説明

ガラス板を隅取りする方法及びその装置

【課題】ガラス板の移動速度に変化が生じても、ガラス板と砥石との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望に隅取りするガラス板を隅取りする方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】 ガラス板2をその一縁6と平行なX方向に移動させる移動手段7と、ガラス板2の一縁6側の隅部3を研削する研削工具としての環状の砥石4と、砥石4をX方向に直交するY方向に移動させる移動手段8と、ガラス板2の一縁6に対向するX方向に伸びた他の一縁11側の隅部3aを研削する研削工具としての環状の砥石5と、砥石5をY方向に移動させる移動手段9と、ガラス板2をX方向に移動させながら、ガラス板2のX方向の移動に応答して、砥石4及び5をY方向に移動させるように、移動手段8及び9を制御する制御手段10とを具備しているガラス板隅取り装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶用基板、家具用鏡等のガラス板を隅取りする方法及びその装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
板ガラスのコーナーカット装置の一つは、特公平7−14585号公報に記載されており、この公報に記載された板ガラスのコーナーカット装置は、板ガラス検出用リミットスイッチからの板ガラス検出信号により作動するタイマーを介して研磨台を相互に離反させ、板ガラス離脱信号により作動するタイマーを介して研磨台を相互に近接させて板ガラスにコーナーカットを行うようになっている。
【0003】
しかし、タイマーにより研磨台の移動開始時を設定してガラス板に隅取り(コーナーカット)を行う場合、ガラス板の搬送速度は、摩擦抵抗の変化等を原因として刻々と変化するのに対して、タイマーに設定された時間は、ガラス板の搬送速度とは関係なく経過するため、タイマー設定時間経過後、研磨台を移動させても、ガラス板と研磨台との位置関係に誤差が生じてしまい、ガラス板の隅部と砥石とを接触させるべき位置(隅部切り始め位置)で、これらを接触させることができず、加えて、接触後においてガラス板の搬送速度に変化が生じると、それに対応して研磨台の移動速度が変化しないため、設定された形状に隅取りされず、いずれにしてもガラス板の隅部を所望の公差±0.2mmで正確に隅取りすることが困難である。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガラス板の搬送速度(ガラス板の移動速度)に変化が生じても、ガラス板と砥石との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りするガラス板を隅取りする方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のガラス板を隅取りする方法は、ガラス板を一の方向に移動させながら、ガラス板の一の方向の移動に応答して、ガラス板の隅部を研削する研削工具を一の方向に交差する他の一の方向に移動させる。
【0006】
本発明のガラス板を隅取りする方法に依れば、ガラス板の一の方向の移動に応答して研削工具を他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向の移動に変化が生じても、ガラス板と研削工具との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りできる。
【0007】
本発明のガラス板を隅取りする方法は、好ましくは、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を設定入力し、ガラス板の一の方向の移動を検出して、設定入力された当該隅部の形状に沿って研削するように、研削工具を、検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて、他の一の方向に移動させる。ガラス板の隅取りすべき隅部の形状は、好ましくは、当該隅部の一の方向及び他の一の方向における距離を設定入力することにより特定する。ガラス板の一の方向の移動を検出し、検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて研削工具を他の一の方向に移動させて、設定入力したガラス板の隅取りすべき隅部の形状に沿って研削するため、当該隅部を任意の形状にすることができる。
【0008】
本発明のガラス板を隅取りする方法は、好ましくは、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具の他の一の方向における移動速度を算出し、当該算出した移動速度で研削工具を他の一の方向に移動させる。ガラス板の一の方向における移動速度から算出された研削工具の他の一の方向における移動速度で、研削工具を他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向の移動速度に変化が生じても、ガラス板と研削工具との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りできる。
【0009】
本発明のガラス板を隅取りする方法は、好ましくは、ガラス板の所定位置への到来を検出し、ガラス板の所定位置への到来検出以後、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具を、その待機位置から他の一の方向に移動させる移動開始時を演算する。ガラス板が所定位置に到来してからのガラス板の一の方向における移動速度に基づいて、研削工具の他の一の方向への移動開始時を演算するため、ガラス板の一の方向における移動速度に変化が生じても、当該変化に応答して研削工具の移動開始時を変化させることができる結果、ガラス板の隅部と研削工具とを接触させるべき位置で、これらを正確に接触させることができる。
