説明

インプリントリソグラフィ

【課題】インプリントテンプレートアライメントマークを改善する。
【解決手段】アライメントマークを備えたインプリントリソグラフィテンプレートが提供される。アライメントマークは、インプリントリソグラフィテンプレートの屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体材料から形成され、誘電体材料は、誘電体材料を通過したアライメント放射と誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、インプリントテンプレート及びインプリントリソグラフィ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ分野では、所与の基板領域上のフィーチャの密度を増大するために、リソグラフィパターン内のフィーチャのサイズを低減するという従来からの要望がある。フォトリソグラフィ分野では、小さいフィーチャへの努力によってコスト高ではあるが液浸リソグラフィ及び極端紫外線(EUV)リソグラフィなどの技術が開発されてきた。
【0003】
[0003] ますます関心が寄せられている潜在的にコスト高でない小さいフィーチャ(例えば、ナノメートルサイズのフィーチャ又はサブミクロンサイズのフィーチャ)を得る方法が、一般に「スタンプ」(多くの場合、インプリントテンプレート又はインプリントリソグラフィテンプレートと呼ばれる)を用いて基板上にパターンを転写するいわゆるインプリントリソグラフィである。インプリントリソグラフィの利点は、フィーチャの解像度が、例えば、放射源の放射波長又は投影システムの開口数によって制限されないということである。逆に、解像度は、主としてインプリントテンプレート上のパターンの密度によって制限される。
【0004】
[0004] インプリントリソグラフィは、パターン形成する基板の表面上のインプリント可能な媒体のパターン形成工程を含む。パターン形成は、インプリント可能な媒体がパターン形成された表面の凹部に流入し、パターン形成された表面上の突起によって脇に押しのけられるように、インプリントテンプレートのパターン形成された表面とインプリント可能な液体媒体の層とを貼り合わせる(例えば、インプリントテンプレートをインプリント可能な媒体に近づけるか、又はインプリント可能な媒体をインプリントテンプレートに近づけるか、あるいはその両方を互いに近づけることで)ステップを含んでいてもよい。凹部は、インプリントテンプレートのパターン形成された表面のパターンフィーチャを画定する。通常、パターン形成された表面とインプリント可能な媒体とが貼り合わされた時にインプリント可能な媒体は流動可能である。インプリント可能な媒体のパターニングに続けて、例えば、インプリント可能な媒体を化学線に当てることで、インプリント可能な媒体は、好適には非流動又は凍結状態(すなわち、固定状態)にされる。次に、インプリントテンプレートのパターン形成された表面とパターン形成されたインプリント可能な媒体は分離される。次に、通常、基板とパターン形成されたインプリント可能な媒体は、さらに処理されて基板のパターン形成又は別のパターン形成が実行される。インプリント可能な媒体は、パターン形成する基板の表面上に液滴の形態で提供され得るが、代わりに、スピンコーティングなどを用いて提供してもよい。
【0005】
[0005] 例えば、インプリントリソグラフィを用いて基板上に集積回路を形成する場合に、基板上にいくつかのパターン形成した層を提供する必要がある場合がある。その場合、基板上のインプリント可能な媒体内にインプリント中のパターンを、基板上に予め提供されたパターンと整列させることが望ましい。このことを達成することができる1つの方法は、基板上に1つ又は複数のアライメントマーク、及びインプリントテンプレート上に1つ又は複数のマークを提供し、非化学線のビーム(多くの場合、アライメント放射と呼ばれる)を用いてアライメントマークの相対位置を決定する方法である。
【発明の概要】
【0006】
[0006] インプリントテンプレート上でアライメントマークを使用する場合に生じる1つの問題は、アライメントマークが、インプリントテンプレートと基板の整列を行うことができるほどアライメント放射の十分強い反射又は回折を起こさない場合があるということである。
【0007】
[0007] ある態様によれば、アライメントマークを備えたインプリントリソグラフィテンプレートであって、アライメントマークが、インプリントリソグラフィテンプレートの屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体材料から形成され、誘電体材料が、誘電体材料を通過したアライメント放射と誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚みを有するインプリントリソグラフィテンプレートが提供される。
【0008】
[0008] ある態様によれば、誘電体材料の表面のところで強め合う干渉によりアライメント放射がある程度の反射を起こすような厚さを有する誘電体材料から形成されるアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップと、インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、基板とインプリントテンプレートとを整列させるステップと、次にインプリントテンプレート及び誘電体材料を通して基板の方向に化学線を誘導するステップとを含むインプリントリソグラフィ方法が提供される。
【0009】
[0009] ある態様によれば、インプリント方法であって、インプリントテンプレート上に提供される誘電体材料から形成されるアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップであって、誘電体材料が、インプリントテンプレートとは異なる屈折率を有し、誘電体材料を通過したアライメント放射と誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚みを有するステップと、インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、基板とインプリントテンプレートとを整列させるステップと、インプリントテンプレート及び誘電体材料を通して基板の方向に化学線を誘導するステップとを含むインプリント方法が提供される。
