説明

エンジンの制御装置

【課題】気筒間の空燃比がばらつくと、排気が悪化することが指摘されているが、触媒上流センサで検出する気筒間空燃比ばらつき度の大きさと排気悪化代は、必ずしも一致しない。本発明の目的は、気筒間の空燃比のばらつきに起因する排気悪化を検出することである。
【解決手段】触媒上流センサ信号の所定周波数成分Aを演算する手段と、触媒下流センサ信号の所定周波数成分Bを演算する手段と、前記周波数成分Aと前記周波数成分Bに基づいて、エンジンの気筒間の空燃比のばらつきにより排気が悪化していることを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気性能診断・制御装置に関するものであり、特に、気筒間の空燃比のばらつきに起因する排気悪化を診断もしくは排気悪化を補正制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境問題を背景に、自動車に対して、低排気化が要求されている。実用環境における排気性能をリアルタイムで監視し、排気性能が一定レベル以上に悪化したときは、運転者に報知する診断機能に関する技術開発がこれまでに行われてきている。自動車用エンジンは、一般に他気筒であるのが一般的である。気筒間の空燃比がばらつくと排気が悪化することが指摘されている。
【0003】
特許文献1では、触媒上流空燃比センサ信号の所定周波数成分から気筒毎の空燃比を検出する発明が開示されている。また、特許文献2では、触媒下流空燃比センサ信号が所定時間以上リーン側となったら、気筒毎の空燃比がばらついたと判定する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−220489号公報
【特許文献2】特開2009−30455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
気筒間の空燃比がばらつくと、排気が悪化することが指摘されているが、触媒上流センサで検出する気筒間空燃比ばらつき度の大きさと排気悪化代は、必ずしも一致しないことを、発明者は実験により見出した。これは、センサへの各気筒の排気あたり感度の差があること、また、ばらつきのパターンによって排気中の還元剤の量と酸素の量のバランスが変わることによるものと考える。また、触媒下流センサは、触媒内の空燃比をほぼ検出しているので、触媒下流センサ信号により、触媒での排気(HC,CO,NOx)の浄化性能を検出することが可能であるが、排気悪化が気筒間空燃比ばらつきに起因するものであるのかを特定するのは難しく、また、過渡運転が連続する実用環境においては、触媒下流センサ信号も、刻々と変化するので、恒常的な排気悪化を検出するのは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記事情に鑑み、本発明では、気筒間の空燃比ばらつきに起因する排気の悪化を、精度良く検出する。
【0007】
すなわち、図1に示すように、触媒上流センサ信号の所定周波数成分Aを演算する手段と、触媒下流センサ信号の所定周波数成分Bを演算する手段と、前記周波数成分Aと前記周波数成分Bに基づいて、エンジンの気筒間の空燃比のばらつきにより排気が悪化していることを検出する手段、とを備えることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。触媒上流センサ信号の所定周波数成分Aから、気筒間空燃比ばらつきの発生を検出する、あるいは、触媒上流の空燃比などの排気の成分比を代表する状態がどの範囲に制御されているかを検出する。さらに、触媒下流センサ信号の所定周波数成分Bから触媒下流もしくは触媒内部の空燃比などの排気の成分比を代表する状態を検出する。所定周波数成分Aと所定周波数成分Bの双方を用いることで、気筒間の空燃比のばらつきにより排気が悪化していることを検出する。
【0008】
また、図2に示すように前記触媒上流センサは、空燃比センサもしくはO2センサであり、前記触媒下流センサは、空燃比センサもしくはO2センサであることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。記載のごとく、触媒上流センサは、空燃比センサもしくはO2センサとする。また、触媒下流センサも、空燃比センサもしくはO2センサとする。
【0009】
また、図3に示すように前記所定周波数成分Aを演算する手段は、エンジンが2回転する周期に相当する周波数成分(以下、2回転成分)Aを演算する手段であることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。図25および図26で示すように、気筒間空燃比ばらつきが発生すると触媒上流センサ(空燃比センサ,O2センサ)の信号にエンジンが2回転する周期(720degCA周期)の振動が発生する。これを検出する。
【0010】
また、図4に示すように、前記2回転成分Aを演算する手段は、バンドパスフィルタもしくはフーリエ変換であることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。記載のごとく、請求項3で示した2回転成分を演算する方法として、バンドパスフィルタもしくはフーリエ変換を用いる。
【0011】
また、図5に示すように、前記所定周波数成分Bを演算する手段は、少なくとも、エンジンが2回転する周期に相当する周波数より低い周波数成分Bを演算する手段であることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。前述したように、触媒下流空燃比センサもしくは触媒下流O2センサは、触媒内の空燃比をほぼ検出しているので、触媒下流センサ信号により、触媒での排気(HC,CO,NOx)の浄化性能を検出することが可能である。しかし、過渡運転が連続する実用環境においては、触媒下流センサ信号も、刻々と変化するので、恒常的な排気悪化を検出するのは難しい。そこで、触媒下流センサ信号の低周波成分を演算することで、刻々と変化する成分を取り除き、直流成分(平均値)のみを検出することで、恒常的な浄化性能(排気悪化)を検出する。低周波成分は、少なくとも、エンジンが2回転する周期に相当する周波数より低い周波数成分とするが、前述のように、直流成分を検出するのが目的なので、さらに低い成分でも良い。
【0012】
また、図6に示すように、前記所定周波数成分Bを演算する手段は、ローパスフィルタであることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。記載のごとく、請求項5で示した低周波成分Bを演算する方法として、ローパスフィルタを用いる。
【0013】
また、図7に示すように、前記2回転成分Aが所定値を超えたとき、気筒間空燃比にばらつきが発生したと判断する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。請求項3で示したように、気筒間空燃比ばらつきが発生すると触媒上流センサ(空燃比センサ,O2センサ)の信号の2回転成分が大きくなる。燃料噴射弁の特性ばらつき、吸気量の気筒間ばらつきなどから、気筒間の空燃比には、正常時でも、一定のばらつきがある。排気が悪化するほどのばらつきのみ検出すればよいので、請求項7に記載のごとく、2回転成分Aが所定値を超えたとき、(一般に、排気が悪化するほどの)気筒間空燃比にばらつきが発生したと判断する。
【0014】
また、図8に示すように、前記2回転成分Aが所定値を超える頻度Raを演算する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。触媒上流センサ信号の2回転成分の大きさをより精度よく検出するために、統計処理を用いる。請求項8に記載のごとく、2回転成分Aが所定値を超える頻度Raを演算する。例えば、燃焼毎に2回転成分を更新演算するときは、燃焼回数を分母とし、2回転成分が所定値を超えた回数を分子とした値を頻度Raとする。
【0015】
