説明

シクロヘキセン誘導体および着臭剤としてのそれらの使用

本発明は、着臭剤自体として、または他の着臭剤を調製するための中間体として、好適なホルミルシクロヘキセン誘導体の製造方法に関する。特に、本発明は、1,3−ブタジエンの存在下でホルムアルデヒドを用いた、α,β−不飽和アルデヒドのドミノメチレン化Diels-Alder反応に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着臭剤自体として、または他の着臭剤を調製するための中間体として用いるのに適するホルミルシクロヘキセン誘導体を製造するための新規な方法に関する。特に、本発明は、1,3−ブタジエンの存在下でのホルムアルデヒドを用いたα,β−不飽和アルデヒド類のドミノメチレン化(domino-methylenation)-Diels-Alder反応に関する。
【背景技術】
【0002】
α,β−不飽和アルデヒド類をホルムアルデヒドでメチレン化して、式
【化1】

で表されるジエン類とすることができることは、長期間にわたり知られていた。
【0003】
しかし、これらのジエン類は不安定であり、急速に二量体化する。例えば、R. Pummerer et al. (Liebigs Ann. 1953, 583, 161)には、ホルミルブタジエンの二量体化が記載されている。同様に、ホルミルブタジエンの種々の電子不足の求ジエン体との反応は、第一製薬株式会社の特公昭50-16791号公報に記載された。ジエン類の不安定性のために、現在まで、ホルミルシクロヘキセン誘導体を慎重に調製することが可能であったに過ぎない。例えば、カルボニル鉄錯体のFriedel-Crafts反応による2−アセチルブタ−1,3−ジエンの調製およびその後のシクロペンタジエンとの反応は、F. Brionにより記載された(Angew. Chem. 1981, 93, 900)。
【発明の概要】
【0004】
驚くべきことに、本発明者らはここで、α,β−不飽和アルデヒド類が、ホルムアルデヒドを用いたインサイチュ(in situ)メチレン化を経て、得られたホルミルブタジエン類が、1,3−ブタジエン類との有機触媒(organo-catalyzed)Diels-Alder反応、即ちホルミルブタジエン類の二量体化が抑制されるワンポット合成に基づくプロセスを経ることを見出した。
【0005】
したがって、本発明は、その観点の1つにおいて、式B
【化2】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜Cアルキル(例えば、エチル、イソプロピル)またはC〜Cアルケニル(例えば、1−ブタ−1−エニル)であり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環(例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル)を形成する;
で表されるホルミルブタジエンを;
【0006】
式C
【化3】

式中、
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、2−メチルペンタ−2−エン−5−イル、2−メチルプロパ−2−エン−3−イル、2−メチルペンタ−2−エン−5−イル)から選択され;または
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基である;
で表されるジエンと反応させ、
【0007】
式(Ia)で表される化合物および/または(Ib)で表される化合物
【化4】

を得ることを含む方法であって、
メチレン化触媒およびホルマリンの存在下で、式Bで表されるホルミルブタジエンを式A
【化5】

で表されるα,β−不飽和アルデヒドからインサイチュで調製することを特徴とする、前記方法に関する。
【0008】
用いる式Cで表されるジエンの特定の特性に依存して、式(Ia)もしくは(Ib)で表されるいずれかの化合物またはそれらの混合物を調製することができる。例えば、R+Rが一緒に2価の残基を形成する式Cで表される化合物(即ち環状ジエン類)から開始して、式(Ib)で表される化合物を、選択的に調製することができる。他方、式(Ia)で表される化合物を電子が豊富なジエン類、例えばジメチルブタジエンから開始して選択的に調製することができ、一方電子不足のジエン類、例えばブタジエン、イソプレンまたはミルセンを用いる場合には、式(Ia)で表される化合物と式(Ib)で表される化合物との混合物を調製することができ、これは下記のスキーム1に例示する通りである。後者の場合において、式(Ia)で表される化合物と式(Ib)で表される化合物との混合物中の化合物(Ib)の含量は、混合物の合計量を基準として5重量%〜40重量%で変化し得る。
【0009】
スキーム1:
【化6】

【0010】
メチレン化触媒は当該分野において十分知られている。例えばAnniina Erkkila et al.によりthe Journal of Organic Chemistry, 第71巻、2538〜2541頁に記載されている例えば第二アミン類とカルボン酸との混合物を用いてもよい。アミノ酸類、例えばプロリンまたはその誘導体もまた用いることができる。触媒を、α,β−不飽和アルデヒド(A)を基準として約1mol%〜約100mol%、好ましくは約5mol%〜約50mol%、例えば20mol%の量で用いてもよい。
【0011】
メチレン化触媒に加えて、共触媒、例えばトリフェニルホスフィンもしくは他のtert.ホスフィン類またはそれらの混合物を任意に加えてもよく、それにより反応の選択性が増大し、反応時間が減少するのが補助され得る。
好ましくは、新規なプロセスを、約0℃〜約120℃の温度にて、例えば約20℃〜約80℃にて約2〜60時間行う。しかし、共触媒を加えることにより、動作温度を、共触媒を用いないプロセスの反応温度と比較して低下させることができる。
【0012】
また、追加の溶媒、例えばトルエン、DMSO、DMFまたは他の有機溶媒を加えることが、時々実際的である。例えば、1,3−ブタジエンをジエン(C)として用いる場合において、反応の間に発生し得る圧力を、追加の溶媒を加えることにより低下させることができる。しかし、環境上の観点から、水を溶媒として用いるプロセスが好ましい。
本発明の反応方法を、反応フラスコ中でまたはオートクレーブ中で行ってもよい。
【0013】
式(Ia)および(Ib)で表される化合物を、当業者に知られている手段により、例えば単に有機相の分離、続いて蒸留により、または反応混合物の有機溶媒、例えばMTBE(メチル第三ブチルエーテル)、トルエンもしくは酢酸エチルでの抽出により精製してもよい。残留する水性相を、それをホルムアルデヒドで豊富にした後に他の反応において再利用してもよい。あるいはまた、式(Ia)で表される化合物および式(Ib)で表される化合物を、例えばシリカゲル上のクロマトグラフィーにより分離してもよい。
【0014】
式(Ia)で表される化合物および式(Ib)で表される化合物を、フレーバーもしくはフレグランスとして用いてもよく、またはこれらを、還元試薬、例えばLiAIHまたはグリニャール試薬の存在下で式(Ia)および(Ib)で表されるアルデヒド類を還元し、式(IIa)および(IIb)(式中、R11は水素である)で表される化合物を得、任意に続いてカルボン酸ハロゲン化物および塩基の存在下で当業者に知られている条件下でエステル化し、式(IIa)および(IIb)
【化7】

