16を得て、それをブロマイド17に変換する。ブロマイド20の製造は、R12を有する側鎖に関しての同様の方法ならびにRNSOの導入のためのクルチウス転位に基づくものである。
【0067】
【化29】

【0068】
図式6には、21型のブロマイドについての2種類の別途製造法を示してあり、それは次に図式2に記載の方法に従ってアルコール2にカップリングされる。第1の製造法は、メチルエステルのアルデヒドへの変換およびウィティッヒカップリングによるR12含有アルケンの導入に基づくものである。第2の製造法は、インデニウム/パラジウムカップリング戦略に基づくものである。
【0069】
【化30】

【0070】
図式7において、24型のクロロエーテルを25型の相当する酸に変換することができ、それを次に左側のアミンにカップリングさせて、26型のピリジンアミドを得ることができる。
【0071】
【化31】

【0072】
図式8には、30型のアミドおよび31型のアミンの製造を示してある。前記と同様の変換を用いて、5−アミノイソフタル酸ジメチル5から酸27を得る。アミド30は標準的なカップリング試薬を用いて製造され、アミン31は還元および臭素化によって酸28から得られたブロマイド29から誘導される。
【0073】
【化32】

【0074】
33型のベンジルブロマイドの一般的製造を図式9に示してある。32を原料として、ベンジルアルコールの臭素化、得られたベンジルブロマイドのシアン化物置換および適切なジブロモアルカンによるアルキル化によって、相当するシアノ炭素環を得る。エステルモノ加水分解、酸の還元および臭素化によって、ベンジルブロマイド33が得られる。アミノアルコール2aを用いたエーテル化およびエステル加水分解によって酸34を得て、それを所望のアミンとカップリングさせることができる。Boc保護基を脱離させることで、所望の最終生成物35を得る。
【0075】
【化33】

【0076】
37型および38型のベンジルアミノ化合物の一般的製造は、図式10に示した通りである。アミノ酸1を原料として、エステル化およびBoc保護、それに続くDIBALによる還元によって、Boc保護アミノアルコールを得た。そのアルコールを酸化してアルデヒドとし、ベンジルアミンによる還元的アミノ化を行った。得られたベンジル基を、Pd(OH)およびH雰囲気を用いて脱離させて、所望のアミン前駆体36を得た。ベンジルブロマイド6の36による置き換えおよび脱保護によって、37型の最終化合物が得られる。12のエステル加水分解と、それに続く36とのEDCカップリング、得られたアミンのボラン還元およびBoc保護基の脱離によって、38型の所望の最終生成物を得る。
【0077】
【化34】

【0078】
用語「実質的に純粋」は、この分野で知られている分析技術により分析して、分離された物質が、少なくとも90%純粋であること、好ましくは95%純粋であること、さらに好ましくは99%純粋であることを意味する。
【0079】
「製薬上許容される塩」という用語は無機または有機塩基と無機または有機酸を含む製薬上許容される無毒性の塩基または酸から製造される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩が特に好ましい。固体での塩は2種以上の結晶構造でもよいし、水和物でもよい。製薬上許容される無毒性有機塩基から誘導される塩としては、1級、2級および3級アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸や有機酸等の製薬上許容される無毒性酸から塩を製造することができる。このような酸としては例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸が特に好ましい。
【0080】
本発明はβ−セクレターゼ酵素活性またはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)活性の阻害を必要とする哺乳動物等の患者または被験者における前記活性の阻害剤として有効量の当該化合物を投与する段階を含むこれらの化合物の使用に関する。「β−セクレターゼ酵素」「β−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素」および「BACE」という用語は、本明細書では互換的に使用される。ヒト以外にも多様な他の哺乳動物を本発明の方法により治療することができる。
【0081】
本発明はさらに、ヒトおよび動物におけるβ−セクレターゼ酵素活性やβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素活性の阻害用医薬または組成物の製造方法として、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と組み合わせる段階を含む製造方法に関する。本発明はさらに、ヒトおよび動物でのアルツハイマー病の治療のための医薬または組成物の製造方法であって、本発明の化合物を医薬担体もしくは希釈剤と組み合わせる段階を有する方法に関するものでもある。
【0082】
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療において有用である。例えばと当該化合物は、アルツハイマー型の認知症の予防、ならびに初期段階、中間段階または後期段階のアルツハイマー型認知症の治療において有用となり得る。この化合物は、アミロイド前駆体タンパク質(APPとも称される)の異常開裂が介在する疾患の治療においても有用となり得る。そのような状態には、軽度認知障害、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性性認知症、オランダ型遺伝性アミロイド性脳溢血(HCHWA−D)、クロイツェルフェルト・ヤコブ病、プリオン疾患、筋萎縮性測索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、卒中、ダウン症候群、膵炎、封入体筋炎、他の末梢アミロイド症、糖尿病およびアテローム性動脈硬化などがある。
【0083】
本発明の化合物を投与する被験者または患者は一般に、β−セクレターゼ酵素活性の阻害が必要とされるヒトの男性または女性であるが、β−セクレターゼ酵素活性の阻害または上記疾患の治療が所望されるイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジーまたは他のサル類もしくは霊長類等の他の動物でもよい。
【0084】
本発明の化合物は薬剤を併用したほうがどちらかの薬剤単独よりも安全または有効である場合には、本発明の化合物が有用である疾患または状態の治療に他の1種以上の薬剤と併用することができる。さらに本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性を治療、予防、抑制、改善またはリスク低下させる1種類以上の他薬剤と併用することもできる。このような他薬剤は、そのような用途に通常使用されている経路と量で本発明の化合物と同時または順次投与することができる。従って本発明の医薬組成物としては、本発明の化合物以外に1種以上の他の有効成分を含有するものが挙げられる。併用剤は単位製剤併用剤の一部として投与してもよいし、1種以上の追加薬剤を治療法の一部として別個の製剤で投与するキットまたは治療プロトコールとして投与してもよい。
【0085】
単位製剤またはキット形態の本発明の化合物と他薬剤の併用剤の例としては、抗アルツハイマー薬、例えば他のβ−セクレターゼ阻害剤もしくはγ−セクレターゼ阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンなどのNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;ドキシサイクリンおよびリファムピンなどの抗生物質;メマンチンなどのN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬;ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリンなどのコリンエステラーゼ阻害剤;イブタモレン、メシル酸イブタモレンおよびカプロモレリン(capromorelin)などの成長ホルモン分泌促進薬;ヒスタミンH拮抗薬;AMPA作働薬;PDE IV阻害薬;GABA逆作働薬;神経ニコチン系作働薬;あるいは本発明の化合物の効力、安全性、利便性を増すかまたは望ましくない副作用もしくは毒性を低減する受容体または酵素に作用する他薬剤との併用などがある。前記併用剤の具体例は例証に過ぎず、限定的ではない。
【0086】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、所定量または比率の特定成分を含有する製剤と、特定量の特定成分の組み合わせにより直接または間接的に得られる製剤を包含するものである。医薬組成物に関してこの用語は、1種以上の有効成分と不活性成分を含む適宜の担体を含有する製剤と、いずれかの成分2種以上の組み合わせ、錯化もしくは凝集、あるいは成分の1種以上の解離、または成分の1種以上の他の形態の反応もしくは相互作用により直接または間接的に得られる製剤を含むものとする。一般に、医薬組成物は有効成分を液体担体もしくは微粉状固体担体または両者と均質に混和した後に、必要に応じて生成物を所望製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には、疾患の過程または状態に所望の効果を与えるだけの量の活性対象化合物が含有される。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と製薬上許容される担体を混合することにより製造される組成物を包含するものである。
【0087】
経口用医薬組成物は、医薬組成物の製造に当分野で公知の方法により製造することができ、このような組成物は医薬的に見た目が良く口当たりの良い製剤にするために甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1種以上の成分を含むことができる。錠剤は、錠剤製造に適した製薬上許容される無毒性賦形剤と混合した有効成分を含有する。賦形剤は例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;ならびに例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であることができる。錠剤は未コーティングであることができるか、あるいは公知の方法によってコーディングを施して、消化管での崩壊と吸収を遅延させることにより長期間にわたって徐放作用を提供するようにすることができる。
【0088】
経口用組成物は、有効成分を不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合した硬ゼラチンカプセルとして、あるいは有効成分を水または油系媒体(例えば、落花生油、液体パラフィンまたはオリーブ油)と混合した軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0089】
他の医薬組成物には、水系懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含む水系懸濁液などがある。さらに、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油などの植物油あるいは液体パラフィンなどの鉱油中に有効成分を懸濁させることで油系懸濁液を製剤することができる。本発明の医薬組成物は、水中油型乳濁液の形態であることもでき、これはさらに甘味剤および香味剤などの賦形剤を含むことができる。
【0090】
医薬組成物は、公知の技術に従って製剤することができる無菌の注射用水系もしくは油系懸濁液の形態であることができるか、あるいは薬剤の直腸投与用の坐剤の形態で投与することができる。
【0091】
本発明の化合物は、当業者に公知の吸入装置による吸入によって、あるいは経皮貼付剤によって投与することもできる。
【0092】
「製薬上許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と適合可能でなければならず、しかも被投与者に有害であってはならないことを意味する。
【0093】
化合物「の投与」および「を投与する」という用語は、治療上有用な形態と治療上有用な量で、個体体内に導入可能な形態で治療を必要とする個体に本発明の化合物を提供することを意味すると解されるべきで、これらには経口製剤(例:錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液など);注射製剤(例:IV、IMまたはIPなど);経皮製剤(例:クリーム、ゼリー、粉剤または貼付剤);口腔製剤、吸入粉剤、噴霧剤、懸濁液など;さらには直腸座剤などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0094】
「有効量」または「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医師その他の臨床関係者により求められる組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する対象化合物の量を意味する。本明細書で使用する「治療」という用語は、特に該当する疾患または障害の症状を示す患者における言及される状態の治療を指す。
【0095】
本発明の化合物を含有する組成物は単位製剤の形態が簡便であると考えられ、製薬分野で公知の方法により製造することができる。「単位製剤」という用語は、患者または薬剤を患者に投与する者が全用量を収容した単一の容器またはパッケージを開封することができ、2個以上の容器またはパッケージからの成分を混合する必要がないように、全ての有効成分と不活性成分を適切な系で組み合わせた単一用量を意味するものである。単位製剤の代表的な例は、経口投与用の錠剤もしくはカプセル、注射用の単一用量バイアル、または直腸投与用坐剤である。単位製剤について前記で列記したものはいかなる形でも限定的なものではなく、単位製剤の代表例に過ぎない。
【0096】
本発明の化合物を含有する組成物は簡便にはキットとして提供することができ、これは、有効成分、不活性成分、担体、希釈剤などの2種以上の成分を、患者または薬剤を患者に投与する者が実際の製剤を調製する説明書とともに提供するものである。このようなキットには、必要な全ての材料および成分が入っていて良く、あるいは患者または薬剤を患者に投与する者が別途入手しなければならない材料または成分を使用もしくは製造するための説明書があってよい。
【0097】
アルツハイマー病または本発明の化合物の適応症である他の疾患を治療する場合には、1日用量約0.1mg〜約100mg/kg動物体重の本発明の化合物を、好ましくは1日1回または1日2〜6回に分けるか、あるいは徐放製剤で投与するとほぼ満足な結果が得られる。合計1日用量は、約1.0mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約20mg/kgである。体重70kgの成人の場合、合計1日用量は約7mg〜約1400mgである。最適治療応答が得られるように、この投与法を調節することができる。1日1〜4回、好ましくは1日1回または2回の投与法で化合物を投与することができる。
【0098】
投与における本発明の化合物またはその製薬上許容される塩の具体的な用量には、1mg、5mg、10mg、30mg、80mg、100mg、150mg、300mgおよび500mgなどがある。本発明の医薬組成物は、有効成分約0.5mg〜1000mgを含む、より好ましくは有効成分約0.5mg〜500mg;あるいは有効成分0.5mgまたは250mg;または有効成分1mgまたは100mgを含む製剤で提供することができる。治療に有用な具体的な医薬組成物は、有効成分約1mg、5mg、10mg、30mg、80mg、100mg、150mg、300mgおよび500mgを含むことができる。
【0099】
しかし、当然のことながら、特定患者における具体的な用量レベルおよび投与頻度は変動し得るものであり、使用する具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性と作用期間、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の形態および時刻、排泄速度、併用薬剤、特定の状態の重度、および宿主が受けている治療などの各種要素によって決まる。
【0100】
β−セクレターゼ酵素活性阻害剤としての本発明の化合物の有用性は当分野で公知の方法により立証することができる。酵素阻害は次のように測定する。
【0101】
FRETアッセイ:BACE1により分解され、TAMRAから蛍光を放出する基質([TAMRA−5−CO−EEISEVNLDAEF−NHQSY]QFRET)を用いて均質終点蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイを使用する。基質のKmは、基質の溶解限度のために測定できない。代表的な反応は、約30nM酵素、1.25μM基質および緩衝液(50mM NaOAc,pH4.5、0.1mg/mL BSA、0.2%CHAPS、15mM EDTAおよび1mMデフェロキサミン)を総反応容量100μL中に含む。反応は30分間行い、96ウェルプレートLJLアナリストAD(LJL Analyst AD)で励起波長530nmと発光波長580nmを使用してTAMRA断片の遊離を測定する。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE1によりプロセシングされる。これらの試験で使用した酵素はバキュロウイルス発現システムで産生された可溶性(膜貫通ドメインと細胞質延長部を除く)ヒトタンパク質とした。化合物の阻害力価を測定するために、阻害剤のDMSO溶液(1mM、100μM、10μM、1μMの4種の阻害剤濃度を調製)を反応混合物に加えた(最終DMSO濃度は0.8%とする)。いずれの実験も、上記標準反応条件を使用して室温で実施した。化合物のIC50を測定するために、競合式V0/Vi=1+[I]/[IC50]を使用して化合物の阻害力価を予測した。解離定数再現における誤差は代表的には2倍未満である。
【0102】
HPLCアッセイ:BACE1により分解され、クマリンと結合したN末端フラグメントを遊離する基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)と共に均質終点HPLCアッセイを使用する。基質のKmは100μMを上回り、基質の溶解限度により測定できない。代表的な反応は、約2nM酵素、1.0μM基質および緩衝液(50mM NaOAc,pH4.5、0.1mg/mL BSA、0.2%CHAPS、15mM EDTAおよび1mMデフェロキサミン)を総反応容量100μL中に含む。反応は30分間行い、1M ris−HCl(pH8.0)25μLを加えて反応を停止する。得られた反応混合物をHPLCに乗せ、5分間の直線勾配を使用して生成物を基質から分離する。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE1によりプロセシングされる。これらの試験で使用した酵素はバキュロウイルス発現システムで産生された可溶性(膜貫通ドメインと細胞質延長部を除く)ヒトタンパク質とした。化合物の阻害力価を測定するために、阻害剤のDMSO溶液(FRETにより予測された力価に応じた濃度範囲で12種の阻害剤濃度を調製)を反応混合物に加えた(最終DMSO濃度は10%とする)。いずれの実験も、上記標準反応条件を使用して室温で実施した。化合物のIC50を測定するために、4パラメーター式を曲線適合に使用する。解離定数の再現における誤差は代表的には2倍未満である。
【0103】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイでβ−セクレターゼ酵素を阻害する活性を有しており、IC50は約1nM〜100μMであった。このような結果は、これらの化合物がβ−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用する上で固有の活性を有することを示している。
【0104】
本発明の化合物についてのいくつかの製造方法を、本明細書における図式および実施例で説明する。出発材料は当分野で公知の手順または本明細書で説明する手順に従って製造される。下記実施例は、本発明についての理解をさらに深めることを目的として提供されるものである。これらの実施例は例示に過ぎず、いかなる形でも本発明を限定するものではない。
【0105】
本文を通じて、下記の略称を用いる。
【0106】
Me:メチル
Et:エチル
Bu:ブチル
t−Bu:tert−ブチル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Ac:アセチル
Bn:ベンジル
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Pyr:ピリジン
TFA:トリフルオロ酢酸
DMF:N,N′−ジメチルホルムアミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
NIS:N−ヨードコハク酸イミド
DMI:(1,3−ジメチル)−2−イミダゾリジノン
TBAF:テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
HMDS:ヘキサメチルジシラザン
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸
rac:ラセミ
CBz:ベンジルオキシカルボニル
CDI:N,N′−カルボニルジイミダゾール
DIBAL:水素化アルミニウムジイソブチル
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TMS:トリメチルシリル
BSA:ウシ血清アルブミン
CHAPS:3−[(3−クロロアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート
rt:室温
HPLC:高速液体クロマトグラフィー。
【0107】
中間体I:2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オール(図式1)
【0108】
【化35】