【0010】
本発明のガラス板を隅取りする方法は、好ましくは、一の方向と、他の一の方向とが直交している。
【0011】
本発明のガラス板隅取り装置は、ガラス板を一の方向に移動させる第一の移動手段と、ガラス板の隅部を研削する研削工具と、この研削工具を一の方向に交差する他の一の方向に移動させる第二の移動手段と、ガラス板を一の方向に移動させながら、ガラス板の一の方向の移動に応答して、研削工具を他の一の方向に移動させるように、第二の移動手段を制御する制御手段とを具備している。
【0012】
本発明のガラス板隅取り装置に依れば、ガラス板の一の方向の移動に応答して研削工具を他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向の移動に変化が生じても、ガラス板と研削工具との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りできる。
【0013】
本発明のガラス板隅取り装置の制御手段は、好ましくは、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を設定入力する設定入力手段と、ガラス板の一の方向の移動を検出する移動検出手段とを具備しており、設定入力手段により設定入力された当該隅部の形状に沿って研削するように、研削工具を、移動検出手段により検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて、他の一の方向に移動させるべく、第二の移動手段を制御するようになっている。この制御手段は、移動検出手段によりガラス板の一の方向の移動を検出し、検出したガラス板の一の方向の移動に応答させて研削工具を他の一の方向に移動させて、設定入力手段により設定入力したガラス板の隅取りすべき隅部の形状に沿って研削するため、当該隅部を任意の形状にすることができる。設定入力手段は、好ましくは、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を特定すべく、当該隅部の一の方向及び他の一の方向における距離を設定入力できるようになっている。
【0014】
本発明のガラス板隅取り装置の制御手段は、好ましくは、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具の他の一の方向における移動速度を演算し、当該演算した移動速度で研削工具を他の一の方向に移動させるべく、第二の移動手段を制御するようになっている。この制御手段は、ガラス板の一の方向における移動速度から算出された移動速度で、研削工具を他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向における移動速度に変化が生じても、ガラス板と研削工具との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りできる。
【0015】
本発明のガラス板隅取り装置の制御手段は、好ましくは、ガラス板の所定位置への到来を検出する到来検出手段を具備しており、到来検出手段によるガラス板の所定位置への到来検出以後、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具をその待機位置から他の一の方向に移動させる移動開始時を演算し、当該演算した移動開始時に、研削工具をその待機位置から他の一の方向に移動させるべく、第二の移動手段を制御するようになっている。この制御手段は、ガラス板が所定位置に到来してからのガラス板の一の方向における移動速度に基づいて、研削工具の他の一の方向への移動開始時を演算するため、ガラス板の一の方向における移動速度に変化が生じても、当該変化に応答して研削工具の移動開始時を変化させることができるため、ガラス板の隅部と研削工具とを接触させるべき位置で、これらを正確に接触させることができる。
【0016】
本発明のガラス板隅取り装置は、好ましくは、一の方向と、他の一の方向とが直交している。
【0017】
本発明の他のガラス板隅取り装置は、ガラス板を一の方向に移動させる第一の移動手段と、ガラス板の一縁側の隅部を研削する第一の研削工具と、第一の研削工具を一の方向に交差する他の一の方向に移動させる第二の移動手段と、ガラス板の一縁に対向する他の一縁側の隅部を研削する第二の研削工具と、第二の研削工具を他の一の方向に移動させる第三の移動手段と、ガラス板を一の方向に移動させながら、ガラス板の一の方向の移動に応答して、第一及び第二の研削工具を他の一の方向に移動させるように、第二及び第三の移動手段を制御する制御手段とを具備している。
【0018】
本発明の他のガラス板隅取り装置に依れば、ガラス板の一の方向の移動に応答して第一及び第二の研削工具を他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向の移動に変化が生じても、ガラス板と第一又は第二の研削工具との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りできる。
【0019】
本発明の他のガラス板隅取り装置の制御手段は、好ましくは、ガラス板の夫々の隅取りすべき隅部の形状を設定入力する設定入力手段と、ガラス板の一の方向の移動を検出する移動検出手段とを具備しており、設定入力手段により設定入力された夫々の隅取りすべき隅部の形状に沿って研削するように、第一及び第二の研削工具を移動検出手段により検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて、他の一の方向に移動させるべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている。この制御手段は、移動検出手段によりガラス板の一の方向の移動を検出し、検出したガラス板の一の方向の移動に応答させて第一及び第二の研削工具を他の一の方向に移動させて、設定入力手段により設定入力したガラス板の夫々の隅取りすべき隅部の形状に沿って研削するため、当該夫々の隅部をそれぞれ任意の形状にすることができる。設定入力手段は、好ましくは、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を特定すべく、当該ガラス板の夫々の隅取りすべき隅部の一の方向及び他の一の方向における距離を設定入力できるようになっている。
