説明

ウエハ外周面の研磨方法、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計

【課題】製造効率を向上できるとともに、割れや欠け等の発生を抑えて歩留まりを向上できるウエハ外周面の研磨方法、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供する。
【解決手段】一対の研削テーブル205によりウエハWを厚さ方向両面側から挟持するウエハセット工程と、研磨部材202を、長手方向がウエハWの厚さ方向に沿うように配置して、ウエハWの外周面W1に当接させる当接工程と、研削テーブル205によりウエハWを回転させつつ、研磨部材202を長手方向に沿って往復走行させ、ウエハWを研磨する研磨工程と、を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ外周面の研磨方法、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は様々なものが知られており、例えば音叉型の圧電振動片を有するものや、厚み滑り振動する圧電振動片を有するもの等が知られている。
ところで、上述した圧電振動片は、圧電体である水晶を用いて形成される。具体的には、まず水晶からなる原石の表面に対してロータリー研削や研削ホイール等により研削加工を施した後、原石を所望の切断角度で切断して所望の厚さ及び表面状態のウエハを作製する。その後、ウエハを洗浄、乾燥した後、フォトリソグラフィ技術等を用いて圧電振動片の外形を形成するとともに、ウエハ上に金属膜をパターニングして電極を形成する。これにより、1枚のウエハから複数の圧電振動片を作製している。
【0003】
ところで、研削加工後の原石の表面には、微小な欠けやクラック等が残存しており、後工程において、これら欠けやクラックを起点にしてウエハに大きな欠けや割れ等が発生する虞がある。そのため、圧電振動片の製造工程においては、切断後のウエハの欠けや割れ等を抑制するために、ウエハの外周面に対して面取り加工を施している。
このような方法としては、例えば特許文献1,2に示されるように、複数枚のウエハをワックスや接着剤を介していったん積層し、積層したウエハ積層体の外周面を回転ブラシで研磨する構成が知られている。
また、ウエハの外周面を砥石で研磨する方法も知られている。具体的には、図22に示すように、ウエハWを吸着テーブル301で吸着し、ウエハWの外周面W1を砥石302の外周面に形成された凹溝303内に当接させる。そして、ウエハW及び砥石302をそれぞれ軸心回りに回転させることで、凹溝303の内面形状に倣ってウエハWの外周面W1を研磨できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−310479号公報
【特許文献2】特開2006−231486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した研磨方法のうち、回転ブラシを用いる方法にあっては、ウエハを貼り合わせる工程等が追加になるため、製造効率の低下に繋がるという問題がある。
また、砥石を用いる方法にあっては、シリコンウエハ等の厚さ比較的厚いウエハを研磨することはできるが、圧電振動子の作製に用いる水晶ウエハは非常に薄い(例えば、100μm〜200μm程度)ため、研磨時に割れや欠け等が発生するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、製造効率を向上できるとともに、割れや欠け等の発生を抑えて歩留まりを向上できるウエハ外周面の研磨方法、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係るウエハ外周面の研磨方法は、帯状の研磨部材を用いてウエハの外周面を研磨するウエハ外周面の研磨方法であって、回転可能な一対の保持体からなる保持手段によって前記ウエハを厚さ方向両面側から挟持するウエハセット工程と、前記研磨部材の長手方向を前記ウエハの周方向に沿わせて前記研磨部材を前記ウエハの外周面に当接させる当接工程と、前記保持手段により前記ウエハを回転させる回転動作と、前記研磨部材を長手方向に往復走行させる往復動作とを利用して前記ウエハの外周面の全周に亘って研磨する研磨工程と、を有していることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、上述した従来の回転ブラシを用いる方法と異なり、ウエハを積層させる必要がないので、製造工程の削減が可能になり、製造効率を向上できる。
特に、ウエハの外周面を帯状の研磨部材を用いて研磨することで、研磨部材をウエハの外周形状に馴染むように摺接させることができるため、研磨工程時におけるウエハの欠けや割れ等の発生を抑制ししつつ、ウエハの外周面を高精度に研磨できる。
しかも、一対の保持体により、ウエハを厚さ方向両側から挟持した状態で研磨を行うことで、研磨工程時に研磨部材からウエハの厚さ方向に荷重が加わった場合であっても、ウエハのぶれ等を抑制してウエハの欠けや割れ等の発生を抑制できる。したがって、ウエハの掛けや割れ等の発生を抑制しつつ、ウエハの外周面を高精度に研磨してウエハの剛性を高めることができるので、ウエハの歩留まりを向上させ、高品質なウエハを作製できる。
【0009】
また、前記研磨部材は、前記ウエハの厚さよりも幅広であることを特徴としている。
この構成によれば、研磨部材の幅方向の中央部分がウエハの外周面に摺接するとともに、ウエハの外周面に摺接しない研磨部材の幅方向両側部分がウエハの表面側および裏面側に回り込むように湾曲されるので、この研磨部材の湾曲部分がウエハの角部に摺接して、ウエハの角部を面取り(R面取り)することができる。したがって、後工程においてウエハの角部に器具等が接触した場合であっても、ウエハの欠けや割れを確実に抑制できる。
【0010】
また、前記保持体は、該保持体の周縁部に径方向外側から径方向内側に向かって厚さが増加し、前記ウエハの表裏面に対してそれぞれ鋭角となる傾斜面を備えることを特徴としている。
この構成によれば、ウエハの湾曲部分の角度が傾斜面よりも鋭角になるのが防止されるため、安定的に角部を面取り(R面取り)することができる。
【0011】
また、前記研磨工程では、前記研磨部材に張力を付与することを特徴としている。
この構成によれば、研磨部材の緩みを防止して、ウエハの外周面に対して略一定の力で研磨部材を押し付けることができるので、ウエハの外周面を均一かつ効率的に研磨できる。
【0012】