rac−α−メチル−フェニルアラニン(1.74g、9.71mmol)のTHF(30mL)溶液に室温で、NaBH(0.92g、24.27mmol)を一気に加えた。溶液を冷却して0℃とした、ヨウ素(2.46g、9.71mmol)のTHF(5mL)溶液を30分間かけて滴下した。添加完了後、反応液を2日間加熱還流した。次に、反応液を冷却して0℃とし、発泡が止むまでメタノールを加えることで反応停止した。pH1まで6N HClを加えることで反応混合物を酸性とし、50℃で30分間攪拌し、減圧下に濃縮した。イオン交換クロマトグラフィー(SCXカートリッジ)を用いた精製によって、2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オールIを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.35〜7.18(m、5H)、3.36(ABのA、d、J=10.4Hz、1H)、3.31(ABのB、d、J=10.4Hz、1H)、2.70(s、2H)、1.04(s、3H)。
【0109】
中間体II:2−アミノ−2−ベンジルヘキサン−1−オール(図式1)
【0110】
【化36】

段階A:アルキル化
rac−メチル−N−(ジフェニルメチレン)フェニルアラニネート(0.50g、1.4mmol)(合成については:O′Donnell et al, J. Org. Chem. 1982, 47, 2663-2666参照)のDMF(6mL)溶液に0℃で、95%NaH(0.14g、5.6mmol)を加えた。30分後、暗赤色反応液にヨウ化ブチルを注射器で加えた。0℃で30分後、反応液を昇温させて室温として14時間経過させ、次に水を加えることで反応停止した。水層をEtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(40gシリカ、0から8%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、メチル−α−ブチル−N−(ジフェニルメチレン)フェニルアラニネートを粘稠油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.57(m、2H)、7.37〜7.17(m、1H)、7.05〜7.03(m、2H)、3.36(d、J=11.5Hz、1H)、3.32(d、J=11.5Hz、1H)、3.24(s、3H)、1.78(m、2H)、1.41(m、2H)、1.29〜1.24(m、2H)、0.89(t、J=7.2Hz、3H)。LC/MSM+H=400。
【0111】
段階B:脱保護
段階Aからのメチル−α−ブチル−N−(ジフェニルメチレン)フェニルアラニネート(0.31g、0.78mmol)のMeOH(10mL)溶液に、3.33M塩酸(0.69mL、2.3mmol)を加えた。室温で1.5時間後、反応液を減圧下に濃縮して揮発分を除去し、飽和NaHCO水溶液に再度溶かした。水層をEtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20gシリカ、0%から30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、メチル−α−ブチルフェニルアラニネートを粘稠油状物として得た。H NMR(400MHz、d−MeOH)δ7.30〜7.23(m、3H)、7.14〜7.12(m、2H)、3.68(d、J=13.1、1H)、3.18(d、J=13.1、1H)、1.92(m、1H)、1.61(m、1H)、1.51〜1.32(m、3H)、1.12(m、1H)。M+H=236。
【0112】
段階C:還元
段階Bからのメチルエステル(0.13g、0.55mmol)の(7.8mL)THF溶液に、LiBH(2.3mL、4.6mmol、2M THF溶液)を加えた。2時間還流後、反応液を冷却して室温とし、MeOH、次にアセトンを滴下することで反応停止した。揮発分を減圧下に除去した後、残留物を1N HCl 23mLに再度溶かし、45℃で1.5時間加熱した。揮発分を減圧下に除去し、残留物を飽和NaHCO水溶液に再度溶かした。水層をCHClで抽出し(4回)、合わせた有機層をNaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、2−アミノ−2−ベンジルヘキサン−1−オールIIを得た。それをそれ以上精製せずに次の反応で用いた。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.32〜7.18(m、5H)、3.32(m、2H)、7.70(m、2H)、1.53〜1.31(m、6H)、0.93(t、J=6.8Hz、3H)。LCMS M+H=208。
【0113】
中間体III:3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0114】
【化37】

段階A:スルホニル化
5−アミノイソフタル酸ジメチル(5.0g、23.90mmol)のCHCl/ピリジン(3:1)(100mL)中スラリーを0℃で攪拌しながら、これにメタンスルホニルクロライド(1.85mL、23.90mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去し、酢酸エチル(100mL)を加えたところ、沈澱が形成された。生成物を濾過によって回収して、スルホンアミドを白色固体として得た。H NMR(DMSO−d)δ8.15(s、1H)、8.02(s、2H)、3.89(s、6H)、3.02(s、3H)。LCMS[M−OCH=256.16。
【0115】
段階B:メチル化
水素化ナトリウム(0.153g、3.83mmol、オイル中60%分散品)のDMF(10mL)溶液に、段階Aからのスルホンアミド(1.0g、3.48mmol)、次にヨウ化メチル(0.43mL、6.97mmol)を加えた。1時間後、HO(100mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで3回)。有機抽出液をMgSOで脱水し、溶媒留去して生成物を得た。H NMR(DMSO−d)δ8.40(s、1H)、8.19(s、2H)、3.91(s、6H)、3.34(s、3H)、3.01(s、3H)。LCMS[M+H]=302.15。
【0116】
段階C:加水分解
段階Bからのジエステル(1.03g、3.38mmol)を、THF:MeOH(1:1)50mLに溶かし、冷却して0℃とした。1N NaOH(3.38mL、3.38mmol)を加え、反応液を8時間かけて昇温させて室温とした。溶液を1N HCl(30mL)で酸性とし、EtOAcで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%HOAc含有5%MeOH/CHCl)による精製によって、モノ酸を得た。H NMR(DMSO−d)δ8.30(s、1H)、8.10(s、2H)、3.84(s、3H)、3.27(s、3H)、2.94(s、3H)。LCMS(M+H)=288.16。
【0117】
段階D:アミンカップリング
段階Cからのモノ酸0.133g(0.46mmol)のCHCl(5mL)溶液、BOP試薬(0.235g、0.55mmol)、(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(0.071mL、0.55mmol)およびジイソプロピルアミン(0.24mL、1.39mmol)を含む溶液を、室温で1時間攪拌した。溶媒の留去およびシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(90%EtOAc/ヘキサン)によってベンジルアミドを得た。H NMR(CDCl)δ8.26(s、1H)、8.17(s、1H)、8.06(s、1H)、7.31(m、5H)、6.50(d、J=7.1Hz、1H)、5.33(q、J=7.1Hz、1H)、3.96(s、3H)、3.37(s、3H)、2.88(s、3H)、1.64(d、J=7.0Hz、3H)。LCMS(M+H)=391.20。
【0118】
段階E:還元
段階Dからのメチルエステル(627mg、1.54mmol)のTHF(5mL)を溶液冷却してとし0℃とし、それにLiBH(2.3mL、4.62mmol、2.0M THF溶液)を滴下した。反応混合物を0℃で20分間攪拌し、昇温させて室温として14時間経過させ、MeOHを滴下することによって反応停止した。揮発分を減圧下に除去し、残留物をEtOAcに取り、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗アルコールを得た。それを段階Fでそのまま臭素化した。
【0119】
段階F:臭素化
段階Eからの粗アルコール(355mg、0.93mmol)および四臭化炭素(0.4g、1.2mmol)の1:1CHCN:CHCl(4.6mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(0.29g、1.1mmol)の1:1CHCN:CHCl(4.6mL)溶液を滴下した。室温で45分間攪拌後、LC/MS分析によって反応が完結したように見えるまで、追加の四臭化炭素およびトリフェニルホスフィン(200mg/150mgおよび20mg/15mg)を30分の間隔を設けて加えた。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカ、25%から60%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド220mgを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.73(s、1H)、7.65(s、1H)、7.57(s、1H)、7.32〜7.40(m、2H)、7.09〜7.01(m、2H)、6.32(d、J=7.6Hz、1H)、5.36〜5.24(m、1H)、4.50(s、2H)、3.36(s、3H)、2.78(s、3H)、1.62(d、J=6.5Hz、3H)。
【0120】
中間体IV:tert−ブチル(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カーバメート(図式1)
【0121】
【化38】

2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オール(255mg、1.54mmol、中間体I、図式1)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(337mg、1.54mmol)の溶液を、室温で16時間攪拌し、減圧下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から25%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert−ブチル(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カーバメートを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.35〜7.15(m、5H)、4.48(brs、1H)、4.17(brs、1H)、3.76〜3.62(m、2H)、3.19(ABのA、d、J=13.6Hz、1H)、2.81(ABのB、d、J=13.6Hz、1H)、1.47(s、9H)、1.07(s、3H)。
【0122】
中間体V:N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタンアミン
【0123】
【化39】

