説明

イオンチャンネル、特にKvファミリーのイオンチャンネルと相互作用する化合物

本発明は、イオンチャンネルと相互作用する化合物に関する。
特に、本発明は、構造式(I)、(II)、(III)または(IV)、立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、それらの代謝産物、あるいは薬学的に許容可能な塩および/またはその溶媒和物を有する化合物に関する。
式(I)、(II)、(III)、(IV):


式中、X1、X2、Y、Z、W、R1、R8、R9、R10、 L、A、z、およびnは請求項1で定義した意味を有する。
本発明はまた、該化合物を製造する方法、該化合物を含む医薬組成物、ならびにヒトおよび動物の身体を治療するための方法における前記化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンチャンネルと相互作用する化合物に関する。
【0002】
特に、本発明は、Kvファミリー、特に、Kv4サブファミリーのイオンチャンネルと相互作用する化合物に関する。
【0003】
本発明はまた、該化合物を製造する方法、該化合物を含む医薬組成物、ならびにヒトおよび動物の身体を治療するための方法における前記化合物の使用、および/または該医薬組成物を製造するための該化合物の使用に関する。
【0004】
本発明の化合物は、例えば、イオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療に使用でき、具体的には、イオンチャンネルKvファミリーに関連する症状および疾患の予防および/または治療に使用でき、より具体的には、イオンチャンネルKv4ファミリーに関連する症状および疾患の予防および/または治療に使用することができる。
【0005】
本発明の他の態様、実施形態、使用および有利な点は、より詳細な以下の記載により明らかとなる。
【背景技術】
【0006】
Kv4チャンネルについては、そのコード配列、生物学的機能/活性、および疾患との関連はしかるべく、当技術分野で記載されており、例えば、Bahringら, J. Biol. Chem., Vol. 276, no. 26, 233888-23894 (2001);Baldwinら, Neuron 7: 471-483 (1991);Dixonら, Circ. Res. 79: 659-688 (1996);Dilksら, J. Neurophysiol. 81 : 1974-1977 (1999);Kuoら, Cell, Vol. 107, 801-813 (2001);Pakら, Proc. Natl. Acad. Sci USA 88, 4386-4390 (1991);Ohyaら, FEBS Lett. 420:47-53 (1997);RobertsおよびTamkun, Proc. Natl. Acad. Sci USA 88, 1798-1802;Rudyら, Mol. Cell. Neurosci. 2, 89-102 (1991);Serodioら, J. Neurophysiol 75: 2174-2179 (1996);SerodioおよびRudy, J. Neurophysiol. 79: 1081-1091 (1998);およびTakimotoら, Circ. Res. 81 : 553-539 (1997)、ならびにその中で引用する、より詳細な参照文献を参照されたい。
【0007】
一般的に、Kv4チャンネルは、電位開口型カリウムチャンネルであるので、とりわけ、膜の脱分極および再分極の出来事に関与し、例えば、ニューロン発射の一部としておよび/またはそれに続き、および/または筋肉の収縮/弛緩サイクルの一部として関与する。
【0008】
具体的には、上記参照文献で述べられているように、Kv4チャンネルは、様々な種類の初代培養細胞(Dilksら、上記)、特に筋肉および神経細胞中の初代培養細胞、によって発生する野生型A型電流に関与していると信じられている。Kv4.2およびKv4.3転写産物は、ほとんどの神経細胞で見つかっており、特にCNS神経細胞(上記のSerodioおよびRudyを参照、ラット脳のKv4チャンネルの分布について考察)、同様に心筋(ディクソンら参照、そしてSerodioらによる。共に上に記す。彼らはラット、イヌ、およびヒトの心臓中のKv4転写産物の存在量および分布について考察する)で見つかっている。Kv1型チャンネル等、他のファミリーのKv型チャンネルと比較して、Kv4チャンネルは活性化し、閾値下電位でおよび不活化し、時間定数で不活化させることも判明しており、この時間定数は電圧の関数として(極負電位時ですら)ほとんど変化せず、不活性化から非常に素早く回復するものである(上記RudyおよびSerodio参照)。
【0009】
神経細胞、特に、脳のニューロンでは、Kv4チャンネルはとりわけ発射率の転調、活動電位の始動、バーストパターン(様式)の形成、およびシナプス後性シグナルの組込み(上記Dilksら、およびBahringら)に重要な役割を果たすと考えられ、かつそのような活性の結果生じる生理的状態/疾患に関与すると信じられている(SerodioおよびRudy、上記)。
【0010】
心臓では、Kv4チャンネルは、とりわけ心筋(「一過性外向き電流」すなわちlto)で、特に、心室筋中のカルシウム非依存性A型電流で重要な役割を果たすと考えられ、従って初期再分極に関与し、よって活動電位の全体的持続時間および不応期の長さに関与すると考えられている(SerodioおよびRudy、上記)。このために、Kv4チャンネルは、不整脈および他の種類の心不全(Kuoら、上記)等、心臓疾患(に対する感受性)に関与すると考えられている。
【0011】
今までのところ、3種の哺乳動物Kv4遺伝子が、それぞれ、Kv4.1(mSha1としても知られる)、Kv4.2(RK5としても知られる)およびKv4.3と名づけられ、すなわち、ラットおよびイヌ(ディクソンら、Serodioら、Ohyaら、およびTakimotoら、全て上に記載)、そしてヒトから(Dilksら、およびBahringら、上記、また例えば国際公開第98/42833号および米国公開第6,395,477号を参照)、クローン化され、特徴づけられている。
【0012】
哺乳動物Kv4チャンネルをコードする遺伝子配列はまた、GenBank/NCBI等の公的に利用可能なデータベースから入手することもでき、例えば、マウス由来Kv4.1(アクセッション番号NP_032449およびA38372)、ヒト由来Kv4.1(アクセッション番号BAA96454、AAF65617、およびAF65516)、マウス由来Kv4.2(アクセッション番号NP_062671およびAAD16972)、ラット由来Kv4.2(アクセッション番号NP_113918);ヒト由来Kv4.2(アクセッション番号AAD22053およびCAB56841)、マウス由来Kv4.3(アクセッション番号NM_019931およびAF384170)、ラット由来Kv4.3(アクセッション番号U42975)およびヒト由来Kv4.3(アクセッション番号XM_052127)を入手することができる。
【0013】
上記参照文献はまた、Kv4ファミリー由来の更なるチャンネルが将来同定されクローン化されうることを示しており、例えば、脳のニューロンでは、Kv4様閾値下作動Aチャンネルを示すけれども、Kv4.1、Kv4.2、および/またはKv4.3転写産物の豊富な発現は示さない(上記SerodioおよびRudyを参照)、または他の適切な組織/細胞においても同様である。
【0014】
上記のように、哺乳動物のKv4チャンネルは、また、キイロショウジョウバエのカリウムチャンネルをコードするShal様遺伝子産物にも高度な配列相同性(>70%)を有し、従って密接な関係があると考えられている(上記Baldwinら、さらに国際公開第01/58952号参照)。
【0015】
国際出願公開第03/097682号には、出願人により、ヒトKv4.3チャンネル等、異種Kvチャンネルを発現するC.エレガンス(Caenorhabitis elegans)の遺伝子組換え系統を用いた、化合物のKvチャンネルに与える影響を定量するアッセイが記載されている。試験化合物が、一般的なイオンチャンネルに、特にKvチャンネルに与える影響を定量する他のアッセイおよび技術は、例えば、FLIPR法や卵母細胞の使用等は当業者には明らかであり、国際公開第03/097682号にも記載されている。そのようなアッセイは、化合物がそうしたイオンチャンネルと「相互作用」するかどうか判定するのに使用することができる。以下に記載し、本記載および添付の特許請求の範囲を目的とする、そのような化合物が、前記イオンチャンネル、ならびに/あるいは前記イオンチャンネルに関連する生物学的機能および/または経路のアンタゴニストとして作用する場合、特に、そのような化合物がそのようなイオンチャンネルを完全に、または部分的に「阻害」できる場合、化合物はKvファミリー、特に、Kv4サブファミリーのイオンチャンネルのイオンチャンネルと「相互作用」すると見なす。
【0016】
上記の生物学的機能および疾患関連性を考慮して、イオンチャンネルと相互作用する化合物は、特に、化合物が相互作用するイオンチャンネルに関連する疾患および疾病の予防および/または治療において、医薬的に活性がある製剤として役立てることができる。限定しない例によって、Kv4サブファミリーのイオンチャンネル、特に、Kv4.3イオンチャンネルと相互作用する化合物(例えば、本明細書以下にさらに詳細に記載する化合物)を以下の疾患の予防および/または治療に使用することが可能で(医薬組成物の製造)あり、例えば、不整脈等の心臓疾患、高血圧誘導性心臓肥大等の高血圧誘導性心臓疾患(例えば心室肥大)、およびてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患、アルツハイマー疾患およびパーキンソン症候群等の神経系疾患および神経疾患が挙げられる。
【0017】
既知の化合物の幾つかの大きな欠点は、薬物が選択的に作用しないこと、すなわち、薬物が異なるイオンチャンネルの差異を選択しないことである。例えば、これらの化合物の多くはまた、ヒト遅延整流性カリウムイオンチャンネル遺伝子(hERG)のカリウムチャンネルと称されるカリウムチャンネルを阻害する。このチャンネルを高作用強度で阻害する化合物は、致死的な反応を引き起こしうる。この望ましくない封鎖は、患者を生死にかかわる不整脈の危険にさらす疾患である後天的QT延長症候群を引き起こしうる。米国心臓協会によれば、米国では心不整脈は、突然死の主要原因である。現在、FDAは、hERGを阻害するため、認可の前にあらゆる薬物のアッセイを要求している。大多数の患者にとって有益であると思われる医薬品でさえも、医薬品がhERGを阻害する場合は、市場に流通させず、または市場から回収してきた。
【0018】
従って、特定のKvチャンネルをモジュレートできることに加えて、hERGチャンネルと比較した場合、Kvチャンネルに選択的である化合物を見つけることが望まれている。すなわち、Kvチャンネルをモジュレートするが、hERGチャンネルを阻害しない化合物を見つけることが必要とである。
【0019】
当技術分野では、依然として上記の欠点を克服する新規な化合物を見出すという緊急的必要性が残っている。
【非特許文献1】Bahringら, J. Biol. Chem., Vol. 276, no. 26, 233888-23894 (2001)
【非特許文献2】Baldwinら, Neuron 7: 471-483 (1991)
【非特許文献3】Dixonら, Circ. Res. 79: 659-688 (1996)
【非特許文献4】Dilksら, J. Neurophysiol. 81 : 1974-1977 (1999)
【非特許文献5】Kuoら, Cell, Vol. 107, 801-813 (2001)
【非特許文献6】Pakら, Proc. Natl. Acad. Sci USA 88, 4386-4390 (1991)
【非特許文献7】Ohyaら, FEBS Lett. 420:47-53 (1997)
【非特許文献8】RobertsおよびTamkun, Proc. Natl. Acad. Sci USA 88, 1798-1802
【非特許文献9】Rudyら, Mol. Cell. Neurosci. 2, 89-102 (1991)
【非特許文献10】Serodioら, J. Neurophysiol 75: 2174-2179 (1996)
【非特許文献11】SerodioおよびRudy, J. Neurophysiol. 79: 1081-1091 (1998)
【非特許文献12】Takimotoら, Circ. Res. 81 : 553-539 (1997)
【特許文献1】国際公開第98/42833号
【特許文献2】米国公開第6,395,477号
【特許文献3】国際公開第01/58952号
【特許文献4】国際出願公開第03/097682号
【特許文献5】国際公開第03/097682号
【非特許文献13】The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw-Hill, Int. Ed. 1992, "Biotransformation of Drugs", p 13-15
【特許文献6】国際公開第99/33795号
【特許文献7】国際公開第99/33815号
【特許文献8】国際公開第99/33793号
【特許文献9】国際公開第99/33792号
【非特許文献14】『Protective groups in organic synthesis』、第3版、Wiley and Sons、1999
【特許文献10】米国特許第6,372,778号
【特許文献11】米国特許第6,369,086号
【特許文献12】米国特許第6,369,087号
【特許文献13】米国特許第6,372,733号
【特許文献14】欧州特許出願第721,331号
【特許文献15】米国特許第6,372,733号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従って、イオンチャンネルと相互作用する化合物を提供することが本発明の目的であり、好ましくは、Kvファミリーのイオンチャンネルと、より具体的にはKv4サブファミリーのイオンチャンネルと、そして特に好ましくはKv4.3チャンネルとであり、これらは、特に脊椎動物の、より具体的には温血動物の、さらに具体的には哺乳動物の、特に好ましくは、ヒトのイオンチャンネルとである。本発明のさらに別の目的は、イオンチャンネルと、特にKvイオンチャンネルと相互作用し、hERGチャンネルと比較した場合、Kvイオンチャンネルに選択的である化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の態様では、本発明は、式I、II、IIIまたはIVの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、それらの代謝産物が挙げられ、またはその薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物に関し、
【化1】

式中、 X1はヘテロ原子で、-O-、-S-、-N=、または-N(R3)-から選択され、ここにおいて、R3はアルキル、アラルキルまたはアルキルカルボニルから選択され、
X2は、=C、 =CHまたは-CH2-から選択され、
nは、0または1の整数であり、
Yは、C、-C(R5)-またはNから選択され、ここにおいてR5は水素原子、アミノ、アルキル、水酸基、アルキルアミノ、ヘテロアリール、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミジルまたはアルキルアミノカルボニルアミノから選択され、
Zは、-C(=O)、-CH2-または-NH-から選択され、
Wは、式1において-C(=O)、-N(R2)-、-N(R2)- NH-、-C(=O) -NH-、-CH=、-O-または-CH2-
から選択され、およびWは、式2、3または4において、NまたはCHより選択され、
R1は、水素原子、ハロゲン、 水酸基、 ニトロ基、 アミノ基、 アジド、 シアノ、またはアルキル、 シクロアルキル、 アルキルアミノ、 アルコキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、ヘテロサイクリル−アルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノ(アルキルで置換されている)アルキル、アルキルカルボニルアミノアルキルまたはアルキルチオ、これらはそれぞれ1つまたはそれ以上の置換基で置換されることもある、から選ばれ、ここにおいてzは、1,2,3または4から選ばれる整数であり、
R2は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アリール、アミノカルボニル、ハロアルキル、アラルキル、アシルまたはアルキニルから選択され、
Aは、アリール、 シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび ヘテロアリールから選択され、これらは任意に、ハロゲン、 水酸基、 ニトロ、 アジド、ヒドラジノ、シアノ、 アルキル、アリール、
【化2】

ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、 アシル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、-SO2R15、アルキルカルボニルオキシ、縮合へテロシクリル、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキルチオ、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、アルキルカルボニル、尿素、またはスルホナマイド、ここで、R15はアルキル、アルキルアミノまたは シクロアルキルであり、
Lは、一重結合、式 -R8-R9-の基、アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O-(C(R4)(R4))w-、-(C(R4)(R4))v-N-(C(R4)(R4))w-、 -(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 またはシクロアルキレンオキシアルキレンから選択される結合基であり、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))Wおよび -(C(R4)(R4))v- はそれぞれ独立にアリファチックであるかまたはシクロアルキルを形成し、ここで R4 はそれぞれ独立に 水素原子、水酸基、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノ、 またはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、 v は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、および w は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数である、
R8は、アルキルイン、-(C(R4)( R4))P-C(R14) または -(C(R4)(R4))P-C(R4)=Cであり、
R9は、一重結合、 -(C(R4)(R4))q-、 または C(=O)- から選択され、ここで R14 は水素原子、水酸基または アルキルから選択され、 ここで p は 0、1、2または3から選ばれる整数であり、および
R10は、-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここでR12 は 水素原子、 アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたは アルキルカルボニルから選択される。
【0022】
第2の態様では、本発明は、構造式I、II、IIIまたはIVを有する化合物の合成方法に関し、式LXIVの化合物:
【化3】

と式LXV、LXVI、LXVIIまたはLXVIIIの化合物:
【化4】

とを縮合して式I、II、III、またはIVの化合物:
【化5】

式中、R1、z、X1、X2、W、Y、Z、n、L、A、 R8、R9およびR10は先に本明細書で定義した意味と同じ意味を有する
を得る工程を含む方法である。
【0023】
驚くべきことに、本発明の化合物は、以下の実施例に示すように、イオンチャンネルと相互作用し、特にKvファミリーのイオンチャンネルと、より具体的にはKv4サブファミリーのイオンチャンネルと、特にKv4.3チャンネルと相互作用することが見い出された。Kv4.3イオンチャンネルは、様々な症状または疾患に関連する。本発明の別の態様では、医薬品として用いる式I、II、III、またはIVの化合物を提供する。
【0024】
本発明の化合物は、Kv4ファミリーイオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療における医薬品の製造に特に有用である。前記Kv4ファミリーイオンチャンネルに関連する症状または疾患に限定されない例は、不整脈を含む心臓疾患、高血圧誘導性心臓肥大を含む高血圧誘導性心臓疾患、ならびにてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患、アルツハイマー疾患およびパーキンソン症候群を含む神経系疾患および神経疾患を含む群から選択することができる。実施形態では、本発明は、心臓疾患治療用の医薬品を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、神経系疾患治療用の医薬品を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0025】
さらに別の態様では、本発明は、薬学的に許容可能な賦形剤および本発明による化合物の治療有効量を含む医薬組成物を提供する。前記組成物は、本明細書に引用したもの等、Kv4ファミリーイオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療に特に有用である。前記組成物は、例えば、心臓疾患および神経系疾患の治療に特に適している。
【0026】
驚くべきことに、本発明の化合物は、Kv1サブファミリーのイオンチャンネルと、特にKv1.5チャンネルと相互作用することも見出された。
【0027】
本発明は、本発明の医薬組成物をこの該治療を必要とする個体に投与する手段を含む心臓疾患の治療方法も提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の医薬組成物を該治療を必要とする個体に投与する手段を含む神経系疾患の治療方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
従って、第1の態様では、本発明は、式I、II、III、またはIVの化合物、
【化6】

あるいはその立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、これらの代謝産物、またはその薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物に関する。
【0029】
本明細書において、 X1はヘテロ原子で、-O-、-S-、-N=、または-N(R3)-から選択され、ここにおいて、R3はアルキル、アラルキルまたはアルキルカルボニルから選択され、X2は、=C、 =CHまたは-CH2-から選択され、nは、0または1の整数である。他の態様では、X1が酸素原子であり、n が 0である。さらに他の態様では、X1 が-N(R3)-、n が 0であり、およびここで R3は上記で定義されたと同じ意味を有する。さらに他の態様では、X1が-N=、およびX2が=CH-またはCであり、n が 1である。さらに他の態様では、YがNであり、X1は-N(R13)-であり、ここでR13は水素原子、アルキル、アラルキルまたはアルキルカルボニルから選ばれる。
Zは、-C(=O)、-CH2-または-NH-から選択され、およびWは、式1の-C(=O)、-N(R2)-、-N(R2)- NH-、-C(=O) -NH-、-CH=、-O-または-CH2-から選択され、およびWは、式II、IIIまたはIVにおいて、NまたはCHより選択される。
【0030】
R1は、水素原子、ハロゲン、 水酸基、 ニトロ基、 アミノ基、 アジド、 シアノ、またはアルキル、 シクロアルキル、 アルキルアミノ、 アルコキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、ヘテロサイクリル-アルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノ(アルキルで置換されている)アルキル、アルキルカルボニルアミノアルキルまたはアルキルチオから選択され、これらはそれぞれ1つまたはそれ以上の置換基、例えば、1、2、または3個の置換基[ここで置換基は、「置換されたアルキル」というような記載と同じ存在であることができる]、である。本発明に従えば、zは、1,2,3または4から選ばれる整数であり、例えば、zは1,2または3である。
【0031】
R2は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アリール、アミノカルボニル、ハロアルキル、アラルキル、アシルまたはアルキニルから選択され、これらは以下の群から選ばれる、それぞれ1、2、または3個の置換基を有していてもよい、群は、アルキル、アリール、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシである。例えば、R2は、水素原子、アリール、アラルキル、アルキル シアノアルキルまたはシクロアルキル基である。一態様では、R2は、水素原子、フェニル、ベンジル、C1-C6シアノアルキルまたはC1-C6アルキル基であり、例えば、水素原子、フェニル、ベンジル、1個のC1-C4シアノアルキルまたは1個のC1-C4アルキル基である。
【0032】
Aは、置換基を有していてもよく、または多置換のアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび ヘテロアリールである。Aは、非置換または1、2、3、4または5個の置換基を有し、好ましくは1、2または3個であり、さらに好ましくは1または2個である。Aにとって好適な置換基は限定されないが、ハロゲン、 水酸基、 ニトロ、 アジド、ヒドラジノ、シアノ、 アルキル、アリール、
【化7】

ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、 アシル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、縮合へテロシクリル、-SO2R15、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アリールオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールカルボニル、ハロアルコキシ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、尿素、またはスルホナマイド、ここで、R15はアルキル、アルキルアミノまたは シクロアルキルである。
【0033】
Lは、一重結合、式 -R8-R9-の基、アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O-(C(R4)(R4))w-、 -(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、-(C(R4)(R4))v-N-(C(R4)(R4))w-、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 またはシクロアルキレンオキシアルキレンから選択される結合基であり、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))W および -(C(R4)(R4))v- はそれぞれ独立にアリファチックであるかまたはシクロアルキルを形成し、ここで R4 はそれぞれ独立に 水素原子、水酸基、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノ、 またはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、 v は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、および w は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、R8は、アルキルイン、-(C(R4)(R4))P-C(R14) または -(C(R4)(R4))P-C(R4)=Cであり、R9 は、一重結合、 -(C(R4)(R4))q-、 または C(=O)- から選択され、ここで R14 は水素原子、水酸基または アルキルから選択され, ここで p は 0、1、2または3から選ばれる整数である。
【0034】
構造式II、IIIおよびIVのR10は、-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここでR12 は 水素原子、 アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたは アルキルカルボニルから選択される。
【0035】
本発明の化合物について記載する場合、使用する用語は、別段の明記がない限り以下の定義に従って解釈されるものとする。
【0036】
それ自体または別の置換基の一部として「アルキル」という用語は、単一の炭素−炭素間結合によって連結され、1〜10個の炭素原子、例えば、1〜8個の炭素原子、例えば、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基をさす。本明細書で炭素原子の後に下付き文字を使用する場合、その下付き文字はその名称の基が含みうる炭素原子数をさす。従って、例えば、C1-4アルキルは1〜4個の炭素原子のアルキルを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、ペンチルイソ−アミルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体、ヘプチルおよびその異性体、ならびにオクチルおよびその異性体である。
【0037】
「任意に置換されているアルキル」という用語は、任意の利用可能な結合点で、1個以上の置換基(例えば、1〜4個の置換基または1〜2個の置換基)によって任意に置換されているアルキル基をさす。このような置換基で限定されるわけではないが、例として、ハロゲン、水酸基、オキソ、ニトロ、アミノ、オキシム、イミン、アジド、ヒドラジン、シアノ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アシル、アルキルアミノ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、カルボン酸、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、尿素、スルホンアミド等が含まれる。
【0038】
「ヒドロキシアルキル」のように「アルキル」という用語を別の用語の後に接尾辞として使用する場合、これは、同様に本明細書で定義したその他の具体的な名称の基から選択した1または2個の(好ましくは1個の)置換基で置換されている、先に定義したアルキル基をさすものとする。「アルコキシアルキル」は、1つまたは2つのOR'で置換されたアルキル基をさし、R'は以下に示されるアルコキシである。例えば、「アラルキル」または「(アリル)アルキル」は上に示したように置換されたアルキル基をさし、ここにおいて少なくとも1つのアルキル置換基が以下に示されるようなアリル、例えばベンジルのようなものである。
【0039】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、−R−OH基をさし、ここでRは本明細書で定義するアルキレンである。例えば、「ヒドロキシアルキル」は2-ヒドロキシエチル、1-(ヒドロキシメチル)-2メチルプロピル、3,4-ジヒドロキシブチル、その他を含む。
【0040】
それ自体または別の置換基の一部として「シクロアルキル」という用語には、単環式、2環式、または多環式アルキル基を含む環を1〜3個含む、全てが飽和し、または部分的に飽和した(1または2個の二重結合を含む)炭化水素基が含まれ、ここで各環状部分には3〜8個の炭素原子、例えば、3〜7個の炭素原子、例えば、3〜6個の炭素原子、例えば、3〜5個の炭素原子が含まれる。多環シクロアルキルのそれ以上の環は、1個以上のスピロ原子によって、縮合し、架橋し、かつ/または連結しうる。単環式シクロアルキルラジカルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が含まれる。多環式シクロアルキルラジカルの例には、デカヒドロナフチル、ビシクロ[5.4.0]ウンデシル、アダマンチル等が含まれる。「任意に置換されているシクロアルキル」は、置換アルキルについて先に定義した置換基から選択した1個以上の置換基(例えば、1〜3個の置換基、または1〜2個の置換基)を任意に含むシクロアルキルをさす。接尾辞「ene」を環状基と併せて使用する場合、これは、他の基への結合点として2個の一重結合を有し、本明細書で定義した環状基を意味するものとする。
【0041】
それ自体または別の置換基の一部として「アルケニル」という用語は、単一の炭素−炭素二重結合の形で少なくとも一個の不飽和を含み、2〜10個の炭素原子、例えば、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子、より好ましくは2〜4個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖アルキル鎖をさす。アルケニル基の例には、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルおよびその異性体、2−ヘキセニルおよびその異性体、2−ヘプテニルおよびその異性体、2−オクテニルおよびその異性体、2,4−ペンタジエニル等がある。任意に置換されているアルケニルは、置換アルキルについて先に定義した置換基から選択した1個以上の置換基(例えば、1〜3個の置換基、または1〜2個の置換基)を任意に含むアルケニルをさす。
【0042】
それ自体または別の置換基の一部として「アルキニル」という用語は、単一の炭素−炭素三重結合の形で少なくとも一個の不飽和を含み、2〜10個の炭素原子、例えば、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子、より好ましくは2〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル鎖をさす。アルキニル基の例には、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよびその異性体、2−ヘキシニルおよびその異性体、2−ヘプチニルおよびその異性体、2−オクチニルおよびその異性体等がある。任意に置換されているアルキニルは、置換アルキルについて先に定義した置換基から選択した1個以上の置換基(例えば、1〜4個の置換基、または1〜2個の置換基)を任意に含むアルキニルをさす。
【0043】
定義したようなアルキル基が二価である場合、すなわち、2個の他の基に結合するために2個の一重結合を含む場合、それらの基を「アルキレン」基と称する。これらのアルキレン基に限定されるわけではないが、例には、メチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンタメチレンおよびヘキサメチレンが含まれる。同様に、先に定義したようなアルケニル基および先に定義したようなアルキニル基が、それぞれ、2個の他の基に結合するために一重結合を含む二価のラジカルである場合、それらの基は、それぞれ「アルケニレン」および「アルキニレン」と称する。
【0044】
定義したようなアルキル基が三価である場合、すなわち、3個の他の基に結合するために3個の一重結合を含む場合、それらの基を「アルキルイン」または「アルキリン」基と称する。これらのアルキルイン基に限定されるわけではないが、例には、メチン、1,1,2−エチリン等が含まれる。
定義したようなアルケニル基が三価である場合、すなわち、3個の他の基に結合するために3個の一重結合を含む場合、それらの基を「アルケニルイン」または「アルケニリン」基と称する。
【0045】
それ自体または別の基の一部として、本明細書で使用する「アリール」という用語は、それだけには限らないが、5〜14個の炭素原子同素環(すなわち炭化水素)の単環式、2環式、または3環式芳香環、あるいは典型的には5〜8個の原子を含み、一緒に融合しまたは共有結合で結合する環を1〜4個含み、その環の少なくとも一個が芳香族である環系をさす。芳香環は、任意に、1〜3個の追加の環(シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリール)をその環と縮合させる工程を含みうる。
【0046】
これらのアリールに限定されるわけではないが、例には、フェニル、ビフェニリル、ビフェニレニル、5−または6−テトラリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−アズレニル、1−または2−ナフチル、1−、2−または3−インデニル、1−、2−または9−アントリル、1−、2−、3−、4−または5−アセナフチレニル、3−、4−または5−アセナフテニル、1−、2−、3−、4−または10−フェナントリル、1−または2−ペンタレニル、1−、2−、3−または4−フルオレニル、4−または5−インダニル、5−、6−、7−または8−テトラヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、1,4−ジヒドロナフチル、ジベンゾ[a,d]シルコヘプテニル、1−、2−、3−、4−または5−ピレニルが含まれる。
【0047】
アリール環は、任意に、1個以上の芳香族置換基によって置換することができる。「任意に置換されているアリール」は、任意の利用可能な結合点で、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、または1〜2個の置換基)を任意に含むアリールをさす。そのような置換基に限定されないが、例は、ハロゲン、水酸基、オキソ、ニトロ、アミノ、アジド、ヒドラジノ、シアノ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、
【化8】

ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、アシル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、−SO15、アルキルカルボニルオキシ、縮合ヘテロシクリル、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ハロアルコキシ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、ハロアリール、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、尿素、またはスルホンアミド等から選択され、ここでR15はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0048】
本明細書で使用する「アリールオキシ」という用語は、基−O−アリールを示し、アリールは先に定義した通りである。
【0049】
本明細書で使用する「アロイル」という用語は、基−C(O)−アリールを示し、アリールは先に定義した通りである。
【0050】
それ自体または別の基の一部として、本明細書で使用する「ヘテロアリール」という用語は、これだけには限らないが、5〜12個の炭素原子芳香環、または典型的には5〜8個の原子を含み、一緒に融合しまたは共有結合で結合する環を1、2、または3個含み、その環の少なくとも1個が芳香族である環系をさし、ここでこれらの環の1個以上の環中の1個以上の炭素原子を酸素、窒素、または硫黄原子に置き換えることができ、その際、窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてよい。そのような環は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル環と縮合させうる。「任意に置換されているヘテロアリール」は、置換アリールについて先に定義した置換基から選択した1個以上の置換基(例えば、1,2,3または4個の置換基、または1、2または3個の置換基)を任意に含むヘテロアリールをさす。
【0051】
これらのヘテロアリールに限定されるわけではないが、例は、2−または3−フリル、2−または3−チエニル(チオフェン-イル)、1−,2−または3−ピロリル、1−,2−,4−または5−イミダゾリル、1−,3−,4−または5−ピラゾリル、3−,4−または5−イソオキサゾリル、2−,4−または5−オキサゾリル、3−,4−または5−イソチアゾリル,2−,4−または5−チアゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−,−2−,−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−,−3−,−4−または−5−イル,1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−または−4−イル、1,3,4−チアジアゾリル、1−または5−テトラゾリル、2−,3−または4−ピリジル、3−または4−ピリダジニル、2−,4−,5−または6−ピリミジニル、2−,3−,4−,5−6−2H−チオピラニル、2−,3−または4−4H−チオピラニル、2−,3−,4−,5−,6−または7−ベンゾフリル、1−,3−,4−または5−イソベンゾフリル、2−,3−,4−,5−,6−または7−ベンゾチエニル、1−,3−,4−または5−イソベンゾチエニル、1−,2−,3−,4−,5−,6−または7−インドリル、2−または3−ピラジニル、1,4−オキサジン−2−または−3−イル、1,4−ジオキシン−2−または−3−イル、1,4−チアジン−2−または−3−イル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジン−2−、−4−または−6−イル、チエノ[2,3−b]フラン−2−,−3−,−4−,または−5−イル、1−,2−,4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−,3−,4−,5−,6−または7−ベンゾピラゾリル、3−,4−,5−,6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−,4−,5−,6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−,4−,5−,6−または7−ベンゾイソチアゾリル、2−,4−,5−,6−または7−ベンゾチアゾリル、1−,2−チアントレニル、3−,4−または5−イソベンゾフラニル、1−,2−,3−,4−または9−キサンテニル、1−,2−,3−または4−フェノキサチイニル、2−,3−ピラジニル、1−,2−,3−,4−,5−,6−,7−または8−インドリジニル、2−,3−,4−または5−イソインドリル、1−,2−,3−,4−,5−,6−または7−インダゾリル、2−,6−,7−または8−プリニル、4−,5−または6−フタラジニル、2−,3−または4−ナフチリジニル、2−,5−または6−キノキサリニル、2−,4−,5−,6−,7−または8−キナゾリニル、1−,2−,3−または4−キノリジニル、2−,3−,4−,5−,6−,7−,または8−キノリニル(キノリル)、2−,4−,5−,6−,7−または8−キナゾリル、1−,3−,4−,5−,6−,7−または8−イソキノリニル(イソキノリル)、3−,4−,5−,6−,7−または8−シンノリニル、2−,4−,6−または7−プテリジニル、1−,2−,3−,4−または9−カルバゾリル、1−,2−,3−,4−,5−,6−,7−,8−または9−カルボリニル、1−,2−,3−,4−,5−,6−,7−,8−,9−または10−フェナントリジニル、1−,2−,3−または4−アクリジニル、1−,2−,3−,4−,5−,6−,7−,8−または9−ペリミジニル、2−,3−,4−,5−,6−,7−,8−,9−または10−(1,7)フェナントロリニル、1−または2−フェナジニル、1−,2−,3−,4−,または10−フェノチアジニル、3−または4−フラザニル、1−,2−,3−,4−,または10−フェノキサジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジオキサニル、チエタニル、オキサゾリル ジベンゾ[a,d]シルコヘプテニルであってよく、あるいはそれらのさらに置換誘導体であってよい。
【0052】
それ自体または別の基の一部として、本明細書で使用する「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロ」という用語は、少なくとも一個の炭素原子含有環中に少なくとも一個のヘテロ原子を含む、非芳香族の完全飽和または部分的に不飽和な環状基(例えば、3〜13員単環式、7〜17員2環式、または10〜20員3環式環系、あるいは延べ3〜10個の環原子を含む環状基)をさす。1個のヘテロ原子を含む複素環基の各環は、窒素原子、酸素原子および/または硫黄原子から選択した1、2、3、または4ヘテロ原子を含んでよく、その際、窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてよい。複素環基は、環または環系の任意のヘテロ原子または炭素原子に原子価に応じて結合していてよい。多環式複素環の環は、1個以上のスピロ原子によって縮合し、架橋し、および/または連結しうる。「任意に置換されているヘテロシクリル」は、置換アリールについて先に定義した置換基から選択した1個以上の置換基(例えば、1、2、3、または4個の置換基、または1〜2個の置換基)を任意に含むヘテロシクリルをさす。
【0053】
代表的な複素環基には、ピペリジニル、アゼチジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジル、スクシンイミジル、3H−インドリル、インドリニル、イソインドリニル、クロメニル、イソクロマニル、キサンテニル、2H−ピロリル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、4H−キノリジニル、4aH−カルバゾリル、2−オキソピペラジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、2−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、ピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、4H−ピラニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、アゼピニル、オキセタニル、チエタニル、3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、2,5−ジオキシイミダゾリジニル、2,2,4−ピペリドニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル(tetrehydrothienyl)、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、1,4−オキサチアニル、1,4−ジチアニル、1,3,5−トリオキサニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H−1,5,2−ジチアジニル、2H−オキソシニル、1H−ピロリジニル、テトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、N−ホルミルピペラジニル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、およびモルホリニルが含まれる。
【0054】
それ自体または別の置換基の一部として「アラルキル」という用語は、アルキル部分として、前述のアリール環の1個に結合する前述のアルキルを含む基をさす。アラルキルラジカルの例には、ベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチル等が含まれる。
【0055】
それ自体または別の置換基の一部として「シクロアルキルアルキル」という用語は、前述のアルキル鎖の一つに結合する、前述のシクロアルキル基の一つを含む基をさす。そのようなシクロアルキルアルキルラジカルの例には、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、1−シクロペンチルエチル、1−シクロヘキシルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルプロピル、3−シクロペンチルブチル、シクロヘキシルブチル等が含まれる。
【0056】
それ自体または別の置換基の一部として「ヘテロシクリル−アルキル」という用語は、前述のアルキル基の一個に結合する、前述のヘテロシクリル基の一個を含む基、すなわち、基R−R[式中、Rはアルキレンもしくはアルキル基によって置換されたアルキレン、およびRはヘテロシクリル基である]をさす。
【0057】
それ自体または別の置換基の一部として「アシル」という用語は、2〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、またはそのアルカノイル部分が1〜4個の炭素原子を含むフェニルアルカノイル基をさし、すなわち、これらには限られないが、アルキル、アリール、より具体的には基−COR11[式中、R11は本明細書で定義したアルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリールから選択することができる]等のラジカルに連結されたカルボニル基をさす。従って、「アシル」という用語は、基アルキルカルボニル(−COR11)[式中、R11はアルキルである]を包含する。前記アシルは、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルおよびピバロイル、ベンゾイル、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルおよびフェニルブチチルによって例示することができる。
【0058】
それ自体または別の置換基の一部として「アルキルアミノ」という用語は、1または2個の独立に選択し任意に置換したアルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキル基に結合したアミノ基からなる基をさし、すなわち、N(R)(R)[式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、シクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキまたはアルキルから選択される]をさす。アルキルアミノ基はここのものでは限定されないが、例は、メチルアミノ(NHCH)、エチルアミノ(NHCHCH)、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ヘキシルアミノ等が含まれる。
【0059】
本明細書で使用する「ケト」という用語は基=Oをさす。
【0060】
「アミノ」という用語は基NHをさす。
【0061】
「アミノカルボニル」という用語は基−(C=O)−NH2をさす。
【0062】
「アミノアルキル」という用語は、基−R−NR[式中、Rはアルキレンまたは置換アルキレンであり、Rは水素、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルであり、Rは水素または本明細書で定義したアルキルである]をさす。
「シアノアルキル」という用語は、基−R−CN[式中、Rはアルキレンまたは置換アルキレンであり、本明細書で定義した置換基は上記置換アルキルの記載と同じである]をさす。
【0063】
「アルキルアミノカルボニル」という用語は、基−(C=O)−NR[式中、Rdは水素原子、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルあり、およびRは本明細書で定義したアルキルまたは置換アルキルであり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである]をさす。
【0064】
「アルキルアミノカルボニルアミノ」という用語は、基−NH(C=O)−NRまたは−NR'(C=O)−NR[式中、Rは水素原子、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルあり、およびRは本明細書で定義したアルキルまたは置換アルキルであり、ここでR'はアルキルまたは置換アルキルであり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである]をさす。
【0065】
「カルボキシ」という用語は、基−COHをさす。従って、カルボキシアルキルは、−COHである置換基を少なくとも1個を含む先に定義したアルキル基である。
【0066】
「アルコキシカルボニル」という用語は、アルキルラジカルに連結するカルボシキ基をさし、すなわち、C(=O)OR11[式中、R11は先にアシルについて定義した通りである]である。
【0067】
「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、O−C(=O)R11[式中、R11は先にアシルについて定義した通りである]をさす。
【0068】
「アルキルアミジル」または「アルキルアミド」という用語は、式−NH(C=O)Rまたは−NR'(C=O)R[式中、RおよびR'は、それぞれ独立にアルキルまたは置換アルキルである、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである]のアルキルカルボニルアミノ基をさす。
【0069】
「アルキルカルボニルアミノアルキル」という用語は、基−R−NR−C(=O)−R[式中、Rはアルキレンもしくはアルキルによって置換したアルキレンであり、Rは水素原子または本明細書で定義したアルキルであり、およびRは本明細書で定義したアルキルであり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである]をさす。
【0070】
「アルキルアミノ(アルキル置換)アルキル」という用語は、基−R−NR[式中、Rはアルキルによって置換したアルキレンであり、Rは水素原子または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルあり、およびRは本明細書で定義したアルキルまたは置換アルキルであり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである]をさす。
【0071】
それ自体または別の置換基の一部として「アルコキシ」という用語は、1個の任意に置換されている直鎖または分枝鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキル基に結合する酸素原子からなる基をさし、それぞれの基は任意に1つまたは2つの置換基で置換されているおり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである。ここにおける例のみで限定はされないが、適切なアルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキサノキシ等が含まれる。
【0072】
それ自体または別の置換基の一部としてアルキルチオ」という用語は、1個の任意に置換されているアルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキルまたはシクロアルキルアルキル基に結合する硫黄原子からなる基をさし、それぞれの基は任意に1つまたは2つの置換基で置換されているおり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである。これらの例で限定されないが、アルキルチオ基の例には、メチルチオ(SCH)、エチルチオ(SCHCH)、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ヘキシルチオ等が含まれる。
【0073】
それ自体または別の置換基の一部として「アシルアミノ」という用語は、1または2個の独立に選択した、先に記載のアシル基に結合するアミノ基からなる基をさす。ジカルボン酸の2個のアシル基がアミノ基に結合する場合、これらはフタルイミド、マレイミド等のイミドを表し、アシルアミノという用語の意味に包含される。
【0074】
基または基の一部として「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードの一般名である。
【0075】
単独でまたは組み合わせて「ハロアルキル」という用語は、先に定義した意味を有するアルキルラジカルをさし、ここで先に定義したように1以上の水素原子はハロゲンで置換されている。これらの例で限定されないが、ハロアルキルラジカルの例には、クロロメチル、1−ブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1−トリフルオロエチル等が含まれる。
【0076】
単独でまたは組み合わせて「ハロアリール」という用語は、先に定義した意味を有するアリールラジカルをさし、ここで先に定義したように1以上の水素原子はハロゲンで置換されている。
【0077】
単独でまたは組み合わせて「ハロアルコキシ」という用語は、式−O−アルキルの基をさし、ここでアルキル基は、1、2または3個のハロゲン原子によって置換されている。例えば、「ハロアルコキシ」には−OCFおよび−OCHFが含まれる。
【0078】
単独でまたは組み合わせて「スルホンアミド」という用語は、式SO−NR[式中、Rは水素、または本明細書で定義したアルキルもしくは置換アルキルあり、Rは水素原子または本明細書で定義したアルキルであり、置換基は上記置換アルキルの記載と同じである。]の基をさす。
【0079】
本明細書で使用する、「任意に置換されているアルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはアルキニル」または「アルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはアルキニルで任意に置換されているもの」という用語は、それぞれの基が任意に置換されていることを意味し、つまり、「任意に置換されているアルキル、任意に置換されているシクロアルキル、任意に置換されているアルケニル、または任意に置換されているアルキニル」を意味し、ここで置換基は置換アルキルについて上記した置換基と同じである。
【0080】
本発明で「置換されている」という用語を使用する場合は常に、「置換されている」を使用する表現の中で示す、原子上の1個以上の水素原子が、表示する基の中の選択基で置換されていることを示すが、ただし示される原子の通常の原子価を超えず、かつその置換によって、化学的に安定した化合物、すなわち、反応混合物から有用な程度の純度に単離および治療剤に製剤化するのに耐えるほど十分安定している化合物がもたらされることを示すものである。
【0081】
本発明で使用する場合は、「本発明の化合物」という用語または同様の用語は、一般式I、II、III、またはIVの化合物、およびその任意のサブグループ(下位群)を含むものとする。この用語はまた、表12に示す化合物ならびにその誘導体、N−オキシド、塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、ラセミ混合物、互変異性体、光学異性体、類似体、プロドラッグ、エステル、および代謝産物をさし、さらにこれらの四級化窒素類似体をさす。前記化合物のN−オキシド体は、1個または数個の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化されている化合物を含むことを意味する。
【0082】
明細書および添付の特許請求の範囲で使用される通り、単数形「a」、「an」、および「the」は、前後関係から明瞭にそうではないと指摘されない限り複数の指示物を含む。例として、「a 化合物」は、一化合物または一種を超える化合物を意味する。
【0083】
星印(*)は、本明細書では、表示する一価、二価、または三価のラジカルが、その関与する構造、およびラジカルがその一部を形成する構造に接続する点を表すために使用される。
【0084】
本明細書で使用する「プロドラッグ」という用語は、得られる誘導体のインビボ生体内変換生成物が活性薬物となるようなエステル、アミド、およびリン酸塩など、薬理学的に許容可能な誘導体を意味する。プロドラッグについて概括的に記載するGoodmanおよびGilman (The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw-Hill, Int. Ed. 1992, "Biotransformation of Drugs", p 13-15)の参照文献には、一般的プロドラッグが記載されており、これをが編入される。本発明の化合物のプロドラッグは、その修飾が通常の操作またはインビボで切断されて親成分になるように、前記成分中に存在する官能基を修飾することにより製造することができる。プロドラッグの典型的な例は、例えば、国際公開第99/33795号、国際公開第99/33815号、国際公開第99/33793号、および国際公開第99/33792号に記載されており、全てを参照により本明細書に編入する。プロドラッグは、高い生体利用能によって特徴付けられ、インビボで容易に活性阻害剤(アクティブ インヒビター)に代謝される。
【0085】
特定の実施態様では、本発明は、式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供し、ここでX1は、-N(R3)-でnは0であり、およびR3は上記の定義と同様の意味を有する。他の実施態様では、本発明は、式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供し、ここでX1はOでnは0である。さらに他の実施態様では、本発明は、式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供し、ここでX1はSでnは0である。さらに他の実施態様では、本発明は、式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供し、ここでX1は-N=、およびX2は=CH-、およびnは1である。さらなる実施態様では、本発明は、式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供し、ここでYは N、および X1 は-N(R13)-であり、ここで R13は、水素原子、アルキル、アラルキルまたはアルキルカルボニルから選ばれる。
具体的実施態様では、本発明は、式V、VI、VII、VIII、IXまたはXの化合物を提供し、
【化9】


