説明

キナゾリンアミド誘導体

式(I)


式中、R〜Rは請求項1に示された意味を有する、で表される新規キナゾリンアミド誘導体はHSP90阻害剤であり、HSP90の阻害、調節および/または調整が関与する疾患の処置のための医薬の製造のために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、価値ある特性を有する新規化合物、特に医薬の製造に用いることができる化合物を見出すとの目的に基づく。
本発明は、HSP90の阻害、調節および/または調整が関与する化合物に関し、さらにこれら化合物を含む医薬組成物に関し、およびHSP90が関与する疾患の処置のための前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞におけるタンパク質の正しい折りたたみ(folding)および立体配座(conformation)は、分子シャペロンにより確保されており、タンパク質の合成と分解の間の平衡を調節するのに重要である。シャペロンは、例えば細胞増殖およびアポトーシスなどの、細胞の多くの中心的機能の調節に重要である(Jolly
and Morimoto, 2000;Smith et al., 1998; Smith, 2001)。
【0003】
熱ショックタンパク質
組織の細胞は、例えば熱、低酸素、酸化ストレスなどの外的ストレス、または例えば重金属もしくはアルコールなどの毒性物質に対して、「熱ショックタンパク質(HSP)」の名称で知られている多数のシャペロンを活性化させて反応する。HSPの活性化は、かかるストレス因子による損傷から細胞を保護し、生理学的状態の回復を促進し、細胞のストレス耐性状態をもたらす。HSPにより促進される、外的ストレスに対するこの最初に発見された防御機構に加えて、時とともに、個別のHSPに対し、さらなる重要なシャペロン機能がストレスのない通常状態において記載されている。したがって種々のHSPは、例えば、細胞の生物学的に重要な多数のタンパク質の、正しい折りたたみ、細胞内局在や機能、または調節された分解などを調節している。HSPは、異なる細胞においてその細胞発現や機能、局在化が異なる個別の遺伝子産物を有する、遺伝子ファミリーを形成する。ファミリー内での名称および分類は、その分子量に基づき、例えばHSP27、HSP70、およびHSP90などである。
【0004】
いくつかのヒト疾患は、タンパク質の誤った折りたたみ(例えばTytell et al., 2001;Smith et al., 1998の概説を参照)に基づく。シャペロンに依存したタンパク質の折りたたみの機構に関わる治療法の開発は、したがって、そのようなケースにおいて有用となり得る。例えば、誤った折りたたみのタンパク質は、アルツハイマー病、プリオン病またはハンチントン症候群の場合には、神経変性の進行を伴うタンパク質の凝集をもたらす。誤った折りたたみのタンパク質はまた、野生型機能の消失ももたらし、その結果、分子および生理学的機能の誤った調節が生じる。
【0005】
HSPは、腫瘍疾患においても重要性を有する。例えば、ある種のHSPの発現が、腫瘍の進行ステージと相関することが指摘されている(Martin et al.,
2000;Conroy et al., 1996;Kawanishi et al., 1999;Jameel et al., 1992;Hoang et
al., 2000;Lebeau et al., 1991)。
HSP90が細胞の多数の中心的発癌性シグナル伝達経路に関与し、癌阻害活性を有するある天然の産物がHSP90を標的とするとの事実は、HSP90の機能の阻害が、腫瘍疾患の処置に感受性があるであろうと考えさせる。HSP90阻害剤である、ゲルダナマイシンの誘導体17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)は、現在臨床試験されている。
【0006】
HSP90
HSP90は、全細胞タンパク質質量の約1〜2%を占める。これは通常、細胞内で二量体の形態であり、タンパク質の多様性に関与し、いわゆるコシャペロンである(例えばPratt,
1997参照)。HSP90は細胞の活力に不可欠であり(Young et al., 2001)、細胞ストレスに対する応答において、その天然の折りたたみが熱ショックなどの外的ストレスにより変更させられた多くのタンパク質と相互作用することにより、重要な役割を果たして、元の折りたたみを回復させるか、またはタンパク質の凝集を妨げる(Smith
et al., 1998)。
【0007】
HSP90は、おそらくは、突然変異による誤ったタンパク質の折りたたみを正すことによって、突然変異の効果に対する緩衝装置としても重要であるとの指摘がある(Rutherford
and Lindquist, 1998)。さらに、HSP90は、調節的な重要性も有する。生理学的条件下において、HSP90は、その相同体と共に細胞小胞体GRP94において、立体配座の安定性を保証するため、および種々の重要なクライアントタンパク質を成熟させるための、細胞の平衡にも関与する。これらは、3つのグループに分けられる:ステロイドホルモン、Ser/Thrまたはチロシンキナーゼの受容体(例えばERBB2、RAF−1、CDK4およびLCK);および例えば変異p53などの、種々のタンパク質のコレクション;またはテロメラーゼhTERTの触媒サブユニット。これらタンパク質の各々は、細胞の生理学的および生化学的プロセスの調節に重要な役割を果たす。ヒトにおける保存されたHSP90ファミリーは、4つの遺伝子からなる:細胞質HSP90α、誘導性HSP90βアイソフォーム(Hickey
et al., 1989)、細胞小胞体のGRP94(Argon et al., 1999)、およびミトコンドリアマトリクスのHSP75/TRAP1(Felts
et al., 2000)。ファミリーの全メンバーは、作用の類似モードを有するが、しかし、その細胞内での局在化に応じて、異なるクライアントタンパク質に結合する。例えば、ERBB2はGRP94の特異的なクライアントタンパク質であり(Argon
et al., 1999)、一方腫瘍壊死因子の1型受容体(TNFR1)または網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)は、TRAP1のクライアントであることが見出された(Song
et al., 1995;Chen et al., 1996)。
【0008】
HSP90は、多数のクライアントタンパク質および調節タンパク質との多くの複雑な相互作用に関与する(Smith, 2000)。正確な分子的詳細はまだ明らかにされていないが、近年の生化学的実験およびX線結晶学の支援による研究により、次第にHSP90のシャペロン機能の詳細が解読できるようになってきた(Prodromou
et al., 1997;Stebbins et al., 1997)。それにより、HSP90は、ATP依存性分子シャペロンであり(Prodromou et
al, 1997)、二量体化がATP加水分解に重要である。ATPの結合はドーナツ型の二量体構造の形成をもたらし、この中で2つのN末端ドメインが互いに密接に接触して、立体配座におけるスイッチとして作用する(Prodromou
and Pearl, 2000)。
【0009】
既知のHSP90阻害剤
発見された第1のクラスのHSP90阻害剤は、化合物ハービマイシンAおよびゲルダナマイシンを伴うベンゾキノンアンサマイシンであった。最初に、v−Srcオンコジーンによる形質転換により誘発された、線維芽細胞における悪性表現型の復帰突然変異(reversion)が、それらと共に発見された(Uehara
et al., 1985)。
次に強力な抗腫瘍活性が、in vitro(Schulte et al., 1998)で、およびin vivoの動物モデルにおいて(Supko et al.,
1995)実証された。
【0010】
そして免疫沈降および親和性マトリクスの研究により、ゲルダナマイシンの作用の主要なメカニズムに、HSP90への結合が関与することが示された(Whitesell
et al., 1994;Schulte and Neckers, 1998)。さらに、X線結晶学研究により、ゲルダナマイシンがATP結合部位に関して競合し、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を阻害することが示された(Prodromou
et al., 1997;Panaretou et al., 1998)。これは、クライアントタンパク質に対するシャペロンとして機能するその特性により、多量体HSP90複合体の形成を妨害する。その結果、クライアントタンパク質がユビキチン−プロテアソーム経路を介して分解される。
【0011】
ゲルダナマイシン誘導体17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)は、HSP90の阻害下においても不変の特性、すなわちクライアントタンパク質の分解ならびに、細胞培養物中および異種移植腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性(Schulte
et al, 1998;Kelland et al, 1999)を示したが、しかし、ゲルダナマイシンよりも顕著に低い肝臓毒性を有していた(Page et
all 1997)。17AAGは現在、第I/II相の臨床試験中である。
大環状抗生物質であるラディシコールも同様に、線維芽細胞のv−Srcおよびv−Ha−Ras誘発性の悪性表現型の復帰突然変異を示す(Kwon et all
1992;Zhao et al, 1995)。ラディシコールは、HSP90の阻害の結果、多数のシグナルタンパク質を分解する(Schulte et al.,
1009)。X線結晶解析により、ラディシコールも同様にHSP90のN末端ドメインに結合し、内因性ATPアーゼ活性を抑制することが示された(Roe et
al., 1998)。
【0012】
クマリン型の抗生物質は、知られているように、バクテリア内のHSP90相同体DNAギラーゼのATP結合部位に結合する。クマリンであるノボビオシンは、HSP90のカルボキシ末端、すなわち、HSP90のN末端に結合するベンゾキノン−アンサマイシンおよびラディシコールとは別のHSP90の部位に結合する(Marcu
et al., 2000b)。
ノボビオシンによるHSP90の阻害は、多数のHSP90依存性シグナルタンパク質の分解を引き起こす(Marcu et al., 2000a)。
例えばERBB2などのシグナルタンパク質の分解は、プリン由来のHSP90阻害剤であるPU3を用いて実証された。PU3は、乳癌細胞系において細胞周期の停止および分化を引き起こす(Chiosis
et al., 2001)。
【0013】
治療標的としてのHSP90
腫瘍の表現型において非常に重要である多数のシグナル伝達経路の調節にHSP90が関わっていること、またある天然産物が、HSP90の活性の阻害を通してそれらの生物学的効果を発揮するとの発見により、現在HSP90は、腫瘍治療剤の開発の新規な標的として試験されている(Neckers
et al., 1999)。
【0014】
ゲルダナマイシン17AAGおよびラディシコールの主要なメカニズムには、ATPの、タンパク質のN末端のATP結合部位への結合の阻害、およびその結果としての、HSP90の内因性ATPアーゼ活性の阻害が含まれる(例えばProdromou
et al., 1997;Stebbins et al., 1997;Panaretou et al., 1998を参照のこと)。HSP90のATPアーゼ活性の阻害は、コシャペロンの動員を妨げ、HSP90ヘテロ複合体の形成を有利にし、これは、クライアントタンパク質を、ユビキチン−プロテアーゼ経路を介して分解させる(例えばNeckers
et al., 1999;Kelland et al., 1999を参照のこと)。HSP90阻害剤を用いて腫瘍細胞を処置することにより、細胞増殖、細胞周期およびアポトーシスの調節などのプロセスに対して、基本的な重要性を有する重要なタンパク質の選択的分解がもたらされる。これらのプロセスは、腫瘍においてはしばしば調節が解除される(例えばHostein
et al., 2001参照)。HSP90の阻害剤の開発についての魅力的な理論的根拠は、強力な腫瘍治療活性が、形質転換された表現型に関連する多数のタンパク質の同時分解により実現できることである。
【0015】
詳細には、本発明は、HSP90を阻害、調節および/または調整する化合物、これらの化合物を含む医薬組成物、およびHSP90が誘発する疾患の処置のためのこれらの使用に関し、前記疾患とは例えば以下である:腫瘍疾患、ウイルス疾患、例えばB型肝炎(Waxman,
2002);移植における免疫抑制(Bijlmakers, 2000およびYorgin, 2000);炎症誘発性疾患(Bucci, 2000)、例えば関節リューマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、紅斑性狼瘡(エリテマトーデス)、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症(Fuller,
2000);脈管形成が関与する疾患(Hur, 2002およびKurebayashi, 2001)、例えば糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症、および腫瘍脈管形成;感染症;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進(Rosen
et al., WO 02/09696;Degranco et al., WO 99/51223;Gold, US 6,210,974 B1);線維形成疾患(fibrogenetic
disease)、例えば、硬化性皮膚炎、多発性筋炎、全身性狼瘡、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎、および肺線維症(Strehlow, WO 02/02123)。
【0016】
本発明はまた、本発明による化合物の、化学療法による毒性から正常細胞を保護するための使用に、および、タンパク質の誤った折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患、例えば、スクレイピー、クロイツフェルト−ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病(Sittler,
Hum. Mol. Genet., 10, 1307,
2001;Tratzelt et al.,
Proc. Nat. Acad. Sci., 92, 2944, 1995;Winklhofer
et al., J. Biol. Chem., 276, 45160, 2001)における使用に関する。WO 01/72779には、プリン化合物およびその使用であって、GRP94(HSP90の相同体またはパラログ(paralogue))誘発性の疾患、例えば腫瘍疾患などの、癌組織が以下からから選択される肉腫または癌腫を含むものの処置のための、前記使用について記載されている:線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、
【0017】
骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌(bone
marrow carcinoma)、気管支原生癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、およびH鎖病。
【0018】
WO 01/72779にはさらに、その中で言及されている化合物の、ウイルス疾患の処置のための使用が開示されており、ここでウイルス病原体は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒトI型免疫不全ウイルス(HIV−I)およびヒトII型免疫不全ウイルス(HIV−II)からなる群から選択される。
【0019】
WO 01/72779にはさらに、その中で言及されている化合物の、GRP94の調節のための使用が開示されており、ここで調節された生物学的GRP94活性は、個人における免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養失調からの回復、熱ストレスからの回復、もしくはこれらの組合せを引き起こし、および/または、ここで疾患が、癌、感染症、小胞体からのタンパク質輸送の破壊に関連する疾患、虚血/再灌流に関連する疾患の種類、もしくはこれらの組合せである場合であり、ここで虚血/再灌流に関連する疾患が、心停止、アジストリーおよび心室性不整脈遅延、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性卒中、出血性脳卒中、脳血管けいれん、低血圧、低血糖、てんかん重積症、てんかん発作、不安神経症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側策硬化症(ALS)もしくは新生児ストレスの結果生じた場合である。
【0020】
最後に、WO 01/72779には、GRP94タンパク質調節剤の有効量の、個人の組織部位において虚血状態への続く細胞反応を変化させるための医薬の製造のための使用であって、該組織部位の細胞のGRP94タンパク質調節剤による処置により、細胞内でのGRP94活性を、続く虚血状態への細胞反応を変化させる程度に高めるための前記使用が記載されており、ここで続く虚血状態は好ましくは、心停止、アジストリーおよび心室性不整脈遅延、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性卒中、出血性脳卒中、脳血管けいれん、低血圧、低血糖、てんかん重積症、てんかん発作、不安神経症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側策硬化症(ALS)または新生児ストレスによるものであり、またはここで、組織部位は移植についてのドナーの組織である。
【0021】
A. Kamal et al.によるTrends in Molecular Medicine, Vol. 10 No. 6 June 2004には、HSP90活性化の、特に中枢神経系の疾患および循環器疾患の処置のための、治療的および診断的用途が記載されている。
したがって、HSP90を特異的に阻害、調節および/または調整する小化合物の同定は望ましく、本発明の目的である。
【0022】
本発明の化合物およびその塩類が、良好に耐容されつつ、非常に価値ある薬理学的特性を有することが見出された。特に、それらはHSP90阻害特性を示す。
したがって本発明は、前記疾患の処置および/または予防における医薬および/または医薬活性成分としての本発明の化合物の、前記疾患の処置および/または予防のための薬剤の製造のための使用に、ならびにまた、前記疾患の処置のための方法であって、1または2以上の本発明の化合物を、かかる投与が必要な患者に投与することを含む前記方法に関する。
【0023】
宿主または患者は、任意の哺乳類種に属してよく、例えば、霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含むげっ歯類;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどである。動物モデルは、実験的研究において興味深く、ここで動物モデルはヒト疾患の処置のためのモデルを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
WO00/53169はクマリンまたはクマリン誘導体を用いたHSP90阻害を記載している。
WO03/041643 A2はHSP90阻害ゼアララノール誘導体を記載している。HSP90阻害インドール誘導体はWO06/010595およびWO02/083648から知られている。
【0025】
さらなる文献:
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【0028】
【表4】