【0010】
[0010] ある態様によれば、インプリント方法であって、ワイヤグリッド偏光子としての働きをするように配置された複数の線から形成されたインプリントテンプレートアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップであって、アライメント放射が、線が延在する方向に実質的に平行に偏光されるステップと、インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、基板とインプリントテンプレートとを整列させるステップと、インプリントテンプレート及びワイヤグリッド偏光子を通して基板の方向に化学線を誘導するステップとを含むインプリント方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0011] 以下、添付の図面を参照しながら、本発明の特定の実施形態について説明する。
【図1a】[0012]ホットインプリントリソグラフィの例の略図である。
【図1b】[0012]UVインプリントリソグラフィの例の略図である。
【図2】[0013]周知の従来技術のインプリントテンプレートアライメントマークの構成の概略図である。
【図3】[0014]本発明のある実施形態によるインプリントテンプレートアライメントマークの概略図である。
【図4】[0015]本発明のある実施形態によるインプリントテンプレートアライメントマークの概略図である。
【図5】[0016]本発明のある実施形態によるインプリントテンプレートアライメントマークの概略図である。
【図6a】[0017]本発明のある実施形態によるインプリントテンプレートアライメントマークの概略図である。
【図6b】[0017]本発明のある実施形態によるインプリントテンプレートアライメントマークの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0018] インプリントリソグラフィの2つの方法の例を図1a〜図1bに概略的に示す。
【0013】
[0019] 図1aは、いわゆるホットインプリントリソグラフィ(又はホットエンボス)の一例を示す。典型的なホットインプリント工程では、テンプレート2が、基板6の表面に提供された熱硬化性又は熱可塑性のインプリント可能な媒体4内にインプリントされる。インプリント可能な媒体4は、例えば樹脂であってもよい。樹脂は、例えばスピンコーティングし、基板表面に、又は図示の例のように、基板6の平坦化及び転写層8に焼成してもよい。熱硬化性ポリマー樹脂を使用する場合、樹脂はテンプレートに接触すると、テンプレート上に形成されたパターンフィーチャ内に流入する程度に十分に流動可能な状態になるような温度に加熱される。次に、樹脂の温度は、上昇して樹脂を熱硬化(架橋結合)させ、樹脂は固体化し所望のパターンを不可逆的に採用する。次に、テンプレート2を除去してパターン形成された樹脂を冷却することができる。熱可塑性ポリマー樹脂の層を使用するホットインプリントリソグラフィでは、熱可塑性樹脂が加熱されてテンプレート2によるインプリントの直前に自由に流動可能な状態になる。場合によって、熱可塑性樹脂を樹脂のガラス転移温度より大幅に高い温度まで上昇させる必要がある。テンプレートは流動性樹脂に接触し、次に流動性樹脂はガラス転移温度より下の温度まで冷却され、その間、テンプレート2が所定位置でパターンを硬化させる。その後、テンプレート2は除去される。パターンは、樹脂の残りの層から浮き彫りになったフィーチャからなり、次に、残りの層は、適切なエッチング工程によって除去され、パターンフィーチャだけが後に残される。ホットインプリントリソグラフィ工程で使用される熱可塑性ポリマー樹脂の例は、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリ(ベンジルメタクリレート)、又はポリ(シクロヘキシルメタクリレート)である。ホットインプリントの詳細情報については、例えば、米国特許第4,731,155号及び米国特許第5,772,905号を参照されたい。
【0014】
[0020] 図1bは、紫外線(UV)放射を透過する透明な又は半透明のテンプレートとインプリント可能な媒体としてのUV硬化性液体(本明細書では「UV」という用語が便宜上使用されているが、インプリント可能な媒体を硬化させる任意の適切な化学線放射を含むものと解釈すべきである)の使用を含むUVインプリントリソグラフィの一例を示す。UV硬化性液体は、多くの場合、ホットインプリントリソグラフィで使用される熱硬化性又は熱可塑性樹脂よりも粘性が低く、したがって、はるかに速く移動してテンプレートのパターンフィーチャを充填することができる。図1aの工程と同様の方法で石英テンプレート10が、例えば樹脂などのUV硬化性インプリント可能な媒体12に当てられる。しかし、ホットインプリントの場合と異なり、熱又は温度サイクリングを用いるのではなく、石英テンプレート10を通してインプリント可能な媒体12上に印加されるUV放射14でインプリント可能な媒体12を硬化させることでパターンは固まる。テンプレート10を除去した後で、インプリント可能な媒体12はエッチングされる。UVインプリントリソグラフィによって基板をパターン形成する特定の方法は、いわゆるステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィである。ステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィは、従来、IC製造で使用されている光ステッパと類似の方法で基板を細かいステップでパターン形成するために使用することができる。UVインプリントの詳細情報については、例えば、米国特許出願公開第2004−0124566号、米国特許第6,334,960号、PCT特許出願公開WO02/067055号、及び「Mold−assisted nanolithography:A process for reliable pattern replication」、J.Vac.Sci.Technol.B14(6),1996年11月/12月と題されたJ.Haisma氏の論文を参照されたい。
