説明

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

【課題】 難燃性付与剤を使用することなく高い難燃性を有し、かつ耐半田リフロー性および生産性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を提供すること。
【解決手段】 (A)フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型のエポキシ樹脂、(B)ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型のフェノール樹脂、(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン、(D)酸化ポリエチレン、及び(E)無機充填剤を必須成分とし、(E)無機充填剤を全エポキシ樹脂組成物中に84重量%以上、92重量%以下含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からダイオード、トランジスタ、集積回路等の電子部品は、主にエポキシ樹脂組成物を用いて封止されている。特に集積回路では、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及び溶融シリカ、結晶シリカ等の無機充填剤を配合した耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物が用いられている。ところが近年、電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場動向において、半導体素子の高集積化が年々進み、また半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体素子の封止に用いられているエポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってきている。特に半導体装置の表面実装化が一般的になってきている現状では、吸湿した半導体装置が半田リフロー処理時に高温にさらされる。更に、環境負荷物質の撤廃の一環として、鉛を含まない半田への代替が進められており、従来の半田に比べ融点が高いため表面実装時のリフロー温度は、従来よりも20℃程度高く、260℃が必要とされる。その為、半導体装置が従来以上に高い温度にさらされることになり、半導体素子やリードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生し、半導体装置にクラックを生じる等、半導体装置の信頼性を大きく損なう不良が生じ易くなっている。
【0003】
また、リードフレームについても脱鉛の観点から、外装半田メッキの代わりに予めNiやNi−Pd、Ni−Pd−Au等でメッキを施したプレプレーティングフレームを用いた半導体装置が増加している。これらのメッキはエポキシ樹脂組成物の硬化物との密着性が著しく悪いという欠点があり、表面実装時に界面において剥離が発生する等の問題が生じており、これらの不良の防止、即ち耐半田リフロー性の向上が求められている。
【0004】
通常、エポキシ樹脂組成物中には難燃性を付与するために臭素含有有機化合物等のハロゲン系難燃剤、及び三酸化ニアンチモン、四酸化ニアンチモン等のアンチモン化合物が配合されていることが多いが、前記と同様に環境負荷物質の撤廃の観点から、ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物を使用しないで、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物の開発が要求されている。これらに代わる環境対応の難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等が用いられるようになってきている。しかし、これらは多量に配合しないと難燃性の硬化が発現せず、しかも充分な難燃性が得られる程度に配合量を増やすとエポキシ樹脂組成物の成形時の流動性、硬化性及び硬化物の機械強度が低下し、耐半田リフロー性を悪化させる恐れがある。
【0005】
実装温度の上昇に伴う耐半田リフロー性の低下については、低吸水性のエポキシ樹脂や硬化剤を適用することにより(例えば、特許文献1、2、3参照。)対応がとられてきた。しかし、これらのエポキシ樹脂組成物では耐燃性が不足しているため難燃剤を添加しなければならず、また、前記のようなプレプレーティングフレームに対しての密着性も低く、これらのフレームを使用したパッケージでは特に信頼性が劣るという問題がある。更に、架橋密度が低く硬化直後の成形物が軟らかい為、連続生産では金型への樹脂とられ等の成形性での不具合が生じ、生産性を低下させる問題があった。
生産性向上への取り組みとしては酸化ポリエチレンを添加する方法(例えば、特許文献4、5参照。)が提案されているが、酸化ポリエチレンのみで十分な離型性を得る為には配合量を多くする必要があり、その場合、密着性の低下を引き起こす。また、酸化ポリエチレンの分散を向上させる目的でジメチルシロキサンを主鎖とするエポキシポリエーテルシリコーンを併用する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)が、ポリエーテル鎖を有するシリコーンオイルは生産面では非常に良好であるが、ポリエーテル鎖により吸湿性が高くなり耐半田リフロー性を低下させる問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平1−275618号公報(第1〜5頁)
【特許文献2】特開平5−097965号公報(第2〜6頁)
【特許文献3】特開平5−097967号公報(第2〜7頁)
【特許文献4】特開平8−258077号公報(第2〜9頁)
【特許文献5】特開平11−152393号公報(第2〜5頁)
【特許文献6】特開平5−315472号公報(第2〜7頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、難燃性付与剤を使用することなく高い耐燃性を有し、かつ耐半田リフロー性、生産性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
[1] (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン、(D)酸化ポリエチレン、及び(E)無機充填剤を必須成分とし、前記(E)無機充填剤を全エポキシ樹脂組成物中に84重量%以上、92重量%以下含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【0009】
【化5】