また、本発明に係る圧電振動片の製造方法は、上記本発明のウエハ外周面の研磨方法により研磨されたウエハを利用して圧電振動片を製造する方法であって、研磨後の前記ウエハに複数の圧電振動片の外形形状をパターニングする外形形成工程と、複数の前記圧電振動片の外表面上に電極膜をパターニングして、所定の電圧が印加されたときに前記圧電振動片を振動させる励振電極、及び引き出し電極を介して前記励振電極に電気的に接続されるマウント電極、をそれぞれ形成する電極形成工程と、前記複数の圧電振動片を前記ウエハから切り離して固片化する切断工程と、を有していることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明のウエハ外周面の研磨方法により研磨された高品質なウエハを利用して圧電振動片を製造することで、製造途中におけるウエハの欠けや割れ等の発生を抑制し、圧電振動片の歩留まりを向上できる。その結果、低コストで、かつ振動特性に優れた高品質な圧電振動片を製造できる。
【0013】
また、本発明に係る圧電振動片は、上記本発明の圧電振動片の製造方法を用いて製造されたことを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明の圧電振動片の製造方法を用いて製造されているため、低コストで、振動特性に優れた高品質な圧電振動片を提供することができる。
【0014】
また、本発明に係る圧電振動子は、上記本発明の圧電振動片がパッケージに気密封止されてなることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明の圧電振動片がパッケージに気密封止されているため、振動特性に優れた高品質な圧電振動子を提供することができる。
【0015】
また、本発明の発振器は、上記本発明の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の電子機器は、上記本発明の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の電波時計は、上記本発明の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴としている。
【0018】
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、歩留まりが向上するとともに、高品質な発振器、電子機器及び電波時計を提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のウエハ外周面の研磨方法によれば、製造効率を向上できるとともに、割れや欠け等の発生を抑えて歩留まりを向上できる。
本発明の圧電振動片の製造方法、圧電振動片によれば、製造途中におけるウエハの欠けや割れ等の発生を抑制し、歩留まりを向上できるため、低コストで振動特性に優れた高品質な圧電振動片を提供することができる。
本発明の圧電振動子によれば、振動特性に優れた高品質な圧電振動子を提供することができる。
本発明の発振器、電子機器及び電波時計においては、歩留まりが向上するとともに、高品質な発振器、電子機器及び電波時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る圧電振動子を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
【図5】圧電振動片の平面図である。
【図6】圧電振動片の底面図である。
【図7】図5のB−B線における断面図である。
【図8】圧電振動子の製造方法を示すフローチャートである。
【図9】圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。
【図10】ウエハ接合体の分解斜視図である。
【図11】研磨装置の概略構成図であり、外周面研磨工程を説明するための説明図である。
【図12】外周面研磨工程におけるウエハを示す図11のC−C線に沿う断面図であり、(a)は外周研磨直前のウエハ、(b)は外周研磨後のウエハである。
【図13】圧電振動片の製造工程を示す図であって、ウエハの断面図である。
【図14】圧電振動片の製造工程を示す図であって、ウエハの平面図である。
【図15】圧電振動片の製造工程を示す図であって、図14のD−D線に沿う断面図である
【図16】圧電振動片の製造工程を示す図であって、両面をそれぞれエッチング加工したウエハの図15に相当する断面図である。
【図17】圧電振動片の製造工程を示す図であって、フォトレジスト膜を除去したウエハの図15に相当する断面図である。
【図18】圧電振動片の製造工程を示す図であって、エッチング加工後にエッチング保護膜を除去したウエハの図15に相当する断面図である。
【図19】本発明の実施形態における発振器の概略構成図である。
【図20】本発明の実施形態における携帯情報機器の概略構成図である。
【図21】本発明の実施形態における電波時計の概略構成図である。
【図22】従来の研磨装置の概略構成図(側面図)である。
【図23】本発明の実施形態の変形例における図12に相当する断面図であり、(a)は外周研磨直前のウエハの外周部分の拡大図、(b)は外周研磨後のウエハの外周部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
(圧電振動子)
図1は、本実施形態における圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図である。また図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図ある。また、図3は図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図であり、図4は圧電振動子の分解斜視図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、互いに接合された複数の基板2,3の間に形成されたキャビティC内に、電子部品としての圧電振動片4が封入されたパッケージ5を備える表面実装型の構成とされている。パッケージ5は、ベース基板2とリッド基板3とで2層に積層された箱状に形成されている。なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21の図示を省略している。
【0022】
図5は圧電振動片の上面から見た平面図であり、図6は下面から見た平面図である。また、図7は図5のB−B線に沿う断面図である。
図5〜図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
【0023】
この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13および第2の励振電極14からなる励振電極15と、第1の励振電極13に電気的に接続されたマウント電極16と、第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極17とを有している。