【0015】
[0021] また、上記インプリント技術の組合せも可能である。例えば、インプリント可能な媒体の加熱及びUV硬化の組合せを記述する米国特許出願公開第2005−0274693号を参照されたい。
【0016】
[0022] 例えば、インプリントリソグラフィを用いて基板上に集積回路を形成する場合に、基板上にいくつかのパターン形成した層を提供する必要がある場合がある。その場合、基板上のインプリント可能な媒体内にインプリント中のパターンを基板上に予め提供されたパターンと整列させることが望ましい。このことを達成することができる1つの方法は、基板上に1つ又は複数のアライメントマーク、及びインプリントテンプレート上に1つ又は複数のアライメントマークを提供し、非化学線のビーム(多くの場合、アライメント放射と呼ばれる)を用いてアライメントマークの相対位置を決定する方法である。
【0017】
[0023] 図2は、インプリントテンプレート22の一部の従来技術の構成の概略断面図を示す。インプリントテンプレート22は、回折格子(以下、インプリントテンプレートアライメント格子23と呼ぶ)を備えるアライメントマークを有する。図2は、また回折格子(以下、基板アライメント格子21と呼ぶ)を備えるアライメントマークを備えた基板20の一部も示す。インプリント可能な媒体24は、基板20とインプリントテンプレート22との間に配置され、基板アライメント格子21の凹部及びインプリントテンプレートアライメント格子23の凹部を占める。説明を分かりやすくするために、図2には、インプリントテンプレートアライメント格子23と基板アライメント格子21の一部しか図示していない。
【0018】
[0024] 使用中、非化学線のビーム(以下、アライメント放射と呼ぶ)は、インプリントテンプレートアライメント格子23のところで誘導される。放射は、インプリントテンプレートアライメント格子23により回折され、また基板アライメント格子21によっても回折される。アライメント格子21、23から反射した放射を監視する検出器(図示せず)は、アライメント格子の相対位置を決定するために使用される信号を供給する(それによりインプリントテンプレート22と基板20とを整列することができる)。
【0019】
[0025] 上記アライメント方法に関連する1つの問題は、インプリントテンプレートアライメント格子23がアライメント放射を余り強く回折しない場合があるという問題である。これは、インプリントテンプレート22の屈折率とインプリント可能な媒体24の屈折率が同程度だからである。例えば、インプリントテンプレートは、1.5の屈折率を有する石英から作られる場合があり、インプリント可能な媒体24は、1.4〜1.5の屈折率を有するSFILレジスト、SiMatレジスト又はMonomatレジストを含んでいる場合がある。したがって、インプリントテンプレートの凹部でない部分23aを通過する放射が通る光路長は、インプリントテンプレートの凹部23bを通る放射が通る光路長と同程度である。光路長が同程度であるので、インプリントテンプレートアライメント格子による回折の度合いは小さい。インプリントテンプレートアライメント格子23によるアライメント放射の回折が小さいので、アライメント検出器が検出するアライメント信号の信号強度が弱い場合がある。これによりインプリントテンプレート22と基板20の間の整列がうまくいかない場合がでてくる。
【0020】
[0026] 図3は、本発明のある実施形態によるインプリントテンプレートの概略断面図を示す。図3を参照すると、インプリントテンプレート32は、回折格子(以下、インプリントテンプレートアライメント格子33と呼ぶ)を備えるアライメントマークを備える。インプリントテンプレートアライメント格子33は、インプリントテンプレート32内の凹部35a〜c内に提供される誘電体材料33a〜cの複数のストリップを備える。誘電体材料33a〜cは、インプリントテンプレート32の屈折率とは異なる屈折率を有する。図3は、また基板30及び基板アライメント格子31の一部も示す。インプリントテンプレート32と基板30との間にインプリント可能な媒体34が提供される。
【0021】
[0027] 以下の説明において、「誘電体材料」という用語は、インプリントテンプレートの屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体材料を意味する。屈折率の差は、例えば、5%以上であっても、10%以上であっても、20%以上であっても、30%以上であっても、又は40%以上であってもよい。
【0022】
[0028] 誘電体材料33a〜cのストリップの厚さ(図3のz方向の寸法)は、誘電体材料のストリップの屈折率と組み合わせて、誘電体材料のストリップが、インプリントテンプレートアライメント格子33による回折の強さを増大するように選択される。一例を挙げて説明すると、誘電体材料33a〜cのストリップの厚さは、誘電体材料内のアライメント放射の波長の1/4に実質的に等しい。これにより、インプリントテンプレートアライメント格子33による位相コントラストが実質的に最大になる。
【0023】
[0029] 一例を挙げて説明すると、アライメント放射の波長は、633nmであり、誘電体層の厚さは89nmである。誘電体材料がn=1.77という屈折率を有する場合には、誘電体材料のアライメント放射の波長は、633/1.77=358nmである。これの1/4が89nmである。
【0024】
[0030] 誘電体材料33a〜cのストリップの厚さが、誘電体材料のアライメント放射の波長の1/4に実質的に等しいので、誘電体材料を通過したアライメント放射と誘電体材料を通過しなかった放射との間の結果としての位相差は、強い回折を起こさなかった。インプリントテンプレートアライメント格子33は、図2のインプリントテンプレートアライメント格子23の回折よりも強い回折を起こす。図3のインプリントテンプレートアライメント格子33によるアライメント放射の回折の方が大きかったので、アライメント検出器(図示せず)が検出するアライメント信号は、図2の構成が提供するものより大きい。これによりインプリントテンプレート32と基板30とをより正確に整列させることができる。
【0025】
