説明

カスパーゼ−3活性阻害剤

【課題】カスパーゼ−3活性を阻害する低分子阻害剤、さらに詳細には、医薬品として有用性の高いと認識されているペプチド骨格を持たない新規低分子阻害剤を提供すること。
【解決手段】特定のファーマコフォアを有する化合物又はその塩を含むカスパーゼ−3活性阻害剤、及びそのカスパーゼ−3活性阻害活性に基づくアポトーシス阻害剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なカスパーゼ−3活性阻害剤に関する。さらに詳細には、本発明はカスパーゼ−3活性を阻害するアポトーシス抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アポトーシスは遺伝子に制御された細胞死の一様式であり、アポトーシスに特徴的な細胞の形態学的変化やDNAのヌクレオソーム単位での断片化により特徴づけられている。アポトーシスのシグナル伝達経路には多くの分子が関与しているが、その中でもカスパーゼ(Caspase)はその実行因子として中心的な役割を担っている。現在、14種類のカスパーゼが同定されており、主にアポトーシスではカスパーゼ−2、−3、−6、−7、−8、−9が、そして炎症反応ではカスパーゼ−1、−4、−5が関与することが示されている。アポトーシスに関与するカスパーゼはさらに、イニシエータータイプ(カスパーゼ−2、−8、−9)とエフェクタータイプ(カスパーゼ−3、−6、−7)に分類される。カスパーゼは通常、不活性な前駆体として存在し、特定のAsp残基部位でプロセッシングを受けることにより、3つのパートに分かれ、分子量約20kD及び約10kDの断片(p20、p10)を2つずつ含む四量体の活性型となる。アポトーシスの刺激に応じてイニシエータータイプのカスパーゼが最初に活性化して、プロテアーゼ活性を発揮できるようになり、これがエフェクタータイプのカスパーゼをプロセッシングして活性化させ、細胞内の構成成分を切断する(カスパーゼカスケード)。これまでに60以上のカスパーゼの基質タンパク質が同定されている。
アポトーシスにおけるカスパーゼカスケードの破綻は、アルツハイマー病、パーキンソン病、癌などの疾患の発症に深く関与していることが明らかとなっている。特に、カスパーゼ−3は、アポトーシスの実行時に中心的な役割を果たすエフェクタータイプのカスパーゼであるため、その特異的阻害剤は、カスパーゼ−3の生理的役割だけではなく、疾患との関連性を解明する上での重要なツールとなる。さらに、カスパーゼ阻害剤は、ALS、敗血症、脳虚血の治療に有効であることも示されている(非特許文献1〜3)。
カスパーゼ阻害剤の有効性が報告されるに伴い、ペプチド性阻害剤から低分子阻害剤への変換設計(ペプチドミメティクス)、及びHTS(High throughput screening)を用いた低分子阻害剤の探索が活発に行われるに到っている。ペプチドミメティクスのベース配列としてカスパーゼ−3阻害剤であるAc−DEVD−CHOなどが利用され、これまでに、多くのペプチドミメティクスが報告されている(非特許文献4〜6)。そこでの課題は、医薬品としての物性に乏しい負電荷をもつカルボン酸、及びペプチド骨格をいかにDrug−likeな骨格へと変換設計していくかである。しかしながら、細胞/動物レベルにおいて効果を示したペプチド性阻害剤はいくつか報告されているが、低分子阻害剤の成功事例はほとんどないのが現状である。
【非特許文献1】Li,M.ら, Functional role of caspase−1 and caspase−3 in an ALS transgenic mouse model. (2000) Science 288, p.335−339
【非特許文献2】Hotchkiss,R.S.ら, Caspase inhibitors improve survival in sepsis: a critical role of the lymphocyte. (2000) Nat.Immunol. 1, p.496−501
【非特許文献3】Cheng,Y.ら, Caspase inhibitor affords neuroprotection with delayed administration in a rat model of neonatal hypoxic−ischemic brain injury. (1998) J.Clin.Invest. 101, p.1992−1999
【非特許文献4】Han,Y.ら, Discovery of novel aspartyl ketone dipeptides as potent and selective caspase−3 inhibitors. (2004) Bioorg Med Chem Lett., 14, p.805−808
【非特許文献5】Becker,J.W.ら, Reducing the peptidyl features of caspase−3 inhibitors: a structural analysis. (2004) J Med Chem. 47, p.2466−2474
【非特許文献6】Micale,N.ら, Design and Synthesis of a Potent and Selective Peptidomimetic Inhibitor of Caspase−3. J Med Chem. (2004) 47, p.6455−6458
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、カスパーゼ−3活性を阻害する低分子阻害剤、さらに詳細には、医薬品として有用性が高いと認識されている、ペプチド骨格を持たない新規低分子阻害剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、カスパーゼ−3の特定の3つの結合ポケット(図1〜3、S〜S)との結合領域を有する化合物がカスパーゼ−3活性を有意に阻害し、さらにはアポトーシスを阻害することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。なお、本明細書中のファーマコフォアの定義においては原子間距離を実線で示している。
【0005】
〔1〕 以下のファーマコフォア
【0006】
【化1】