【0029】
【表5】

【0030】
【表6】

【0031】
【表7】

【0032】
【表8】

【発明の概要】
【0033】
本発明は式I
【化1】

式中、
は、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
は、H、A、(CHAr、(CHHet、(CHOH、(CHOA、(CHNHHet、(CHSAまたは(CHCH(OH)Arを表し、
は、A、(CHAr、(CHHet、(CHCN、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHOH、(CHOAまたは(CHNHHetを表し、
【0034】
およびRはまた、それらが結合するN原子と共に飽和、不飽和または芳香族の単環式または二環式複素環を表し、これはさらに1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでもよく、無置換であるか、Hal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rは、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは無置換であるか、A、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arは、無置換の、またはA、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
【0035】
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、またはA、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CH2)NH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されていてもよく、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1もしくは2置換されていてもよく、
【0036】
A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜3個の非隣接CH基はO、S、SO、SO、NH、NMeもしくはNEtにより置換されていてもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよいもの、Alk、3〜8個のC原子を有する環状アルキルまたはシクロアルキレンであって、基中、1〜5個のH原子がF、OHおよび/またはClにより置換されていてもよいものを表し、
Alkは2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニルを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1、2、3または4を表す、
で表される化合物、薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物、塩およびその立体異性体、ならびに全ての比でのその混合物に関する。
【0037】
本発明は式Iで表される化合物およびその塩、ならびに式Iで表される化合物ならびに薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物、塩およびその立体異性体の製造方法であって、
【0038】
a)式II
【化2】

式中、
は請求項1に示される意味を有し、およびLは、F、Cl、Br、Iもしくは遊離または反応的に修飾されたOH基を表す、
で表される化合物を、
式III
NHR III
式中、RおよびRが請求項1に示される意味を有する、
で表される化合物と反応させること、
または、
b)式IV
【化3】