【0020】
本発明の他のガラス板隅取り装置の制御手段は、好ましくは、ガラス板の一の方向における移動速度と、夫々設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、第一及び第二の研削工具の他の一の方向における夫々の移動速度を演算し、当該演算した夫々の移動速度で第一及び第二の研削工具を他の一の方向に移動させるべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている。この制御手段は、ガラス板の一の方向における移動速度から算出された夫々の移動速度で、第一及び第二の研削工具をそれぞれ他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向の移動速度に変化が生じても、ガラス板と第一及び第二の研削工具との夫々の位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りできる。
【0021】
本発明の他のガラス板隅取り装置の制御手段は、好ましくは、ガラス板の所定位置への到来を検出する到来検出手段を具備しており、到来検出手段によるガラス板の所定位置への到来検出以後、ガラス板の一の方向における移動速度と、夫々設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、第一及び第二の研削工具を、夫々の待機位置から他の一の方向に移動させる夫々の移動開始時を演算し、当該演算した夫々の移動開始時に、第一及び第二の研削工具を夫々の待機位置から他の一の方向に移動させるべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている。この制御手段は、ガラス板が所定位置に到来してからのガラス板の一の方向における移動速度に基づいて、第一及び第二の研削工具の他の一の方向への夫々の移動開始時を演算するため、ガラス板の一の方向における移動速度に変化が生じても、当該変化に応答して第一及び第二の研削工具の夫々の移動開始時を変化させることができるため、ガラス板の隅部と第一及び第二の研削工具とを接触させるべき夫々の位置で、これらを正確に接触させることができる。
【0022】
本発明の他のガラス板隅取り装置は、好ましくは、この第一及び第二の研削工具が、他の一の方向で互いに対向して配されており、この制御手段は、第一及び第二の研削工具を相互に近接又は離反させて、ガラス板の一縁側及び他の一縁側の隅部を同期的に研削するべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている。この他のガラス板隅取り装置は、互いに対向して配されている第一及び第二の研削工具を、相互に近接又は離反させるため、ガラス板の一縁側及び他の一縁側の隅部を同期的に研削できる。
【0023】
本発明の他のガラス板隅取り装置は、好ましくは、一の方向と、他の一の方向とが直交している。
【発明の効果】
【0024】
本発明に依れば、ガラス板の一の方向の移動に応答して研削工具を他の一の方向に移動させるため、ガラス板の一の方向の移動に変化が生じても、ガラス板と研削工具との位置関係に誤差が生じることなく、ガラス板の隅部を所望の形状に正確に隅取りするガラス板を隅取りする方法及びその装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明のガラス板隅取り装置の実施の形態の好ましい例の平面図である。
【図2】図2は、図1に示す例の側面図である。
【図3】図3は、図1に示す例のII−II線矢視図である。
【図4】図4は、図1に示す例のIII−III線断面図である
【図5】図5は、図1に示す例の主に研削工具及び移動手段の説明図である。
【図6】図6は、図1に示す例の平面説明図である。
【図7】図7は、図1に示す例の主に制御手段のブロック図である。
【図8】図8は、図1に示す例の動作説明図である。
【図9】図9は、図1に示す例の動作説明図である。
【図10】図10は、図1に示す例の動作説明図である。
【図11】図11は、図1に示す例の動作説明図である。
【図12】図12は、図1に示す例の動作説明図である。
【図13】図13は、図1に示す例の動作説明図である。
【図14】図14は、図1に示すガラス板隅取り装置により隅取りされたガラス板の平面図である。
【図15】図15は、図1に示すガラス板隅取り装置により図14に示すガラス板とは他の形状(オリフラカット)に隅取りされた他のガラス板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明及びその実施の形態を図に示す好ましい例に基づいて説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
【0027】
図1から図13において、本例のガラス板隅取り装置1は、方形状のガラス板2をその一縁6と平行なX方向に移動させる移動手段7と、ガラス板2のX方向に伸びた一縁6側の隅部3を研削する研削工具としての環状の砥石4と、砥石4をX方向に直交するY方向に移動させる移動手段8と、ガラス板2の一縁6に対向するX方向に伸びた他の一縁11側の隅部3aを研削する研削工具としての環状の砥石5と、砥石5をY方向に移動させる移動手段9と、ガラス板2をX方向に移動させながら、ガラス板2のX方向の移動に応答して、砥石4及び5をY方向に移動させるように、移動手段8及び9を制御する制御手段10とを具備している。
【0028】
砥石4及び5は、Y方向で互いに対向しており、砥石4は、ガラス板2の一縁6の外側に配されており、砥石5は、ガラス板2の他の一縁11の外側に配されている。砥石4及び5は、相互に近接又は離反して一縁6側及び他の一縁11側の隅部3及び3aを同期的に研削するようになっている。
