説明

オキシトシンインヒビター

本発明は、式(I)の化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシトシンインヒビターとしての活性を有する置換アミドの群、その使用、その製造法、および該インヒビターを含有する組成物に関する。これらのインヒビターは、性的機能不全、特に精液早漏(P.E.)を含む種々の治療分野において有用である。
【発明の開示】
【0002】
本発明は式(I)の化合物を提供する:
【化1】

[式中、
R1
a)それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、NR7R8、OCF3、SOR6、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されたフェニル(ここで、該アルキル基はC3-C8シクロアルキル基で随時置換されてよい)、および
b)それぞれC1-C6アルキル、NH2、CF3、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、SR6、SOR6、SO2R6、NR7R8(ここでR8はNH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換された芳香族複素環、
から選択され;
【0003】
R2は、
a)C1-C6アルキル、ハロ、CN、NR7R8、OC1-C6アルキル、OCF3、CF3およびSO2R6により随時置換されたフェニル、
b)C1-C6アルキル、ハロ、OC1-C6アルキル、OCF3、CF3およびSO2R6により随時置換されたOph、
c)フェニルに随時縮合したC3-C8シクロアルキル、
d)芳香族複素環、
e)R6
f)C(O)NR6R6、および
g)C(O)R6により随時置換された複素環、
から選択され;
【0004】
R3は、
a)フェニル(該フェニルは、複素環に随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、OCF3、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される)、
b)複素環、
c)R6
d)C1-C6アルキルにより随時置換された3〜8員シクロアルキル基、および
e)C1-C6アルキルにより随時置換された芳香族複素環、
から選択され;
【0005】
R4は、水素またはCH3であり;
R5は、
a)CONH2、CONHR6、CONR6R6、R6、NH2、NHR6、OH、OR6、OC(O)NHR6、NHC(O)H、NHC(O)R6、および
b)それぞれC1-C6アルキル、NH2、CF3、ハロ、SR6、OH、OC1-C6アルキル、NHR6(ここでR6は残基は、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換された芳香族複素環
から選択され;
R6は、C1-C6アルキルであり;
R7は、水素またはC1-C6アルキルであり;
R8は、C1-C6アルキルであるか;
または、NR7R8は、3〜7個の環原子を含有する単環式飽和環系を形成し;
xは、0、1、または2であり、
yは、0、1、または2であり、および
zは、0、1、または2であり、そして
【0006】
ここで
芳香族複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員芳香族複素環として定義され(該環はフェニルもしくは3〜8員シクロアルキル基と随時縮合している);
複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜8員の飽和もしくは部分的飽和環である(該環はフェニルと随時縮合している)]。
【0007】
式(I)の化合物の薬剤学的に許容される塩には、酸付加塩およびその塩基塩がある。
式(I)の化合物の薬剤学的に許容される塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸もしくは塩基を適宜混合することにより容易に調製される。塩は、溶液から沈殿しろ過して集められるか、または溶媒を留去することにより回収される。
【0008】
適当な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成され、例は塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸酸、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモイン酸塩である。
【0009】
適当な塩基塩は、非毒性の塩を形成する塩基から形成され、例はナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、およびジエタノールアミン塩である。
【0010】
適当な塩の総説については、Bergeら、J. Pharm. Sci., 66:1-19, 1977を参照されたい
式(I)の化合物の薬剤学的に許容される溶媒和物には、その水和物がある。
式(I)の化合物の範囲には、その多形体も含む。
式(I)の化合物の範囲には、そのアトロプ異性体も含む。
【0011】
式(I)の化合物は1つ以上の不斉炭素原子を含有し、従って2つ以上の立体異性体型で存在する。式(I)の化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含有する場合、シス(Z)とトランス(E)異性体が存在することがある。本発明は、式(I)の化合物の個々の立体異性体、および適宜、その互変異性体をその混合物とともに含む。
【0012】
ジアステレオ異性体の分離またはcis異性体とtrans異性体の分離は、従来法、例えば式(I)の化合物またはその適当な塩もしくは誘導体の分別結晶化、クロマトグラフィーまたはHPLCにより行われる。式(I)の化合物の個々のエナンチオマーはまた、対応する光学的に純粋な中間体から、適当なキラル支持体を使用して対応するラセミ体の分離(例えばHPLC)により、または適宜対応するラセミ体と適当な光学活性のある酸もしくは塩基との反応で形成されるジアステレオ異性体塩の分別結晶化により、調製してもよい。
【0013】
特に明記しない場合はアルキル基またはアルコキシ基は、直鎖または分岐鎖であり、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、および特に1〜4個の炭素原子を含有する。アルキルの例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチルおよびヘキシルがある。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシおよびn-ブトキシがある。
【0014】
特に明記しない場合はシクロアルキル基またはシクロアルコキシ基は、3〜10個の環原子を含有し、単環式であるかまたは適切な数の環原子がある時多環式である。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびアダマンチルである。
芳香族複素環の例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラゾリル、トリアジニルである。さらに用語複素環は、縮合ヘテロアリール基、例えばベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾキサジニル、ベンゾチアジニル、オキサゾロピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、フタルイミド、ベンゾフラニル、ベンゾジアゼピニル、インドリル、およびイソインドリルを含む。
【0015】
複素環の例は、オキシラニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、スルホラニル、ジオキソラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、チアゾリニルおよびジアザパニルである。
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
特に明記しない場合は、置換されたという用語は、1つ以上の明確な基で置換されたことを意味する。基が多くの代替基から選択される場合、選択される基は同じかまたは異なってよい。
【0016】
好ましくはR1は以下から選択される:
a)それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、NR7R8、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されたフェニル、および
b)芳香族複素環(ここで該芳香族複素環は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、キノキサリニル、イソキサゾリル、およびピラゾリルから選択され、各芳香族複素環は、それぞれC1-C6アルキル、SR6、SO2R6、NH2、CF3、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、NR7R8(ここでR8は、NH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される)。
【0017】
さらに好ましくはR1は以下から選択される:
a)それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、NR7R8、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されたフェニル、および
b)芳香族複素環{ここで該芳香族複素環は、以下から選択される:
i)ピリジル[これは、それぞれC1-C6アルキル、SO2R6、NH2、CF3、CN、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、NR7R8(ここでR8は、NH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される];
ii)ピリミジニル[これは、それぞれC1-C6アルキル、SO2R6、NH2、CF3、CN、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、NR7R8(ここでR8は、NH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される];
iii)ピラジニル(これは、それぞれC1-C6アルキル、NH2、SR6およびハロから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される);
iv)キノリニル;
v)キノキサリニル(これは、OHにより随時置換される);
vi)イソキサゾリル(これは、C1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される);および
vii)ピラゾール}。
【0018】
さらにより好ましくはR1は、フェニル、2-もしくは3-ピリジル、または2,4-ピリミジニルであり、該残基は、それぞれC1-C6アルキル、ハロ、OC1-C6アルキル、CN、SO2R6、NHR7、NHCH2CH2NH2およびCF3から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される。
【0019】
さらに好ましくはR1は、フェニル、2-もしくは3-ピリジル、または2,4-ピリミジニルであり、該残基は、それぞれメチル、フルオロ、クロロ、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、CN、SO2CH3、NH2、NHCH3、NHCH2CH2NH2およびCF3から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される。
【0020】
好ましくはR2は以下から選択される:
a)フェニル(これは、C1-C6アルキル、ハロ、OC1-C6アルキル、OCF3、NR7R6、CF3またはSO2R6により随時置換される)、
b)OPh(これは、C1-C6アルキルまたはハロにより随時置換される)、
c)シクロプロピルまたは1-もしくは2-インダニル、
d)ピラゾリル(これは、R6により随時置換される)、
e)R6
f)C(O)N(CH3)2、および
g)1つの窒素原子を含有する5〜6員飽和環(該環はC(O)R6により置換される)。
【0021】
さらに好ましくはR2は以下から選択される:
a)フェニル(これは、メチル、ハロ、メトキシ、CF3、またはSO2CH3により随時置換される)、
b)シクロプロピルまたは1-もしくは2-インダニル、
c)ピラゾリル(これは、メチルにより随時置換される)、
d)C(O)N(CH3)2、および
e)C(O)R6により置換されたピペリジニル。
【0022】
さらにより好ましくはR2は以下から選択される:
a)フェニル(これは、メチル、フルオロ、クロロ、メトキシ、CF3、またはSO2CH3により随時置換される)、
b)ピラゾリル(これは、メチルにより随時置換される)、および
c)C(O)N(CH3)2
最も好ましくはR2は、フェニル、パラ−フルオロフェニル、パラ−クロロフェニル、パラ−メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、o-メチルフェニル、およびパラ−メトキシフェニルである。
【0023】
好ましくはR3は以下から選択される:
a)フェニル(該フェニルは、複素環に随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれC1-C6アルキル、ハロ、CN、およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される)、
b)R6
c)C1-C6アルキルにより随時置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル;および
d)芳香族複素環(該芳香族複素環は、1〜2個の窒素原子を含有する5〜6員の芳香族複素環として定義され、該環は、フェニルまたは3〜8員のシクロアルキル基に随時縮合している)。
【0024】
さらに好ましくはR3は以下から選択される:
a)フェニル(該フェニルは、1,4-ジオキサンに随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれC1-C6アルキル、ハロ、CN、およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される)、
b)R6
c)C1-C6アルキルにより随時置換されたシクロプロピル;および
d)芳香族複素環(該芳香族複素環は、いずれもC1-C6アルキルにより随時置換されたピラゾリルまたはピリジルから選択される)。
【0025】
さらに好ましくはR3は以下から選択される:
a)フェニル(該フェニルは、1,4-ジオキサンに随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれメチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロおよびCNから独立に選択される1〜2個の基により随時置換される)、
b)イソプロピル、
c)シクロプロピル;および
d)いずれもメチルにより随時置換されたピラゾリルおよびピリジル。
【0026】
最も好ましくはR3は、3-メトキシフェニルおよび1,4-ベンゾジオキサニルから選択される。
好ましくはR4はHである。
好ましくはR5は、CONH2、CONHR6、CONR6R6およびR6から選択される。
【0027】
さらに好ましくはR5は、CONH2またはCH3である。
さらに好ましくはR5は、CONH2である。
好ましくはR6は、メチルである。
好ましくはxは、1である。
好ましくはyは、0である。
好ましくはzは、0または1である。
最も好ましくはzは0である。
【0028】
好ましくは芳香族複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員の芳香族複素環として定義され、該環は、フェニルまたは3〜8員のシクロアルキル基と随時縮合される。
さらに好ましくは芳香族複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する5〜6員の芳香族複素環として定義され、該環は、フェニルと随時縮合される。
【0029】
好ましくは芳香族複素環は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、キノキサリニル、イソキサゾリル、およびピラゾリルから選択される。
複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員の飽和または部分的飽和環であり、該環はフェニルと随時縮合される。
好ましくは複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員の飽和環である。
【0030】
好ましくは複素環は、1個の窒素原子を含有する5〜6員の飽和環である。
前記方法を使用する新規出発物質の上記反応と調製法のすべては従来法であり、その実施または調製のための適切な試薬および反応条件ならびに所望の生成物を単離するための操作は、文献の方法および本明細書の実施例と調製法を参照することにより当業者に公知である。
【0031】
R1、R2、R3、およびyが上記したものであり、xが1であり、zが0であり、R4がHであり、R5がCONH2である式(I)の化合物は、スキーム1に記載の次の方法により調製される。
【化2】

