説明

コンピュータ支援による船舶操縦方法

【課題】信頼できる船舶操縦方法を提供すること。
【解決手段】接岸時の操船において、船舶の位置と動きが、移動または静止している障害物または障害輪郭とともに、自動的に冗長手段によって把握され、コンピュータによって画像表示が制御されることにより、前記画像表示上において前記障害物または前記障害輪郭に対する前記船舶の実際の位置が、実行されているまたは推奨されている操縦操作とともに表示されることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータ支援による船舶操縦方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、船舶を所定のコースに自動的に保つための支援システムの基本概念は公知である(例えば特許文献1)。また、特許文献2にはアンテナを2基有するGPS装置を装備した乗物が開示されている。これによれば乗物の位置または縦軸(前後軸)の方向を正確に求めることができることとしている。
【0003】
また、P.アンドレーらによるパンフレット「GPSを利用した船舶の運動およびその他の高周波運動の算定」、DGON(ドイツ・ナビゲーション協会)シンポジウム位置測定+ナビゲーション2000には、船舶のある程度周期的な動きを把握(認識)することにより、例えば音響測深で得られる測定値の精度を向上できることが開示されている(非特許文献1参照)。そのためには、好ましくは3基のGPSアンテナが三角形をなすように配置されたGPSシステムが用いられる。
【0004】
また、特許文献3には乗物の操縦を支援する方法と装置が開示されている。特にここでの乗物は船舶を含み、接岸のためのコースを算出することにより操船者を支援することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第19813005号明細書
【特許文献2】米国特許第4881080号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0064249号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】著作者:Peter Andree,Poland L▲a▼ger,FH Hamburg,FB Geomatik,Martin Schmitz,Gerhard W▲u▼bbena、“GPSを利用した船舶の運動およびその他の高周波運動の算定”、[online]、検索日:平成23年11月25日、掲載者:DGON(ドイツ・ナビゲーション協会)、インターネット(URL:http://www.geopp.de/download/dgon2000.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで船舶の操縦において接岸は特に難しい。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑み、信頼できる船舶操縦方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明のコンピュータ支援による船舶操縦方法は、接岸時の操船において、船舶の位置と動きが、移動または静止している障害物または障害輪郭とともに、自動的に冗長手段によって把握され、コンピュータによって画像表示が制御されることにより、前記画像表示上において前記障害物または前記障害輪郭に対する前記船舶の実際の位置が、実行されているまたは推奨されている操縦操作とともに表示されることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、船舶の船首と船尾の、陸側基準座標系に対する、あるいは障害物または障害輪郭に対する位置を絶えず把握(認識)し、これを表示することにより、操船者は潜在的な危険も含めた時々刻々の状況を常時その目前に見ることができ、必要なら自動操船に直ちに介入することができる。
【0011】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、慣性および/または動きセンサにより、前記船舶の実質的に周期的な動き(ローリング、ピッチング、ヨーイング)が把握されることが望ましい。
【0012】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記コンピュータにより、記憶されているモデル船舶のデータがさらに利用でき、操縦への干渉に対する、予め設定された理想的条件下の前記船舶の反応が算出されるとともに前記船舶の実際の反応と比較されることにより、妨害要因が量的に把握されることが望ましい。
【0013】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、船首側GPS受信機と船尾側GPS受信機を有するGPS装置により適時把握される船首と船尾の位置の確実性または正確性がチェックされ、当該船首と当該船尾の位置から算出される船首−船尾間距離が、記憶されている設計上の公称値と比較されることが望ましい。
【0014】
