説明

ウェイストゲート制御システムおよびその方法

【課題】ウェイストゲート制御システムにおいて、スロットル角センサおよび吸気湿度センサを利用する。
【解決手段】ウェイストゲート制御システムおよびその方法を開示する。ウェイストゲート制御システムは、周囲圧力センサ、スロットル角センサ、点火時期センサ、ノックセンサ、吸気温度センサ、吸気湿度センサを備える。ウェイストゲートは、これらのセンサから受信した情報に従って制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に関し、特に、ウェイストゲート制御システムおよびウェイストゲートを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェイストゲートを制御する方法は、これまでにも提案されてきた。シベリンスキーによる米国特許出願公開第2006/0237247号明細書は、内燃機関を含むハイブリッド車両に関するものである。シベリンスキーは、バネ負荷リリーフ弁として実装することで、過給の出力を制限するウェイストゲートを教示している。さらに、シベリンスキー型のウェイストゲートは、全開位置と全閉位置との中間位置をとってもよい。シベリンスキーは、適切なセンサによって出力される大気圧信号に応答するようにウェイストゲートを調整する可能性を開示しており、高地であっても車両の性能を保証するのに十分な過給が出力されることを保証する。
【0003】
バインジールトによる米国特許第7,104,352号明細書は、過給機関を備える雪上車のための給気冷却(インタクーラ)システムおよびその方法に関するものである。バインジールトは、タービンと連動するウェイストゲートを開示しており、給気圧が高くなりすぎると、タービンの排気バイパスを許容する。さらに、ウェイストゲートおよび噴射弁は、エンジン制御装置によって制御される。エンジン制御装置は、インタクーラ液位センサ、給気温度センサ、およびノックセンサからの入力データを利用し、また、エンジン制御装置への他の従来の入力データを利用する。
【0004】
ハートマンによる米国特許第6,779,344号明細書は、ターボチャージャ付きスロットルエンジンの制御システムおよびその制御方法に関するものである。ハートマン型では、エンジン排気は、エンジンからターボチャージャタービンおよびウェイストゲートバルブへ流れ、排出される。ウェイストゲートは一定のアルゴリズムに従って制御される。そのアルゴリズムの一つのステップにおいて、所望の吸気圧が、より早いステップに従って検索される。所望の過給圧力値を与えると、別のステップにおいて所望のオフセット値が前記吸気圧に加算される。別のステップにおいて最大過給圧が計算される。ハートマンは、最大許容過給圧が、空気の流速および既知の記憶されたコンプレッサの特性を使用した既知の方法により計算されることを教示している。続いて、次のステップにおいて、最大過給圧が所望の過給圧と比較される。もし、所望の過給圧が最大過給圧よりも大きければ、所望の過給圧は最大過給圧と同じ値に再設定される。そうでなければ、所望の過給圧の値はそのままにする。別のステップにおいて、ウェイストゲートは所望の過給圧に従って制御される。
【0005】
ウォンによる米国特許第6,694,242号明細書は、広帯域通信リンクにより接続された多重専用制御装置を持つ二元燃料エンジンに関するものである。ウォン型は、二元燃料モードまたはディーゼルオンリーモードで作動することができる二元燃料エンジンを示唆している。二元燃料制御装置およびディーゼル制御装置の両方は、さまざまな種類の入力データを受信する。ウォン型では、二元燃料制御装置は、ガス圧力センサおよびガス温度センサ、そして場合により他のセンサから信号を受信する。ディーゼル制御装置は、(二元燃料制御装置とも直接的に接続している)タイミング/速度センサおよびクランクシャフト速度/タイミングセンサから信号を受信する。ディーゼル制御装置は、さらに、過給圧センサ、吸気温度センサ、気圧センサ、油圧センサ、ディーゼル燃料温度センサ、周囲気温センサ、そして場合により他のセンサから信号を受信してもよい。
【0006】
さまざまなセンサから受信した、および/または計算されたデータに基づいて、二元燃料制御装置は、ガス噴射装置、ガス遮断弁、ターボウェイストゲート制御弁に信号を送信する。また、ディーゼル制御装置は、さまざまなセンサから受信した信号、および二元燃料制御装置から受信した信号に従って動作する。
【0007】
ツィマーによる米国特許第6,134,888号明細書は、ターボチャージャ制御管理システムに関するものである。ツィマーは、エンジン速度、エンジン負荷、周囲温度、および作動環境の気圧に応じて、バイパス弁およびウェイストゲートを制御することにより、少なくとも1つのターボチャージャを制御するために提供される内燃機関用の電子ターボチャージャ制御システムの使用を教示している。特に、ターボチャージャ制御モジュールは、吸気圧信号、エンジン速度信号、および周囲温度信号を含む複数のエンジン特性入力信号を持つ。これらの信号は、それぞれ吸気圧監視装置、エンジン速度監視装置、および周囲温度監視装置に従って決定される。これらの信号の特性値に基づいて、ウェイストゲートに対する所定の設定は、所定の設定の一群から選択される。
【0008】
ハウツによる米国特許第5,974,801号明細書は、ターボチャージャ制御システムに関するものである。ハウツは、排気マニホールドとタービンセクションとの間に接続されており、エンジンにより排出される流体がタービンを迂回することを可能にする開位置と、エンジンにより排出される流体がタービンを迂回することを制限する閉位置との間で移動可能なウェイストゲートバルブを教示している。ハウツ型では、ウェイストゲートバルブの制御信号を決定するために使用されるセンサがいくつか含まれている。前記センサは、エンジン速度を検出するために使用されるクランクシャフトの速度を検出する第1の手段と、エンジンの過給圧を検出する第2の手段と、エンジンのラック位置を検出する第3の手段と、エンジン環境の気圧を検出する第4の手段とを含む。
【0009】
エメンサールによる米国特許第4,322,948号明細書は、吸気マニホールド内の最大過給圧を発生する排気駆動ターボチャージャを備える内燃機関に関するものである。エメンサール型は、エンジンのノッキングを検出し、それに応じて弁を作動させてノッキングが弱まるように一時的に過給圧を減少させるノックセンサを含む。