(ただし、上記一般式(1)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0010】
【化6】

(ただし、上記一般式(2)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0011】
[2] 前記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の軟化点が35℃以上、60℃以下である第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3] 前記(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンが一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンである第[1]又は[2]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【0012】
【化7】

(ただし、上記一般式(3)において、Rは少なくとも1つ以上がカルボキシル基を有する炭素数1〜40の一価の有機基であり、残余の基は水素、フェニル基、又はメチル基から選ばれる一価の基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。nは平均値で、1〜50の正数である。)
【0013】
[4] 前記(D)酸化ポリエチレンが高密度ポリエチレンを酸化することで得られるものである第[1]、[2]又は[3]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[5] 前記(D)酸化ポリエチレンの最大粒子径が150μm以下であり、かつ平均粒子径が0.1μm以上、100μm以下である第[1]ないし[4]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[6] 前記(D)酸化ポリエチレンの滴点が100℃以上、130℃以下である第[1]ないし[5]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[7] 前記(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンとして、あらかじめエポキシ樹脂と硬化促進剤によって反応させたカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンを含む第[1]ないし[6]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[8] 前記(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンと前記(D)酸化ポリエチレンとの重量比(C)/(D)が5/1〜1/5である第[1]ないし[7]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[9] (F)トリアゾール系化合物を含む第[1]ないし[8]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[10] 前記(F)トリアゾール系化合物が1、2、4−トリアゾール環を有する化合物である第[9]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[11] 前記(F)トリアゾール系化合物が一般式(4)で示される化合物である第[9]又は[10]項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【0014】
【化8】

(ただし、上記一般式(4)において、R1は水素原子、又はメルカプト基、アミノ基、水酸基、もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
【0015】
[12] 前記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と前記(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂とを予め溶融混合して得られる樹脂を用いる第[1]ないし[11]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[13] 第[1]ないし[12]項のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置、
である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に従うと、ハロゲン系難燃剤、及びアンチモン化合物、その他の難燃性付与剤を使用することなく、難燃グレードがUL−94のV−0であり、かつ半導体素子、リードフレーム等の各種基材との密着性、特にトリアゾール系化合物を添加することによりNi、Ni−Pd、Ni−Pd−Au等のプレプレーティングフレームとの密着性に優れた特性を有し、吸湿後の半田処理においても半導体装置にクラックや基材との剥離が発生せず耐半田リフロー性に優れ、さらに、離型性、連続成形性、成形品外観、金型汚れ等の課題を解決することができる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は(A)一般式(1)で示されるフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型のエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型のフェノール樹脂、(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン、(D)酸化ポリエチレン、及び(E)無機充填剤を必須成分とし、前記(E)無機充填剤を全エポキシ樹脂組成物中に84重量%以上、92重量%以下含むことによりハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物、その他の難燃性付与剤を使用せず、難燃グレードがUL−94のV−0であり、かつ耐半田リフロー性、生産性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られるものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
【0018】
本発明に用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂は、樹脂骨格が疎水性を示すので硬化物が低吸湿性を示すと共に、硬化物の架橋点間距離が長くなるため半田リフロー温度での弾性率が低い特長を有し、このため発生する応力が低く密着性にも優れるため、耐半田リフロー性が良好であり好ましい。更に、樹脂骨格に占める芳香族環含有率が高いために、樹脂そのものの難燃性も高い。
一般式(1)のRは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数、nは平均値で0又は10以下の正数であるが、これらの内では硬化性の点から式(5)の樹脂等が好ましい。nが上記上限値を越えると樹脂の粘度が増大し、成形時の樹脂組成物の流動性が劣るため、より一層の低吸湿化のための無機充填剤の高充填化が不可能となるので好ましくない。
【0019】
【化9】