また、図9に示すように、前記低周波成分Bが所定範囲を外れる頻度Rbを演算する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。触媒下流センサ信号の低周波成分の分布をより精度よく検出するために、統計処理を用いる。請求項9に記載のごとく、低周波成分Bが所定範囲を外れる頻度Rbを演算する。例えば、燃焼毎に2回転成分を更新演算するときは、燃焼回数を分母とし、低周波成分が所定範囲を外れた回数を分子とした値を頻度Rbとする。ここに、所定範囲は、触媒の浄化効率が一定値以上となる範囲とするのが良い。例えば、触媒下流センサがO2センサのときは、低周波成分が所定範囲より小さいときは、触媒内もしくは触媒下流の空燃比がリーンになったことを意味するので、NOxが悪化する。低周波成分が所定範囲より大きいときは、触媒内もしくは触媒下流の空燃比がリッチになったことを意味するので、主にCOが悪化する。
【0016】
また、図10に示すように、「前記2回転成分Aが所定値を超える頻度Raが所定値を超え、かつ前記低周波成分Bが所定範囲を外れる頻度Rbが所定値を超えたとき」、気筒間空燃比ばらつきにより触媒下流の排気が悪化したと判断する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。請求項8および請求項9の説明で述べたように、触媒上流センサ信号の2回転成分Aが所定値を超える頻度Raが所定値を超えたとき、排気が悪化するほどの気筒間空燃比ばらつきが発生したと判断し、さらに、触媒下流センサ信号の低周波成分が所定範囲を外れる頻度Rbが所定値を超えたとき、実際に排気が悪化したと判断するものである。
【0017】
また、図11に示すように、前記所定周波数成分Aを演算する手段は、少なくとも、エンジンが2回転する周期に相当する周波数より低い周波数成分Aを演算する手段であることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。気筒間空燃比ばらつき発生時に触媒上流センサ信号で検出される2回転成分の大きさは、触媒上流センサの取り付け位置などによって、変化する。2回転成分が十分に検出できないときは、触媒下流センサの低周波成分から排気悪化を検出するが、触媒上流センサ信号の低周波成分がどの範囲にあるかを検出することで、触媒下流センサの低周波成分による判定精度を上げるものである。
【0018】
また、図12に示すように、前記所定周波数成分Aを演算する手段は、ローパスフィルタであることを特徴とするエンジンの制御装置を示す。記載のごとく、請求項11で示した低周波成分Aを演算する方法として、ローパスフィルタを用いる。
【0019】
また、図13に示すように、「前記低周波成分Aが所定範囲内にあり、かつ、前記低周波成分Bが所定範囲を外れる」頻度Rcを演算する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。例えば、触媒上流センサ信号の低周波成分Aが触媒の高効率浄化範囲に相当する所定範囲内にあり、かつ、触媒下流センサの低周波成分Bが触媒の高効率浄化範囲に相当する所定範囲から外れているとき、おそらくは気筒間空燃比ばらつきにより触媒上流センサに誤検出が発生し、排気が悪化した判定する。判定精度をあげるために、その頻度を求める。例えば、燃焼毎に低周波成分Aおよび低周波成分Bを更新演算するときは、燃焼回数を分母とし、低周波成分が所定範囲を外れた回数を分子とした値を頻度Rcとする。
【0020】
また、図14に示すように、前記頻度Rcが所定値を超えたとき、気筒間空燃比ばらつきにより触媒下流の排気が悪化したと判断する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。記載のごとく、頻度Rcが所定値を超えたとき、気筒間空燃比ばらつきにより触媒下流の排気が悪化したと判断するものである。
【0021】
また、図15に示すように、触媒上流センサ出力が所定範囲となるように、エンジンの運転状態を制御するフィードバック制御を実施しているときに、請求項1〜14に記載の手段を実施することを特徴とするエンジンの制御装置を示す。少なくとも、触媒上流センサ出力が、触媒の高効率範囲相当の値にあることを前提とし、請求項1〜14に記載の手段を実施するものである。触媒上流センサ出力が触媒の高効率浄化範囲になければ、触媒下流センサ出力は、気筒間空燃比ばらつき以外の原因で、所定範囲(触媒の高効率浄化範囲)を外れるからである。触媒上流センサによるフィードバック制御は、触媒の高効率浄化範囲に制御することが目的なので、フィードバック制御中であることを条件とするものである。なお、触媒上流センサ出力が触媒の高効率範囲相当にあっても、実際の空燃比などの排気成分の状態が触媒の高効率浄化範囲にあることを意味するものではない。気筒間空燃比ばらつきによる触媒上流センサの検出誤差が排気悪化の要因だからである。
【0022】
また、図16に示すように、「触媒上流排気センサ出力」もしくは「触媒上流排気センサ出力の所定期間における平均値」が、所定範囲にあるとき、請求項1〜14に記載の手段を実施することを特徴とするエンジンの制御装置を示す。請求項15で述べた内容と同じ目的である。少なくとも、触媒上流センサ出力が、触媒の高効率範囲相当の値にあることを前提とし、請求項1〜14に記載の手段を実施するものである。
【0023】
また、図17に示すように、前記2回転成分Aの大きさに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。前述したように、触媒上流センサ出力の2回転成分の大きさは、気筒間の空燃比ばらつきの度合いと相関があるので、2回転成分の大きさに基づいて燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正するものである。気筒間空燃比ばらつきにより、触媒上流排気センサに誤検出が発生し、触媒の高効率浄化範囲を外れることが、排気悪化の要因である。したがって、2回転成分の大きさに応じて、全気筒の燃料量もしくは空気量を補正すれば、触媒上流の排気の状態が、触媒の高効率浄化範囲に戻り、排気悪化を抑制することができる。
【0024】
また、図18に示すように、前記2回転成分Aの大きさに基づいて、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。本発明においては、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する。
【0025】
また、図19に示すように、前記頻度Raに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。本発明においては、2回転成分が所定値を超える頻度Raに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する。
【0026】
また、図20に示すように、前記頻度Raに基づいて、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。本発明では、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する。
【0027】
また、図21に示すように、前記2回転成分Aが所定値を超えたとき、前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。先の構成に加えて、触媒下流センサ出力の低周波成分が所定範囲内(触媒の高効率浄化範囲)に入るように、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正することで、より精度良く排気悪化を抑制する。
【0028】
また、図22に示すように、前記2回転成分Aが所定値を超えたとき、前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。を示す。本発明では、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する。
【0029】
