説明

オートタキシン阻害剤

本発明は、オートタキシン阻害剤としての式(I)による化合物、ならびにリゾホスファチジン酸レベルの上昇および/またはオートタキシンの活性化によって引き起こされ、媒介され、かつ/または増幅される生理学的および/または病態生理学的状態、特に様々な癌の治療および/または予防ためのこのような化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートタキシン阻害剤としての化合物、ならびにリゾホスファチジン酸(lysophosphatic acid)レベルの上昇および/またはオートタキシンの活性化によって引き起こされ、媒介され、かつ/または増幅される(propagated)生理学的および/または病態生理学的状態、特に種々の癌の治療および/または予防のためのこれら化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
オートタキシン(autotaxin)(ATX)は、リゾファチジルコリン(LPC)をリゾホスファチジン酸(LPA)に変える(Tokumuraら、J.Biol.Chem.2002、277:39436;Umezu−Gozoら、J.Biol.Chem.2002、158:227)ため、卵巣癌患者の腹水および血漿中のLPAレベルの増加に明らかに関与する酵素である(Xuら、Clinical Cancer Research 1995、1:1223;Xuら、Biochem.J.1995、309:933)。
【0003】
LPAは、平滑筋収縮、血小板凝集およびアポトーシスなどの数多くの生物学的および生化学的過程に影響を与える細胞内脂質メディエーターである(Tigyiら、Prog.Lipid Res.2003、42:498;Millsら、Nat.Rev.Cancer 2003、3:582;Lynchら、Prost.Lipid Med.2001、64:33)。さらに、LPAは、初期および後期の卵巣癌患者の血漿および腹水中に高い濃度で見出される。
【0004】
LPAは、腫瘍細胞の増殖、生存、移動および隣接組織への浸潤を促進することが示されてきたが、これは転移の形成をもたらし得る(Xuら、Clinical Cancer Research 1995、1:1223;Xuら、Biochem.J.1995、309:933)。これらの生物学的および病態生物学的過程は、LPAによるGタンパク質共役受容体の活性化によってスイッチが入れられる(Contosら、Mol.Pharm.2000、58:1188)。
【0005】
LPAレベルの増加、受容体発現の変化およびLPAに対する反応の変化は、卵巣癌の開始、進行または転帰の一因となり得る。さらに、LPAはまた、前立腺、乳房、黒色腫、頭頸部、腸および甲状腺の癌に潜在的に関与している。
【0006】
腫瘍患者の治療の過程における全てのこれらの理由のために、LPAレベルを減少させることが望ましい。これは、LPA生合成に関与している酵素(ATXなど)の阻害によって達成することができる(Sanoら、J.Biol.Chem.2002、277:21197(非特許文献1);Aokiら、J.Biol.Chem.2003、277:48737)。
【0007】
ATXは、ヌクレオチドピロホスファターゼおよびホスホジエステラーゼのファミリーに属する(Godingら、Immunol.Rev.1998、161:11)。ATXは、腫瘍において高い度合いで発現し、腫瘍細胞の増殖および隣接組織への浸潤を引き起こし、これらの両方は転移の形成をもたらし得るため(Namら、2000、Oncogene、第19巻、241頁)、抗腫瘍療法のための重要な出発点である(Millsら、Nat.Rev.Cancer 2003、3:582;Gotoら、J.Cell.Biochem.2004、92:1115)。さらに、血管形成の過程で、ATXは他の抗血管形成因子と共に、血管の形成をもたらす(Namら、Cancer Res.2001、61:6938)。血管形成は、腫瘍に栄養素を確実に供給するため、腫瘍増殖の間の重要な過程である。したがって、血管形成の阻害は、阻害によって腫瘍が飢餓状態とする、癌および腫瘍治療の重要な出発点である(Folkman、Nature Reviews Drug Discovery 2007、6:273〜286)。
【0008】
突然変異誘発の研究は、LPA生成のためのATXのPDEドメインの本質的な機能を示唆する。この特定のPDEドメインは他の既知のPDEと相同性をほとんど有していないが、NCEによって薬剤になり得ると考えられている。
【0009】
これに関連して創傷治癒に関与しているLPAは他の経路によって生成されるため、ATXの阻害について、重度の副作用は予想されていない。
【0010】
ATXは比較的新規な標的であるため、インビトロおよびインビボアッセイでのタンパク質生成についての前臨床データの量は、かなり限られている。標的依存性細胞モデルについて記載してこなかったが、LPA自体は、インビトロおよびインビボでATX阻害を追跡するのに優れたバイオマーカーである。構造情報も参照化合物も利用可能でない。
【0011】
ATXを阻害することができる化合物は、Pengら(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2007、17:1634〜1640)(非特許文献2)に記載されている。記載された化合物は、脂質類似体を表し、これは構造的に本発明の化合物と類似性を共有しない。
【0012】
さらなる従来技術の文献は、下記の通りである。
【0013】
DE19834751は、トロンビン阻害剤、抗血栓剤としてのヘテロ二環式置換(ヘテロ)芳香族アミジンもしくはニトリルまたは中間体に関する。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0014】
WO99/24035は、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤としてのベンゾチアゾールカルボキサミドを開示している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0015】
WO2002/102380は、第Xa因子阻害剤としての単環式または二環式の炭素環および複素環を記載している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0016】
WO2003/097615は、糖尿病性ニューロパシーなどの線維増殖性疾患の治療を対象とし、トランスフォーミング増殖因子βキナーゼ受容体に選択的に結合する非ペプチド小分子を同定し、分子を対象に投与することを含む。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0017】
US2003/0139431は、切迫性尿失禁、疼痛、記憶障害、内分泌障害、精神病的行動、糖尿病、高血圧症および消化器障害を治療するための、キナゾリン−およびキノリノ−グアニジン誘導体の使用に関する。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0018】
WO2004/099192は、代謝障害の治療に使用することができる複素環置換カルボン酸を記載している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0019】
WO2005/003100は、チューブリン阻害物質が媒介する疾患(癌、自己免疫疾患、自己免疫性リンパ球増殖性症候群、炎症およびウイルス感染など)の治療のためのキナゾリン誘導体の使用を扱っている。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0020】
WO2005/023761は、関節リウマチおよび潰瘍性大腸炎の治療に有用なサイトカイン阻害剤を対象とする。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0021】
WO2006/062972は、凝固カスケードのセリンプロテアーゼ酵素の選択的阻害剤として機能し、心血管動脈血栓塞栓性障害、血栓塞栓性障害、不安定狭心症および急性冠動脈症候群の治療のために使用することができる複素環化合物を開示している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0022】
WO2006/066879は、電位作動型カリウムチャネルモジュレーターとしてのベンゾ複素環化合物に関する。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0023】
WO2006/072828は、PDE阻害剤、特に、PDE10阻害剤としての機能を果たす芳香族複素環キノリン化合物を対象とする。これらの化合物は、中枢神経系障害(精神病性障害、不安障害、運動障害、気分障害および神経変性障害など)の治療のために使用することができる。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0024】
WO2006/074147(特許文献1)は、癌、自己免疫疾患、自己免疫性リンパ増殖症候群、滑膜細胞過形成、炎症およびウイルス感染の治療のために使用することができる、カスパーゼ−3カスケード活性化剤としての4−アリールアミノ−キナゾリンを記載している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0025】
WO2006/099379は、βセクレターゼ阻害剤としてベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾールおよびベンゾチアゾール誘導体を開示している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0026】
WO2006/108107は、ステロイドホルモン核内受容体モジュレーターであり、低カリウム血、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、アテローム性動脈硬化(artherosclerosis)および肥満の治療のために使用することができる、ジアリールアミン誘導体を扱っている。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0027】
WO2007/030582は、不整脈、心房細動、心房粗動、上室性不整脈、消化器障害、食道炎および喘息の治療に有用な、カリウムチャネル1機能阻害剤(potassium channel 1 function inhibitors)としてのアルキルアミン化合物(acompounds)に関する。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0028】
WO2007/076034は、C型肝炎ウイルス複製阻害剤として機能し、C型肝炎または他のウイルス感染の治療に使用することができる、縮合二環式アレーン化合物を記載している。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0029】
WO2007/110868は、ドーパミン受容体(好ましくはD4受容体)、アンタゴニスト活性および/またはPDE5阻害活性を示す新規な複素環化合物を開示している。これらの化合物は、性欲の減少、オルガスム障害および勃起不全の治療のために使用することができる。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0030】
WO2008/038051は、炎症性疾患または免疫疾患(嚢胞性線維症など)の治療のための複素環化合物を対象とする。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0031】
WO2008/038053は、電位依存性カリウムチャネル阻害剤としての複素環化合物に関する。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0032】
WO2008/060621は、ケモカイン受容体アンタゴニストとしてのアミノピロリジンを対象とする。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0033】
WO2008/091580は、殺真菌性アミドおよび病原真菌によってもたらされる植物病害を制御する方法に関する。この特許出願は、オートタキシンの阻害について言及していない。
【0034】
本出願における任意の参考文献の引用は、その参考文献が本出願に対して関連性のある従来技術であることを承認するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】国際公開第2006/074147号パンフレット
【非特許文献】
【0036】
【非特許文献1】Sanoら、J.Biol.Chem.2002、277:21197
【非特許文献2】、Pengら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2007、17:1634〜1640
【発明を実施するための形態】
【0037】
発明の説明
本発明は、新規なオートタキシン阻害剤を提供する目的を有する。
【0038】
本発明の目的は一態様において、式(I)による化合物、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供することによって驚いたことに解決した。
【0039】
【化1】



【0040】
式中、
、Wは一緒になって独立に、−N=N−、−C(O)−O−、−C(O)−S−、−C(O)−N(R5)−、−C(O)−C(R6)(R7)−、−N=C[N(R8)(R9)]−を形成し、
は、−C(O)−、−C(S)−、−N(R10)−C(O)−、−C(O)−N(R11)−、−C(R12)(R13)−、単結合からなる群から独立に選択され、
は、−C(R14)(R15)−、−O−、−N(R16)−、−C(O)−NH−、単結合からなる群から独立に選択され、
は、O、S、N(R17)からなる群から独立に選択され、
Lは、
【0041】
【化2】



【0042】
からなる群から独立に選択され、
Bは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、独立に、(i)水素、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CF、−N、−NH、−NHX1、−NX2X3、−NO、−OH、−OCF、−SCF、−SH、−O−SOH、−OP(O)(OH)、−CHO、−COOH、−C(O)NH、−SOH、−P(O)(OH)、−C(O)−X4、−C(O)O−X5、−C(O)NH−X6、−C(O)NX7X8、−O−X9、−O(−X10−O)−H(a=1、2、3、4、5)、−O(−X11−O)−X12(b=1、2、3、4、5)、−OC(O)−X13、−OC(O)−O−X14、−OC(O)−NHX15、−O−C(O)−NX16X17、−OP(O)(OX18)(OX19)、−OSi(X20)(X21)(X22)、−OS(O)−X23、−NHC(O)−NH、−NHC(O)−X24、−NX25C(O)−X26、−NH−C(O)−O−X27、−NH−C(O)−NH−X28、−NH−C(O)−NX29X30、−NX31−C(O)−O−X32、−NX33−C(O)−NH−X34、−NX35−C(O)−NX36X37、−NHS(O)−X38、−NX39S(O)−X40、−S−X41、−S(O)−X42、−S(O)−X43、−S(O)NH−X44、−S(O)NX45X46、−S(O)O−X47、−P(O)(OX48)(OX49)、−Si(X50)(X51)(X52)、−C(NH)−NH、−C(NX53)−NH、−C(NH)−NHX54、−C(NH)−NX55X56、−C(NX57)−NHX58、−C(NX59)−NX60X61、−NH−C(O)−NH−O−X62、−NH−C(O)−NX63−O−X64、−NX65−C(O)−NX66−O−X67、−N(−C(O)−NH−O−X68)、−N(−C(O)−NX69−O−X70)、−N(−C(O)−NH−O−X71)(−C(O)−NX72−O−X73)、−C(S)−X74、−C(S)−O−X75、−C(S)−NH−X76、−C(S)−NX77X78、−C(O)−NH−O−X79、−C(O)−NX80−O−X81、−C(S)−NH−O−X82、−C(S)−NX83−O−X84、−C(O)−NH−NH−X85、−C(O)−NH−NX86X87、−C(O)−NX88−NX89X90、−C(S)−NH−NH−X91、−C(S)−NH−NX92X93、−C(S)−NX94−NX95X96、−C(O)−C(O)−O−X97、−C(O)−C(O)−NH、−C(O)−C(O)−NHX98、−C(O)−C(O)−NX99X100、−C(S)−C(O)−O−X101、−C(O)−C(S)−O−X102、−C(S)−C(S)−O−X103、−C(S)−C(O)−NH、−C(S)−C(O)−NHX104、−C(S)−C(O)−NX105X106、−C(S)−C(S)−NH、−C(S)−C(S)−NHX107、−C(S)−C(S)−NX108X109、−C(O)−C(S)−NH、−C(O)−C(S)−NHX110、−C(O)−C(S)−NX111X112からなる群から選択される1個または複数の同一または異なる置換基で置換されることができ、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、X36、X37、X38、X39、X40、X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X49、X50、X51、X52、X53、X54、X55、X56、X57、X58、X59、X60、X61、X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81、X82、X83、X84、X85、X86、X87、X88、X89、X90、X91、X92、X93、X94、X95、X96、X97、X98、X99、X100、X101、X102、X103、X104、X105、X106、X107、X108、X109、X110、X111、X112は、互いに独立に、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
あるいは、X7、X8および/またはX16、X17および/またはX29、X30および/またはX36、X37および/またはX45、X46および/またはX55、X56および/またはX60、X61および/またはX77、X78および/またはX86、X87および/またはX89、X90および/またはX92、X93および/またはX95、X96および/またはX99、X100および/またはX105、X106および/またはX108、X109および/またはX111、X112はそれぞれ一緒になってまた「ヘテロシクリル」を形成することができ、
任意選択で置換基の群(i)の上記の置換基は、互いに独立に、1個または複数の同一または異なる置換基Vで置換されていることができ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、互いに独立にVからなる群から選択され、
Vは、(i)水素、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CF、−N、−NH、−NHA1、−NA2A3、−NO、−OH、−OCF、−SCF、−SH、−O−SOH、−OP(O)(OH)、−CHO、−COOH、−C(O)NH、−SOH、−P(O)(OH)、−C(O)−A4、−C(O)O−A5、−C(O)NH−A6、−C(O)NA7A8、−O−A9、−O(−A10−O)−H(a=1、2、3、4、5)、−O(−A11−O)−A12(b=1、2、3、4、5)、−OC(O)−A13、−OC(O)−O−A14、−OC(O)−NHA15、−O−C(O)−NA16A17、−OP(O)(OA18)(OA19)、−OSi(A20)(A21)(A22)、−OS(O)−A23、−NHC(O)−NH、−NHC(O)−A24、−NA25C(O)−A26、−NH−C(O)−O−A27、−NH−C(O)−NH−A28、−NH−C(O)−NA29A30、−NA31−C(O)−O−A32、−NA33−C(O)−NH−A34、−NA35−C(O)−NA36A37、−NHS(O)−A38、−NA39S(O)−A40、−S−A41、−S(O)−A42、−S(O)−A43、−S(O)NH−A44、−S(O)NA45A46、−S(O)O−A47、−P(O)(OA48)(OA49)、−Si(A50)(A51)(A52)、−C(NH)−NH、−C(NA53)−NH、−C(NH)−NHA54、−C(NH)−NA55A56、−C(NA57)−NHA58、−C(NA59)−NA60A61、−NH−C(O)−NH−O−A62、−NH−C(O)−NA63−O−A64、−NA65−C(O)−NA66−O−A67、−N(−C(O)−NH−O−A68)、−N(−C(O)−NA69−O−A70)、−N(−C(O)−NH−O−A71)(−C(O)−NA72−O−A73)、−C(S)−A74、−C(S)−O−A75、−C(S)−NH−A76、−C(S)−NA77A78、−C(O)−NH−O−A79、−C(O)−NA80−O−A81、−C(S)−NH−O−A82、−C(S)−NA83−O−A84、−C(O)−NH−NH−A85、−C(O)−NH−NA86A87、−C(O)−NA88−NA89A90、−C(S)−NH−NH−A91、−C(S)−NH−NA92A93、−C(S)−NA94−NA95A96、−C(O)−C(O)−O−A97、−C(O)−C(O)−NH、−C(O)−C(O)−NHA98、−C(O)−C(O)−NA99A100、−C(S)−C(O)−O−A101、−C(O)−C(S)−O−A102、−C(S)−C(S)−O−A103、−C(S)−C(O)−NH、−C(S)−C(O)−NHA104、−C(S)−C(O)−NA105A106、−C(S)−C(S)−NH、−C(S)−C(S)−NHA107、−C(S)−C(S)−NA108A109、−C(O)−C(S)−NH、−C(O)−C(S)−NHA110、−C(O)−C(S)−NA111A112からなる群から独立に選択され、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20、A21、A22、A23、A24、A25、A26、A27、A28、A29、A30、A31、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A38、A39、A40、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A47、A48、A49、A50、A51、A52、A53、A54、A55、A56、A57、A58、A59、A60、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A70、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A79、A80、A81、A82、A83、A84、A85、A86、A87、A88、A89、A90、A91、A92、A93、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A100、A101、A102、A103、A104、A105、A106、A107、A108、A109、A110、A111、A112は、互いに独立に、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
あるいは、A7、A8および/またはA16、A17および/またはA29、A30および/またはA36、A37および/またはA45、A46および/またはA55、A56および/またはA60、A61および/またはA77、A78および/またはA86、A87および/またはA89、A90および/またはA92、A93および/またはA95、A96および/またはA99、A100および/またはA105、A106および/またはA108、A109および/またはA111、A112はそれぞれ一緒になってまたヘテロシクリルを形成することができ、
任意選択で置換基の群(i)の上記の置換基は、互いに独立に、1個または複数の同一または異なる置換基Vで置換されていることができ、
nは、独立に、0、1、2、3または4である。
【0043】
好ましい実施形態において、
【0044】
【化3】