【0007】
【化2】

【0008】
【化3】

【0009】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
のいずれかを有する化合物又はその塩を含む、カスパーゼ−3活性阻害剤。
〔2〕 以下の式(I)又は(II)
【0010】
【化4】

【0011】
【化5】

【0012】
〔式中、Lは単結合、置換されていてもよいメチレン、−O−、−N=N−又は−NH−であり、R11はカルボキシ又はスルホニルであり、R12は水素又は水酸基であり、R13は水素又はメチルであり、R14は置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよい複素環基であり、R15は水素又は水酸基であり、R16及びR17のいずれか一方が水素又はスルホニルであり、他方が−L−R14(L及びR14は上記定義と同じ)で示される〕
で示される化合物又はその塩を含む、カスパーゼ−3活性阻害剤。
〔3〕 R14が置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいインドリル又は置換されていてもよいチアゾリルである、上記〔2〕に記載のカスパーゼ−3活性阻害剤。
〔4〕 アポトーシス阻害剤である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のカスパーゼ−3活性阻害剤。
〔5〕 以下の式(III)
【0013】
【化6】

【0014】
〔式中、Lは単結合又は−O−であり、R21は置換されていてもよいナフチル又は置換されていてもよい含窒素複素環基である〕
で示される化合物又はその塩。
〔6〕 R21が置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル又は置換されていてもよいインドリルである、上記〔5〕に記載の化合物又はその塩。
〔7〕 被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア(以下、ファーマコフォア1ともいう)
【0015】
【化7】

【0016】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と
を含む、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
〔8〕 被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア(以下、ファーマコフォア2ともいう)
【0017】
【化8】

【0018】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と
を含む、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
〔9〕 被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア(以下、ファーマコフォア3ともいう)
【0019】
【化9】

【0020】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と
を含む、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
〔10〕 被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【0021】
【化10】

【0022】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と、
合致した化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性を調べる工程と
を含む、アポトーシス阻害効果を有する化合物をスクリーニングする方法。
〔11〕 被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【0023】
【化11】

【0024】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と、
合致した化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性を調べる工程と
を含む、アポトーシス阻害効果を有する化合物をスクリーニングする方法。
〔12〕 被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【0025】
【化12】