式中、R、RおよびRが請求項1に示される意味を有する
で表される化合物を、1,3−ビス(トリアルキルシリル)カルボジイミドと反応させること、
【0039】
または、
c)式Iで表される化合物におけるラジカルRを、他のラジカルRに、
それが、
i)ニトロ基のアミノ基への還元
ii)エステル基のカルボキシル基への加水分解
iii)アルデヒド基のアルキル化アミンへの還元アミノ化による変換
iv)カルボキシル基のスルホンアミドカルボニル基への変換
v)酸塩化物のアミドへの変換
vi)ハロゲン原子のアリールまたはアルキルラジカルとの交換
vii)2重結合の水素化
viii)エーテルの開裂
ix)ハロゲン原子とアリールラジカルとの置換(スズキカップリング)
x)ハロゲン原子と、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシまたはアリールオキシ基との置換
により変換すること、
および/または塩基または式Iの酸をその塩の1つに変換すること、を特徴とする前記方法に関する。
【0040】
本発明はまた、これら化合物の立体異性体(E、Z異性体)および水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物はそれらの相互の親和力により形成する化合物への不活性溶媒分子の付加を意味すると解釈される。溶媒和物は、例えば、1もしくは2水和物またはアルコラートである。
【0041】
薬学的に使用し得る誘導体とは、例えば、本発明の化合物の塩を意味すると解釈され、また、いわゆるプロドラッグ化合物でもある。
プロドラッグ誘導体とは、例えば、アルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドにより修飾されており、本発明の活性な化合物を生じさせるために生物内で急速に開裂する、式Iの化合物を意味すると解釈される。
これらはまた、例えば、Int. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されているように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体も含む。
【0042】
表現「有効量」は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば、研究者または医者により求められまたは望まれる、生物学的または医学的応答をもたらす医薬または医薬活性成分の量を意味する。さらに、表現「治療有効量」は、この量を受けていない対応する対象に比べて、以下の結果を生じる量を意味する:疾患、疾患ピクチャー、病態、愁訴、障害または副作用の改善された治療処置、治癒、予防または除去、あるいはまた、疾患、愁訴または障害の進行の低減。
【0043】
用語「治療有効量」はまた、正常な生理機能を増加させるのに効果的な量も包含する。
【0044】
本発明はまた、本発明の式Iの化合物の混合物、例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率の2種のジアステレオマーの混合物に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性体化合物の混合物である。
【0045】
1回以上生じる全てのラジカルに関し、それらの意味は互いに独立である。
本明細書中において、ラジカルおよびパラメータR、RおよびRは、他に明確に述べない限り、式Iについて示した意味を有する。
【0046】
カルバモイルは、アミノカルボニルを表す。
BOCまたはBocは、ter−ブチルオキシカルボニルを表す。
AまたはA’は、好ましくは、非分枝(直鎖)状または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有するアルキルを表す。AまたはA’は、特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらに、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルを表す。
【0047】
AまたはA’は、非常に特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを表す。
A,A’はまた、それぞれが互いに独立して、例えば2−メトキシエチルまたは3−メチルアミノプロピルなどの、1〜3個の非隣接CH基がO、S、SO、SO、NH、NMeまたはNEtにより置換されていてもよい、1〜10個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルを表す。
【0048】
AまたはA’はまた、環状アルキル(シクロアルキル)を表す。シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表す。環状アルキルは、さらに好ましくはシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシルメチルを表す。
シクロアルキルアルキレンは、例えば、シクロプロピルメチレンまたはシクロヘキシルメチレンを表す。
【0049】
AまたはA’はまた、Alkを表す。Alkは、例えばビニルまたはプロペニルなどの、2〜6原子を有するアルケニルを表す。Alkはまた、例えばエチニルなどのアルキニルを表す。
nは、好ましくは0、1または2を表す。
【0050】
およびRはまた、それらが結合したN原子と共に、好ましくは、1,3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロジニル、ピペラジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、非常に特に好ましくは1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルを表す。
は、好ましくはH、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表す。
【0051】
は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−、もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−(ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾール−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1,4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾール−3−イルを表す。
【0052】
Arは、例えば、フェニル、o−、m−もしくはp−トルイル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−、もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−アセトアミドフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホアミド)フェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−もしくはp−アセチルフェニル、o−、m−もしくはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシフェニル、o−、m−もしくはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−もしくはp−カルボキシメトキシフェニル、さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを表す。
【0053】
さらなる置換に関係なく、Hetは、例えば、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾイル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾイル、3−、4−もしくは5−イソキサゾイル、2−、4−もしくは5−チアゾイル、3−、4−もしくは5−イソチアゾイル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−もしくは−5−イル、1−もしくは5−テトラゾルイル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアゾール−4−もしくは−5−イル、3−もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、4−もしくは5−イソインドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンズイミダゾイル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾイル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソチアゾイル、4−、5−、6−もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−ナゾリニル、5−もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルを表す。
【0054】
複素環ラジカルはまた、部分的にまたは完全に水素化されていてもよい。したがって、Hetはまた、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは5−フリル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、1−、2−もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−もしくは−4−イミダゾイル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−、3−もしくは4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−もしくは−5−ピリミジニル、1−、2−もしくは3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルもしくは、また3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルも表し得る。
【0055】
Hetは好ましくは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾルイル、オキサゾイル、イソキサゾリル、チアゾイル、ベンゾチアゾイル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾイル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドーリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロジニルもしくはピペリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、もしくは、A、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されている。
【0056】
さらなる置換に関係なく、Hetは、例えば、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2−、4−もしくは5−イミダゾイル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾイル、3−、4−もしくは5−イソキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾイル、3−、4−もしくは5−イソチアゾイル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−もしくは5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアゾール−4−もしくは−5−イル、3−もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、4−もしくは5−イソインドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンズイミダゾイル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾイル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソチアゾイル、4−、5−、6−もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、5−もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルもしくは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルを表す。
【0057】
複素環ラジカルは、部分的または完全に水素化されてもよい。
したがって、Hetは、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、1−、2−もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−もしくは−4−イミダゾイル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−、3−もしくは4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−もしくは−5−ピリミジニル、1−、2−もしくは3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたは、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルも表し得る。
【0058】
Hetは特に好ましくは、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾルイル、ベンズイミダゾイル、モルホリニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピロリジニルまたはピペラジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されている。
【0059】
式Iで表される化合物は、1または多数の不斉中心を有し得、そしてそれ故様々な立体異性形態が生じる。式Iは全てのこれらの形態を包含する。
従って、本発明は、特に、その少なくとも1つの該ラジカルが、上記に示された好ましい意味のうちの1つを有する式Iで表される化合物に関する。いくつかの好ましい化合物群は、次の副次式Ia〜Iiにより表現され得、それは式Iに適合し、その中で詳細には指定されないラジカルは、式Iのために示された意味を有するが、
【0060】
Iaにおいて、Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾルイル、オキサゾイル、イソキサゾリル、チアゾイル、ベンゾチアゾイル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾイル、インダゾーリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロジニルまたはピペリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSO
および/もしくは=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており;
【0061】
Ibにおいて、Hetは、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾイル、ベンズイミダゾイル、トリアゾルイル、モルホリニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピロジニルまたはピペラジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており;
【0062】
Icにおいて、A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキル(その中において1〜2個のCH基は、O、NHおよび/もしくはNMeにより置換されてもよく、ならびに/または、さらに、1〜5個のH原子はF、OHおよび/もしくはClにより置換されてもよい)、
または、
3〜8個のC原子を有する環状アルキル(その中において1〜3個のH原子はOHにより置換されてもよい)を表し;
【0063】
Idにおいて、nは0、1または2を表し;
Ieにおいて、RおよびRはまた、それらが結合したN原子と共に、1、3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており;
【0064】
Ifにおいて、RはH、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表し;
Igにおいて、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾール−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3−もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1,4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾール−3−イルを表し;
【0065】
Ihにおいて、Rは、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
は、H、A、(CHAr、(CHHet、(CHOH、(CHOA、(CHNHHet、(CHSAまたは(CHCH(OH)Arを表し,
は、A、(CHAr、(CHHet、(CHCN、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHOH、(CHOAまたは(CHNHHetを表し、
【0066】
およびRはまた、それらが結合したN原子と共に、1,3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロジニル、ピペラジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
、Rは、それぞれ、互いに独立して (CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
【0067】
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルもしくはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/もしくは(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
【0068】
Arは、フェニルを表し、それは無置換であるか、A、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
【0069】
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾルイル、オキサゾイル、イソキサゾリル、チアゾイル、ベンゾチアゾイル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾイル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロジニルまたはピペリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
【0070】
Hetは、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾイル、ベンズイミダゾイル、トリアゾルイル、モルホリニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピロジニルまたはピペラジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキル(基中、1〜2個のCH基がO、NHおよび/もしくはNMeにより置換されてもよく、ならびに/または、さらに、1〜5個のH原子がF、OHおよび/またはClにより置換されていてもよく)、
または、
3〜8個のC原子を有する環状アルキル(基中、1〜3個のH原子がOHにより置換されていてもよい)を表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1または2を表し;
【0071】
Iiにおいて、RはH、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
【0072】
は、H、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表し、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−(ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾール−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3−もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1,4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾール−3−イルを表し、
【0073】
およびRは、それらが結合したN原子と共に、1,3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロジニル、ピペラジニル、ピペリジニルまたはモルホリニル、そのそれぞれは、無置換またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されていることも表し、
,Rは、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
【0074】
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルもしくはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または、A、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arは、フェニルを表し、それは無置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
【0075】
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾルイル、オキサゾイル、イソキサゾリル、チアゾイル、ベンゾチアゾイル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾイル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロジニルまたはピペリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、フェニル、A、(CHOH、(CHOA、COOH、COOA、COOベンジル、CN、COA、CHO、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’および/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
Hetは、モルホリニル、ピペリジニルまたはピロジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または=O(カルボニル酸素)により1置換されており、
【0076】
A、A’は、そのそれぞれは、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキル(基中、1〜2個のCH基がO、NHおよび/もしくはNMeにより置換されていてもよく、ならびに/または、さらに、1〜5個のH原子が、F、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよく)、
または、
3〜8個の原子を有する環状アルキル(基中、1〜3個のH原子が、OHにより置換されていてもよい)を表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1または2を表す
化合物ならびに、全ての比でのその混合物を含む、薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物、塩およびその立体異性体に関する。
【0077】
本発明の化合物およびこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen
Chemie(有機化学の方法)、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的文献)に記載されているそれ自体知られている方法により、正確には該反応に対して知られている好適な反応条件のもとで、製造される。本明細書では詳細に触れていないが、それ自体が知られている変法も用いることができる。
【0078】
所望であれば、出発物質の生成をin situで行うことができるところ、この場合には反応混合物から単離する代わりに、本発明の化合物への変換を直ちに行う。
【0079】
出発化合物は一般に知られている。しかし、それらが新規の場合は、それ自体知られている方法により製造することができる。
式Iの化合物は好ましくは、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させることによって得られる。
式IIの化合物において、Lは、F、Cl、Br、Iもしくは遊離または反応性に修飾されたOH基、例えば、活性エステル、1〜6個のC原子を有するイミダゾールまたはアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシまたはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニル−またはp−トルイルスルホニルオキシ)などを表す。式IIの化合物においては、Lは好ましくはClを表す。
【0080】
反応は一般に不活性溶媒中において、酸結合剤、好ましくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩または二炭酸塩、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の弱酸の他の塩、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムまたはセシウム、の存在下行われる。トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリン等の有機塩基の添加も好ましいことがあり得る。
【0081】
LがOHを表す式IIで表される化合物がアミンと反応する場合、カップリング剤は好ましくは反応前および/または反応中に添加され、例えば2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン−1−カルボン酸エチルまたはプロパンホスホニックシクロ無水物である。
【0082】
反応は、当業者に公知の方法により行われる。反応は、はじめは、好適な不活性溶媒中で行われる。
好適な不活性溶媒の例は、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの炭化水素類;トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムまたはジクロロメタンなどの塩素化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)などのグリコールエーテル類;アセトンまたはブタノンなどのケトン類;アセトアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;二硫化炭素;ギ酸または酢酸などのカルボン酸類;ニトロメタンまたはニトロベンゼンなどのニトロ化合物;酢酸エチルなどのエステル類、または前記溶媒の混合物である。
特に好ましい溶媒は、アセトニトリルまたはDMFである。
【0083】
用いる条件に依存して、反応時間は数分間〜14日間であり、反応温度は約0°〜150°、通常は15°〜120°、特に好ましくは50°〜100℃である。
【0084】
式Iの化合物をもう1つの式Iの化合物への変換することが、さらに可能であり、それはラジカルRをもう1つのラジカルRに変換することによるものであり、例えば、ニトロ基のアミノ基への還元、例えば、メタノールまたはエタノール等の不活性溶媒中のラニーニッケルまたはPd/炭素上における水素化、および/またはエステル基のカルボキシル基への変換および/またはアルデヒド基の還元アミノ化によるアルキル化アミンへの変換、および/またはアルコールとの反応によるカルボキシル基のエステル化および/または酸塩化物のアミンとの反応による酸アミドへの変換によるものである。
【0085】
さらに、遊離アミノおよび/または水酸基は酸塩化物または無水物を用いて、慣用の方法でアシル化または無置換もしくは置換アルキルハライドを用いてアルキル化され得、それは有利なことにジクロロメタンまたはTHF等の不活性溶媒中、および/またはトリエチルアミンまたはピリジン等の塩基存在下、−60〜+30°の温度である。
エーテル開裂は当業者により知られた方法で行われる。
【0086】
反応は上述のような適した溶媒中、好ましくは三臭化ホウ素を加えて行われる。
反応は特に好ましくはジクロロメタン中、−30°〜50°の反応温度、通常−20°〜20°、特に約−15°〜約0°で行われる。
【0087】
好適な条件は、さらに式Iの化合物の調製に対し与えられ、式IVの化合物の、例えば、N,N’−ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド等の1,3−ビス(トリアルキルシリル)カルボジイミド(アルキルは好ましくはC1、C2、C3またはC4アルキルを表す)との反応による。
【0088】
式IV
【化4】

の化合物は新規であり、次のように製造される。
【化5】

反応は、
a) A. Franke; Liebigs Annalen der Chemie (1982), (4), 794-804
b) J. Hlavac et al; J. Heterocyclic Chem. (2004), 41(4), 33-636
と類似した手順で行われる。
【0089】
したがって、本発明はまた、式IV
【化6】