[0031] 図3の本発明の実施形態が提供するアライメント信号は、図2の構成によるアライメント信号の10倍以上である場合がある。アライメント信号の強度は、インプリントテンプレートと基板との間の離間距離のような他の要因により左右される場合がある。
【0026】
[0032] 上記例の場合には、誘電体材料33a〜cのストリップは、アライメント放射の波長の1/4の厚さを有しているが、他の厚さも使用することができる。この厚さは、例えば、アライメント放射の波長にその波長の1/4を加えたもの、又はアライメント放射の波長にその波長の1/4を加えたものの2倍等であってもよい(この場合、波長は誘電体材料の屈折率を考慮に入れて調整される)。同様に、あるいはこの厚さを、アライメント放射の波長にその波長の3/4を加えたもの、又はアライメント放射の波長にその波長の3/4を加えたものの2倍に等しいものにすることもできる(この場合、波長は誘電体材料の屈折率を考慮に入れて調整される)。このことは下式により表すことができる。
【数1】


但し、tは誘電体材料のストリップの厚さであり、λは真空中のアライメント放射の波長であり、nは誘電体材料の屈折率であり、Nは整数である。
【0027】
[0033] 誘電体材料のストリップの厚さは、式1に定義する厚さに実質的に等しくてもよい。この場合、「実質的に等しい」という用語は、この厚さが、図2のインプリントテンプレートアライメント格子による回折より大きな回折を行う、式1に定義する厚さに十分に近いことを意味する。例えば、誘電体材料は、式1に定義する厚さより数ナノメートルだけ厚くても又は薄くてもよい。その場合、インプリントテンプレートアライメント格子33による回折の強さは低減するが、図2のインプリントテンプレートアライメント格子による回折よりも強い回折が得られる。
【0028】
[0034] 例えば、誘電体材料は窒化ケイ素であってもよい。誘電体材料は、例えば、1.6よりも大きい屈折率、又は1.7よりも大きい屈折率を有することができる。
【0029】
[0035] 基板アライメント格子31は、従来技術において使用していたものに対応する。基板アライメント格子の回折は大きい。何故なら、インプリント可能な媒体34の屈折率と基板30の屈折率との差がかなり大きいからである。ある実施形態の場合には、基板は、基板アライメント格子が強い回折を行うように半透明のものであってもよい。あるいは、必要に応じて、基板格子を図3のインプリントテンプレートアライメント格子33(又は本発明の任意の他の実施形態)と同じ方法で形成することができる。
【0030】
[0036] インプリントテンプレート32と基板30との整列が行われると、インプリント可能な媒体34を硬化及びそれ故凝固するために、インプリントテンプレート32を通して及びインプリント可能な媒体34上に化学線を誘導することができる。誘電体材料33a〜cのストリップは、化学線のかなりの部分を透過することができる。それは、誘電体材料33a〜cのストリップの厚さが、化学線の波長の1/4ではないか、(又は望ましくない位相差を起こすある他の厚さ)であるからである。一例を挙げて説明すると、誘電体ストリップ33a〜c上に入射する化学線の70%は、誘電体材料のこれらのストリップを通過して、インプリント可能な媒体34に到達する。化学線の100%が誘電体材料33a〜cのストリップを通過してインプリント可能な媒体34に到達しなくてもよい。誘電体材料33a〜cのストリップの直下にあるインプリント可能な媒体34を硬化するためには、十分な化学線が誘電体材料33a〜cのストリップを通過することが望ましい。例えば、誘電体ストリップ上に入射する化学線の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上がこの誘電体ストリップを通過することができる。
【0031】
[0037] 図3のインプリントテンプレートアライメント格子33の利点は、アライメント格子の近傍に(図2の従来技術の構成に示す一連の凹凸を有する面ではなく)平坦な最下面を有するインプリントテンプレート32を提供することである。アライメント格子の近傍に平坦な最下面が位置しているので、空気が混入できない(インプリント可能なテンプレート内に凹部があると、場合により空気の混入が起こる)。
【0032】
[0038] インプリントテンプレートアライメント格子は、凹部内に提供することができる(インプリントテンプレートアライメント格子を収容するために、この凹部は、インプリントテンプレートアライメント格子よりも大きい)。
【0033】
[0039] 凹部35a〜cの深さは、誘電体材料33a〜cのストリップの厚さに正確に対応していなくてもよい。例えば、誘電体材料33a〜cのストリップが、凹部35a〜cの一部だけを充填するものであってもよい。
【0034】
[0040] ある例の場合には、誘電体材料33a〜cのストリップは、凹部35a〜cから突出していてもよい。しかし、これらのストリップは、これらストリップが基板上のパターンにインプリントするほど突出してはならない。
【0035】
[0041] インプリントテンプレートアライメント格子33は、周知の製造方法を用いてインプリントテンプレート32内に提供することができる。例えば、凹部35a〜cに対応するパターンを(例えば、光リソグラフィ又はインプリントリソグラフィを用いて)レジストの層内に形成することができる。次に、このパターンを使用して凹部がアライメント放射の波長の1/4に対応する深さを有するように、従来のエッチング技術を用いてインプリントテンプレート32内に凹部35a〜cをエッチングすることができる。次に、凹部35a〜cを、従来の方法を用いて誘電体材料で充填することができる。
【0036】
[0042] 誘電体材料33a〜cのストリップは、材料の複数の層を含むことができる。これらの層は、例えば、第1の屈折率を有する材料の層と第2の異なる屈折率を有する材料の層との間の交互の層であってもよい。これにより1つの界面ではなく、複数の界面が提供される。材料の層の厚さ及びその屈折率は、アライメント放射を反射するように選択することができる。例えば、層のうちの少なくともいくつかは、アライメント放射の波長に等しい厚さを有することができる(材料の屈折率を考慮に入れて)。ある実施形態の場合には、窒化ケイ素の層を、二酸化シリコンの層と交互に形成することができる。
【0037】