【0015】
式中、
〜Rは、式(Ia)および(Ib)について示したのと同一の意味を有し;
10は、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル)または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニル(例えば、プロパ−2−エン−3−イル、プロパ−1−エン−3−イル)であり;
11は、水素またはCOR12であり、ここでR12は、水素、または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキル(例えばエチル、イソプロピル)である、
で表される他の化合物を得ることによる、他のフレーバーおよびフレグランスアルコール類を製造するための中間体およびそれらの誘導体として用いてもよい。
【0016】
式(IIa)および(IIb)で表され、式中R11=水素である化合物の、酸化剤、例えばPCC(クロロクロム酸ピリジニウム)の存在下での酸化により、式(IIIa)および(IIIb)
【化8】

式中、
〜Rは、上記で示したのと同一の意味を有し;
10は、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル)または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニル(例えば、プロパ−2−エン−3−イル、プロパ−1−エン−3−イル)である、
で表されるフレーバーおよびフレグランス化合物が得られる。
【0017】
式(Ia)、(Ib)、(IIIa)および(IIIb)で表される化合物のカルボニル基の、a)アルコール系溶媒、例えばメタノール中のヒドロキシルアミン、b)メタノールもしくはエタノールまたはc)ジオール類、例えばエチレングリコールもしくはプロピレングリコールの存在下での変換により、以下に示す式(IVa)および(IVb)で表される他のフレーバーおよびフレグランス化合物が得られる。カルボニル基の変換は、当業者に知られている条件下で起こる。
【0018】
上記で記載した方法を用いて、フレーバーおよび/またはフレグランスとして用いるのに適する既知の、および新規な化合物を製造することが可能であった。例えば、ペリラアルデヒド(4−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド)およびペリラアルコール(1−(4−(プロパ−1−エン2−イル)シクロヘキサ−1−エニル)エタノール)を環境上有利な方法で、即ち水を溶媒として用いる有機触媒的(organocatalytic)方法により製造することが、可能であった。他の例は4−アセトキシメンタ−1,8−ジエンであり、それはP. Schreier et al., Deutsche Lebensmittel-Rundschau 1984, 80, 335により、マンゴーパルプの酵素的液化における揮発性構成成分として確認された。
【0019】
しかし、新たに見出される化合物が揮発性であるという事実以外には、さらなる特性は示されていない。ビスアボレノール(bisabolenol)((4−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサ−1−エニル)メタノール)およびビスアボレナール(bisabolenal)(4−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド)は、Raharivelomanana et al.により初めてNeocallitropsis pancheriの木材精油中に見出された(Journal of Natural Products, Vol. 56(2), 1993, 272-274)。しかし、当該文献中のいずれも、当該化合物がフレーバーまたはフレグランス成分として適することを示していない。セスキテルペンアルコール類が抗菌性特性を有しており、したがって、例えば乾燥脱臭剤を調製するために用いることができることは、従来技術から知られているに過ぎない(WO 2005/087181)。
【0020】
数種の化合物がフレーバーまたはフレグランスとして知られている一方、大多数の化合物について、感覚刺激特性は従来技術には示されておらず、したがって本発明の他の観点を構成しない。
【0021】
したがって、本発明は、他の態様において、式(IVa)
【化9】

【0022】
式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜Cアルキル(例えばエチル、イソプロピル)またはC〜Cアルケニル(例えば、1−ブタ−1−エニル)であり;
は、水素またはメチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環(例えば、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニル)を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキル(例えば、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、ペンチル)または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニル(例えば、2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル、2−メチル−プロパ−2−エン−3−イル)から選択され;
10は、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、イソプロピル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、プロパ−1−エン−3−イル、プロパ−2−エン−3−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−3−イル)であり;
【0023】
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキル(例えばエチル、イソプロピル)である)から選択され、
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され、または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、4−アセトキシメンタ−1,8−ジエンおよび式(IVa)(式中、R、R〜R、RおよびRは水素であり、Rはメチルであり、R+R’はこれらが結合している炭素原子と共にカルボニルを形成する、または、Rは水素であり、R’はヒドロキシルである)で表される化合物(1種または2種以上)は除く、
で表される化合物のフレーバーまたはフレグランスとしての使用に関する。
【0024】
非限定的な例として、式(IVa)で表され、式中R、R、R、R、RおよびRの少なくとも2つが水素でない当該化合物、例えば式(IVa)で表され、式中RおよびRがメチルでありR、R、RおよびRが水素である化合物が挙げられる。
さらなる非限定的な例として、式(IVa)で表され、式中R、R、R、R、RおよびRの2つがメチルであり、好ましくはRおよびRがメチルであり、Rが水素またはメチルである当該化合物が挙げられる。
【0025】
さらなる非限定的な例として、式(IVa)で表され、式中Rが水素であり、RがC〜Cアルキル(例えばエチル、イソプロピル)またはC〜Cアルケニル(例えば1−ブタ−1−エニル)、好ましくはメチルであり、Rが水素またはメチルである当該化合物が挙げられる。
式(IVa)で表される化合物は、フローラル、フルーティの臭気ノートを有する。
【0026】
特定の態様において、式(IVa)で表される化合物は、以下のものから選択することができる。
2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メタノール、
(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノール、
1−(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノン、
酢酸(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メチル、
(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オール、
(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オン、
【0027】
2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノール、
酢酸1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エチル、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)−2−メチルプロパン−1−オール、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)−2−メチルプロパン−1−オン、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノン、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オール、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オン、
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オン、
【0028】
1−(ブタ−1,3−ジエニル)−2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
3,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
2−メチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
2,4−ジメチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
1−(2,4−ジメチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノール、
1−シクロペンテニル−2,4−ジメンチルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
4,5−ジメチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
2−メチル−4−(4−メチルペンタ−3−エニル)−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
【0029】
3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒド、
4−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドオキシム、
3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒドオキシム、
1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
1−(ブタ−1−エニル)−2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
4−メチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、
3−メチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、および
1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、またはそれらの混合物。
【0030】
他の観点において、本発明は、式(IVb)
【化10】