式中、
は、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
は、H、A、(CHAr、(CHHet、(CHOH、(CHOA、(CHNHHet、(CHSAまたは(CHCH(OH)Arを表し、
は、A、(CHAr、(CHHet、(CHCN、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHOH、(CHOAまたは(CHNHHetを表し、
【0090】
およびRは、それらが結合したN原子と共に、飽和、不飽和または芳香族の、単環式もしくは二環式複素環を表し、これはさらに1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでもよく、無置換であるか、または、Hal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rは、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
【0091】
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または、A、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arは、無置換であるか、または、A、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
【0092】
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、または、A、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されていてもよく、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1もしくは2置換されていてもよく、
【0093】
A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜3個の非隣接CH基がO、S、SO、SO、NH、NMeもしくはNEtにより置換されていてもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよいもの、Alk、3〜8個のC原子を有する環状アルキルシクロアルキルアルキレンであって、基中、1〜5個のH原子がF、OHおよび/またはClにより置換されていてもよいものを表し、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニルを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0,1,2,3または4を表す、
で表される化合物、およびその塩に関する。
【0094】
式IVで表される化合物であって、式中、
は、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
は、H、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表し、
【0095】
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N、N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1、2、4−トリアゾール−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−(ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾール−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)−ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3−もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1,4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾール−3−イルを表し、
【0096】
およびRはまた、それらが結合するN原子と共に、1,3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルもしくはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rは、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
【0097】
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arはフェニルを表し、これは無置換であるか、またはA、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
【0098】
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または、Hal、フェニル、A、(CHOH、(CHOA、COOH、COOA、COOベンジル、CN、COA、CHO、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’および/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
Hetは、モルホリニル、ピペリジニルまたはピロリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または=O(カルボニル酸素)により1置換されており、
【0099】
A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキル(基中、1〜2個の非隣接CH基はO、NHおよび/もしくはNMeにより置換されていてもよく、ならびに/またはさらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよい)、
または、
3〜8個のC原子を有する環状アルキル(基中、1〜3個のH原子はOHにより置換されていてもよい)を表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1または2を表す、
である前記化合物、およびその塩が好ましい。
【0100】
示されたラジカルの意味および好ましい意味は、式Iの化合物に対して上記に示されたものである。
【0101】
薬学的塩および他の形態
本発明の前述の化合物を、その最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、この化合物を、当該分野において知られている手順により、種々の有機および無機酸類および塩基類から由来し得るその薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、慣用の方法により調製される。好適な塩は、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることにより、生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
【0102】
本発明の化合物のアルミニウム塩は、同様にして包含される。当該化合物を、薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびこれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびこれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することにより、酸付加塩を生成することができる。
【0103】
したがって、本発明の化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、ただしこれは、限定を表すものではない。
【0104】
さらに、本発明の化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、本発明の化合物の塩には、第一、第二および第三アミン類、置換アミン類、天然発生置換アミン類もまた含む、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。
【0105】
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物を、剤、例えば(C〜C)アルキルハライド、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C〜C)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハライド、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C〜C)アルキルハライド、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。本発明の水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて調製することができる。
【0106】
好ましい前述の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。
【0107】
本発明の化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用の方法で塩を生成させることにより、調製する。遊離塩基を、塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することにより、再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、一定の物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、これらの対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のために、当該塩は、他の点では、これらのそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
【0108】
上述のように、本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0109】
本発明の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用の方法で塩の生成を生じることにより、調製する。遊離酸を、塩形態を酸と接触させ、慣用の方法で遊離酸を単離することにより、再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、一定の物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、これらの対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のために、当該塩は、他の点では、これらのそれぞれの遊離酸形態に相当する。
【0110】
本発明の化合物がこの型の薬学的に許容し得る塩を形成し得る1以上の基を含む場合、本発明は多重塩(multiple salts)も包含する。典型的な多重塩の形態は、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、フマル酸塩、ジメグルミン塩、二リン酸塩、二ナトリウム塩および三塩酸塩であるが、これは限定を意図しない。
【0111】
上で述べたことに関して、本関連における表現「薬学的に許容し得る塩」は、特に、この塩形態が活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、本発明の化合物をこの塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが、明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、この活性成分に、初めて、前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を付与することができ、さらに、身体におけるその治療的有効性に関して、この活性成分の薬力学に対する正の影響を有することができる。
【0112】
本発明の化合物はその分子構造ゆえにキラルであり得、したがって様々な鏡像異性体の形態が生じ得る。それらは、したがって、ラセミ体または光学的に活性な形態で存在する。
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬学活性は異なり得るので、鏡像異性体を用いることが所望される。これらの場合、最終生成物、または中間体でさえも、当業者に知られた、またはその合成においてかように採用される化学的または物理的方法により鏡像異性化合物に分離され得る。
【0113】
ラセミアミンの場合、ジアステレオマーが光学活性分割剤との反応による混合物から形成される。適した分割剤の例は、RおよびS型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾ酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適にN−保護されたアミノ酸(例えば、N−ベンゾイルプロリンまたはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または多様な光学活性カンファースルホン酸などの光学的に活性な酸である。また、有利なのは、光学活性分割剤の補助でのクロマトグラフィー鏡像異性体分離である(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、セルローストリアセテートもしくは炭化水素の他の誘導体、またはシリカゲル上に固定化された不斉誘導体メタクリル酸ポリマーである。この目的に適した溶離剤は、例えば、ヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルの例えば比82/15/3などの水性またはアルコール性溶媒混合物である。
【0114】
本発明はさらに、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩の、医薬(医薬組成物)の製造、特に非化学的方法による製造のための使用に関する。これらは、ここで少なくとも1種の固体、液体および/または半液体の賦形剤またはアジュバントと一緒に、必要に応じて、1または2以上のさらなる活性成分と組み合わせて、好適な投与形態に変換可能である。
【0115】
本発明はさらに、本発明の化合物および/またはその薬学的に使用し得る誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにそれらの全ての比率での混合物、任意に賦形剤および/またはアジュバントを含む、医薬に関する。
【0116】
医薬製剤を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で、投与することができる。このような単位は、処置される疾患の状態、投与の方法ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.1mg〜3g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含むことができるか、または医薬製剤を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。好ましい投与単位製剤は、前に示したように、毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性成分のこの対応する部分である。さらに、このタイプの医薬製剤を、薬学分野において周知の方法を用いて製造することができる。
【0117】
医薬製剤を、すべての所望の好適な方法による、例えば経口(口腔内もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(口腔内、舌下もしくは経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与のために適合させることができる。このような製剤を、薬学分野において知られているすべての方法を用いて、例えば活性成分を賦形剤(1種もしくは2種以上)またはアジュバント(1種もしくは2種以上)と混ぜ合わせることにより、製造することができる。
【0118】
経口投与に適合する医薬製剤を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして、投与することができる。
【0119】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。粉末を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、これを同様にして粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することにより、製造する。風味剤、保存剤、分散剤および染料が、同様に存在してもよい。
【0120】
カプセルを、上記のように粉末混合物を調製し、成形したゼラチン殻にこれを充填することにより、製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態において高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に粉末混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に加えて、カプセルを服用した後の医薬の有用性を改善することができる。
【0121】
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどが含まれる。これらの投与形態において用いられる潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、限定されずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。錠剤を、例えば粉末混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることにより、製剤化する。粉末混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および随意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することにより、調製する。
【0122】
粉末混合物を、これを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アカシア粘液またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、これをふるいを通して押圧することにより、顆粒化することができる。顆粒化の代替として、粉末混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、これを崩壊させて、顆粒を形成することができる。顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることにより潤滑化して、錠剤流延型への粘着を防止することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して、錠剤を得る。本発明の化合物をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮工程を行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。染料をこれらのコーティングに加えて、異なる投与単位間を区別することができるようにすることができる。
【0123】
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投与単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適な風味剤と共に溶解することにより調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることにより、処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
【0124】
経口投与用の投与単位製剤は、所望により、マイクロカプセル内に封入することができる。製剤はまた、例えば粒子状材料をコーティングするか、ポリマー、ワックスなどに包埋させるなどして、その開放が延長されるかまたは遅延されるように調製することもできる。
【0125】
本発明の化合物および/またはその薬学的に許容し得る誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにそれらの全ての比率での混合物、任意に賦形剤および/またはアジュバントおよびその塩、溶媒和物、および生理学的な官能性誘導体を、リポソーム送達系、例えば小さい単層ベシクル(unilamellar
vesicles)、大きい単層ベシクルおよび多層ベシクル(multilamellar vesicles)の形態で投与することもできる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成することができる。
【0126】
本発明の化合物およびその塩、溶媒和物およびこれらの生理学的な官能性誘導体をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。化合物をまた、標的とする医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。このようなポリマーは、パルミトイル基により置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリシンを包含することができる。化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性のブロックコポリマーに結合することができる。
【0127】
経皮的投与用に適合する医薬製剤を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、総括的にPharmaceutical
Research, 3(6), 318 (1986)に記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
【0128】
局所的投与用に適合する医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として製剤化することができる。
【0129】
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、製剤を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための製剤の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を製剤化して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
【0130】
眼への局所的適用に適合する医薬製剤には点眼剤が含まれ、ここで、活性成分を、好適な担体、特に水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させる。
【0131】
口における局所的適用に適合する医薬製剤は、ロゼンジ、パステル剤および洗口剤を包含する。
直腸内投与に適合する医薬製剤を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
【0132】
担体物質が固体である鼻腔内投与に適合する医薬製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗粉末を含み、これを、嗅ぎタバコを服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した粉末を含む容器からの鼻孔を介しての迅速な吸入により、投与する。担体物質としての液体を有する、鼻腔内スプレーまたは鼻腔内ドロップとしての投与に適する製剤は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
【0133】
吸入による投与に適合する医薬製剤は、微細な粒子状ダストまたはミストを包含し、これは、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーにより作成し得る。
膣内投与に適合する医薬製剤を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー製剤として投与することができる。
【0134】
非経口投与に適合する医薬製剤には、製剤が処置されるべきレシピエントの血液と等張になるような、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液;ならびに懸濁媒体および増粘剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁液が含まれる。製剤を、単一用量または多重用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与し、凍結乾燥した(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵し、したがって使用の直前の、無菌の担体液体、例えば注射目的での水の添加のみが必要であるようにすることができる。
処方箋に従い製造する注射溶液および懸濁液を、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0135】
上で特定的に述べた構成成分に加えて、製剤はまた、製剤の特定のタイプに関して当該分野において通例の他の剤を含むことができることは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する製剤は、風味剤を含んでいてもよい。
【0136】
本発明の化合物の治療有効量は、例えば、ヒトまたは動物の年齢および体重、処置が必要である正確な疾患状態、およびその重篤度、製剤の性質および投与の方法を含む多くの要因に依存し、最終的には、処置する医師または獣医師により決定される。しかし、本発明の化合物の有効量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳類)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳類についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日あたり個別の用量として、または通常には1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分または6回分)において投与し、したがって合計の毎日の用量が同一であるようにすることができる。この塩または溶媒和物または生理学的な官能性誘導体の有効量を、本発明の化合物自体の有効量の比として決定することができる。同様の用量が、前述の他の状態の処置に適すると、推測することができる。
【0137】
本発明はさらに、本発明の少なくとも1種の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、およびそれらのすべての比率での混合物、ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む医薬に関する。
【0138】
さらなる医薬活性成分は、好ましくは化学療法剤であり、特に、血管形成を阻害するもの、したがって腫瘍細胞の増殖および広がりを阻害するものである;本明細書において好ましいのは、VEGF受容体を対象とするロボザイムおよびアンチセンスを含むVEGF受容体阻害剤、およびアンギオスタチンおよびエンドスタチンである。
【0139】
本発明の化合物と組み合わせて用いることのできる抗悪性腫瘍薬の例は、一般に、アルキル化剤、代謝拮抗物質;エピドフィロトキシン;抗悪性腫瘍酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロンまたはプラチナ配位錯体を含む。
【0140】
抗悪性腫瘍薬は好ましくは以下のクラスから選択する:アントラサイクリン、ビンカ薬物、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞毒性ヌクレオシド、エポチロン、ジスコデルモリド、プテリジン、ジイネン、およびポドフィロトキシン。
前記のクラスにおいて特に好ましいのは、例えば、カルミノマイシン、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、マイトマイシンC,ポルフィロマイシン、5−フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、シタラビン、5−アザシチジン、チオグアニン、アザチオプリン、アデノシン、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、クラドリビン、6−メルカプトプリン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド、ポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、リン酸エトポシドまたはテニポシド、メルファラン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、ロイロシジン、ビンデシン、ロイロシン、ドセタキセルおよびパクリタキセルである。他の好ましい抗悪性腫瘍薬は、ジスコデルモリド、エポチロンD、エストラムスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ゲムシタビン、イフォスアミド(ifosamide)、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、イダトレキセート、トリメトレキセート、ダカルバジン、L−アルパラギナーゼ、カンプトテシン、CPT−11、トプテカン、アラビノシルシトシン、ビカルタミド、フルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロンおよびインターロイキンの群から選択される。
【0141】
本発明はまた、
(a)本発明の化合物および/または、この薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにそれらの全ての比率での混合物の有効量、
および
(b)さらなる医薬活性成分の有効量、
の個別のパックからなるセット(キット)に関する。
【0142】
このセットは、好適な容器、例えば箱、個別のビン、袋またはアンプルを含む。このセットは、例えば、個別のアンプルを含むことができ、その各々は、本発明の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにそれらの全ての比率での混合物の有効量、ならびに、溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、さらなる医薬活性成分の有効量を含む。
【0143】
使用
本発明の化合物は、HSP90が関与する疾患の処置における、哺乳類のための、特にヒトのための医薬活性成分として好適である。
したがって、本発明は、本発明の化合物およびその薬学的に使用し得る誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにそれらの全ての比率での混合物の、HSP90の阻害、調節および/または調整が関与する疾患の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
【0144】
本発明は、本発明の化合物およびその薬学的に使用し得る誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにそれらの全ての比率での混合物の使用であって、以下の疾患の処置のための、医薬の製造のための前記使用を包含する:腫瘍疾患、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、頸部癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、およびH鎖病;
【0145】
ウイルス疾患、ここでウイルス病原体は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒトI型免疫不全ウイルス(HIV−I)およびヒトII型免疫不全ウイルス(HIV−II)からなる群から選択されるものであり;
移植における免疫抑制のため;炎症誘発性疾患、例えば関節リューマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、紅斑性狼瘡(エリテマトーデス)、乾癬、炎症性腸疾患;嚢胞性線維症;脈管形成が関与する疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症、腫瘍脈管形成;感染症;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進;線維形成疾患、例えば硬腫、多発性筋炎、全身性狼瘡、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎、および肺線維症。
【0146】
本発明の化合物は、特に、癌の増殖、腫瘍細胞および腫瘍転移を阻害することができ、したがって腫瘍治療に好適である。
【0147】
本発明はさらに、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、化学療法による毒性に対する正常細胞の保護のための、誤ったタンパク質の折りたたみまたは凝固が主要な原因因子である疾患、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病の処置のための、医薬の製造のための使用を包含する。
【0148】
本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、中枢神経系の疾患、循環器疾患および悪液質の処置のための、医薬の製造のための使用に関する。
【0149】
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、HSP90調節のための医薬の製造のための使用に関し、ここで、調節された生物学的HSP90活性は、個人における免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養失調からの回復、熱ストレスからの回復、またはこれらの組合せを引き起こし、および/またはここで、疾病は、癌の種類、感染症、小胞体からのタンパク質輸送の破壊に関連する疾患、虚血/再かん流に関連する疾患、またはこれらの組合せであり、ここで、虚血/再かん流に関連する疾患は、以下の結果によるものである:心停止、アジストリー、および遅延性心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄損傷、頭部損傷、卒中、血栓塞栓発作、出血発作、脳血管けいれん、低血圧、低血糖、てんかん重積、てんかん発作、不安神経症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性軸索硬化症(ALS)または新生児ストレス。
【0150】
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、心停止、アジストリー、および遅延性心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄損傷、頭部損傷、卒中、血栓塞栓発作、出血発作、脳血管けいれん、低血圧、低血糖、てんかん重積、てんかん発作、不安神経症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性軸索硬化症(ALS)または新生児ストレスの結果としての虚血の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
【0151】
HSP90阻害剤の測定のための試験方法
ゲルダナマイシンまたは17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)のHSP90への結合、およびその競合的阻害は、本発明の化合物の阻害活性を決定するために利用可能である(Carreras
et al. 2003, Chiosis et al. 2002)。特定の場合においては、放射性リガンドフィルタ結合試験を用いる。ここで用いる放射性リガンドは、トリチウム標識17−アリルアミノゲルダナマイシン、[3H]17AAGである。このフィルタ結合試験により、ATP結合部位を妨害する阻害剤を標的とした探索が可能となる。
【0152】
材料
組換えヒトHSP90α(大腸菌発現、95%純度);
[3H]17AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、[アリルアミノ−2,3−H.特異的活性:1.11×1012Bq/mmol(Moravek,
MT-1717);
HEPESフィルタ緩衝液(50mMのHEPES、pH7.0、5mMのMgCl、BSA0.01%)
マルチスクリーンFB(1μm)フィルタプレート(Milipore, MAFBNOB 50)。
【0153】
方法
96ウェルマイクロタイターフィルタプレートを最初に洗浄し、0.1%のポリエチレンイミンで被覆する。試験は次の条件下で行う:
反応温度22℃
反応時間:30分、800rpmにて振とう
試験容積:50μl
最終濃度:
50mMのHEPES HCl、pH7.0、5mMのMgCl、0.01%(w/v)BSA
HSP90:1.5μg/アッセイ
[3H]17AAG:0.08μM。
【0154】
反応の最後に、フィルタプレートの上清を真空マニホールド(Multiscreen Separation System, Millipore)の支援により吸引して除去し、フィルタを2回洗浄する。フィルタプレートを次にシンチレーター(Microscint
20, Packard)付きベータカウンター(Microbeta, Wallac)で測定する。
「対照の%」は、「1分あたりの計測数」の値から決定し、化合物のIC50値はこれから計算する。
【0155】
表1
いくつかの代表的な、本発明の式Iの化合物によるHSP90の阻害
【0156】
【表9】

