説明

アンテナ装置とそれを用いた電子機器

【課題】
本発明は、例えば自動車(電子機器)などに装着され使用されるアンテナ装置とそれを用いた電子機器に関するものであり、小型化を図るとともに位置検出精度を高めることを目的とする物である。
【解決手段】
そしてこの目的を達成するために本発明は、前面側において、所定間隔をおいて設置された第1、第2の送受信開口11a,11bを有するアンテナ体7と、このアンテナ体7の後方において、導波路体8を介して設けた送受信体9を備え、前記導波路体8は、前記アンテナ体7の第1、第2の送受信開口11a,11bに対する導波路長を可変する構成とした。また、前記可動導波路10の固定導波路12、36と対向する面に、固定導波路12、36に向けて突出するほぼλ/4の複数の突起44を設け、この突起44を一構成要件とする位置検出手段を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車(電子機器)などに装着され使用されるアンテナ装置とそれを用いた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年衝突回避、車間距離制御などに用いられるレーダー装置が自動車に装着されるようになってきた。このレーダー装置は自動車がカーブを走行しているときにおいても測定可能にするため左右15度(計30度)程度の検知角が求められる。
【0003】
この検知角を得られるための一つの方法として、送受信体の前に導波路体を介してアンテナ体を配置するとともに、前記アンテナ体を導波路体に対して左右に可動する構成としていた。
【0004】
これに類似する特許文献としては下記特許文献1(特開2002−223113)が存在する。
【特許文献1】特開2002−223113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例における課題は、アンテナ装置が大型化してしまうということであった。すなわちアンテナ装置において上記左右15度(計30度)程度の大きな検知角を得るためには、上記アンテナ体は非常に大きなものとなっており、この大きなアンテナ体を左右に駆動する構成とすると、その可動空間も含め、結論としてアンテナ装置は非常に大きな物となってしまう。
【0006】
近年の自動車はたとえば省エネ対策等からコンパクト化が図られてきているが、この流れの中で、その安全対策といえどもアンテナ装置が大きくなってしまうのは好まれない。
【0007】
つまりアンテナ装置としては、小型化が求められるものである。
【0008】
そこで本発明は、アンテナ装置の小型化を図るとともに、位置検出精度を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、
前面側において、所定間隔をおいて設置された第1、第2の送受信開口を有するアンテナ体と、このアンテナ体の後方において、導波路体を介して設けた送受信体を備え、
前記導波路体は、可動導波路とこの可動導波路に所定間隔をおいて対向配置した固定導波路とにより構成し、前記可動導波路の固定導波路と対向する面に、固定導波路に向けて突出するほぼλ/4の複数の突起を設け、この突起を一構成要件とする位置検出手段を設け、
これにより初期の目的を達成するものである
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、
前面側において、所定間隔をおいて設置された第1、第2の送受信開口を有するアンテナ体と、
このアンテナ体の後方において、導波路体を介して設けた送受信体を備え、
前記導波路体は、可動導波路とこの可動導波路に所定間隔をおいて対向配置した固定導波路とにより構成し、
前記可動導波路の固定導波路と対向する面に、固定導波路に向けて突出するほぼλ/4の複数の突起を設け、この突起を一構成要件とする位置検出手段を設けたものであるので、小型化が達成できるものである。
【0011】
すなわち本発明においては、アンテナ体を固定式としその後方の導波路体を可動させることにより、広い検知角をうる構成としたものであるので、従来のごとくアンテナ体を可動させるものに比べると、大幅な小型化が図れるものとなる。
【0012】
また本発明においては、導波路体を構成する可動導波路の固定導波路に対向する面に、固定導波路に向けて突出するほぼλ/4の複数の突起を設け、この突起を一構成要件とする位置検出手段を設けたので、突起により可動導波路と固定導波路間からの電波の流失が抑制される。