【0026】
〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と、
合致した化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性を調べる工程と
を含む、アポトーシス阻害効果を有する化合物をスクリーニングする方法。
【発明の効果】
【0027】
カスパーゼ−3活性を阻害する本発明の低分子阻害剤は、医薬品として有用性が高いと認識されているペプチド骨格を持たないものであるので、アポトーシスの抑制が所望される疾患に対する医薬として有用でありうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
におけるC1−6アルキルとは、炭素数1〜6の直鎖又は分枝のアルキルを意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、tert−ヘキシルなどが挙げられる。
【0029】
14における置換されていてもよいC1−6アルキルのC1−6アルキルとは、Rについて記載したC1−6アルキルと同じであるが、メチルが好ましい。
14における置換されていてもよいアリールのアリールとは、単環式又は縮合二環式の芳香族基を意味し、例えば、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。
14における置換されていてもよい複素環基の複素環基とは、窒素原子及びイオウ原子からなる群から選ばれる少なくとも1つの原子を環構成原子に含む単環式若しくは縮合二環式の脂肪族環基又は芳香族環基を意味し、例えば、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、2,3−ジヒドロピロリルなどが挙げられる。
【0030】
21における置換されていてもよい含窒素複素環基の含窒素複素環基とは、少なくとも1つの窒素原子を環構成原子に含む単環式又は縮合二環式の複素環基を意味し、例えば、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、2,3−ジヒドロピロリルなどが挙げられる。
【0031】
Lにおける置換されていてもよいメチレンの置換基としては、例えば、3−カルボキシ−5−メチル−4−オキソ−シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン、3−カルボキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフタレン−1−イリデンなどが挙げられる。
本明細書における置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい含窒素複素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいインドリル、及び、置換されていてもよいチアゾリルが有していてもよい置換基としては、例えば、C1−6アルキル−オキシカルボニル、フェニル、オキソ、2−(4−ブロモ−フェニル)フラン−5−イルメチリデン、2−オキソ−クロメン−3−イル、塩素、スルホニル、ニトロ、ピリジン−2−イル−アミノスルホニル、置換されていてもよいC1−6アルキル(置換基としては、カルバモイル、カルボキシなどが挙げられる)、水酸基、カルボキシなどが挙げられる。ここでの置換基としてのC1−6アルキルとしては、Rについて記載したC1−6アルキルと同じものが挙げられるが、メチル及びエチルが好ましい。
【0032】
における置換されていてもよいC1−6アルキルとしては、エトキシカルボニルメチルが好ましい。
14としては、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいインドリル、及び、置換されていてもよいチアゾリルが好ましく、エトキシカルボニルメチル、フェニル、2,6−ジクロロ−3−スルホニル−フェニル、4−ニトロ−フェニル、4−(ピリジン−2−イル−アミノスルホニル)−フェニル、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−ナフチル、3−[2−(4−ブロモ−フェニル)フラン−5−イルメチリデン]−2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−ピロリル、4−(2−オキソ−クロメン−3−イル)−チアゾール−2−イル、1−カルバモイルメチル−4−メチル−イミダゾール−2−イル、1−カルボキシメチル−3−メチル−ピロール−5−イル、1−カルバモイルエチル−4−メチル−イミダゾール−2−イル、1−カルボキシエチル−3−メチル−ピロール−5−イル、5−カルバモイルエチル−2−メチル−1H−インドール−7−イル、及び、5−カルボキシエチル−2−メチル−1H−インドール−7−イルが特に好ましい。
21における置換されていてもよいナフチルとしては、3−カルボキシ−4−ヒドロキシ−ナフチルが好ましい。