(ただし、上記一般式(1)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0020】
【化10】

(ただし、上記式(5)において、nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0021】
また本発明では、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を用いることによる特徴を損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用するエポキシ樹脂としては1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニル骨格等を有する)、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。他のエポキシ樹脂を併用する場合の配合量としては、全エポキシ樹脂に対して、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂が、70重量%以上、100重量%以下であることが好ましい。一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の含有量が下限値を下回ると、吸湿率の増大、耐半田リフロー性の低下が起こる可能性がある。
【0022】
本発明に用いられる一般式(2)で示されるフェノール樹脂は、フェノール性水酸基間に疎水性で剛直なビフェニレン骨格を有しており、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は低吸湿性を示すと共に、硬化物の架橋点間距離が長くなるためTgを超えた高温域での弾性率が低いという特長を有し、このため発生する応力が低く密着性にも優れるため、耐半田リフロー性が良好であり好ましい。またこれらのフェノール樹脂は樹脂骨格に占める芳香族環含有率が高いために、樹脂そのものの難燃性も高く、架橋密度が低い割には耐熱性が高いという特徴を有している。
一般式(2)のRは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、nは平均値で0又は10以下の正数であるが、これらの内では硬化性の点から式(6)の樹脂等が好ましい。nが上記上限値を越えると樹脂の粘度が増大し、成形時の樹脂組成物の流動性が劣り、より一層の低吸湿化のための無機充填剤の高充填化が不可能となるので好ましくない。
【0023】
【化11】

(ただし、上記一般式(2)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0024】
【化12】

(ただし、上記式(6)において、nは平均値で0又は10以下の正数。)
【0025】
本発明では、一般式(2)のフェノール樹脂を配合することによる特徴を損なわない範囲で、他のフェノール樹脂を併用することができる。併用するフェノール樹脂は1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を言い、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。他のフェノール樹脂を併用する場合の配合量としては、全フェノール樹脂に対して、一般式(2)で示されるフェノール樹脂が70重量%以上、100重量%以下であることが好ましい。一般式(2)で示されるフェノール樹脂の含有量が下限値を下回ると、吸湿率の増大、耐半田リフロー性の低下、耐燃性の低下が起こる可能性がある。
【0026】
本発明に用いられる全エポキシ樹脂のエポキシ基数と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数の当量比としては、好ましくは0.5以上、2以下であり、特に0.7以上、1.5以下がより好ましい。上記範囲を外れると、耐湿性、硬化性などが低下する恐れがあるので好ましくない。
【0027】
本発明に用いられる(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂は予め溶融混合して用いることにより,分散性,および,特に(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の軟化点が45℃以下の場合には軟化点が高くなることにより原料の取り扱い性が向上する。
【0028】
【化13】

(ただし、上記一般式(1)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0029】
【化14】

(ただし、上記一般式(2)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【0030】
本発明に用いるカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンは、1分子中に1個以上のカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンであり、酸化ポリエチレンと併用する必要がある。カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンを単独で使用した場合、離型性が不十分となり、連続成形性が低下する。酸化ポリエチレンを単独使用した場合は離型性が不十分で、十分な離型性を得る為には配合量を多くする必要性があり、その場合、密着性の低下により半田耐熱性が低下し、かつ成形品の外観も悪い。カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンと酸化ポリエチレンと併用することにより、酸化ポリエチレンを相溶化させることができ、酸化ポリエチレンの配合量が少なくとも離型性が向上し、外観と離型性を両立でき、連続成形が良好で半田耐熱性の低下も引き起こさない。尚、その併合配合割合は重量比で5/1〜1/5が望ましく、この範囲が最も効果が高い。
【0031】
カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンが望ましい。一般式(3)の式中のRは一価の有機基であり、全有機基の内、少なくとも1個以上がカルボキシル基を有する炭素数1〜40の一価の有機基であり、残余の有機基は水素、フェニル基、又はメチル基から選ばれる一価の基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。カルボキシル基を有する一価の有機基の炭素数が上限を超えるとレジンとの相溶性が悪化し、成形品の外観が悪化する恐れがある。また、一般式(3)中のnは平均値で、1〜50の正数である。nの値が上限値を超えるとオイル単体の粘度が高くなり流動性が悪化する恐れがある。一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンを使用すると、流動性の低下を引き起こさず、成形品の外観が特に良好になる。更にエポキシ樹脂と硬化促進剤により予め溶融・反応させることで連続成形後の型汚れが発生し難く、連続成形性が極めて良好になる。ここで言う硬化促進剤とは、カルボキシル基とエポキシ基との樹脂との硬化反応を促進させるものであればよく、後述するエポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール樹脂のフェノール性水酸基との硬化反応を促進させる硬化促進剤と同じものを用いることができる。尚、一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンのカルボキシル基を有する一価の有機基の炭素数とは、一価の有機基中の炭化水素基とカルボキシル基の炭素数を合計したものを指す。
【化15】