【0045】
が、独立に、
【0046】
【化4】



【0047】
からなる群から選択される化学基で置換されている、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0048】
好ましい実施形態において、W、Wが一緒になって独立に、−N=N−、−C(O)−O−を形成する、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0049】
好ましい実施形態において、Yが、−C(O)−、−N(R10)−C(O)−、−C(O)−N(R11)−、−OC(O)−、単結合からなる群から独立に選択される、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0050】
好ましい実施形態において、Zが、独立にOである、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0051】
好ましい実施形態において、Bが、4−クロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチルスルファニル−フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert.ブチル−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、5−クロロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、3−ブロモ−4−フルオロ−フェニル、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルからなる群から独立に選択される、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0052】
好ましい実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15が、互いに独立に、水素、アルキル、メチル、イソプロピル、tertブチル、ハロゲン、−F、−Br、−Cl、−CN、−CF、−SF、−OF、−O−アルキル、−O−メチル、−NO、−S(O)−メチルからなる群から選択される、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0053】
好ましい実施形態において、Vが、水素、アルキル、メチル、イソプロピル、tertブチル、ハロゲン、−F、−Br、−Cl、−CN、−CF、−SF、−OH、−O−アルキル、−O−メチル、−NO、−S(O)−メチルからなる群から独立に選択される、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0054】
好ましい実施形態において、nが、独立に、0、1または2である、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0055】
さらなる好ましい実施形態において、
、Wが一緒になって独立に、−N=N−、−C(O)−O−を形成し、
が、−C(O)−、−N(R10)−C(O)−、−C(O)−N(R11)−、−OC(O)−、単結合からなる群から独立に選択され、
が、独立にOであり、
Bが、4−クロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチルスルファニル−フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert.ブチル−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、5−クロロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、3−ブロモ−4−フルオロ−フェニル、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルからなる群から独立に選択され、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15が、互いに独立に、水素、アルキル、メチル、イソプロピル、tertブチル、ハロゲン、−F、−Br、−Cl、−CN、−CF、−SF、−OF、−O−アルキル、−O−メチル、−NO、−S(O)−メチルからなる群から選択され、
Vが、水素、アルキル、メチル、イソプロピル、tertブチル、ハロゲン、−F、−Br、−Cl、−CN、−CF、−SF、−OH、−O−アルキル、−O−メチル、−NO、−S(O)−メチルからなる群から独立に選択され、
nが、独立に、0、1または2である、式(I)による化合物ならびに上記の実施形態、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体を提供する。
【0056】
別の態様において、本発明の目的は、
【0057】
【化5−1】

【0058】
【化5−2】

【0059】
【化5−3】

【0060】
【化5−4】

【0061】
【化5−5】

【0062】
【化5−6】

【0063】
【化5−7】

【0064】
【化5−8】

【0065】
【化5−9】

【0066】
【化5−10】

【0067】
【化5−11】

【0068】
【化5−12】

【0069】
【化5−13】

【0070】
【化5−14】

【0071】
からなる群から選択される化合物を提供することによって驚いたことに解決された。
【0072】
疑義を避けるために、上記の例示した化合物の化学名および化学構造が誤って対応しない場合、化学構造が化合物を明確に定義すると見なされる。
【0073】
本明細書において開示されている式(I)の好ましいサブセット/実施形態、および化合物1〜63を含めた、全ての上記の一般的または明示的に開示されている化合物は、以下(本)発明の化合物と称する。
【0074】
化合物、特に本発明による化合物を定義するための命名法は、本明細書において使用する場合一般に、化合物、特に有機化合物のためのIUPAC組織の規則に基づいている。
【0075】
上記の本発明の化合物の説明のために示した用語は常に、明細書または特許請求の範囲において他に示さない限り、下記の意味を有する。
【0076】
「非置換の」という用語は、相当するラジカル(radical)、基(group)または部分が置換基を有さないことを意味する。
【0077】
「置換されている」という用語は、相当するラジカル、基または部分が1個または複数の置換基を有することを意味する。ラジカルが複数の置換基を有し、様々な置換基の選択が特定されている場合、置換基は、互いに独立に選択され、同一である必要はない。
【0078】
「アルキル」または「A」という用語、および接頭辞「alk」を有する他の基は本発明の目的のために、分岐鎖または直鎖でよく、かつ1〜8個の炭素原子を好ましくは有する非環式飽和または不飽和の炭化水素ラジカル(すなわち、C〜C−アルカニル、C〜C−アルケニルおよびC〜C−アルキニル)を意味する。アルケニルは、少なくとも1個のC−C二重結合を有し、アルキニルは、少なくとも1個のC−C三重結合を有する。アルキニルはまた、少なくとも1個のC−C二重結合をさらに有し得る。適切なアルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、ネオ−ペンチル、tert−ペンチル、2−または3−メチル−ペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−イコサニル、n−ドコサニル、エチレニル(ビニル)、プロペニル(−CHCH=CH;−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、オクタジエニル、オクタデセニル、オクタデカ−9−エニル、イコセニル、イコサ−11−エニル、(Z)−イコサ−11−エニル、ドコスニル(docosnyl)、ドコサ−13−エニル、(Z)−ドコサ−13−エニル、エチニル、プロピニル(−CH−C≡CH、−C≡C−CH)、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニルである。特に好ましいのは、C1〜4−アルキルである。C1〜4−アルキルラジカルは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0079】
「(C〜C30)アルキル」という用語は本発明の目的のために、分岐鎖または直鎖でよく、かつ9〜30個の炭素原子を有する非環式飽和または不飽和の炭化水素ラジカル(すなわち、C9〜30−アルカニル、C9〜30−アルケニルおよびC9〜30−アルキニル)を意味する。C9〜30−アルケニルは、少なくとも1個のC−C二重結合を有し、C9〜30−アルキニルは、少なくとも1個のC−C三重結合を有する。C9〜30−アルキニルはまた、少なくとも1個のC−C二重結合をさらに有し得る。適切な(C〜C30)アルキルラジカルの例は、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコサニル、cis−13−ドコセニル(エルシル)、trans−13−ドコセニル(ブラシジル(brassidyl))、cis−15−テトラコセニル(ネルボニル)およびtrans−15−テトラコセニルである。
【0080】
「シクロアルキル」という用語は本発明の目的のために、3〜20個、好ましくは3〜12個、最も好ましくは3〜8個の炭素原子を含有する1〜3個の環を有する、飽和および部分不飽和の非芳香族環状炭化水素基/ラジカルを意味する。シクロアルキルラジカルはまた、二環系または多環系の一部でよく、例えば、シクロアルキルラジカルは、任意の可能性のある所望の環員(複数可)によって、本明細書に定義されているようなアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルラジカルに縮合している。一般式の化合物の結合は、シクロアルキルラジカルの任意の可能性のある環員によってもたらすことができる。適切なシクロアルキルラジカルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、シクロペンテニルおよびシクロオクタジエニルである。特に好ましいのは、C〜C−シクロアルキルおよびC〜C−シクロアルキルである。C〜C−シクロアルキルラジカルは、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルである。
【0081】
「ヘテロシクリル」という用語は本発明の目的のために、炭素原子、ならびに同一または異なる1個、2個、3個、4個、または5個のヘテロ原子、特に、窒素、酸素および/または硫黄を含む、3〜20個、好ましくは5個または6個〜14個の環原子の単環または多環系を意味する。環系は、飽和、一不飽和または多価不飽和でよいが、芳香族でなくてもよい。少なくとも2個の環からなる環系の場合、環は、縮合またはスピロまたは別の態様で結合していてもよい。このような「ヘテロシクリル」ラジカルは、任意の環員を介して結合し得る。「ヘテロシクリル」という用語にはまた、複素環が、ヘテロシクリル(heterocycyl)ラジカルの任意の所望の可能性のある環員を介して本明細書に定義されているような「アリール」、「シクロアルキル」、「ヘテロアリール」または「ヘテロシクリル」基に縮合しているものなどの、複素環が、二環式または多環式の飽和、部分不飽和および/または芳香族系の部分である系が含まれる。一般式の化合物の結合は、ヘテロシクリルラジカルの任意の可能性のある環員によってもたらすことができる。適切な「ヘテロシクリル」ラジカルの例は、ピロリジニル、チアピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサピペラジニル、オキサピペリジニル、オキサジアゾリル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロピラニル、インドリニル、インドリニルメチル、イミダゾリジニル、2−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタニルである。
【0082】
「アリール」という用語は本発明の目的のために、3〜14個、好ましくは5〜14個、さらに好ましくは6〜10個の炭素原子を有する単環式または多環式の芳香族炭化水素系を意味する。「アリール」という用語にはまた、芳香族環が、アリールラジカルの任意の所望の可能性のある環員を介して本明細書に定義されているような「アリール」、「シクロアルキル」、「ヘテロアリール」または「ヘテロシクリル」基に縮合しているものなどの、芳香族環が、二環式または多環式の飽和、部分不飽和および/または芳香族系の部分である系が含まれる。一般式の化合物の結合は、アリールラジカルの任意の可能性のある環員によってもたらすことができる。適切な「アリール」ラジカルの例は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、1−ナフチル、2−ナフチルおよびアントラセニルであり、しかし同様にインダニル、インデニル、または1,2,3,4−テトラヒドロナフチルである。最も好ましいアリールはフェニルである。
【0083】
「ヘテロアリール」という用語は本発明の目的のために、少なくとも1個、適切な場合にはまた2個、3個、4個または5個のヘテロ原子、好ましくは窒素、酸素および/または硫黄(ヘテロ原子は同一または異なる)を含む、3〜15員、好ましくは5〜14員、さらに好ましくは5員、6員または7員の単環式または多環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。窒素原子の数は、好ましくは0個、1個、2個、または3個であり、酸素および硫黄原子の数は、独立に、0個または1個である。「ヘテロアリール」という用語にはまた、芳香族環が、ヘテロアリールラジカルの任意の所望の可能性のある環員を介して本明細書に定義されているような「アリール」、「シクロアルキル」、「ヘテロアリール」または「ヘテロシクリル」基に縮合しているものなどの、芳香族環が、二環式または多環式の飽和、部分不飽和および/または芳香族系の部分である系が含まれる。一般式の化合物の結合は、ヘテロアリールラジカルの任意の可能性のある環員によってもたらすことができる。適切な「ヘテロアリール」の例は、アクリジニル、ベンズジオキシニル(benzdioxinyl)、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、フラニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンジルフラニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアジニル、トリアゾリルである。
【0084】
本発明の目的のために、「アルキル−シクロアルキル」、「シクロアルキルアルキル」、「アルキル−ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリルアルキル」、「アルキル−アリール」、「アリールアルキル」、「アルキル−ヘテロアリール」および「ヘテロアリールアルキル」という用語は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル(heterocycl)、アリールおよびヘテロアリールがそれぞれ上記定義の通りであり、かつシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールラジカルが、アルキルラジカル、好ましくはC〜C−アルキルラジカル、さらに好ましくはC〜C−アルキルラジカルを介して一般式の化合物に結合していることを意味する。
【0085】
「アルキルオキシ」または「アルコキシ」という用語は本発明の目的のために、酸素原子に結合している上記の定義によるアルキルラジカルを意味する。一般式の化合物への結合は、酸素原子を介してである。例は、メトキシ、エトキシおよびn−プロピルオキシ、プロポキシ、イソプロポキシである。好ましいのは、示した数の炭素原子を有する「C〜C−アルキルオキシ」である。
【0086】
「シクロアルキルオキシ」または「シクロアルコキシ」という用語は本発明の目的のために、酸素原子に結合している上記の定義によるシクロアルキルラジカルを意味する。一般式の化合物への結合は、酸素原子を介してである。例は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシである。好ましいのは、示した数の炭素原子を有する「C〜Cシクロアルキルオキシ」である。
【0087】
「ヘテロシクリルオキシ」という用語は本発明の目的のために、酸素原子に結合している上記の定義によるヘテロシクリルラジカルを意味する。一般式の化合物への結合は、酸素原子を介してである。例は、ピロリジニルオキシ、チアピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、ピペラジニルオキシである。
【0088】
「アリールオキシ」という用語は本発明の目的のために、酸素原子に結合している上記の定義によるアリールラジカルを意味する。一般式の化合物への結合は、酸素原子を介してである。例は、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ、1−ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ、インダニルオキシである。好ましいのは、フェニルオキシである。
【0089】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は本発明の目的のために、酸素原子に結合している上記の定義によるヘテロアリールラジカルを意味する。一般式の化合物への結合は、酸素原子を介してである。例は、ピロリルオキシ、チエニルオキシ、フリルオキシ、イミダゾリルオキシ、チアゾリルオキシである。
【0090】
「カルボニル」または「カルボニル部分」という用語は本発明の目的のために、−C(O)−基を意味する。
【0091】
「アルキルカルボニル」という用語は本発明の目的のために、「アルキル−C(O)−」基を意味し、アルキルは、本明細書に定義されている通りである。
【0092】
「アルコキシカルボニル」または「アルキルオキシカルボニル」という用語は本発明の目的のために、「アルキル−O−C(O)−」基を意味し、アルキルは、本明細書に定義されている通りである。
【0093】
「アルコキシアルキル」という用語は本発明の目的のために、「アルキル−O−アルキル−」基を意味し、アルキルは、本明細書に定義されている通りである。
【0094】
「ハロアルキル」という用語は本発明の目的のために、本明細書に定義されているような少なくとも1個のハロゲンと共に、少なくとも1個の炭素原子の置換基を含む、本明細書に定義されているようなアルキル基を意味する。
【0095】
「ハロゲン」、「ハロゲン原子」、「ハロゲン置換基」または「Hal」という用語は本発明の目的のために、1種または適切な場合には複数のフッ素(F、フルオロ)、臭素(Br、ブロモ)、塩素(Cl、クロロ)、またはヨウ素(I、ヨード)原子を意味する。「ジハロゲン」、「トリハロゲン」および「ペルハロゲン」という命名は、それぞれ、2個、3個および4個の置換基を意味し、各置換基は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から独立に選択することができる。「ハロゲン」は好ましくは、フッ素、塩素または臭素原子を意味する。ハロゲンがアルキル(ハロアルキル)またはアルコキシ基(例えば、CFおよびCFO)上で置換されているとき、フッ素が最も好ましい。
【0096】
「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」という用語は、OH基を意味する。
【0097】
「組成物」という用語は、医薬組成物において見られるように、本発明の目的のために、活性成分(複数可)と、担体を構成する不活性な成分(複数可)とを含む生成物、ならびに成分の任意の2つ以上の組合せ、複合体化もしくは凝集から、または成分の1つもしくは複数の解離から、または成分の1つもしくは複数の他のタイプの反応もしくは相互作用から、直接的もしくは間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図する。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作製される任意の組成物を包含する。
【0098】
化合物「の投与」および「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを個別のニーズに提供することを意味すると理解すべきである。
【0099】
本明細書において使用する場合、「有効量」という用語は、例えば、研究者または臨床医によって求められている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を誘発する薬物または医薬品の任意の量を意味する。さらに、「治療有効量」という用語は、このような量を投与されなかった相当する対象と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療、治癒、予防、もしくは寛解の改善、または疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語にはまたその範囲内で、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量が含まれる。
【0100】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物で、または純粋もしくは実質的に純粋な形態で意図される。本発明の化合物は、炭素原子のいずれかにおいて不斉中心を有することができる。結果的に、本発明の化合物は、それらのラセミ化合物の形態で、純粋なエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーの形態で、またはこれらのエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーの混合物の形態で存在することができる。混合物は、任意の所望の混合比の立体異性体を有し得る。
【0101】
したがって、例えば、1つまたは複数のキラリティー中心を有し、かつラセミ化合物またはジアステレオマー混合物として生じる本発明の化合物は、それ自体既知の方法によって本発明の化合物の純粋な光学異性体、すなわち、エナンチオマーまたはジアステレオマーに分画することができる。本発明の化合物の分離は、キラルもしくは非キラル相上のカラム分離によって、または任意選択で光学活性な溶媒からの再結晶によって、または光学活性な酸もしくは塩基を使用して、または光学活性な試薬(例えば光学活性アルコールなど)による誘導体化、それに続くラジカルの除去によって行うことができる。
【0102】
本発明の化合物は、「純粋な」EもしくはZ異性体として本発明の化合物の二重結合異性体の形態で、またはこれらの二重結合異性体の混合物の形態で存在し得る。
【0103】
可能であれば、本発明の化合物は、ケトエノール互変異性体などの互変異性体の形態でよい。
【0104】
本発明の化合物が、任意の所望のプロドラッグの形態(例えば、エステル、カーボネート、カルバメート、尿素、アミドまたはホスフェートなど)であることは同様に可能であり、この場合、実際に生物活性のある形態は、代謝のみによって放出される。インビボで変換されて、生物活性剤(即ち本発明の化合物)を提供することができる任意の化合物は、本発明の範囲と精神の範囲内のプロドラッグである。
【0105】
様々な形態のプロドラッグは当技術分野で周知であり、
(i)Wermuth CGら、第31章:671〜696、The Practice of Medicinal Chemistry、Academic Press 1996;
(ii)Bundgaard H、Design of Prodrugs、Elsevier 1985;および
(iii)Bundgaard H、第5章:131〜191、A Textbook of Drug Design and Development、Harwood Academic Publishers 1991
に例えば記載されている。
【0106】
前記参考文献は、参照により本明細書中に組み込まれている。
【0107】
化学物質は、適切な場合には同様に体内で所望の生物学的作用を誘発し得る代謝物(ある状況ではさらにより顕著な形態)に変換されることはさらに既知である。
【0108】
本発明の化合物のいずれかから代謝によってインビボで変換された任意の生物活性化合物は、本発明の範囲と精神の範囲内の代謝物である。
【0109】
本発明の化合物は、例えば、第二級または第三級アミンなどの十分に塩基性の基を有する場合、無機酸および有機酸によって塩に変換することができる。本発明の化合物の薬学的に許容される塩は好ましくは、塩酸、臭化水素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、炭酸、ギ酸、酢酸、スルホ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、ラセミ酸、リンゴ酸、エンボン酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、タウロコール酸、グルタル酸、ステアリン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸と共に形成される。形成される塩はとりわけ、塩酸塩、クロリド(chlorided)、臭化水素酸塩、ブロミド、ヨージド、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、トシレート、炭酸塩、重炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、スルホ酢酸塩、トリフレート、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、エンボン酸塩、マンデル酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、グルタル酸塩、ステアリン酸塩、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩である。本発明の化合物から形成される塩の化学量論は、さらに1の整数倍または非整数倍でよい。
【0110】
本発明の化合物は、例えば、カルボキシ、スルホン酸、リン酸またはフェノール基などの十分に酸性の基を含有する場合、無機塩基および有機塩基によって、本発明の化合物の生理学的に容認される塩に変換することができる。適切な無機塩基の例は、アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムであり、有機塩基の例は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレン−ジアミンおよびリシンである。本発明の化合物から形成される塩の化学量論は、さらに1の整数倍または非整数倍でよい。
【0111】
本発明の化合物は、例えば、溶媒からまたは水溶液からの結晶化によって得ることができる、本発明の化合物の溶媒和物、特に水和物の形態であることが同様に可能である。1つ、2つ、3つまたは任意の数の溶媒和物または水分子が本発明の化合物と合わさり、溶媒和物および水和物が生じることもさらに可能である。
【0112】
「溶媒和物」という用語は、水和物、アルコラート、または結晶化の他の溶媒和物を意味する。
【0113】
化学物質が、多形形態または修飾と称される異なる秩序状態(order states)で存在する固体を形成することは既知である。多形物質の様々な修飾は、それらの物理的性質において非常に異なり得る。本発明の化合物は、様々な多形形態で存在することができ、特定の修飾は、さらに準安定であり得る。化合物の全てのこれらの多形形態は、本発明に属すると見なされる。
【0114】
本発明の化合物は驚いたことに、オートタキシンの強力および/または選択的な阻害によって特徴付けられる。
【0115】
本発明の化合物の驚くほどに強力および/または選択的な酵素阻害によって、本発明の化合物は、従来技術の他のより強力または選択的でない阻害剤と比較してより低い用量で有利には投与することができ、一方、同等のまたはさらにより優れた所望の生物学的作用をまた達成する。さらに、このような用量の低減は有利には、医薬品の有害作用がより少ないまたはそれどころか有害作用がないことをもたらし得る。さらに、本発明の化合物の高い阻害選択性は、適用される用量に関わらず、それ自体で望ましくない副作用の減少に結び付け得る。
【0116】
オートタキシン阻害剤である本発明の化合物は一般に、約30μM未満、好ましくは約5μM未満の阻害定数IC50を有する。
【0117】
本発明の目的は驚いたことに、オートタキシン阻害剤としての本発明の化合物の使用を提供することによって、別の態様において解決された。
【0118】
「阻害性、阻害および/または遅延」という用語は本発明の目的のために、下記を意味することを意図する。「部分的または完全な阻害性、阻害および/または遅延」。この場合、測定および決定の通常の方法によってこのような阻害性、阻害および/または遅延を測定および決定することは、平均的な当業者の専門知識の範囲内である。したがって、部分的な阻害性、阻害および/または遅延は例えば、完全な阻害性、阻害および/または遅延に関して測定および決定することができる。
【0119】
本発明の目的は、別の態様において、
(a)式(II)の化合物
【0120】
【化6】