21における置換されていてもよい含窒素複素環基としては、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル、及び、置換されていてもよいインドリルが好ましく、1−カルバモイルメチル−4−メチル−イミダゾール−2−イル、1−カルボキシメチル−3−メチル−ピロール−5−イル、1−カルバモイルエチル−4−メチル−イミダゾール−2−イル、1−カルボキシエチル−3−メチル−ピロール−5−イル、5−カルバモイルエチル−2−メチル−1H−インドール−7−イル、及び、5−カルボキシエチル−2−メチル−1H−インドール−7−イルが好ましい。
【0033】
式(I)及び(II)のいずれかで示される化合物はいかなる方法によって得られるものであってもよく、適宜慣用の合成法を組み合わせて合成してもよいし、市販のものであってもよい。
【0034】
式(III)で示される化合物のうちR21が置換されていてもよい含窒素複素環基であって、該含窒素複素環基が単環式の化合物は、例えば、後述の製造例1に記載の合成スキームによって合成することができる。
【0035】
式(III)で示される化合物のうちR21が置換されていてもよい含窒素複素環基であって、該含窒素複素環基が縮合二環式の化合物は、例えば、後述の製造例5に記載の合成スキームによって合成することができる。
【0036】
式(III)で示される化合物のうちR21が置換されていてもよいナフチルは、例えば、後述の製造例7に記載の合成スキームによって合成することができる。
【0037】
ファーマコフォア1〜3及び式(I)〜(III)のいずれかで示される化合物は塩を形成することもでき、これもまた本発明に包含される。当該塩は生物学的に許容される通常無毒の塩であり、無機塩基との塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩)、有機塩基との塩(例えば、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩)、無機酸付加塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等)、有機カルボン酸もしくはスルホン酸付加塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)、塩基性あるいは酸性アミノ酸(例えば、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等)との塩等の、塩基との塩又は酸付加塩が例示される。加えて、それらの溶媒和化合物(例えば、包接化合物(例えば水和物等))もまた、本発明に包含される。
【0038】
本発明のスクリーニング方法は例えば以下のようにして行うことができる。
ファーマコフォア定義
ファーマコフォア1〜3のいずれかを満たす化合物を選択し、慣用のドッキングプログラムを用いてカスパーゼ−3の立体構造と該化合物の結合スコアを計算し、結合スコアの良好な化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性をin vitroで評価する。ここで用いられるドッキングプログラムは、特に限定されず、当分野で一般的に利用可能なソフトウェアを用いればよく、そのようなソフトウェアとしては、例えば、DOCK、AUTODOCKなどが挙げられるが、定義したファーマコフォアを満たす化合物をカスパーゼ−3上のそれに重ね合わせた複合体モデルを作成し、その後、AMBER力場(W.D.Cornellら, J. Am. Chem. Soc., 117, 5179−5197 (1995))を用いて構造最適化を行い、得られるエネルギーを結合親和性スコアとして計算するプログラムが好ましい。in vitroの評価としては、例えば、酵素反応生成物の蛍光分光分析などが挙げられる。
このようにして、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングすることができる。
【0039】
本発明におけるカスパーゼ−3活性阻害活性とは、例えば、酵素反応生成物の蛍光分光分析などのカスパーゼ−3活性を評価可能な方法を用いて評価した場合に、コントロールに比べて有意にカスパーゼ−3活性を阻害する活性を意味し、100μMでの%阻害が25%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがさらに好ましい。
【0040】
また、本発明におけるアポトーシス阻害効果とは、例えば、DNAラダーなどのアポトーシスによる細胞死を評価可能な方法を用いて評価した場合に、コントロールに比べて有意にアポトーシスを阻害する効果を意味し、そのIC50が100μM以下であるのが好ましく、50μM以下であるのがさらに好ましい。
【0041】
本発明の阻害剤を医薬として使用する場合、ファーマコフォア1〜3及び式(I)〜(III)のいずれかで示される化合物並びにその塩(以下、これらを総称して本発明の化合物ともいう)の少なくとも1種を、医薬上許容される担体(例えば、賦形剤、希釈剤等)などの必要な成分と適宜混合し、液状製剤、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、エアロゾル剤等の慣用の任意の剤形に製剤化して、経口的又は非経口的に投与することができる。
【0042】