【0010】
従来技術は、ウェイストゲート制御装置と接続するいくつかのセンサの使用を教示しているが、欠点がいくつかある。従来技術は、ウェイストゲート制御装置と結合するスロットル角センサを利用していない。さらに、従来技術は、ウェイストゲート制御装置と接続する吸気湿度センサについて何ら言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0237247号明細書
【特許文献2】米国特許第7,104,352号明細書
【特許文献3】米国特許第6,779,344号明細書
【特許文献4】米国特許第6,694,242号明細書
【特許文献5】米国特許第6,134,888号明細書
【特許文献6】米国特許第5,974,801号明細書
【特許文献7】米国特許第4,322,948号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、スロットル角センサおよび吸気湿度センサを利用するウェイストゲート制御システムに対する必要性が、当業界には存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(要約)
ターボチャージャのウェイストゲートを制御する方法を提供する。一般的に、これらの方法は、自動車のエンジンと組み合わせて使用され得る。本発明は、自動車と組み合わせて使用され得る。明細書及び特許請求の範囲を通じて“自動車”という語は、1又は複数の乗員を運送することが可能であり、任意の動力源によって駆動されるあらゆる移動体を意味する。自動車という語は、乗用車、トラック、バン、ミニバン、SUV、オートバイ、スクータ、ボート、個人用船舶及び航空機を含むが、これらに限定されない。
【0014】
場合によっては、自動車は、1以上のエンジンを含む。明細書および特許請求の範囲を通じて“エンジン”という語は、エネルギを変換することができる任意の装置または機械を意味する。場合によっては、ポテンシャルエネルギは、運動エネルギに変換される。例えば、エネルギ変換は、燃料や燃料電池の化学的ポテンシャルエネルギが回転運動エネルギに変換されたり、または電気的ポテンシャルエネルギが回転運動エネルギに変換されたりする状況を含んでよい。また、エンジンは、運動エネルギをポテンシャルエネルギに変換する機能も含んでもよく、例えば、駆動系から得られる運動エネルギがポテンシャルエネルギに変換される回生制動システムを含むエンジンもある。また、エンジンは、太陽エネルギや核エネルギを別の種類のエネルギに変換する装置を含んでもよい。エンジンのいくつかの例として、内燃機関、電気モータ、太陽エネルギ変換器、タービン、原子力発電所、および2以上の異なる種類のエネルギ変換プロセスを組み合わせたハイブリッドシステムが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
一態様において、本発明は、燃焼装置と結合しているウェイストゲート制御システムを提供するものであり、ウェイストゲートおよびスロットル角を測定するスロットル角センサと通信する制御部を備え、前記制御部は、前記スロットル角センサから受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する。
【0016】
他の態様において、前記制御部は、吸気温度センサと通信する。
【0017】
他の態様において、前記制御部は、吸気湿度センサと通信する。
【0018】
他の態様において、前記制御部は、エンジン速度センサと通信する。
【0019】
他の態様において、前記制御部は、周囲圧力センサと通信する。
【0020】
他の態様において、前記制御部は、点火時期センサと通信する。
【0021】
他の態様において、前記制御部は、ノックセンサと通信する。
【0022】
他の態様において、本発明は、燃焼装置と結合しているウェイストゲート制御システムであって、ウェイストゲートおよび吸気湿度センサと通信する制御部を備え、前記制御部は、前記吸気湿度センサから受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する。
【0023】
他の態様において、前記制御部は、吸気温度センサと通信する。
【0024】
他の態様において、前記制御部は、スロットル角センサと通信する。
【0025】
他の態様において、前記制御部は、エンジン速度センサと通信する。
【0026】
他の態様において、前記制御部は、周囲圧力センサと通信する。
【0027】
他の態様において、前記制御部は、点火時期センサと通信する。
【0028】
他の態様において、前記制御部は、ノックセンサと通信する。
【0029】
他の態様において、本発明は、クルーズモード中にウェイストゲートを制御する方法を提供するものであり、スロットル角センサから情報を受信し、現在クルーズ条件に関する情報を受信し、前記現在クルーズ条件を維持するために必要な動力を決定し、前記必要な動力を供給するために要求される吸気量を選択し、前記ウェイストゲートを制御して前記選択された吸気量を実現する。
【0030】
他の態様において、前記現在クルーズ条件は、現在車両速度を含む。
【0031】
他の態様において、スロットル角を全開位置に設定する。
【0032】
他の態様において、エンジン速度センサから現在エンジン速度を受信する。
【0033】
他の態様において、前記現在エンジン速度を使用して現在クルーズ条件を維持するために必要な動力を決定する。
【0034】
他の態様において、本発明は、ウェイストゲートを制御する方法を提供するものであり、吸気湿度センサから情報を受信し、点火時期遅延を解消するのに必要な要求過給圧を決定し、前記ウェイストゲートを制御して前記要求過給圧を実現する。
【0035】
他の態様において、吸気温度センサから情報を受信する。
【0036】
他の態様において、前記吸気温度センサから受信した情報および前記吸気湿度センサから受信した情報を使用して前記点火時期遅延を解消するのに必要な前記要求過給圧を決定する。
【0037】
他の態様において、点火時期センサから情報を受信する。
【0038】
他の態様において、前記点火時期センサから受信した情報に従って現在点火時期遅延を決定する。
【0039】