[0043] 図4は、本発明のある実施形態によるインプリントテンプレート42の一部の断面図を示す。インプリントテンプレート42は、回折格子としての働きをする誘電体材料43a〜cの一連のストリップを備えるインプリントテンプレートアライメント格子43を備える。インプリントテンプレート42の最下面は実質的に平坦で、誘電体材料43a〜cのストリップは、この面から突出している。誘電体材料43a〜cのストリップの厚さは、インプリントテンプレートアライメント格子43からより強い回折を得るために選択される(図3のところですでに説明したように)。
【0038】
[0044] 誘電体材料43a〜cのストリップは、基板上へのパターンのインプリントが起こることを防止できないほど非常に薄いものであってもよい。あるいは、誘電体材料43a〜cのストリップは凹部内に提供することができ、それにより基板上へのパターンのインプリントが起こるのを防止する誘電体材料を使用しないで、誘電体材料のもっと厚いストリップを形成することができる。
【0039】
[0045] 図4は、また基板40及び基板アライメント格子41の一部も示す。インプリントテンプレート42と基板40との間にインプリント可能な媒体44が提供されている。インプリントテンプレートアライメント格子43を使用して図3のところですでに説明した方法と同じ方法で、インプリントテンプレート42と基板40とを整列させる。
【0040】
[0046] 誘電体材料43a〜cのストリップは、例えば、インプリントリソグラフィ又は光リソグラフィを用いて形成することができる。
【0041】
[0047] 図5は、本発明のある実施形態によるインプリントテンプレート52の一部の概略断面図を示す。インプリントテンプレート52は、図2のインプリントテンプレートアライメント格子23と実質的に対応するインプリントテンプレートアライメント格子53を備える。しかし、誘電体材料53a〜cの層は、インプリントテンプレートアライメント格子53の各凹部55a〜c内にすでに提供されている。誘電体材料の厚さは、インプリントテンプレートアライメント格子53からのもっと強い回折を得るために、図3のところですでに説明した方法で選択される。他の実施形態(図示せず)の場合には、誘電体材料は、インプリントテンプレートアライメント格子の凹部でない部分上に提供される。図5は、また基板50及び基板アライメント格子51の一部も示す。インプリントテンプレート52と基板50との間にインプリント可能な媒体54が提供されている。インプリントテンプレートアライメント格子53を使用して図3のところですでに説明したのと同じ方法で、インプリントテンプレート52と基板50とを整列させる。
【0042】
[0048] ある実施形態の場合には、誘電体材料33a〜c、43a〜c及び53a〜cのストリップの代わりに偏光子としての働きをする線のグループを使用することができる。図6aは、3組の線65を含むインプリントテンプレートアライメント格子63の一部を上から見た図を概略的に示す。線65の太さ及び線間の間隔は、線のグループがワイヤグリッド偏光子としての働きをするようになっている。ワイヤグリッド偏光子は、線65が延在する方向に横方向に偏光されるアライメント放射を透過し、線が延在する方向に平行に偏光されるアライメント放射を反射する。図6aのデカルト座標の場合には、x方向に偏光されるアライメント放射は、線65により透過され、一方、y方向に偏光されるアライメント放射は、線65により反射される。
【0043】
[0049] 図6bは、その上にインプリントテンプレートアライメント格子が提供されているインプリントテンプレート62の一部を含むインプリントテンプレートアライメント格子63の一部をある側面から見た図を概略的に示す。図6bを見れば、線65がインプリントテンプレートの実質的に平坦な最下面上に提供されていて、線がこの面から突出していることが分かるだろう。他の構成(図示せず)の場合には、線65を、インプリントテンプレートの面から突出しないように、インプリントテンプレート内の凹部内に提供することができる。例えば、線の各グループを別々の凹部内に提供することもできるし、又は線の複数のグループを同じ凹部内に提供することもできる。
【0044】
[0050] 使用中、線65が延在する方向に実質的に平行に偏光されるアライメント放射は、インプリントテンプレートアライメント格子63のところで誘導される。したがって、線63a〜cのグループは、反射体としての働きをし、そのためインプリントテンプレートアライメント格子63は、アライメント放射を回折させる。
【0045】
[0051] アライメント放射に対してワイヤグリッド偏光子としての働きをする線のグループは、図3〜図5に示す実施形態の誘電体層の代わりに使用することができる。
【0046】
[0052] 使用中、インプリントテンプレートと基板とが整列すると、インプリント可能な媒体を硬化するために、インプリント可能な媒体上に化学線が誘導される。線65のグループは、化学線に対してある程度ワイヤグリッド偏光子としての働きをすることができる。しかし、化学線のかなりの部分は、線65のグループにより透過され、そのため線のグループの下に位置するインプリント可能な媒体上に入射する。例えば、化学線が偏光されない場合には、化学線の約50%は線65のグループを透過することができる。化学線は、線65が延在する方向(例えば、図6のx方向)に対して横方向に偏光することができる。この場合には、化学線の50%以上が、線65のグループを透過することができる。例えば、偏光した化学線の実質的に全部が、線65のグループを透過することができる。偏光した化学線の実質的に全部が、線65のグループを透過した場合には、線65のグループの近傍の基板に送出される化学線の量は、基板上の他の位置に送出される化学線の量に実質的に等しい。これにより、基板上の他の場所での硬化と実質的に等しいインプリント可能な媒体の硬化が、線65のグループの近傍で行われる。
【0047】
[0053] 線63a〜cのグループを通過してインプリント可能な媒体内へ到達する化学線の量が、インプリント可能な媒体の他の領域に到達する化学線の量に必ずしも等しくなくてもよい。しかし、線63a〜cのグループを通過する化学線の量が、インプリント可能な媒体を硬化するのに十分なものであることが望ましい。この場合、インプリント可能な媒体が硬化しなかった場合に起こるかもしれない欠陥問題が回避される。