【0013】
しかもこの突起を利用して可動導波路の位置検出を行う位置検出手段を設けたものであるので、位置検出手段としての構成要件が少なくなり、その点でも小型化が図れ、しかも可動導波路自体に設けた突起を利用して位置検出手段を構成したので、可動する可動導波路に対する位置検出精度を高めることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の一実施形態をたとえば電子機器として自動車を例としこれにアンテナ装置を例とした物を説明する。
(実施の形態1)
図1において1は、自動車本体で、この自動車本体1の下方は4本のタイヤ2が設けられている。
【0015】
これらのタイヤ2は、自動車本体1のボンネット3下方に収納したエンジン(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。
【0016】
また、車内4内には、タイヤ2を運転操作するためのハンドル(図示せず)が設けられている。また、自動車本体1の前面側のバンパー5の上方には、図2に示すアンテナ装置6が設けられている。
【0017】
このアンテナ装置6は後で詳しく説明するがこれら図1、図2に示すごとく、自動車本体1の前面側において、前方たとえば150メートルの範囲に対し中心から水平方向に左右たとえば15度(計30度)の範囲で、76.5GHzの電波をその角度を順次捜査しながら発射し、またその照射された角度における前方150メートル以内からの反射波を受信することにより前方150メートル範囲内における対象物(先行する他の自動車あるいは落下物等の障害物)などを検出し、自動車本体1の各種制御に活用するようになっている。
【0018】
この制御の一例としては、例えば先行する他の自動車との距離を測定することにより自車のスピードをコントロールし、先行する自動車との距離を保とうとする制御あるいは、前方における落下物の有無を検出し車内4内において警報を発する制御などを行うものとなっている。
【0019】
さて、この図2に示すアンテナ装置6は、具体的には図3に示す各種構成部品により構成されている。図3において左側が自動車本体1の前方側となっているので、以降図3においては左側が前方、右側が後方というように表現する。
【0020】
すなわち図3において、7はアンテナ体であり、このアンテナ体7の後方には導波路体8を介して送受信体9が配置されている。
【0021】
まずアンテナ体7はこの図3に示すごとく平板状をしたものであって、その左右には図10にも示しているが、複数の送受信開口11a、11bが設けられている。これら送受信開口11a、11bの具体的な形状については後で再び詳細に説明する。
【0022】
再び図3に戻って説明を続けると、次に導波路体8は扇状の可動導波路10と、その前方側に設けた図8に示す固定導波路36と、可動導波路10の後方側に設けた図3に示す固定導波路12とにより構成されている。
【0023】
このうち先ず可動導波路10は、たとえば金属製または樹脂製でその表面に金属皮膜をメッキした磁性体で作られており、これら図7、図11に示すごとくその前面側および後面側には扇形の内周から外周にかけて所定間隔をおいて4本の溝状の導波路13が所定間隔で形成されている。また各導波路13の図7における左右端には前面側と後面側を貫通した貫通口14が設けられている。
【0024】
この可動導波路10についてさらに説明を続けると、この可動導波路10は上述したごとく扇状となっており、この可動導波路10の要部分には軸支をするための貫通口15が設けられている。この貫通口15には、円筒軸16の前方側径小部17が挿入されるようになっているが、この挿入の前にこの径小部17は図11に示す駆動体18の貫通口19に挿入され、その後可動導波路10の貫通口15に挿入され、そしてその状態で貫通口15よりも前方側に突出した径小部17にナット20がネジ止めされるようになっている。
【0025】
なおこの図11においては、径小部17とナット20へのネジ溝は図示していない。
【0026】
また円筒軸16内の前後には軸受け21、22が設けられ、これら軸受け21、22の貫通口には、支持軸23が貫通固定されるようになっている。
【0027】
つまり支持軸23を中心に可動導波路10と駆動体18が回動させられるようになっている。
【0028】