【0031】
式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜Cアルキル(例えば、エチル、イソプロピル)またはC〜Cアルケニル(例えば、1−ブタ−1−エニル)であり;
は、水素またはメチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環(例えばシクロペンテニル)を形成し;
、RおよびRは水素であり;
およびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、tert−ブチル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル)であり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、プロパ−1−エン−3−イル、プロパ−2−エン−3−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−3−イル)であり;
【0032】
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキル(例えばエチル、イソプロピル)である)から選択され、
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され、または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、式(IVb)で表され、式中R〜R、RおよびRは水素であり、Rがメチルである化合物は除く、
で表される化合物の、フレーバーまたはフレグランスとしての使用に関する。
【0033】
非限定的な例は、式(IVb)で表され、式中、R、R、RおよびRは、水素であり、RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にカルボニルを形成し、または、Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルである、当該化合物である。
さらなる非限定的な例は、式(IVb)で表され、式中、RおよびRは、水素であり、RおよびRは、独立して、水素およびメチルから選択され、R+Rが一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−から選択される2価の残基である、当該化合物である。
【0034】
さらなる非限定的な例は、式(IVb)で表され、式中、R10は、水素またはメチルであり、RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にカルボニルまたはC=N−OHを形成する、当該化合物である。
さらなる非限定的な例は、式(IVb)で表され、式中、R10およびRは、独立して、水素またはメチルから選択され、R’は、ヒドロキシルである、当該化合物である。
式(IVb)で表される化合物は、グリーンの臭気ノートを有する。
【0035】
特定の態様において、式(IVa)で表される化合物を、以下のものから選択してもよい。
4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド、
(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール、
1−(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)エタノール、
2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド、
(2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール、
3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、
3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドオキシム、
(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール、
1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)エタノン、
【0036】
5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、
(5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール、
1−(プロパン−2−イリデン)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、
2−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、
3−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、
4−エチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、
1,4,4a,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド、および
4−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドまたはそれらの混合物。
【0037】
一般式(IVa)または(IVb)に該当する数種の化合物が文献中に記載されている一方、これらのほとんどは文献中に記載されておらず、したがって新規である。例えば、1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6イル)エタノン、即ち式(IVb)で表され、式中、R〜RおよびR10は、水素であり、RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にカルボニルを形成し、R+Rは一緒にメチレンである化合物の調製は、F. Brion et al.により記載されている(Angew. Chem, 1981, 93, 900)。しかし、先行技術には、いかなる感覚刺激特性に関しても依然として明言されていない。
【0038】
したがって、本発明の他の観点において、式(IVa)
【化11】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜Cアルキル(例えば、エチル、イソプロピル)またはC〜Cアルケニル(例えば、1−ブタ−1−エニル)であり;
は、水素またはメチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環の炭素環(例えば、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニル)を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキル(例えば、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、ペンチル)または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニル(例えば、2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル、2−メチル−プロパ−2−エン−3−イル)から選択され;
10は、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、イソプロピル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、プロパ−1−エン−3−イル、プロパ−2−エン−3−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−3−イル)であり;
【0039】
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキル(例えばエチル、イソプロピル)である)から選択され、
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシでから選択され、または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、4−アセトキシメンタ−1,8−ジエンおよび式(IVa)で表され、式中R、R〜R、RおよびRは、水素であり、Rは、メチルであり、R+R’は、これらが結合している炭素原子と共にカルボニルを形成し、または、Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシ基である化合物(1種または2種以上)は除く、
で表される化合物を提供する。
【0040】
本発明は、他の観点において式(IVb)
【化12】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜Cアルキル(例えば、エチル、イソプロピル)またはC〜Cアルケニル(例えば、1−ブタ−1−エニル)であり;
は、水素またはメチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環の炭素環(例えばシクロペンチル)を形成し;
、RおよびRは、水素であり;
およびRは、独立して、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、tert−ブチル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル)であり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
+Rは一緒に、nが1または2である−(CH−、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、C〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ペンチル)またはC〜Cアルケニル(例えば、プロパ−1−エン−3−イル、プロパ−2−エン−3−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−3−イル)であり;
【0041】