医薬上許容される担体としては、例えば、ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ナトリウム−グリコール−スターチ、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、エアロジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤、クエン酸、メントール、グリシルリジン・アンモニウム塩、グリシン、オレンジ粉等の芳香剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラバン、プロピルパラベン等の保存剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸等の安定剤、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、水、生理食塩水、オレンジジュース等の希釈剤、カカオ脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースワックスなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0043】
本発明の阻害剤を医薬として用いる場合、好ましい剤形は、経口又は注射製剤である。好適な経口製剤は、水、生理食塩水、オレンジジュースのような希釈液に有効量の本発明の化合物を溶解させた液剤、有効量の該化合物を固体や顆粒として含んでいるカプセル剤、サシェ剤又は錠剤、適当な分散媒中に有効量の該化合物を懸濁させた懸濁液剤、有効量の該化合物を溶解させた溶液を適当な分散媒中に分散させ乳化させた乳剤等である。好適な注射製剤としては、水性および非水性の等張な無菌の注射液剤があり、これには抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれていてもよい。また、水性および非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、肥厚剤、安定化剤、防腐剤等が含まれていてもよい。本発明の製剤は、アンプルやバイアルのように単位投与量あるいは複数回投与量ずつ容器に封入することができる。また、本発明の化合物および医薬上許容される担体を凍結乾燥(フリーズドライ)し、使用直前に適当な無菌のビヒクルに溶解又は懸濁すればよい状態で保存することもできる。
【0044】
本発明の薬剤の投与量は、有効成分である本発明の化合物の有効量、該化合物の細胞毒性、病気の進行度、投与対象の薬物受容性、体重、年齢等によって異なるが、通常、成人1日あたり30μg〜30mg/kg体重、好ましくは300μg〜3mg/kg体重であり、この量を1回又は数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0046】
カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物の同定
Caspase−3特異的阻害ペプチドであるAc−DNLD−CHOのLDの結合様式を基に図1に示すファーマコフォア1を構築した。
予め構築しておいた化合物ライブラリよりファーマコフォア1を有する化合物を選択した。選択した化合物をドッキングプログラム(ファーマコフォア1を満たす化合物をカスパーゼ−3上のそれに重ね合わせた複合体モデルを作成し、その後、AMBER力場(W. D. Cornellら, J. Am. Chem. Soc., 117, 5179−5197 (1995))を用いて構造最適化を行い、得られるエネルギーを結合親和性スコアとして計算するプログラム)を用いてスクリーニングした。スクリーニングした化合物をin vitroで評価し、後述の実施例1の化合物を同定した。このin vitro評価の結果を基に、さらに図2に示すファーマコフォア2を構築した。
【0047】
化合物ライブラリよりファーマコフォア2を有する化合物を選択した。選択した化合物をドッキングプログラム(ファーマコフォア2を満たす化合物をカスパーゼ−3上のそれに重ね合わせた複合体モデルを作成し、その後、AMBER力場(W. D. Cornellら, J. Am. Chem. Soc., 117, 5179−5197 (1995))を用いて、構造最適化を行い、得られるエネルギーを結合親和性スコアとして計算するプログラム)を用いてスクリーニングした。スクリーニングした化合物をin vitroで評価し、後述の実施例2〜8の化合物を同定した。このin vitro評価の結果を基に、カスパーゼ−3特異的阻害を規定するDNLD(配列表配列番号1)中のN(S3ポケットに結合する)結合配置(Yoshimori A., Takasawa R., Tanuma S., A novel method for evaluation and screening of caspase inhibitory peptides by the amino acid positional fitness score. BMC Pharmacol. (2004) 4, 7.)を考慮して、新規化合物を設計し、図3に示すファーマコフォア3を構築した。
【0048】
ファーマコフォア3をもとに以下の製造例1〜7の化合物をモデリングした。製造例1〜7の化合物は以下の合成スキームに従って作製できる。
【0049】
製造例1
工程1
1,4−ジヒドロキシナフタレンの水酸基の一方を慣用の手法を用いてP(ベンジル基、t−ブチル基などのフェノール性水酸基の保護基)で保護し、1の化合物を得る。
【0050】
【化13】