【0157】
【表10】

【0158】
【表11】

【0159】
本明細書中、すべての温度は℃で示す。以下の例において、「慣用のワークアップ」は以下のことを意味する:必要に応じて水を加え、pHを必要に応じて、最終生成物の構成に依存して2〜10の値に調整し、混合物を、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、および/または結晶化により精製する。シリカゲル上でのRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール9:1。
【0160】
LC−MS条件
Hewlett Packard SystemのHP1100シリーズは以下の特徴を有する:イオン源:エレクトロスプレー(陽モード);スキャン:100〜1000m/e;断片化電圧:60V;気体温度:300℃、DAD:220nm。
流速:2.4ml/分。用いたスプリッターは、MS用の流速をDAD後に0.75ml/分に低下させた。
カラム:Chromolith SpeedROD RP-18e 50-4.6
溶媒:Merck KGaAのLiChrosolvグレード
溶媒A:HO(TFAの0.01%)
溶媒B:ACN(TFAの0.008%)
勾配:
20%のB→100%のB:0分〜2.8分
100%のB:2.8分〜3.3分
100%のB→20%のB:3.3分〜4分
以下の例に示す保持時間RまたはR[分]およびM+HデータMWは、LC−MS測定の測定結果である。
【0161】
例1
2−アミノ−4−メチルカルバモイルキナゾリンの調製(”A1”)
1.1 200mlのメタノールを37.1mlのナトリウムメトキサイド(メタノール中30%溶液)に加え、19.1gの塩化グアニジンを氷冷し部分に分けて加える。混合物を室温でさらに1時間撹拌する。沈殿した塩化ナトリウムを分離して除く。濾液をエバポレーションして残った溶液を除去し、遊離グアニジウム塩基を油として得る。22.1gの(2−アミノフェニル)オキソ酢酸カリウム塩を油状塩基に加え、混合物を135°で4時間撹拌する。混合物を冷却し、水で希釈し、酸性化し、慣用のワークアップを行い、8.8gの2−アミノ−4−カルボキシキナゾリンを得る;
【数1】

【0162】
1.2 100mgの2−アミノ−4−カルボキシキナゾリンおよび261.6mgの2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン−1−カルボン酸エチルを5mlのアセトニトリル中に懸濁し、146.6μlのトリエチルアミンを加えた。53.6mgのメチルアンモニウムクロライドを加え、混合物を80°(浴槽温度)で16時間撹拌する。混合物を冷却し、溶媒を除去し、生成物をRPフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。(Isco
Compamion(登録商標));
収量:39.0mgの”A1”;
【数2】

【0163】
以下の化合物を同様に得た。
【表12】

【0164】
【表13】

【0165】
【表14】

【0166】
【表15】

【0167】
【表16】

【0168】
【表17】

【0169】
【表18】

【0170】
【表19】

【0171】
【表20】

【0172】
【表21】

【0173】
【表22】

【0174】
【表23】

【0175】
【表24】

【0176】
【表25】

【0177】
例2
2−アミノ−4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イルカルボニル)キナゾリンの調製(”A17”)
68.76μlのクロロギ酸イソブチルおよび63.76μlの4−メチルモルホリンを2mlのDMF中の100mgの2−アミノ−4−カルボキシキナゾリン溶液に加える。混合物を室温で30分撹拌し、50.66mgの3−ヒドロキシピロリジンを加え、混合物をさらに30分間撹拌する。慣用のワークアップにより55.7mgの”A17”を得る;Rt
0.797; M+H+ 259.28。
以下の化合物を同様に得た。
【0178】
【表26】

【0179】
例3
2−アミノ−6−メチル−4−(5−メトキシ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンの調製 (”A92”)
2mlのアセトン中56.6mgの”A91”、11μlのヨードメタンおよび48.8mgの炭酸カリウムを16時間撹拌する。溶媒は除かれ、残渣は1のDMSO中に溶解され、HPLCにより精製、19mgの”A92”を生じる;Rt
1.590; M+H+ 335.38。
類似の手順により次の化合物を得る。
2−アミノ−6−メチル−4−(5−エトキシ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A93”);Rt 1.772; M+H+
349.41;
2−アミノ−6−メチル−4−(5−イソプロポキシ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン (”A94”); Rt 1.876; M+H+
363.43;
【0180】
例4
2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンの調製(”A130”)
4.1 5−ヨード−2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロインドール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化7】