また、一体化された可動導波路10と駆動体18は、上述のごとく支持軸23を中心に回動するが、この一体化された可動部分の重心を支持軸23の軸支部に取ることによって、可動部分の重量バランスが取れ、その結果として回動するための駆動エネルギーを抑制できる。
【0029】
すなわち、消費電力を抑える効果がある。
【0030】
また、可動部分のバランスが取れていることで、振動、衝撃などの外乱の影響を抑制できる。
【0031】
これは、自動車に搭載した際には、その振動、衝撃に対しての影響を受けにくくなり、信頼性が向上するという効果がある。
【0032】
なお支持軸23は図3における導波路体8の後方側に配置した送受信体9の前面側に配置した板体24の貫通口25に固定されるようになっている。
【0033】
再び図11にもどって説明を続けると、扇形の可動導波路10とその下方に設けた駆動体18は、それらの要部分で一体化され、その状態において駆動体18の後面側には電磁コイル26が装着されその状態の駆動体18の前後にはヨーク27と磁石28による磁気回路が形成されている。
【0034】
この磁気回路部分を示した物が図12である。
【0035】
この図12に示すごとく磁気回路においては、前面側のヨーク27と後面側の磁石28の間に非接触状態で電磁コイル26が設けられた状態となっており、この状態で電磁コイル26に通電を行うとフレミングの左手の法則による電磁力を受け、それによって駆動体18は図11における前方からみて左右にふれることになる。
【0036】
このふれは、上述のごとく駆動体18に一体化された可動導波路10に伝達され、これによって可動導波路10も左右に回動することになる。
【0037】
さて、このように左右にふれる可動導波路10の後方には上述のごとく固定導波路12が所定間隔をおいて非接触状態で対向配置されている。
【0038】
この固定導波路12は図6に示すごとく、前面側には左右に分離された円弧状の導波路29が扇形の外方にむかって所定間隔をおいて4本設けられている。
【0039】
そしてこの導波路29の左右に分離された中心側には、それぞれ貫通口30が設けられている。
【0040】
さてこの固定導波路12の後面側には図5に示すごとく4つの貫通口30にそれぞれ連通したいわゆるトーナメント給電形状の導波路31が設けられ、このトーナメント給電形状の導波路31はこの図5に示すごとく最終的には1つの給電口32として集約され、その状態で図4に示すごとく固定導波路12の後面側は板体33で覆われ、この板体33の前記給電口32に対応する部分に給電口34が形成される。
【0041】
この給電口34には上記板体24の給電口35が対向させられた状態となっている。
一方、可動導波路10の前方側に配置されたアンテナ体7の後面側には、図8、図9に示す固定導波路36が配置されている。
【0042】
この固定導波路36の後面側には、図8に示すごとく左右に分離された円弧状の導波路37が扇形の外方にむかって4本形成されており、この導波路37の左右に分離された中心部分に貫通口38が形成されている。
【0043】
また固定導波路37の前面側には、図9に示すごとく左右に分離された縦方向の導波路39が設けられており、この導波路39の上端側はそれぞれ図9に示すごとく内方側に傾けられ、この傾いた部分に前記貫通口38が形成された状態となっている。
【0044】
再び図3に戻って説明を続けると、導波路体8の後方側に設けた送受信体9は、上記板体24とその後方側に配置したRF回路部40と制御部41により構成されている。
【0045】
なお図3において、最も右側に設けられた42はケースで、このケース42内に送受信体9、導波路体8、アンテナ体7が順次収納され、その状態でケース42の前面側具体的にはアンテナ体7の前面側には電波透過性のカバー43が装着されることになる。
【0046】
さて図1に示した自動車においては、自動車本体1の中央制御器(図示せず)から、たとえば前方を走行する自動車との距離を測定し、自車の速度コントロールをするため、及び前方における障害物探査のために76.5GHzの電波を図1に示すごとく前方の左右に15度(計30度)の範囲に出射させ、受信させることが指示された場合について説明する。
【0047】
この場合、まず図3における制御部41がその指示を受け、RF回路部40から76.5GHzの電波を発することになる。
【0048】
この電波は次に、板体24の給電口35を通過し、次に固定導波路12の後方側の図4に示す給電口34と進行する。
【0049】