ここで、R1、z、X1、X2、W、Y、Z、n、L、A、 R8、R9およびR10は先に定義した意味と同じ意味を有する。
【0086】
他の具体的実施態様では、本発明は、式XI、XII、XIII、XIVまたはXVの化合物を提供し、
【化10】

ここで、R1、z、X1、X2、Y、Z、n、L、A、 R8、R9、R10およびR2は先に定義した意味と同じ意味を有する。
好ましくは、本発明は、式XVIからXXXIの化合物を提供し、
【化11】


ここで、R5は水素原子、アルキル、またはアラルキルから選ばれ、およびR1、z、Z、W、L、A、 R8、R9、R10およびR3は先に定義した意味と同じ意味を有する。
実施態様では、本発明は、式XXXIIからLXIIIの化合物を提供し、
【化12】





ここで、R1、z、R5、R2、R3、R8、R9、R10、LおよびAは先に定義した意味と同じ意味を有する。
【0087】
実施態様では、本発明は、式IからLXIIIの化合物を提供し、
ここでAは、2-または3-フリル、2-また3-チエニル、1-、2-または3-ピロリル、1-,2-,4-または5-イミダゾリル、1-,3-,4-または5-ピラゾイル、3-,4-または5-イソキサゾイリル、2-,4-または5-オキサゾリル、3-,4-または5-イソチゾリル、2-,4-また5-チアゾリル、1-,2-,3-トリアゾール-1,-2,-4または-5-イル、1,2,4-トリアゾール-1-,-3-,-4-または-5-イル、1,2,3-オキサジアゾール-4-または-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-または-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-または-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-または-5-イル、1,2,5-チアジアゾール-3-または-4-イル、1-または5-テトラゾリル、フェニル、ビフェニル、2-,3-または4-ピリジル、ピリジニル、アンスラセニル、アズレニル、インデニル、3-または4-ピリダジニル、2-,4-,5-または6-ピリミジニル、2-,3-,4-,5-6-2H-チオピラニル、2-,3-または4-4H-チオピラニル、フリル、2-,3-,4-,5-,6-または7-ベンゾフラニル、2-,3-,4-,5-,6-または7-ベンゾチエニル、1-,2-,3-,4-,5-,6-または7-インドリル、1-,2-,4-または5-ベンズイミダゾリル、1-,3-,4-,5-,6-または7-ベンズピラゾリル、3-,4-,5-,6-,または7-ベンズイソキサゾリル、2-,4-,5-,6-または7-ベンズオキサゾリル、3-,4-,5-,6-または7-ベンズイソチアゾリル、2-,4-,5-,6-または7-ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾジオキソリル、1-または2-ナフチル、2-,3-,4-,5-,6-,7-,8-キノリニル、2-,4-,5-,6-,7-または8-キナゾリル、1-,3-,4-,5-,6-,7-,8-イソキノリニル、または1-,2-,3-,4-または9-カルバゾリル、5,6,7,8,-テトラヒドロナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シルコヘプテニル、ピロロリル、ジオキサニル、チエタニル、オキサゾリル、ピペリジニル、イミダゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、2-オキソピペラジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、オクセタニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、2-オクソピペリジニル、2-オクソピロロジニル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、2-オクソアゼピニル、テトラヒドロピラニル、チアモルフォリニル、チアモルフォリニル スルホキシド、チアモルフォリニル スルホン、1,3-ジオクソラン、テトラヒドロ-1,I-ジオクソチエニル、ピペラジニルまたはモルフォリルであり、任意に1,2,3または4個の置換基で置換されることもあり、置換基は以下の群から選ばれる、ハロゲン、水酸基、ニトロ、アジド、ヒドラジノ、シアノ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アシル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、縮合ヘテロシクリル、ハロアルキル、アルキルカルボニル、ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシ、アリールカルボニル、ハロアルコキシ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、尿素、-SO2R15、またはスルホンアミド、ここでR15はアルキルアミノ、アルキルまたはシクロアルキルであり、から選ばれ、Lは、一重結合、式 -R8-R9-の基、アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-N-(C(R4)(R4))w-、-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O-(C(R4)(R4))w-、 -(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 またはシクロアルキレンオキシアルキレンから選択される結合基であり、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))W および -(C(R4)(R4))v- はそれぞれ独立にアリファチックであるか、またはシクロアルキルを形成し、ここで R4 はそれぞれ独立に 水素原子、アルキルアミノアルキル、水酸基、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノ、 またはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は、0、1、2、3または4から選ばれる整数であり、 v は、0、1、2、3または4から選ばれる整数であり、および w は、0、1、2、3または4から選ばれる整数である、およびR8 は、アルキリン、-(C(R4)(R4))P-C(R14) または -(C(R4)(R4))P-C(R4)=Cであり、ここでR9 は、一重結合、 -(C(R4)(R4))q-、 または C(=O)- から選択され、ここで R14 は水素原子、水酸基または アルキルから選択され、 ここで p は 0、1、2または3から選ばれる整数であり、およびR10は、-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここでR12 は 水素原子、 アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたは アルキルカルボニルから選択され、およびR2は、水素原子、CH3- 、-CH2-CH3、 -(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、フェニル、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【0088】
他の実施態様では、本発明は、式XVIからXXIIおよびXXXIIからLIの化合物を提供し、
ここでAは、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、1.3-ベンゾジオキソリル、2-チエニル、2-ナフチル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、またはジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2,3または4置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、-O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-OC(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化13】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、
ここで、 Lは一重結合、 -CH2-、 -(CH2)2-、 -(CH2)3-、 -CH(CH2OH)-、 -CH(CH2-O-CH3)-、-CH(CH3)-、 -CH(CH2-CH3)-、 -CH(CO2H)-、 -CH(CO2CH3)-、-(CH2)2-O-CH2-、 -CH(CH2-N(CH3)2)-、 -(CH2)2-CH=、 または
【化14】

から選択されるか、またはここで-L-Aは、
【化15】

または
【化16】

から選ばれ、ここでR1 は、水素原子、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、 (CH3)2N-CH(CH3)-、-CO2H、(CH3)2N-C(=O)-、
【化17】

CH3-C(=O)O-、CH3-O-C(=O)- 、CH3-NH-C(=O)-、CH3-C(=O)-NH-CH(CH3)- 、HO-CH2-、CH3-CH2-、CH3-O-CH2-から選択され、ここでzは、1または2であり、R5は、H、-NH2、CH3-NH-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)O-、-OH、-CH3、CH3-CH2-、(CH3)2N-または
【化18】

から選択され、ここで R2は、水素原子、CH3-、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【0089】
他の実施態様では、本発明は、式XXIIIからXXXIおよびLIIからLXIIIの化合物を提供し、
ここにおいて基
【化19】

は、
【化20】


から選択され、ここで基
【化21】

は、
【化22】

から選択され、ここで基
【化23】

は、
【化24】

から選択され、
ここでAは、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、2-チエニル、2-ナフチル、1,3-ベンゾジオキゾリル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2,3 または4置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、 -O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-OC(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化25】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、ここでR12は、水素原子、CH3-C(=O)-、CH3-またはベンジルから選択され、およびここでR1 は、水素原子、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、-CO2H、(CH3)2N-C(=O)-、
【化26】

、CH3-C(=O)O-、CH3-O-C(=O)- 、CH3-NH-C(=O)-、CH3-C(=O)-NH-CH(CH3)- 、HO-CH2-、CH3-CH2-、CH3-O-CH2-から選択され、ここでzは、1または2であり、ここでR5は、H、CH3-NH-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)O-、-OH、-CH3、CH3-CH2-、(CH3)2N-、または
【化27】

から選択され、ここで R2は、水素原子、CH3-、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、フェニル、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【0090】
具体的実施態様において、本発明は本明細書に記載された化合物を提供し、ここでR5は、水素原子、-CH3、-NH2、CH3-C(=O)-NH-、または
【化28】

から選択され、ここで、R2は、水素原子、CH3-、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3または-(CH2)2-CNから選択され、ここでR1 は、H、Cl、F、Br、-OCH3、-C(=O)CH3、から選択され、zは、1、2または3から選ばれる整数であり、ここにおいてAは 、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、2-チエニル、1,3-ベンゾジオキゾリル、2-ナフチル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2 または3置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、 -O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-OC(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化29】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、
ここで、Lは 一重結合、式 -R8-R9-の基、 アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、 -(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O- (C(R4)(R4))W-、-(C(R4)(R4))v-N- (C(R4)(R4))W-、-(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 または シクロアルキレンオキシアルキレンから選択される結合基であり、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))W および -(C(R4)(R4))v はそれぞれ独立にアリファチックであるかまたはシクロアルキルを形成し, ここでそれぞれの R4 は独立に水素、 アルキル、 水酸基、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、 アルキルアミノ、アルキルアミノアルキルまたはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、 v は0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、および w は0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここで、R8 はアルキリン、-(C(R4)( R4))P-C(R14) または -(C(R4)( R4))P-C(R4)=Cであり、ここで、R9 は一重結合、 -(C(R4)(R4))q-, または C(=O)- であり、ここで R14 は水素原子、 水酸基または アルキルから選択され, ここで p は0、1、2または3から選ばれる整数であり、および、R10は-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここでR12 は水素原子、アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたはアルキルカルボニルから選択される。本発明は、上記で示された構造式IからLXIIIの化合物からなる群から選ばれる構造を有するすべての化合物を包含し、ここで、R1、z、X1、X2、W、Y、Z、n、L、A、R2、R3、R8、R9およびR10は先に定義した意味と同じ意味を有する。
【0091】
実施態様では、本発明は構造式IからLXIIIの化合物を提供し、式中、 X1はヘテロ原子で、-O-、-S-、-N=、または-N(R3)-から選択され、ここで、R3はアルキル、アラルキルまたはアルキルカルボニルから選択され、ここで、X2は、C、 =CHまたは-CH2-から選択され、ここでnは、0または1の整数であり、ここでYは、C、-C(R5)-またはNから選択され、ここにおいてR5は水素原子、アミノ、アルキル、水酸基、アルキルアミノ、ヘテロアリール、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミジルまたはアルキルアミノカルボニルアミノから選択され、ここでZは、-C(=O)、-CH2-または-NH-から選択され、ここでWは、式Iにおいて-C(=O)、-N(R2)-、-N(R2)- NH-、-C(=O) -NH-、-CH=、-O-または-CH2-、およびその下位の構造式(subformula)から選択され、およびWは、式II、IIIまたはIVおよびその下位の構造式(subformula)において、NまたはCHより選択され、
ここでAは、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、1,3-ベンゾジオキゾリル、2-チエニル、2-ナフチル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、またはジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2,3 または4置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、 -O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-OC(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化30】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、
ここで、 Lは一重結合、 -CH2-、 -(CH2)2-、 -(CH2)3-、 -CH(CH2OH)-、 -CH(CH2-O-CH3)-、-CH(CH3)-、 -CH(CH2-CH3)-、 -CH(CO2H)-、 -CH(CO2CH3)-、-(CH2)2-O-CH2-、 -CH(CH2-N(CH3)2)-、 -(CH2)2-CH=、 または
【化31】

から選択されるか、またはここで-L-Aは、
【化32】

、または
【化33】

、から選ばれ、またはここで基
【化34】

は、
【化35】

から選択され、
ここで基
【化36】

は、
【化37】

から選択され、ここで基
【化38】

は、
【化39】

から選択され、
ここでR1 は、水素原子、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、 (CH3)2N-CH(CH3)-、-CO2H、(CH3)2N-C(=O)-、
【化40】

、CH3-C(=O)O-、CH3-O-C(=O)- 、CH3-NH-C(=O)-、CH3-C(=O)-NH-CH(CH3)- 、HO-CH2-、CH3-CH2-、CH3-O-CH2-から選択され、
ここでzは、1または2であり、
ここでR5は、H、-NH2、CH3-NH-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)O-、-OH、-CH3、CH3-CH2-、(CH3)2N-または
【化41】

から選択され、および
ここで R2は、水素原子、CH3-、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【0092】
具体的実施態様では、本発明は、式XXXII、XXXIII、XXXIV、XXXV、XXXVI、XXXVII、XXXVIII、XXXIX、XL、XLI、XLII、XLIII、XLIV、XLV、XLVI、XLVII、XLVIII、XLIX、LまたはLIの化合物を提供し、
ここにおいてAは、フェニル、
【化42】


、それぞれは1,2の置換基または-OCH3、-NO2、-CH3、Cl、Br、-N(CH3)2、-O-C(=O)-CH3
【化43】

、F、-CF3、-S-CH3、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-SO2-N(CH3)2、フェノキシル、-C(CH3)3、フェニル、-C(=O)-CH3、-SO2-CH3、-CN、-OCF3
【化44】

または-OH、から選択される置換基で置換されていてもよい、から選択され、
ここでLは、一重結合、 -CH2-、 -(CH2)2-、 -(CH2)3-、 -CH(CH2OH)-、 -CH(CH2-O-CH3)-、-CH(CH3)-、 -CH(CH2-CH3)-、 -CH(CO2H)-、 -CH(CO2CH3)-、-(CH2)2-O-CH2-、 -CH(CH2-N(CH3)2)-、 -(CH2)2-CH=、 または
【化45】

から選択されるか、またはここで-L-Aは、
【化46】

または
【化47】

であり、ここでAは、任意に-OCH3、-NO2、-CH3、Cl、Br、-N(CH3)2、-O-C(=O)-CH3
【化48】

F、-CF3、-S-CH3、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-SO2-N(CH3)2、フェノキシル、-C(CH3)3、フェニル、-C(=O)-CH3、-SO2-CH3、-CN、-OCF3
【化49】

または-OH、から選択される置換基で置換されている1、2、または3置換基を有し、
ここでR1 は、H、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、から選択され、
ここでzは、1または2であり、
ここでR5は、H、-CH3
【化50】

、-NH2、CH3-C(=O)-NH-、またはCH3-NH-C(=O)-NH-から選択され、および
ここで R2は、H、CH3-、-(CH22-CH3、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【0093】
具体的実施態様では、本発明は、式LII、LIII、LIV、LV、LVI、LVII、LVIII、LIX、LX、LXI、LXII、またはLXIIIの化合物を提供し、
ここにおいて基
【化51】

は、
【化52】


から選択され、
ここで基
【化53】

は、
【化54】

から選択され、
ここで基
【化55】

は、
【化56】

から選択され、
ここにおいてAは、フェニル、
【化57】


、それぞれは1,2の置換基または-OCH3、-NO2、-CH3、Cl、Br、-N(CH3)2、-O-C(=O)-CH3
【化58】

、F、-CF3、-S-CH3、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-SO2-N(CH3)2、フェノキシル、-C(CH3)3、フェニル、-C(=O)-CH3、-SO2-CH3、-CN、-OCF3
【化59】

、または-OH、から選択される置換基で置換されていてもよい、から選択され、
ここでR1 は、H、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、から選択され、
ここでzは、1または2であり、
ここでR5は、H、-CH3
【化60】

、-NH2、CH3-C(=O)-NH-、またはCH3-NH-C(=O)-NH-から選択され、および
ここで R2は、H、CH3-、-(CH22-CH3、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CN、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【0094】
本発明の具体的実施態様では、本化合物は構造式LXIXで表される構造を有し、
【化61】

ここでX1は、O、Sまたは-N-CH3、から選択され、ここでR5は、水素原子、メチル、またはピリリルから選択され、ここでR18は、-OCH3、F、Cl、Me、-OCF3、または-CF3、およびここでzは、1、または2から選ばれる整数であり、具体的実施態様では、X1は、O、またはSであり、zは2で、およびR18は-OCH3であり、およびR5はHまたはCH3である。
【0095】
本発明の具体的的実施態様では、本化合物は構造式LXXで表される構造を有し、
【化62】

ここでX1は、O、Sまたは-N-CH3、から選択され、ここでR5は、水素原子、メチル、またはピリリルから選択され、具体的実施態様では、X1は、O、またはSであり、好ましくはS、およびR5はHまたは-CH3であり、好ましくは-CH3である。
【0096】
本発明はまた、例えば、構造的関連化合物を使用して本発明による化合物を製造する方法にも関する。本発明の実施形態では、本発明の化合物は、以下に記載するがこれのみには限定されない、方法を使用し、実施例で製造することができる。
【0097】
実施形態では、本発明の化合物を製造する方法は、式LXIVの化合物:
【化63】

と式LXV、LXVI、LXVIIまたはLXVIIIの化合物:
【化64】

とを縮合して式I、II、IIIまたはIVの化合物:
【化65】

[式中、R1、z、X1、X2、W、Y、Z、n、L、A、R8、R9およびR10は先に本明細書で定義した意味と同じ意味を有する]
を得る工程を含む。
【0098】
例えば、縮合は、式LXIVの化合物の酸のアシル塩化物を形成し、次いで前記アシル塩化物と式LXV、LXVI、LXVIIまたは¥LXVIIIの化合物とをカップリングすることによって実施でき、ここでWはNである。別の実施形態では、縮合は、適切な溶媒中、適切な塩基の存在下、適切なカップリング剤の使用によって実施することができる。
【0099】
具体的実施形態では、本発明の化合物を製造する方法は、例えば式LXIIIaの化合物の酸を、式LXIVa、LXVa、LXVIa、またはLXVIIaの化合物のアミンと縮合するステップを含む方法であり、
【化66】