また、図23に示すように、「前記頻度Raが所定値を超え、かつ前記頻度Rbが所定値を超えたとき」、前記頻度Rbに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。先の構成に加えて、触媒下流センサ出力の低周波成分が所定範囲(触媒の高効率浄化範囲)を外れる頻度Rbに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正することで、より精度良く排気悪化を抑制する。
【0030】
また、図24に示すように、「前記頻度Raが所定値を超え、かつ前記頻度Rbが所定値を超えたとき」、前記頻度Rbに基づいて、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。を示す。本発明では、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する。
【0031】
また、図25に示すように、前記低周波成分Aが所定範囲内にあるとき、前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。触媒上流センサ信号の2回転成分が十分に検出できないときは、触媒下流センサの低周波成分から排気悪化を検出するが、触媒上流センサ信号の低周波成分がどの範囲にあるかを検出することで、触媒下流センサの低周波成分による判定精度を上げる。このとき、触媒下流センサ信号の低周波成分が所定範囲に入るように、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正し、排気悪化を抑制することができる。
【0032】
また、図26に示すように、前記低周波成分Aが所定範囲内にあるとき、前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御装置を示す。本発明では、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、触媒上流センサ信号の所定周波数成分から気筒間の空燃比がばらついたことを検出し、さらに、触媒下流センサ信号の所定周波数成分から排気が悪化したことを検出するので、双方の情報により、気筒間の空燃比ばらつきに起因する排気の悪化を、精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】請求項1に記載のエンジンの制御装置。
【図2】請求項2に記載のエンジンの制御装置。
【図3】請求項3に記載のエンジンの制御装置。
【図4】請求項4に記載のエンジンの制御装置。
【図5】請求項5に記載のエンジンの制御装置。
【図6】請求項6に記載のエンジンの制御装置。
【図7】請求項7に記載のエンジンの制御装置。
【図8】請求項8に記載のエンジンの制御装置。
【図9】請求項9に記載のエンジンの制御装置。
【図10】請求項10に記載のエンジンの制御装置。
【図11】請求項11に記載のエンジンの制御装置。
【図12】請求項12に記載のエンジンの制御装置。
【図13】請求項13に記載のエンジンの制御装置。
【図14】請求項14に記載のエンジンの制御装置。
【図15】請求項15に記載のエンジンの制御装置。
【図16】請求項16に記載のエンジンの制御装置。
【図17】請求項17に記載のエンジンの制御装置。
【図18】請求項18に記載のエンジンの制御装置。
【図19】請求項19に記載のエンジンの制御装置。
【図20】請求項20に記載のエンジンの制御装置。
【図21】請求項21に記載のエンジンの制御装置。
【図22】請求項22に記載のエンジンの制御装置。
【図23】請求項23に記載のエンジンの制御装置。
【図24】請求項24に記載のエンジンの制御装置。
【図25】請求項25に記載のエンジンの制御装置。
【図26】請求項26に記載のエンジンの制御装置。
【図27】気筒間空燃比ばらつきがないときとあるときの触媒上流空燃比センサ信号。
【図28】気筒間空燃比ばらつきがないときとあるときの触媒上流O2センサ信号。
【図29】実施例1〜6におけるエンジン制御システム図。
【図30】実施例1〜6におけるコントロールユニットの内部を表した図。
【図31】実施例1における制御全体を表したブロック図。
【図32】実施例1〜2における診断許可部のブロック図。
【図33】実施例1,3〜5における2回転成分演算部のブロック図。
【図34】実施例1,3〜6における低周波成分2演算部のブロック図。
【図35】実施例1,3〜5における頻度Ra演算部のブロック図。
【図36】実施例1,3〜5における頻度Rb演算部のブロック図。
【図37】実施例1,3〜5における異常判定部のブロック図。
【図38】実施例2における制御全体を表したブロック図。
【図39】実施例2,6における低周波成分1演算部のブロック図。
【図40】実施例2,6における頻度Rc演算部のブロック図。
【図41】実施例2,6における異常判定部のブロック図。
【図42】実施例3における制御全体を表したブロック図。
【図43】実施例3〜6における基本燃料噴射量演算部のブロック図。
【図44】実施例3,5,6における触媒上流空燃比フィードバック制御部のブロック図。
【図45】実施例3,6における触媒下流空燃比フィードバック制御部のブロック図。
【図46】実施例3における触媒下流空燃比フィードバック制御許可部のブロック図。
【図47】実施例4における制御全体を表したブロック図。
【図48】実施例4における触媒上流空燃比フィードバック制御部のブロック図。
【図49】実施例4における触媒下流空燃比フィードバック制御部のブロック図。
【図50】実施例4における触媒下流空燃比フィードバック制御許可部のブロック図。
【図51】実施例5における制御全体を表したブロック図。
【図52】実施例5における触媒下流空燃比フィードバック制御部のブロック図。
【図53】実施例5における触媒下流空燃比フィードバック制御許可部のブロック図。
【図54】実施例6における制御全体を表したブロック図。
【図55】実施例6における触媒下流空燃比フィードバック制御許可部のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下本発明の実施例を示す。
【0036】
(実施例1)
図29は、本実施例を示すシステム図である。多気筒(ここでは4気筒)で構成されるエンジン9において、外部からの空気はエアクリーナ1を通過し、吸気管4,コレクタ5を経てシリンダー内に流入する。流入空気量は電子スロットル3により調節される。エアフロセンサ2では流入空気量が検出される。また、吸気温センサ29で、吸気温が検出される。クランク角センサ15では、クランク軸の回転角10゜毎の信号と燃焼周期毎の信号が出力される。水温センサ14はエンジンの冷却水温度を検出する。またアクセル開度センサ13は、アクセル6の踏み込み量を検出し、それによって運転者の要求トルクを検出する。
【0037】
アクセル開度センサ13,エアフロセンサ2,吸気温センサ29,電子スロットル3に取り付けられたスロットル開度センサ17,クランク角センサ15,水温センサ14のそれぞれの信号は、後述のコントロールユニット16に送られ、これらセンサ出力からエンジンの運転状態を得て、空気量,燃料噴射量,点火時期のエンジンの主要な操作量が最適に演算される。
【0038】
コントロールユニット16内で演算された目標空気量は、目標スロットル開度→電子スロットル駆動信号に変換され、電子スロットル3に送られる。燃料噴射量は開弁パルス信号に変換され、燃料噴射弁(インジェクタ)7に送られる。またコントロールユニット16で演算された点火時期で点火されるよう駆動信号が点火プラグ8に送られる。
【0039】
噴射された燃料は吸気マニホールドからの空気と混合されエンジン9のシリンダー内に流入し混合気を形成する。混合気は所定の点火時期で点火プラグ8から発生される火花により爆発し、その燃焼圧によりピストンを押し下げてエンジンの動力となる。爆発後の排気は排気管10を経て三元触媒11に送り込まれる。排気還流管18を通って排気の一部は吸気側に還流される。還流量はバルブ19によって制御される。
【0040】