他の態様において、本発明は、ウェイストゲートを制御する方法を提供するものであり、点火時期センサ、エンジン速度センサ、吸気温度センサ、および吸気湿度センサを含む複数のセンサから燃焼装置に関係する情報を受信し、前記点火時期センサおよび前記エンジン速度センサから得られた情報を使用して最大動力を実現する第1の過給圧を計算し、前記吸気温度センサおよび前記吸気湿度センサから得られた情報を使用して最大動力を実現する第2の過給圧を計算し、前記第1の過給圧と前記第2の過給圧とを比較し、前記第1の過給圧および前記第2の過給圧のうち小さいほうである最小過給圧を選択し、前記ウェイストゲートを制御して前記最小過給圧を実現する。
【0040】
他の態様において、前記複数のセンサは、スロットル角センサを含む。
【0041】
他の態様において、前記スロットル角センサから情報を受信する。
【0042】
他の態様において、エンジンがクルーズモード中であるときはいつでも前記スロットル角センサから受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する。
【0043】
他の態様において、前記複数のセンサは、ノックセンサを含む。
【0044】
他の態様において、前記ノックセンサにより受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する。
【0045】
他の態様において、エンジンが、前記ノックセンサから受信した情報により判定される際、ノッキングによる制限をうける領域内に含まれていないと判定されたときはいつでも最大許容過給圧に従って前記ウェイストゲートを制御する。
【0046】
後記する図面及び詳細な記述を参照すれば、当業者には、本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点が明らかになるであろう。このような追加的なシステム、方法、特徴及び利点は、当該明細書及び当該要約に含まれ、本発明の範囲内であり、後記する特許請求の範囲によって保護されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
後記する図面及び明細書を参照すれば、本発明はよりよく理解され得る。図内の構成要素は、必ずしも同縮尺で描かれておらず、本発明の原理を例示するために強調して配置されることもある。さらに、記載される図が別であっても、対応する部分には同じ参照番号が振られている。
【0048】
【図1】ターボチャージャ付きのエンジンシステムの実施形態の概略図である。
【図2】周囲圧力センサを使用してウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【図3】許容過給圧と高度との関係を示すグラフの実施形態である。
【図4】ノックセンサを使用してウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【図5】スロットル角センサを使用してウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【図6】スロットル角センサを使用してウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【図7】点火時期と過給圧との関係を示すグラフの実施形態である。
【図8】点火時期センサを使用してウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【図9】吸気条件に従ってウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【図10】多数のセンサが感知した情報に従ってウェイストゲートを制御する処理のフローチャートの実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、自動車101の実施形態の概略図である。当然のことながら、ここで挙げた実施形態は、自動車101が機能するのに必要なすべての構成要素を説明することを目的としたわけではない。代わりに、図1の自動車101の実施形態は、自動車101のいくつかの構成要素、特に、動力の発生に関係する構成要素、および特に、エンジンと典型的に関わる構成要素を説明することを目的としているにすぎない。
【0050】
自動車101は、燃焼装置102を含んでもよい。説明を明瞭にするため、燃焼装置102は、エンジンの一部として図1に示している。一般的に、燃焼装置102は、任意の種類のエンジンであってもよい。実施形態によっては、燃焼装置102は、複合発電システムであってもよい。さらに、燃焼装置102は、多数のエンジンから構成してもよい。
【0051】
自動車101は、インタクーラ115と結合していてもよい。インタクーラ115は、任意の種類のインタクーラであってよく、トップマウントインタクーラ、フロントマウントインタクーラ、およびVマウントインタクーラを含むが、これらに限定されない。他の実施形態では、インタクーラ115は、別の種類のインタクーラであってもよい。実施形態によっては、ウェイストゲート制御システム100は、インタクーラ115を含まずに、インタクーラと異なる種類の熱交換器を含んでもよい。
【0052】
自動車101は、さらに、ターボチャージャ150を備えてもよい。ターボチャージャ150は、タービン152およびコンプレッサ154を含んでもよい。ターボチャージャ150は、任意の種類のターボチャージャであってよい。実施形態によっては、ターボチャージャ150は、スーパチャージャでもよい。
【0053】
ここに記載された構成を使用すると、燃焼装置102、インタクーラ115、およびターボチャージャ150は、連動して動作し、自動車101内部での動力の生産を促進することができる。本実施形態では、空気は、一般的に、さまざまな構成要素102、115、150をそれぞれ通過して流れることにより、燃焼装置102内部の燃料の燃焼を促進する。一般的に、構成要素102、115、150をまとめて動力システム103と呼ぶ。実施形態によっては、動力システム103は、構成要素102、115、150の間の空気の交換を促進する付加的な構成要素を含んでもよい。
【0054】
動力システム103を通過する空気の流れの実施形態を簡単に説明すると次のとおりである。一般的に、空気は、ターボチャージャ150の空気吸気口156を通って動力システム103に入る。この外気は、コンプレッサ154によって圧縮され、第1ホーシング172を経由してインタクーラ115に送り込まれる。その空気は、インタクーラ115を通過した後、スロットル本体118および吸気マニホールド106内を進む。スロットル本体118は、吸気マニホールド106に流れる空気の流量を制御するスロットル弁120を含む。最後に、空気は、吸気マニホールド106に到達するとすぐに、燃焼装置102の吸気ポート174に入る。空気は、燃焼装置102に入ると、燃料噴射装置からの燃料と混合する。