(ただし、上記一般式(3)において、Rは少なくとも1つ以上がカルボキシル基を有する炭素数1〜40の一価の有機基であり、残余の基は水素、フェニル基、又はメチル基から選ばれる一価の基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。nは平均値で、1〜50の正数である。)
【0032】
カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンの配合量は、全エポキシ樹脂組成物中0.01重量%以上、3重量%以下が好ましい。下限を下回ると効果が不十分で離型剤による成形品外観汚れを抑えることができない恐れがあり、上限を超えるとオルガノポリシロキサン自体により、成形品の外観が汚れる恐れがある。
また、本発明に用いられるカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンを添加する効果を損なわない範囲で他のオルガノポリシロキサンを併用することができる。
【0033】
本発明で用いられる酸化ポリエチレンは、カルボン酸等からなる極性基と長い炭素鎖からなる非極性基を有しているものである。本発明で用いられる酸化ポリエチレンの製法については、特に限定するものではないが、例えば、高密度ポリエチレンを酸化することで得られるものなどが好ましい。本発明で用いられる酸化ポリエチレンワックスの滴点は60℃以上、140℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以上、130℃以下である。滴点が下限値未満だと熱安定性が十分でないため、連続成形時に酸化ポリエチレンワックスの焼き付きが発生し、離型性が悪化し、連続成形性を損なう恐れがある。上限値を越えるとエポキシ樹脂組成物の硬化の際、酸化ポリエチレンワックスが十分に溶融しないことにより、酸化ポリエチレンワックスの分散性が低下し、酸化ポリエチレンワックスの硬化物表面への偏析による金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。最大粒径は150μm以下であることが好ましく,150μmより大きいと成形時の融け性が悪く材料が不均一となり,離型性の悪化や成形品外観不良を起こす恐れがある。平均粒径は0.1μm以上、100μm以下が好ましく、下限値未満だと酸化ポリエチレンワックスとエポキシ樹脂マトリックスとの相溶性がよすぎるため、硬化物表面に染み出すことが出来ず、十分な離型付与効果が得られない恐れがある。上限値を越えると酸化ポリエチレンワックスが偏析し、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。酸化ポリエチレンワックスの含有量は、全エポキシ樹脂組成物中に0.01重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。下限値未満だと離型性不足となる恐れがあり、上限値を越えるとリードフレーム部材との密着性が損なわれ、半田処理時に部材との剥離が発生する恐れがある。また、金型汚れや樹脂硬化物外観の悪化を引き起こす恐れがある。
【0034】
本発明に用いられる酸化ポリエチレンを添加する効果を損なわない範囲であれば、それ以外にも他の離型剤を併用することもできる。例えば、カルナバワックス等の天然ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩類、脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0035】
本発明に用いられる無機充填剤の種類については特に制限はなく、一般に封止材料に用いられているものを使用することができる。例えば溶融シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。特に溶融シリカが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、含有量を高め、且つエポキシ樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状シリカを主に用いる方がより好ましい。更に球状シリカの含有量を高めるためには、球状シリカの粒度分布をより広くとるよう調整することが望ましい。全無機充填剤の含有量は、成形性、信頼性のバランスから全エポキシ樹脂組成物中に84重量%以上、92重量%以下であることが必須であり、好ましくは87重量%以上、92重量%以下である。下限値未満だと、低吸湿性、低熱膨張性が得られず耐半田性が不十分となる恐れがあるので好ましくない。また、上限値を超えると流動性が低下し、成型時に充填不良等が生じたり、高粘度化による半導体装置内の金線変形等の不都合が生じたりする恐れがあるので好ましくない。
【0036】
本発明に用いるトリアゾール系化合物は、窒素原子を含んだ五員環構造を有する化合物である。トリアゾール系化合物は樹脂組成物とプレプレーティングフレーム表面との親和性を改善し、界面の剥離を抑える効果があるため、樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止してなる半導体装置の耐湿信頼性、耐半田リフロー性を改善させる役割を果たす。従って、半導体装置の信頼性が向上する。
本発明で用いられるトリアゾール系化合物としては、一般式(4)で示される化合物であることが好ましい。メルカプト基をまったく含んでいないと金属との反応性がないため、半導体装置の信頼性が向上しない可能性がある。
【0037】
【化16】