触媒上流センサ12(実施例1では、空燃比センサ)はエンジン9と三元触媒11の間に取り付けられている。触媒下流O2センサ20は三元触媒11の下流に取り付けられている。
【0041】
図30はコントロールユニット16の内部を示したものである。ECU16内にはエアフロセンサ2,触媒上流センサ12(実施例1では、空燃比センサ),アクセル開度センサ13,水温センサ14,クランク角センサ15,スロットル開度センサ17,触媒下流O2センサ20,吸気温センサ29,車速センサ30の各センサ出力値が入力され、入力回路24にてノイズ除去等の信号処理を行った後、入出力ポート25に送られる。入力ポートの値はRAM23に保管され、CPU21内で演算処理される。演算処理の内容を記述した制御プログラムはROM22に予め書き込まれている。制御プログラムに従って演算された各アクチュエータ作動量を表す値はRAM23に保管された後、入出力ポート25に送られる。点火プラグの作動信号は点火出力回路内の一次側コイルの通流時はONとなり、非通流時はOFFとなるON・OFF信号がセットされる。点火時期はONからOFFになる時である。出力ポートにセットされた点火プラグ用の信号は点火出力回路26で燃焼に必要な十分なエネルギーに増幅され点火プラグに供給される。また燃料噴射弁の駆動信号は開弁時ON、閉弁時OFFとなるON・OFF信号がセットされ、燃料噴射弁駆動回路27で燃料噴射弁を開くに十分なエネルギーに増幅され燃料噴射弁7に送られる。電子スロットル3の目標開度を実現する駆動信号は、電子スロットル駆動回路28を経て、電子スロットル3に送られる。
【0042】
以下、ROM22に書き込まれる制御プログラムについて述べる。図31は制御全体を表したブロック図であり、以下の演算部から構成される。
【0043】
・診断許可部(図32)
・2回転成分演算部(図33)
・低周波成分2演算部(図34)
・頻度Ra演算部(図35)
・頻度Rb演算部(図36)
・異常判定部(図37)
「診断許可部」で、診断を許可するフラグ(fp_diag)を演算する。「2回転成分演算部」で、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分(Pow)を演算する。「低周波成分2演算部」で、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)を演算する。「頻度Ra演算部」では、2回転成分(Pow)が所定値を超える頻度(Ra)を演算する。「頻度Rb演算部」では、低周波成分2(Low2)が所定範囲を外れる頻度(Rb)を演算する。「異常判定部」では、頻度(Ra)が所定値を超えて、かつ、頻度(Rb)が所定値を超えたとき、異常フラグ(f_MIL)を1とする。以下、各演算部の詳細を説明する。
【0044】
<診断許可部(図32)>
本演算部では、診断許可フラグ(fp_diag)を演算する。具体的には、図32に示される。触媒上流空燃比センサ12の信号(Rabyf)の重み付き移動平均値(MA_Rabyf)を求める。K1_MA_R≦MA_Rabyf≦K2_MA_Rのとき、fp_diag=1とする。それ以外のときは、fp_diag=0とする。重み付き移動平均の重み係数は、実機試験結果に応じて、収束性と追従性の双方を満たす値(トレードオフ値)となるように設定するのがよい。
【0045】
<2回転成分演算部(図33)>
本演算部では、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分(Pow)を演算する。具体的には、図33に示される。触媒上流空燃比センサ信号(Rabyf)の2回転成分をDFT(離散フーリエ変換)を用いて演算する。フーリエ変換では、パワースペクトルと位相スペクトルが求まるが、ここでは、パワースペクトルを用いる。さらに、統計的性質を求めるために、加重平均処理をし、2回転成分(Pow)とする。また、バンドパスフィルタを用いて2回転成分を求めても良い。この場合は、フィルタ出力の絶対値を求めた後、加重平均処理をし、2回転成分(Pow)とする。加重平均の重み係数は、実機試験結果に応じて、収束性と追従性の双方を満たす値(トレードオフ値)となるように設定するのがよい。
【0046】
<低周波成分2演算部(図34)>
本演算部では、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)を演算する。具体的には、図34に示される。触媒下流O2センサ信号(VO2_R)の低周波成分(Low2)をLPF(ローパスフィルタ)を用いて演算する。本来は、触媒下流O2センサ信号の直流成分を求めるのが望ましいが、過渡運転における追従性も、ある程度、確保する必要があるので、ローパスフィルタの遮断周波数は、それを考慮して、十分に低い値とする。
【0047】
<頻度Ra演算部(図35)>
本演算部では、2回転成分(Pow)が所定値を超える頻度(Ra)を演算する。具体的には、図35に示される。本処理は、fp_diag=1のとき、実施する。
【0048】
・Pow≧K1_Powのとき、Cnt_Pow_NGの値を1ずつ増加する。それ以外は、前回値を維持する。
・本処理を実施する毎に、Cnt_Powの値を、1ずつ増加する。
・Ra=Cnt_Pow_NG/Cnt_Powとする。
【0049】
K1_Powは、定常性能で排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。
【0050】
<頻度Rb演算部(図36)>
本演算部では、低周波成分(Low2)が所定値を超える頻度(Rb)を演算する。具体的には、図36に示される。本処理は、fp_diag=1のとき、実施する。
【0051】
・Low2≦K1_Low2のとき、Cnt_Low2_NGの値を1ずつ増加する。それ以外は、前回値を維持する。
・本処理を実施する毎に、Cnt_Low2の値を、1ずつ増加する。
・Rb=Cnt_Low2_NG/Cnt_Low2とする。
【0052】
K1_Low2は、定常性能で排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。本実施例では、Low2がリーン側に外れたとき(NOxが悪化するとき)を検出する仕様としたが、リッチ側に外れる(COが悪化する)ことも懸念されるときは、Low2にリッチ側のしきい値を設ければよい。
【0053】
<異常判定部(図37)>
本演算部では、異常フラグ(f_MIL)を演算する。具体的には、図37に示される。fp_diag=1のとき、f_MILは下記処理で演算を実施する。
【0054】
Ra≧K_RaかつRb≧K_Rbのとき、f_MIL=1とする。それ以外のときは、f_MIL=0とする。fp_diag=0のとき、f_MILは前回値を維持する。
【0055】
K_RaおよびK_Rbは、過渡運転における排気悪化レベルを目安に決めるのが良い。例えば、実用環境における現実的な走行パターンを仮定して、その時の、排気悪化レベルを目安に決めるのも良い。
【0056】
実施例1では、触媒上流センサ12を空燃比センサとしたが、O2センサとした場合も同様の処理で実施が可能である。図27,図28で示したように、空燃比センサ,O2センサいずれの場合でも、気筒間空燃比ばらつき発生時に2回転成分が発生するからである。ただし、各パラメータは、O2センサ用に設定し直す必要がある。
【0057】
(実施例2)
実施例1では、触媒上流センサ信号の2回転成分を検出した。実施例2では、触媒上流センサ信号の低周波成分を検出する。
【0058】
図29は本実施例を示すシステム図であり、実施例1と同様であるので詳述はしない。図30はコントロールユニット16の内部を示したものであり、実施例1と同様であるので、同じく詳述しない。以下、図30中のROM22に書き込まれる制御プログラムについて述べる。図38は制御全体を表したブロック図であり、以下の演算部から構成される。
【0059】
・診断許可部(図32)
・低周波成分1演算部(図39)
・低周波成分2演算部(図34)
・頻度Rc演算部(図40)
・異常判定部(図41)