【0051】
工程2
2−クロロオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステルと工程1で得られる1の化合物とから、A.Afzaliら,Synth.Commun.,13,335(1983)の記載に準じ、2の化合物を得る。
【0052】
【化14】

【0053】
工程3
2の化合物から、J.W.Cornforthら,J.Chem.Soc.,1947,96の記載に準じ、3の化合物を得る。
【0054】
【化15】

【0055】
(式中、Pはベンジル基、t−ブチルジフェニルシリル基などの一級水酸基の保護基である)
【0056】
工程4
3の化合物から、G.A.Olahら,J.Org.Chem.,44,1247(1979)及びR.F.Nystromら,J.Am.Chem.Soc.,69,2548(1947)の記載に準じ、4の化合物を得る。
【0057】
【化16】

【0058】
工程5
4の化合物から、D.H.R.Bartonら,Tetrahedron,47,8969(1991)の記載に準じ、5の化合物を得る。
【0059】
【化17】

【0060】
工程6
5の化合物のPを慣用の手法を用いて脱保護し、6の化合物を得る。
【0061】
【化18】

【0062】
工程7
6の化合物から、Kolbe反応(A.S.Lindseyら,Chem.Rev.,57,583(1957))及びO.Mitsunobuら,Bull.Chem,Soc.Jpn.,40,2380(1967)の記載に準じ、7の化合物を得る。
【0063】
【化19】

【0064】
工程8
7の化合物のPを慣用の手法を用いて脱保護し、8の化合物を得る。
【0065】
【化20】

【0066】
工程9
8の化合物から、E.J.Coreyら,Tetrahedron Lett.,1979,399及びR.Appelら,Ber.,116,2037(1983)の記載に準じ、9の化合物を得る。
【0067】
【化21】

【0068】
工程10
9の化合物から、G.A.Olahら,J.Org.Chem.,44,1247(1979)の記載に準じ、製造例1の化合物を得る。
【0069】
【化22】

【0070】
製造例2〜4
以下の表1に示す製造例2〜4の化合物は、製造例1に準じ、合成することができる。
【0071】
【表1】

【0072】
製造例5
工程1
4−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン−1,2−ジオールの一級水酸基を慣用の手法を用いてP(ベンジル基、t−ブチルジフェニルシリル基などの一級水酸基の保護基)で保護し、1の化合物を得る。
【0073】
【化23】

【0074】
工程2
1の化合物から、W.H.Hartungら,J.Am.Chem.Soc.,63,507(1941)の記載に準じ、2の化合物を得る。
【0075】
【化24】

【0076】
工程3
2の化合物のアミノ基を慣用の手法を用いてP(t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などのアミノ基の保護基)で保護し、3の化合物を得る。
【0077】
【化25】

【0078】
工程4
3の化合物から、T.Choshi,YAKUGAKU ZASSHI,121(7),487(2001)の記載に準じ、4の化合物を得る。
【0079】
【化26】

【0080】
工程5
1,4−ジヒドロキシナフタレンの水酸基の一方を慣用の手法を用いてP(ベンジル基、t−ブチル基などのフェノール性水酸基の保護基)で保護し、5の化合物を得る。
【0081】
【化27】

【0082】
工程6
5の化合物から、T.Choshi,YAKUGAKU ZASSHI,121(7),487(2001)の記載に準じ、6の化合物を得る。
【0083】
【化28】

【0084】
工程7
工程4で得られる4の化合物と工程6で得られる6の化合物とから、J.Yamashitaら,Chem Lett.,407(1986)の記載に準じ、7の化合物を得る。
【0085】
【化29】

【0086】
工程8
7の化合物のPを慣用の手法を用いて脱保護し、8の化合物を得る。
【0087】
【化30】

【0088】
工程9
8の化合物から、Kolbe反応(A.S.Lindseyら,Chem. Rev.,57,583(1957))を用いて、9の化合物を得る。
【0089】
【化31】

【0090】
工程10
9の化合物から、P.G.Gassmanら,Org.Synth.,VI,601(1988)の記載に準じ、10の化合物を得る。
【0091】
【化32】

【0092】
工程11
10の化合物の一級水酸基を慣用の手法を用いてP(ベンジル基、t−ブチルジフェニルシリル基などの一級水酸基の保護基)で保護し、11の化合物を得る。
【0093】
【化33】