また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の振動腕部10,11の両主面上に、振動腕部10,11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。この溝部18は、振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
【0024】
励振電極13、14は、図7に示すように、一対の振動腕部10,11の主面上に形成される。励振電極13,14は、例えば、クロム(Cr)等の単層の導電性膜により形成される。第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近する方向および離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。
【0025】
また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に電気的に接続されている。そして圧電振動片4は、このマウント電極16,17を介して電圧が印加されるようになっている。
なお、マウント電極16,17及び引き出し電極19,20は、例えばクロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、表面に金の薄膜を施したものである。
【0026】
また、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。なお、この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
【0027】
このように構成された圧電振動片4は、図3,図4に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の内面にバンプ接合されている。より具体的には、ベース基板2の第1面(図3中上面)にパターニングされた後述する引き回し電極36,37上に形成された2つのバンプB上に、一対のマウント電極16、17(図5,図6参照)がそれぞれ接触した状態でバンプ接合されている。
【0028】
リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であり、図1,図3,図4に示すように、板状に形成されている。そして、ベース基板2が接合される接合面側には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2,3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。
【0029】
また、図3に示すように、リッド基板3のベース基板2との接合面には、陽極接合用の接合材35が形成されている。接合材35は、例えばアルミニウムやシリコン等の導電性材料からなり、スパッタやCVD等の成膜方法により形成される。そして、リッド基板3は、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態で、接合材35を介してベース基板2に陽極接合されている。これにより、キャビティCが真空封止される。
【0030】
ベース基板2は、リッド基板3と同様に、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板であり、図1〜図4に示すように、板状に形成されている。
図3に示すように、このベース基板2には、ベース基板2を貫通する一対の貫通孔30,31が形成されている。貫通孔30は、ベース基板2の第1面から第2面(図3中下面)に向けて漸次拡径する逆テーパ状に形成されている。図2に示すように、本実施形態の貫通孔30,31は、マウントされた圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一方の貫通孔30が形成され、振動腕部10,11の先端側に対応した位置に他方の貫通孔31が形成されている。
【0031】
そして図3に示すように、これら一対の貫通孔30,31には、貫通孔30、31を埋めるように一対の貫通電極32,33が形成されている。これら貫通電極32,33は、ベース基板2を厚さ方向に貫通し、ベース電極2のキャビティCの内側と圧電振動子1の外側とを導通する。また貫通電極32,33は、焼成によって貫通孔30,31に対して一体的に固定された筒体6及び芯材部7によって形成されたものであり、貫通孔30,31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する外部電極38,39と引き回し電極36、37とを導通させる役割を担っている。
【0032】
筒体6は、後述するペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で、且つベース基板2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。そして、筒体6の中心には、芯材部7が筒体6を貫通するように配されている。筒体6及び芯材部7は、貫通孔30,31内に埋め込まれた状態で焼成されており、貫通孔30,31に対して強固に固着されている。
【0033】
芯材部7は、ステンレスや銀、Ni合金、アルミ等の金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体6と同様に両端が平坦で、且つベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。この芯材部7は、筒体6の中心孔6cに位置しており、筒体6の焼成によって筒体6に対して強固に固着されている。なお、貫通電極32,33は、導電性の芯材部7を通して電気導通性が確保されている。また、芯材部7を形成する金属材料としては、例えば、鉄(Fe)を58重量パーセント含有し、Niを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)も採用することができる。
【0034】
また図4に示すように、一対の引き回し電極36,37は、一対の貫通電極32,33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動片4の一方のマウント電極16(図2参照)とを電気的に接続するとともに、他方の貫通電極33と圧電振動片4の他方のマウント電極17(図2参照)とを電気的に接続するようにパターニングされている。
より詳しく説明すると、一方の引き回し電極36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置するように一方の貫通電極32の真上に形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿って振動腕部10,11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
【0035】