【0029】
ガラス板隅取り装置1は、更に、砥石4を回転させる電動モータ12と、砥石5を回転させる電動モータ13とを具備しており、砥石4及び5は、電動モータ12及び13のX方向及びY方向に直交するZ方向に伸びる出力回転軸の一端に夫々取り付けられており、電動モータ12及び13の作動により砥石4及び5が回転するようになっている。
【0030】
移動手段7は、ガラス板2の一縁6の内側を挟持する無端ベルト15及び16と、ガラス板2の他の一縁11の内側を挟持する無端ベルト17及び18と、無端ベルト15及び16並びに無端ベルト17及び18を互いに同期してX方向に走行させる走行手段20とを具備しており、ガラス板2を挟持しながら、X方向に直進搬送するようになっている。ガラス板2の下面21側の無端ベルト15及び17は、ガラス板2の上面22側の無端ベルト16及び18よりも長く、X方向に伸びて配されており、これにより、ガラス板2の搬入23側では、無端ベルト15及び17上にガラス板を容易に載置できるようになっている。
【0031】
走行手段20は、Z方向に伸びて基台25に取り付けられた搬出24側の一対のフレーム26及び26aの一方のフレーム26に取り付けられた電動モータ27と、電動モータ27の出力回転軸に連結され、フレーム26及び他方のフレーム26aに夫々軸受28を介して回転自在に支持された駆動軸29と、駆動軸29に固着したプーリー30及び31と、フレーム26及びフレーム26aに夫々軸受32を介して回転自在に支持された回転軸33と、回転軸33に取り付けられたプーリー34及び35と、プーリー30に隣接して駆動軸29に固着した歯車36と、プーリー31に隣接して駆動軸29に固着した歯車37と、歯車36と歯合しているプーリー34に隣接して回転軸33に取り付けられた歯車38と、歯車37と歯合しているプーリー35に隣接して回転軸33に取り付けられた歯車39と、フレーム26及びZ方向に伸びて基台25に取り付けられた搬入23側の一対のフレーム40及び40aの一方のフレーム40にX方向に伸びて取り付けられた支持板41及び42と、フレーム26a及び他方のフレーム40aにX方向に伸びて取り付けられた支持板43及び44と、支持板41、42、43及び44に搬入23側で回転自在に支持されたプーリー45、46、47及び48とを具備しており、プーリー30と、プーリー45とには、無端ベルト15が掛け回されており、プーリー31と、プーリー46とには、無端ベルト17が掛け回されており、プーリー34と、プーリー47とには、無端ベルト16が掛け回されており、プーリー35と、プーリー48とには、無端ベルト18が掛け回されている。
【0032】
支持板41は、その上縁が無端ベルト15の裏面と摺動自在に当接するようになっており、支持板41の上縁により、無端ベルト15の垂れ下がりが防止されている。支持板42は、その下縁が無端ベルト16の裏面と摺動自在に当接するようになっており、支持板42の下縁により、無端ベルト16の浮き上がりが防止されている。支持板43は、その上縁が無端ベルト17の裏面と摺動自在に当接するようになっており、支持板43の上縁により、無端ベルト17の垂れ下がりが防止されている。支持板44は、その下縁には、無端ベルト18の裏面が摺動自在に当接するようになっており、支持板44の下縁により、無端ベルト18の浮き上がりが防止されている。
【0033】
走行手段20は、電動モータ27の作動により、その出力回転軸の回転で駆動軸29を回転させ、この回転でプーリー30及び31と歯車36及び37とを回転させ、歯車36及び37の回転でこれらに歯合した歯車38及び39を回転させ、この回転でプーリー34及び35を回転させ、プーリー30、31、34及び35の回転で、プーリー30とプーリー45とに掛け回された無端ベルト15、プーリー31とプーリー46とに掛け回された無端ベルト17、プーリー34とプーリー47とに掛け回された無端ベルト16及びプーリー35とプーリー48とに掛け回された無端ベルト18を同期して搬入23側から搬出24側に向かってX方向に走行させるようになっている。これにより、無端ベルト15及び17上に載置されたガラス板2は、無端ベルト15及び16並びに17及び18に挟持されながらX方向に移動する。
【0034】
移動手段8は、フレーム26にブラケット61を介して取り付けられた電動モータ60と、電動モータ60の出力回転軸の一端に連結し、且つブラケット61に回転自在に支持されたY方向に伸びるねじ軸62と、ねじ軸62に螺合したナット(図示せず)と、このナットを固着した可動台63と、ブラケット61に取り付けられたY方向に伸びる一対のレール64と、レール64と嵌合し、且つ可動台63に固着されたスライダ(図示せず)とを具備しており、可動台63は、電動モータ12を固定している。ブラケット61には、原点位置検出用リミットスイッチ65が設けられており、リミットスイッチ65は、砥石4及び5が相互に離反した際に、可動台63に当接して砥石4のY方向における原点位置を検出する。移動手段8は、電動モータ60の作動により、その出力回転軸の回転がねじ軸62を回転させ、ねじ軸62の回転がナットを固着した可動台63をY方向に移動させると共に、可動台63に固定された電動モータ60を介して砥石4をY方向に移動させる。
【0035】
移動手段9は、フレーム26aにブラケット71を介して取り付けられた電動モータ70と、電動モータ70の出力回転軸の一端に連結し、且つブラケット71に回転自在に支持されたY方向に伸びるねじ軸72と、ねじ軸72に螺合したナット(図示せず)と、このナットを固着した可動台73と、ブラケット71に取り付けられたY方向に伸びる一対のレール74と、レール74と嵌合し、且つ可動台73に固着されたスライダ(図示せず)とを具備しており、可動台73は、電動モータ13を固定している。ブラケット71には、原点位置検出用リミットスイッチ75が設けられており、リミットスイッチ75は、砥石4及び5が相互に離反した際に、可動台73に当接して砥石5のY方向における原点位置を検出する。移動手段9は、電動モータ70の作動により、その出力回転軸の回転がねじ軸72を回転させ、ねじ軸72の回転がナットを固着した可動台73をY方向に移動させると共に、可動台73に固定された電動モータ13を介して砥石5をY方向に移動させる。