【0032】
スキーム1
式(I)の化合物は、式(II)、(III)、(IV)および(V)の化合物(ここでR7はHまたはPhである)を、Keating, T.A.とArmstrong, R.W., J. Am. Chem. Soc. (1995), 117(29), 7842-3の方法の反応工程(a)Ugi 4成分縮合の条件(酸、アミン、アルデヒド、およびイソニトリルは一緒に反応させて所望の化合物を得る)で反応させて調製される。
【0033】
一般的には − 酸、アミン、アルデヒド、およびイソニトリルが一緒に、適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、THF、Et2O、DME、DMF、DMSO)中で0℃〜溶媒の還流温度で1〜48時間攪拌される。次に混合物を適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、THF、Et2O、DME、DMF、DMSO)中で、HCl、H2SO4、AcOHのような酸で0℃〜溶媒の還流温度でさらに1〜48時間処理される。
【0034】
好ましくは − メタノール中の酸、1.1当量のアミンおよび1.0当量のアルデヒドの混合物を、1.0当量の(4-イソシアノ-3-シクロヘキセ-1-ニル)-ベンゼン(Baldwin, J.E.;O'Neil, I.A. Tetrahedron Lett. (1990), 31(14):2047-50)で処理し、混合物を室温で18時間攪拌した。次に混合物を50℃に4時間加熱した。冷却した混合物をTHF(7容量%)中のcHClで処理し、室温でさらに18時間攪拌した。
【0035】
式(VI)と(VII)の化合物はまた、反応工程(a)の副産物として製造される。
【化3】

式(VI)の化合物は式(VII)の化合物に変換され、次に式(I)の化合物に変換される。
【0036】
Ugi 4成分縮合は時にエステル(VI)の仲介無しで直接酸(VII)を形成することを、当業者は理解できるであろう。これは、水に捕捉されたムンチノン(munchnone)中間体の形成によると考えられる。Keating, T.A.とArmstrong, R.W., J. Am. Chem. Soc. (1996) 118, 2574。相対比率は主に、使用される出発物質に依存する。しかし(VII)対(VI)の相対比率を上昇させるために、反応工程(a)でいくつかの条件が使用される。
【0037】
一般的には − 酸、アミン、アルデヒド、およびイソニトリルが一緒に、適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、THF、Et2O、DME、DMF、DMSO)中で0℃〜溶媒の還流温度で1〜48時間攪拌される。混合物を適当なアルコール性溶媒(例えばメタノールまたはエタノール)中の酸(例えばHCl、H2SO4、AcOH)または酸塩化物(例えば塩化アセチル)で処理し、アルコールの選択は最終的に形成されるエステルを決定する。
【0038】
好ましくは − メタノール中の酸、1.1当量のアミンおよび1.0当量のアルデヒドの混合物を、1.0当量のイソニトリルで処理し、混合物を室温で18時間攪拌した。次に混合物を50℃に4時間加熱した。混合物を5.0当量の塩化アセチルで処理し、加熱を4時間続けた。
【0039】
上記したように、式(I)の化合物(ここで、R1、R2およびR3は上記で定義したものであり、xは1であり、yは0であり、R4はHであり、R5はCONHR6もしくはCONH2である)は、式(VI)と(VII)の化合物からスキーム2に記載の以下の方法により調製される。
【化4】

【0040】
スキーム2
式(VII)の化合物は、式(VI)の化合物を反応工程(b)エステル加水分解(エステルは酸または塩基で処理することができる)の条件下で、適当な溶媒中で加熱して反応させて加水分解を行って調製される。あるいはR7=ベンジルなら、適切な触媒を使用して水素化分解によりエステルを除去することができる。
【0041】
一般的には − エステルは水性溶媒(MeOH、EtOH、THF、ジオキサン)中の金属水酸化物(Li、Na、K)で、0℃〜溶媒の還流温度で1〜48時間処理される。
【0042】
好ましくは − エステルのメタノール溶液を約3当量の水酸化ナトリウム水溶液の存在下で室温で18時間攪拌した。
【0043】
式(I)の化合物は、式(VII)の化合物を反応工程(c)アミド結合形成の条件下で反応させることにより調製される(このような反応は、当業者に公知の広範囲の条件下で行われる)。
【0044】
一般的には − カルボン酸は、CDI、TFFHのような物質、または試薬(例えばPyAOPとHOAt)の組合せを用いて処理することにより、または酸塩化物(例えば塩化オキサリルと触媒性DMFの使用により調製されるもの)の仲介により、活性化される。あるいは反応は、ペプチド結合剤(例えば、HATU、またはHBTU、またはDCC、またはDIC)を酸とアミンの混合物に添加することにより行われる。反応は、適当な溶媒(例えば、DCM、ピリジン、DMF、DMAまたはNMP)中で0℃〜溶媒の還流温度で行われる。
【0045】
好ましくは − DMF中の等モル量の酸とアミン、1.1当量のHBTUと2〜4当量のDIPEAを、室温で18時間攪拌した。
【0046】
式(I)の化合物(ここで、R1、R2、R3およびyは上記で定義したものであり、xは1であり、zは0であり、R4はHであり、R5はCONHR6である)は、スキーム3に記載の以下の方法により調製される。
【化5】

【0047】
スキーム3
式(I)の化合物は、式(II)、(III)、(IV)および(VIII)の化合物(ここでR8はHまたはPhでもよい)を、本明細書に記載の反応工程(a)Ugi 4成分縮合の条件下で反応させることにより調製される。
【0048】
一般的には − 酸、アミン、アルデヒド、およびイソニトリルが一緒に、適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、THF、Et2O、DME、DMF、DMSO)中で0℃〜溶媒の還流温度で1〜48時間攪拌される。
【0049】
好ましくは − メタノール中の酸、1.1当量のアミンおよび1.0当量のアルデヒドの混合物を、1.0当量のイソニトリルで処理し、混合物を室温で18時間攪拌した。次に混合物を50℃に4時間加熱した。
【0050】
式(VIII)のイソニトリルの調製のために、種々の方法が当業者に明らかであろう。例えば、Mukaiyama, T;Yokota, Y. Bull. Chem. Soc. Jpn., (1965) 38, 858の方法の3-メチル-2-フェニル-[1,3,2]オキサザホスホリジン、またはLey, S.V.;Taylor, S.J., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2002) 12(14), 1813のポリマーに支持された同等物を使用して、イソチオシアネートは対応するイソニトリルに変換される。イソニトリルの代替調製法には、Weber, W.P.; Gokel, G.W., Tet. Lett. (1972) 1637の、Ugi, I Angw. Chem. Int. Ed. Engl. (1965) 4, 472の、およびCreedon, S.M.ら、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 (1998), 1015の方法がある。
【0051】
式(I)の化合物(ここで、R1、R2、R3、R4、zおよびyは上記で定義したものであり、xは1であり、R5はCONR6R6である)は、スキーム4に記載の以下の方法により調製される。
【化6】

【化7】

【0052】
スキーム4
式(XI)の化合物は、式(IX)と(X)の化合物を、反応工程(d)還元アミノ化(アミンとアルデヒドの脱水素後に、形成されたイミンを適当な金属水素化物還元剤(通常適当な溶媒中でルイス酸触媒を必要とする)により室温で還元する)の条件下で反応させる。
【0053】
一般的には − アミンとアルデヒドが一緒に、適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、THF、Et2O、DCMまたはDCE)中で混合され、特定の還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム)と触媒量の酢酸で処理され、次に室温で1〜48時間攪拌される。あるいはアミンとアルデヒドが、適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、THF、Et2O、DCMまたはDCE)中で混合され、次に還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウム)と混合され、0℃〜溶媒の還流温度で1〜48時間攪拌が続けられる。
【0054】
好ましくは − DCM中のアミン、1.05当量のアルデヒド、および1.3当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムと触媒性酢酸の混合物を、室温で18時間攪拌した。
【0055】
式(XII)の化合物は、式(XI)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(c)アミド結合形成の条件下で反応させることにより調製される。
【0056】
好ましくは − 酸と2.0当量の塩化オキサリルとDCM中の触媒性DMFとの混合物を、0℃で2時間攪拌した。真空下で溶媒を除去し、得られた粗酸塩化物をDCM中の1.0当量のアミンと4当量のDIPEAで室温で18時間攪拌して処理した。
【0057】
式(XIII)の化合物は、本明細書に記載のように反応工程(b)エステル加水分解の条件下で式(XII)の化合物を反応させることにより調製される。
【0058】
式(I)の化合物は、式(XIV)(ここでR9とR10はC1-C6アルキルであるか、または一緒に結合してC4-7含有窒素複素環を形成する)と(XIII)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(c)アミド結合形成の条件下で反応させることにより調製される。
【0059】
式(I)の化合物(ここで、R1、R2、R3、R4、zおよびyは上記で定義したものであり、xは1であり、R5はCONR6R6である)は、スキーム5に記載の以下の方法により調製される。
【化8】

【化9】

【0060】
スキーム5
式(XVII)の化合物は、式(XVI)(ここでR6は本明細書で定義したものである)と(XV)(ここでPは適当な窒素保護基である)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(c)アミド結合形成の条件下で反応させることにより調製される。
【0061】
適当な窒素保護基は当該分野で充分記載されており、例えばGreene TW., Wuts, P.G.M. 有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、Wiley-Interscience、およびKocienski, P.J. 基の保護(Protecting Groups)、Tiemeのような文献に見つかる。
【0062】
式(XVIII)の化合物は、反応工程(e)窒素保護基の除去の条件下で式(XVII)の化合物を反応させることにより調製される。
【0063】
保護基の除去に必要な条件は、しばしばその保護基に特異的である;その除去のための条件は、Greene TW., Wuts, P.G.M. 有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、Wiley-Interscience、およびKocienski, P.J. 基の保護(Protecting Groups)、Tiemeのような文献に見つかる。PがBOCなら、脱保護は室温で適当な溶媒を使用する保護基の酸触媒性除去である。
【0064】
一般的には − 保護されたアミンは、溶媒(例えば1,4-ジオキサン、酢酸エチル、DCMまたはTHF)中で室温で酸(例えばHClまたはTFA)のような過剰の酸で処理される。
【0065】
好ましくは − ジクロロメタン中のアミンを1,4-ジオキサン中の4N HClで処理し、室温で18時間攪拌した。
【0066】
式(XIX)の化合物は、式(IX)と(XVIII)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(d)還元アミノ化の条件下で反応させることにより調製される。
【0067】
式(I)の化合物は、式(II)と(XIX)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(c)アミド結合形成の条件下で反応させることにより調製される。
【0068】
式(I)の化合物(ここでR1、R2、R3、R4、zおよびyは上記で定義したものであり、xは1であり、R5はC1-C6アルキルである)は、スキーム6に記載の以下の方法により調製される。
【化10】

