説明

ガスに対するバリアー層を製造するための組成物

(i)有機官能性が少なくとも1つの不飽和炭化水素基を示すオルガノアルコキシシラン少なくとも1つ、
(ii)アミノアルキルアルコキシシラン少なくとも1つ、
(iii)ポリオール少なくとも1つ、
(iv)場合により、その他のアルコキシシラン又はアルコキシシロキサン、及び
(v)場合により、ナノスケール又はマイクロスケールの、半金属酸化物又は金属酸化物、半金属酸化物の水酸化物又は金属酸化物の水酸化物、又は半金属水酸化物又は金属水酸化物少なくとも1つ、及び/又は
(vi)前記成分(i)、(ii)、(iii)及び、場合により(iv)、及びまた場合により(v)からなる共縮合体少なくとも1つ、及び/又は
(vii)前記成分(i)、(ii)、(iii)及び、場合により(iv)、及びまた場合により(v)から、加水分解条件下で生成された反応生成物、
(viii)及び有機溶媒
を、モル比(i):(ii):(iii)が(i)=1、(ii)=0.5〜1.5、及び(iii)=0.3〜1.1である条件下で含有する、ガスに対するバリヤー層を製造するためのオルガノシランベースの組成物。本発明はまた、前記組成物の製造方法及びその使用、及び前記組成物を用いて製造された包装材料にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスに対するバリヤー層を製造するためのオルガノシランベースの組成物に関する。本発明はまた、前記組成物の製造方法、及び前記組成物の使用にも関する。
【0002】
フィルム又は中空の物品を生じるために加工されたプラスチックは、金属又はガラスの代替品として包装材料を製造するためにますます使用されている。プラスチックはガラス及び金属より重くなく、必要とされる材料の量はより少ない。プラスチックから製造される中空の物品として挙げられる例は、現在では広く使用されるポリエチレンテレフタラートからなるPETボトルである。これらは、ミネラルウォーター又はソフトドリンクのボトリングのために、飲料産業により広く使用される。
【0003】
プラスチック又は紙、又は板紙からなる包装材料の構造は前記材料に、ガス、水蒸気及びフレーバーに対する多少の透過性を与える。この透過性が、特に厳格な要求がバリヤー特性に関して求められる分野での、プラスチック包装材料の使用を妨げる。この分野では、ガス及び水蒸気に対する透過性を、前記プラスチック材料に設けたバリヤー層を介して減少させる必要がある。
【0004】
公知技術は、前記バリヤー層を製造するための様々なコーティング材料を開示する。
【0005】
DE19650286 C2は、少なくとも2層を有する支持材料上の無機−有機ハイブリッド材料(ORMOCER層)を記載し、その際1つの層は蒸着したSiO(100nm)であってORMOCER(3μm)で上塗されている。
【0006】
WO 01/66653 A1は、支持材料上のバリヤー層を製造するための、溶媒であるメタノール中のビスアミノトリメトキシシランを記載する。
【0007】
WO01/66654 A1及びWO01/66655は、メタノール中のビスアミノメトキシシラン又はその他のアミノシランとフェノール性化合物由来の共縮合体を、バリヤー層を製造するための材料として記載する。
【0008】
WO 01/66656 A2及びWO 01/66662は、メタノール中の多官能性アクリラート及びエチレン性不飽和有機酸を有する、ビスアミノトリメトキシシランとアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランの混合物からなる調製物を記載する。このバリヤー層はUV硬化されている。
【0009】
WO 01/66661 A1はイソプロパノール中の反応性シラン、エチレン性不飽和酸及びポリエチレンイミンを記載する。
【0010】
US5077135(EP0313252 A2、EP0392115 A2、EP476202 A1、EP0505274 A2)はコーティング材料の製造のために、溶媒であるメタノール中のシラン、例えばジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びアミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルベンジルアミノシラン、及びこれらのシランの混合物を記載する。
【0011】
これら全てに共通する特徴は、包装材料のためのプラスチックフィルム(例えばPE、PP)上の、ガス及び水蒸気に関してバリヤー作用を有するバリヤー層の製造である。
【0012】
公知技術において開示されたバリヤー層は、ガス及び水蒸気に関してある程度のバリヤー作用を有するものの、このバリヤー作用において更なる改善を行うことが望ましい。従って本発明の目的は、改善したバリヤー作用を有するバリヤー層を生じる組成物を提供することである。
【0013】
前記目的は、
(i)有機官能性が少なくとも1つの不飽和炭化水素基を示すオルガノアルコキシシラン少なくとも1つ、
(ii)アミノアルキルアルコキシシラン少なくとも1つ、
(iii)ポリオール少なくとも1つ、
(iv)場合により、その他のアルコキシシラン又はアルコキシシロキサン、及び
(v)場合により、ナノスケール又はマイクロスケールの、半金属酸化物又は金属酸化物、半金属酸化物の水酸化物又は金属酸化物の水酸化物、又は半金属水酸化物又は金属水酸化物少なくとも1つ、及び/又は