【0055】
燃焼装置102の反対側では、排気ガスは、排気ポート176を通して排気され、第2ホーシング178を進み、ターボチャージャ150へ運ばれる。この時点で、排気ガスはターボチャージャ150内のタービン152を駆動し、同時にコンプレッサ154を回転させる。空気がターボチャージャ150の空気吸気口156に導入されると、その空気は圧縮され、第1ホーシング172にフィードバックされ、循環を再び繰り返す。また、タービン152を駆動する排気ガスは、最終的にターボチャージャ150の排気ポート158から排気される。
【0056】
ターボチャージャ150は、タービン152に導入される排気ガスの量を減少させる機能を含んでもよい。本実施形態では、ターボチャージャ150は、ウェイストゲート160を含む。ウェイストゲート160は、開いたり閉じたりすることで、タービン152で受ける排気ガスの量を調節する。タービン152に導入される排気ガスの量が減少すると、タービン152およびコンプレッサ154は回転が遅くなり、コンプレッサ154の下流側の過給圧が減少する。同様に、タービン152で受ける排気ガスの量が増大すると、タービン152およびコンプレッサ154は回転が速くなり、コンプレッサ154の下流側の過給圧が増大する。
【0057】
実施形態によっては、動力システム103は、制御部130を含んでもよい。制御部130は、ウェイストゲート160を制御する一種のコンピュータであってもよい。ある実施形態では、制御部130は、ウェイストゲート160のための機能を含んでもよい。以下の詳細な説明を通じて、ウェイストゲート制御システム100は、制御部130、ウェイストゲート160、および例えばさまざまなセンサを含む、ウェイストゲート160の作動を促進する任意の他の機能をまとめて指す。
【0058】
実施形態によっては、例えば、ウェイストゲート制御システム100は、吸気マニホールド106の内部にある空気および燃焼装置102に入ってきた空気の温度および/または湿度を決定する機能を含んでもよい。実施形態によっては、吸気マニホールド106は、さまざまなセンサを含んでもよい。ある実施形態では、吸気マニホールド106は、自身に関係する温度を決定するための機能を含んでもよい。また、吸気マニホールド106は、自身に関係する湿度を決定するための機能を含んでもよい。
【0059】
吸気マニホールド106は、吸気温度センサ112を含んでもよい。実施形態によっては、吸気温度センサ112は、吸気マニホールド106の内部に配置されてもよい。一般的に、吸気温度センサ112は、吸気マニホールド106の内部にある空気の温度を測定する任意の装置であってもよい。実施形態によっては、吸気マニホールド106は、吸気湿度センサ114を含んでもよい。吸気湿度センサ114は、吸気マニホールド106の内部に配置されてもよい。
【0060】
ウェイストゲート制御システム100は、さらにスロットル本体118の現在作動パラメータを決定するための機能を含んでもよい。スロットル本体118は、スロットル弁120を含んでもよい。スロットル弁120は、開いたり閉じたりすることで、吸気マニホールド106に流れる空気の流速を変更することができる。ある実施形態では、スロットル本体118は、スロットル角センサ121を含む。スロットル角センサ121は、初期位置から測定したときのスロットル弁120の角度を測定する。
【0061】
実施形態によっては、ウェイストゲート制御システム100は、燃焼装置102に関係するさまざまなパラメータを測定する機能を含んでもよい。場合によっては、現在エンジン速度を知ることが重要である。実施形態によっては、ウェイストゲート制御システム100は、エンジン速度センサ125を含んでもよい。エンジン速度センサ125は、燃焼装置102と結合していてもよい。図示するために、エンジン速度センサ125は、燃焼装置102に隣接して配置されている。しかしながら、エンジン速度センサ125は、本図では示されていない、燃焼装置102の一部に配置されてもよい。ある実施形態では、エンジン速度センサ125は、クランクシャフトセンサであってもよい。
【0062】
場合によっては、現在の点火時期およびノックレベルを含む、燃焼装置102の作動条件に関係する他のパラメータを決定することが重要である。ウェイストゲート制御システム100は、点火時期センサ131およびノックセンサ133を含んでもよい。センサ131、133を使用することで、ウェイストゲート制御システム100は、燃焼装置102のさまざまな作動条件に対して応答することができる。
【0063】
さらに、ウェイストゲート制御システム100は、動力システム103の外側の周囲圧力を測定するための機能を含んでもよい。ウェイストゲート制御システム100は、周囲圧力センサ127を含んでもよい。実施形態によっては、周囲圧力センサ127は、ターボチャージャ150の付近に配置したり、周囲圧力を測定するのに適した位置に配置したりしてもよい。他の実施形態では、周囲圧力センサ127は、自動車101のどこにでも配置してよい。
【0064】
制御部130は、ウェイストゲート160、周囲圧力センサ127、スロットル角センサ121、エンジン速度センサ125、点火時期センサ131、ノックセンサ133、吸気温度センサ112、および吸気湿度センサ114と通信可能になっている。実施形態によっては、制御部130は、電気的な接続部を使用することでさまざまな装置と通信してもよい。具体的には、制御部130は、第1の接続部132によりウェイストゲート160と接続していてもよい。同様にして、制御部130は、以下のセンサ、つまり、第2の接続部134により周囲圧力センサ127と、第3の接続部136により吸気温度センサ112と、第4の接続部137により吸気湿度センサ114と、第5の接続部138によりスロットル角センサ121と、第6の接続部140により点火時期センサ131と、第7の接続部142によりエンジン速度センサ125と、第8の接続部144によりノックセンサ133と接続していてもよい。これらのさまざまな接続部は、電気的、光学的、または無線であることもあり得る。