上記構成によれば、第一に、船舶の位置を(基本的に公知の方法で)極めて正確に把握(認識)することができる。第二に、GPS受信機からの位置データに基づいて両GPS受信機間の距離を算出し、それを船舶上の実測値と比較することができる。GPSデータに基づいて算出された距離と実際の距離との差は、GPSシステムの位置データの正確さを評価するための基準として用いることができる。必要なら、3基のGPSアンテナを船舶上に配置することで、船舶の非常に小さくほぼ周期的な動きを、それ自体は公知の方法によって、正確に把握(認識)することができる。これにより、船舶のピッチング、ローリング、および/またはヨーイングあるいはその類の動きが原因で周辺に対する船舶の位置の算定に誤差が生じることがなくなる。
【0015】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記画像表示上に前記船舶の最も確実な位置が不確実範囲とともにグラフィカルに再現されることが望ましい。
【0016】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記画像表示上に、予定されているまたは必要な操船を、現在利用可能な制御または駆動装置で実行可能かどうかが表示されることが望ましい。
【0017】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記コンピュータにより前記画像表示上に曳航またはその類の操船のための適切な操作が表示されることが望ましい。
【0018】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記船舶の手動操縦の際に、前記コンピュータにより前記画像表示上に前記船舶の制御または駆動装置の適切な操作が提案されるとともに、前記船舶の実際の位置と理想位置が表示されることが望ましい。
【0019】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記船舶上の計測された位置に配置された少なくとも3つの距離センサにより、船側座標系における障害物が把握されることが望ましい。
【0020】
上記構成によれば、船舶上にGPSシステムに加えて、またはそれに代えて、少なくとも1つの位置測定システムが設けられ、これにより船舶の船首と船尾の、移動または静止している障害物または障害輪郭に対する位置が把握(認識)される。なお、そのような位置測定システムとして、ソナー、超音波、レーザーおよび/またはレーダーを利用したシステムが挙げられる。特に好ましくは、例えば超音波センサなどの測距センサを船舶上の測量された3ヶ所の位置に3つ組センサとして設ける。これにより、障害物の船側座標系における座標が正確に把握(認識)でき、接岸操作の開始時点で船舶の周辺の精密な地図が得られる。
【0021】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記船舶の動きが慣性型ナビゲーション装置により、船側座標系における前記障害物が把握された位置を始点として、算出されることが望ましい。
【0022】
また本発明は、上記構成のコンピュータ支援による船舶操縦方法において、前記船舶の動きが、羅針儀またはGPSシステムまたは慣性センサなどの冗長センサにより把握されることが望ましい。
【0023】
上記構成によれば、操作開始時点からの船舶の並行運動および回転運動が算出される。その際累積する位置誤差は、接岸操作にかかる時間が比較的短いため小さいので、羅針儀、GPSシステムなどの冗長センサにより、好ましくはカルマンフィルタを利用して、補正することができる。絶対位置の算定は接岸操作においてはさほど重要ではないので、接岸操作の自動実行の目的には船舶を基準とする相対的な基準座標系で十分である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、船舶の船首と船尾の、陸側基準座標系に対する、あるいは障害物または障害輪郭に対する位置を絶えず把握(認識)し、これを表示することにより、操船者は潜在的な危険も含めた時々刻々の状況を常時その目前に見ることができ、必要なら自動操船に直ちに介入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】は、港湾の一部における船舶を模式的に示す平面図である。
【図2】は、本発明による支援システムを大幅に模式化したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明による支援システムの好ましい一実施形態を以下に詳細に説明する。本発明の保護範囲は具体的に言及され説明されている特徴の組み合わせにに限定されず、個別の特徴の任意の組み合わせを包含するものである。
【0027】
図1は港湾の一部の「航空」写真である。岸壁1に船舶2が停泊している。別の船舶3も停泊スペースを占有しており、船舶3の縦軸(前後方向軸)は岸壁1に垂直である。船舶2、3はいずれもロープなどの索条類で係船柱4に係留されている。船舶2、3の間に船舶3と平行にもう一艘分の停泊スペースがあり、さらに別の船舶5が利用可能である。この船舶5に本発明による支援システムを備え付けるとよい。支援システムは、船首に設けられたGPS受信機6と船尾に設けられたGPS受信機7を含むGPSシステムを含む。船舶5はさらに複数の位置把握(認識)システム8を備え、これにより船舶5の周辺の状況を把握(認識)することができる。