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13が水素またはC〜Cアルキル(例えば、エチル、イソプロピル)である)から選択され、
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され、または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6イル)エタノン、式(IVb)で表され、式中R〜R、RおよびRは水素であり、Rはメチルまたは2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イルである化合物は除く、
で表される化合物に関する。
【0042】
式(Ia)〜(IVa)および(Ib)〜(IVb)で表される化合物に関して用いる「アルキル」および「アルケニル」は、他に示さない限り直鎖状および分枝状アルキルおよびアルケニルに言及する。
【0043】
式(IVa)および(IVb)で表される化合物を、単独で、または基材と組み合わせて用いてもよい。本明細書中で用いる「基材」には、現在入手できる広範囲の天然および合成分子、例えば精油および抽出物、アルコール類、アルデヒド類およびケトン類、エーテル類およびアセタール類、エステル類およびラクトン類、大員環および複素環から選択されるすべての既知の着臭剤分子、および/または慣例的にフレグランス組成物において着臭剤と共に用いられる1種もしくは2種以上の成分もしくは賦形剤、例えば担体材料との混合物、ならびに当該分野において一般的に用いられる他の補助剤、例えば溶媒、例えばジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピルおよびクエン酸トリエチルが含まれる。
【0044】
本明細書中で用いる「フレグランス組成物」は、式(IVa)および(IVb)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物、ならびに基材、例えば慣例的に着臭剤と共に用いられる希釈剤、例えばジプロピレングリコール(DPG)、ミリスチン酸イソプロピル(IMP)、クエン酸トリエチル(REC)、フタル酸ジエチル(DEP)およびアルコール(例えばエタノール)を含むすべての組成物を意味する。
【0045】
以下のリストは既知の着臭剤分子の例を含み、それを本発明の化合物と組み合わせることができる:
・精油および抽出物、例えばオークモスアブソリュート、バジルオイル、トロピカルフルーツオイル、例えばベルガモットオイルおよびマンダリンオイルなど、マスチックアブソリュート、マートルオイル、パルマローザオイル、パチョリオイル、プチグレンオイル、ワームウッドオイル、ラベンダーオイル、ローズオイル、ジャスミンオイル、イランイランオイルおよびサンダルウッドオイル。
・アルコール類、例えばシス−3−ヘキセノール、ケイ皮アルコール、シトロネロール、エバノール(登録商標)、オイゲノール、ファルネソール、ゲラニオール、メントール、ネロール、ロジノール(rhodinol)、スーパーミュゲ(Super Muguet)(登録商標)、リナロール、フェニルエチルアルコール、サンダロール(登録商標)、テルピネオールおよびチンベロール(Timberol)(登録商標)(1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン−3−オール)。
【0046】
・アルデヒド類およびケトン類、例えばシトラール、ヒドロキシシトロネラール、リリアル(登録商標)、メチルノニルアセトアルデヒド、アニスアルデヒド、アリルイオノン、ベルベノン、ヌートカトン、ゲラニルアセトン、α−アミルケイ皮アルデヒド、ジョージーウッド(Georgywood)(登録商標)、ヒドロキシシトロネラール、イソEスーパー(登録商標)、イソラルデイン(登録商標)(メチルイオノン)、ヘディオン(登録商標)、マルトール、メチルセドリルケトンおよびバニリン。
・エーテル類およびアセタール類、例えばアンブロックス(登録商標)、ゲラニルメチルエーテル、ローズオキサイドまたはスピランブレン(Spirambrene)(登録商標)。
【0047】
・エステル類およびラクトン類、例えばベンジルアセテート、セドリルアセテート、γ−デカラクトン、ヘルベトリド(Helvetlide)(登録商標)、γ−ウンデカラクトン、ベチベニルアセテート(vetivenyl acetate)、シンナミルプロピオネート、シトロネリルアセテート、デシルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセトアセテート、シス−3−ヘキセニルイソブチレート、リナリルアセテートおよびゲラニルアセテート。
・大員環、例えばアンブレットリド、エチレンブラシレートまたはエキサルトリド(登録商標)。
・複素環、例えばイソブチルキノリン。
【0048】
式(IVa)および(IVb)で表される化合物またはそれらの混合物を、広範囲のフレグランス用途において、例えば上質の、および機能的な香水類、例えば香水、家庭用品、ランドリー製品、ボディケア用品および化粧品のすべての分野において用いることができる。化合物を、特定の用途ならびに他の着臭剤成分の性質および量に依存して、広範囲に変化する量で用いることができる。比率は、典型的に適用品の0.0001〜2重量%である。1つの態様において、本発明の化合物を、0.0001〜0.005重量%の量で柔軟剤において用いることができる。他の態様において、化合物を、アルコール性溶液中で0.01〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の量で用いることができる。しかし、これらの値は、経験のあるフレグランス製造者がまた効果を達成し得るか、またはより低い、もしくはより高い濃度、例えばフレグランス組成物を基準として約20重量%までで新規な調和を作製し得るため、例によってのみ示される。
【0049】
式(IVa)および(IVb)で表される化合物またはそれらの混合物を、消費者製品ベースにおいて、化合物、その混合またはフレグランス組成物を消費者製品ベースと直接混合することにより用いることができるか、またはこれらを、より初期の段階において、捕捉材料、例えばポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、被膜形成剤、吸収剤、例えば炭素またはゼオライト、環状オリゴ糖類およびそれらの混合物で捕捉してもよく、またはこれらを、基質に化学的に結合させ、それを、外部刺激、例えば光、酵素などを適用することによりフレグランス分子を放出し、次に適用品と混合するように適合させてもよい。
【0050】
したがって、本発明はさらに、フレグランス適用品の製造方法であって、式(IVa)および/または式(IVb)で表される化合物を、当該化合物を消費者製品ベースに直接混合することにより、または式(IVa)で表される化合物および/または式(IVb)で表される化合物またはその前駆体を含むフレグランス組成物を混合することによりフレグランス成分として包含させ、それを次に慣用の手法および方法を用いて消費者製品ベースと混合してもよいことを含む、前記方法を提供する。
【0051】
式(IVa)で表される化合物および/または式(IVb)で表される化合物の嗅覚的に許容できる量を加えることにより、消費者製品ベースの臭気ノートは改善され、増強され、または改変される。
【0052】
「前駆体」により、特に、式(IVa)または(IVb)で表される化合物の、第一アミン、第二アミン、スルフヒドリル(チオール)、ヒドロキシルおよびカルボキシルの群から選択される少なくとも1つの官能基を含み、ここで共有結合が、それぞれ式(IVa)および(IVb)で表される化合物の少なくとも1個の炭素原子と、少なくとも1つの官能基を含む前記化合物のヘテロ原子(N、SおよびO)の少なくとも1個との間で形成される化合物との反応生成物を意味する。
【0053】
他の観点において、本発明は、消費者製品ベースを改善、増強または改変する方法であって、式(IVa)および(IVb)で表される化合物またはそれらの混合物から選択される化合物の嗅覚的に許容できる量をそれに加えることによる、前記方法を提供する。
【0054】
本発明はまた、以下のもの:
a)着臭剤として、式(IVa)および(IVb)で表される化合物およびそれらの混合物から選択される化合物;ならびに
b)消費者製品ベース
を含むフレグランス適用品を提供する。
【0055】
本明細書中で用いる「消費者製品ベース」は、特定の行為、例えば洗浄すること、柔軟にすることおよびケアすることなどを達成するために消費者製品として用いるための組成物を意味する。そのような製品の例には、上質の香水類、例えば香水およびオードトワレ;織物ケア、家庭用品およびパーソナルケア用品、例えばランドリーケア洗剤、リンスコンディショナー、パーソナル洗浄組成物、食器洗い機用の洗剤、表面洗浄剤;ランドリー製品、例えば柔軟剤、漂白剤、洗剤;ボディケア用品、例えばシャンプー、シャワー用ジェル;空気ケア用品および化粧品、例えば脱臭剤、バニシングクリームが含まれる。製品のこのリストは、例示として示すものであり、いかなる方法によっても限定するものと考慮するべきではない。
【0056】
本発明をここで、以下の非限定的例を参照してさらに記載する。これらの例は説明のみの目的のためであり、変更および改変が当業者によってなされ得ることが理解される。
【0057】
例1:2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
クロトンアルデヒド(165.2g、2.36mol)、2−メチル−ペンタ−1,3−ジエン(361.6g、4.41mol)およびホルマリン(水中37%、200g、2.46mol)の混合物に、ピロリジン(16.0g、0.22mol)およびプロピオン酸(17.0g、0.23mol)の混合物を加えた。混合物をオートクレーブ中に配置し、60〜100℃に8時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCOで希釈し、MTBE(200ml)で3回抽出した。混ぜ合わせた有機層をブライン(200ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空において蒸発させた。残留物を蒸留により精製して、2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドを得た(収率50%)。沸点:50〜53℃/0.15mbar。
臭気の記載:グリーン、フレッシュ、樟脳様。
【0058】
【化13】