段階A:カップリング
2リットルフラスコ中、トランス−クロトン酸(15.0g、174mmol)、ベンジルアミン(20.5g、192mmol)およびDIPEA(36.7g、192mmol)を、塩化メチレン700mLに溶かした。この溶液に室温で、EDC−HCl(36.7g、192mmol)を固体として少量ずつ加え、終夜攪拌した。反応混合物を10%KHSO水溶液(250mL)に投入した。層を分離し、再度10%KHSO水溶液で洗浄した。有機層を、HO(200mL)次にブライン(150mL)の順で洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮して乾固させて、(2E)−N−ベンジルブト−2−エンアミドの白色結晶を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.28(m、5H)、6.85(6重線、J=6.8Hz、1H)、5.78(dd、J=15.2、1.6Hz、2H)、4.47(d、J=5.6Hz、2H)、1.82(dd、J=7.2,1.6Hz、3H)。
【0124】
段階B:シクロプロパン化
高攪拌したEtO(300mL)および40%KOH水溶液(111mL)の入った三角フラスコで、1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(11.1g、67mmol)を室温で5分間かけて少量ずつ加えた。添加完了したら攪拌を停止し、水層を−78℃浴で凍結させた。エーテル層を、KOHペレットの入った三角フラスコに傾斜法によって入れた。内容物を5分間静置し、KOHペレットの入った第3のフラスコに傾斜法によって入れ、次に(2E)−N−ベンジルブト−2−エンアミド(3.0g、17.1mmol、段階Aから)の入ったEtO/THF溶液(200mL/50mL)に投入した。次にPd(OAc)(180mg、0.9mmol)を加え、反応液を昇温させて室温とし、1時間攪拌した。窒素を反応液に10分間吹き込んだ。混合物をHO(150mL)で洗浄した。有機層を分離し、次にNaSOで脱水した。溶媒除去およびSiOでのフラッシュクロマトグラフィー精製(EtOAc/ヘキサン)によって、N−ベンジル−トランス−2−メチルシクロプロパンカルボキサミドを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.28(m、5H)、5.81(brs、1H)、4.43(dd、J=5.6、2.4Hz、2H)、1.37(m、1H)、1.17(m、1H)、1.07(d、J=6.0Hz、3H)、1.04(重複m、1H)、0.56(m、1H)。
【0125】
段階C:還元
N−ベンジル−トランス−2−メチルシクロプロパンカルボキサミド(段階Bから、3.9g、20.6mmol)のTHF(80mL)溶液が入った500mLフラスコに、BH−THF(1.0M、105mL、105mmol)を滴下漏斗から滴下した。添加完了後(10分間)、混合物を5時間還流した。混合物を放冷して室温とし、MeOH(15mL)で注意深く反応停止した。混合物を濃縮して乾固させ、塩化メチレンに溶かし、3M KOHで洗浄した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮して乾固させた。粗取得物を1N HCl/ジオキサンで50℃にて1時間処理した。混合物を濃縮して、塩酸塩を白色固体として得た。固体を飽和NaHCO水溶液(80mL)に溶かし、CHClで抽出した(150mLで3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、溶媒をロータリーエバポレータ留去によって除去して、真空乾燥後にN−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタンアミンをオフホワイト半固体として得た(定量的)。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.28(m、5H)、3.80(s、2H)、2.50(d、J=6.8Hz、2H)、2.4(brs、1H)、1.02(d、J=6.0Hz、3H)、0.69(m、1H)、0.52(m、1H)、0.23(m、2H)。
【0126】
中間体VI:tert−ブチル[1−ベンジル−2−({2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)−1−メチルエチル]カーバメート(図式4A)
【0127】
【化40】

段階A:スルホンアミド導入
2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル(10g、48.5mmol)、メチル(プロピルスルホニル)アミン(7.99g、58.2mmol)、リン酸カリウム(14.4g、68mmol)、キサントホス(1.69g、2.9mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.89g、0.97mmol)を、乾燥させてアルゴンを流したフラスコに加えた。ジオキサン(400mL)を加え、溶液をアルゴンで脱気し、反応液を加熱して100℃として16時間経過させた。反応液を冷却して室温とし、セライトで濾過し、減圧下に溶媒留去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から35%EtOAc/ヘキサン)によって、2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]イソニコチン酸メチルを黄色油状物として得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ7.88(s、1H)、7.72(s、1H)、3.96(s、3H)、3.91(t、J=6.4Hz、2H)、3.13(s、3H)、1.68〜1.53(m、2H)、0.93(t、J=7.5Hz、3H)。
【0128】
段階B:還元
2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]イソニコチン酸メチル(3.5g、11.5mmol)のTHF(50mL)溶液を冷却して0℃とし、それにLiBH(17.2mL、34.4mmol、2M THF溶液)を加えた。10分後、反応混合物を昇温させて室温とし、3.5時間攪拌した。反応混合物をEtOAc、MeOHおよび水で注意深く反応停止した。EtOAcで希釈した後、有機層を抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮してN−[6−クロロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミドを得た。それを臭素化段階でそのまま用いた。
【0129】
段階C:臭素化
N−[6−クロロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミド(740mg、2.65mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液を冷却して0℃とし、それに四臭化炭素(967mg、2.92mmol)およびトリフェニルホスフィン(765mg、2.92mmol)を加えた。10分後、反応混合物を昇温させて室温とし、0.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から25%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、N−[4−(ブロモメチル)−6−クロロピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミドを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.34(s、1H)、7.22(s、1H)、4.35(s、2H)、3.85(t、J=7.6Hz、2H)、3.04(s、3H)、1.64〜1.50(m、2H)、0.93(t、J=7.2Hz、3H)。
【0130】
段階D:エーテル導入
tert−ブチル(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カーバメート(250mg、0.94mmol、中間体IV)およびN−[4−(ブロモメチル)−6−クロロピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミド(290mg、0.85mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に、トリフ酸銀(290mg、1.13mmol)およびポリマー結合した2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(1.84g、2.83mmol、アルドリッチ(Aldrich)37782−1)を加えた。反応混合物を、油浴で50℃にて16時間攪拌し、45分、60分および90分の間隔で90℃にてマイクロ波(スミス合成装置(Smith Synthesizer))下で照射を行った(3回、第2回および第3回の前に、追加のトリフ酸銀およびポリマー結合した2,6−ジ−tert−ブチルピリジンを加えた)。反応混合物をセライトで濾過し、塩化メチレンで洗い、減圧下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert−ブチル[1−ベンジル−2−({2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)−1−メチルエチル]カーバメートを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.34〜7.16(m、7H)、4.56(s、2H)、4.50(s、1H)、3.83(t、J=6.8Hz、2H)、3.66(ABのA、d、J=9.2Hz、1H)、3.54(ABのB、d、J=9.2Hz、1H)、3.15(ABのA、d、J=13.2Hz、1H)、3.03(s、3H)、2.90(ABのB、d、J=13.2Hz、1H)、1.64〜1.50(m、2H)、1.47(s、9H)、1.26(s、3H)、0.92(t、J=7.2Hz、3H)。
【0131】
中間体VII:4−({2−[tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸(図式7)
【0132】
【化41】

tert−ブチル[1−ベンジル−2−(12−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)−1−メチルエチル]カーバメート(115mg、0.22mmol、中間体VI)、炭酸ナトリウム(70mg、0.66mmol)、PdCl(PhCN)(2mg、0.004mmol)、4Åシーブスおよび1−[2−(ジシクロヘキシルホスファニル)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスファン(11mg、0.017mmol、STREM)のn−ブタノール(2mL、アルゴンで脱気し)懸濁液をCOでパージし、1気圧のCO下で100℃にて16時間攪拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から35%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、4−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸ブチルを黄色油状物として得た。それを1:1 THF:MeOH(1.6mL)に溶かし、LiOH水溶液(0.38mL、0.38mmol、1N)と室温で2時間反応させた。反応混合物を1N HClでpH3〜4の酸性とし、塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮し、トルエンと共沸させて、4−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸を黄色油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.03(s、1H)、7.71(s、1H)、7.34〜7.13(m、5H)、4.67(s、2H)、4.49(s、1H)、3.93(t、J=7.6Hz、2H)、3.72(ABのA、d、J=9.2Hz、1H)、3.62(ABのB、d、J=9.2Hz、1H)、3.17(ABのA、d、J=13.6Hz、1H)、3.05(s、3H)、2.90(ABのB、d、J=13.6Hz、1H)、1.70〜1.55(m、2H)、1.46(s、9H)、1.27(s、3H)、0.96(t、J=7.6Hz、3H)。
【0133】
中間体VIII:3−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸(図式6)
【0134】
【化42】

段階A:ヨウ素化
3−ニトロ安息香酸エステル(35.3g、195mmol)のトリフ酸(100mL)溶液に0℃で、NIS(43.8g、195mmol)を10回に分けて加えた。氷浴を外し、48時間攪拌する。反応は代表的には50%完了する。その後、追加のNISを加え、冷却して0℃とし、水を注意深く滴下することで反応停止できた。混合物をEtOAc(250mL)で3回抽出し、合わせた抽出液を10%NaHSO溶液、次に水で洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濃縮し、シリカゲル(10%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望のヨウ化物を得た。
【0135】
段階B:ニトロ還元
塩化スズ(88.6g、392mmol)のEtOH(50mL)溶液を還流させ、段階Aからのニトロ安息香酸エステル(24.1g、78.4mmol)の1:1 THF:EtOH(100mL)溶液を滴下した。反応混合物を30分間還流させ、冷却して0℃とした。得られた溶液をNaCO水溶液でpH8〜9の塩基性とした。水層をEtOAc(700mL)で3回抽出し、合わせた抽出液を飽和NaHCOと次にブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濃縮して、所望のアニリンを得た。これをそれ以上精製せずに用いた。
【0136】
段階C:メシル化
段階Bからのアニリン(21.7g、78.3mmol)の3:1 CHCl:ピリジン(75mL)溶液に0℃で、メタンスルホニルクロライド(6.36mL、82.2mmol)を加えた。氷浴を15分後に外し、溶液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を1N HClで数回抽出した。有機相を脱水し、濃縮し、クロマトグラフィー精製して(1:1 EtOAc:ヘキサン)、所望のスルホンアミドを白色固体として得た。
【0137】
段階D:メチル化
段階Cからのスルホンアミド(23.6g、66.5mmol)のDMF(75mL)溶液を0℃で、60%NaH(2.92g、73.1mmol)で処理した。溶液を30分間攪拌してから、MeI(4.55mL、73.1mmol)を加えた。氷浴を外し、溶液を室温で12時間攪拌した。飽和NHCl溶液で反応停止し、EtOAc(150mL)で3回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し(50mLで5回)、脱水し、濃縮して、所望のメチル化アニリド25.3gを得た。これをそれ以上精製せずに用いた。
【0138】
段階E:酸化
トランス−2−メチルシクロプロパンメタノール(7.0g、81mmol)を、PCC(28g、130mmol)のCHCl(225mL)溶液に加えた。溶液が黒色となり、それを室温で3時間攪拌した。反応混合物をエーテル(250mL)で希釈し、傾斜法で液を取った。得られた溶液を約10cm(4インチ)のフロリジル(Florisil)層で濾過し、溶媒をビグローカラムによる蒸留で除去して、所望のアルデヒドを得た。
【0139】
段階F:コーリー・フックス反応
PPh(12.4g、47.5mmol)のCHCl(100mL)溶液に0℃で、CBr(7.88g、23.7mmol)を加えた。反応混合物を10分間攪拌し、段階Eからのカルボキシアルデヒド(1.0g、12mmol)で処理した。溶液を0℃で30分間、次に室温で1時間攪拌した。ヘキサンを加え、固体を濾過し、濾液を濃縮して、所望のジブロマイドを得た。
【0140】
段階G:アルキン形成
段階Fからのジブロマイド(15.4g、64.1mmol)のシクロヘキサン(60mL)溶液を−78℃にて、2.0M n−BuLi/シクロヘキサン溶液(64.1mL、128mmol)で処理した。得られた反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、昇温させて室温とし、これを2時間攪拌した。水で反応停止し、シクロヘキサンで抽出した(25mLで3回)。生成物を蒸留によって精製した(沸点=69〜72℃)。
【0141】
段階H:カップリング
100mL三頸丸底フラスコにInCl(0.829g、10.4mmol)を入れ、ヒートガンで2分間真空乾燥した。窒素下にTHF(16mL)を加え、フラスコを−78℃氷浴に浸けた。DIBAL−H(12.4mL、1Mヘキサン溶液)を滴下し、得られた溶液を−78℃で30分間攪拌した。その後、段階Gからのアセチレン(10.4mmol)を加え、次に1.0M EtB(1.6mL、1Mヘキサン溶液)を加えた。その反応混合物を−78℃で2.5時間攪拌し、昇温させて室温とした。DMI(12mL)および段階Dからのヨウ化アリール(1.47g、4.0mmol)を加え、次にパラジウム・トリフリルホスフィン錯体(THF(6mL)中にてPd(DBA)・CHCl(20mg)およびトリフリルホスフィン(28mg)から調製)を加えた。得られた反応混合物を60℃で2時間加熱し、水で反応停止し、エーテルで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機抽出液を脱水し、濃縮し、生成物をキラルOJカラム(60:40 0.1%TFA含有ヘキサン:EtOH)で精製した。第1のピークを回収して、所望のジアステレオマーを得た。
【0142】
段階I:エステル加水分解
段階Hからのエステル276mg(0.853mmol)のTHF:MeOH:水(3:1:1)(10mL)溶液に、2N NaOH(0.64mL、1.28mmol)を加えた。溶液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、2N HCl(10mL)で酸性とし、CHClで抽出した(20mLで3回)。合わせた有機抽出液をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、所望のカルボン酸を得た。LCMS(M+H)=310.12。
【0143】
中間体IX:3−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]−5−[プロピル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸(図式6)
【0144】
【化43】