(vi)前記成分(i)、(ii)、(iii)、及び場合により(iv)、及びまた場合により、(v)からなる共縮合体少なくとも1つ、及び/又は
(vii)前記成分(i)、(ii)、(iii)、及び場合により(iv)、及びまた場合により、(v)から、加水分解条件下で生成された反応生成物、
(viii)及び有機溶媒を、モル比(i):(ii):(iii)が(i)=1、(ii)=0.5〜1.5、及び(iii)=0.3〜1.1である条件下で含有する、オルガノシランベースの組成物によって達成された。
【0014】
前記モル比(i):(ii)は有利には3:2〜2:3である。
【0015】
前記モル比(i):(ii):(iii)は有利には、1:1:0.5、又は1:1:0.6、又は1:1:0.7、又は1:1:0.8、又は1:1:0.9、又は1:1:1、又は1:0.9:1、又は1:0.9:0.9、又は1:0.9:0.8、又は1:0.9:0.7、又は1:0.9:0.6、又は1:0.9:0.5、又は1:1.1:1、又は1:1.1:0.9、又は1:1.1:0.8、又は1:1.1:0.7、又は1:1.1:0.6、又は1:1.1:0.5、又は1:1.2:1、又は1:1.2:0.9、又は1:1.2:0.8、又は1:1.2:0.7、又は1:1.2:0.6、又は1:1.2:0.5である。
【0016】
成分(i)の選択は有利には、以下の系列、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシランからである。
【0017】
成分(ii)は有利には、以下の系列、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルメチルジエトキシシランから選択される。
【0018】
成分(iii)は有利には脂肪族又は芳香族のポリオールである。この種類のうち適した化合物は、グルコース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、レソルシノール、ピロガロール、ヒドロキノン、o−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、又はグリセロールである。
【0019】
成分(iv)は有利には、以下の系列、テトラエトキシシラン、オリゴマーのテトラアルコキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、アミノアルキルアルコキシシランとフルオロアルキルアルコキシシランからなるオリゴマーの共縮合体のアルコール性及び/又は水性の組成物、及び、またアルキルアルコキシシラン及び/又はビニルアルコキシシランからなるオリゴマーの縮合体又は共縮合体から選択される。前記縮合体又は共縮合体は、例示的に、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシランから準備されてよい。
【0020】
成分(v)は有利には、以下の系列、シリカ、ケイ酸塩、酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムから選択される。使用されるシリカは沈殿シリカ又はヒュームドシリカを含んでよい。ケイ酸塩の例は、アルミノケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム、フィロケイ酸塩及び類似物である。前記水酸化酸化アルミニウムは有利にはベーマイトを含む。
【0021】
前記有機溶媒は有利には、直鎖の又は分枝の、脂肪族の又は脂環式の、又は、芳香脂肪族(araliphatic)又は芳香族のアルコールである。
【0022】
前記組成物をUV線によって硬化させる場合には、これは有利には光開始剤を含有し、この量は有利には、前記組成物の全質量に対して1〜4質量%である。
【0023】
前記組成物の固形含量は有利には、10〜60質量%である。
【0024】
本発明はまた、ガスに対するバリヤー層を製造するためのオルガノシランベースの組成物の製造方法も提供する。前記方法は、
a)成分(i)、(ii)、(iii)、場合により(iv)、場合により溶媒及び水を一緒に混合、及び混合物の反応、
又は、
b)成分(i)、(ii)、及び場合により(iv)から初期装入物を形成、混合物の加熱、溶媒に場合により溶解させた成分(iii)の添加、及び水の添加、及び還流での混合物の反応、
又は、
c)十分に混合して、成分(i)、(ii)、場合により(iv)、場合により溶媒、及び場合により成分(v)から初期装入物を形成、混合物の加熱、溶媒に場合により溶解させた成分(iii)の添加、及び水の添加、及び還流での混合物の反応、
又は、
d)ビニルシラン中への微粒子シリカの分散、前記のその他の成分の添加、及び室温で又は還流での混合物の反応を含み、
その際モル比(i):(ii):(iii)が(i)=1、(ii)=0.5〜1.5、及び(iii)=0.3〜1.1である。
【0025】
使用される溶媒は有利には、アルコール、水、又はアルコールの水性混合物を含む。
【0026】
本発明の方法においては、活性炭を前記反応後に得られた生成物の混合物に添加し、前記混合物を濾過し、場合により前記濾過物から溶液分画を除去することが有利である。
【0027】
成分(i)、(ii)及び(iv)のケイ素1モルにつき使用する水量は有利には、0.5〜1.8モル、有利には0.85〜1.8モル、特に1.3〜1.4モルである。