[式中、R1およびzは先に本明細書で定義した意味と同じ意味を有し、およびXは上記の定義のX1である。]
【化67】

[式中、A、L、R10およびR2は、上記の定義の意味と同じ。]
【0100】
本反応は、構造式LXIIIaの化合物を、構造式LXIVa、LXVa、LXVIa、またはLXVIIaの化合物と縮合する一般的方法で行える。
本縮合は、構造式LXIIIaの化合物の酸、アシル塩化物の形成を経過して行え、および次に該アシル塩化物と構造式LXIVa、LXVa、LXVIa、またはLXVIIaの化合物のアミンとカップリングさせることによる。他の実施態様では、本縮合は適切なカップリング剤、適切な溶媒、適切な塩基の存在で行うことができる。適切なカップリング剤は、ジシクロ−ヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、o−ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N-4-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートなど、およびそれらの混合物を含む群から選択することができる。適切な溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドなど、またはそれらの混合物を含む群から選択することができる。この例に限定されないが、適切な塩基の例には、炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン等が含まれる。
【0101】
上記のように、縮合は、対応するアシル塩化物の形成、次いで所望のアミンとのカップリングによって実現することができる。別の実施態様では、縮合は、適切なカップリング剤、例えば、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、o−ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N-4-テトラメチルウロニウムヒドロキシベンゾトリアゾールヘキサフルオロリン酸塩(TBTU)等を使用し、適切なモル比、例えば、酸誘導体に対して1:1から1:3の間のモル比で、適切な溶媒または混合溶媒、例えば、ジクロロメタン(DCM)またはジメチルホルムアミド(DMF)等の中で、適切な温度、通常0℃から使用する溶媒の沸点の間で、適切な時間、通常0.25時間から48時間、適切な有機塩基、例えば、炭酸カリウム(KCO)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミン(TEA)、トリイソプロピルアミン等の有機塩基の存在下、0.1から5.0当量の量で実施することができる。
【0102】
この反応の出発物質は、購入し、または自体公知の方法で製造することができる。
次いで、本発明の化合物を反応混合物から単離し、任意によりさらに自体公知の技術、例えば、溶媒のエバポレーション、洗浄、粉砕、適切な溶媒または混合溶媒から再結晶化、およびカラムクロマトグラフィー、例えば、固相としてシリカゲルまたはC18を使用し、または分離用分利用薄層クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー法を使用し精製しうる。
【0103】
本明細書で使用する「立体異性体」という用語は、同じ結合配列により結合するが、本発明の化合物が有しうる、互換性がない異なる三次元構造を有する、同じ原子から構成される可能な化合物全てと定義する。本発明の化合物の数種が1個以上の不斉炭素原子を含みうることは当業者には明らかであり、不斉中心として機能するこの不斉炭素原子は様々な光学体(例えば、鏡像異性体(エナンチオマー)またはジアステレオ異性体)をもたらしうる。別段の記載または指摘が無い限り、本明細書で化合物の化学名は、全ての可能な立体配置を取るそのような光学体全て、および前記化合物が有しうる全ての可能な立体化学異性体形の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的分子構造のジアステレオマーおよび/または鏡像異性体全てを含みうる。純粋形または互いに混じり合う、本発明の化合物の立体化学異性体形は全て、本発明の範囲内に属する。
【0104】
より一般的には、本発明の化合物の数種が様々な異性体形および/または互変異性体形で存在しうることは上記より当業者には明らかであり、それだけには限らないが、それら異性体形には幾何異性体、立体配座異性体、および立体化学異性体(すなわち鏡像異性体およびジアステレオ異性体)、ならびに本発明の化合物中に存在する環の異なる位置上の同じ置換基の存在に対応する異性体が含まれる。本発明の範囲内には、全てのそのような可能な異性体、互変異性体およびそれらの混合物が含まれる。
【0105】
また、本発明の所望の化合物、ならびに/あるいはその製造で使用する出発物質、前駆体および/または中間体が、本発明の化合物の製造で使用する反応条件に感受性である官能基を含む場合(すなわち、官能基が適切に保護されていない場合、その条件下では望ましくない反応を経ると思われる)、前記反応中は1個以上の適切な保護基で保護することができ、次いで前記反応の完了後に、かつ/または本発明の化合物製造の後期もしくは最終工程後に、その保護基を適切に除去できることも明らかである。本発明の化合物の保護形は、本発明の範囲内に含まれる。適切な保護基、ならびに保護基を挿入し除去する方法および条件は、当業者には明白であり、有機化学の標準的ハンドブック、例えば、GreeneおよびWuts、『Protective groups in organic synthesis』、第3版、Wiley and Sons、1999などに一般的に記載されており、その全体を参照により本明細書に組み入れる。また、1個以上の官能基が適切な官能基で保護されている本発明の化合物を本発明の化合物の生成および/または合成における中間体として役立てうることも当業者には明らかであり、そのこと自体が本発明の別の態様を形づくる。
【0106】
本発明は、さらに、本発明による方法によって取得可能な化合物を包含する。
【0107】
驚くべきことに、本発明の化合物は、以下の例に示されるように、イオンチャンネルと相互作用し、特にKvファミリー由来のイオンチャンネルと、より具体的にはKv4サブファミリー由来のイオンチャンネルと、特にKv4.3チャンネルと相互作用することが見出された。
【0108】
「相互作用する」とは、本発明の化合物が、前記イオンチャンネル、ならびに/あるいはこれらのチャンネルが関連する生物学的機能および/または経路のアンタゴニストとして作用することを意味し、特に、本発明の化合物は十分にまたは部分的に前記チャンネルを「阻害」することができる。本発明の化合物は、動物、好ましくは脊椎動物、より好ましくは温血動物、さらにいっそう好ましくは哺乳動物由来の、最も好ましくはヒトのイオンチャンネルと相互作用するのが好ましい。
【0109】
本発明の実施態様では、本発明の化合物は、前記イオンチャンネル、ならびに/あるいはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして作用する。本発明の化合物は、前記イオンチャンネルを阻害するのが好ましい。
【0110】
別の実施態様では、本発明の化合物は、Kvファミリーのイオンチャンネル、ならびに/あるいはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして作用する。さらに、本発明の化合物は、Kvファミリー由来のイオンチャンネルを阻害するのが好ましい。本発明において、具体的選択は上記の構造式I、II、IIIまたはIVの化合物で与えられ、Kv4.3イオンチャンネルおよびKv1.5イオンチャンネルに対する具体的活性があり、およびIC50の値として、100μMより少なく、好ましくは50μMより少なく、さらに好ましくは10μMより少なく、好ましくは5μMより少なく、さらに好ましくは1μMより少なく、この値は適切なアッセイにより決定でき、下記の実施例中のようなもので、示すされる。
【0111】
本発明において、具体的選択は上記の構造式I、II、IIIまたはIVの化合物で与えられ、Kv4.3イオンチャンネルおよびKv1.5イオンチャンネルに対する具体的活性があり、ここで化合物適用後の残存が現在測定され、そして以下に実施例で用いられた適切なアッセイにより決められ、対照に比べ90%より少ないか同等であり、好ましくは85%より少なく、さらに好ましくは80%より少なく、好ましくは70%より少ない。
【0112】
さらに別の実施態様によれば、本発明の化合物は、Kv4サブファミリー由来のイオンチャンネルおよび/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして作用する。さらに、好ましくは、本発明の化合物は、Kv4サブファミリー由来のイオンチャンネルを阻害する。
【0113】
さらに別の実施態様によれば、本発明の化合物は、Kv4.3イオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして作用する。また、最も好ましくは、本発明の化合物は、Kv4.3イオンチャンネルを阻害する。
【0114】
さらなる態様によれば、Kv4.3イオンチャンネルを阻害する本発明の化合物はまた、Kv1サブファミリーのイオンチャンネル、特に Kv1.5イオンチャンネルを阻害する。
【0115】
本発明の化合物は、イオンチャンネルと相互作用するかどうかは、実施例に記載されているアッセイなど、適切な技術またはアッセイを使用して決定することができる。
【0116】
従って、一般的に、本発明の化合物は、(1)イオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)イオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に、前記イオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。
【0117】
特に、Kvファミリー由来のイオンチャンネルと相互作用する本発明の化合物は、(1)Kvファミリー由来のイオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)Kvファミリー由来のイオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に、Kvファミリー由来のイオンチャンネルに関連する状態または疾患の症状および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。
【0118】
より具体的には、Kv4サブファミリー由来のイオンチャンネルと相互作用する本発明の化合物は、(1)Kv4サブファミリー由来のイオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)Kv4サブファミリー由来のイオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に、Kv4サブファミリー由来のイオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。
【0119】
よりさらに具体的には、Kv4サブファミリー由来のKv4.3イオンチャンネルと相互作用する本発明の化合物は、特に(1)Kv4.3イオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)Kv4.3イオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に、Kv4.3イオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。
【0120】
さらに実施態様によれば、Kv1サブファミリー由来のイオンチャンネルと相互作用する本発明の化合物は、(1)Kv1サブファミリー由来のイオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)Kv1サブファミリー由来のイオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に、Kv1サブファミリー由来のイオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。
【0121】
より具体的には、Kv1サブファミリー由来のKv1.5イオンチャンネルと相互作用する本発明の化合物は、特に、(1)Kv1.5イオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)Kv1.5イオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に、Kv1.5イオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。
【0122】
別の態様では、本発明は、医薬品として使用するための式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供する。さらに、本発明は、イオンチャンネル阻害剤として使用するための式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供する。さらに、本発明は、Kv4イオンチャンネルファミリーのイオンチャンネル阻害剤として使用するための式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供する。特に、本発明は、Kv4.3イオンチャンネルファミリーのイオンチャンネル阻害剤として使用するための式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供する。さらに、本発明は、Kv1イオンチャンネルファミリーのイオンチャンネル阻害剤として使用するための式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供する。特に、本発明は、Kv1.5イオンチャンネルファミリーのイオンチャンネル阻害剤として使用するための式I、II、IIIまたはIVの化合物を提供する。
【0123】
本発明は、Kv4および/またはKv1ファミリーイオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療のための医薬品の製造に、本発明に記載の化合物の使用をさらに提供する。
【0124】
そのような疾患および疾病は、当業者には明白であろう。例えば、Kv4.3イオンチャンネルに関連する症状および疾患は、特にヒトでは、心臓疾患、例えば不整脈、高血圧誘導性心臓疾患、例えば高血圧誘導性心臓肥大(例えば心室肥大)、および神経系疾患、以下の例で限られるものではないが、例えば、てんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、アルツハイマー疾患、脊髄損傷、脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患およびパーキンソン症候群が含まれ、Kv4.3イオンチャンネルと相互作用する本発明の化合物は、そのような症状および疾患の予防および/または治療に使用することができる。
【0125】
同様の症状および疾患が、Kv1.5イオンチャンネルにも伴い、そのような症状および疾患の予防および/または治療に使用することができる。例えば、クラスIII抗不整脈薬は、心臓のカリウムチャンネルを遮断し、その結果、再分極および不応性を延長することによってその効果を発揮する。1(Kur)、超高速遅延整流性電流がヒト心房組織で同定されたが、心室組織では同定されなかった。
【0126】
従って、その電流が、心房のみでの活動電位の再分極の原因となる。Kv1.5タンパク質は、l(Kur)を形成する重要な心臓電位開口型カリウムチャンネルであると推測される。Kv1.5を阻害する化合物は、心房での活動電位の再分極を遅らせ、その結果心房不応期を延長する。hERGに対するKv1.5インヒビターの高選択性を考えると、そのようなインヒビターは、プロ−不整脈(不整脈促進効果)、例えば心室性不整脈(torsades de pointes)に関連付けられている心室再分極に干渉しないはずである。従って、Kv1.5インヒビターは、心房細動などの心房発作性頻拍の治療に特に重要である。従って、別の実施態様によれば、本発明はまた、上記状態および疾患を予防し、かつ/または治療するためにKv1.5イオンチャンネルと相互作用し、Kv4.3イオンチャンネル関連疾患に関連する化合物の使用に関する。これらの状態または疾患の治療で使用する好ましい化合物は、Kv4.3およびKv1.5イオンチャンネルに活性を示す化合物である。例えば、この化合物は、様々な疾患:上室性不整脈、心房性不整脈、心房細動、心房粗動、心臓虚血合併症を含む心不整脈治療および/または予防に適している。さらに、化合物は、例えば、洞調律(心臓版)を回復するために、現行の心房細動または粗動を停止させるために使用しうる。さらに、この物質は、新規な微小繊維化事象の形成に対する感受性を低減しうる(洞調律の維持、予防)。
【0127】
本発明による化合物は、心拍制御剤として、プリンツメタル症状、血管攣縮性症状および異形症状の解放を含む狭心症;逆流性食道炎、機能性消化不良、運動性疾患(便秘および下痢を含む)、および過敏性腸症候群を含む胃腸疾患;喘息、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸促迫症候群、末梢血管疾患(間欠性跛行を含む)、静脈不全、不能、大脳および冠攣縮、および白蝋病を含む血管平滑筋および内臓平滑筋疾患;炎症性腸疾患、リューマチ性関節炎、移植片拒絶、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症およびアテローム性動脈硬化症を含む炎症性および免疫性疾患;再狭窄および癌(白血病を含む)を含む細胞増殖性疾患;黄斑変性症および白内障を含む聴覚視覚系疾患;糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症および糖尿病性神経障害を含む糖尿病;筋緊張症および消耗、末梢神経障害、認知障害、偏頭痛、アルツハイマー型および痴呆を含む記憶喪失、パーキンソン病を含むCNS介在運動機能傷害、および運動失調を含む筋疾患;癲癇、および他のイオンチャンネル介在疾患に使用することもできる。
【0128】
電位開口型K+チャンネルのK1サブファミリーのインヒビターとして、本発明による化合物は、以下を含む様々な疾患の治療に有用である:器官または組織の移植による耐性、骨髄移植によって生じる移植片対宿主疾患、リューマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、若年発症性または最近発症性糖尿病、後部ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、病原性微生物によって生じる感染症、炎症性および過剰増殖性皮膚疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水泡症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、紅斑、皮膚性好酸球増加症、紅斑性狼瘡、ざ瘡、円形脱毛症、角結膜炎、春季カタル、ベーチェット病随伴性ぶどう膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、異栄養症上皮性角膜、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、フォークト−小柳−原田症候群、類肉腫症、花粉アレルギー、可逆性閉塞性気道疾患、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、埃喘息、慢性または難治性喘息、遅発型喘息および気道過敏症、気管支炎、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症によって生じた血管傷害、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、熱傷およびロイコトリエンB4介在疾患随伴性腸病変、コエリアズ疾患、直腸炎、好酸球胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、偏頭痛、鼻炎、湿疹、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、糖尿病性腎症、多発性筋炎、ギランバレー症候群、メニエール病、多発神経炎、多発性神経炎、単神経炎、神経根症、甲状腺機能亢進症、バセドウ病、赤芽球癆、再生不良性貧血、低形成性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、赤血球形成不全、骨粗鬆症、類肉腫症、肺線維症、突発性間質性肺炎、皮膚筋炎、尋常性白斑、尋常性魚鱗癬、光アレルギー過敏症、皮膚T細胞リンパ腫、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、心筋症、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、脂肪症、好酸球筋膜炎、歯肉病変、歯周組織、歯槽骨、歯のセメント質、糸球体腎炎、脱毛予防または発毛供給および/または発毛促進および増毛促進による男性型または老人性脱毛症、筋ジストロフィ、膿皮症およびセザリー症候群、アジソン病、保存、移植または虚血性疾患によって生じた器官虚血再灌流障害、エンドトキシンショック、偽膜性大腸炎、薬物または照射によって生じた大腸炎、虚血性急性腎機能不全、慢性腎不全、肺酸素または薬物によって生じた中毒症、肺癌、肺気腫、白内障、鉄沈着症、網膜炎、色素変性症、老人性黄斑変性症、硝子体瘢痕、角膜アルカリ焼け、多形性紅斑皮膚炎、直鎖IgA水疱性皮膚炎およびセメント皮膚炎、歯肉炎、歯周病、敗血症、膵炎、環境汚染によって生じた疾患、加齢、発癌、癌腫転移および高山病、ヒスタミンまたはロイコトリエンC4の放出によって生じた疾患、ベーチェット病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変硬化性胆管炎、部分的肝切除、急性肝壊死;毒素、ウイルス性肝炎、ショック、または無酸素によって生じた壊死;Bウイルス性肝炎、非A型/非B型肝炎、硬変症、アルコール性肝硬変、肝不全、劇症肝不全、遅発性肝不全、「慢性型急性化」肝不全、化学療法作用の増大、サイトメガロウイルス感染、HCMV感染、AIDS、癌、老人性痴呆、外傷、および慢性細菌感染。
【0129】
本発明の化合物は、不整脈の予防および治療(部分的緩和または治癒を含む)に有用である抗不整脈剤である。Kv1.5のインヒビターとして、本発明の技術的範囲内の化合物は、特に、心房細動や心房粗動などの上室性不整脈の選択的予防および治療に有用である。
【0130】
本発明の化合物が、イオンチャンネル、例えば、Kvファミリーイオンチャンネル、例えば、Kv4またはKv1サブファミリーのイオンチャンネル、例えば、Kv4.3またはKv1.5イオンチャンネルとそれぞれ相互作用するかどうかは、適切な技術またはアッセイ、例えば、本明細書に述べられたアッセイおよび技術、あるいは他の適切な当技術分野で公知のアッセイまたは技術を使用して決定することができる。
【0131】
医薬的な使用を目的として、本発明の化合物は、遊離酸または遊離塩基として、および/または薬学的に許容可能な酸付加塩および/または塩基付加塩(例えば、無毒有機または無機の酸または塩基を用いて得られる)の形で、水和物、溶媒和物および/または複合体の形で、および/またはエステルなどのプロドラッグまたはプレドラッグの形で使用しうる。本明細書で使用し、かつ特に明記しない限り、「溶媒和物」という用語には、適切な無機溶媒(例えば水和物)または有機溶媒、例えば、それだけには限らないが、アルコール、ケトン、エステル等と、本発明の化合物によって形成しうる任意の組合せが含まれる。該塩、水和物、溶媒和物等、およびその製造は、当業者には明白であり、例えば、米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号および米国特許第6,372,733号に記載された塩、水和物、溶媒和物等について参照されたい。
【0132】
本発明による化合物の薬学的に許容可能な塩、すなわち、水溶性、油溶性、または分散性生成物の形をとる塩には、慣用の無毒塩、あるいは例えば無機または有機の酸または塩基から形成される四級アンモニウム塩が含まれる。そのような酸付加塩の例には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレン−スルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、スクシン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩。塩基塩には、以下のものが含まれる:アンモニウム塩;ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;有機塩基との塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸との塩、例えば、サルギニン、リジン等。さらに、塩基性窒素含有基を以下のような薬剤で四級化しうる:低級ハロゲン化アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチルのような硫酸ジアルキル;および硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ベンジルおよびフェネチル臭化物のようなアラルキルハライドおよびその他。他の薬学的に許容可能な塩には、硫酸塩エタノール付加物および硫酸塩が含まれる。
【0133】
別の実施態様では、本発明は、薬学的に許容可能な賦形剤と治療量の本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。
【0134】
本明細書で使用する「治療有効量」という用語は、組織、系、動物、またはヒトで生物学的または医薬的応答を引き出す活性化合物または成分または医薬品の量を意味し、その応答とは研究者、獣医、医学博士、または他の臨床医が探し求め、治療対象の疾患症状の緩和を含む。
【0135】
この医薬組成物は、当業者には自体公知の方法で製造することができる。この目的のために、少なくとも一種の、式I、II、IIIまたはIVを有する化合物と1種以上の固体または液体医薬賦形剤を、必要に応じて他の医薬活性化合物を組み合せて、適切な投与形または剤形にし、次いでこれをヒト医学または獣医学で医薬として使用することができる。
【0136】
一般的に、医薬使用を目的として、本発明の化合物は、少なくとも一種の本発明の化合物、および少なくとも1個の薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤および/またはアジュバント、および任意によりさらに1種以上の医薬的活性化合物を含む医薬製造物として製剤化することができる。ここでの例に限定されないが、例として、そのような製剤は経口投与に、非経口投与に(例えば、静脈内、筋肉内または皮下注射または静脈内注入による)、局所投与に、吸入投与に、皮膚パッチ、インプラント、座薬等による投与に適切な形態をとってよい。そのような適切な投与形−投与方式に応じて固体、半固体または液体であってよい−および方法、ならびにその製造に使用するための担体、希釈剤および賦形剤は、当業者には明白であり、例えば、米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号および米国特許第6,372,733号、およびレミントン『Pharmaceutical Science』の最新版など、標準的ハンドブックを再度参照されたい。
【0137】
いくつかの好ましいが、ここでの例に限定されないが、そのような調製物の例には、錠剤、丸剤、粉剤、トローチ剤、(薬品包装)小袋、カプセル剤、エリキシル、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル、軟膏、クリーム、ローション、軟および硬ゼラチンカプセル、座薬、急速投与用および/または連続投与用の、滅菌注射液および(通常、使用前に再調製する)滅菌包粉が含まれ、これらは、そのような製剤にはそれ自体適切である担体、賦形剤、および希釈剤、例えば、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、セルロース、(滅菌)水、メチルセルロース、メチル−およびプロピルヒドロキシ安息香酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、食用油、植物油および鉱油、あるいは適切なそれらの混合物により製剤化することができる。この製剤は、他の医薬的活性物質(本発明の化合物と相乗効果が得られても、得られなくてもよい)、および医薬製剤で通常使用されている他の物質、例えば、滑沢剤、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、分散剤、崩壊剤、増量剤、注入剤、保存剤、甘味剤、香味剤、流動性調節剤、放出剤等を任意に含むことができる。組成物もまた、その中に含まれている活性化合物を迅速、持続、または遅延放出させるために、例えば、天然ゲルまたは合成ポリマーをベースとするリポソームまたは親水性ポリマーマトリックスを使用し製剤化しうる。
本発明による医薬組成物の化合物の溶解性および/または安定性を増強するために、[α]−、[β]−、または[γ]−シクロデキストリンまたはその誘導体を使用するのが有利かもしれない。さらに、アルコールなどの共溶媒によって、化合物の溶解性および/または安定性を改善しうる。水性組成物の製造では、その水溶解性が高いということにより、本発明の化合物の塩を加えるのがより適切かもしれない。
【0138】