【0094】
工程12
11の化合物のPを慣用の手法を用いて脱保護し、12の化合物を得る。
【0095】
【化34】

【0096】
工程13
12の化合物から、E.J.Coreyら,Tetrahedron Lett.,1979,399及びR.Appelら,Ber.,116,2037(1983)の記載に準じ、13の化合物を得る。
【0097】
【化35】

【0098】
工程14
13の化合物のPを慣用の手法を用いて脱保護し、14の化合物を得る。
【0099】
【化36】

【0100】
工程15
14の化合物から、E.J.Coreyら,Tetrahedron Lett.,1979,399の記載に準じ、製造例5の化合物を得る。
【0101】
【化37】

【0102】
製造例6
【0103】
【化38】

【0104】
製造例6の化合物は、製造例5に記載の方法に準じ、合成することができる。
【0105】
製造例7
工程1
1,1’−ビナフタレン−4,4’−ジオールとナトリウムを反応させ、1の化合物を得る。
【0106】
【化39】

【0107】
工程2
1の化合物から、Kolbe反応(A.S.Lindseyら,Chem. Rev.,57,583(1957))を用いて、製造例7の化合物を得る。
【0108】
【化40】

【0109】
同定化合物の活性の測定
同定化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性及びアポトーシス阻害効果を以下に記載の手順により測定した。測定に使用した化合物は、実施例1の化合物はSigma社(O1625)、実施例2の化合物はSigma Aldrich Rare Chemical社(S984566)、実施例3の化合物はTimTec社(ST904307)、実施例4の化合物はSpecs社(AG−690/37099133)、実施例5の化合物はAsinex社(BAS04880646)、実施例6の化合物はSigma社(C1018)、実施例7の化合物はSigma Aldrich Rare Chemical社(R320897)、実施例8の化合物はSigma社(S0883)より購入した。
【0110】
カスパーゼ−3活性阻害活性の測定
カスパーゼ−3の活性は、基質として、製品コード3171−vの基質を株式会社ペプチド研究所から購入し、これを用いて測定した。1 unitの活性型リコンビナントカスパーゼ−3(CALBIOCHEM社から購入)を、96ウェルアッセイプレート(CORNING)において、撹拌しながら37℃30分、緩衝液(100mM NaCl、50mM HEPES、10mM DTT、1mM EDTA、10%グリセロール、0.1%CHAPS、pH7.4)中、試験化合物とともにインキュベートした。次いで、200μM基質を各ウェルに添加し、96ウェルプレートリーダーWallace 1420 ARVOsx(Perkin Elmer)を用いて、60分間1分間隔にて390nmの波長で励起し、460nmの蛍光波長を測定し、各試験化合物の100μMでの%阻害(実施例2の化合物についてはIC50も)を以下のように算出した。
%阻害:
化合物を入れた状態の蛍光強度を化合物なしの状態の蛍光強度で割って100をかける。この値は%活性を示すので、100から%活性を引くことにより%阻害とした。
%阻害=100−{(化合物(+)の蛍光強度/化合物(−)の蛍光強度)×100}
IC50:
各濃度における%阻害を算出し、X軸を化合物濃度の対数、Y軸に%阻害をとったグラフを作成し、50%阻害に対応する濃度をIC50とした。
結果を表2−1及び2−2に示す。
【0111】
【表2−1】