【0028】
有利に使用される成分(v)の量は、0.01〜40質量%、有利には1.0〜30質量%、とりわけ有利には5.0〜25質量%であり、特にグルコース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、レソルシノール、ピロガロール、ヒドロキノン、サリチル酸、又はグリセロールと組み合わせたヒュームドシリカを、成分(i)〜(iv)の全部に対して、使用する。
【0029】
前記成分の反応を有利には、10〜90℃、有利には20〜80℃の範囲の温度で、1〜36時間、有利には2〜24時間の間実施する。
【0030】
本発明はまた、プラスチック、紙、厚紙、又は板紙からなる包装材料上に、放射線硬化した、ガスに対するバリヤー層を製造するための上述の組成物の使用も提供する。
【0031】
本発明はまた、前記バリヤー特性の更なる改善のために、熱、フリーラジカル、又は光化学的な経路により硬化可能な更なるコーティング少なくとも1つを、前記バリヤー層に塗布する、放射線硬化した、ガスに対するバリヤー層を製造するための本発明の組成物の使用も提供する。
【0032】
この塗布される更なるコーティング(以下コーティング組成物又は外層とも呼ばれる)は有利には、塗料、特にエポキシ樹脂ベースの塗料を含み、前記塗料は光開始剤のみでなく更なる成分として、微粉状ケイ酸塩、例えば天然の又は改変した粘土、又は天然の又は改変したフィロケイ酸塩、特に雲母由来の反応生成物少なくとも1つをも含有し、かつこれは有機官能性シラン、特にメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及び水を含有する。更なるコーティングとして特に適した系は、名称「Ueberzugsmittel zur Erzeugung einer Barriereschicht fuer Gase」(Coating composition for producing a barrier layer for gases)を有するドイツ国並行特許出願において見出される系である。
【0033】
本発明は更に、請求項15〜20において請求される使用及び請求項21〜24において請求される包装材料を提供する。
【0034】
本発明の組成物中で及び/又は前記コーティング組成物中で使用される層状金属顔料は、例えば、塗料技術から公知の金属の特殊効果顔料、例えばアルミニウム青銅を含有する。これにより、前記コーティング組成物でコーティングされた物品は、装飾的な外観を生じる。
【0035】
フィロケイ酸塩でも金属顔料でもないが、同様に本発明のコーティング組成物中で使用されてよいその他の層状材料は、層状窒化ホウ素である。
【0036】
前記層状粒子の有利な量は、前記コーティング組成物の全質量に対して、0.5〜50質量%、有利には20〜30質量%である。
【0037】
前記外層のためのコーティング組成物は有利には、更なる構成要素として官能性シランを含有する。これらはバリヤー層と基材との間の接着を改善するための接着促進剤として働く。これらはこのフィラーの粒子及び前記バリヤー層の表面を改変するためにも働く。適した官能性シランの例は、メトキシシラン又はエトキシシラン、ビニル官能性シラン、エポキシ官能性シラン、又はアミノ官能性シランである。挙げられる例は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケート、エチルポリシリケート、ビニルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、及びヘキサデシルトリメトキシシランである。
【0038】
前記外層のためのコーティング組成物は有利には、更なる構成要素として、無機のナノ粒子を含有する。これらは微粒子状の無機フィラーであり、その際この粒子サイズはナノメーター範囲にある。前記ナノ粒子は、前記コーティング組成物の流動特性を改善するのみでなく、ガスの透過性に対する抵抗性の上昇にも寄与する。更にこれらは、本発明によるコーティング組成物を用いて製造されたバリヤー層の機械的安定性を上昇させる。上述した特性を達成するために適した材料の例は、微粒子シリカである。これは前記コーティング組成物の粘性を上昇させ、これにより、この安定性及び加工特性に有利に影響を及ぼす。加えて、前記バリヤーコーティングの強度は改善され、かつこの耐引掻性及び耐摩耗性は増加する。この市販の微粒子シリカは一般的に、高い程度のアグロメレーションを有する。この材料は、本発明によるコーティング組成物中への混和の前又は間に、可能な限りアグロメレーションさせてはならない。
【0039】
前記コーティング組成物は有利には、更なる構成要素として、顔料及び/又は色素を、外観及び/又は紫外線、可視線、及び赤外線の吸収を調節するために含有する。顔料は、着色に役立ち、かつ前記バリヤー層の光沢及び不透明性の調節を可能にする。UV吸収剤及びIR吸収剤、及び光安定添加剤は、この包装した製品に付加的な保護を提供する。
【0040】
前記外層のためのコーティング組成物の加工特性を調節するために、及び基材のぬれを改善するために、前記コーティング組成物は有利には、改質剤、例えばヒドロキシル化ポリブタジエン、脂肪アルコール、ポリプロピレングリコール、反応性モノマー又は反応性オリゴマーを含有する。基材のぬれ及び蒸気のバリヤー特性を改善するために、例えばポリブタジエン又は1−オクタノールを使用してよい。