【化11】

【0069】
スキーム6
式(XIX)の化合物は、式(XVIII)と(IX)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(d)還元アミノ化の条件下で反応させることにより調製される。
【0070】
式(I)の化合物は、式(XIX)と(II)の化合物を、本明細書に記載のように反応工程(c)アミド結合形成の条件下で反応させることにより調製される。
【0071】
SO2Me置換基を含む式(I)の化合物(ここでR1はフェニルまたは芳香族複素環である)は、SMe置換基を含む式(I)の対応する化合物の酸化により調製される。一般的に酸化は、酸化剤を溶媒中の硫化物に周囲温度で添加することにより行われる。好ましくは溶媒はジクロロメタンであり、酸化剤は3-クロロペルオキシ安息香酸である。
【0072】
NR7R8置換基を含む式(I)の化合物(ここでR1はフェニルまたは芳香族複素環である)は、アミンHNR7R8を有するSO2Me置換基を含む式(I)の対応する化合物の反応により調製される。一般的には反応は、アミンを有機溶媒中のスルホンに0℃の温度で添加し、次に室温まで2時間加熱することにより行われる。好ましくは溶媒はTHFである。
【0073】
本発明の化合物は、哺乳動物(ヒトを含む)において薬剤学的活性を有するため有用である。さらに詳しくは、これらは高レベルのオキシトシンまたは正常レベルのオキシトシンに対する過度の応答が関与している疾患の治療または予防に有用である。疾患としては、性的機能不全、特に精液早漏、早産、出産の合併症、食欲および摂食障害、肥満、良性前立腺肥大、未熟児、月経困難症、うっ血性心不全、動脈性高血圧、肝硬変、腎臓肥大、高眼圧症、強迫性障害、および神経精神障害がある。
【0074】
性的機能不全(SD)は、男性と女性の両方に影響を与える重要な臨床的問題である。SDの原因は、器質的ならびに精神的である。SDの器質的側面は一般的に、基礎的な血管疾患(例えば、高血圧または糖尿病に関連するもの)により、または処方薬物療法により、および/またはうつ病のような精神疾患により引き起こされる。生理学的要因には、恐怖、行動不安、および対人関係の葛藤がある。SDは性行動を傷害し、自尊心を低め、人間関係を破壊し、こうして対人関係の苦痛を誘導する。クリニックではSD障害は、女性性的機能不全(FSD)と男性性的機能不全(MSD)とに分類されている(Melmanら、1999, J. Urology 161:5-11)。FSDは、女性が性的表現で満足を得ることが困難であるとして定義することが最適である。男性性的機能不全(MSD)は一般に、勃起不全(MED)(男性勃起不全としても知られている)および/または射精障害[例えば、精液早漏、無オルガスムス症(オルガスムスに達することができない)または性欲障害(例えば、性欲減退障害(セックスに対する興味の欠如))]に関連する。
【0075】
PEは、男性の比較的一般的な性的機能不全である。これはいくつかの方法で定義されているが、最も広く受け入れられているのは、精神障害IVの診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders IV)であり、以下のように記載されている:
【0076】
「PEは、挿入前、挿入中、または挿入の少し後にかつ患者が希望する前に、最少の性的刺激による長年の持続性または再発性の射精である。臨床家は、興奮期の持続に影響を与える要因(例えば、年齢、セックス相手または刺激の新しさ、および性行動の頻度)を考慮しなければならない。障害は、人間関係の大きな苦痛を引き起こす。」
【0077】
疾患10の国際分類(International Classification of Diseases 10)は、以下のように記載している:
「以下のいずれかに現れるように、セックスを楽しむのに充分に射精を遅らせることができない:(1)性交開始の前またはそのほんの少し後の射精の発生(時間制限が必要なら:性交開始の前または15秒以内);(2)性交を可能にするのに充分な勃起が無いのに射精が起きる。この問題は、性行動を長期間控えた結果ではない」
【0078】
使用されている他の定義には、以下の基準に基づく分類がある:
・相手のオーガズムとの関連
・挿入と射精の間の時間
・性交運動の回数と自発的制御の能力
【0079】
PEには精神的要因が関与し、対人関係の問題、不安、うつ病、過去の性的失敗のすべてが寄与している。
【0080】
射精は、交感神経系と副交感神経系とに依存する。交感神経系を介する輸精管と精巣上体への遠心性インパルスは、平滑筋収縮を引き起こして精子を後部尿道に移動させる。精嚢、前立腺および尿道球腺の同様の収縮が、精液の量と液体含量を増加させる。精液の放出は脊髄のOnuf核に由来する遠心性インパルスにより仲介され、これは副交感神経系を通過し、尿道球腺、坐骨海綿体筋、および骨盤底筋の律動的収縮を引き起こす。射精の皮質性制御は、ヒトではまだ議論されている。ラットでは視床下部の内側視索前核と室傍核が、射精に関与しているようである。
【0081】
射精は2つの成分を含む−排出(emission)と射精(ejaculation)。射出は、遠位精巣上体、輸精管、精嚢および前立腺から尿道前立腺部への精液と精子の沈積である。この沈積後に、尿道口から精液内容物の強制放出がある。射精はオーガズム(これは純粋に脳の事象である)とは異なる。この2つのプロセスはしばしば同時に起きる。
【0082】
哺乳動物において末梢血清中のオキシトシンのパルスは、射精を伴う。ヒトでは射精時またはそのあたりで、バソプレシンではなくオキシトシンの血漿濃度が有意に上昇している。オキシトシン自体は射精を誘導しない;このプロセスは100%、脊髄の腰部に由来するα1-アドレノセプター/交感神経を介する神経制御下にある。オキシトシンの全身性パルスは、末梢の射精応答において直接的な役割を果たす可能性がある。これは、男性生殖器中の管と腺葉の収縮を調節し、こうして例えば異なる射精成分の液体容量に影響を与えるのに役立つであろう。中枢的に脳に放出されるオキシトシンは、性行動、興奮(オーガズム)の主観的評価、および以後の射精への潜時に影響を与えることができるであろう。
【0083】
従って本発明の1つの態様は、性的機能不全、好ましくは男性の性的機能不全、最も好ましくは精液早漏の予防または治療のための薬物の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0084】
女性の体のオキシトシン受容体の数が、妊娠中、特に陣痛開始の前に増加することは、科学文献で証明されている。理論に拘束されるつもりは無いが、オキシトシンの阻害は、早産を予防すること、および出産合併症を予防を助けるのに役立つことを、知られている。
【0085】
従って本発明の他の態様は、早産と出産合併症の予防または治療のための薬物の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
オキシトシンは、摂食においてある役割を果たす:これは食欲を刺激する。オキシトシンを阻害することにより、食欲を低下させることができる。従ってオキシトシンインヒビターは、食欲および摂食障害を治療するのに有用である。さらに、食欲を低下させることによりオキシトシンインヒビターは肥満の治療を助けることができる。
従って本発明のさらなる態様は、肥満、食欲および摂食障害の予防または治療のための薬物の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0086】
オキシトシンは、良性前立腺肥大(BPH)の原因の1つであるとされている。前立腺組織の分析は、BPHの患者のオキシトシンが上昇していることを証明した。オキシトシンアンタゴニストはこの症状の治療を助けることができる。
従って本発明のさらなる態様は、良性前立腺肥大の予防または治療のための薬物の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0087】
本明細書の治療についてのすべての文献は、治癒的、対症的および予防的処置を含むことを理解されたい。
本発明の化合物は、以下から選択される1つ以上の物質と同時に投与してもよい:
1)1つ以上のSSRI、例えばパロキセチン、3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-[4-(メチルスルファニル)フェノキシ]ベンゼンスルホンアミド(実施例28、WO 0172687)、3-[(ジメチルアミノ)メチル]-4-[3-メチル-4-(メチルスルファニル)フェノキシ]ベンゼンスルホンアミド(実施例12、WO 0218333)、N-メチル-N-({3-[3-メチル-4-(メチルスルファニル)フェノキシ]-4-ピリジニル}メチル)アミン(実施例38、PCT出願No PCT/IB02/01032)。
2)1つ以上の局所的麻酔薬;
3)1つ以上のベータアドレノセプターアゴニスト;
4)1つ以上のα-アドレナリン受容体アンタゴニスト(α-アドレノセプターブロッカー、α-受容体ブロッカーまたはα-ブロッカーとしても知られている);適当なα1-アドレナリン受容体アンタゴニストには以下がある:フェントラミン、プラゾシン、フェントラミンメシレート、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、フェノキシベンザミン、ラウウォルファアルカロイド、Recordati 15/2739、SNAP1069、SNAP5089、RS17053、SL890591、ドキサゾシン、WO 9830560の実施例19、テトラゾシンとアバノキル;適当なα2-アドレナリン受容体アンタゴニストには、ジベナミン、トラゾリン、トリマゾシン、エファロキサン、ヨヒンビン、イダゾキサンクロニジンおよびジベナミンがある;適当な非選択性α-アドレナリン受容体アンタゴニストにはダピプラゾールがある;さらなるα-アドレナリン受容体アンタゴニストは、1998年6月14日に公開されたPCT出願WO 99/30697、および米国特許第4,188,390;4,026,894;3,511,836;4,315,007;3,527,761;3,997,666;2,503,059;4,703,063;3,381,009;4,252,721および2,599,000がある(これらはそれぞれ参照することにより本明細書に組み込まれる);
【0088】
5)1つ以上のコレステロール低下剤、例えばスタチン類(例えば、アトルバスタチン/Lipotor−登録商標)およびフィブレート類;
6)1つ以上の血管作用性小腸ペプチド(VIP)、VIP模倣物、VIP類似体、さらに詳しくは1つ以上のVIP受容体サブタイプであるVPAC1、VPACまたはPACAP(下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ペプチド)、1つ以上のVIP受容体アゴニストまたはVIP類似体(例えばRo-125-1553)、またはVIP断片、VIP(例えばInvicorp、Aviptadil)と組合せた1つ以上のα-アドレノセプターアンタゴニストにより仲介される;
7)1つ以上のセロトニン受容体アゴニスト、アンタゴニストまたは調節物質、さらに詳しくはアゴニスト、アンタゴニストまたは調節物質、例えば5HT1A(VML670を含む)、5HT2A、5HT2C、5HT3、5HT6および/または5HT7受容体(WO-09902159、WO-0002550および/またはWO-00028993に記載のものを含む);
8)1つ以上のNEPインヒビター、好ましくは該NEPはEC3.4.24.11であり、さらに好ましくは該NEPインヒビターはEC3.4.24.11の選択的インヒビターであり、さらに好ましくは選択的NEPインヒビターはEC3.4.24.11の選択的インヒビターであり、これはIC50が100nM未満を有する(例えば、コンパトリラート(ompatrilat)、サンパトリラート(sampatrilat))、適当なNEPインヒビター化合物はEP-A-1097719に記載されている;NEPとACEに対するIC50値は、公開特許出願EP1097719-A1の[0368]〜[0376]に記載の方法を使用して決定される;
【0089】
9)バソプレシン受容体の1つ以上のアゴニストまたは調節物質、例えばレルコラプタン(relcoraptan)(SR49059);
10)アポモルヒネ − 薬剤としてのアポモルヒネの使用についての教示は、US-A-5945117に記載されている;
11)ドーパミンD2アゴニスト(例えば、プレミプリキサル(Premiprixal)、Pharmacia Upjohn化合物番号PNU95666);
12)メラノコルチン受容体アゴニスト(例えばメラノタンII);
13)PGE1受容体アゴニスト(例えばアルプロスタジル);
14)モノアミン輸送インヒビター、特にノルアドレナリン再摂取インヒビター(NRI)(例えばレボキセリン(Reboxelin))、他のセロトニン再摂取インヒビター(SRI)(例えばパロキセチン(paroxetine))またはドーパミン再摂取インヒビター(DRI);
【0090】
15)5-HT1Aアンタゴニスト(例えばロバルゾタン(robalzotan));および
16)PDEインヒビター、例えばPDE2(例えばエリスロ-9-(2-ヒドロキシル-3-ノニル)-アデニン)、およびEP0771799の実施例100(参照することにより本明細書に組み込まれる)、および特にPDE5インヒビター(例えばEP-A-0463756に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0526004に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開国際特許出願WO93/06104に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開国際特許出願WO93/07149に開示された異性体ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開国際特許出願WO93/12095に開示されたキナゾリン-4-オン;公開国際特許出願WO94/05661に開示されたピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オン;公開国際特許出願WO94/00453に開示されたプリン-6-オン;公開国際特許出願WO98/49166に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開国際特許出願WO99/54333に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0995751に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;公開国際特許出願WO00/24745に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0995750に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;公開国際特許出願WO95/19978に開示された化合物;公開国際特許出願WO99/24433に開示された化合物、公開国際特許出願WO93/24433に開示された化合物、および公開国際特許出願WO93/07124に開示された化合物。
【0091】
公開国際特許出願WO01/27112に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開国際特許出願WO01/27113に開示されたピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-1092718に開示された化合物、およびEP-A-1092719に開示された化合物。
【0092】
本発明で使用するための好適なPDE5インヒビター:
5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、また1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-メチルピペラジンとしても知られている(EP-A-0463756を参照);
5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(EP-A-0526004を参照);
3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO98/49166を参照);
【0093】
3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO99/54333を参照);
(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-1(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、また3-エチル-5-{5-[4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル]-2-([(1R)-2-メトキシ-1-メチルエチル]オキシ)ピリジン-3-イル}-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンとしても知られている(WO99/54333を参照);
5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、また1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンとしても知られている(WO01/27113、実施例8を参照);
5-[2-イソ-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27113、実施例15を参照);
5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27113、実施例66を参照);
【0094】
5-(5-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27112、実施例124を参照);
5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27112、実施例132を参照);
(6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-ジメチレンジオキシフェニル)-ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4-b]インドール-1,4-ジオン(IC-351)、すなわち公開国際特許出願WO95/19978の実施例78と95の化合物ならびに実施例1、3、7および8の化合物;
2-[2-エトキシ-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル-1-スルホニル)-フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オン(バルデナフィル(vardenafil))、また1-[[3-(3,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソ-7-プロピルイミダゾ[5,1-f]-アス-トリアジン-2-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-エチルピペラジンとしても知られている、すなわち公開国際特許出願WO99/24433の実施例20、19、337および336の化合物;および公開国際特許出願WO93/07124(EISAI)の実施例11の化合物;およびRotella D P, J. Med. Chem., 2000, 43, 1257からの化合物3と14。
【0095】
本発明で使用されるさらなるPDE5インヒビターには以下がある:4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフェニル)-プロポキシ]-3-(2H)ピリダジノン;1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミオノ]-6-クロロ-2-キノゾリニル]-4-ピペリジン-カルボン酸、一ナトリウム塩;(+)-シス-5,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)-フェニルメチル-5-メチル-シクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン;フラジオシリン;シス-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシレート;4-ブロモ-5-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン;1-メチル-5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸、一ナトリウム塩;Pharmaprojects No.4516 (グラクソウェルカム(Glaxo Wellcome));Pharmaprojects No.5051(バイエル(Bayer));Pharmaprojects No.5064(協和発酵(Kyowa Hakko);WO96/26940を参照);Pharmaprojects No.5069(シェリングプラウ(Shering Plough));GF-196960(グラクソウェルカム(Glaxo Wellcome));E-8010とE-4010(エイザイ(Eisai));Bay-38-3045と38-9456(バイエル(Bayer))およびSch-51866。