段階Dでヨウ化メチルに代えてヨウ化プロピルを用いた点のみ変えて、3−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸と同様にして、この化合物を製造した。
【0145】
中間体X:N−{3−(ブロモメチル)−5−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド(図式6)
【0146】
【化44】

段階A:酸還元
3−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]−5−[プロピル(メチルスルホニル)アミノ]安息香酸(0.072g、0.213mmol)のTHF(2.5mL)溶液に、カルボニルジイミダゾール(CDI)(0.052g、0.320mmol)を一気に加えた。室温で2時間後、NaBH(0.024g、0.640mmol)を一気に加え、反応を室温で16時間進行させた。濃縮を行い、残留物をEtOAcとHOとの間で分配した。分液を行い、EtOAcで水溶液を洗浄し(2回)、合わせた有機層をNaSOで脱水し、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(20%から75%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、所望のアルコールを粘稠油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.79(s、1H)、7.08(s、1H)、6.99(s、1H)、6.25(d、J=11.2Hz、1H)、5.15(見かけのt、J=11.2Hz、1H)、4.70(s、2H)、3.61(t、J=7.2Hz、2H)、2.89(s、3H)、1.54〜1.43(m、3H)、1.06(d、J=6.0Hz、3H)、0.89〜0.73(m、4H)、0.69〜0.57(m、2H)。LCMS[M+H]=324。
【0147】
段階B:臭素化
段階Aからのアルコール(0.069g、0.213mmol)およびCBr(0.113g、0.341mmol)のCHCl(1.0mL)およびCHCN(1.0mL)溶液に0℃で、PhP(0.090g、0.341mmol)のCHCl(0.50mL)およびCHCN(0.50mL)溶液をカニューレを用いて加えた。0℃で2時間後、MeOH 0.5mLを加えることで反応停止し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5%から75%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、N−{3−(ブロモメチル)−5−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミドを透明油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.37(s、1H)、7.31(s、1H)、7.19(s、1H)、6.24(d、J=11.5Hz、1H)、5.15(dd、J=11.3、9.9Hz、1H)、4.46(s、2H)、3.61(t、J=7.1Hz、2H)、2.87(s、3H)、1.54〜1.46(m、3H)、1.11(d、J=5.9Hz、3H)、0.92〜0.88(m、4H)、0.68〜0.59(m、2H)。LCMS[M+H]=386、388(臭素のパターン)。
【0148】
中間体XI:3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(図式8)
【0149】
【化45】

段階A:還元
3−(メトキシカルボニル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(12.0g、38.1mmol、中間体Aの製造について記載のものと同様の手順を用いて5−アミノイソフタル酸ジメチルおよびヨウ化プロピルから製造)のTHF(250mL)溶液を冷却して0℃とし、それにBH−THF(190.3mL、190.3mmol、1M THF溶液)を加えた。10分後、反応混合物を昇温させて室温とし、15時間攪拌した。反応混合物を再度冷却して0℃とし、MeOHで注意深く反応停止した。混合物を濃縮して最初の容量の半量とし、EtOAcおよび水で希釈した。希釈後、有機層を抽出し、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、3−(ヒドロキシメチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸メチルを黄色油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.02(s、1H)、7.89(s、1H)、7.60(s、1H)、4.79(d、J=5.7Hz、2H)、3.94(s、3H)、3.67(t、J=7.2Hz、2H)、2.90(s、3H)、1.87(brt、J=5.7Hz、1H)、1.55〜1.45(m、2H)、0.92(t、J=7.4Hz、3H)。
【0150】
段階B:臭素化
3−(ヒドロキシメチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸メチル(2.99g、9.92mmol)の塩化メチレン(90mL)溶液に、四臭化炭素(4.28g、12.9mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.12g、11.9mmol)を加えた。15時間後、反応混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から40%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−(ブロモメチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸メチルを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.04(s、1H)、7.91(s、1H)、7.61(s、1H)、4.50(s、2H)、3.94(s、3H)、3.67(t、J=7.2Hz、2H)、2.90(s、3H)、1.56〜1.46(m、2H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。
【0151】
段階C:エーテル導入
tert−ブチル(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カーバメート(728mg、2.75mmol)および3−(ブロモメチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸メチル(500mg、1.37mmol)の塩化メチレン(30mL)溶液に、トリフ酸銀(423mg、1.65mmol)およびポリマーに結合させた2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(1.53g、2.75mmol、負荷量=1.8mmolN/g樹脂/、アルドリッチ37782−1)を加えた。反応混合物を、密閉フラスコ中にて室温で16時間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、塩化メチレンおよびMeOHで洗い、減圧下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から45%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸メチルを白色泡状物として得た(中間体xx)。
【0152】
H NMR(400MHz、CDCl)δ7.99(s、1H)、7.92(s、1H)、7.57(s、1H)、7.30〜7.20(m、3H)、7.18〜7.7.14(m、2H)4.60(s、2H)、4.56(s、1H)、3.95(s、3H)、3.68(t、J=6.7Hz、2H)、3.57(ABのA、d、J=8.9Hz、1H)、3.47(ABのB、d、J=8.9Hz、1H)、3.15(ABのA、d、J=13.2Hz、1H)、2.94(ABのB、d、J=13.2Hz、1H)、2.90(s、3H)、1.55〜1.45(m、2H)、1.47(s、9H)、1.27(s、3H)、0.92(t、J=7.3Hz、3H)。
【0153】
段階D:ケン化
3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸メチル(462mg、0.842mmol)のTHF(15mL)溶液に、LiOH水溶液(4.21mL、4.21mmol、1N)を加えた。室温で20時間高攪拌した後、反応混合物をHCl(4.07mL、4.07mmol、1N)でpH4の酸性とし、塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸を白色泡状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.05(s、1H)、7.96(s、1H)、7.61(s、1H)、7.30〜7.20(m、3H)、7.18〜7.13(m、2H)4.66〜4.57(m、3H)、3.68(t、J=7.2Hz、2H)、3.59(ABのA、brd、J=8.5Hz、1H)、3.49(ABのB、brd、J=8.5Hz、1H)、3.15(ABのA、d、J=13.3Hz、1H)、2.93(ABのB、d、J=13.3Hz、1H)、2.91(s、3H)、1.57〜1.45(m、2H)、1.47(s、9H)、1.27(s、3H)、0.92(t、J=7.4Hz、3H)。
【0154】
中間体XII:N−[3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−(ブロモメチル)フェニル]−N−プロピルメタンスルホンアミド
【0155】
【化46】

段階A:還元
3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI、145mg、0.271mmol)のTHF(2mL)溶液を冷却して0℃とし、それにBH−THF(1.356mL、1.356mmol、1M THF溶液)を加えた。10分後、反応混合物を昇温させて室温とし、60時間攪拌した。反応混合物を再度冷却して0℃とし、MeOHで注意深く反応停止した。混合物を濃縮して最初の容量の半量とし、EtOAcおよび水で希釈した。希釈後、有機層を抽出し、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、N−[3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−N−プロピルメタンスルホンアミドを白色泡状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.33(s、1H)、7.29(s、1H)、7.28〜7.20(m、4H)、7.17〜7.13(m、2H)、4.74(s、2H)、4.60〜4.51(m、3H)、3.63(t、J=7.2Hz、2H)、3.53(ABのA、d、J=8.8Hz、1H)、3.43(ABのB、d、J=8.8Hz、1H)、3.12(ABのA、d、J=13.2Hz、1H)、2.93(ABのB、d、J=13.2Hz、1H)、2.88(s、3H)、1.55〜1.45(m、2H)、1.46(s、9H)、1.25(s、3H)、0.91(t、J=7.3Hz、3H)。
【0156】
段階B:臭素化
メチルN−[3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−N−プロピルメタンスルホンアミド(140mg、0.269mmol)の塩化メチレン(2.5mL)溶液に、四臭化炭素(116mg、0.350mmol)およびトリフェニルホスフィン(85.0mg、0.323mmol)を加えた。15時間後、反応混合物を減圧下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から35%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、N−[3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−(ブロモメチル)フェニル]−N−プロピルメタンスルホンアミドを無色油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.34(s、1H)、7.31(s、1H),)、7.30〜7.20(m、4H)、7.18〜7.14(m、2H)、4.60〜4.50(m、3H)、4.49(s、2H)、3.64(t、J=7.2Hz、2H)、3.55(ABのA、d、J=8.7Hz、1H)、3.45(ABのB、d、J=8.7Hz、1H)、3.14(ABのA、d、J=13.3Hz、1H)、2.94(ABのB、d、J=13.3Hz、1H)、2.88(s、3H)、1.56〜1.47(m、2H)、1.46(s、9H)、1.27(s、3H)、0.91(t、J=7.4Hz、3H)。
【0157】
中間体XIII:(R)−2(1−メチルブト−2−イン−1−イル)アミン
【0158】
【化47】

段階A:補助部導入
アセトアルデヒド(2.8g、64.36mmol)および(R)(+)−2−メチル−2−プロパンスルホンアミド(3.9g、32.18mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に室温で、粉末無水硫酸マグネシウム(19g、160mmol)を加えた。得られたスラリーを室温で終夜攪拌した。反応液を塩化メチレン(200mL)で希釈し、濾過し、固体を追加の塩化メチレン100mLで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して、生成物を油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.08(q、J=5.1Hz、1H)、2.24(d、J=5.1Hz、3H)、1.19(s、9H)。LCMS[(M)+H]=150。
【0159】
段階B:グリニャル付加
上記段階Aの生成物(400mg、2.72mmol)の塩化メチレン溶液に0℃で、1−プロピニルマグネシウムブロマイド溶液(0.5N THF溶液6mL)を加えた。反応液を昇温させて室温とし、水(100mL)に投入し、酢酸エチルで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物について、50%から75%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を溶離液とするシリカゲルでのクロマトグラフィー精製を行って、2−メチル−N−(1−メチルブト−2−イン−1−イル)プロパン−2−スルフィンアミド(280mg)をガム状固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ4.13(m、1H)、3.33(m、1H)、1.82(s、3H)、1.40(d、J=6.7Hz、3H)、1.21、(s、9H)。LCMS[(M)+H]=188。
【0160】
段階C:補助部脱離
2−メチル−N−(1−メチルブト−2−イン−1−イル)プロパン−2−スルフィンアミド(310mg、1.65mmol)のメタノール(5mL)溶液に室温で、HClのジオキサン溶液(4N HCl/ジオキサン8mL、32mmol)を加え、溶液を室温で1時間静置した。減圧下に溶媒留去して、定量的収率の(R)−2(1−メチルブト−2−イン−1−イル)アミン・塩酸塩を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ4.15〜4.17(m、1H)、1.86(d、J=2.3Hz、3H)、1.49、(d、J=6.8Hz、3H)。LCMS[(M)+H]=84。
【0161】
中間体XIV:3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[プロピル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0162】
【化48】

中間体IIIの製造について記載のものと同様の手順に従って、5−アミノイソフタル酸エステル、メタンスルホニルクロライドおよびヨウ化n−プロピルから製造した。
【0163】
中間体XV:3−(ブロモメチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸エチル
【0164】
【化49】