適切なシクロデキストリンは、[α]−、[β]−、または[γ]−シクロデキストリン(CD)またはそのエーテルおよび混合エーテルであり、ここでシクロデキストリンの無水グルコース単位の水酸基の1個以上は以下のもので置換されている:アルキル、特に、メチル、エチルまたはイソプロピル、例えば無作為にメチル化した[β]−CD;ヒドロキシアルキル、特にヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、またはヒドロキシブチル;カルボキシアルキル、特にカルボキシメチルまたはカルボキシエチル;アルキルカルボニル、特にアセチル;アルコキシカルボニルアルキルまたはカルボキシアルコキシアルキル、特にカルボキシメトキシプロピルまたはカルボキシエトキシプロピル;アルキルカルボニルオキシアルキル、特に2−アセチルオキシプロピル。複合体化剤および/または溶解剤として特に注目すべきは、[β]−CD、無作為にメチル化した[β]−CD、2,6−ジメチル−[β]−CD、2−ヒドロキシエチル−[β]−CD、2−ヒドロキシエチル−[γ]−CD、2−ヒドロキシプロピル−[γ]−CDおよび(2−カルボキシメトキシ)プロピル−[β]−CD、特に2−ヒドロキシプロピル−[β]−CD(2−HP−[β]−CD)である。混合エーテルという用語は、シクロデキストリン誘導体を示し、ここで少なくとも2個のシクロデキストリンの水酸基は、異なる基、例えば、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシエチルなどでエーテル化されている。シクロデキストリンまたはその誘導体と組み合せたこの化合物の製剤化の興味深い方法は、欧州特許出願第721,331号に記載されている。その中に記載されている製剤は、抗真菌性活性成分と共に用いられるが、それらはこの化合物の製剤と等しく興味深い。前記製剤はまた、医薬的に受容可能な甘味料および/または香味を加えることによって、さらに口当たりを良くしてもよい。特に、本発明は、有効量の本発明による化合物と医薬的に受容可能なシクロデキストリンを含む医薬組成物を包含する。本発明はまた、本発明による化合物およびシクロデキストリンからなるシクロデキストリン複合体を包含する。
【0139】
より具体的には、この組成物は、本発明の化合物の固体分散体からなる粒子の治療有効量、および1種以上の薬学的に許容可能な水溶性ポリマーを含む医薬製剤に製剤化することができる。
【0140】
「固体分散体」という用語は、少なくとも2種の成分を含む(液体状態または気体状態とは対照的に)固体状態の系と定義し、ここで1成分は、他方の単数または複数の成分全体にわたって多かれ少なかれ均等に分散している。成分の前記分散体が、その系が全体にわたって化学的および物理的に均一または同質であり、あるいは熱力学で定義される一相からなるようなものである場合、そのような固体分散体を「固溶体」と称する。固溶体が、好ましい物理的系である。というのは、その固溶体が投与される生物が、その中の成分を通常容易に生体利用できるからである。「固体分散体」という用語も、全体にわたって固溶体よりも同質性が低い分散体を含む。そのような分散体は、全体にわたって化学的および物理的に均一ではなく、または一相を超える相を含む。
【0141】
水溶性ポリマーは、好都合には、20℃の2%水溶液に溶解させた時、見かけの粘度が1から100mPa.sのポリマーである。好ましい水溶性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはHPMCである。メトキシ置換度が約0.8から約2.5であり、ヒドロキシプロピルモル置換が約0.05から約3.0であるHPMCが一般的に水溶性である。メトキシ置換度は、セルロース分子の無水グルコース一単位当たりに存在するメチルエーテル基の平均数をさす。ヒドロキシ−プロピルモル置換は、セルロース分子の各無水グルコース単位と反応した酸化プロピレンのモル平均数をさす。
【0142】
化合物をナノ粒子の形に製剤化することはさらに好都合であろう。このナノ粒子は、有効平均粒子径を1000nm未満に維持するのに十分な量で、表面調節物質をその表面に吸着させている。適切な表面調節物質は、好ましくは、既知の有機および無機医薬賦形剤から選択することできる。そのような賦形剤には、様々なポリマー、低分子量オリゴマー、天然生成物、および界面活性剤が含まれる。好ましい表面調節物質には、非イオン性およびアニオン性界面活性剤が含まれる。
【0143】
本発明による化合物を製剤化するさらに別の興味深い方法は医薬組成物を含み、それによって化合物を親水性ポリマー中に組み込み、この混合物をコート膜として多くの小型ビーズに塗布し、それによって良好な生体利用能を有する組成物を得るものであり、組成物は好都合に製造することができ、かつ経口投与用医薬剤形の製造に適している。前記ビーズは、(a)中心の丸形または球形コア、(b)親水性ポリマーおよび抗レトロウイル薬剤のコート膜、および(c)シールコーティングポリマー層を含む。ビーズ中のコアとして使用に適切な物質は多数あるが、ただし前記物質は薬学的に許容可能であり、適切な寸法および堅さを有する。そのような物質の例には、ポリマー、無機物質、有機物質、および糖類、ならびにその誘導体がある。
【0144】
上記調製物は、自体公知の方法で製造することができ、通常、その方法は、必要な無菌条件下で、使用する活性物質と一種以上の医薬的に受容可能な担体とを混合するステップを含む。米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号および米国特許第6,372,733号、およびさらに上記従来技術、およびレミントン『Pharmaceutical Science』の最新版など、標準的ハンドブックを再度参照されたい。
【0145】
本発明の医薬製造物は、単位用量剤形であることが好ましく、例えば、箱、ブリスター、バイアル、ボトル、小袋、アンプル、あるいは他のいかなる適切な一回用量または多数回用量ホルダーまたは容器(好適にラベルを貼ることができる)の中に、任意により製品情報および/または使用説明書を含む1枚以上のリーフレットと共に適切に包装しうる。一般的に、そのような単位投与には、少なくとも一種の本発明の化合物が1〜1000mg、通常5〜500mg、例えば、単位投与一個当たり約10、25、50、100、200、300または400mg含まれる。
【0146】
化合物は、主として使用する特定の調製物、および治療しようとする病状または予防に応じて、経口、経直腸、経皮、経皮下、経静脈内、経筋肉内または経鼻内を含む様々な経路によって投与することができ、経口および静脈内投与が通常好ましい。
【0147】
一般的に、本発明の化合物は有効量で投与され、その有効量は、適切な投与により投与される個体で所望の治療または予防効果を得るために十分なものである。通常、予防しまたは治療する症状、および投与経路に応じて、そのような有効量は通常、1日につき患者の体重1kg当たり0.01〜1000mg、より頻繁には0.1〜500mg、例えば、0.1〜250mg、例えば、約0.1、1、5、10、20、50、100、150、200または250mgであり、これを1回1日量として、1回以上の1日量に分割して投与し、または基本的に例えば点滴注入を使用し継続的に投与してよい。投与する量、投与経路、およびそれ以上の治療計画は、臨床医の治療により、年齢、性別および患者の全身状態などの要因、ならびに治療しようとする疾患/症状の性質および重症度に応じて決定することができる。米国特許第6,372,778号、米国特許第6,369,086号、米国特許第6,369,087号および米国特許第6,372,733号、およびさらに上記従来技術、およびレミントン『Pharmaceutical Science』の最新版など、標準的ハンドブックを再度参照されたい。しかし、任意の特定の患者の特定の用量レベルおよび投薬頻度は異なってよく、使用する特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用時間、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の方式および時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度を含む様々な要因次第であることは理解されよう。
【0148】
従って、別の態様では、本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物と、少なくとも1個の適切な担体(すなわち医薬用途に適切な担体)を含む組成物、特に医薬使用を目的とする組成物に関する。本発明はまた、そのような組成物の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0149】
本発明の方法に従って、前記医薬組成物は、治療の流れの中で異なる時間にまたは同時に、分割または1回の組合せ形態で別々に投与することができる。従って、本発明は、同時治療または交互治療の全てのそのような方式を包含するとして理解され、「投与」という用語はそれに応じて解釈されるものである。
【0150】
経口投与形には、本発明の組成物は、適切な添加剤、例えば、賦形剤、安定剤または不活性希釈剤と混合し、慣用の方法によって適切な投与形、例えば、錠剤、コート錠、硬カプセル、水溶液、アルコール溶液、または油性溶液にすることができる。適切な不活性担体の例には、アラビアガム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、乳糖、ブドウ糖、または澱粉、特に、コーンスターチがある。この場合は、乾燥顆粒および湿潤顆粒で製造を行うことができる。適切な油性賦形剤または溶媒は、ヒマワリ油またはタラ肝油などの植物油または動物油である。水溶液またはアルコール溶液に適切な溶媒は、水、エタノール、糖液、またはそれらの混合物である。ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールは、他の投与形用の別の助剤としてもまた有用である。即時放出錠剤として、これらの組成物は、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、澱粉、ステアリン酸マグネシウムおよび乳糖、ならびに/あるいは当技術分野で公知の他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含みうる。
【0151】
鼻用エアロゾルまたは吸入によって投与する場合、これらの組成物は当医薬製剤の技術分野で公知の技術に従って製造し、かつベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、生体利用能を高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野で公知の他の可溶化剤または分散剤を使用して、生理食塩水溶液として製造しうる。エアロゾルまたはスプレーの形で投与するのに適切な医薬製剤は、例えば、医薬的に受容可能な溶媒、例えば、エタノールまたは水、またはそのような溶媒の混合物中に、本発明の化合物またはそれらの生理学的に許容される塩を含む溶液、懸濁液または乳濁液である。必要な場合には、この製剤には追加して、界面活性剤、乳化剤、および安定剤などの他の医薬助剤および噴霧剤も含めることができる。
【0152】
皮下または静脈内投与には、本発明による化合物を、適宜、慣用の物質すなわち例えば溶解剤、乳化剤またはさらに助剤により溶液、懸濁液、または乳濁液にする。本発明の化合物は、凍結乾燥することもでき、得られた凍結乾燥物は、例えば、注射または注入調製物の生成に使用される。適切な溶媒は、例えば、水、生理食塩水溶液またはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロール、さらにブドウ糖またはマンニトール溶液などの糖液であり、または別法として記載した様々な溶媒混合物である。注射液または懸濁液は、公知技術に従い、適切無毒な非経口受容可能な希釈剤または溶媒、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液または等張塩化ナトリウム溶液、あるいは適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤、例えば、滅菌され口当たりのよい合成モノまたはジグリセリドを含む不揮発油、およびオレイン酸を含む脂肪酸を使用して製剤化することができる。
【0153】
経直腸的に座薬の形で投与する場合、これらの製剤は、本発明による化合物と適切な非刺激性賦形剤、例えば、ココアバター、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールとを混合することによって製造でき、その賦形剤は常温で固体であるが、直腸腔で液化し、および/または溶解して薬物を放出する。
【0154】
本発明による化合物は、Kvファミリーの、より具体的にはKv4サブファミリー由来のイオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして作用することが判明した。本発明による化合物は、Kv1サブファミリー由来のイオンチャンネル、ならびに/あるいはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして作用することも判明した。
【0155】
従って、本発明の化合物は、(1)イオンチャンネル、および/またはそれらに関連する生物学的機能または経路のアンタゴニストとして、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、(2)イオンチャンネル阻害剤として、すなわちインビトロ、インビボまたは治療設定で、および/または(3)医薬的活性剤として、特に前記イオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療(のための医薬組成物の製造)で使用することができる。加えて、本発明による化合物は、hERGチャンネルに関して極めて低活性または不活性を示し、および従って選択的である。
【0156】
上記のように、先に述べたイオンチャンネルに対する活性を阻害することによって、本発明による化合物は、Kvファミリー由来のイオンチャンネルに関連する症状または疾患の予防および/または治療に特に有用である。そのような疾患および疾病は、当業者には明白であろう。例えば、Kv4.3イオンチャンネルに関連する症状および疾患は、特にヒトでは、心臓疾患、例えば不整脈、高血圧誘導性心臓疾患、例えば高血圧誘導性心臓肥大(例えば心室肥大)、および神経系疾患、例えばてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患アルツハイマー疾患およびパーキンソン症候群が含まれる。本発明による化合物は、Kv4.3イオンチャンネルと相互作用し、そのような症状および疾患の予防および/または治療に使用することができる。加えて、特にヒトで、Kv1.5イオンチャンネルに関連する症状および疾患には、Kv4.3イオンチャンネルに関して上記したのと同じ疾患および疾病が含まれる。Kv1.5イオンチャンネルと相互作用する本発明による化合物は、特に、心房細動などの心房発作性頻拍の予防および/または治療に有用である。
【0157】
従って、別の実施態様では、本発明はまた、心臓疾患、例えば不整脈、高血圧誘導性心臓疾患、例えば高血圧誘導性心臓肥大(例えば心室肥大)、および神経系疾患、例えばてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患、アルツハイマー疾患およびパーキンソン症候群の治療における、本発明による化合物の使用、または前記化合物を含む医薬組成物にも関する。別の実施態様では、本発明はまた、不整脈などの心臓疾患の治療における、本発明による化合物の使用、または前記化合物を含む医薬組成物にも関する。さらに別の実施態様では、本発明はまた、神経系疾患の治療における、本発明による化合物の使用、または前記化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0158】
心臓疾患の治療方法は、この治療を必要とする個体に、本発明による化合物を含む医薬組成物を投与することを含む。神経系疾患の治療方法は、この治療を必要とする個体に、本発明による化合物を含む医薬組成物を投与することを含む。
【0159】
また、上記化合物および組成物は獣医学分野で有用であると想定され、本明細書の目的では、これらには、動物の疾患の予防および/または治療だけでなく、−価格的に重要な動物、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、魚類等について−動物の成長および/または体重、および/または動物から得られる食肉または他の生産物の量および/または質を高めることも含まれる。従って、別の態様では、本発明は、少なくとも一種の本発明の化合物(すなわち、本明細書に記載した線虫または方法を使用し、同定し、発見し、かつ/または開発された化合物)、および少なくとも一種の適切な担体(すなわち、獣医学使用に適切な担体)を含む獣医学使用のための組成物に関する。本発明はまた、そのような組成物の製造における本発明の化合物の使用に関する。また、上記化合物および組成物は殺虫剤としても有用でありうると想定される。
【0160】
次に、本発明を以下の合成実施例および生物学的実施例によって例示するが、これらは決して本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例1】
【0161】
本発明化合物の製造
本発明の実施には、特に言及しない限り、合成有機化学、生物学的試験等の、当該技術に属する通常の技術が使用される。それら技術の説明は文献に十分になされている。特に言及しない限り、化合物の純度は、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)により、以下の方法Aまたは方法Bに従って確認した。
【0162】
方法A:
HPLC:Waters Alliance 2690 およびフォトダイオードアレイ検出器 Waters 996。質量分析計: Micromass Platform ZMD LC。イオン化:エレクトロスプレー(極性:陰性および陽性)。
【0163】
方法:
相:Tosohaas TSK-gel Super ODS(100Å、2μm)、カラム:4.6x50 mm;溶媒A:水および ギ酸(26.5 mM);溶媒B:アセトニトリルおよびギ酸(17 mM);流速:2.75 ml/min;5分間のグラディエント:100%A&0 %Bから20%A&80%Bへ3分間、80%Bの定濃度で1分間、80%B&20%Aから0%B&100%Aで0.5分間、100%Aの定濃度で0.5分間
NMRスペクトルは、内部基準として指定の溶媒を使用し、Varian Mercury 300 MHz NMRで測定した。
融点はBuchi B-540で測定し、未修正である。使用の全ての試薬は市販入手可能であり、あるいは自体公知の方法で調製できる。
【0164】
調製の方法
構造式I、II、IIIまたはIVの化合物は下記の手順およびスキーム、および当業者の知識に従って調製してもよい。
プロトコールA:
酸誘導体(0.5 mmol)をDMF(0.5ml)およびDIEA(1.5 mmol)の混合液に溶解した。DMF(0.5ml)中TBTU(0.5 mmol)およびHOBt(0.1 mmol)の溶液を添加し、混合液を30分室温にて攪拌した。アミン(0.5 mmol)を添加し、反応液は3から24時間の間で室温にて攪拌した。DMFは減圧にて除去した。残渣(0.5 mmol)はEtOAc(5ml)またはDCM(5ml)で溶解し、0.5N HCl(2x5ml)、0.5N NaOH(2x5ml)および水(2x5ml)、または1N NaHCO3(2x5ml)および水(2x5ml)で洗浄した。有機層をMgSO4にて乾燥し、溶媒を真空下で除去した。残渣をフラッシュ クロマトグラフィー、セミ−プレップHPLCまたは再結晶化で精製した。
【0165】
実施例の例示、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 (R)-(4-ニトロフェン-1-イル)エチルアミド(化合物1)
丸底フラスコで、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸(98mg;0.5 mmol)をDMF(0.5ml)中DIEA(261μl;1.5 mmol)溶液に溶解した。TBTU(160mg;0.5 mmol)およびDMF(0.5ml)中HOBT(14mg;0.1 mmol)溶液を添加し、反応液を室温にて30分攪拌した。(R)-(4-ニトロフェン-1-イル)エチルアミン(76mg;0.5 mmoles)を加えた(仮に、アミンが塩酸塩として貯法されていたら、DIEAのもう1等量が必要である)。室温で2時間攪拌後、DMF(0.35ml)中TBTU(112mg;0.35 mmoles)およびHOBT(14mg;0.1 mmol)の溶液を添加した。攪拌を4時間室温にて継続した。DMFを真空下で、除いた。残渣をエチルアセテート(5ml)に溶解した。有機層をHCl 0.5N (2x5ml)、NaOH 0.5N (2x5ml)、および水(2x5ml)にて洗浄した。有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、そして真空下で除去した。残渣はプレパラティブHPLCにて精製した。
【0166】
プロトコールB:
SOCl2(5ml)およびDMF(2滴)がカルボン酸(3.08 mmol)に加えられ、混液を30分間45℃にて攪拌した。過剰のSOCl2を減圧にて除いた。痕跡のSOCl2は、DCM(2x5ml)からの蒸留により除去した。アシル塩化物をDCM5ml)に溶解し、DCM(5ml)中、アミン(3.08 mmol)およびEt3N(18,5 mmol)またはDIEA(18.5 mmol)の攪拌された混合液に、窒素雰囲気下、0℃で添加した。混液は0℃で30分間攪拌し、次に室温まで暖めた。反応液は、室温で30分から24時間の間、攪拌した。混液は水(100ml)に注ぎ、そしてDCM(3x100ml)で抽出した。混ぜ合わされた有機層は、MgSO4で乾燥し、溶媒は減圧下で除去した。残渣は、フラッシュ クロマトグラフィー、セミ−プレパラティブHPLCまたは再結晶化で精製した。
【0167】
プロトコールC:
エステル(1.7 mmol)は、エタノール(5ml)に溶解され、および2N NaOH(10ml)が加えられた。反応液は30分間45℃で攪拌された。反応液は室温まで冷却され、減圧下でエタノールを除去した。残渣を水(10ml)で薄め、0℃まで冷却し、6N HClを用いてpH=1に酸性化した。沈殿物をろ過し、水(3x10ml)で洗浄し、および減圧下で乾燥した。
【0168】
プロトコールD:
5-クロロインドール-2-カルボン酸(2.5mmol)をCH3CN(20ml)に溶解した。DBU(6.5 mmol)およびMel(5.6 mmol)を添加した。混液は8時間65℃で攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。
残渣(2.5 mmol)を乾燥1,4-ジオキサン(20ml)に溶解し、その溶液を0℃まで冷却した。NaH(8.1mmol)を添加し、混液を15分間0℃で攪拌した。Mel(10mmol)を添加し、混液を1時間0℃で、さらに2日間室温で攪拌した。反応液は水(150ml)に注いだ。水層がEt2O(3x100ml)で抽出された。合わされた有機層は1N HCl(3x200ml)で洗浄され、MgSO2で乾燥し、そして溶媒が減圧下で除去した。残渣はフラッシュ クロマトグラフィーで精製した。
【0169】
プロトコールE:
乾燥乾燥1,4-ジオキサン(250ml)中ベンゾフラン-2-カルボン酸(39.1 mmol)溶液に、Et2O(58.7 mmol)およびジフェニルホスホリル アジド(50.8 mmol)を添加した。反応液を室温で、窒素雰囲気下、一晩攪拌した。EtOH(50ml)を添加し、反応液を一晩100℃に加熱した。溶媒は減圧下で除去し、トルエンの共沸蒸留を行った。残渣をトルエン/EtOAc混液から結晶化した。
【0170】
プロトコールF:
NaH(8.1 mmol)が、乾燥乾燥1,4-ジオキサン(20ml)中(4-{[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-メチル}-フェニル)-カルバミン酸 エチルエステル(2.4 mmol)溶液に加えた。反応液は2時間、室温で攪拌された。乾燥乾燥1,4-ジオキサン(10ml)中(2,4-ジメトキシ-フェニル)アセチル クロライド(3.66 mmol)溶液がゆっくりと添加した。反応液を室温で、窒素雰囲気下、一晩攪拌した。反応はNaOH溶液(100ml)の希釈により抑えられ、そしてEt2O(3x100ml)で抽出した。合わせられた有機層は水(3x100ml)で洗浄され、MgSO2で乾燥した。溶媒は、減圧下で除去され、残渣はフラッシュ クロマトグラフィーで精製した。
【0171】
プロトコールG:
20mlの1.0M Mg(OMe)2−メタノール溶液を(4-{[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-メチル}-フェニル)-[2-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-アセチル]カルバミン酸 エチルエステル(1.12 mmol)に添加し、混液を室温で一晩攪拌した。反応混合液は20%CH3COOH(50ml)水溶液へ注ぎ、そしてクロロホルム(3x100ml)で抽出した。合わせた有機層は、NaOH水溶液(3x100ml)および水(3x100ml)で洗浄した。有機層はMgSO4で乾燥し、溶媒が減圧下で除去した。残渣はフラッシュ クロマトグラフィーで精製した。
【0172】
プロトコールH:
乾燥THF(20ml)中ベンゾフラン(29.6 mmol)溶液は、窒素雰囲気下、−80℃に冷却した。2.5Mのヘキサン(32.5 mmol)中のn-BuLi溶液を加え、そして混液を1時間、−80℃で攪拌した。乾燥THF(20ml)中(2,4-ジメトキシフェニル)酢酸(12.7 mmol)溶液をゆっくり添加し、つぎに混液をゆっくりと室温まで暖めた。4.5時間後、反応混合液は水(100ml)で反応を停止させ、ついでEtOAc(5x100ml)で抽出した。合わせられた有機層を塩水(3x300ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ついで溶媒を減圧下で除去した。残渣はフラッシュ クロマトグラフィーで精製した。
【0173】
プロトコールI:
三臭化ホウ素(5.0 mmol)をDCM(5ml)中5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-メトキシ-ベンジルアミド(0.83 mmol)に添加した。溶液を1時間20分、−50℃で攪拌した後、2時間、室温で攪拌した。反応混合液は水(5ml)で反応を停止させ、ついでEtOAc(3x100ml)で抽出した。合わされた有機層は、MgSO4で乾燥し、ついで溶媒を減圧下で除去した。残渣は、再結晶化で精製した。
【0174】
プロトコールJ:
DIEA(0.44 mmol)と塩化アセチル(0.44 mmol)をDCM(3ml)中5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-ヒドロキシ-ベンジルアミド(0.44 mmol)に添加した。溶液は40分、室温で攪拌した。反応混合液は、DCM(20ml)で薄められ、1M Na2CO3溶液で洗浄された。有機層をMgSO4で乾燥し、そして溶媒は減圧下で除去した。残渣は、再結晶化で精製した。
【0175】
プロトコールK:
エステル(0.77 mmol)をエタノール(3ml)に溶かし、ついでLiOH(0.77 mmol)を添加した。混液は1時間、50℃で攪拌した。pHを1N HClで2に合わせるか、20%KHSO4水溶液へ注いだ。沈殿をろ過し、水(2x20ml)で洗浄し、減圧下で乾燥した。
【0176】
プロトコールL:
5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸(0.5 mmol)およびベンジルクロリド(0.5 mmol)をDMF(5ml)に溶解する。K2CO3(0.6 mmol)を添加し、混液を17時間、65℃で攪拌する。室温まで冷却後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をMeOH(2x20ml)で洗浄し、ろ液の溶媒を減圧下で除去した。残渣をフラッシュ クロマトグラフィーで精製した。
【0177】
プロトコールM:
(4-ジメチルスルファモイル-ベンジル)-カルバミン酸 tert-ブチル エステル(0.65 mmol)をCH3CN(2ml)および2N HCl(2ml)の混合物に溶解した。混合液は一晩、50℃で攪拌した。室温まで冷却後、溶媒は減圧下で除去した。
【0178】
プロトコールN:
3-アミノ-5-クロロベンゾフラン-2カルボン酸 メチルエステル(0.89 mmol)をDCM(2ml)に溶解した。DIEA(2.2 mmol)および無水酢酸(1.8 mmol)が添加した。混合液は48時間、室温にて攪拌した。溶媒は減圧下で除去した。
【0179】
本発明はさらに、表12に示される番号1から120の化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、代謝産物、またはその薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物を包含する。
【0180】
また本発明は11から19の合成中間生成物をも包含する。
【0181】
化合物1,2,3,4,5,6,7,8、24、25、26,27,28,34,36,38,39,41,44、45、49、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、79、80、81、82、83、84、85、87、88、89、90、91、92、93、94、95、98、99、101、102、103、104、105、108、109、113、114、118および119は、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。化合物9、10、および11は、7-メトキシ-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
【0182】
化合物13は、4-アセチル-7-メトキシ-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
化合物16および106は、5-クロロ-3-メチル-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
化合物18は、3-ピロール-1-イル-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
化合物19は、スキーム1に従って、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸から合成された。
【化68】