【0059】
例2:(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メタノール
LiAlH(0.114g、30mmol)をジエチルエーテル(20ml)に懸濁させた懸濁液に、2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド(56mmol)をジエチルエーテル(10ml)に溶解した溶液を5℃にて加えた。混合物を室温にて1時間撹拌した。0.1mlの水、0.1mlの16%水性NaOHおよび0.3mlの水を、注意深く滴加した。混合物を2時間撹拌し、次に濾過し、真空において濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メタノールを得た(収率76%)。
臭気の記載:フローラル、アヤメ様、ウッディー。
【0060】
【化14】

【0061】
例3:(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノール
臭化メチルマグネシウム(40mmol、THF中1M)の溶液に、2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド(34mmol)の溶液を10℃にて滴加した。混合物を室温にて1時間撹拌し、次に5℃に冷却した。NHClの飽和溶液を滴加し、混合物をMTBE(3×50ml)で抽出した。混ぜ合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空において濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノールを得た(収率53%)。
臭気の記載:樟脳様、ウッディー。
【0062】
【化15】

【0063】
例4:1−(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノン
(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノール(20mmol)をCHCl(40ml)に溶解した溶液に、室温にてPCC(40mmol)を加えた。混合物を室温にて一晩撹拌し、次にヘキサンで希釈し、セライトのパッドを通して濾過し、真空において濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにより精製して、1−(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)エタノンを得た(収率83%)。
臭気の記載:グリーン、フローラル、ウッディー。
【0064】
主要な(エンド)異性体:
【化16】

【0065】
例5:酢酸(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メチル
(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メタノール(3.50g、21.1mmol)、トリエチルアミン(3.83g、38mmol)および触媒量のDMAPをEtO(30ml)に溶解した溶液に、AcO(3.22g、31.6mmol)を加えた。混合物を5時間撹拌し、水上に注入し、EtOで抽出した。混ぜ合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥し、真空において蒸発させた。残留物を球から球に(bulb-to-bulb)蒸留して、酢酸(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)メチル(3.81g、86%)を無色油として得た。
臭気の記載:フローラル、ジャスミン、グレープフルーツ。
【0066】
【化17】

【0067】
例6:(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オール
例3と同様にして、(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オール(収率78%)を、2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび塩化アリルマグネシウムから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フローラルウッディー。
【0068】
【化18】

【0069】
例7:(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オン
例4に記載した一般的手順に従って、(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オン(収率56%)を、(2,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フローラル、ウッディー。
【0070】
【化19】