段階A:臭素化
ジエチル5−(ヒドロキシメチル)ベンゼン−1,3−ジオエート(3.5g、0.014mol)および四臭化炭素(5.0g、0.015mol)のCHCl(30mL)溶液を冷却して0℃とし、トリフェニルホスフィン(3.9g、0.015mol)のCHCl(20mL)溶液を滴下した。反応液を0℃で15時間攪拌し、CHClで希釈し、水およびブラインで洗浄した。脱水、溶媒留去およびフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から30%EtOAc/ヘキサン)によって、ジエチル−5−(ブロモメチル)ベンゼン−1,3−ジオエートを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.61(s、1H)、8.25(見かけのd、J=1.6Hz、2H)、4.55(s、2H)、4.42(q、J=7.1Hz、4H)、1.42(t、J=7.1Hz、6H)。
【0165】
段階B:シアノ化
ジエチル−5−(ブロモメチル)ベンゼン−1,3−ジオエート(1.9g、6.0mmol)のMeCN(69mL)溶液に、シアン化トリメチルシリル(1.2mL、9.0mmol)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液9.0mL、9.0mmol)を加えた。反応液を0.5時間攪拌し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から30%EtOAc/ヘキサン)によって、ジエチル5−(シアノメチル)ベンゼン−1,3−ジオエートを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.65(s、1H)、8.20(見かけのt、J=0.7Hz、2H)、4.43(q、J=7.1Hz、4H)、3.86(s、2H)、1.43(t、J=7.1Hz、6H)。
【0166】
段階C:アルキル化
ジエチル5−(シアノメチル)ベンゼン−1,3−ジオエート(500mg、1.9mmol)の(18.6mL)THF溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.1g、5.7mmol)を加え、反応液を室温で5分間攪拌した。1,4−ジブロモブタン(0.25mL、2.1mmol)を加え、混合物を45分間攪拌し、1N HClで反応停止した。酢酸エチルを加え、層を分液し、有機層を水およびブラインで洗浄した。脱水、溶媒留去およびフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から15%EtOAc/ヘキサン)によって、ジエチル5−(1−シアノシクロペンチル)ベンゼン−1,3−ジオエートを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.63(m、1H)、8.31(m、2H)、4.43(q、J=7.1Hz、4H)、2.56(m、2H)、2.14〜1.99(m、6H)、1.43(t、J=7.1Hz、6H)。
【0167】
段階D:エステル加水分解
ジエチル5−(1−シアノシクロペンチル)ベンゼン−1,3−ジオエート(0.33g、1.05mmol)およびNaOH(1N HO溶液、0.945mL、0.945mmol)のTHF(5mL)およびEtOH(5mL)溶液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を濃縮し、HOで希釈し、エーテルで抽出した。水相を1N HClで酸性とし、EtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄した。脱水および溶媒留去によって、3−(エトキシカルボニル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.58(m、1H)、8.35(m、2H)、4.43(q、J=7.1Hz、2H)、2.51(m、2H)、2.18(m、2H)、2.05(m、4H)、1.42(t、J=7.1Hz、3H)。
【0168】
段階E:酸還元および臭素化
3−(エトキシカルボニル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸(0.4g、1.4mmol)のTHF(14mL)溶液を冷却して0℃とし、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(1M THF溶液、5.6mL、5.6mmol)を滴下した。反応液を0℃で15時間、室温で3.5時間攪拌した。混合物をMeOHで反応停止し、濃縮し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。脱水および溶媒留去によって、3−(1−(アミノメチル)シクロペンチル)−5−(ヒドロキシメチル)安息香酸エチルおよび3−(1−シアノシクロペンチル)−5−(ヒドロキシメチル)安息香酸エチルを得た。粗混合物をCHCl6.6mLに溶かし、冷却して0℃とし、四臭化炭素(0.56g、1.7mmol)で処理した。トリフェニルホスフィン(0.42g、1.6mmol)のCHCl(6.6mL)溶液を加え、反応液を0℃で1時間攪拌した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から20%EtOAc/ヘキサン)によって、3−(ブロモメチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸エチルを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.02(t、J=1.9Hz、2H)、7.70(t、J=1.7Hz、1H)、4.52(s、2H)、4.41(q、J=7.1Hz、2H)、2.53(m、2H)、2.12〜1.97(m、6H)、1.41(t、J=7.1Hz、3H)。
【0169】
中間体XVI:3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸エチル
【0170】
【化50】

3−(ブロモメチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸エチル(0.15g、0.45mmol)および2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オール(0.21g、0.79mmol)のジクロロエタン(8mL)溶液に、ポリマーに結合した2,6−ジ−tert−ブチルピリジン(0.72g、1.3mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸銀(0.20g、0.79mmol)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌し、濾過した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0%から25%EtOAc/ヘキサン)によって、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸エチルを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.03(見かけのd、J=1.5Hz、1H)、7.96(s、1H)、7.67(s、1H)、7.28〜7.22(m、3H)、7.17(m、2H)、4.60(s、2H)、4.57(s、1H)、4.40(q、J=7.1Hz、2H)、3.55(d、J=8.9Hz、1H)、3.45(d、J=9.0Hz、1H)、3.14(d、J=13.3Hz、1H)、2.95(d、J=13.2Hz、1H)、2.52(m、2H)、2.13〜1.96(m、6H)、1.46(s、9H)、1.41(t、J=7.1Hz、3H)、1.28(s、3H)。
【0171】
中間体XVII:3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸
【0172】
【化51】

3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸エチル(0.13g、0.25mmol)およびLiOH・HO(31mg、0.75mmol)のTHF(6.5mL)およびHO(2.5mL)溶液を室温で終夜攪拌した。追加のLiOH・HO(25mg、0.60mmol)を加え、反応を64時間続けた。混合物を濃縮し、HOで希釈し、10%クエン酸溶液で酸性とし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄した。脱水および溶媒留去によって、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸を得た。H NMR(500MHz、CDCl)δ8.09(見かけのd、J=1.5Hz、1H)、8.04(s、1H)、7.74(s、1H)、7.28〜7.20(m、3H)、7.17(m、2H)、4.62(s、3H)、3.58(bs、1H)、3.48(d、J=8.5Hz、1H)、3.15(d、J=12.9Hz、1H)、2.95(d、J=13.2Hz、1H)、2.54(m、2H)、2.14〜1.96(m、6H)、1.47(s、9H)、1.28(s、3H)。
【0173】
中間体XVIII:2−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3−フェニルプロパン−1−オール
【0174】
【化52】

2−アミノ−2−ベンジル−3,3−ジフルオロプロパン酸メチル(0.11g、0.48mmol)(合成については、Bey et al., J. Org. Chem. 1979, 44, 2732-2742参照)のTHF(6.8mL)溶液に、水素化ホウ素リチウム(2M THF溶液、1.45mL、2.9mmol)を滴下した。反応液を還流温度で2時間加熱し、MeOHおよびアセトンで反応停止し、濃縮した。塩酸(1M、14.5mL、14.5mmol)を加え、混合物を加熱して45℃として15時間経過させ、濃縮した。反応液を飽和NaHCOで塩基性とし、CHClで抽出した。脱水および溶媒留去によって、2−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3−フェニルプロパン−1−オールを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.35〜7.24(m、5H)、5.67(t、J=56.5Hz、1H)、3.56(ABのA、d、J=11.0Hz、1H)、3.46(ABのB、d、J=11.0Hz、1H)、2.89(ABのA、d、J=13.6Hz、1H)、2.84(ABのB、d、J=13.6、1H)。
【0175】
中間体XIX:2−アミノ−2−(フルオロメチル)−3−フェニルプロパン−1−オール
【0176】
【化53】

2−アミノ−2−ベンジル−3−フルオロプロパン酸(50mg、0.25mmol)(合成についてはEP0040150A1参照)のTHF(2.5mL)懸濁液を冷却して0℃とし、それにボラン−テトラヒドロフラン錯体(1M THF溶液、0.75mL、0.75mmol)を滴下した。反応液を室温で終夜攪拌し、MeOHで反応停止し、濃縮した。塩酸(1M、7.5mL、7.5mmol)を加え、混合物を加熱して45℃として1時間経過させ、濃縮した。反応液を飽和NaHCOで塩基性とし、CHClで抽出した。脱水および溶媒留去によって、2−アミノ−2−(フルオロメチル)−3−フェニルプロパン−1−オールを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.35〜7.21(m、5H)、4.30〜4.11(2個のq、ABX系、J=47.4Hz、J=20.8Hz、J=9.0Hz、2H)、3.49(m、2H)、2.76(m、2H)。
【0177】
中間体XX:2−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸(図式4および10)
【0178】
【化54】

段階A:スルホンアミドの導入
2,6−ジクロロイソニコチン酸メチル(5.0g、24.3mmol)、メチル(メチルスルホニル)アミン(3.18g、29.12mmol)、リン酸カリウム(7.22g、34.0mmol)、キサントホス(0.87g、1.50mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.68g、0.51mmol)を、乾燥させてアルゴン通気したフラスコに入れた。ジオキサン(195mL)を加え、溶液をアルゴンで脱気し、反応液を加熱して100℃として16時間経過させた。反応液を冷却して室温とし、セライトで濾過し、減圧下に溶媒留去した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から50%EtOAc/CHCl)によって、2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチルを黄色油状物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.88(s、1H)、7.68(s、1H)、3.96(s、3H)、3.44(s、3H)、3.11(s、3H)。
【0179】
段階B:アミノ化
2−クロロ−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチル(1.2g、4.30mmol)、アミン中間体V(1.0g、5.60mmol)、リン酸カリウム(2.74g、12.9mmol)およびパラジウムビス(トリ−t−ブチルホスフィン)(0.11g、0.22mmol)の脱気トルエン(15mL)溶液をガラス管中で密閉し、110℃で16時間加熱した。反応液をセライトで濾過し、酢酸エチルで洗い、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、20%EtOAc/ヘキサン)によって、2−{ベンジル[(2−トランス−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸メチルを得た。H NMR(400MHz、MeOD)δ7.28(m、5H)、7.01(d、J=0.8Hz、1H)、6.98(d、J=0.8Hz、1H)、4.83(s、2H)、3.87(s、3H)、3.62(dd、J=6.0、14.8Hz、1H)、3.30(dd、J=7.2、14.8Hz、1H)、3.23(s、3H)、2.88(s、3H)、0.93(d、J=6.0Hz、3H)、0.81(m、1H)、0.62(m、1H)、0.39(m、1H)、0.22(m、1H)。
【0180】
段階C:水素化
2−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸エステル(0.93g、2.23mmol)、20%水酸化パラジウム/炭素(0.042g、0.06mmol)およびトリフルオロ酢酸(0.13g、1.11mmol)のエタノール(10mL)溶液を水素雰囲気下に置き、加熱して60℃として3時間経過させた。反応液を冷却して室温とし、セライトで濾過し、メタノールで洗い、減圧下に溶媒留去して、2−{[(2−トランス−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ)イソニコチン酸メチルを得た。LC−MS[M+H]=328.1。
【0181】
段階D:ケン化
2−{[(2−トランス−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ)イソニコチン酸メチル(0.8g、2.44mmol)のメタノール(5mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)溶液を1N NaOH(4.9mL、4.9mmol)で処理し、反応液を加熱して50℃として1時間経過させた。反応液を減圧下に溶媒留去し、1M HClと酢酸エチルとの間で分配した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下に溶媒留去して、2−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]イソニコチン酸を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ6.89(s、1H)、6.83(s、1H)、3.30(s、3H)、3.17(d、J=6.8Hz、2H)、3.15(s、3H)、1.03(d、J=6.0Hz、3H)、0.81(m、1H)、0.64(m、1H)、0.39(m、1H)、0.22(m、2H);HRMS(ES、M+H)C1319Sの計算値:314.1169、実測値:314.1171。
【0182】
中間体XXI:2−[(イソプロピルスルホニル)(メチル)アミノ]−6−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}イソニコチン酸(図式4および10)
【0183】
【化55】

メチル(イソプロピルスルホニル)アミンを用いて、中間体XXと同様にして製造した。H NMR(400MHz、CDOD)δ6.90(d、J=1.2Hz、1H)、6.82(d、J=1.2Hz、1H)、4.05(7重線、J=6.8Hz、1H)、3.38(s、3H)、3.17(ABXのAB、JAX、JBX=6.8Hz、JAB=13.6、2H)、1.34(d、J=6.8Hz、6H)、1.04(d、J=6.0Hz、3H)、0.83(m、1H)、0.65(m、1H)、0.39(m、1H)、0.23(m、1H);LC−MS[M+H]=342.1。
【0184】
中間体XXII:tert−ブチル(2−アミノ−1−ベンジル−1−メチルエチル)カーバメート(図式10)
【0185】
【化56】

