説明

エンジン装置およびハイブリッド自動車

【課題】エンジンの失火の誤判定を抑制すると共にエンジンの回転変動が大きくなるのを抑制する。
【解決手段】エンジンをアイドル運転する際、エンジンの回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)していないときには、エンジンの回転数Neがアイドル回転数Nidlとなるよう点火時期を調整し(S220,S260)、エンジンの回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)したときには、エンジンの回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)していないときに比してエンジンの点火時期を基本時期Tfbaseより早くするのを制限する(S250,S260)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン装置およびハイブリッド自動車に関し、詳しくは、出力軸がねじれ要素を介して後段に接続されたエンジンと、エンジンを制御すると共にエンジンの回転変動が第1の閾値以上であることを確認したときにエンジンの失火を判定する制御手段と、を備えるエンジン装置およびこうしたエンジン装置を備えるハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のエンジン装置としては、エンジンのアイドルスピードコントロールバルブの開度や点火時期を調整することによる回転数安定化制御の実行中において、エンジンの出力軸の低速側への回転変動が所定のしきい値を超えているときにのみエンジンの失火と判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、エンジンの回転数安定化制御の実行中には回転数が増加することがあることを踏まえて、エンジンの回転変動が増速側となる場合には、エンジンの失火を判定しないことにより、失火の誤判定を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−145220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの出力軸がダンパのようなねじれ要素を介して後段に接続されている装置では、エンジンの爆発燃焼による出力軸のトルク変動がねじれ要素やその後段の共振を誘発する場合があることから、点火時期の調整を伴う回転数安定化制御の実行によってエンジンの回転変動(エンジンの1サイクルなどの間の回転変動)がより大きくなる場合がある。このため、エンジンの失火の誤判定を抑制するだけでなく、エンジンの回転変動が大きくなるのも抑制するよう望まれることがある。
【0005】
本発明のエンジン装置およびハイブリッド自動車は、エンジンの失火の誤判定を抑制すると共にエンジンの回転変動が大きくなるのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエンジン装置およびハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のエンジン装置は、
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続されたエンジンと、該エンジンを制御すると共に該エンジンの回転変動が第1の閾値以上であることを確認したときに該エンジンの失火を判定する制御手段と、を備えるエンジン装置において、
前記制御手段は、前記エンジンをアイドル運転する際、前記エンジンの回転変動が前記第1の閾値より小さな第2の閾値以上であることを確認したときには、前記エンジンの回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認していないときに比して、前記エンジンの点火時期を予め定められた基本の点火時期より早くするのを制限する手段である、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明のエンジン装置では、エンジンをアイドル運転する際、エンジンの回転変動が第1の閾値より小さな第2の閾値以上であることを確認したときには、エンジンの回転変動が第2の閾値以上であることを確認していないときに比して、エンジンの点火時期を予め定められた基本の点火時期より早くするのを制限する。点火時期を早くすると回転変動が大きくなりやすいが、こうした制御により、エンジンの回転変動が第1の閾値を超えるのを抑制することができる。即ち、エンジンの失火の誤判定を抑制すると共にエンジンの回転変動が大きくなるのを抑制することができる。ここで、エンジンの回転変動は、エンジンの出力軸が30度回転するのに要した時間やその逆数のエンジンの出力軸の所定回転(例えば、2回転や4回転など)における最大値と最小値との差分である、ものとすることもできる。また、基本の点火時期は、エンジンをアイドル運転する際の点火時期の基本値として予め定められた点火時期である、ものとすることもできる。さらに、エンジンの回転変動が第1の閾値以上であることの確認は、エンジンの回転変動が第1の閾値を超えた回数が第1の所定回数(値1以上の整数)以上に至ったときに行なう、ものとすることもできる。エンジンの回転変動が第2の閾値以上であることの確認は、エンジンの回転変動が第2の閾値を超えた回数が第2の所定回数(値1以上の整数)以上に至ったときに行なう、ものとすることもできる。
【0009】
こうした本発明のエンジン装置において、前記制御手段は、前記エンジンをアイドル運転する際には、前記エンジンの回転数がアイドル回転数となるように該エンジンを制御する手段である、ものとすることもできる。
【0010】
また、本発明のエンジン装置において、前記制御手段は、前記エンジン回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認したときには、前記基本の点火時期に点火が行なわれるよう前記エンジンを制御する手段である、ものとすることもできる。
【0011】
さらに、本発明のエンジン装置において、前記制御手段は、前記エンジンの各気筒のうち回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認した気筒については、回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認していない気筒に比して、前記エンジンの点火時期を前記基本の点火時期より早くするのを制限する手段である、ものとすることもできる。
【0012】