【0071】
例8:2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド(収率52%;沸点62〜65℃/0.15mbar)を、2−メチル−ペンタ−1,3−ジエンおよびプレナールから開始して調製した。
臭気の記載:フローラル、ウッディー、土壌様。
【0072】
【化20】

【0073】
例9:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノール
例3に記載した一般的手順に従って、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノールを、2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドから開始して92%の収率で調製した。
臭気の記載:フレッシュ、グリーン、ウッディー。
【0074】
【化21】

【0075】
例10:酢酸1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エチル
例5と同様にして、酢酸1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エチルを、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノールから開始して調製した。
臭気の記載:フローラル、香辛料様、オイゲノール。
【0076】
【化22】

【0077】
例11:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)−2−メチルプロパン−1−オール
Mg(1.2g、50mmol)、Li(0.35g、50mmol)および2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド(8.9g、50mmol)の混合物に、2−ブロモプロパン(7.5g、60mmol)を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下で24時間撹拌し、次に氷冷飽和NHCl溶液上に注入した。混合物をMTBE(3×50ml)で抽出した。混ぜ合わせた有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空において濃縮した。残留物をKugelrohrオーブン中で蒸留して、8.0g(72%)の無色油を得た。
臭気の記載:フルーティ、グリーン、グレープフルーツ、強力。
【0078】
【化23】

【0079】
例12:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)−2−メチルプロパン−1−オン
例4に記載した一般的手順に従って、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)−2−メチルプロパン−1−オンを、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)−2−メチルプロパン−1−オールから開始して調製した(収率75%)。
臭気の記載:フルーティ、グレープフルーツ、ウッディー。
【0080】
主要な(エンド)異性体:
【化24】

【0081】
例13:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノン
例4に記載した一般的手順に従って、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノン(収率70%)を、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、ウッディー。
【0082】
【化25】

【0083】
例14:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オール
例3と同様にして、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オール(収率91%)を、2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび塩化アリルマグネシウムから開始して調製した。
臭気の記載:フルーティ、フレッシュ、ウッディー。
【0084】
【化26】

【0085】
例15:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オン
例4に記載した一般的手順に従って、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オンを、1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オールから開始して、8:2の比率での2種の異性体の混合物として調製した。
臭気の記載:フルーティ、コショウ様、フレッシュ、ウッディー。
【0086】
【化27】

【0087】
例16:1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オン
1−(2,4−ジメチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−1−オン(2.5g、11.5mmol)およびトリエチルアミン(2g)をCHClに溶解した溶液を、室温にて一晩撹拌した。溶媒および過剰のトリエチルアミンを蒸発させ、残留物を球から球に蒸留して、表題化合物(80%)をわずかに黄色の油として得た。
臭気の記載:香辛料様、黒コショウ、ダマスコン、フルーティ。
【0088】
【化28】

【0089】
例17:1−(ブタ−1,3−ジエニル)−2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、2−メチル−ペンタ−1,3−ジエンおよびソルブアルデヒド(sorbic aldehyde)から開始して調製した(収率50%)。
臭気の記載:フルーティ、リンゴ、マイルドフローラル。
【0090】
【化29】

【0091】
例18:3,4−ジメチル−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、2,3−ジメチル−ブタ−1,3−ジエンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:フレッシュ、グリーン、テルペン様、フルーティ、樟脳様。
【0092】
【化30】

【0093】
例19:2−メチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、ペンタ−1,3−ジエンおよび4−メチル−ペント−2−エナールから開始して調製した。
【0094】
例20:2,4−ジメチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、2−メチルペンタ−1,3−ジエンおよび4−メチル−ペント−2−エナールから開始して調製した。9:1の比率での2種の異性体。
臭気の記載:フルーティ、リンゴ、バラの花びら、水様。
【0095】
【化31】

【0096】
例21:1−(2,4−ジメチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エニル)エタノール
例3に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、2,4−ジメチル−1−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドから開始して調製した。1:1の比率での2種の異性体。
臭気の記載:土壌様、乾燥ウッディー、樟脳様。
【0097】
【化32】

【0098】
例22:1−シクロペンテニル−2,4−ジメンチルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、2−メチルペンタ−1,3−ジエンおよび2−シクロペンチリデンアセトアルデヒドから開始して調製した(20%)。8:2の比率での2種の異性体。
臭気の記載:ミュゲ(muguet)、フルーティ。
【0099】
【化33】

【0100】
例23:4,5−ジメチル−2−(2−メチルプロパ−1−エニル)−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、アロオシメンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。(85:15の比率での2種の異性体)。
臭気の記載:わずかにフルーティ、グリーン、弱い。
【0101】
【化34】

【0102】
例24:2−メチル−4−(4−メチルペンタ−3−エニル)−1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、2−メチル−6−メチレンノナ−2,7−ジエンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した(収率50%)。
臭気の記載:ミュゲ、フルーティ。
【0103】
【化35】

【0104】
例25:4−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒドおよびペリラアルデヒド(比率5.5:3:1.5)
例1に記載した一般的手順に従って、4−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド、3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒドおよびペリラアルデヒドの混合物(比率5.5:3:1.5)を、イソプレンおよびクロトンアルデヒドから開始して得た(収率31%)。成分を、クロマトグラフィー(溶離剤ヘキサン:MTBE 50:1〜10:1)により分離した。このようにして得られたラセミ体のペリラアルデヒドの分析的データは、基準試料のものと同一であった。
混合物の臭気の記載:強力、フレッシュグリーン、フルーティ、香辛料様。
【0105】
【化36】