【0096】
公開された特許出願および雑誌の記事の内容、および特に請求項の治療活性のある化合物および例示された化合物の一般式は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0097】
本発明で使用されるさらに好適なPDE5インヒビターは以下の群から選択される:
5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル(sildenafil));
(6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4-b]インドール-1,4-ジオン(IC-351);
2-[2-エトキシ-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル-1-スルホニル)-フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オン(バルデナフィル(vardenafil));および
5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン、または5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンおよびその薬剤学的に許容される塩。
【0098】
特に好適なPDE5インヒビターは、5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル(sildenafil))(また1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-メチルピペラジンとしても知られている)およびその薬剤学的に許容される塩である。クエン酸シルデナフィルは好適な塩である。
【0099】
式(I)の化合物はとともに投与されることもできる。
【0100】
A. オキシトシン受容体リガンド結合IC50アッセイ
i) 緩衝液
細胞増殖培地
Hams F12栄養ミックス
10% FCS
2mM L-グルタミン
400μg/ml G418
15mM ヘペス
膜Prep緩衝液
50mM トリス−塩酸、pH7.8
10mM MgCl2
プロテアーゼインヒビター
凍結緩衝液
50mM トリス−塩酸、pH7.8
10mM MgCl2
20% グリセロール
アッセイ培地
50mM トリス−塩酸、pH7.8
10mM MgCl2
0.25% BSA
Max.
50mM トリス−塩酸、pH7.8、10mM MgCl2中で作成した0.5μM(arg8)-バソトシン
Min.
2.5% DMSO/50mM トリス−塩酸、pH7.8、10mM MgCl2
【0101】
ii) 化合物希釈(アッセイ中の最終濃度10μM)
a) HTAストック化合物、100% DMSO中4mM
b) 化合物をdH2Oで200nMに希釈する
c) 化合物を100mM トリス−塩酸、pH7.8、20mM MgCl2中でさらに100μMに希釈する。これは、2.5% DMSO、50mM トリス−塩酸、pH7.8、10mM MgCl2の最終濃度を与える。
d) この希釈したストックを使用して、TECAN Genesisを用いて50mM トリス−塩酸、pH7.8、10mM MgCl2、2.5% DMSOで、10点にわたって1:2希釈物を調製する。
e) ECADAによる分析に必要なプレート配置に従って、標準物質(arg8)−バソトシンIC50用のスペースを開けて、384ウェルのオプティプレート(Optiplate)中に10μlの化合物を分注する。これらのプレートは4℃で保存することができる。
f) アッセイの日に、10μlのMax.を+ウェルに加え10μlのMin.を−ウェルに加え、上の濃度が100nM(最終20nM)を用いて二重測定で(arg8)−バソトシンの10点にわたって1:2連続希釈物を調製する。
【0102】
iii) オキシトシン受容体−CHO細胞の維持
・225cm2フラスコ中の50ml増殖培地中で細胞株を連続培養物として日常的に維持する。
・細胞が解離した兆候を示すまで、単層から培地を除去し、PBSで洗浄し、トリプシンでインキュベートして、細胞を継代する。フラスコの底から細胞をたたいて、細胞を増殖培地に再懸濁し、225cm2フラスコ中に8×105細胞/フラスコの濃度で接種する。
【0103】
IV) ローラーボトル中の細胞の増殖
・細胞を10×850cm2のローラーボトル中に6×106細胞/ボトルの密度で接種し、コンフルエンスに達するようにする。
・上記したようにトリプシンを使用して細胞をボトルから除去し、細胞を100×ローラーボトルに接種する(すなわち、1:10分割比)。
・細胞を再度コンフルエンスにするようにした後増殖培地を除去し、40ml PBS/ボトルを加え、CellMateを使用して掻き取って採取する。次に細胞懸濁物を2000rpmで遠心分離し、PBSで洗浄し、再度遠心分離し、ペレットをアリコートにして-80℃で凍結する。
【0104】
v) 膜調製物
・細胞をフリーザーから採取し、氷上で融解し、パック細胞容量当たり3mlの膜prep緩衝液に再懸濁する。
・次に機械的ホモジナイザーを使用して氷上で5秒間の数回のバーストで懸濁物をホモジナイズし、次に25,000×gで30分遠心分離する。
・元々のパック細胞容量1ml当たり1mlの凍結緩衝液にペレットを再懸濁した後、懸濁物を短時間ホモジナイズして小さな塊を除去する。次にタンパク質濃度を測定し、最後に膜懸濁物を5mg/mlの最少のアリコートで-80℃で凍結する。
【0105】
vi) アッセイ
・膜を氷上で融解した後、アッセイ緩衝液で1mg/mlに希釈する。SPAビーズを50mg/mlでアッセイ緩衝液に再懸濁する。これらの濃度から、ビーズ1mg当たり30μgのタンパク質を上下シェーカー上で4℃で2時間インキュベートすることにより、ビーズを膜にプレ結合させる。次にビーズ/膜を2000rpmで10分遠心分離し、ペレットを3mg/mlで再懸濁する。
125I-OVTAのすべての操作は、シグマコート(SigmaCote)を使用してシラン化したチップを使用して行う。すべてのボトルと試験管もシラン化する。125I-OVTAは、50μCiの凍結乾燥リガンド当たり1mlのアッセイ緩衝液で希釈する。次に液体シンチレーション計測(ワラックカウンター(Wallac Counter)のプロトコール61)を使用して二重測定で5μlの試料を計測し、リガンドの濃度を計算する(下記参照)。これは、粘性によるリガンドの喪失をなくすためである。測定された濃度を使用して、125I-OVTAをアッセイ緩衝液で0.3nMに希釈する。
【0106】
例:
5μlが500000dpmを与え、リガンドの比活性が2200Ci/mmolなら:
濃度=500000/(2.2×2200×5)nM
【0107】
調製されたオプティプレート(Optiplate)にマルチドロップ(Multi-drop)を使用して20μlのビーズ/膜調製物を加える。次にマルチドロップを使用して20μlの125I-OVTAをオプティプレートの各ウェルに加える。室温で4時間インキュベーション後、トップカウントNXT(TopCount NXT)を使用して30s/ウェルでプレートを計測する。
【0108】
本発明の化合物はすべて、10μMでオキシトシンの70%以上の阻害を示す。
2-アミノ-N-[カルバモイル-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-メチル]-4,6-ジメチル-N-(4-メチル-ベンジル)-ニコチンアミド(実施例257)は、Kiが9.4nMである。
(RまたはS)-2-アミノ-N-[カルバモイル-{(3-メトキシフェニル)-メチル}]-4,6-ジメチル-N-(4-メチル-ベンジル)-ニコチンアミド(実施例258−単一のエナンチオマー)は、Kiが9.4nMである。
【0109】
式(I)の化合物は単独で投与できるが、一般的には、予定の投与経路と標準的薬学的慣習に関して選択された適当な薬剤学的賦形剤、希釈剤または担体とともに投与される。
本発明は、式(I)の化合物と薬剤学的に許容される希釈剤または担体とを含む組成物を提供する。
【0110】
例えば式(I)の化合物は、経口で、頬に、または舌下に、錠剤、カプセル剤、腔坐剤、エリキシル剤、液剤または懸濁剤の形で投与することができ、これは、即時、遅延、修飾、持続、パルスまたは制御放出適用のために香味剤もしくは着色剤を含有してもよい。
【0111】
このような錠剤は、微結晶セルロース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウムおよびグリシンのような賦形剤、デンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、およびいくつかの複合ケイ酸塩のような崩壊剤、およびポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴムのような造粒結合剤を含有してもよい。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクのような滑沢剤を含有してもよい。
【0112】
同様のタイプの固体組成物もまた、ゼラチンカプセルの充填剤として使用される。この点で好適な賦形剤は、乳糖、デンプン、セルロース、ミルク糖、または高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁剤およびエリキシル剤には、式(I)の化合物は、種々の甘味剤もしくは香味剤、着色物質もしくは色素、乳化剤および/もしくは懸濁剤、および希釈剤(例えば水、エタノール、ポリエチレングリコールおよびグリセリン)、およびこれらの組合せと一緒にしてもよい。
【0113】
式(I)の化合物はまた、非経口的、例えば静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下投与することもでき、または注入法により投与してもよい。このような非経口投与には、これらは無菌水溶液の形で使用され、これは他の物質(例えば、溶液を血液と等張にするのに充分な塩またはグルコース)を含有してもよい。水溶液は、必要であれば緩衝化(好ましくはpH3〜9)されることが適切である。適当な非経口製剤の無菌条件下での調製は、当業者に公知の標準的薬剤学的方法により容易に行われる。
【0114】
式(I)の化合物はまた鼻内または吸入により投与することもでき、乾燥粉末吸入器、または加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザーもしくはネブライザーからのエアゾル調製物の形で、適当な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルカン、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134A[登録商標])もしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA[登録商標])、二酸化炭素または他の適当な気体)を使用してもしくは使用せずに、投与することが便利である。加圧エアゾル剤の場合、投与単位は、測定された量を供給する弁を提供することにより決定される。加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー、またはネブライザーは、例えばエタノールと噴射剤の混合物(これは、例えばトリオレイン酸ソルビタンのような滑沢剤をさらに含有してもよい)を溶媒として使用して活性化合物の溶液または懸濁液を含有してもよい。吸入器または吹き入れ器で使用するためのカプセルやカートリッジ(例えばゼラチンから作成される)は、式(I)の化合物と適当な粉末基剤(例えば乳糖またはデンプン)との粉末ミックスを含有するように製剤化される。
【0115】
あるいは式(I)の化合物は坐剤またはペッサリーの形で投与することができるか、または一般的にはゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏または粉剤の形で投与することができる。式(I)の化合物はまた、皮膚パッチを使用して皮内もしくは経皮的に投与してもよい。これらはまた、肺もしくは直腸経路で投与してもよい。
【0116】
これらはまた、眼内経路で投与してもよい。眼に使用するために化合物は、等張のpH調整した無菌食塩水中の微粉化懸濁物として、または好ましくは等張のpH調整した無菌食塩水中の溶液として、随時塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤と組合せて投与することができる。あるいはこれらは、ワセリンのような軟膏剤に製剤化してもよい。
【0117】
皮膚への局所的投与のために式(I)の化合物は、例えば以下の1つ以上との混合物として懸濁物または溶解された活性化合物を含有する適当な軟膏剤として製剤化することができる:鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウおよび水。あるいはこれらは、例えば以下の1つ以上との混合物に懸濁または溶解された、適当なローション剤またはクリーム剤として製剤化することができる:鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、液体パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリールアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水。
【0118】
式(I)の化合物はまた、シクロデキストリンと一緒に使用してもよい。シクロデキストリンは、薬剤分子と包接および非包接複合体を形成することが知られている。薬剤−シクロデキストリン複合体の形成は、薬剤分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を変化させることがある。薬剤−シクロデキストリン複合体は一般に、ほとんどの剤形および投与経路に有用である。薬剤との複合体を形成する代わりにシクロデキストリンは、付属添加剤(例えば、担体、希釈剤または可溶化剤)として使用してもよい。アルファ−、ベータ−、およびガンマ−シクロデキストリンが最も一般的に使用され、適当な例はWO-A-91/11172、WO-A-94/02518およびWO-A-98/55148に記載されている。
【0119】
本発明はさらに以下の非限定例により例示される。
略語と定義:
Arbocel(登録商標):ろ過剤、J. Rettenmaier & Sohne(ドイツ)から
Amberlyst(登録商標)15:イオン交換樹脂、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から入手できる
APCI:大気圧化学イオン化
atm:大気圧(1 atm = 760 Torr = 101.3 kPa)
Biotage(登録商標):Flash75シリカゲルカートリッジを使用して行われるクロマトグラフィー、ビオタージ(Biotage)(英国)から
BOC:tert-ブチルオキシカルボニル基
br:ブロード
c:100ml当たりのg数で表した旋光度測定値に使用される濃度(1mg/mlはc 0.10である)
cat:触媒性
d:ダブレット
dd:ダブレットのダブレット
【0120】
Degussa(登録商標)101:10wt% パラジウム担持活性炭、Degussa型E101、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から入手できる
Develosil:フェノメネックス(Phenomenex)が販売、ノムラ(Nomura)が製造
Combi-RP C30 hplcカラム:ケミカル社(Chemical Co.)。C30鎖の化学的に結合した表面を有する球形のシリカ粒子からなる(サイズ3μmまたは5μm)。これらの粒子は、内径2cmで長さ25cmのステンレス鋼カラムに充填される。
Dowex(登録商標):イオン交換樹脂、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から
ee:エナンチオマー過剰
HRMS:高分解能質量スペクトル法(電子噴霧イオン化陽性スキャン)
Hyflo(登録商標):ハイフロースーパーセル(Hyflo supercel)(登録商標)、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から
liq:液体
【0121】
LRMS:低分解能質量スペクトル法(電子噴霧または熱噴霧イオン化陽性スキャン)
LRMS(ES-):低分解能質量スペクトル法(電子噴霧イオン化陽性スキャン)
m:多重項
m/z:質量スペクトルピーク
MCI(登録商標)ゲル:高多孔性ポリマー、CHP20P 75〜150μm、三菱化学(Mitsubishi Chemical Corporation)から
Phenomenex Luna C18 hplcカラム:フェノメネックス(Phenomenex)が販売。球形シリカからなるC18鎖の化学的に結合した表面を有する球形のシリカ粒子からなる(サイズ5μmまたは10μm)。これらの粒子は、内径2.1cmで長さ25cmのステンレス鋼カラムに充填される。
【0122】
psi:ポンド/平方インチ(1 psi = 6.9 kPa)
q:四重項
Rf:TLC上の保持因子
s:一重項
Sep-Pak(登録商標):逆相C18シリカゲルカートリッジ、ウォーターズ社(Waters Corporation)
t:三重項
TLC:薄層クロマトグラフィー
δ:ケミカルシフト
【0123】
本明細書において特に明記しない場合は:
PyBOP(登録商標)は、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する;
PyBrOP(登録商標)は、ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する;
CDIは、N,N'-カルボニルジイミダゾールを意味する;
WSCDIは、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩を意味する;
ムカイヤマ(Mukaiyama's)試薬は、ヨウ化2-クロロ-1-メチルピリジニウムを意味する;
【0124】
DCCは、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドを意味する;
DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミンを意味する;
HATUは、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する;
HBTUは、O-ベンゾトリアゾール-1-イルN,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する;
HOATは、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールを意味する;
HOBTは、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を意味する;
ヒューニッヒ(Hunig)の塩基は、N-エチルジイソプロピルアミンを意味する;
Et3Nは、トリエチルアミンを意味する;
NMMは、N-メチルモルホリンを意味する;
NMPは、1-メチル-2-ピロリジノンを意味する;
DMAは、ジメチルアセトアミドを意味する;
【0125】
DMEは、エチレングリコールジメチルエーテルを意味する;
DMAPは、4-ジメチルアミノピリジンを意味する;
NMOは、4-メチルモルホリンN-オキシドを意味する;
KHMDSは、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドを意味する;
NaHMDSは、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを意味する;
DIADは、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートを意味する;
DICは、2-ジメチルアミノイソプロピルクロリド塩酸塩を意味する;
DEADは、ジエチルアゾジカルボキシレートを意味する;
DIBALは、ジイソブチルアルミニウムヒドリドを意味する;
Dess-Martinペリオジナンは、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オンを意味する;
【0126】
TBDMS-Clは、tert-ブチルジメチルクロロシランを意味する;
TFFHは、テトラメチルフルオロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する;
TMS-Clは、クロロトリメチルシランを意味する;
BOCは、tert-ブトキシカルボニルを意味する;
CBzは、ベンジルオキシカルボニルを意味する;
MeOHはメタノールを、EtOHはエタノールを、およびEtOAcは酢酸エチルを意味する;
THFはテトラヒドロフランを、DMSOはジメチルスルホキシドを、DCMはジクロロメタンを意味し;DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを意味する;AcOHは酢酸を、TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。
【実施例】
【0127】
実施例1
2-アミノ-N-[2-アミノ-1-(2-メチルフェニル)-2-オキソエチル]-N-(4-クロロベンジル)ニコチンアミド
【化12】