50gの5−ヨード−1H−インドール−2,3−ジオンを500mlのTHF中に溶解し、10℃に冷却、そして43.97gの二炭酸ジ−tert−ブチルを加える。混合物は23℃で16時間攪拌し、連続して減圧中乾燥までエバポレーションする。残渣を石油エーテルおよびTHFに溶かし、−20℃で結晶化する。こうして得られた黄色固体はろ過し、30℃で乾燥棚中乾燥する。収量:62.41gの5−ヨード−2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロインドール−1−カルボン酸tert−ブチル;
保持時間LC−MS 2.113分。
【0181】
4.2 {2−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソアセチル]−4−ヨードフェニル}カルバミン酸tert−ブチル
【化8】

62.41gの5−ヨード−2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロインドール−1−カルボン酸tert−ブチルを乾燥THFに溶解し、18.98mlのイソインドリンを加える。混合物は25℃で30分、減圧中エバポレーションし、残渣は石油エーテルで粉末化し、ろ過により82.3gの{2−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソアセチル]−4−ヨードフェニル}カルバミン酸tert−ブチル(ベージュ色固体)を得る;
保持時間LC−MS:2.63分;
【数3】

【0182】
4.3
【化9】

24.50gの{2−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソアセチル]−4−ヨードフェニル}カルバミン酸tert−ブチルを500mlのアセトニトリル中でアルゴン下において溶解する。0.756gのフッ化セシウムを加え、その溶液に16.887mlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを5分にわたり滴下で加える。混合物は室温で15分間攪拌、400mlのジクロロメタンを加える。400mlの塩酸(1N)の追加後、生成物は白色固体として析出する。収量:14gの”A130”;
保持時間 LC−MS:1.655分;
【数4】

【0183】
例5
2−アミノ−6−フェニル−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”131”)の調製[スズキカップリング]
160mgの”A130”、56.24mgのベンゼンボロン酸、2mlのエチレングリコールジメチルエーテル、22.21mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、106.25mgの炭酸カリウムおよび50μlの水の混合物を120°でアルゴン雰囲気下で30分間、マイクロ波にて照射する。混合物を水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。抽出物を乾燥し、溶媒を除去する。残渣を1mlのDMSO中に溶解し、HPLCによりクロマトグラフにかけ、10mgの”A131”を生成する;
【数5】

【0184】
以下の化合物を同様に得た。
【表27】

【0185】
例6
2−アミノ−6−ブロモ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンの調製(”A137”)
1.09gのフッ化セシウムを5ml乾燥THF中の800mgの1−(2−BOC−アミノ−5−ブロモフェニル)−2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)エタン−1,2−ジオンに加える。1mlのTHF中の0.813mlのN,N’−ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド溶液をその後10分にわたり滴下して加え、混合物を室温で1時間アルゴン雰囲気下攪拌する。混合物を水中に注ぎジクロロメタンで抽出する。抽出物を乾燥し、溶媒を除去して、302mgの”A137”を生成する。
【0186】
以下の化合物を同様に得た。
【表28】

【0187】
例7
2−アミノ−6−(ブチルメチルカルバモイル)−4−ジエチルカルバモイルキナゾリン(”A139”)の調製
以下を30バール、130°でオートクレーブ中で反応させた:
100mgの2−アミノ−6−ブロモ−4−ジエチルカルバモイルキナゾリン、30mlの1,4−ジオキサン、7mlの一酸化炭素、10mgの(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)、50mgのN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンおよび80mgのN−メチルブチルアミン。
反応後、溶媒を除去し、残渣をRPフラッシュクロマトグラフィー(Isco Companion(登録商標))にかけ、連続して凍結乾燥し、42.4mgの”A139”を生じる。
【化10】

【0188】
以下の化合物を同様に得た。
【表29】

【0189】
例8
2−アミノ−6−((E)−2−メトキシカルボニルビニル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A142”)の調製
562mgの”A130”、122.3μlのアクリル酸メチル、374.3μlのトリエチルアミン、15.15mgの酢酸パラジウム(II)、20.55mgのトリス−o−トルイルアミンおよび4mlのアセトニトリルの混合物を120°で30分アルゴン雰囲気下マイクロ波中で照射する。混合物を水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。抽出物を乾燥し、溶媒を除去する。残渣を少量のアセトニトリル中に溶かし、生成物は超音波照射するとすぐ析出し、196.5mgの”A142”を生成する。
【化11】

【0190】
THF中の”A142”のパラジウム/活性炭素を用いた水素化により、化合物2−アミノ−6−(2−メトキシカルボニルエチル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A143”)を生じる;Rt
1.615; M+H+ 377.42;
そしてそのエステル加水分解により
化合物2−アミノ−6−(2−カルボキシエチル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A143a”)を生じる;Rt
1.399; M+H+ 363.39。
【0191】
標準条件下の”A142”のエステル加水分解は、化合物(E)−3−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]アクリル酸(”A142a”)を生じる;Rt
(polar) 1.499; M+H+ 361.37
【化12】

【0192】
以下の化合物を同様に得た。
【表30】

【0193】
例9
2−アミノ−6−(3−トリメチルシラニルプロパ−1−イニル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A146”)の調製
100mgの“A130”、42.98μlのトリメチルプロパ−2−イニルシラン、3.37mgのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド、1.82mgのヨウ化銅(I)、0.16mlのトリエチルアミンおよび0.5mlのDMF混合物を室温で30分間アルゴン雰囲気下攪拌する。1mlのアセトニトリルを加え、混合物をプレパラティブHPLCによりクロマトグラフィーを行い、18mgの“A146”を生じる。;Rt
2.441; M+H+ 401.56.
【0194】
トリメチルシリル基は、2mlのTHFおよび4.47μlのKOH(47%)中、15mgの“A146”を攪拌することにより、切断脱離する。混合物を水に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出する。慣用のワークアップにより12mgの2−アミノ−6−(プロパ−1−イニル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A147”)を生じる。
【化13】

【0195】
以下の化合物を同様に得た。
【表31】

式Ia、Ib、IcおよびIdで表される次の化合物を、例1または例4と同様に得る。(表1〜4)
【0196】
表1
式Iaで表される化合物
【表32】

【0197】
【表33】

【0198】
【表34】

【0199】
【表35】

【0200】
【表36】

【0201】
【表37】

【0202】
【表38】

【0203】
【表39】

【0204】
【表40】

【0205】
【表41】

【0206】
【表42】

【0207】
【表43】

【0208】
【表44】

【0209】
【表45】

【0210】
【表46】

【0211】
表2
式Ibで表される化合物
【表47】

【0212】
【表48】

【0213】
【表49】

【0214】
【表50】

【0215】
【表51】

【0216】
【表52】

【0217】
【表53】

【0218】
【表54】

【0219】
【表55】

【0220】
【表56】

【0221】
【表57】

【0222】
【表58】

【0223】
【表59】

【0224】
【表60】

【0225】
表3
式Icで表される化合物
【表61】

【0226】
【表62】

【0227】
【表63】

【0228】
【表64】

【0229】
【表65】

【0230】
【表66】

【0231】
【表67】

【0232】
【表68】

【0233】
【表69】

【0234】
【表70】

【0235】
【表71】

【0236】
【表72】

【0237】
【表73】

【0238】
【表74】

【0239】
表4
式Idで表される化合物
【表75】

【0240】
【表76】

【0241】
【表77】

【0242】
【表78】

【0243】
【表79】

【0244】
【表80】

【0245】
【表81】

【0246】
【表82】

【0247】
【表83】

【0248】
【表84】

【0249】
【表85】

【0250】
【表86】

【0251】
【表87】

【0252】
【表88】

【0253】
例10
例5と類似の手順により次の化合物を得る
【表89】

【0254】
【表90】

【0255】
【表91】

【0256】
【表92】

【0257】
【表93】

【0258】
例11
2−アミノ−6−(2−ピペラジン−1−イルメチルフェニル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A926”)の調製[還元アミノ化]
アルデヒド“A969”を、マグネティックスターラーを備えた反応容器中、1mlの1,2−ジクロロエタンおよび1mlのTHF中に溶解し、ピペラジンを加え、氷酢酸を加え、そして混合物を室温で0.5時間攪拌する。ナトリウムトリアセトオキシホウ化水素をその後加え、混合物をさらに3時間室温で攪拌する。反応混合物を連続して水に注ぎ、CHClで抽出、併せた有機相を乾燥、ろ過し、そして溶媒を除去する。残渣を1mlのDMSO中に溶解し、そしてプレパラティブHPLC(Agilent)によりクロマトグラフする。明確なフラクションを取得、連続してエバポレーション、凍結乾燥して、“A926”を生じる;Rt
[min] HPLC method polar: 1.463; M+H+ 465.57。
【0259】
以下の化合物を同様に得た。
【表94】

【0260】
例12
標準条件下”A918”の還元により化合物”A936”を生じる、
Rt [min] HPLC method polar: 1.435; M+H+ 396.47;
【化14】

【数6】

【0261】
例13
”A130”の、対応するアミンまたはアルコールとの反応および水中でマイクロ波中照射、そして連続したHPLCによる生成により、次の化合物を生じる。
”A130”のアミンとの反応の場合、酸化銅(II)、シュウ酸ビス(シクロヘキシリデンヒドラジン)、水酸化カリウム溶液およびテトラ−n−ブチル臭化アンモニウムが、好ましくは反応の間加えられる。

”A130”のアルコールとの反応の場合、ヨウ化銅(I)、ジメチルアミノ酢酸および炭酸セシウムが好ましくは反応の間加えられ、反応は好ましくはジオキサン中で行われる。
【0262】
【表95】

【0263】
【表96】

【0264】
【表97】

【0265】
【表98】

【0266】
例14
化合物2−アミノ−7−クロロ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A952“)を例4.3と同様の手順で得る
【化15】

反応時間LC−MS:1.909分(”勾配極性”法);収量:140mg(40%)。
【0267】
以下の化合物を同様に得た。
【表99】

【0268】
【表100】

【0269】
例15
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシプロパ−1−イニル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A964”)の調製
【化16】

3mlのトリエチルアミン、368.7μlの2−プロピン−1−オール、36.6mgのヨウ化銅(I)および67.5mgのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(15.2%のパラジウム)をアルゴン下3mlのDMF中、2gの2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン溶液に加える。混合物を室温で48時間攪拌し、100mlのDCMを加え、そして混合物に何度か水性抽出を行う。有機相を乾燥し、ロータリエバポレーター中で減圧下乾燥までエバポレーションする。少量のACNを得た残渣に加え、その間黄色固体が析出する。ろ過および乾燥(40℃で乾燥棚)により1.3gの”A964”が生じる。
保持時間LC−MS1.502分(“勾配極性”法);
【数7】