【0106】
例26:4−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドオキシム、3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒドオキシム(比率6:4)
4−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒドの混合物(6:4、1.5g、10mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.04g、15mmol)およびNaHCO(1.26g、15mmol)をEtOH/水(20ml、3:1)に溶解した溶液を、50℃にて4時間撹拌した。混合物を水で希釈し、MTBEで3回抽出した。混ぜ合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空において蒸発させた。4−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドオキシムおよび3−メチル−1−ビニル−シクロヘキサ−3−エン−カルバルデヒドオキシムを、球から球への蒸留の後に無色油として得た(比率6:4、収率70%)。
混合物の臭気の記載:フローラル、スミレ葉、グリーン。
【0107】
【化37】

【0108】
例27:1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物を、1,3−ブタジエンおよびプレナールから開始して調製した(収率31%)。
臭気の記載:フレッシュ、グリーン、樟脳様、ペリラアルデヒド様。
【0109】
【化38】

【0110】
例28:1−(ブタ−1−エニル)−2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率71%)を、2−メチル−ペンタ−1,3−ジエンおよび2−ヘキセナールから開始して調製した。
臭気の記載:フルーティ、リンゴ様、フローラル。
【0111】
【化39】

【0112】
例29:4−メチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび3−メチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、4−メチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび3−メチル−1−(プロパ−1−エン−2−イル)シクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドの混合物(収率31%)を、イソプレンおよびプレナールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、マンゴー、ダマスコン、プラム。
【0113】
【化40】

【0114】
例30:1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドの混合物(収率42%)を、1,3−ブタジエンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
混合物の臭気の記載:グリーン、フルーティ、リンゴ、メロン、フローラル、スミレ。
【0115】
【化41】

【0116】
例31:(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール
例2に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率85%)を、4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:香辛料様、シナモン、バラ様、フルーティ、グリーン。
【0117】
【化42】

【0118】
例32:1−(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)エタノール
例3に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率66%)を、4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:桂皮様、フルーティ、リンゴ、グリーン。
【0119】
【化43】

【0120】
例33:2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率12%)を、1,3−ブタジエンおよびプレナールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、シナモン。
【0121】
【化44】

【0122】
例34:(2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール
例2に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率92%)を、2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:金属様、フローラル、バラ様。
【0123】
【化45】

【0124】
例35:3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率40%;沸点:65〜70℃/0.54mbar)を、シクロペンタジエンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、メロン、キュウリ、リンゴ、マリン、フローラル。
【0125】
【化46】

【0126】
例36:3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドオキシム
例26と同様にして、表題化合物を、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドから開始して65%の収率で調製した。
臭気の記載:香辛料様、フローラル、弱い。
【0127】
【化47】

【0128】
例37:(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール
例2に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率53%)を、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:キュウリ、グリーン、ノナジエノール。
【0129】
【化48】

【0130】
例38:1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)エタノン
例4に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率30%)を、1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)エタノールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、フローラル、メロン。
【0131】
【化49】

【0132】
例39:5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率35%;沸点:90℃/0.41mbar)を、シクロペンタジエンおよびプレナールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、メロン。
【0133】
【化50】

【0134】
例40:(5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール
例2に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率98%)を、5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:香辛料様、ヒヤシンス、フルーティ、リンゴ、グリーン。
【0135】
【化51】

【0136】
例41:rac−1−(プロパン−2−イリデン)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率42%)を、6,6−ジメチルフルベンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:フルーティ、グリーン、ウッディー。
【0137】
【化52】

【0138】
例42:2−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドおよび3−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド(2:1の比率での混合物)。
例1に記載した一般的手順に従って、2−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドおよび3−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドの混合物(収率35%)を、メチルシクロペンタジエンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フレッシュ、香辛料様、フルーティ、クミン酸様(cuminic)、アニス様。
【0139】
【化53】

【0140】
例43:4−エチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率42%)を、シクロペンタジエンおよび2−ヘキセナールから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、弱い。
【0141】
【化54】

【0142】
例44:1,4,4a,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率19%)を、シクロヘキサジエンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:フローラル、グリーン、香辛料様、ウッディー。
【0143】
【化55】

【0144】
例45:4−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド
例1に記載した一般的手順に従って、表題化合物(収率10%)を、ミルセンおよびクロトンアルデヒドから開始して調製した。
臭気の記載:グリーン、フルーティ、脂肪様。
分析的データは、Raharivelomanana et al., Journal of Natural Products, Vol. 56(2), 1993, 272-274の参照データによる。
【0145】
例46:フレグランス組成物
フルーティ、リンゴおよび香辛料様の特徴を有するフレグランス組成物
【表1】