【0121】
(式中、W、W、R1、R2は、本明細書に示した意味を有する)と、式(III)の化合物
【0122】
【化7】



【0123】
(式中、Lは、
【0124】
【化8】



【0125】
からなる群から選択され、Z、Y、R3、R4、B、nは、本明細書に示した意味を有する)とを反応させて、本明細書に示される式(I)による化合物(Yは「−C(O)−」を意味する)を得るステップ、
あるいは
(b)式(II)の化合物
【0126】
【化9】



【0127】
(式中、W、W、R1、R2は、本明細書に示した意味を有する)と、
【0128】
【化10】



【0129】
からなる群から選択される化合物Lとを反応させて、式(IIa)の化合物
【0130】
【化11】



【0131】
(式中、W、W、R1、R2は、本明細書に示した意味を有する)を得、式(IIa)の化合物と、式(IV)の化合物
【0132】
【化12】



【0133】
(式中、R3、R4、B、nは、本明細書に示した意味を有する)とをさらに反応させて、本明細書に示される式(I)による化合物(Zは「O」を意味し、Yは「−N(R16)−」を意味し、R16は「H」を意味する)を得るステップ、
あるいは
(c)式(Va)または(Vb)の化合物
【0134】
【化13】



【0135】
(式中、mおよびnは、独立に、0、1または2である)と、式(III)の化合物
【0136】
【化14】



【0137】
(式中、Lは、
【0138】
【化15】



【0139】
からなる群から選択され、Z、Y、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)とを反応させて、請求項1および2に示される式(I)による化合物(Yは「−C(R12)(R13)−を意味し、R12、R13の両方は「H」を意味する、またはYは「−C(O)−」を意味する)を得るステップ、
あるいは
(d)式(VI)の化合物
HO(O)C−L (VI)
(式中、Lは、
【0140】
【化16】



【0141】
からなる群から選択される)と、
式(VII)の化合物
【0142】
【化17】



【0143】
(式中、W、W、R1、R2は、本明細書に示した意味を有する)とを反応させて、式(VIII)の化合物
【0144】
【化18】



【0145】
(式中、W、W、R1、R2は、本明細書に示した意味を有する)を得、式(VIII)の化合物と、式(IV)の化合物
【0146】
【化19】



【0147】
(式中、R3、R4、B、nは、本明細書に示した意味を有する)とをさらに反応させて、本明細書に示される式(I)による化合物(Yは「−N(R10)−C(O)−」を意味し、R10は「H」を意味し、Zは「O」を意味し、Yは「−N(R16)−」を意味し、R16は「H」を意味する)を得るステップ、
あるいは
(e)式(IX)の化合物
【0148】
【化20】



【0149】
(式中、Lは、
【0150】
【化21】



【0151】
からなる群から選択され、Z、Y、R3、R4、B、nは、本明細書に示した意味を有する)と、式(VII)の化合物
【0152】
【化22】



【0153】
(式中、W、W、R1、R2は、本明細書に示した意味を有する)とを反応させて、本明細書に示される式(I)による化合物(Yは「−N(R10)−C(O)−」を意味し、R10は「H」を意味する)を得るステップ、
あるいは
(f)式(X)の化合物
【0154】
【化23】



【0155】
(式中、W、W、R1、R2、Yは、本明細書に示した意味を有し、Lは、
【0156】
【化24】



【0157】
からなる群から選択される)と、式(XI)の化合物
【0158】
【化25】



【0159】
(式中、R3、R4、B、nは、本明細書に示した意味を有する)とを反応させて、本明細書に示される式(I)による化合物(Zは「O」を意味し、Yは「−N(R16)−」を意味し、R16は「H」を意味する)を得るステップを含む、本発明の化合物を調製するための方法を提供することによって驚いたことに解決された。
【0160】
全ての粗生成物を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、シクロヘキサンまたはペトロールエーテルをそれぞれ含有する溶媒混合物を使用して、標準的クロマトグラフィーにかけた。
【0161】
製造工程のさらなる詳細な記載については、例および下記の好ましい条件の概要をまたどうか参照されたい。
【0162】
本発明の化合物の生理学的に許容される塩はまた、酸または塩基との記載した反応によって得られる本発明の化合物を単離および/または処理することによって得ることができる。
【0163】
本発明の化合物およびまた本発明の化合物の調製のための出発物質は、例に記載されているような方法によって、または文献(例えば、Houben−Weyl、Methoden der Organischen Chemie、[有機化学の手法]、Georg Thieme Verlag、Stuttgart;Organic Reactions、John Wiley & Sons,Inc.、New Yorkなどの標準的研究において)に記載されているようなそれ自体既知の方法によって、正確には、既知でありかつ前記反応に適した反応条件下で調製される。それ自体既知の変形をまた本明細書で使用することができるが、本明細書ではより詳細には記載しない。
【0164】
特許請求した方法のための出発物質は必要に応じて、出発物質を反応混合物から単離することによってではなく、代わりに出発物質を本発明の化合物にさらに直ちに変換することによってインサイチュ(in situ)で形成し得る。他方、反応を段階的に行うことが可能である。
【0165】
好ましくは、化合物の反応は、それぞれの反応条件下で、好ましくは不活性である適切な溶媒の存在下で行われる。適切な溶媒の例は、炭化水素(ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレンなど);塩素化炭化水素(トリクロルエチレン(trichloroethylene)、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロメタンなど);アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど);エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサンなど);グリコールエーテル(エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)など);ケトン(アセトンまたはブタノンなど);アミド(アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリジノン(NMP)など);ニトリル(アセトニトリルなど);スルホキシド(ジメチルスルホキシド(DMSO)など);ニトロ化合物(ニトロメタンまたはニトロベンゼンなど);エステル(酢酸エチルなど)、あるいは前記溶媒の混合物、または水との混合物である。極性溶媒が一般に好ましい。適切な極性溶媒のための例は、塩素化炭化水素、アルコール、グリコールエーテル、ニトリル、アミドおよびスルホキシドまたはこれらの混合物である。より好ましいのは、アミド、特にジメチルホルムアミド(DMF)である。
【0166】
上記のように、反応温度は、反応段階および使用される条件によって約−100℃〜300℃の間である。
【0167】
反応時間は一般に、それぞれの化合物の反応性およびそれぞれの反応条件によって数分から数日の範囲である。適切な反応時間は、当技術分野において既知の方法、例えば反応のモニタリングによって容易に決定することができる。上記で示した反応温度に基づいて、適切な反応時間は一般に、10分〜48時間の範囲にある。
【0168】
本発明の化合物の塩基は、例えば、エタノールなどの好ましくは不活性溶媒中での当量の塩基および酸の反応、それに続く蒸発によって、酸を使用して関連する酸付加塩に変換することができる。この反応のための適切な酸は、特に生理学的に許容される塩を生じさせるものである。したがって、無機酸、例えば、硫酸、亜硫酸、ジチオン酸、硝酸、ハロゲン化水素酸(塩酸または臭化水素酸など)、リン酸(例えばオルトリン酸など)、スルファミン酸、さらに有機酸、特に、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)、芳香族または複素環式の一塩基または多塩基性のカルボン酸、スルホン酸または硫酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンまたはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリメトキシ安息香酸、アダマンタンカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、エンボン酸、クロロフェノキシ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、グリオキシル酸、パルミチン酸、パラクロロフェノキシイソ酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、グルコース−1−リン酸、ナフタレンモノおよびジスルホン酸またはラウリル硫酸を使用することが可能である。
【0169】
生理学的に許容されない酸を有する塩、例えばピクリン酸塩を使用して、本発明の化合物を単離および/または精製することができる。
【0170】
他方、本発明の化合物は、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を使用して、相当する金属塩、特に、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩に、または相当するアンモニウム塩に変換することができる。適切な塩は、さらに置換アンモニウム塩、例えば、ジメチル、ジエチルおよびジイソプロピルアンモニウム塩、モノエタノール、ジエタノールおよびジイソプロパノールアンモニウム塩、シクロヘキシルおよびジシクロヘキシルアンモニウム塩、ジベンジルエチレンジアンモニウム塩、さらに例えば、アルギニンまたはリシンを有する塩である。
【0171】
必要に応じて、本発明の化合物の遊離塩基は、さらなる酸性基が分子中に存在しない限り、強塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)による処理によって、それらの塩から遊離することができる。本発明の化合物が遊離酸性基を有する場合、塩の形成は、塩基による処理によって同様に達成することができる。適切な塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、または第一級、第二級もしくは第三級アミンの形態の有機塩基である。
【0172】
本明細書に記載されている全ての反応段階に引き続いて、任意選択で1つまたは複数の後処理手順および/または単離手順を行うことができる。適切なこのような手順は、例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、[有機化学の手法]、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartなどの標準的研究から当技術分野において既知である。このような手順の例には、これらに限定されないが、溶媒の蒸発、蒸留、結晶化、分画結晶化、抽出手順、洗浄手順、消化手順、濾過手順、クロマトグラフィー、HPLCによるクロマトグラフィー、ならびに乾燥手順、特に、真空中および/または高温での乾燥手順が含まれる。
【0173】
本発明の目的は驚いたことに、少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬を提供することによって、別の態様において解決された。
【0174】
本発明の目的は驚いたことに、リゾホスファチジン酸レベルの増加および/またはオートタキシンの活性化によって引き起こされ、媒介され、かつ/または増幅される生理学的および/または病態生理学的状態の治療および/または予防において使用するための少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬を提供することによって、別の態様において解決された。上記の状態を治療および/または予防するための医薬を調製するための対応する使用が含まれることを意図する。
【0175】
本発明の目的は驚いたことに、「癌、腫瘍、悪性腫瘍、良性腫瘍、固形腫瘍、肉腫、癌腫、高増殖性障害、カルチノイド、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、脳腫瘍、脳および/または神経系および/または髄膜に由来する腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、腎臓癌、腎細胞癌、前立腺癌、前立腺の癌腫、結合組織腫瘍、軟部肉腫、膵臓腫瘍、肝臓腫瘍、頭部腫瘍、頸部腫瘍、喉頭癌、食道癌、甲状腺癌、骨肉腫、網膜芽細胞腫、胸腺腫、睾丸癌、肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、気管支癌、乳癌、乳房の癌腫、腸癌、結腸直腸腫瘍、結腸癌、直腸癌、婦人科腫瘍、卵巣腫瘍/卵巣の腫瘍、子宮癌、子宮頸癌、子宮頸部の癌腫、子宮体癌、子宮体部の癌腫、子宮内膜癌、膀胱癌、尿生殖路癌、膀胱癌、皮膚癌、上皮腫瘍、扁平上皮癌、基底細胞腫、棘細胞癌、黒色腫、眼球内黒色腫、白血病、単球白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、急性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、リンパ腫、血管形成、動脈硬化症、眼疾患(ophthalmic diseases)、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、神経変性、再狭窄、創傷治癒、ならびに/あるいは移植片拒絶」からなる群から選択される生理学的および/または病態生理学的状態の治療および/または予防において使用するための少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬を提供することによって別の態様において解決された。上記の状態の治療および/または予防のための医薬の調製のための相当する使用が含まれることを意図する。
【0176】
本発明の化合物または他の物質が有用性を有する疾患または状態の治療、予防、抑制または寛解において、本発明の化合物は、1種または複数の他の活性物質(成分、薬物)と組み合わせて使用し得る。典型的には、薬物の組合せは、いずれかの薬物単独より安全もしくは有効であり、または組合せは、個々の薬物の相加特性に基づいて予想されるより安全もしくは有効である。このような他の薬物(複数可)は、本発明の化合物と同時または順次に通常使用される経路および量で投与し得る。本発明の化合物を1種または複数の他の薬物と同時に使用するとき、このような他の薬物(複数可)および本発明の化合物を含有する組合せ生成物が好ましい。しかし、併用療法にはまた、本発明の化合物および1種または複数の他の薬物が異なる重なるスケジュールで投与される治療が含まれる。他の活性成分と組み合わせて使用されるとき、本発明の化合物または他の活性成分または両方は、それぞれが単独で使用されるよりも低い用量で効果的に使用し得ることが意図されている。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて1種または複数の他の活性成分を含有するものが含まれる。
【0177】
本発明の化合物と組み合わせて投与してもよく、別々にまたは同じ医薬組成物中で投与してもよい他の活性物質(成分、薬物)の例には、これらに限定されないが、表1に一覧表示する化合物クラスおよび特定の化合物が含まれる。
【0178】
【表1−1】