【0041】
この生じるバリヤー層の耐摩耗性を改善するために、フィラー、例えばヒュームドシリカ又はコランダムを使用してよい。
【0042】
前記外層のためのコーティング組成物は公知の技術方法に応じて、例えば、前記成分の単純な混合及び溶解機を用いた前記材料の均質化を介して調製される。顔料、色素、Aerosilその他が使用される場合には、マスターバッチペーストを調製するためにビーズミルを使用することが有利である。この粗材料の製造者による助言をここでは考慮することが望ましい。
【0043】
本発明はまた、ガスに対するバリヤー層を製造するために、プラスチック、紙、厚紙、又は板紙からなる包装材料のコーティングのための外層のための上述したコーティング組成物の使用をも提供する。コーティングすべき基材は、ガスの状態で移行可能な物質、例えばガス、蒸気、フレーバーその他に対してある程度透過性である基材、又はガスの状態で移行可能な上述の物質から保護すべき基材である。この場合には、生じる保護コーティングは、最も広い意味合いでは、腐食からの保護を供給することになる。適したプラスチック基材はとりわけ、ポリエチレン、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレン、ポリカーボナートである。ポリエチレンテレフタラートからなり、飲料のボトリングのためにますます使用されるプラスチックボトルは特に重要である。その他の適した基材は紙、厚紙及び板紙である。しかしながら本発明によるコーティング組成物はまた、金属、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、亜鉛及び黄銅、及び鉱物性基材をコーティングするためにも使用されてよい。
【0044】
本発明によるコーティング組成物を塗布するためには、前記基材は乾燥していてかつ脱脂されていなくてはならない。アルコール、例えばイソプロパノールでの予備洗浄が必要である可能性がある。プラスチックの場合には、前記基材に対する接着性は、コロナ予備処理により改善されてよい。
【0045】
前記外層のための本発明によるコーティング組成物は、原則的にいかなる可能な塗布方法、例えばスプレー法、フローコーティング法、浸漬法、ロールコーティング法、ドクター法によって処理されてよい液状材料である。バインダーの種類に応じて、UV線又は電子線を、前記基材上のコーティング組成物の硬化のために使用する。
【0046】
本発明により製造された硬化した層は、ガスの状態で移行可能な物質に関して効果的なバリヤーである。前記物質は、比較的狭い意味合いの気体、例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、二酸化硫黄その他であるか、又はより広い意味合いの気体、例えば水蒸気、アルコール蒸気、フレーバー蒸気、アミン蒸気、アルデヒド蒸気、テルペン蒸気、その他である。良好なバリヤー特性は、多くの可能な使用を生み出す。本発明によるバリヤーを備えた製品は、プラスチック、又は紙の材料からなるシート状又は三次元の製品、例えばフィルム、紙、厚紙、板紙、これらの材料の組み合わせ、及び中空の物品、例えば、ガス状物質に感受性であるか又は前記物質を放出する製品、例えば食品、消費物、飲料、医薬品又は化学薬品の包装のためのボトルである。前記バリヤー層は、化学的又は物理的な効果による損傷からの保護を提供し、かつフレーバー及び匂いの吸収からの保護を提供する。
【0047】
本発明の更なる説明のために以下の実施例が使用される。
【0048】
本発明による実施例1
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びソルビトール(モル比1:0.95:0.61)からなる混合物
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン126gとN−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン126gとが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた2.0lの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、65℃に加熱した。前記滴下漏斗を用いて、メタノール412.5g及びソルビトール70%水溶液80.1gの混合物を撹拌しながら50〜60分間の間に計量供給した。これにより澄んだ無色の液体が生じた。この反応混合物を還流で1.5時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0049】
このシロキサン−ソルビトール混合物は、DIN/EN ISO3251によれば約33%の固形含量を有する、澄んだ黄色がかった貯蔵安定性の液体であった。
【0050】
バリヤー作用を試験するために、前記シロキサン−ソルビトール混合物90mlを、メタノールで固形含量15%になるまでの希釈後、Lucirin−TPO−L(BASF)300mgで処理した。厚さ65μmのPEフィルムを、前記液体中に浸漬し、風乾させた。前記フィルムを次いで、窒素での不活化を用いて(酸素<50ppm)、最低ベルト速度及び最大ランプ出力で、実験室のUV系を通した。これにより、良好な接着を有する厚さ約3μmの透明な層が生じた。酸素透過は6ml/m d bar(0%r.h.)であった。