化合物21、107、110および117は、5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸から合成された。
【0183】
化合物22は、スキーム2に従って、ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
【化69】

【0184】
化合物23および50は、ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。化合物31は、ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸から合成された。化合物33は、中間体14および15から合成された。化合物42は、キノリン-3-カルボン酸から合成された。化合物43は、3-メチル-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。化合物67は、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸および中間体16から合成された。化合物96は、1-ベンジル-1H-インドール-3-カルボン酸から合成された。化合物111は、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸から合成された。化合物112は、キノリン-2-カルボン酸から合成された。
【0185】
化合物115は、スキーム3に従って、3-アミノ-5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
【化70】

【0186】
化合物116は、3-アミノ-5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸から合成された。
化合物120は、5-クロロ-ベンゾオキサゾール-2-カルボン酸から合成された。
【0187】
中間体の構造式を表1に掲げた。次の省略記号を下記で使用する。P:プロトコール、 Rt:滞留時間、Pu:純度、ES+:陽イオンモードでのエレクトロスプレーにより得られる分子イオン
【表1】

【実施例2】
【0188】
本発明の化合物の実施例であるが、これらに限られるものではない。
本発明は、式IからLXVIIの化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、代謝産物、またはその薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物を包含する。
化合物1:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 (R)-[(4-ニトロフェン-1-イル)エチル]-アミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と(R)-(4-ニトロフェン-1-イル)エチルアミンから、プロトコールAで得られた。
化合物2:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 3,5-ジメトキシベンジル-アミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と3,5-ジメトキシベンジルアミンから、プロトコールAで得られた。
化合物3:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 2-(5-メチルインドール-3-イル)-エチル-アミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と2-(5-メチルインドール-3-イル)-エチルアミンから、プロトコールAで得られた。
化合物4:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 [3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)プロピル]メチル-アミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と[3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)プロピル]メチル-アミンより、プロトコールAで得られた。
化合物5:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 [3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン-5-イリデン)エチル]-メチル-アミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と[3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン-5-イリデン)プロピル]-メチル-アミンより、プロトコールAで得られた。
化合物6:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸(4-ニトロベンジル)-プロピル-アミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と(4-ニトロベンジル)-プロピル-アミンより、プロトコールAで得られた。
化合物7:5-クロロベンゾフラン-2-イル-[4-(4-クロロベンゾイル)-ピペリジン-1-イル]-メタノン
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と4-(4-クロロベンゾイル)-ピペリジンより、プロトコールAで得られた。
化合物8:5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸4-ジメチルアミノ-ベンジルアミド
本化合物は、5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸と4-ジメチルアミノ-ベンジルアミンより、プロトコールAで得られた。
化合物9:7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸 (R)-(4-ニトロフェン-1-イル)-エチル-アミド
本化合物は、7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸と(R)-(4-ニトロフェン-1-イル)-エチル-アミンより、プロトコールAで得られた。
化合物10:7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸 (S)-(ナフト-2-イル)-エチル-アミド
本化合物は、7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸と(S)-(ナフト-2-イル)-エチル-アミンより、プロトコールAで得られた。
化合物11:7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸 (1R,2R)-2-(ベンジルオキシ シクロペント-1-イル)-アミド
本化合物は、7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸 (1R,2R)-2-(ベンジルオキシ シクロペント-1-イル)-アミド
本化合物は、7-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸と(1R,2R)-2-(5-ベンジルオキシシクロペント-1-イル)-アミンより、プロトコールAで得られた。
【0189】
本発明の化合物は表12に挙げられている。本発明は、化合物1から120の化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、代謝産物、またはその薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物を包含する。
【実施例3】
【0190】
線虫C.エレガンスによるスクリーニングを使用するバイオアッセイ
Kv4.3モジュレーター用ハイスループットスクリーンを基礎とする、線虫C.エレガンスを使用して、本発明化合物のKv4.3に対するインビボSAR (構造/活性関係:生物活性への化学構造の影響)を確立した。
【0191】
このアッセイは、咽頭においてはヒトKv4.3を、体壁筋においては可視選択GFPマーカーを機能的に発現する安定した形質導入線虫株を使用している。
【0192】
ヒトKv4.3を発現する形質導入線虫株の構築を記述するための方法は、WO 03/097682に記載されている。概略すると、実際に使用する株UG1755を作成するために、5 ng/μlのプラスミドpGV8 (ヒトKv4.3)、20 ng/μl の pDW2821 (GFP-マーカー)および40 ng/ulの線虫ゲノムDNAを野生型株N2の生殖腺にマイクロインジェクションする。形質導入動物を単離し、その染色体外アレイを線虫ゲノムに組み込むのに供する。機能的に発現されたヒトKv4.3を50%伝達した系を、コバルト線源を使用するガンマ線照射で突然変異させる。約12,000体のF2動物を選び出し、その子孫をスクリーニングしてGFPマーカーを100%伝達する系を求める。GFP の100%伝達系は潜在的に組み込まれていると考えられている。これらの系をさらに試験し、N2株と2回異種交配する。得られた系をすべて生存能、GFPならびにヒトKv4.3発現について試験する。選択過程の終了時、ハイスループットスクリーニング(HTS)の使用に最も適した線虫としてUG1755を同定している。この安定した株がヒトKv4.3を発現していることが咽頭電図(EPG)解析で確認されている。本方法はWO 03/097682に記載されている。すなわち、UG1755 線虫の解剖した咽頭を調製し、咽頭電図(EPG)によりAxopatch-1D増幅器 (アクソンインストルメンツ社) を使用して記録している。咽頭を浴溶液(Dent 0.5% DMSO を含む生理食塩水)中に、安定EPGの記録が見られるまで約2分間平衡化する。化合物溶液(DMSOあるいは100μMのフレカイニド)を浴溶液に添加している。超短EPG(10〜20ms)および正常EPG(100〜200ms) の数を分析し、百分率で表している。超短EPG数の減少は野生型EPGへの部分的な復帰変異、ひいてはヒトKv4.3の阻害を示し、EPGの50〜80%は非常に短い(表2)。フレカイニドで調節され得るUG1755において、ヒトKv4.3は超短EPGを誘発する。また、UG1755において標準qRT-PCRにより、ヒトKv4.3導入遺伝子が確認され、さらにヒトKv4.3タンパク質は、UG1755動物の咽頭においてヒトKv4.3抗体P0358で検出されている。
【表2】

【0193】
アッセイのバックグラウンド:
咽頭は線虫の栄養器官であり、2分間に3〜4回律動的に収縮する。咽頭収縮はヒト筋細胞と同様の活動電位を経て神経系により制御され、従って線虫において、インビボでのヒトイオンチャンネル生理学を研究するために使用され得る。
【0194】
ある特徴的な形態においては、ヒトKv4.3チャンネルを線虫咽頭に導入すると、線虫の活動電位が影響を受ける。カリウムチャンネルの数がさらに増えると、カリウムイオン流出が増加し、再分極が促進され、従って活動電位継続時間が短縮される。ヒトKv4.3導入線虫の超短活動電位は4-アミノピリジン、非特異的カリウムチャンネルブロッカーあるいはフレカニド、SCN5a、およびKv4.3ブロッカーにより正常活動電位へと戻る。ヒトKv4.3の発現に起因する線虫咽頭の短活動電位は、咽頭の収縮サイクルを変化させ、ひいてはこれらの形質導入動物においてポンプ輸送/節食を減少させる。このポンプ輸送の変化はハイスループットスクリーニング技術に使用できるエンドポイントである。該ポンプ輸送エンドポイントは前蛍光染料を使用してハイスループットの読み出しに対して技術的に翻訳できる。前蛍光染料は自己のポンプ輸送活性に依存する線虫によって取り込まれ、腸に存在する酵素により蛍光染料に変換される。一定のインキュベーションの後、腸における蛍光強度の変化をプレート読み取り機で測定できる。
【0195】
本発明に従う化合物のスクリーニングは、前述のKv4.3モジュレーター用の線虫を使用したハイスループット・スクリーンにおいて行われる。その活性において、ヒトKv4.3を発現する線虫株を用いて本発明化合物のヒトKv4.3活性を試験する方法は、WO 03/097682に記載されている方法と同様である。ヒトKv4.3を発現しない野生型線虫株に関して化合物を試験する方法は、WO 00/63427に記載の方法と同様である。概略すると、UG1755動物を大量に飼育し、若年成体期のもの(子宮内に全くいないか、あるいは卵として数個のみ存在する)をスクリーニングの当日に回収する。80μlの緩衝液中のおよそ125体をU型96ウェルプレートの各ウェルに分配した。化合物プレートには0.3% DMSO中に30μMの終濃度とした化合物材料を事前に含ませた。インキュベートを1時間した後、蛍光ラベル、カルセインAM (CAM)を10μl添加し、CAMの終濃度を5μMに、DMSOの終濃度を0.8%にした。さらに4時間、20℃でインキュベートした後、線虫の嚥下(あるいはCAMの摂取により測定される反応)を60μMのイベルメクチン溶液添加により停止させる。蛍光強度(秒単位での計測)は、イベルメクチン添加の40分後にWallacプレートリーダーで、波長535nm(485nmでの励起後)において測定している。
【0196】
活性化合物は用量反応解析により同定され、確認されている。EC50を算出し、その結果を下の表3に収載する。用量反応曲線は濃度30μMにおいて求められ、EC50はXLfit 2.09 ソフトウェアパッケージを使用し算出されている。
【0197】
これらの化合物は線虫野生型株N2を使用した同様のアッセイフォーマットにおいても試験しており、対応するEC50を算出している。ある化合物につき2種(ヒトKv4.3発現形質導入型および野生型)の株に対して得られたEC50の比率は、前記化合物がヒトKv4.3で活性しているかどうかの指標となる。化合物が潜在的にKv4.3において活性的であることを決定するカットオフ値は1.8 (Kv4.3発現株でのEC50により分けられたN2に関するEC50)の比率であった。本発明化合物におけるこの比率の結果を下の表3に収載する。
【表3】

試験した化合物は全て、かなり低濃度でもKv4.3に関して活性であった。本発明の化合物は実施例5でさらに説明するKv1.5イオンチャンネルに関しても活性であった。
【実施例4】
【0198】
パッチクランプアッセイ
細胞培養:
本実験では、ヒトKv4.3/KChlP2.2カリウムチャンネルを安定して発現する組換えCHO-K1細胞系を使用した。本実験に使用する細胞は標準条件下(37℃ 、7%CO2の空気供給下)の連続培養にて保持した。CHO-K1 Kv4.3/KChlP2.2細胞は、100 U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、7%ウシ胎仔血清(FCS)、2.5μg/mlのアンホテリシン、400μg/mlのG418および400μg/mlのZeocin(登録商標)を追加したIscoveの変法DMEM (ダルベッコ変法イーグル培地)培地(IMEM)中で保持した。細胞は、トリプシン溶液を使用した分離の後、3〜4 日ごとに供された。培養細胞の質は活力度および汚染検査によって保証された。細胞は下記のプロトコールBに記述されているように培養された。
【0199】
プロトコールB:細胞を、5%CO2、37℃の培養条件下の94mm培養皿で培養した。培地を取り除き、次いで8 mlのPBS (リン酸緩衝生理食塩水)で皿をすすぎ、継代培養を3〜4日ごとに行った。PBSを除去し、1 mlのトリプシン/ EDTAを細胞に添加した。細胞を37℃で約2分、あるいは室温で5分インキュベートし、次いで皿を軽くたたき、細胞を分離し単一にした。酵素をインキュベートするために、9 mlの培地を添加し、溶液を上下にピペッティングし細胞の凝集塊を壊した。その後、懸濁液の一部を新しい94 mm皿に移動し、培地を添加し、最終容積を8 mlにした。必要であれば、細胞を35 mmあるいは94 mm皿に播種した(各35 mm皿には2 mlの培地、および各94 mm皿には8 mlの培地)。培地は2〜3日ごとに交換した。使用された培地は上述の細胞を培養するための溶液である。細胞を安定させるために、抗生物質G418、ハイグロマイシン、ブラスチサイジンあるいはゼオシンは添加しなかった。
【0200】
使用されたPBSはダルベッコのPBS (1x)であり、CaやMgは含まない。10xトリプシン/EDTA 溶液には5 g/lのトリプシン、2 g/lのEDTAおよび8.5 g/lのNaClが含まれた。450 mlのPBSを50 mlの10xトリプシン/EDTAに添加して、1xトリプシン/EDTAを調製した。
【0201】
電気生理学的実験の少なくとも18時間前に、凍らせたPBSあるいはトリプシンを使用し細胞を分離し、カバースリップ上で再度平板培養した。
【0202】
電気生理学的実験のため、細胞は下記のプロトコールCに記述されているように調製された。
【0203】
プロトコールC:形質導入細胞および安定細胞を35 mm細胞培養皿から冷却PBSを使用したカバースリップへ移動した。:培地を除去し、0.3 mlのPBS (4〜10℃)を添加した。細胞を室温で5分間インキュベートした。皿を軽くたたき、細胞を分離し単一にした。1.7 mlの培地を添加し、溶液を上下にピペッティングし細胞の凝集塊を壊した。その後、細胞懸濁液の一部をカバースリップと培地が備わっている35 mm皿に移動した。形質導入細胞および安定細胞を35 mm細胞培養皿からトリプシンを使用したカバースリップへも移動することができた。:培地を除去し、次いで3 mlのPBSで皿をすすいだ。PBSを除去し、0.3 mlの1xトリプシン/ EDTAを添加し、細胞を室温で5分間インキュベートした。皿を軽くたたき、細胞を分離し単一にし、1.7 mlの培地を添加し、溶液を上下にピペッティングし細胞の凝集塊を壊した。その後、細胞懸濁液の一部をカバースリップと培地が備わっている35 mm皿に移動した。
【0204】
溶液の調製:
10 mMの化合物原液をDMSO中に調製した。化合物の溶液を、浴溶液中で原液を希釈して調整した。所望の原液量が理論的に1μl未満である場合には、高濃度の化合物を含む浴溶液を希釈に使用した。実験中の最高DMSO濃度は0.1 % (v/v)であった。
【0205】
パッチクランプ実験のために、下記のミネラル除去水溶液をビヒクルとして使用した(数字はmMでの濃度)。
【0206】
浴(外部の) 溶液:4 KCl、135 NaCl、2 CaCl2、1 MgCl2、10 D(+)-グルコース、 5 HEPES、 pH 7.4 (NaOH)
【0207】
ピペット(内部の)溶液:130 KCl、1 MgCl2、10 EGTA、5 Na2ATP、5 HEPES、pH 7.4 (KOH)
【0208】
電気生理学的測定:
ヒトKv4.3/KChlP2.2チャンネルの活性を全細胞モードにおけるパッチクランプ技術を使用し調査した。これは、特異的電位に対して、K+チャンネルを発現する全細胞をクランプするのに必要な電流を測定したことを意味する。実験はパッチクランプ装備を使用し行われた。細胞操作に必要な技術装置は防振台に設置し、ファラデー箱で遮断し電気的雑音を最小に抑えた。増幅器および制御システムはファラデー箱の外の台に設置した。システムはEPC9またはEPC10パッチクランプ増幅器(HEKA、ランブレヒト、ドイツ)およびかん流システムDADVC8 (ALA Scientific、ニューヨーク、アメリカ)から成り、それらはパーソナルコンピュータにインストールされたPulseソフトウェアパッケージ(HEKA、ランブレヒト、ドイツ) によって制御された。パッチクランプに使用されたピペットは硼珪酸ガラス製であった。
【0209】
測定は室温(20〜25℃)で行われた。各実験(すなわち各細胞)において、化合物の1種類の濃度でのみ調査し、累積の用量では行わなかった。各細胞は自身を制御するように作用した。化合物のKv4.3/KChlP2.2媒介電流に対する効果は、1種類の濃度(2μM)で、2つの各複製物(c=1、n=2)で調査した。
【0210】
電圧パルス間で、細胞を-80 mV(内部)の保持電位に固定した。試験プロトコールを図1および表4に表す。図1aに示す試験プロトコールはKv4.3/KChlP2.2チャンネルの性質を特性評価し、個々のパッチクランプ実験の質(電圧制御)を調べるために使用した。図1bに示す試験プロトコールはチャンネル活性に対する標準試験パルスを示している。各試験プロトコールは4つのセグメントから成っていた。セグメントの持続時間および電圧を表4に収載する。
【表4】

【0211】
全細胞の構成を設定した後、浴溶液と一定の過融解下に電流・電圧曲線(IV活性化1 ;図1aおよび表4a)を記録し、Kv4.3/KChlP2.2発現および個々のパッチクランプ実験(電圧コントロール)の質を調べた。続いて、浴溶液と一定の過融解下に14試験パルス(系1;図1bおよび表4b)を0.1 Hzで印加した。電圧を100 mV (400 ms)に上げてプロトコールを開始して完全に不活化した。その後、300ミリ秒間+40 mV(活性化)まで減極することによってKv4.3/KChlP2.2チャンネルを開放上体に移行させた。1 nA〜50 nAの電流振幅を発生する細胞のみを実験操作に使用した。ランダウンは全くないかごくわずかであった。
【0212】
次に、浴溶液に溶解した化合物と一定の過融解下に36試験パルス(系2)を0.1 Hzで印加した。 最後にもう1つの電流・電圧曲線をその化合物の存在下で記録した(IV活性化2)。
【0213】
実験パラメーターが十分なままであれば、実験を拡大して化合物の流出を検討した。そのためには、細胞を再度浴溶液と過融解し、その間、30までの試験パルスを0.1 Hz (系3)で印加した。流出操作は正確なデータ解析には不必要であった。
【0214】
データは全て、n=5 のP/n プロトコールを使用して、漏れを修正した。(データ解析を参照)。
【0215】
全ての試験プロトコール/系およびデータ解析におけるそれらの使用を表5に要約する。
【表5】

【0216】
実験中、ビヒクルコントロールは別個の実験として行い、その実験(n=2)では化合物ビヒクル(DMSO)をその最高濃度(0.1 %)にて使用した。
【0217】
データ解析
漏れは古典的なP/nプロトコールを使用し修正した。漏れパルスはチャンネルの活性化レベルに到達しないことが望ましく、従って元のパルス振幅の1/nまで縮小した。ここでは、n=5を使用した。その後、漏れパルスに対する細胞の電流応答はnを乗じて、試験シーケンスに対する細胞の理論的受動応答を算出した。次に算出したカーブを実際の感度から差し引いて、応答の活性部分のみを残した。
【0218】
異なる3種の解析を使用した:ピーク電流での阻害、転位電荷の阻害および+40 mV (持続電流)で活性化した75ミリ秒後の阻害。ピーク電流/電荷/75ミリ秒後の電流はオンライン解析ツール、HEKA パルス・ソフトウェアパッケージを使用して決定した。カーソルの位置は、ピーク電流が閉鎖し、全セグメントの活性化(表5参照)が選択されるように設定されるか、あるいは75ミリ秒時点に設定された。得られた電流ピーク振幅/転位電荷/75ミリ秒時点での電流振幅はASCIIデータファイルとして書き出された。
【0219】
得られたASCIIファイルはソフトウェアパッケージPrism (Graphpad Software、サンディエゴ、アメリカ)に読み込まれ、さらに後述のように解析された。ランダウン修正が必要とされた。化合物溶液を投与する75ミリ秒前での電流ピーク振幅/転位電荷/電流振幅の最後の5個の平均値を算出し、100% 活性値として使用した。化合物溶液存在下での75ミリ秒時点での電流ピーク振幅/転位電荷/電流振幅の最後の5個の平均値を算出し、阻害値を求めた。
【0220】
全てのデータポイントは、3つの個別のパラメーターを持つHill関数と一致した。ここではymaxは%表示の最大阻害値であり、IC50は最大阻害値の半分における濃度であり、hillはHill係数である。

【数1】

【0221】
一致パラメーターymax、IC50およびhillによって、CHO-K1細胞で発現したKv4.3/KChlP2.2チャンネルと試験化合物との相互作用は特徴化される。誤差バー、すなわち平均値の標準誤差(SEM)付きの平均結果をもって得られたカーブの一致が示されている:式中、

【数2】

【0222】
結果を比較するために、IC50 値を求めた。そのため、Hill係数を固定(hill=1)し高濃度での最大阻害値を固定(ymax = 100)してHill式を使用してデータを合わせた。
【0223】
パッチクランプ実験の結果を表6に示す。
【表6】

【0224】
本発明化合物はKv4.3イオンチャンネルに対して特に活性的であることが分かった。
【0225】
治療での有用性を最大化するために、起こりうる副作用を測定することも重要であった。特定のカルシウムチャンネルを調節できるばかりでなく、本発明化合物は、Kv4.3チャンネル対hERGチャンネルの選択比が高いことが分かった。
【0226】
hERG実験の試験システムおよび試験方法
試験システム:
本実験には、HEK 293 T-REx HERG細胞(#23)が使用された。このIonGateで作成された細胞系はhERG遺伝子を誘導発現することを特徴としている。T-REx(商標)システム(インビトロゲン、カールスルーエ、ドイツ)はテトラサイクリンで制御される哺乳類発現システムであり、大腸菌Tn10によってコードされるテトラサイクリン(Tet)耐性オペロン由来の制御要素を使用する。Tetが存在しない場合、発現は抑制される。T-REx(商標)システムでのテトラサイクリン制御はTet抑制因子へのテトラサイクリンの結合およびhERG遺伝子の発現を制御するプロモーターの抑制解除に基づいている。Tetを細胞培養培地に添加するとhERGカリウムチャンネルが発現する。
【0227】
HEK 293 T-REx HERG細胞系を構成するために、hERG遺伝子を誘導性発現ベクターpcDNA4/TO(→pc4TO-HERG)中に連結し、HEK 293 T-Rex細胞に形質導入した(この細胞系はTet抑制因子を発現するもので、インビトロゲンから購入した)。安定した細胞クローンをブラストサイジン(5μg/ml)およびゼオシン(商標)(300μg/ml)で選択した後に単離した。クローンを1μg/mlのテトラサイクリンでの誘導の後、電気生理学的に特性評価した。クローン#23はhERGカリウムチャンネルの最良の発現を示した。
【0228】
試験方法
実験はパッチクランプ装備を使用し行われた。細胞操作に必要な技術装置は防振台に設置し、ファラデー箱で遮断し電気的雑音を最小に抑えた。増幅器および制御システムはファラデー箱の外の台に設置した。システムはEPC9またはEPC10パッチクランプ増幅器(HEKA、ランブレヒト、ドイツ)およびかん流システムDADVC8 (ALA Scientific、ニューヨーク、アメリカ)から成り、それらはパーソナルコンピュータにインストールされたPulseソフトウェアパッケージ(HEKA、ランブレヒト、ドイツ) によって制御された。
【0229】
細胞培養
本実験に使用する細胞は標準条件下(37℃、5%CO2の空気供給下)の連続培養にて保持した。HEK 293 T-REx HERG細胞を、100 U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、10%ウシ胎仔血清(FCS)、1%の非必須アミノ酸(NEAA)、2.5μg/mlのアンホテリシン、300μg/mlのゼオシン(商標)および5μg/mlのブラストサイジンを追加した基礎培地(MEM)中で保持した。細胞は、トリプシン溶液を使用した分離の後、3〜4 日ごとに供された。培養細胞の質は活力度および汚染検査によって保証された。細胞は前述のプロトコールBに記述されているように培養された。
【0230】
電気生理学的実験の少なくとも18時間前に、凍らせたPBS(リン酸緩衝生理食塩水)あるいはトリプシンを使用し細胞を分離し、カバースリップ上で再度平板培養した。1μg/mlのテトラサイクリンを細胞に添加し、hERG発現を誘導した。
【0231】
電気生理学的実験のため、細胞は前述のプロトコールEに従って調製された。溶液は、溶液のパラグラフ調製の下方で前述したように調製した。
【0232】
電気生理学的測定:
心臓hERGチャンネルの活性は全細胞モードにおけるパッチクランプ技術を使用し調査した。これは、特異的電位に対して、K+チャンネルを発現する全細胞をクランプするのに必要な電流を測定したことを意味する。パッチクランプに使用されたピペットは硼珪酸ガラス製であった。測定は室温(20〜25℃)で行われた。各実験(すなわち各細胞)において、化合物の1種類の濃度でのみ調査し、累積の用量では行わなかった。各細胞は自身を制御するように作用した。化合物のhERG媒介電流に対する効果は、1種類の濃度(10μM)で、2つの各複製物(c=1、n=2)で調査した。
【0233】
電圧パルス間で、細胞を-80 mV(内部)の保持電位に固定した。
【0234】
hERG K+チャンネルの電気生理学的調査のための試験プロトコールを図2および表7に表す。表7および図2において、(a)はチャンネル活性の決定に対する標準試験パルスである。(b)および(c)はhERGチャンネルの性質を特性評価し、個々のパッチクランプ実験の質(電圧制御)を調べるために使用した。各試験プロトコールは6つのセグメントから成っていた。セグメントの持続時間および電圧を表7に収載する。
【表7】