「診断許可部」で、診断を許可するフラグ(fp_diag)を演算する。「低周波成分1演算部」で、触媒上流空燃比センサ信号の低周波成分(Low1)を演算する。「低周波成分2演算部」で、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)を演算する。「頻度Rc演算部」では、低周波成分1(Low1)が所定範囲内にあり、かつ、低周波成分2(Low2)が所定範囲を外れる頻度(Rc)を演算する。「異常判定部」では、頻度(Rc)が所定値を超えたとき、異常フラグ(f_MIL)を1とする。以下、各演算部の詳細を説明する。
【0060】
<診断許可部(図32)>
本演算部では、診断許可フラグ(fp_diag)を演算する。具体的には、図32に示されるが、実施例1と同じであるので、詳述しない。
【0061】
<低周波成分1演算部(図39)>
本演算部では、触媒上流空燃比センサ信号の低周波成分(Low1)を演算する。具体的には、図39に示される。触媒上流空燃比センサ信号(Rabyf)の低周波成分(Low1)をLPF(ローパスフィルタ)を用いて演算する。本来は、触媒上流空燃比センサ信号の直流成分を求めるのが望ましいが、過渡運転における追従性も、ある程度、確保する必要があるので、ローパスフィルタの遮断周波数は、それを考慮して、十分に低い値とする。
【0062】
<低周波成分2演算部(図34)>
本演算部では、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)を演算する。具体的には、図34に示されるが、実施例1と同じであるので、詳述しない。
【0063】
<頻度Rc演算部(図40)>
本演算部では、低周波成分1(Low1)が所定範囲内にあり、かつ、低周波成分2(Low2)が所定範囲を外れる頻度(Rc)を演算する。具体的には、図40に示される。本処理は、fp_diag=1のとき、実施する。
【0064】
・K1_Low1≦Low1≦K2_Low1かつLow2≦K1_Low2のとき、Cnt_Low1_2_NGの値を1ずつ増加。それ以外は、前回値を維持する。
・本処理を実施する毎に、Cnt_Low1_2の値を、1ずつ増加する。
・Rc=Cnt_Low1_2_NG/Cnt_Low1_2とする。
【0065】
K1_Low1およびK2_Low1は、触媒の高効率浄化範囲を目安に決めるのがよい。K1_Low2は、定常性能で排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。本実施例では、Low2がリーン側に外れたとき(NOxが悪化するとき)を検出する仕様としたが、リッチ側に外れる(COが悪化する)ことも懸念されるときは、Low2にリッチ側のしきい値を設ければよい。
【0066】
<異常判定部(図41)>
本演算部では、異常フラグ(f_MIL)を演算する。具体的には、図41に示される。fp_diag=1のとき、f_MILは下記処理で演算を実施する。
【0067】
Rc≧K_Rcのとき、f_MIL=1とする。それ以外のときは、f_MIL=0とする。fp_diag=0のとき、f_MILは前回値を維持する。
【0068】
K_Rcは、過渡運転における排気悪化レベルを目安に決めるのが良い。例えば、実用環境における現実的な走行パターンを仮定して、その時の、排気悪化レベルを目安に決めるのも良い。
【0069】
実施例2では、触媒上流センサ12を空燃比センサとしたが、O2センサとした場合も同様の処理で実施が可能である。ただし、各パラメータは、O2センサ用に設定し直す必要がある。
【0070】
(実施例3)
実施例3では、触媒上下流センサの所定周波数成分を用いて、触媒上流空燃比フィードバック制御のパラメータ(燃料噴射量)を補正する。
【0071】
図29は本実施例を示すシステム図であり、実施例1と同様であるので詳述はしない。図30はコントロールユニット16の内部を示したものであり、実施例1と同様であるので、同じく詳述しない。以下、図30中のROM22に書き込まれる制御プログラムについて述べる。図42は制御全体を表したブロック図であり、実施例1の構成(図31)から以下の演算部から追加されている。
【0072】
・基本燃料噴射量演算部(図43)
・触媒上流空燃比フィードバック制御部(図44)
・触媒下流空燃比フィードバック制御部(図45)
・触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図46)
「基本燃料噴射量演算部」で、基本燃料噴射量(Tp0)を演算する。「触媒上流空燃比フィードバック制御部」では、触媒上流空燃比センサ信号(Rabyf)が目標値となるように、基本燃料噴射量(Tp0)を補正する燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御部」では、気筒間空燃比ばらつきによる排気悪化を抑制するべく、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)から、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標値を補正する値(Tg_fbya_hos)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御許可部」では、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分(Pow)に基づいて、前述の触媒下流空燃比フィードバック制御の実施を許可するフラグ(fp_Tg_fbya_hos)を演算する。
【0073】
以下、各演算部の詳細を説明する。なお、図42中には、上記以外に、下記、5つの演算部(許可部,判定部)があるが、前述したように、実施例1と同じであるので、説明は省略する。
【0074】
・2回転成分演算部(図33)
・低周波成分2演算部(図34)
・頻度Ra演算部(図35)
・頻度Rb演算部(図36)
・異常判定部(図37)
【0075】
<基本燃料噴射量演算部(図43)>
本演算部では、基本燃料噴射量(Tp0)を演算する。具体的には、図43に示される式で演算する。ここに、Cylは気筒数を表す。K0は、インジェクタの仕様(燃料噴射パルス幅と燃料噴射量の関係)に基づき決める。
【0076】
<触媒上流空燃比フィードバック制御部(図44)>
本演算部では、燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。具体的には、図44に示される。
【0077】
・目標等量比基本値(Tg_fbya0)に目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)を加えた値を、目標等量比(Tg_fbya)とする。
・基本空燃比(Sabyf)に触媒上流空燃比センサ信号(Rabyf)を割った値を、等量比(Rfbya)とする。
・目標等量比(Tg_fbya)と等量比(Rfbya)の差を、制御誤差(E_fbya)とする。
・制御誤差(E_fbya)に基づいてPI制御により、燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。
【0078】
なお、基本空燃比(Sabyf)は、理論空燃比相当の値をするのが良い。
【0079】
また、本制御実施中は、診断許可フラグ(fp_diag)を1とする。
【0080】
<触媒下流空燃比フィードバック制御部(図45)>
本演算部では、目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)を演算する。具体的には、図45に示される。
【0081】
・制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)が1のとき、目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)の前回値に対して、テーブルTbl_Tg_fbya_hosを参照した値を加えた値を、今回の目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)とする。テーブルTbl_Tg_fbya_hosは、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)を引き数とする。