(ただし、上記一般式(4)において、Rは水素原子、又は、メルカプト基、アミノ基、水酸基もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
【0038】
本発明で用いられるトリアゾール系化合物の添加量は、特に限定するものではないが、樹脂組成物全体に対して、0.01重量%以上、2重量%以下であることが好ましい。下限値を下回ると、フレームとの密着性を向上させる効果が低下する可能性がある。また、上限値を超えると、組成物の流動性が低下し、耐半田リフロー性が低下する可能性がある。
【0039】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分から構成されるが、必要に応じてエポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させる硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、例えば、1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート等が挙げられ、これらを単独でも混合して添加しても差し支えない。また、これ以外に、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合してもよい。更に、必要に応じて無機充填剤をカップリング剤やエポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂で予め処理して用いてもよく、処理の方法としては、溶媒を用いて混合した後に溶媒を除去する方法や、直接無機充填剤に添加し、混合機を用いて処理する方法等がある。
【0040】
本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(F)成分、その他の添加剤等をミキサーを用いて常温混合した後、ロール、ニーダー等の押出機等の混練機で溶融混練し、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
【実施例】
【0041】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。配合割合は重量部とする。
実施例1
【0042】
エポキシ樹脂1:式(5)で示されるエポキシ樹脂(軟化点44℃、エポキシ当量234、以下E−1という) 6.09重量部
【化17】

【0043】
フェノール樹脂1:式(6)で示されるフェノール樹脂(軟化点107℃、水酸基当量203、以下H−1という) 4.41重量部
【化18】

【0044】
式(7)で示されるオルガノポリシロキサン(以下オルガノポリシロキサン1という)
0.20重量部
【化19】

【0045】
酸化ポリエチレンワックス1(滴点120℃、最大粒径100μm、平均粒径50μm,酸化高密度ポリエチレン) 0.20重量部
溶融球状シリカ(平均粒径25μm) 88.00重量部
【0046】
式(11)で示される1、2、4−トリアゾール5−チオール(試薬)
0.10重量%
【化20】

0.20重量部
【0047】
1、8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7(以下、DBUという)
カップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 0.40重量部
カーボンブラック 0.40重量部
をミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の特性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0048】
評価方法
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.3MPa、硬化時間120秒の条件で測定した。単位はcm。80cm以下であるとパッケージ未充填などの成形不良が生じる。
【0049】
難燃性:トランスファー成形機を用いて、成形温度175℃、注入圧力9.8Mpa、硬化時間120秒で試験片(127mm×12.7mm×1.6mm)を成形し、アフターベークとして175℃、8時間処理した後、UL−94垂直法に準じてΣF、Fmaxを測定し、難燃性を判定した。
【0050】
連続成形性:低圧トランスファー自動成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.6MPa、硬化時間90秒で80pQFP(80pinプリプレーティングフレーム、NiPd合金にAuメッキしたもの、パッケージ外寸:14mm×20mm×2mm厚、パッドサイズ:8mm×8mm、チップサイズ:7mm×7mm)を連続で700ショットまで成形した。判定基準は未充填等全く問題なく700ショットまで連続成形できたものを◎、未充填等全く問題なく500ショットまで連続成形できたものを○、それ以外を×とした。
【0051】
成形品外観及び金型汚れ:上記連続成形において500及び700ショット経過後のパッケージ及び金型について、目視で汚れを評価した。パッケージ外観判断及び金型汚れ基準は、700ショットまで汚れていないものを◎で、500ショットまで汚れていないものを○、汚れているものを×で表す。
【0052】
耐半田リフロー性:上記連続成形により成形したパッケージを175℃で8時間の後硬化をした。得られたパッケージを85℃、相対湿度60%の環境下で168時間加湿処理した。その後このパッケージを260℃の半田槽に10秒間浸漬した。半田に浸漬させたパッケージ10個を、超音波探傷装置を用いて観察し、半導体素子とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面に剥離が発生した剥離発生率[(剥離発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×100]を%で表示した。
【0053】
実施例2〜18、比較例1〜9
表1、2、3の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得て、実施例1と同様にして評価した。結果を表1、2、3に示す。
実施例1以外で用いた原材料を以下に示す。
エポキシ樹脂2:式(5)で示されるエポキシ樹脂(軟化点55℃、エポキシ当量236、以下E−2という)
【化21】

