説明

カメラ付き携帯電話用ゴルフ距離測定方法及び装置

【課題】 本来、ゴルフのように毎回違った状況でのプレ−を強いられるスポ−ツにおいて距離感覚というのは安定したショットを作り上げる意味でも大切なものである。これを養うためには実際のコ−スに出て多くの距離感覚を養う練習をする必要がある。これを助ける意味で練習用としてゴルフ距離測定装置が各種販売されている。しかしながら正式競技では規定違反ということからくる潜在的な心理負担も影響してか、スポ−ツ補助用のオプション装置としては広く普及してはいなかった。
【解決手段】 本発明では、昨今では誰もが持っていると言っても良いほどの普及率を誇るカメラ付き携帯電話に着目、携帯電話にインスト−ルされた距離計測アプリケ−ションとして撮影位置からピンまでの距離計測を可能にするもので、日常品となった携帯電話をプラットフォ−ムとすることで課題で挙げた利用者の心理負担を軽減した上、カジュアルな感覚で距離感を自然に身につけるための便利機能を実現したゴルフ練習用距離計測アプリケ−ションを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯電話上で動作する距離測定方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来ゴルフ用距離測定装置は、高価なものに関してはレ−ザ−などを利用するものもあり、安価なものでは特許文献1、実用新案文献1のような望遠鏡様の光学系装置に透過式のメジャ−を組み合わせ鏡筒視野上でのピンの高さ(長さ)とメジャ−を対比させて測距するものとして提供されている。
【特許文献1】特許公開2002−357417号 公報
【実用新案文献1】
実用新案公開平5−92630号 公報
【実用新案文献2】
登録実用新案第3031818号 公報
【発明の開示】