【0112】
【表2−2】

【0113】
アポトーシス阻害効果の測定
Jurkat細胞(1.0×10 cells/mL)2mLを6ウェルプレートに播種し、各濃度の試験化合物を加え、1時間、プレインキュベートした。その後、Camptothecin 2μM、6時間の処理によりアポトーシスを誘導した。
処理の終わった細胞を回収し、24μLのLysis Bufferを加え、攪拌し、20mg/mL ProKを5μL加えて50℃で3時間インキュベートした。その後、さらに10mg/mL RNaseAを5μL加えて37℃で1.5時間インキュベートした。このサンプルを20μL取って1.8% アガロースゲル電気泳動によりDNAの断片化を検出した。
最後にゲルをEtBr染色した後、UV照射下で写真撮影し、その写真をデンシトメトリーにかけ、定量化することにより、アポトーシス阻害効果を評価した。結果を図4に示す。
(参考文献:改訂 アポトーシス実験プロトコール 基礎編、田沼靖一監修、秀潤社 79頁)
【0114】
これらの結果から、本発明の化合物は、優れたカスパーゼ−3活性阻害活性及びアポトーシス阻害効果を有することがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】ファーマコフォア1を示す図である。図中、S〜Sは、カスパーゼ−3との結合領域、Dは水素結合ドナー、Hyは疎水領域を示し、R〜Rは本明細書に定義したとおりである。
【図2】ファーマコフォア2を示す図である。図中、S〜Sは、カスパーゼ−3との結合領域、Dは水素結合ドナー、Hyは疎水領域を示し、R〜Rは本明細書に定義したとおりである。
【図3】ファーマコフォア3を示す図である。図中、S〜Sは、カスパーゼ−3との結合領域、Aは水素結合アクセプター、Dは水素結合ドナー、Hyは疎水領域を示し、R〜Rは本明細書に定義したとおりである。
【図4】実施例2の化合物のアポトーシス阻害効果に関する実験結果を示すグラフである。
【配列表フリーテキスト】
【0116】
配列番号1:カスパーゼ−3特異的阻害を規定する配列である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のファーマコフォア
【化1】


【化2】


【化3】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
のいずれかを有する化合物又はその塩を含む、カスパーゼ−3活性阻害剤。
【請求項2】
以下の式(I)又は(II)
【化4】


【化5】


〔式中、Lは単結合、置換されていてもよいメチレン、−O−、−N=N−又は−NH−であり、R11はカルボキシ又はスルホニルであり、R12は水素又は水酸基であり、R13は水素又はメチルであり、R14は置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよい複素環基であり、R15は水素又は水酸基であり、R16及びR17のいずれか一方が水素又はスルホニルであり、他方が−L−R14(L及びR14は上記定義と同じ)で示される〕
で示される化合物又はその塩を含む、カスパーゼ−3活性阻害剤。
【請求項3】
14が置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいインドリル又は置換されていてもよいチアゾリルである、請求項2に記載のカスパーゼ−3活性阻害剤。
【請求項4】
アポトーシス阻害剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカスパーゼ−3活性阻害剤。
【請求項5】
以下の式(III)
【化6】


〔式中、Lは単結合又は−O−であり、R21は置換されていてもよいナフチル又は置換されていてもよい含窒素複素環基である〕
で示される化合物又はその塩。
【請求項6】
21が置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいピロリル、置換されていてもよいイミダゾリル又は置換されていてもよいインドリルである、請求項5に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【化7】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と
を含む、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
【請求項8】
被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【化8】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と
を含む、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
【請求項9】
被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【化9】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と
を含む、カスパーゼ−3活性阻害活性を有する化合物をスクリーニングする方法。
【請求項10】
被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【化10】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と、
合致した化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性を調べる工程と
を含む、アポトーシス阻害効果を有する化合物をスクリーニングする方法。
【請求項11】
被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【化11】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と、
合致した化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性を調べる工程と
を含む、アポトーシス阻害効果を有する化合物をスクリーニングする方法。
【請求項12】
被験化合物のファーマコフォアを調べる工程と、
該ファーマコフォアが以下のファーマコフォア
【化12】


〔式中、Rはカルボキシ又はスルホニルであり、RはC1−6アルキルであり、Rはカルボニル、スルホニル、アミノ、カルボキシ又はニトロである〕
に合致するかどうかを調べる工程と、
合致した化合物のカスパーゼ−3活性阻害活性を調べる工程と
を含む、アポトーシス阻害効果を有する化合物をスクリーニングする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−8894(P2007−8894A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194370(P2005−194370)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(504365146)株式会社理論創薬研究所 (9)
【Fターム(参考)】