【0179】
【表1−2】



【0180】
【表1−3】



【0181】
【表1−4】



【0182】
【表1−5】



【0183】
【表1−6】



【0184】
【表1−7】



【0185】
【表1−8】



【0186】
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、下記などの1種または複数の既知の抗腫瘍剤と組み合わせて投与される。エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞毒、抗増殖剤、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA−レダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、リバーストランスクリプターゼ阻害剤、血管形成阻害剤。
【0187】
本発明の化合物は、放射線療法と組み合わせて投与するのに特に適合している。放射線療法と組み合わせたVEGF阻害の相乗効果は、当業者には既知である(WO00/61186)。
【0188】
「エストロゲン受容体モジュレーター」という用語は本発明の過程では、作用機序とは独立に、エストロゲン受容体へのエストロゲンの結合を妨害または阻害する化合物を意味する。エストロゲン受容体モジュレーターの非限定的例は、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)フェニル−2,2−ジメチル−プロパノエート、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンおよびSH646である。
【0189】
「アンドロゲン受容体モジュレーター」という用語は本発明の過程では、作用機序とは独立に、アンドロゲン受容体へのアンドロゲンの結合を妨害または阻害する化合物を意味する。アンドロゲン受容体モジュレーターの非限定的例は、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよび酢酸アビラテロンである。
【0190】
「レチノイド受容体モジュレーター」という用語は本発明の過程では、作用機序とは独立に、レチノイド受容体へのレチノイドの結合を妨害または阻害する化合物を意味する。レチノイド受容体モジュレーターの非限定的例は、ベキサロテン、トレチノイン、13−cis−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、trans−N−(4'−ヒドロキシフェニル)レチンアミドおよびN−4−カルボキシフェニルレチンアミドである。
【0191】
「細胞毒」という用語は本発明の過程では、細胞機能(複数可)に対する直接作用によって細胞死を主として誘発し、または細胞収縮(cell myosis)を妨害もしくは阻害する化合物を意味する(アルキル化剤、腫瘍壊死因子、挿入剤、微小管阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤など)。細胞毒の非限定的例は、チラパジミン(tirapazimin)、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモズルシット(dibromodulcit)、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、イムプロスルファン−トシレート、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、cis−アミンジクロロ(amindichloro)(2−メチルピリジン)プラチン、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(trans,trans,trans)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−プラチン(II)]ビス−[ジアミン(クロロ)プラチン(II)]−テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化アルセニウム(arsenium trioxide)、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3'−デスアミノ−3'−モルホリノ−13−デスオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755および4−デスメトキシ−3−デスアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(WO00/50032)である。
【0192】
微小管阻害剤の非限定的例は、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3',4'−ジデスヒドロ−4'−デスオキシ−8'−ノルビンカロイコブラスチン(norvincaleukoblastine)、ドセタキソール、リゾキシン(rhizoxine)、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、アウリスタチン(auristatine)、セマドチン(cemadotine)、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258およびBMS188797である。
【0193】
トポイソメラーゼ阻害剤の非限定的例は、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3',4'−O−エキソ−ベンジリデン−シャールトルーシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ−[de]−ピラノ−[3',4':b,7]インドリジノ[1,2b]キイノリン(quinoline)−10,13(9H,15H)−ジオン、ルルトテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、エトポシド−ホスフェート、テニポシド、ソブゾキサン、2'−ジメチルアミノ−2'−デスオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3',4':6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]−ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]−アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサン−テン(then)−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチル−アミノ)−エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)−エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オンおよびジメスナである。
【0194】
抗増殖剤の非限定的例は、アンチセンスRNAおよびアンチセンスDNAオリゴヌクレオチド(G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231およびINX3001など)、ならびに代謝拮抗剤、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスフェート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド(paltitrexide)、エミテフル、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2'−デスオキシ−2'−メチリデンシチジン、2'−フルオロメチレン−2'−デスオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロベンゾフリル)スルホニル]−N'−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デスオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b] [1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミニン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザ−テトラシクロ−(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2'−シアン−2'−デスオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシンおよび3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒド−チオセミカルバゾンである。
【0195】
「抗増殖剤」はまた、「血管形成阻害剤」として一覧表示されなかった増殖因子に対するモノクローナル抗体(トラスツズマブなど)、および腫瘍抑制遺伝子(p53など)を含む。
【0196】
本発明の別の態様において、上記の態様および実施形態による医薬を提供し、このような医薬中に、少なくとも1種のさらなる薬理学的活性物質(薬物、成分)を含む。
【0197】
好ましい実施形態において、少なくとも1種の薬理学的活性物質は、本明細書に記載されているような物質である。
【0198】
本発明の別の態様において、上記の態様および実施形態による医薬を提供し、医薬は、少なくとも1種のさらなる薬理学的活性物質による治療の前および/または間および/または後に適用される。
【0199】
好ましい実施形態において、少なくとも1種の薬理学的活性物質は、本明細書に記載されているような物質である。
【0200】
本発明の別の態様において、治療有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0201】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、生理学的に許容される添加剤、助剤、アジュバント、賦形剤、担体および/または本発明の化合物以外のさらなる医薬活性物質からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる化合物を含有する。
【0202】
本発明の別の態様において、少なくとも1種の本発明の化合物、少なくとも1種の本明細書に記載されているような本発明の化合物以外の薬理学的活性物質、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を開示する。
【0203】
本発明のさらなる実施形態は、本発明による1種または複数の化合物、ならびに固体、液体または半流動体の添加剤、助剤、アジュバント、賦形剤、担体、および本発明による化合物以外の医薬活性剤からなる群から選択される1種または複数の化合物が、適切な剤形に変換されることを特徴とする、前記医薬組成物を製造するための方法である。
【0204】
本発明の別の態様において、治療有効量の少なくとも1種の本発明の化合物および/または本明細書に記載されているような少なくとも1種の医薬組成物と、本発明の化合物以外の治療有効量の少なくとも1種のさらなる薬理学的活性物質とを含むキットを提供する。
【0205】
本発明の医薬組成物は、それらの意図した目的を達成する任意の手段によって投与し得る。例えば、投与は、経口、非経口、局所、経腸、静脈内、筋内、吸入用、経鼻、関節内、脊髄内、経気管、経眼的、皮下、腹腔内、経皮的、または口腔経路によってでよい。代わりにまたは同時に、投与は経口経路によってでよい。投与される投与量は、レシピエントの年齢、健康、および体重、もしあれば併用療法の種類、治療の頻度、ならびに所望の効果の性質によって決まる。非経口投与が好ましい。経口投与が特に好ましい。
【0206】
適切な剤形には、これらに限定されないが、例えば、下記のような当技術分野において既知の方法によって生成することができるカプセル剤、錠剤、小丸剤、糖剤、半固形剤、散剤、顆粒剤、坐剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、吸入剤、注射剤、ハップ剤、ゲル剤、テープ剤、点眼薬、溶液剤、シロップ剤、エアゾール、懸濁剤、乳剤が含まれる。
錠剤:活性成分(複数可)および助剤の混合、前記混合物の錠剤への圧縮(直接圧縮法)、圧縮前に、任意選択で混合物の一部の顆粒化。
カプセル剤:活性成分(複数可)および助剤を混合して、流動性粉末を得る。任意選択で粉末の顆粒化、粉末/粒質物の開放カプセル中への充填、カプセルのキャッピング。
半固形剤(軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤):活性成分(複数可)を水性または脂肪性担体に溶解/分散;続いて水相/脂肪相を相補的脂肪相/水相と混合、均質化(クリーム剤のみ)。
坐剤(直腸用および膣用):熱によって液化する担体材料に活性成分(複数可)を溶解/分散(直腸用:担体材料は通常ワックス;膣用:担体は通常ゲル化剤の加熱した溶液)、前記混合物の坐剤型へのキャスティング、徐冷、型からの坐剤の取出。
エアゾール:活性剤(複数可)を噴射剤に分散/溶解、前記混合物をアトマイザー中に詰める。
【0207】
一般に、医薬組成物および/または医薬製剤の生成のための非化学的経路は、本発明の1種または複数の化合物を、このような治療を必要としている患者への投与に適した剤形に変化させる当技術分野において既知の適切な機械的手段についての処理ステップを含む。通常、1種または複数の本発明の化合物の、このような剤形への変化は、担体、添加剤、助剤および本発明の化合物以外の医薬活性成分からなる群から選択される1種または複数の化合物を添加することを含む。適切な処理ステップには、これらに限定されないが、それぞれの活性および非活性成分を合わせること、微粉砕、混合、顆粒化、溶解、分散、均質化、キャスティングおよび/または圧縮することが含まれる。前記処理ステップを行うための機械的手段は、例えば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版から当技術分野において既知である。この点において、活性成分は好ましくは、少なくとも1種の本発明の化合物、および貴重な医薬特性を示す、本発明の化合物以外の1種または複数のさらなる化合物、好ましくは本明細書において開示されている本発明の化合物以外の医薬活性剤である。
【0208】
経口使用に特に適しているのは、錠剤、丸剤、コーティング錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、ジュース剤またはドロップ剤であり、直腸使用に適しているのは、坐剤であり、非経口使用に適しているのは、溶液剤、好ましくは油をベースとする溶液剤もしくは水溶液剤、さらに懸濁剤、乳剤またはインプラントであり、局所使用に適しているのは、軟膏剤、クリーム剤または散剤である。本発明の化合物はまた、凍結乾燥してもよく、生成した凍結乾燥物は、例えば、注射用製剤の製剤のために使用される。示される製剤は、無菌化されてもよく、かつ/または助剤(滑沢剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を変更するための塩、緩衝物質、色素、フレーバーおよび/または複数のさらなる活性成分、例えば、1種または複数のビタミンなど)を含む。
【0209】
適切な添加剤は、経腸(例えば経口)、非経口または局所投与に適し、かつ本発明の化合物と反応しない有機または無機物質である(例えば、水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、炭水化物(ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、もしくはデンプン(トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン)、セルロース調製品など)、および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドンおよび/またはワセリン)。
【0210】
必要に応じて、上記のデンプンおよびまたカルボキシメチル−デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を加えてもよい。助剤には、これらに限定されないが、流量調整剤および滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩(ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなど)、および/またはポリエチレングリコールが含まれる。糖衣錠コアは、必要に応じて胃液に対して耐性がある適切なコーティングと共に提供される。この目的のために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶剤または溶剤混合物を任意選択で含有し得る濃縮した糖類溶液を使用し得る。胃液に対して耐性があるコーティングを生成するために、または持続性作用の利点を可能にする剤形を提供するために、錠剤、糖衣錠もしくは丸剤は、内側の投与成分および外側の投与成分を含むことができ、後者は前者を覆う外皮を形成する。2種の成分は、腸溶層によって分離することができ、腸溶層は胃内での崩壊に抵抗する役目を果たし、かつ内側の成分が未変化で十二指腸を通過し、または放出が遅延することを可能にする。種々の材料を、このような腸溶層またはコーティングのために使用することができ、このような材料には、いくつかのポリマー酸およびポリマー酸の混合物が含まれ、例えばセラック、アセチルアルコール、適切なセルロース調製品の溶液(フタル酸アセチルセルロース、酢酸セルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)などの材料を使用する。例えば、同定のため、または活性化合物の用量の組合せを特徴付けるために、染料または顔料を、錠剤または糖衣錠のコーティングに加えてもよい。
【0211】
適切な担体物質は、経腸(例えば経口)または非経口投与または局所適用に適した有機または無機物質であり、新規な化合物と反応しない(例えば、水、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(ラクトースまたはデンプンなど)、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよび石油ゼリー)。特に、錠剤、コーティング錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁剤、ドロップ剤または坐剤は、経腸投与のために使用され、溶液剤、好ましくは油性溶液剤もしくは水溶液剤、さらに懸濁剤、乳剤またはインプラントは、非経口投与のために使用され、軟膏剤、クリーム剤または散剤は、局所適用のために使用される。本発明の化合物はまた凍結乾燥することができ、得られた凍結乾燥物は、例えば、注射用製剤を生成するために使用することができる。
【0212】
示された製剤は、無菌化することができ、かつ/あるいは添加剤(滑沢剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧に作用するための塩、緩衝物質、着色剤、香味剤および/または芳香剤など)を含有することができる。製剤はまた、必要に応じて、1種または複数のさらなる活性化合物、例えば、1種または複数のビタミンを含有することができる。
【0213】
経口的に使用することができる他の医薬製剤には、ゼラチンでできている押込嵌めカプセル剤、ならびにゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)でできている軟質密閉カプセル剤が含まれる。押込嵌めカプセル剤は、充填剤(ラクトースなど)、結合剤(デンプンなど)、および/または滑沢剤(タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなど)、および任意選択で安定剤と混合し得る、顆粒剤の形態の活性化合物を含有することができる。軟質カプセル剤において、活性化合物は好ましくは、脂肪油、または流動パラフィンなどの適切な液体に溶解または懸濁される。さらに、安定剤を加えてもよい。
【0214】
新規な本発明の組成物が経口的投与のために組み込まれていてもよい液体形態には、水溶液剤、適切に香味を付けたシロップ剤、水性または油懸濁剤、および食用油(綿実油、ゴマ油、ヤシ油または落花生油など)を有する香味を付けた乳剤、ならびにエリキシル剤および同様の医薬ビヒクルが含まれる。水性懸濁液のための適切な分散化剤または懸濁化剤には、合成および天然のガム(トラガカント、アカシア、アルギネート、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンなど)が含まれる。
【0215】
非経口投与に適した製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液、例えば、水溶性塩およびアルカリ性溶液が含まれる。さらに、適切な油性注射用懸濁剤としての活性化合物の懸濁剤を投与し得る。適切な親油性溶剤またはビヒクルには、脂肪油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドまたはポリエチレングリコール−400(化合物は、PEG−400中で可溶性である)が含まれる。
【0216】
水性注射用懸濁剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含めた、懸濁剤の粘性を増加させる物質を含有してもよく、任意選択で懸濁剤はまた、安定剤を含有してもよい。
【0217】
吸入スプレーとしての投与のために、活性成分が噴射剤ガスまたは噴射剤ガス混合物(例えば、COまたはクロロフルオロカーボン)に溶解または懸濁しているスプレーを使用することが可能である。活性成分は有利には微粉化形態にて本明細書で使用され、この場合、1種または複数のさらなる生理学的に許容される溶剤、例えば、エタノールが存在してもよい。吸入溶液は、従来の吸入器の補助により投与することができる。
【0218】
直腸に使用することができる可能性のある医薬製剤には、活性化合物の1種または複数と坐剤基剤との組合せからなる、例えば坐剤が含まれる。適切な坐剤基剤は、例えば、天然もしくは合成トリグリセリド、またはパラフィン炭化水素である。さらに、活性化合物と基剤との組合せからなる、ゼラチンの直腸用カプセル剤を使用することもまた可能である。可能性のある基剤材料には、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素が含まれる。
【0219】
医薬品において使用するために、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態である。しかし、他の塩は、本発明の化合物または薬学的に許容される本発明の化合物の塩の調製において有用であり得る。本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩には、例えば、本発明による化合物の溶液を、薬学的に許容される酸(塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸など)の溶液と混合することによって形成し得る酸付加塩が含まれる。さらに、本発明の化合物が酸性部分を担持する場合、適切な薬学的に許容されるその塩には、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩;および適切な有機塩基から形成される塩、例えば、第四級アンモニウム塩が含まれてもよい。
【0220】
医薬製剤は、ヒトおよび動物の医薬品において医薬として用いることができる。本明細書において使用する場合、「有効量」という用語は、例えば、研究者または臨床医によって求められている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を誘発する薬物または医薬品の量を意味する。さらに、「治療有効量」という用語は、このような量を投与されなかった相当する対象と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療、治癒、予防もしくは寛解の改善、または疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語にはまたその範囲内で、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量が含まれる。本発明の1種または複数の化合物の前記治療有効量は、当業者には既知であり、または当技術分野において既知の標準的方法によって容易に決定することができる。
【0221】
本発明の化合物およびさらなる活性物質は一般に、市販の製剤と同じように投与される。通常、治療的に有効な適切な用量は、用量単位毎に0.0005mg〜1000mgの間、好ましくは0.005mg〜500mgの間、特に0.5mg〜100mgの間の範囲にある。1日用量は、好ましくは約0.001mg/kg〜10mg/kg体重の間である。
【0222】
用量レベルは、特定の化合物の機能、症状の重症度、および副作用に対する対象の感受性に応じて変更することができることを当業者であれば容易に認識するであろう。特定の化合物のいくつかは、他よりもより強力である。所与の化合物のための好ましい投与量は、種々の手段によって当業者は容易に決定することができる。好ましい手段は、所与の化合物の生理学的効力を測定することである。
【0223】
本発明の目的のために、全ての哺乳動物種が含まれると見なされる。好ましい実施形態において、このような哺乳動物は、霊長類、ヒト、げっ歯類、ウマ科、ウシ亜科、犬科、ネコ科、家畜、ウシ、家畜類、ペット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、ポニー、ロバ、ケッテイ、ラバ、ノウサギ、ウサギ、ネコ、イヌ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスからなる群から選択される。さらに好ましくは、このような哺乳動物はヒトである。動物モデルは、実験的研究のために重要であり、ヒト疾患の治療のためのモデルを提供する。
【0224】
しかし、個々の患者のための特定の用量は、多数の要因、例えば、用いる特定の化合物の有効性、年齢、体重、健康の一般的状態、性別、食事の種類、投与時間および経路、排泄率、投与の種類および投与される剤形、医薬品の組合せ、ならびに治療が関連する特定の障害の重症度によって決まる。個々の患者のための特定の治療有効用量は、通例の実験法によって、例えば、治療的処置を助言または参加する医師または内科医によって容易に決定することができる。
【0225】
多くの障害の場合、対象化合物で処理する特定の細胞の感受性は、インビトロ試験によって決定し得る。典型的には、細胞の培養物を、活性剤が関連する反応を示すのに十分な期間、通常約1時間から1週間、様々な濃度で対象化合物と合わせる。インビトロ試験のために、生検試料からの培養細胞を使用し得る。
【0226】
たとえさらなる詳細がなくても、当業者であれば上記の説明を最も広範な範囲で利用することができるであろうことが想定される。したがって、前記好ましい実施形態は、単に説明的な開示として見なすべきであり、これは絶対的に決して限定するものではない。
【0227】
上記および下記で、全ての温度は℃で示す。下記の例において、「従来の後処理」とは、必要に応じて溶媒を除去し、必要に応じて水を加え、必要に応じて最終生成物の構成によってpHを2〜10に調節し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を飽和NaHCO溶液、必要に応じて水および飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーによって、分取HPLCによって、および/または結晶化によって精製することを意味する。精製した化合物を、必要に応じて、凍結乾燥する。
【0228】
質量分析法(MS):ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)
略語および頭字語の一覧:
AcOH:酢酸、anh:無水、atm:気圧、BOC:tert−ブトキシカルボニル、CDI:1,1'−カルボニルジイミダゾール、conc:濃縮された、d:日、dec:分解、DMAC:NN−ジメチルアセトアミド、DMPU:1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(IH)−ピリミジノン、DMF:NN−ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、DPPA:ジフェニルホスホリルアジド、EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、EtOAc:酢酸エチル、EtOH:エタノール(100%)、EtO:ジエチルエーテル、EtN:トリエチルアミン、h:時間、MeOH:メタノール、pet.ether:石油エーテル(沸点範囲30〜60℃)、temp.:温度、THF:テトラヒドロフラン、TFA:トリフルオロAcOH、Tf:トリフルオロメタンスルホニル。
【0229】
全ての引用文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。本発明を下記の例によってさらに詳細に説明するが、それらには限定されない。
【実施例】
【0230】
I.選択した本発明の化合物の合成
下記の化合物を合成し、特性決定した。しかし、これらの化合物を異なる方法で調製および特性決定することは、当業者の知識内にある。
【0231】
例1
6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド6の合成
【0232】
【化26】