【0036】
制御手段10は、ガラス板2の夫々の隅取りすべき隅部3及び3aの形状を設定入力する設定入力手段80と、ガラス板2のX方向の移動を検出する移動検出手段81と、ガラス板の所定位置82への到来を検出する到来検出手段83と、電動モータ60に取り付けられており、電動モータ60の出力回転軸の回転を検出するエンコーダ60aと、電動モータ70に取り付けられており、電動モータ70の出力回転軸の回転を検出するエンコーダ70aと、電動モータ27の出力回転軸の回転を制御するサーボドライバー27bと、電動モータ60の出力回転軸の回転を制御するサーボドライバー60bと、電動モータ70の出力回転軸の回転を制御するサーボドライバー70bと、移動検出手段81からの検出信号から無端ベルト15及び17上に載置されたガラス板2のX方向における移動速度V1を算出すると共に、この算出した移動速度V1、設定入力手段80からの設定値及び到来検出手段83からの到来検出信号に基づいて、砥石4及び5のY方向における移動速度V2並びに砥石4及び5の移動開始時を演算する演算装置90と、無端ベルト15、16、17及び18を一定速度で走行させるべく、サーボドライバー27bを制御すると共に、演算装置90からの演算結果に基づいて、サーボドライバー60b及び70bを制御する制御装置84とを具備している。サーボドライバー27b、60b及び70bは、制御装置84からの指令信号と、エンコーダ60a及び70a並びに後述のエンコーダ27aからの夫々の回転検出信号(フィードバック信号)とに基づいて、電動モータ27、60及び70の所定の回転が保たれるように、当該電動モータ27、60及び70を作動させる。
【0037】
設定入力手段80は、表示入力装置(タッチパネル)85を具備しており、これを操作することによって夫々の隅取りすべき隅部3及び3aの形状を特定するために、これらの設定値を設定入力できるようになっており、本例では、ガラス板2の搬出24側のY方向に伸びた前縁87側の隅取りすべき隅部3のX方向における距離A1及びY方向における距離B1と、前縁87側の隅取りすべき隅部3aのX方向における距離A2及びY方向における距離B2と、ガラス板2の搬入23側のY方向に伸びた後縁88側の隅取りすべき隅部3のX方向における距離A3及びY方向における距離B3と、後縁88側の隅取りすべき隅部3aのX方向における距離A4及びY方向における距離B4とを設定入力できるようになっている。
【0038】
移動検出手段81は、電動モータ27に取り付けられており、電動モータ27の出力回転軸の回転を検出して、ガラス板2の移動を検出するエンコーダ27aを具備している。
【0039】
尚、移動検出手段81としては、上記に代えて、ガラス板2に直接当接し、このガラス板2がX方向に移動すると共に回転するローラを設け、このローラの回転を検出して、ガラス板2の移動を検出するエンコーダであってもよい。
【0040】
到来検出手段83は、支持板44に取り付けられており、砥石4及び5の位置よりも搬入23側に位置しているガラス板検出器86を具備しており、ガラス板検出器86は、ガラス板2の前縁87と、ガラス板2後縁88とが所定位置82に到来するのを検出するようになっている。
【0041】
演算装置90は、砥石4を、ガラス板2の前縁87側の隅部3を隅取りする際の砥石4の待機位置D1からY方向に移動させて前縁87側の隅部3を隅取りする場合に、ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A1と、Y方向における距離B1とに基づいて、砥石4のY方向における移動速度V2を演算(演算式V2=(B1/A1)V1)し、且つ、ガラス板検出器86によるガラス板2の前縁87の所定位置82への到来検出以後、砥石4が、当該移動速度V2で、待機位置D1からガラス板2の前縁87側の隅部3と砥石4とが接触すべき位置C1までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C1まで移動できる位置Q1を算出して砥石4の移動開始時を算出する。即ち、当該算出した位置Q1にガラス板2が到達したときが、砥石4の待機位置D1からの移動開始時となる。
【0042】
演算装置90は、砥石5を、ガラス板2の前縁87側の隅部3aを隅取りする際の砥石5の待機位置D2からY方向に移動させて前縁87側の隅部3aを隅取りする場合に、ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A2と、Y方向における距離B2とに基づいて、砥石5のY方向における移動速度V2を演算(演算式V2=(B2/A2)V1)し、且つ、ガラス板検出器86によるガラス板2の前縁87の所定位置82への到来検出以後、砥石5が、当該移動速度V2で、待機位置D2からガラス板2の前縁87側の隅部3aと砥石5とが接触すべき位置C2までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C2まで移動できる位置Q2を算出して砥石5の移動開始時を算出する。即ち、当該算出した位置Q2にガラス板2が到達したときが、砥石5の待機位置D2からの移動開始時となる。
【0043】
演算装置90は、砥石4を、ガラス板2の後縁88側の隅部3を隅取りする際の砥石4の待機位置D3からY方向に移動させて後縁88側の隅部3を隅取りする場合に、ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A3と、Y方向における距離B3とに基づいて、砥石4のY方向における移動速度V2を演算(演算式V2=(B3/A3)V1)し、且つ、ガラス板検出器86によるガラス板2の後縁88の所定位置82への到来検出以後、砥石4が、当該移動速度V2で、待機位置D3からガラス板2の後縁88側の隅部3と砥石4とが接触すべき位置C3までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C3まで移動できる位置Q3を算出して砥石4の移動開始時を算出する。即ち、当該算出した位置Q3にガラス板2が到達したときが、砥石4の待機位置D3からの移動開始時となる。