本発明のハイブリッド自動車は、上述のいずれかの態様の本発明のエンジン装置、即ち、基本的には、出力軸がねじれ要素を介して後段に接続されたエンジンと、該エンジンを制御すると共に該エンジンの回転変動が第1の閾値以上であることを確認したときに該エンジンの失火を判定する制御手段と、を備えるエンジン装置において、前記制御手段は、前記エンジンをアイドル運転する際、前記エンジンの回転変動が前記第1の閾値より小さな第2の閾値以上であることを確認したときには、前記エンジンの回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認していないときに比して、前記エンジンの点火時期を予め定められた基本の点火時期より早くするのを制限する手段である、エンジン装置と、第1のモータと、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1のモータの回転軸との3軸に3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記駆動軸に回転軸が接続された第2のモータと、を備えるものとすることもできる。
【0013】
この本発明のハイブリッド自動車では、上述のいずれかの態様の本発明のエンジン装置を備えるから、本発明のエンジン装置が奏する効果、例えば、エンジンの失火の誤判定を抑制すると共にエンジンの回転変動が大きくなるのを抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】エンジン22の構成の概略を示す構成図である。
【図3】エンジンECU24により繰り返し実行される失火判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】エンジンECU24により実行されるアイドル要求時点火制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図6】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図7】変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【図8】変形例のハイブリッド自動車420の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する4気筒のエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介してキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
【0017】
エンジン22は、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
【0018】
エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジションθca,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度TH,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションθcrに基づいてクランクシャフト26の回転数即ちエンジン22の回転数Neを演算したり、クランクポジションθcrに基づいてクランクシャフト26が30度回転する毎に回転に要した時間としての30度回転所要時間T30を演算したりしている。ここで、30度回転所要時間T30は、その逆数を取るとクランクシャフト26が30度回転する毎のエンジン22の回転数としての30度回転数N30となるから、エンジン22の回転変動を時間の単位を用いて表わしたものとなる。
【0019】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
【0020】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
【0021】
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0022】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
【0023】
エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算すると共に計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0024】
モータ運転モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0025】
また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジンECU24により、エンジン22で失火が生じているか否かを判定する。図3は、エンジンECU24により繰り返し実行される失火判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0026】
失火判定処理ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、エンジン22の回転変動RFを入力し(ステップS100)、入力したエンジン22の回転変動RFを失火判定用の閾値RFref1と比較する(ステップS110)。ここで、エンジン22の回転変動RFは、実施例では、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションθcrに基づいて演算される30度回転所要時間T30がクランクシャフト26の2回転(エンジン22の1サイクル)の間で変動することを踏まえて、クランクシャフト26の2回転における30度回転所要時間T30の最大値と最小値との差分を入力するものとした。また、閾値RFref1は、エンジン22に失火が生じていないときのエンジン22の回転変動RFより大きく且つエンジン22に失火が生じているときのエンジン22の回転変動RF以下の値として実験や解析などによって得られた値を用いるものとした。エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1未満のときには、エンジン22で失火は生じていないと判定してそのまま本ルーチンを終了する。
【0027】
エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上のときには、初期値として値0が設定されるカウンタC1を値1だけインクリメントして更新すると共に(ステップS120)、更新したカウンタC1を、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上であると確定(確認)するための閾値(失火確定用の閾値)Cref1(例えば、値5や値7,値10など)と比較し(ステップS130)、カウンタC1が閾値Cref1未満のときには本ルーチンを終了する。一方、カウンタC1が閾値Cref1以上のときには、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上であると確定(確認)し、エンジン22に失火が生じていると判定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。こうした処理により、エンジン22に失火が生じているか否かを判定することができる。なお、失火している気筒は、30度回転所要時間T30が極大となるときのクランクポジションθcrに応じて特定したり、30度回転所要時間T30の変化の様子(波形)に応じて特定したりすることができる。