段階A:Boc保護
フラスコ中、α−メチル−ジ−フェニルアラニンメチルエステル・塩酸塩(5.1g、22mmol)のTHF(75mL)溶液に室温で、TEA(2.9mL、22mmol)を加えた。内容物を濾過し(TEA−HClを除去)、濾液を無水t−ブトキシカルボニル(4.8g、22mmol)で処理した。混合物を50℃油浴に入れ、終夜攪拌した。粗混合物をEtOAcに投入し、NHCl水溶液と次に水およびブラインで洗浄した。NaSOでの脱水および溶媒除去後に、メチルメチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−α−メチルフェニルアラニネート6.6gを白色固体として得た(定量的)。H NMR(400MHz、CDOD)δ7.34(m、3H)、7.05(m、2H)、5.12(brs、1H)、3.74(s、3H)、3.34(広いAB、J=9.6Hz、1H)、3.18(AB、J=13.6Hz、1H)、1.55(s、3H)、1.45(s、9H);LC−MS[M−99、Bocの喪失]=194.3。
【0186】
段階B:還元
N−(tert−ブトキシカルボニル)−α−メチルフェニルアラニン酸メチル(6.5g、22.1mmol)の塩化メチレン(80mL)が入ったフラスコで−78℃にて、水素化アルミニウムジ−イソ−ブチル(1Mトルエン溶液、22mL、22mmol)を20分間かけて滴下した。反応液を2時間にわたって−70℃以下に維持し、昇温させて室温として1時間経過させ、再度冷却して0℃とし、1N HCl 100mLで反応停止した。生成物を塩化メチレンで繰り返し抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水した。減圧下に溶媒除去して、メチルtert−ブチル(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カーバメート5.8gを得た(99%):LC−MS[M−99、Bocの喪失]=166.3。
【0187】
段階C:酸化
段階Bからの上記中間体であるメチルtert−ブチル(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)カーバメート(3.6g、13.5mmol)のDCM(50mL)およびDMSO(13mL)が入ったフラスコに0℃で、SO−ピリジン(5.4g、13.6mmol)を加えた。混合物を昇温させて室温とし、5時間攪拌した。EtOAcで希釈し、有機層をHO(100mL)、10%KHSO水溶液、NaHCO水溶液,3M LiCl水溶液、次にブラインの順で洗浄した。NaSOでの脱水および溶媒除去で、粗取得物3gを得た。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(25%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、最終のtert−ブチル(1−ベンジル−1−メチル−2−オキソエチル)カーバメート1.7g(48%)を得た。LC−MS[M−99、Bocの喪失]=164.2。
【0188】
段階D:還元的アルキル化
100mLフラスコ中、段階Cからの中間体であるtert−ブチル(1−ベンジル−1−メチル−2−オキソエチル)カーバメート(1.7g、6.5mmol)およびベンジルアミン(0.7g、6.5mmol)をDCE(25mL)に溶かした。NaHB(OAc)(2.1g、9.7mmol)を、固体として少量ずつ加えた。反応液を室温で48時間攪拌し、NaHCO水溶液で希釈し、濃縮して1/2容量とし、EtOAcで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濃縮して乾固させて、粗生成物2.4gを得た。SCXイオン交換クロマトグラフィーを行って、透明油状物610mgを得たが、それは所望の生成物であるtert−ブチル[1−ベンジル−2−(ベンジルアミノ)−1−メチルエチル]カーバメートと同定された(27%)。LC−MS[M+H]=355.2。
【0189】
段階E:ベンジル脱離
アルゴンパージした上記段階Dからの中間体であるtert−ブチル[1−ベンジル−2−(ベンジルアミノ)−1−メチルエチル]カーバメート(600mg、1.7mmol)を含むEtOH溶液に、20%Pd(OH)(12mg、0.1mmol)を加えた。H(ガス)を、15分間にわたり風船に取り付けた針を用いて混合物に吹き込んだ。混合物をH雰囲気下に維持し、60℃油浴に入れ、16時間攪拌した。混合物を冷却して室温とし、追加の触媒およびTFA(193mg、1.7mmol)を加えた。さらに48時間加熱後、反応液をセライトで濾過し、濃縮して乾固させ、RP−HPLCによって精製して、所望の中間体tert−ブチル(2−アミノ−1−ベンジル−1−メチルエチル)カーバメートを得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ7.34(m、3H)、7.18(m、2H)、3.63(d、J=12.8Hz、1H)、3.31(CHDOHと重なったd)、1H)、2.99(d、J=12.8Hz、1H)、2.66(d、J=13.2Hz、1H)、1.50(s、9H)、1.11(s、3H);LC−MS[M+H]=265.3。
【実施例1】
【0190】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0191】
【化57】

2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オールI(28mg、0.17mmol)のDMF(0.5mL)溶液を冷却して0℃とし、これにナトリウムヘキサメチルジシラジド(0.17mL、0.17mmol、1M THF溶液)を加えた。反応混合物を0℃で5分間攪拌し、中間体III 3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(25mg、0.06mmol)のDMF(0.5mL)溶液を滴下した。反応混合物を0℃で0.5時間攪拌し、分取HPLC(0.1%TFA含有の5%から95%CHCN/水、C18PROYMC20×150mm)によって精製して、3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミドを得た。H NMR(400MHz、d−MeOH)δ8.87(d、J=8Hz、1H)、7.86〜7.80(m、2H)、7.66(s、1H)、7.45〜7.40(m、2H)、7.36〜7.24(m、3H)、7.22〜7.16(m、2H)、7.10〜7.02(m、2H)、5.30〜5.20(m、1H)、4.73〜4.64(m、2H)、3.44(ABのA、d、J=10Hz、1H)、3.39(ABのB、d、J=10Hz、1H)、3.35(s、3H)、3.09(ABのA、d、J=13.2Hz、1H)、2.94(s、3H)、2.87(ABのB、d、J=13.2Hz、1H)、1.59(d、J=7.2Hz、3H)、1.25(s、3H)。
【実施例2】
【0192】
3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペント−4−エン−1−イル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0193】
【化58】

2−アミノ−2−ベンジルペント−4−エン−1−オール・塩酸塩(0.031mg、0.135mmol)(アミノアルコールの合成については、Kaptein et al., Tetrahedron Lett. 1994, 35, 1777-1780およびここに引用の参考文献を参照)のDMF(0.50mL)溶液を冷却して0℃とし、それにナトリウムヘキサメチルジシラジド(0.271mL、0.271mmol、1M THF溶液)を加えた。反応混合物を0℃で15分間攪拌し、中間体A 3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(0.040g、0.090mmol)のDMF(0.50mL)溶液を滴下した。反応混合物を0℃で2時間攪拌し、メタノールで反応停止し、減圧下に濃縮し、DMF 0.55mLに再度溶かし、分取HPLC(0.1%TFA含有の5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×150mm)によって精製して、3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペント−4−エン−1−イル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミドをそれのトリフルオロ酢酸塩として得た。H NMR(400MHz、d−MeOH)δ8.87(d、J=7.5Hz、1H)、7.82(s、1H)、7.80(s、1H)、7.63(s、1H)、7.41(m、2H)、7.32〜7.26(m、3H)、7.19(m、2H)、7.03(m、2H)、5.85(m、1H)、5.30〜5.20(m、3H)、6.27(d、J=12.5Hz、1H)、4.63(d、J=12.5Hz、1H)、3.49(d、J=10.1Hz、1H)3.43(d、J=10.1Hz、1H)、3.34(s、3H)、3.06(d、J=13.7Hz、1H)、2.93(d、J=13.7Hz、1H)、2.91(s、3H)、2.42(dd、J=7.5,6.8Hz、1H)、2.34(dd、J=7.5,7.2Hz、1H)、1.56(d、J=7.0Hz)。LCMS M+H=554。
【実施例3】
【0194】
3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペンチル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0195】
【化59】

3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペント−4−エン−1−イル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(0.004g、0.006mmol)のEtOH(1mL)溶液に、スパーテルの先端量のPd/Cを加えた。反応容器を排気し、Hの風船に開放し(3回)、H雰囲気下に2時間攪拌した。反応容器を排気し、Nに開放し(3回)、セライト層で濾過し、EtOAcで洗った。揮発分を減圧下に除去した後、残留物をDMF 0.55mLに再度溶かし、分取HPLC(0.1%TFA含有の5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×50mm)によって精製して、3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペンチル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミドをそれのトリフルオロ塩として得た。H NMR(400MHz、d−MeOH)δ8.86(d、J=7.3Hz、1H)、7.82(s、1H)、7.80、1H)、7.63(s、1H)、7.42〜7.39(m、2H)、7.33〜7.28(m、3H)、7.16(m、2H)、7.03(m、2H)、5.23(m、1H)、4.65(s、2H)、3.50(d、J=10.0Hz、1H)、3.42(d、J=10.0Hz、1H)、3.34(s、3H)、3.03(d、J=13.7Hz、1H)、2.93(d、J=13.7Hz、1H)、2.91(s、3H)、1.56(d、J=7.1Hz)、1.50〜1.33(m、4H)、0.94(m、3H)。LCMS M+H=556。
【実施例4】
【0196】
3−{[(2−アミノ−2−ベンジルヘキシル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0197】
【化60】

2−アミノ−2−ベンジルヘキサン−1−オール中間体II(0.100mg、0.48mmol)のDMF(1.1mL)溶液を冷却して0℃とし、それにナトリウムヘキサメチルジシラジド(0.48mL、0.48mmol、1M THF溶液)を加えた。反応混合物を0℃で5分間攪拌し、中間体A3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(0.040g、0.090mmol)のDMF(1.8mL)溶液を滴下した。反応混合物を0℃で15時間攪拌し、水を加えることによって反応停止した。水層をEtOAcで洗浄し(3回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20gシリカ、0%から8%の0.1%NHOH/i−PrOH/ヘキサン)によって精製して、3−{[(2−アミノ−2−ベンジルヘキシル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミドを得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.73(s、1H)、7.69(s、1H)、7.53(s、1H)、7.37〜7.34(m、2H)、7.29〜7.20(m、3H)、7.17〜7.15(m、2H)、7.04(m、2H)、6.56(brs、1H)、5.30(m、1H)、4.56(s、2H)、3.34(s、3H)、3.20(m、2H)、1.59(d、J=6.9Hz、3H)、1.60〜1.39(brm、6H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H)。
【実施例5】
【0198】
N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド(図式4A)
【0199】
【化61】

tert−ブチル[1−ベンジル−2−(12−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)−1−メチルエチル]カーバメート(51mg、0.097mmol、中間体VI)、N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メタンアミン(25mg、0.145mmol、中間体V)、リン酸カリウム(62mg、0.29mmol)およびパラジウムビス(トリ−t−ブチルホスフィン)(5mg、0.01mmol)の脱気トルエン(0.32mL)懸濁液をガラス管中に密閉し、加熱して100℃として16時間経過させた。反応液をセライトで濾過し、酢酸エチルで洗い、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、10%から40%EtOAc/ヘキサン)によって、tert−ブチル[1−ベンジル−2−({2−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)−1−メチルエチル]カーバメートを得た。HCl(ガス)飽和EtOAc中でのBoc脱離によって、N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミドを塩酸塩として得た。H NMR(400MHz、CDODおよびCDCl)δ7.36〜7.15(m、10H)、6.74(s、1H)、6.64(brs、1H)、4.92〜4.79(m、2H)、4.61〜4.52(m、2H)、3.72〜3.60(m、3H)、3.46〜3.35(m、3H)、3.08(ABのA、d、J=13.2Hz、1H)、2.91(s、3H)、2.87(ABのB、d、J=13.2Hz、1H)、1.58〜1.44(m、2H)、1.26(s、3H)、0.97(d、J=6.0Hz、3H)、0.88(t、J=7.6Hz、3H)、0.89〜0.79(m、1H)、0.69〜0.61(m、1H)、0.45〜0.38(m、1H)、0.31〜0.25(m、1H)。HRMS(ES、M+H)C3244Sの計算値:565.3207、実測値:565.3208。
【実施例6】
【0200】
N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド(図式4A)
【0201】
【化62】

N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミドの製造について記載のものと同様の手順に従って、N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミドを、中間体VIおよび[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミン(EtOH中、TFAの存在下にてPd(OH)での水素化によって、N−ベンジル−1−(2−トランス−メチルシクロプロピル)メテンアミンから製造)から製造した。HRMS(ES、M+H)C2538Sの計算値:475.2737、実測値:475.2719。
【実施例7】
【0202】
N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{メチル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド(図式4A)
【0203】
【化63】

N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミドの製造について記載のものと同様の手順に従い、N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{メチル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミドを、NaBH(OAc)存在下でのジクロロエタン/メタノール中にてのホルムアルデヒドによるメチル化と、次にTFA存在下でのEtOH中におけるPd(OH)での水素化によって、中間体VIおよびN−メチル−1−(2−メチルシクロプロピル)メタンアミン(中間体Vから製造)から製造した。HRMS(ES、M+H)C2640Sの計算値:489.2893、実測値:489.2891。
【実施例8】
【0204】
4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボキサミド(図式7)
【0205】
【化64】

4−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸(10mg、0.019mmol、中間体VII)のDMF(0.5mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.028mmol)、[1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミン(0.008mL、0.056mmol)およびBOP試薬(10mg、0.022mmol)を加え、反応混合物を室温で40分間放置し、分取HPLC(0.1%TFA含有5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×150mm)によって精製して、tert−ブチル[1−ベンジル−2−({2−({[1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)−1−メチルエチル]カーバメートを得た。HCl(ガス)飽和EtOAc中でのBoc脱離およびジオキサン/水からの凍結乾燥によって、4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボキサミドを塩酸塩白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.61(d、J=8.0Hz、1H)、7.97(s、1H)、7.65(s、1H)、7.46〜7.41(m、2H)、7.38〜7.25(m、3H)、7.24〜7.19(m、2H)、7.11〜7.03(m、2H)、5.30〜5.20(m、1H)、4.75(s、2H)、4.03〜3.94(m、2H)、3.51(ABのA、d、J=10.4Hz、1H)、3.46(ABのB、d、J=10.4Hz、1H)、3.11(ABのA、d、J=13.6Hz、1H)、3.10(s、3H)、2.92(ABのB、d、J=13.6Hz、1H)、1.64〜1.54(m、2H)、1.62(d、J=7.2Hz、3H)、1.29(s、3H)、0.92(t、J=7.6Hz、3H)。HRMS(ES、M+H)C2937FNSの計算値:557.2593、実測値:557.2613。
【実施例9】
【0206】
N−{4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−イル}−N−プロピルメタンスルホンアミド(図式7)
【0207】
【化65】