すると、この給電口34から図5に示す固定導波路12の給電口32に電波が供給された状態となり、これは図5に示すいわゆるトーナメント給電路の反対の経路を通って8本の分離された導波路31へと分離進行し、その後貫通口30からこの固定導波路12の前面側の左右に分離された8本の導波路29へと供給されている。
【0050】
この導波路29には、図7、図11で説明した可動導波路10の導波路13が所定間隔を離した状態で対向配置されている。
【0051】
従って、可動導波路10の後方側においては、対向する導波路13と固定導波路12の導波路29とにより、上記出射された76.5GHzの電波の導波路が形成され、この導波路を介して、電波が進行し、次には貫通口14から可動導波路10の前方側へと電波が進行することになる。
【0052】
ただし、可動導波路10は上述したように電磁コイル26への通電により左右に往復回動をしているので、導波路長が変化し、これによりこの可動導波路10の前面側に貫通口14を介して進行してくる電波の位相は可動導波路10の回動に伴って、周期的に変化する状態となっている。
【0053】
そしてこのように、周期的に位相が変わる状態となった電波が次にこの可動導波路10の前面側において、所定間隔をおいて対向配置された図8に示す固定導波路36の導波路37へと進行していく。
【0054】
すなわち、この可動導波路10の前面側においても扇形導波路13と図8に示す固定導波路36の左右に分離された扇形導波路37がそれぞれ対向配置されているので、導波路13、37で形成される導波路を介して上記電波が進行していくものとなる。
【0055】
ただし、この場合も可動導波路10の後方側と同じく可動導波路10が上述したように電磁コイル26への通電により左右に往復回動をしているので、この可動導波路10の前面側においても導波路長が変化し、導波路37に進行する電波の位相は、可動導波路10の回動に伴って、周期的に変化する状態となっている。
【0056】
そして、この電波は次に図8の貫通口38を介してこの固定導波路36の前面側において、左右に分離され上方から下方にのばされた導波路39を進行することになる。
【0057】
さて、このように左右に分離され上下にのばされた導波路39の前面側には図10に示すごとくアンテナ体7の送受信開口11a,11bが設けられているので、この送受信開口11a,11bを介して、図1に示す自動車本体の前方側へと電波が出射されることになる。
【0058】
さて、この状態において図10に示すごとく左右に所定間隔をおいて複数配置された送受信開口11a,11bはそれぞれの左右において図10に示すごとく上下方向に所定間隔をおいて設けられ、かつそれが左右方向において4本ずつ合計8本設けられた状態となっている。
【0059】
ここで重要なことは、上述したようにこれらの送受信開口11a,11bに供給されてくる電波は上述したように可動導波路10の回動に伴って位相が周期的に変化しており、これは例えば8本のスピーカーが所定間隔をおいて離して配置された状態において、そこから出す音の位相を順次周期的に変化させることによって、スピーカー列の前面で離れた場所に、前記スピーカー列と並行して並んだ複数の聴講者のうち、強い音を感じる聴講者の位置が、中央から右に移動し、再び右から中央に移動し、その後中央から左に移動し、再び中央に戻る定期的な変化をする状態と同じような状態となる。
【0060】
すなわち、アンテナ体7が固定されているにも拘わらずその左右に設けた送受信開口11a,11bから上述したように車の前方に対して左右に15度(計30度)の範囲内で電波を連続的に出射される状態を形成させることができる。この時の出射される電波は、その強度の強い部分が、上記左右15度(計30度)の範囲内を順次揺動する状態で出射されることになる。そして強度の強い電波の出射した方向からの反射波をこの出射波の経路を反対の方向を通じてRF回路部40に戻すことができる状態となる。
【0061】
前記制御部41は、電波の出射時に何度の方向に向けて出射することは理解しているので、その角度に先行車あるいは障害物があるか否かを瞬時に判断しその結果を上述したように自動車本体の中央制御器に伝達することができる。
【0062】
ただし、出射角度の検出精度を高めるためには、可動導波路10の回動角度を直接検出することが好ましく、そのためには本実施形態においては、図13に示す構成を採用した。
【0063】