【0028】
図2に示すように、支援システムはコンピュータ9を含み、その入力側にGPS受信機6、7が接続されている。コンピュータ9はその出力側で少なくとも1つの画面10を制御する。画面10には、GPS受信機6、7から得られるデータに基づいた、陸側基準座標系における船舶5の位置が表示できる。この位置は例えばUTM座標値で表される(UTMはユニバーサル横メルカトル図法(Universal Transverse Mercator coordinate system)を指す)。コンピュータ9は入力側においてさらにメモリ11または送信機またはその類のものと通信することにより、港湾の所望部分のディジタル地図のデータを取得する。
【0029】
以上の構成により、コンピュータ9は岸壁1に対する船舶5の位置を画面10上に正確に表示することができる。ディジタル地図が得られない場合には、コンピュータ9は、位置把握(認識)システム8から得られるデータに基づいて、船舶5とその周辺の画像を画面10に表示することができる。一方、港湾のディジタル地図が得られる場合には、位置把握(認識)システム8から得られるデータは基本的には画面10に表示される地図または画像上で船舶2、3の位置を正確に「マーク」するためにのみ利用される。
【0030】
また、コンピュータ9は、それに供給されるデータすべてについて確実性と正確性をチェックする。これにより、例えばGPS受信機6、7のデータから両者間の距離を算出し、これを設計時に予め設定された値と比較することができる。2つの値の間で算出された差が大きいほど、GPS受信機6、7から得られる船舶5の船首/船尾の位置のデータはより不正確である。画面10上でこれを明示することができる。たとえば、船舶5の最も確実な位置を表示する一方で、その周りで船舶5が存在し得る不確実範囲をグラフィカルに表示するとよい。
【0031】
画面10上では、これから船舶5を移動させたい目標位置を決めてキーボード12またはマウスまたはその類の装置を介してコンピュータ9に「伝達」することができる。するとコンピュータ9は船舶5を目標位置に導くための適切または最適な理想ルートを、船舶5上で利用可能な制御/駆動システムを考慮しながら、求める。その制御/駆動システムが、必要な操船の実行に不適切または不十分なものであるときには、その旨が表示される。
【0032】
これにより操船者は曳航船やその類の船舶による支援の要請が必要かどうか等について的確なアドバイスを得ることができる。一方、制御/駆動システムが十分なものであるときには、コンピュータ9に船舶の制御/駆動システム15を運転させることにより、必要な操船を自動的に実行できる可能性がある。これか可能かどうかは、算出された船舶5の理想ルートと船舶5が実際にたどるルートとの間で理想値と実際値とを比較することによって判断する。両者の差は、GPS受信機6、7から得られる信号と位置把握(認識)システム8から得られる信号から算出することができる。
【0033】
操船者は、船舶を手動で制御したいときには、制御/駆動システム15を手動制御システム16を介して運転する。この場合、コンピュータ9が制御システムに命令を発しても実行されない。ただしコンピュータ9は船舶の制御/駆動システムの適切な運転方法についてのアドバイスを画面10に表示してもよく、それと同時に船舶5の実際の位置および推奨される理想位置を表示してもよい。これにより操船者による船舶5の操船が著しく容易になる。
【0034】
支援システムはまた船舶5の制御/駆動システムの能力だけでは所望の停泊スペースへの操船の実行に不十分な場合にも有用である。この場合、コンピュータは曳航船やその類の船舶による適切な操船方法についてのアドバイスを提示することができるので、本船の操船者は、曳航船の操船者に指示を出す必要が生じても、容易に対処できる。
【0035】
コンピュータ9は船舶5を一つのモデルとして「認識」しており、理想的な水の状態(特に、水流がない)において船舶がその制御/駆動システムに対する干渉にどう反応するかを予測することができる。コンピュータ9はそのように予想される反応をGPS受信機6、7から得られる船舶の実際の反応と常時比較しつつ、反応の差が船舶5に作用している風圧荷重に由来するものどうか監視している。
【0036】
風圧荷重は、コンピュータ9の入力側に接続されている風速計13から得られるデータに基づいて算出できる。コンピュータ9は船舶の反応のうち風圧荷重に由来しな分を水流に由来するものと判断するので、これにより水流の強さと方向が算出される。この水流の検出は基本的には常時、特に船舶5に対する特定の操船操作の前には適時、行われるので、コンピュータ支援による自動操船が実行されるときには、それに先立って水流の影響が考慮される。
【0037】
ここで、隣り合う位置間の水流の状態の差はわずかであると想定している。つまり、水流の状態は位置によらず大体において一定であると想定している。