【0235】
全細胞の構成を設定した後、一連のパルスを印加してhERG の発現を調べ、また増幅器設定を最適化した。しかしながら、データ解析には以下の測定値のみを使用した。浴溶液との一定の過融解の下に0.1 Hzで(系1) 15個の試験パルス(図2aおよび表7a) を印加した。-40 mV (50 ms)での漏れ試験によってプロトコールを開始した。保持電位を戻した後(-80 mV、0.25 sec.)、2.5秒間+40 mV(活性化)まで減極することによってhERGチャンネルを不活性状態に移行させた。最大hERG末尾電流振幅を-40 mV (末尾電流試験、1.5 sec.)で測定した。300 pA〜10 nAの末尾電流振幅を発生させる細胞のみ実験操作に使用した。
【0236】
図3において、hERGチャンネルは、hERGチャンネル試験の試験プロトコールによって誘発された電流を媒介した。図3aは10μMの化合物21の存在下および非存在下でのチャンネル活性試験を示す(上方の線)。図5bおよび5cはプロトコールの表7b(IV活性化)および図7c(IV末尾電流)に対する電流応答である。
【0237】
次いで、浴溶液との過融解の下に2つのパルス系を用いて電流・電圧カーブ(IVカーブ)を調査した。パルス系「IV活性化」により、活性化パルスの電位は系の各連続パルスの間 (20 mV間隔で-60〜+60 mV、図2bおよび表6b) を変化する。+60 mVでの活性化後における末尾電流振幅は、+40 mVの活性化電圧で見られる値の±20%以内である必要があった。パルス系「IV末尾電流」により、末尾電流試験パルスの電位は系の各連続パルスの間 (20 mV間隔で-100〜+20mV、図2cおよび表6c) を変化する。最大末尾電流振幅(Imax)は40 mV(±10% Imax)で測定する必要があった。系「IV活性化」および「IV末尾電流」の試験パルスは0.1 Hzで印加した。
【0238】
電流の特徴化に成功したら、更に10個の試験パルスを0.1 Hzで印加し、その間に細胞を浴溶液と過融解した(系2)。系1および2を使用して数学関数を末尾電流ピーク値に一致させ、 信号振幅のランダウンを決定した。更に30個の試験パルス(系3)を印加し、その間に細胞を所望の濃度の化合物を含む溶液と過融解した。必要な場合はさらに別の試験パルスを印加した(系4)。
【0239】
実験パラメーターが十分である場合には、実験を拡大し化合物の流出を検討した。そのためには、細胞を再度浴溶液と過融解し、その間に20個まで試験パルスを0.1 Hz (系5)で印加した。しかしながら、ベースラインを構成するために操作を系1および2に一致させたので(ランダウン修正)、流出操作は修正データ解析には必要でなかった。
【0240】
電気生理学的測定のデータ解析における全ての試験プロトコール/系およびそれらの使用は表8に要約してある。
【表8】

【0241】
実験中、ビヒクルコントロールは別個の実験として行い、その実験(n=2)では化合物ビヒクル(DMSO)をその最高濃度(0.1 %)にて使用した。
【0242】
データ解析
データ解析の基礎は、+40 mVでの活性化後に-40 mVでのhERG K+チャンネルで媒介される末尾電流ピーク振幅とした。ピーク電流はオンライン解析ツール、HEKA パルス・ソフトウェアパッケージを使用して決定した。カーソルは、ピーク電流が閉鎖するように設置した。漏れ試験パルスでの電流(各試験パルスにおいてセグメント2)はゼロに設定した。得られた末尾電流ピーク振幅はASCIIデータファイルとして書き出した。
【0243】
得られたASCIIファイルはソフトウェアパッケージPrism (Graphpad Software、サンディエゴ、アメリカ)に読み込まれ、さらに後述のように解析した。系1および2は適切な関数を使用して一致させた (すなわち、単一あるいは二重指数関数的減衰)。得られた関数を使用し、分割によりデータ一セット(系1〜5)のランダウン修正を行った。化合物溶液を投与する前の最後の5個の末尾電流ピーク振幅を平均し、100% 活性値として使用した。化合物溶液存在下での最後の5個の末尾電流ピーク振幅を平均し、阻害値を求めた。全てのデータポイントを、3つの別個のパラメーターを持つHill関数により一致させた。ここではymaxは%表示の最大阻害値であり、IC50は最大阻害値の半分における濃度であり、hillはHill係数である。
【数3】

【0244】
一致パラメーターymax、IC50およびhillによって、HEK293細胞で発現した hERG K+チャンネルと試験化合物との相互作用が特徴化される。一致している得られたカーブは、誤差バー、すなわち平均値の標準誤差(SEM)つき平均結果をもってカーブの一致性をグラフ(%阻害値vs.対数濃度)に示してある。
【数4】

【0245】
結果を比較するために、IC50 値を求めた。そのため、Hill式を使用するにあたりHill係数を固定(hill=1)し、および高濃度での最大阻害値を固定(ymax = 100)してデータを一致させた。チャンネル活性の結果を表9に示す。
【表9】

【0246】
Kv4.3対hERGの選択率 (パッチクランプ試験)が5または>5(比率値)を示す化合物はKv4.3チャンネルに対して選択性が高いと考えられた。
【0247】
従って、かなり低濃度でもKv4.3イオンチャンネルに関して活性があることに加えて、本発明化合物はhERGチャンネルよりもKv4.3イオンチャンネルに対して選択性が高いことが分かった。
【0248】
また、表12は、本発明における限定されないさらなる化合物のKv4.3およびhERGに対する効果を示している。特に条件を定めなければ、実施例3に記載されているプロトコールに従うパッチクランプ・アッセイにおいて、化合物は、その一種類の濃度(1μM)でKv4.3媒介カリウムチャンネルに対する調査をした。結果を表12に示す。表12において、%表示のKv4.3の電荷は、化合物添加後に測定した残留電流を意味し、無添加の場合との相対値である。%表示のKv4.3のピークは、化合物添加後に測定した残留ピークの高さを意味し、無添加の場合との相対値である。本明細書で使用される「ND」という語は、まだ測定されていないことを意味する。特に条件を定めなければ、試験はKv4.3の電荷およびピークに対して1μM の濃度で行った。特に条件を定めなければ、本発明の限定しない数のさらなる化合物について、パッチクランプ・アッセイのhERGチャンネルへの効果はその10μmの濃度で調査した。
【実施例5】
【0249】
実施例5:Kv1.5イオンチャンネルを使用するパッチクランプ・アッセイ
Kv1.5 (GenBank Ace. No. M55513) をコードするcDNAをpcDNA6ベクター(インビトロゲン、リーク、ニュージーランド)中にクローン化した。AC末端エピトープタグをPCRにより導入した。プラスミドを配列決定し、続いて細胞に導入した。Kv1.5チャンネルを安定して発現するクローン細胞系を確立した。タンパク質の発現を、エピトープタグに対する抗体を使用し免疫蛍光法により解析した。イオンチャンネルの機能的発現を電気生理学的に確認した。
【0250】
細胞培養
Kv1.5カリウムチャンネルを安定して発現するCHO細胞を使用して実験を行った。
細胞を37℃、5% CO2下、25 mlフラスコ(Greiner Bioone, Cellstar, Cat. No. 690160)にて、10% (v/v)の熱不活化ウシ胎仔血清(シグマ、Cat. No. F9665)、1%(v/v)のP/S/G溶液(シグマ、Cat. No. G6784)およびG-418(750μg/ml培地;シグマ、ドイツ、Cat. No. A1720;水中50mg/ml、シグマ、ドイツ、Cat. No. W3500)を添加した6mlのMEM ALPHA培地(シグマ、Taufkirchen、ドイツ、Cat No M8042)中で培養した。
【0251】
電気生理学
Kv1.5媒介電流の刺激プロトコール
細胞を、-60 mVのHPから70 mVになるまで100ミリ秒間過分極化し、続いて+50 mVになるまで50ミリ秒間脱分極した。+50 mVの試験パルス終了時の電流振幅を解析に使用した。パルス周期速度は10秒(0.1 Hz)であった。
【0252】
Kv1.5媒介電流の試験アイテム適用プロトコール
試験化合物の適用プロトコールを図4に示す。第1の14刺激は電流振幅を安定状態にするために必要だった。非特異的電流減少率を算出し、データ解析の間、操作を修正することに利用した。14番目の刺激の後、試験化合物をテフロン(登録商標)およびシリコン管を通じて添加し始め(矢印で示す)、さらなる6 刺激の後、細胞に到達することが予想された。かん流は、10滴/10〜12秒の規定された滴下速度で調節する。3種類まで濃度を1つの細胞に良好に適用し、その後5分間洗浄した。全刺激数は140であった。第一の濃度に関して、刺激番号21〜50間(5分間、長破線)で、また、さらに5分間、刺激番号51〜80間(5分間、短破線)で試験化合物の効果を解析した。細胞が安定したままであれば、その後引き続いて洗浄した。所与の濃度での試験化合物の添加開始は矢印で示す。各一回の刺激の数は図4のプロトコールに示す。
【0253】
ネガティブコントロール
研究期間中同一条件で、ビヒクル(DMSO)コントロール実験を行い、全時間にわたる電流の安定性を立証し、細胞の状態を評価した。
【0254】
Kv1.5媒介電流に対する試験化合物の効果
Kv1.5媒介カリウムチャンネルに対する化合物の効果は1種類の濃度(2μMあるいは1μM)で調査した。対照として、ビヒクルコントロール実験をKv1.5媒介カリウムチャンネルで行った。結果は表10に示す。
【表10】

【実施例6】
【0255】
実施例6:ラットおよびモルモットのエキソビボ器官試験
単離したラット左心房(Rat LA)において、化合物の収縮力および刺激の閾値に与える効果、ならびに機能的不応期(FRP)を調べた。ラット左心房はKv4.3イオンチャンネルを機能的に発現し、活動電位のIto電流を産生する。また、Kv4.3を発現しない単離したモルモット右心室乳頭筋(GP pap.筋)において、化合物の相対的効果を調べた。モルモットの活動電位は、非応答性電流に関するhERGのようなイオンチャンネルに支配されている。従って、インビボのhERGチャンネルの活性はGP pap標本にあることが好ましい。
【0256】
方法:Rat LA (同様の方法はGP pap.筋にも適用)
アッセイの原理
左心房を、100 mlの緩衝溶液(mM表示:NaH2PO4 0.6、MgSO4 0.6、KCl 4.7、NaHCO3 25、グルコース4.5、NaCl 120、CaCl2 2.4)が入った2つの槽に分かれた器官槽に垂直に入れた。95% O2および5 % CO2を含む混合ガスで、溶液を飽和し循環させた。温度は30℃で一定に保った。心房に約8mNの前負荷を設定した。1 Hzの電気刺激と共に1.5ミリ秒の持続時間および3.5x閾値の強さを有する方形パルスを架した。増幅器につながり、ペン記録機で文書化し、評価のためコンピューターに取り込まれる力変換器で、標本の対等力を測定した。化合物添加の20分後に、収縮力(FC)、閾値刺激(TS)および機能的不応期 (FRP) をベースライン(pre)で測定し、実験の終了時に洗浄した。組織の興奮性を表す閾値刺激を、電気刺激に対して印加した電圧を変化させて測定した。TSは組織収縮を誘導する最低電圧として定義した。脱分極に必要な時間を表す機能的不応期は、先行する通常速度の刺激から様々な時間間隔での過剰刺激を付与することによって評価した。FRPは、通常および過剰刺激間の最短間隔として定義され、過剰刺激に応答して組織が収縮する結果となった。
【0257】
化合物投与
少なくとも60分間の平衡後に開始した20分間隔での5回の累積投与により化合物を試験した。化合物の最高濃度における測定後に、間隔をあけて2回洗浄を行った。
結果を図5および6、ならびに表11に示す。
【0258】
図5は、化合物2に対する単離したラット左心房での機能的不応期を示している。図6は、同化合物に対する単離したモルモット心室乳頭筋での機能的不応期を示している。
【表11】

【実施例7】
【0259】
実施例7:マウスのインビボ試験
送信機移植およびECG記録:
雄マウス(NRMI)をイソフルラン、亜酸化窒素および酸素の混合ガスで麻酔した。テレメトリ送信機(TA10EA-F20、DSI、セントポール、アメリカ)につながったリード線を剣状突起および腹側頸部部位に縫合し固定した。テレメトリ送信機を背中の皮膚の内側に設置した。創傷を層状に閉鎖し、動物は最低1週間かけて正常な状態に戻した。
【0260】
雌モルモット(Charles River種、CrLHA(BR)をハロタン吸入麻酔で麻酔した。テレメトリ送信機(TA11 CTA-F40、DSI、セントポール、アメリカ)の負の生体電位リード線を右肩部位の筋組織に固定し、正のリード線を胸部の左第6肋骨に固定し、標準リードII構造を模倣した。テレメトリ送信機を腹腔に設置し、腹膜筋に固定し、そして切開創を層状に縫合した。送信機移植後、動物は最低1週間かけて正常な状態に戻した。
【0261】
実験的研究デザイン、腹腔内(i.p.)への適用
実験当日、60分間隔で動物の腹腔内へビヒクルを連続的に投与した。ECG追跡(12秒持続時間)をData Sciences A. RTシステムを使用して記録した。実験完了後、ECGをData Sciences ECGソフトウエア(DSI、セントポール、アメリカ)によって自動的に解析した。QTとQRSの間隔を、格納したECGにおいて手動で測定した。QTcを、Bazett's 式を用いてQT間隔および対応する心拍数から算出した。心拍数は、DSI LabproおよびDSI A.R.Tシステム(DSI、セントポール、アメリカ)から提供されるオンライン解析から得られた。最後に、ECG間隔をエクセル表計算シートに転送し、妥当性を検討し、15分時の平均値に変換した。
【0262】
マウスでの結果
本発明の化合物を連続投与したところ、マウスECGのQTおよびQTcの間隔は有意で用量依存であるが開始が遅延する延長が認められた。ビヒクルと化合物2の結果を図7および8にそれぞれ示す。QTおよびQTcの最高の延長が最高用量試験で達成され(15μmol/kg)、およびそれぞれ12ms/33msを示した。PQおよびQRSは用量依存的変化を見せなかった。心拍数の減少は小さく有意でなかった。運動活性は、各連続注入後、再生可能に上昇した。図7に示されるように、送信機移植マウスにおいて、ビヒクルおよび化合物2(3−15μmol/kg、腹腔内投与)のQT間隔への影響が観察された。平均±SD、n=5。図8に示されるように、送信機移植マウスにおいて、ビヒクルおよび化合物2(3−15μmol/kg、腹腔内投与)のQTc間隔への影響が観察された。平均±SD、n=5。
【0263】
結論
QTおよびQTcの用量依存的延長において、マウスはKv4.2およびKv4.3に依存し、化合物を連続添加してもPQおよびQRSに対する効果が見られないことから、再分極K+電流は遮断されたと判断され、これは化合物がKv4.2/Kv4.3ブロッカーとして特徴化されていることに相通ずる。留意すべきは、本実験で試験された最高用量は15μmol/kgであり、30μmol/kgまでのさらなる高い用量も本モデルで同様に試験されてもよいことである。
【図面の簡単な説明】
【0264】
【図1】図1aに示す試験プロトコールはKv4.3/KChlP2.2チャンネルの性質を特性評価し、個々のパッチクランプ実験の質(電圧制御)を調べるために使用した。図1bに示す試験プロトコールはチャンネル活性に対する標準試験パルスを示している。各試験プロトコールは4つのセグメントから成っていた。
【図2】hERG K+チャンネルの電気生理学的調査のための試験プロトコールを図2に表す。図2において、(a)はチャンネル活性の決定に対する標準試験パルスである。(b)および(c)はhERGチャンネルの性質を特性評価し、個々のパッチクランプ実験の質(電圧制御)を調べるために使用した。各試験プロトコールは6つのセグメントから成っていた。
【図3】図3aは10μMの化合物21の存在下および非存在下でのチャンネル活性試験を示す(上方の線)。図3bおよび3cはプロトコールの表7b(IV活性化)および表7c(IV末尾電流)に対する電流応答である。
【図4】Kv1.5媒介電流の試験アイテム適用プロトコール。試験化合物の適用プロトコールを図4に示す。
【図5】図5は、化合物68に対する単離したラット左心房での機能的不応期を示している。
【図6】図6は、化合物68に対する単離したモルモット心室乳頭筋での機能的不応期を示している。
【図7】本発明の化合物を連続投与したところ、マウスECGのQTおよびQTcの間隔は有意で用量依存であるが開始が遅延する延長が認められた。ビヒクルと化合物68の結果を図7および8にそれぞれ示す(腹腔内にビヒクルおよびコントロールを注入(3〜15μM/kg))。
【図8】本発明の化合物を連続投与したところ、マウスECGのQTおよびQTcの間隔は有意で用量依存であるが開始が遅延する延長が認められた。ビヒクルと化合物68の結果を図7および8にそれぞれ示す(腹腔内にビヒクルおよびコントロールを注入(3〜15μM/kg))。
【表12】




















【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式 I, II, III または IVを有する化合物、それらの立体異性体、互変異性体、ラセミ体、プロドラッグ、代謝産物、 またはそれらの薬学的に許容可能な塩および/または溶媒和物:
【化1】

式中、 X1はヘテロ原子で、-O-、-S-、-N=、または-N(R3)-から選択され、ここにおいて、R3はアルキル、アラルキルまたはアルキルカルボニルから選択され、
X2は、=C-、 =CH-または-CH2-から選択され、
nは、0または1の整数であり、
Yは、C、-C(R5)-またはNから選択され、ここにおいてR5は水素原子、アミノ、アルキル、水酸基、アルキルアミノ、ヘテロアリール、アルキルカルボニルオキシ、アルキルアミジルまたはアルキルアミノカルボニルアミノから選択され、
Zは、-C(=O)、-CH2-または-NH-から選択され、
Wは、式Iにおいて-C(=O)-、-N(R2)-、-N(R2)- NH-、-C(=O) -NH-、-CH=、-O-または-CH2-
から選択され、およびWは、式II、IIIまたはIVにおいて、NまたはCHより選択され、
R1は、水素原子、ハロゲン、 水酸基、 ニトロ基、 アミノ基、 アジド、 シアノ、またはアルキル、 シクロアルキル、 アルキルアミノ、 アルコキシ、カルボキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、ヘテロサイクリル-アルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノ(アルキル置換)アルキル、アルキルカルボニルアミノアルキルまたはアルキルチオ、これらはそれぞれ1つまたはそれ以上の置換基で置換されることもある、から選ばれ、ここにおいてzは、1,2,3または4から選ばれる整数であり、
R2は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、シアノアルキル、アルケニル、アリール、アミノカルボニル、ハロアルキル、アラルキル、シクロアルキルアルキル、アシルまたはアルキニルから選択され、
Aは、アリール、 シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび ヘテロアリールから選択され、これらは任意に、ハロゲン、 水酸基、 ニトロ、 アジド、ヒドラジノ、シアノ、 アルキル、アリール、
【化2】

ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、 アシル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、-SO2R15、アルキルカルボニルオキシ、縮合へテロシクリル、ハロアルキル、アルキルカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキルチオ、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、アルキルオキシカルボニル、尿素、またはスルホナマイド、ここで、R15はアルキル、アルキルアミノまたは シクロアルキルであり、
Lは、一重結合、式 -R8-R9-の基、アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O-(C(R4)(R4))w-、-(C(R4)(R4))v-N-(C(R4)(R4))w-、 -(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 またはシクロアルキレンオキシアルキレンから選択される結合基であり、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))W および -(C(R4)(R4))v- はそれぞれ独立にアリファチックであるかまたはシクロアルキルを形成し、ここで R4 はそれぞれ独立に 水素原子、水酸基、アルキル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル またはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、 v は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、および w は、0、1、2、3、4、5または6から選ばれる整数である、
R8 は、アルキルイン、-(C(R4)( R4))P-C(R14) または -(C(R4)( R4))P-C(R4)=Cであり、
R9 は、一重結合、 -(C(R4)(R4))q-、 または C(=O)- から選択され、ここで R14 は水素原子、水酸基または アルキルから選択され, ここで p は 0、1、2または3から選ばれる整数であり、および
R10は、-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここでR12 は 水素原子、 アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたは アルキルカルボニルから選択される化合物を表す。
【請求項2】
式中、X1 が-N(R3)-、n が 0であり、およびここで R3は請求項1における定義と同じ意味を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式中、X1がOおよびn が 0である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式中、X1がSおよびn が 0である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
式中、X1が-N=、およびX2が=CH-またはCであり、n が 1である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
請求項1から6のいずれかに記載の化合物であって、構造式V、VI、VII、VIII、IXまたはXのいずれかで表される化合物であり、
【化3】