【0065】
既に述べたとおり、ウェイストゲート160は、コンプレッサ154の下流側の過給圧を調節するために制御される。一つまたは複数のセンサ112、114、121、125、127、131、133と接続されている制御部130を使用してウェイストゲート160を制御するさまざまな方法は、本実施形態の残り部分で説明する。特に、ウェイストゲート制御システム100は、動力システム103の現在作動条件に依存する特別なセンサからの情報を使用してウェイストゲート160を制御する。
【0066】
一実施形態では、ウェイストゲート制御システム100は、直接的に互いに関連している周囲圧力および/または高度の変化に応じてウェイストゲート160を制御してもよい。一般的に、高地で作動するエンジンは、低地で作動するエンジンと比べてノッキングがあまり発生しない。ノッキングがあまり頻繁に起こらない作動条件では、動力システム103内で過給圧を増大させ、より大きな動力を実現してもよい。したがって、ウェイストゲート制御システム100は、高度が上がると過給圧を増大させるための機能を含んでもよい。同様に、ノッキングが発生する作動条件では、過給圧が減少すると一般的にノッキングの頻度が少なくなるので、ウェイストゲート制御システム100は、高度が下がると過給圧を減少するための機能を含んでもよい。
【0067】
図2および図3を参照すると、制御部130は、周囲圧力に従ってウェイストゲート160を制御する。フローチャート200は、周囲圧力に従ってウェイストゲート160を制御する方法の一実施形態である。第1のステップ202において、制御部130は、周囲圧力センサ127により測定される現在周囲圧力を決定する。周囲圧力は、高度と直接的に関係するので、現在高度を推定するのに使用することができる。第2のステップ204において、制御部130は、現在高度に従って許容過給圧を選択する。
【0068】
図3は、さまざまな高度に対する許容過給圧を決定するために使用されるグラフ300の実施形態である。特に、プロット線302で示されるとおり、厳密な比例関係を示すわけではないものの、高度が上がると許容過給圧が増大する。周囲圧力の測定から決定された現在高度を示す値を入力することにより、制御部130は、同様の形式のグラフや表から許容過給圧を決定してもよい。当然のことながら、グラフ300は、高度と許容過給圧との間にある所定の関係を示すために作られているにすぎない。他の実施形態では、高度とともに許容過給圧が増大するという一般的な傾向は依然としてそのままであっても、プロット線302は、異なる形状にしてもよい。
【0069】
続いて、第3のステップ206において、制御部130は、既に選択された許容過給圧に従ってウェイストゲート160を制御する。つまり、制御部130は、タービン152で受けるべき空気の量を計算して、コンプレッサ154を経由する許容過給圧を実現する。制御部130は、前記計算された空気量を使用して、ウェイストゲート160を開いたり閉じたりすることで、タービン152付近のターボチャージャ150内の空気量を増大させたり減少させたりする。このような調整を行うことで、動力システム103は、燃焼装置102がノッキングにより制限を受けない、より高い高度条件でも通常より大きい動力を発生させることができる。
【0070】
ウェイストゲート制御システム100は、過給圧を調節する追加の機能を含んでもよく、どのような作動条件下であってもノッキングが起こるときは必ず、燃料装置102でのノッキングを低減または除去する。一般的には、既に述べたとおり、過給圧が減少させると、燃料装置102内で起こるノッキングの程度は減少する。
【0071】
図4は、燃料装置102で起こったノッキングの大きさに従ってウェイストゲート160を制御する方法のフローチャート400の実施形態である。第1のステップ402において、制御部130は、ノックセンサ133により受信した情報に従って現在ノックレベルを決定する。次に、第2のステップ404において、制御部130は、現在ノックレベルを閾値と比較して現在ノックレベルが許容できるものか否かを判定する。もし、現在ノックレベルが許容できるものであれば、制御部130は、第3のステップ406に進み、現在過給圧が維持される。この時点では、第4のステップ408において、制御部130は、ウェイストゲート160を制御して現在過給圧を維持する。
【0072】
もし、第2のステップ404において、現在ノックレベルが閾値を超えるとき、つまり、現在ノックレベルが許容でないとき、制御部130は、第5のステップ410に進む。第5のステップ410において、制御部130は、現在過給圧を下げる。ステップ410の後、ステップ408において、制御部130は、ウェイストゲート160を適宜調節して現在過給圧を下げる。この方法を用いることにより、さまざまな作動条件下において、燃料装置102内のノッキングの大きさが低減または除去することができる。
【0073】
実施形態によっては、ウェイストゲート制御システム100は、ウェイストゲート160を経由する過給圧を調節する機能を含み、現在動力要求に応えるようにしてもよい。このことは、動力システム103内のさまざまな構成要素間の距離および加圧された空気がこれらのさまざまな構成要素間を巡回するのにかかる時間のために、運転手のアクセルの踏み込みからエンジンが応答するまで遅延が生じるターボチャージャ付きエンジンシステムにおいて特に重要である。この遅延時間を短くするために、動力システム103、特にターボチャージャ150は、動力システム103内の空気がさまざまな構成要素をそれぞれ一通り巡回し終える前に動力要求に応答してもよい。
【0074】
現在動力要求は、例えば、スロットル弁の角度を考慮して決定される。より大きなスロットル角は、より大きな動力要求に対応し、したがって、前記したより大きな動力要求を満たすために、より大きな過給圧が供給される。同様にして、より小さなスロットル角は、より小さな動力要求に対応し、したがって、前記したより小さな動力要求を満たすために、より小さな過給圧が供給される。
【0075】
図5は、現在スロットル角に従ってウェイストゲート160を制御する処理のフローチャート500の実施形態である。第1のステップ502において、制御部130は、スロットル角センサ121により受信した情報から現在スロットル角を決定する。ステップ502の後、第2のステップ504において、制御部130は、決定したスロットル角に従ってエンジンの動力要求を予測する。次に、第3のステップ506において、制御部130は、現在動力要求を満たすのに必要な要求過給圧を計算する。最後に、第4のステップ508において、制御部130は、ウェイストゲート160を制御して計算された要求過給圧を実現する。