・制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)が0のとき、目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)は前回値を維持する。
【0082】
テーブルTbl_Tg_fbya_hosは、Low2が所定値以下のときは、正の値(目標等量比→大)とし、Low2が所定値以上のときは、0もしくは負の値(目標等量比→小)と設定する。
【0083】
<触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図46)>
本演算部では、制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)を演算する。具体的には、図46に示される。
【0084】
・Pow≦K2_Powかつfp_diag=1のとき、fp_Tg_fbya_hos=1とする。
・それ以外のときは、fp_Tg_fbya_hos=0とする。
【0085】
K2_Powは、排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。
【0086】
(実施例4)
実施例3では、触媒上流排気センサ12を空燃比センサとしたが、実施例4では、触媒上流排気センサ12をO2センサとした場合の実施例を示す。
【0087】
図29は本実施例を示すシステム図であり、実施例1と同様であるので詳述はしない。なお、触媒上流排気センサ12は、本実施例では、O2センサである。図30はコントロールユニット16の内部を示したものであり、実施例1と同様であるので、同じく詳述しない。以下、図30中のROM22に書き込まれる制御プログラムについて述べる。図47は制御全体を表したブロック図であり、実施例3と、下記の3つの演算部が異なる。
【0088】
・触媒上流空燃比フィードバック制御部(図48)
・触媒下流空燃比フィードバック制御部(図49)
・触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図50)
「触媒上流空燃比フィードバック制御部」では、触媒上流O2センサ信号(VO2_F)に基づいて、基本燃料噴射量(Tp0)を補正する燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御部」では、気筒間空燃比ばらつきによる排気悪化を抑制するべく、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)から、触媒上流空燃比フィードバック制御のスライスレベルを補正する値(SL_hos)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御許可部」では、前述の触媒下流空燃比フィードバック制御の実施を許可するフラグ(fp_SL_hos)を演算する。
【0089】
以下、各演算部の詳細を説明する。なお、図47中には、上記以外に、下記A〜Fの演算部(許可部,判定部)があるが、前述したように、A〜Eは、実施例1と同じであり、Fは、実施例3と同じであるので、説明は省略する。
【0090】
A.2回転成分演算部(図33)
B.低周波成分2演算部(図34)
C.頻度Ra演算部(図35)
D.頻度Rb演算部(図36)
E.異常判定部(図37)
F.基本燃料噴射量演算部(図43)
【0091】
<触媒上流空燃比フィードバック制御部(図48)>
本演算部では、燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。具体的には、図48に示される。
【0092】
・触媒上流O2センサ信号(VO2_F)に基づいて非線形PI制御により、燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。O2センサ信号を用いた非線形PI制御については、公知技術化しているので、ここでは、詳述しない。
・スライスレベル補正値(SL_hos)により、非線形PI制御のスライスレベルは、補正する。
【0093】
本制御実施中は、診断許可フラグ(fp_diag)を1とする。
【0094】
<触媒下流空燃比フィードバック制御部(図49)>
本演算部では、スライスレベル補正値(SL_hos)を演算する。具体的には、図49に示される。
【0095】
・制御許可フラグ(fp_SL_hos)が1のとき、スライスレベル補正値(SL_hos)の前回値に対して、テーブルTbl_SL_hosを参照した値を加えた値を、今回のスライスレベル補正値(SL_hos)とする。テーブルTbl_SL_hosは、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)を引き数とする。
・制御許可フラグ(fp_SL_hos)が0のとき、スライスレベル補正値(SL_hos)は前回値を維持する。
【0096】
テーブルTbl_SL_hosは、Low2が所定値以下のときは、正の値(スライスレベル→大)とし、Low2が所定値以上のときは、0もしくは負の値(スライスレベル→小)と設定する。
【0097】
<触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図50)>
本演算部では、制御許可フラグ(fp_SL_hos)を演算する。具体的には、図50に示される。
【0098】
・Pow≦K3_Powかつfp_diag=1のとき、fp_SL_hos=1とする。
・それ以外のときは、fp_SL_hos=0とする。
【0099】
K3_Powは、排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。
【0100】
なお、本実施例では、スライスレベルを補正したが、非線形PI制御におけるP分を非平衡にするのもよい。
【0101】
(実施例5)
実施例3では、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分と触媒下流O2センサ信号の低周波成分から、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標等量比を補正した。実施例5では、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分が所定値を超える頻度Raと触媒下流O2センサ信号の低周波成分が所定範囲を外れる頻度Rbとから、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標等量比を補正する。
【0102】
図29は本実施例を示すシステム図であり、実施例1と同様であるので詳述はしない。なお、触媒上流排気センサ12は、本実施例では、O2センサである。図30はコントロールユニット16の内部を示したものであり、実施例1と同様であるので、同じく詳述しない。以下、図30中のROM22に書き込まれる制御プログラムについて述べる。図51は制御全体を表したブロック図であり、実施例3と、下記の2つの演算部が異なる。
【0103】
・触媒下流空燃比フィードバック制御部(図52)
・触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図53)
「基本燃料噴射量演算部」で、基本燃料噴射量(Tp0)を演算する。「触媒上流空燃比フィードバック制御部」では、触媒上流空燃比センサ信号(Rabyf)が目標値となるように、基本燃料噴射量(Tp0)を補正する燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御部」では、気筒間空燃比ばらつきによる排気悪化を抑制するべく、触媒下流O2センサ信号の低周波成分が所定範囲を外れる頻度(Rb)から、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標値を補正する値(Tg_fbya_hos)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御許可部」では、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分が所定を超える頻度(Ra)に基づいて、前述の触媒下流空燃比フィードバック制御の実施を許可するフラグ(fp_Tg_fbya_hos)を演算する。以下、各演算部の詳細を説明する。なお、図51中には、上記以外に、下記A〜Gの演算部(許可部,判定部)があるが、前述したように、A〜Eは、実施例1と同じであり、F,Gは、実施例3と同じであるので、説明は省略する。