4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボキサミドの製造について記載のものと同様の手順に従って、N−{4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−イル}−N−プロピルメタンスルホンアミドを、4−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボン酸(中間体VII)および2−フェニルピロリジンから製造した。HRMS(ES、M+H)C3140Sの計算値:565.2843、実測値:565.2859。
【実施例10】
【0208】
N−{3−({[(2R)−2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)−5−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド(図式6)
【0209】
【化66】

(2R)−2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オール(0.055g、0.334mmol)のDMF(1mL)溶液に0℃で、1M NaHMDS(0.330mL、0.330mmol)を加えた。10分後、N−{3−(ブロモメチル)−5−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド(0.043g、0.111mmol)のDMF(1mL)溶液を、カニューレから滴下した。0℃で1.5時間後、MeOH 0.5mLを加えることで反応停止し、濃縮した。残留物を再度DMF 0.80mLに溶かし、分取HPLC(0.1%TFA含有5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×150mm)によって精製し、所望の生成物を含む分画を凍結乾燥して、N−{3−({[(2R)−2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)−5−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミドをそれのトリフルオロ酢酸塩として得た。H NMR(400MHz、d−MeOH)δ7.44(s、1H)、7.40(s、1H)、7.29〜7.26(m、4H)、7.15〜7.12(m、2H)、6.33(d、J=11.3Hz、1H)、5.19(dd、J=11.3、10.1Hz、1H)、4.67〜4.58(m、2H)、3.66(t、J=6.8Hz、2H)、3.42(d、J=9.9Hz、1H)、3.35(9.9Hz、1H)、3.07(d、J=13.4Hz、1H)、2.89(s、3H)、2.84(d、J=13.4Hz、1H)、1.53〜1.39(m、3H)、1.22(s、3H)、1.07(d、J=5.9Hz、3H)、0.92〜0.86(m、4H)、0.66(m、1H)、0.59(m、1H)。LCMS[M+H]=471。
【実施例11】
【0210】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−(1,1−ジメチルプロプ−2−イン−1−イル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミド
【0211】
【化67】

3−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI、15.0mg、0.028mmol)を、HCl(ガス)飽和EtOAc(1mL)に取った。30分後、それを窒素気流下に濃縮して、3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸を白色固体として得て、これを次に、BOP試薬(15.0mg、0.033mmol)、エチル(ジイソプロピル)アミン(12.0μL、0.069mmol)および(1,1−ジメチルプロプ−2−イン−1−イル)アミン(23.0mg、0.276mmol)を含むDMF(800μL)に取った。室温で5時間攪拌後、反応液を分取HPLC(0.1%TFA含有5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×150mm)によって精製して、3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−(1,1−ジメチルプロプ−2−イン−1−イル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミドを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.81(brs、3H)、7.77(s、1H)、7.69(s、1H)、7.47(s、1H)、7.35〜7.27(m、3H)、7.22〜7.16(m、2H)、6.89(s、1H)、4.61(ABのA、d、J=11.7Hz、1H)、4.54(ABのB、d、J=11.7Hz、1H)、3.64(t、J=7.1Hz、2H)、3.51(ABのA、d、J=9.8Hz、1H)、3.45(ABのB、d、J=9.8Hz、1H)、3.17(ABのA、d、J=13.2Hz、1H)、3.00(ABのB、d、J=13.2Hz、1H)、2.86(s、3H)、1.75(s、6H)、1.54〜1.44(m、2H)、1.32(s、3H)、1.27(s、3H)、0.89(t、J=7.3Hz、3H)。
【実施例12】
【0212】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)ベンズアミド
【0213】
【化68】

3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI、10.0mg、0.019mmol)および(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミン(7.6mg、0.056mmol)のDMF(500μL)溶液に、BOP試薬(10.0mg、0.022mmol)、エチル(ジイソプロピル)アミン(5.0μL、0.028mmol)を加えた。室温で4時間攪拌後、反応液を分取HPLC(0.1%TFA含有5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×150mm)によって精製して、tert−ブチル{1−ベンジル−1−メチル−2−[(3−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−5−{[(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミノ]カルボニル}ベンジル)オキシ]エチル}カーバメートを得て、それをHCl(ガス)飽和EtOAc(1mL)に取った。15時間後、それを分取HPLC(0.1%TFA含有5%から95%CHCN/HO、C18PROYMC20×150mm)によって精製して、3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)ベンズアミドを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ7.90(s、1H)、7.84(s、1H)、7.65(s、1H)、7.61〜7.55(m、2H)、7.46〜7.40(m、3H)、7.34〜7.24(m、3H)、7.20〜7.15(m、2H)、6.04〜5.96(m、1H)、4.72(ABのA、d、J=13.8Hz、1H)、4.68(ABのB、d、J=13.8Hz、1H)、3.71(t、J=7.1Hz、2H)、3.45(ABのA、d、J=10.0Hz、1H)、3.40(ABのB、d、J=10.0Hz、1H)、3.08(ABのA、d、J=13.4Hz、1H)、2.96(s、3H)、2.87(ABのB、d、J=13.4Hz、1H)、1.51〜1.41(m、2H)、1.25(s、3H)、0.90(t、J=7.4Hz、3H)。
【実施例13】
【0214】
N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド
【0215】
【化69】

3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)ベンズアミドの製造について記載のものと同様の手順に従い、イオン交換クロマトグラフィー(バリアン・ボンド・エルート(Varian Bond Elut)SCX、MeOHと次に2.0M NH/MeOHで溶離)による追加の精製を行って、N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミドを、3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI)および2−フェニルピロリジンから製造した。HRMS(ES、M+H)C3241Sの計算値:564.2891、実測値:564.2891。
【実施例14】
【0216】
N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−プロピルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド
【0217】
【化70】

N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニルプロピルメタンスルホンアミドの製造について記載のものと同様の手順に従って、N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−プロピルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}N−プロピルメタンスルホンアミドを3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI)および2−プロピルピロリジンから製造した。HRMS(ES、M+H)C2943Sの計算値:530.3047、実測値:530.3045。
【実施例15】
【0218】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N,N−ジプロピルベンズアミド
【0219】
【化71】

N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミドの製造について記載のものと同様の手順に従って、3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N,N−ジプロピルベンズアミドを3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI)およびジプロピルアミンから製造した。HRMS(ES、M+H)C2843Sの計算値:518.3047、実測値:518.3051。
【実施例16】
【0220】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−(1−メチルブト−2−イン−1−イル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミド
【0221】
【化72】

N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミドの製造について記載のものと同様の手順に従って、3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−(1−メチルブト−2−イン−1−イル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミドを3−({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチル−3−フェニルプロポキシ}メチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(中間体XI)および(1−メチルブト−2−イン−1−イル)アミン(中間体XIII)から製造した。HRMS(ES、M+H)C2737Sの計算値:500.2578、実測値:500.2595。
【実施例17】
【0222】
N−(3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−{[(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミノ]メチル}フェニル)−N−プロピルメタンスルホンアミド
【0223】
【化73】

N−[3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−(ブロモメチル)フェニル]−N−プロピルメタンスルホンアミド(中間体XII、25.0mg、0.043mmol)のDMF(500μL)溶液に、(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミン(23.0mg、0.129mmol)を加えた。マイクロ波(スミス合成装置)中にて100℃で20分間加熱後、反応液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、0%から35%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、tert−ブチル{1−ベンジル−1−メチル−2−[(3−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−5−{[(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミノ]メチル}ベンジル)オキシ]エチル}カーバメートを得た。これをHCl/ジオキサン(1.5mL、5.84mmol、4.0M)に取った。5時間後、それをジオキサンから凍結乾燥して、N−(3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−{[(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミノ]メチル}フェニル)−N−プロピルメタンスルホンアミドを白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ7.58〜7.44(m、7H)、7.38(s、1H)、7.34〜7.28(m、3H)、7.21〜7.17(m、2H)、4.89〜4.81(m、1H)、4.69〜4.61(m、2H)、4.16〜4.0(m、2H)、3.66(m、2H)、3.47(ABのA、d、J=10.1Hz、1H)、3.41(ABのB、d、J=10.1Hz、1H)、3.09(ABのA、d、J=13.4Hz、1H)、2.94(s、3H)、2.89(ABのB、d、J=13.4Hz、1H)、1.50〜1.40(m、2H)、1.26(s、3H)、0.90(t、J=7.4Hz、3H)。
【実施例18】
【0224】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[プロピル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(図式2)
【0225】
【化74】

実施例1に記載のものと同様の手順に従って、3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[プロピル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(中間体XIV)および2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロパン−1−オール(中間体1)から製造した。HRMS(ES、M+H)C3038FNSの計算値:556.2640、実測値:556.2636。
【実施例19】
【0226】
3−[(2−アミノ−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド
【0227】
【化75】

実施例1に記載のものと同様の手順を用いて、3−(ブロモメチル)−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミドおよびN−Bocフェニルアラニロールから製造した。HRMS(ES、M+H)C2732FNSの計算値:514.2170、実測値:514.2175。
【実施例20】
【0228】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミド
【0229】
【化76】

3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸(10.25mg、0.021mmol)、(R)−1−(4−フルオロフェニル)エタンアミン(0.0085mL、0.063mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(12mg、0.025mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.012mL、0.07mmol)のDMF(0.2mL)溶液を、室温で終夜攪拌した。逆相分取HPLC(0.1%TFA含有5%から95%MeCN/HO、C18PROYMC20×150mm)による精製によって、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミドを得て、これを次に、CHCl0.2mLおよびTFA0.5mLに溶かした。反応混合物を1時間攪拌し、濃縮した。凍結乾燥によって、3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミドをTFA塩として得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.93(d、J=8.0Hz、1H)、7.92(見かけのd、J=1.6Hz、1H)、7.85(s、1H)、7.74(s、1H)、7.42(m、2H)、7.28(m、3H)、7.18(m、2H)、7.05(m、2H)、5.25(m、1H)、4.70(m、2H)、3.44(ABのA、d、J=10.1Hz、1H)、3.38(ABのB、d、J=10.1Hz、1H)、3.09(d、J=13.4Hz、1H)、2.86(d、J=13.4Hz、1H)、2.50(m、2H)、2.18(m、2H)、2.03(m、4H)、1.58(d、J=7.0Hz、3H)、1.25(s、3H)。
【実施例21】
【0230】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−((R)−1−フェニルエチル)ベンズアミド
【0231】
【化77】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸および(R)−1−フェニルエタンアミンから製造した。HRMS ES:C3237の計算値:496.2959、実測値:496.2958。
【実施例22】
【0232】
3−((−2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−ベンジル−5−(1−シアノシクロペンチル)ベンズアミド
【0233】
【化78】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸およびフェニルメタンアミンから製造した。HRMS ES:C3135の計算値:482.2802、実測値:482.2814。
【実施例23】
【0234】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(2−フェニルピロリジン−1−イル)ベンズアミド
【0235】
【化79】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸および2−フェニルピロリジンから製造した。HRMS ES:C3439の計算値:522.3115、実測値:522.3111。
【実施例24】
【0236】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)ベンズアミド
【0237】
【化80】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸および1−(3−クロロフェニル)エタンアミンから製造した。HRMS ES:C3236ClNの計算値:530.2569、実測値:530.2565。
【実施例25】
【0238】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(2−プロピルピロリジン−1−イル)ベンズアミド
【0239】
【化81】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸および2−プロピルピロリジンから製造した。HRMS ES:C3141の計算値:488.3272、実測値:488.3284。
【実施例26】
【0240】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N,N−ジプロピルベンズアミド
【0241】
【化82】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸およびジプロピルアミンから製造した。HRMS ES:の計算値C3041:476.3272、実測値:476.3272。
【実施例27】
【0242】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(ペント−3−イン−2−イル)ベンズアミド
【0243】
【化83】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸およびペント−3−イン−2−アミンから製造した。HRMS ES:C2935の計算値:458.2802、実測値:458.2813。
【実施例28】
【0244】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−(1−(2−クロロフェニル)エチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)ベンズアミド
【0245】
【化84】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸および1−(2−クロロフェニル)エタンアミンから製造した。HRMS ES:C3236ClNの計算値:530.2569、実測値:530.2561。
【実施例29】
【0246】
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(2−エチニルピロリジン−1−イル)ベンズアミド
【0247】
【化85】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−((2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)安息香酸および2−エチニルピロリジンから製造した。HRMS ES:C3035の計算値:470.2802、実測値:470.2802。
【実施例30】
【0248】
3−((2−アミノ−2−エチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド
【0249】
【化86】