【0028】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22をアイドル運転する際の点火制御について説明する。図4は、エンジンECU24により実行されるアイドル要求時点火制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22をアイドル運転させるためのアイドル運転指令をHVECU70から受信しているときに繰り返し実行される。なお、エンジン22をアイドル運転する際には、点火制御と共に、エンジン22の回転数Neがアイドル運転時の目標回転数Ne*としてのアイドル回転数Nidl(例えば、1000rpmや1200rpmなど)となるようにスロットルバルブ124の目標開度TH*を設定してスロットル開度THがこの目標開度TH*となるようスロットルモータ136を駆動制御することによって吸入空気量制御を行なうと共に、吸入空気量Qaに応じた目標燃料噴射量Qf*による燃料噴射が行なわれるよう燃料噴射弁126を駆動制御することによって燃料噴射制御を行なう。
【0029】
アイドル要求時点火制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、エンジン22の回転数Neと上述のエンジン22の回転変動RFとを入力し(ステップS200)、入力したエンジン22の回転変動RFを上述の閾値RFref1より小さな閾値RFref2と比較する(ステップS210)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションθcrに基づいて演算されたものを入力するものとした。また、閾値RFref2は、点火時期の調整によってエンジン22の回転変動RFが閾値RFref1を超え得ると想定する必要があるか否かの判定に用いられるものであり、例えば、閾値RFref1の所定割合(50%や60%,70%など)の値を用いるものとしたり、閾値RFref1より所定値だけ小さい値を用いるものとしたりすることができる。
【0030】
エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2未満のときには、エンジン22の回転数Neとアイドル回転数Nidlとを用いて次式(1)により目標点火時期Tf*を設定すると共に(ステップS220)、設定した目標点火時期Tf*で点火が行なわれるようイグニッションコイル138を駆動制御することによって点火制御を行なって(ステップS260)、本ルーチンを終了する。ここで、目標点火時期Tf*は、実施例では、タイミングが早いほど大きな値となるものとした。また、式(1)は、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidlとなるようにするためのフィードバック制御における関係式であり、式(1)中、「Tfbase」はエンジン22をアイドル運転する際の点火時期の基本値として予め実験や解析などによって定められた点火時期(以下、基本時期という)であり、「k1」は比例項のゲインであり、「k2」は積分項のゲインである。この場合、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidlとなるようにスロットル開度THと点火時期とを調整することにより、より精度よく、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidlとなるようにすることができる。
【0031】
Tf* = Tfbase + k1・(Nidl-Ne) + k2・∫(Nidl-Ne)dt (1)
【0032】
ステップS210でエンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上のときには、点火時期の調整によってエンジン22の回転変動RFが閾値RFref1を超え得ると想定する必要があると判断し、初期値として値0が設定されるカウンタC2を値1だけインクリメントして更新すると共に(ステップS230)、更新したカウンタC2を、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)するための閾値Cref2(例えば、値5や値7,値10など)と比較し(ステップS240)、カウンタC2が閾値Cref2未満のときには、エンジン22の回転数Neとアイドル回転数Nidlとを用いて上述の式(1)により目標点火時期Tf*を設定すると共に(ステップS220)、設定した目標点火時期Tf*で点火が行なわれるようイグニッションコイル138を駆動制御することによって点火制御を行なって(ステップS260)、本ルーチンを終了する。
【0033】
ステップS240でカウンタC2が閾値Cref2以上のときには、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)し、上述の基本時期Tfbaseを目標点火時期Tf*として設定すると共に(ステップS250)、設定した目標点火時期Tf*で点火が行なわれるようイグニッションコイル138を駆動制御することによって点火制御を行なって(ステップS260)、本ルーチンを終了する。以下、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)したときに基本時期Tfbaseを目標点火時期Tf*として設定する理由について説明する。
【0034】