4-クロロベンジルアミン(708mg, 5mmol)のメタノール(10ml)溶液、次にo-トルアルデヒド(601mg, 5mmol)のメタノール(10ml)溶液、次にメタノール/シクロヘキサン(95:5、容量)中の調製6からの化合物(916mg, 5mmol)を、順に2-アミノニコチン酸(691mg, 5mmol)のメタノール(20ml)懸濁液に加え、この混合物を50℃で7時間攪拌し、次に室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を塩酸のテトラヒドロフラン溶液(25ml, 0.6M)に溶解し、反応物を室温で24時間攪拌した。混合物から減圧下で溶媒を留去させ、残渣をジクロロメタン(200ml)に懸濁し、溶解が起きるまでトリエチルアミンを加え、次に溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液(2×50ml)で洗浄した。次に有機溶液を乾燥(MgSO4)し、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーでジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン(100:0:0から90:10:1)の勾配溶離液を使用して精製して、標題化合物(968mg)を得た。
【化13】

【0128】
実施例2〜218
【化14】

【0129】
実施例2〜8
【化15】

4-メチルベンジルアミンの溶液(50μl、メタノール中0.6M)、ベンザジオキサンアルデヒド(100μl、メタノール中0.3M)、および調製6からのイソシアネート(50μl、メタノール中0.6M)を、適当な酸(30μmol)に加えた。反応物を密封し、室温で18時間攪拌し、次に50℃に3時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、塩酸のテトラヒドロフラン溶液(500μl、0.6M)を加え、容器を再度密封し、再度室温でさらに24時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をジメチルスルホキシド(500μl)に溶解し、フェノメネックスルナ(Phenomonex Luna)150×10mm、10μmカラムを使用して、アセトニトリル:0.1%ジエチルアミン水溶液中で8ml/分で225nMで、以下の勾配を使用してHPLCにより精製した。
【0130】
【表1】

【0131】
【表2】

【0132】
【表3】

【0133】
実施例9
【化16】

実施例9は、メチル(3-カルボキサルデヒド-2-ピリジン)カルボキシレート、4-メチルベンジルアミン、6-メチル-2-ピリジンカルボン酸、および調製6からのイソシアネートから、実施例2に記載の方法と同様にして調製した。
保持時間/分:6.647
【0134】
実施例10〜24
必要な酸(R1CO2H)(200μl、メタノール中0.25M溶液)、(必要に応じて溶解を助けるために1-メチル-2-ピロリジンを加えた)、次にアミン(R2NH2)(100μl、0.5Mのメタノール溶液)を、96ウェルプレートに移した。適当なアルデヒドR3COOHの溶液(100μl、0.5Mのメタノール溶液)を調製し、次に加え、次に調製6からの化合物の溶液(100μl、シクロヘキサン:メタノール、1:19容量中0.5M)を加え、プレートを密封した。プレートを50℃で24時間窒素雰囲気下で加熱し、次に冷却し、真空下で溶媒を除去した。
塩酸のテトラヒドロフラン溶液(0.5ml, 0.6N)を加え、反応物を密封し、室温で72時間振盪した。真空下で溶媒を除去し、トリエチルアミン(50μl)を加えて残渣を中和し、次にメチルスルホキシド/水(約0.5ml、90:10容量)に溶解した。アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液(15:85から90:10から98:2)の溶離勾配を使用して6ml/分で、溶液をフェノメネックスマゲレン(Phenomenex Magellen)5μ C18カラム(150×10mm)でHPLCにより精製し、210nmで検出し、真空下で溶媒を留去して標題化合物を得た。
【0135】
最終化合物を、フェノメネックスマゲレン 5μ C18カラム(30×4.6mm)でHPLCにより、アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液を3ml/分で225nMと255nMで、以下の勾配を使用して分析した:
【0136】
【表4】

【0137】
【表5】

【0138】
【表6】

【0139】
【表7】

【0140】
実施例25〜62
必要な酸(R1CO2H)(200μl、1-メチル-2-ピロリジノン中0.25M溶液)、次にアミン(R2NH2)(100μl、0.5Mのメタノール溶液)を96ウェルプレートに移した。適当なアルデヒドR3COHの溶液(100μl、0.5Mのメタノール溶液)を調製し、次に加え、次に調製6からの化合物の溶液(100μl、シクロヘキサン:メタノール、1:13容量中0.5M)を加え、プレートを密封した。プレートを50℃で24時間窒素雰囲気下で加熱し、次に冷却し、真空下で溶媒を除去した。
塩酸のテトラヒドロフラン溶液(0.5ml, 0.6N)を加え、反応物を密封し、室温で24時間振盪した。真空下で溶媒を除去し、残渣をメチルスルホキシド/水(0.5ml、90:10容量)に溶解した。アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液(15:85から90:10から98:2)の溶離勾配を使用して6ml/分で10分間、溶液をフェノメネックスマゲレン 5μ C18カラム(150×10mm)でHPLCにより精製し、210nmで検出し、真空下で溶媒を留去して標題化合物を得た。
【0141】
最終化合物を、フェノメネックスマゲレン 5μ C18カラム(30×4.6mm)でHPLCにより、アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液を3ml/分で225nMと255nMで、以下の勾配を使用して分析した:
【0142】
【表8】