【0233】
a.2−アミノ−3−カルバモイル−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(3)の合成
出発物質1(25g、125mmol)を250mlのボウルフラスコ中で125mlの無水エタノールに懸濁させ、出発物質2(10.5g、125mmol)および硫黄(4.023g、125mmol)と混合した。12.9ml(125mmol)のジエルチアミンを黄色の懸濁液に滴下添加し、それによって懸濁液はオレンジ色となった。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。翌日、赤みを帯びた溶液を真空中で濃縮し、粗生成物をメタノール中で再結晶させた。所望の生成物3を赤茶色の固体(40.7g、116mmol、93%)として単離した。
【0234】
b.3−カルバモイル−2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(4)の合成
化合物3(1.5g、4.3mmol)およびp−クロルフェニルイソシアネート(724mg、4.7mmol)をピリジン(12ml)に溶解し、室温で一晩撹拌した。さらなる1当量のイソシアネート(724mg、4.7mmol)を加え、混合物を週末にかけて撹拌した。溶媒を真空下で減少させ、粗生成物(2.3g、4mmol;薄茶色の固体)を次の反応でそれ以上精製することなく使用した(含有量:UVによって79%の化合物4)。
【0235】
c.2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(5)の合成
出発物質4(2.3g、4.1mmol)を20mlのDCMに懸濁させ、トリフルオロ酢酸(TFA、7.9ml、102mmol)と混合した。このように得られた茶色の溶液を室温で50分間撹拌した。溶媒を真空中で減少させ、粗生成物を分取HPLCによって精製した(方法1)。
【0236】
生成物画分を組み合わせ、溶媒を減少させ、生成物を最終的に凍結乾燥し、5(850mg、2.4mmol、59%)を薄茶色の固体として得た。
【0237】
d.6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(6)の合成
出発物質5(847mg、2.4mmol)をDMF(8ml)に懸濁させ、1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸(473mg、2.9mmol)、乾燥HOBt(427mg、2.9mmol)およびEDCI(606mg、2.9mmol)を加えた。茶色の懸濁液を周囲温度にて週末にかけて撹拌した。反応がまだ完了しなかったため、反応物を80°で4時間さらに撹拌した。それによって茶色の溶液が形成された。溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物を分取HPLCによってさらに精製した(方法1)。生成物画分を組み合わせ、溶媒を蒸発させ、生成物を凍結乾燥した。それによって310mgの所望の生成物6(0.635mmol、28%)を薄茶色の固体として単離したが、さらなる58mgの同じ生成物(76%含量)をさらに精製することができた。
【0238】
別の方法として、5は、BOC保護された出発物質の代わりにalloc保護された出発物質を使用することによって調製することができる。
【0239】
【化27】



【0240】
e.2−アミノ−3−カルバモイル−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸アリルエステル(8)の合成
出発物質7(4g、22mmol)、2(1.8g、22mmol)および硫黄(700mg、22mmol)をボウルフラスコに秤量し、16mlのエタノールを加えた。ジエルチアミン(2.2ml、22mmol)を、黄色の懸濁液に滴下で添加した。反応物を一晩撹拌した。オレンジ色の沈殿物を濾過し、生成物8(4g、11.8mmol、83%含量、54%収率)として同定したが、それ以上精製することなく使用することができた。
【0241】
f.3−カルバモイル−2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸アリルエステル(9)の合成
出発物質8(1g、3.6mmol)を12mlのピリジンに溶解し、p−クロルフェニルイソシアネート(546mg、3.6mmol)を加えた。赤色の溶液を週末にかけて撹拌した。溶媒を真空遠心機中で減少させた。粗生成物をそれ以上精製することなく使用した(緑褐色の固体、1.13g、65%含量9、46%収率)。
【0242】
g.2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(5)の合成
出発物質9(750mg、1.7mmol)を窒素雰囲気下にて2つ口フラスコ中で10mlのDCMに溶解し、モルホリン(3ml、34.5mmol)のDCM(34.5ml)溶液を加えた。溶液を5分間撹拌し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(199mg、0.2mmol)のDCM(17.2ml)溶液を加えた。約8分後、茶色の懸濁液が形成された。反応物を周囲温度でさらに40分間撹拌した。次いで、溶媒を減少させ、それによって生成物5を2つの画分に単離した。白色の結晶として非常に純粋なもの(246mg、0.7mmol、41%)および56%含量の茶色の固体(250mg、56%含量5、0.4mmol)(副生成物も同様に含有したが、分取HPLCによって精製することができた(方法2))。純粋な生成物画分を組み合わせ、溶媒を減少させ、生成物を凍結乾燥した。
【0243】
別の方法として、例2に例示するように、最終生成物は任意の保護基を使用することなしに調製することができる。
【0244】
例2
1−[6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−3−ピロリジン−1−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル]−3−(4−クロロ−フェニル)−尿素(14)の合成
【0245】
【化28】



【0246】
a.(2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−ピロリジン−1−イル−メタノン(12)の合成
滴下漏斗を有する100mlのボウルフラスコ中で、ピリドン−(4)(出発物質10、1g、10.1mmol)を50mlの無水エタノールに溶解した。次いで、出発物質11(1.4g、10.1mmol)および硫黄(0.3g、10.1mmol)を加えた。2mlのジエルチアミン(20.2mmol)を黄色の懸濁液に滴下で添加し(20分に亘り)、茶色の溶液を得た。反応物を室温で一晩撹拌した。さらに1mlのジエルチアミン(10.1mmol)を加え、反応物をさらに7時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮した。それによって所望の生成物12を、粘性の茶色の物質(3.2g、75%含量の12、95%収率)として単離したが、それ以上精製することなく使用することができた。
【0247】
b.[2−アミノ−6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル−メタノン(13)の合成
出発物質12(1.6g、6.4mmol)を20mlのDMFに溶解した。次いで、EDCI(1.46g、7.6mmol)およびHOBt(1.3g、9.5mmol)を加えた。ここで、1.04g(6.4mmol)の1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸の半分を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。次いで、1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸の残りの半分を加え、反応混合物を周囲温度で一晩再び撹拌した。反応混合物をここで真空中にて濃縮し、7gの粗生成物を得た。それらを酢酸エチルおよび水に溶解し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、合わせた水相を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。所望の生成物13を茶色の油(1.2g、20%含量、10%収率)として単離した。
【0248】
c.1−[6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−3−(ピロリジン−1−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル]−3−(4−クロロ−フェニル)−尿素(14)の合成
出発物質13(1.2g、20%含量、0.6mmol)を5mlのピリジンに溶解し、112mg(0.7mmol)のp−クロルフェニルイソシアネートの半分を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。次いで、p−クロルフェニルイソシアネートの残りの半分を加え、反応物を一晩周囲温度で再び撹拌した。反応物をここで真空中にて濃縮し、それによって単離した粗生成物を7mlのDMSOに溶解し、分取HPLCによって精製した(方法3)。純粋な画分を合わせ、溶媒を減少させ、生成物を最終的に凍結乾燥した。それによって、所望の生成物14を黄色の固体(16.2mg、4%;およびさらに17mg、84%含量14、4%収率)として単離することができた。
【0249】
例2−aと同様に、ピリドン(4)−塩酸塩(15)を、シアノ−酢酸メチルエステル(16)と反応させた。
【0250】
【化29】



【0251】
a'.2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(17)の合成
ピペリドン−(4)、塩酸塩(15、154g、1.1mol)、メチル−シアンアセタト(16、84g、0.8mol)および硫黄(32g、1mol)を、500mlのメタノールに懸濁させた。次いでジエルチアミン(150ml、1.4mol)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌した。このように得られた結晶を濾過し、イソ−プロパノールおよびメタノールの混合物で洗浄し、乾燥させた。母液を50%容量に真空中で減少させ、一晩静置した。このように得られた結晶を再び濾過し、イソ−プロパノールで洗浄し、乾燥させた。全体で133gの所望の生成物17(0.54mol、47%)を単離し、NMRによって特性決定し、12と同様に反応においてさらに使用した。
【0252】
尿素の代わりに、またアミドを合成した。
【0253】
例3:
6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミドの合成
【0254】
【化30】