【0044】
演算装置90は、砥石5を、ガラス板2の後縁88側の隅部3aを隅取りする際の砥石5の待機位置D4からY方向に移動させて後縁88側の隅部3aを研削する場合に、ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A4と、Y方向における距離B4とに基づいて、砥石5のY方向における移動速度V2を演算(演算式V2=(B/A)V1)し、且つ、ガラス板検出器86によるガラス板2の後縁88の所定位置82への到来検出以後、砥石5が、当該移動速度V2で、待機位置D4からガラス板2の後縁88側の隅部3aと砥石5とが接触すべき位置C4までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C4まで移動できる位置Q4を算出して砥石5の移動開始時を算出する。即ち、当該算出した位置Q4にガラス板2が到達したときが、砥石5の待機位置D4からの移動開始時となる。
【0045】
演算装置90は、ガラス板2の前縁87及び後縁88の到来検出以後、砥石4及び5の夫々の移動開始時を常時算出するようになっているため、ガラス板2の移動速度V1の変化にともない、当該算出される砥石4及び5の夫々の移動速度V2も変化し、これにより、砥石4及び5の夫々の移動開始時も変化する。
【0046】
制御装置84は、砥石4及び5が、演算装置90により演算された夫々の移動開始時に、演算された夫々の移動速度V2で移動を開始するように、サーボドライバー60b及び70bに指令する。
【0047】
尚、制御装置84及び演算装置90は、マイクロコンピュータ84aと、このマイクロコンピュータ84aに、ガラス板2のX方向における移動速度V1を算出すると共に、砥石4及び5のY方向における夫々の移動速度V2並びに砥石4及び5の夫々の移動開始時を演算し、且つ、サーボドライバー27b、60b及び70bの作動を制御するように、予め記憶されたプログラムとで具体化されてもよい。
【0048】
本例のガラス板隅取り装置1により、ガラス板2の前縁87側の隅部3及び3aを隅取りし、その後に、このガラス板2の後縁88側の隅部3及び3aを隅取りする場合は、まず、設定入力手段80の表示入力装置85を操作して、前縁87側の隅取りすべき隅部3のX方向における距離A1及びY方向における距離B1と、前縁87側の隅取りすべき隅部3aのX方向における距離A2及びY方向における距離B2と、後縁88側の隅取りすべき隅部3のX方向における距離A3及びY方向における距離B3と、後縁88側の隅取りすべき隅部3aのX方向における距離A4及びY方向における距離B4とを設定入力する。次に、ガラス板2を、搬入23側の無端ベルト15及び17上に載置し、このガラス板2の一縁6内側と一縁11内側とを無端ベルト15及び16並びに17及び18により挟持しながら、走行手段20により搬入23側から搬出24側に向かってX方向に移動、即ち、直進搬送する。無端ベルト15及び16並びに17及び18の走行中、電動モータ27は、エンコーダ27aからの検出信号に基づいて、サーボドライバー27bにより、その出力回転軸の回転が所定の回転を保つようにフィードバック制御されており、演算装置90は、当該エンコーダ27aからの検出信号から無端ベルト15及び17上に載置されたガラス板2のX方向における移動速度V1を算出している。次に、直進搬送されているガラス板2の前縁87が所定位置82に到来したときに、ガラス板検出器86により、当該前縁87の所定位置82への到来を検出する。当該前縁87の所定位置82到来検出以後、演算装置90により、当該ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A1と、Y方向における距離B1とに基づいて、砥石4のY方向における移動速度V2を演算し、砥石4が、当該移動速度V2で、待機位置D1から位置C1までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C1まで移動できる位置Q1を算出し、且つ、当該ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A2と、Y方向における距離B2とに基づいて、砥石5のY方向における移動速度V2を演算し、砥石5が、当該移動速度V2で、待機位置D2から位置C2までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C2まで移動できる位置Q2を算出する。次に、ガラス板2が位置Q1に到達したときに、砥石4を、その待機位置D1からガラス板2の外側に向かってY方向に移動させ、ガラス板2の前縁87側の隅部3と砥石4とを位置C1で接触させ、ガラス板2が距離A1を移動する間、砥石4を、その移動速度V2で距離B1をY方向に移動させてガラス板2の前縁87側の隅部3を研削し、且つ、ガラス板2が位置Q2に到達したときに、砥石5を、その待機位置D2からガラス板2の外側に向かって(砥石4の移動方向とは反対の方向に)Y方向に移動させ、ガラス板2の前縁87側の隅部3aと砥石5とを位置C2で接触させ、ガラス板2が距離A2を移動する間、砥石5を、その移動速度V2で距離B2をY方向に移動させてガラス板2の前縁87側の隅部3aを研削する。ガラス板2の前縁87側の隅部3及び3aを隅取り研削した後に、可動台63及び可動台73のリミットスイッチ65及び75への接触により、当該砥石4及び5のY方向における移動を停止して、砥石4及び5を相互に離反させた夫々の外側の待機位置D3及びD4に待機させる。