具体的には、まず可動導波路10は、上述のごとくその前後に所定間隔をおいて非接触状態で固定導波路36、12が形成され、それらに形成した導波路(後方より前方に向けて、29、13、37)を対向させることで電波が進行する通路を形成している。
【0064】
この時、可動導波路10が可動するので、しかたなく固定導波路36、12との間には所定間隔を設けなければならない。
【0065】
しかしこのように可動導波路10と固定導波路36、12間に所定間隔のすきまが形成されてしまうと、そこから電波漏れが発生してしまう。
【0066】
そこで、本実施形態においては、図7および図11に示すように、扇形可動導波路10の導波路13の内周側(図7の導波路13の下側)および外周側(図7の導波路13の上側)には、複数の突起44を設けている。
【0067】
さらに詳細に説明すると、この突起44は、上記前方側の固定導波路36および後方側の固定導波路12に向けてそれぞれ突出させた形状とし、その高さは導波路13を進行している電波の波長λに対してλ/4としている。
【0068】
また突起44間の間隔は、導波路13を進行している電波の波長λに対してλ/2からλまでとしている。
【0069】
このため、導波路13を進行している電波は、その内周側外周側に漏れようとした場合に前記突起44による電波の開放状態(電波の漏れ路が無くなった状態)が発生する結果として、この内外周方向への漏れは、発生しなくなる。
【0070】
よって、導波路13を進行する電波は上述のごとく次に導波路37へと進行し、送受信開口11a,11bから自動車本体の前方へと角度を振りながら出射される。
【0071】
さて、このような出射方向の精度を高めるため、本実施形態では図13に示すごとく可動導波路10の最外周の突起44に近接して磁気センサー45を配置した。
【0072】
この磁気センサー45は、4つの磁気抵抗素子とバイアス磁石(図示せず)とから構成される。4つの磁気抵抗素子46、47、48、49は、同図13に示すように、ブリッジ接続し、磁気抵抗素子46、47の中心間の距離と、磁気抵抗素子48、49の中心間の距離とをそれぞれ、隣接する突起44間のピッチ(間隔)に対して1/2ピッチとした。
【0073】
また、磁気抵抗素子46と49および47と48は、隣接する突起44間のピッチ(間隔)に対して1/4ピッチとした。
【0074】
そしてこの状態で、図13のごとく、磁気センサー45は可動導波路10の中心を除く例えば右側に配置した。
【0075】
上述のごとく、自動車本体1から出射する電波は左右に15度(計30度)の範囲で振ればよいので、この図13に示す可動導波路10を回動させても磁気センサー45が突起44の外に出てしまわない状態となっている。
【0076】
この状態としておけば、たとえば可動導波路10は図13において反時計方向に回動する場合(図14の左側)には、図14のごとく、磁気抵抗素子48、49間のA点出力は、図14のごとく磁気抵抗素子46、47間のB点出力よりも早く出力される。
【0077】
これを見て制御部41は、可動導波路10が反時計方向に回動していることを理解し、その後はこのA点出力の個数を数えることで、可動導波路10が反時計方向に何度回動したかを理解する。
【0078】
もちろん、B点出力がA点出力よりも早く現れる場合(図14の右側)には、可動導波路10は時計方向に回動しその回動角度が何度であるかが理解される。
【0079】
そして、この磁気センサー45からの出力を、制御部41を介して供給された自動車本体1の中央制御器は、この制御部41からの電波により先行する他の自動車との距離を保つために減速したり、前方の障害物を検知して速度を減速させたりすることで安全性を高めることとなる。 なお上記実施形態においては、位置検出手段として磁気センサー45を用いたが位置検出手段を光センサーで構成することも出来る。その場合、光センサーから出射された光が突起44で反射される信号の周期性を検知することで、回動角度を検出することが出来る。
【0080】
なおその場合、回動方向の検出のためには光センサーを複数個用いたり、回動方向を検出する他の素子を併用したりすることが必要な場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のごとく本発明は、アンテナ体を稼働させずに小型化をはかるものであるので、省エネルギーの観点から小型軽量化を推進しようとしている自動車などへの展開も大いに期待できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態を適用した自動車の斜視図