【0051】
本発明による実施例2
ビニルトリメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びソルビトール(モル比1:0.95:0.61)からなる混合物
ビニルトリメトキシシラン81.5gとN−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン137.9gとが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた2.0lの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、65℃に加熱した。前記滴下漏斗を用いて、メタノール329.1g及びソルビトール70%水溶液87.3gの混合物を撹拌しながら30〜40分間の間に計量供給した。これにより澄んだ無色の液体が生じた。この反応混合物を還流で1.5時間加熱した。この生成物を次いで冷却し、活性炭0.1%で処理し、ガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0052】
この濾過後のシロキサン−ソルビトール混合物は、9.5mPa.sの粘度及びDIN/EN ISO3251によれば約33.5%の固形含量を有する、澄んだ黄色がかった貯蔵安定性の液体であった。
【0053】
バリヤー作用を本発明による実施例1に述べたように試験した。酸素透過2ml/m d bar(0%r.h.)を有した。
【0054】
本発明による実施例3
Aerosil380で高充填したビニルトリメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びソルビトールからなる混合物
Aerosil380 25質量%で充填したビニルトリメトキシシランX)66.7gが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた2.0lの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、70℃に加熱した。この材料をこの温度で50分間攪拌し次いで室温に冷却し戻した。N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン47.7gを次いで添加した。この生じた淡黄色の、非常にわずかに濁った液体を65℃に加熱した。前記滴下漏斗を用いて、メタノール203.5g及びソルビトール70%水溶液47.7gの混合物を次いで撹拌しながら40分間の間に計量供給した。これにより白い液体が生じた。この反応混合物を還流で8時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0055】
このシロキサン−ソルビトール混合物は濾過後には、DIN/EN ISO3251によれば約35%の固形含量を有する、わずかに濁った、黄色がかった貯蔵安定性の液体であった。
【0056】
本発明による実施例1に述べたようにバリヤー作用を試験した。このPEフィルムは非常に効果的にぬれた。この透明なフィルムは1.4ml/m d bar(0%r.h.)の酸素透過を生じた。
【0057】
注:
x):前記のAerosil380で充填したビニルトリメトキシシランの調製は、ドイツ国特許出願「Hoch gefuellte Silan−Zubereitung」(Highly filled silane preparation)、出願番号10330020.1の実施例2に記載されている。
【0058】
本発明による実施例4
ビニルトリエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びソルビトール(モル比1:0.95:0.35)からなる混合物
ビニルトリエトキシシラン28.5gとN−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン37.8gとが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた250mlの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、70〜75℃に加熱した。前記滴下漏斗を用いて、エタノール99.5g、ソルビトール70%水溶液12.4g及び水11.7gからなる混合物を撹拌しながら15〜20分間の間に計量供給した。この生じた液体は澄んだ淡黄色であった。この反応混合物を還流で1時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0059】
このシロキサン−ソルビトール混合物は、DIN/EN ISO3251によれば約26%の固形含量を有する、澄んだ黄色がかった貯蔵安定性の液体であった。
【0060】
バリヤー作用を、本発明による実施例1で述べたように試験した。この透明なフィルム、層厚9.6μmは、1ml/m d bar(0%r.h.)及び67.2ml/m d bar(50%r.h.)の酸素透過を生じた。
【0061】
本発明による実施例5
ビニルトリエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びレソルシノールからなる混合物(モル比1:1:0.5)