【0038】
変形例として、水流に関するデータやその類のデータは港湾側の送信機からコンピュータ9側の対応する受信システムへ、例えば港湾のディジタル地図とともに、転送されるものであってもよい。
【0039】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、コンピュータ9の入力側にはさらに、船舶のローリングやピッチングやその類の動きを検出する動き検出装置14が接続される。コンピュータ9が、記憶されている船舶のモデルに基づいて、船舶に起こりうるローリングやピッチングやその類の動きを「認識」していれば、自動操船中または推奨操船操作の算出中に、そのような船舶の動きにコンピュータ9が無用に反応することを防ぐことができる。このようにして、操縦操作が却って船舶の周期的な動きを引き起こすのを防ぐことができる。むしろ、船舶の周期的な動きを、それを相殺するような操縦操作を実行することで抑えることができ、有利である。
【0040】
本発明は、例えば次のように総括することができる。船舶上の位置測定システムのセンサにより、船舶の周辺状況が把握(認識)され、ここでは基本的には既知の方法(カルマン・フィルタリング)を用いて測定誤差が補正される。船舶のGPS受信機は主にコースを決定し(羅針儀)、また船舶の大きさを算出するのに用いられる。動きセンサが船舶の動きを複数自由度(方向)において検知し、それによって波の強さを考慮することを可能にする。そのうえ無用な船舶の操縦操作が自動的に実行されたり操船者に推奨されたりすることが防げる。接岸スペースまたは停泊スペースを計測した後、船舶の理想コースが算定され、ここで好ましくは算定に用いられるデータがカルマン・フィルタリングまたはその類の処理で補正される。理想コースに照らして、船舶の制御/駆動システムに対する補正値が算出され、船舶にCANバスまたはその類のものを介して伝達される。補正値は理想コースと実際コースとの比較により常時最新の状態に保たれる。
【0041】
このようにして船舶の周辺の地図が作成されモニタに表示されるので、船舶が利用できる空きスペースが一目瞭然となる。地図の作成のために取得されたデータをカルマンフィルタを用いて加工し、データ取得の際の干渉成分や測定誤差を低減してもよい。
【0042】
[補足]
先述のGPS装置が船舶上に設けられていてかつ港湾のディジタル地図が直ぐに利用可能な場合において、船側の位置測定システムにより作製された周辺地図を、これが該港湾の静止輪郭を示すものであれば、ディジタル地図と比較し、そのようにして導出される基準に照らして、GPS受信機を用いて算出された船舶の船首と船尾の位置の正確さを評価してもよい。
【0043】
船舶の周辺が十分に正確に把握(認識)されたら、基本的には、船舶をコンピュータ(相当の能力があるものとする)による支援の下、自動的に所望の場所への最適のコースに沿って導くことができる。ここでも好ましいことに、本発明によれば、船舶の船首と船尾の位置が把握(認識)され、船舶の動きが複雑でも遅延なくそれに追従し、それを実行することができる。このためには、基本的には公知の制御/駆動システムが利用でき、それにより船舶を縦(前後)方向のみならず横(左右)方向にも動かすことができる。例えばサイドスラスターやフォイト・シュナイダー・プロペラを用いることができる。このようなシステムは船舶の横方向の移動も可能にする。
【0044】
本発明による支援システムにおいては、それが備える位置測定装置により、予定されている操船に十分な空きスペースがあると判断されると、船舶の理想コースが自動的に算出され、記憶される。その後、船舶の制御/駆動システムが、予め与えられた理想コースと船舶が実際にだとっている実際コースとの理想値−実際値差が最小になるよう、制御される。船舶の制御/駆動システムのこのような制御は、基本的には水流や風などの現実の妨害要因に関係なく、可能である。唯一の前提として、船舶の制御/駆動システムが、船舶を陸側基準座標系において、現実の妨害力に抗して移動させるに十分な能力を備えている必要がある。
【0045】
とはいえ、本発明の好ましい実施形態によれば、妨害力の中でも少なくとも比較的強いものについてはそれを特に把握(認識)し、船舶の制御/駆動システムがそのようの妨害力を補正するように構成される。このようにして船舶の理想/現実コースの差が最初から小さく抑えられる。つまり制御そのものの必要性が抑えられる。
【0046】
風速の測定のために、船舶上に支援システムと通信する風力計を設けてもよい。それにより算出される船舶に対する風速と風向は支援システムによる陸側の基準座標系における風速と風向の算出に利用できる。GPSシステムまたは船側の他の位置測定システムのデータから陸側の基準座標系における船舶の運動速度/方向が算出できるからである。
【0047】
必要なら、ありうる水流を、その速度と方向について、次のように算出してもよい。支援システムに船舶のモデルを「認識」させておけば、該モデルのパラメータに基づいて該船舶の、特定の風力下、理想(静止)水流下における速度と方向を計算することができる。