次に、直進搬送されているガラス板2の後縁88が所定位置82に到来したときに、ガラス板検出器86により、当該後縁88の所定位置82への到来を検出する。当該後縁88の所定位置82到来検出以後、演算装置90により、当該ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A3と、Y方向における距離B3とに基づいて、砥石4のY方向における移動速度V2を演算し、砥石4が、当該移動速度V2で、待機位置D3から位置C3までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C3まで移動できる位置Q3を算出し、且つ、当該ガラス板2のX方向における移動速度V1と、設定入力されたX方向における距離A4と、Y方向における距離B4とに基づいて、砥石5のY方向における移動速度V2を演算し、砥石5が、当該移動速度V2で、待機位置D4から位置C4までY方向に移動する移動時間を算出し、この移動時間で、ガラス板2が位置C4まで移動できる位置Q4を算出する。次に、ガラス板2が位置Q3に到達したときに、砥石4を、その待機位置D3からガラス板2の内側に向かってY方向に移動させ、ガラス板2の後縁88側の隅部3と砥石4とを位置C3で接触させ、ガラス板2が距離A3を移動する間、砥石4を、その移動速度V2で距離B3をY方向に移動させてガラス板2の後縁88側の隅部3を研削し、且つ、ガラス板2が位置Q4に到達したときに、砥石5を、その待機位置D4からガラス板2の内側に向かって(砥石4の移動方向とは反対の方向に)Y方向に移動させ、ガラス板2の後縁88側の隅部3aと砥石5とを位置C4で接触させ、ガラス板2が距離A4を移動する間、砥石5を、その移動速度V2で距離B4をY方向に移動させてガラス板2の後縁88側の隅部3aを研削する。ガラス板2の後縁88側の隅部3及び3aを隅取り研削した後に、可動台63及び可動台73の夫々のリミットスイッチ(図示せず)への接触により、当該砥石4及び5のY方向における移動を停止して、砥石4及び5を相互に近接させた夫々の内側の待機位置D1及びD2に待機させる。而して、隅取りされたガラス板2の夫々の隅部3及び3aは、図14又は15に示すような形状に隅取りされる。尚、砥石4及び5は、これらがガラス板2と接触するまでに、電動モータ12及び13の作動により回転しており、演算装置90は、ガラス板2の前縁87及び後縁88の到来検出以後、砥石4及び5の夫々の移動開始時を常時算出しているため、ガラス板2の移動速度V1に変化が生じるにともない、当該算出される砥石4及び5の夫々の移動速度V2並びに夫々の移動開始時も変化し、夫々の隅部3及び3aの研削中、ガラス板2の移動速度V1に変化が生じるにともない、砥石4及び5の夫々の移動速度V2も変化する。
【0049】
本例のガラス板隅取り装置1は、演算装置90により位置Q1、Q2、Q3及びQ4を算出することなく、砥石4及び5が、夫々の移動速度V2で、夫々の待機位置D1、D2、D3及びD4から夫々の位置C1、C2、C3及びC4までのY方向における移動に要する移動時間に基づいて、砥石4及び5の移動を開始させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 ガラス板隅取り装置
2 ガラス板
3、3a 隅部
4、5 砥石
6、11 一縁
7、8、9 移動手段
10 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板を一の方向に移動させながら、ガラス板の一の方向の移動に応答して、ガラス板の隅部を研削する研削工具を一の方向に交差する他の一の方向に移動させてガラス板を隅取りする方法。
【請求項2】
ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を設定入力し、ガラス板の一の方向の移動を検出して、設定入力された当該隅部の形状に沿って研削するように、研削工具を、検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて、他の一の方向に移動させる請求項1に記載のガラス板を隅取りする方法。
【請求項3】
ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を、当該隅部の一の方向及び他の一の方向における距離を設定入力して特定する請求項2に記載のガラス板を隅取りする方法。
【請求項4】
ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具の他の一の方向における移動速度を算出し、当該算出した移動速度で研削工具を他の一の方向に移動させる請求項3に記載のガラス板を隅取りする方法。
【請求項5】
ガラス板の所定位置への到来を検出し、ガラス板の所定位置への到来検出以後、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具を、その待機位置から他の一の方向に移動させる移動開始時を演算する請求項3又は4に記載のガラス板を隅取りする方法。
【請求項6】
一の方向と、他の一の方向とが直交している請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス板を隅取りする方法。
【請求項7】
ガラス板を一の方向に移動させる第一の移動手段と、ガラス板の隅部を研削する研削工具と、この研削工具を一の方向に交差する他の一の方向に移動させる第二の移動手段と、ガラス板を一の方向に移動させながら、ガラス板の一の方向の移動に応答して、研削工具を他の一の方向に移動させるように、第二の移動手段を制御する制御手段とを具備しているガラス板隅取り装置。
【請求項8】