エタノール100.5gに溶解させたレソルシノール8.3gと、引き続き、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン39.8gとビニルトリエトキシシラン28.5gとが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた250mlの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、75〜80℃に加熱した。次いで水7.3gを、5〜10分間の間に滴加した。この生じた液体は、レモンイエローでかつ澄んでいた。この混合物を還流で1時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0062】
このシロキサン−ソルビトール混合物は濾過後には、DIN/EN ISO3251によれば約27%の固形含量を有する、澄んだ、橙色で貯蔵安定性の液体であった。
【0063】
前記シロキサン−レソルシノール混合物のバリヤー作用を、本発明による実施例1で述べたように試験した。この透明なフィルム、層厚9.0μmは、6.7ml/m d bar(0%r.h.)及び1ml/m d bar(50%r.h.)の酸素透過を生じた。
【0064】
本発明による実施例6
ビニルトリエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びレソルシノールからなる混合物(モル比1:1:1)
エタノール100.5gに溶解させたレソルシノール16.5gと、引き続き、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン39.8gとビニルトリエトキシシラン28.5gとが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた250mlの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、75〜80℃に加熱した。次いで水7.3gを、5〜10分間の間に滴加した。この生じた液体は、レモンイエローでかつ澄んでいた。この混合物を還流で1.5時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0065】
このシロキサン−レソルシノール混合物は濾過後には、DIN/EN ISO3251によれば約30%の固形含量を有する、澄んだ、橙色で貯蔵安定性の液体であった。
【0066】
前記シロキサン−レソルシノール混合物のバリヤー作用を、本発明による実施例1で述べたように試験した。この透明なフィルム、層厚14.7μmは、1.1ml/m d bar(0%r.h.)及び4.5ml/m d bar(50%r.h.)の酸素透過を生じた。
【0067】
比較例1
メタクリルオキシプロピルメトキシシラン及びN−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(モル比1:0.95)からなる混合物
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン114.4gとN−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン114.4gが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた2.0lの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、65℃に加熱した。前記滴下漏斗を用いて、メタノール503.4g及び水22.0gの混合物を撹拌しながら20分間の間に計量供給した。これにより澄んだ無色の液体が生じた。この反応混合物を還流で1.5時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0068】
このシロキサン混合物は、3.2mPa.sの粘度及びDIN/EN ISO3251によれば約23%の固形含量を有する、澄んだ黄色がかった貯蔵安定性の液体であった。
【0069】
バリヤー作用を、本発明による実施例1で述べたように試験した。この透明なフィルムは、625ml/m d bar(0%r.h.)の酸素透過を生じた。
【0070】
比較例2
ビニルトリエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びレソルシノールからなる混合物(モル比2:0.5:0.5)
エタノール115.4gに溶解させたレソルシノール8.3gと、引き続き、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン19.9gとビニルトリエトキシシラン57.0gとが、攪拌機、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた250mlの多頸フラスコ中で初期装入物を形成し、75〜80℃に加熱した。水9.2gを、5〜10分間の間に次いで滴加した。この生じた液体は、レモンイエローでかつ澄んでいた。この混合物を還流で1.5時間加熱した。この生成物を次いで冷却しガラス繊維濾過器を通して濾過した。
【0071】
このシロキサン−レソルシノール混合物は濾過後には、DIN/EN ISO3251によれば約21%の固形含量を有する、澄んだ、橙色で貯蔵安定性の液体であった。
【0072】