【0270】
以下の化合物を同様に得た。
【表101】

【0271】
例16
[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)−キナゾリン−6−イル]プロピナール(”A965”)の調製
【化17】

860mgの2−アミノ−6−(3−ヒドロキシプロパ−1−イニル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンを2mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、1.736gの酸化マンガン(IV)の付加後、室温で16時間攪拌する。さらに434mgの酸化マンガン(IV)を加えた後、混合物をさらに12時間攪拌し、珪藻土を通してろ過し、ろ液を乾燥までエバポレーションする。真空中乾燥し、402mgの“A965”を生じる。
【0272】
例17
5−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−3H−1,2,3−トリアゾール−4−カルバルデヒド(“A966”)の調製
【化18】

402mgの”A965”を0.5mlのDMSO中に溶解する。0.5mlのDMSO中の84mgのアジ化ナトリウム溶液をこの溶液に加え、混合物を室温で30分間攪拌する。溶液をその後15%KHPO溶液(5ml)に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテルで抽出する。有機相をエバポレーションする。収量:150mgの”A966”。
【0273】
例18
[2−アミノ−6−(5−メチルアミノメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)メタノン(“A967”)の調製
【化19】

60mgの”A966”を0.5mlの1,2−ジクロロエタンおよび0.5mlのTHF中に溶解する。0.156mlのメチルアミン(THF中2M)、8.9μlの氷酢酸をこの溶液に加え、混合物を50℃で6時間攪拌する。混合物が室温まで冷えた後、43mgの水素化トリアセトキシホウ化ナトリウムを加え、混合物を室温で16時間攪拌する。反応混合物を連続して水中に注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出、併せた有機相を乾燥、ろ過し、乾燥までエバポレーションする。
シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、”A967”が生じる;収量10mg;
反応時間 LC−MS:1.182分(”勾配極性”法);
【数8】

【0274】
例19
[2−アミノ−6−(5−ヒドロキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A968”)の調製
【化20】

60mgの”A966”を1mlのテトラヒドロフランに溶解する。43mgの水素化トリアセトキシホウ化ナトリウムをこの溶液に加え、混合物を室温で16時間攪拌する。反応混合物を連続して水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出、併せた有機相を乾燥、ろ過し、乾燥までエバポレーションする。シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、”A968”を生じる;収量:2.1mg;
反応時間 LC−MS:1.320分(”勾配極性”法)。
【0275】
例20
2−[−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンズアルデヒド(”A969”)の調製
【化21】

1gの”A130”を10mlのエタノール中に溶解する。468.3mgのホウ酸2−ホルミルフェニル、664mgの炭酸カリウム、58.9mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)および3mlの水を混合物に加え、そして混合物は130℃で30分アルゴン下加熱する。この時間中、沈殿が形成し、それをろ過し、50℃で12時間乾燥棚内で乾燥する。形成した生成物はさらなる精製なしに、さらに反応に用いる。収量:910mgの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンズアルデヒド(”A969”);反応時間 LC−MS:1.863分(”勾配分極”法)。
【0276】
例21
{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A970”)の調製
【化22】

60mgの”A969”を1mlの1,2−ジクロロエタンおよび1mlのテトラヒドロフラン、18.6μlの1−メチルピペラジンおよび8.7μlの氷酢酸に加え、混合物は25℃で30分間攪拌する。42mgの水素化トリアセトオキシホウ化ナトリウムをその後加え、混合物を25℃でさらに3時間攪拌する。混合物を水に加え、ジクロロメタンで3回抽出、併せた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過後、ろ液を乾燥までエバポレーションし、そしてクロマトグラフィーで精製する。(逆相HPLC)
収量:27mg(37%)の”A970”;
保持時間 LC−MS:1.478分(”勾配極性”法);
【数9】

【0277】
類似の手順により次の化合物を得る
【表102】

【0278】
【表103】

【0279】
【表104】

【0280】
例22
{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(“A980”)の調製
22.1 前駆体の調製
前駆体[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンの調製
【化23】

8gの”A130”を100mlのジメチルスルホキシドにアルゴン雰囲気下で溶解する。5.37gのビス(ピナコレート)ジボラン、6.414gの酢酸カリウムおよび785mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)をこの溶液に加え、混合物を80℃で60分間加熱する。混合物を冷却後、250mlのジエチルエーテルを加え、混合物を4回、各回100mlの水に対し抽出を行う。合わせた有機相は、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を赤色油が現れるまでエバポレーションする。この油をアセトニトリルで粉末化し、淡いベージュ色結晶を生じる。吸引フィルターを通じたろ過および40℃で真空中乾燥し、生成物を生じる。沈殿はここで形成し、それをろ過、および50℃で12時間乾燥棚内において乾燥する。形成した生成物をさらなる精製なしにさらに反応に用いる。
収量:3.4gの[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン;
保持時間 LC−MS:2.077分(”勾配分極”法)。
【0281】
22.2
【化24】

150mgの[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンを3mlのエタノール中アルゴン雰囲気下溶解する。115mgの1−(2−ブロモベンゼンスルホニル)−4−メチルピペラジン、0.1gの炭酸カリウム、1mlの水および14.7mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)をこの溶液に加え、混合物を80℃で30分間加熱する。高温の混合物を吸引しつつ珪藻土を通じろ過、ろ液をエバポレーションする。得られた残渣を3.8mlのACNに溶解し、クロマトグラフィーにより逆相カラムで分離する。
収量:62mgの{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A980”);
保持時間 LC−MS:1.574分(”勾配極性”法);
【数10】

【0282】
以下の化合物を同様に得た。
【表105】

【0283】
【表106】

【0284】
例23
{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A983”)の調製
23.1 前駆体2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸(“A304”)の調製
【化25】

266mgの2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル、399mgの炭酸カリウム、3mlの水および17.7mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を10mlエタノール中の300mgの2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”A130”)溶液にアルゴン下で加えた。混合物を120℃で30分加熱し、その間に透明な溶液が形成する。それを高温の間に珪藻土を通じ、ろ過する。冷却後すぐ、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸エチルが析出する。(保持時間 LC−MS:2.056分;”勾配分極”法)。結晶を10mlの水酸化ナトリウム溶液(2N)に溶解し、そして25℃で12時間攪拌する。混合物を3回、各回10mlのジエチルエーテルで抽出し、水相をpH7に調製し、混合物を各回10mlのジエチルエーテルで再抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、ろ液を真空中乾燥までエバポレーションする。
収量:180mgの”A304”;
保持時間 LC−MS:1.707分(”勾配分極”法);
【数11】

【0285】
23.2
【化26】

98.6mgのo−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、82.9μlの1−メチルピペラジンおよび140.7μlの4−メチルモルホリンを1mlのジメチルホルムアミド中の90mgの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸溶液に加える。混合物を連続して25℃で12時間攪拌する。混合物を真空中乾燥までエバポレーションし、残渣を1mlのジメチルスルホキシド中に溶かし、クロマトグラフィーで精製する(逆相HPLC)。
収量:48mgの{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A983”);
保持時間 LC−MS:1.432分(”勾配極性”法);
【数12】

【0286】
以下の化合物を同様に得た。
【表107】

【0287】
例24
{2−アミノ−6−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A986”)の調製
【0288】
24.1 前駆体[2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A355”)の調製
【化27】

39.8mgの2−ヒドロキシベンゼンホウ酸、100mgの炭酸カリウム、4.2μlの水および9.8mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフイノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)をアルゴン下、3mlのエタノール中の、100mgの2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン溶液に加える。混合物を80℃で12時間加熱する。混合物は真空中乾燥までエバポレーションされ、残渣は1mlのジメチルスルホキシドに溶かし、そしてクロマトグラフィーにより精製する(逆相HPLC)。
収量:20mgの[2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(”A335”);
保持時間 LC−MS:1.817分(”勾配極性”法);
【数13】

【0289】
24.2
【化28】

41.4mgの(2−クロロエチル)ジメチルアミン(塩酸)および170.4mgの炭酸セシウムを5mlのアセトニトリル中の100mgの[2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン溶液に加える。混合物は80℃で1時間加熱、沈殿をろ過して除き、ろ液を連続して真空中乾燥までエバポレーションし、残渣を1mlのジメチルスルホキシド中に溶かし、クロマトグラフィーにより精製する(逆相HPLC)。
収量:68mgの{2−アミノ−6−[2−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン (”A986”);
保持時間 LC−MS:1.567分(”勾配分極”法);
【数14】

【0290】
以下の化合物を同様に得た。
【表108】

【0291】
例25
2−アミノ−6−(2−カルボキシエチル)−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリン(”143a”)と対応するアミンの反応により、次の化合物を生じる。
【表109】