【0104】
A.2回転成分演算部(図33)
B.低周波成分2演算部(図34)
C.頻度Ra演算部(図35)
D.頻度Rb演算部(図36)
E.異常判定部(図37)
F.基本燃料噴射量演算部(図43)
G.触媒上流空燃比フィードバック制御部(図44)
【0105】
<触媒下流空燃比フィードバック制御部(図52)>
本演算部では、目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)を演算する。具体的には、図52に示される。
【0106】
・制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)が1のとき、目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)の前回値に対して、テーブルTbl2_Tg_fbya_hosを参照した値を加えた値を、今回の目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)とする。テーブルTbl2_Tg_fbya_hosは、触媒下流O2センサ信号の低周波成分が所定範囲を外れた頻度(Rb)を引き数とする。
・制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)が0のとき、目標等量比補正値(Tg_fbya_hos)は前回値を維持する。
【0107】
テーブルTbl2_Tg_fbya_hosは、Rbが所定値以上のときは、正の値(目標等量比→大)とし、Rbが所定値以下のときは、0もしくは負の値(目標等量比→小)と設定する。
【0108】
<触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図53)>
本演算部では、制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)を演算する。具体的には、図53に示される。
【0109】
・Ra≧K2_RaかつRb≧K2_Rbかつfp_diag=1のとき、fp_Tg_fbya_hos=1とする。
・それ以外のときは、fp_Tg_fbya_hos=0とする。
【0110】
K2_RaおよびK2_Rbは、排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。
【0111】
実施例5では、触媒上流センサ12を空燃比センサとしたが、O2センサとした場合も同様の処理で実施が可能である。ただし、各パラメータは、O2センサ用に設定し直す必要があり、また、補正するパラメータは、実施例4で示したように、スライスレベルとする、もしくは、非線形PI制御におけるP分を非平衡にするのもよい。
【0112】
(実施例6)
実施例3では、触媒上流空燃比センサ信号の2回転成分と触媒下流O2センサ信号の低周波成分から、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標等量比を補正した。実施例6では、触媒上流空燃比センサ信号の低周波成分と触媒下流O2センサ信号の低周波成分から、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標等量比を補正する。
【0113】
図29は本実施例を示すシステム図であり、実施例1と同様であるので詳述はしない。図30はコントロールユニット16の内部を示したものであり、実施例1と同様であるので、同じく詳述しない。以下、図30中のROM22に書き込まれる制御プログラムについて述べる。図54は制御全体を表したブロック図であり、実施例2の構成(図38)から以下の演算部から追加されている。
【0114】
・基本燃料噴射量演算部(図43)
・触媒上流空燃比フィードバック制御部(図44)
・触媒下流空燃比フィードバック制御部(図45)
・触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図55)
「基本燃料噴射量演算部」で、基本燃料噴射量(Tp0)を演算する。「触媒上流空燃比フィードバック制御部」では、触媒上流空燃比センサ信号(Rabyf)が目標値となるように、基本燃料噴射量(Tp0)を補正する燃料噴射量補正値(Alpha)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御部」では、気筒間空燃比ばらつきによる排気悪化を抑制するべく、触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)から、触媒上流空燃比フィードバック制御の目標値を補正する値(Tg_fbya_hos)を演算する。「触媒下流空燃比フィードバック制御許可部」では、触媒上流空燃比センサ信号の低周波成分(Low1)と触媒下流O2センサ信号の低周波成分(Low2)に基づいて、前述の触媒下流空燃比フィードバック制御の実施を許可するフラグ(fp_Tg_fbya_hos)を演算する。以下、各演算部の詳細を説明する。なお、図54中には、上記以外に、下記A〜Gの演算部(許可部,判定部)があるが、前述したように、A〜Dは、実施例2と同じであり、E〜Gは、実施例3と同じであるので、説明は省略する。
【0115】
A.低周波成分1演算部(図39)
B.低周波成分2演算部(図34)
C.頻度Rc演算部(図40)
D.異常判定部(図41)
E.基本燃料噴射量演算部(図43)
F.触媒上流空燃比フィードバック制御部(図44)
G.触媒下流空燃比フィードバック制御部(図45)
【0116】
<触媒下流空燃比フィードバック制御許可部(図55)>
本演算部では、制御許可フラグ(fp_Tg_fbya_hos)を演算する。具体的には、図55に示される。
【0117】
・K3_Low1≦Low1≦K4_Low1かつLow2≦K2_Low2のとき、fp_Tg_fbya_hos=1とする。
・それ以外のときは、fp_Tg_fbya_hos=0とする。
【0118】
K3_Low1およびK4_Low1は、触媒の高効率浄化範囲を目安に決めるのがよい。K2_Low2は、排気が悪化するレベルを目安に決めるのがよい。
【0119】
実施例6では、触媒上流センサ12を空燃比センサとしたが、O2センサとした場合も同様の処理で実施が可能である。ただし、各パラメータは、O2センサ用に設定し直す必要があり、また、補正するパラメータは、実施例4で示したように、スライスレベルとする、もしくは、非線形PI制御におけるP分を非平衡にするのもよい。
【0120】
また、「触媒上流空燃比センサ(O2センサ)信号の低周波成分1(Low1)が所定範囲内にあり、かつ、触媒下流O2センサ信号の低周波成分2(Low2)が所定範囲を外れる頻度(Rc)」に基づいて、フィードバック制御のパラメータを補正するのもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 エアクリーナ
2 エアフロセンサ
3 電子スロットル
4 吸気管
5 コレクタ
6 アクセル
7 燃料噴射弁
8 点火プラグ
9 エンジン
10 排気管
11 三元触媒
12 A/Fセンサ
13 アクセル開度センサ
14 水温センサ
15 クランク角センサ
16 コントロールユニット
17 スロットル開度センサ
18 排気還流管
19 排気還流量調節バルブ
20 触媒下流O2センサ
21 コントロールユニット内に実装されるCPU
22 コントロールユニット内に実装されるROM
23 コントロールユニット内に実装されるRAM