そして、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片4がマウントされている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
【0036】
また、ベース基板2の外面には、図1,図3,図4に示すように、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38,39が形成されている。つまり、一方の外部電極38は、一方の貫通電極32及び一方の引き回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。また、他方の外部電極39は、他方の貫通電極33及び他方の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2の励振電極14(図2参照)に電気的に接続されている。
【0037】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することで、一対の振動腕部10、11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用することができる。
【0038】
(圧電振動子の製造方法)
次に、図8〜図18に基づいて、圧電振動子1の製造方法について説明する。図8は圧電振動子の製造方法を示すフローチャート、図9は圧電振動片作製工程を示すフローチャート、図10はウエハ接合体の分解斜視図である。
図8,図10に示すように、この圧電振動子1の製造方法においては、複数のベース基板2が連なるベース基板用ウエハ40と、複数のリッド基板3が連なるリッド基板用ウエハ50との間に、複数の圧電振動片4を封入してウエハ接合体60を形成し、ウエハ接合体60を切断することにより複数の圧電振動子1を同時に製造する方法について説明する。なお、図10に示す破線Mは、切断工程で切断する切断線を図示したものである。
【0039】
本実施形態における圧電振動子1の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S40以降)と、を有している。これらのうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)、及びベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。
【0040】
(圧電振動片作製工程)
まず、図8,図9に示すように、圧電振動片作製工程(S10)を行って圧電振動片4(図5,図6参照)を作製する。具体的には、ロータリー研削や研削ホイール等により研削加工を施した水晶のランバート原石を、所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハW(図12参照)とする。続いて、ウエハWをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面加工を行なって、所定の厚みとする(S110)。なお、本実施形態のウエハWは、例えば直径が3インチ、厚さが80μm〜200μm程度の円板形状のウエハを用いている。
【0041】
図11は、研磨装置の概略構成図であり、ウエハWの外周面W1を研磨する外周面研磨工程を説明するための説明図である。
図11に示すように、ウエハWの外周面W1を研磨する外周面研磨工程を行う(S120)。ここで、この外周研磨工程(S120)に使用する研磨装置200について説明する。研磨装置200は、ウエハWを保持する保持機構201と、帯状の研磨部材202を供給するための研磨部材供給機構203と、研磨部材202とウエハWとの間にクーラントを供給するためのクーラント供給機構(不図示)と、を備えて構成される。
【0042】
図12(a)を更に参照して、保持機構201は、ウエハWを厚さ方向両側から挟持する一対の研削テーブル(保持体)205a,205bからなる保持手段205を備えている。研削テーブル205a,205bは、軸心J回りに回転可能とされると共にウエハWの径方向および軸心J方向にそれぞれ移動可能とされ、ウエハWの直径よりも僅かに小さい円板形状に形成される。つまり、保持手段205は、ウエハWの中心軸と研削テーブル205a,205bの軸心Jとがそれぞれ同軸上に配置されるように軸心J方向に移動してウエハWを厚さ方向両側から挟持し、さらにウエハWを挟持した状態で径方向に移動可能となっている。
【0043】
研磨部材供給機構203は、研磨部材202が巻回される供給ローラ210および巻取りローラ211と、研磨部材202の走行方向において各ローラ210,211間に配置されるテンショナー212と、を備えている。
【0044】
研磨部材202は、ウエハWの厚さ寸法よりも幅広の帯状とされ、柔軟性に富む帯状の基材の表面に研磨粒子を接着剤等で固定して形成される。研磨部材202の材料としては、例えば幅2〜3cm、厚さ100μm程度の樹脂製(例えば、ビニール、ナイロン等)の基材上に、メタルボンドを介してダイヤ粒子を付着させたものが好適に用いられている。また、研磨粒子(ダイヤ粒子)の粒度は、例えば#600〜#3000程度のものが好ましい。
【0045】
供給ローラ210は、シャフト213に回転可能に支持されたリール本体214と、リール本体214を回転させるモーター等の駆動手段(不図示)と、を備え、リール本体214には、未使用の研磨部材202が巻回される。このリール本体214が正転(図11中T1参照)された場合、研磨部材202が下流側へ順次繰り出されるようになっている。
【0046】
一方、巻取りローラ211は、上述した供給ローラ210と略同一の構成であり、シャフト221に回転可能に支持されたリール本体222および駆動手段(不図示)を備えて構成される。巻取りローラ211のリール本体222と、供給ローラ210のリール本体214との間には、研磨部材202が架け渡されており、リール本体222が正転(図11中T1参照)することで、供給ローラ210から供給される研磨部材202が順次巻き取られる。
【0047】
供給ローラ210とウエハWとの間、および、巻取りローラ211とウエハWとの間には、それぞれ研磨部材202の緩みを防止するテンショナー212が配置される。このテンショナー212は、研磨部材202の走行に従動して回転するテンションローラ223と、研磨部材202を押圧する方向にテンションローラ223を付勢する付勢手段(図示せず)とを備えて構成される。ここで、テンションローラ223は、研磨部材202を案内するガイドローラとしても機能するようになっている。なお、付勢手段により研磨部材202が押圧される荷重は、数百g程度である。
【0048】
そして、研削テーブル205a,205bの軸心Jは、ウエハWの外周面W1を研磨している際、各ローラ210,211の互いの軸心を結ぶ線Lに対して、ウエハWの径方向で離間される方向にずれて配置される。
【0049】