【0076】
他の実施形態では、ウェイストゲート制御システム100は、クルーズモードに関係する条件に応答するようにウェイストゲート160を制御することもあり得る(クルーズコントロール)。一般的には、クルーズモードでは、スロットル弁120を使用して吸気マニホールド106に流入した空気量を制御することで、一定の車両速度が運転手により設定され、制御部130により維持される。しかしながら、実施形態によっては、ウェイストゲート制御システム100は、過給圧を調節してクルーズモード中の一定速度を維持する機能を含んでもよい。とりわけ、スロットル弁120を使用して吸気マニホールド106に流入した空気量を修正するのではなく、ウェイストゲート160を、要求過給圧を修正するために使用して、一定の車両速度を維持することができる。つまり、ウェイストゲート160は、吸気マニホールド106に流入する空気を‘絞る’ために効果的に使用され得る。そのような場合では、スロットル弁120は全開角度に設定され得る。
【0077】
図6は、クルーズモード中の一定のクルーズ速度を維持するためにウェイストゲート160を制御する処理のフローチャート600の実施形態である。第1のステップ602において、制御部130は、スロットル弁120を全開にする。ステップ602の後、第2のステップ604において、制御部130は、クルーズ条件のために設定された一定の車両速度を維持するために必要な動力を決定する。実施形態によっては、このステップは、エンジン速度センサ125により測定される現在エンジン速度からなされ得る。次に、第3のステップ606において、制御部130は、現在クルーズ速度を維持するための要求動力を供給するために必要な吸気量を計算する。最後に、第4のステップ608において、制御部130は、ウェイストゲート160を制御して、現在クルーズ速度を維持するための要求空気量を供給する。この開放スロットル構造を使用すると、ウェイストゲート制御システム100は、ポンプ損失を低減または実質的に除去し、動力システム103の効率を上げることができる。
【0078】
別の実施形態では、ウェイストゲート制御システム100は、点火時期に応じてウェイストゲート160を制御し得る。一般的に、各エンジン速度およびエンジン負荷において、点火時期と過給圧との間には最適バランスが存在する。例えば、図7は、エンジンに一定の負荷をかけて1500RPMで動かしたときの、点火時期と過給圧との間にある(線702により示される)最適関係を示すグラフ700の実施形態を説明している。点火時期用の特定値が与えられると、グラフ700を使用することで、対応する過給圧が見つかり、最大動力を実現する。
【0079】
図8は、既知の点火時期、エンジン速度、およびエンジン負荷に対する最大動力を実現するためにウェイストゲート160を制御する処理のフローチャート800の実施形態である。第1のステップ802において、制御部130は、点火時期センサ131を経由して受信した情報に従って現在点火時期値を決定する。ある実施形態では、エンジン速度および/またはエンジン負荷に関係する情報もまた、本ステップにおいて、エンジン速度センサ125および場合によっては他のセンサからの情報を受信することによって決定される。ステップ802の後第2のステップ804において、制御部130は、点火時期、エンジン速度および/またはエンジン負荷の現在値に基づいて、許容過給圧を選択する。制御部130は、例えば、グラフ700に示された情報に類似した情報を含むルックアップテーブルを参照してもよい。最後に、最終ステップ806において、制御部130は、ウェイストゲート160を制御して、前段のステップ804にて決定された許容過給圧を実現する。
【0080】
別の実施形態では、ウェイストゲート制御システム100は、吸気条件に応じてウェイストゲート160を制御してもよい。ノッキングによる制限により不要な点火時期遅延が生じる場合がある。ウェイストゲート制御システム100は、この不要な点火時期遅延を低減する機能を含んでもよい。場合によっては、ウェイストゲート制御システム100は、吸気条件に関係する情報を使用して過給圧を修正することで、点火時期遅延を低減または実質的に解消してもよい。
【0081】
図9は、点火時期遅延を低減または実質的に解消するためにウェイストゲート160を制御する処理のフローチャート900の実施形態である。第1のステップ902において、制御部130は、吸気温度センサ112および吸気湿度センサ114から受信した情報に従って吸気温度および吸気湿度を決定する。ステップ902に続く第2のステップ904において、制御部130は、修正過給圧を計算して点火時期遅延を解消する。実施形態によっては、点火時期遅延は、制御部130により知られ得る。別の実施形態では、点火時期遅延は、点火時期センサ131を使用して決定され得る。最後に、第3の最終ステップ906において、制御部130は、ウェイストゲート160を制御して、前段のステップにて計算された修正過給圧を実現する。
【0082】
前記実施形態は、1または場合によってはいくつかのセンサによって得られた情報を使用してウェイストゲート160を制御する、実行可能な方法または処理を実証する。実施形態によっては、これらのさまざまな方法または処理は、組み合わせたり、お互いに連動して使用したりすることもできる。後記する説明は、吸気温度センサ112、吸気湿度センサ114、スロットル角センサ121、エンジン速度センサ125、周囲圧力センサ127、点火時期センサ131、およびノックセンサ133を含む、これまでに説明したセンサのすべてからの情報を使用してウェイストゲート160を制御する方法または処理の実施形態に適用される。しかしながら、当然のことながら、これまでに説明した処理のおのおのからなる多くの他の実行可能な形態が、ウェイストゲート160を制御する別の処理または方法を創造するために組み合わされ得る。特に、異なる作動条件に依存してウェイストゲート160を制御するための異なる方法を使用することは、燃焼装置102の最大効率を実現することを促進するかもしれない。
【0083】