【0143】
【表9】

【0144】
【表10】

【0145】
【表11】

【0146】
【表12】

【0147】
【表13】

【0148】
【表14】

【0149】
実施例63〜218
一般式の以下の例:
【化17】

を、2-アミノ-4,6-ジメチルニコチン酸(ビオネットリサーチ社(Bionet Research Ltd.)から得られる)、調製6からの化合物、および適当なアミンとアルデヒドから、実施例25〜62の調製について記載した方法に従って調製した。
【0150】
【表15】

【0151】
【表16】

【0152】
【表17】

【0153】
【表18】

【0154】
【表19】

【0155】
【表20】

【0156】
【表21】

【0157】
【表22】

【0158】
【表23】

【0159】
【表24】

【0160】
【表25】

【0161】
【表26】

【0162】
【表27】

【0163】
【表28】

【0164】
【表29】

【0165】
【表30】

【0166】
【表31】

【0167】
実施例219〜233
【化18】

4-メチルベンジルアミン(100μl、0.5Mのメタノール溶液)とm-アニスアルデヒド(100μl、0.5Mのメタノール溶液)の溶液を、適当な酸の溶液(100μl、メタノール/1-メチル-2−ピロリジノン 1:1中0.5M)に加えた。次に調製6からのイソシアネートの溶液(100μl、メタノール/シクロヘキサン、1:1中0.5M)を加え、反応物を密封し、50℃に24時間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、塩酸のテトラヒドロフラン溶液(500μl、0.6M)を加え、容器を再密封し、再度室温でさらに24時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をメチルスルホキシドに溶解し、フェノメネックスルナ150×10mm、10μmカラムを使用して、アセトニトリル:0.1%ジエチルアミン水溶液中で8ml/分で225nMで以下の勾配を使用してHPLCにより精製した。
【0168】
【表32】

【0169】
【表33】

【0170】
【表34】

【0171】
実施例234
N-[2-アミノ-1-(3-メトキシフェニル)-2-オキソエチル]-4-シアノ-N-(4-メチルベンジル)ベンズアミド
【化19】

4-シアノ安息香酸(584mg, 4mmol)、m-アニスアルデヒド(486μl, 4mmol)、4-メチルベンジルアミン(509μl, 4mmol)、および調製6からの化合物(752mg, 4mmol)のメタノール(15ml)中の混合物を、室温で18時間攪拌した。次に反応物を50℃でさらに4時間攪拌し、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を塩酸のテトラヒドロフラン溶液(0.6N, 15ml)に溶解し、溶液を室温で2時間攪拌し、次に減圧下で溶媒を留去した。生成物を1N 水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりメタノール:ジクロロメタン(1:99)を溶離液として使用して精製して、標題化合物を黄色の泡状物として得た(1.38g)。
【化20】

【0172】
実施例235〜239
一般式の以下の化合物:
【化21】

を、m-アニスアルデヒド、4-メチルベンジルアミン、調製6からの化合物、および適当な酸から、実施例234の調製について記載した方法に従って調製した。
【0173】
【表35】

【0174】
【表36】

【0175】
実施例240
N-[3-アミノ-1-(3-メトキシフェニル)-3-オキソプロピル]-4-メチル-N-(4-メチルベンジル)ニコチンアミド
【化22】

調製13からの酸(176mg, 0.42mmol)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(157mg, 0.42mol)およびN-エチルジイソプロピルアミン(147μl, 0.84mmol)のジクロロメタン溶液(20ml)を、室温で1時間攪拌した。0.88 アンモニウム(0.5ml)を加え、反応物を室温で18時間攪拌した。混合物を重炭酸ナトリウム溶液(20ml)、水(20ml)および食塩水(20ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン:メタノール:0.88 アンモニウム(100:0:0から97.5:2.5:0.25)を溶離液として使用して精製して、標題化合物を得た(79mg)。
HRMS:m/z (ES+) 418.2117 [MH+]
【0176】
実施例241
2-アミノ-N-[(1S)-3-アミノ-3-オキソ-1-フェニルプロピル]-N-(4-メチルベンジル)ニコチンアミド
【化23】

調製11からのアミン(100mg, 0.37mmol)、2-アミノニコチン酸(47.1mg, 0.34mmol)およびO-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(141mg, 0.37mol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(2ml)中のN-エチルジイソプロピルアミン(195μl, 1.125mmol)溶液に加え、溶液を室温で18時間攪拌し、次に85℃さらに48時間攪拌した。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、残渣を炭酸ナトリウム溶液(10ml)と酢酸エチル(10ml)とに分配させた。層を分離し、有機相を水(10ml)と食塩水(5ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去した。残渣の褐色油状物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン:メタノール(100:0から90:10)を溶離液として使用して精製して、標題化合物を褐色油状物として得た(25.1mg)。
【化24】

【0177】
実施例242
5-クロロ-2-メチルチオ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化25】

メチル-5-クロロ-2-メチルチオピリミジン-4-カルボキシレート(1.0g, 4.88mmol)のメタノール溶液(40ml)に、4-メチルベンジルアミン(0.71g, 5.86mmol)、1,4-ベンゾジオキサン-6-カルボキサルデヒド(0.96g, 5.86mmol)および4-フェニルシクロヘキ-1-セニルイソニトリル(1.075g, 5,86mmol)を加えた。3時間後溶媒を留去し、残渣を1.2N HClのTHF液10mlに溶解した。1時間後溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解した。この溶液を水(50ml)、飽和NaHCO3溶液(50ml)および食塩水(50ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル(50g)のクロマトグラフィーによりペンタン−酢酸エチル(9:1から4:6、EtOAcを10%ずつ増加)の勾配を用いて、標題化合物を固体として得た(2.28g, 93%)。
【化26】

【0178】
実施例243
5-クロロ-2-メタンスルホニル-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化27】

実施例242からのスルフィド(2.04g, 4.08mmol)のCH2Cl2溶液(30ml)に、3-クロロペルオキシ安息香酸(3.01g, 8.99mmol)を少しずつ10分間かけて周囲温度で加えた。18時間後、溶液を10%NaHSO3溶液(10ml)、飽和NaHCO3溶液(2×10ml)、食塩水(10ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を留去して標題化合物を黄色の固体として得た(1.5g, 69%)。
【化28】

【0179】
実施例244
5-クロロ-2-エチルアミノ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化29】

エチルアミンを、THF(3ml)中の実施例243からのスルホンの氷冷溶液(0.15g, 0.28mmol)に20分間通した。室温で2時間後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(10ml)に溶解し、溶液を水(10ml)、飽和NaHCO3溶液(2×10ml)、食塩水(10ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル(10g)のクロマトグラフィーによりペンタン−酢酸エチルの90:10から30:70の勾配で酢酸エチルを10%ずつ増加させて、標題化合物を泡状物として得た(107mg, 76%)。
【化30】

【0180】
実施例245
5-クロロ-2-アミノ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化31】

実施例243のスルホンから実施例244の方法を使用して、およびアミンとしてアンモニアを使用して、標題化合物を泡状物として得た(91.5mg, 89%)。
【化32】

【0181】
実施例246
5-クロロ-2-アミノエチルアミノ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化33】

CH2Cl2(6ml)中の調製14からの生成物(276mg, 0.45mmol)とアニソール(245mg, 2.26mmol)の氷冷溶液に、トリフルオロ酢酸(6ml)を加えた。2時間後、反応混合物を蒸発乾固させた。残渣を新鮮なCH2Cl2(20ml)に溶解し、溶液を10%Na2CO3溶液(20ml)、飽和NaHCO3溶液(20ml)、食塩水(20ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲル(10g)のクロマトグラフィーによりCH2Cl2−CH3OH−NH4OHの勾配(99:1:0.1から90:10:1で、CH3OHの1%ずつの増加とNH4OHの0.1%ずつの増加)を用いて精製して、標題化合物を泡状物として得た(69mg, 30%)。
【化34】

【0182】
実施例247
5-クロロ-2-メチルチオ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化35】

これは、実施例242の生成物と同じ方法で3-メトキシベンズアルデヒドをアルデヒド成分として使用して、標題化合物を固体として調製した(1.74g, 76%)。
【化36】

【0183】
実施例248
5-クロロ-2-メタンスルホニル-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化37】

これは、実施例243の生成物と同じ方法で実施例247のスルフィドを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(0.97g, 53%)。
【化38】

【0184】
実施例249
5-クロロ-2-アミノ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化39】

標題化合物は、実施例248のスルホンから実施例244の方法を使用しアミンとしてアンモニアを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(22mg, 12%)。
【化40】

【0185】
実施例250
5-クロロ-2-ジメチルアミノ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化41】

これは、実施例249の生成物と同じ方法でアミンとしてジメチルアミンを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(0.06g, 31%)。
【化42】

【0186】
実施例251
5-クロロ-2-メチルアミノ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化43】

これは、実施例249の生成物と同じ方法でアミンとしてメチルアミンを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(0.24g, 88%)。
【化44】

【0187】
実施例252
5-メチル-2-メチルチオ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化45】

これは、実施例242の生成物と同じ方法で、酸およびアルデヒド成分として5-メチル-2-メチルチオピリミジン-4-カルボン酸(調製17)と3-メトキシベンズアルデヒドを使用して、標題化合物を固体として調製した(0.97g, 72%)。
【化46】

【0188】
実施例253
5-メチル-2-メタンスルホニル-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化47】

これは、実施例243の生成物と同じ方法で、実施例252のスルフィドを使用して、標題化合物を固体として調製した(0.7g, 74%)。
【化48】

実施例254
5-メチル-2-ジメチルアミノ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化49】

これは、実施例244の生成物と同じ方法で、実施例253のスルホンを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(0.14g, 74%)。
【化50】

【0189】
実施例255
5-メチル-2-メチルアミノ-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化51】

これは、実施例254の生成物と同じ方法で、アミンとしてメチルアミンを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(0.15g, 85%)。
【化52】

【0190】
実施例256
3-メチル-N-[2-アミノ-1-{3-メトキシフェニル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピラジン-2-カルボキサミド
【化53】

これは、実施例242の生成物と同じ方法で、酸およびアルデヒド成分として3-メチルピラジン-2-カルボン酸(JOC、2002、p556)と3-メトキシベンズアルデヒドを使用して、標題化合物を泡状物として調製した(0.5g, 63%)。
【化54】

【0191】
実施例257
2-アミノ-N-[カルバモイル-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシ-6-ニル)-メチル]-4,6-ジメチル-N-(4-メチル-ベンジル)-ニコチンアミド
【化55】

2-アミノ-4,6-ジメチルニコチン酸(ビオネットリサーチ社から得られる)(665mg, 4mmol)、1,4-ベンゾジオキサン-6-カルボキサルデヒド(656mg, 4mmol)、4-メチルベンジルアミン(509μl, 4mmol)および調製6からの化合物(752mg, 4mmol)のメタノール(15ml)中の混合物を、室温で18時間攪拌した。次に反応物を50℃でさらに4時間攪拌し、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を塩酸のテトラヒドロフラン溶液(0.6N, 15ml)に溶解し、溶液を室温で4時間攪拌し、次に減圧下で溶媒を留去した。生成物を2N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりメタノール:ジクロロメタン(4:96)を溶離液として使用して黄色の泡状物を得て、これをジエチルエーテルで粉砕して標題化合物を黄色の粉末として得た(360mg)。
【化56】