【発明が解消しようとする課題】
【0003】
本来、ゴルフのように毎回違った状況でのプレ−を強いられるスポ−ツにおいて距離感覚というのは安定したショットを作り上げる意味でも大切なものである。これを養うためには実際のコ−スに出て多くの距離感覚を養う練習をする必要がある。これを助ける意味で練習用としてゴルフ距離測定装置が各種販売されている。しかしながら正式競技では規定違反ということからくる潜在的な心理負担も影響してか、スポ−ツ補助用のオプション装置としては広く普及してはいない。本発明では、距離測定機能を現在では多くの台数が普及しているカメラ付き携帯電話上で実現することにより前述の心理負担を軽減した上で、気軽にゴルフの上達を促す補助環境の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によって提供されるアプリケ−ションはカメラ付き携帯電話にインスト−ルされたアプリケ−ションであって、距離計測用リファレンステ−ブルを作成するキャリブレ−ション時に「ピン高:Y1」と(撮影点から)「ピンまでの距離:Z1」がわかっている条件に於いてピン全体がフレ−ミングされるように撮影された画像上の「ピン接地点」から「旗頂上点」の二点間のピクセル数である「ピン長ピクセル数:Y2」をアプリケ−ション内に距離計測用リファレンステ−ブルとして保持し、実際の距離計測ステ−ジで撮影された画像上の「ピン長ピクセル数:Y3」とこの保持されている距離計測用リファレンステ−ブルから計測点(撮影点)から「ピンまでの離距:Z3」を求め、携帯電話上に距離表示することを特徴とするものである。
【0005】
本発明は、請求項1記載の装置において、キャリブレ−ション時の「ピン高:Y1」及び「(撮影点から)ピンまでの距離:Z1」というユ−ザ−が入力したデ−タをアプリケ−ション内及びファイルシステム内ストレ−ジに保持することが可能であることを特徴とするものである。
【0006】
本発明は、請求項1記載の装置において、キャリブレ−ション時及び距離計測時に撮影された画像上の「ピン長ピクセル数:Y2及びY3」を、カ−ソルによる2点指示によって定量することを特徴とするものである。
【0007】
本発明は、請求項1記載の装置において、距離計測用リファレンステ−ブルはファイルシステム上に保存され、次回のアプリケ−ション起動時に自動的に読込みまれセットされることを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、請求項1記載の装置において、距離と高さがわかっている物体であればゴルフに限らず距離計測に利用されることが可能であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、合理的に練習を行いたいと考えるゴルフプレ−ヤ−に対し、既に普及しているカメラ付き携帯電話上の距離計測アプリケ−ションとして提供されるもので、簡便な操作によってピンまでの距離を計測し、感覚とのギャップを毎回のチェックによって埋めて行き、絶対音感ならぬ絶対距離感を得ることを助け、真価を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図1、図2に基づいて説明する。
【0011】
本発明では、焦点距離等機種毎に仕様が異なるカメラ付き携帯電話に対応するために、計測の為のリファレンステ−ブルを作成するキャリブレ−ションを行う。 図1では、その様子を説明していている。「ピンまでの距離:Z1」(5)が予めわかっている練習場等で距離:Z1を数値入力し、そこからカメラ付き携帯電話(1)で「ピン」(3)を撮影する。「ピンの高さ:Y1」(4)も同様にわかっているので同じく高さ:Y1も数値入力する。この時に撮影された撮影画像(6)は携帯電話のストレ−ジに保存されるが、これをアプリケ−ション側から呼び出して、その画像上で「ピン接地点」(7)と「旗頂上点」(8)の二点を手動で指定し、画像上でのピクセル数を「ピン長ピクセル数:Y2」(9)として取得する。ここで得られた「Y1]「Z1」「Y2」を距離計測用リファレンステ−ブルとしてし保持され、距離測定ステ−ジでの距離演算に利用される。また、このリファレンステ−ブルは、更新されない限りはアプリケ−ション起動時に自動的にストレ−ジから読み込まれ自動的にセットされるものとする。
【0012】
距離計測ステ−ジでは、図2のように実際に距離計測を行いたいコ−ス上の場所からピンを撮影し「計測時撮影画像」(10)を得る。次にキャリブレ−ション・ステ−ジと同様にして「ピン長ピクセル数:Y3」(13)を取得する。この値と、距離計測用リファレンステ−ブルとの演算により最終的に撮影点から「ピンまでの距離:Z3」(14)を生成し、アプリケ−ション上に表示するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】距離計測用リファレンステ−ブル作成(キャリブレ−ション)時
【図2】距離計測時

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ付き携帯電話にインスト−ルされたアプリケ−ションであって、距離計測用リファレンステ−ブルを作成するキャリブレ−ション時に「ピン高:Y1」と撮影点から「ピンまでの距離:Z1」がわかっている条件においてピン全体がフレ−ミングされるように撮影された画像上の「ピン接地点」から「旗頂上点」の二点間のピクセル数を「ピン長ピクセル数:Y2」をアプリケ−ション内に距離計測用リファレンステ−ブルとして保持し、実際の距離計測ステ−ジで撮影された画像上の「ピン長ピクセル数:Y3」とこの保持されている距離計測用リファレンステ−ブルから計測点(撮影点)から「ピンまでの距離:Z3」を求め、携帯電話上に距離表示することを特徴とするカメラ付き携帯電話を利用した距離測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、キャリブレ−ション時の「ピン高:Y1」及び「(撮影点から)ピンまでの距離:Z1」というユ−ザ−が入力したデ−タをアプリケ−ション内及びファイルシステム内に保持することが可能であることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置であって、キャリブレ−ション時及び計測時に画像上の「ピン長ピクセル数:Y2またはY3」を、自動又はカ−ソルによる2点指示によって計測できることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置であって、請求項1記載の装置において、距離計測用リファレンス テ−ブルはファイルシステム内ストレ−ジ上に保存され、次回のアプリケ−ション起動時に自動的に読込みまれセットされることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置であって、距離と高さがわかっている物体であればゴルフに限らず距離計測に利用されることが可能であることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−329967(P2006−329967A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179861(P2005−179861)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(504001059)有限会社ライア (8)
【Fターム(参考)】