【0255】
a.3−カルバモイル−2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(19)の合成
出発物質3(1g、2.9mmol)を11mlのDMFに懸濁させ、出発物質18(593mg、3.1mmol)、乾燥HOBt(505mg、3.1mmol)およびEDCI(657mg、3.4mmol)を加えた。茶色の懸濁液を周囲温度で週末にかけて撹拌し、次いで反応物を80℃に一晩加熱した。溶媒を真空遠心機中で減少させ、粗生成物(茶色の油)をそれ以上精製することなく使用した(3.2g、22%含量19、53%収率)。
【0256】
b.2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(20)の合成
出発物質19(3.2g、22%含量、1.5mmol)を25mlの乾燥DCMに溶解し、トリフルオロ酢酸(TFA、8.0ml、104mmol)を加えた。反応物を周囲温度で30分間撹拌した。溶媒を真空中で減少させ、粗生成物をFlashmasterで精製した(方法1)。単離した生成物は十分に純粋ではなく、したがって分取HPLCで再び精製した(方法4)。純粋な画分を合わせ、溶媒を減少させた。それによって、所望の生成物20を茶色の固体(236mg、42%)として単離した。
【0257】
c.6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(21)の合成
出発物質20(118mg、0.3mmol)を2mlの乾燥DMFに懸濁させ、1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸(63mg、0.4mmol、1.2当量)、乾燥HOBt(52mg、0.4mmol)およびEDCI(74mg、0.4mmol)を加えた。茶色の懸濁液を80℃で一晩撹拌した。次いで、さらなる0.5当量の1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸を加え、反応物を80℃でさらに6時間撹拌した。溶媒を真空中で減少させ、残りの粗生成物を分取HPLCによってさらに精製した(方法3)。純粋な画分を合わせ、溶媒を減少させた。残りの生成物を凍結乾燥し、所望の生成物21を薄茶色の固体(20mg、0.04mmol、12%)として得た。
【0258】
類似して、1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸によってアミドを作製する代わりに、他の置換基もまた導入した。
【0259】
例4:
2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−6−ピリジン−4−イルメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(23)の合成
【0260】
【化31】



【0261】
2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−6−ピリジン−4−イルメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(23)の合成
アミン20(168mg、0.5mmol)およびアルデヒド22(0.1ml、0.5mmol)を、1,2−ジクロロエタン(5ml)および乾燥THF(5ml)に溶解した。51μlの氷酢酸(0.9mmol)を加え、懸濁液を周囲温度で3時間撹拌した。ここで305mgのNaB(OAc)(1.4mmol)およびさらなる51μlの氷酢酸(0.9mmol)を加え、反応物を室温で一晩撹拌した。このように得られた固体を濾過した。母液は生成物を含有し、したがって濃縮し、400mgの粗生成物を得て、分取HPLCによってさらに精製した(方法4)。26mgの所望の生成物23を茶色のアモルファス固体(12%)として単離した。
【0262】
例5:
2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−1H−インドール−3,6−ジカルボン酸3−アミド6−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド](32)の合成
【0263】
【化32】



【0264】
a.4−フルオロ−3−ニトロ−安息香酸メチルエステル(25)の合成
出発物質24(10g、54mmol)を60mlのメタノール中に入れ、0.5mlの硫酸を滴下で添加した。ここで反応物を80℃で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を水および酢酸エチルに分配した。合わせた有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、所望の生成物25をアモルファス固体(10.8g、54mmol)として定量的に得た。
【0265】
b.4−(カルバモイル−シアノ−メチル)−3−ニトロ−安息香酸メチルエステル(27)の合成
出発物質25(10g、50mmol)およびシアンアセトアミド(26、8.4g、100mmol)を乾燥THFに溶解し、NaH(60%ig、4g、100mmol)を加えた。反応物を周囲温度で一晩撹拌した。ここでそれを0℃に冷却し、4NのHCl/ジオキサンを加えた。反応混合物を真空中で濃縮し、固体残留物を400mlのイソプロピルエチルエーテルと共に結晶化し、このように得られた結晶を濾過し、乾燥させた。次いで、結晶を水で洗浄し、再び濾過し、乾燥させた。それによって8.9gの所望の生成物27(67%、34mmol)を単離した。
【0266】
c.4−フルオロ−3−アミノ−安息香酸メチルエステル(28)の合成
出発物質27(7g、26.6mmol)を700mlのメタノールに溶解した。溶液を、H−cube(Thales Nanotechnology)において2バッチで水素化した。
パラメータ:
流量:3.0ml/分
モード 完全H
触媒 ラネーニッケルTHS01122
T/℃ R.T.
p/バール 周囲圧力
水素化溶液を合わせ、真空中で減少させた。それによって単離した生成物(28、5.5g、23.5mmol、89%)を、さらなる精製をせずにさらに使用した。
【0267】
d.2−アミノ−3−カルバモイル−1H−インドール−6−カルボン酸(29)の合成
出発物質28(5.5g、23.5mmol)を200mlの無水THFに溶解し、2NのNaOH(45ml、90mmol)を室温で加えた。撹拌すると、溶液は色が濃くなり、固体沈殿物が形成された。懸濁液を約100mlに減少させ、各々400mlの酢酸エチルで3度抽出した。水相を真空中で減少させ、酢酸エチルで2度処理し、それによって所望の生成物29が結晶化した(1.1g、5.5mmol、21%)。
【0268】
e.2−アミノ−1H−インドール−3,6−ジカルボン酸3−アミド6−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド](31)の合成
出発物質29(500mg、2.3mmol)を2mlの乾燥DMFに溶解した。次いで、EDCI(575mg、3mmol)およびHOBt(322mg、2.4mmol)を加えた。反応物を周囲温度で一晩撹拌した。ここで反応混合物を水に注ぎ、このように得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。この中間体は出発物質29のHOBTエステル(645mg、1.9mmol、84%)であると同定され、それ以上精製することなく使用することができた。
【0269】
500mg(1.5mmol)の中間体および300.3mg(2mmol)の6−アミノ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(調製、下記を参照されたい)を、乾燥DMF(2ml)に溶解した。次いで、383mg(2mmol)のEDCIを加え、反応物を60℃で一晩撹拌した。ここで、溶液を水に加え、このように得られた色が濃い沈殿物を濾過し、乾燥させ、400mg(0.85mmol)の所望の生成物31を43%収率で得た(使用した中間体から計算)。
【0270】
f.2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−1H−インドール−3,6−ジカルボン酸3−アミド6−[(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド](32)の合成
出発物質31(100mg、0.3mmol)を1mlの乾燥ピリジンに溶解した。次いで、4−クロルフェニルイソシアネート(46mg、0.3mmol)を加え、混合物を周囲温度で撹拌した。次いで、さらなる40mg(0.29mmol)の4−クロルフェニルイソシアネートを加え、反応物を50℃で撹拌した。数時間後、反応物を真空中で減少させ、分取HPLCによって精製した。純粋な画分を濃縮した後、10mg(0.02mmol、7%)の所望の生成物32を単離した。
【0271】
g.6−アミノ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(30)の合成
5g(26.9mmol)の6−ニトロベノキサゾール−2(3H)−オンを100mlのTHFに溶解し、1gのPd−C−5%(50.5%水を含有)を加えた。反応物をH2で16時間に亘り水素化した。次いで、反応混合物をセライト上で濾過し、真空中で減少させた。それによって所望の生成物30を赤茶色の固体(2.6g、17.4mmol、65%)として単離した。
【0272】
例6:
2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド(36)の合成
【0273】
【化33】



【0274】
a.2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸エチルエステル(34)の合成
出発物質33(400mg、1.8mmol)を乾燥ピリジン(1ml)に溶解した。4−クロルフェニルイソシアネート(307mg、2mmol)を加え、反応物を周囲温度で一晩撹拌した。次いで、反応混合物を1NのHClに加え、このように得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。所望の生成物36をこのようにして単離した(710mg、1.58mmol、88%)。
【0275】
b.2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(35)の合成
505mg(4.5mmol)のカリウム−tert−ブチレートをボウルフラスコ中に入れ、90mlの水を加え、微細分散したKOHを得た。出発物質34(710mg、1.6mmol)をこの懸濁液に加え、混合物を周囲温度で撹拌した。3時間後、反応物を60℃に一晩加熱した。次いで、4.5mlのHCl(1N)を懸濁液に加え、混合物を真空中で濃縮し、固体を得た。それによって所望の生成物35をNaCl(800mg、45%含量、1.035mmol、65%収率)との混合物として単離したが、それ以上精製することなく使用することができた。
【0276】
c.2−[3−(4−クロロ−フェニル)−ウレイド]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド(36)の合成
出発物質35(300mg、45%含量、0.4mmol)および6−アミノ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(30、58mg、0.4mmol)を、2mlの乾燥DMFに溶解した。次いで、EDCI(96mg、0.5mmol)およびHOBt(76mg、0.5mmol)を加えた。反応物を周囲温度で一晩撹拌した。次いでそれを水に注ぎ、このように得られた沈殿物を濾過した。次いで、単離した沈殿物を100mlの温かいメタノール中で撹拌し、不溶性結晶を濾過し、メタノールで洗浄した。それによって所望の生成物36(130mg、0.271mmol、70%)を単離することができた。
【0277】
例7:
2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド(38)の合成
【0278】
【化34】



【0279】
a.2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(37)の合成
出発物質18(100mg、0.5mmol)を2mlのDMFに溶解した。ここでEDCI(125mg、0.7mmol)およびHOBt(99mg、0.7mmol)を加えた。室温で3時間撹拌した後、出発物質33(103mg、0.5mmol)を加え、反応物を室温で48時間撹拌した。溶液を1NのHClに注ぎ、このように得られた沈殿物を濾過し、乾燥させ、所望の生成物37(60mg、0.2mmol、70%含量、31%収率)を得た。
【0280】
b.2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル)−アミド(38)の合成
出発物質37(60mg、0.2mmol、70%含量)および6−アミノ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(30、25mg、0.2mmol)を、2mlのDMFに溶解した。次いで、EDCI(38mg、0.2mmol)およびHOBt(31mg、0.2mmol)を加えた。反応物を周囲温度で一晩撹拌し、真空中で濃縮し、分取HPLCによって精製した(方法1)。純粋な画分を濃縮することによって、所望の生成物38(23mg、0.04mmol、24%)を単離することができた。
【0281】
例8:
6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボン酸[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−アミド(43)の合成
【0282】
【化35】



【0283】
a.6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(40)の合成
出発物質39(1.7g、6.4mmol)、4−メチルモルホリン(700μl、6.4mmol)および1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸(1g、6.4mmol)を15mlのDMFに溶解した。次いで、EDCI(1.2g、6.4mmol)およびHOBt(0.9g、6.4mmol)を加えた。反応物を周囲温度で一晩撹拌した。次いで、水を反応混合物に加え、撹拌を続けた。沈殿物が形成されなかったため、酢酸エチルを加え、相を分離した。水相を酢酸エチルで2度洗浄した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。
所望の生成物40を定量的に単離し(2.6g、6.4mmol)、精製せずにさらに使用した。
【0284】
b.6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボン酸(41)の合成
出発物質40(2.6g、6.4mmol)を2NのNaOH(15ml)およびエタノール(15ml)と混合し、周囲温度で撹拌した。さらなる15mlのNaOH(2N)を加えた。反応が完了した後、混合物を乾燥するまで減少させ、固体を水に溶解し、2NのHClでpH2に調節し、このように得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。このように、所望の生成物41(1.4g、4.4mmol、57%)を固体として単離することができた。
【0285】
c.6−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボン酸[2−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−アミド(43)の合成
出発物質41(171.3mg、0.5mmol)、4−メチルモルホリン(60.3μL、0.5mmol)および出発物質42(85mg、0.5mmol)を5mlのDMFに溶解した。次いで、EDCI(105mg、0.5mmol)およびHOBt(74mg、0.5mmol)を加えた。反応物を周囲温度で一晩撹拌した。
【0286】
反応混合物を水に注ぎ、このように得られた沈殿物を濾過した。それをメチルtert−ブチルエーテル中で撹拌し、再び濾過した。さらなる精製は、「Companion」によるクロマトグラフィーによって行った(方法1)。
純粋な画分を濃縮し、メチルtert−ブチルエーテル中で撹拌し、濾過した。所望の生成物43はそれによって単離することができた(45.6mg、0.1mmol、18%)。
【0287】
例9:
[2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸3,5−ジクロロ−ベンジルエステル(48)の合成
【0288】
【化36】



【0289】
a.6−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(46)の合成
出発物質45(250mg、1.4mmol)および1,1'−カルボニルジイミダゾール(275mg、1.7mmol)を2mlのDCMに溶解し、室温で3時間撹拌した。次いで、出発物質44(350mg、1.4mmol)を加え、このように得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を水で3度洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残りの固体を分取HPLC上で精製し(方法1)、純粋な画分を合わせ、真空中で濃縮し、所望の生成物46を茶色の固体(170mg、0.377mmol、27%)として得た。
【0290】
b.(1,2,3、4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−カルバミン酸3,5−ジクロロ−ベンジルエステル(47)の合成
出発物質46(170mg、0.4mmol)を5mlのプロパノールに溶解した。次いで、2−プロパノール(5〜6N)中の1mlのHClを加え、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。次いで、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、真空中で濃縮し、ジエチルエーテルと共に撹拌し、繰り返しデカントした。最終的に、固体残渣を濾過し、真空中で45℃にて乾燥させた。このように、所望の生成物47を茶色がかった結晶(46mg、0.1mmol、35%)として単離した。
【0291】
c.[2−(1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−カルバミン酸3,5−ジクロロ−ベンジルエステル(48)の合成
出発物質47(46mg、0.1mmol)、1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸(22mg、0.1mmol)および4−メチルモルホリン(40μL、0.4mmol)を2mlのDMFに溶解した。次いで、EDCI(38mg、0.2mmol)およびHOBt(26mg、0.2mmol)を加え、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を水と混合し、このように得られた沈殿物を濾過し、真空中で45℃にて乾燥させた。所望の生成物48が、それによって薄茶色の固体(34mg、0.07mmol、52%)として単離することができた。
【0292】
例10:
2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アセチルアミノ]−6−(2−ピリジン−3−イル−アセチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸アミド(50)の合成
【0293】
【化37】



【0294】
出発物質49(37mg、0.3mmol)を2mlの乾燥DMFに溶解した。次いで、EDCI(94mg、0.5mmol)およびHOBt(48mg、0.3mmol)を加え、黄色の溶液を得て、それに100mgの出発物質20(0.3mmol)を加えた。ここで混合物を100℃に30分間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水と混合し、このように得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。この粗生成物を分取HPLC(方法4)によってさらに精製し、所望の生成物50を薄茶色の固体(53mg、0.1mmol、37%)として得た。
【0295】
一般注記事項:
類似して、p−クロロフェニルイソシアネートを、下記のイソシアネートによって置き換えた。
【0296】
【化38】



【0297】
類似して、(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−酢酸(18)を、下記の酸によって置き換えた。
【0298】
【化39】



【0299】
類似して、1H−1,2,3−ベンゾチアゾール−5−カルボン酸を、下記の酸によって置き換えた。
【0300】
【化40】



【0301】
類似して、ピリジン−3−イル−酢酸(49)を、下記の酸によって置き換えた。
【0302】
【化41】



【0303】
類似して、ピリジン−4−カルバルデヒド(22)を、下記のアルデヒドによって置き換えた。
【0304】
【化42】



【0305】
類似して、6−アミノ−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン(30)を、下記のアミンによって置き換えた。
【0306】
【化43】



【0307】
類似して、2−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミン(42)を、下記のアミンによって置き換えた。
【0308】
【化44】