【0292】
以下の例は、医薬組成物に関する。
【0293】
例A:注射バイアル
100gの本発明の活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3Lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
例B:座剤
20gの本発明の活性成分と100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0294】
例C:溶液
1gの本発明の活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1Lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
例D:軟膏
500mgの本発明の活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0295】
例E:錠剤
1kgの本発明の活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
例F:糖衣錠
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0296】
例G:カプセル
2kgの本発明の活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に、慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
例H:アンプル
1kgの本発明の活性成分を60Lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
は、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
は、H、A、(CHAr、(CHHet、(CHOH、(CHOA、(CHNHHet、(CHSAまたは(CHCH(OH)Arを表し、
は、A、(CHAr、(CHHet、(CHCN、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHOH、(CHOAまたは(CHNHHetを表し、
およびRはまた、それらが結合するN原子と共に、飽和、不飽和または芳香族の、単環式または二環式複素環を表し、これは、さらに1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでもよく、無置換であるか、またはHal、A、(CH)nOH、(CH)nOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rは、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arは、無置換であるか、またはA、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、またはA、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されていてもよく、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、もしくはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1もしくは2置換されていてもよく、
A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜3個の非隣接CH基がO、S、SO、SO、NH、NMeもしくはNEtにより置換されていてもよく、および/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよいもの、Alk、3〜8個のC原子を有する環状アルキルまたはシクロアルキルアルキレンであって、基中、1〜5個のH原子がF、OHおよび/またはClにより置換されていてもよいものを表し、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニルを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1、2、3または4を表す、
で表される化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項2】
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロリジニルもしくはピペリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、もしくは、A、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されている、
請求項1に記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項3】
Hetが、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾルリル、モルホリニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピロジニルまたはピペラジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/もしくは=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されている、
請求項1または2に記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項4】
A、A’が、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜2個のCH基がO、NHおよび/もしくはNMeで置換されてもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよいもの、
または、
3〜8個のC原子を有する環状アルキルであって、基中、1〜3個のH原子がOHにより置換されいてもよいものを表す
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項5】
nが、0、1または2を表す、
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項6】
およびRが、それらが結合したN原子と共に、1、3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニルまたはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されている、
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項7】
が、H、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表す、
請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項8】
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1,2,4−トリアゾ−ル−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−(ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾ−ル−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3−もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1,4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾ−ル−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル,、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾ−ル−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾ−ル−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾ−ル−3−イルを表す、
請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項9】
が、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
が、H、A、(CHAr、(CHHet、(CHOH、(CHOA、(CHNHHet、(CHSAまたは(CHCH(OH)Arを表し、
が、A、(CHAr、(CHHet、(CHCN、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHOH、(CHOAまたは(CHNHHetを表し、
およびRがまた、それらが結合するN原子と共に、1,3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロリジニル、ピペラジニルまたはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、および/もしくは=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rが、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
Arが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arが、無置換であるか、またはA、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロリジニルもしくはピペリジニルを表し、そのそれぞれは無置換であるか、またはA、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/ならびに=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
Hetが、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリル、モルホリニル、ピリミジニル、ピペリジニル、ピロリジニルもしくはピペラジニルを表し、そのそれぞれは無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
A、A’が、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜2個のCH基がO、NHおよび/ならびにNMeにより置換されていてもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されてよいもの、
または
3〜8個のC原子を有する環状アルキルであって、基中、1〜3個のH原子がOHにより置換されていてもよいものを表し、
mが、0、1または2を表し、
nが、0、1または2を表す、
請求項1〜8のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項10】
が、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
が、H、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表し、
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1,2,4−トリアゾ−ル−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−(ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾ−ル−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)−ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3−もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1、4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾ−ル−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾ−ル−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾ−ル−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾ−ル−3−イルを表し、
およびRがまた、それらが結合するN原子と共に、1、3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルもしくはモルホリニルを表し、そのそれぞれは無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rが、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
Arが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arが、無置換であるか、またはA、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを表し、そのそれぞれは無置換であるか、またはHal、フェニル、A、(CHOH、(CHOA、COOH、COOA、COOベンジル、CN、COA、CHO、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’および/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
Hetが、モルホリニル、ピペリジニルまたはピロリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または=O(カルボニル酸素)により1置換されており、
A、A’が、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜2個の非隣接CH基がO、NHおよび/もしくはNMeにより置換されてもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されてもよいもの、
または、
3〜8個のC原子を有する環状アルキルであって、基中、1〜3個のH原子がOHにより置換されてもよいものを表し
mが、0、1または2を表し、
nが、0、1または2を表す、
請求項1〜9のいずれかに記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【請求項11】
以下の群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはこれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の式Iで表される化合物もしくはその薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物、塩またはその立体異性体の製造方法であって、
a)式II
【化2】

式中、Rは請求項1に示す意味を有し、
およびLは、F、Cl、Br、I、または、遊離の、もしくは反応的に修飾されたOH基を表す、
で表される化合物を、
式III
NHR III
式中、
およびRは請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物と反応させること、
または、
b)式IV
【化3】

式中、R、RおよびRは請求項1に示す意味を有する、
で表される化合物を、1,3−ビス(トリアルキルシリル)カルボジイミドと反応させること、
または、
c)式Iで表される化合物におけるラジカルRを、他のラジカルRに、
i)ニトロ基のアミノ基への還元
ii)エステル基のカルボキシル基への加水分解
iii)アルデヒド基のアルキル化アミンへの還元アミノ化による変換
iv)カルボキシル基のスルホンアミドカルボニル基への変換
v)酸塩化物のアミドへの変換
vi)ハロゲン原子のアリールまたはアルキルラジカルとの交換
vii)2重結合の水素化
viii)エーテルの開裂
ix)ハロゲン原子と、アリールラジカルとの置換(スズキカップリング)
x)ハロゲン原子と、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシまたはアリールオキシ基との置換
により変換すること、
および/または式Iで表される塩基または酸をその塩の1つに変換することを特徴とする、前記方法。
【請求項13】
少なくとも1つの請求項1〜11のいずれかに記載の化合物および/またはその薬学的に使用し得る誘導体、塩、溶媒和物および/または立体異性体、ならびに/あるいはそれらの全ての比率での混合物、ならびに任意に賦形剤および/またはアジュバントを含む医薬。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物の、HSP90の阻害、調節および調整が関与する疾患の処置および/または予防のための医薬の製造のための使用。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物もしくは立体異性体、またはすべての比率でのこれらの混合物の、腫瘍性疾患、ウイルス性疾患の処置または予防のための、移植における免疫抑制のための、炎症誘発性疾患、嚢胞性線維症、脈管形成が関与する疾患、感染症、自己免疫疾患、虚血、線維形成疾患の処置または予防のための、
神経再生の促進のための、
癌、腫瘍細胞および腫瘍の転移阻害のための、
化学治療により引き起こされる毒性に対する正常細胞の保護のための、
誤ったタンパク質の折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患の処置のための
医薬の製造のための、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
腫瘍性疾患が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、およびH鎖病である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
ウイルス性疾患のウイルス病原体が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒトI型免疫不全ウイルス(HIV−I)およびヒトII型免疫不全ウイルス(HIV−II)からなる群から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
炎症誘発性疾患が、関節リューマチ、敗血症、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、紅斑性狼瘡、乾癬および炎症性腸疾患である、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
脈管形成が関与する疾患が、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍脈管形成である、請求項15に記載の使用。
【請求項20】
線維形成疾患が、硬化性皮膚炎、多発性筋炎、全身性狼瘡、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症である、請求項15に記載の使用。
【請求項21】
誤ったタンパク質の折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患が、スクレイピー、クロイツフェルト−ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病である、請求項15に記載の使用。
【請求項22】
少なくとも1つの請求項1〜11のいずれかに記載の化合物および/または薬学的に利用可能な誘導体、溶媒和物および/または立体異性体ならびに少なくとも1つのさらなる医薬活性成分を含む、医薬。
【請求項23】
(a)有効量の請求項1〜11のいずれかに記載の化合物および/または、この薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および/または立体異性体、ならびに/あるいはそれらの全ての比率での混合物、
および
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなるセット(キット)。
【請求項24】
式IV
【化4】

式中、
は、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArまたはCH=CH−COOHを表し、
は、H、A、(CHAr、(CHHet、(CHOH、(CHOA、(CHNHHet、(CHSAまたは(CHCH(OH)Arを表し、
は、A、(CHAr、(CHHet、(CHCN、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHOH、(CHOAまたは(CHNHHetを表し、
およびRはまた、それらが結合したN原子と共に、飽和、不飽和または芳香族の、単環式もしくは二環式複素環を表し、これは、さらに1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでもよく、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)によって1、2または3置換されており、
、Rは、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arは、無置換であるか、またはA、Halおよび/もしくはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、またはA、(CHOA、(CHOH、Ar、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、CHO、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されていてもよく、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、これは無置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)により1もしくは2置換されていてもよく、
A、A’は、それぞれ、互いに独立して、1〜10個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜3個の非隣接CH基がO、S、SO、SO、NH、NMeもしくはNEtにより置換されていもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されていてもよいもの、Alk、3〜8個のC原子を有する環状アルキルまたはシクロアルキルアルキレンであって、基中、1〜5個のH原子がF、OHおよび/またはClにより置換されていてもよいものを表し、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニルを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0,1,2,3または4を表す、
で表される化合物、またはその塩。
【請求項25】
が、H、A、(CHCONH、(CHCONHA、(CHCONAA’、Hal、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、CN、NO、(CHAr、OAr、(CHCOOH、(CHCOOA、(CHOH、(CHOA、(CHHet、COHet、C≡C−CHSiAA’、C≡CH、C≡C−A、CH=CH−Ar、CH=CH−COOA、CHCH(OH)CHOH、O(CHOH、NH(CHOH、O(CHOA、NH(CHOA、O(CHNHA、NH(CHNHA、NR、(CHCOOA、(CHCONH(CHCN、NH(CHArもしくはCH=CH−COOHを表し、
が、H、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−(ピリジン−2−イルアミノ)エチルまたはベンジルを表し、
が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、フリル−2−イルメチル、HC≡C−CH−、2−メトキシエチル、3−トリフルオロメチルベンジル、ピリジン−2−もしくは3−イルメチル、2−、3−もしくは4−フルオロベンジル、2−、3−もしくは4−メトキシベンジル、2−、3−もしくは4−メチルベンジル、3−クロロ−6−メトキシベンジル、N、N−ジメチルアミノカルボニルメチル、4−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ベンジル、2−もしくは3−(ピリジン−3−イル)ベンジル、3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)ベンジル、4−(トリアゾール−1−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イル)ベンジル、3−(ピリミジン−5−イル)ベンジル、3−(モルホリン−4−イルメチル)−ベンジル、シクロプロピルメチル、2−シアノエチル、2−ジメチルアミノエチル、シクロヘキシル、3−もしくは4−(メチルスルホニルアミノ)ベンジル、4−(メチルスルホニルアミノメチル)ベンジル、ベンゾ−1,4−ジオキサン−6−イルメチル、モルホリン−4−イル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル、2−メチルスルファニルエチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル、2−(N−エチル−N−メチルアミノ)エチル、2−ジエチルアミノエチル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、キノリン−5−もしくは8−イル、2−メチルスルファニルフェニル、ビフェニル−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エチニルフェニルまたは1−メチル−5−トリフルオロメチル−1H−インダゾール−3−イルを表し、
およびRがまた、それらが結合するN原子と共に、1,3−ジヒドロイソインドリル、アゼパニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルもしくはモルホリニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOAおよび/または=O(カルボニル酸素)により1、2または3置換されており、
、Rが、それぞれ、互いに独立して、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHNHAまたは(CHNAA’を表し、
Arが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNAAr、O(CHHet、(CHHet、COO(CHAr、(CHNHSOA、(CHOAr、O(CHAr、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONHAr、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCN、NHCOHet、SOHet、COHetおよび/または(CHCH(NH)COOHにより1、2、3、4もしくは5置換されており、
Arが、無置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAにより1、2、3、4もしくは5置換されたフェニルを表し、
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを表し、そのそれぞれが、無置換であるか、またはHal、フェニル、A、(CHOH、(CHOA、COOH、COOA、COOベンジル、CN、COA、CHO、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’および/または=O(カルボニル酸素)により1、2もしくは3置換されており、
Hetが、モルホリニル、ピペリジニルまたはピロリジニルを表し、そのそれぞれは、無置換であるか、または=O(カルボニル酸素)により1置換されており、
A、A’が、それぞれ、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝または分枝アルキルであって、基中、1〜2個の非隣接CH基がO、NHおよび/もしくはNMe二より置換されていてもよく、ならびに/または、さらに1〜5個のH原子がF、OHおよび/もしくはClにより置換されてもよいもの、
または、
3〜8個のC原子を有する環状アルキルであって、基中、1〜3個のH原子がOHにより置換されてもよいもの
を表し、
mが、0、1または2を表し、
nが、0、1または2を表す、
請求項24に記載の化合物、またはその塩。

【公表番号】特表2010−533132(P2010−533132A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515363(P2010−515363)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004846
【国際公開番号】WO2009/010139
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】