一般に、エンジン22のクランクシャフト26がダンパ28のようなねじれ要素を介して後段に接続されている場合、エンジン22の爆発燃焼によるクランクシャフト26のトルク変動がねじれ要素やその後段の共振を誘発してエンジン22の回転変動RFがより大きくなることがある。また、基本時期Tfbaseより早い点火時期で点火を行なうときには、基本時期Tfbaseで点火を行なうときに比して、30度回転所要時間T30の極小値がより小さくなりやすく、エンジン22の回転変動RFが大きくなりやすい。これらより、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上のときに点火時期を基本時期Tfbaseより早くすると、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2より大きな閾値RFref1以上に至ってエンジン22の失火が誤判定されてしまう可能性があると考えられる。一方、エンジン22の点火時期が基本時期Tfbaseより遅い場合には、エンジン22での爆発燃焼によって生じるトルクが小さくなるため、その爆発燃焼による30度回転所要時間T30の極小値はそれほど小さくならず、エンジン22の回転変動RFはそれほど大きくならないと考えられる。実施例では、これらを踏まえて、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)したときには、予め定められた基本時期Tfbaseを目標点火時期Tf*として設定することにより、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)していないときに比してエンジン22の点火時期を基本時期Tfbaseより早くするのを制限するものとした。これにより、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上に至るのを抑制することができる。即ち、エンジンの失火の誤判定を抑制すると共にエンジンの回転変動RFが大きくなるのを抑制することができる。なお、この場合、点火時期を調整せずに(基本時期Tfbaseとして)上述のスロットル開度THの調整によってエンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidlとなるようにすることになるから、点火時期を調整する場合に比して、クランクシャフト26の2回転(エンジン22の1サイクル)におけるエンジン22の回転変動RFの増大は抑制することができるものの、それより十分に長い時間でみたときのエンジン22の回転数Neとアイドル回転数Nidlとのズレは若干大きくなりやすいと考えられる。
【0035】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22をアイドル運転する際において、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)したときには、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)していないときに比してエンジン22の点火時期を基本時期Tfbaseより早くするのを制限するから、エンジン22の失火の誤判定を抑制すると共にエンジン22の回転変動RFが大きくなるのを抑制することができる。
【0036】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)したときには、基本時期Tfbaseを目標点火時期Tf*として設定するものとしたが、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定したときに、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定していないときに比して点火時期を基本時期Tfbaseより早くするのを制限するものであればよいから、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定したときには、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)していないときの目標点火時期Tf*(以下、通常時期Tfnorという)より所定時期ΔTfだけ遅い時期(Tfnor−ΔTf)を目標点火時期Tf*として設定したり、時期(Tfnor−ΔTf)と基本時期Tfbaseとのうち早い方を目標点火時期Tf*として設定したりするものとしてもよい。
【0037】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の点火時期については、上述の式(1)を用いて調整するか基本時期Tfbaseとするかを全気筒に対して一律に定めるものとしたが、各気筒に対して各々に定めるものとしてもよい。この場合、例えば、30度所要時間T30とクランクポジションθcrとの関係に基づいてエンジン22の各気筒i(iは各気筒に対応する番号であり、4気筒の場合にはi=1〜4)の回転変動RF(i)を求めて、各気筒iのうち、回転変動RF(i)が閾値RFref2以上であると確定(確認)していない気筒については上述の通常時期Tfnorを目標点火時期Tf*として設定し、回転変動RF(i)が閾値RFref2以上であると確定(確認)した気筒については基本時期Tfbaseを目標点火時期Tf*として設定し、設定した目標点火時期Tf*を用いて点火制御を行なうものとしてもよい。こうすれば、エンジン22の各気筒の点火時期をより適正に定めることができる。そして、エンジン22の失火の誤判定を抑制することができると共に、各気筒iについて、対応する回転変動RF(i)が大きくなるのを抑制することができる。この変形例では、回転変動RF(i)が閾値RFref2以上であると確定(確認)した気筒については基本時期Tfbaseを目標点火時期Tf*として設定するものとしたが、上述の時期(Tfnor−ΔTf)を目標点火時期Tf*として設定するものとしたり、時期(Tfnor−ΔTf)と基本時期Tfbaseとのうち早い方を目標点火時期Tf*として設定するものとしたりしてもよい。
【0038】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上であることの確定(確認)は、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上でカウンタC1が閾値Cref1以上に至ったときに行なうものとしたが、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref1以上に至ったときに行なうものとしてもよい。また、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であることの確定(確認)は、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上でカウンタC2が閾値Cref2以上に至ったときに行なうものとしたが、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上に至ったときに行なうものとしてもよい。
【0039】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の回転変動RFは、クランクシャフト26の2回転(エンジン22の1サイクル)における30度回転所要時間T30の最大値と最小値との差分を用いるものとしたが、クランクシャフト26の2回転における30度回転数N30(30度回転所要時間T30の逆数)の最大値と最小値との差分を用いるものとしてもよい。また、クランクシャフト26の4回転や6回転などにおける30度回転所要時間T30や30度回転数N30の最大値と最小値との差分などを用いるものとしてもよい。