【0054】
エポキシ樹脂3:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、EOCN−1020 62、エポキシ当量200、軟化点62℃、以下E−3という)
フェノール樹脂2:パラキシレン変性ノボラック型フェノール樹脂(三井化学(株)製、XLC−4L、水酸基当量168、軟化点62℃、以下H−2という)
溶融混合物A:E−1(55.9重量部)とH−1(44.1重量部)を120℃で30分間、溶融混合することにより得られた混合物。
式(8)で示されるオルガノポリシロキサン(以下オルガノポリシロキサン2という)
【化22】

【0055】
式(9)で示されるオルガノポリシロキサン(以下オルガノポリシロキサン3という)
【化23】

【0056】
式(10)で示されるオルガノポリシロキサン(以下オルガノポリシロキサン4という)
【化24】

【0057】
溶融反応物A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、YL−6810、エポキシ当量170g/eq、融点47℃)66.1重量部を140℃で加温溶融し、オルガノポリシロキサン3(式(6)で示されるオルガノポリシロキサン)33.1重量部及びトリフェニルホスフィン0.8重量部を添加して、30分間溶融混合して溶融反応物Aを得た。
酸化ポリエチレンワックス2(滴点110℃、最大粒径100μm、平均粒径80μm,酸化高密度ポリエチレン)
酸化ポリエチレンワックス3(滴点125℃、最大粒径100μm、平均粒径5μm,酸化高密度ポリエチレン)
カルナバワックス
【0058】
式(12)で示される3−アミノ−1、2、4−トリアゾール−5−チオール(試薬)
【化25】

【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明により得られる半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤、及びアンチモン化合物、その他の難燃性付与剤を使用することなく、難燃グレードがUL−94のV−0であり、かつこれを用いて得られた半導体装置は、樹脂組成物の硬化物とリードフレーム、特にトリアゾール系化合物を添加することによりメッキを施された銅リードフレーム(銀メッキリードフレーム、ニッケルメッキリードフレーム、ニッケル/パラジウム合金に金メッキが施されたプレプリーティングフレーム等)との密着性に優れており、半導体実装時において優れた耐半田リフロー性を示し、更に生産性にも優れるため、工業的な樹脂封止型半導体装置、特に表面実装用の樹脂封止型半導体装置の製造に好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサン、(D)酸化ポリエチレン、及び(E)無機充填剤を必須成分とし、前記(E)無機充填剤を全エポキシ樹脂組成物中に84重量%以上、92重量%以下含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【化1】

(ただし、上記一般式(1)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【化2】

(ただし、上記一般式(2)において、Rは水素または炭素数1〜4のアルキル基を示し、互いに同一もしくは異なっていても良い。aは0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜4の整数。nは平均値で、0又は10以下の正数。)
【請求項2】
前記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂の軟化点が35℃以上、60℃以下である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンが一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンである請求項1又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【化3】

(ただし、上記一般式(3)において、Rは少なくとも1つ以上がカルボキシル基を有する炭素数1〜40の一価の有機基であり、残余の基は水素、フェニル基、又はメチル基から選ばれる一価の基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。nは平均値で、1〜50の正数である。)
【請求項4】
前記(D)酸化ポリエチレンが高密度ポリエチレンを酸化することで得られるものである請求項1、2又は3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
前記(D)酸化ポリエチレンの最大粒子径が150μm以下であり、かつ平均粒子径が0.1μm以上、100μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
前記(D)酸化ポリエチレンの滴点が100℃以上、130℃以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
前記(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンとして、予めエポキシ樹脂と硬化促進剤によって反応させたカルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンを含む請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項8】
前記(C)カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンと前記(D)酸化ポリエチレンとの重量比(C)/(D)が5/1〜1/5である請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項9】
更に(F)トリアゾール系化合物を含む請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項10】
前記(F)トリアゾール系化合物が1、2、4−トリアゾール環を有する化合物である請求項9記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項11】
前記(F)トリアゾール系化合物が一般式(4)で示される化合物である請求項9又は10に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【化4】

(ただし、上記一般式(4)において、R1は水素原子、又はメルカプト基、アミノ基、水酸基、もしくはそれらの官能基が付加された炭化水素鎖を示す。)
【請求項12】
前記(A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂と前記(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂とを予め溶融混合して得られる樹脂を用いる請求項1ないし11のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。

【公開番号】特開2006−182803(P2006−182803A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374503(P2004−374503)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】