前記シロキサン−レソルシノール混合物のバリヤー作用を、本発明による実施例1で述べたように試験した。この透明なフィルム、層厚6.2μmは、750ml/m d bar(0%r.h.)及び420ml/m d bar(50%r.h.)の酸素透過を生じた。
【0073】
前記外側塗料の調製例
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシラート(商品名UVACURE1500;UCB Chemie GmbH)120.0gが、250mlのステンレス鋼の分散機中で初期装入物を形成し、フィロケイ酸塩(商品名MICA M; Merck KGaA)40gを撹拌(Dispermat)して混和し、約6000rpmで約10分間分散させた。ビス(4−アルキルアリール)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート(商品名 UV 9390 c; GE Bayer Silicones GmbH & Co KG)を、穏やかに撹拌しながら次いで添加した。
【0074】
フィルム積層の使用例
複合構造:PET/外側塗料/シラン混合物/外側塗料/PE
使用したシラン混合物は本発明による実施例4の生成物を含有する。外側塗料/シラン混合物/外側塗料塗布は、約18〜20g/mの塗布質量を生じた。この酸素透過は5.6ml/m d bar(85%r.h.)であった。
【0075】
複合構造:OPP/外側塗料/シラン混合物/外側塗料/PE
本発明による実施例4のシラン混合物及び外側塗料は、約18〜20g/mの塗布質量で、85%r.h.において、複合構造に対して4.7ml/m d barの酸素透過を生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)有機官能性が少なくとも1つの不飽和炭化水素基を示すオルガノアルコキシシラン少なくとも1つ、
(ii)アミノアルキルアルコキシシラン少なくとも1つ、
(iii)ポリオール少なくとも1つ、
(iv)場合により、その他のアルコキシシラン又はアルコキシシロキサン、及び
(v)場合により、ナノスケール又はマイクロスケールの、半金属酸化物又は金属酸化物、半金属酸化物の水酸化物又は金属酸化物の水酸化物、又は半金属水酸化物又は金属水酸化物少なくとも1つ、及び/又は
(vi)前記成分(i)、(ii)、(iii)及び、場合により(iv)、及びまた場合により(v)からなる共縮合体少なくとも1つ、及び/又は
(vii)前記成分(i)、(ii)、(iii)及び、場合により(iv)、及びまた場合により(v)から、加水分解条件下で生成された反応生成物、
(viii)及び有機溶媒を、モル比(i):(ii):(iii)が(i)=1、(ii)=0.5〜1.5、及び(iii)=0.3〜1.1である条件下で含有する、ガスに対するバリヤー層を製造するためのオルガノシランベースの組成物。
【請求項2】
以下の系列、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシランから選択された成分(i)を含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
以下の系列、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル]−3−アミノプロピルメチルジエトキシシランから選択された成分(ii)を含有する、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
成分(iii)が脂肪族又は芳香族のポリオールである、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
成分(iii)が、グルコース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、レソルシノール、ピロガロール、ヒドロキノン、サリチル酸、又はグリセロールを含有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
以下の系列、テトラエトキシシラン、オリゴマーのテトラアルコキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、アミノアルキルアルコキシシランとフルオロアルキルアルコキシシランからなるオリゴマーの共縮合体のアルコール性及び/又は水性の組成物、及び、またアルキルアルコキシシラン及び/又はビニルアルコキシシランからなるオリゴマーの縮合体又は共縮合体から選択された成分(iv)を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
以下の系列、シリカ(沈殿シリカ又はヒュームドシリカ)、ケイ酸塩、酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムから選択された成分(v)を含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記有機溶媒が、直鎖の又は分枝の、脂肪族の又は脂環式の、又は、芳香脂肪族又は芳香族のアルコールである、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
光開始剤を含有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