【0309】
本発明の全ての化合物についての物理化学的パラメータを含めた、さらなる同じように合成された本発明の化合物についての概要を、表2および3に示す。
【0310】
【表2−1】



【0311】
【表2−2】



【0312】
【表2−3】



【0313】
【表2−4】



【0314】
【表2−5】



【0315】
【表2−6】



【0316】
【表3−1】



【0317】
【表3−2】



【0318】
下記において、選択した本発明の化合物についてのH−NMRデータを示す。
【0319】
化合物33、C2117Cl
H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ[ppm]=13.15(s,1H)、8.75(s,1H)、8.03(s,1H)、7.99(d,J=8.4,1H)、7.50(d,J=8.4,1H)、7.47(s,1H)、7.34(s,2H)、4.79(s,2H)、4.40(s,2H)、4.12〜3.65(m,2H)、2.95〜2.60(m,3H)
化合物37、C2219Cl
H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ[ppm]=16.08(s,1H)、13.22〜12.55(m,1H)、8.18〜7.92(m,3H)、7.60〜7.52(m,3H)、7.22(d,J=8.0,1H)、4.90〜4.45(m,2H)、3.85(s,1H)、3.60〜3.40(m,3H)、2.84(t,J=12.3,2H)、2.76(s,2H)。
【0320】
化合物48、C2419Cl
H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ[ppm]=9.76(s,1H)、8.05〜7.87(m,2H)、7.58(s,1H)、7.49(s,3H)、7.35〜7.12(m,3H)、5.15(s,2H)、4.82〜4.40(m,2H)、4.02〜3.50(m,2H)、2.84(s,2H)、2.35〜2.20(m,1H)
化合物19、C2118ClN
H NMR(500MHz,DMSO)δ[ppm]=10.86(s,1H)、10.20(s,1H)、8.71(d,J=4.5,2H)、7.91(s,1H)、7.52(m,3H)、7.35(d,J=8.1,2H)、7.6〜7.2(br.s,1H)、6.98(br.s,1H)、4.74(s,0.67x2H)および4.56(s,0.33x2H)、3.90(s,0.33x2H)および3.55(s,0.67x2H)、2.91(s,2H)。
【0321】
化合物7、C2625
H NMR(500MHz,DMSO)δ[ppm]=11.86(s,1H)、10.76(s,1H)、9.95(s,1H)、7.41(s,1H)、7.39(d,J=8.3,2H)、7.29(d,J=7.9,1H)、7.17(m,3H)、7.6〜7.1(br.s,1H)、7.00(br.s,1H)、4.65(s,2H)、3.54(m,2H)、3.06〜2.69(m,3H)、1.19(d,J=6.9,6H)
化合物29、C2314ClFN
H NMR(400MHz,DMSO)δ[ppm]=12.83(s,1H)、11.54(s,1H)、10.33(s,1H)、8.59(d,J=1.7,1H)、8.03(dd,J=8.5,1.7,1H)、7.86(t,J=8.5,1H)、7.83(d,J=1.7,1H)、7.54〜7.41(m,3H)、7.30(dd,J=8.2,1.9,1H)、7.08(d,J=8.4,1H)、3.97(s,2H)。
【0322】
化合物31、C2214ClN
H NMR(400MHz,DMSO)δ[ppm]=11.58(s,1H)、10.33(s,1H)、9.36(s,1H)、8.53(s,1H)、8.03〜7.94(m,1H)、7.84(d,J=1.9,1H)、7.80〜7.66(m,2H)、7.59(m,2H)、7.51(dd,J=8.5,1.9,1H)、7.44〜7.36(m,2H)、7.09(d,J=8.4,1H)。
2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(17)、C12HCl
H NMR(400MHz、DMSO)δ[ppm]=7.35(s,2H)、4.59(s,2H)、3.77(s,2H)、3.68(s,3H)、3.04(t,J=5.9,2H)、2.73〜2.66(m,2H)。
【0323】
化合物50
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.53(s,1H)、13.22(s,1H)、10.25(s,1H)、8.47(s,1H)、7.89(s,1H)、7.83〜7.68(m,3H)、7.63(d,J=8.0,2H)、5.25(s,2H)、4.72〜4.58(m,2H)、3.72(s,2H)、2.85(s,2H)
化合物51
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.87(s,1H)、13.10(s,1H)、8.69(s,1H)、8.07〜7.90(m,2H)、7.61(s,1H)、7.49(d,J=8.5,1H)、7.40〜7.24(m,2H)、4.77(s,2H)、4.38(s,2H)、3.81(s,1H)、3.53(s,1H)、2.79(s,2H)。
【0324】
化合物52
H NMR(500MHz,DMSO,d−TFA交換,C2114Cl)δ=8.48(d,J=1.6,1H)、7.82(d,J=9.0,1H)、7.68(dd,J=9.0,1.6,1H)、7.35〜7.27(m,3H)、5.06(s,2H)、4.65〜4.53(m,2H)、3.64(s,2H)、2.82(t,J=5.3,2H)
化合物53
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.54(s,1H)、13.22(s,1H)、10.24(s,1H)、8.46(s,1H)、8.13〜8.07(m,3H)、7.89(d,J=7.9,1H)、7.75(s,1H)、5.32(s,2H)、4.72〜4.57(m,2H)、3.71(s,2H)、2.84(s,2H)。
【0325】
化合物54
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.50(s,0H,1H)、13.22(s,1H)、10.24(s,1H)、8.46(s,1H)、7.89(d,J=8.2,2H)、7.79〜7.70(m,2H)、7.58(d,J=8.2,1H)、5.24(s,2H)、4.75〜4.60(m,2H)、3.79〜3.63(m,2H)、2.86(s,2H)
化合物55
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.50(s,1H)、13.20(s,1H)、10.22(s,1H)、8.45(s,1H)、7.88(d,J=7.9,1H)、7.78〜7.66(m,4H)、7.63(t,J=7.7,1H)、5.23(s,2H)、4.62(s,2H)、3.69(s,2H)、2.83(t,J=5.4,2H)。
【0326】
化合物58
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.54(s,1H)、13.22(s,1H)、10.25(s,1H)、8.47(s,1H)、7.89(s,1H)、7.80〜7.73(m,2H)、7.60(d,J=8.7,1H)、7.52(dd,J=8.5,1.9,1H)、5.18(s,2H)、4.70〜4−58(m,2H)、3.70(s,2H)、2.85(s,2H)
化合物60
H NMR(500MHz,DMSO)δ=15.75(s,1H)、13.09(s,1H)、8.65(s,1H)、8.07〜7.92(m,2H)、7.49(d,J=8.5,1H)、7.42(d,J=8.4,2H)、7.30(d,J=8.2,2H)、4.88〜4.55(m,2H)、4.42(d,J=5.2,2H)、3.99〜3.45(m,2H)、2.80(s,2H)。
【0327】
下記の分析法を、上記で例示した物理化学的パラメータを決定するために使用した。
ESI:エレクトロスプレーイオン化質量分析法(M+H)
【0328】
分析クロマトグラフィー法
A HPLC−方法:1_100_2Speed(機械:LaChrom)
カラム:Chromolith Performance RP18e 100−3mm
流速:2ml/分(ポンプ:L−7100)
溶媒A:水+0.01%TFA
溶媒B:アセトニトリル+0.01%TFA
波長(WL):220nm(検出器:L−7455)
0〜0.2 100%A、0.2〜3.7 100%Bまで、3.7〜4.4 100%B、4.5〜5.0 100%A。
【0329】
B LC−MS−方法:極性.M(機械:Agilent1100シリーズ)
カラム:Chromolith Speed Rod RP18e−50−4.6
流速:2.4ml/分
溶媒A:水+0.1%TFA
溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA
WL:220nm
勾配:0〜2.6分:4%Bから100%B、2.6〜3.3分:100%B。
【0330】
C LC−MS−方法:極性.M(機械:Agilent1100シリーズ)
カラム:Chromolith Speed Rod RP18e−50−4.6
流速:2.4ml/分
溶媒A:水+0.05%HCOOH
溶媒B:アセトニトリル+0.04%HCOOH
WL:220nm
勾配:0〜2.8分:4%Bから100%B、2.8〜3.3分:100%B。
【0331】
D HPLC−方法:1_100_2(機械:LaChrom)
カラム:Chromolith Performance RP18e 100−3mm
流速:2ml/分(ポンプ:L−7100)
溶媒A:水+0.01%HCOOH
溶媒B:アセトニトリル+0.01%HCOOH
WL:220nm(検出器:L−7455)
0〜0.2 100%A、0.2〜3.7 100%Bまで、3.7〜4.4 100%B、4.5〜5.0 100%A。
【0332】
E HPLC/MS−方法(極性)
溶媒A:水+0.05%HCOOH
溶媒B:アセトニトリル+0.04%HCOOH
流速:2.4ml/分、WL:220nm
勾配:0.0分 4%B
2.8分 100%B
3.3分 100%B
3.4分 4%B
カラム:Chromolith(登録商標)Speed ROD RP−18e 50−4.6mm。
【0333】
F HPLC−方法(非極性)
溶媒A:水+0.1%TFA
溶媒B:アセトニトリル+0.08%TFA
流速:1.5ml/分
勾配:0.0分 20%B
5.0分 100%B
5.5分 100%B
6.0分 20%B
6.5分 20%B
カラム:Chromolith Performance RP18e100−3。
【0334】
G HPLC/MS−方法
機械:Waters Acquity UPLC(登録商標)、PDAおよびELSDを有する;Waters SQD(ESI+/−およびAPCI+/−)
溶媒A:アセトニトリル+0.1%HCOOH
溶媒B:水+0.1%HCOOH
流速:1ml/分、WL:254nm
勾配:0.0分 1%A
1.7分 99%A
2.0分 99%A
カラム:Acquity UPLC(登録商標)BEH C18(2.1×50mm)
カラム温度:60℃。
【0335】
分取クロマトグラフィー法:
分取−HPLC−方法1:
機械:Agilent1100シリーズ
カラム:Chromolith Prep Rod RP18e
流速:50ml/分
溶媒A:アセトニトリル+0.1%TFA
溶媒B:水+0.1%TFA
WL:220nm
勾配:1〜20%ACN、2分、20〜40%ACN、8分、収集、2分〜11分。
【0336】
分取−HPLC−方法2:
機械:Agilent1100シリーズ
カラム:Chromolith Prep Rod RP18e
流速:50ml/分
溶媒A:アセトニトリル+0.1%TFA
溶媒B:水+0.1%TFA
WL:220nm
勾配:1〜30%ACN、10分、収集、2分〜11分。
【0337】
分取−HPLC−方法3:
機械:Agilent1100シリーズ
カラム:Chromolith Prep Rod RP18e
流速:50ml/分
溶媒A:アセトニトリル+0.1%TFA
溶媒B:水+0.1%TFA
WL:220nm
勾配:1〜25%ACN、2分、25〜50%ACN、8分、収集、2分〜11分。
【0338】
分取−HPLC−方法4:
機械:Agilent1100シリーズ
カラム:Chromolith Prep Rod RP18e
流速:50ml/分
溶媒A:アセトニトリル+0.1%TFA
溶媒B:水+0.1%TFA
WL:220nm
勾配:1〜15%ACN、2分、15〜35%ACN、8分、収集、2分〜11分。
【0339】
Flashmaster方法1:
機械:Flashmaster
カラム材料:Chromolith NH2
溶媒:酢酸エチル(EE)/MeOH
勾配:100%EE5分、15分で3%MeOHに、16分で4%MeOHに、15分で10%MeOHに、15分MeOHフラッシュ。
【0340】
II.オートタキシンアッセイ
アッセイの記載
オートタキシン活性を、Amplex Red試薬によって間接的に測定する。この過程において、Amplex Redを、生成したHについて蛍光発生インジケーターとして測定する。オートタキシンは、基質リゾホスファチジルコリン(LPC)をホスホコリンおよびリゾホスファチジン酸(lysophosphatidylic acid)(LPA)に変換する。変換後に、ホスホコリンをアルカリホスファターゼと反応させ、無機ホスフェートおよびコリンを得る。次のステップの間に、コリンをコリンオキシダーゼで酸化させ、ベタインを得て、それによってHが生成される。Hは、1:1の化学量論(stochiometry)のペルオキシダーゼ(西洋ワサビペルオキシダーゼ)の存在下でAmplex Red試薬と反応し、高度に蛍光性のレゾルフィンを生じさせる。反応の一部ではない可能性のある他の蛍光性化合物の蛍光シグナルを全ての測定される蛍光から差し引くことが可能となるように、生成した蛍光を反応依存性動力学的モードで測定する。
【0341】
アッセイの実施
1.5μlの標準液または本発明の化合物を、最大7.7%のDMSOと共に20mMのHEPES(pH7.2)に個々の濃度で溶解する。このように得られた溶液を、ブラック384穴マイクロタイタープレート中で、10μl(16ng)の高純度の組換えオートタキシンと一緒に22℃で30分間プレインキュベートする。
【0342】
その後、5μlのL−a−リゾホスファチジルコリン(LPC)を加えることによって反応を開始させ、それによってLPCの最終濃度は75μMである。混合物を37℃で90分間インキュベートする。インキュベーション後、Amplex Red試薬、ペルオキシダーゼ(西洋ワサビペルオキシダーゼ)およびコリンオキシダーゼを加える。蛍光は、「Tecan Ultraマルチモード」蛍光リーダーで485nmの励起波長を伴う612nmの波長で直ちに測定する。オートタキシンの活性は、検出された生成したHの量によって間接的に計算する。
【0343】
IC50分析のために、各化合物について30μMから始めて、10回の連続的1:3希釈を二連で行った。
【0344】
IC50値を、正規化データについて計算した。正規化のために、対照ウェルを各アッセイプレートに加え、無阻害対照ウェルのシグナルを100%に設定し、一方500μMのC14LPA(Avanti Polar Lipids、カタログ番号857120P)によって阻害されるシグナルを0%に設定した。曲線を当てはめ、IC50値は独自の分析ソフトウェアを使用して下記のモデルによって計算した。
Y=ボトム+(100−ボトム)/(1+10^((LogIC50−X)HillSlope))
式中、Xは、濃度の対数である。Yは、反応であり、Yはボトムで開始し、S字状でトップへと行く。
【0345】
材料
マイクロタイタープレート:PS−マイクロプレート、384穴、少容量、ブラックCorning、カタログ番号3677
タンパク質:組換えオートタキシン(バキュロウイルスHi5発現)
基質:L−a−リゾホスファチジルコリン(ニワトリの卵);Avanti Polar Lipids#830071P
標準物質:C14LPA、Avanti Polar Lipids、カタログ番号857120P
検出試薬:Amplex Red試薬;Invitrogen #A12222;(1.923mlのDMSOペルオキシダーゼタイプVI−A(セイヨウワサビ)に溶解)、Sigma#P6782;(7,45mlの試験緩衝液であるコリンオキシダーゼに溶解);Sigma #C5896;(2,47mlの試験緩衝液に溶解)
検出試薬ミックス:試験緩衝液中のAmplex Red試薬の1:100希釈
試験緩衝液:200mMのTris−HCl、Merck、カタログ番号1.08219、pH7.9;0.1%BSA、脂質非含有、Roche、カタログ番号775835
【0346】
【表4−1】



【0347】
【表4−2】



【0348】
【表4−3】



【0349】
【表4−4】



【0350】
【表4−5】



【0351】
【表4−6】



【0352】
【表4−7】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)による化合物
【化1】



[式中、
、Wは一緒になって独立に、−N=N−、−C(O)−O−、−C(O)−S−、−C(O)−N(R5)−、−C(O)−C(R6)(R7)−、−N=C[N(R8)(R9)]−を形成し、
は、−C(O)−、−C(S)−、−N(R10)−C(O)−、−C(O)−N(R11)−、−C(R12)(R13)−、単結合、からなる群から独立に選択され、
は、−C(R14)(R15)−、−O−、−N(R16)−、−C(O)−NH−、単結合、からなる群から独立に選択され、
は、O、S、N(R17)からなる群から独立に選択され、
Lは、
【化2】