計算されたコースまたは計算された運動方向/速度と実際の運動方向/速度との差から、水流速度/方向が算出できる。少なくとも港湾内では隣り合う位置間の水流の状態の差は実際上無視できるので、必要なら慎重を要する操船の開始以前に水流データを算出しておき、このデータを後の操船において考慮してもよいからである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、コンピュータ支援による船舶操縦方法に利用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 岸壁
2 船舶
3 船舶
4 係船柱
5 船舶
6 GPS受信機
7 GPS受信機
8 位置把握(認識)システム
9 コンピュータ
10 画面
11 メモリ
12 キーボード
13 風速計
14 動き検出装置
15 制御/駆動システム
16 手動制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接岸時の操船において、船舶の位置と動きが、移動または静止している障害物または障害輪郭とともに、自動的に冗長手段によって把握され、コンピュータによって画像表示が制御されることにより、前記画像表示上において前記障害物または前記障害輪郭に対する前記船舶の実際の位置が、実行されているまたは推奨されている操縦操作とともに表示されることを特徴とするコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項2】
慣性および/または動きセンサにより、前記船舶の実質的に周期的な動き(ローリング、ピッチング、ヨーイング)が把握されることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項3】
前記コンピュータにより、記憶されているモデル船舶のデータがさらに利用でき、操縦への干渉に対する、予め設定された理想的条件下の前記船舶の反応が算出されるとともに前記船舶の実際の反応と比較されることにより、妨害要因が量的に把握されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項4】
船首側GPS受信機と船尾側GPS受信機を有するGPS装置により適時把握される船首と船尾の位置の確実性または正確性がチェックされ、当該船首と当該船尾の位置から算出される船首−船尾間距離が、記憶されている設計上の公称値と比較されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項5】
前記画像表示上に前記船舶の最も確実な位置が不確実範囲とともにグラフィカルに再現されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項6】
前記画像表示上に、予定されているまたは必要な操船を、現在利用可能な制御または駆動装置で実行可能かどうかが表示されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項7】
前記コンピュータにより前記画像表示上に曳航またはその類の操船のための適切な操作が表示されることを特徴とする請求項6に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項8】
前記船舶の手動操縦の際に、前記コンピュータにより前記画像表示上に前記船舶の制御または駆動装置の適切な操作が提案されるとともに、前記船舶の実際の位置と理想位置が表示されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項9】
前記船舶上の計測された位置に配置された少なくとも3つの距離センサにより、船側座標系における障害物が把握されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項10】
前記船舶の動きが慣性型ナビゲーション装置により、船側座標系における前記障害物が把握された位置を始点として、算出されることを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。
【請求項11】
前記船舶の動きが、羅針儀またはGPSシステムまたは慣性センサなどの冗長センサにより把握されることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のコンピュータ支援による船舶操縦方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−528417(P2012−528417A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515413(P2012−515413)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057242
【国際公開番号】WO2010/136490
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511286931)
【氏名又は名称原語表記】GLASER Philipp
【Fターム(参考)】