図10は、さまざまな作動条件下における燃焼装置102の最大効率を実現するためにウェイストゲート160を制御する処理のフローチャート1000の実施形態である。ステップ1002において、制御部130は、吸気温度センサ112、吸気湿度センサ114、スロットル角センサ121、エンジン速度センサ125、周囲圧力センサ127、点火時期センサ131、およびノックセンサ133を含む、さまざまなセンサに関係する情報を受信する。さらに、ステップ1002において、制御部130は、エンジン負荷および現在車両速度に関係する情報、またはクルーズモード条件に関係する他の情報を含む、他の情報を受信する。ステップ1002に続き、ステップ1004において、制御部130は、燃焼装置102がノッキングによる制限を受ける領域内に含まれるか否か判定する。制御部130は、周囲圧力センサ127により受信した情報に基づいてこの判定を行ってもよい。すでに説明したとおり、その情報は、さらに高度情報に変換することができる。燃焼装置102がノッキングによる制限を受ける領域内に含まれていなければ、制御部130は、ステップ1006に進む。ステップ1006において、ウェイストゲート160を制御して、最大許容過給圧を実現する。場合によっては、最大許容過給圧は、インジェクタデューティ、駆動系上の制限および燃焼装置102に関係する他の制限を含むさまざまなパラメータによって制限してもよい。
【0084】
ステップ1004において、燃焼装置102がノッキングによる制限を受ける領域内に含まれていると判定したとき、制御部130は、ステップ1008に進む。ステップ1008において、制御部130は、自動車がクルーズモードで作動中であるか否か判定する。もし、エンジンがクルーズモードで作動中であれば、ステップ1010に進む。ステップ1010において、制御部130は、現在の、または事前に設定された車両速度を含む現在クルーズ条件を維持するのに必要な吸気量を計算する。このステップの後、ステップ1012において、制御部130は、スロットル弁120を全開位置に設定して、ウェイストゲート160を制御して、ステップ1010で計算した必要吸気量を実現する。
【0085】
ステップ1008において、自動車がクルーズモードでないと判定したとき、制御部130は、ステップ1014およびステップ1016に同時に進む。ステップ1014において、制御部130は、現在点火時期値、エンジン速度、およびエンジン負荷に従って第1の過給圧を決定する。現在点火時期値は、ステップ1002の点火時期センサ131から受信される。同様にして、エンジン速度値は、ステップ1002のエンジン速度センサ125から受信される。エンジン負荷は、同様に他のセンサからの情報を使用して決定してもよい。ステップ1016において、制御部130は、吸気温度センサ112および吸気湿度センサ114からそれぞれ受信される吸気温度および吸気湿度に従って第2の過給圧を計算する。
【0086】
最後に、ステップ1014およびステップ1016の両方の後、制御部130は、最後のステップ1018に進む。ステップ1018において、制御部130は、ステップ1014で決定した第1の過給圧と、ステップ1016で決定した第2の過給圧とを比較する。そのとき制御部130は、これらの2つの値のうち小さいほうを選択し、ウェイストゲート160を制御して、この選択した過給圧を実現する。
【0087】
ウェイストゲート160を制御する方法を使用すると、動力システム103は、現在作動条件に対する最大動力を実現することができる。
【0088】
本発明の様々な実施形態が記述されてきたが、これらの記述は、本発明を限定するものではなく、本発明の例示にすぎない。本発明の範囲内で、多くの実施形態および実装が可能であることが、当業者には明らかである。したがって、添付される特許請求の範囲およびその均等物に限定して本発明を解釈するべきではない。また、添付される特許請求の範囲の範囲内で、様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 ウェイストゲート制御システム
101 自動車
102 燃焼装置
103 動力システム
106 吸気マニホールド
112 吸気温度センサ
114 吸気湿度センサ
115 インタクーラ
118 スロットル本体
120 スロットル弁
121 スロットル角センサ
125 エンジン速度センサ
127 周囲圧力センサ
130 制御部
131 点火時期センサ
132 第1の接続部
133 ノックセンサ
134 第2の接続部
136 第3の接続部
137 第4の接続部
138 第5の接続部
140 第6の接続部
142 第7の接続部
144 第8の接続部
150 ターボチャージャ
152 タービン
154 コンプレッサ
156 空気吸気口
160 ウェイストゲート
172 第1ホーシング
174 吸気ポート
176 排気ポート
178 第2ホーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置と結合しているウェイストゲート制御システムであって、
ウェイストゲートおよびスロットル角を測定するスロットル角センサと通信する制御部を備え、
前記制御部は、前記スロットル角センサから受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する
ことを特徴とするウェイストゲート制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、吸気温度センサと通信する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、吸気湿度センサと通信する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、エンジン速度センサと通信する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、周囲圧力センサと通信する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、点火時期センサと通信する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、ノックセンサと通信する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項8】
燃焼装置と結合しているウェイストゲート制御システムであって、
ウェイストゲートおよび吸気湿度センサと通信する制御部を備え、