【0048】
[0054] 隣接する線65間の間隔は、アライメント放射の波長(例えば、633nm)より短いものでなければならない。線65の太さは、例えば、線間の間隔の半分よりも短くてもよい。線65の太さはこれより短くてもよい。
【0049】
[0055] 線65は、例えば、リソグラフィ技術を用いて形成することができる。あるいは、線65を、電子ビーム書込みを用いて形成することもできる。線65は、例えば、インプリント可能な媒体上にパターンが形成されるのと同時に、電子ビーム書込みを用いて形成することができる。線65は、導電性の材料(例えば、クロム又はある他の金属)から形成される。線65は、例えば、クロムの層の頂面上に提供されているレジスト内にパターンを形成するために、リソグラフィを使用してインプリントテンプレート上にクロムの層を提供し、次に、クロム内に線を形成するためにパターン及びクロムを通してエッチングすることにより形成することができる。
【0050】
[0056] 線65は、凹部内に提供することができる。凹部は、線65が基板上へのパターンのインプリントと干渉を起こさないくらい十分深いものであってもよい。
【0051】
[0057] 米国特許出願公報US2002/0098426号は、インプリントテンプレートアライメント格子による回折の強さを改善するために、ワイヤグリッド偏光子の使用の可能性を示唆している。しかし、US2002/0098426号は、非偏光アライメント放射の使用を示唆している。そうする場合には、アライメント放射のかなりの部分がワイヤグリッド偏光子を透過して、インプリントテンプレートアライメント格子による回折信号に悪影響を与えることになる。本発明のある実施形態は、線65のグループを透過しないように偏光されるアライメント放射を使用して、それによりUS2002/0098426号のインプリントテンプレート回折格子のものよりももっと強力な回折信号を供給することによりこの問題を克服することができる。
【0052】
[0058] 本発明の上記実施形態は、すべてインプリントテンプレートアライメント格子に関連しているが、本発明のある実施形態は、格子でないインプリントテンプレートアライメントマークに適用することができる。例えば、本発明のある実施形態は、インプリントテンプレートと基板とを整列させるために、結像検出器で監視している1つ又は複数のボックス形、又は任意の他の適当な形状を含むインプリントテンプレートアライメントマークに適用することができる。例えば、ボックス形は、上記式1を満足させる厚さを有する誘電体材料から形成することができ、それにより良い位相コントラストを提供し、ボックス形をもっとはっきり示すことができる。あるいは、ボックス形は、ワイヤグリッド偏光子としての働きをすることができる材料の線等から形成することができる。
【0053】
[0059] 本発明は、インプリントリソグラフィ装置及び方法に関する。この装置及び/又は方法は、電子デバイス及び集積回路などのデバイスの製造、又は集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、有機発光ダイオードの製造などのその他の用途に使用することができる。
【0054】
[0060] 本明細書においては、「基板」という用語は、基板の一部を形成するか、又は平坦化層又は反射防止コーティング層のような他の基板上に提供される任意の表面層を含むことを意味する。
【0055】
[0061] 上記実施形態では、単一のチャンバ内に単一のインプリントテンプレート、単一のインプリントテンプレートホルダ、単一の基板ホルダ及び単一の基板が提供される。別の実施形態では、インプリントをより効率的又は迅速に(例えば、並列に)実行するために1つ又は複数のチャンバ内に2つ以上のインプリントテンプレート、2つ以上のインプリントテンプレートホルダ、2つ以上の基板ホルダ及び/又は2つ以上の基板を提供してもよい。例えば、ある実施形態では、複数の(例えば、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)基板ホルダを含む装置が提供される。ある実施形態では、複数の(例えば、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)インプリントテンプレート構成を含む装置が提供される。ある実施形態では、基板ホルダあたり1つのテンプレートホルダ構成を使用するように構成された装置が提供される。ある実施形態では、基板ホルダあたり2つ以上のテンプレートホルダ構成を使用するように構成された装置が提供される。ある実施形態では、複数の(例えば、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)インプリント可能な媒体のディスペンサを含む装置が提供される。ある実施形態では、基板ホルダあたり1つのインプリント可能な媒体のディスペンサを使用するように構成された装置が提供される。ある実施形態では、インプリントテンプレート構成あたり1つのインプリント可能な媒体のディスペンサを使用するように構成された装置が提供される。ある実施形態では、複数の基板ホルダを含む装置が提供された場合、基板ホルダは装置内の機能を共用できる。例えば、基板ホルダは、基板ハンドラ、基板カセット、ガス供給システム(例えば、インプリント中にヘリウム環境を生成するための)、インプリント可能な媒体のディスペンサ、及び/又は放射源(インプリント可能な媒体を硬化させるための)を共用することができる。ある実施形態では、2つ以上の基板ホルダ(例えば、3つ又は4つの)が装置の1つ又は複数の機能(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの機能)を共用する。ある実施形態では、装置の1つ又は複数の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの)機能がすべての基板ホルダの間で共用される。
【0056】