【図2】本発明の一実施形態にかかるアンテナ装置の斜視図
【図3】本発明の一実施形態にかかるアンテナ装置の分解斜視図
【図4】その固定導波路の斜視図
【図5】その固定導波路の斜視図
【図6】その固定導波路の斜視図
【図7】その可動導波路の正面図
【図8】その固定導波路の斜視図
【図9】その固定導波路の斜視図
【図10】そのアンテナ体の斜視図
【図11】その可動導波路の分解斜視図
【図12】その磁気回路部を示す平面図
【図13】その可動導波路部の正面図
【図14】その動作波形図
【符号の説明】
【0083】
1 自動車本体
2 タイヤ
3 ボンネット
4 車内
5 バンパー
6 アンテナ装置
7 アンテナ体
8 導波路体
9 送受信体
10 可動導波路
11a 送受信開口
11b 送受信開口
12 固定導波路
13 導波路
14 貫通口
15 貫通口
16 円筒軸
17 径小部
18 駆動体
19 貫通口
20 ナット
21 軸受け
22 軸受け
23 支持軸
24 板体
25 貫通口
26 電磁コイル
27 ヨーク
28 磁石
29 導波路
30 貫通口
31 導波路
32 給電口
33 板体
34 給電口
35 給電口
36 固定導波路
37 導波路
38 貫通口
39 導波路
40 RF回路部
41 制御部
42 ケース
43 カバー
44 突起
45 磁気センサー
46,47,48,49 磁気抵抗素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側において、
所定間隔をおいて設置された第1、第2の送受信開口を有するアンテナ体と、
このアンテナ体の後方において、導波路体を介して設けた送受信体を備え、
前記導波路体は、可動導波路とこの可動導波路に所定間隔をおいて対向配置した固定導波路とにより構成し、
前記可動導波路の前記固定導波路と対向する面に、前記固定導波路に向けて突出するほぼλ/4の複数の突起を設け、この突起を一構成要件とする位置検出手段を設けたアンテナ装置。
【請求項2】
前記固定導波路と可動導波路の導波路の形状は円弧状とし、この可動導波路を回動させる請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記可動導波路は、扇状とした請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記扇状の可動導波路の要部分を軸支するとともに、この軸支部の前記扇状の可動導波路とは反対側に、駆動体を前記扇状の可動導波路と一体化して設けた請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
可動導波路と駆動体を一体化した導波路体の重心を、軸支部にほぼ一致させた請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記駆動体に電磁コイルを装着し、この駆動体の前後に磁気回路を設けた請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記アンテナ体の前面側に電波透過性のカバーを設けた請求項1から6のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項8】
位置検出手段は、前記可動導波路の突起と、この突起に近接配置した磁気センサーとにより構成した請求1から7のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項9】
位置検出手段は、前記可動導波路の突起と、この突起に近接配置した光センサーとにより構成した請求1から7のいずれか1つに記載のアンテナ装置。
【請求項10】
請求項1から9の少なくとも1つのアンテナ装置の送受信体に、送受信機を電気的に接続した電子機器。
【請求項11】
前記アンテナ体は自動車本体の前面側に装着した請求項10に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−302989(P2009−302989A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156174(P2008−156174)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】