このように構成された研磨装置200を用いてウエハWの外周面研磨を行う際、本実施形態では粒度の粗い(例えば、#600程度)研磨部材202でウエハWを荒削りする第1研磨工程と、第1研磨工程よりも粒度が細かい(例えば、#1000程度)研磨部材202でウエハWを微削りする第2研磨工程と、を有している。
【0050】
まず第1研磨工程において、ウエハWを保持手段205にセットする(ウエハセット工程)。具体的には、ウエハWの軸心と研削テーブル205a,205bの軸心Jとを一致させた状態で、下方の研削テーブル205bの上にウエハWを載置する。その後、上方の研削テーブル205aを軸心J方向に移動(下降)させて、研削テーブル205a,205b間にウエハWを厚さ方向両側から挟持する。なお、この際の研削テーブル205a,205bによるウエハWへの押圧力は500N程度に設定する。このとき、研削テーブル205a,205bは、ウエハWに比べて僅かに小さく形成されているため、研削テーブル205a,205bの外周面から径方向外側に向けてウエハWの外周部分のみが僅か(例えば、5mm程度)に突出した状態で保持される。
【0051】
さらに、各ローラ210,211間に研磨部材202を架け渡すとともに、研磨部材202をテンションローラ223にガイドさせた状態で、保持手段205を、各ローラ210,211の互いの軸心を結ぶ線Lから離間される方向に移動させ、ウエハWの外周面W1が研磨部材202の研磨面に当接する位置まで移動させる(当接工程)。このとき、ウエハWの外周面W1の全周のうち、例えば、1/2〜1/3程度に研磨部材202が当接される。
【0052】
さらに、ウエハWの厚さ寸法よりも研磨部材202の幅方向の寸法が大きく、且つ、研磨部材202が柔軟性を有しているため、ウエハWの外周面W1に接している研磨部材202に、各ローラ210,211を結ぶ線Lに近づく方向の張力が作用し、その結果、図12(a)に示すように研磨部材202の幅方向の両側が、ウエハWの径方向内側に向かって回り込むように湾曲され、その端縁がウエハWの表裏面に対して鋭角(例えば、45度程度)となる。
【0053】
次いで、研磨部材供給機構203の作動を開始すると、各ローラ210,211が正転方向(図11中T1参照)及び逆転方向(図11中T2参照)に往復回転され、研磨部材202がウエハWの厚さ方向に沿って往復移動する(図11中Q参照)。また、この際、保持手段205が軸線J周り(例えば、図11の矢印方向)に比較的低速で回転され、さらに、ウエハWと研磨部材202との間にクーラントが供給される。ここで、各ローラ210,211の正転方向の振幅は、逆転方向の振幅よりも大きく設定されており、これにより供給ローラ210に巻回された未使用の研磨部材202が除々に供給されることとなる。
【0054】
そして、上述したように研磨部材202がウエハWの外周面W1に倣うように走行されることで、図12(b)に示すように、研磨部材202の湾曲された部分にウエハWの角部が研磨され、外周面W1の全周が曲面に研磨(R面取り)される。なお、研磨終了の判断は、画像判定等により行われる。
【0055】
第1研磨工程の終了後、粒度の細かい研磨部材202を用いて、上述した第1研磨工程と同様の方法により、第2研磨工程が行われる。これにより、ウエハWの外周面W1の表面粗さ(鏡面性)が向上されて外周面W1の傷や凹凸がなくなるため、研磨中だけではなく、後工程においてウエハWの角部に器具等が接触した場合であっても割れやクラックの発生が抑制され、この結果、ウエハWの剛性を高めることができる。
【0056】
次に、ウエハWをフォトリソ技術によってエッチングして、ウエハWに複数の圧電振動片4の外形形状を形成する外形形成工程を行う。まず、図13に示すように、ウエハWの両面にエッチング保護膜230をそれぞれ成膜して、圧電振動片4の外形パターンを形成する(S130)。このエッチング保護膜230としては、例えば、クロム(Cr)を数μm成膜する。次いで、エッチング保護膜230上に図示しないフォトレジスト膜を、フォトリソグラフィ技術によってパターニングする。この際、一対の振動腕部10,11、及び基部12で構成される圧電振動片4の周囲を囲むようにパターニングする。そして、このフォトレジスト膜をマスクとしてエッチング加工を行い、マスクされていないエッチング保護膜230を選択的に除去する。そして、エッチング加工後にフォトレジスト膜を除去する。
【0057】
これにより、図14,図15に示すように、エッチング保護膜230を圧電振動片4の外形形状、即ち、一対の振動腕部10,11及び基部12の外形形状に沿ってパターニングすることができる。この際、複数の圧電振動片4の数だけパターニングを行う。なお、図15は、図14に示すD−D線に沿う断面図である。
【0058】
次いで、上述したように予めパターニングされたエッチング保護膜230をマスクとして、ウエハWの両面をそれぞれエッチング加工する(S140)。これにより、図16に示すように、エッチング保護膜230でマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電振動片4の外形形状を形作ることができる。
【0059】
続いて、一対の振動腕部10,11の主面上に溝部18を形成する溝部形成工程を行う(S150)。具体的には、上述した外形形成時と同様に、エッチング保護膜230上にフォトレジスト膜を成膜する。そして、フォトリソグラフィ技術によって、溝部18の領域を空けるようにフォトレジスト膜をパターニングする。そして、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてエッチング加工を行い、エッチング保護膜230を選択的に除去する。
その後、フォトレジスト膜を除去することで、図17に示すように、既にパターニングされたエッチング保護膜230を、溝部18の領域を空けた状態でさらにパターニングすることができる。
【0060】
次いで、この再度パターニングされたエッチング保護膜230をマスクとして、ウエハWをエッチング加工した後、マスクとしていたエッチング保護膜230を除去する。これにより、図18に示すように、一対の振動腕部10,11の両主面上に溝部18をそれぞれ形成することができる。以上により、外形形成工程が終了する。なお、この時点において複数の圧電振動片4は、図示しない連結部を介してウエハWに連結された状態となっている。
【0061】
次いで、複数の圧電振動片4の外表面上に電極膜をパターニングして、励振電極13,14、引き出し電極19,20、及びマウント電極16,17をそれぞれ形成する電極形成工程を行う(S160)。具体的には、溝部18が形成された圧電振動片4の外表面に、蒸着法やスパッタリング法等により電極膜を成膜し、この後、電極膜にエッチング加工を施すことにより形成する。
【0062】