【0040】
実施例のハイブリッド自動車20では、4気筒のエンジン22を用いるものとしたが、2気筒や6気筒,8気筒など、気筒数はいくつであっても構わない。
【0041】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図5の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bが接続された車軸)とは異なる車軸(図5における車輪39a,39bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0042】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図6の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに動力を出力する駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
【0043】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図8の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、エンジン22からの動力を変速機430を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪38a,38bが接続された車軸とは異なる車軸(図8における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
【0044】
実施例では、本発明をエンジン22からの動力とモータMG2からの動力とを用いて走行するハイブリッド車20に適用するものとしたが、走行用の動力を出力するモータを備えずにエンジンからの動力だけを用いて走行する自動車に適用するものとしてもよい。
【0045】
また、本発明をこうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載されるエンジン装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれたエンジン装置の形態としても構わない。
【0046】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、エンジンECU24が「制御手段」に相当する。
【0047】
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「制御手段」としては、エンジン22をアイドル運転する際において、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)したときには、エンジン22の回転変動RFが閾値RFref2以上であると確定(確認)していないときに比してエンジン22の点火時期を基本時期Tfbaseより早くするのを制限するものに限定されるものではなく、エンジンを制御すると共にエンジンの回転変動が第1の閾値以上であることを確認したときにエンジンの失火を判定し、エンジンをアイドル運転する際、エンジンの回転変動が第1の閾値より小さな第2の閾値以上であることを確認したときには、エンジンの回転変動が第2の閾値以上であることを確認していないときに比して、エンジンの点火時期を予め定められた基本の点火時期より早くするのを制限するものであれば如何なるものとしても構わない。
【0048】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0049】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、エンジン装置やハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
20,120,220,320,420 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330,430 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続されたエンジンと、該エンジンを制御すると共に該エンジンの回転変動が第1の閾値以上であることを確認したときに該エンジンの失火を判定する制御手段と、を備えるエンジン装置において、
前記制御手段は、前記エンジンをアイドル運転する際、前記エンジンの回転変動が前記第1の閾値より小さな第2の閾値以上であることを確認したときには、前記エンジンの回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認していないときに比して、前記エンジンの点火時期を予め定められた基本の点火時期より早くするのを制限する手段である、
エンジン装置。
【請求項2】
請求項1記載のエンジン装置であって、
前記制御手段は、前記エンジンをアイドル運転する際には、前記エンジンの回転数がアイドル回転数となるように該エンジンを制御する手段である、
エンジン装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のエンジン装置であって、
前記制御手段は、前記エンジンの各気筒のうち回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認した気筒については、回転変動が前記第2の閾値以上であることを確認していない気筒に比して、前記エンジンの点火時期を前記基本の点火時期より早くするのを制限する手段である、
エンジン装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のエンジン装置と、
第1のモータと、
車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記第1のモータの回転軸との3軸に3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、
前記駆動軸に回転軸が接続された第2のモータと、
を備えるハイブリッド自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−19310(P2013−19310A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153080(P2011−153080)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】