【0192】
実施例258と実施例259
実施例18の化合物を、キラルパック(Chiralpak)AD250 20mmカラムを使用して50%ヘキサン50%イソプロピルアルコールで、220nmで40分間かけて10ml/分の流速でキラルHPLCにより、2つのエナンチオマーに分離した。エナンチオマー過剰は、キラルパック(Chiralpak)AD250 4.6mmカラムを使用して50%ヘキサン50%イソプロピルアルコールで、220nmで30分間かけて1ml/分の流速でHPLC分析により測定した。
【0193】
実施例258
(RまたはS)-2-アミノ-N-[カルバモイル-{(3-メトキシフェニル)-メチル}]-4,6-ジメチル-N-(4-メチル-ベンジル)-ニコチンアミド
【化57】

エナンチオマー1:保持時間14.87分、>99% ee
LRMS:m/z (ES+) 433 [MH+], 85%;455 [MNa+], 100%
【0194】
実施例259
(RまたはS)-2-アミノ-N-[カルバモイル-{(3-メトキシフェニル)-メチル}]-4,6-ジメチル-N-(4-メチル-ベンジル)-ニコチンアミド
【化58】

エナンチオマー2:保持時間20.20分、>98.89% ee
LRMS:m/z (ES+) 433 [MH+], 95%;455 [MNa+], 100%
【0195】
調製1
2-メチルアミノ-ニコチン酸
【化59】

塩酸メチルアミン(8.6g, 128ml)を少しずつ、N,N-ジメチルホルムアミド(100ml)中の2-クロロニコチン酸(10.0g, 64mmol)、炭酸カリウム(35.4g, 256mmol)および臭化銅(I)(920mg, 6.4mmol)の混合物に加え、反応物を100℃に18時間加熱し、次に冷却した。生じた沈殿物をろ過して除去し、追加のメタノールで洗浄し、ろ液から減圧下で溶媒を留去した。残渣を2N水酸化ナトリウム溶液(200ml)に再溶解し、ジエチルエーテル(4×80ml)で洗浄し、濃塩酸を使用して水溶液のpHを6に調整した。この水溶液から減圧下で溶媒を留去し、残渣をメタノールに溶解し、ポリ(4-ビニルピリジン)(2%架橋、5g)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。残渣をろ過して除去し、次に操作を繰り返した。溶液から減圧下で溶媒を留去し、固体をエタノールから再結晶化して標題化合物(5.2g)を得た。
【化60】

【0196】
調製2
2-エチルアミノ-ニコチン酸
【化61】

炭酸カリウム(9.21g, 66.6mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)中の2-クロロニコチン酸(5.0g, 31.7mol)、塩酸エチルアミン(5.18g, 63.4mmol)、および臭化銅(I)(450mg, 3.17mmol)の混合物に加え、反応物を100℃に1.5時間加熱し、次に冷却した。生じた固体をろ過して除去し、ろ液から減圧下で溶媒を留去した。残存する青/緑色の固体をアセトンで粉砕し、生じた固体をろ過して除去し、真空下で乾燥して標題化合物を得た。
ろ液から減圧下で溶媒を留去し、残渣をジエチルエーテルで粉砕し、固体をろ過し、真空下で乾燥して追加の生成物を得た(全部で2.2g)。
【0197】
調製3
2-ベンジルアミノ-ニコチン酸
【化62】

炭酸カリウム(4.82g, 34.9mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(50ml)中の2-クロロニコチン酸(5.0g, 31.7mol)、ベンジルアミン(3.47g, 31.7mmol)、および臭化銅(I)(450mg, 3.17mmol)の混合物に加え、反応物を100℃に2時間加熱し、次に冷却した。生じた固体をろ過して除去し、ろ液から減圧下で溶媒を留去した。残渣を4N水酸化ナトリウム溶液(25ml)とジクロロメタン(25ml)とで分配し、層を分離した。有機溶液を水で抽出し(2×)、合わせた水溶液を濃塩酸を使用して中和した。生じた固体をろ過して除去し、冷水で洗浄し、真空下で50℃で乾燥して標題化合物を得た(1.6g)。
【化63】

【0198】
調製4
2-{[3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}ニコチン酸
【化64】

3-(4-モルホリノ)-1-プロピルアミン(9.23g, 40mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド中の2-クロロニコチン酸(5g, 32mmol)、炭酸カリウム(4.42g, 3mmol)、および臭化銅(I)(460mg, 3.2mmol)の溶液に加え、反応混合物を110℃で21時間攪拌した。冷却した混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をトルエンで共沸させた。
【0199】
残渣をメタノール(40ml)に溶解し、ポリ(4-ビニルピリジン)(2%、架橋)を加え、混合物を1時間攪拌し、次にろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を最少量のジクロロメタンに溶解し、ジエチルエーテル(250ml)に滴下して加えて油状物を得た。デカントして溶媒を除去し、最少量のジクロロメタンに再溶解した油状物を再度ジエチルエーテルに滴下して加えた。生じた沈殿物をろ過し、乾燥して標題化合物を得た(4.3g)
【化65】

【0200】
調製5
2-フルオロ-5-ホルミルベンゾニトリル
【化66】

イソプロピル臭化マグネシウム(18ml, テトラヒドロフラン中1M, 18mmol)をテトラヒドロフラン(25ml)中の5-ブロモ-2-フルオロベンゾニトリル(3g, 15.1mmol)の氷冷溶液に滴下して加え、添加が完了したら、混合物を室温まで暖めて、さらに2時間攪拌した。N,N-ジメチルホルムアミド(3.5ml, 45.2mmol)を加え、反応物を3時間攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した、合わせた有機抽出物を、6%硫酸マグネシウム水溶液および食塩水で洗浄し、次に乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより酢酸エチル:ヘキサン溶離液勾配(10:90から20:80)を使用して精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(1.01g)。
【化67】

【0201】
調製6
(4-イソシアノ-シクロヘキセ-3-ニル)-ベンゼン
【化68】

カリウムtert-ブトキシド(34.3g, 306mmol)を、tert-ブタノール(150ml)中の4-フェニル-1-ホルムアミドシクロヘキセン(13.6g, 68mmol)の溶液(Biiorg. Med. Chem; 8; 6; 2000; 1343)に少しずつ加え、充分に加熱しながら溶解を確認して混合物を2時間攪拌した。反応容器を冷却しながらオキシ塩化燐(7.82g, 51mmol)を滴下して加え、添加が完了後、反応物を室温で24時間攪拌した。TLC分析は、出発物質が残っていることを示したため、追加のカリウムtert-ブトキシド(3.8g, 34mmol)とオキシ塩化燐(1.57ml, 17mmol)を加え、反応物をさらに45分間攪拌した。減圧下で混合物を濃縮し、残渣を食塩水(500ml)に入れ、ジクロロメタン(100ml, 3×50ml)で抽出した。合わせた有機溶液を水(100ml)、食塩水(200ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去した。粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(90:10)を使用して精製して、標題化合物を得た(5.8g)。
【化69】

【0202】
調製7
3-アミノ-3-(3-メトキシフェニル)プロパン酸メチル
【化70】

濃塩酸(10ml)中のβ-アミノ-3-メトキシベンゼンプロパン酸(WO0041469)の溶液(9.38g, 52mmol)とメタノール(115ml)を7時間加熱還流し、次に冷却した。反応物から減圧下で溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル(300ml)と1N水は溶液(300ml)とで分配した。層を分離し、減圧下で有機相を蒸発させて、標題化合物を無色の油状物として得た(8.8g)。
【化71】

【0203】
調製8
(1S)-3-アミノ-3-オキソ-1-フェニルプロピルカルバミン酸tert-ブチル
【化72】

ジクロロメタン(250ml)中の1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.46g, 25.6mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(4.91g, 25.6mmol)および(S)-N-tert-ブトキシカルボニル-3-アミノ-3-フェニルプロパン酸(6.80g, 25.6mmol)の混合物を室温で1時間攪拌した。0.88 アンモニア(20ml)を加え、混合物を室温でさらに18時間攪拌した。生じた固体をろ過して除去し、重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次に水で洗浄し、50℃で真空下で乾燥して標題化合物を得た(6.78g)。
【化73】

【0204】
調製9
(3S)-3-アミノ-3-フェニルプロパンアミド
【化74】

ジオキサン(50ml)中4M 塩酸を、メタノール(20ml)中の調製8からの保護アミンの溶液(6.50g, 24.6mmol)に加え、溶液を室温で18時間攪拌した。溶液から減圧下で溶媒を留去して白色の固体を得た。これを水(50ml)に溶解し、1M 水酸化ナトリウム(27ml, 27mmol)を加え、溶液を室温で18時間攪拌した。水溶液をジクロロメタンで、次に酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去して標題化合物を白色の固体として得た(1.32g)。
【化75】

【0205】
調製10
3-(3-メトキシフェニル)-3-[(4-メチルベンジル)アミノ]プロパン酸メチル
【化76】

ジクロロメタン(500ml)中の調製7からのアミン(8.8g, 42mmol)、p-トルアルデヒド(5.10g, 42mmol)、酢酸(1ml)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(11.57g, 55mmol)を、室温で18時間攪拌した。2N 塩酸(50ml)を加え、溶液をさらに30分間攪拌した。重炭酸ナトリウム溶液を使用して反応物を塩基性にし、相を分離し、水層をジクロロメタン(500ml)で抽出した。合わせた有機溶液を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去して油状物を得た。これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン:メタノール:0.88 アンモニア(100:0:0から97.5:2.5:0.25)の溶離勾配を使用して精製して、標題化合物を得た(7.68g)。
【化77】

【0206】
調製11
(3S)-3-[(4-メチルベンジル)アミノ]-3-フェニルプロパンアミド
【化78】

p-トルアルデヒドと調製9からのアミンから調製10に記載の方法に従って、標題化合物を62%の収率で得た。
【化79】

【0207】
調製12
3-(3-メトキシフェニル)-3-{(4-メチルベンジル)[(4-メチル-3-ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロパン酸メチル
【化80】

塩化オキサリル(731mg, 5.76mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(1滴)を、ジクロロメタン(25ml)中の4-メチルニコチン酸の溶液(500mg, 2.88mmol)に加え、溶液を室温で4時間攪拌した。反応物から減圧下で溶媒を留去して塩化4-メチル-ミコチノイルを得た。
【0208】
ジクロロメタン(50ml)中の新に調製した酸塩化物、調製10からのアミン(400mg, 1.28mmol)、およびN-エチルジイソプロピルアミン(0.67ml, 3.84mmol)の溶液を、室温で18時間攪拌した。反応物を重炭酸ナトリウム溶液(50ml)、水(50ml)、次に食塩水(50ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン:メタノール:0.88 アンモニア(100:0:0から97.5:2.5:0.25)の溶離勾配を使用して精製して、標題化合物を得た(289mg)。
LRMS:m/z (ES+) 433 [MH+]
【0209】
調製13
3-(3-メトキシフェニル)-N-(4-メチルベンジル)-N-[(4-メチル-3-ピリジニル)カルボニル]-β-アラニン
【化81】

水(10ml)とテトラヒドロフラン(10ml)中の調製12からのエステル(289mg, 0.67mmol)の溶液に水酸化リチウム(30mg, 0.74mmol)を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。溶液を減圧下で濃縮し、水性残渣を酢酸エチル(20ml)で洗浄した。2N 塩酸を使用して水溶液をpH5に酸性化し、次に酢酸エチル(20ml)で抽出した。溶液を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン:メタノール:0.88 アンモニア(100:0:0から97.5:2.5:0.25)を使用して精製して、標題化合物を得た(176mg)。
HRMS:m/z (ES+) 418.2117 [MH+], C25H27N3O3は418.2125が必要である。
【0210】
調製14
5-クロロ-2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノエチル)アミノ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド
【化82】

実施例243からのスルホンとN-Boc-エチレンジアミン(アルドリッチ(Aldrich)から市販されている)から実施例244の方法を使用して標題化合物を作成し、直ちに次の工程に使用した。
【0211】
調製15
メチル-2-ケト-3-メチル-4-ジメチルアミノブテ-3-ノエート
【化83】