電極形成工程(S160)が終了した後、一対の振動腕部10,11の先端に周波数調整用の粗微調膜21a、及び微調膜21bからなる重り金属膜21を形成する(重り金属膜形成工程、S170)。重り金属膜21は、まず微調膜21bを形成した後、この上から粗微調膜21aを形成するように積層構造になっている。なお、微調膜21bは、この膜厚が例えば約1500Å程度に設定されている一方、粗微調膜21aは、この膜厚が例えば約3μm程度に設定されている。
【0063】
続いて、不図示のトリミング装置を用いてウエハWに形成された全ての振動腕部10,11に対して、周波数を粗く調整する粗調工程を行う(S180)。なお、振動腕部10,11の周波数をより高精度に調整する微調工程(S80)に関しては、圧電振動片4をパッケージ5に封止した後に行う。
【0064】
粗調工程(S180)が終了した後、最後にウエハWと圧電振動片4とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片4をウエハWから切り離して個片化する切断工程を行う(S190)。これにより、1枚のウエハWから、音叉型の圧電振動片4を一度に複数製造することができる。
この時点で、圧電振動片4の製造工程が終了し、図5に示す圧電振動片4を得ることができる。
【0065】
(リッド基板用ウエハ作製工程)
次に、図8,図10に示すように、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するリッド基板用ウエハ作製工程を行う(S20)。
具体的には、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。
【0066】
次いで、リッド基板用ウエハ50の第1面50a(図10における下面)に、エッチング等により行列方向にキャビティC用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。
続いて、後述するベース基板用ウエハ40との間の気密性を確保するために、ベース基板用ウエハ40との接合面となるリッド基板用ウエハ50の第1面50a側を少なくとも研磨する研磨工程(S23)を行い、第1面50aを鏡面加工する。
【0067】
次に、リッド基板用ウエハ50の第1面50a全体(ベース基板用ウエハ40との接合面及び凹部3aの内面)に接合材35を形成する接合材形成工程(S24)を行う。このように、接合材35をリッド基板用ウエハ50の第1面50a全体に形成することで、接合材35のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。なお、接合材35の形成は、スパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。また、接合材形成工程(S24)の前に接合面を研磨しているので、接合材35の表面の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現することができる。
以上により、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)が終了する。
【0068】
(ベース基板用ウエハ作製工程)
次に、上述した工程と同時、または前後のタイミングで、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態まで作製するベース基板用ウエハ作製工程を行う(S30)。
まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチング等により最表面の加工変質層を除去した円板状のベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。
【0069】
次いで、例えばプレス加工等により、ベース基板用ウエハに一対の貫通電極32,33を配置するための貫通孔30,31を複数形成する貫通孔形成工程を行う(S32)。具体的には、プレス加工等によりベース基板用ウエハ40の第1面40aから凹部を形成した後、少なくともベース基板用ウエハ40の第2面40b側から研磨することで、凹部を貫通させ、貫通孔30,31を形成することができる。
【0070】
続いて、貫通孔形成工程(S32)で形成された貫通孔30,31内に貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程(S33)を行う。
これにより、貫通孔30,31内において、芯材部7がベース基板用ウエハ40の両面40a,40b(図10における上下面)に対して面一な状態で保持される。以上により、貫通電極32,33を形成することができる。
【0071】
次に、ベース基板用ウエハ40の第2面40bに導電性材料をパターニングして引き回し電極形成工程を行う(S34)。このようにして、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)が終了する。
【0072】
(組立工程)
続いて、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)で作製されたベース基板用ウエハ40の各引き回し電極36,37上に、圧電振動片作製工程(S10)で作製された圧電振動片4を、それぞれ金等のバンプBを介してマウントする(S40)。
そして、上述した各ウエハ40,50の作製工程で作製されたベース基板用ウエハ40、及びリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる、重ね合わせ工程を行う(S50)。具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位置にアライメントする。これにより、マウントされた圧電振動片4が、リッド基板用ウエハ50に形成された凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収納された状態となる。
【0073】
重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、図示しない保持機構によりウエハ40,50の外周部分をクランプした状態で、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程を行う(S60)。具体的には、接合材35とベース基板用ウエハ40との間に所定の電圧を印加する。すると、接合材35とベース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合されたウエハ接合体60を得ることができる。
【0074】
その後、一対の貫通電極32,33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39を形成し(S70)、圧電振動子1の周波数を微調整する(S80)。そして、接合されたウエハ接合体60を切断線Mに沿って切断する個片化工程(S90)を行う。
【0075】