[0062] 上述し図示した実施形態は、その性質が例示的なものであって制限するものではない。好ましい実施形態だけが図示され説明されており、特許請求の範囲に記載する本発明の範囲を逸脱することなく、すべての変更及び修正が望ましくは保護されることを理解されたい。説明内の「好適な」、「好適には」、「好ましい」又は「より好ましい」などの用語の使用は、そのように記載された特徴が望ましいことを示すが、必ずしも必要ではなく、そのような特徴を有さない実施形態も添付の特許請求の範囲に定義する本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。特許請求の範囲に関して、「ある」、「少なくとも1つの」、又は「少なくとも一部」などの用語は、添付の特許請求の範囲で、特に断りのない限り、特許請求の範囲をそのような特徴に限定する意図がない特徴に先行するものである。「少なくとも一部」及び/又は「一部」といった言語が使用される場合には、その要素は、特に断りのない限り、一部及び/又は要素全体を含むことができる。
【0057】
[0063] 以下の番号の条項に本発明の実施形態を示す。
1.アライメントマークを備えたインプリントリソグラフィテンプレートであって、
前記アライメントマークが、前記インプリントリソグラフィテンプレートの屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体材料から形成され、前記誘電体材料が、前記誘電体材料を通過したアライメント放射と前記誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚さを有するインプリントリソグラフィテンプレート。
2.前記誘電体材料が、下式
【数2】


(但し、λは前記アライメント放射の波長であり、nは前記誘電体材料の屈折率であり、Nは整数である)
に実質的に等しい厚さtを有する、条項1に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
3.前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレート内の凹部内に提供される、前記条項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
4.前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレート内の凹部から突出していない、条項3に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
5.前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレートの実質的に平坦な面上に提供される、条項1又は2に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
6.前記アライメントマークが、前記誘電体材料のストリップから形成される回折格子である、前記条項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
7.前記アライメントマークが、前記インプリントテンプレート内の凹部により形成される回折格子であって、前記誘電体材料が前記凹部内又は前記凹部間に提供される、条項1又は2に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
8.前記誘電体材料が、1.6より大きいか等しい屈折率を有する、前記条項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
9.前記誘電体材料が第1の誘電体材料であり、第2の異なる誘電体材料も前記アライメントマークを形成するために使用され、前記第2の誘電体材料が前記第1の誘電体材料とは異なる屈折率を有し、前記第1および第2の誘電体材料が、前記アライメント放射のある程度の反射が前記第1および第2の誘電体材料の間の界面のところでの干渉により起こるような厚さを有する交互の層内に提供される、前記条項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
10.前記誘電体材料の前記厚さが、前記誘電体材料上に入射する化学線の50%以上が前記誘電体材料を通過するような厚さである、前記条項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
11.インプリント方法であって、
インプリントテンプレート上に提供される誘電体材料から形成されるアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップであって、前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレートとは異なる屈折率を有し、前記誘電体材料を通過したアライメント放射と前記誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚さを有するステップと、
前記インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、
前記基板と前記インプリントテンプレートとを整列させるステップと、
前記インプリントテンプレート及び前記誘電体材料を通して前記基板の方向に化学線を誘導するステップと、
を含むインプリント方法。
12.インプリント方法であって、
ワイヤグリッド偏光子としての働きをするように配置された複数の線から形成されたインプリントテンプレートアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップであって、前記アライメント放射が、前記線が延在する方向に実質的に平行に偏光されるステップと、
前記インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、
前記基板と前記インプリントテンプレートとを整列させるステップと、
前記インプリントテンプレート及び前記ワイヤグリッド偏光子を通して前記基板の方向に化学線を誘導するステップと、
を含むインプリント方法。
13.前記化学線の50%以上が、前記ワイヤグリッド偏光子により反射される、条項12に記載の方法。
14.前記化学線が、前記化学線の50%以上が前記ワイヤグリッド偏光子を透過するように偏光される、条項12又は13に記載の方法。
15.前記ワイヤグリッド偏光子が、前記インプリントテンプレート内の1つ又は複数の凹部内に提供される、条項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