メチル-2-ケトブチレート(5g, 43mmol)を周囲温度でジメチルホルムアミドジメチルアセタール(5.13g, 43mmol, 5.72ml)に加えた。溶液を窒素下で一晩攪拌し、次に揮発性化合物を真空下で40℃で除去した。黄色の残渣をさらに精製することなく使用した。
【化84】

【0212】
調製16
メチル-5-メチル-2-メチルチオピリミジン-4-カルボキシレート
【化85】

ナトリウム金属(1.05g, 45.5mmol)を周囲温度でメタノール(40ml)に加えた。金属の溶解後、硫酸S-メチルイソチオウロニウム(6.34g, 22.8mmol)を一回で加え、次にメチル-2-ケト-3-メチル-4-ジメチルアミノブテ-3-ノエート(3.9g, 22.8mmol, 調製15)を5mlのメタノール中の溶液として滴下して加えた。反応物を周囲温度で1時間攪拌し、次に50℃に3時間加熱した。冷却後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(50ml)と水(30ml)とで分配した。有機相を分離し、食塩水(20ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにより酢酸エチル/ペンタンの勾配(95/5で出発して上昇させる)を溶離液として使用して、標題化合物を固体として得た(0.9g, 20%)。
【化86】

【0213】
調製17
5-メチル-2-メチルチオピリミジン-4-カルボン酸
【化87】

水酸化ナトリウム(0.27g, 4.6mmol)を水溶液(2ml)として、メタノール(5ml)中の調製16からのエステルの溶液に周囲温度で滴下して加えた。20分後、反応混合物を2M HClで酸性化し、メタノールを留去した。生じた水性懸濁物をCH2Cl2(3×10ml)で抽出した。合わせた抽出物をMgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。固体残渣をエーテル中で粉砕し、ろ過して標題化合物を固体として得た(0.57g, 67%)。
【化88】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

[式中、
R1
a)それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、NR7R8、OCF3、SOR6、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されたフェニル(ここで、該アルキル基はC3-C8シクロアルキル基で随時置換されてよい)、および
b)それぞれC1-C6アルキル、NH2、CF3、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、SR6、SOR6、SO2R6、NR7R8(ここでR8はNH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換された芳香族複素環、
から選択され;
R2は、
a)C1-C6アルキル、ハロ、CN、NR7R8、OC1-C6アルキル、OCF3、CF3およびSO2R6により随時置換されたフェニル、
b)C1-C6アルキル、ハロ、OC1-C6アルキル、OCF3、CF3およびSO2R6により随時置換されたOph、
c)フェニルに随時縮合したC3-C8シクロアルキル、
d)芳香族複素環、
e)R6
f)C(O)NR6R6、および
g)C(O)R6により随時置換された複素環、
から選択され;
R3は、
a)フェニル(該フェニルは、複素環に随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、OCF3、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される)、
b)複素環、
c)R6
d)C1-C6アルキルにより随時置換された3〜8員シクロアルキル基、および
e)C1-C6アルキルにより随時置換された芳香族複素環、
から選択され;
R4は、水素またはCH3であり;
R5は、
a)CONH2、CONHR6、CONR6R6、R6、NH2、NHR6、OH、OR6、OC(O)NHR6、NHC(O)H、NHC(O)R6、および
b)それぞれC1-C6アルキル、NH2、CF3、ハロ、SR6、OH、OC1-C6アルキル、NHR6(ここでR6は残基は、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換された芳香族複素環
から選択され;
R6は、C1-C6アルキルであり;
R7は、水素またはC1-C6アルキルであり;
R8は、C1-C6アルキルであるか;
または、NR7R8は、3〜7個の環原子を含有する単環式飽和環系を形成し;
xは、0、1、または2であり、
yは、0、1、または2であり、および
zは、0、1、または2であり、そして
ここで
芳香族複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜6員芳香族複素環として定義され(該環はフェニルもしくは3〜8員シクロアルキル基と随時縮合している);
複素環は、それぞれがN、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜8員の飽和もしくは部分的飽和環である(該環はフェニルと随時縮合している)]で表される化合物;
その互変異性体、または該化合物もしくは互変異性体の薬剤学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形体。
【請求項2】
請求項1の化合物であって、R1
a)それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、NR7R8、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されたフェニル、および
b)それぞれC1-C6アルキル、SR6、SO2R6、NH2、CF3、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、NR7R8(ここでR8はNH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換された、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、キノキサリニル、イソキサゾリル、およびピラゾリルから選択される芳香族複素環、
から選択され;
R2は、
a)C1-C6アルキル、ハロ、OC1-C6アルキル、OCF3、NR7R8、CF3およびSO2R6により随時置換されたフェニル、
b)C1-C6アルキルまたはハロにより随時置換されたOPh、
c)シクロプロピルまたは1-もしくは2-インダニル、
d)R6により随時置換されたピラゾリル、
e)R6
f)C(O)N(CH3)2、および
g)C(O)R6により随時置換された、1つの窒素原子を含有する5〜6員飽和環、
から選択され;
R3は、
a)フェニル(該フェニルは、複素環に随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれC1-C6アルキル、ハロ、CN、およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される)、
b)R6
c)C1-C6アルキルにより随時置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル;および
d)芳香族複素環(該芳香族複素環は、1または2個の窒素原子を含有する5〜6員の芳香族複素環として定義され、該環は、フェニルまたは3〜8員のシクロアルキル基に随時縮合している)、
から選択され;
R4は、Hであり;
R5は、CONH2、CONHR6、CONR6R6、およびR6から選択され;
R6は、メチルであり;
xは1であり;
yは0であり;および
zは0または1である、上記化合物。
【請求項3】
請求項2の化合物であって、R1は:
a)それぞれC1-C6アルキル、CF3、ハロ、CN、NR7R8、SO2R6およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されたフェニル、および
b)芳香族複素環{ここで該芳香族複素環は、以下から選択される:
i)ピリジル[これは、それぞれC1-C6アルキル、SO2R6、NH2、CF3、CN、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、NR7R8(ここでR8は、NH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される];
ii)ピリミジニル[これは、それぞれC1-C6アルキル、SO2R6、NH2、CF3、CN、ハロ、OH、OC1-C6アルキル、NR7R8(ここでR8は、NH2、フェニルまたは複素環により随時置換されてよい)、およびOPh(ここでPhは、それぞれハロとC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換されてよい)から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される];
iii)ピラジニル(これは、それぞれC1-C6アルキル、NH2、SR6およびハロから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される);
iv)キノリニル;
v)キノキサリニル(これは、OHにより随時置換される);
vi)イソキサゾリル(これは、C1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される);および
vii)ピラゾール}、
から選択され;
R2は:
a)フェニル(これは、メチル、ハロ、メトキシ、CF3、またはSO2CH3により随時置換される)、
b)シクロプロピルまたは1-もしくは2-インダニル、
c)ピラゾリル(これは、メチルにより随時置換される)、
d)C(O)N(CH3)2、および
e)C(O)R6により置換されたピペリジニル、
から選択され;
R3は:
a)フェニル(該フェニルは、1,4-ジオキサンに随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれC1-C6アルキル、ハロ、CN、およびOC1-C6アルキルから独立に選択される1〜3個の基により随時置換される);
b)R6
c)C1-C6アルキルにより随時置換されたシクロプロピル;および
d)芳香族複素環(該芳香族複素環は、いずれもC1-C6アルキルにより随時置換されたピラゾリルまたはピリジルから選択される)。
から選択され;
R5は、CONH2またはCH3である;および
zは0である、上記化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物であって、R1はフェニル、2-もしくは3-ピリジルまたは2,4-ピリミジニルであり、該残基は、それぞれC1-C6アルキル、ハロ、OC1-C6アルキル、CN、SO2R6、NHR7、NHCH2CH2NH2およびCF3から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される、上記化合物。
【請求項5】
請求項4の化合物であって、R1はフェニル、2-もしくは3-ピリジルまたは2,4-ピリミジニルであり、該残基は、それぞれメチル、フルオロ、クロロ、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、CN、SO2CH3、NH2、NHCH3、NHCH2CH2NH2およびCF3から独立に選択される1〜3個の基により随時置換される、上記化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項の化合物であって、R2は:
a)フェニル(これは、メチル、フルオロ、クロロ、メトキシ、CF3、またはSO2CH3により随時置換される)、
b)ピラゾリル(これは、メチルにより随時置換される)、および
c)C(O)N(CH3)2
から選択される上記化合物。
【請求項7】
請求項6の化合物であって、R2は:
フェニル、パラ−フルオロフェニル、パラ−クロロフェニル、パラ−メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、o-メチルフェニル、およびパラ−メトキシフェニル、から選択される上記化合物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項の化合物であって、R3は:
a)フェニル(該フェニルは、1,4-ジオキサンに随時縮合しており、該フェニルまたは該縮合フェニルは、それぞれメチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロおよびCNから独立に選択される1〜2個の基により随時置換される);
b)イソプロピル;
c)シクロプロピル;および
d)いずれもメチルにより随時置換されたピラゾリルおよびピリジル、
から選択される上記化合物。
【請求項9】
R3は、3-メトキシフェニルまたは1,4-ベンゾジオキサニルである、請求項8の化合物。
【請求項10】
R5は、CONH2である、請求項1〜9のいずれか1項の化合物。
【請求項11】
以下から選択される請求項1の化合物:
2-アミノ-N-[2-アミノ-1-(2-メチルフェニル)-2-オキソエチル]-N-(4-クロロベンジル)ニコチンアミド、
N-[2-アミノ-1-(3-メトキシフェニル)-2-オキソエチル]-4-シアノ-N-(4-メチルベンジル)ベンズアミド、
N-[3-アミノ-1-(3-メトキシフェニル)-3-オキソプロピル]-4-メチル-N-(4-メチルベンジル)ニコチンアミド、
2-アミノ-N-[(1S)-3-アミノ-3-オキソ-1-フェニルプロピル]-N-(4-メチルベンジル)ニコチンアミド、
5-クロロ-2-メチルチオ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド、
5-クロロ-2-アミノ-N-[2-アミノ-1-{1,4-ベンゾジオキサン-6-イル}-2-オキソエチル]-N-(4-メチルベンジル)ピリミジン-4-カルボキサミド、および
2-アミノ-N-[カルバモイル-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシ-6-ニル)-メチル]-4,6-ジメチル-N-(4-メチル-ベンジル)-ニコチンアミド;
および、その互変異性体、および該化合物もしくは互変異性体の薬剤学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形体。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項の式(I)の化合物、またはその薬剤学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形体と、薬剤学的に許容される希釈剤もしくは担体とを含む医薬組成物。
【請求項13】
医薬として使用される、請求項1〜11のいずれか1項の式(I)の化合物、またはその薬剤学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形体。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか1項の式(I)の化合物、またはその薬剤学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形体の治療的有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるオキシトシンの阻害が有益な作用を示すことが知られているかまたは証明することができる障害または症状の治療法。
【請求項15】
オキシトシンの阻害が有益な作用を示すことが知られているかまたは証明することができる障害または症状の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項の式(I)の化合物、またはその薬剤学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形体の使用。
【請求項16】
障害または症状は、性的機能不全(精液早漏を含む)、早産、出産の合併症、食欲および摂食障害、肥満、良性前立腺肥大、早産、月経困難症、うっ血性心不全、動脈性高血圧、肝硬変、腎臓肥大、高眼圧症、強迫性障害、および神経精神障害から選択される、請求項14または請求項15の使用。
【請求項17】
障害または症状は精液早漏である、請求項16の使用。

【公表番号】特表2006−508055(P2006−508055A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−532405(P2004−532405)
【出願日】平成15年8月13日(2003.8.13)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003705
【国際公開番号】WO2004/020414
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】