そして、電気特性検査工程(S100)では、圧電振動子1の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等も併せてチェックする。最後に、圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。
以上により、圧電振動子1が完成する。
【0076】
以上のように、本実施形態では、研削テーブル205a,205bによりウエハWを厚さ方向両側から挟持した状態で、ウエハWを回転させながら、帯状の研磨部材202をウエハWの外周面に沿って走行させ、ウエハWの外周面W1を研磨する構成とした。
この構成によれば、従来の回転ブラシを用いる方法と異なり、ウエハWを積層させる必要がないので、製造工程の削減が可能になり、製造効率を向上できる。
特に、ウエハWの外周面W1を帯状の研磨部材202を用いて研磨することで、研磨部材202がウエハWの外周面W1の形状に馴染むように摺接する。これにより、圧電振動片用の薄いウエハWであっても、欠けや割れ等の発生を抑制した上で、ウエハWの外周面W1を高精度に研磨できる。
しかも、一対の研削テーブル205a,205bにより、ウエハWを厚さ方向両側から挟持した状態で研磨を行うことで、ウエハWの剛性を高めることができるので、外周面研磨工程(S120)時に研磨部材202からウエハWの厚さ方向に沿って荷重が付与された場合であっても、ウエハWのぶれ等を抑制してウエハWの欠けや割れ等の発生を抑制できる。
その結果、ウエハWの歩留まりを向上させ、高品質なウエハWを作製できる。
【0077】
また、従来の回転ブラシを用いる方法では、積層体のウエハ間に回転ブラシが入り込んでしまい、ウエハの表面まで研磨してしまうという問題がある。この場合には、ウエハWの有効面積(圧電振動片4の作製可能範囲)が縮小する虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、ウエハWの表面が研磨されることもないので、ウエハWの品質をより安定させることができる。また、ウエハWの有効面積が縮小することもないので、一枚のウエハWからより多くの圧電振動片4を取り出すことができる。よって、低コストな圧電振動片4を提供できる。
【0078】
さらに、本実施形態の外周面研磨工程(S120)では、ウエハWの表面に対して鋭角に研磨部材202の幅方向の両側が当接されることで、ウエハWの角部を面取り(R面取り)できるので、後工程においてウエハWの角部に器具等が接触した場合であっても、ウエハWの欠けや割れを確実に抑制できる。
また、テンショナー212により研磨部材202に張力を付与することで、各ローラ210,211間における研磨部材202の緩みを防止して、ウエハWの外周面W1に対して所望の力で研磨部材202を押し付けることができる。よって、ウエハWの外周面W1を効率的に研磨できる。
【0079】
そして、このように研磨された高品質なウエハWを利用して圧電振動片4を製造することで、製造途中におけるウエハWの欠けや割れ等の発生を抑制して、圧電振動片4の歩留まりを向上できる。その結果、低コストで振動特性に優れた高品質な圧電振動片4を製造できる。
さらに、この圧電振動片4がパッケージ5に気密封止されているため、振動特性に優れた高品質な圧電振動子1を提供することができる。
【0080】
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図19を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図19に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片5が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0081】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片5が振動する。この振動は、圧電振動片5が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。
これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0082】
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた高品質な発振器100を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0083】
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図20を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
【0084】
(携帯情報機器)
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図20に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0085】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0086】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片5が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0087】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0088】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0089】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。さらに、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0090】
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0091】
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた高品質な携帯情報機器110を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
【0092】
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図21を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図21に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0093】
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
【0094】