からなる群から独立に選択され、
Bは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、独立に、(i)水素、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CF、−N、−NH、−NHX1、−NX2X3、−NO、−OH、−OCF、−SCF、−SH、−O−SOH、−OP(O)(OH)、−CHO、−COOH、−C(O)NH、−SOH、−P(O)(OH)、−C(O)−X4、−C(O)O−X5、−C(O)NH−X6、−C(O)NX7X8、−O−X9、−O(−X10−O)−H(a=1、2、3、4、5)、−O(−X11−O)−X12(b=1、2、3、4、5)、−OC(O)−X13、−OC(O)−O−X14、−OC(O)−NHX15、−O−C(O)−NX16X17、−OP(O)(OX18)(OX19)、−OSi(X20)(X21)(X22)、−OS(O)−X23、−NHC(O)−NH、−NHC(O)−X24、−NX25C(O)−X26、−NH−C(O)−O−X27、−NH−C(O)−NH−X28、−NH−C(O)−NX29X30、−NX31−C(O)−O−X32、−NX33−C(O)−NH−X34、−NX35−C(O)−NX36X37、−NHS(O)−X38、−NX39S(O)−X40、−S−X41、−S(O)−X42、−S(O)−X43、−S(O)NH−X44、−S(O)NX45X46、−S(O)O−X47、−P(O)(OX48)(OX49)、−Si(X50)(X51)(X52)、−C(NH)−NH、−C(NX53)−NH、−C(NH)−NHX54、−C(NH)−NX55X56、−C(NX57)−NHX58、−C(NX59)−NX60X61、−NH−C(O)−NH−O−X62、−NH−C(O)−NX63−O−X64、−NX65−C(O)−NX66−O−X67、−N(−C(O)−NH−O−X68)、−N(−C(O)−NX69−O−X70)、−N(−C(O)−NH−O−X71)(−C(O)−NX72−O−X73)、−C(S)−X74、−C(S)−O−X75、−C(S)−NH−X76、−C(S)−NX77X78、−C(O)−NH−O−X79、−C(O)−NX80−O−X81、−C(S)−NH−O−X82、−C(S)−NX83−O−X84、−C(O)−NH−NH−X85、−C(O)−NH−NX86X87、−C(O)−NX88−NX89X90、−C(S)−NH−NH−X91、−C(S)−NH−NX92X93、−C(S)−NX94−NX95X96、−C(O)−C(O)−O−X97、−C(O)−C(O)−NH、−C(O)−C(O)−NHX98、−C(O)−C(O)−NX99X100、−C(S)−C(O)−O−X101、−C(O)−C(S)−O−X102、−C(S)−C(S)−O−X103、−C(S)−C(O)−NH、−C(S)−C(O)−NHX104、−C(S)−C(O)−NX105X106、−C(S)−C(S)−NH、−C(S)−C(S)−NHX107、−C(S)−C(S)−NX108X109、−C(O)−C(S)−NH、−C(O)−C(S)−NHX110、−C(O)−C(S)−NX111X112からなる群から選択される1個または複数の同一または異なる置換基で置換されていることができ、
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、X36、X37、X38、X39、X40、X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X49、X50、X51、X52、X53、X54、X55、X56、X57、X58、X59、X60、X61、X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81、X82、X83、X84、X85、X86、X87、X88、X89、X90、X91、X92、X93、X94、X95、X96、X97、X98、X99、X100、X101、X102、X103、X104、X105、X106、X107、X108、X109、X110、X111、X112は、互いに独立に、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
代わりに、X7、X8および/またはX16、X17および/またはX29、X30および/またはX36、X37および/またはX45、X46および/またはX55、X56および/またはX60、X61および/またはX77、X78および/またはX86、X87および/またはX89、X90および/またはX92、X93および/またはX95、X96および/またはX99、X100および/またはX105、X106および/またはX108、X109および/またはX111、X112はそれぞれ一緒になってまたヘテロシクリルを形成することができ、
任意選択で置換基の群(i)の上記の置換基は、互いに独立に、1個または複数の同一または異なる置換基Vで置換されていることができ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、互いに独立に、Vからなる群から選択され、
Vは、(i)水素、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−CF、−N、−NH、−NHA1、−NA2A3、−NO、−OH、−OCF、−SCF、−SH、−O−SOH、−OP(O)(OH)、−CHO、−COOH、−C(O)NH、−SOH、−P(O)(OH)、−C(O)−A4、−C(O)O−A5、−C(O)NH−A6、−C(O)NA7A8、−O−A9、−O(−A10−O)−H(a=1、2、3、4、5)、−O(−A11−O)−A12(b=1、2、3、4、5)、−OC(O)−A13、−OC(O)−O−A14、−OC(O)−NHA15、−O−C(O)−NA16A17、−OP(O)(OA18)(OA19)、−OSi(A20)(A21)(A22)、−OS(O)−A23、−NHC(O)−NH、−NHC(O)−A24、−NA25C(O)−A26、−NH−C(O)−O−A27、−NH−C(O)−NH−A28、−NH−C(O)−NA29A30、−NA31−C(O)−O−A32、−NA33−C(O)−NH−A34、−NA35−C(O)−NA36A37、−NHS(O)−A38、−NA39S(O)−A40、−S−A41、−S(O)−A42、−S(O)−A43、−S(O)NH−A44、−S(O)NA45A46、−S(O)O−A47、−P(O)(OA48)(OA49)、−Si(A50)(A51)(A52)、−C(NH)−NH、−C(NA53)−NH、−C(NH)−NHA54、−C(NH)−NA55A56、−C(NA57)−NHA58、−C(NA59)−NA60A61、−NH−C(O)−NH−O−A62、−NH−C(O)−NA63−O−A64、NA65−C(O)−NA66−O−A67、−N(−C(O)−NH−O−A68)、−N(−C(O)−NA69−O−A70)、−N(−C(O)−NH−O−A71)(−C(O)−NA72−O−A73)、−C(S)−A74、−C(S)−O−A75、−C(S)−NH−A76、−C(S)−NA77A78、−C(O)−NH−O−A79、−C(O)−NA80−O−A81、−C(S)−NH−O−A82、−C(S)−NA83−O−A84、−C(O)−NH−NH−A85、−C(O)−NH−NA86A87、−C(O)−NA88−NA89A90、−C(S)−NH−NH−A91、−C(S)−NH−NA92A93、−C(S)−NA94−NA95A96、−C(O)−C(O)−O−A97、−C(O)−C(O)−NH、−C(O)−C(O)−NHA98、−C(O)−C(O)−NA99A100、−C(S)−C(O)−O−A101、−C(O)−C(S)−O−A102、−C(S)−C(S)−O−A103、−C(S)−C(O)−NH、−C(S)−C(O)−NHA104、−C(S)−C(O)−NA105A106、−C(S)−C(S)−NH、−C(S)−C(S)−NHA107、−C(S)−C(S)−NA108A109、−C(O)−C(S)−NH、−C(O)−C(S)−NHA110、−C(O)−C(S)−NA111A112からなる群から独立に選択され、
A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20、A21、A22、A23、A24、A25、A26、A27、A28、A29、A30、A31、A32、A33、A34、A35、A36、A37、A38、A39、A40、A41、A42、A43、A44、A45、A46、A47、A48、A49、A50、A51、A52、A53、A54、A55、A56、A57、A58、A59、A60、A61、A62、A63、A64、A65、A66、A67、A68、A69、A70、A71、A72、A73、A74、A75、A76、A77、A78、A79、A80、A81、A82、A83、A84、A85、A86、A87、A88、A89、A90、A91、A92、A93、A94、A95、A96、A97、A98、A99、A100、A101、A102、A103、A104、A105、A106、A107、A108、A109、A110、A111、A112は、互いに独立に、アルキル、(C〜C30)アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
代わりに、A7、A8および/またはA16、A17および/またはA29、A30および/またはA36、A37および/またはA45、A46および/またはA55、A56および/またはA60、A61および/またはA77、A78および/またはA86、A87および/またはA89、A90および/またはA92、A93および/またはA95、A96および/またはA99、A100および/またはA105、A106および/またはA108、A109および/またはA111、A112はそれぞれ一緒になってまたヘテロシクリルを形成することができ、
任意選択で置換基の群(i)の上記の置換基は、互いに独立に、1個または複数の同一または異なる置換基Vで置換されていることができ、
nは、独立に、0、1、2、3または4である]、
ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体。
【請求項2】
【化3】



が、独立に、
【化4】



からなる群から選択される化学基で置換されている、請求項1に記載の式(I)による化合物、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体。
【請求項3】
、Wが一緒になって独立に、−N=N−、−C(O)−O−を形成し、
が、−C(O)−、−N(R10)−C(O)−、−C(O)−N(R11)−、−OC(O)−、単結合、からなる群から独立に選択され、
が、独立にOであり、
Bが、4−クロロ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチルスルファニル−フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert.ブチル−フェニル、3,5−ジクロロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、4−メトキシ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、4−ブロモ−フェニル、5−クロロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、3−ブロモ−4−フルオロ−フェニル、6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルからなる群から独立に選択され、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15が、互いに独立に、水素、アルキル、メチル、イソプロピル、tertブチル、ハロゲン、−F、−Br、−Cl、−CN、−CF、−SF、−OF、−O−アルキル、−O−メチル、−NO、−S(O)−メチルからなる群から選択され、
Vが、水素、アルキル、メチル、イソプロピル、tertブチル、ハロゲン、−F、−Br、−Cl、−CN、−CF、−SF、−OH、−O−アルキル、−O−メチル、−NO、−S(O)−メチルからなる群から独立に選択され、
nが、独立に、0、1または2である、請求項1から2のいずれか一項に記載の式(I)による化合物、ならびに全ての割合のこれらの混合物を含めた、その生理学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ、溶媒和物および立体異性体。
【請求項4】
【化5−1】

【化5−2】

【化5−3】

【化5−4】

【化5−5】

【化5−6】

【化5−7】

【化5−8】

【化5−9】

【化5−10】

【化5−11】

【化5−12】

【化5−13】

【化5−14】

からなる群から選択される化合物。
【請求項5】
オートタキシン阻害剤としての、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項6】
(a)式(II)の化合物
【化6】



(式中、W、W、R1、R2は、請求項1に示した意味を有する)と、式(III)の化合物
【化7】



(式中、Lは、
【化8】



からなる群から選択され、Z、Y、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)とを反応させて、請求項1に示される式(I)による化合物(Yは−C(O)−を意味する)を得るステップ、
あるいは
(b)式(II)の化合物
【化9】



(式中、W、W、R1、R2は、請求項1に示した意味を有する)と、
【化10】



からなる群から選択される化合物Lとを反応させ、式(IIa)の化合物
【化11】



(式中、W、W、R1、R2は、請求項1に示した意味を有する)を得、式(IIa)の化合物と、式(IV)の化合物
【化12】



(式中、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)とをさらに反応させて、請求項1に示される式(I)による化合物(ZはOを意味し、Yは−N(R16)−を意味し、R16はHを意味する)を得るステップ、
あるいは
(c)式(Va)または(Vb)の化合物
【化13】



(式中、mおよびnは、独立に、0、1または2である)と、式(III)の化合物
【化14】



(式中、Lは、
【化15】



からなる群から選択され、Z、Y、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)とを反応させて、請求項1および2に示される式(I)による化合物(Yは−C(R12)(R13)−を意味し、R12、R13の両方は「H」を意味する、またはYは−C(O)−を意味する)を得るステップ、
あるいは
(d)式(VI)の化合物
HO(O)C−L (VI)
(式中、Lは、
【化16】



からなる群から選択される)と、
式(VII)の化合物
【化17】



(式中、W、W、R1、R2は、請求項1に示した意味を有する)とを反応させて、式(VIII)の化合物
【化18】



(式中、W、W、R1、R2は、請求項1に示した意味を有する)を得、式(VIII)の化合物と、式(IV)の化合物
【化19】



(式中、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)とをさらに反応させて、請求項1に示される式(I)による化合物(Yは−N(R10)−C(O)−を意味し、R10はHを意味し、ZはOを意味し、Yは−N(R16)−を意味し、R16はHを意味する)を得るステップ、
あるいは
(e)式(IX)の化合物
【化20】



(式中、Lは、
【化21】



からなる群から選択され、Z、Y、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)と、式(VII)の化合物
【化22】



(式中、W、W、R1、R2は、請求項1に示した意味を有する)とを反応させて、請求項1に示される式(I)による化合物(Yは−N(R10)−C(O)−を意味し、R10はHを意味する)を得るステップ、
あるいは
(f)式(X)の化合物
【化23】



(式中、W、W、R1、R2、Yは、請求項1に示した意味を有し、Lは、
【化24】

からなる群から選択される)と、式(XI)の化合物
【化25】



(式中、R3、R4、B、nは、請求項1に示した意味を有する)とを反応させて、請求項1に示される式(I)による化合物(ZはOを意味し、Yは−N(R16)−を意味し、R16はHを意味する)を得るステップを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)による化合物の調製方法。
【請求項7】
少なくとも1種の請求項1から4のいずれかに記載の化合物を含む医薬。
【請求項8】
リゾホスファチジン酸レベルの増加および/またはオートタキシンの活性化によって引き起こされ、媒介され、かつ/または増幅される生理学的および/または病態生理学的状態の治療および/または予防において使用するための、少なくとも1種の請求項1から4のいずれかに記載の化合物を含む医薬。
【請求項9】
「癌、腫瘍、悪性腫瘍、良性腫瘍、固形腫瘍、肉腫、癌腫、高増殖性障害、カルチノイド、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、脳腫瘍、脳および/または神経系および/または髄膜に由来する腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、腎臓癌、腎細胞癌、前立腺癌、前立腺の癌腫、結合組織腫瘍、軟部組織肉腫、膵臓腫瘍、肝臓腫瘍、頭部腫瘍、頸部腫瘍、喉頭癌、食道癌、甲状腺癌、骨肉腫、網膜芽細胞腫、胸腺腫、睾丸癌、肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、気管支癌、乳癌、乳房の癌腫、腸癌、結腸直腸腫瘍、結腸癌、直腸癌、婦人科腫瘍、卵巣腫瘍/卵巣の腫瘍、子宮癌、子宮頸癌、子宮頸部の癌腫、子宮体癌、子宮体部の癌腫、子宮内膜癌、膀胱癌、尿生殖路癌、膀胱癌、皮膚癌、上皮腫瘍、扁平上皮癌、基底細胞腫、棘細胞癌、黒色腫、眼球内黒色腫、白血病、単球白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、急性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、リンパ腫、血管形成、動脈硬化症、眼疾患、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、神経変性、再狭窄、創傷治癒、ならびに/あるいは移植片拒絶」からなる群から選択される生理学的および/または病態生理学的状態の治療および/または予防に使用するための、少なくとも1種の請求項1から4のいずれかに記載の化合物を含む医薬。
【請求項10】
少なくとも1種のさらなる薬理学的活性物質を含む、請求項7から9のいずれかに記載の医薬。
【請求項11】
少なくとも1種のさらなる薬理学的活性物質による治療の前および/または間および/または後に適用される、請求項7から9のいずれかに記載の医薬。
【請求項12】
治療有効量の少なくとも1種の請求項1から4のいずれかに記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項13】
生理学的に許容される添加剤、助剤、アジュバント、賦形剤、担体、ならびに/または請求項1から4のいずれかに記載の化合物以外のさらなる医薬活性物質からなる群から選択される、少なくとも1種のさらなる化合物をさらに含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項14】
治療有効量の少なくとも1種の請求項1から4のいずれかに記載の化合物および/または少なくとも1種の請求項12から13のいずれかに記載の医薬組成物と、治療有効量の少なくとも1種の請求項1から4のいずれかに記載の化合物以外のさらなる薬理学的活性物質とを含むキット。

【公表番号】特表2012−522734(P2012−522734A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502481(P2012−502481)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001457
【国際公開番号】WO2010/112124
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】