【0146】
この香水において、1−ビニルシクロヘキサ−3−エンカルバルデヒドおよび4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドは、天然のフレッシュな果実味(fruitiness)に生き生きしたトップノートを付与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IVb)
【化1】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキルである)から選択され;
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され;または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6イル)エタノン、式(IVb)(式中、R〜R、RおよびRは水素であり、Rはメチルまたは2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イルである)で表される化合物を除く、
で表される化合物。
【請求項2】
4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド、(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール、1−(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)エタノール、2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド、(2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドオキシム、(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール、1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6イル)エタノン、5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、(5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール、1−(プロパン−2−イリデン)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、2−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、3−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、4−エチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、1,4,4a,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド、および、4−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドから選択される、請求項1に記載の式(IVb)で表される化合物。
【請求項3】
式(IVb)
【化2】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキルである)から選択され;
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され;または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、式(IVb)(式中、R〜R、RおよびRは水素であり、Rはメチルである)で表される化合物を除く、
で表される化合物の、フレーバーまたはフレグランスとしての使用。
【請求項4】
式(IVa)
【化3】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキルである)から選択され;
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され;または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、ジオキサン、カルボニルまたはC=N−OHを形成し;
ただし、4−アセトキシメンタ−1,8−ジエンおよび式(IVa)(式中、R、R〜R、RおよびRは水素であり、Rはメチルであり、かつ、R+R’は、これらが結合している炭素原子と共にカルボニル基を形成する、または、Rは水素であり、R’はヒドロキシ基である)で表される化合物(1種または2種以上)を除く、
で表される化合物。
【請求項5】
4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド、(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール、1−(4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)エタノール、2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒド、(2−メチル−4−ビニルシクロヘキサ−1−エニル)メタノール、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒドオキシム、(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール、1−(3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6イル)エタノン、5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、(5−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−イル)メタノール、1−(プロパン−2−イリデン)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、2−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、3−メチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、4−エチル−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−6−カルバルデヒド、1,4,4a,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン−2−カルバルデヒド、および、4−(6−メチルヘプタ−1,5−ジエン−2−イル)シクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドから選択される、請求項4に記載の式(IVa)で表される化合物。
【請求項6】
式(IVa)
【化4】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキルである)から選択され;
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され;または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、カルボニル、ジオキサンまたはC=N−OHを形成し;
ただし、4−アセトキシメンタ−1,8−ジエンおよび式(IVa)(式中、R、R〜R、RおよびRは水素であり、Rはメチルであり、かつ、R+R’は、これらが結合している炭素原子と共にカルボニル基を形成し、または、Rは水素であり、R’はヒドロキシ基である)で表される化合物(1種または2種以上)を除く、
で表される化合物の、フレーバーまたはフレグランスとしての使用。
【請求項7】
消費者製品ベースを改善、増強または改変する方法であって、請求項6において定義した式(IVa)で表される化合物またはその混合物を加えることによる、前記方法。
【請求項8】
消費者製品ベースを改善、増強または改変する方法であって、請求項3において定義した式(IVb)で表される化合物またはその混合物を加えることによる、前記方法。
【請求項9】
a)着臭剤として、請求項6において定義した式(IVa)で表される化合物および請求項3において定義した式(IVb)で表される化合物およびそれらの混合物から選択される化合物;および
b)消費者製品ベース
を含む、フレグランス適用品。
【請求項10】
式B
【化5】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または、
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成する;
で表されるホルミルブタジエンを;
式C
【化6】

式中、
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基である;
で表されるジエンと反応させること、
式(Ia)で表される化合物および/または(Ib)で表される化合物
【化7】

を得ること
を含む方法であって、
メチレン化触媒およびホルマリンの存在下で、式Bで表されるホルミルブタジエンを式A
【化8】

で表されるα,β−不飽和アルデヒドからインサイチュで調製することを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
式(Ia)で表される化合物を続いて還元し、式(IIa)
【化9】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
11は、水素である、
で表される化合物を得ることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
式(Ia)で表される化合物を続いてカルボン酸ハロゲン化物および塩基の存在下でエステル化し、式(IIa)(式中、R11は、COR12(式中、R12は、水素または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルである))で表される化合物を得ることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
式(Ia)で表される化合物を続いて酸化剤の存在下で酸化し、式(IIIa)
【化10】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは独立して水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルである、
で表される化合物を得ることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
式(Ia)で表される化合物および式(IIIa)で表される化合物から選択される化合物のカルボニル基を続いて、
a)ヒドロキシルアミン;
b)メタノールもしくはエタノール;または
c)ジオール;
の存在下で変換し、式(IVa)
【化11】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは独立して水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキルである)から選択され、
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され、または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、カルボニル、ジオキサンまたはC=N−OHを形成する、
で表される化合物を得ることを含む、請求項10または13に記載の方法。
【請求項15】
式(Ib)で表される化合物を続いて還元し、式(IIb)
【化12】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは独立して水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;または、
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
11は、水素である、
で表される化合物を得ることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
式(IIb)(式中、R11は水素である)で表される化合物を続いてカルボン酸ハロゲン化物類および塩基の存在下でエステル化し、式(IIb)(式中、R11は、COR12(式中、R12は水素または直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルである))で表される化合物を得ることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
式(IIb)で表される化合物を続いて酸化剤の存在下で酸化し、式(IIIb)
【化13】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルである、
で表される化合物を得ることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
式(Ia)で表される化合物および式(IIIa)で表される化合物から選択される化合物のカルボニル基を続いて、
a)ヒドロキシルアミン;
b)メタノールもしくはエタノール;または
c)ジオール;
の存在下で変換し、式(IVb)
【化14】

式中、
は、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルであり;
は、水素、メチルまたはエチルであり;または
およびRまたはRおよびRのいずれかは、これらが結合している炭素原子と共に5員環または6員環炭素環を形成し;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルケニルから選択され;
+Rは一緒に、−(CH−(式中、nは1または2である)、−C(=C(CH)−および−C(=C(CHCH)−から選択される2価の残基であり;
10は、水素、直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルキルまたは直鎖状もしくは分枝状C〜Cアルケニルであり;
Rは、水素であり、R’は、ヒドロキシルまたは−OCOR13(式中、R13は、水素またはC〜Cアルキルである)から選択され、
RおよびR’は、メトキシおよびエトキシから選択され、または
RおよびR’は、これらが結合している炭素原子と共にジオキソラン、カルボニル、ジオキサンまたはC=N−OHを形成する、
で表される化合物を得ることを含む、請求項10または17に記載の方法。

【公表番号】特表2010−535718(P2010−535718A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519318(P2010−519318)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000337
【国際公開番号】WO2009/021342
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】