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0095】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0096】
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた高品質な電波時計130を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
【0097】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、音叉型の圧電振動片を用いた圧電振動子を例に挙げて本発明を説明したが、これに限らず、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)を用いた圧電振動子等に、本発明を適用しても構わない。
【0098】
また、上述した外周面研磨工程(S120)における各研磨条件は、適宜設定変更が可能である。
さらに、研磨部材202への張力の付与方法は、適宜設計変更が可能である。例えば、各ローラ210,211を移動可能に構成し、これら各ローラ210,211を弾性部材等により付勢することで、テンショナー212を省略してもよい。
【0099】
また上述した実施形態では、2種類の研磨部材202を用いてウエハWの外周面W1を二段階に亘って研磨する場合について説明したが、これに限らず、1段階でもよく、3段階以上でも構わない。
【0100】
さらに、上述した実施形態では、保持手段205の研削テーブル205a,205bを用いてウエハWを厚さ方向両側から挟持する場合を一例に説明したが、この構成に限られるものではなく、例えば、ウエハWの表・裏面を真空吸着により固定可能な真空吸着パッド等を用いても良い。
【0101】
また、上述した実施形態では、研削テーブル205a,205bの外周面がウエハW1の厚さ方向と平行な場合を一例に説明したが、これに限られず、例えば、上述した実施形態の変形例として図23(a)に示すように、研削テーブル205a,205bの周縁に、その径方向外側から径方向内側に向かって厚さが増加する傾斜面205cを形成するようにしても良い。この傾斜面205cは、ウエハの表裏面に対してそれぞれ鋭角に形成され、研削テーブル205a,205bの全周に亘って形成される。このように構成することで、図23(b)に示すように、研磨されることで形成されるウエハWの周縁の曲面部分W2の角度が傾斜面205cよりも鋭角になるのを防止することができるため、安定的にウエハWの周縁の角部を面取り(R面取り)することができる。
【0102】
さらに、上述した実施形態では、ウエハWの外周面研磨を行う際に、ウエハWの外周面の全周を研磨するために、保持手段205を比較的低速で回転させる場合について説明したが、保持手段205の回転を研磨に積極的に利用するべく高速回転させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 圧電振動子
4 圧電振動片
5 パッケージ
13,14,15 励振電極
16,17 マウント電極
19,20 引き出し電極
100 発振器
101 発振器の集積回路
110 携帯情報機器(電子機器)
113 電子機器の計時部
130 電波時計
131 電波時計のフィルタ部
202 研磨部材
205 保持手段
205a,205b 研削テーブル(保持体)
C キャビティ
W ウエハ
W1 外周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の研磨部材を用いてウエハの外周面を研磨するウエハ外周面の研磨方法であって、
回転可能な一対の保持体からなる保持手段によって前記ウエハを厚さ方向両面側から挟持するウエハセット工程と、
前記研磨部材の長手方向を前記ウエハの周方向に沿わせて前記研磨部材を前記ウエハの外周面に当接させる当接工程と、
前記保持手段により前記ウエハを回転させる回転動作と、前記研磨部材を長手方向に往復走行させる往復動作とを利用して前記ウエハの外周面の全周に亘って研磨する研磨工程と、を有していることを特徴とするウエハ外周面の研磨方法。
【請求項2】
前記研磨部材は、前記ウエハの厚さよりも幅広であることを特徴とする請求項1記載のウエハ外周面の研磨方法。
【請求項3】
前記保持体は、該保持体の周縁部に径方向外側から径方向内側に向かって厚さが増加し、前記ウエハの表裏面に対してそれぞれ鋭角となる傾斜面を備えることを特徴とする請求項2に記載のウエハ外周面の研磨方法。
【請求項4】
前記研磨工程では、前記回動動作により前記ウエハが一定速度で回転されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のウエハ外周面の研磨方法。
【請求項5】
前記研磨工程では、前記研磨部材に張力を付与することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のウエハ外周面の研磨方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のウエハ外周面の研磨方法により研磨されたウエハを利用して圧電振動片を製造する方法であって、
研磨後の前記ウエハに複数の圧電振動片の外形形状をパターニングする外形形成工程と、
複数の前記圧電振動片の外表面上に電極膜をパターニングして、所定の電圧が印加されたときに前記圧電振動片を振動させる励振電極、及び引き出し電極を介して前記励振電極に電気的に接続されるマウント電極、をそれぞれ形成する電極形成工程と、
前記複数の圧電振動片を前記ウエハから切り離して固片化する切断工程と、を有していることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の圧電振動片の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする圧電振動片。
【請求項8】
請求項7に記載の圧電振動片がパッケージに気密封止されてなることを特徴とする圧電振動子。
【請求項9】
請求項8に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項10】
請求項8に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項8に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−187689(P2012−187689A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54901(P2011−54901)
【出願日】平成23年3月13日(2011.3.13)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】