24 コントロールユニット内に実装される各種センサの入力回路
25 各種センサ信号の入力、アクチュエータ動作信号を出力するポート
26 点火プラグに適切なタイミングで駆動信号を出力する点火出力回路
27 燃料噴射弁に適切なパルスを出力する燃料噴射弁駆動回路
28 電子スロットル駆動回路
29 吸気温センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒上流センサ信号の所定周波数成分Aを演算する手段と、
触媒下流センサ信号の所定周波数成分Bを演算する手段と、
前記周波数成分Aと前記周波数成分Bに基づいて、エンジンの気筒間の空燃比のばらつきにより排気が悪化していることを検出する手段
とを備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記触媒上流センサは、空燃比センサもしくはO2センサであり、
前記触媒下流センサは、空燃比センサもしくはO2センサであることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記所定周波数成分Aを演算する手段は、
エンジンが2回転する周期に相当する周波数成分(以下、2回転成分)Aを演算する手段であることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記2回転成分Aを演算する手段は、
バンドパスフィルタもしくはフーリエ変換であることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記所定周波数成分Bを演算する手段は、少なくとも、エンジンが2回転する周期に相当する周波数より低い周波数成分Bを演算する手段であることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記所定周波数成分Bを演算する手段は、ローパスフィルタであることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項7】
請求項3において、
前記2回転成分Aが所定値を超えたとき、気筒間空燃比にばらつきが発生したと判断する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項8】
請求項3において、
前記2回転成分Aが所定値を超える頻度Raを演算する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項9】
請求項5において、
前記低周波成分Bが所定範囲を外れる頻度Rbを演算する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項10】
請求項8および請求項9において、
「前記2回転成分Aが所定値を超える頻度Raが所定値を超え、かつ前記低周波成分Bが所定範囲を外れる頻度Rbが所定値を超えたとき」、
気筒間空燃比ばらつきにより触媒下流の排気が悪化したと判断する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項11】
請求項1において、
前記所定周波数成分Aを演算する手段は、少なくとも、エンジンが2回転する周期に相当する周波数より低い周波数成分Aを演算する手段であることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記所定周波数成分Aを演算する手段は、ローパスフィルタであることを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項13】
請求項5および請求項11において、
「前記低周波成分Aが所定範囲内にあり、かつ、
前記低周波成分Bが所定範囲を外れる」頻度Rcを演算する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記頻度Rcが所定値を超えたとき、気筒間空燃比ばらつきにより触媒下流の排気が悪化したと判断する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項15】
触媒上流センサ出力が所定範囲となるように、エンジンの運転状態を制御するフィードバック制御を実施しているときに、請求項1〜14に記載の手段を実施することを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項16】
「触媒上流センサ出力」もしくは「触媒上流センサ出力の所定期間における平均値」が、所定範囲にあるとき、請求項1〜14に記載の手段を実施することを
特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項17】
請求項3において、
前記2回転成分Aの大きさに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項18】
請求項3において、
前記2回転成分Aの大きさに基づいて、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ
触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項19】
請求項8において、
前記頻度Raに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項20】
請求項8において、
前記頻度Raに基づいて、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ
触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項21】
請求項3および請求項5において、
前記2回転成分Aが所定値を超えたとき、
前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項22】
請求項3および請求項5において、
前記2回転成分Aが所定値を超えたとき、
前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ
触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項23】
請求項8および請求項9において、
「前記頻度Raが所定値を超え、かつ前記頻度Rbが所定値を超えたとき」、
前記頻度Rbに基づいて、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項24】
請求項8および請求項9において、
「前記頻度Raが所定値を超え、かつ前記頻度Rbが所定値を超えたとき」、
前記頻度Rbに基づいて、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ
触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項25】
請求項5および請求項11において、
前記低周波成分Aが所定範囲内にあるとき、
前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、燃料噴射量もしくは吸入空気量を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
【請求項26】
請求項5および請求項11において、
前記低周波成分Aが所定範囲内にあるとき、
前記低周波成分Bが所定範囲に入るように、触媒上流センサ信号に基づくフィードバック制御の補正値もしくは/かつ
触媒下流センサ信号に基づくフィードバック補正値を補正する手段を
備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公開番号】特開2011−252467(P2011−252467A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128408(P2010−128408)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】