16.隣接する線間の間隔が、前記アライメント放射の波長よりも短い、条項12から15のいずれか1項に記載の方法。
17.前記線の太さが、前記線間の間隔の半分よりも短い、条項12から16のいずれか1項に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アライメントマークを備えたインプリントリソグラフィテンプレートであって、
前記アライメントマークが、前記インプリントリソグラフィテンプレートの屈折率とは異なる屈折率を有する誘電体材料から形成され、前記誘電体材料が、前記誘電体材料を通過したアライメント放射と前記誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚さを有するインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項2】
前記誘電体材料が、下式
【数1】


(但し、λは前記アライメント放射の波長であり、nは前記誘電体材料の屈折率であり、Nは整数である)
に実質的に等しい厚さtを有する、請求項1に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項3】
前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレート内の凹部内に提供される、前記請求項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項4】
前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレート内の凹部から突出していない、請求項3に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項5】
前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレートの実質的に平坦な面上に提供される、請求項1又は2に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項6】
前記アライメントマークが、前記誘電体材料のストリップから形成される回折格子である、前記請求項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項7】
前記アライメントマークが、前記インプリントテンプレート内の凹部により形成される回折格子であって、前記誘電体材料が前記凹部内又は前記凹部間に提供される、請求項1又は2に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項8】
前記誘電体材料が、1.6より大きいか等しい屈折率を有する、前記請求項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項9】
前記誘電体材料が第1の誘電体材料であり、第2の異なる誘電体材料も前記アライメントマークを形成するために使用され、前記第2の誘電体材料が前記第1の誘電体材料とは異なる屈折率を有し、前記第1および第2の誘電体材料が、前記アライメント放射のある程度の反射が前記第1および第2の誘電体材料の間の界面のところでの干渉により起こるような厚さを有する交互の層内に提供される、前記請求項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項10】
前記誘電体材料の前記厚さが、前記誘電体材料上に入射する化学線の50%以上が前記誘電体材料を通過するような厚さである、前記請求項のいずれか1項に記載のインプリントリソグラフィテンプレート。
【請求項11】
インプリント方法であって、
インプリントテンプレート上に提供される誘電体材料から形成されるアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップであって、前記誘電体材料が、前記インプリントテンプレートとは異なる屈折率を有し、前記誘電体材料を通過したアライメント放射と前記誘電体材料を通過しなかったアライメント放射との間に位相差を生じるような厚さを有するステップと、
前記インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、
前記基板と前記インプリントテンプレートとを整列させるステップと、
前記インプリントテンプレート及び前記誘電体材料を通して前記基板の方向に化学線を誘導するステップと、
を含むインプリント方法。
【請求項12】
インプリント方法であって、
ワイヤグリッド偏光子としての働きをするように配置された複数の線から形成されたインプリントテンプレートアライメントマークの方向にアライメント放射を誘導するステップであって、前記アライメント放射が、前記線が延在する方向に実質的に平行に偏光されるステップと、
前記インプリントテンプレートアライメントマーク及び基板アライメントマークから反射したアライメント放射を検出するステップと、
前記基板と前記インプリントテンプレートとを整列させるステップと、
前記インプリントテンプレート及び前記ワイヤグリッド偏光子を通して前記基板の方向に化学線を誘導するステップと、
を含むインプリント方法。
【請求項13】
前記化学線の50%以上が、前記ワイヤグリッド偏光子により反射される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記化学線が、前記化学線の50%以上が前記ワイヤグリッド偏光子を透過するように偏光される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記ワイヤグリッド偏光子が、前記インプリントテンプレート内の1つ又は複数の凹部内に提供される、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2011−97051(P2011−97051A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−236003(P2010−236003)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】