式中、R1、z、X1、X2、W、Z、n、L、A、R8、R9、R10およびR2は、前述の請求項のいずれかにおける定義と同じ意味を有する、化合物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の化合物であって、構造式X、XI、XII、XIII、XIVまたはXVのいずれかで表される化合物であり、
【化4】

式中、R1、z、X1、X2、Y、Z、n、L、A、R8、R9、R10およびR2は、前述の請求項のいずれかにおける定義と同じ意味を有する、化合物。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の化合物であって、構造式XVIからXXXIまでのいずれかで表される化合物であり、
【化5】


式中、R5は、水素原子、アルキル、またはアラルキルから選ばれ、R1、z、Z、W、L、A、R8、R9、R10およびR3は、前述の請求項のいずれかにおける定義と同じ意味を有する、化合物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の化合物であって、構造式XXXIIからLVIIまでのいずれかで表される化合物であり、
【化6】





式中、R1、z、R5、R2、R3、R8、R9、R10、LおよびAは、前述の請求項のいずれかにおける定義と同じ意味を有する、化合物。
【請求項10】
請求項 1から9のいずれかに記載の化合物であって、
式中、 Aは 2- または 3- フリル、 2- または 3-チエニル、 1-, 2- または 3-ピロリル、 1-, 2-, 4- または5-イミダゾリル、 1-, 3-, 4- または5-ピラゾリル、 3-, 4- または5-イソオキサゾリル、 2-, 4- または5オキサゾリル、 3-, 4- または5-イソチアゾリル、 2-, 4- または5- チアゾリル、 1 ,2,3-トリアゾール-1-, -2-, -4- または-5-イル、 1 ,2,4-トリアゾール-1-, -3-, -4- または -5-イル、1 ,2,3-オキサジアゾール-4- または-5-イル、1 ,2,4-オキサジアゾール-3- または -5-イル、 1 ,2,3-チアジアゾール-4- または -5-イル、 1 ,2,4- チアジアゾール-3- または -5-イル、1 ,2,5-チアジアゾール-3- または -4-イル、 1- または 5-テトラゾリル、 フェニル、ビフェニル、2-, 3- または4- ピリジル、ピリジニル、アンスラセニル、アズレニル、インデニル、3- または 4-ピリダジニル、 2-, 4-, 5- または 6-ピリミジニル、 2-, 3-, 4-, 5- 6-2H-チオピラニル、 2-, 3- または 4-4H-チオピラニル、 フリル、2-, 3-, 4-, 5-, 6- または 7-ベンゾフリル、 2-, 3-, 4-, 5- ,6-または7- ベンゾチエニル、1-, 2-, 3-, 4-, 5-, 6- または 7-インドリル、1-, 2-, 4- または 5-ベンツイミダゾリル、1-, 3-, 4-, 5-, 6- または 7-ベンゾピラゾリル、 3-, 4-, 5-, 6-または 7- ベンツイソオキサゾリル、 2-, 4-, 5-, 6- または 7-ベンゾオキサゾリル、3-, 4-, 5-, 6- または 7-ベンツイソチアゾリル、 2-, 4-, 5-, 6- または 7ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾジオキソリル、1- または 2- ナフチル、 2-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-キノリニル、 2-, 4-, 5-, 6-, 7- または 8-キナゾリル、 1-, 3-, 4-, 5-, 6-, 7-, 8-イソキノリニル、または1-,2-,3-, 4-または 9-カルバゾリル、5-, 6-, 7-, 8-テトラヒドロナフチル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シルコヘプテニル、ピロロリル、ジオキサニル、チエタニル、オキサゾリル、ピペリジニル、イミダゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、2-オキソピペジニリル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、オクセタニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、2-オクソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、5-(2,3-ジハイドロ)ベンゾフラニル、2-オキソアゼピニル、テトラヒドロピラニル、チアモルフォリニル、チアモルフォリニル スルホキシド、チアモルフォリニル スルホン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、ピペラジニルまたはモルホリニルであり、
それぞれの1,2,3 または4置換基による任意の置換は、ハロゲン、水酸基、 ニトロ、 アミノ、 アジド、ヒドラジノ、 シアノ、 アルキル、アリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、 アルキルオキシカルボニル、アシル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、縮合ヘテロシクリル、ハロアルキル、-SO2-R15、アルキルカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ハロアルコキシ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、カルボキシ、アシルアミノ、アルキルエステル、カルバメート、チオアミド、尿素、またはスルフォナマイドから選ばれ、ここでR15はアルキル、アルキルアミノまたはシクロアルキルであり、
式中、Lは 一重結合、 式 -R8-R9-の基、 アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、 -(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O- (C(R4)(R4))W-、-(C(R4)(R4))v-N- (C(R4)(R4))W-、-(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 または シクロアルキレンオキシアルキレンから選択され、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))W および -(C(R4)(R4))v はそれぞれ独立にアリファチックであるかまたはシクロアルキルを形成し、 ここでそれぞれの R4 は独立に水素、 アルキル、 水酸基、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、 アルキルアミノ、アルキルアミノアルキルまたはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は0,1,2,3または4から選ばれる整数であり、 v は0,1,2,3または4から選ばれる整数であり、および w は0,1,2,3または4から選ばれる整数であり、
式中、R8 はアルキリン、-(C(R4)( R4))P-C(R14) または -(C(R4)( R4))P-C(R4)=Cであり、
式中、R9 は一重結合、 -(C(R4)(R4))q-, または C(=O)- であり、ここで R14 は水素原子、 水酸基または アルキルから選択され, ここで p は0,1,2または3から選ばれる整数であり、および
式中、R10は-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1,2,3または4から選ばれる整数であり、ここでR12 は水素原子、アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたはアルキルカルボニルから選択され、および
式中、 R2は、水素原子、CH3-、-CH2-CH3、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、フェニル、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の化合物であって、構造式XVIからXXIIおよびXXXIIからLIまでから選ばれる構造式を有し、
式中、 Aは 、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、1,3-ベンゾジオキゾリル、2-チエニル、2-ナフチル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2,3 または4置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、 -O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-OC(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化7】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、
式中、 Lは一重結合、 -CH2-、 -(CH2)2-、 -(CH2)3-、 -CH(CH2OH)-、 -CH(CH2-O-CH3)-、-CH(CH3)-、 -CH(CH2-CH3)-、 -CH(CO2H)-、 -CH(CO2CH3)-、-(CH2)2-O-CH2-、 -CH(CH2-N(CH3)2)-、 -(CH2)2-CH=、 または
【化8】

から選択されるか、またはここで-L-Aは、
【化9】

または
【化10】

から選ばれ、
式中R1 は、水素原子、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、-CO2H、(CH3)2N-C(=O)-、
【化11】

CH3-C(=O)O-、CH3-O-C(=O)- 、CH3-NH-C(=O)-、CH3-C(=O)-NH-CH(CH3)- 、HO-CH2-、CH3-CH2-、CH3-O-CH2-から選択され、ここでzは、1または2であり、
式中R5は、H、-NH2、CH3-NH-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)O-、-OH、-CH3、CH3-CH2-、(CH3)2N-、(CH3) 2-N-CH(CH3)-、または
【化12】

、から選択され、
式中、 R2は、水素原子、CH3-、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、フェニル、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の化合物であって、構造式XXIIIからXXXIおよびLIIからLXIIIまでから選ばれる構造式を有し、
式中、基
【化13】

は、
【化14】


から選択され、
式中、基
【化15】

は、
【化16】

から選択され、
式中、基
【化17】

は、
【化18】

から選択され、
式中、 Aは 、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、2-チエニル、1,3-ベンゾジオキゾリル、2-ナフチル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2,3 または4置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、 -O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化19】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、
式中R12は、水素原子、CH3-C(=O)-、CH3-またはベンジルから選択され、
式中R1 は、水素原子、Cl、Br、F、-CF3、-OCH3、CH3-C(=O)-、-CO2H、(CH3)2N-C(=O)-、
【化20】

、CH3-C(=O)O-、CH3-O-C(=O)- 、CH3-NH-C(=O)-、CH3-C(=O)-NH-CH(CH3)- 、HO-CH2-、CH3-CH2-、CH3-O-CH2-から選択され、ここでzは、1または2であり、
式中R5は、H、CH3-NH-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)-NH-、CH3-C(=O)O-、-OH、-CH3、CH3-CH2-、(CH3)2N-、または
【化21】

から選択され、
式中、 R2は、水素原子、CH3-、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3、-(CH2)2-CN、ベンジルまたはCH3-C(=O)から選択される。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の化合物であって、
式中R5は、水素原子、-CH3、-NH2、CH3-C(=O)-NH-、または
【化22】

から選択され、
式中、R2は、水素原子、CH3-、フェニル、CH3-、-CH2-CH3-、-(CH2)2-CH3または-(CH2)2-CNから選択され、
式中R1 は、H、Cl、F、Br、-OCH3、-C(=O)CH3、から選択され、zは、1、2または3から選ばれる整数であり、
式中、 Aは 、フェニル、3-インドリル、5-(2,3-ジヒドロ)ベンゾフラニル、6-インドリル、4-ピリジニル、2-チエニル、1,3-ベンゾジオキゾリル、2-ナフチル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニルから選択され、それぞれの1,2 または3置換基による任意の置換は、-OCH3、 -NO2、 -CO2H、 -C(=O)-N(CH3)2、 -O-C(=O)-CH3、-CH3、-CH2-CH3、 フェニル、 -SO2-CH3、F、Cl、Br、-CF3、-S-CH3、-OCF3、-C(=O)-CH3、-OC(=O)-CH3 、-C(=O)O-CH3、-C(=O)N(CH3)2、-N(CH3)2、 -SO2-N(CH3)2
【化23】

、N-モルホリノ、フェノキシル、ベンゾイル、-C(CH3)3、 -O-(CH2)2-CH3、 -OH または-CNから選択され、
式中、Lは 一重結合、 式 -R8-R9-の基、 アルキリン、アルケニリル、シクロアルキレン、 -NH-(C(R4)(R4))q-、 -(C(R4)(R4))q-、-(C(R4)(R4))v-O- (C(R4)(R4))W-、-(C(R4)(R4))v-N- (C(R4)(R4))W-、-(C(R4)(R4))V-(C(R4))W=、 -(C(R4)(R4))q-(C=O)-、 または シクロアルキレンオキシアルキレンから選択される結合基であり、ここで -(C(R4)(R4))q-、 (C(R4)(R4))W および -(C(R4)(R4))v はそれぞれ独立にアリファチックであるかまたはシクロアルキルを形成し、 ここでそれぞれの R4 は独立に水素、 アルキル、 水酸基、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、 アルキルアミノ、アルキルアミノアルキルまたはアルキルオキシカルボニルから選択され、 q は0,1,2,3または4から選ばれる整数であり、 v は0,1,2,3または4から選ばれる整数であり、および w は0,1,2,3または4から選ばれる整数であり、
式中、R8 はアルキリン、-(C(R4)( R4))P-C(R14) または -(C(R4)( R4))P-C(R4)=Cであり、
式中、R9 は一重結合、 -(C(R4)(R4))q-, または C(=O)- であり、ここで R14 は水素原子、 水酸基または アルキルから選択され、 ここで p は0,1,2または3から選ばれる整数であり、および
式中、R10は-(C(R4)(R4))m-、 -(C(R4)(R4))m-C(=O)O-(C(R4)(R4))q-、 または -(C(R4)(R4))m-N(R12)-(C(R4)(R4))q-から選択され、 ここでm は1、2、3、4、5または6から選ばれる整数であり、ここでR12 は水素原子、アルキル、 アリール、 アリールアルキルまたはアルキルカルボニルから選択される。
【請求項14】
請求項 1から 13のいずれかに記載の化合物であって、以下の群より選ばれる化合物:
5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 [(R)-1-(4-ニトロ-フェニル)-エチル]-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 [2-(5-メチル-1H-インドール-3-イル)-エチル]-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 [3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)-プロピル]-メチル-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 [3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン-5-イリデン)-プロピル]-メチル-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (4-ニトロ-ベンジル)-プロピル-アミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[4-(4-クロロ-ベンゾイル)-ピペリジン-1-イル]-メタノン、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-ジメチルアミノ-ベンジルアミド、7-メトキシ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 [(R)-1-(4-ニトロ-フェニル)-エチル]-アミド、7-メトキシ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ((S)-1-ナフタレン-2-イル-エチル)-アミド、7-メトキシ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ((1R,2R)-2-ベンジルオキシ-シクロペント-1-イル)-アミド、ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、4-アセチル-7-メトキシ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、5-クロロ-3-メチル-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、3-ピロール-1-イル-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、5-クロロ-1-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、N-ベンゾフラン-2-イル-2-(2,4-ジメトキ-フェニル)-アセタミド、1-ベンゾフラン-2-イル-2-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-エタノン、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (2,4-ジメトキシ-フェニル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 インダン-2-イルアミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-(1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-メタノン、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-(3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-メタノン、(2-ベンジル-ピペリジン-1-イル)-(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-メタノン、ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、酢酸 4-{[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-メチル}-フェニル エステル、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-チオフェン-2-イル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-メチル-ベンジルアミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-(4-フェニル-ピペリジン-1-イル)-メタノン、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-(チオフェン-2-イルメチル)-アミド、(S)-[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル-酢酸、キノリン-3-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、3-メチル-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸ベンジルエステル、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸(2-ジメチルアミノ-1-フェニル-エチル)-アミド。
【請求項15】
請求項 1から 13のいずれかに記載の化合物であって、以下の群より選ばれる化合物:
ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-フロロ-3-トリフルオロメチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (1-フェニル-エチル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ((R)-1-フェニル-プロピル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ((S)-1-フェニル-プロピル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2-メチルスルファニル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-メチルスルファニル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2-クロロ-6-メチル-ベンジルアミド、4-{[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-メチル}-安息香酸メチルエステル、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-ジメチルアミノ-ベンジルアミド、3-{[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-メチル}-安息香酸メチルエステル、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 3-ジメチルカルバモイル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-ジメチルスルファモイル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-フェノキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2-メチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 3-メチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-tert(三級)-ブチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (ビフェニル-2-イルメチル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (ビフェニル-3-イルメチル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 3-アセチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2-ブロモ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 3-ブロモ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-ブロモ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-メタンスルホニル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-シアノ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (ピリジン-4-イルメチル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ((S)-2-ヒドロキシ-1-フェニルーエチル)-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ((S)-2-メトキシ-1-フェニル-エチル)-アミド、(R)-[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル-酢酸メチルエステル、(S)-[(5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボニル)-アミノ]-フェニル-酢酸メチルエステル、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2-トリフルオロメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 3-トリフルオロメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-トリフルオロメトキシ-ベンジルアミド。
【請求項16】
請求項 1から 13のいずれかに記載の化合物であって、以下の群より選ばれる化合物:
5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,5-ジメチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 4-[1,2,3]チアジアゾール-5-イル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-ベンジルアミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[4-(4-フルオロ-フェニル)-3,6ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]-メタノン、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 インダン-1-イルアミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[4-(2-メトキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]-メタノン、1-ベンジル-1H-インドール-3-カルボン酸 2,4-ジメトキ-ベンジルアミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[4-p-トリル-ピペリジン-1-イル]-メタノン、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-アミド、(4-ベンジル-ピペリジン-1-イル)-(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-メタノン、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[4-(4-フルオロ-ベンゾイル)-ピペリジン-1-イル]-メタノン、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-(2-フェニル-ピロロリジン-1-イル)-メタノン、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[2-(4-フルオロ-フェニル)-ピロロリジン-1-イル]-メタノン、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (4-ピラゾール-1-イルメチル-フェニル)-アミド、(2-ベンジル-ピペリジン-1-イル)-(5-クロロ-3-メチル-ベンゾフラン-2-イル)-メタノン、5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]-チオフェン-2-カルボン酸 4-フロロ-3-トリフルオロメチル-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2−ヒドキシ-4-メトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ベンジル-(2-シアノ-エチル)-アミド、5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]-チオフェン-2-カルボン酸 2-クロロ-6-メチル-ベンジルアミド、5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、キノリン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 (2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-アミド、(5-クロロ-ベンゾフラン-2-イル)-[4-(2,5-ジメトキシ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-メタノン、3-アセチルアミノ-5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、3-アミノ-5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸 4-フルオロメトキシ-ベンジルアミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 ベンジル-フェニル-アミド、5-クロロ-ベンゾフラン-2-カルボン酸 2,4-ジクロロ-6-メチル-ベンジルアミド、N-(5-クロロ-ベンゾオキサゾール-2-イル)-2-フェニル-アセタミド。
【請求項17】
請求項1から13のいずれかに記載の化合物であって、化合物が5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 3,5-ジメトキシベンジル-アミド、または 5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 [3-(10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-イル)プロピル]メチル-アミド、または5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミドである。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の化合物であって、化合物が5-クロロベンゾフラン-2-カルボン酸 3,5-ジメトキシベンジル-アミド、または5-クロロ-3-メチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸 2,4-ジメトキシ-ベンジルアミドである。
【請求項19】
構造式I, II, III または IVを有する化合物の合成方法であって、式LXIVの化合物:
【化24】

と式 LXV、LXVI、LXVIIまたはLXVIIIの化合物:
【化25】

とを縮合して式I, II, III または IVの化合物:
【化26】

式中、R1、z、X1、X2、W、Y、Z、n、L、A、 R8、R9およびR10は請求項1〜14項のいずれかにおける定義と同じ意味を有する、
を得る工程を含む方法。
【請求項20】
縮合を行うにあたり、式LXVI の化合物のアシル塩化物を作製し、次にこのアシル塩化物を式LXV 、LXVI、LXVII、またはLXVIII(ここでWはNであり)とカップリングさせる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
縮合を行うにあたり、適切な溶媒中で適切な塩基の存在下に、適切なカップリング剤を用いる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
カップリング剤が、ヒドロキシベンゾトリアゾール、o-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N, N',N-4-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェートおよび同類を含む群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
溶媒が、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドおよび同類、またはこれらの混合物を含む群から選択される、請求項21または23に記載の方法。
【請求項24】
塩基が、炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンおよび同類を含む群から選択される、請求項21から23項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
塩基を0.1から5.0当量の量を使用する、請求項21から24項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項20〜25項のいずれか1項に記載の方法によって得られる化合物。
【請求項27】
医薬品として使用する、請求項1から18項および26項のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
イオンチャンネル阻害剤としての、請求項1から18項および27項のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項29】
イオンチャンネルKv4ファミリーのイオンチャンネル阻害剤としての、請求項28に記載の化合物の使用。
【請求項30】
イオンチャンネルKv1ファミリーのイオンチャンネル阻害剤としての、請求項28に記載の化合物の使用。
【請求項31】
イオンチャンネルKv4.3ファミリーのイオンチャンネル阻害剤としての、請求項28または29に記載の化合物の使用。
【請求項32】
イオンチャンネルKv1.5ファミリーのイオンチャンネル阻害剤としての、請求項28または30に記載の化合物の使用。
【請求項33】
イオンチャンネルKv4ファミリーに関連する症状または疾患の予防および/または治療の医薬品の製造のための、請求項1から18項および26項のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項34】
イオンチャンネルKv4ファミリー、好ましくはKv4.3イオンチャンネルに関連する症状または疾患が、不整脈を含む心臓疾患、高血圧誘導性心臓肥大を含む高血圧誘導性心臓疾患、およびてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、 脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患アルツハイマー疾患、パーキンソン症候群を含む神経系疾患、の群から選択される、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
イオンチャンネルKv4ファミリーに関連する症状または疾患の予防および/または治療の医薬品の製造のための、請求項1から18項および26項のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項36】
イオンチャンネルKv1ファミリー、好ましくはKv1.5イオンチャンネルに関連する症状または疾患が、不整脈を含む心臓疾患、高血圧誘導性心臓肥大を含む高血圧誘導性心臓疾患、およびてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、 脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患アルツハイマー疾患、パーキンソン症候群を含む神経系疾患、の群から選択される、請求項32に記載の使用。
【請求項37】
心臓疾患の治療の医薬品の製造のための、請求項33項または36項に記載の使用。
【請求項38】
神経系疾患の治療の医薬品の製造のための、請求項33項または36項に記載の使用。
【請求項39】
薬学的に許容可能な賦形剤および請求項1から18項および26項のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量を含む医薬組成物。
【請求項40】
イオンチャンネルKv4ファミリーに関連する症状または疾患の治療のための、請求項39に記載の医薬組成物の使用。
【請求項41】
イオンチャンネルKv4ファミリーに関連する症状または疾患が、不整脈を含む心臓疾患、高血圧誘導性心臓肥大を含む高血圧誘導性心臓疾患、およびてんかん、脳卒中、外傷性脳障害、不安、不眠、脊髄損傷、 脳脊髄炎、多発性硬化症、脱髄性疾患アルツハイマー疾患、パーキンソン症候群を含む神経系疾患、の群から選択される、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
イオンチャンネルKv1ファミリー、好ましくはKv1.5イオンチャンネルに関連する症状または疾患の治療のための、請求項39に記載の医薬組成物の使用。
【請求項43】
心臓疾患、好ましくは不整脈の治療のための、請求項39に記載の医薬組成物の使用。
【請求項44】
心臓疾患の治療のための、請求項39に記載の医薬組成物の使用。
【請求項45】
神経系疾患の治療のための、請求項39に記載の医薬組成物の使用。
【請求項46】
心臓疾患の治療方法であって、該治療を必要とする個体に請求項39に記載の医薬組成物を投与することよりなる方法。
【請求項47】
神経系疾患の治療方法であって、該治療を必要とする個体に請求項39に記載の医薬組成物を投与することよりなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−524294(P2008−524294A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547324(P2007−547324)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013715
【国際公開番号】WO2006/066879
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507180434)デブジェン エヌブイ (9)
【Fターム(参考)】