前記制御部は、前記吸気湿度センサから受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する
ことを特徴とするウェイストゲート制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、吸気温度センサと通信する
ことを特徴とする請求項8に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項10】
前記制御部は、スロットル角センサと通信する
ことを特徴とする請求項8に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項11】
前記制御部は、エンジン速度センサと通信する
ことを特徴とする請求項8に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項12】
前記制御部は、周囲圧力センサと通信する
ことを特徴とする請求項8に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項13】
前記制御部は、点火時期センサと通信する
ことを特徴とする請求項8に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項14】
前記制御部は、ノックセンサと通信する
ことを特徴とする請求項8に記載のウェイストゲート制御システム。
【請求項15】
クルーズモード中にウェイストゲートを制御する方法であって、
スロットル角センサから情報を受信し、
現在クルーズ条件に関する情報を受信し、
前記現在クルーズ条件を維持するために必要な動力を決定し、
前記必要な動力を供給するために要求される吸気量を選択し、
前記ウェイストゲートを制御して前記選択された吸気量を実現する、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記現在クルーズ条件は、現在車両速度を含む
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
スロットル角を全開位置に設定する
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
エンジン速度センサから現在エンジン速度を受信する
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記現在エンジン速度を使用して現在クルーズ条件を維持するために必要な動力を決定する
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ウェイストゲートを制御する方法であって、
吸気湿度センサから情報を受信し、
点火時期遅延を解消するのに必要な要求過給圧を決定し、
前記ウェイストゲートを制御して前記要求過給圧を実現する、
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
吸気温度センサから情報を受信する
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記吸気温度センサから受信した情報および前記吸気湿度センサから受信した情報を使用して前記点火時期遅延を解消するのに必要な前記要求過給圧を決定する
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
点火時期センサから情報を受信する
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記点火時期センサから受信した情報に従って現在点火時期遅延を決定する
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ウェイストゲートを制御する方法であって、
点火時期センサ、エンジン速度センサ、吸気温度センサ、および吸気湿度センサを含む複数のセンサから燃焼装置に関係する情報を受信し、
前記点火時期センサおよび前記エンジン速度センサから得られた情報を使用して最大動力を実現する第1の過給圧を計算し、
前記吸気温度センサおよび前記吸気湿度センサから得られた情報を使用して最大動力を実現する第2の過給圧を計算し、
前記第1の過給圧と前記第2の過給圧とを比較し、前記第1の過給圧および前記第2の過給圧のうち小さいほうである最小過給圧を選択し、
前記ウェイストゲートを制御して前記最小過給圧を実現する、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記複数のセンサは、スロットル角センサを含む
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記スロットル角センサから情報を受信する
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
エンジンがクルーズモード中であるときはいつでも前記スロットル角センサから受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記複数のセンサは、ノックセンサを含む
ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記ノックセンサにより受信した情報に従って前記ウェイストゲートを制御する
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
エンジンが、前記ノックセンサから受信した情報により判定される際、ノッキングによる制限をうける領域内に含まれていないと判定されたときはいつでも最大許容過給圧に従って前記ウェイストゲートを制御する
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−504728(P2012−504728A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530167(P2011−530167)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/059002
【国際公開番号】WO2010/039816
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】