制御手段は、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を設定入力する設定入力手段と、ガラス板の一の方向の移動を検出する移動検出手段とを具備しており、設定入力手段により設定入力された当該隅部の形状に沿って研削するように、研削工具を、移動検出手段により検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて、他の一の方向に移動させるべく、第二の移動手段を制御するようになっている請求項7に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項9】
設定入力手段は、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を特定すべく、当該隅部の一の方向及び他の一の方向における距離を設定入力できるようになっている請求項8に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項10】
制御手段は、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具の他の一の方向における移動速度を演算し、当該演算した移動速度で研削工具を他の一の方向に移動させるべく、第二の移動手段を制御するようになっている請求項9に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項11】
制御手段は、ガラス板の所定位置への到来を検出する到来検出手段を具備しており、到来検出手段によるガラス板の所定位置への到来検出以後、ガラス板の一の方向における移動速度と、設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、研削工具をその待機位置から他の一の方向に移動させる移動開始時を演算し、当該演算した移動開始時に、研削工具をその待機位置から他の一の方向に移動させるべく、第二の移動手段を制御するようになっている請求項9又は10に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項12】
ガラス板を一の方向に移動させる第一の移動手段と、ガラス板の一縁側の隅部を研削する第一の研削工具と、第一の研削工具を一の方向に交差する他の一の方向に移動させる第二の移動手段と、ガラス板の一縁に対向する他の一縁側の隅部を研削する第二の研削工具と、第二の研削工具を他の一の方向に移動させる第三の移動手段と、ガラス板を一の方向に移動させながら、ガラス板の一の方向の移動に応答して、第一及び第二の研削工具を他の一の方向に移動させるように、第二及び第三の移動手段を制御する制御手段とを具備しているガラス板隅取り装置。
【請求項13】
制御手段は、ガラス板の夫々の隅取りすべき隅部の形状を設定入力する設定入力手段と、ガラス板の一の方向の移動を検出する移動検出手段とを具備しており、設定入力手段により設定入力された夫々の隅取りすべき隅部の形状に沿って研削するように、第一及び第二の研削工具を移動検出手段により検出されたガラス板の一の方向の移動に応答させて、他の一の方向に移動させるべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている請求項12に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項14】
設定入力手段は、ガラス板の隅取りすべき隅部の形状を特定すべく、当該ガラス板の夫々の隅取りすべき隅部の一の方向及び他の一の方向における距離を設定入力できるようになっている請求項13に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項15】
制御手段は、ガラス板の一の方向における移動速度と、夫々設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、第一及び第二の研削工具の他の一の方向における夫々の移動速度を演算し、当該演算した夫々の移動速度で第一及び第二の研削工具を他の一の方向に移動させるべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている請求項14に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項16】
制御手段は、ガラス板の所定位置への到来を検出する到来検出手段を具備しており、到来検出手段によるガラス板の所定位置への到来検出以後、ガラス板の一の方向における移動速度と、夫々設定入力された一の方向及び他の一の方向における距離とに基づいて、第一及び第二の研削工具を、夫々の待機位置から他の一の方向に移動させる夫々の移動開始時を演算し、当該演算した夫々の移動開始時に、第一及び第二の研削工具を夫々の待機位置から他の一の方向に移動させるべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている請求項14又は15に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項17】
第一及び第二の研削工具は、他の一の方向で互いに対向して配されており、制御手段は、第一及び第二の研削工具を相互に近接又は離反させて、ガラス板の一縁側及び他の一縁側の隅部を同期的に研削するべく、第二及び第三の移動手段を制御するようになっている請求項12から16のいずれか一項に記載のガラス板隅取り装置。
【請求項18】
一の方向と、他の一の方向とが直交している請求項7から17のいずれか一項に記載のガラス板隅取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−131030(P2012−131030A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−88620(P2012−88620)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【分割の表示】特願2009−251462(P2009−251462)の分割
【原出願日】平成12年2月28日(2000.2.28)
【出願人】(000174220)坂東機工株式会社 (51)
【Fターム(参考)】