固形10〜60質量%を含有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
a)成分(i)、(ii)、(iii)、場合により(iv)、場合により溶媒及び水を一緒に混合、及び室温での混合物の反応、
又は、
b)成分(i)、(ii)、及び場合により(iv)から初期装入物を形成、混合物の加熱、溶媒に場合により溶解させた成分(iii)の添加、及び水の添加、及び還流での混合物の反応、
又は、
c)十分に混合して、成分(i)、(ii)、場合により(iv)、場合により溶媒、及び場合により成分(v)から初期装入物を形成、混合物の加熱、溶媒に場合により溶解させた成分(iii)の添加、及び水の添加、及び還流での混合物の反応、
又は、
d)ビニルシラン中への微粒子シリカの分散、前記のその他の成分の添加、及び室温で又は還流での混合物の反応を含み、
その際モル比(i):(ii):(iii)が(i)=1、(ii)=0.5〜1.5、及び(iii)=0.3〜1.1である、
請求項1から10までのいずれか1項記載の、ガスに対するバリヤー層を製造するためのオルガノシランベースの組成物の製造方法。
【請求項12】
成分(i)、(ii)及び(iv)のケイ素1モルにつき、水0.5〜1.8モルが使用される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
成分(v)の使用量が、成分(i)〜(iv)の全部に対して、0.01〜40質量%である、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
前記反応を、10〜90℃の範囲の温度でかつ1〜36時間の間実施する、請求項11から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
プラスチック、紙、厚紙、又は板紙からなる包装材料上に、放射線硬化した、ガスに対するバリヤー層を製造するための、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物、又は請求項11から14までのいずれか1項記載の方法により得られた組成物の使用。
【請求項16】
熱、フリーラジカル、又は放射線の方法により硬化可能な更なるコーティング少なくとも1つを、前記バリヤー層に外層として塗布する、放射線硬化した、ガスに対するバリヤー層を製造するための、請求項1から10までのいずれか1項記載の組成物、又は請求項11から15までのいずれか1項記載の方法又は使用により得られた組成物の使用。
【請求項17】
前記外層を製造するために、UV線又は電子線により硬化可能なバインダーを含有しかつ無機の層状粒子を含有するコーティング組成物を塗布し、その際前記外層の材料を、硬化した最初のバリヤー層に塗布し次いで硬化させるか、又はこの最初のバリヤー層及び前記外層をウェットオンウェット式に塗布し一緒に硬化させる、請求項16記載の使用。
【請求項18】
前記外層のためのコーティング組成物の前記バインダーは、アクリラート、ウレタン誘導アクリラート、エポキシ誘導アクリラート、脂環式エポキシド、及びポリエポキシドからなるグループから選択される、請求項16又は17記載の使用。
【請求項19】
前記層状粒子は、フィロケイ酸塩のグループ又は層状金属顔料のグループから選択される、請求項16から18までのいずれか1項記載の使用。
【請求項20】
塗布される前記の更なるコーティングは、光開始剤のみでなく更なる成分として、微粉状ケイ酸塩由来の反応生成物少なくとも1つ、有機官能性シラン及び水をも含有する塗料を含む、請求項16から19までのいずれか1項記載の使用。
【請求項21】
請求項1から10までのいずれか1項記載の硬化した組成物からなるバリヤー層でコーティングされた、プラスチック、紙、厚紙、又は板紙からなる包装材料。
【請求項22】
前記バリヤー層上に配置され、かつ、UV線又は電子線により硬化可能なバインダーを含有しかつ無機の層状粒子を含有するコーティング組成物の塗布及び硬化により製造された、更なる硬化した外層でコーティングされている、請求項21記載の包装材料。
【請求項23】
平面状でかつ、フィルム、シート又はウェブの形状である、請求項21又は22記載の包装材料。
【請求項24】
三次元の中空の物品の形状にある、請求項21又は22記載の包装材料。

【公表番号】特表2007−513212(P2007−513212A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536081(P2006−536081)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052522
【国際公開番号】WO2005/040294
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(501073862)デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【出願人】(506135626)アルタナ コーティングス アンド シーランツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】ALTANA Coatings & Sealants GmbH
【住所又は居所原語表記】Abelstr. 45, D−46483 Wesel, Germany
【Fターム(参考)】