3−{[(2−アミノ−2−ベンジルヘキシル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(実施例4)の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)−5−(ブロモメチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミドおよび2−アミノ−2−ベンジルブタン−1−オールから製造した。HRMS ES:C2936FNSの計算値:542.2484、実測値:542.2484。
【実施例31】
【0250】
3−((2−アミノ−2−ベンジル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド
【0251】
【化87】

3−{[(2−アミノ−2−ベンジルヘキシル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド(実施例4)の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)−5−(ブロモメチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミドおよび2−アミノ−2−ベンジル−3−フェニルプロパン−1−オールから製造した。HRMS ES:C3438FNSの計算値:604.2640、実測値:604.2641。
【実施例32】
【0252】
3−((2−アミノ−2−ジフルオロメチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド
【0253】
【化88】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)−5−(ブロモメチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミドおよび2−アミノ−2−(ジフルオロメチル)−3−フェニルプロパン−1−オールから製造した。HRMS ES:C2832Sの計算値:564.2139、実測値:564.2140。
【実施例33】
【0254】
3−((2−アミノ−2−フルオロメチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド
【0255】
【化89】

実施例20の製造について記載のものと同様の手順を用いて、3−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)−5−(ブロモメチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミドおよび2−アミノ−2−(フルオロメチル)−3−フェニルプロパン−1−オールから製造した。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.88(d、J=7.7Hz、1H)、7.84(s、1H)、7.80(s、1H)、7.63(s、1H)、7.42(m、2H)、7.32(m、3H)、7.19(d、J=6.2Hz、2H)、7.05(t、J=8.8Hz、2H)、5.25(m、1H)、4.68(ABのA、d、J=12.1Hz、1H)、4.64(ABのB、d、J=10.9Hz、1H)、4.63〜4.44(2つのq、ABX系、J=46.6Hz、J=20.6Hz、J=10.4Hz、2H)、3.54(m、2H)、3.35(s、3H)、3.08(s、2H)、2.93(s、3H)、1.58(d、J=7.0Hz、3H)。
【実施例34】
【0256】
3−{[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル)アミノ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド
【0257】
【化90】

中間体III(20mg、0.04mmol)およびXXII(24mg、0.09mmol)のイソ−プロピルアルコール(1mL)溶液を入れたフラスコに、KCO(19mg、0.14mmol)を加えた。終夜攪拌後、混合物を濾過し、EtOAcで洗い、濾液を濃縮して乾固させた。次に、粗Boc保護生成物を塩化メチレン1mLに溶かし、トリフルオロ酢酸(0.04mL、0.50mmol)で処理した。16時間後、反応液を減圧下に濃縮して乾固させ、粗取得物をRP−HPLCによって精製して、標題化合物(実施例34)を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ8.82(d、J=8.0Hz、1H)、7.82(m、2H)、7.66(s、1H)、7.41(m、2H)、7.30(m、3H)、7.18(m、2H)、7.03(td、J=6.8,2.0Hz、2H)、5.23(q、J=5.2Hz、1H)、4.06(s、2H)、3.33(s、3H)、2.93(重複s、5H)、2.87(s、2H)、1.55(d、J=7.2Hz、3H)、1.29(s、3H);HRMS ES:C2835FNSの計算値:526.2487、実測値:527.2503。
【実施例35】
【0258】
N−[4−{[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル)アミノ]メチル}−6−({[2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルプロパン−2−スルホンアミド
【0259】
【化91】

中間体アミンXXII(37mg、0.14mmol)、XXI(32mg、0.09mmol)およびHOAt(12mg、0.09mmol)のDCM(1mL)溶液を入れたバイアルに、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(23mg、0.12mmol)を加えた。終夜攪拌後、反応液を10%KHSO水溶液に投入し、EtOAcで抽出し(10mLで2回)、有機層を合わせ、ブラインで洗浄した。NaSOで脱水し、溶媒を除去した後、粗生成物50mgを得た。LCMS[M+H]=588.1。前段階からの中間体アミドをTHFに溶かし、BH−THF(1.8M、0.5mL、0.9mmol)で処理した。混合物を加熱して60℃として終夜経過させ、冷却して室温とし、MeOHで反応停止した。混合物を濃縮して乾固させて、粗Boc保護前駆体を得た。次に、粗Boc保護生成物を塩化メチレン1mLに溶かし、トリフルオロ酢酸(0.04mL、0.50mmol)で処理した。16時間後、反応液を減圧下に濃縮して乾固させ、粗取得物をRP−HPLCによって精製して、標題化合物(実施例35)を得た。H NMR(400MHz、CDOD)δ7.33(m、3H)、7.19(d、J=6.4Hz、2H)、6.51(s、1H)、6.35(s、1H)、4.05(m、3H)、3.33(s、3H)、3.14(7重線とmの重なり、J=7.2Hz、4H)、3.00(s、2H)、1.39(s、3H)、1.32(d、J=6.8Hz、6H)、1.02(d、J=6.0Hz、3H)、0.81(m、1H)、0.63(m、1H)、0.37(m、1H)、0.20(m、1H);HRMS ES:C2539Sの計算値:474.2897、実測値:474.2925。
【0260】
以上、本発明のある種の特定の実施形態を参照しながら本発明について記載および説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しない限りにおいて、手順およびプロトコールについての各種の調整、変更、置き換え、削除および追加を行うことが可能であることは当業者には明らかであろう。従って、本発明が添付の特許請求の範囲によって定義されるものであり、そのような特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈すべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩。
【化1】

[式中、
Xは、OまたはNHであり;
Yは、CHまたはNであり;
Aは、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニルおよび
(4)−C2−10アルキニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C3−8シクロアルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)フェニルまたは
(g)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−C2−10アルケニル、
(vii)−C2−10アルキニルまたは
(viii)−C3−8シクロアルキル
で置換されており;
は、
(1)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリール、または
(2)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
であり、
前記アリールまたはヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、
(d)−C2−10アルキニル、
(e)−OH、
(f)−CN、
(g)−O−C1−10アルキルまたは
(h)−C3−8シクロアルキル
で置換されており;
は、
(1)(R−SO)N(R)−[Rは、
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)−C2−10アルキニルまたは
(d)−C3−8シクロアルキル
であり、
前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−C2−10アルケニル、
(vii)−C2−10アルキニル、
(viii)−C3−8シクロアルキル、
(ix)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールまたは
(x)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記アリールおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)−C1−10アルキル、
(vii)−C2−10アルケニルまたは
(viii)−C2−10アルキニル
で置換されており;
は、
(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニルまたは
(d)−C2−10アルキニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールまたは
(vii)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
で置換されており、
前記シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキルまたは
(vi)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリール
で置換されている。];
(2)
【化2】

(3)
【化3】

からなる群から選択され;
は、
【化4】

からなる群から選択され、
は、
(1)−C1−10アルキル、
(2)−C2−10アルケニル、
(3)−C2−10アルキニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上のハロで置換されており;
6a、R6bおよびR6cは独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−10アルキル、
(4)−C2−10アルケニル、
(5)−C2−10アルキニル、
(6)−OH、
(7)−CN、
(8)−C3−8シクロアルキルおよび
(9)−O−C1−10アルキル
からなる群から選択され;
およびR10は独立に、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニルまたは
(5)−C3−8シクロアルキル
からなる群から選択され;
前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−O−C1−10アルキル
で置換されており、
あるいはRおよびR10がこれらが結合している窒素原子と一体となってピロリジン環を形成しており、その環は未置換であるか1以上の
(a)C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)−C2−10アルキニル、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−(CH−フェニル、
(f)−CN
で置換されており、
前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるか1以上の
i)ハロ、
ii)−OH、
iii)−CN、
iv)−O−C1−10アルキルまたは
v)−C3−8シクロアルキル
で置換されており、
前記シクロアルキルおよびフェニルは未置換であるか1以上の
i)ハロ、
ii)−C1−10アルキル、
iii)−C2−10アルケニル、
iv)−C2−10アルキニル、
v)−OH、
vi)−CN、
vii)−C3−8シクロアルキルまたは
viii)−O−C1−10アルキル
で置換されており;
11は、
(1)−CH−、
(2)−O−および
(3)−NR
からなる群から選択され、
ただし、R11が−CH−である場合は点線は結合を形成しており、R11が−O−または−NR−である場合は点線は非存在であり;
は、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニルまたは
(5)−CH−フェニル
からなる群から選択され、
前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはフェニルは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−O−C1−10アルキル
で置換されており;
12は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)ハロ、
(6)−C3−8シクロアルキル、
(7)フェニルおよびナフチルからなる群から選択されるアリールおよび
(8)ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリルおよびベンゾオキサゾリルからなる群から選択されるヘテロアリール
からなる群から選択され、
前記アリールおよびヘテロアリールは未置換であるか1以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C3−8シクロアルキル、
(f)−C1−10アルキル、
(g)−C2−10アルケニルまたは
(h)−C2−10アルキニル
で置換されており;
mは、0、1、2または3であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2、3または4であり;
ただし、AはCHOH以外である。]
【請求項2】
mが1であり、Rがフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が(R−SO)N(R)−である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRがメチルである請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Aが未置換C1−6アルキルまたは未置換C2−6アルケニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】

【化5】

である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
YがCHである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
YがNである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
XがOである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペント−4−エン−1−イル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
3−{[(2−アミノ−2−ベンジルペンチル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
3−{[(2−アミノ−2−ベンジルヘキシル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{ベンジル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド;
N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド;
N−(4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−{メチル[(2−メチルシクロプロピル)メチル]アミノ}ピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド;
4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−2−カルボキサミド;
N−{4−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−6−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−2−イル}−N−プロピルメタンスルホンアミド;
N−{3−({[(2R)−2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル]オキシ}メチル)−5−[(Z)−2−(2−メチルシクロプロピル)ビニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド;
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−(1,1−ジメチルプロプ−2−イン−1−イル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミド;
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)ベンズアミド;
N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−フェニルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド;
N−{3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(2−プロピルピロリジン−1−イル)カルボニル]フェニル}−N−プロピルメタンスルホンアミド;
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]−N,N−ジプロピルベンズアミド;
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−(1−メチルブト−2−イン−1−イル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミド;
N−(3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−5−{[(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル)アミノ]メチル}フェニル)−N−プロピルメタンスルホンアミド;
3−[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[プロピル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
3−[(2−アミノ−3−フェニルプロポキシ)メチル]−N−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−((R)−1−フェニルエチル)ベンズアミド;
3−((−2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−ベンジル−5−(1−シアノシクロペンチル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(2−フェニルピロリジン−1−イル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(2−プロピルピロリジン−1−イル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N,N−ジプロピルベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(ペント−3−イン−2−イル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−(1−(2−クロロフェニル)エチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−5−(1−シアノシクロペンチル)−N−(2−エチニルピロリジン−1−イル)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−エチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−ベンジル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−ジフルオロメチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド;
3−((2−アミノ−2−フルオロメチル−3−フェニルプロポキシ)メチル)−N−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル)−5−(N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ)ベンズアミド;
3−{[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル)アミノ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ベンズアミド;
N−[4−{[(2−アミノ−2−メチル−3−フェニルプロピル)アミノ]メチル}−6−({[2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−メチルプロパン−2−スルホンアミド
からなる群から選択される化合物および該化合物の製薬上許容される塩。
【請求項11】
下記式(II)の請求項1に記載の化合物および該化合物の製薬上許容される塩。
【化6】

[式中、Y、A、R、R、R、R6a、R6bおよびR6cおよびmは請求項1で定義の通りである。]
【請求項12】
下記式(III)の請求項1に記載の化合物および該化合物の製薬上許容される塩。
【化7】

[式中、Y、A、R、R、R、R11、R12およびmは請求項1で定義の通りである。]
【請求項13】
YがNであり、R11がNRである請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
下記式(IV)の請求項1に記載の化合物および該化合物の製薬上許容される塩。
【化8】

[式中、Y、A、R、R、R、Rおよびmは請求項1で定義の通りである。]
【請求項15】
下記式(V)の請求項1に記載の化合物および該化合物の製薬上許容される塩。
【化9】

[式中、R13aおよびR13bは独立に、
(a)ハロ、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)水素および
(g)−C3−8シクロアルキル
からなる群から選択され;
mは1であり;
Y、A、RおよびRは請求項1で定義の通りである。]
【請求項16】
下記式(VI)の請求項1に記載の化合物および該化合物の製薬上許容される塩。
【化10】

[式中、Y、A、R、R、Rおよびmは請求項1で定義の通りである。]
【請求項17】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項18】
哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物でのβ−セクレターゼの阻害方法。
【請求項19】
患者に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を有する、処置を必要とする患者でのアルツハイマー病の治療方法。

【公表番号】特表2007−515404(P2007−515404A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541431(P2006−541431)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/038927
【国際公開番号】WO2005/051914
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】